説明

半導体基板におけるドーパントの拡散を低速化する方法およびこれにより製造されたデバイス

【課題】 ひずみSi/Si1-XGeXデバイス基板において、極めて浅い接合を形成する方法およびそれによって得られる半導体構造を提供する。
【解決手段】 半導体デバイスを形成する方法(およびその結果として得られる構造)は、基板上に、ドーパントおよび少なくとも1つの種を注入するステップと、基板をアニールするステップであって、少なくとも1つの種が、基板のアニールの間のトーパントの拡散を遅らせるステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に半導体デバイスに関し、更に具体的には、ひずみSi/SiGe基板におけるデバイス(例えばN−MOSデバイス)のための接合を形成するために、ひずみSi/Ge基板においてドーパント拡散を低速化するための方法および構造に関する。
【背景技術】
【0002】
緩和Si1-XGeXバッファ層の上にひずみSiチャネル(strained Si channel)を有するひずみSi相補型金属酸化物半導体(CMOS:complementary metaloxide semiconductor)デバイスは、チャネルの電子およびホールの移動度が向上するため、従来のSi CMOSよりも優れたデバイス性能を提供し、約60nmほどに小さいデバイスについて実例が示されている(例えば、構造100を示す図1を参照のこと。これは、ゲート110と、ゲート110の各側面に形成された酸化物スペーサ120と、酸化物スペーサ120の近傍に形成された拡張接合領域130と、を含む)。
【0003】
しかしながら、約60nm以下のLeffを有するデバイスでは、拡張接合深さXjが30nm以下であることが必要とされる。SiGeにおいてドーパントが拡散すると、ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ(HBT:heterojunction bipolar transistor)内のヘテロ接合において寄生バリアを形成する場合がある。
【0004】
更に重要なことに、チャネル領域に近い接合勾配Xjsは、急峻でなければならず(<6nm/10)、拡張領域130におけるドーパント濃度は、〜1E20/cm3でなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者等は、ひずみSi/Si1-XGeX基板におけるN型金属酸化物半導体(NMOS)内のドーパント(例えばヒ素)接合では、ヒ素によって拡散が著しく増大するために、これらの浅い接合の要件を満たすのが難しいことを認識した。
【0006】
すなわち、実験により、ヒ素ドーパントの拡散率は、Si1-XGeXバッファ層におけるGe含有量の割合と共に指数的に増大することがわかっている。
【0007】
従って、電子およびホールの移動度を高めてデバイス性能を向上させるために、高い%でGe(例えば>約20%)を用いる場合、ひずみSi基板において小さい(例えば約50nm以下)NMOSデバイスの極めて浅い接合(ultra-shallow junction)を作成する際に、ひずみSi/Si1-XGeX基板におけるこのヒ素ドーパント拡散の増大が著しい障害となることを、本発明者等は認識した。
【0008】
更に、50nm以下のデバイスでは、横方向のヒ素ドーパント拡散の増大は、NMOSデバイスのソースおよびドレイン領域を短絡させ(例えば図1を参照)、デバイスを全体的に動作不能とする。
【0009】
すなわち、図1に示すように、ゲート110(例えばポリシリコン・ゲート)の中央の直下は、約1E19/cm3のヒ素ドーパント濃度である。このゲートの下の高濃度のドーパントは、拡張接合領域130からゲート領域110までのヒ素接合拡散の増大による短絡を示す。
【0010】
このため、本発明者等は、本発明の前には、ひずみSi/Si1-XGeXまたはSi1-XGeX/Siデバイス基板においてヒ素による拡散増大を低速化するための既知の技法(またはその結果として形成される構造)が存在しないことを認識した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従来の方法および構造の前述およびその他の問題、難点、欠点に鑑み、本発明の例示的な特徴は、ひずみSi/Si1-XGeXデバイス基板において、ドーパント(例えばヒ素、P、あるいはSbまたはその両方)による拡散増大を低速化するための方法および構造を提供することである。
【0012】
本発明の例示的な態様は、半導体デバイスを形成する方法を含む。この方法は、基板上に、ドーパントおよび少なくとも1つの種を注入するステップと、基板をアニールするステップであって、その少なくとも1つの種が、基板をアニールする間のドーパントの拡散を遅らせるステップと、を含む。
【0013】
具体的には、少なくとも1つの種の用量は、基板のプリアモルファス化閾値を超えるものとすれば良い。特に、少なくとも1つの種の用量は、基板のプリアモルファス化閾値の少なくとも約3倍であり、場合によっては、少なくとも1つの種の用量は、基板のプリアモルファス化閾値の少なくとも約5倍であり、または、基板のプリアモルファス化閾値の少なくとも約7倍である。
【0014】
更に、少なくとも1つの種は、ドーパントによって形成された接合(例えば拡張接合)に損傷を与えることができる。例えば、接合は、約30nm以下の厚さを有することができる。更に、接合は、ドーパントの濃度の10の変化ごとに少なくとも約5nmである勾配を有することができる。
【0015】
更に、基板は、シリコン、SiGe、およびひずみSiGeよりなる群から選択された1つを含むことができる。
【0016】
更に、少なくとも1つの種は、Xe、Ge、Si、Ar、Kr、Ne、He、およびNよりなる群から選択された少なくとも1つを含むことができ、ドーパントは、As、P、およびSbよりなる群から選択された少なくとも1つを含むことができる。加えて、ドーパントの注入は、種の注入の前および種の注入の後のいずれか一方の時期に行うことができる。
【0017】
また、この方法は、基板においてソースおよびドレイン領域を形成するステップと、ソースおよびドレイン領域の上に金属シリサイド・コンタクトを形成するステップとを更に含むことができる。例えば、ソースおよびドレイン領域の形成は、ドーパントの注入の前またはドーパントの注入の後のある時期に行うことができる。いずれの場合にも、ドーパントの注入は、種の注入の前および種の注入の後のある時期に行うことができる。
【0018】
更に、種は、ドーパントよりも少なくとも約10nmから約20nm深く注入されることができる。加えて、種は、基板において拡張領域の少なくとも一部を取り囲むための注入エネルギを有することができる。更に、種は、基板において拡張領域の少なくとも一部を取り囲む領域を生成するのに充分な第1の注入エネルギ、および、基板においてソース/ドレイン領域の少なくとも一部を取り囲む領域を生成するのに充分な第2の注入エネルギ(例えば第1の注入エネルギよりも大きい)を有することができる。あるいは、種は、基板において拡張領域の少なくとも一部およびソース/ドレイン領域の少なくとも一部を取り囲む領域を生成するのに充分な注入エネルギを有することができる。
【0019】
本発明の別の態様は、ドーパントの熱拡散を低減する方法を含む。この方法は、基板上にドーパントを注入するステップと、このドーパントと共に第2の種として、基板上に少なくとも1つの種を注入するステップと、基板をアニールするステップであって、少なくとも1つの種が、基板をアニールする間のドーパントの拡散を遅らせるステップと、を含む。
【0020】
例えば、基板のアニールは、ドーパントの注入および種の注入の後に実行することができる。更に、ドーパントの注入は、少なくとも1つの種の注入の後に実行することも可能である。その場合、この方法は、種の注入の後およびドーパントの注入の前に基板をアニールするステップを更に含むことができる。
【0021】
本発明の別の態様は、半導体基板において接合を形成する方法を含む。この方法は、基板上にドーパントを注入するステップと、このドーパントと共に第2の種として、基板上に少なくとも1つの種を注入するステップと、基板をアニールするステップであって、その少なくとも1つの種が、基板をアニールする間のドーパントの拡散を遅らせるステップと、を含む。
【0022】
本発明の別の態様は、半導体デバイスを含む。このデバイスは、半導体基板と、基板に形成されて接合を画定するドーパントと、このドーパントと共に第2の種として、ドーパントの拡散を遅らせるのに充分な濃度で基板に形成された種とを含む。このデバイスは、チャネルの上に形成されたゲートと、第1および第2の材料に隣接して形成されたソースおよびドレイン領域と、ソースおよびドレイン領域の上に形成されたコンタクトとを更に含むことができる。
【0023】
例えば、接合は、約30nm以下の厚さを有し、ドーパントの濃度の10の変化ごとに少なくとも約5nmである勾配を有することができる。更に、基板は、シリコン、SiGe、およびひずみSiよりなる群から選択される1つを含むことができる。例えば、SiGeは、緩和SiGeおよびひずみSiGeのいずれか一方を含むことができる。更に、ひずみSiGeが、圧縮ひずみおよび引張りひずみのいずれか一方のもとにあるSiGeを含む場合がある。
【0024】
従って、本発明の例示的な特徴の独特かつ明確でない組み合わせによって、本発明は、Si/Si1-XGeXデバイス基板におけるヒ素拡散の増大を低速化するための方法および構造を提供する。また、本発明は、シリコン基板およびひずみSi1-XGeX/Siに適用することも可能である。
【0025】
前述およびその他の例示的な目的、態様、および利点は、添付図面を参照した本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明から、より良く理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
ここで図面、更に具体的には図2〜26を参照すると、本発明による方法および構造の例示的な実施形態が図示されている。
【0027】
全体的に、本発明による例示的な技法は、基板上での少なくとも1つの原子/イオン種(例えば、1つまたは複数の原子/イオン種)の注入を有利に用いる。例えば、原子/イオン種は、不活性の種(例えばXe、Ge、Si、Ar、Kr、Ne、He、またはN)を含むことができ、デバイス・ドーパントの近傍に注入することができる(例えば、本発明全体を通じてヒ素を想定するが、上述のように、ドーパントは、PあるいはSbまたはその両方とすることも可能である)。具体的には、原子/イオン種は、基板(例えばひずみSi/Si1-XGeX基板)の拡張領域(例えば拡張接合領域)あるいはソース/ドレイン領域(例えばソース/ドレイン接合領域)またはその両方の近傍に注入することができる。
【0028】
具体的には、ヒ素ドーパントの近傍の原子/イオン種によって生成される過剰な侵入型(interstitial)および空格子点シンク(vacancysink)が、拡張接合領域またはヒ素拡張領域またはソース/ドレイン接合領域の双方において垂直および横方向の双方のヒ素による拡散増大を低速化するのに役立つことを、本発明者等は発見した。
【0029】
このため、本発明の方法は、30nm以下(例えば、本発明は、約20nm〜約30nmの範囲の接合深さを示している)の極めて浅いヒ素接合を、ひずみSi/Si1-XGeX基板に形成することを可能とし、デバイス・チャネル領域内への望ましくない横方向のヒ素拡散を防ぐ。
【0030】
このように、本発明は、ひずみSi/Si1-XGeX基板に、高性能の50nm以下のNMOSデバイスを製造することを可能とする。ひずみ基板は、引張りひずみまたは圧縮ひずみがかかっている場合がある留意すべきである。同様の理由で、SiGeは緩和している可能性がある。これがひずみであることは要件ではない。
【0031】
ここで図2に移ると、図2は、本発明によって形成される構造200を示す。図示のように、構造(例えば例示的なNMOSデバイス)200は、基板210(例えば、シリコン等で形成すると好ましい)と、Si基板210を覆うように(例えばその上に)形成された緩和Si1-X/GeX層220と、を含む。Si/Ge層220は傾斜層(graded layer)であり、その結晶格子は、基板210の上面から離れて延びる方向において緩和が進み、Geの濃度は、基板210の上面から離れる方向において増大する。
【0032】
ヒ素拡張領域240の下に、比較的不活性の原子/イオン種(例えばXe、Ge、Si、Ar、Kr、Ne、He、およびN)230注入(implant)が形成され、ヒ素拡張240の第1および第2の表面を囲むように形成されている(例えば、非参照であるが、図2において、ヒ素拡張領域240の下面および側面)。
【0033】
更に、好ましくは、原子/イオン種は、用いられているドーパント以外から選択する(例えば、この例示的な用途では、原子/イオン種は、Asドーパント以外であるように選択すると好ましい)。
【0034】
隣接するヒ素拡張領域240の対向する側面間に、ひずみシリコン・チャネル250が形成され、これに原子/イオン種が接している。
【0035】
ひずみシリコン・チャネル250の上に、ゲート270(例えば、ポリシリコン、金属等で形成されている)が形成されている。ゲート270とチャネル250との間に、ゲート酸化物260が形成されている。デバイス間に、ソースおよびドレインに隣接して、誘電体等で形成された浅いトレンチ分離(STI:shallow trench isolation)290が形成されている。
【0036】
従って、図2に例示的に示すように、拡張領域240にヒ素ドーパントを注入した後、ひずみSi/Si1-XGeX基板におけるNMOSデバイスのヒ素拡張接合領域の周囲(例えば、少なくともその一部の周囲)に、原子/イオン種(例えばXe、Si等)注入種を注入する。
【0037】
XeまたはSiの注入領域は、注入深さとしてはヒ素ドーパントのものよりも約10から約20nm深く、XeまたはSi原子/イオン注入種が過剰な侵入型および空格子点シンクを生成し、これによって、ヒ素拡張領域240の接合のアニールの間にヒ素ドーパントのごく近傍での空格子点数を減少させるようになっている。
【0038】
このようにして、ヒ素ドーパント拡散を大幅に低減させ、ひずみSi/Si1-XGeX基板におけるNMOSデバイス内で、はるかに浅いヒ素接合を形成することができる。
【0039】
従って、%Ge>20%のひずみSi/Si1-XGeXにおけるヒ素による拡散増大の機構は、主に、Si1-XGeX層における空格子点数の多さ、および、それに対応するヒ素拡散の空格子点成分の増大による。
【0040】
上述のように、本発明の例示的な態様は、ひずみSi/Si1-XGeX基板において、デバイス拡張接合領域またはヒ素デバイス拡張およびソース・ドレイン接合領域における原子/イオン種(例えばXe、Ge、Si、Ar、Kr、Ne、He、およびN)の注入を用いている。
【0041】
本発明は上述の種に限定されず、基板においてドーパント(例えば、例示的な実施形態ではヒ素であるが、ドーパントは例えばPあるいはSbまたはその両方を含む場合がある)の拡散を遅らせるならば、いかなる種も使用可能であることに留意すべきである。更に、原子/イオン種は、小さいよりも大きい方が一般的に好ましい。
【0042】
高速熱アニール(RTA:rapid thermal anneal)の間、原子/イオン種によって生成された過剰な侵入型および空格子点シンクは、空格子点数を減らすのに役立ち、従って、ひずみSi/Si1-XGeX基板におけるヒ素拡散を遅らせる。
【0043】
図2の断面A−A’に沿って、ひずみSi/Si1-XGeX基板においてヒ素接合拡散を低速化させる一例を、ヒ素拡散接合と共に注入した第2の種としてXeまたはSiを用いる場合または用いない場合について、図3に示すように、ヒ素ドーパント接合プロファイルの比較において明らかにする。
【0044】
すなわち、図3は、実験データ(SIMSプロファイル)を示し、XeまたはSi種の注入による、ひずみSi/Si1-XGeXにおけるAsドーパント拡散の低速化を示している。これらの実験において、ひずみSi/Si1-XGeXの上に、5nmのシリコン・キャップで50nmの低温酸化膜(LTO:lowtemperature oxide)を形成した。x=30%である。
【0045】
すなわち、これらの例において、ひずみSiキャップ厚さは、〜5nmであった。Si1-XGeX緩和バッファ層におけるGe含有量は、〜30%である。ヒ素接合注入は、約1E15/cm2用量で約1kVであった。XeまたはSiである第2の種は、それらの注入範囲が、注入範囲として1kVで注入されたヒ素よりも〜10nm深いようになっていた。XeまたはSiである第2の種の注入用量は、それぞれ約5E14/cm2または約5E15/cm2であった。
【0046】
これらの用量は、原子/イオン種(例えばXeまたはSi種)のプリアモルファス化(preamorphization)閾値用量よりも多い(例えば、はるかに多いことが好ましい)と有利であり、充分な量の過剰な侵入型および空格子点シンクを発生して、ヒ素ドーパントの動きを低速化するようになっている。
【0047】
すなわち、本出願の目的のため、「プリアモルファス化閾値」が意味するのは、結晶格子がほぼ完全にランダムな(例えば「損傷を受けた」)パターンに変換される用量であり、これによってアモルファス構造が生じる。
【0048】
このため、どの原子/種を用いても、かかる変換を可能とするために、用量はプリアモルファス化閾値よりも多く(例えば、はるかに多いことが好ましい)しなければならない。本出願を全体として利用する当業者にはわかるであろうが、プリアモルファス化閾値は、どの種/原子を採用するかによって異なる。原子が大きい方が、生成される損傷(例えば過剰な侵入型および空格子点シンク等)は大きくなり、このため、用いる全用量を少なくすることができる。
【0049】
逆に、原子が小さければ、生成される損傷は比較的軽く、このため、用いる用量を大きくしてプリアモルファス化閾値を達成する。従って、どの原子を用いても、プリアモルファス化閾値を満足させるための用量よりも多い(例えば、好ましくは少なくとも約3倍、多くの場合、より好ましくは少なくとも約5倍、最も好ましくは約7倍多い)用量を選択する。
【0050】
このため、例えば、キセノンでは、プリアモルファス化閾値用量は、約1E14/cm2である。このため、キセノンの用量は、少なくとも約3E14/cm2とすることができる(例えば約3E14/cm2から約5E14/cm2)。更に、シリコンでは、プリアモルファス化閾値用量は、約1E15/cm2である。このため、シリコンの用量は、少なくとも約3E15/cm2とすることができる(例えば、約3E15/cm2から約5E15/cm2)。
【0051】
再び注記すると、本発明は、典型的な用量を用いた注入種を用い、損傷を生じさせ、この結果として侵入型および空格子点シンクが生じ、これがドーパント移動度の低速化を可能とすると概括することができる。
【0052】
更に、注入種は、好ましくは、接合注入(例えば、例示的な場合はヒ素)の比較的近傍に形成される。このため、例えば、注入種(例えばXe、Si等)は、As接合注入プロファイルから約100Å領域から約200Åの領域内とすることができる。
【0053】
すなわち、As接合プロファイルが約100Å以上である場合、種(例えばXe)のピークは、約100Å領域または約300Å領域(例えば、そのすぐ裏側)に注入することができる。
【0054】
そして、ヒ素接合およびXe(またはSiまたは他の種)の共同注入に、好ましくは約800から約1100℃内の範囲で、約1秒から約5秒、高速アニールを行って、注入損傷を取り除くと共にドーパントを活性化させる。
【0055】
かかるアニールのため、高速熱アニール(RTA)(または「スパイク・アニール(spike annealing)」)を採用することができる。極めて短い時間期間(実際には、例えば特定のRTAツールが達成可能なものに規定され限定される短い時間期間)で、高温(例えば約1100℃)を直ちに達成する。かかるRTAまたは「スパイク・アニール」のため、フラッシュ・ランプ(例えばハロゲン・ランプ、レーザ光等)を採用可能である。図3の例では、RTA条件は、100%アルゴン中において1000℃/1秒であった。
【0056】
図3に示すように、超高化学気相付着(UHCVD:ultra-high chemical vapor deposition)ひずみSi/Si1-XGeX(x〜20%)によりXeまたはSi種の注入を行うと、第2の種(例えばXe、Si等)の注入が行われないAs接合と比較して、ヒ素接合拡散が著しく低減したが、XeまたはSi種を注入しない場合、1E18/cm3ドーパント濃度におけるヒ素接合深さは、〜85nmであった。Xe種では、As接合深さは、〜30nmであった。Si種注入では、As接合は、〜50nmであった。
【0057】
従って、この例によって、Xe種の注入によってヒ素接合深さを低減可能である(例えば、ほぼ3分の1に)ことが実証された。種(例えばXe、Si等)の共注入(co−implant)により達成される約30nmのヒ素の浅い接合深さによって、ひずみSi/Si1-XGeX基板に、高性能の50nm以下のNMOSデバイスを製造することができる。
【0058】
例えば、図4は、超高化学気相付着(UHCVD)ひずみSi/Si1-XGeX(x=20%)を含む構造において、Xe種注入を用いる場合と用いない場合とで形成した2つの接合についてのヒ素接合プロファイルを示す。約20nmのSiキャップも用いた。RTA条件は、100%アルゴン中において1000℃/5秒であった。
【0059】
接合の質は、接合の浅さおよび接合の急峻さ(例えば勾配の鋭さ)によって規定することができることは理解されよう。図4は、かかる改良した品質の接合を示し、具体的には、Xe種の注入された接合は、ドーパントの深さが約20nmであり、勾配がドーパント濃度の10の変化ごとに5nm(例えば接合の近傍において)であり、これは、従来の接合よりもはるかに改善されている。
【0060】
以下に、図5〜26を参照して、本発明の例示的な方法を組み込んでひずみSi/Si1-XGeX基板において高性能の50nm以下のNMOSデバイスを作成するための、様々な例示的なプロセス・フローを説明する。
【0061】
第1の例示的な技法
【0062】
図5〜9は、本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第1の例示的な技法の処理ステップを示す。図9は、図5〜8の例示的な技法のフローチャート400を示す。
【0063】
まず、図5において、更に図9に示すステップ410において、ヒ素拡張注入440を形成する。図示のように、注入440は構造400に形成され、これは図2に示した構造200に若干似ている。
【0064】
すなわち、構造400は、基板410(例えばシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI:silicon-on-insulator)等で形成すると好ましい)と、基板410を覆うように(例えばその上に)形成された緩和Si1-X/GeX層420と、を含む。Si/Ge層420は傾斜層であり、Si/Ge層におけるGe濃度が基板410の上面から離れる方向において増大する結果として、層420の結晶格子は、基板410の上面から離れる方向において緩和が進む。
【0065】
隣接するヒ素拡張440の対向する側面間に、ひずみシリコン・チャネル450を形成する。
【0066】
ひずみシリコン・チャネル450の上に、ゲート470(例えば、ポリシリコン、金属等で形成する)を形成する。ゲート470とチャネル450との間に、ゲート酸化物460を形成する。デバイス間に、ソースおよびドレインに隣接して、誘電体等で形成した浅いトレンチ分離(STI)490を形成する。
【0067】
図6に示すように、拡張領域440にヒ素ドーパントを注入した後、ひずみSi/Si1-XGeX基板におけるNMOSデバイスのヒ素拡張接合440領域の周囲(例えば、少なくともその一部の周囲)に、原子/イオン種(例えばXe、Si等)を注入する。(この例では、XeまたはSiを用いたと仮定する。)
【0068】
図6において(および図9に示すステップ420において)、上述のように、原子/イオン種(Xe、Ge、Si、Ar、Kr、Ne、He、およびN)注入430を形成する。図示のように、原子/イオン注入430は、ヒ素拡張440の下に形成され、ひずみシリコン・チャネル450とヒ素拡張440との間に垂直に形成された「縁部(lip)」を有する。このため、原子/イオン種注入は、L型(断面において)を有することができる。従って、ヒ素拡張440の少なくとも2つの側面は、原子/イオン種注入によって囲まれる。
【0069】
更に、基板上に注入された原子/イオン種は、ヒ素ドーパントの近傍に空格子点シンクを生成する。原子/イオン種によって生成された空格子点シンクの存在によって、ヒ素ドーパントの近傍の空格子点が除去され、これによってヒ素拡散を遅延(例えば低速化)させる。
【0070】
本発明のメカニズムについての別の可能な説明は、原子/イオン種が、ドーパントの空格子点に対する結合力よりも、空格子点に対する強い結合力を有し得るということである。また、GeあるいはSi原子またはその両方のドーパントに対する結合力よりも、原子/イオン種はドーパントに対して強い結合力を有し得ることが理論化されている。しかしながら、これらの理論は、いかなる意味でも本発明を限定すると見なされるものではない。
【0071】
そして、図7において(および図9に示すように、ステップ430において)、スペーサ495を形成し、また、ソース/ドレイン注入を行い、これによってソース496およびドレイン497を形成する。その後、ソース/ドレインのアニールを実行する。
【0072】
従来の技術およびデバイスでは、通常、ヒ素注入ステップの後に(例えばステップ410の後に)アニールを行うことに留意すべきである。このため、従来の方法では、ヒ素注入の後に拡張接合アニールを行う。
【0073】
これに対して、本発明では、ヒ素注入の後にアニールの実行は必要でない。その代わり、本発明は、スペーサ495およびソース496/ドレイン497注入が所定の位置に配された後まで、アニールを遅らせることができる。
【0074】
図8において(および図9に図示するステップ440において)、ソース496およびドレイン497を覆うようにシリサイド・コンタクト498を形成し、これによって、デバイスが完成する。
【0075】
従って、本発明のこの例示的な技法によって、極めて浅い接合(例えば30nm以下)を形成することができる。従来の技術を考えると、本発明によって必ずしもステップを減らすことはできない場合があるが、このような極めて浅い接合を得るための追加ステップは必要でなく、本発明は、極めて便利な方法(例えばコストが低い)を用いて極めて浅い接合を提供することに留意すべきである。
【0076】
いくつかの従来の技法では、共注入(co−implant)を用いている注入パターンがいくつかあるが、そこでは注入は次々に(例えば順次)実行していることに留意すべきである。
【0077】
しかしながら、本発明がこれらの技法と大きく異なっている点は、良好な勾配(例えば、ドーパント濃度の10の変化ごとに約5nm)を有する極めて浅い接合(例えば厚さ約20nm)を形成することができ、また、本発明のかかる注入は、ひずみシリコン(またはシリコン)において実行されていることである。
【0078】
本発明は、Si1-XGeX層について、広い範囲のGe組成に適用可能である(例えば、x=約0.14からx=約0.75)。
【0079】
第2の例示的な技法
【0080】
図10〜13は、本発明によるCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第2の例示的な技法の処理ステップを示す。図14は、図10〜13の例示的な技法のフローチャート500を示す。
【0081】
第2の例示的な技法は、(例えば図5〜8の)第1の例示的な技法と同様であるが、第1の技法の第1および第2のステップを逆にする点が異なる。
【0082】
すなわち、図10に例示的に示すように、まず、原子/イオン種(例えばXe、Si等)を注入する。
【0083】
次いで、ステップ520において、また図11に示すように、ひずみSi/Si1-XGeX基板におけるNMOSデバイスのヒ素拡張接合領域540を形成する。
【0084】
次いで、ステップ430と同様に、図12(および、図14に示すステップ530において)、スペーサ595を形成し、更に、ソース/ドレイン注入を実行し、これによって、ソース596およびドレイン597を形成する。その後、ソース/ドレインのアニールを実行する。
【0085】
図8および図9のステップ440と同様に、図13において(および、図14に示すステップ540において)、ソース596およびドレイン597を覆うようにコンタクト598を形成し、これによってデバイスを完成する。
【0086】
従って、繰り返すと、第2の技法は第1の技法と同様であるが、ヒ素注入および第2の種の注入の順序が逆になっている。このため、設計者は、極めて浅い接合を形成する際に、ある程度の柔軟性を有する。
【0087】
ステップ510(例えば、原子/イオン種注入の実行)の後、As拡張注入を形成するステップ520の前、アニールを直後に任意に実行して、種の注入によって生じた損傷を除去可能であることに留意すべきである。かかるアニールは、接合がまだ形成されていないため、比較的高い温度のアニールとすることができる(例えば、約5秒間まで等の適切な時間、約950℃と約1100℃との間で実行される高速熱アニール、)。その後、ステップ520等(最終的なソース/ドレインのアニールの実行を含む)を実行することができる。
【0088】
第3の例示的な技法
【0089】
図15〜18は、本発明によるCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第3の例示的な技法の処理ステップを示す。図19は、図15〜18の例示的な技法のフローチャート600を示す。
【0090】
第3の例示的な技法は、第1および第2技法と多少似ているが、異なる点は、種の注入が、厚さをやや大きくして行われ、ソースおよびドレイン領域ならびにヒ素注入拡張を取り囲む(例えば封入する)(例えば少なくともその一部を取り囲む)ことである。
【0091】
まず、図15において、および図19に図示するステップ610において、ヒ素拡張注入640を形成する。図示のように、注入640は構造600に形成され、これは図2の構造200に若干似ている。
【0092】
すなわち、構造600は、基板610(例えば、好ましくはシリコン、シリコン・オン・インシュレータ等で形成される)と、基板610を覆うように(例えばその上に)形成された緩和Si1-X/GeX層620と、を含む。Si/Ge層620は傾斜層であり、その結晶格子は、基板610の上面から離れる方向において緩和が進む。
【0093】
隣接するヒ素拡張640の対向する側面間に、ひずみシリコン・チャネル650を形成する。
【0094】
ひずみシリコン・チャネル650の上に、ゲート670(例えば、ポリシリコン、金属等で形成される)を形成する。ゲート670とチャネル650との間に、ゲート酸化物660を形成する。デバイス間に、ソースおよびドレインに隣接して、誘電体等で形成した浅いトレンチ分離(STI)690を形成する。
【0095】
図16に例示的に示すように(および図19に図示するステップ620において)、拡張領域640にヒ素ドーパントを注入した後、ひずみSi/Si1-XGeX基板におけるNMOSデバイスのヒ素拡張接合640領域の周囲(例えば少なくともその一部の周囲)に、原子/イオン種(例えばXe、Si等)を注入する。
【0096】
次いで、図17において(および図19に図示するステップ630において)、スペーサ695を形成し、更に、ソース/ドレイン注入を実行して、これによって、ソース696およびドレイン697を形成する。その後、ソース/ドレインのアニールを実行する。
【0097】
原子/イオン種の注入は、拡張およびソース/ドレイン領域を取り囲む/封入する(例えば少なくともその一部を取り囲む)ことに留意すべきである。すなわち、拡張はヒ素注入であり、ソース/ドレインもヒ素注入である。これが意味するのは、拡張注入およびソース/ドレイン領域注入の双方から、ヒ素拡散の増大が生じるということである。このため、ヒ素イオンはチャネル領域内に拡散する可能性があり、または、ソース/ドレインさえ極めて急速に拡散して最初に拡張の存在を薄くしてしまう(overshadow)場合がある。
【0098】
種の注入が比較的深い場合、ソース/ドレイン領域におけるヒ素拡散およびヒ素拡張におけるヒ素拡散を、種の注入によってこれを囲む(例えば少なくともその一部を囲む)ことによって止めることができ、いっそうの制御が得られる。このため、第1および第2の例示的な技法とは異なり、第3の技法は、ヒ素拡張およびソース/ドレインの双方においてヒ素拡散を低速化することができ、これによって更に良好なデバイスを提供する。
【0099】
図3に示すように、ソース/ドレインが種注入よりも深いことは明らかである。これと比べて、図15の構造では、ソース/ドレイン(およびヒ素拡張)が、種注入によって囲まれている(例えば少なくともその一部が囲まれている)。
【0100】
図18において(および図19に図示するステップ640において)、ソース696およびドレイン697を覆うようにコンタクト698を形成し、これによってデバイスを完成する。
【0101】
第4の例示的な技法
【0102】
図20〜25は、本発明によるCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第4の例示的な技法の処理ステップを示す。図26は、図20〜25の例示的な技法のフローチャート700を示す。
【0103】
この例示的な技法は、異なる形成シーケンスを用いる以外は、第1の技法(例えば図5〜8に示す)と同様である。すなわち、ソース/ドレインを形成する際に、注入マスクとして使い捨て(disposable)スペーサを用い、ソース/ドレインを形成する順序が前述した技法のものとは逆である。このため、第4の例示的な技法においては、ソース/ドレインを最初に形成し、その後、ヒ素拡張を形成し、種注入を行い、スペーサを形成し、シリサイド・コンタクトを形成する。
【0104】
まず、図20において、および図26に示すステップ710において、ゲート770に隣接して、使い捨てスペーサ795Aを形成する。
【0105】
すなわち、図20の構造は、基板710(例えば、好ましくはシリコン、シリコン・オン・インシュレータ等で形成される)と、基板710を覆うように(例えばその上に)形成された緩和Si1-X/GeX層720と、含む。Si/Ge層720は、好ましくは傾斜層であり、その結晶格子は、基板710の上面から離れる方向において緩和が進む。
【0106】
ゲート770の下に、ひずみシリコン・チャネル750を形成する。
【0107】
ゲート770(例えば、ポリシリコン、金属等で形成する)は、ひずみシリコン・チャネル750の上に形成されている。ゲート770とチャネル750との間に、ゲート酸化物760を形成する。デバイス間に、誘電体等で形成した浅いトレンチ分離(STI)790を形成する。
【0108】
使い捨てスペーサ795Aは、ソース/ドレインを形成するためのものであり、ヒ素接合拡張を形成する領域をマスクする。
【0109】
図21(および図26のステップ720)に示すように、ソース796/ドレイン797接合を形成する。
【0110】
図22(および図26のステップ730)において、使い捨てスペーサ795Aを除去し、拡張領域740を形成するため、(例えばヒ素によって)拡張接合注入を形成する。
【0111】
図23に例示的に示すように、使い捨てスペーサ795Aを除去して拡張領域740にヒ素ドーパントを注入した後、ひずみSi/Si1-XGeX基板におけるNMOSデバイスのヒ素拡張接合740領域の周囲に、原子/イオン種(例えばXe、Si等)を注入する。
【0112】
図23において(および図26に示すステップ740において)、種(例えばXe、Ge、Si、Ar、Kr、Ne、He、およびN)注入730を形成する。
【0113】
そして、図24において(および図26に示すステップ750において)、スペーサ795Bを形成し、更に、ソース/ドレイン注入を実行し、これによってソース796およびドレイン797を形成する。その後、ソース/ドレインのアニールを実行する。
【0114】
図25において(および図26に示すように、ステップ760において)、ソース796およびドレイン797を覆うようにコンタクト798を形成し、これによってデバイスを完成させる。
【0115】
第3の例示的な技法(例えば図15〜図18に示すように)と同様な処理を用いて、原子/イオン種注入を比較的深く行ない、拡張およびソース/ドレイン領域を取り囲む/包囲する(例えば少なくともその一部を取り囲む)ことが可能であることに留意すべきである。
【0116】
従って、本発明の技法によって、ひずみシリコン(またはシリコン)において極めて浅い接合を形成することができる。これは、本発明の以前には達成されていない。
【0117】
本発明は、いくつかの例示的な実施形態に関連付けて説明したが、特許請求の精神および範囲内で本発明を変形して実施可能であることは、当業者には理解されよう。
【0118】
更に、出願人は、手続き中に補正された場合であっても、全ての請求要素の均等物を包含することを意図することに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】ヒ素ドーパント濃度が増大するにつれて、拡張接合領域130からゲート領域110へのヒ素接合拡散の増大による短絡が起こり得ることを示すグラフ(および構造100)を示す。
【図2】本発明の例示的な実施形態に従って形成された構造200を示す。
【図3】本発明の例示的な技法による、原子/イオン種(例えばXe、Si等)を用いた場合(および用いない場合)のヒ素接合プロファイルの比較を示す。
【図4】本発明の例示的な態様に従って形成した接合のプロファイルを示す。
【図5】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第1の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図6】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第1の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図7】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第1の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図8】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第1の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図9】図5〜8の例示的な技法のフローチャート400を示す。
【図10】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第2の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図11】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第2の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図12】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第2の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図13】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第2の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図14】図10〜13の例示的な技法のフローチャート500を示す。
【図15】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第3の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図16】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第3の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図17】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第3の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図18】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第3の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図19】図15〜18の例示的な技法のフローチャート600を示す。
【図20】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第4の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図21】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第4の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図22】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第4の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図23】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第4の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図24】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第4の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図25】本発明に従ってCMOS(例えばNMOS)デバイスを形成する第4の例示的な技法の処理ステップを示す。
【図26】図20〜25の例示的な技法のフローチャート700を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスを形成する方法であって、基板上に、ドーパントおよび少なくとも1つの種を注入するステップと、前記基板をアニールするステップであって、前記少なくとも1つの種が、前記基板をアニールする間の前記ドーパントの拡散を遅らせるステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの種の用量が前記基板のプリアモルファス化閾値を超えている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの種の用量が前記基板のプリアモルファス化閾値の少なくとも約3倍である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの種の用量が前記基板のプリアモルファス化閾値の少なくとも約5倍である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの種の用量が前記基板のプリアモルファス化閾値の少なくとも約7倍である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの種が、前記ドーパントによって形成された接合に損傷を与える、前出のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記接合が約30nm以下の厚さを有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記接合が、前記ドーパントの濃度の10の変化ごとに少なくとも約5nmである勾配を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記基板が、シリコン、SiGe、ひずみSi、およびひずみSiGeよりなる群から選択される少なくとも1つを含む、前出の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの種が、Xe、Ge、Si、Ar、Kr、Ne、He、およびNよりなる群から選択される少なくとも1つを含む、前出の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記ドーパントが、As、P、およびSbよりなる群から選択される少なくとも1つを含む、前出の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記ドーパントの注入が、前記種の注入の前および前記種の注入の後のいずれか一方の時期に行われる、前出の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記基板においてソースおよびドレイン領域を形成するステップと、前記ソースおよびドレイン領域の上に金属シリサイド・コンタクトを形成するステップとを更に含む、前出の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記ソースおよびドレイン領域の形成が、前記ドーパントの注入の前である時期に行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ソースおよびドレイン領域の形成が、前記ドーパントの注入の後である時期に行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ドーパントのが、前記種の注入の前および前記種の注入の後のいずれか一方の時期に行われる、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記種の注入が、前記ドーパントの注入よりも少なくとも約10nmから約20nm深く行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記種が、前記基板において拡張領域の少なくとも一部を取り囲む領域を生成するのに充分な注入エネルギを有する、前出の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記種が、前記基板において拡張領域の少なくとも一部を取り囲む領域を生成するのに充分な第1の注入エネルギ、および、前記基板においてソース/ドレイン領域の少なくとも一部を取り囲む領域を生成するのに充分な第2の注入エネルギを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記種が、前記基板において拡張領域の少なくとも一部およびソース/ドレイン領域の少なくとも一部を取り囲む領域を生成するのに充分な注入エネルギを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記基板のアニールが、前記ドーパントの注入および前記種の注入の後に実行される、前出の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記ドーパントの注入が、前記少なくとも1つの種の注入の後に実行され、前記方法が、前記種の注入の後および前記ドーパントの注入の前に前記基板をアニールするステップを更に含む、前出の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
半導体基板において浅く急峻な接合を形成する方法であって、基板上にドーパントを注入するステップと、前記基板のプリアモルファス化閾値をはるかに超える用量で、前記ドーパントの近傍に少なくとも1つの種を注入するステップと、前記基板をアニールするステップであって、前記少なくとも1つの種が、前記基板をアニールする間の前記ドーパントの拡散を遅らせて、浅く急峻な接合を形成するステップとを含む、方法。
【請求項24】
半導体デバイスであって、半導体基板と、前記基板に形成されて接合を画定するドーパントと、前記接合の近傍に、前記基板のプリアモルファス化閾値をはるかに超える濃度で形成された種とを含む、半導体デバイス。
【請求項25】
前記ドーパントおよび前記種に隣接して形成されたソース領域およびドレイン領域と、前記ソースおよびドレイン領域間に形成されたチャネルと、前記チャネルの上に形成されたゲートと、前記ソースおよびドレイン領域の上に形成されたコンタクトとを更に含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記種の領域が前記接合の少なくとも一部を取り囲む、請求項24または25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記種の領域が、前記接合の少なくとも一部ならびに前記ソースおよびドレイン領域の少なくとも一部を取り囲む、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記接合が、約30nm以下の厚さを有し、ドーパントの濃度の10の変化ごとに少なくとも約5nmである勾配を有する、請求項24に記載のデバイス。
【請求項29】
前記基板が、シリコン、SiGe、およびひずみSiよりなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項30】
前記SiGeが緩和SiGeおよびひずみSiGeのいずれか一方を含む、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記ひずみSiGeが、圧縮ひずみおよび引張りひずみのいずれか一方のもとにあるSiGeを含む、請求項30に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2007−500433(P2007−500433A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521575(P2006−521575)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051588
【国際公開番号】WO2005/013344
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】