説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】複数の強誘電体キャパシタによる凹凸形状の影響を受けてキャパシタを被覆する水素バリア膜の水素拡散阻止能力が劣化すること、および強誘電体キャパシタの分極特性がばらつくことを防止する半導体記憶装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板1上に形成された強誘電体キャパシタ19を被覆する層間絶縁膜20として、ペロブスカイト型金属酸化物絶縁体、ビスマス層状ペロブスカイト型酸化物強誘電体などのような金属酸化物を含む絶縁体からなる膜を用いる。このような膜はスピンコート法で形成できるので容易にその表面が平坦な膜が得られ、従ってその上に形成される水素バリア膜22の膜厚も一様となって水素拡散阻止能力が維持できる。また膜20は酸素が透過しやすい性質を有するので、酸素熱処理により強誘電体キャパシタ19における分極特性のばらつきも十分防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置のうち、特に強誘電体材料膜をキャパシタの容量絶縁膜に用いた半導体記憶装置のメモリセル構造およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化と携帯端末の進化に伴い、書き換え可能なフラッシュメモリやFRAMに代表される強誘電体メモリなどの不揮発性メモリの用途が拡大している。特に強誘電体メモリはフラッシュメモリとは違って情報の書き換え動作に要する電力が少なくて済み、またバッテリーレスでも記憶を保持することができると共に高速動作が可能であるため、非接触カード(RF−ID(Radio Frequency-Identification)カード)への展開が始まりつつある。強誘電体メモリはこれだけではなく、既存のSRAM、DRAM、あるいはフラッシュメモリ等との置き換えやさらにはロジック混載メモリ応用等への期待も大きい半導体記憶装置と位置づけられている。
【0003】
このような強誘電体メモリのメモリセルに用いられているキャパシタは、代表的には上下容量電極に白金(Pt)膜を用い、容量絶縁膜としての強誘電体膜にPZT:Pb(ZrxTi1-x)O3、BIT:Bi4Ti312、またはSBT:SrBi2Ta29を用いて形成される。これらPZT、BIT、SBT膜は全て金属酸化物であると同時に絶縁膜であるが、水素によって比較的容易に還元され、膜中に酸素空孔が生じてリーク電流が増加したり強誘電性を発現する分極値が低下したりする。
【0004】
一方強誘電体メモリ回路はMOS型トランジスタで構成されるのが普通であるが、こうした素子の製造途中、ドライエッチングやプラズマCVD成膜などに起因する各種のダメージにより、ゲート絶縁膜とシリコン基板との界面に準位を形成するので、そのままでは閾値電圧などの特性が設計値からシフトする。そこで製造工程の最後に水素を含む雰囲気で熱処理を行い、上記界面準位に水素を結合させることで電気的に不活性化し、安定したMOS特性が得られるようにしている。従ってこのような水素処理はMOS型トランジスタなどの回路素子には必要不可欠であって省略することのできない工程ではあるが、強誘電体キャパシタ特性にとっては上記のようにかえって有害なものとなる。
【0005】
こうした技術的矛盾を回避するため、強誘電体メモリとしてシリコン系LSIプロセスでFRAMを製造する場合は、下部Pt電極、強誘電体膜、および上部Pt電極からなる強誘電体キャパシタ上を水素の侵入を阻止する水素バリア膜、例えば、酸化アルミニウム膜(Al23膜)で予め覆う。なお、強誘電体キャパシタの下地は基本的にはシリコン酸化膜等の絶縁膜であり、シリコン基板上に形成された、MOS型トランジスタやキャパシタと電気的接続するコンタクトプラグ等を覆っている。
【0006】
図12は従来の強誘電体メモリにおけるメモリセルアレイ部構造の一例を示す断面図である。半導体基板1に設けられた素子分離2に囲まれてMOS型トランジスタのゲート電極3、ソース/ ドレイン4が形成され、またソース/ドレイン4上には層間絶縁膜40および第1の水素バリア膜11が形成されている。そして第1の水素バリア膜11上には複数の強誘電体キャパシタ41が形成され、強誘電体キャパシタ41とソース/ドレイン4とは水素バリア膜11および層間絶縁膜40を貫通して形成されたコンタクトプラグ12で電気的に接続されている。
【0007】
強誘電体キャパシタ41は、図には詳細に示していないが強誘電体容量絶縁膜を下部電極と上部電極とで挟んだ構造をしており、強誘電体キャパシタ41それぞれが層間絶縁膜42で被覆され、その上に酸化アルミニウム膜からなる水素バリア膜43が形成されている。このように強誘電体キャパシタ41は上下水素バリア膜11、43で囲まれる構成となっており、これによって周囲から強誘電体キャパシタ41への水素侵入をほぼ防止しているのである。
【0008】
ところで最近は低消費電力化、高速動作化などデバイスの特性向上や、シリコンウエハ1枚あたりのチップ取れ数の拡大による製造コスト低下を目的として、FRAMにおいても素子寸法の微細化が進められている。図12において、互いに隣接する強誘電体キャパシタ41のスペースsを小さくし、微細化を図るとスペースsに対する高さhのアスペクト比が大きくなる。このような状況で層間絶縁膜42を、その堆積膜厚をtとして、t>s/2を満足する厚さに堆積するとキャパシタ41間をほぼ層間絶縁膜42で埋め込むことができ、水素バリア膜43を形成する層間絶縁膜42の上面は概ね平坦化される。
【0009】
図12からわかるようにFRAMの微細化によりキャパシタ41間のスペースsを減少させるほど堆積すべき層間絶縁膜42の膜厚が薄くても膜表面の凹凸を容易に低減できることになる。このような手法の例は特許文献1に開示されている。特許文献1では、層間絶縁膜42に相当する膜として等方的に堆積できるCVD−SiO2膜によって強誘電体キャパシタ間の「溝」を埋め込んで表面をなだらかにし、その上に形成される水素拡散防止膜(水素バリア膜)のカバレッジを改善してキャパシタへの水素侵入阻止能力を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−19571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図12に示した従来のメモリセル部の構造や特許文献1に記載された構造では、なお強誘電体キャパシタを被覆する層間絶縁膜の表面には小さい段差が残存する。図12においては、強誘電体キャパシタ41間スペース位置に対応する層間絶縁膜42の表面上に、強誘電体キャパシタの高さhよりはかなり小さいが深さgで先鋭な先端を有する凹部44が生ずる。Al23のような水素バリア膜43は通常スパッタリング法にて成膜されるため、凹部44の特に先鋭な先端部で膜のカバレッジが低下し易く、すなわち膜厚が薄くなり易く、場合によっては先端部で膜の不連続部45が生じて水素バリア性が著しく低下するという問題が生じる。また、スペースsが狭くなるとキャパシタ41の間からその上の部分にかけて層間絶縁膜42にボイド46が発生することも問題となる。
【0012】
上記凹部44をなくするためには、図12に示すように、水素バリア膜43を成膜する前に層間絶縁膜42を、CMP(Chemical Mechanical Polishing)技術によってキャパシタ41の上面より所定の高さt’の位置(X−X‘線の位置)まで研磨し、表面を平坦にすると共に層間絶縁膜42の膜厚を強誘電体キャパシタ41上でt’となる構成とすることが考えられる。
【0013】
ここで、例えばキャパシタ間スペースsを200nm、その高さhを520nmとしたとき、凹部44の深さgがhの1/3程度の170nmになり、強誘電体キャパシタ41の上面からボイドの上端までの高さfが50nmになるとする。また層間絶縁膜42の強誘電体キャパシタ41上の成膜膜厚tは、成膜均一性が約±10%で成膜され、CMPの研磨量の半導体基板面内均一性を約±10%とし、それぞれは独立にばらつくものとする。さらに現実の製造工程では、水素バリア膜43をスパッタする前に層間絶縁膜42の表面をプリクリーンによって20nm程エッチングするので、研磨完了時に層間絶縁膜42の表面にボイド46を露出させないためには、層間絶縁膜42の上面がボイド46の上端より20nm上となることが必要である。すなわち、t’>(f+20nm)=70(nm)となることが必要である。
【0014】
以上の条件の下で研磨前の層間絶縁膜42の膜厚tと研磨後の層間絶縁膜42の膜厚t’を見積もる。まず凹部44をCMP法で研磨除去する場合、研磨スラリやCMP装置の研磨パッドの硬さにも依存するが、少なくとも凹部44の深さgの1.8倍の研磨量を要するので、層間絶縁膜42の研磨量は170(nm)×1.8≒306(nm)となる。研磨量が少ない側へ最大10%ずれた場合でも306nm確保するためには、狙い研磨量を306(nm)÷0.9≒340(nm)に設定する必要がある。
【0015】
一方、層間絶縁膜42の成膜膜厚およびCMP研磨量の狙い値からのばらつきが10%であるから、上記成膜膜厚に対して0.1t、研磨量に対して340×0.1=34(nm)となる。これらから成膜+研磨工程のTotalばらつきは、
(Totalばらつき)2=(342+(0.1t)2
従ってばらつきを考慮したCMP研磨後の最低膜厚t‘は
t‘=t−340−(Totalばらつき)
ボイドが露出しない制約条件t'>70(nm)考慮すると、上式から層間絶縁膜42の確保すべき成膜膜厚はt=470(nm)、この時に達成される研磨後の膜厚t‘は、202(nm)≧t’≧72(nm)となる。
【0016】
以上のようにして層間絶縁膜42の表面をほぼ完全に平坦化し、水素バリア膜43の脆弱部をなくして水素阻止能力を向上させることができるが、従来の強誘電体メモリセル構造にはもう一つの課題が存在する。図13は強誘電体キャパシタ上に堆積された層間絶縁膜部分の膜厚とキャパシタを構成する強誘電体容量絶縁膜の分極量との関係を示す図である。図から明らかなように、層間絶縁膜の膜厚が160nmより大きくなると分極量が低下するという問題があることがわかった。一般に容量用強誘電体膜を形成後、膜中の酸素欠損などを修復するために酸素雰囲気で熱処理する酸素補償プロセスを実施するが、本発明者らの検討結果によると、上記分極量の低下は、キャパシタ上の層間絶縁膜の膜厚が厚くなることで、強誘電体膜の酸素欠損補償プロセス時に十分な酸素が強誘電体膜まで十分に行きわたらないためであると考えられた。
【0017】
上に述べたように層間絶縁膜42の最小膜厚がボイド46が露出する直前の70nm近辺になるまで研磨除去したとしても、工程ばらつきによりキャパシタ41上の層間絶縁膜42の膜厚t’が160nmを超える。この結果酸素欠陥補償プロセスによる強誘電性の発現度合いにばらつきが発生し、強誘電体キャパシタの分極特性にもばらつきが生じる。また、実際の工程ではプロセスマージンを考慮しなければならないので層間絶縁膜42の堆積膜厚tがさらに厚くなることは避けられず、それに伴って平坦化後の仕上がり膜厚t’の膜厚も厚くなるので分極量の低下もさらに大きくなる。このように従来の強誘電体メモリセル構造では強誘電体容量絶縁膜の分極量のばらつきを抑制することは困難である。
【0018】
さらに従来の構造では、デバイスを微細化するために強誘電体キャパシタ41間のスペースsを縮小すると層間絶縁膜42にボイド46が発生するので、ボイドが露出しないように研磨による残膜厚を合わせ込むという制限がかかる点や、CMPによる研磨工程追加による製造コスト増加も課題となっていた。
【0019】
本発明は上記従来の課題に鑑み、互いに隣接する強誘電体キャパシタ間の間隙アスペクト比が高くなっても、強誘電体キャパシタを被覆する層間絶縁膜にボイドが生じず、その表面を、十分な水素素子能を有する水素バリア膜が形成できる程度に平坦化でき、また強誘電体キャパシタの分極特性のばらつきを防止できる半導体記憶装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の課題を解決するための本発明に係る半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された第1の層間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜上に形成された第1の水素バリア膜と、前記第1の水素バリア膜上に形成され、下部電極、強誘電体容量絶縁膜および上部電極からなるキャパシタと、前記キャパシタを被覆する第2の層間絶縁膜と、前記第2の層間絶縁膜を被覆する第2の水素バリア膜とを備え、前記第2の層間絶縁膜は、その上面が平坦であり、金属酸化物を含む絶縁体からなるものである。
【0021】
また前記半導体装置は前記キャパシタを複数備え、前記キャパシタの前記上部電極の上に位置する前記第2の層間絶縁膜の厚さは互いに隣接する前記キャパシタ間のスペースより薄く形成される。
【0022】
前記金属酸化物を含む絶縁体としては、強誘電体、ペロブスカイト型金属酸化物絶縁体、またはビスマス層状ペロブスカイト型酸化物強誘電体を採用することができる。さらに前記金属酸化物を含む絶縁体は酸素の透過率が酸化シリコンより大きいことが望ましい。
【0023】
前記金属酸化物を含む絶縁体として、具体的に、HfO2、La23、NiO、Nb25、SrO、Ta25、ZrO2、(Ba,Sr)TiO2、BaTiO3、SrTiO3、Pb(Zr,Ti)O3、Pb(Nb,Ti)O3、PbZrO3、PbTiO3、LiNbO3、SrBi2Ta29、SrBi2(Ta,Nb)29、Bi4Ti313のうちの、少なくとも一つを採用することができる。
【0024】
また本発明に係る半導体装置の一形態においては、前記第1の層間絶縁膜の下にMOS型トランジスタが形成されている。また前記第2の水素バリア膜は、Ta、Hf、Alのうちの少なくとも一つを含む絶縁性の金属酸化物からなるものとすることができる。
【0025】
さらに本発明に係る半導体装置の一形態では、前記第2の層間絶縁膜が島状に形成されており、前記第1の水素バリア膜と前記第2の水素バリア膜が前記第2の層間絶縁膜の端部で接触した構成を有している。
【0026】
また前記強誘電体容量絶縁膜として、(Ba,Sr)TiO3、BaTiO3、SrTiO3、Ta25、Pb(Zr,Ti)O3、Pb(Nb,Ti)O3、PbZrO3、PbTiO3、LiNbO3、SrBi2Ta29、SrBi2(Ta,Nb)29、Bi4Ti313のうちの、少なくとも一つを使用することができる。
【0027】
次に上記の課題を解決するための本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜の上に第1の水素バリア膜を形成する工程と、前記第1の水素バリア膜の上に、下部電極、強誘電体容量絶縁膜、上部電極からなるキャパシタを形成する工程と、前記キャパシタを被覆するように絶縁材料の前駆体を含有する溶液を塗布することによって、上面が平坦な第2の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第2の層間絶縁膜の上に第2の水素バリア膜を形成する工程とを含むものである。
【0028】
前記キャパシタが前記第1の水素バリア膜の上に複数形成される半導体装置においては、前記キャパシタの前記上部電極の上に位置する前記第2の層間絶縁膜の厚さを、互いに隣接する前記キャパシタ間のスペースより薄く形成することができる。
【0029】
また前記第2の層間絶縁膜を形成するための前記絶縁材料の前駆体は金属の化合物とすることができる。あるいは前記第2の層間絶縁膜をペロブスカイト型金属酸化物絶縁体、またはビスマス層状ペロブスカイト型酸化物強誘電体からなるものとすることが望ましい。
【0030】
また本発明に係る半導体装置の製造方法は、前記第2の水素バリア膜を形成する工程の前であって、且つ前記第2の層間絶縁膜を形成する工程の後に、酸素を含む雰囲気で熱処理する工程をさらに含むことが望ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る半導体装置は、キャパシタを被覆する第2の層間絶縁膜を金属酸化物を含む絶縁体からなるものとした。この金属酸化物を含む絶縁体は、その製造方法において、金属化合物など、絶縁材料の前駆体を含有する溶液を半導体基板にスピンコート法で塗布して形成することが可能である。従って第2の層間絶縁膜は、塗布下地に凹凸があってもボイドを発生させずに表面を平坦とすることができ、その上に形成される第2の水素バリア膜に十分な水素阻止能が確保できる。このため複数のキャパシタ間のアスペクト比が大きく、且つキャパシタの強誘電特性に劣化のない微細化された半導体装置を得ることが可能となる。
【0032】
また上記の塗布法によれば、キャパシタの上部電極の上に位置する第2の層間絶縁膜の厚さを互いに隣接するキャパシタ間のスペースより薄く形成できるので、強誘電体容量絶縁膜の強誘電特性の発現と酸素欠陥補償のために、酸素を含む雰囲気で熱処理するとき、十分な酸素が第2の層間絶縁膜を通して上記強誘電体容量絶縁膜に到達し、強誘電体キャパシタの分極特性のばらつきを防止できる。
【0033】
また第2の層間絶縁膜を構成する金属酸化物を主体とする絶縁体、特にペロブスカイト型金属酸化物絶縁体、またはビスマス層状ペロブスカイト型酸化物強誘電体は、酸素の透過率が酸化シリコンより大きいという性質を有するので、強誘電体キャパシタの分極特性のばらつきがさらに効果的に防止され、望ましいものである。
【0034】
なお、前記キャパシタ上の第2の層間絶縁膜と強誘電体容量絶縁膜に用いる強誘電体とを同一の構成元素を含む材料で構成すると、第2の層間絶縁膜側の元素の一部が上部または下部電極へ拡散するから、強誘電体容量絶縁膜側の元素が両電極へ拡散するのを抑制することができ、より安定した強誘電体キャパシタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図2】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図3】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図4】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図5】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図6】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図7】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図8】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図9】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図10】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図11】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図12】従来の強誘電体メモリの断面図。
【図13】強誘電体容量絶縁膜の分極量と強誘電体キャパシタを被覆する層間絶縁膜の膜厚との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。図1〜図11は本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図であり、半導体装置として特に強誘電体膜を容量絶縁膜とするキャパシタを備えた不揮発性半導体記憶装置(FRAM)のメモリセルアレイの一部、および周辺回路の一部を示すものである。
【0037】
まず図1に示すように、半導体基板1(シリコン基板)の一主面に形成した溝にシリコン酸化膜などの絶縁膜を埋め込み、半導体基板1の表面を複数のSTI(Shallow Trench Isolation)型の素子分離領域2を形成して、半導体基板1の表面を複数の素子形成領域に区画する。なおここでは素子分離領域2で区画された4つ分の素子形成領域のみを示しているが、半導体基板1上には図示しない複数の素子形成領域を含んでいる。その後、メモリセルアレイ形成領域および周辺回路形成領域を含む上記各素子形成領域にMOS型トランジスタを形成する。図1ではメモリセルを構成する複数のMOS型トランジスタのみを表示しており、これらのMOS型トランジスタはそれぞれゲート電極3a、3b、3c、3dおよびソース・ドレイン4a、4bからなる。また周辺回路形成領域には拡散層5が形成される。
【0038】
次に半導体基板1上の全面にわたって化学的気相成長(CVD)法により、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる層間絶縁膜6を堆積する。続いて化学機械的研磨(CMP)法により、堆積した層間絶縁膜6の上面の平坦化を行なってその膜厚を500nm程度とする。その後リソグラフィ法およびドライエッチング法により、層間絶縁膜6の、MOS型トランジスタのソース・ドレイン4b上に位置する部分にコンタクトホールを選択的に開口する。ソース・ドレイン4a、4b、および拡散層5も含めてそれ自身の抵抗を下げるために表面部をCoSi2やTiSi2などのような高融点金属シリサイドにしておいてもよい。
【0039】
続いてスパッタリング法またはCVD法により、コンタクトホールを含む層間絶縁膜6の上に、厚さが約10nmのチタン(Ti)および厚さが約20nmの窒化チタン(TiN)を堆積してバリア層(図示せず)を形成する。そしてCVD法により、バリア層の上にコンタクトホールを充填するように、厚さが約500nmのタングステン(W)からなる金属膜を堆積した後、前記バリア層および金属膜の、層間絶縁膜6上に堆積した部分をCMP法で除去することにより、コンタクトホールにバリア層および金属膜からなる導電性のプラグ7を形成する。
【0040】
さらにスパッタリング法またはCVD法により、プラグ7を含む層間絶縁膜6上に厚さが約10nmのチタンおよび厚さが約20nmの窒化チタンを堆積してバリア層(図示せず)を形成し、続いてスパッタリング法により、バリア層上に厚さが約80nmのタングステンからなる金属膜を堆積する。その後リソグラフィ法およびドライエッチング法により前記金属膜、窒化チタンおよびチタンを選択的に除去し、層間絶縁膜6上にローカル配線8を形成する。
【0041】
次に図2は、図1に示した断面箇所から紙面に垂直に所定の距離だけ離れた部分の断面図であり、メモリセルアレイ形成領域および周辺回路形成領域を示している。図2におけるゲート電極3a、3b、3c、3d、ソース・ドレイン4a、4bおよび拡散層5は図1に示す部分から図2の断面箇所まで延長されてきたものである。図3〜図11も図2と同一の部分を示すことにし、図1の部分の断面図は省略する。図2において、プラグ9はプラグ7と同時の工程によって周辺回路形成領域上の拡散層5の上に形成されたものである。次に、図1のローカル配線8上および層間絶縁膜6上にCVD法により、膜厚が約500nmの酸化シリコンからなる層間絶縁膜10を堆積する。
【0042】
続いてCMP法により、堆積した層間絶縁膜10の上面の平坦化を行なってその膜厚を250nm程度とする。さらに層間絶縁膜10上の全面にCVD法により、膜厚が約200nmの窒化シリコンからなる第1の水素バリア膜11を堆積する。その後リソグラフィ法およびドライエッチング法でコンタクトホールを形成し、コンタクトホール内部にチタン、窒化チタンおよびタングステンからなる金属膜を、前記プラグ7、9と同様な方法で埋め込み、水素バリア膜11、層間絶縁膜10および層間絶縁膜6を貫通してソース・ドレイン4aに達するプラグ12を形成する。プラグ12を形成する工程でCMPを用いるため、第1の水素バリア膜11の膜厚は約130nmとなる。
【0043】
次に図3に示すように、スパッタリング法によりプラグ12を含む第1の水素バリア膜11上に、厚さが約10nmのチタンと厚さが約20nmの窒化チタンからなる密着層膜13a、厚さが約100nmの窒化チタンアルミニウム(TiAlN)からなる第1の酸素バリア膜14a、厚さが約50nmのイリジウム膜と厚さが約100nmの酸化イリジウム膜の積層膜からなる第2の酸素バリア膜15a、強誘電体キャパシタの下部電極となる厚さが約100nmの白金膜16aを下から順次堆積する。続いて厚さが約40〜50nmで、ストロンチウム(Sr)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)およびニオブ(Nb)を含むビスマス層状ペロブスカイト型酸化物強誘電体からなる強誘電体膜17aをスピンコート法を通じて成膜する。この成膜工程においては、強誘電体としての特性を発現させるために酸素雰囲気中で後に行う、強誘電体膜17aの焼結処理に先立って、当該焼結処理における所定の焼結温度より低い温度(例えば、500℃程度)で仮に焼結しておくことが望ましい。さらに強誘電体膜17a上に強誘電体キャパシタの上部電極となる厚さが約100nmの白金膜18aを成膜する。
【0044】
次に図4に示すように、図示しないが図3の白金膜18a上にレジストパターンを形成した後、レジストパターンをマスクとして例えばCF4、Cl2、Ar、O2からなる混合ガスを用い、圧力0.5Paの低圧条件下で異方性ドライエッチングを行い、白金膜18a、強誘電体膜17a、白金膜16a、第2の酸素バリア膜15a、第1の酸素バリア膜14a、密着層膜13aを順次選択的に除去する。このようにして密着層13、第1の酸素バリア膜14、第2の酸素バリア膜15、下部電極16、強誘電体容量絶縁膜17、上部電極18からなる強誘電体キャパシタ19を形成する。しかし図3の工程においては、白金膜18aの上に第1の酸素バリア膜14aと同一材料の膜を追加堆積し、図4の工程においてこれをハードマスクとして白金膜18aから密着層膜13aに至る積層膜をエッチングするほうが、レジストパターンのみをマスクとしてエッチングする場合よりドライエッチングによる極端な寸法太りが抑制できる。
【0045】
次に図5に示すように、強誘電体キャパシタ19を被覆して全面に絶縁材料の前駆体を含有する溶液をスピンコート法を用いて塗布し、例えば300℃〜600℃の低温で溶媒を分解・脱離させて層間絶縁膜20を形成する。スピンコート材料として金属の有機化合物をアルコールなどの有機溶媒に溶解した溶液を使用し、さらに具体的な材料として強誘電体膜17aと同一の金属元素で構成する有機化合物を含み、熱処理などを経て最終的にビスマス層状ペロブスカイト型酸化物を生成できる材料を採用する。また層間絶縁膜20の具体的膜厚は、隣接する強誘電体キャパシタ19のスペースsが200nm、強誘電体キャパシタ19の高さhが520nmの場合、塗布膜厚dとして600nm(d>h)に設定する。
【0046】
以上の条件では1回の溶液塗布工程で強誘電体キャパシタ19の上面上の膜厚tを80nmに薄くすることができる。このような層間絶縁膜20の前駆体となる塗布膜の膜厚(d、t)は、スピンコート時の半導体基板回転数の調整およびスピンコート材料の溶媒量による粘度の調節によって変更可能であり、必要であればtをt<s、さらにはキャパシタスペースsの半分以下とすることも可能である。
【0047】
スピンコート法で形成される塗布絶縁膜は塗布時に流動性を有しているので、薄い膜厚であっても、隣接する強誘電体キャパシタ19間のスペースを段差カバレッジ起因のボイドを形成することなく埋め込むことができ、また複数の強誘電体キャパシタ19の配列に基づく大きい凹凸があっても完全に近い平坦性を有する表面にすることが可能である。スペースsを狭くする場合は、それに伴いスピンコート材料の粘度を下げる事で塗布膜中に発生する気泡などに起因するボイドの発生を抑制できる。また、スピンコート法の膜厚制御性はCVD法よりも良く、半導体基板面内における均一性は±1%を達成することができる。従って層間絶縁膜20の膜厚tも半導体基板面内均一性が良く、上に述べたように80nm程度に薄くしても半導体基板面内の特定の箇所で上部電極18の表面が露出したり、別の部分で膜厚が異常に厚くなったりすることがない。
【0048】
次に図6に示すように、複数の強誘電体キャパシタ19上を覆うように、層間絶縁膜20上に台形状の厚いレジストパターン21を形成する。その後図7に示すように、レジストパターン21をマスクとして、例えばCF4、Cl2、Ar、O2の混合ガスを用い、圧力0.5Paの低圧条件下で、層間絶縁膜20と第1の水素バリア膜11に対して順次選択的に異方性エッチングを行う。これにより層間絶縁膜20を、複数の強誘電体キャパシタ19を包含して完全に覆う台形島状に加工する。この後レジストパターン21を除去した状態で、強誘電体容量絶縁膜17の強誘電性を発現させるために、酸素雰囲気または少なくとも酸素を含む雰囲気中600℃〜850℃の温度範囲で焼結処理を行う。
【0049】
次に図8に示すように、層間絶縁膜20の上面とテーパーがついた側面、および第1の水素バリア膜11の切断面と、図7の工程における異方性エッチングのうちのオーバーエッチングにより生じた第2の層間絶縁膜10の側壁上に、スパッタリング法でチタン・アルミオキサイドからなる第2の水素バリア膜22を形成する。このとき、後に形成する周辺回路形成領域のコンタクトホールが開口しやすいように第2の水素バリア膜22の、メモリセルアレイ以外の領域はエッチングによって除去しておくのが好ましい。次に酸化シリコンなどからなる層間絶縁膜23を全面に堆積する。
【0050】
次に図9に示すように、周辺回路形成領域では層間絶縁膜23、層間絶縁膜10を貫通して予め形成されていたプラグ9に達するプラグ24を形成する。一方、メモリセルアレイ形成領域では層間絶縁膜23、第2の水素バリア膜22、層間絶縁膜20を貫通して強誘電体キャパシタ19の上部電極18にそれぞれ到達するプラグ25を形成する。これらのプラグ24、25はプラグ7(図1参照)、9、12と同様、通常厚さが約10nmのチタンと厚さが約20nmの窒化チタンとが積層されてなるバリア層を下地に設けたタングステン等の金属とするが、プラグ25のバリア層(図示せず)に特に窒化チタンアルミニウムを用いるようにすると、外部からプラグ25を通して強誘電体キャパシタ19へ水素が侵入するのを防止できる。プラグ24、25上にはAl合金を主要膜とする配線26、27を形成する。ここで配線26は周辺回路の配線であり、配線27はFRAMのプレート線の役目をし、これら配線26および27で第1配線層を構成する。
【0051】
次に図10に示すように、配線26、27、層間絶縁膜23を被覆して、高密度プラズマCVD(HDP−CVD)法を用いて層間絶縁膜28を形成し、その表面をCMP法などで平坦化する。そして層間絶縁膜28にプラグ29を埋め込み形成した後、Al合金を主要膜とする配線30を形成する。層間絶縁膜28、プラグ29、配線30で第2配線層を構成する。次に図11に示すように、図10と同様の工程によって層間絶縁膜31、プラグ32、Al合金を主要膜とする配線33を形成する。これら第6の層間絶縁膜31、プラグ32、配線33で第3配線層を構成する。
【0052】
そして配線33および層間絶縁膜31を被覆する保護膜34を形成した後、配線33上の保護膜34に図示しないが外部に信号を取り出すための開口を設ける。最後に例えば数%の水素を含む窒素ガス中、350℃〜450℃(標準400℃程度)の温度で30分間水素シンター処理を行う。この処理によってMOS型トランジスタ部における半導体基板1とゲート絶縁膜界面の準位に水素を結合させることができ、安定したMOS特性となる。
【0053】
以上本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明した。本発明によれば、図5の工程において、強誘電体キャパシタ19を被覆する層間絶縁膜20を、溶液のスピンコート法を用いて塗布形成するので、前記溶液の流動性により互いに隣接する強誘電体キャパシタ19間の間隙アスペクト比(h/s)が高くなっても、その表面をほぼ平坦にすることができる。従って従来のように層間絶縁膜20上に形成する水素バリア膜に、表面凹凸に起因する脆弱部が生ずることがなくなり、十分な水素阻止能を有するものとすることができる。その結果強誘電体容量絶縁膜17の分極量の低下を防止することができる。また、強誘電体キャパシタ19間を埋める層間絶縁膜20にボイドを生じることがなくなる。
【0054】
また溶液材料のスピンコート法を用いて形成した膜はCVD膜よりも膜厚の均一性を向上させることが可能であるため、層間絶縁膜20における強誘電体キャパシタ19上の膜厚を実施の形態に述べたように、製造上の問題を生じることなく80nm程度に薄く形成できる。従って強誘電体容量絶縁膜17の強誘電性を発現させるための焼結処理(図7の工程)において酸素ガスが層間絶縁膜20中を十分に通過できるようになるので、強誘電体キャパシタ19における分極特性のばらつきが抑制される。
【0055】
さらに本発明が採用するスピンコート法では溶液材料の塗布工程のみで表面の平坦な膜が得られるので、従来のようなCMP工程を省略することができ、製造コスト削減に寄与するとともに、CMP工程の研磨ばらつきに基づく層間絶縁膜20の膜厚ばらつきもなくなる。
【0056】
上記実施の形態ではスピンコート法で膜形成できる第3の層間絶縁膜材料として、強誘電体容量絶縁膜と同一成分で構成される材料、すなわちSr、Bi、TaおよびNbを含むビスマス層状ペロブスカイト型酸化物強誘電体を用いた。しかしこの材料に制限されることはなく、基本的に金属酸化物を含む絶縁体を用いることが可能であり、具体的には(1)単金属(高融点金属を含む)酸化物からなる絶縁体、(2)複合金属酸化物を含む絶縁体が挙げられる。(1)の材料としては、HfO2、La23、NiO、Nb25、SrO、Ta25、ZrO2が具体例である。また(2)の材料としてはペロブスカイト型金属酸化物絶縁体、ビスマス層状ペロブスカイト型酸化物強誘電体があり、(Ba,Sr)TiO3、BaTiO3、SrTiO3、PZT:Pb(ZrxTi1-x)O3またはPb(Zr,Ti)O3、Pb(Nb,Ti)O3、PbZrO3、PbTiO3、LiNbO3、SrBi2Ta29、SrBi2(Ta,Nb)29、Bi4Ti313が具体例である。
【0057】
(2)の絶縁体は、原料となる単金属酸化物を含む複数の溶液を混合・調製することによって作製でき、任意の金属元素組成比率を有するものを得ることができる。特にペロブスカイト型金属酸化物絶縁体、ビスマス層状ペロブスカイト型酸化物強誘電体は、従来から強誘電体キャパシタを覆う層間絶縁膜として用いられていた酸化シリコン(SiOx)より酸素の透過率が高く、図7の工程で行う強誘電体容量絶縁膜の酸素雰囲気中焼結処理には極めて有利であり、強誘電体キャパシタの分極特性ばらつきが一層抑制できる。
【0058】
また上記実施の形態では第2の水素バリア膜22としてチタン・アルミオキサイドを用いたが、これ以外にTa、Hf、Alのうちの少なくとも一つを含む絶縁性の金属酸化物を用いることができる。また、強誘電体容量絶縁膜17としては、(Ba,Sr)TiO3、BaTiO3、SrTiO3、Ta2O5、Pb(Zr,Ti)O3、Pb(Nb,Ti)O3、PbZrO3、PbTiO3、LiNbO3、SrBi2Ta29、SrBi2(Ta,Nb)29、Bi4Ti313のうちの少なくとも一つとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上のように本発明は、容易な工程を用いて強誘電体キャパシタの分極特性と当該キャパシタを覆う水素バリア膜の膜厚を安定化させることができ、強誘電体容量絶縁膜を有する半導体記憶装置に有用である。しかしながら上に挙げた強誘電体絶縁膜のほか、金属酸化物を含む一方で顕著な強誘電性は示さないが、比誘電率が少なくとも窒化シリコン膜よりは大きい高誘電率膜を有する半導体装置に適用しても有益であり、高誘電率膜のリーク防止などにその効果を発揮する。
【符号の説明】
【0060】
1 半導体基板
2 素子分離領域
3a、3b、3c、3d ゲート電極
4a、4b ソース・ドレイン
5 拡散層
6、10、20、23、28、31、40、42 層間絶縁膜
7、9、12、24,25、29、32 プラグ
8 ローカル配線
11 第1の水素バリア膜
13 密着膜
13a 密着層膜
14、14a 第1の酸素バリア膜
15、15a 第2の酸素バリア膜
16 下部電極
16a、18a 白金膜
17 強誘電体容量絶縁膜
17a 強誘電体膜
18 上部電極
19、41 強誘電体キャパシタ
21 レジストパターン
22 第2の水素バリア膜
26、27、30、33 配線
34 保護膜
43 水素バリア膜
44 凹部
45 不連続部
46 ボイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された第1の層間絶縁膜と、
前記第1の層間絶縁膜上に形成された第1の水素バリア膜と、
前記第1の水素バリア膜上に形成され、下部電極、強誘電体容量絶縁膜および上部電極からなるキャパシタと、
前記キャパシタを被覆する第2の層間絶縁膜と、
前記第2の層間絶縁膜を被覆する第2の水素バリア膜とを備え、
前記第2の層間絶縁膜は、その上面が平坦であり、金属酸化物を含む絶縁体からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記半導体装置は前記キャパシタを複数備え、前記キャパシタの前記上部電極の上に位置する前記第2の層間絶縁膜の厚さは互いに隣接する前記キャパシタ間のスペースより薄いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記金属酸化物を含む絶縁体は強誘電体であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記金属酸化物を含む絶縁体はペロブスカイト型金属酸化物絶縁体であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記金属酸化物を含む絶縁体はビスマス層状ペロブスカイト型酸化物強誘電体であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記金属酸化物を含む絶縁体は酸素の透過率が酸化シリコンより大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記金属酸化物を含む絶縁体は、HfO2、La23、NiO、Nb25、SrO、Ta25、ZrO2、(Ba,Sr)TiO2、BaTiO3、SrTiO3、Pb(Zr,Ti)O3、Pb(Nb,Ti)O3、PbZrO3、PbTiO3、LiNbO3、SrBi2Ta29、SrBi2(Ta,Nb)29、Bi4Ti313のうちの、少なくとも一つであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の層間絶縁膜の下にMOS型トランジスタが形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2の水素バリア膜は、Ta、Hf、Alのうちの少なくとも一つを含む絶縁性の金属酸化物からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2の層間絶縁膜は島状に形成されており、前記第1の水素バリア膜と前記第2の水素バリア膜は前記第2の層間絶縁膜の端部で接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記強誘電体容量絶縁膜は、(Ba,Sr)TiO3、BaTiO3、SrTiO3、Ta25、Pb(Zr,Ti)O3、Pb(Nb,Ti)O3、PbZrO3、PbTiO3、LiNbO3、SrBi2Ta29、SrBi2(Ta,Nb)29、Bi4Ti313のうちの、少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項12】
半導体基板の上に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の層間絶縁膜の上に第1の水素バリア膜を形成する工程と、
前記第1の水素バリア膜の上に、下部電極、強誘電体容量絶縁膜、上部電極からなるキャパシタを形成する工程と、
前記キャパシタを被覆するように絶縁材料の前駆体を含有する溶液を塗布することによって、上面が平坦な第2の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の層間絶縁膜の上に第2の水素バリア膜を形成する工程と
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記キャパシタは前記第1の水素バリア膜の上に複数形成され、前記キャパシタの前記上部電極の上に位置する前記第2の層間絶縁膜の厚さを、互いに隣接する前記キャパシタ間のスペースより薄く形成することを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記絶縁材料の前駆体は金属の化合物であることを特徴とする請求項12または13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第2の層間絶縁膜はペロブスカイト型金属酸化物絶縁体からなることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第2の層間絶縁膜はビスマス層状ペロブスカイト型酸化物強誘電体からなることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2の水素バリア膜を形成する工程の前であって、且つ前記第2の層間絶縁膜を形成する工程の後に、酸素を含む雰囲気で熱処理する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−151137(P2011−151137A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10255(P2010−10255)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】