説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】半導体基板の主面上に素子形成領域を取り囲むように形成されたスリットを有する半導体装置の信頼性を向上させることのできる技術を提供する。
【解決手段】ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面を露出するように形成された開口部31の側面と、ガードリングGRの周りを囲み、その底部がバリア絶縁膜22を突き抜けないように第1パッシベーション膜30、接着用絶縁膜29、および層間絶縁膜23に形成されたスリットSLの内壁(側面と底面)とを第2パッシベーション膜32により覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、層間絶縁膜および配線等の剥がれまたはクラックの発生を防止するために、半導体基板の主面上に素子形成領域を取り囲むように形成されたスリットを有する半導体装置およびその製造に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2007−115988号公報(特許文献1)には、比誘電率が3.5より大きい第1の非Low−k膜、比誘電率が3.5以下のLow−k膜、および比誘電率が3.5より大きい第2の非Low−k膜が下から順番に積層された層間絶縁膜と、素子形成領域を囲むように形成されたシーリングと、シーリングの外側に配置され、第2の非Low−k膜に形成された溝パターンと、溝パターンの内壁を覆うパッシベーション膜とを有する半導体装置が開示されている。
【0003】
また、特開2006−140404号公報(特許文献2)には、銅配線が内部に形成された低誘電率膜と、低誘電率膜の上側に配置された層間絶縁膜と、層間絶縁膜の上側に配置された表面保護膜と、回路形成領域の周りを取り囲むように形成されたシーリングと、平面視したときにシーリングの外側に形成された溝部とを備えており、溝部の底部が低誘電率膜よりも上側で、銅配線の上端よりも低くなるように形成されている半導体装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−115988号公報
【特許文献2】特開2006−140404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体ウエハをチップ状に切断するダイシング工程においては、層間絶縁膜を構成するLow−k膜(比誘電率が3.5以下の絶縁膜)、酸化シリコン膜よりも機械強度の小さいBPSG(Boron-doped Phospho Silicate Glass)膜、または酸化シリコン膜よりも膜応力の高い窒化シリコン膜などで生じる剥がれまたはクラックが問題になっている。そこで、例えば前述した特許文献1、2に開示されているように、半導体基板の主面上に素子形成領域を取り囲むようにスリット(溝部、溝パターン)を形成し、素子形成領域とダイシング領域とを隔てることにより、上記問題を解決する方法が提案されている。
【0006】
しかしながら、本発明者らが検討したところ、ダマシン法により形成された銅配線を有する半導体装置において、素子形成領域を取り囲むように形成されるスリットの底部が、銅配線を埋め込む配線溝が形成されるLow−k膜に達すると、水分がスリットを介して素子形成領域に侵入することが明らかとなった。水分が素子形成領域に侵入すると、例えば半導体装置の信頼性試験において素子形成領域の銅配線の腐食が発生し、半導体装置の信頼性を低下させるという問題が生じる。
【0007】
本発明の目的は、半導体基板の主面上に素子形成領域を取り囲むように形成されたスリットを有する半導体装置の信頼性を向上させることのできる技術を提供することにある。
【0008】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0010】
この実施の形態は、半導体基板の主面上に形成された配線形成用絶縁膜と、配線形成用絶縁膜に形成された配線溝と、配線溝の内部に形成された、銅を主導電材料とする導体膜からなる第1配線と、第1配線および配線形成用絶縁膜の上に形成されたバリア絶縁膜と、バリア絶縁膜の上に形成された層間絶縁膜と、バリア絶縁膜および層間絶縁膜に形成された接続孔と、接続孔の内部に形成されたプラグと、プラグに接続して形成された第2配線と、第2配線および層間絶縁膜を覆うように形成された第1パッシベーション膜と、第2配線の上面を露出する第1パッシベーション膜に形成された開口部と、素子形成領域とダイシング領域との間にバリア絶縁膜および第1パッシベーション膜に形成されたスリット(溝部、溝パターン)と、開口部の側面を覆うように形成された第2パッシベーション膜とを有する半導体装置であって、スリットの底部が層間絶縁膜の膜厚方向において層間絶縁膜を突き抜けていないものである。
【0011】
また、この実施の形態は、半導体基板の主面上に配線形成用絶縁膜を形成する工程と、配線形成用絶縁膜に配線溝を形成し、配線溝の内部に、銅を主導電材料とする導体膜からなる第1配線を埋め込む工程と、第1配線および配線形成用絶縁膜の上に、バリア絶縁膜および層間絶縁膜を形成する工程と、層間絶縁膜およびバリア絶縁膜を順次加工して、第1配線に達する接続孔を形成する工程と、接続孔の内部にプラグを形成する工程と、プラグに接続する第2配線を形成する工程と、第2配線および層間絶縁膜を覆うように形成された第1パッシベーション膜を形成する工程と、第1パッシベーション膜および層間絶縁膜を順次加工して、第2配線の上面を露出する開口部を形成し、素子形成領域とダイシング領域との間にスリット(溝部、溝パターン)を形成する工程と、平面視における第1パッシベーション膜の上面、開口部の側面および底面、ならびにスリットの側面および底面に第2パッシベーション膜を形成する工程と、平面視における第1パッシベーション膜の上面、開口部の側面、ならびにスリットの側面および底面をレジストパターンにより覆い、レジストパターンにより覆われていない開口部の底面の第2パッシベーション膜をエッチングする工程と、を有する半導体装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0013】
半導体基板の主面上に素子形成領域を取り囲むように形成されたスリットを有する半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1による半導体装置の要部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1による半導体装置の要部平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1による半導体装置の製造工程を示す半導体装置の要部断面図である。
【図4】図3に続く半導体装置の製造工程中の図3と同じ箇所の要部断面図である。
【図5】図4に続く半導体装置の製造工程中の図3と同じ箇所の要部断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程中の上層配線を示す要部断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程中の図6と同じ箇所の要部断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程中の図6と同じ箇所の要部断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程中の図6と同じ箇所の要部断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程中の図6と同じ箇所の要部断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程中の図6と同じ箇所の要部断面図である。
【図12】本発明の実施の形態2による半導体装置の要部断面図である。
【図13】本発明の実施の形態2による半導体装置の製造工程を示す半導体装置の上層配線の要部断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程中の図13と同じ箇所の要部断面図である。
【図15】図14に続く半導体装置の製造工程中の図13と同じ箇所の要部断面図である。
【図16】本発明の実施の形態3による半導体装置の一例の要部断面図である。
【図17】本発明の実施の形態3による半導体装置の他の例の要部断面図である。
【図18】本願発明に先だって本発明者らによって検討された素子形成領域およびスリット領域の一例を説明する上層配線の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0016】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0017】
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、以下の実施の形態においては、電界効果トランジスタを代表するMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)をMISと略し(なお、前記Metalは、金属のみならず多結晶シリコン等の導電体をも含む)、pチャネル型のMISFETをpMISと略し、nチャネル型のMISFETをnMISと略す。また、以下の実施の形態において、ウエハと言うときは、Si(Silicon)単結晶ウエハを主とするが、それのみではなく、SOI(Silicon On Insulator)ウエハ、集積回路をその上に形成するための絶縁膜基板等を指すものとする。その形も円形またはほぼ円形のみでなく、正方形、長方形等も含むものとする。また、以下の実施の形態において、窒化シリコンというときは、Siは勿論であるが、それのみではなく、シリコンの窒化物で類似組成の絶縁膜を含むものとする。
【0018】
また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
まず、本発明の実施の形態による半導体装置およびその製造方法がより明確となると思われるため、比較例として、本発明者らによって検討されたCu(銅)配線の腐食の原因について説明する。
【0020】
本願発明に先だって本発明者らによって検討された多層配線構造について図18を用いて説明する。図18は素子形成領域およびスリット領域の一例を説明する上層配線の要部断面図である。
【0021】
図18に示すように、最上層の配線51は、例えばAl(アルミニウム)を主導電材料とする導体膜(以下、Al膜と記す)26と、その上下(上面および下面)にEM(Electro-migration)耐性を向上させるために形成されたTiN(窒化チタン)膜27,28とから構成されている。Al膜26の上面に形成されたTiN膜28は、反射防止膜としての機能も有している。
【0022】
最上層の配線51は、接着用絶縁膜29および第1パッシベーション膜30により覆われている。接着用絶縁膜29は、第1パッシベーション膜30の剥がれを防止するために設けられている。第1パッシベーション膜30は、例えば高密度プラズマCVD法により形成された酸化シリコン膜30aおよびプラズマCVD法により形成された窒化シリコン膜30bからなり、外部からの水分や不純物の侵入防止およびα線の透過の抑制を行う保護膜としての機能を有している。
【0023】
ボンディングパッドBPに用いる最上層の配線51の上面のTiN膜28、接着用絶縁膜29、および第1パッシベーション膜30には開口部31が形成されており、その開口部31の底面には、最上層の配線51のAl膜26が露出している。さらに、平面視における第1パッシベーション膜30の上面および開口部31の側面は、第2パッシベーション膜32により覆われている。ボンディングパッドBPに用いる最上層の配線51の上面は、第2パッシベーション膜32により覆われておらず、外部端子(ボンディングワイヤ、バンプなど)を接続するために、露出している。
【0024】
また、素子形成領域を取り囲むようにガードリング(シーリング)GRが形成され、ガードリングGRの周りを囲むように、スリット(溝部、溝パターン)SLが形成されている。
【0025】
しかしながら、スリットSLの内壁(側面と底面)は、露出している。さらに、このスリットSLは、第2パッシベーション膜32、第1パッシベーション膜31、接着用絶縁膜29、および層間絶縁膜23に形成されるが、スリットSLを形成する際の加工等のばらつきにより、スリットSLがさらに深く形成され、層間絶縁膜23よりも下層のバリア絶縁膜22、キャップ絶縁膜20a、そして配線形成用絶縁膜19aにまで、スリットSLの底部が達することがある。配線形成用絶縁膜19aは、配線の寄生容量を小さくするために、主にLow−k膜により構成されるが、Low−k膜は、SiOからなる絶縁膜よりも耐湿性が劣り、水分を容易に侵入させてしまう。
【0026】
配線材料の拡散を防止するために、層間絶縁膜23と配線形成用絶縁膜19aとの間に設けられたバリア絶縁膜22を厚く形成することにより、スリットSLの底部が配線形成用絶縁膜19aに達しないようにすることは可能である。しかし、通常、バリア絶縁膜22は、窒素を含むシリコン、例えばSiN(窒化シリコン)、SiCN(炭窒化シリコン)、またはSiON(酸窒化シリコン)などからなり、その比誘電率はSiOの比誘電率よりも高い。そのため、バリア絶縁膜22を厚く形成すると、配線の寄生容量が大きくなり、素子動作の高速化の妨げとなる。
【0027】
次に、実施の形態1、2、および3において、本願発明を詳細に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
本実施の形態1による半導体装置を図1および図2を用いて以下に説明する。図1は半導体装置の要部断面図、図2は半導体装置の要部平面図である。
【0029】
図1に示すように、シリコン単結晶からなる半導体基板(円形の薄い板状に加工した半導体ウエハ)1の主面には、区画された半導体チップ単位毎に所望する種々の半導体素子から成る半導体装置が形成されている。半導体素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)デバイス、抵抗素子、容量素子等が形成されるが、本実施の形態1ではCMOSデバイスを例示している。なお、CMOSデバイスを構成するpチャネル型のMISFETをpMISと略し、nチャネル型のMISFETをnMISと略す。
【0030】
半導体基板1の素子分離領域には絶縁膜からなる分離部2が形成されており、半導体基板1の第1の領域にp型の導電性を示す不純物をイオン注入してpウェル3が形成され、第1の領域とは異なる第2の領域にn型の導電性を示す不純物をイオン注入してnウェル4が形成されている。nMISは、例えば半導体基板1(pウェル3)の表面に形成されたゲート絶縁膜5、ゲート絶縁膜5上に形成されたゲート電極6n、ゲート電極6nの側壁に形成されたサイドウォール7、およびゲート電極6nの両側の半導体基板1(pウェル3)に形成されたソース・ドレインとして機能するn型半導体領域8から構成される。同様に、pMISは、例えば半導体基板1(nウェル4)の表面に形成されたゲート絶縁膜5、ゲート絶縁膜5上に形成されたゲート電極6p、ゲート電極6pの側壁に形成されたサイドウォール7、およびゲート電極6pの両側の半導体基板1(nウェル4)に形成されたソース・ドレインとして機能するp型半導体領域9から構成される。
【0031】
さらに、nMISおよびpMISは層間絶縁膜10により覆われており、この層間絶縁膜10には、n型半導体領域8またはp型半導体領域9上などの必要部分に達する接続孔11が形成されている。接続孔11の内部には、例えばW(タングステン)を主導電材料とする導体膜からなるプラグ12が埋め込まれており、このプラグ12に接続して第1層目の配線M1が形成されている。第1層目の配線M1は、例えばCuを主導体材料とする導体膜からなり、シングルダマシン法により形成される。すなわち、ストッパ絶縁膜13および配線形成用絶縁膜14からなる積層膜に配線溝15が形成され、この配線溝15の内部に、Cuを主導電材料とする導体膜からなる第1層目の配線M1が埋め込まれている。
【0032】
さらに、第1層目の配線M1の上層には、第2層目の配線M2から第6層目の配線M6が形成されている。第2層目の配線M2から第5層目の配線M5は、例えばCuを主導電材料とする導体膜からなり、デュエルダマシン法により形成される。第6層目の配線M6は、例えばAlを主導電材料とする導体膜からなり、半導体基板1上に堆積されたAlを主導電材料とする導体膜を、レジストパターンをマスクとして加工することにより形成される。第6層目の配線M6の一部は、ボンディングパッドBPとして機能する。
【0033】
第1層目の配線M1から第6層目の配線M6は、素子形成領域に形成されて回路動作に用いられる。さらに、図2に示すように、第1層目の配線M1から第6層目の配線M6の積層構造からなるガードリングGRが、素子形成領域DAの周りを囲むように形成されている。さらに、ガードリングGRの周りを囲むようにスリットSLが形成されている。すなわち、素子形成領域と、半導体ウエハを半導体チップに切り分けるスクライブライン100との間には、ガードリングGRおよびスリットSLが形成されている。なお、本実施の形態1では、配線層を6層としたが、層数はこれに限定されるものではない。
【0034】
第2層目の配線M2は、この第2層目の配線M2とその下層である第1層目の配線M1とを接続する接続部材と一体に形成される。ストッパ絶縁膜16および層間絶縁膜17からなる積層膜に形成された接続孔18、および配線形成用絶縁膜19およびキャップ絶縁膜20からなる積層膜に形成された配線溝21の内部に、Cuを主導電材料とする導体膜が一体に形成された第2層目の配線M2および接続部材が埋め込まれている。
【0035】
ストッパ絶縁膜16は、層間絶縁膜17に対してエッチング選択比を有する材料で構成され、例えばプラズマCVD法により形成される窒化シリコン膜である。さらに、ストッパ絶縁膜16は第1層目の配線M1を構成するCuの拡散を防止する保護膜としての機能を有している。層間絶縁膜17は、例えばプラズマCVD法により形成されるTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)膜である。配線形成用絶縁膜19は、SiOよりも比誘電率が低い絶縁膜であり、例えば比誘電率が3.5以下のLow−k膜により構成される。Low−k膜として、例えばフッ素を含む酸化シリコン膜を用いる。キャップ絶縁膜20は、例えばプラズマCVD法により形成されるTEOS膜である。
【0036】
第3層目の配線M3から第5層目の配線M5は、第2層目の配線M2と同様の構成であり、順次第2層目の配線M2の上に形成されている。
【0037】
第5層目の配線M5は、バリア絶縁膜22および層間絶縁膜23により覆われており、これらバリア絶縁膜22および層間絶縁膜23には、第5層目の配線M5に達する接続孔24が形成されている。接続孔24の内部には、例えばWを主導電材料とする導体膜からなるプラグ25が埋め込まれており、このプラグ25に接続して第6層目の配線M6が形成されている。
【0038】
バリア絶縁膜22はCuの拡散を防止する保護膜としての機能を有しており、例えば窒素を含むシリコン膜、例えばSiN膜、SiCN膜、またはSiON膜などである。その厚さは、例えば175〜225nm程度である。層間絶縁膜23は、例えばプラズマCVD法により形成される酸化シリコン膜であり、その厚さは、例えば1000nm程度である。
【0039】
第6層目の配線M6は、主としてAl膜26から構成されるが、その上下(上面および下面)にはEM耐性を向上させるためのTiN膜27,28が形成されている。さらに、Al膜26の上面に形成されたTiN膜28は、反射防止膜としての機能を有している。Al膜26は、例えばスパッタリング法により形成され、その厚さは、例えば1000nm程度である。Al膜26の上面および下面に形成されたTiN膜27,28は、例えばスパッタリング法により形成され、Al膜の上面に形成されたTiN膜28の厚さは、例えば100〜300nm程度である。
【0040】
第6層目の配線M6は、接着用絶縁膜29および第1パッシベーション膜30により覆われている。接着用絶縁膜29は、例えばプラズマCVD法により形成された酸化シリコン膜であり、第1パッシベーション膜30の剥がれを防止するために設けられている。その厚さは、例えば70nm程度である。第1パッシベーション膜30は、例えば高密度プラズマCVD法により形成された酸化シリコン膜30a(下層パッシベーション膜30A)およびプラズマCVD法により形成された窒化シリコン膜30b(上層パッシベーション膜30B)からなり、外部からの水分や不純物の侵入防止およびα線の透過の抑制を行う保護膜としての機能を有している。下層に位置する酸化シリコン膜30aの厚さは、例えば1000nm程度であり、上層に位置する窒化シリコン膜30bの厚さは、例えば600nm程度である。
【0041】
ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面のTiN膜28、接着用絶縁膜29、および第1パッシベーション膜30には、開口部31が形成されており、その開口部31の底面には、第6層目の配線M6のAl膜26が露出している。
【0042】
また、ガードリングGRの周りを囲むように、スリットSLが形成されている。このスリットSLは、第5層目の配線M5と第6層目の配線M6との間に設けられた層間絶縁膜23、接着用絶縁膜29、および第1パッシベーション膜30に形成されている。スリットSLの幅は、例えば4〜5nm程度である。そのスリットSLの底部は、層間絶縁膜23の膜厚方向において層間絶縁膜23を突き抜けておらず、第5層目の配線M5と第6層目の配線M6との間に設けられた、Cuの拡散を防止する保護膜としての機能を有するバリア絶縁膜22には達しないことが望ましい。しかし、スリットSLを形成する際の加工ばらつき等により、スリットSLの底部がバリア絶縁膜22に達することもあるが、スリットSLの底部がバリア絶縁膜22の膜厚方向においてバリア絶縁膜22を突き抜けて、その下層のキャップ絶縁膜20a(例えば前述したキャップ絶縁膜20と同じ材料からなる絶縁膜)に達しなければよい。これは、第5層目の配線M5が形成される配線形成用絶縁膜19a(例えば前述した配線形成用絶縁膜19と同じ材料からなる絶縁膜)はフッ素を含んでおり、配線形成用絶縁膜19aの耐湿性が、フッ素を含んでいない絶縁膜よりも劣る。そのため、スリットSLの底部がキャップ絶縁膜20a、さらに、その下層の配線形成用絶縁膜19aに達すると、水分がスリットSLを介して容易に侵入して素子形成領域に形成されたCu配線を腐食させてしまう。図1中、符号16aは前述したストッパ絶縁膜16と同じ材料からなるストッパ絶縁膜、符号17aは前述した層間絶縁膜17と同じ材料からなる層間絶縁膜、符号18aは前述した接続孔18と同じように形成された接続孔、符号21aは前述した配線溝21と同じように形成された配線溝である。
【0043】
さらに、平面視における第1パッシベーション膜30の上面、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面が露出するように形成された開口部31の側面、およびスリットSLの内壁(側面と底面)は、第2パッシベーション膜32により覆われている。ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面は、第2パッシベーション膜32により覆われておらず、外部端子(ボンディングワイヤ、バンプなど)を接続するために、露出している。第2パッシベーション膜32は、例えばプラズマCVD法により形成された窒化シリコン膜からなり、その厚さは、例えば100〜300nm程度である。
【0044】
ここで、スリットSLの内壁(側面と底面)を完全に第2パッシベーション膜32で覆うことにより、さらに、水分がスリットSLを介して素子形成領域に侵入することを防止することができる。すなわち、スリットSLの底部がバリア絶縁膜22を突き抜けないように形成されることでも、水分の侵入を防ぐことができるが、これに加えて、スリットSLの内壁(側面と底面)を第2パッシベーション膜32で覆うことにより、より水分の侵入を防ぐことができる。これにより、半導体装置の信頼性試験において、スリットSLを介した素子形成領域への水分の侵入に起因したCu配線の腐食が発生せず、半導体装置の信頼性の低下を防止することができる。
【0045】
また、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面が露出するように形成された開口部31の側面は、第2パッシベーション膜32によって覆われており、Al膜26の上面に形成されたTiN膜28は露出していない。従って、このTiN膜28は酸化されにくくなるので、酸化によるTiN膜28の体積膨張が起きにくくなり、第1パッシベーション膜30や層間絶縁膜23などにクラックが入ることがない。これらにより、半導体装置の信頼性試験において、上記クラックを介した素子形成領域への水分の侵入に起因したCu配線の腐食が発生せず、半導体装置の信頼性の低下を防止することができる。
【0046】
次に、本実施の形態1による半導体装置の製造方法を図3〜図11に示す半導体装置の要部断面図を用いて工程順に説明する。図6〜図11は、半導体装置の上層配線(前述した第5層目の配線M5および第6層目の配線M6)を示す要部断面図である。
【0047】
まず、図3に示すように、シリコン単結晶からなる半導体基板(円形の薄い板状に加工した半導体ウエハ)1の主面に所望する半導体素子を形成する。半導体素子としては、CMOSデバイスを例示する。
【0048】
半導体基板1の素子分離領域に絶縁膜からなる分離部2を形成した後、半導体基板1にp型の導電性を示す不純物をイオン注入してpウェル3を形成し、同様に、n型の導電性を示す不純物をイオン注入してnウェル4を形成する。続いてnMISおよびpMISを構成するゲート絶縁膜5およびゲート電極6n,6pを形成し、さらに、ゲート電極6n,6pの側壁にサイドウォール7を形成する。続いてゲート電極6nの両側のpウェル3にn型の導電性を示す不純物をイオン注入し、nMISのソース・ドレインとして機能するn型半導体領域8をゲート電極6nおよびサイドウォール7に対して自己整合的に形成する。同様に、ゲート電極6pの両側のnウェル4にp型の導電性を示す不純物をイオン注入し、pMISのソース・ドレインとして機能するp型半導体領域9をゲート電極6pおよびサイドウォール7に対して自己整合的に形成する。
【0049】
次に、半導体基板1の主面上に形成された種々の半導体素子を電気的に接続する多層配線を形成する。
【0050】
図4に示すように、半導体基板1の主面上にCVD法により窒化シリコン膜を堆積して下層絶縁膜10aを形成する。続いて下層絶縁膜10a上にプラズマCVD法によりTEOS膜を堆積して上層絶縁膜10bを形成し、下層絶縁膜10aおよび上層絶縁膜10bからなる層間絶縁膜10を形成する。その後、上層絶縁膜10bの表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により研磨する。下地段差に起因して下層絶縁膜10aの表面に凹凸形状が形成されていても、上層絶縁膜10bの表面をCMP法により研磨することにより、その表面が平坦化された層間絶縁膜10が得られる。
【0051】
次に、レジストパターンをマスクとして層間絶縁膜10をエッチングし、nMISおよびpMISのソース・ドレインなどに達する接続孔11を所定の箇所に形成する。続いて半導体基板1の主面上にバリアメタル膜を形成する。バリアメタル膜は、例えばTi膜、TiN膜等である。さらに、バリアメタル膜上に金属膜、例えばW膜を堆積し、これら金属膜およびバリアメタル膜を、例えばCMP法により研磨することによって接続孔11の内部にバリアメタル膜および金属膜を埋め込み、金属膜を主導体膜とするプラグ12を形成する。
【0052】
次に、半導体基板1の主面上にストッパ絶縁膜13および配線形成用絶縁膜14を順次形成する。ストッパ絶縁膜13は、配線形成用絶縁膜14に配線溝15を形成する際にエッチングストッパとなる膜であり、配線形成用絶縁膜14に対してエッチング選択比を有する材料を用いる。ストッパ絶縁膜13は、例えばプラズマCVD法により形成される窒化シリコン膜であり、配線形成用絶縁膜14は、例えばプラズマCVD法により形成される酸化シリコン膜である。
【0053】
次に、シングルダマシン法により第1層目の配線M1を形成する。
【0054】
まず、レジストパターンをマスクとしたドライエッチングによってストッパ絶縁膜13および配線形成用絶縁膜14の所定の領域に配線溝15を形成した後、半導体基板1の主面上にバリアメタル膜を形成する。バリアメタル膜は、例えばTiN膜、Ta膜またはTaN膜等である。続いてCVD法またはスパッタリング法によりバリアメタル膜上にCuシード層を形成し、さらに、電解めっき法を用いてCuシード層上にCuめっき膜を形成する。Cuめっき膜により配線溝15の内部を埋め込む。続いて配線溝15以外の領域のCuめっき膜、Cuシード層およびバリアメタル膜を、例えばCMP法により除去して、Cu膜を主導体膜とする第1層目の配線M1を配線溝15の内部に形成する。
【0055】
次に、デュアルダマシン法により第2層目の配線M2から第5層目の配線M5を形成する。
【0056】
まず、図5に示すように、半導体基板1の主面上にストッパ絶縁膜16、層間絶縁膜17、配線形成用絶縁膜19、およびキャップ絶縁膜20を順次形成する。ストッパ絶縁膜16および層間絶縁膜17には、後に説明するように接続孔18が形成され、配線形成用絶縁膜19およびキャップ絶縁膜20には、後に説明するように配線溝21が形成される。
【0057】
ストッパ絶縁膜16は、層間絶縁膜17に対してエッチング選択比を有する材料で構成され、例えばプラズマCVD法により形成される窒化シリコン膜である。さらに、ストッパ絶縁膜16は、第1層目の配線M1を構成するCuの拡散を防止する保護膜としての機能を有している。層間絶縁膜17は、例えばプラズマCVD法により形成されるTEOS膜である。配線形成用絶縁膜19は、SiOよりも比誘電率が低い絶縁膜であり、例えば比誘電率が3.5以下のLow−k膜により構成される。Low−k膜として、例えばフッ素を含む酸化シリコン膜を用いる。キャップ絶縁膜20は、例えばプラズマCVD法により形成されるTEOS膜である。
【0058】
次に、接続孔形成用のレジストパターンをマスクとしたエッチングにより、キャップ絶縁膜20、配線形成用絶縁膜19、層間絶縁膜17、およびストッパ絶縁膜16を順次加工する。この際、ストッパ絶縁膜16がエッチングストッパとして機能する。続いて配線溝形成用のレジストパターンをマスクとしたエッチングにより、キャップ絶縁膜20および配線形成用絶縁膜19を順次加工する。これにより、ストッパ絶縁膜16および層間絶縁膜17に接続孔18が形成され、配線形成用絶縁膜19およびキャップ絶縁膜20に配線溝21が形成される。
【0059】
次に、接続孔18および配線溝21の内部に第2層目の配線M2を形成する。第2層目の配線M2は、バリアメタル膜および主導体膜であるCu膜からなり、この第2層目の配線M2と下層配線である第1層目の配線M1とを接続する接続部材は第2層目の配線M2と一体に形成される。まず、接続孔18および配線溝21の内部を含む半導体基板1の主面上にバリアメタル膜を形成する。バリアメタル膜は、例えばTiN膜、Ta膜またはTaN膜等である。続いてCVD法またはスパッタリング法によりバリアメタル膜上にCuシード層を形成し、さらに、電解めっき法を用いてCuシード層上にCuめっき膜を形成する。Cuめっき膜により接続孔18および配線溝21の内部を埋め込む。続いて接続孔18および配線溝21以外の領域のCuめっき膜、Cuシード層およびバリアメタル膜を、例えばCMP法により除去して、Cu膜を主導体膜とする第2層目の配線M2を配線溝21の内部に形成する。
【0060】
その後、前述した第2層目の配線M2と同様な方法により、さらに、上層の第3層目の配線M3から第5層目の配線M5を形成する。
【0061】
次に、最上層の配線である第6層目の配線M6を形成する。
【0062】
まず、図6に示すように、半導体基板1の主面上にバリア絶縁膜22および層間絶縁膜23を順次形成する。バリア絶縁膜22は、Cuの拡散を防止する保護膜としての機能を有しており、例えば窒素を含むシリコン膜、例えばSiN膜、SiCN膜、またはSiON膜などである。その厚さは、例えば175〜225nm程度である。層間絶縁膜23は、例えばプラズマCVD法により形成される酸化シリコン膜であり、その厚さは、例えば1000nm程度である。
【0063】
次に、レジストパターンをマスクとして層間絶縁膜23およびバリア絶縁膜22を順次エッチングし、第5層目の配線M5に達する接続孔24を所定の箇所に形成する。続いて半導体基板1の主面上にバリアメタル膜を形成する。バリアメタル膜は、例えばTi膜、TiN膜等である。さらに、バリアメタル膜上に金属膜、例えばW膜を堆積し、これら金属膜およびバリアメタル膜を、例えばCMP法により研磨することによって接続孔24の内部にバリアメタル膜および金属膜を埋め込み、金属膜を主導体膜とするプラグ25を形成する。
【0064】
次に、半導体基板1の主面上にTiN膜27、Al膜26、およびTiN膜28を順次形成する。Al膜26の上面および下面に形成されたTiN膜27,28は、EM耐性を向上させる機能を有している。さらに、Al膜26の上面に形成されたTiN膜28は、反射防止膜としての機能を有している。Al膜26は、例えばスパッタリング法により形成され、その厚さは、例えば1000nm程度である。Al膜26の上面および下面に形成されたTiN膜27,28は、例えばスパッタリング法により形成され、Al膜26の上面に形成されたTiN膜28の厚さは、例えば100〜300nm程度である。
【0065】
次に、レジストパターンをマスクとしたエッチングにより、TiN膜28、Al膜26、およびTiN膜27を順次エッチングし、TiN膜27、Al膜26、およびTiN膜28の積層膜からなる第6層目の配線M6を形成する。前述した図2に示すように、半導体チップSCの素子形成領域DAの周縁部には、第6層目の配線M6からなる複数のボンディングパッドBPが形成される。また、素子形成領域DAの周囲には、第1層目の配線M1から第6層目の配線M6が積層されて構成されるガードリングGRが形成される。
【0066】
次に、図7に示すように、半導体基板1の主面上に接着用絶縁膜29および下層パッシベーション膜30Aを順次形成する。接着用絶縁膜29は、例えばプラズマCVD法により形成された酸化シリコン膜からなり、下層パッシベーション膜30Aの剥がれを防止するために設けられている。その厚さは、例えば70nm程度である。下層パッシベーション膜30Aは、例えば高密度プラズマCVD法により形成された酸化シリコン膜30aからなり、その厚さは、例えば1000nm程度である。
【0067】
次に、図8に示すように、下層パッシベーション膜30A上に、上層パッシベーション膜30Bを形成する。上層パッシベーション膜30Bは、プラズマCVD法により形成された窒化シリコン膜30bからなり、その厚さは、例えば600nm程度である。下層パッシベーション膜30Aおよび上層パッシベーション膜30Bからなる第1パッシベーション膜30は、外部からの水分や不純物の侵入防止およびα線の透過の抑制を行う保護膜としての機能を有している。
【0068】
次に、図9に示すように、レジストパターンRP1をマスクとしたエッチングにより、素子形成領域の第1パッシベーション膜30およびボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面のTiN膜28を順次エッチングし、同時に、スリット領域の第1パッシベーション膜30、接着用絶縁膜29、および層間絶縁膜23を順次エッチングする。これにより、素子形成領域には、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6を露出する開口部31が形成され、スリット領域には、スリットSLが形成される。このとき、スリット領域に形成されるスリットSLは、その底部が、層間絶縁膜23の膜厚方向において層間絶縁膜23を突き抜けない位置で止まるように、形成される。従って、スリットSLの底部は、バリア絶縁膜22の膜厚方向においてバリア絶縁膜22を突き抜けていない。
【0069】
開口部31の底面には、第6層目の配線M6のAl膜26が露出している。また、開口部31の側面には、Al膜26の上面に形成されたTiN膜28も露出している。スリットSLは、前述したように、スリットSLを形成する際の加工ばらつき等により、その深さがばらつく。そのため、スリットSLの底部がバリア絶縁膜22に達することがあるが、最悪の場合でも、スリットSLの底部はバリア絶縁膜22で止めて、バリア絶縁膜22を突き抜けないように形成される。また、スリットSLが深くなると、後の工程で形成される第2パッシベーション膜32のカバレジが悪くなる、第2パッシベーション膜32の加工に用いるレジストの被覆性が悪くなる、そのレジストの除去残りが生じるなどの不良が生じる可能性もある。
【0070】
次に、図10に示すように、半導体基板1の主面上に第2パッシベーション膜32を形成する。第2パッシベーション膜32は、例えばプラズマCVD法により形成された窒化シリコン膜であり、その厚さは、例えば100〜300nm程度である。第2パッシベーション膜32により、平面視における第1パッシベーション膜30の上面、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6を露出する開口部31の内壁(側面と底面)、およびスリットSLの内壁(側面と底面)は覆われている。
【0071】
次に、図11に示すように、レジストパターンRP2をマスクにして、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面の第2パッシベーション膜32のみを除去して、第6層目の配線M6のAl膜26を露出させる。ここでは、開口部31の側面の第2パッシベーション膜32は除去せず、TiN膜28を第2パッシベーション膜32で覆う。TiN膜28を第2パッシベーション膜32で覆うことにより、TiN膜28が酸化されにくくなり、酸化によるTiN膜28の体積膨張が起きにくくなる。これにより、第1パッシベーション膜30や層間絶縁膜23などにクラックが入らなくなり、このクラックを介しての水分の侵入が防止できるので、素子形成領域のCu配線の腐食を防止することができる。また、ここでは、スリットSLの内壁(側面と底面)に形成された第2パッシベーション膜32も除去しない。これにより、スリットSLを介しての水分の侵入が防止できるので、素子形成領域のCu配線の腐食を防止することができる。
【0072】
このように、本実施の形態1では、スリットSLの底部がバリア絶縁膜22を突き抜けないようにスリットSLを形成した後、さらに、スリットSLの内壁(側面および底面)を第2パッシベーション膜32で覆っている。また、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面が露出するように形成された開口部31の側面を第2パッシベーション膜32によって覆うことにより、Al膜26の上面に形成されたTiN膜28の露出を防いで、酸化によるTiN膜28の体積膨張に起因する第1パッシベーション膜30や層間絶縁膜23などにおけるクラックの発生を防止している。これらにより、半導体装置の信頼性試験において、スリットSLまたはクラックを介した素子形成領域への水分の侵入を防止することができるので、水分に起因した素子形成領域のCu配線の腐食が発生せず、半導体装置の信頼性の低下を防止することができる。
【0073】
(実施の形態2)
前述した実施の形態1では、ガードリングGRの周りを囲むように形成されたスリットSLの内壁(側面と底面)を第2パッシベーション膜32により覆うことにより、水分がスリットSLを介して素子形成領域に収入することを防止した。また、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面が露出するように形成された開口部31の側面を第2パッシベーション膜32により覆い、TiN膜28の露出を防ぐことにより、酸化によるTiN膜28の体積膨張に起因した第1パッシベーション膜30におけるクラックの発生を防止して、水分がクラックを介して素子形成領域に侵入することを防止した。
【0074】
これに対して、本実施の形態2では、実施の形態1と同様に、最上層の配線である第6層目の配線M6は第1パッシベーション膜30により保護する。しかし、ガードリングGRの周りを囲むように形成されたスリットSLの内壁(側面と底面)とボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面が露出するように形成された開口部31の側面は、第1パッシベーション膜30の上層部を構成する上層パッシベーション膜30Bにより保護する。
【0075】
本実施の形態2による半導体装置を図12に示す半導体装置の要部断面図を用いて説明する。図12は半導体装置の上層配線(前述した第5層目の配線M5および第6層目の配線M6)を示す要部断面図である。なお、半導体基板1の主面に形成される各種半導体素子および第1層目の配線M1から第6層目の配線M6の構造は、前述した実施の形態1で説明したものと同様であるため、その説明を省略する。
【0076】
図12に示すように、第6層目の配線M6は、接着用絶縁膜29および第1パッシベーション膜30により覆われている。接着用絶縁膜29は、例えばプラズマCVD法により形成された酸化シリコン膜であり、第1パッシベーション膜30の剥がれを防止するために設けられている。その厚さは、例えば70nm程度である。
【0077】
第1パッシベーション膜30は、下層パッシベーション膜30Aと上層パッシベーション膜30Bとからなる積層膜である。下層パッシベーション膜30Aは、例えば高密度プラズマCVD法により形成された酸化シリコン膜30aである。また、上層パッシベーション膜30Bは、水分の侵入を防止する機能を有する保護膜であり、例えばプラズマCVD法により形成された窒化シリコン膜30bである。下層パッシベーション膜30Aの厚さは、例えば1000nm程度であり、上層パッシベーション膜30Bの厚さは、例えば600nm程度である。第1パッシベーション膜30は、外部からの水分や不純物の侵入防止およびα線の透過の抑制を行う保護膜としての機能を有している。
【0078】
ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面のTiN膜28、接着用絶縁膜29、および下層パッシベーション膜30Aには、開口部31が形成されており、その開口部31の底面には、第6層目の配線M6のAl膜26が露出している。
【0079】
また、素子形成領域の周りを取り囲むようにガードリングGRが形成され、ガードリングGRの周りを囲むようにスリットSLが形成されている。このスリットSLは、第5層目の配線M5と第6層目の配線M6との間に設けられた層間絶縁膜23、接着用絶縁膜29、および下層パッシベーション膜30Aに形成されている。スリットSLの底部は、層間絶縁膜23の膜厚方向において層間絶縁膜23を突き抜けておらず、第5層目の配線M5と第6層目の配線M6との間に設けられた、Cuの拡散を防止する保護膜としての機能を有するバリア絶縁膜22には達していない。スリットSLの幅は、例えば4〜5nm程度である。
【0080】
さらに、平面視における下層パッシベーション膜30Aの上面、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面が露出するように形成された開口部31の側面、およびスリットSLの内壁(側面と底面)は上層パッシベーション膜30Bにより覆われている。ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面のみ、上層パッシベーション膜30Bにより覆われておらず、外部端子(ボンディングワイヤ、バンプなど)を接続するために、露出している。
【0081】
このように、スリットSLの内壁(側面と底面)を上層パッシベーション膜30Bによって覆うことにより、外部から水分がスリットSLを介して素子形成領域に侵入することを防止することができる。また、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面が露出するように形成された開口部31の側面を上層パッシベーション30Bによって覆うことにより、酸化によるTiN膜28の体積膨張に起因する第1パッシベーション膜30や層間絶縁膜23などのクラックを防ぎ、クラックを介して外部から水分が素子形成領域に侵入することを防止することができる。これらにより、半導体装置の信頼性試験において、スリットSLを介した素子形成領域への水分の侵入に起因したCu配線の腐食が発生せず、半導体装置の信頼性の低下を防止することができる。
【0082】
次に、本実施の形態2による半導体装置の製造方法を図13〜図15を用いて説明する。図13〜図15は半導体装置の上層配線(前述した第5層目の配線M5および第6層目の配線M6)を示す要部断面図である。なお、半導体基板1の主面に各種半導体素子を形成し、そして第1層目の配線M1から第6層目の配線M6を形成するまでの製造過程は、前述した実施の形態1で説明したものと同様であるため、その説明を省略する。
【0083】
まず、図13に示すように、前述した実施の形態1において図7を用いて説明した製造工程に続いて、レジストパターンRP3をマスクとしたエッチングにより、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面の下層パッシベーション膜30A、接着用絶縁膜29、およびTiN膜28を順次エッチングし、同時に、スリット領域の下層パッシベーション膜30A、接着用絶縁膜29、および層間絶縁膜23を順次エッチングする。これにより、素子形成領域には、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6を露出する開口部31が形成され、スリット領域には、バリア絶縁膜22に達しないスリットSLが形成される。
【0084】
開口部31の底面には、第6層目の配線M6を構成するAl膜26が露出している。また、開口部31の側面にはAl膜26の上面に形成されたTiN膜28も露出している。スリットSLは、スリットSLを形成する際の加工ばらつき等により、その深さはばらつくが、スリットSLの底部はバリア絶縁膜22で止めて、バリア絶縁膜22を突き抜けないように形成される。
【0085】
次に、図14に示すように、下層パッシベーション膜30A上に、上層パッシベーション膜30Bを形成する。上層パッシベーション膜30Bは、水分の侵入を防止する機能を有する保護膜であり、例えばプラズマCVD法により形成された窒化シリコン膜からなる。その厚さは、例えば600nm程度である。ここで、上層パッシベーション膜30Aにより、平面視における下層パッシベーション膜30Aの上面、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面が露出するように形成された開口部31の内壁(側面と底面)、およびスリットSLの内壁(側面と底面)は覆われている。
【0086】
次に、図15に示すように、レジストパターンRP4をマスクにして、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面の上層パッシベーション膜30Bのみを除去して、第6層目の配線M6のAl膜26を露出させる。ここでは、開口部31の側面の上層パッシベーション膜30Bは除去せず、開口部31の側面に露出したTiN膜28を上層パッシベーション膜30Bで覆う。TiN膜28を上層パッシベーション膜30Bで覆うことにより、TiN膜28が酸化されにくくなり、酸化によるTiN膜28の体積膨張が起きにくくなる。これにより、第1パッシベーション膜30や層間絶縁膜23などにクラックが入らなくなり、このクラックを介しての水分の侵入が防止できるので、素子形成領域のCu配線の腐食を防止することができる。また、ここでは、スリットSLの内壁(側面と底面)に形成された上層パッシベーション膜30Bも除去しない。これにより、スリットSLを介しての水分の侵入が防止できるので、素子形成領域のCu配線の腐食を防止することができる。
【0087】
このように、本実施の形態2によれば、外部からの素子形成領域への水分の侵入を防止することができるので、前述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。さらに、前述した実施の形態1では、第2パッシベーション膜32を形成したが、本実施の形態2では、第2パッシベーション膜32を形成していないので、前述した実施の形態1よりも材料費の節約や製造時間の短縮などを図ることができる。
【0088】
(実施の形態3)
本実施の形態3による半導体装置について図16および図17を用いて説明する。図16は素子形成領域およびスリット領域の一例を説明する上層配線の要部断面図、図17は素子形成領域およびスリット領域の他の例を説明する上層配線の要部断面図である。
【0089】
まず、本実施の形態3による半導体装置の一例を図16に示す半導体装置の要部断面図を用いて説明する。図16は半導体装置の上層配線(前述した第5層目の配線M5および第6層目の配線M6)を示す要部断面図である。
【0090】
図16に示すように、第6層目の配線M6は、接着用絶縁膜29および第1パッシベーション膜30により覆われている。接着用絶縁膜29は、例えばプラズマCVD法により形成された酸化シリコン膜であり、第1パッシベーション膜30の剥がれを防止するために設けられている。その厚さは、例えば70nm程度である。
【0091】
第1パッシベーション膜30は、下層パッシベーション膜30Aと上層パッシベーション膜30Bとからなる積層膜である。下層パッシベーション膜30Aは、例えば高密度プラズマCVD法により形成された酸化シリコン膜30aである。また、上層パッシベーション膜30Bは、水分の侵入を防止する機能を有する保護膜であり、例えばプラズマCVD法により形成された窒化シリコン膜30bである。下層パッシベーション膜30Aの厚さは、例えば1000nm程度であり、上層パッシベーション膜30Bの厚さは、例えば600nm程度である。第1パッシベーション膜30は、外部からの水分や不純物の侵入防止およびα線の透過の抑制を行う保護膜としての機能を有している。
【0092】
ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面のTiN膜28、接着用絶縁膜29、および下層パッシベーション膜30Aには、開口部31が形成されており、その開口部31の底面には、第6層目の配線M6のAl膜26が露出している。
【0093】
また、素子形成領域の周りを取り囲むようにガードリングGRが形成され、ガードリングGRの周りを囲むようにスリットSLが形成されている。このスリットSLは、第5層目の配線M5と第6層目の配線M6との間に設けられた層間絶縁膜23、接着用絶縁膜29、および下層パッシベーション膜30Aに形成されている。スリットSLの底部は、層間絶縁膜23の膜厚方向において層間絶縁膜23を突き抜けておらず、第5層目の配線M5と第6層目の配線M6との間に設けられた、Cuの拡散を防止する保護膜としての機能を有するバリア絶縁膜22には達していない。スリットSLの幅は、例えば4〜5nm程度である。
【0094】
次に、本実施の形態3による半導体装置の他の例を図17に示す半導体装置の要部断面図を用いて説明する。図17は半導体装置の上層配線(前述した第5層目の配線M5および第6層目の配線M6)を示す要部断面図である。
【0095】
図17に示すように、前述した図16に示す上層配線の構造に加えて、さらに平面視における第1パッシベーション膜30の上面、ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面が露出するように形成された開口部31の側面、およびスリットSLの内壁(側面と底面)は第2パッシベーション膜32により覆われている。ボンディングパッドBPに用いる第6層目の配線M6の上面のみ、第2パッシベーション膜32により覆われておらず、外部端子(ボンディングワイヤ、バンプなど)を接続するために、露出している。
【0096】
このように、本実施の形態3によれば、配線形成用絶縁膜19aが水分を容易に侵入させてしまうLow−k膜であっても、スリットSLの底部が、層間絶縁膜23の膜厚方向において層間絶縁膜23を突き抜けておらず、配線形成用絶縁膜19aに達していないでの、スリットSLを介した素子形成領域への水分の侵入を防止することができる。
【0097】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、層間絶縁膜および配線等の剥がれを防止するために、半導体基板の主面上に素子形成領域を取り囲むように形成されたスリット(溝部、溝パターン)を有する半導体装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 半導体基板
2 分離部
3 pウェル
4 nウェル
5 ゲート絶縁膜
6n,6p ゲート電極
7 サイドウォール
8 n型半導体領域
9 p型半導体領域
10 層間絶縁膜
10a 下層絶縁膜
10b 上層絶縁膜
11 接続孔
12 プラグ
13 ストッパ絶縁膜
14 配線形成用絶縁膜
15 配線溝
16,16a ストッパ絶縁膜
17,17a 層間絶縁膜
18,18a 接続孔
19,19a 配線形成用絶縁膜(第1絶縁膜)
20,20a キャップ絶縁膜
21,21a 配線溝
22 バリア絶縁膜(第2絶縁膜)
23 層間絶縁膜(第3絶縁膜)
24 接続孔
25 プラグ
26 Al(アルミニウム)膜
27,28 TiN(窒化チタン)膜
29 接着用絶縁膜
30 第1パッシベーション膜
30a 酸化シリコン膜
30A 下層パッシベーション膜(下層膜)
30b 窒化シリコン膜
30B 上層パッシベーション膜(上層膜)
31 開口部
32 第2パッシベーション膜
51 最上層の配線
52 Cu(銅)配線
100 スクライブライン
BP ボンディングパッド
DA 素子形成領域
GR ガードリング(シーリング)
M1 第1層目の配線
M2 第2層目の配線
M3 第3層目の配線
M4 第4層目の配線
M5 第5層目の配線
M6 第6層目の配線
RP1,RP2,RP3,RP4 レジストパターン
SC 半導体チップ
SL スリット(溝部、溝パターン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の主面上に形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜に形成された配線溝と、
前記配線溝の内部に形成された、銅を主導電材料とする第1導体膜からなる第1配線と、
前記第1配線および前記第1絶縁膜の上に形成された第1厚さの第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜の上に形成された、前記第1厚さよりも厚い第2厚さの第3絶縁膜と、
前記第2および第3絶縁膜に形成され、前記第1配線に接続される、前記第1導体膜とは異なる主導電材料からなるプラグと、
前記プラグに接続して形成され、前記第1導体膜とは異なる主導電材料からなる第2配線と、
前記第2配線および前記第3絶縁膜を覆うように形成された第1パッシベーション膜と、
前記第2配線の上面を露出する前記第1パッシベーション膜に形成された開口部と、
素子形成領域とダイシング領域との間に、前記第3絶縁膜および前記第1パッシベーション膜に形成された溝部と、
前記開口部の側面を覆うように形成された第2パッシベーション膜と、
を有する半導体装置であって、
前記溝部の底部が、前記第3絶縁膜の膜厚方向において前記第3絶縁膜を突き抜けていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第2パッシベーション膜は、前記溝部の側面および底面を覆うように形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第2絶縁膜は炭窒化シリコン膜であり、前記溝部の底部が前記炭窒化シリコン膜よりも上側に位置することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、
前記溝部の底部が、前記第2絶縁膜の膜厚方向において前記第2絶縁膜を突き抜けていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第2絶縁膜は炭窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、または窒化シリコン膜であり、前記第3絶縁膜は酸化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第2パッシベーション膜は窒化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1絶縁膜の比誘電率は、SiOの比誘電率よりも低いことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
半導体基板の主面上に形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜に形成された配線溝と、
前記配線溝の内部に形成された、銅を主導電材料とする第1導体膜からなる第1配線と、
前記第1配線および前記第1絶縁膜の上に形成された第1厚さの第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜の上に形成された、前記第1厚さよりも厚い第2厚さの第3絶縁膜と、
前記第2および第3絶縁膜に形成され、前記第1配線に接続される、前記第1導体膜とは異なる主導電材料からなるプラグと、
前記プラグに接続して形成され、前記第1導体膜とは異なる主導電材料からなる第2配線と、
前記第2配線および前記第3絶縁膜を覆うように形成された、下層膜と上層膜との積層構造の第1パッシベーション膜と、
前記第2配線の上面を露出する前記第1パッシベーション膜に形成された開口部と、
素子形成領域とダイシング領域との間に、前記第3絶縁膜および前記第1パッシベーション膜に形成された溝部と、
前記開口部の側面および前記溝部の側面および底面を覆うように形成された第2パッシベーション膜と、
を有する半導体装置であって、
前記第1パッシベーション膜を構成する前記上層膜および前記第2パッシベーション膜は、窒化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置において、
前記溝部の底部が、前記第3絶縁膜の内部に位置していることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項8記載の半導体装置において、
前記第2絶縁膜は炭窒化シリコン膜であり、前記溝部の底部が前記炭窒化シリコン膜よりも上側に位置することを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項8記載の半導体装置において、
前記溝部の底部が、前記第2絶縁膜の膜厚方向において前記第2絶縁膜を突き抜けていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項8記載の半導体装置において、
前記第2絶縁膜は炭窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、または窒化シリコン膜であり、前記第3絶縁膜は酸化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項8記載の半導体装置において、
前記第1絶縁膜の比誘電率は、SiOの比誘電率よりも低いことを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
(a)半導体基板の主面上に第1絶縁膜を形成する工程と、
(b)前記第1絶縁膜に配線溝を形成し、前記配線溝の内部に、銅を主導電材料とする第1導体膜からなる第1配線を形成する工程と、
(c)前記第1配線および前記第1絶縁膜の上に、第1厚さの第2絶縁膜および前記第1厚さよりも厚い第2厚さの第3絶縁膜を形成する工程と、
(d)前記第3絶縁膜および前記第2絶縁膜を順次加工して、前記第1配線に達する接続孔を形成する工程と、
(e)前記接続孔の内部に、前記第1導体膜とは異なる主導電材料からなるプラグを形成する工程と、
(f)前記プラグに接続され、前記第1導体膜とは異なる主導電材料からなる第2配線を形成する工程と、
(g)前記第2配線および前記第3絶縁膜を覆うように形成された第1パッシベーション膜を形成する工程と、
(h)前記第1パッシベーション膜および前記第3絶縁膜を順次加工して、前記第2配線の上面を露出する開口部を形成し、素子形成領域とダイシング領域との間に溝部を形成する工程と、
(i)平面視における前記第1パッシベーション膜の上面、前記開口部の側面および底面、ならびに前記溝部の側面および底面に第2パッシベーション膜を形成する工程と、
(j)平面視における前記第1パッシベーション膜の上面、前記開口部の側面、ならびに前記溝部の側面および底面をレジストパターンにより覆い、前記レジストパターンにより覆われていない前記開口部の底面の前記第2パッシベーション膜をエッチングする工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(h)においては、前記溝部の底部が、前記第3絶縁膜の膜厚方向において前記第3絶縁膜を突き抜けない位置で止まるように、前記溝部を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2絶縁膜は炭窒化シリコン膜であり、前記溝部の底部が前記炭窒化シリコン膜よりも上に位置することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記溝部の底部が、前記第2絶縁膜の膜厚方向において前記第2絶縁膜を突き抜けていないことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2絶縁膜は炭窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、または窒化シリコン膜であり、前記第3絶縁膜は酸化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2パッシベーション膜は窒化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1絶縁膜の比誘電率は、SiOの比誘電率よりも低いことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−233746(P2011−233746A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103362(P2010−103362)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】