説明

半導体装置の製造方法及び基板処理装置

【課題】 高誘電率絶縁膜の下地となる金属膜の酸化を抑制し、成膜処理の生産性を向上させる。
【解決手段】 基板を収容した処理室内に原料を供給し排気する工程と、処理室内に第1酸化源を供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、基板上に第1の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、処理室内に原料を供給し排気する工程と、処理室内に第1酸化源とは異なる第2酸化源を供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、第1の高誘電率絶縁膜上に第2の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field Effect Transistor)の高集積化及び高性能化に伴い、ゲート絶縁膜への高誘電率絶縁膜の採用が検討されている。また、DRAMのキャパシタにおいては、比誘電率が例えば15〜20程度であるHfO膜やZrO膜等の高誘電率絶縁膜が使用されている。HfO膜やZrO膜は、処理室内に収容された基板を例えば200℃以上の処理温度に加熱しつつ、前記処理室内にHfやZrを含む原料を供給し排気する工程と、前記処理室内にOやHO等の酸化源を供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことにより形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、酸化源としてOを用いた場合、高誘電率絶縁膜の下地となるTiN膜等の金属膜までもが酸化されてしまい、金属膜の電気特性が劣化してしまう場合があった。また、酸化源としてHOを用いた場合、処理室内からのHOの排出に時間を要し、成膜処理の生産性が低下してしまう場合があった。また、酸化源としてHOを用いた場合、酸化源としてOを用いた場合と比較して、高誘電率絶縁膜の電気特性が劣化してしまう場合があった。
【0004】
本発明は、高誘電率絶縁膜の下地となる金属膜の酸化を抑制し、成膜処理の生産性を向上させることが可能な半導体装置の製造方法及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、
基板を収容した処理室内に原料を供給し排気する工程と、前記処理室内に第1酸化源を供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に第1の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、
前記処理室内に前記原料を供給し排気する工程と、前記処理室内に前記第1酸化源とは異なる第2酸化源を供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記第1の高誘電率絶縁膜上に第2の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0006】
本発明の他の態様によれば、
基板を収容した処理室内に原料を供給し排気する工程と、前記処理室内にHOを供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に第1の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、
前記処理室内に前記原料を供給し排気する工程と、前記処理室内にOを供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記第1の高誘電率絶縁膜上に第2の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0007】
本発明の更に他の態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に原料を供給する原料供給系と、
前記処理室内に第1酸化源を供給する第1酸化源供給系と、
前記処理室内に前記第1酸化源とは異なる第2酸化源を供給する第2酸化源供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、
基板を収容した前記処理室内への原料の供給および排気と、前記処理室内への第1酸化源の供給および排気と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に第1の高誘電率絶縁膜を形成し、
前記処理室内への前記原料の供給および排気と、前記処理室内への前記第2酸化源の供給および排気と、を交互に繰り返すことで、前記第1の高誘電率絶縁膜上に第2の高誘電率絶縁膜を形成するように、前記原料供給系、前記第1酸化源供給系、前記第2酸化源供給系、および、前記排気系を制御するコントローラと、を有する基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る半導体装置の製造方法及び基板処理装置によれば、高誘電率絶縁膜の下地となる金属膜の酸化を抑制し、成膜処理の生産性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るクラスタ装置の第1処理ユニット(高誘電率絶縁膜形成ユニット)のガス供給系の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るクラスタ装置の概略構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るクラスタ装置の第1処理ユニット(高誘電率絶縁膜形成ユニット)のウェハ処理時における断面構成図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るクラスタ装置の第1処理ユニット(高誘電率絶縁膜形成ユニット)のウェハ搬送時における断面構成図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るクラスタ装置の第2処理ユニット(熱処理ユニット)の断面構成図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る基板処理工程のフロー図である。
【図7】本発明の他の実施形態にかかる縦型装置の縦型処理炉の概略構成図であり、(a)は、処理炉部分を縦断面で示し、(b)は、処理炉部分を(a)のA−A線断面図で示す。
【図8】本発明の実施例に係る成膜サンプルの断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に即して説明する。
【0011】
(1)基板処理装置の構成
まず、本発明の一実施形態に係る基板処理装置について説明する。
【0012】
本実施形態に係る基板処理装置は、図2に示されているようにクラスタ装置として構成されている。なお、本実施形態に係るクラスタ装置においては、ウェハ2を搬送するウェハ搬送用キャリア(基板収納容器)としては、FOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという)1が使用されている。
【0013】
<クラスタ装置>
図2に示されているように、クラスタ装置10は大気圧未満の圧力(負圧)に耐え得る構造に構成されたトランスファモジュール(搬送室)としての第1ウェハ移載室(以下、負圧移載室という)11を備えており、負圧移載室11の筐体(以下、負圧移載室筐体という)12は、平面視が七角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。負圧移載室筐体12は搬送容器(密閉容器)として構成されている。負圧移載室11の中央部には負圧下においてウェハ2を移載する搬送ロボットとしてのウェハ移載機(以下、負圧移載
機という)13が設置されている。
【0014】
負圧移載室筐体12の7枚の側壁のうち最も大きい側壁(正面壁)には、ロードロックモジュール(ロードロック室)としての搬入用予備室(以下、搬入室という)14と搬出用予備室(以下、搬出室という)15とがそれぞれ隣接して連結されている。搬入室14の筐体と搬出室15の筐体とは、それぞれ平面視が略菱形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されているとともに、負圧に耐え得るロードロックチャンバ構造に構成されている。
【0015】
搬入室14および搬出室15の負圧移載室11と反対側には、大気圧以上の圧力(以下、正圧という)を維持可能な構造に構成されたフロントエンドモジュールとしての第2ウェハ移載室(以下、正圧移載室という)16が隣接して連結されており、正圧移載室16の筐体は平面視が横長の長方形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。搬入室14と正圧移載室16との境にはゲートバルブ17Aが設置されており、搬入室14と負圧移載室11との間にはゲートバルブ17Bが設置されている。搬出室15と正圧移載室16との境にはゲートバルブ18Aが設置されており、搬出室15と負圧移載室11との間にはゲートバルブ18Bが設置されている。正圧移載室16には正圧下でウェハ2を移載する搬送ロボットとしての第2ウェハ移載機(以下、正圧移載機という)19が設置されている。正圧移載機19は正圧移載室16に設置されたエレベータによって昇降されるように構成されているとともに、リニアアクチュエータによって左右方向に往復移動されるように構成されている。正圧移載室16の左側端部にはノッチ合わせ装置20が設置されている。
【0016】
正圧移載室16の正面壁には三つのウェハ搬入搬出口21,22,23が、隣合わせに並べられて開設されており、これらのウェハ搬入搬出口21,22,23はウェハ2を正圧移載室16に対して搬入搬出し得るように構成されている。これらのウェハ搬入搬出口21,22,23にはポッドオープナ24がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ24はポッド1を載置する載置台25と、載置台25上に載置されたポッド1のキャップを着脱するキャップ着脱機構26と、を備えており、載置台25上に載置されたポッド1のキャップをキャップ着脱機構26によって着脱することにより、ポッド1のウェハ出し入れ口を開閉するようになっている。ポッドオープナ24の載置台25に対してはポッド1が、工程内搬送装置(RGV)によって供給および排出されるようになっている。
【0017】
図2に示されているように、負圧移載室筐体12の7枚の側壁のうち正圧移載室16と反対側に位置する2枚の側壁(背面壁)には、プロセスモジュールとしての第1処理ユニット(高誘電率絶縁膜形成ユニット)31と第2処理ユニット(熱処理ユニット)32とがそれぞれ隣接して連結されている。第1処理ユニット31と負圧移載室11との間にはゲートバルブ44が設置されている。第2処理ユニット32と負圧移載室11との間にはゲートバルブ118が設置されている。また、負圧移載室筐体12における7枚の側壁のうち正圧移載室16側の他の2枚の側壁には、クーリングステージとしての第1クーリングユニット35と第2クーリングユニット36とがそれぞれ連結されており、これらは何れも処理済みのウェハ2を冷却する冷却室として構成されている。
【0018】
クラスタ装置10は後述する基板処理フローを統括的に制御するメインコントローラ37を備えている。なお、メインコントローラ37は、クラスタ装置10を構成する各部の動作を制御する。
【0019】
<第1処理ユニット>
次に、本実施形態に係るクラスタ装置における第1処理ユニット31について説明する。第1処理ユニット31は、高誘電率絶縁膜形成ユニットであり、図3,4に示されているように、枚葉式コールドウォール型の基板処理装置として構成されており、機能的には
ALD(Atomic Layer Deposition)装置(以下、成膜装置という)40として構成されている。以下、成膜装置40の構成について、図3,4を参照しながら説明する。図3は、ウェハ処理時における成膜装置40の断面構成図であり、図4は、ウェハ搬送時における成膜装置40の断面構成図である。
【0020】
〔処理室〕
図3,4に示すとおり、成膜装置40は、処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)など金属材料により構成されている。処理容器202内には、基板としてのウェハ2を処理する処理室201が形成されている。
【0021】
〔支持台〕
処理室201内には、ウェハ2を支持する支持台203が設けられている。ウェハ2が直接触れる支持台203の上面には、例えば、石英(SiO)、カーボン、セラミックス、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(Al)、又は窒化アルミニウム(AlN)などから構成された支持板としてのサセプタ217が設けられている。また、支持台203には、ウェハ2を加熱する加熱手段(加熱源)としてのヒータ206が内蔵されている。なお、支持台203の下端部は、処理容器202の底部を貫通している。
【0022】
処理室201の外部には、支持台203を昇降させる昇降機構207bが設けられている。この昇降機構207bを作動させて支持台203を昇降させることにより、サセプタ217上に支持されるウェハ2を昇降させることが可能となっている。支持台203は、ウェハ2の搬送時には図4で示される位置(ウェハ搬送位置)まで下降し、ウェハ2の処理時には図3で示される位置(ウェハ処理位置)まで上昇する。なお、支持台203の下端部の周囲は、ベローズ203aにより覆われており、処理室201内は気密に保持されている。
【0023】
また、処理室201の底面(床面)には、例えば3本のリフトピン208bが鉛直方向に立ち上がるように設けられている。また、支持台203(サセプタ217も含む)には、かかるリフトピン208bを貫通させる貫通孔208aが、リフトピン208bに対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、支持台203をウェハ搬送位置まで下降させた時には、図4に示すように、リフトピン208bの上端部がサセプタ217の上面から突出して、リフトピン208bがウェハ2を下方から支持するようになっている。また、支持台203をウェハ処理位置まで上昇させたときには、図3に示すように、リフトピン208bはサセプタ217の上面から埋没して、サセプタ217がウェハ2を下方から支持するようになっている。なお、リフトピン208bは、ウェハ2と直接触れるため、例えば、石英やアルミナなどの材質で形成することが望ましい。
【0024】
処理室201(処理容器202)の内壁側面には、処理室201の内外にウェハ2を搬送するウェハ搬送口250が設けられている。ウェハ搬送口250には上述のゲートバルブ44が設けられており、ゲートバルブ44を開くことにより、処理室201内と上述の負圧移載室11内とが連通するようになっている。負圧移載室11内には上述の負圧移載機13が設けられており、負圧移載機13には、ウェハ2を搬送する際にウェハ2を支持する搬送アーム13aが備えられている。支持台203をウェハ搬送位置まで下降させた状態で、ゲートバルブ44を開くことにより、負圧移載機13により処理室201内と負圧移載室11内との間でウェハ2を搬送することが可能となっている。処理室201内に搬送されたウェハ2は、上述したようにリフトピン208b上に一時的に載置される。
【0025】
〔排気系〕
処理室201(処理容器202)の内壁側面であって、ウェハ搬送口250の反対側には、処理室201内の雰囲気を排気する排気口260が設けられている。排気口260には、排気チャンバ260aを介して排気管261が接続されている。排気管261には、処理室201内を所定の圧力に制御するAPC(Auto Pressure Controller)等の圧力調整器262、原料回収トラップ263、及び真空ポンプ264が順に直列に接続されている。主に、排気口260、排気チャンバ260a、排気管261、圧力調整器262、原料回収トラップ263、真空ポンプ264により排気系(排気ライン)が構成される。
【0026】
〔ガス導入口〕
処理室201の上部に設けられる後述のシャワーヘッド240の上面(天井壁)には、処理室201内に各種ガスを供給するガス導入口210が設けられている。なお、ガス導入口210に接続されるガス供給系の構成については後述する。
【0027】
〔シャワーヘッド〕
ガス導入口210と、ウェハ処理位置におけるウェハ2との間には、ガス分散機構としてのシャワーヘッド240が設けられている。シャワーヘッド240は、ガス導入口210から導入されるガスを分散させる分散板240aと、分散板240aを通過したガスをさらに均一に分散させて支持台203上のウェハ2の表面に供給するシャワー板240bと、を備えている。分散板240aおよびシャワー板240bには、複数の通気孔が設けられている。分散板240aは、シャワーヘッド240の上面およびシャワー板240bと対向するように配置されており、シャワー板240bは、支持台203上のウェハ2と対向するように配置されている。なお、シャワーヘッド240の上面と分散板240aとの間、および分散板240aとシャワー板240bとの間には、それぞれ空間が設けられており、かかる空間は、ガス導入口210から供給されるガスを分散させる第1バッファ空間(分散室)240c、および分散板240aを通過したガスを拡散させる第2バッファ空間240dとしてそれぞれ機能する。
【0028】
〔排気ダクト〕
処理室201の内壁側面には、段差部201aが設けられている。そして、この段差部201aは、コンダクタンスプレート204をウェハ処理位置近傍に保持するように構成されている。コンダクタンスプレート204は、内周部にウェハ2を収容する穴が設けられた1枚のドーナツ状(リング状)をした円板として構成されている。コンダクタンスプレート204の外周部には、所定間隔を開けて周方向に配列された複数の排出口204aが設けられている。排出口204aは、コンダクタンスプレート204の外周部がコンダクタンスプレート204の内周部を支えることができるよう、不連続に形成される。
【0029】
一方、支持台203の外周部には、ロワープレート205が係止している。ロワープレート205は、リング状の凹部205bと、凹部205bの内側上部に一体的に設けられたフランジ部205aとを備えている。凹部205bは、支持台203の外周部と、処理室201の内壁側面との隙間を塞ぐように設けられている。凹部205bの底部のうち排気口260付近の一部には、凹部205b内から排気口260側へガスを排出(流通)させるプレート排気口205cが設けられている。フランジ部205aは、支持台203の上部外周縁上に係止する係止部として機能する。フランジ部205aが支持台203の上部外周縁上に係止することにより、ロワープレート205が、支持台203の昇降に伴い、支持台203と共に昇降されるようになっている。
【0030】
支持台203がウェハ処理位置まで上昇したとき、ロワープレート205もウェハ処理位置まで上昇する。その結果、ウェハ処理位置近傍に保持されているコンダクタンスプレート204が、ロワープレート205の凹部205bの上面部分を塞ぎ、凹部205bの
内部をガス流路領域とする排気ダクト259が形成されることとなる。このとき、排気ダクト259(コンダクタンスプレート204及びロワープレート205)及び支持台203によって、処理室201内が、排気ダクト259よりも上方の処理室上部と、排気ダクト259よりも下方の処理室下部と、に仕切られることとなる。なお、コンダクタンスプレート204およびロワープレート205は、排気ダクト259の内壁に堆積する反応生成物をエッチングする場合(セルフクリーニングする場合)を考慮して、高温保持が可能な材料、例えば、耐高温高負荷用石英で構成することが好ましい。
【0031】
ここで、ウェハ処理時における処理室201内のガスの流れについて説明する。まず、ガス導入口210からシャワーヘッド240の上部へと供給されたガスは、第1バッファ空間240cを経て分散板240aの多数の孔から第2バッファ空間240dへと入り、さらにシャワー板240bの多数の孔を通過して処理室201内に供給され、ウェハ2上に均一に供給される。そして、ウェハ2上に供給されたガスは、ウェハ2の径方向外側に向かって放射状に流れる。そして、ウェハ2に接触した後の余剰なガスは、ウェハ2の外周部に位置する排気ダクト259上、すなわちコンダクタンスプレート204上を、ウェハ2の径方向外側に向かって放射状に流れ、コンダクタンスプレート204に設けられた排出口204aから、排気ダクト259内のガス流路領域内(凹部205b内)へと排出される。その後、ガスは排気ダクト259内を流れ、プレート排気口205cを経由して排気口260へと排気される。このようにガスを流すことで、処理室201下部、すなわち支持台203の裏面や処理室201の底面側へのガスの回り込みが抑制される。
【0032】
続いて、上述したガス導入口210に接続されるガス供給系の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態にかかる成膜装置40の有するガス供給系(ガス供給ライン)の構成図である。
【0033】
〔原料供給系〕
処理室201の外部には、液体原料としてのHf(ハフニウム)を含む有機金属液体原料(以下、Hf原料ともいう)を供給する液体原料供給源220hが設けられている。液体原料供給源220hは、内部に液体原料を収容(充填)可能なタンク(密閉容器)として構成されている。
【0034】
ここで、液体原料供給源220hには、圧送ガス供給管237hが接続されている。圧送ガス供給管237hの上流側端部には、図示しない圧送ガス供給源が接続されている。また、圧送ガス供給管237hの下流側端部は、液体原料供給源220h内の上部に存在する空間に連通しており、この空間内に圧送ガスを供給するようになっている。なお、圧送ガスとしては、液体原料とは反応しないガスを用いることが好ましく、例えばNガス等の不活性ガスが好適に用いられる。
【0035】
また、液体原料供給源220hには、液体原料供給管211hが接続されている。ここで、液体原料供給管211hの上流側端部は、液体原料供給源220h内に収容した液体原料内に浸されている。また、液体原料供給管211hの下流側端部は、液体原料を気化させる気化部としての気化器229hに接続されている。なお、液体原料供給管211hには、液体原料の供給流量を制御する流量制御器としての液体流量コントローラ(LMFC)221hと、液体原料の供給を制御するバルブvh1と、が設けられている。なお、バルブvh1は気化器229hの内部に設けられている。
【0036】
上記構成において、バルブvh1を開くとともに、圧送ガス供給管237hから圧送ガスを供給することにより、液体原料供給源220hから気化器229hへ液体原料を圧送(供給)することが可能となる。主に、液体原料供給源220h、圧送ガス供給管237h、液体原料供給管211h、液体流量コントローラ221h、バルブvh1により液体
原料供給系(液体原料供給ライン)が構成される。
【0037】
気化器229hは、液体原料をヒータ23hで加熱して気化させて原料ガスを発生させる気化室20hと、この気化室20h内へ液体原料を吐出する流路である液体原料流路21hと、液体原料の気化室20h内への供給を制御する上述のバルブvh1と、気化室20h内にて発生させた原料ガスを後述する原料ガス供給管213hへ供給するアウトレット22hと、を有している。上述の液体原料供給管211hの下流側端部は、バルブvh1を介して液体原料流路21hの上流側端部に接続されている。液体原料流路21hには、キャリアガス供給管24hの下流側端部が接続されており、キャリアガス供給管24hからのキャリアガスが、液体原料流路21hを介して気化室20h内に供給されるように構成されている。キャリアガス供給管24hの上流側端部には、キャリアガスとしてのNガスを供給するNガス供給源230cが接続されている。キャリアガス供給管24hには、Nガスの供給流量を制御する流量制御器としての流量コントローラ(MFC)225hと、Nガスの供給を制御するバルブvh2と、が設けられている。
【0038】
上記の気化器229hのアウトレット22hには、処理室201内に原料ガスを供給する原料ガス供給管213hの上流側端部が接続されている。原料ガス供給管213hの下流側端部は合流配管213を介して、ガス導入口210に接続されている。なお、原料ガス供給管213hには、処理室201内への原料ガスの供給を制御するバルブvh3が設けられている。
【0039】
上記構成において、気化器229hにて液体原料を気化させて原料ガスを発生させるとともに、バルブvh3を開くことにより、原料ガス供給管213hから合流配管213を介して処理室201内へ原料ガスを供給することが可能となる。主に、原料ガス供給管213h、バルブvh3により、原料ガス供給系(原料ガス供給ライン)が構成される。また、液体原料供給系、気化部、原料ガス供給系により原料供給系(Hf原料供給系)が構成される。
【0040】
〔第1酸化源供給系〕
処理室201の外部には、第1酸化源(酸化剤)としてのHOガスを供給するHOガス供給源230sが設けられている。HOガス供給源230sには、HOガス供給管213sの上流側端部が接続されている。HOガス供給管213sの下流側端部は、合流配管213に接続されている。すなわち、HOガス供給管213sは、HOガスを処理室201内に供給するように構成されている。なおHOガス供給管213sには、HOガスの供給流量を制御する流量制御器としての流量コントローラ221sと、処理室201内へのHOガスの供給を制御するバルブvs3が設けられている。主に、HOガス供給源230s、HOガス供給管213s、流量コントローラ221s、バルブvs3により第1酸化源供給系(HO供給系)が構成される。
【0041】
〔第2酸化源供給系〕
また、処理室201の外部には、第2酸化源(酸化剤)としてのオゾンガス(O)のもととなる酸素ガス(O)を供給するOガス供給源230oが設けられている。Oガス供給源230oには、Oガス供給管211oの上流側端部が接続されている。Oガス供給管211oの下流側端部には、プラズマによりOガスから第2酸化源としてのOガスを生成させるオゾナイザ229oが接続されている。なお、Oガス供給管211oには、Oガスの供給流量を制御する流量制御器としての流量コントローラ221oが設けられている。
【0042】
オゾナイザ229oのアウトレット22oには、Oガス供給管213oの上流側端部が接続されている。また、Oガス供給管213oの下流側端部は、合流配管213に接
続されている。すなわち、Oガス供給管213oは、Oガスを処理室201内に供給するように構成されている。なおOガス供給管213oには、処理室201内へのOガスの供給を制御するバルブvo3が設けられている。
【0043】
なお、Oガス供給管211oの流量コントローラ221oよりも上流側には、Oガス供給管212oの上流側端部が接続されている。また、Oガス供給管212oの下流側端部は、Oガス供給管213oのバルブvo3よりも上流側に接続されている。なお、Oガス供給管212oには、Oガスの供給流量を制御する流量制御器としての流量コントローラ222oが設けられている。
【0044】
上記構成において、オゾナイザ229oにOガスを供給してOガスを発生させるとともに、バルブvo3を開くことにより、処理室201内へOガスを供給することが可能となる。なお、処理室201内へのOガスの供給中に、Oガス供給管212oからOガスを供給するようにすれば、処理室201内へ供給するOガスをOガスにより希釈して、Oガス濃度を調整することが可能となる。主に、Oガス供給源230o、Oガス供給管211o、オゾナイザ229o、流量コントローラ221o、Oガス供給管213o、バルブvo3、Oガス供給管212o、流量コントローラ222oにより第2酸化源供給系(O供給系)が構成される。
【0045】
〔パージガス供給系〕
また、処理室201の外部には、パージガスとしてのNガスを供給するNガス供給源230pが設けられている。Nガス供給源230pには、パージガス供給管214の上流側端部が接続されている。パージガス供給管214の下流側端部は、3本のライン、すなわち、パージガス供給管214h,214s,214oに分岐している。パージガス供給管214h,214s,214oの下流側端部は、原料ガス供給管213h、HOガス供給管213s、Oガス供給管213oのバルブvh3,vs3,vo3の下流側にそれぞれ接続されている。なお、パージガス供給管214h,214s,214oには、Nガスの供給流量を制御する流量制御器としての流量コントローラ224h,224s,224oと、Nガスの供給を制御するバルブvh4,vs4,vo4とが、それぞれ設けられている。主に、Nガス供給源230p、パージガス供給管214,214h,214s,214o、流量コントローラ224h,224s,224o、バルブvh4,vs4,vo4によりパージガス供給系(パージガス供給ライン)が構成される。
【0046】
〔ベント系〕
また、原料ガス供給管213h、HOガス供給管213s、Oガス供給管213oのバルブvh3,vs3,vo3の上流側には、ベント管215h,215s,215oの上流側端部がそれぞれ接続されている。また、ベント管215h,215s,215oの下流側端部は合流するように一本化してベント管215となり、ベント管215は排気管261の原料回収トラップ263よりも上流側に接続されている。ベント管215h,215s,215oには、ガスの供給を制御するバルブvh5,vs5,vo5がそれぞれ設けられている。
【0047】
上記構成において、バルブvh3,vs3,vo3を閉じ、バルブvh5,vs5,vo5を開くことで、原料ガス供給管213h、HOガス供給管213s、Oガス供給管213o内を流れるガスを、処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスさせ、処理室201外へとそれぞれ排気することが可能となる。
【0048】
また、パージガス供給管214h,214s,214oのバルブvh4,vs4,vo4よりも上流側であって流量コントローラ224h,224s,224oよりも下流側には、ベント管216h,216s,216oがそれぞれ接続されている。また、ベント管
216h,216s,216oの下流側端部は合流するように一本化してベント管216となり、ベント管216は排気管261の原料回収トラップ263よりも下流側であって真空ポンプ264よりも上流側に接続されている。ベント管216h,216s,216oには、ガスの供給を制御するバルブvh6,vs6,vo6がそれぞれ設けられている。
【0049】
上記構成において、バルブvh4,vs4,vo4を閉じ、バルブvh6,vs6,vo6を開くことで、パージガス供給管214h,214s,214o内を流れるNガスを、処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスさせ、処理室201外へとそれぞれ排気することが可能となる。なお、バルブvh3,vs3,vo3を閉じ、バルブvh5,vs5,vo5を開くことで、原料ガス供給管213h、HOガス供給管213s、Oガス供給管213o内を流れるガスを、処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスさせ、処理室201外へとそれぞれ排気する場合には、バルブvh4,vs4,vo4を開くことにより、原料ガス供給管213h、HOガス供給管213s、Oガス供給管213o内にNガスを導入して、各ガス供給管内をパージするように設定されている。また、バルブvh6,vs6,vo6は、バルブvh4,vs4,vo4と逆動作を行うように設定されており、Nガスを各原料ガス供給管内に供給しない場合には、処理室201をバイパスしてNガスを排気するようになっている。主に、ベント管215h,215s,215o,215,ベント管216h,216s,216o,216、バルブvh5,vs5,vo5、バルブvh6,vs6,vo6によりベント系(ベントライン)が構成される。
【0050】
〔コントローラ〕
なお、成膜装置40は、成膜装置40の各部の動作を制御するコントローラ280を有している。コントローラ280は、メインコントローラ37により制御されることで、ゲートバルブ44、昇降機構207b、負圧移載機13、ヒータ206、圧力調整器262、気化器229h、オゾナイザ229o、真空ポンプ264、バルブvh1〜vh6,vs3〜vs6,vo3〜vo6、液体流量コントローラ221h、流量コントローラ225h,221s,221o,222o,224h,224s,224o等の動作を制御する。
【0051】
<第2処理ユニット>
次に、本実施形態に係るクラスタ装置における第2処理ユニット32について説明する。本実施の形態においては、第2処理ユニット32は熱処理ユニットであり、図5に示されているように、枚葉式コールドウォール型の基板処理装置として構成されており、機能的にはRTP(Rapid Thermal Processing)装置(以下、RTP装置という)110として構成されている。以下、RTP装置110の構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、ウェハ処理時におけるRTP装置110の断面構成図である。
【0052】
図5に示されているように、RTP装置110は、ウェハ2を処理する処理室111を形成した処理容器としての筐体112を備えている。筐体112は上下面が開口した円筒形状に形成されたチューブ113と、チューブ113の上面開口部を閉塞する円盤形状のトッププレート114と、チューブ113の下面開口部を閉塞する円盤形状のボトムプレート115と、が組み合わされて円筒中空体形状に構築されている。チューブ113の側壁の一部には、排気口116が処理室111の内外を連通するように開設されている。排気口116には、処理室111内を大気圧未満(以下、負圧という)に排気し得る排気装置が接続されている。チューブ113の側壁の排気口116と反対側の位置には、ウェハ2を処理室111内に搬入搬出するウェハ搬入搬出口117が開設されており、ウェハ搬入搬出口117はゲートバルブ118によって開閉されるようになっている。
【0053】
ボトムプレート115の下面の中心線上には昇降駆動装置119が設置されている。昇降駆動装置119はボトムプレート115に挿通されてボトムプレート115に対して上下方向に摺動自在に構成された昇降軸120を昇降させるように構成されている。昇降軸120の上端には昇降板121が水平に固定されており、昇降板121の上面には複数本(通常は3本または4本)のリフタピン122が垂直に立脚されて固定されている。各リフタピン122は昇降板121の昇降に伴って昇降することにより、ウェハ2を下から水平に支持して昇降させるようになっている。
【0054】
ボトムプレート115の上面における昇降軸120の外側には支持筒123が突設されており、支持筒123の上端面の上には冷却プレート124が水平に架設されている。冷却プレート124の上方には、複数本の加熱ランプから構成された第1加熱ランプ群125および第2加熱ランプ群126が下から順に配置されて、それぞれ水平に架設されている。第1加熱ランプ群125および第2加熱ランプ群126は第1支柱127および第2支柱128によってそれぞれ水平に支持されている。第1加熱ランプ群125および第2加熱ランプ群126の電力供給電線129はボトムプレート115を挿通して外部に引き出されている。
【0055】
処理室111内には、タレット131が処理室111と同心円に配置されている。タレット131は、内歯平歯車133の上面に同心円に固定されている。内歯平歯車133は、ボトムプレート115に介設されたベアリング132によって水平に支承されている。内歯平歯車133には原動側平歯車134が噛合されている。原動側平歯車134は、ボトムプレート115に介設されたベアリング135によって水平に支承され、ボトムプレート115の下に設置されたサセプタ回転装置136によって回転駆動されるようになっている。タレット131の上端面の上には、平板の円形リング形状に形成されたアウタプラットホーム137が水平に架設されている。アウタプラットホーム137の内側には、インナプラットホーム138が水平に架設されている。インナプラットホーム138の内周の下端部には、サセプタ140が、内周面の下端部に径方向内向きに突設された係合部139に係合されて保持されている。サセプタ140の各リフタピン122に対向する位置には、挿通孔141がそれぞれ開設されている。
【0056】
トッププレート114には、アニールガス供給管142および不活性ガス供給管143が処理室111に連通するようにそれぞれ接続されている。また、トッププレート114には、放射温度計のプローブ144が複数本、互いに半径方向にウェハ2の中心から周辺にかけてずらされてそれぞれ配置され、ウェハ2の上面と対向するように挿入されている。放射温度計は、複数本のプローブ144がそれぞれ検出したウェハ2からの放射光に基づく計測温度を、コントローラ150に逐次送信するように構成されている。コントローラ150は、複数本のプローブ144による計測温度と設定温度とを比較し、第1加熱ランプ群125および第2加熱ランプ群126への電力供給量を制御する。
【0057】
トッププレート114の他の場所には、ウェハ2の放射率を非接触にて測定する放射率測定装置145が設置されている。放射率測定装置145は、リファレンスプローブ146を備えている。リファレンスプローブ146は、リファレンスプローブ用モータ147によって垂直面内で回転されるようになっている。リファレンスプローブ146の上側には、参照光を照射するリファレンスランプ148がリファレンスプローブ146の先端に対向するように設置されている。リファレンスプローブ146は、リファレンスランプ148からの放射と、ウェハ2からの放射とを比較することにより、ウェハ2の温度を測定する。なお、複数本のプローブ144により測定されたウェハ温度は、リファレンスプローブ146により測定されたウェハ温度と比較され、補正されることでより正確なウェハ温度の検出を可能としている。
【0058】
コントローラ150は、RTP装置110の各部の動作を制御する。なお、コントローラ150は、メインコントローラ37により制御される。
【0059】
(2)基板処理工程
次に、前記構成に係るクラスタ装置10を使用して、半導体装置の製造工程の一工程として、ウェハ2を処理する方法(基板処理工程)について説明する。ここでは、キャパシタの下部電極としての窒化チタン膜(TiN膜)が表面に形成されたウェハ2に対して処理を施す例について説明する。なお、以下の説明において、クラスタ装置10を構成する各部の動作はメインコントローラ37により制御される。
【0060】
クラスタ装置10の載置台25上に載置されたポッド1のキャップが、キャップ着脱機構26によって取り外され、ポッド1のウェハ出し入れ口が開放される。ポッド1が開放されると、正圧移載室16に設置された正圧移載機19は、ウェハ搬入搬出口を通してポッド1からウェハ2を1枚ずつピックアップし、搬入室14内に投入し、搬入室用仮置き台上に載置して行く。この移載作業中には、搬入室14の正圧移載室16側はゲートバルブ17Aによって開かれており、また、搬入室14の負圧移載室11側はゲートバルブ17Bによって閉じられており、負圧移載室11内の圧力は、例えば、100Paに維持されている。
【0061】
搬入室14の正圧移載室16側がゲートバルブ17Aによって閉じられ、搬入室14が排気装置によって負圧に排気される。搬入室14内が予め設定された圧力値に減圧されると、搬入室14の負圧移載室11側がゲートバルブ17Bによって開かれる。次に、負圧移載室11の負圧移載機13は、搬入室用仮置き台からウェハ2を1枚ずつピックアップして負圧移載室11内に搬入する。その後、搬入室14の負圧移載室11側がゲートバルブ17Bによって閉じられる。続いて、第1処理ユニット31のゲートバルブ44が開かれ、負圧移載機13は、ウェハ2を第1処理ユニット31の処理室201内へ搬入(ウェハロード)する。なお、処理室201内へのウェハ2の搬入に際しては、搬入室14内および負圧移載室11内が予め真空排気されているため、処理室201内に酸素や水分が侵入することは確実に防止される。
【0062】
<成膜工程>
次に、第1処理ユニット31としての成膜装置40を使用して、ウェハ2上に形成された下部電極上に、キャパシタ絶縁膜としての高誘電率絶縁膜を形成する成膜工程について、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の実施形態にかかる成膜工程のフロー図である。ここでは、原料としてHfプリカーサであるTDMAHf(Tetrakis−Dimethyl−Amino−Hafnium : Hf[N(CH)を用い、第1酸化源としてHOを用い、第2酸化源としてOを用い、高誘電率絶縁膜としての酸化ハフニウム膜(HfO膜)をALD法によって成膜する場合について説明する。なお、以下の説明において、成膜装置40を構成する各部の動作はコントローラ280により制御される。また、コントローラ280の動作はメインコントローラ37により制御される。
【0063】
〔ウェハロード工程(S1)〕
まず、昇降機構207bを作動させ、支持台203を、図4に示すウェハ搬送位置まで下降させる。そして、上述のようにゲートバルブ44を開き、処理室201と負圧移載室11とを連通させる。そして、上述のように負圧移載機13により負圧移載室11内から処理室201内へウェハ2を搬送アーム13aで支持した状態でロードする(S1)。処理室201内に搬入したウェハ2は、支持台203の上面から突出しているリフトピン208b上に一時的に載置される。負圧移載機13の搬送アーム13aが処理室201内か
ら負圧移載室11内へ戻ると、ゲートバルブ44が閉じられる。
【0064】
続いて、昇降機構207を作動させ、支持台203を、図3に示すウェハ処理位置まで上昇させる。その結果、リフトピン208bは支持台203の上面から埋没し、ウェハ2は、支持台203上面のサセプタ217上に載置される。
【0065】
〔プレヒート工程(S2)〕
続いて、圧力調整器262により、処理室201内の圧力が所定の処理圧力となるように制御する。また、ヒータ206に供給する電力を調整し、ウェハ温度を昇温させ、ウェハ2の表面温度が所定の処理温度となるように制御する(S2)。
【0066】
なお、ウェハロード工程(S1)、プレヒート工程(S2)および後述するウェハアンロード工程(S6)においては、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブvh3,vs3,vo3を閉じ、バルブvh4,vs4,vo4を開くことで、処理室201内にNガスを常に流し、処理室201内をN雰囲気としておく。これにより、ウェハ2上へのパーティクルの付着を抑制することが可能となる。なお、真空ポンプ264は、少なくともウェハロード工程(S1)から後述のウェハアンロード工程(S6)までの間は、常に作動させた状態とする。
【0067】
工程S1〜S2と並行して、液体原料(Hf原料)であるTDMAHfを気化させた原料ガス(Hf原料ガス)、すなわちTDMAHfガスを生成(予備気化)させておく。すなわち、バルブvh3を閉じたまま、バルブvh2を開き、気化器229hへキャリアガスを供給しつつ、バルブvh1を開くとともに、圧送ガス供給管237hから圧送ガスを供給して、液体原料供給源220hから気化器229hへ液体原料を圧送(供給)し、気化器229hにて液体原料を気化させて原料ガスを生成させておく。この予備気化工程では、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブvh3を閉じたまま、バルブvh5を開くことにより、原料ガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。
【0068】
また、このとき、第1酸化源(第1酸化性ガス)としてのHOガスも生成させた状態としておく。すなわち、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブvs3を閉じたまま、バルブvs5を開くことにより、HOガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。
【0069】
さらに、このとき、第2酸化源(第2酸化性ガス)としてのOガスも生成させておくことが好ましい。すなわち、Oガス供給源230oからオゾナイザ229oへOガスを供給して、オゾナイザ229oにてOガスを生成させておく。この際、真空ポンプ264を作動させつつ、バルブvo3を閉じたまま、バルブvo5を開くことにより、Oガスを処理室201内に供給することなく処理室201をバイパスして排気しておく。
【0070】
気化器229hにて原料ガスを安定した状態で生成させたり、HOガス供給源230sにてHOガスを安定した状態で生成させたり、あるいはオゾナイザ229oにてOガスを安定した状態で生成させたりするには所定の時間を要する。すなわち、原料ガスやHOガスやOガスの生成初期は、これらが不安定な状態で供給される。このため、本実施形態では、原料ガス、HOガス、Oガスを予め生成させておくことで安定供給可能な状態としておき、バルブvh3,vh5,vs3,vs5,vo3,vo5の開閉を切り替えることにより、原料ガス、HOガス、Oガスの流路を切り替える。その結果、バルブの切り替えにより、処理室201内への原料ガス、HOガス、Oガスの安定した供給を迅速に開始あるいは停止できるようになり、好ましい。
【0071】
〔第1のHfO膜形成工程(S3)〕
〔TDMAHf照射工程(S3a)〕
続いて、バルブvh4,vh5を閉じ、バルブvh3を開いて、処理室201内への原料ガスとしてのTDMAHfガスの供給、すなわち、ウェハ2へのTDMAHfガスの照射を開始する。原料ガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ2上に均一に供給される。余剰な原料ガスは、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。なお、処理室201内への原料ガスの供給時には、HOガス供給管213s、Oガス供給管213o内への原料ガスの侵入を防止するように、また、処理室201内における原料ガスの拡散を促すように、バルブvs4,vo4は開いたままとし、処理室201内にNガスを常に流しておくことが好ましい。バルブvh3を開き、原料ガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、バルブvh3を閉じ、バルブvh4,vh5を開いて、処理室201内への原料ガスの供給を停止する。
【0072】
〔パージ工程(S3b)〕
バルブvh3を閉じ、処理室201内への原料ガスの供給を停止した後は、バルブvh4,vs4,vo4は開いたままとし、処理室201内へのNガスの供給を継続して行う。Nガスは、シャワーヘッド240を介して処理室201内に供給され、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。このようにして、処理室201内をNガスによりパージし、処理室201内に残留している原料ガスを除去する。
【0073】
〔HO照射工程(S3c)〕
処理室201内のパージが完了したら、バルブvs4,vs5を閉じ、バルブvs3を開いて、処理室201内への第1酸化源としてのHOガスの供給、すなわち、ウェハ2へのHOガスの照射を開始する。HOガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ2上に均一に供給される。余剰なHOガスは、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。なお、処理室201内へのHOガスの供給時には、原料ガス供給管213h、Oガス供給管213o内へのHOガスの侵入を防止するように、また、処理室201内におけるHOガスの拡散を促すように、バルブvh4,vo4は開いたままとし、処理室201内にNガスを常に流しておくことが好ましい。バルブvs3を開き、HOガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、バルブvs3を閉じ、バルブvs4,vs5を開いて、処理室201内へのHOガスの供給を停止する。
【0074】
〔パージ工程(S3d)〕
バルブvs3を閉じ、処理室201内へのHOガスの供給を停止した後は、バルブvh4,vs4,vo4は開いたままとし、処理室201内へのNガスの供給を継続して行う。Nガスは、シャワーヘッド240を介して処理室201内に供給され、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。このようにして、処理室201内をNガスによりパージし、処理室201内に残留しているHOガスや反応副生成物を除去する。
【0075】
〔繰り返し工程(S3e)〕
そして、工程S3a〜S3dまでを1サイクルとしてこのサイクルを所定回数繰り返すことにより、ウェハ2上(下部電極であるTiN膜上)に、所定膜厚の第1の高誘電率絶縁膜としての第1のHfO膜が初期層として形成される。
【0076】
なお、第1のHfO膜形成工程(S3)で酸化源として用いるHOガスは、ALD法による成膜の温度帯ではOガスに比べエネルギーが小さく、酸化力が弱い。そのため、ALD法による成膜の温度条件では、酸化源としてOガスを用いる場合に比べて下部電極の酸化を抑制することができる。その結果、下部電極の電気特性の劣化を抑制し、例
えばキャパシタ容量の減少等を回避できる。
【0077】
ここで、第1のHfO膜形成工程(S3)で成膜する第1のHfO膜が薄すぎると、後述する第2のHfO膜形成工程(S4)において、酸化源として用いるOガスにより下部電極が酸化され易くなる。従って、第1のHfO膜形成工程(S3)では、上述のサイクルの繰り返し回数を例えば10回以上とし、形成する第1のHfO膜の膜厚を1nm以上とすることが好ましい。
【0078】
また、第1のHfO膜形成工程(S3)で成膜する第1のHfO膜が厚すぎると、成膜処理の生産性が低下してしまう場合がある。HOガスは、Oガスに比べ処理室201内の部材に吸着し易く、脱離し難いため、Oガスに比べて処理室201内からの排出に時間を要するためである。従って、第1のHfO膜形成工程(S3)では、上述のサイクルの繰り返し回数を例えば40回以下とし、形成する第1のHfO膜の膜厚を4nm以下とすることが好ましい。すなわち、第1のHfO膜の膜厚は、第2のHfO膜形成工程(S4)において酸化源として用いるOガスによる下部電極の酸化を抑制できる程度の厚さであって、出来るだけ薄いほうが好ましい。
【0079】
〔第2のHfO膜形成工程(S4)〕
〔TDMAHf照射工程(S4a)〕
続いて、第1のHfO膜形成工程(S3)におけるTDMAHf照射工程(S3a)と同様に、ウェハ2へのTDMAHfガスの照射を行う。
【0080】
〔パージ工程(S4b)〕
その後、第1のHfO膜形成工程(S3)におけるパージ工程(S3b)と同様に、処理室201内のパージを行う。
【0081】
〔O照射工程(S4c)〕
処理室201内のパージが完了したら、バルブvo4,vo5を閉じ、バルブvo3を開いて、処理室201内への第2酸化源としてのOガスの供給を開始する。Oガスは、シャワーヘッド240により分散されて処理室201内のウェハ2上に均一に供給される。余剰なOガスや反応副生成物は、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。なお、処理室201内へのOガスの供給時には、原料ガス供給管213h、HOガス供給管213s内へのOガスの侵入を防止するように、また、処理室201内におけるOガスの拡散を促すように、バルブvh4,vs4は開いたままとし、処理室201内にNガスを常に流しておくことが好ましい。バルブvo3を開き、Oガスの供給を開始した後、所定時間が経過したら、バルブvo3を閉じ、バルブvo4,vo5を開いて、処理室201内へのOガスの供給を停止する。
【0082】
〔パージ工程(S4d)〕
バルブvo3を閉じ、処理室201内へのOガスの供給を停止した後は、バルブvh4,vs4,vo4は開いたままとし、処理室201内へのNガスの供給を継続して行う。Nガスは、シャワーヘッド240を介して処理室201内に供給され、排気ダクト259内を流れ、排気口260へと排気される。このようにして、処理室201内をNガスによりパージし、処理室201内に残留しているOガスや反応副生成物を除去する。
【0083】
〔繰り返し工程(S4e)〕
そして、工程S4a〜S4dまでを1サイクルとしてこのサイクルを所定回数繰り返すことにより、ウェハ2上に形成された第1のHfO膜上に、所定膜厚の第2の高誘電率絶縁膜としての第2のHfO膜が形成される。これにより、ウェハ2上(下部電極であ
るTiN膜上)に所定膜厚の高誘電率絶縁膜としてのHfO膜が形成されることとなる。なお、所定膜厚のHfO膜は、第1のHfO膜と第2のHfO膜とにより構成される。
【0084】
なお、第1のHfO膜形成工程(S3)および第2のHfO膜形成工程(S4)をALD法により行う場合には、処理温度(ウェハ温度)を原料ガスが自己分解しない程度の温度帯となるように制御する。この場合、TDMAHf照射工程(S3a、S4a)においては、TDMAHfはウェハ2上に吸着する。HO照射工程(S3c)においては、ウェハ2上に吸着したTDMAHfとHOとが反応することによりウェハ2上に1原子層未満のHfO膜が形成される。O照射供給工程(S4c)においては、ウェハ2上に吸着したTDMAHfとOとが反応することによりウェハ2上に1原子層未満のHfO膜が形成される。なお、このとき、Oにより薄膜中に混入しようとするC、H等の不純物を脱離させることができる。
【0085】
本実施形態の成膜装置にて、ALD法により、第1のHfO膜を形成する際の処理条件としては、ウェハ温度:100〜400℃、処理室内圧力:1〜1000Pa、TDMAHf供給流量:10〜2000sccm、HO供給流量:10〜2000sccm、N(パージガス)供給流量:10〜10000sccm、膜厚:1〜4nmが例示される。
【0086】
また、本実施形態の成膜装置にて、ALD法により、第2のHfO膜を形成する際の処理条件としては、ウェハ温度:100〜400℃、処理室内圧力:1〜1000Pa、TDMAHf供給流量:10〜2000sccm、O供給流量:10〜2000sccm、N(パージガス)供給流量:10〜10000sccm、第1のHfO膜および第2のHfO膜のトータル膜厚:8〜12nmが例示される。
【0087】
〔ガス排気工程(S5)〕
所定膜厚のHfO膜が形成されると、処理室201内が真空排気される。もしくは処理室201内に不活性ガスが供給されつつ処理室201内が真空排気されパージされる。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換される。
【0088】
〔ウェハアンロード工程(S6)〕
その後、上述したウェハロード工程(S1)に示した手順とは逆の手順により、所定膜厚のHfO膜が形成された後のウェハ2を処理室201内から負圧移載室11内へ搬出する。
【0089】
<熱処理工程>
次に、第2処理ユニット32としてのRTP装置110を使用して、ウェハ2上に形成された所定膜厚のHfO膜を熱処理する熱処理工程について説明する。すなわち、不活性ガス雰囲気下で、所定膜厚のHfO膜を、アニールにより緻密化もしくは結晶化する工程について説明する。なお、以下の説明において、RTP装置110を構成する各部の動作はコントローラ150により制御され、コントローラ150はメインコントローラ37により制御される。
【0090】
ウェハアンロード工程(S6)にてゲートバルブ44が閉じられた後に、ゲートバルブ118が開かれる。ゲートバルブ118が開かれると、アニールを施すべきウェハ2は、第2処理ユニット32であるRTP装置110の処理室111内に負圧移載機13によってウェハ搬入搬出口117から搬入され、複数本のリフタピン122の上端間に移載される。ウェハ2をリフタピン122に移載した負圧移載機13が処理室111の外へ退避すると、ウェハ搬入搬出口117がゲートバルブ118により閉じられる。また、昇降軸1
20が昇降駆動装置119によって下降されることにより、リフタピン122の上のウェハ2がサセプタ140の上に受け渡される。処理室111が気密に閉じられた状態で、処理室111内は1〜1000Paの範囲内の所定の圧力となるように排気口116を通じて排気される。
【0091】
ウェハ2がサセプタ140に受け渡されると、ウェハ2をサセプタ140によって保持したタレット131が、サセプタ回転装置136によって回転させられる。サセプタ140に保持されたウェハ2は、サセプタ回転装置136によって回転させられながら、400〜700℃の範囲内の所定の温度となるように第1加熱ランプ群125および第2加熱ランプ群126によって加熱される。この回転および加熱中に、処理室111内に、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスがアニールガス供給管142から供給される。このとき不活性ガス供給流量は、10〜10000sccmの範囲内の所定の流量となるように制御される。サセプタ140がサセプタ回転装置136によって回転させられながら、サセプタ140の上に保持されたウェハ2は第1加熱ランプ群125および第2加熱ランプ群126によって均一に加熱されるため、ウェハ2上に形成された所定膜厚のHfO膜は全面にわたって均一にアニールされる。このアニールの処理時間は、例えば1〜60秒間の範囲内の所定の時間とする。以上の熱処理工程により、ウェハ2上に形成された所定膜厚のHfO膜は緻密化もしくは結晶化される。
【0092】
RTP装置110において予め設定された所定の処理時間が経過すると、処理室111内が排気口116より所定の負圧となるように排気された後に、ゲートバルブ118が開かれる。そして、アニールが施されたウェハ2は、負圧移載機13によって搬入時と逆の手順で処理室111から負圧移載室11に搬出される。
【0093】
なお、高誘電率絶縁膜形成工程、熱処理工程実施後のウェハ2は、必要に応じて第1クーリングユニット35または第2クーリングユニット36により、冷却される場合もある。
【0094】
その後、搬出室15の負圧移載室11側がゲートバルブ18Bによって開かれ、負圧移載機13はウェハ2を負圧移載室11から搬出室15へ搬送し、搬出室15の搬出室用仮置き台の上に移載する。この際には、事前に、搬出室15の正圧移載室16側がゲートバルブ18Aによって閉じられ、搬出室15が排気装置により負圧に排気される。搬出室15が予め設定された圧力値に減圧されると、搬出室15の負圧移載室11側がゲートバルブ18Bによって開かれ、ウェハ2の搬出が行われることとなる。ウェハ2の搬出後に、ゲートバルブ18Bは閉じられる。
【0095】
以上の作動が繰り返されることにより、搬入室14に一括して搬入された25枚のウェハ2について、上述の各工程が順次実施されて行く。25枚のウェハ2について一連の所定の処理が完了すると、処理済のウェハ2は搬出室15の仮置き台に溜められた状態になる。
【0096】
その後、負圧に維持された搬出室15内に窒素ガスが供給され、搬出室15内が大気圧となった後に、搬出室15の正圧移載室16側が、ゲートバルブ18Aによって開かれる。次いで、載置台25上に載置された空のポッド1のキャップが、ポッドオープナ24のキャップ着脱機構26によって開かれる。続いて、正圧移載室16の正圧移載機19は搬出室15からウェハ2をピックアップして正圧移載室16に搬出し、正圧移載室16のウェハ搬入搬出口23を通してポッド1に収納して行く。処理済みの25枚のウェハ2のポッド1への収納が完了すると、ポッド1のキャップがポッドオープナ24のキャップ着脱機構26によってウェハ出し入れ口に装着され、ポッド1が閉じられる。
【0097】
本実施の形態においては、クラスタ装置10における一連の工程が終了したウェハ2はポッド1内に気密に収納された状態で、上部電極形成工程を実施する他の成膜装置に搬送されて行く。
【0098】
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す効果のうち1つ又は複数の効果を奏する。
【0099】
本実施形態によれば、第1のHfO膜形成工程(S3)において、ウェハ2へTDMAHfガスとHOガスとを交互に照射することにより、下部電極であるTiN膜上に所定膜厚の第1のHfO膜を初期層として形成する。ALD法による成膜の温度帯では、HOガスはOガスに比べエネルギーが小さく、酸化力が弱い。そのため、ALD法による成膜の温度条件では、酸化源としてHOガスを用いる場合、Oガスを用いる場合に比べて下部電極の酸化を抑制することができる。その結果、下部電極の電気特性の劣化を抑制し、例えばキャパシタ容量の減少等を回避できる。
【0100】
また、本実施形態によれば、第2のHfO膜形成工程(S4)において、ウェハ2へTDMAHfガスとOガスとを交互に照射することにより、第1のHfO膜上に所定膜厚の第2のHfO膜を形成する。OガスはHOガスに比べて処理室201内の部材に吸着し難く、脱離し易いため、HOガスに比べて処理室201内からの排出を短時間で行うことができる。これにより成膜処理の生産性を向上させることができる。また、酸化源としてOガスを用いることで、酸化源としてHOガスのみを用いた場合と比較して、高誘電率絶縁膜の電気特性を向上させることができる。
【0101】
このように、本実施形態によれば、HfO膜を形成する初期段階(膜厚が数nm以下、好ましくは1〜4nmの範囲の第1のHfO膜を形成する段階)では、酸化源としてHOガスを用い、下地のTiN等の金属膜の酸化を抑制するようにしている。そして、初期層としての第1のHfO膜の形成が完了したら、酸化源としてOガスを用い、成膜処理の生産性を向上させつつ、第2のHfO膜を形成し、例えばトータル膜厚(第1のHfO膜と第2のHfO膜との合計膜厚)が8〜12nmの薄膜を形成するようにしている。これにより、下部電極の電気特性の劣化を抑制しつつ、半導体装置の生産性を向上させることができる。
【0102】
また、本実施形態によれば、第2処理ユニット32としてのRTP装置110を使用して、ウェハ2上に形成された所定膜厚のHfO膜を熱処理する熱処理工程を実施している。これにより、形成したHfO膜を緻密化もしくは結晶化させることが出来る。
【実施例】
【0103】
発明者等は、上述の実施形態にて示した方法を用い、ウェハ上に形成された下部電極としてのTiN膜上に第1のHfO膜と第2のHfO膜とからなるHfO膜を形成した。成膜に際しては、原料としてHfプリカーサであるTDMAHfを、第1酸化源としてHOを、第2酸化源としてOを用いた。処理条件は、上述の実施形態にて示した処理条件の範囲内の値とした。第1のHfO膜の膜厚を2nmとし、トータル膜厚(第1のHfO膜と第2のHfO膜との合計膜厚)を10nmとした。図8にその成膜サンプルの断面概略図を例示する。
【0104】
その結果、下部電極であるTiN膜はほとんど酸化されていないことを確認できた。また、処理室201内からのOガスの排出時間は、処理室201内からのHOガスの排出時間の数分の1未満であり、酸化源としてHOのみを用いた場合と比べて成膜処理の生産性を向上できていることを確認できた。
【0105】
<本発明の他の実施形態>
上述の実施形態では、基板処理装置(成膜装置)として1度に1枚の基板を処理する枚葉式のALD装置を用いて成膜する例について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、基板処理装置として1度に複数枚の基板を処理するバッチ式の縦型ALD装置を用いて成膜するようにしてもよい。以下、この縦型ALD装置について説明する。
【0106】
図7は、本実施形態で好適に用いられる縦型ALD装置の縦型処理炉の概略構成図であり、(a)は、処理炉302部分を縦断面で示し、(b)は、処理炉302部分を図7(a)のA−A線断面図で示す。
【0107】
図7(a)に示されるように、処理炉302は加熱手段(加熱機構)としてのヒータ307を有する。ヒータ307は円筒形状であり、保持板としてのヒータベースに支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0108】
ヒータ307の内側には、ヒータ307と同心円状に反応管としてのプロセスチューブ303が配設されている。プロセスチューブ303は、例えば石英(SiO)や炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。プロセスチューブ303の筒中空部には処理室301が形成されており、基板としてのウェハ2を、後述するボート317によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。
【0109】
プロセスチューブ303の下方には、プロセスチューブ303と同心円状にマニホールド309が配設されている。マニホールド309は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド309は、プロセスチューブ303に係合しており、プロセスチューブ303を支持するように設けられている。なお、マニホールド309とプロセスチューブ303との間には、シール部材としてのOリング320aが設けられている。マニホールド309がヒータベースに支持されることにより、プロセスチューブ303は垂直に据え付けられた状態となっている。プロセスチューブ303とマニホールド309とにより反応容器が形成される。
【0110】
マニホールド309には、第1ガス導入部としての第1ノズル333aと、第2ガス導入部としての第2ノズル333bとが、マニホールド309の側壁を貫通するように接続されている。第1ノズル333aと第2ノズル333bは、それぞれ水平部と垂直部とを有するL字形状であり、水平部がマニホールド309に接続され、垂直部がプロセスチューブ303の内壁とウェハ2との間における円弧状の空間に、プロセスチューブ303の下部より上部の内壁に沿って、ウェハ2の積載方向に向かって立ち上がるように設けられている。第1ノズル333a、第2ノズル333bの垂直部の側面には、ガスを供給する供給孔である第1ガス供給孔348a、第2ガス供給孔348bがそれぞれ設けられている。この第1ガス供給孔348a、第2ガス供給孔348bは、それぞれ下部から上部にわたって同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
【0111】
第1ノズル333a、第2ノズル333bに接続されるガス供給系は、上述の実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、第1ノズル333aに原料ガス供給管213hが接続され、第2ノズル333bにHOガス供給管213sおよびOガス供給管213oが接続される点が、上述の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態では、原料ガスと、酸化源(HO、O)とを、別々のノズルにより供給する。なお、さらに各酸化源を別々のノズルにより供給するようにしてもよい。
【0112】
マニホールド309には、処理室301内の雰囲気を排気する排気管331が設けられ
ている。排気管331には、圧力検出器としての圧力センサ345及び圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ342を介して、真空排気装置としての真空ポンプ346が接続されており、圧力センサ345により検出された圧力情報に基づきAPCバルブ342を調整することで、処理室301内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。なお、APCバルブ342は弁を開閉して処理室301内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調整して処理室301内の圧力を調整することができるよう構成されている開閉弁である。
【0113】
マニホールド309の下方には、マニホールド309の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ319が設けられている。シールキャップ319は、マニホールド309の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ319は、例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ319の上面には、マニホールド309の下端と当接するシール部材としてのOリング320bが設けられている。シールキャップ319の処理室301と反対側には、後述するボート317を回転させる回転機構367が設置されている。回転機構367の回転軸355は、シールキャップ319を貫通して、ボート317に接続されており、ボート317を回転させることでウェハ2を回転させるように構成されている。シールキャップ319は、プロセスチューブ303の外部に配置された昇降機構としてのボートエレベータ315によって、垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート317を処理室301内に対し搬入搬出することが可能となっている。
【0114】
基板保持具としてのボート317は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱材料からなり、複数枚のウェハ2を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。なお、ボート317の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱材料からなる断熱部材318が設けられており、ヒータ307からの熱がシールキャップ319側に伝わりにくくなるように構成されている。プロセスチューブ303内には、温度検出器としての温度センサ363が設置されており、温度センサ363により検出された温度情報に基づきヒータ307への通電具合を調整することにより、処理室301内の温度が所定の温度分布となるように構成されている。温度センサ363は、第1ノズル333a及び第2ノズル333bと同様に、プロセスチューブ303の内壁に沿って設けられている。
【0115】
制御部(制御手段)であるコントローラ380は、APCバルブ342、ヒータ307、温度センサ363、真空ポンプ346、回転機構367、ボートエレベータ315、バルブvh1〜vh6,vs3〜vs6,vo3〜vo6、液体流量コントローラ221h、流量コントローラ225h,221s,221o,222o,224h,224s,224o等の動作を制御する。
【0116】
次に、上記構成にかかる縦型ALD装置の処理炉302を用いて、半導体装置の製造工程の一工程として、ALD法によりウェハ2上に薄膜を形成する基板処理工程について説明する。なお、以下の説明において、縦型ALD装置を構成する各部の動作は、コントローラ380により制御される。
【0117】
複数枚のウェハ2をボート317に装填(ウェハチャージ)する。そして、図7(a)に示すように、複数枚のウェハ2を保持したボート317を、ボートエレベータ315によって持ち上げて処理室301内に搬入(ボートロード)する。この状態で、シールキャップ319はOリング320bを介してマニホールド309の下端をシールした状態となる。
【0118】
処理室301内が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ346によって処理室301内を真空排気する。この際、処理室301内の圧力を圧力センサ345で測定して、この測定された圧力に基づき、APCバルブ342をフィードバック制御する。また、処理室301内が所望の温度となるように、ヒータ307によって加熱する。この際、処理室301内が所望の温度分布となるように、温度センサ363が検出した温度情報に基づきヒータ307への通電具合をフィードバック制御する。続いて、回転機構367によりボート317を回転させることで、ウェハ2を回転させる。
【0119】
その後、例えば上述の実施形態と同様に、第1のHfO膜形成工程(S3)および第2のHfO膜形成工程(S4)を実施することにより、ウェハ2上に所定膜厚のHfO膜を形成する。
【0120】
その後、ボートエレベータ315によりシールキャップ319を下降させて、マニホールド309の下端を開口させるとともに、所定膜厚のHfO膜が形成された後のウェハ2を、ボート317に保持させた状態でマニホールド309の下端からプロセスチューブ303の外部に搬出(ボートアンロード)する。その後、処理済のウェハ2をボート317より取り出す(ウェハディスチャージ)。
【0121】
本実施形態においても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、下部電極の電気特性の劣化を抑制しつつ、半導体装置の生産性を向上させることができる。
【0122】
<本発明の更に他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0123】
例えば、上述の実施形態では高誘電率膜としてHfO膜を形成する場合について説明したが、本発明は係る形態に限定されず、例えばHfSiO膜、HfAlO膜、ZrO膜、ZrSiO膜、ZrAlO膜、TiO膜、Nb膜、Ta膜や、これらを組み合わせたり混合させたりした高誘電率膜を形成する場合にも好適に適用可能である。
【0124】
また、上述の実施形態では第2のHfO膜を形成する際の酸化源としてOガスを用いる場合について説明したが、本発明は係る形態に限定されず、酸化源としてプラズマで活性化した酸素含有物質、例えばプラズマで活性化したOガス等を用いても良い。その場合、オゾナイザ229oの代わりにリモートプラズマユニットを設ければよい。
【0125】
また、上述の実施形態では、酸化源としてHOガスを用いて初期層としての第1のHfO膜を形成した後、酸化源としてOガスを用いて第2のHfO膜を形成する場合について説明したが、本発明は係る形態に限定されない。例えば、酸化源としてHOガスを用いる高誘電率膜の成膜ステップと、酸化源としてOガスを用いる高誘電率膜の成膜ステップと、を交互に繰り返してもよい。また例えば、酸化源としてHOガスを用いる高誘電率膜の成膜ステップと、酸化源としてOガスを用いる高誘電率膜の成膜ステップと、を交互に限らず任意のタイミングで切り替えてもよい。
【0126】
また、上述の実施形態では、第1のHfO膜形成工程(S3)において、TDMAHf照射工程(S3a)→パージ工程(S3b)→HO照射工程(S3c)→パージ工程(S3d)を1サイクルとしてこのサイクルを所定回数繰り返すようにし、第2のHfO膜形成工程(S4)において、TDMAHf照射工程(S4a)→パージ工程(S4b)→O照射工程(S4c)→パージ工程(S4d)を1サイクルとしてこのサイクルを所定回数繰り返すようにしていた。しかしながら、本発明は、このように原料ガスの供給
からサイクルを開始する形態に限定されず、酸化剤の供給からサイクルを開始するようにしてもよい。すなわち、第1のHfO膜形成工程(S3)において、HO照射工程(S3c)→パージ工程(S3b)→TDMAHf照射工程(S3a)→パージ工程(S3d)を1サイクルとしてこのサイクルを所定回数繰り返すようにしてもよい。また、第2のHfO膜形成工程(S4)において、O照射工程(S4c)→パージ工程(S4b)→TDMAHf照射工程(S4a)→パージ工程(S4d)を1サイクルとしてこのサイクルを所定回数繰り返すようにしてもよい。
【0127】
また、上述の実施形態では、高誘電率膜の成膜工程と熱処理工程とを別々の処理容器(成膜装置40の処理容器202、RTP装置110の筐体112)により行うこととしていたが、本発明は係る形態に限定されない。すなわち、高誘電率膜の成膜工程と熱処理工程とを同一の処理容器内にて行うこととしてもよい。
【0128】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0129】
本発明の一態様によれば、
基板を収容した処理室内に原料を供給し排気する工程と、前記処理室内に第1酸化源を供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に第1の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、
前記処理室内に前記原料を供給し排気する工程と、前記処理室内に前記第1酸化源とは異なる第2酸化源を供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記第1の高誘電率絶縁膜上に第2の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、を有する
半導体装置の製造方法が提供される。
【0130】
好ましくは、前記第1酸化源は、前記第2酸化源よりも、エネルギーが小さい。
【0131】
また好ましくは、前記第1酸化源は、前記第2酸化源よりも、酸化力が小さい。
【0132】
また好ましくは、前記第1酸化源がHOであり、前記第2酸化源がOまたはプラズマで活性化した酸素含有物質である。
【0133】
また好ましくは、前記第1の高誘電率絶縁膜の膜厚は、前記第2の高誘電率絶縁膜の膜厚よりも薄い。
【0134】
また好ましくは、前記第1の高誘電率絶縁膜の膜厚が1〜4nmである。
【0135】
また好ましくは、前記第1の高誘電率絶縁膜と前記第2の高誘電率絶縁膜は、同一元素を含む膜(同一種類の膜)である。
【0136】
また好ましくは、前記第1の高誘電率絶縁膜と前記第2の高誘電率絶縁膜はキャパシタ絶縁膜である。
【0137】
また好ましくは、前記基板表面には金属膜が形成されており、前記第1の高誘電率絶縁膜は、前記金属膜上に形成される。
【0138】
本発明の他の態様によれば、
基板を収容した処理室内に原料を供給し排気する工程と、前記処理室内にHOを供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に第1の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、
前記処理室内に前記原料を供給し排気する工程と、前記処理室内にOを供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記第1の高誘電率絶縁膜上に第2の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、を有する
半導体装置の製造方法が提供される。
【0139】
本発明の更に他の態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に原料を供給する原料供給系と、
前記処理室内に第1酸化源を供給する第1酸化源供給系と、
前記処理室内に前記第1酸化源とは異なる第2酸化源を供給する第2酸化源供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、
基板を収容した前記処理室内への原料の供給および排気と、前記処理室内への第1酸化源の供給および排気と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に第1の高誘電率絶縁膜を形成し、
前記処理室内への前記原料の供給および排気と、前記処理室内への前記第2酸化源の供給および排気と、を交互に繰り返すことで、前記第1の高誘電率絶縁膜上に第2の高誘電率絶縁膜を形成するように、前記原料供給系、前記第1酸化源供給系、前記第2酸化源供給系、および、前記排気系を制御するコントローラと、を有する
基板処理装置が提供される。
【符号の説明】
【0140】
2 ウェハ(基板)
10 クラスタ装置(基板処理装置)
201 処理室
280 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容した処理室内に原料を供給し排気する工程と、前記処理室内に第1酸化源を供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に第1の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、
前記処理室内に前記原料を供給し排気する工程と、前記処理室内に前記第1酸化源とは異なる第2酸化源を供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記第1の高誘電率絶縁膜上に第2の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、を有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1酸化源は、前記第2酸化源よりも、エネルギーが小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1酸化源がHOであり、前記第2酸化源がOまたはプラズマで活性化した酸素含有物質である
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
基板を収容した処理室内に原料を供給し排気する工程と、前記処理室内にHOを供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に第1の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、
前記処理室内に前記原料を供給し排気する工程と、前記処理室内にOを供給し排気する工程と、を交互に繰り返すことで、前記第1の高誘電率絶縁膜上に第2の高誘電率絶縁膜を形成する工程と、
を有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に原料を供給する原料供給系と、
前記処理室内に第1酸化源を供給する第1酸化源供給系と、
前記処理室内に前記第1酸化源とは異なる第2酸化源を供給する第2酸化源供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、
基板を収容した前記処理室内への原料の供給および排気と、前記処理室内への第1酸化源の供給および排気と、を交互に繰り返すことで、前記基板上に第1の高誘電率絶縁膜を形成し、前記処理室内への前記原料の供給および排気と、前記処理室内への前記第2酸化源の供給および排気と、を交互に繰り返すことで、前記第1の高誘電率絶縁膜上に第2の高誘電率絶縁膜を形成するように、前記原料供給系、前記第1酸化源供給系、前記第2酸化源供給系、および、前記排気系を制御するコントローラと、を有する
ことを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−267925(P2010−267925A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120224(P2009−120224)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】