説明

可変処理ガス分布マスクエッチングプラズマリアクタ

【課題】マスク表面に亘るエッチング速度の極めて均一な分布を実現するプラズマリアクタを提供する。
【解決手段】プラズマリアクタは、円筒形側壁と、側壁の上にある天井と、側壁の上端上に支持され、天井を支持し、外面と内面とを備えたリングとを備えた真空チャンバを含む。複数の通路が外面から内面へとリング内を半径方向に延び、リングの円周に沿って間隔をあけて配置されている。チャンバ外部に在る外部ガス流導管装置はチャンバの円周に沿って延び、処理ガス供給源に結合されている。チャンバ外部に在る複数のガス流バルブは導管に沿って間隔をあけて配置された各々の位置でもって外部導管に結合され、その各々は(a)リングの外面の複数の通路の各々に結合された制御されたガス出口ポートと、(b)バルブ制御入口とを有する。ガスバルブ構成コントローラは各バルブのバルブ制御入口を制御する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
超大規模集積(ULSI)回路のためのフォトリソグラフィマスクの製造は、半導体ウェハ処理よりもずっと高い程度のエッチング均一性を要する。単一のマスクパターンは、概して、石英マスク上の4平方インチの領域を占める。マスクパターンの画像は、ウェハ上の単一のダイの領域(1平方インチ)に集中され、次にウェハに亘って段階的に進められて各ダイの単一の画像を形成する。石英マスクにマスクパターンをエッチングするのに先立って、マスクパターンは走査電子線によって書かれており、これは単一のマスクのコストを非常に高くする時間の掛かる処理である。マスクエッチング処理はマスクの表面に亘って均一ではない。更に、電子ビームで書かれたフォトレジストパターンは、それ自体は非均一であり、ウェハ上の加工サイズが45nmの場合には、マスク全体に亘って2−3nmほどの限界寸法(例えば、ライン幅)のばらつきを呈する。(このばらつきは、例えば、すべての測定されたライン幅の3σの偏差である。)フォトレジストの限界寸法におけるそのような非均一性は、様々なマスクのソースあるいは顧客に応じて変化する。マスクエッチング処理は、このばらつきを1nm以上に増加させることができず、その結果、エッチングされたマスクパターンのばらつきは、3〜4nmを超過することができない。これらの厳格な要件は、ウェハ上でのシャープな画像を達成するための石英マスクパターンにおける回析効果の使用から生じる。現在の技術では、そのような要件を満たすのは困難である。それは、22nmのウェハ加工サイズを持つかも知れない将来の技術にとっては更に困難になるであろう。この問題は、エッチングバイアスの現象によって悪化し、ここでは、マスクエッチングにおけるフォトレジストパターンの消耗は、石英マスク上のエッチングパターンにおけるライン幅(限界寸法)の減少をもたらす。これらの問題は、マスクエッチング処理に特有である。なぜなら、フォトレジストに関する典型的なマスク材料(例えば、石英、クロム、ケイ化モリブデン)のエッチング選択性が典型的には1未満であるので、その結果、マスクフォトレジストパターンがマスクエッチング処理中にエッチングされるからである。
【0002】
いくつかのマスクパターンは、正確に規定された深さで石英マスクに周期的な開口をエッチングすることを要し、それは、マスクを通じたウェハの露出中の干渉光ビームの非常に微細な位相の位置決めを達成するのに重大である。例えば、位相シフトのマスクの1つの種類においては、各ラインは、クロムラインの各側に露出した薄い石英ラインを伴うクロムラインによって規定され、一側の石英ラインのみが、エッチングされていない石英ラインを通過する光に対して光の180度の位相シフトを提供する正確な深さにエッチングされる。石英におけるエッチング深さを正確に制御するために、エッチング処理は、石英におけるエッチング深さを測定するために、周期的にそれを中断することによって念入りに監視されなければならない。そのような検査は、各々、マスクエッチングリアクタチャンバからマスクを除去すること、フォトレジストを除去すること、エッチング深さを測定すること、その後、経過したエッチング処理時間に基づいた目標深さに達するまでの残りのエッチング処理時間を推定すること、新しいフォトレジストを蒸着すること、電子ビームがレジスト上のマスクパターンを描くこと、マスクエッチングチャンバ内にマスクを再導入すること、そして、エッチング処理を再開することを要する。所望する深さに達するまでの残りのエッチング時間の推定は、エッチング速度が安定及び均一なままであり、したがって、信頼性が低いと想定される。そのような厄介な処理の問題は、低い生産力及び高いコストを含み、同様に、フォトレジストパターンにおける汚染あるいは欠陥の機会の増大を含んでいる。しかしながら、正確に制御されたエッチング深さの要求のために、そのような問題を回避する方法は存在しないようである。
【0003】
限界寸法のばらつきの小さな許容範囲は、マスク表面に亘るエッチング速度の極めて均一な分布を要する。石英材料における正確なエッチング深さを要するマスクにおいては、2つの限界寸法があり、一方はライン幅であり、他方はエッチング深さであり、両方の種類の限界寸法の均一性は、マスクに亘る均一なエッチング速度分布を要する。エッチング速度分布における非均一性は、ソース電力アプリケータの利用によって或る程度まで低減することができ、それは、プラズマイオン密度の放射状分布を変えることができる(ウェハの上にある内側及び外側コイルアンテナからなる誘導ソース電力アプリケータ等)。しかしながら、そのようなアプローチは、対称な非均一性(即ち、中央が高い、あるいは、中央が低いエッチング速度分布)だけに対処することができる。実際には、エッチング速度分布での非均一性は、非対称(例えば、マスクの1つのコーナにおいて高いエッチング速度等)であることができる。より基本的な制限は、マスクエッチング処理がエッチング速度のそのような中央で極めて低い分布を有する傾向があり、調整可能な特徴(内側及び外側コイルを有するそのような誘導電力アプリケータ)が中央で低い体制からエッチング速度分布を変えることが可能ではないということである。
【0004】
非均一なエッチング速度分布に関する別の問題は、エッチング速度分布が同じ設計の異なるリアクタの中で大きく変わる傾向があり、重要な部分あるいは消費可能な構成要素が交換(陰極の交換等)される場合には常に同じリアクタ内において広く変わることができるということである。エッチング速度分布は、消費可能な交換に際して予測不能な変化を伴って交換された部分の特徴における小さなばらつきに高度に敏感なようである。
【概要】
【0005】
マスク又はウェハ等のワークを処理するためのプラズマリアクタは、円筒形側壁と、側壁の上にある天井と、側壁の上端上に支持され、天井を支持し、外面と内面とを備えたリングとを備えた真空チャンバを含む。RFプラズマソース電力アプリケータとアプリケータに結合されたRFソース電力発生器がプラズマソース電力を供給する。複数の通路が外面から内面へとリング内を半径方向に延び、リングの円周に沿って間隔をあけて配置されている。処理ガス供給源が処理ガスを供給する。チャンバ外部に在る外部ガス流導管装置はチャンバの円周に沿って延び、処理ガス供給源に結合されている。チャンバ外部に在る複数のガス流バルブは導管に沿って間隔をあけて配置された各々の位置でもって外部導管に結合され、その各々は(a)リングの外面の複数の通路の各々に結合された制御されたガス出口ポートと、(b)バルブ制御入口とを有する。ガスバルブ構成コントローラは各バルブのバルブ制御入口を制御する。
【詳細な説明】
【0006】
高RF均一性を有する陰極
我々は、マスクエッチング処理における不均一なエッチング速度分布の原因の1つが、当該マスクエッチング処理が行なわれるプラズマリアクタ中のマスクを保持する支持土台あるいは陰極におけるRF電気の不均一の存在にあることを見出した。RFバイアス電力は、マスク表面のプラズマイオンエネルギを制御するために土台に加えられるのに対して、RFソース電力は、プラズマイオンを生成するために、例えば、上部コイルアンテナに加えられる。RFバイアス電力は、イオンエネルギに影響を与えるマスク表面の電界を制御する。マスク表面のイオンエネルギは、エッチング速度に影響を与えるために、土台におけるRF電気の不均一は、マスク表面全体に亘るエッチング速度の分布における不均一を招く。我々は、土台におけるRF不均一の原因のいくつかを見出した。1つは、アルミニウム土台(陰極)とアルミニウム表面板(facilities plate)とを螺合するチタンねじである。上記のねじは、土台の表面全体に亘って(つまり、マスク表面全体に亘って)電界パターンにおけるノードを形成する。なぜなら、上記ねじの電気的特性は、アルミニウム陰極のそれとは異なるからである。もう1つは、陰極と表面版との導電率の不均一な分布である。表面板と陰極との電気伝導は、主として表面板と陰極の周縁に限定される。これは、少なくとも部分的にはプラズマ処理中の真空圧力による陰極のそりに起因する。この周縁の伝導は、チタンねじの不均一な締め付け及び/又は表面板又は土台の周縁付近の表面仕上げの変化等、数多くの要因により不均一となることがある。我々は、土台全体に亘ってRF電気の均一性を向上するいくつかの特徴を導入することにより、この問題を解決した。第一に、アルミニウム陰極にチタンねじが存在することによるRF電界の不均一又は不連続性を、すべてのチタンねじの頭を被包する連続したチタンリングを陰極の上面周縁に延伸するように配することによって解決しようとするものである。表面の不均一又はチタンねじの不均一な締め付けによる導電率の変化を、高導電性ニッケルメッキを表面板と陰極の対向する表面周縁に施すこと、及び表面板と陰極との間に両者によりその周縁で圧縮されるRFガスケットの導入によって解決しようとするものである。
【0007】
図1に示すように、マスクにパターンをエッチングするためのプラズマリアクタは、側壁12とその上にある天井14とにより密閉された真空チャンバ10を備え、チャンバ圧力を調整する真空ポンプ15によって真空引きされる。チャンバ10内のマスク支持土台16は、マスク18を支持する。本明細書において後述するように、マスクは、典型的には石英基板からなり、また石英基板の上面に更にクロムやケイ化モリブデン等のマスク薄膜層を備えていてもよい。更に、パターン規定層が存在するが、それはフォトレジスト又はクロム層からなるハードマスクでも良い。他のマスクの種類としては、上記石英基板は、フォトレジストパターンを除いては被覆層を有していない。
【0008】
プラズマソース電力は、各々RFインピーダンス整合回路28、30を介して各RFソース電力発生器24、26により駆動され、また、上方に位置する内側及び外側コイルアンテナ20、22により加えられる。側壁12は、接地接続されたアルミニウム又は他の金属でもよいのに対して、天井14は、典型的には、コイルアンテナ20、22からチャンバ10内へのRF電力の誘導結合を許容する絶縁材料である。処理ガスは、ガスパネル36からガスマニホールド34を通り、側壁12の上部に等間隔に配置された噴射ノズル32を介して導入される。ガスパネル36は、各々のバルブ又はマスフローコントローラ40を介してマニホールド34に接続された出力バルブ又はマスフローコントローラ42に接続された異なるガス供給源38から構成されることが可能である。
【0009】
マスク支持土台16は、金属(例えば、アルミニウム)表面板46上に支持される金属(例えば、アルミニウム)陰極44からなる。陰極44は、表面板46における供給口及び排出口(図示せず)により供給又は真空引きされる内部冷却液又は加熱液流路(図示せず)を有する。RFバイアス電力は、RFバイアス電力発生器48により、RFインピーダンス整合回路50を介して上記表面板に加えられる。RFバイアス電力は、表面板46と陰極44との界面を通り、陰極44の上面へと導通する。陰極44は、その上に角形の石英マスクあるいは基板18が支持される中央平坦部44aを有する。平坦部の寸法は、一般にマスク18の寸法と一致している。しかし、後述するように、平坦部44aは若干小さく、その結果、マスク周縁部の小部分あるいは端縁18aが、平坦部44aを短い距離超えて延びている。平坦部44aを囲む土台リング52は、(図2B又は図7に示す楔形又はパイ片状に)リング52の約2/5を形成するカバーリング52aと、残余の3/5を形成するキャプチャリング52bとに分割されている。キャプチャリング52bは、マスク18の端縁18aが載置される棚部54を有する。3本のリフトピン56(図1ではそのうち1本だけを示している)がキャプチャリング52bを持ち上げるが、それにより、マスク18は、マスク18を支持土台16から分離することが望まれる際はいつでも、端縁18aによって上昇させられる。土台リング52は、バイアス電力発生器48の周波数において、石英マスク18とアルミニウム平坦部44aとの組合せにより得られるRFインピーダンスに整合するように選択された異なる電気的特性を持つ材料の層53、55からなる。(カバーリング52aとキャプチャリング52bの両者は、異なる層53、55からなる。)更に、キャプチャリング52の上面は、マスク18の上面と共面をなし、そのために、マスク18の端部を超えて延びる大きく均一な表面が、プラズマ処理中のマスク18の表面全体に亘る均一な電界及びシース電圧を促進する。典型的には、下部リング層55が石英で、上部リング層53がアルミナ等のセラミックの場合にこうした条件が満たされる。処理コントローラ60は、ガスパネル36、RF発生器24、26、48、及びウェハハンドリング装置61を制御する。ウェハハンドリング装置は、リフトピン56に接続されたリフトサーボ62、ロボットブレードアーム63、及びスリットバルブ64をチャンバ10の側壁12中に備えることができる。
【0010】
等間隔に配された一連のチタンねじ70は、陰極44と表面板46とをその周縁に沿って固定する。アルミニウム陰極/表面板44、46とチタンねじ70との電気的相違のために、ねじ70は、陰極44の上面でRF電界に別々の不均一性を与える。陰極44と表面板46の対向する表面におけるばらつきは、陰極44と表面板46との間にその周縁に沿って導電性の不均一を作り出し、その結果、対応する不均一性がRF電界にも生じる。陰極44は、プラズマ処理中にその中央部がそり上がり易いために(チャンバの真空により)、陰極44と表面板46との主要な電気的接触は、その周縁においてなされる。陰極44と表面板46との間の導電率の感度を(a)様々なチタンねじ70間の締め付けのばらつき、及び(b)表面特性におけるばらつきに低減するために、ニッケル等の高導電材料からなる環状薄膜72が、陰極44の下面44bの周縁に蒸着され、一方、対応する(例えば)ニッケルからなる環状薄膜74が、表面板46の上面46a上に蒸着される。ニッケル膜72、72は、相互に位置合わせがなされ、その結果、2つの環状ニッケル薄膜72、74は、土台44と表面板46の対向する接触面を構成し、両者に非常に均一な分布の導電率を与える。更なる導電率の均一性向上は、環状溝76を陰極44の下面の周縁に沿って形成し、環状溝76中に導電性RFガスケット80を配置することにより実現される。必要に応じて、環状溝76と並ぶ環状溝78を表面板46の上面に形成することが可能なRFガスケット80は、陰極44と表面板46が押圧されてねじ70が締め付けられる際に圧縮される金属製つる巻細線等、適切な従来のものであることが可能である。チタンねじ70の頭に生じ易い電界分布における点状不均一を抑制又は解消するために、連続したチタンリング82が、陰極44の上面の周縁における環状溝84の周囲に配置される。
【0011】
図2Aは、マスク支持土台16と、その下のリフト部品90を示している。リフト部品90は、空気圧アクチュエータあるいはリフトサーボ94により駆動されるリフトスパイダ92と、該リフトスパイダ92状に載置される3本のリフトピン56とを備えている。リフトピン56は、極度に滑らかで殆ど摩擦のない動作(摩耗から生じる汚染を抑制するため)で、玉軸受98を備えるリフトベローズ96中を導かれる。図2Bは、キャプチャリング52bとマスク18と共に上昇させられた状態の陰極44を示している。マスクが上昇させられた際のカバーとキャプチャリング52a、52bとの分離により形成された間隙により、ロボットブレードは、マスク18へアクセスすることができる。
【0012】
マスク18の表面全体における極度に中央部で低いエッチング速度分布の問題は、陰極平坦部44aの電気的物性(例えば、誘電率)の分布を変更することにより解決される。これは、一実施形態において、平坦部44aの上面に中央インサート102及び周辺外側インサート104を設けることにより達成され、この2つのインサートは、土台リング52と共に連続した平坦な表面を形成すると共に、電気的に異なる材料からなる。例えば、エッチング速度分布が極端に中央部で低くなる傾向を抑制するために、中央インサート102は導電性材料(例えば、アルミニウム)のものであってもよく、一方、外側インサート104は絶縁材料(例えば、アルミナのようなセラミック)のものであることが可能である。この導電性の中央インサート102は、RF電流に更に低いインピーダンス経路を与え、マスク18の中央部でイオンエネルギとエッチング速度とを増大させる一方、絶縁性外側インサート104は、より高いインピーダンスをもたらし、マスク18の周辺のエッチング速度を減少させる。この組合せがエッチング速度分布を改善し、それをほぼ均一にさせる。この特徴によって、エッチング速度分布の微細な調整が、内側及び外側コイルアンテナ20、22に加えられる相対RF電力レベルを調整することにより可能となる。均一なエッチング速度分布を達成するのに要求されるプラズマイオン密度の放射状分布の変化は、はるかに少ない量にまで減少され、それは、均一なエッチング速度分布を得るための内側及び外側コイル20、22間のRF電力配分の能力の範囲内である。図3は、内側及び外側インサート102、104の上面図である。他の実施形態において、インサート102、104は、異なる誘電率(電気的誘電率)を有する絶縁体であることが可能である。図4及び図5は、この概念の詳細を示し、4個の累進的に異なる電気的物性を持つ同心円状リング102、104、106、108がエッチング速度分布をより均一にするために用いられている。図6及び図7は、陰極44のRF電気的物性の分布のリアルタイム調整性を提供する他の実施形態を示している。プランジャ110は、陰極44の中央内部の中空シリンダ114内で、可動アルミニウム板112の軸方向位置を調整する。アルミニウム板112は、アルミニウム平坦部44aの残部に電気的に接触している。絶縁体(例えば、セラミック)の上部フィルム116は、陰極44の上部を覆うことができる。アルミニウム板112が押されてシリンダ114の上部へ近づくにつれ、陰極44の中央領域を通じて電気インピーダンスは減少し、それによりマスク18の中央でエッチング速度を増加させる。反対に、マスク中央のエッチング速度は、アルミニウム板112がシリンダ114内でマスク18から遠ざかるように下方へ移動されるにつれて減少する。プランジャ110の軸方向の動きを調整するアクチュエータ118は、処理コントローラ60(図1参照)により、均一性を最大限にするように又は不均一を補正するようにエッチング速度分布を調整するように制御されることができる。
【0013】
マスク裏面におけるエッチング速度の監視と終了点検出
マスク上のエッチング深さ又は微小寸法を測定するためのエッチング処理の周期的中断による製造コストの上昇は、陰極44及びマスク又は基板18の裏面を介した光学的検出を用いることで抑制又は解消される。フォトレジストに対する低いエッチング選択性により、こうした周期的測定を行なうためにエッチング処理を中断することが必要であった。一般に、マスク材料は、フォトレジストよりも遅い速度でエッチングされる。この問題は、マスク上にフォトレジストの厚い層を蒸着することにより解決が図られるが、レジストの高いエッチング速度により、フォトレジスト表面には不規則な凹凸又は粗面ができる。この凹凸は、フォトレジストを通過する光に影響を与え、その結果、いかなる微小寸法やエッチング深さの光学的測定にもノイズを与えてしまう。そのために、フォトレジストは、ノイズのない光学的測定を確保するために周期的測定ごとに一時的に除去されるので、中断されたマスクエッチング処理を再開する前には、フォトレジストの再蒸着やレチクルパターンのフォトレジストへの再書き込みが必要となる。
【0014】
図8に示すマスクエッチングプラズマリアクタは、このような困難を回避するもので、陰極44中に設けられた裏面光学測定装置を用いることにより、全エッチング処理中の連続的な微小寸法の観察又はエッチング深さの測定を、マスク又は基板18をマスク支持土台16上に載置したままで行なうことが可能である。裏面測定装置は、典型的には、石英製のマスク基板18の光学的に透明な性質を利用するものである。その上に蒸着されることが可能である薄膜(クロム又はケイ化モリブデン等)は不透明であることが可能であるが、マスク18のレチクルパターンを規定するパターン状開口の形成は、光学的に検出される。このような層により反射又はこのような層を透過する光の強度の変化は、陰極44を介してマスク裏面で観察されることが可能である。この観察は、エッチング処理終了点検出を行なうために用いられることが可能である。石英材料をエッチングする際には、マスク裏面で陰極44を介して観察される光学干渉を、エッチング処理中にエッチング深さ測定をリアルタイムで行なうために検出することが可能である。利点の1つとしては、マスク裏面から検出される画像又は光学信号がフォトレジストのノイズにより影響されないこと、又は、少なくとも、マスク18の上面(フォトレジスト側)からこのような測定を行なう試みと比較するとその影響が非常に少ないことがある。
【0015】
これらの目的のために、図8のリアクタは、陰極44の上面においてマスク又は基板18の裏面に対向する光学軸を持つレンズ122を収容する凹部120を備える。一対の光ファイバ124、126は、その径がレンズ122に比べて小さく、且つ、レンズ122に接近あるいは接触する端部124a、126aを有しており、また、両者は、レンズ122の光学軸において隣り合うよう並置されている。図8に示す光ファイバ124、126の各々は、実際には小さな複数の光ファイバの束であることが可能である。光ファイバ124は、その他端124bが光源128に接続されている。光源は、マスク18が透明となる波長の光、典型的には石英マスクに対しては可視光を発する。干渉深さ測定の場合、光源128の波長スペクトルは、マスク18のレチクルパターンにおける局所的コヒーレンスを容易にするように選択される。約45nmのエッチングされたマスク構造中の周期的形状(又は1ミクロン未満の周期的形状サイズ)に対しては、光源が可視光スペクトル中の光を放射するときに、この条件が満たされる。光ファイバ126は、その他端126bが光受容器130に接続されている。単純な終了点検出の場合、光受容器130は、単に光の強度を検出すればよい。微小寸法(例えば、線幅)測定の場合、光受容器130は、レンズ122の視野中にあるエッチングされた配線の画像を検出してもよく、それから線幅を判断することができる。エッチング深さ測定の場合、光受容器130は、干渉パターン又は干渉縞を検出してもよく、それによりエッチング深さが判断される(つまり、干渉又は回折パターンから推定又は干渉縞の計数から演算される)。他の実施形態において、光受容器130は、多数の波長の干渉測定を行なうための分光計を備えることが可能であり、それによりエッチング深さが推定又は演算されることが可能である。このような測定のために、処理コントローラ60は、光受容器からの光学信号を処理することができる光学信号プロセッサ132を備えている。このような光学信号処理は、以下のいずれかを(特定の形態に応じて)含むことが可能である。周辺光の強度の変化からエッチング処理終了点検出を行なう;光受容器130によって検出される2次元画像から微小寸法を測定する;干渉縞を計数することによりエッチング深さを演算する;多数の波長の干渉スペクトルからエッチング深さを測定する。この場合、光受容器130は、分光計からなる。これに代えて、このような分光計は、プラズマから出射され透明マスク18を透過する光を用いてウェハ裏側からの光学発光分光法によるエッチング処理終了点検出を行なうために採用されてもよく、その場合、光源128は、用いられない。
【0016】
処理コントローラ60は、光学信号プロセッサ132からの処理終了点検出情報(又はエッチング深さ測定情報)に応答し、RF発生器24、26、48、及びウェハハンドリング装置61を含むプラズマリアクタの様々な要素を制御する。典型的には、処理コントローラ60は、エッチング処理終了点に達したときに、エッチング処理を終了し、マスク18が土台16から除去されるようにする。
【0017】
図9は、クロムエッチング処理(石英マスク表面上のクロム薄膜がマスクのレチクルパターンに応じてエッチングされる)中の時間に対するマスクの上面(フォトレジスト塗布面)から検出した周辺反射光強度の関係を示すグラフである。図9に示される強度の大きな変動は、フォトレジスト層の上面の凹凸により引き起こされるノイズを表わしている。破線は、ノイズ中に隠された階段関数信号を表わし、その階段関数は、クロムエッチング処理終了点と一致する。図10は、図8のリアクタ中の陰極44を介してウェハ裏面から行なった同様の測定のグラフであり、光受容器130が反射光レベルを検出している。フォトレジスト由来のノイズは、大きく減少し、その結果、終了点規定段階関数が光学データ中に明確に現れている。階段関数の端部は、エッチング処理がクロム薄膜の底部に達する際に反射光強度が下降する遷移点を表わし、その点では、クロムの反射表面積が急峻に減少している。
【0018】
図11及び図12は、時間に対する(即ち、空間に対する)光強度のグラフであり、図12においては、光受容器130によって検出されるように、光強度の周期的ピークが干渉縞に対応し、その間隔は、エッチング深さ、あるいは透明な石英マスク基板18にエッチングされる近接した周期的間隔を持つ形状の異なる表面間の厚さの差を決定している。図11は、マスク上面からフォトレジストを介して検出された強度を示し、干渉縞検出を阻害するフォトレジスト由来の大きなノイズが含まれているのを示している。図12は、図8の光受容器130によってマスク裏面を介して検出された強度を示し、フォトレジスト由来のノイズは、実質的に存在しないことを示している。
【0019】
図13は、光受容器130が分光計からなり光源128が複数の波長スペクトルを発生する場合の波長に対する光強度の関係を表わすグラフである。図13のグラフに示す強度スペクトラムの挙動は、干渉効果が透明マスク18中に周期的間隔で配置されたサブミクロン形状中の異なる深さを持つ表面から反射される光の間で生じる場合に典型的なものである。低波長においては、ピークは、比較的周期的で等間隔であり、ここでは、主要な光効果は干渉である。より高い波長では、マスク18中の周期的形状間の局所的コヒーランスは、さほど強くなく、そのため、回折効果は、波長が増大するにつれて大きくなり、図13に示すように、高波長での強度の挙動は、より不等間隔でより複雑となる。図13中のピークの間隔は、特に低波長において、エッチング深さの関数であり、エッチング深さは、ピーク間隔から推測される。
【0020】
図14は、図8のリアクタの一実施形態を例示しており、ここでは、光受容器130は、周辺光強度検出器であり、光学信号プロセッサ132は、図10の終了点検出グラフに対応する反射光強度全体における大きな屈曲点(階段関数)を探すようにプログラムされている。この実施形態の光源128は、適切なものであればいかなる光源でもよい。これに代えて、光源128は、省略されてもよく、その場合、光センサ130は、単に透明マスク又は基板18を透過するプラズマからの光に応答する。
【0021】
図15は、図8のリアクタの一実施形態を例示しており、ここでは、光受容器130は、干渉縞を解像するレンズ122よって充分にフォーカスされる干渉縞検出器であり、光学信号プロセッサ132は、透明石英マスク18のエッチング深さを演算するために(例えば、図12に示されるような時間に対する強度のデータから)干渉縞を計数するようにプログラムされている。この演算により、実質的に即時にエッチング深さが演算され、ロジック200によりメモリ202に記憶されているユーザ規定による目標深さと比較される。ロジック200は、記憶されている深さの値と測定された深さの値との一致を検出するために、従来の数的一致又は最小化ルーチンを用いることができる。一致によって、ロジック200は、処理コントローラ60に対するエッチング終了点のフラグを立てる。
【0022】
図16は、図8のリアクタの一実施形態を示し、ここでは、図13の干渉分光法が透明石英マスク又は基板18のエッチング深さを測定又は判断するために用いられる。この場合、光源128は、可視領域の多数の波長又はスペクトラム(約数百ナノメートル以下の周期的なマスク形状のサイズに対して)を出射する。光受容器130は、分光計である。複合信号調整器兼アナログ−デジタル変換器220は、分光計130により収集されたスペクトル情報(図13のグラフに対応する)を光学信号プロセッサ132が取り扱うことができるデジタルデータに変換する。終了点検出を行なうことができる1つのモードでは、上述したように、エッチング深さを図13に示すデータの低波長領域中の周期的ピーク間の間隔から演算する。比較ロジック200は、瞬時に測定されたエッチング深さをメモリ202に記憶されたユーザが規定した目標深さと比較し、エッチング処理終了点に達したか否かを判断することができる。他のモードでは、比較ロジック200は、充分にロバストであり、分光計130の即時出力を表わすデジタル化された波長スペクトル(図13のグラフに対応)と所望のエッチング深さに対応する周知のスペクトルとを比較できる。この周知のスペクトラムは、メモリ202に記憶されることが可能である。比較ロジック200により検出される、測定されたスペクトルと記憶されているスペクトラムとの一致又は近似的一致により、エッチング処理終了点フラグが処理コントローラ60に送られることになる。
【0023】
図17は、図8のリアクタの一実施形態を示し、ここでは光受容器130は、チャンバ中のプラズマによって出射される光学的放射からの輝線を区別可能で、光学発光分光(OES)を行なう光学発光分光計である。プロセッサ132は、エッチングされる層中の材料を示す化学種に対応する選択された光学線の強度を追跡する(又はその消失を検出する)ようにプログラムされたOESプロセッサである。所定の移行(例えば、クロムエッチング処理中のOESスペクトラムにおけるクロム波長線の消失)の際には、プロセッサ132は、処理コントローラ60にエッチング処理終了点検出フラグを送る。
【0024】
図18は、我々が構成した一実施形態を示し、ここでは、間隔を置いた凹部231、233中に各々一対のレンズ230、232が設けられており、レンズ230、232は、干渉縞を解像するようフォーカスされており、集光された光は、各々レンズ230、232に対向又は接触する光ファイバ234、236によって伝送される。光ファイバ234、236は、干渉検出器238(これは、干渉縞検出器あるいは分光計であることが可能である)に接続され、検出器238は、処理コントローラ60に接続された出力を有している。レンズ230、232は、光源240から光ファイバ242、244を介して光を受ける。この光は、マスク18の上面からレンズ230、232に向かって反射され、光ファイバ234、236によって検出器238に伝送される。更に、図18の実施形態は、光ファイバ252を介してOES分光計254に接続される第3のレンズ250を収容する第3の凹部249が陰極表面に備えられている。OESプロセッサ256は、OES分光計254の出力を処理し、終了点検出を実行し、処理コントローラ60にその結果を送信する。図18の実施形態の陰極44が図19に示されており、ここでは、レンズ230、232、250を各々収容する3つの凹部231、233、249が示されている。図20は、表面板46中にレンズ230、232、250をサポートする光学機器を収容するための対応する孔260、261、262を示している。図21は、土台16中の光ファイバとレンズとの接続を示す断面図である。
【0025】
図16、図17、図18では、分光計130(図16及び図17)及び254(図18)が用いられているが、分光計130又は254は、所定の波長用に調整された一又は複数の光学波長フィルタで置き換えられてもよい。上記の各光学波長フィルタは、信号強度を増強するために、光電子増倍管と組み合わせることが可能である。
【0026】
裏面終了点検出マスクエッチング処理
図22A及び図22Bは、マスクの石英材料中にレチクルパターンをエッチングする処理を示している。図22Aにおいて、石英マスク基板210は、間隔を空けた線214及びフォトレジスト層212中に定められた開口216による周期的構造を有するフォトレジスト層212によって覆われている。図15及び図16のリアクタにおいては、CHF+CF+Arの石英エッチング処理ガスがチャンバ10内に導入され、電力がRF発生器24、26、48により加えられ、また、石英材料は、フォトレジスト層212中に形成された開口216の中でエッチングされる。石英中のエッチング深さは、石英基板210のエッチングされた上面から反射された光218とエッチングされていない上面から反射された光219との干渉により連続的に測定される。エッチング処理は、所望のエッチング深さに達すると即時に中断される(図22A)。そして、所望のマスクを形成するためにフォトレジストが除去される(図22B)。
【0027】
図23A〜図23Eは、下層石英マスク基板210、ケイ化モリブデン層260(モリブデン−酸化シリコン窒化物[molybdenum oxy−silicon nitride])、クロム層262、酸化クロム反射防止コーティング264及びフォトレジスト層266からなると共に、フォトレジスト層266に開口268が形成された3層マスク構造(図23A)をエッチングする処理を示している。図23Bのステップにおいて、クロム層262及び反射防止コーティング264は、単純な反射終了点検出を有するプラズマリアクタチャンバ(図14のチャンバ)又はOES終了点検出を有するチャンバ(図17のチャンバ)中で、Cl+O+CF等のクロムエッチング処理ガスを用いてエッチングされる。フォトレジスト層266が除去される(図23C)。その後、図23Dに示すように、ケイ化モリブデン層260が、SF+Cl等のケイ化モリブデンのエッチング剤である処理ガスを用い、クロム層262をハードマスクとして用いてエッチングされる。このステップは、図14又は図17のチャンバのような単純な周辺反射による又はOES終了点検出による終了点検出を行なうプラズマリアクタ中で行なわれる。図23Eにおいて、クロム層262及び酸化クロム反射防止コーティング264は、CH+CF+Ar等のクロムエッチング処理ガスを用いて除去される。このステップは、エッチング深さ測定を伴わない単純な終了点検出を行なう図14又は図17のリアクタを用いて行なわれる。これにより、レチクルパターンが規定されたケイ化モリブデンの被覆層を有する石英マスク基板が残される。
【0028】
図24A〜図24Eは、透明石英マスク上に形成され、周期的間隔で石英が露出する空間の横に位置する周期的なクロム線からなるバイナリマスクを製造する処理を示しており、上記石英が露出する空間は、1つおきに透過光が所望の角度(例えば、180度)で位相偏移する深さまでエッチングされている。図24Aは、石英マスク基板300、クロム層302、酸化クロム反射防止コーティング304、及びフォトレジスト層306からなる初期構造を示している。図24Bのステップでは、クロム及び酸化クロム層302、304は、図14又は図17のチャンバのようなリアクタチャンバ中のCl+O+CFの処理ガスの中でエッチングされる。図24Cのステップでは、フォトレジスト層306が除去され、その後、石英マスク基板300の露出部分が図24Dに示すようにCHF+CF+Arの石英エッチング処理ガス中でエッチングされる。図24Dの石英エッチングのステップは、図15又は図16のチャンバのような、石英マスク基板300中のエッチング深さを検出又は監視できるリアクタチャンバの中でエッチングされる。このエッチング処理中に、即時エッチング深さが連続的に監視され、エッチング処理は、マスク300上で目標エッチング深さに達するとすぐに中止される。最終結果物を図24Eに示している。
【0029】
マスク表面全体に亘るエッチング深さ分布の連続的監視
図25及び図26は、図1のウェハ支持土台16の一実施形態を示し、ここでは、マトリクス状の裏面エッチング深さ検出素子(レンズ及び光ファイバ)が陰極44の上面に設けられており、それによりエッチング処理中のマスク又は基板の全表面に亘るエッチング速度分布又はエッチング深さ分布の瞬間的画像又はサンプルが、エッチング処理を中断することなくまたマスク基板を乱すことなく、連続的に得ることができる。アルミニウム平坦部44aは、その上面にマトリクス状の開口320を有し、各開口は、マスク基板300の裏面に対向するレンズ322を保持している。光源324は、各々レンズ322と接続された出力光ファイバ326を介して光を供給する。レンズ322は、干渉縞を解像するのに充分なフォーカシングを与える。干渉検出器328は、干渉縞の計数を容易にするセンサ又は分光計でもよく、各々レンズ322と接続された入力光ファイバ330と接続されている。スイッチ又はマルチプレクサ332は、各入力光ファイバ330から検出器328へ光が順に入るようにする。図25及び図26の装置が動作するモードには、3種類のモードがある。第1のモードでは、所定の1つのレンズ322の視野中のエッチング深さが干渉縞の間隔から演算される。第2のモードでは、検出器328は、分光計であり、所定の1つのレンズ322の視野中のエッチング深さが、多数の波長の干渉スペクトルでの低波長ピーク間隔(図13に対応)から演算される。第3のモードでは、多数の波長の干渉スペクトルが一定の時間に検出され、対応するエッチング深さが分かっているスペクトラムのライブラリ340と比較される。エッチング速度分布は、エッチング深さと経過時間から演算される。この分布は、処理のエッチング不均一を記録し、処理コントローラ132に送られる。コントローラ132は、リアクタの調整可能な特性を調整することによって応答し、エッチング速度分布の不均一性を減少することができる。
【0030】
図25及び図26の実施形態では、3×3のマトリクス状のエッチング深さセンサ又はレンズ322が平坦部44aの上面に備えられているが、こうしたセンサのマトリクスにはいかなる数の行及び列が採用されてもよく、そのために、マトリクスはn×mのマトリクスであり、ここで、m及びnは適切な整数である。
【0031】
一実施形態において、処理コントローラ132は、エッチング速度分布が中央部で高いか中央部で低いかを(分光計又はセンサ130により供給されるエッチング速度分布情報から)推定するようにプログラムされることが可能である。処理コントローラ60は、この情報にリアクタの調整可能な特性を調整することによって応答し、不均一性を減らすことができる。例えば、処理コントローラ60は、内側及び外側コイル20、22間のRF電力の配分を変更することが可能である。これに代えて、あるいは、これに加えて、処理コントローラ60は、図6及び図7のリアクタ中の可動アルミニウム板112の高さを変更することが可能である。平坦部44a中のエッチング深さ検出素子のアレイ又はマトリクスからのフィードバックによって、処理コントローラ60は、エッチング速度分布の均一性をリアクタの調整可能要素の連続的な試行錯誤調整により改善することができる。
【0032】
リアルタイム構成可能な処理ガス分配
図27及び図28は、個別に制御可能なガス噴射口又はノズル32のアレイを有する、図1のプラズマリアクタの一実施形態を示している。異なるノズル32を個々に制御することにより、チャンバ10内のガス分布は、ワーク又はマスク18全体に亘るエッチング速度の不均一な分布を修正するように変更されることができる。この例示される実施形態において、ガス噴射ノズル32のアレイは、側壁12の天井14近傍に位置している。この目的のために、リアクタは、側壁12の上部と脱着可能な蓋342との間に保持されるトップリング338を備え、蓋342は、天井14を構成している。トップリング338の下面の外側ショルダ344は、側壁12の上面に配置される。リングの上面の内側ショルダ346は、蓋342の端部を受ける。外側ショルダ348は、蓋342の下面に設けられ、リング338の内側ショルダ346内に載置されている。ガス噴射口又はノズル32は、リング338の縦方向の内面349に形成されている。各噴射ノズル32へのガス流は、別体のバルブ350により個別に制御され、各ノズル32には、各々1つのバルブ350がある。ガスパネル36から供給される処理ガスは、リング338上に形成された入口ポート354に接続されたガス供給ライン352を通じて流れる。リング338に形成されたガス供給出口356は、入口ポート354で受けられた処理ガスを排出する。一連の分断可能なガス流路358は、処理ガスが各々のガス供給出口又はポート356から対応するバルブ350の組へ通流するリング338の周囲の外側の直列接続を形成する。
【0033】
好ましい一実施形態において、各バルブ350は、空気圧で制御されると共に、流入口ポート350a及び流出口ポート350bと、制御ガス入口ポート350c及び空気圧制御入口ポート350dとを有している。出口ポート350cは、制御された処理ガス流を対応するノズル32の1つに供給する。処理ガスは、流入口ポート350aから流出口ポート350bへ自由に流れる。制御入口ポート350dの圧縮空気圧は、流入口ポート350a、流出口ポート350bを通過するいずれのガスをガス出口ポート350cへ迂回させるかを決定する。このような空気圧で制御されるバルブは周知のものであり、そのためここではそれらの内部構造は開示されない。ガス流路358−1、358−2は、ガス供給出口356−1、356−2からバルブ350−1、350−2の流入口ポート350aへ接続されている。残りのガス流路358の各々は、1つのバルブ350の流出口ポート350aから連続するバルブ350の流入口ポート350bへ接続されている。こうして、図28の図面の左側にある一連のバルブ350を通して流れるガス流は、反時計回りに流れる一方、図28の図面の右側にある一連のバルブ350を通して流れるガス流は、時計回りに流れる。
【0034】
各出口ポート356からそれに接続される一連のバルブ350へのガス流は、その系列内に介在するどのバルブ350にも遮られない。各バルブ350は、対応するガス噴射口32へガス流を供給する他のどのバルブ350を開閉することなく、「開」にすることができ、また、その噴射口へのガス流を遮断するために「閉」にすることができる。バルブ構成プロセッサ360は、すべてのバルブ350を制御し、バルブ制御リンク362を介してバルブ350のいかなる組合せをも開閉することができる。上述したように、好ましい一実施形態においては、バルブ350は、空気圧バルブであり、制御リンク362は、コイルアンテナ20、22付近の導電体の存在を回避するための空気圧(エア)チューブである。図28の実施形態において、コンプレッサ364は、圧縮した空気を、各々の空気圧バルブ350の空気圧制御入口350aへの圧縮空気の付与を調整するソレノイド(つまり、電気的に制御された)バルブ365へ供給する。バルブ構成プロセッサ360は、ソレノイドバルブ365をコイルアンテナ20、22から離れた電気的連結を介して制御する。
【0035】
図29は、図28の実施形態の変形例を示し、ここでは、バルブ350は、空気圧で制御されるのではなく、各々電気的に制御されている。図29において、各々の制御リンク362は、コントローラ360から対応する1つのバルブ350へ直接延びる電気配線であり、エアコンプレッサ364及び圧縮空気ソレノイドバルブ365は省略されている。
【0036】
図27及び図28に戻って、各噴射口32は、リング338を通り放射状の円筒形通路366から形成されている。中空円筒形スリーブ368は、通路366内で受け止められ、スリーブ368の端部368aがガス噴射口を形成している。端部368aでの噴射口の径は、約0.030インチである。各スリーブ368は、セラミック材料で形成されてもよく、また取り外し可能であってもよい。各バルブ350の制御ガス出口ポート350cは、短いガス供給ライン370を介して対応する放射状通路366の外側端部に接続されている。ガス分配アセンブリの全体は、モジュール式になっており、外側ガス供給ライン358及び短いガス供給ライン370の各々の接続(又は分断)により素早く分解でき、スリーブ368は、別個に孔366から取り外し可能である。このように、リング338に支持されているガス分配部品及びアセンブリは、各々簡単に個別に交換でき、例えば、リング338のようなより高価なリアクタの部品の取り外しや交換を必要とすることがない。
【0037】
図30A〜図30Dは、図27及び図28のリアクタで実施されたエッチング処理の定められた時間内に得られたマスク18上のエッチング深さ分布を、異なるバルブ構成ごとに示すグラフである。図30Aのエッチング分布は、すべてのバルブ350が開放されたときに得られたもので、概して中央部で低いエッチング分布であり、マスク表面全体に亘って0.51%という高い不均一性又はばらつきを示している。図30Bの分布は、一対の隣接したバルブ350a、350bを閉じると共に残りのバルブ350を開放したときに得られたもので、よりほぼ均一な分布であり、わずか0.38%の不均一性又はばらつきとなっている。図30Cは、すべてのバルブ350を開放した状態のバルブ構成に再び戻して得られた。図30Cの分布は、中央部でより低くなっている。図30Dの分布は、隣接した異なる一対のバルブ350c、350dを閉じることで得られた。得られた分布は、より均一であると共により中央部で低い傾向が抑えられ、わずか0.40%のばらつきとなった。
【0038】
図31は他の実施形態を示し、ここでは、ガス噴射ノズル32がジグザグ又は「W」パターンにリング338内に配置されている。各ノズルは、上述の実施形態と同様、個別に制御されている。噴射パターンは、ノズルの上部列32aのみ又は下部列32bのみを作動させることにより、天井に対して移動させることが可能である。ノズル間の距離は、選択されたノズル32のみ(例えば、3つおきのノズル又は4つおきのノズル)を作動させることにより変更することができる。図32は、リング338の一部の断面図であり、ノズル32が異なる方向へ噴射するように配置される様子を表わしている。ガス分布の大きな変化は、バルブ構成コントローラ360によって、例えば、特定の方向を向いたノズル32のみをオンにすることにより得られることが可能である。例えば、図32の図面の右を向いた角度のノズル32cすべてをオンにし、他のすべてを除外することが可能である。例えば、すべての左に角度を付けられたノズル32dをオンにすると共に、すべての右に角度をつけられたノズル32cを含む他のすべてをオフにすることにより、大きな変化又は修正を得ることが可能である。
【0039】
裏面エッチング深さ測定センサからのフィードバックを伴う調整可能なリアクタ要素の制御
図33及び図34に示すように、図25及び図26に示す裏面エッチング深さセンサの2次元アレイの出力を用い、マスクエッチングプラズマリアクタの調整可能要素のフィードバック制御が提供される。調整可能要素又は複数の要素は、個々に制御される図27及び図28のガス噴射ノズル32のアレイであることが可能である。これに代えて、あるいは、これに加えて、このようなフィードバックループ内で制御される調整可能要素は、図6及び図7のリアクタにおいて、内側及び外側コイル20、22間のRF電力配分、又は可動アルミニウム板112の高さを含むことが可能である。
【0040】
図25及び図26のエッチング深さ検出素子130のアレイ又はマトリクスからのフィードバックによって、処理コントローラ60は、エッチング速度分布の均一性をリアクタの調整可能要素の連続的な試行錯誤調整により改善することができる。図33において、フィードバックループは、図25及び図26の裏面エッチング深さ検出器130のアレイ400で開始する。処理コントローラ60は、マスク18上のエッチング速度における不均一性の位置と大きさを推測し、そして、そのような不均一性を抑制するあるいは解消するリアクタの特定の調整可能要素において最も起こりそうな変化を推定するために、マスク18全体に亘り即時にエッチング深さ計測した画像を用いるようにプログラムされている。この情報は、プロセッサ60により、リアクタの調整可能要素のうちのいずれか1つ、又はいくつか、又はすべてに送られる命令(又は複数の命令)に変換される。このように、図33は、処理コントローラ60から以下に示す調整可能要素への出力信号経路を示しており、そのいずれか1つ又はすべては、リアクタ中に存在することが可能である。調整可能要素は:内側及び外側アンテナRF電力発生器24、26(内側及び外側RF電力配分用);可動アルミニウム板112用アクチュエータ110;制御可能ノズル32のアレイ用ノズルアレイコントローラ360である。
【0041】
フィードバックループは、マスク18全体に亘るエッチング速度分布の均一性を改善するように全マスクエッチング処理を通じて連続的に動作するようにしてもよく、それによりマスク18上のエッチング速度分布の「画像」からプロセッサ60によって認識される不均一性を改善する。フィードバックは、試行錯誤補正を行なうプロセッサ60内のソフトウェアにより管理されることが可能である。これに代えて、プロセッサ60内のソフトウェアは、認識したエッチング速度分布の不均一性に対してプロセッサ60がより高い処理能力をもって反応できるように、市販の神経トレーニング−フィードバック学習技術を組み込むことが可能である。このようなソフトウェア技術は、本発明の一部を構成するものではない。
【0042】
一実施形態において、調整可能要素(又は複数の要素)へのフィードバック命令は、エッチング深さセンサのアレイ中のばらつきを抑制するように生成されることが可能である。別の実施形態においては、フィードバックは、特定の不均一性に対処するために選択されることが可能である。例えば、センサ130のアレイにより検出されたエッチング速度分布は、マスク18の1つの象限又は角部において非常に高いことがあり、この場合、バルブ構成プロセッサは、限定された(試験的な)量だけその1つの象限内のガス流を減少するよう命令される。この方策が、裏面センサ130のアレイから得られた後続のエッチング速度分布の画像によれば、限定的な効果しか挙げない場合、このガス流分布の調整を増大させることが可能である。この調整と補正のサイクルは、エッチング速度分布均一性に改善が見られなくなるようになるまで継続することが可能である。
【0043】
他の不均一性は、最初のものが補正された後、同様にして取り扱えばよい。例えば、異なる位置のエッチング速度が非常に高いことがあるが、その場合、その位置へのガス流は、それによりこの不均一性が、裏面センサ130のアレイからのエッチング速度分布「画像」の多数のサンプルに比べて一定の減少をみせる限り、減少させられる。
【0044】
エッチング速度分布の不均一性が対称である場合(例えば、中央部で高い又は中央部で低い分布の場合)、アルミニウム板112の高さ、又は内側及び外側コイル20、22間のRF電力配分等、対称性を持つ調整可能要素が、プロセッサ60によりフィードバック制御ループを用いて不均一性を減少させるために用いられることが可能である。例えば、中央部で低いエッチング速度分布は、プロセッサ60によって、アルミニウム板112を上昇させ、及び/又は、内側コイル20への(外側コイル22に対する)RF電力の配分を増加させて、マスク18の中央部におけるエッチング速度を増加させることによって、不均一性が減少される。フィードバックループにおいて、この変化は、初期には小さくてもよく、裏面センサ130のアレイからのエッチング速度分布画像で均一性が改善されるにつれて、アルミニウム板及び/又は内側コイル20への電力の配分を更に増加させることが可能である。このサイクルは、更なる改善が観察されなくなるまで継続することが可能である。上記技術のすべては、処理コントローラ60により実行されるソフトウェア内に組み込まれることが可能である。
【0045】
図35は、図33及び図34の実施形態における処理コントローラ60によって実行されるフィードバックサイクルの1つの可能な例を示している。まず、プロセッサ60は、裏面センサ130のアレイからエッチング速度の最新の2次元画像をマスク表面全面に亘って取得する(図35のブロック380)。この画像から、プロセッサ60は、エッチング速度分布における不均一性のパターンを推定し(ブロック382)、その不均一性を減少する選択肢のリストから、リアクタの調整可能要素のうち1つの調整を選択する(ブロック384)。この調整を行なった後(ブロック386)、プロセッサ60は、最新のエッチング速度分布画像を取得し(ブロック388)、それを調整前に獲得した先の画像と比較する。改善(不均一性の減少)がある場合、プロセッサ60は、同じサイクルを繰り返し、恐らく同じ効果の調整において更なる向上が得られる。改善がない場合(ブロック390でNOの場合)、選択された調整は、選択肢のリストから除外され(ブロック392)、ブロック384のステップに戻って異なる調整が選択される。
【0046】
以上の説明は、本発明の実施形態のいくつかに向けられているが、その基本的範囲から逸脱することなく本発明の他の及び追加的な形態が実施されてもよく、また、その範囲は特許請求の範囲に基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明の典型的な実施形態が得られ、詳細に理解されることができるように、上記で簡潔に要約された本発明のより具体的な説明は、その実施形態への参照によって理解されることが可能であり、それは添付図面に例示されている。ある周知の処理は、本発明を不明瞭にしないように、ここでは説明されない。
【0048】
【図1】マスクエッチング処理を行なうプラズマリアクタを示す図である。
【図2A】図1のリアクタの下部を示す図である。
【図2B】上昇させられた位置の図1のリアクタのマスク支持土台を示す図である。
【図3】図1のリアクタの陰極の平面図である。
【図4】〜
【図5】陰極の他の実施形態の平面及び側面図である。
【図6】〜
【図7】陰極の他の実施形態の平面及び側面図である。
【図8】裏面終了点検出装置を有するプラズマリアクタの簡略図である。
【図9】〜
【図10】マスクの上面及び裏面から各々得られる光学終了点検出信号のグラフである。
【図11】〜
【図12】マスクの上面及び裏面から各々得られる干渉縞光学信号のグラフである。
【図13】図8のリアクタの一実施形態において得られる多波長干渉スペクトル信号のグラフである。
【図14】図10に対応する、全体的な反射光強度に基づく裏面終了点検出を伴う図8のリアクタの実施形態を示す図である。
【図15】図12に対応する、干渉縞計数に基づく裏面終了点検出を伴う図8のリアクタの実施形態を示す図である。
【図16】多波長干渉分光測定に基づく裏面終了点検出を伴う図8のリアクタの実施形態を示す図である。
【図17】発光分光(OES)に基づいた裏面終了点検出を伴う図8のリアクタの実施形態を示す図である。
【図18】OES及び干渉の両方に基づいた裏面終了点検出を有する例を示す図である。
【図19】〜
【図20】図18の実施形態の陰極及び表面板の各々の斜視図である。
【図21】図19の陰極の断面図である。
【図22A】〜
【図22B】裏面終了点検出を利用する石英マスクエッチング処理におけるステップのシーケンスを示す図である。
【図23A】〜
【図23E】裏面終了点検出を利用するクロム−モリブデンシリサイド−石英マスクエッチング処理におけるステップのシーケンスを示す図である。
【図24A】〜
【図24E】裏面終了点検出を利用するクロム−石英マスクエッチング処理におけるステップのシーケンスを示す図である。
【図25】〜
【図26】リアルタイムのエッチング速度分布がマスクの裏面から連続的に測定される実施形態の側面及び平面図である。
【図27】〜
【図28】個々に制御可能なガス噴射ノズルのアレイを有する実施形態の斜視及び平面図である。
【図29】空気圧バルブを利用する図27及び図28の実施形態の実施の平面図である。
【図30A】〜
【図30D】作動された図27及び図28のバルブのアレイのうちの異なる1つで得られるマスクに亘るエッチング深さ分布のグラフである。
【図31】図27及び図28のリアクタの他の実施形態を示す図である。
【図32】図27及び図28のリアクタの他の実施形態を示す図である。
【図33】〜
【図34】エッチング速度分布の瞬間的二次元画像に基づいたリアクタの調整可能要素のリアルタイムフィードバック制御を行なうことが可能なプラズマリアクタのブロック図及び斜視図である。
【図35】図33及び図34のリアクタにおいて行なわれることが可能であるフィードバック制御処理のブロック図である。
【0049】
理解を容易にするために、図面間で共通する同一の要素を指定するためには可能な限り同一の参照符号が使用されている。一実施形態の要素及び構成が、更なる記述なしに、他の実施形態に有益に組み込まれることが可能であると意図されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態だけを例示し、従ってその範囲を限定するものとは解釈されず、本発明に対して他の等しく有効な実施形態を認めることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形側壁と、前記側壁の上にある天井と、前記側壁の上端上に支持され、前記天井を支持し、外面と内面とを備えたリングとを備えた真空チャンバと、
RFプラズマソース電力アプリケータと前記アプリケータに結合されたRFソース電力発生器と、
前記外面から前記内面へと前記リング内を半径方向に延び、前記リングの円周に沿って間隔をあけて配置された複数の通路と、
処理ガス供給源と、
前記チャンバ外部に在り、前記チャンバの円周に沿って延び、前記処理ガス供給源に結合された外部ガス流導管装置と、
前記チャンバ外部に在り、前記導管に沿って間隔をあけて配置された各々の位置でもって前記外部導管に結合され、その各々が(a)前記リングの前記外面の前記複数の通路の各々に結合された制御されたガス出口ポートと、(b)バルブ制御入口とを有する複数の外部ガス流バルブと、
前記バルブの各自のバルブ制御入口を制御するためのガスバルブ構成コントローラとを備えるプラズマリアクタ。
【請求項2】
前記外部導管と前記外部バルブとが前記チャンバから別々に取り外し可能であり、前記チャンバに別々に再接続可能である請求項1記載のリアクタ。
【請求項3】
前記バルブの各々が空気圧制御バルブであり、前記リアクタが更に、
圧縮空気供給源と、
前記圧縮空気供給源と前記外部ガス流バルブの各々のバルブ制御入口との間に結合された複数の電気制御可能な空気バルブと、
前記コントローラと前記ガス流制御バルブの各々のバルブ制御入口との間の個々の信号経路とを備える請求項1記載のリアクタ。
【請求項4】
前記リングの前記複数の通路の各自内に複数の中空インサートを更に備え、前記インサートの各々が前記リングの前記外面にガス受取端と、前記リングの前記内面にガス出口端とを有し、各インサートの前記ガス出口端がガス噴射口を規定する請求項1記載のリアクタ。
【請求項5】
前記インサートが前記通路から個別に取り外し可能かつ前記通路に別々に再挿入可能であり、前記外部導管と前記外部バルブが前記チャンバから別々に取り外し可能かつ前記チャンバに別々に再接続可能である請求項4記載のリアクタ。
【請求項6】
前記インサートが各々セラミック材料から形成されている請求項5記載のリアクタ。
【請求項7】
前記リングが、
前記円筒形側壁の前記上端を受けるための外向きショルダと、
前記天井の周縁端部を受けるための内向きショルダとを備える請求項1記載のリアクタ。
【請求項8】
前記リングの前記内面が円筒形であり前記天井から軸方向に延び、前記通路が前記内面で孔となって終端しており、前記孔は前記内面の円周に沿って等間隔に配置されている請求項1記載のリアクタ。
【請求項9】
前記孔が前記内面上の各々の軸方向位置に等間隔に配置された複数セットの孔を含む請求項8記載のリアクタ。
【請求項10】
前記孔が前記内面に沿って分散された複数セットの孔を含み、前記複数セットの孔の各々が前記内面に対して各自の角度で方向づけられている請求項8記載のリアクタ。
【請求項11】
前記ガス流バルブの各々が一対のガス流ポートと、前記一対のガス流ポート間のガス流入口通路とを備え、前記ガス流導管が複数の導管セクションを含み、各セクションが連続する前記ガス流バルブのガス流ポート間に接続されている請求項1記載のリアクタ。
【請求項12】
前記導管セクションの各々がガス流ポートに別々に接続可能かつガス流ポートから分断可能である請求項11記載のリアクタ。
【請求項13】
前記リングが、
前記処理ガス供給源からガスを受け取るためのガス供給ポートと、
前記リングの円周に沿った対向する回転方向に方向づけられた一対のガス出口とを備えるガスマニホルドを備え、
前記外部ガス流導管装置が、
前記一対のガス出口の一方に結合された入口を有し、第1回転方向に沿って前記リングの円周のある部位を囲むように延びる第1ガス流導管装置と、
前記一対のガス出口のもう一方に結合された入口を有し、前記第1回転方向とは反対の回転方向に沿って前記リングの円周の別の部位を囲むように延びる第2ガス流導管装置とを備える請求項1記載のリアクタ。
【請求項14】
前記処理ガス供給源と前記リングの前記ガスマニホルドの前記ガス供給ポートとの間に結合されたガス供給ラインを更に備える請求項13記載のリアクタ。
【請求項15】
前記ガス流バルブの各々が一対のガス流ポートと前記一対のガス流ポート間の流入口通路とを備え、前記第1及び第2ガス流導管の各々が複数の導管セクションを含み、各セクションが連続する前記ガス流バルブのガス流ポート間に接続されている請求項13記載のリアクタ。
【請求項16】
前記導管セクションの各々がガス流ポートに別々に接続可能かつガス流ポートから分断可能である請求項15記載のリアクタ。
【請求項17】
前記第1ガス流導管が前記リングの円周の約半分を囲むように延び、前記第2ガス流導管が前記リングの円周のもう半分をほぼ囲むように延びている請求項15記載のリアクタ。
【請求項18】
前記コントローラが前記ガス流バルブの各々の制御入口に個別に接続されており、これによって前記ガス流バルブの各々をその他のバルブとは独立して制御可能である請求項1記載のリアクタ。
【請求項19】
円筒形側壁と、前記側壁の上にある天井とを備えた真空チャンバと、
RFプラズマソース電力アプリケータと前記アプリケータに結合されたRFソース電力発生器と、
前記側壁内を半径方向に延び、前記側壁の円周に沿って間隔をあけて配置された複数の通路と、
処理ガス供給源と、
前記チャンバ外部に在り、前記チャンバの円周に沿って延び、前記処理ガス供給源に結合された外部ガス流導管装置と、
前記チャンバ外部に在り、前記導管に沿って間隔をあけて配置された各々の位置でもって前記外部導管に結合され、その各々が(a)前記リングの前記外面の前記複数の通路の各々に結合された制御されたガス出口ポートと、(b)バルブ制御入口とを有する複数の外部ガス流バルブと、
前記バルブの各々のバルブ制御入口を制御するためのガスバルブ構成コントローラとを備えるプラズマリアクタ。
【請求項20】
前記コントローラが前記ガス流バルブの各々の制御入口に個別に接続されており、これによって前記ガス流バルブの各々をその他のバルブとは独立して制御可能である請求項19記載のリアクタ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図23D】
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【図23E】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図24E】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図30D】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2008−112964(P2008−112964A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−188227(P2007−188227)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】