説明

堆積システムにおける堆積物の形成を制御するための方法および装置、ならびにそれらを含む堆積システムおよび方法

【課題】基板上に膜を堆積させるにあたって、寄生堆積物を抑制することができるシステムおよび方法の提供。
【解決手段】基板(20)上に膜を堆積させるための堆積システム(100)において、寄生堆積物を制御し、その型の堆積システムは、基板を収容するための反応室を画定し、および反応室の中のプロセスガス(P)および反応室と隣接する内部表面を含む。ガスバリア層が内部表面とプロセスガスの成分との間の接触を阻止するように、内部表面とプロセスガスの少なくとも一部との間にバッファガス(B)を流すことによってガスバリア層を形成して、そのような制御を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府支援の表明
本発明は、海軍研究事務所により与えられた海軍研究事務所契約番号N00014−02−C−0302に基づいて、政府支援で行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0002】
本発明は堆積プロセスおよび装置に関し、およびより具体的には、基板上に膜を堆積させるための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
堆積システムおよび方法は、一般的には基板上に比較的薄い膜のような層を形成させるために使用される。例えば、基板上に炭化ケイ素(SiC)のような半導体材料の層を形成するために、化学気相堆積(CVD)反応器システムおよびプロセスを使用してもよい。CVDプロセスは、制御された特性、厚さ、および/または配列(エピタキシャル層のようなもの)を持つ層を形成するために特に有効である。典型的には、CVDシステムのような堆積システムにおいて、基板を室の中に配置し、および基板上に堆積される試薬または反応物質を含むプロセスガスを基板に隣接する室の中へ導入する。均一または制御された濃度の試薬または反応物質を基板にもたらすために、反応室を通してプロセスガスを流してもよい。望ましくないことには、試薬または反応物質は同様に反応室の内部表面上に堆積する傾向がある可能性がある。そのような堆積物は、プロセスから試薬または反応物質を取り去るため、「寄生」堆積物といわれることがある。
【0004】
図5を参照して、代表的な慣用の堆積システム40を図中に示し、および、反応室の意図されない表面上に堆積物が形成される可能性があるプロセスを説明する。システム40は、例えば、貫流、ホットウォール、CVD反応器である。システム40は、上部サセプタ部材42および下部サセプタ部材44を有する。また、システム40は、上部ライナー43および下部ライナー45を有し、それらのライナーはその間に反応室47を画定する。反応室47の中にウエハーのような基板20を置き、および、例えば、プラッタ(回転してもよい)の内部表面上に据えてもよい。プロセスガスを、一方の端において反応室47に導入し、基板20を通過して反応室47を貫流させ、および最終的に反対側の端において反応室47から排出させる。図5に示される反応室47の中の矢印によって示されるように、プロセスガスが反応室47を通って流れる際に、プロセスガスの一部が意図されるように基板20に接触し、それによって基板20上に試薬または反応物質が堆積して、その上に層を形成することができる。しかしながら、矢印によって示されるように、プロセスガスの一部は、下部ライナー45および側壁の内部表面だけでなく、上部ライナー43の内部表面すなわち天井46にも同様に接触する。結果として、プロセスガスからの試薬または反応物質の寄生堆積物50および52は、側壁上だけでなく天井46および下部ライナー45の上にそれぞれ形成する傾向がある。天井46上の寄生堆積物は、特に有害である可能性がある。なぜならば、それらは、プロセスの間に崩れ(dislodge)、そして基板20上に落ちて、形成される層の質を低下させる可能性があるからである。さらに、寄生堆積物の量の変化は、温度およびガス流の動力学に望ましくない変動をもたらし、それによって基板20上の層の成長に影響を与える可能性がある。寄生堆積物の形成によるプロセスガスの減損は、反応物質を浪費し、それによって効率および成長速度を減少させる傾向がある可能性がある。
【0005】
典型的には、堆積プロセスは、寄生堆積物の形成にどうにか対応する。累積成長時間を制限して、生成物に対する寄生堆積物の影響を低減してもよい。一定時間の後、さらなる生成物成長運転を試みる前に、サセプタを洗浄および修理してもよい。本手順は、洗浄サイクル間の任意の単独の成長運転の可能な長さ、および継続時間がより短い運転の数の両方を制限する可能性がある。そのような努力にもかかわらず、パーティクルの形成、プロセス変動性および低下した反応物質利用効率によって、寄生堆積物は、それでもなお生成物に悪影響を与える可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願第10/017,492号明細書
【特許文献2】米国特許出願第09/756,548号明細書
【特許文献3】米国特許出願第10/117,858号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態に従って、基板上に膜を堆積させるための堆積システムにおいて寄生堆積物を制御し、その型の堆積システムは、基板を収容するための反応室を画定し、そして反応室の中のプロセスガスおよび反応室と隣接する内部表面を含む。そのような制御は、バッファガスを流して内部表面とプロセスガスの少なくとも一部との間にガスバリア層を形成して、ガスバリア層が内部表面とプロセスガスの成分との間の接触を阻止するようにすることによって与えられる。
【0008】
本発明のさらなる実施形態に従って、プロセスガスを使用して基板上に膜を堆積させるための堆積システムは、基板を収容するのに適合する反応室およびプロセスガスを含む。該システムは、反応室と隣接する内部表面をさらに含む。バッファガス供給系は、内部表面とプロセスガスの少なくとも一部との間にバッファガスの流れを供給するのに適合し、バッファガスの流れはガスバリア層を形成して、プロセスガスが反応室中に配置されるときに内部表面とプロセスガスの成分との間の接触を阻止する。
【0009】
本発明のなおさらなる実施形態に従って、基板上に膜を堆積させるための堆積システムにおいて寄生堆積物を制御するために、堆積制御システムを提供し、その型の堆積システムは、基板を保持するための反応室を確定し、および反応室の中のプロセスガスと反応室と隣接する内部表面とを含む。該堆積制御システムは、内部表面とプロセスガスの少なくとも一部との間にバッファガスの流れを提供するのに適合するバッファガス供給系を含み、バッファガスの流れはガスバリア層を形成して内部表面とプロセスガスの成分との間の接触を阻止する。
【0010】
本発明のさらなる実施形態に従って、基板上に膜を堆積させるための堆積システムは、基板を収容するのに適合する反応室、および反応室と隣接する内部表面を含む。反応室内にプロセスガスを配置する。内部表面とプロセスガスの少なくとも一部との間にバッファガスの流れを配置する。バッファガスの流れはガスバリア層を形成して、内部表面とプロセスガスの成分との間の接触を阻止する。
【0011】
本発明のさらなる実施形態に従って、流れ方向にそれぞれ流されるプロセスガスおよびバッファガスを使用して基板上に膜を堆積させるためのサセプタアセンブリは、少なくとも1つのサセプタ部材を含む。少なくとも1つのサセプタ部材は、反応室、プロセスガス注入口およびバッファガス注入口を画定する。反応室は、基板を収容するのに適合し、およびバッファガスを収容するためのバッファガス領域を有する。反応室は、流れ方向に垂直な第1の断面積を有する。プロセスガス注入口は、流れ方向に垂直な第2の断面積を有する。第2の断面積は、第1の断面積より小さい。バッファガス注入口は、プロセスガス注入口に近接し、およびバッファガスを反応室のバッファガス領域の中に方向づけるのに適合する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に従う堆積システムの概略図である。
【図2】図1の堆積システムの一部を形成するサセプタアセンブリの斜視図である。
【図3】図2の線3−3に沿って取られた図2のサセプタアセンブリの断面図であり、その中で、バッファガス供給ライン、基板、バッファガスの流れ、およびプロセスガスの流れを同様に示す図である。
【図4】図2のサセプタアセンブリおよび基板の後部正面図である。
【図5】図5は、慣用の堆積システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本発明の実施形態が示される添付図面を参照して、以下により十分に本発明を説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なった形態において具現化されていてもよく、および、本明細書中において説明される実施形態に限定されるように解釈されるべきではない。むしろ、本開示が綿密ならびに完全であり、および当業者に対して本発明の範囲を十分に伝達するように、これらの実施形態を与える。図面において、領域または層の相対的なサイズは、明確さのために誇張されている可能性がある。層、領域または基板のような要素が他の要素の「上」にあるとして言及される時は、他の要素上に直接存在することができ、または介在する要素が存在していてもよいことが理解されよう。対照的に、要素が他の要素の「上に直接」存在するとして言及される時は、介在する要素は存在しない。
【0014】
図1を参照して、その中に本発明の実施形態に従う堆積システム101を概略的に示す。堆積システム101は、示されるように、水平な、ホットウォール、貫流、CVDシステムであってもよく、サセプタアセンブリ100、貫通通路180Aを画定する石英管180、電磁周波数(EMF)発生器182(例えば、電源および管180を取り囲むRFコイルを含む)およびプロセスガス供給系161を含む。石英管180に加えて、または石英管180の代わりに、サセプタアセンブリ100の周りに絶縁性カバーを備えてもよい。本発明に従って、堆積システム101はバッファガス供給系171をさらに含む。堆積システム101を使用して、基板20上に層または膜を形成してもよい(図3)。図3および図4において単独の基板20のみを説明するが、システム101は、多数の基板20の上に同時にフィルムを形成するのに適合する可能性がある。
【0015】
基板20は、堆積される層の材料と同一または異なる材料で形成されるウエハーまたは他の構造体であってもよい。例えば、SiC、サファイア、III族窒化物、ケイ素、ゲルマニウム、および/またはIII−VまたはII−VI化合物またはインターアロイ(interalloy)などで基板20を形成してもよい。その上に膜が堆積される基板表面は、ベース基板、あるいはベース基板上に重ね合わされた第1またはそれに続く層であってもよい。例えば、堆積される膜を受容するための基板20の表面は、堆積システム101または代替の装置を用いて前もって堆積された層であってもよい。本開示に照らして当業者によって理解されるように、本発明の実施形態は、本明細書中に具体的に言及されたもの以外の半導体材料で有利に使用される可能性がある。本明細書中で使用される際に、用語「III族窒化物」は、窒素と、周期表のIIIA族の中の元素、通例、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、および/またはインジウム(In)との間に形成されるような半導体の化合物を言う。該用語は、同様に、AlGaNおよびAlInGaNのような三元系および四元系化合物を指す。当業者によって十分に理解されるように、III族元素は、窒素と化合して、二元系化合物(例えば、GaN)、三元系化合物(例えば、AlGaN、AlInN)、および四元系化合物(例えば、AlInGaN)を形成することができる。これらの化合物は全て、1モルの窒素が合計1モルのIII族元素と化合する実験式を有する。従って、それらを記載するために、AlGa1−xN(0≦x≦1)のような式がしばしば使用される。
【0016】
一般的に、プロセスガス供給系161は、以下に論じるように、サセプタアセンブリ100の中へおよびサセプタアセンブリ100を通してプロセスガスを供給する。EMF発生器182はサセプタアセンブリ100を誘導的に加熱して、サセプタアセンブリ100の中にホットゾーンを提供し、そこで堆積反応が生じる。プロセスガスは、サセプタアセンブリ100を通過し、排出ガスとして出続ける。排出ガスは、例えば、反応副生成物だけでなくプロセスガスの残存化合物を含む可能性がある。本発明の実施形態を、ホットウォールCVDシステム以外の堆積システムの型において使用してもよい。本発明のシステムおよび方法に対する他の変形は、本明細書中の説明を読めば当業者にとって明らかであろう。
【0017】
プロセスガス供給系161は、プロセスガス供給源160を含む。プロセスガスは、試薬、反応物質、種、キャリアなどのような1つまたは複数の成分を含む。1つまたは複数のこれらの成分は、単独で、あるいは(同様に、プロセスガス中に存在していてもよい)1つまたは複数の他の成分と共同して、天井または内部表面120のような表面上に堆積物を形成することができる可能性がある(図3)。天井表面120と接触する際に堆積物を形成する、あるいは形成を補助する可能性がある代表的な成分は、SiH、C、C、Si、SiCl、SiHCl、SiCl(CH)、NH、トリメチルガリウム、およびトリメチルアルミニウムを含む。基板上にSiC層を形成させることが望まれる場合、プロセスガスは、精製水素ガス(H)のようなキャリアガスと共に、シラン(SiH)およびプロパン(CHg)のような前駆体ガスを含んでもよい。必要とされる際に、流量制御および/または計量装置を備える1つまたは複数の加圧されたガスの容器からプロセスガス供給源160を与えてもよい。プロセスガスは、基板20上にSiC、III族窒化物、ケイ素、ゲルマニウム、および/またはIII−Vおよび/またはII−VI化合物またはインターアロイの層を堆積させるのに適合する可能性がある。
【0018】
バッファガス供給系171は、ライン172によってサセプタアセンブリ100に流体的に接続されたバッファガス供給源170を含む。必要とされる際に、流量制御および/または計量装置を備える加圧されたガス(単一または複数)の1つまたは複数の容器からバッファガス供給源170を与えてもよい。バッファガスを予備加熱するために、サセプタアセンブリ100の中あるいはサセプタアセンブリ100において、またはバッファガス供給源170において、ライン172に沿ってヒーター174を与えてもよい。
【0019】
バッファガスは、任意の適当なガスであってよい。いくつかの実施形態に従って、バッファガスは、プロセスガス中に存在する種あるいは成分の多くまたは選択された成分に関して、比較的低い拡散速度を有するガスである。いくつかの実施形態に従って、バッファガスは希ガスである。希ガスは、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、ラドン、またはキセノンを含んでもよい。他の適当なガスは、H、N、NHまたは空気を含む。バッファガスは、プロセスガスの反応物質の堆積物の除去または阻止を化学的に補助することができる種を含んでもよく、または実質的にそれから構成されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態に従って、および具体的には基板上にSiCの層を成長させるためのプロセスの場合は、バッファガスは、HCl、Clのようなエッチング剤および/またはプロパンのような炭素含有ガスを含む。
【0020】
さらに詳細にサセプタアセンブリ100に目を向けて、および図2から4を参照して、サセプタアセンブリ100は、上部部材110、1対の側面部材130、および下部部材140を含む。サセプタアセンブリ100は、入り口端100Aから出口端100Bまで伸びる。部材110、130、140は、入り口開口部102(端100Aにおいて)および出口開口部104(端100Bにおいて)を画定する。同様に、部材110、130、140は、プロセスガス入口102Bから開口部104まで伸びる反応室106を確定する。いくつかの実施形態に従って、反応室106は、約0.1メートルと1メートルとの間の長さ、約0.05メートルと0.5メートルとの間の幅、および約1cmと10cmとの間の高さを有する。
【0021】
上部部材110は、層114によって被覆される(および好ましくは実質的に完全に包囲される)コアすなわちサセプタ本体112を含む。層114は、天井、すなわち反応室106に向いて隣接する内部表面120を含む。
【0022】
コア112は、好ましくは、EMF発生器182によってその中で発生される渦電流に応答して熱を発生させるのに適当なサセプタ材料で形成され、そのような材料および誘導加熱の配列は当業者によく知られている。コア112は、グラファイト、およびより好ましくは高純度グラファイトで形成されてもよい。
【0023】
層114は、高純度を有しおよびプロセス温度(典型的には、SiC堆積に関して1500℃から1800℃の範囲)に耐えることができる材料で形成されてもよい。層114は、例えば、SiC、あるいはTaC、NbCおよび/またはTiCのような耐火性の金属炭化物で形成されてもよい。任意の適当な方法によって、コア112に層114を塗布してもよい。好ましくは、層114は、高密度で不浸透性の被膜であり、および少なくとも約10μm、およびより好ましくは約20μmと100μmとの間の厚さを有する。
【0024】
上部部材110は、開口部102と隣接する下向きの段状部116をさらに含む。段状部116とライナー152の下にある部分とが、プロセスガス注入口102B、および開口部102からプロセスガス注入口102Bまで伸びるプロセスガス注入口通路102Aを画定する。同様に、段状部116は、反応室106の上部におけるバッファガス領域106A(図3)を画定する。
【0025】
上部部材110を通って複数の通路117(1つを図3の中に示す)が伸び、およびそれぞれのポート176(図3および4を参照のこと)において終わる。バッファガスライン172を通路117に接続するために、横方向の通路117B(図3)によってマニホールド配列の中で相互に連結されていてもよい共通の供給注入口117A(図2および3)を備える。あるいはまた、ポート176のいくつかまたはそれぞれに、別個のラインおよび/または入り口を備えていてもよい。上部部材110において、通路117、注入口117Aおよびポート176を、穿孔または成形のような任意の適当な方法によって形成してもよい。
【0026】
下部部材140は、被膜すなわち層144によって被覆されたコア142を含む。コア142および層144を形成するための適当な材料および方法は、コア112および層114に関する上述のとおりである。同様に、側面部材130は、コア112および層114に関する上述と同一の材料で形成されおよび同一の方法を使用してもよいそれぞれのコア(図示せず)および被覆層を含む。
【0027】
図3および4の中に示されるように、下部部材140の上にライナー(単数または複数)152が重なってもよい。ライナー152は、例えば、その開示が参照によって本明細書中に組み込まれる特許文献1に開示されるように、SiCまたはSiC被覆グラファイトで形成されてもよい。
【0028】
基板20を支持するために、下部部材140と基板20との間にプラッタ154などを据えてもよい。いくつかの実施形態に従って、プラッタ154を、適当な機構(図示せず)によって回転駆動してもよい。例えば、システムは、それらの開示が全体として参照によって本明細書中に組み込まれる出願人の特許文献2(「炭化ケイ素層を形成するためのガス駆動型回転装置および方法」)および/または出願人の特許文献3(「炭化ケイ素層を形成するためのガス駆動型遊星回転装置および方法」)に記載されるようなガス駆動型回転システムを含んでもよい。あるいはまた、プラッタ154は固定されていてもよい。プラッタ154は、1つまたは多数の基板20を保持するのに適合する可能性がある。プラッタ154は、SiC被覆グラファイト、中実SiCまたは中実SiC合金のような任意の適当な材料で形成されてもよい。下部部材140、ライナー152、または他の適当な支持体上に基板が載っているように、プラッタ154を省略してもよい。
【0029】
使用にあたって、プロセスガス供給系161は、注入口開口部102を通して反応室106にプロセスガスの流れを供給する。プロセスガスPは、概して流れ方向Rに流れる(図3)。図3においてPと表示される矢印は、プロセスガスおよびその中の試薬の概略の流路を示す。示されるように、プロセスガスおよびその中の試薬は基板20と接触して、基板20の露出表面上に所望の層(例えば、エピ層)を形成する。
【0030】
同時に、バッファガス供給系171は、バッファガスBが概して流れ方向Rにて反応室106を貫流するように、ポート176を通して反応室106のバッファガス領域106Aの中へバッファガスの流れを供給または挿入する。図3においてBと表示される矢印は、バッファガスの流れの概略の流路を示す。バッファガスBは、図3の破線から天井表面120まで上側に広がって流動するバッファガスのバリア層178を形成するように、天井すなわち内部表面120に沿ってバッファガス領域106Aの中を流れる。
【0031】
バリア層178は、プロセスガスPおよびその成分の運動が、プロセスガスPの試薬または反応物質がさもなければ堆積物を形成する可能性がある天井表面120と接触するように移動することを、阻止または防止する役目を果たす。バリア層178の下で、プロセスガスPは、基板20の方へ、基板20の上方に、および基板20を越えて、通常の方法で流れることが許される。このように、プロセスガスPおよび堆積システム101は、基板20の露出表面(単数または複数)の上に所望の層(単数または複数)を形成する。同様に、バッファガスBの流れは、基板20に向かってプロセスガスPの反応物質流を押して、それによって成長速度を加速する役目を果たす。
【0032】
以下により詳細に論じるように、いくつかの実施形態に従って、バッファガスB流を実質的に層流として維持する。バッファガスBの流れが層状である限りは、プロセスガスPからの試薬または他の成分が天井表面に達することができる唯一の方途は、プロセスガスP流からのおよびバリアガスB流を通り抜ける拡散による。一般的に、拡散する種がタイムスパンtの間に横断する距離Sは関係式
【0033】
【数1】

【0034】
に従い、式中、Dは拡散速度である。本発明の場合は、tは反応室106を通り抜ける種の通過時間である。懸念の通過距離は、どの程度の長さにわたってプロセスガス注入口102Bの下流の堆積物を阻止することを、オペレーターまたは設計者が望むかに依存する。大抵の場合は、基板20の下流側の縁に至るまで天井表面120上の堆積物の形成を阻止または防止することが、十分であると考えられる。図3において説明されるサセプタアセンブリ100において、この通過距離を距離Lによって示す。一般的に、通過時間を以下のように測定することができる:
【0035】
【数2】

【0036】
式中:
L=サセプタの長さ
M=質量流量
ρ=圧力、温度およびガス組成によって決定されるサセプタ内部におけるガスの平均密度
A=サセプタ開口部の断面積
【0037】
バリア層178がプロセスガスPの成分の全ての拡散を防止するために、バリア層178の厚さS(一般的に段状部116の高さIに相当する)は:
【0038】
【数3】

【0039】
を満たすべきである。
【0040】
本明細書の説明を読めば、本発明に従って、バッファガスBの完全な層流と前述の基準を満たす厚さSを有するバリア層178とによって達成されるように、プロセスガスPの全成分が天井表面120と接触するのを完全に防止する必要はないことを当業者は理解するであろう。むしろ、システム101は、いくらかの乱流を許容するように設計され、および/または全ての堆積物を排除するのに必要な厚さ未満のバリア層厚Sを有するように設計される。このように、例えば、システム101は、寄生堆積物に大幅な減少を与える一方で、いくらかの堆積物が生じるのを許容してもよい。いくつかの実施形態に従って、天井表面120上の寄生堆積物の形成の速度は、好ましくは基板20上の成長速度の2分の1以下であり、および、より好ましくは基板20上の成長速度の4分の1以下である。
【0041】
天井表面120の保護にさらなる余裕を与えるために、またはバッファガス流Bにおける乱流を補償するために、バリア層厚Sを増大させてもよい。バッファガス領域106Aの高さは、バリア層178の最適な厚さSと比べて、大きくても、小さくても、または同じであってもよい。
【0042】
さらに、天井表面120上の堆積物の所望の減少または防止を得るために必要とされるバッファガスB流の層流の程度および距離Sを決定する際に、さまざまなプロセスパラメータを考慮してもよい。例えば、典型的なSiCエピ層成長温度(すなわち、約1500℃から1800℃の範囲)において、エッチおよび堆積プロセスが同時に生じる可能性がある。従って、所定の成長条件に関して、表面(本件において、天井表面120)を安定させるために必要な臨界最小試薬供給速度が存在する可能性がある。臨界値を超える試薬供給速度は天井表面120上に寄生堆積物の成長をもたらし、一方、臨界値未満の供給速度は天井表面120からの寄生堆積物のエッチングをもたらす。従って、たとえ天井への試薬の流動を臨界供給速度まで単に減少させても、本質的に天井上に正味の堆積は生じないであろう。
【0043】
好ましくは、堆積システム101は、少なくとも基板20の下流の位置まで、およびより好ましくは、反応室106全体を通してバッファガスBの流れおよびプロセスガスPの流れを層流として維持するのに適合して、バリア層178を通り抜けるプロセスガスPの輸送を促進する可能性のある流れ間における混合または乱流を減少または防止する。
【0044】
層流を促進するために、反応室106、プロセスガス注入口102B、およびバッファガスポート176の相対的な寸法および配置を選択してもよい。いくつかの実施形態に従って、および説明されるように(図3および4を参照のこと)、プロセスガス注入口102Bは断面(すなわち、ガスの流れ方向Rに略垂直、図4中に示される)において反応室106より小さいので、プロセスガスの中へまたはプロセスガスPの変更されていない流路の中へバッファガスBを挿入することなしに反応室106の中へバッファガスBを挿入するために、反応室106の中に残存空間(すなわち、バッファガス領域106A)が得られる。
【0045】
説明される実施形態において、段状の部分116の設備は、層流を促進する可能性がある。本発明のいくつかの実施形態に従って、開口部102の高さGと段部分116の高さIとの合計は、反応室106の全高Hと実質的に同一である(図3参照のこと)。好ましくは、反応室106の断面積(すなわち、ガスの流れ方向Rに略垂直、および図4の中に示される)が、プロセスガス注入口102Bおよび階段部分116の総断面積と実質的に同一となるように、プロセスガス注入口102B、階段部分116、および反応室106の幅は実質的に同一である。このように、プロセスガスPの流れおよびバッファガスBの流れは、ガスP、Bの流れの方向Rに沿って、反応室106において実質的に同軸位置で平行に反応室106に入る。プロセスガスPの自然な流路の上方にバッファガス領域106Aを備えるので、プロセスガスPを実質的に置換することなしにバッファガスBを反応室106に挿入することができる。結果として、別の方法ではプロセスガスPの経路の中へバッファガスBを最初に導入することによって発生する乱流およびガス流の混合が回避される可能性がある。段部分116の高さIは、好ましくは、反応室106の高さHの約5%と25%との間である。
【0046】
いくつかの実施形態に従って、および説明されるように、反応室106は、実質的にその全長に沿って実質的に均一な高さHを有する。この場合において、反応室106は、その全長に沿って実質的に均一な断面積を有していてもよい。この構造は、プロセスガスPの流れとバッファガスBの流れとの間の境界層の完全性を促進する役目を果たす可能性がある。反応室106の高さHは、好ましくは、約0.5cmと5cmとの間で ある。さらなる実施形態に従って、高さHは均一でははく、しかしむしろプロセスの均一性または効率を改善するために、天井はどちらかの方向に傾斜または湾曲している。この場合において、反応室106の断面積は均一にまたは不均一に変動してもよい。
【0047】
段状部116およびポート176を示しおよび説明したが、バッファガスBの流れの中の乱流を制御するために、他の特徴部および幾何学的配置を使用してバッファガスBの流れを制御してもよい。プロセスガス注入口通路102A、プロセスガス注入口102B、注入口開口部102、バッファガス通路117、および/またはバッファガス注入口176の構造は、プロセスガスP、バッファガスB、およびそれらの間の層流を促進するのに適合する可能性がある。プロセスガス注入口通路102Aの軸方向の長さK(図3)を延長して、プロセスガスPがプロセスガス注入口102Bを通って反応室106に入る前に、入り口102を通って入るプロセスガスPの中の乱流を減少させてもよい。しかしながら、通路102Aはサセプタアセンブリ100の内部にあり、および従って加熱されるので、通路102Aの天井表面に堆積物を形成する傾向のある反応が起こる可能性がある。この限りでは、通路102Aの長さを最小化することが望ましい可能性がある。バッファガスポート176を1つまたは複数の適当に設計されたスロットに置き換えてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態に従って、反応室106を貫くプロセスガスPの速度とバッファガスBの速度とは実質的に同一である。SiCエピタキシーに関して、反応室106の長さが約0.1mと1mとの間である本発明のいくつかの実施形態によれば、バリア層178を貫くプロセスガスPの拡散のための時間を制限するために、ガスP、Bの速度は少なくとも約1m/s、および好ましくは約5m/sと100m/sとの間である。
【0049】
バリア層178の完全性をさらに促進しおよびそれによってそれを貫くプロセスガスPの拡散を阻止するために、隣接するプロセスガスPの温度よりも高い温度でバッファガスBを提供してもよい。より高温のバッファガスBは、より高温のガスの相対的な浮力のために、天井表面120に沿って、相対的により冷たいプロセスガスPから必然的に分離する。いくつかの実施形態に従って、反応室106の中において、バッファガスBの平均の温度は、プロセスガスの平均の温度よりも少なくとも10℃高い。
【0050】
ヒーター174を用いてバッファガスBを加熱してもよい。それに加えて、またはその代わりに、プロセスガスPが接触する反応室106に隣接する下方の表面の温度よりも高い温度まで天井表面120を加熱することによって、すなわち、天井表面120と、床、プラッタ154および/またはプロセスガスPと接触する他の表面との間に温度差を与えることによって、バッファガスBを加熱してもよい。つまり、反応室106の中の温度プロフィールを、天井表面120から反応室106に隣接する下方のおよび/または他の表面にまで広がる空間的に不均一(例えば、勾配)であるように、意図的および選択的に維持してもよい。例えば、コア112と天井表面120との間に備えているよりも優れた断熱材を、コア142と、プロセスガスPに接触するライナー152、プラッタ154および基板20の表面との間に備えることによって、このことを達成してもよい。例えば、所望の相対的な断熱効果を与えるために、ライナー152および層114を(例えば、材料および厚さの選択によって)適当に相対的に構成してもよい。上部部材110および下部部材140は、主としてそれらのグラファイトコア112、142の抵抗率によって誘導的に加熱されるので、プロセスガスPと接触するライナー152、プラッタ154および基板20の表面の温度は、それによって、天井表面120の温度と比較して低下する。従って、バッファガスBは、プロセスガスPよりも速い速度で加熱される。コア112から天井表面120までの熱の伝導を促進するために、芯112上に層114を直接被覆して、相対的に一体式または単一式の上部部材110を形成してもよい。
【0051】
その代わりに、またはそれに加えて、層144および/またはライナー152またはプロセスガスP流と接触する他の表面の材料よりも低い放射率を有する材料から層114(および、従って、天井表面120)を形成することによって、天井表面120とライナー152または他の下方の表面のような他の表面との間の温度差を生み出し、または増大させることができる。例えば、層114をTaC(約0.4の放射率を有する)で形成してもよく、および、ライナー152およびプラッタ154をSiC(約0.9の放射率を有する)で形成してもよい。結果として、層114、および従って天井表面120は、放射線からの熱を比較的ほとんど失わず、天井表面120により高い温度をもたらす。その上、寄生堆積物は、SiCと比べてTaCまたは他の金属炭化物に対してあまりよく付着しない傾向がある。更なる利点として、多くの用途において、TaC被膜は典型的にSiC被膜より耐久力があり、このことは部品の耐用年数を長引かせるのに役立つ。
【0052】
バリア効果に加えて、例えば、前述の1つまたは複数の方法で、天井表面120を加熱して、天井表面120を反応室106の中の他の構成要素よりも十分に高温として、天井表面120上の堆積物のエッチングまたは昇華を誘発するようにすることができる。すなわち、相対的に熱い天井表面120上の堆積物は、天井表面120上に残るよりもむしろ、エッチング除去されるかまたは昇華し、そしてバッファガスBまたはプロセスガスPに戻る傾向がある。
【0053】
前述のように、バッファガスBは、HClまたは他の活性ガスから成るかまたはこれを含んで、天井表面120上の寄生堆積物の形成を化学的に妨害し、および/またはそのような堆積物を除去することができる。
【0054】
天井表面120上の寄生堆積物の成長は阻止または抑制されるため、洗浄などが必要とされる前に、反応室106を通してより大量のプロセスガスPを流すことができる。本発明に従う堆積システムおよび方法は、繰り返し性および効率を改善すると同時に、許容される成長時間および層厚を大きく拡大する可能性がある。さらに、堆積物形成の速度の減少はより低い天井高さの使用を可能にし、それはプロセスガスのより効率的な使用および改善された熱均一性を可能にする。
【0055】
水平な、ホットウォール、CVD、貫流堆積プロセスに関するものとして前述の堆積システム101および方法を説明したが、堆積システムおよびプロセスの他の型において、本発明の様々な態様を使用してもよい。「上部」、「下部」などを言及して特定の実施形態を説明したが、本発明に従って他の配列および構造を採用してもよい。例えば、堆積システムおよびプロセスは、コールドウォールおよび/または非水平貫流システムおよびプロセスであってもよい。堆積システムおよびプロセスは、CVDシステムまたはプロセスではなく、気相エピタキシー(VPE)、液相エピタキシー(LPE)、またはプラズマ強化CVD(PECVD)堆積システムおよびプロセスであってもよい。本発明は、反応室の天井表面にバリア層を与えることに限定されない。バッファガス供給系を変形して、天井表面に加えて、または天井表面の代わりに、1つまたは複数の表面に沿ってバッファガス流を与えてもよい。例えば、バッファガス供給系を採用して、下方のライナーまたは基板20から上流の他の表面上、または寄生堆積物が問題となる他の位置において、寄生堆積物が形成されることを阻止してもよい。
【0056】
半導体ウエハーのような基板上に層を堆積するためのプロセスに関してシステムおよび方法を説明してきたが、他の型の基板上に層などを堆積させるためのプロセスにおいて、本発明を採用してもよい。本発明のシステムおよび方法は、基板上にエピタキシャル層を形成させるためのプロセスにおいて特に有用である可能性がある。
【0057】
本発明に従って、様々な他の変形を行っても良い。例えば、貫通通路を備えるのではなく、一端または両端で反応室を閉鎖してもよい。誘導性の加熱以外の、または誘導性の加熱に加えて、加熱システムを使用してもよい。
【0058】
本明細書中に使用される際に「システム」は、1つまたは多数の要素または特徴部を含んでもよい。添付の特許請求の範囲において、「堆積システム」、「堆積制御システム」、「バッファガス供給系」、「プロセスガス供給系」などは、前述の成分、態様、要素または特徴部、あるいは相当する成分、態様、要素または特徴部の全てを含むシステムに限定されない。
【0059】
前述のものは、本発明の例示であり、およびそれを限定するものとして解釈されるものではない。本発明のいくつかの代表的な実施形態を説明してきているが、本発明の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなしに、代表的な実施形態において多くの変形が可能であることを当業者は容易に認識するであろう。従って、そのような変形の全ては、本発明の範囲内に含まれることを意図される。従って、前述のものは、本発明の例示であり、および開示された特定の実施形態に限定されるように解釈されるものではなく、および、開示された実施形態に対する変形は、他の実施形態と同様に、本発明の範囲内に含まれることを意図することが理解されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが流れ方向に流れるプロセスガスおよびバッファガスを使用する、基板上に膜を堆積させるための堆積システムであって、
a) 少なくとも1つのサセプタ部材を含むサセプタアセンブリであって、該少なくとも1つのサセプタ部材は:
基板を収容するのに適合し、およびバッファガスを収容するためのバッファガス領域を有する反応室であって、流れ方向に垂直な第1の断面積を有する反応室と;
流れ方向に垂直な第2の断面積を有するプロセスガス注入口であって、第2の断面積は第1の断面積よりも小さいプロセスガス注入口と;
プロセスガス注入口と隣接し、および反応室のバッファガス領域の中へバッファガスを方向づけるのに適合するバッファガス注入口と
を画定するサセプタアセンブリと、
b) 前記少なくとも1つのサセプタ部材中に渦電流を発生させ、該渦電流に応答して前記少なくとも1つのサセプタ部材が熱を発生させることにより前記反応室を誘導的に加熱するように機能する電磁周波数(EMF)発生器と
を含むことを特徴とする堆積システム。
【請求項2】
バッファガス領域が、流れ方向に垂直な第3の断面積を有し;および、
第3の断面積と第2の断面積とが、第1の断面積と実質的に同一である総断面積を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の堆積システム。
【請求項3】
少なくとも1つのサセプタ部材が段状部を含み、およびバッファガス注入口が段状部に形成されることを特徴とする請求項1に記載の堆積システム。
【請求項4】
反応室が、前記流れ方向に沿って伸びる長さを有し、および実質的に反応室の長さの全体に沿って、反応室の断面積が実質的に均一なことを特徴とする請求項1に記載の堆積システム。
【請求項5】
反応室が、前記流れ方向に沿って伸びる長さを有し、および反応室の長さに沿って、反応室の断面積が不均一であることを特徴とする請求項1に記載の堆積システム。
【請求項6】
基板上に膜を堆積させるための堆積システムにおいて寄生堆積物を制御するための方法であって、該堆積システムは、基板を収容するための反応室を画定し、および反応室中のプロセスガスおよび反応室と隣接する内部表面を含み、該方法は:
反応室を貫いて流れ方向にプロセスガスを流す工程であって、前記流れ方向は実質的に水平である工程と;
反応室を貫いて前記流れ方向にバッファガスを流して、内部表面とプロセスガスの少なくとも一部との間に流動するガスバリア層を形成して、流動するガスバリア層が内部表面とプロセスガスの成分との間の接触を阻止するようにする工程と
を含み、
バッファガスを流す工程は、プロセスガスと実質的に同一の速度で反応室を貫いてバッファガスを流すことを含み、
バッファガスを流す工程は、少なくとも前記基板の下流の位置まで、内部表面に沿ったバッファガスの実質的に層状の流れを与えることを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
基板上に膜を堆積させるための堆積システムにおいて寄生堆積物を制御するための方法であって、該堆積システムは、基板を収容するための反応室を画定し、および反応室中のプロセスガスおよび反応室と隣接する内部表面を含み、該方法は:
バッファガスを流して、内部表面とプロセスガスの少なくとも一部との間に流動するガスバリア層を形成して、流動するガスバリア層が内部表面とプロセスガスの成分との間の接触を阻止するようにする工程と、
内部表面に堆積するプロセスガスからの寄生堆積物の昇華を促進するのに十分な温度まで内部表面を加熱する工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
基板上に膜を堆積させるためのホットウォール型化学気相堆積(CVD)システムにおいて寄生堆積物を制御するための方法であって、該ホットウォール型CVDシステムは、基板を収容するための反応室を画定し、および該ホットウォール型CVDシステムは反応室の一部を画定し、かつ反応室と連続する内部表面を有するホットウォールサセプタをさらに含み、該方法は:
バッファガスを流して、内部表面とプロセスガスの少なくとも一部との間に流動するガスバリア層を形成して、流動するガスバリア層が内部表面とプロセスガスの成分との間の接触を阻止するようにする工程
を含み、バッファガスは、内部表面への寄生堆積物の堆積を化学的に阻止すること、および/または内部表面から寄生堆積物を除去することができる活性材料を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記活性材料がエッチング剤を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記エッチング剤がHCl、Clおよび炭素含有ガスの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−21278(P2011−21278A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236269(P2010−236269)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【分割の表示】特願2006−508772(P2006−508772)の分割
【原出願日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願人】(592054856)クリー インコーポレイテッド (468)
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
【Fターム(参考)】