説明

微細パターン検査方法及び装置

【課題】半導体ウエハ上に形成された微細パターン及びそれを露光した露光装置の評価と異常検知を行う。
【解決手段】ステッパにより露光した微細パターンに対しエッジ検出を行い、個々のパターンに対してレジスト表面及び底面におけるパターン形状を検出する。検出されたレジスト表面及び底面のパターンの位置関係を示す位置ずれベクトルを算出、画面表示することで微細パターンの評価を行う。更にチップ、1ショット、ウエハの複数位置の微細パターンで同様に位置ずれベクトルを算出し、各場所における位置ずれベクトルの大きさ、分布状況を特徴量として分類、その傾向を各範囲内で分析することで露光装置あるいはウエハの異常検知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細パターンの検査方法に関し、特にステッパ等の露光装置を用いたホトリソグラフィ工程によって半導体ウエハ上に形成されたコンタクトホールやラインパターン等の微細パターンを検査する方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造過程においては、フォトリソグラフィにより半導体ウエハ上にパターンを形成することが行われる。このパターン形成に際し、数チップ分の回路パターンを拡大した寸法で形成したレチクルを用いて縮小投影露光する装置(以下、ステッパという)を使用した縮小投影露光法が多用されている。ステッパによる縮小投影露光法では、レチクルのマスクパターンの縮小像がウエハのホトレジスト膜上に投影結像するように露光し、感光したホトレジスト膜を現像することにより、レチクルのマスクパターンを転写したレジストパターンをウエハ上に形成する。1回の露光(ショット)により、レチクル上に形成された数チップ分のパターンを転写できる。この工程をステップ・アンド・リピートして、ウエハ上にパターンを転写してゆく。
【0003】
例として、ウエハの絶縁膜上にコンタクトホールを形成する場合について説明する。先ず絶縁膜上にホトレジスト膜を形成し、次に設計値に従った寸法及び配置のコンタクトホールのパターンを有するレチクルを用いてホトレジスト膜を露光し、現像する。その後、パターンが転写されたホトレジスト膜をマスクとしてエッチングなどの処理を施すことにより、絶縁膜を貫通したコンタクトホールパターンをウエハ上に形成することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平9−33211号公報
【特許文献2】特開平11−271233号公報
【特許文献3】特開平10−209230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述のようにステッパによりウエハ上にパターンを形成する際には、拡大形成されたレチクル上の微細パターンを投影光学系を通してウエハ上に縮小投影露光することになるが、その工程において露光されたパターンは露光層(ホトレジスト膜)の表面と底面で大きさ、形状、形成される位置等に違いが生じることがある。
【0006】
その原因は、第1に、ウエハ及びウエハ上のレジスト等の被露光物質に起因するものが挙げられる。ウエハ自体の反り、歪み、たわみ等はウエハの製造工程中あるいはその後の時間経過あるいは温度などの周囲環境等により生じ、露光光の干渉に影響を及ぼす。またレジストとして使用する物質の性質、レジスト塗布時の膜厚、塗りむらなどの影響により、形成されるパターンの形状は変化する。これらの被露光物質に起因する微細パターンの露光面表面及び底面における各々の設計値との形成位置、寸法のずれ(以後、総称して位置ずれと呼ぶ)は、ウエハのある領域に広域的に一定の傾向を持って分布する場合が多い。
【0007】
第2の原因として、図2に略示するような、露光装置の光学系自体の性能が挙げられる。図2(a)に示すようにレチクル中心付近では問題にならないが、図2(b)に示すように、レチクル周辺部において露光時に露光光がウエハ面に対し斜めに入射することにより生ずる非点収差、コマ収差などのレンズ収差がこれに相当する。これに起因する位置ずれは、主に1ショット範囲内でその中心位置より放射方向に一定の傾向で現れる。
【0008】
第3の原因として、同じく露光装置の光学系自体の性質として、露光に使用する光学系のレンズが露光の際の熱で変形する(レンズヒーティング)ことにより生ずる焦点位置のずれ(デフォーカス)が挙げられる。第4の原因として、露光装置のレンズ光学系が挙げられる。露光光学系においてレンズ等が傾いていると、露光光が横から入射するため、1ショット範囲内の露光パターンには一定方向へのずれが生ずる。
【0009】
主に前記第1から第4の原因により、設計値と実際に形成されたパターンの間には違いが生ずるが、そこから発生する問題としてまずホトレジストの表面と底面で形成されたパターンの位置がずれることが挙げられる。同様に、設計値と実際に露光されたパターンの軸及び位置のずれに起因する絶縁体の下層、あるいは上層のパターンとの合わせずれの問題が挙げられる。コンタクトホールパターンに軸ずれあるいは位置ずれがあると、開口部の面積が減るため電気抵抗が増え最終的に半導体の性能の低下につながる。場合によっては非導通となり、半導体デバイスにおける致命的な欠陥となる。
【0010】
以上の問題点に対し、現在、微細パターンの底面の面積を算出することによってその露光精度を評価する方法が多用されているが、パターンの位置ずれの量やずれの方向あるいはそれらの値から露光装置の光学系、ウエハ等の評価を定量的に行う方法は確立されていない。
【0011】
そこで本発明は、半導体における微細パターンのホトレジストの表面にあたる部分と底面にあたる部分の位置関係をその位置ずれベクトルという形で算出し、個々の微細パターンを評価する方法、更には1ショット単位、チップ単位、あるいはウエハ単位で露光精度を定量的に評価する方法、あるいはパターン露光システム各部の評価及び異常検知と警告を行う方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明においては、評価対象となる微細パターンに対し、その露光層表面(以下、表面と呼ぶ)及び露光層底面(以下、底面と呼ぶ)の形成状態とその位置関係を算出し、それらの相対的な位置ずれを位置ずれベクトルとして算出すると共に画面上に表示し、その位置ずれベクトルが予め設定しておいた位置ずれ許容範囲を超えた場合には警告を発する。また算出した特徴量をその傾向別に分類し、ショット単位、チップ単位、ウエハ単位で特徴分析を行うことにより、露光システムやウエハ等の評価を可能とする。
【0013】
すなわち、本発明による微細パターン検査方法は、基板上に塗布された薄膜にパターン露光工程を経て形成された微細パターンを検査する微細パターン検査方法において、薄膜に形成された微細パターンの画像を取得する工程と、前記画像から薄膜の上面における微細パターン形状と薄膜の下面における微細パターン形状を求める工程と、前記工程で求めた2つの微細パターンの位置ずれを検出する工程とを含むことを特徴とする。微細パターン形状は、そのパターンの輪郭を検出することによって求めることができる。
【0014】
微細パターンがコンタクトホールのような円形パターンの場合、薄膜の上面における円形パターンの重心と薄膜の下面における円形パターンの重心のずれを前記位置ずれとして検出する。また、微細パターンがラインパターンの場合、薄膜の上面におけるラインパターンの中心軸と薄膜の下面におけるラインパターンの中心軸のずれを前記位置ずれとして検出する。
【0015】
微細パターンの位置に当該微細パターンの位置ずれの大きさと方向を表す矢印を表示することで、パターンの位置ずれを視覚的に容易に認識することが可能になる。微細パターンは、その輪郭を近似曲線あるいは不連続な点やマーク等で表示すると良い。
【0016】
本発明による微細パターン検査方法は、前記位置ずれを所定の区画内の複数の位置で検出する工程と、複数の位置における位置ずれを統計的に処理して前記区画を特徴付ける位置ずれを求める工程とを更に含むことができる。この場合、各区画に当該区画を特徴付ける位置ずれの大きさと方向に応じた矢印を表示することで、その区画の全体的なパターンの位置ずれを視覚的に容易に認識することが可能になる。前記区画は1ショット領域又は1チップ領域とすることができる。
【0017】
また、前記複数の位置における位置ずれの分布傾向と微細パターン形成装置に異常がある場合に予想される位置ずれの分布傾向とを比較する工程を含むことで、微細パターン形成装置の異常検知を行うことができる。本発明による微細パターン検査方法は、また、基板上に塗布された薄膜にパターン露光工程を経て形成された微細パターンを検査する微細パターン検査方法において、薄膜に形成された微細パターンの画像を取得する工程と、前記画像から微細パターンの形状を求める工程と、微細パターンを形状の特徴量によってカテゴライズする工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
この微細パターン検査方法は、1ショット又は1チップ内の複数の位置で前記微細パターンをカテゴライズする工程と、前記複数の位置におけるカテゴライズ結果を統計的に処理して前記1ショット又は1チップを特徴付ける微細パターンのカテゴリを求める工程と更に含むことができる。カテゴライズ結果の統計的処理では、例えば各ショットあるいはチップ内における検査数とその中であるカテゴリに属する微細パターンの数とを比較して、その割合が最も高いパターンを、その位置における代表的な特徴として位置づける処理を行う。1ショット又は1チップの区画を当該1ショット又は1チップを特徴付ける微細パターンのカテゴリに応じて着色表示すると、全体的な特徴を視覚的に容易に把握することが可能になる。
【0019】
本発明によると、コンタクトホール及び/又はラインパターンに対して、露光層の表面及び底面に対応するエッジ位置を表示すると同時に表面及び底面のパターンのずれ具合を位置ずれベクトルで表示し、その大きさが許容値を超えた場合には警告を行うことによって、微細パターンの露光精度評価の自動化と確認を容易に行うことができる。また、コンタクトホール及び/又はラインパターンに対して、露光層の表面又は底面に対応するエッジ位置を表示すると同時にその露光パターンの形状の特徴量を求め、その特徴量が許容値を超えた場合には警告を行うことによって、微細パターンの露光精度評価の自動化と確認を容易に行うことができる。位置ずれベクトルと形状の特徴量を組み合わせて解析することも有効である。更に、1チップあるいは1ショット分の領域、更にはウエハ全体といったより広範囲な領域に対して、位置ずれベクトル及び/又は微細パターンの形状を表す特徴量の分布状態を解析することによって、パターン露光装置の光学系の異常検知を行ったり、広範囲での熱処理による熱応力、非点収差やコマ収差などのレンズ収差の統計的評価に意味のあるデータの収集を可能にする。そして、前記微細パターンの検査を任意の複数工程に適用することによって、そのデータを後工程へフィードバックすることが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、微細パターンの露光精度評価の自動化と確認を容易に行うことができる。また、1チップあるいは1ショット分の領域、更にはウエハ全体といったより広範囲の領域において微細パターンの特徴の分布を評価することにより、露光装置の光学系やウエハの異常を検知することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ここでは、ウエハの露光層(ホトレジスト膜)に形成された個別のコンタクトホールパターン及びラインパターンに対する位置ずれベクトルの算出方法及び表示方法を説明し、次に、多数の位置ずれベクトルを解析して一般的な傾向を導出し、位置ずれの発生原因を解析する方法を説明する。
【0022】
図1は、本発明の方法に用いられる微細パターン検査装置の一例を示す概略図である。図1には、典型的な微細パターン検査装置として走査電子顕微鏡を示した。電子銃1は、加熱フィラメント2に通電加熱して電子ビーム8を得る。ウェーネルド4により引き出された電子ビーム8は、アノード5によって加速され、コンデンサレンズ6によって集束され、偏向信号発生器15から偏向信号が印加される偏向コイル7によって走査され、対物レンズ9にて試料室10内に置かれた試料11上に焦点を合わされる。こうして電子ビーム8は、微細パターンの刻まれている試料11上を一次元的、あるいは二次元的に走査される。電子ビーム8の照射により、試料11の表面付近からその形状に応じた量の二次電子が発生し、二次電子検出器17によって検出される。検出された二次電子は増幅器18により増幅され、CRT14の輝度変調信号となる。CRT14は偏向信号発生器15に同期しており、輝度変調信号は同期して照射された電子ビーム8によって試料11の表面部分から発生する二次電子像を再現することになる。以上の手順により、試料表面に形成された微細パターンの情報を取得することができる。CRT14に表示された二次電子像は、必要によりカメラ13で撮影される。
【0023】
図3は、このようにして取得した微細パターンの画像情報をもとに微細パターンの位置ずれベクトルを算出するフローチャートである。以下に、位置ずれ検出対象の微細パターンが露光層(ホトレジスト膜)に形成されたコンタクトホールパターンである場合について、位置ずれベクトルの検出方法及び表示方法を説明する。なお、ここでは微細パターン画像を走査電子顕微鏡によって取得するものとしたが、微細パターン画像は光学顕微鏡など走査電子顕微鏡以外の手段で取得しても構わない。
【0024】
まず、ステップ11において、画像表示装置に走査電子顕微鏡等で取得した微細パターンの画像を表示し、マウスカーソル等を操作して任意の一つのコンタクトホールパターンの画像を指定する。ステップ12では、選択されたコンタクトホールパターンの画像に対し極座標変換を行い、コンタクトホールパターンの中心より放射方向に一定角度毎に複数の断面波形情報(プロファイル)を作成し、その複数のプロファイルに対して各々微分、閾値処理などを施し、エッジ候補を算出する。以上の作業により各角度方向毎に複数のエッジ候補が算出される。それらのエッジ候補からコンタクトホールパターンの露光層表面に対応するエッジ(以後、外円と呼ぶ)、及び露光層底面に対応するエッジ(以後、内円と呼ぶ)をそれぞれ検出する。微細パターン自体の構造の複雑化及び微細化、更には検査装置の性能向上等の要因によりプロファイルとして得られるエッジ情報も豊富になり、所望する位置に対応するエッジの検出が難しくなっている。しかし前述の外円、内円のエッジに対応する部分はエッジ情報が豊富であり、ホールパターンの中心から全角度方向にほぼ一定距離(すなわち円形)に存在している。従って、エッジ候補算出の際により多くのエッジ候補を算出し、その中からエッジ情報を利用し外円及び内円を算出していくことで、所望位置に対応するエッジの検出が可能になる。
【0025】
ステップ13では、ステップ12で検出された内円、外円に対してそれぞれ重心を算出し、M1及びM2とする。なお、ここでは外円、内円の位置情報を重心で表したが、例えば円の長軸と短軸の交点などをその円の位置情報としてもよい。ただし、一連の微細パターン検査において常に一定の基準を用いることが必要である。ステップ14では、内円の重心M1から外円の重心M2に向かうベクトルをコンタクトホールの位置ずれベクトルとして算出する。このとき、検査装置等で撮像された像に対して目視を行うなどして事前にその微細パターンの位置ずれの許容範囲を設定しておく。なお、位置ずれの許容範囲は、例えば方向と大きさの2つの基準でその最大と最小を設定しておくと良い。また同様に外円と内円各々の長径及び短径、あるいは面積、外円と内円の面積比の許容範囲も設定しておく。そして、算出した位置ずれベクトルが許容値を超えるか否か判定する。
【0026】
画像表示装置上では、選択されたコンタクトホールに対して算出された外円及び内円を一定角度毎に算出されたそれぞれの円に対応するエッジ情報を持つエッジ候補を結んだ円で、またステップ14で算出した位置ずれベクトルをM1からM2の方向へ結んだ矢印によって図4のように画面表示する。ここでは、位置ずれ量の正の方向をM1からM2の方向と設定しているが、常に一定の基準を用いるのであればM2からM1の方向を正の方向としても構わない。
【0027】
ステップ14の判定において、位置ずれベクトルの大きさ、方向などが予め設定しておいた位置ずれの許容範囲に収まっていれば、ステップ14からステップ15に進み、コンタクトホールの外円、内円及び位置ずれベクトルを、許容範囲内であることを意味する白色で画面表示する。また、位置ずれベクトルの大きさ、方向などが予め設定しておいた位置ずれの許容範囲を超える場合には、ステップ16に進み、コンタクトホールの外円、内円及び位置ずれベクトルを警告を意味する赤色で表示する。
【0028】
なお、位置ずれベクトル以外に、コンタクトホールの外円と内円の形状をもとに、そのコンタクトホールが許容されるものであるか否かを判定するようにしてもよい。外円及び内円の形状に関する代表的なカテゴリとしては、図5に示すように、円形度(正円、楕円)、長径と短径の比、面積の絶対値、あるいは外円と内円の面積比等が考えられる。この場合、それぞれのカテゴリ毎に大、中、小あるいは基準値との比等によってレベル分けし、同時に各カテゴリに関する許容範囲も設定しておく。そして、注目するコンタクトホールの外円あるいは内円の形状が設定したカテゴリのどのレベルに属するか算出し、許容範囲と比較する。
【0029】
コンタクトホールの形状が許容範囲を超える場合には、画像表示装置に表示されているコンタクトホールをカラー表示する等して警告する。図6は、コンタクトホールの形状が許容範囲を超えている場合の表示例である。図6(a)は、外円の長径が許容最大値よりも長い場合の表示例を示し、許容値との差を矢印で示し、外円を赤などの警告を意味する色で表示する。図6(b)は外円の長径が許容最小値よりも短い場合の表示例を示し、許容値との差を矢印で示し、外円に対応する円を赤などの警告を意味する色で表示する。図6(c)は、外円の面積が許容最小値よりも小さい場合の表示例であり、外円の内部を薄い赤で表示するなどして警告する。図6には、コンタクトホールの外円に対して形状の評価を行った例を示したが、同様の評価をコンタクトホールの内円に対して行うこともできる。
【0030】
次に、図7及び図3のフローチャートを参照して、位置ずれ検出対象の微細パターンが露光層に形成されたラインパターンである場合の、位置ずれベクトルの検出方法及び表示方法について説明する。まず、図3のステップ11において、走査電子顕微鏡や光学顕微鏡等の微細パターン検査装置により検査すべきラインパターンの画像を取得する。次に、ステップ12において、取得したラインパターン画像に対し、図7(a)に示すように一定の検出範囲21を設定し、図7(b)に示すように、その検出範囲21内でエッジ検出を行い、露光層(ホトレジスト膜)表面と底面でのラインエッジを検出する。次に、ステップ13に進み、図7(b)に示すように、ホトレジスト底面におけるラインエッジの中心軸L1と、ホトレジスト表面におけるラインエッジの中心軸L2を求める。なお、図7(c)は、図7(b)のAA断面図である。そして、図7(d)に示すように、検出範囲21内における軸L1の中心から軸L2におろした垂線をラインパターンの位置ずれベクトル(L1−L2)として求める。
【0031】
この場合も、事前に検査装置による目視等から位置ずれ量の許容値を設定しておき、ステップ14において、ステップ13で算出された位置ずれベクトルと予め設定しておいた許容値との比較を行う。ステップ14の判定で、算出した位置ずれベクトルの大きさが予め設定しておいた位置ずれの許容値より大きい場合にはステップ16に進み、ラインパターンのエッジや位置ずれベクトルを赤色で表示して警告する。位置ずれベクトルの大きさが予め設定しておいた位置ずれの許容値より小さければステップ15に進み、ラインパターンのエッジや位置ずれベクトルを白色で画面表示する。
【0032】
ラインパターンにおいても、コンタクトホールパターンの場合と同様に、露光層(ホトレジスト膜)表面及び底面のそれぞれに関して、その形状のカテゴライズを行い、ラインパターンが許容されるか否かを形状によって判定するようにしてもよい。ラインパターンの代表的なカテゴリとしては、図8に示すように、その形状、あるいは線幅等がある。ラインパターンの形状や幅に対して許容範囲を設定しておき、許容範囲を超えているラインパターンがあった場合、そのラインパターンを赤色等でカラー表示して注意を促す。
【0033】
次に、ステッパで露光された複数のコンタクトホールパターン及びラインパターン等の微細パターンの評価、特にレチクル1ショットあるいはチップ1個に相当する領域の評価方法について説明する。ここでは、位置ずれベクトル及び形状の二つの指針を用いて微細パターンの評価を行う例を説明する。
【0034】
図9に示すように、一般に1ショットの範囲30内には複数のチップ31a,31b,31c,‥‥が存在している。まず、走査電子顕微鏡等の検査装置で露光パターンの1ショット分の画像情報を取得する。1ショットの範囲内の複数の位置でコンタクトホールパターンあるいはラインパターンを選択し、各々のパターンに対して形状情報を取得し、図3のフローチャートによって説明した方法によって各コンタクトホールパターンあるいはラインパターンの位置ずれベクトルを算出する。この時、ショット比較と共にチップ比較を実現するために、1ショット内の各チップ31a,31b,31c,‥‥において、その4角32a〜32dと中央32eなどの、チップ内の代表的な場所で位置ずれベクトル算出用のサンプルパターンを選択するのがよい。このサンプルパターンは検査のスループットを著しく低下させない程度でチップ内領域で均等に、多数選択するのが望ましい。また、サンプルパターンの取得場所は、各チップで同一とする。
【0035】
各コンタクトホールパターンあるいはラインパターンに対し算出された位置ずれベクトルを、各コンタクトホールパターンあるいはラインパターンの、例えば重心位置からの矢印で表示する。算出された位置ずれベクトルが許容範囲を超える場合には、赤色表示で警告を行う。ここで算出された1ショットあるいはチップ領域内の各サンプル位置における位置ずれベクトルに対し、図10に示すようなカテゴライズを行う。1ショット範囲全体に対しては、図10(a)に示す位置ずれベクトル全体の大きさ(大、中、小)、及び図10(b)に示す位置ずれベクトル全体の方向(上、右上、右、右下、下、左下、左、左上など8方向程度)によってカテゴライズを行う。
【0036】
また、1チップあるいは1ショット内の代表的な場所で取得したコンタクトホールパターンあるいはラインパターン(サンプルパターン)の位置ずれベクトルに関し、その方向性と大きさの偏りによってカテゴライズを行う。方向性は、例えば図10(c)に示すように、各サンプル位置での位置ずれベクトルが同一方向を向いているか、外向きであるか、内向きであるか、不規則な方向を向いているか等によって特徴付けを行う。位置ずれベクトルの大きさの偏りに関しては、例えば図10(d)に示すように、均等、周辺部のみ大、中心部のみ大、局部的に大というようにカテゴライズする。各特徴量は、その特徴を抽出した領域と関連付けておく。なお、カテゴライズの方法は図10に示した4種に限らず、1ショット範囲内の位置ずれベクトルの傾向を表すことができるものであれば他の特徴量を用いてもよい。
【0037】
1ショット範囲あるいはチップ範囲全体を代表する位置ずれベクトルは、次のようにして算出する。あるk番目のチップ範囲において、例えばk1個のコンタクトホールとパターンと、k2個のラインパターンを位置ずれベクトル算出用のサンプルパターンとして設定し、各々に対して図3のフローチャートで説明したような処理を行い算出されたコンタクトホールパターンの位置ずれベクトルをSH1,SH2、....SHk1、ラインパターンの位置ずれベクトルをSL1,SL2、....、SLk2とすると、そのチップを代表する位置ずれベクトルVCkは、次の〔数1〕によって算出できる。なお、各パターンで設計値が異なる場合、算出される位置ずれベクトルの大きさも異なるので、係数α、βによって調整を行う。各ショット範囲を代表する位置ずれベクトルの算出も同様に行うことができる。
【0038】
【数1】

【0039】
また、図5あるいは図8のようにして行ったコンタクトホール及びラインパターンの形状に関するカテゴライズの結果を、1ショット範囲、あるいはチップ範囲で統計を取り、例えば一番多いカテゴリを対応する領域に関する形状の代表値とする。
【0040】
このようにして算出した1ショット範囲内の位置ずれベクトルの大きさ及び分布状況に関する特徴付けと、コンタクトホールあるいはラインパターンの形状に関するカテゴライズの結果から、前述した第1の原因から第4の原因による異常発生の示唆が可能になる。
【0041】
図11は、パターン投影光学系にレンズ収差があるとき、1ショット内での位置ずれの発生傾向を示す図である。例えば、図11(a)に示すように、複数の位置ずれベクトルが1ショット範囲内で中心より放射方向内向きの場合、あるいはコンタクトホールの形状が図11(b)に示すように中心方向に縦長に変形している場合、図11(c)に示すように中心方向に横長に変形している場合には、露光装置のレンズ収差に起因する異常が考えられる。よって、このような特徴が見受けられる場合には、ステッパの投影光学系にレンズ収差が出現している可能性がある旨の警告を画像表示する。
【0042】
図12は、投影光学系に軸ずれやレンズの傾きがある場合の位置ずれ発生の傾向を示す図である。図12に示すように、1ショットの範囲内で複数の位置ずれベクトルが一方向を向いている場合には、投影光学系の軸ずれに起因する異常が考えられる。よって、このような特徴が見受けられる場合には、その旨のメッセージ表示などの手段で警告を行う。
【0043】
図13は、レンズヒーティングによるデフォーカスが発生している場合に形成されるラインパターンの説明図である。図13(a)はベストフォーカス時に形成されるラインパターンを示し、図13(b)及び図13(c)はデフォーカス時に形成されるラインパターンを示している。図13(a)〜(c)において、左側の図はラインパターンを上から見た図、左側の図はその断面模式図である。図13(b)はデフォーカスの方向が+方向の時(焦点位置が露光面の上方にある時)のラインパターンを示し、この時ラインパターンは上の部分が細く、裾が広がった形状になる。図13(c)はデフォーカスの方向が−方向の時(焦点位置が露光面の下方にある時)のラインパターンを示し、この時ラインパターンは上の部分が細く、裾が広がって裾の部分が不明瞭になる。このように、ラインパターンの形状が上が細くなっていたり裾の部分が不明瞭な場合には、デフォーカスに起因する異常が考えられるので、その旨の警告を表示する。レンズヒーティングは長時間露光を続けることによるレンズへの蓄熱が原因であるので、パターン形状の時系列変化を調べることで、使用するレンズのレンズヒーティングに関する特性を知ることができる。
【0044】
図14は、ウエハ自体に変形があったり、レジストむらがあるとき、位置ずれベクトルに現れる傾向の一例を示す図である。ウエハ自体のもつ反り、たわみあるいは塗布されるホトレジスト膜の塗りむらがあると、ウエハ全体の軸ずれに多大なる影響を与えるが、ウエハ内の各チップに対して位置ずれベクトルを算出し、その傾向を調べることでウエハに起因する要素の評価が可能になる。図14に略示するように、ウエハ自体やホトレジスト膜の塗りむらに起因する異常は、ウエハ30のある範囲にまとまって分布することが多い。よって、このように一定の特徴に着目しウエハ内においてその分布を分析することにより、ウエハ自体あるいはホトレジスト塗りむらに起因する異常発生の示唆が可能になる。
【0045】
次に、コンタクトホール及びラインパターン等の微細パターンに対する位置ずれベクトルや形状の情報を画面表示する方法について説明する。ウエハ内の各チップに対し一つあるいは複数の領域を指定し、指定された領域で位置ずれベクトルを求めるとともに、前記〔数1〕と同様の方法でチップ毎のあるいはショット毎の位置ずれベクトルの特徴づけを行う。微細パターンの位置ずれに関する情報表示に当たっては、ウエハを各ショット領域に区切った図、あるいは特定のショット領域を各チップ領域に区切った図を表示装置に画面表示し、ウエハの各ショット領域毎あるいは特定のショット中の各チップ領域毎に、算出された位置ずれベクトルを着色表示する。図3のフローチャートにおける処理と同様に、各ショット単位あるいは各チップ単位で位置ずれベクトルが許容範囲を超える場合には赤色等の目立つ色で表示し警告を行う。
【0046】
図15は、ウエハ上の各パターンで算出された位置ずれベクトル及び特徴量のデータを保存する形式の説明図である。データは、ウエハ、ショット、チップ、チップ内パターンの階層を有する木構造である。チップ内の各パターンのレコードは、パターンのx,y座標、パターン情報(パターンがラインパターンか、コンタクトホールか等)、当該パターンにおける位置ずれベクトルの大きさ、方向、形状情報等の特徴量などを持っている。チップ単位は、そのチップに属するパターンの各情報の平均をチップのレコードとして保持する。同様に、ショット単位の場合、そのショット内のチップの持つ情報の平均をレコードとして保持する。また、各データは一つ上の階層の領域のIDを「親」として、同じ親から派生した領域のIDを「兄弟」として、また直系の一つ下の階層のIDを「子」として保持している。例えば、チップ「3」は、親として「1」、兄弟として「4」、子として「7」「8」の情報を保持している。
【0047】
前述の方法で取得した位置ずれベクトルに関する各種特徴量を統計的に処理し、表示装置に画面表示した例を図16及び図17に示す。図16はウエハの画面であり、図17はショットの画面である。
【0048】
ウエハの画面は、図16に示すように、ショット単位の情報を表示する。ウエハマップにはショット単位を四角形等で区切り、それぞれショット範囲全体の特徴量、位置ずれベクトルを表示する。各ショット範囲には番号1〜16が振られており、その番号はウエハ内の座標に対応している。ウエハマップ上の各ショット範囲1〜16は、そのショットを代表する特徴量(そのショットにおいて最も多い特徴量)A〜Dに対応する色によって色分け表示されるとともに、各ショット範囲に重ねてそのショット範囲を代表する位置ずれベクトルが表示される。画面下部の表には微細パターンの形状に関する特徴量の分布状況が数字で表示される。表中の数字は、各ショット範囲における各特徴量の出現数を表す。表の右側に各特徴量の合計数を表示し、その出現傾向に特徴がある場合には評価の欄に表示する。典型的傾向を事前に分析しておき、実際の評価がそれに当てはまる場合には(1)(2)のように表示し、細かい傾向に関して画面下の部分に説明文を表示する。
【0049】
ショット画面は、図17に示すように、そのショット内におけるチップ単位の情報を表示する。ショット画面にはウエハマップを同時に表示し、現在表示しているショットがウエハマップ上でどの位置に該当するかを表示する。また、ショット内の各チップ1〜8は、そのチップを代表する特徴量(そのチップ内で最も多い特徴量)A〜Dに対応する色によって色分け表示されるとともに、各チップの位置に重ねてそのチップを代表する位置ずれベクトルが表示される。画面下部の表には微細パターンの形状に関する特徴量の分布状況が数字で表示される。表の右側に各特徴量の合計数を表示し、その出現傾向に特徴がある場合には評価の欄に表示する。典型的傾向を事前に分析しておき、実際の評価がそれに当てはまる場合には(1)(2)のように表示し、細かい傾向に関して画面下の部分に説明文を表示する。図示の例の場合、特徴量Bに関して異常ありの評価が下されており、チップ1の欄は薄い赤で表示される。
【0050】
図16あるいは図17に示した表示画面は、注目する特徴量によって変化する(レイアウトは同じ)。例えば、特徴量を図5の上段に例示した「A:円形の特徴」とすると、図16あるいは図17の特徴量A,B,C,D,…の項目には、それぞれ正円、縦長、横長、斜め(1)、斜め(2)という文字が入る。カテゴリが5つの場合には項目数もA〜Eの5つとなり、対応する表示色も5色となる。各ショットあるいはチップ領域は、その領域を代表する特徴量(その領域において最も多い特徴量)の色で着色表示される。また、表の「特徴量」の部分はボタンのようになっており、そこを押す毎に図5のカテゴライズが、例えば最初は「円形の特徴」、一度押すと「扁平率」、もう一度押すと「面積」というように、順番に変化し、それに応じて表中の数値やウエハマップ内のショット領域あるいはショット内のチップ領域の表示色も変化する。
【0051】
ここでは図示しないが、1チップ範囲の画面も用意される。1チップ範囲の画面は1ショット範囲の画面に類似した画面であり、1チップ内の各サンプルパターンの位置にパターンの位置ずれベクトルが表示される。また、ショット画面が同時に表示され、現在表示しているチップのショット内での位置が一目で分かるようにされる。
【0052】
図18は、ウエハ画面、ショット画面、チップ画面の関係を示す図である。図18(a)のウエハ画面において、例えば大きな位置ずれベクトルが表示されているショット範囲2にマウスカーソルを合わせてクリックすると、図18(b)に示されるように、そのショットを拡大表示するショット画面に移る。ショット画面には、そのショット内の各チップ毎にそのチップにおける平均的な位置ずれベクトルが表示される。更に、そのショット画面において、例えば大きな位置ずれベクトルが表示されているチップ7にマウスカーソルを合わせてクリックすると、図18(c)に示すように、そのチップが拡大表示され、チップ内での位置ずれベクトルの分布が表示される。こうして、特に位置ずれの顕著な点を特定することができる。また、チップ画面をダブルクリックするともとのショット画面に移り、ショット画面をダブルクリックするとウエハ画面に戻るようにすることもできる。このウエハ画面とショット画面の移動、ショット画面からチップ画面への移動の際には、図15に示したデータベース構造が利用される。例えば、ショット1の画面からチップ画面に移る際には、チップ3,4を情報を用いてチップ画面が生成される。
【0053】
図19は、本発明による微細パターン検査方法の全体の手順を説明するフローチャートである。まず、ステップ21において、走査電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡のような検査装置に被検査物体であるウエハを搬入する。次に、ステップ22において、ウエハ中で微細パターンの位置ずれあるいは微細パターンの形状の特徴を調査するショット(あるいはチップ)を指定し、更にステップ23に進んで、ショット(あるいはチップ)内での位置ずれ算出位置を指定する。
【0054】
次に、ステップ24からステップ28において、指定した微細パターンに対して位置ずれベクトルの算出と位置ずれベクトルの特徴付けを行う。ステップ29では、算出した位置ずれベクトルあるいは形状の特徴量が許容範囲内かどうかを判定し、許容範囲であればステップ30に進んで位置ずれベクトルあるいは微細パターンを通常色で表示し、許容範囲を超えていればステップ31に進み、位置ずれベクトルあるいは微細パターンを赤色等で表示し、警告する。
【0055】
次に、ステップ32に進み、ステップ24からステップ28において算出した多数の位置ずれベクトルの分布状況あるいは微細パターンの形状に関する特徴を統計的に傾向分析する。続いて、ステップ33に進み、ステップ32で分析した特徴量の傾向が露光装置あるいはウエハの異常を示唆しているか否かを判定する。ステップ33の判定処理においては、例えば図11(a)、図12、図14に示すような位置ずれベクトルの分布パターンと既知の異常原因の組み合わせ、あるいは図11(b)、図11(c)、図13に示すようなパターン形状の特徴量分布パターンと既知の異常原因の組み合わせをテーブルとして保持しておき、ステップ32で求められた特徴量の傾向をそのテーブルと照合することで異常原因の探索を行う。ステップ33の判定において、位置ずれベクトルの分布パターンやパターン形状の特徴量分布がテーブルに存在し、露光装置あるいはウエハの異常が示唆される場合にはステップ34に進み、異常原因についてメッセージ等を表示して警告する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の方法に用いられる微細パターン検査装置の一例を示す概略図。
【図2】露光装置の光学系自体の性能に起因する露光異常の一例の説明図。
【図3】位置ずれベクトル算出のフローチャート。
【図4】コンタクトホールの外円、内円及び位置ずれベクトルの画面表示方法の例を示す図。
【図5】コンタクトホールの形状に関するカテゴライズの例を示す図。
【図6】コンタクトホールの外円及び/又は内円の長径、短径又は面積が許容値を超える場合の警告の表示例を示す図。
【図7】ラインパターンの露光層表面パターン、底面パターン及び位置ずれベクトルの画面表示方法の例を示す図。
【図8】ラインパターンの露光層表面パターン、底面パターンのカテゴライズの例を示す図。
【図9】1ショット範囲内の各チップにおける、位置ずれベクトル算出用のサンプル微細パターンの選択例を示す図。
【図10】複数位置で算出した位置ずれベクトルのカテゴライズの例を示す図。
【図11】レンズ収差に起因する微細パターンの位置ずれ傾向及び形状の変形傾向を示す図。
【図12】投影光学系に軸ずれやレンズの傾きがある場合の位置ずれ発生の傾向を示す図。
【図13】レンズヒーティングによるデフォーカスが発生している場合に形成されるラインパターンの説明図。
【図14】ウエハ自体の変形あるいはレジスト塗布むらに起因する位置ずれベクトルの分布傾向の例を示す図。
【図15】ウエハ上の各パターンで算出された位置ずれベクトル及び特徴量のデータベース構造の例を示す図。
【図16】ウエハ単位での位置ずれベクトル及び特徴量評価の画面表示の例を示す図。
【図17】1ショット内における位置ずれベクトル及び特徴量評価の画面表示の例を示す図。
【図18】ウエハ画面、ショット画面、チップ画面の関係を示す図。
【図19】本発明による微細パターン検査方法の全体の手順を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0057】
1:電子銃、2:加熱フィラメント、4:ウェーネルド、5:アノード、6:コンデンサレンズ、7:偏向コイル、8:電子ビーム、9:対物レンズ、10:試料室、11:試料、13:カメラ、14:CRT、15:偏向信号発生器、17:2次電子検出器、18:増幅器、21:検出範囲、30:1ショットの範囲、31a〜31n:チップ、32a〜32d:チップ内の代表的な場所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に塗布された薄膜にパターン露光工程を経て形成された微細パターンを検査する微細パターン検査方法において、
前記薄膜に形成された微細パターンの画像を取得する工程と、
前記画像から微細パターンの形状を求める工程と、
前記微細パターンを形状の特徴量によってカテゴライズする工程と、
を含むことを特徴とする微細パターン検査方法。
【請求項2】
請求項1記載の微細パターン検査方法において、さらに、
1ショット又は1チップ内の複数の位置で前記微細パターンをカテゴライズする工程と、
前記複数の位置におけるカテゴライズ結果を統計的に処理して前記1ショット又は1チップを特徴付ける微細パターンのカテゴリを求める工程と、
を含むことを特徴とする微細パターン検査方法。
【請求項3】
請求項2記載の微細パターン検査方法において、
前記1ショット又は1チップの区画を当該1ショット又は1チップを特徴付ける微細パターンのカテゴリに応じて着色表示することを特徴とする微細パターン検査方法。
【請求項4】
基板上に塗布された薄膜にパターン露光工程を経て形成された微細パターンを検査する微細パターン検査装置において、
前記薄膜に形成された微細パターンの画像を取得する手段と、
前記画像から微細パターンの形状を求める手段と、
前記微細パターンを形状の特徴量によってカテゴライズする手段と、
を備えることを特徴とする微細パターン検査装置。
【請求項5】
請求項4記載の微細パターン検査装置において、さらに、
1ショット又は1チップ内の複数の位置で前記微細パターンをカテゴライズする手段と、
前記複数の位置におけるカテゴライズ結果から前記1ショット又は1チップを特徴付ける微細パターンのカテゴリを求める手段を備えることを特徴とする微細パターン検査装置。
【請求項6】
請求項4記載の微細パターン検査装置において、さらに、
前記1ショット又は1チップの区画を当該1ショット又は1チップを特徴付ける微細パターンのカテゴリに応じて着色表示する手段を備えることを特徴とする微細パターン検査装置。
【請求項7】
基板上の膜に形成された微細パターンを検査する微細パターン検査装置において、
前記膜に形成された微細パターンに関する特徴量の分布を表示する手段を備えることを特徴とする微細パターン検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−19522(P2007−19522A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−189753(P2006−189753)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【分割の表示】特願平11−287057の分割
【原出願日】平成11年10月7日(1999.10.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】