説明

振動検出及び振動分析の方法及び装置、並びにこのような装置を装備したリソグラフィ装置

【課題】リソグラフィ装置に関する振動モードと、それらのそれぞれの大きさの尺度とを決定するためのシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】投影平面内の画像位置でエアリアル画像を投影し、
エアリアル画像の強度を画像マップにマッピングし、画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された強度の値とを含み、
スロット・パターンを通して受け取ったエアリアル画像の強度を測定することによって、振動関連情報を決定するための方法。
さらに、この方法は、
画像マップから画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップ、
この傾斜部分の検出位置で、エアリアル画像の時間的強度を測定しかつスロット・パターンと画像位置との相対位置を測定するステップ、
エアリアル画像の時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動検出及び振動分析の方法及び装置、このような装置を備えるリソグラフィ装置、このような方法を含むデバイス製造方法、並びにこのような方法を含むコンピュータ・プログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は、基板の標的部分上に望ましいパターンを描画する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。その場合に、マスクなどのパターン形成装置を使用してICの個々の層に対応する回路パターンを作成することが可能であり、このようなパターンは、感放射線性材料(レジスト)の層を有する基板(例えば、シリコン・ウェーハ)上の標的部分(例えば、1個又は数個のダイの一部を含む)の上に描画可能である。一般に、単一の基板は連続して露光される隣接標的部分の網状構造を含むことになる。知られているリソグラフィ装置には、1回でパターン全体を標的部分上に露光することによって各標的部分を照射する、所謂ステッパと、投影ビームによって所与の方向(「走査」方向)にパターンを走査し、他方では、この方向に対して平行に又は逆平行に同期して基板を走査することによって各標的部分を照射する、所謂スキャナが含まれる。
【0003】
望ましいパターンの画像は、ダイの露光中に、幾つかの発生源、例えば、投影レンズの振動、光路沿いの周辺環境の温度変動、計測装置を取り囲む枠組みの振動、他の構成要素の振動によって、また基板を保持するステージを位置決めするための干渉計の測定誤差によって外乱を受けるのが典型である。
【0004】
露光中の像の振動により、画像中のコントラストの損失が生じる恐れがある。コントラストの損失は、描画されたパターン(の一部)の位置合わせ精度及び寸法精度の低下を招くことになる。特に、位置合わせ精度は数十ナノメートルの範囲内にあるので、同程度の振幅を有する振動が発生するようなことがあれば、画像品質に大きな影響を及ぼす恐れがある。明白なことであるが、振動を最小限にすべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、組立体、即ち、さらに具体的には、リソグラフィ装置に関する振動モードと、振動の大きさとを決定するためのシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、
−投影平面内の画像位置でエアリアル画像を投影し、
−エアリアル画像の強度を画像マップにマッピングし、画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された強度の値とを含むように構成され、
−スロット・パターンを通して受け取ったエアリアル画像の強度を測定することによって、振動関連情報を決定するための方法が提供されており、
この方法はさらに、
−画像マップから画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを含み、
−この傾斜部分の検出位置で、エアリアル画像の時間的強度を測定しかつスロット・パターンと画像位置との相対位置を測定するステップを含み、スロット・パターンの相対位置はスロット・パターンの位置関連データとして測定され、
−エアリアル画像の時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを含む。
【0007】
この方法は、振動モードの決定から透過画像検出及びレチクルと基板との間の位置合わせ検出を向上させる仕方を導出する。この方法は、診断及び障害処理のためばかりでなく、コントラスト性能試験の目的のためにも応用可能である。
【0008】
本発明の他の態様によれば、投影平面内の画像位置で投影されかつエアリアル画像の強度を画像マップの中にマッピングするように構成されたエアリアル画像の振動関連情報を決定するための装置であって、画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された強度の値とを含むように構成されている装置が提供されており、
この装置は、スロット・パターン、感光素子、及び感光素子に接続されたコンピュータ・システムを備え、この感光素子は、スロット・パターンを通して受け取ったエアリアル画像の強度を測定するためにスロット・パターンに対して所定の位置に配置され、
この装置は、スロット・パターンと投影平面内の画像位置との相対位置を変位するように構成されており、
振動関連情報を決定するためのこの装置は、
−画像マップから画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを実行し、
−傾斜部分の検出位置で、エアリアル画像の時間的強度を測定しかつスロット・パターンと画像位置との相対位置を測定するステップを実行し、スロット・パターンの相対位置はスロット・パターンの位置関連データとして測定され、
−エアリアル画像の時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを実行するように構成される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、リソグラフィ装置であって、
−放射の投影ビームを供給するための照明系と、
−投影ビームの断面にパターンを付与する役割を果たすパターン形成装置を支持するための支持構造と、
−基板を保持するための基板テーブルと、
−パターン形成したビームを基板の標的部分の上に投影するための投影系と、
−投影平面内の画像位置で投影されかつエアリアル画像の強度を画像マップの中にマッピングするように構成されたエアリアル画像の振動関連情報を決定するための装置であって、画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された強度の値とを含むように構成されている装置と、を備え、
この装置は、スロット・パターン、感光素子、及び感光素子に接続されたコンピュータ・システムを備え、この感光素子は、スロット・パターンを通して受け取ったエアリアル画像の強度を測定するためにスロット・パターンに対して所定の位置に配置され、
この装置はスロット・パターンと投影平面内の画像位置との相対位置を変位するように構成されており、
振動関連情報を決定するためのこの装置は、
−画像マップから画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを実行し、
−傾斜部分の検出位置で、エアリアル画像の時間的強度を測定しかつスロット・パターンと画像位置との相対位置を測定するステップを実行し、スロット・パターンの相対位置はスロット・パターンの位置関連データとして測定され、
−エアリアル画像の時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを実行するように構成される、リソグラフィ装置が提供される。
【0010】
本発明のさらに他の態様によれば、デバイス製造方法であって、
−基板を提供するステップと、
−照明系を使用して放射の投影ビームを供給するステップと、
−投影ビームの断面にパターンを付与するためにパターン形成装置を使用するステップと、
−放射の投影ビームを基板の標的部分の上に投影するステップと、
−振動関連情報を決定するステップであって、
−投影平面内の画像位置でエアリアル画像を投影し、
−エアリアル画像の強度を画像マップにマッピングし、画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された強度の値とを含むように構成され、
−スロット・パターンを通して受け取ったエアリアル画像の強度を測定することによって、振動関連情報を決定するステップと、を含み、
この方法はさらに、
−画像マップから画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを含み、
−この傾斜部分の検出位置で、エアリアル画像の時間的強度を測定しかつスロット・パターンと画像位置との相対位置を測定するステップを含み、スロット・パターンの相対位置はスロット・パターンの位置関連データとして測定され、
−エアリアル画像の時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを含む。
【0011】
本発明のさらに他の態様によれば、投影平面内の画像位置で投影されかつエアリアル画像の強度を画像マップの中にマッピングするように構成されたエアリアル画像の振動関連情報を決定するための装置であって、画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された強度の値とを含むように構成されている装置で使用するためのコンピュータ・システムが提供され、
この装置は、スロット・パターン、感光素子、及び感光素子に接続されたコンピュータ・システムを備え、この感光素子は、スロット・パターンを通して受け取ったエアリアル画像の強度を測定するためにスロット・パターンに対して所定の位置に配置され、
この装置はスロット・パターンと投影平面内の画像位置との相対位置を変位するように構成されており、
このコンピュータ・システムは、振動関連情報を決定するための装置が、
−画像マップから画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを実行し、
−傾斜部分の検出位置で、エアリアル画像の時間的強度を測定しかつスロット・パターンと画像位置との相対位置を測定するステップを実行し、スロット・パターンの相対位置はスロット・パターンの位置関連データとして測定され、
−エアリアル画像の時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを実行できるように構成される。
【0012】
本発明のさらに他の態様によれば、投影平面内の画像位置で投影されかつエアリアル画像の強度を画像マップの中にマッピングするように構成されたエアリアル画像の振動関連情報を決定する装置であって、画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された強度の値とを含むように構成されている装置で使用するためにコンピュータ・システムによってロードされるコンピュータ・プログラム製品が提供され、
この装置は、スロット・パターン、感光素子、及び感光素子に接続されたコンピュータ・システムを備え、この感光素子は、スロット・パターンを通して受け取ったエアリアル画像の強度を測定するためにスロット・パターンに対して所定の位置に配置され、
この装置はスロット・パターンと投影平面内の画像位置との相対位置を変位するように構成されており、
読込み後のコンピュータ・プログラム製品は、コンピュータ・システムが、
−画像マップから画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを実行し、
−この傾斜部分の検出位置で、エアリアル画像の時間的強度を測定しかつスロット・パターンと画像位置との相対位置を測定するステップを実行し、スロット・パターンの相対位置はスロット・パターンの位置関連データとして測定され、
−エアリアル画像の時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを実行できるようにする。
【0013】
さらには、本発明は上で説明した透過画像検出装置を使用することに関し、透過画像検出装置は光学系のサブシステムであり、この光学系は他の光学サブシステムを備え、その使用は、光学系の変調伝達関数に対して、エアリアル画像に関する振動関連情報のサブシステムの寄与率を導出することを含み、この変調伝達関数は光学系の他の光学サブシステムに関する他の寄与率を含む。
【0014】
さらには、本発明は上で説明した透過画像検出装置を使用することに関し、この光学系はリソグラフィ装置である。
【0015】
最後に本発明は、コンピュータ・システムにより又は監理情報網上の遠隔システムにより監視することによって、予防保全ツールとして、上で説明した透過画像検出装置を使用することに関する。
【0016】
本文では、集積回路の製造にリソグラフィ装置を使用することに特定的に言及する場合があるが、本明細書で説明されるリソグラフィ装置には、集積光学系、磁区メモリのための誘導及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等々の製造など、他の応用例もあり得ることを理解されたい。このような別法による応用例の関連では、本明細書の「ウェーハ」又は「ダイ」という用語の使用はいずれも「基板」又は「標的部分」というより一般的な用語とそれぞれに同義であると見なし得ることが当業者には理解されよう。本明細書で言及する基板は、露光前に又は露光後に、例えば、トラック(典型的にレジストの層を基板に塗布しかつ露光済みのレジストを現像するツール)又は計測ツール若しくは検査ツールで処理可能である。適用可能であれば、本明細書の開示をこのような及び他の基板処理ツールに応用することもできる。さらには、例えば、多層集積回路を作成するために、基板を2回以上処理することができ、その結果、本明細書で使用される基板という用語は、複数回処理された層を既に含んでいる基板を指すことがあり得る。
【0017】
本明細書で使用される「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長を有する)及び極紫外線(EUV)放射(例えば、5〜20nmまでの範囲内にある波長を有する)ばかりでなく、イオン・ビーム又は電子ビームなどの微粒子ビームも含めて、全ての種類の電磁放射を包含する。
【0018】
本明細書で使用される「パターン形成装置」という用語は、基板の標的部分中にパターンを作成するためなどに、投影ビームの断面にパターンを付与するために使用可能な装置を指すものと広義に解釈されるべきである。投影ビームに付与されたパターンは、基板の標的部分中の望ましいパターンに厳密に対応しない場合もあることに留意されるべきである。投影ビームに付与されたパターンは、集積回路のような、標的部分中に作成されているデバイス中の特定の機能層に対応することになるのが一般である。
【0019】
パターン形成装置は透過型又は反射型であり得る。パターン形成装置の実施例には、マスク、プログラマブル・ミラー・アレイ、及びプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィではよく知られており、バイナリ・マスク、レベンソン型位相シフト・マスク、及びハーフトーン型位相シフト・マスクなどのマスクの種類ばかりでなく、様々な複合型のマスクの種類も含まれる。プログラマブル・ミラー・アレイの1つの実施例は微小ミラーのマトリックス配置を使用するが、これらのそれぞれのミラーは、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個々に傾斜させることが可能であり、このような様態で、反射されたビームがパターン形成される。
【0020】
支持構造は、パターン形成装置の支持、即ち、その重量を支える。それは、パターン形成装置の向き、リソグラフィ装置の設計、及び他の条件(例えば、パターン形成装置が真空環境中で保持されるのかどうかなど)に応じた方式でパターン形成装置を保持する。支持体は、機械的な固締、真空、又は他の固締技法(例えば、真空条件下の静電固締)を使用することができる。支持構造は架台又はテーブルであり得るが、例えば、それは必要に応じて固定式又は可動式が可能であり、例えば、投影系に対して望ましい位置にパターン形成装置を確保することができる。本明細書の「レチクル」又は「マスク」という用語の使用はいずれも、より一般的な「パターン形成装置」という用語と同義であると見なし得る。
【0021】
本明細書で使用される「投影系」という用語は、屈折光学系、反射光学系、及び反射屈折光学系を含めて、例えば、使用されている露光放射に適切な投影系、又は浸液の使用若しくは真空の使用など、他の要素に適切な様々な種類の投影系を包含するものと広義に解釈されるべきである。本明細書の「レンズ」という用語の使用はいずれも「投影系」というより一般的な用語と同義であると見なし得る。
【0022】
照明系も、屈折光学要素、反射光学要素、及び反射屈折要素を含めて、放射の投影ビームを誘導、整形、又は制御するための様々な種類の光学要素を包含するものと広義に解釈されるべきであり、このような要素を以下では集合的に又は単独で「レンズ」と呼ぶこともできる。
【0023】
リソグラフィ装置は、2つ(2連ステージ)以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスク・テーブル)を有する種類でもよい。このような「多連ステージ」機械では、追加的なテーブルを並行して、即ち、1つ又は複数のテーブルの上で予備工程を実行し、他方では1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用することができる。
【0024】
リソグラフィ装置は、投影系の最終要素と基板との間の空間を満たすように相対的に大きな屈折率を有する液体、例えば、水の中に基板が液浸される種類でもよい。浸液は、リソグラフィ装置の他の空間、例えば、マスクと投影系の最初の要素との間に使用してもよい。投影系の開口数を増大させるための液浸技法は当業ではよく知られている。
【0025】
ここで、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の模式的な図面を参照して、例示としてのみ本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0026】
図1は、本発明の特定の一実施例に係るリソグラフィ装置を模式的に示す。本装置は、
−放射(例えば、紫外線放射)の投影ビームPBを供給するための照明系(照明器)IL、
−パターン形成装置(例えば、マスク)MAを支持し、かつ要素PLに対してパターン形成装置を正確に位置決めするための第1の位置決め装置PMに連結された第1の支持構造(例えば、マスク・テーブル)MT、
−基板(例えば、レジスト塗布ウェーハ)Wを保持し、かつ要素PLに対して基板を正確に位置決めするための第2の位置決め手段PWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハ・テーブル)WT、及び
−パターン形成装置MAによって投影ビームPBに付与されたパターンを基板Wの標的部分C(例えば、1個又は複数のダイを含む)の上に描画するための投影系(例えば、屈折投影レンズ)PLを備える。
【0027】
図示のように、本装置は透過型である(例えば、透過型マスクを使用する)。別法として、本装置は反射型であってもよい(例えば、上で言及した種類のプログラマブル・ミラー・アレイを使用する)。
【0028】
照明器ILは放射源SOから放射のビームを受け取る。放射源及びリソグラフィ装置は、例えば、放射源がエキシマ・レーザであるとき、別体の独立要素であり得る。このような場合には、放射源はリソグラフィ装置の一部を構成するものとは見なされず、放射ビームは、例えば、適切な誘導ミラー及び/又はビーム拡張器を備えるビーム送出システムBDの補助によって放射源SOから照明器ILに送られる。他の場合では、例えば、放射源が水銀ランプであるとき、放射源はこの装置の一体部分であり得る。ビーム送出システムBD(必要であれば)と併せて、放射源SO及び照明器ILを放射系と呼ぶことができる。
【0029】
照明器ILは、ビームの角強度分布を調整するための調整手段AMを備えることができる。一般に、照明器のひとみ平面内における強度分布の少なくとも外部半径範囲及び/又は内部半径範囲(通常はそれぞれσ−外部及びσ−内部と呼ぶ)を調整することができる。さらに、照明器ILは、積分器IN及び集光器COなどの様々な他の構成要素を備える。照明器は放射の調整ビームを供給するが、それは投影ビームPBと呼ばれ、その断面に望ましい均一性及び強度分布を有する。
【0030】
投影ビームPBは、マスク・テーブルMTの上に保持されているマスクMA上に入射する。投影ビームPBは、マスクMAを横切ると、このビームを基板Wの標的部分Cの上に合焦するレンズPLを通過する。第2位置決め装置PW及び位置センサIF(例えば、干渉型素子)の補助によって、例えば、異なる標的部分CをビームPBの経路中に位置決めするために、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1の位置決め装置PM及び別の位置センサ(これは図1に明示されていない)を使用して、例えば、マスク・ライブラリから機械的に取り出した後に又は走査時に、マスクMAをビームPBの経路に対して正確に位置決めすることができる。一般には、物体テーブルMT及びWTの移動は、位置決め手段PM及びPWの一部を構成する長行程モジュール(大まかな位置決め)並びに短行程モジュール(微細な位置決め)の補助によって実現されることになる。しかし、ステッパの場合は(スキャナとは異なり)、マスク・テーブルMTを短行程アクチュエータのみに連結するだけでもよいし、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスク位置合わせ標識M1、M2及び基板位置合わせ標識P1、P2を使用して位置合わせ可能である。
【0031】
次の好ましい方式で図示の装置を使用することができる。即ち、
1.ステップ方式では、投影ビームに付与されたパターン全体が1回で標的部分Cの上に投影される間、マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTが本質的に静止状態に保持される(即ち、単一静的露光)。次いで、異なる標的部分Cを露光できるように、基板テーブルWTはX方向及び/又はY方向に移動される。ステップ方式では、露光領域の最大のサイズが、単一静的露光で描画される標的部分Cのサイズを限定する。
2.走査方式では、投影ビームに付与されたパターンが標的部分C上に投影される間、マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTが同期して走査される(即ち、単一動的露光)。マスク・テーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影系PLの(縮小/)拡大率と画像反転特徴によって決定される。走査方式では、露光領域の最大のサイズが、単一動的露光における標的部分の幅(非走査方向における)を限定するのに対して、走査移動の長さが標的部分の高さ(走査方向における)を決定する。
3.別の方式では、投影ビームに付与されたパターンが標的部分C上に投影される間、プログラム可能なパターン形成装置を保持するマスク・テーブルMTが本質的に静止状態に維持され、かつ基板テーブルWTが移動又は走査される。この方式では、一般にパルス放射源が使用され、プログラム可能なパターン形成装置は、基板テーブルWTのそれぞれの移動後に又は走査時の連続的な放射パルスの合間に必要に応じて更新される。このような動作方式は、上で言及した種類のプログラマブル・ミラー・アレイなどのプログラム可能なパターン形成装置を利用するマスクレス・リソグラフィに容易に応用可能である。
【0032】
以上に説明した使用方式に関する組合せ及び/若しくは変形、又は全く異なる使用方式を用いることも可能である。
【0033】
図2は、透過画像検出のための装置を模式的に示す。
【0034】
透過画像検出TIS装置は従来技術から知られる。投影ビームPBは、第1の物体G0、例えば、マスクMAの中の格子に入射する。この第1の格子G0は、投影ビームPBから画像を作成するために配置された複数の開口を備える。このような第1の格子G0中の開口は、それぞれに投影ビームPBに由来する放射ビームRBを放出する。
【0035】
G0中の複数の開口によって放出された放射ビームは、レンズ、例えば、投影レンズ系PLを通過する。このような投影レンズ系の光学的特性は、G0のエアリアル画像が投影レンズ系PLの下方の所与の平面に形成されるようになっている。
【0036】
透過画像検出装置TISは投影レンズ系PLの下方に位置決めされる。透過画像検出装置TISはスロット・パターンG1及び光センサ素子PSを備える。
【0037】
スロット・パターンG1は、その最も単純な形態では、光センサ素子PSの上方の単なる開口であり、それらはスリット又は正方形の形状を有し得るが、好ましくは適切に形成された縁を有するべきである。さらに高度な実施例では、スロット・パターンG1は第2の格子であり得る。その場合に、この第2の格子G1は、第1の格子G0に形状が似通う(G1の構造(フィーチャー)の大きさは、投影レンズ系PLの倍率Mを乗じたG0の構造の大きさに実質的に等しい)。有利なことに、光センサ素子PS上方の開口にパターンを当てると、光センサ素子PSの感度を高めることができる縁の数を増加させる。
【0038】
透過画像検出装置TISは、投影レンズ系PL及びマスクMAの位置に対して3つの直交する方向X、Y、及びZに移動するように構成される。
【0039】
これらの3つの方向に沿って走査することによって、エアリアル画像の強度を透過画像検出装置TISのXYZ位置の関数として、例えば、サンプル抽出箇所の座標とそれぞれの箇所でサンプル抽出された強度とを含む画像マップ(3次元マップ)にマッピング可能である。このような手順の間に、エアリアル画像は、マスク画像を基板上に露光する間の焦点深度とは異なる相対的に大きな焦点深度を使用して投影されることに留意されたい。
【0040】
実際には、X及びY方向で同時に画像検出するために、TISは少なくとも2つのスロット・パターンG1を備えることが可能であり、一方はX方向に配置され、かつ他方はY方向に配置される。このような場合では、X及びY方向で同時に画像を作成するために、少なくとも2つの第1の格子G0がMA平面に配置されるが、一方はX方向に配置され、かつ他方はY方向に配置される。
【0041】
透過画像検出装置TISに接続された計算装置が、このような3次元マップから、最小2乗フィッティング法(least squares fitting method)を使用して、例えば、頂点位置の放物線フィッティング(parabolic fit)によってエアリアル画像の頂点位置(図4参照)を導出することができる。このような計算装置は、当業者に知られている専用の処理装置、コントローラ・システム、又は(汎用)コンピュータ・システムにおけるプロセッサでよい。
【0042】
図11は、エアリアル画像の位置を決定するためにかつ本発明に係る方法も実行するために配置された計算装置の一実施例を示す。
【0043】
図3は、透過画像検出装置TISを使用する位置合わせ工程を模式的に示す。透過画像検出装置TISを使用する位置合わせ工程時に、マスクMAは、ウェーハ・ステージWS中の既知の位置に配置されている透過画像検出装置TISに対して位置合わせされる。それぞれの第1格子G0からその対応するスロット・パターンG1までの光路OPが模式的に示されている。位置合わせ手順は、ダイを露光するための照明源と同じものを使用しながら行われる。
【0044】
図4a及び4bは、透過画像検出装置TISによって検出されたエアリアル画像の典型的な強度分布をそれぞれ等高線図及び3次元図で示す。
【0045】
Y−Z平面図における(即ち、固定X位置における)強度分布を表示する図4aの等高線図は、第2格子G1の幾つかの異なるZ位置に関してX−Y表面を走査することによって集計される。走査経路は、測定したウェーハ・ステージ位置を示す点を含む実線として示される。X、Y、Z位置は、干渉計によって測定されたウェーハ・ステージ位置である。走査経路から理解できるように、直交格子上に位置するように意図された測定位置が多少不揃いであるように見える。これはシステム中の振動によるものである。
【0046】
図4bの3次元図は、この図のz軸に沿ってTIS測定強度を第3のパラメータとしてプロットすることによって図4aからのデータを修正した図である。
【0047】
位置合わせ位置は、図4a及び/又は図4bのデータから、測定したエアリアル画像の形状をモデルに当て嵌めることによって導出可能である。従来技術では、このような位置合わせ位置が、エアリアル画像ピークの頂点TOP(図4bに示す)上での放物線フィッティングによって導出されるのが典型である。当業者に知られているガウシアン・フィッティング(Gaussian fit)又は最小2乗フィッティングなどのような、データを当て嵌めるための別法による方法も同様に使用可能である。
【0048】
同様に、図4bにエアリアル画像強度の傾斜SLを模式的に示す。この傾斜SLを下でさらに詳細に説明する。
【0049】
図5は、頂点強度位置TOPにおけるエアリアル画像の強度を静的走査した典型的な測定を示す。図5では、測定された強度がサンプル番号に対して示されている。
【0050】
図5のグラフは、エアリアル画像の頂点における静的走査(即ち、非常に限られた範囲にわたる走査を随意選択的に実施できるにもかかわらず、走査を実施しないで行なわれるサンプル抽出)の測定強度の変動を示す。強度変動は、放物線の頂点では位置変動の不感度(insensivity)が大きいために、通常はステージの変動には関連しない。測定された強度の変動は通常ではセンサの雑音寄与によるものである。
【0051】
理解できるように、このような一連の過程の間に強度は2〜3パーセントだけ不規則に変動する。この強度変動は、エアリアル画像の頂点を基本的に使用する強度走査からの位置合わせ位置の決定を複雑化させることが理解されよう。このような従来技術からの方法は、僅かな位置変化に対してかなり不感応である。(当て嵌められた放物線の頂点はかなり平坦である。)
【0052】
図6a及び6bは、さらなる一連のサンプル抽出過程における、エアリアル画像の傾斜強度の測定及び干渉計によって同時に測定されたステージ位置の一例をそれぞれに示す。
【0053】
1つ又は複数の干渉計によるウェーハ・ステージ位置測定は、TISによる測定とは別のものである。しかし、干渉計による測定をTISからのエアリアル画像位置測定と関連づけることが可能である。
【0054】
一実施例では、相関方法が次のように実行される。即ち、エアリアル画像の形状は、従来技術から知られるように、TISを通常に使用して行われた「通常の」TIS走査において決定される。このような「通常の」TIS走査から、エアリアル画像の頂点位置及び傾斜位置が知られる。傾斜SL位置は、当業者に知られている様々な方法で、例えば、エアリアル画像ピークの実質的に半分の幅における位置に対応する位置として画定可能である。
【0055】
エアリアル画像の強度形状の頂点TOP及び傾斜位置SLを走査することによって、その強度形状のこのような第1の「通常の」決定を行った後で、透過画像検出装置TISは、エアリアル画像の3次元図の傾斜位置SL上で測定するように構成される。
【0056】
第1の通常の決定におけるエアリアル画像の形状の決定から、傾斜SLの位置(エアリアル画像ピークの実質的に半分の幅における)が大まかに知られる(推定される)。
【0057】
次いで、傾斜位置SL上の強度測定が、図4bに表示したエアリアル画像の傾斜SLにおいて、G1上に合焦しているエアリアル画像を使って行われる。
【0058】
焦点方向における振動測定の場合では、傾斜走査は、焦点方向で最大感度を得るために、実質的に水平に位置合わせされた位置でかつ垂直方向の傾斜位置で行われる。照明設定は、傾斜位置SL上での測定の感度に影響を与えるように変更される。
【0059】
傾斜位置SLにおける傾斜係数は様々な方法で決定可能であることに留意されたい。
【0060】
一実施例では走査が行われることなく、エアリアル画像は、透過画像検出装置TISに対して固定位置(傾斜位置SL)に留まる。この場合に、決定は振動による強度の変動を利用する。
【0061】
他の実施例では、エアリアル画像の測定位置が、透過画像検出装置TISの走査動作によって傾斜位置SLの付近で変化する。この場合には、決定はエアリアル画像の形状による強度の変動を利用する。このような走査は典型的に傾斜位置SL付近の限られた範囲にわたり、それは典型的に約20nmの走査長さを有する。
【0062】
ウェーハ・ステージWS中の光センサPSに対する画像の動きは、ウェーハ・ステージWSの動きに等しくならないことに留意されたい。投影レンズ系PLの倍率Mのために、ウェーハ・ステージWSの動きは、レチクル・ステージ(即ち、マスク・テーブルMT)の動きの1/Mであることが必要である。
【0063】
次に、透過画像検出装置TISはエアリアル画像ピークの傾斜SL上で幾つかの強度測定を実行する。傾斜の相対的な急峻さのために、感度は相対的に大きい。即ち、測定位置の僅かな変化(振動又は走査による)が測定強度の相対的に大きな変化に結びつく。
【0064】
図11は、本発明の方法に係る工程を実施するために配置された計算装置の一実施例を示す。
【0065】
図6aは、エアリアル画像の傾斜における、サンプル番号(即ち、走査時のそれぞれの測定番号)の関数としての画像の測定(正規化)強度を示す。相対的に大きな拡散(約5〜10%の)であるにも拘わらず、このデータにおいて画像の傾斜を視認できることは明白である。
【0066】
傾斜SLでの強度測定時に、ウェーハ・ステージWSのX(及び/又はY)位置を決定するための干渉計測定が同時に実行される。傾斜上の強度測定時にサンプル番号の関数として、そのように干渉計位置信号を測定したものが図6bに示されている。
【0067】
TIS検出器(振動又は走査方向、即ち、X、Y又は振動若しくは走査平面XY)及び利用可能な干渉計(X、Y、及びZ方向における)の実装に応じて、振動測定を単一のX方向若しくはY方向、XY平面、又はZ方向で実行することができる。
【0068】
図7は、図6a及び6bに示されている傾斜測定のステージ位置に対する測定強度のグラフを表す。
【0069】
図7には、各サンプル番号に対する測定強度が、そのサンプル番号のそれぞれに対する干渉計によって測定されたウェーハ・ステージ位置の関数としてグラフ化されている。
【0070】
複数の「傾斜上の強度測定」時における測定強度とウェーハ・ステージ位置との関係が明確に示されている。即ち、エアリアル画像の傾斜上では、強度がウェーハ・ステージ位置の僅かな変化と共に実質的に直線的に変化する。平均ウェーハ・ステージ位置が水平軸上の「0」によって示されている。相関関係(係数)の計算によって、ウェーハ・ステージ位置と格子G0のエアリアル画像の測定強度との間の感度関係が相対的に高精度で決定可能である。感度関係(通常は直線的な挙動)を使用して、TISによって測定された強度データを位置データに変換する。このような方法で、2つの別個の位置測定、即ち、TIS検出器によるものと、1つ又は複数の干渉計によるものとを比較することができる。TIS及び干渉計は異なる光路を使用するので、システム振動に対して異なる感度が存在する。
【0071】
TISデータ及びステージ位置データは、フーリエ分析によってパワー・スペクトル強度に変換される。全てのシステム振動が、例えば、基板Cの露光時に見られるようにエアリアル画像に印加され得る一方で、干渉計はステージ振動のみを測定する。
【0072】
図8は、TISデータと干渉計によって測定されたウェーハ・ステージ位置データとのパワー・スペクトルの一例を示す。これらのスペクトルは、システム振動数に対するそれぞれの測定の異なる感度のために一部が類似性を示すにすぎない。透過画像センサTISによる位置合わせ位置の決定は、ステージ振動がエアリアル画像中にも存在し、かつ最小2乗フィッティング(図4を参照して論じたように)によって考慮されているので、ステージ振動に対して不感応である。これらのセンサの一方のみに出現する振動のみが性能低下に繋がり得る。透過画像センサTISのみの性能に関連する振動を示すパワー・スペクトルは、位相差を考慮して、TISとウェーハ・ステージ位置とによってそれぞれ測定されたパワー・スペクトル間の差から得られる。
【0073】
図9は、TISによる頂点測定のパワー・スペクトル及びTISによる傾斜測定の差信号の一例を示す。
【0074】
図8及び9のパワー・スペクトルは、X、Y、及びZ方向のそれぞれに関して決定可能である。光路と測定方向とを区別することができるので、システム振動は位置と振動数の両方に相関可能である。このようなシステム振動には、例えば、短絡、波長変動、レンズ振動、空気の温度変動、メトロフレーム振動(即ち、測定システムが取り付けられるフレームの振動)、及び他の構成要素の振動、干渉計測定誤差などが含まれる。
【0075】
透過画像検出装置TISによる傾斜上の測定強度は、組み付け時のリソグラフィ装置中の振動検出のためのツールとして使用可能である。さらに本方法は、例えば、半導体素子中のサブミクロン構造のマイクロブリッジング(micro−bridging)のような振動関連の工程異常を検出するためのツールを提供することができる。同様に、このツールを使用して、幾つかの維持管理関連の特徴、例えば、振動周波数スペクトルにおける1つ又は複数の周波数の一部の相対強度の変化、又は振動周波数の偏移に関する監視可能なデータを入手することによって予防保全を行うことができる。この予防保全は、リソグラフィ装置の計算装置(図11参照)によって、又は監理ネットワークを介する何らかのデータ・リンクを介する遠隔計算システムによって、何らかの自動方式で実行可能である。
【0076】
システム振動は、断続的な効果を分析するために、先に論じた振動数領域における以外に、傾斜測定によって時間領域においても決定可能である。パワー・スペクトルでは、断続的な効果は平均化され、従ってシステムによって観察されるような振動による極大の外乱を発生させることはない。
【0077】
図10は、時間の関数として、エアリアル画像の傾斜上のTIS位置信号と干渉計位置信号とに関する移動標準偏差(MSD)グラフを示す。TIS位置信号と干渉計位置信号(「ウェーハ・ステージ」として示された)との間の比較では、明らかにTIS位置信号(エアリアル画像)にシステム振動のより大きな寄与が観察され、その振動は時間的に一定しない。
【0078】
MSDフィルタの長さ(移動標準偏差が決定される範囲)は、基板部分Cの特定の露光時間と同一にすることができる。次いで、傾斜測定のTIS位置信号の最大MSD数により、例えば、リソグラフィ・システムのコントラストの認定試験を行なえる。さらには、TISの最大MSD数は、リソグラフィ・システムのためのパターン中の構造(例えば、点、線、又はブロック)のコントラスト性能基準値として使用可能である。
【0079】
最後に、本発明に係るリソグラフィ装置上のパターン中のこのような構造のコントラストを認定する方法は、リソグラフィ装置のようなシステムの変調伝達関数(MTF)コントラスト収支(contrast budget)に相関可能である。
【0080】
当業者によって知られているように、光学系に関する全体的な変調伝達関数MTFは、フーリエ空間領域における、リソグラフィ装置の全てのサブシステムに関する寄与率を乗ずることによって得られる。
【0081】
リソグラフィ装置は、ウェーハ・ステージ及び/又はレチクル・ステージを位置決めするためのサブシステムのような複数のサブシステム、並びに光学サブシステム、ウェーハ搬送サブシステム、レチクル交換サブシステム、照明サブシステムなどのような他のサブシステムを備え、これらのサブシステムのそれぞれが(何らかの様態で)振動の発生に寄与し得る。
【0082】
整数MTFは、本発明に係る方法によって決定される。
【0083】
光振動は、光路に沿って情報を移転する間にコントラストを低下させる。即ち、光振動は、アライメント、描画公差、構成要素の光学的品質、ひとみサイズ等々に関連する。光学的な寄与率は、透過画像検出装置TISによる振動関連測定とは別に、当業者に知られているように、波面干渉計センサ素子によって測定可能である。
【0084】
光学的寄与率に関する第1の測定によって、MTFコントラスト収支を単純化(deconvoluted)することができる。その第1の測定は、本発明に係る方法によって測定された振動関連寄与率に関する第2の測定と比較可能でありかつ相関可能である。
【0085】
提案された分析方法の感度に対する影響を調べるために、かつこれらの方法の適正化のために、疑似インターフェイスを介して雑音をシステム内に故意に導入することができる。導入された雑音は、例えば、正弦掃引、ランダム雑音掃引、又はピンク雑音であり得る。
【0086】
図11は、本発明に係る方法を実施するためのコンピュータ・システムを模式的に示す。
【0087】
コンピュータ・システム8は、周辺機器を含むホスト・プロセッサ21を備える。ホスト・プロセッサ21は、命令及びデータを格納する1つ又は複数のメモリ・ユニット18、19、22、23、24、1つ又は複数の読取りユニット30(例えば、フロッピー(登録商標)・ディスク17、CD−ROM又はDVD20などの読取り用)、入力装置としてのキーボード26及びマウス27、並びに出力装置として、モニタ28及びプリンタ29に接続されている。トラックボール、タッチ・スクリーン、又はスキャナのような他の入力装置ばかりでなく他の出力装置も備え得る。
【0088】
図示のメモリ・ユニットは、RAM22、(E)EPROM23、ROM24、テープ・ユニット19、ハード・ディスク18を含む。しかし、当業者に知られているもっと多くのかつ/又は他のメモリ・ユニットが備わっていてもよいことを理解されたい。さらには、必要であれば、それらの1つ又は複数のユニットが物理的にプロセッサ21から遠隔に配置されていてもよい。
【0089】
プロセッサ21は1つの箱として示されているが、それは、並行して機能するか又は1つの主プロセッサによって制御される幾つかの処理ユニットを含み得る。処理ユニットは、当業者に知られているように、例えば、通信網領域内で相互から遠隔に配置され得る。
【0090】
コンピュータ・システム8は、透過画像検出装置TISに接続される。コンピュータ・システム8と透過画像検出装置TISとの間の接続は、ネットワーク(図示せず)上に配置可能である。このネットワークは、電気通信網を含めて、域内情報通信網又は広域通信網でよい。
【0091】
図11に示したコンピュータ・システム8は、上で説明した本発明に係る方法の工程を実施するように構成されている。即ち、それは走査手順を制御するばかりでなく、測定によって収集されたデータに対するデータ処理も実行することができる。
【0092】
コンピュータ・システムを透過画像検出システムTISに接続するのは、例えば、配線又は無線によって、当業者に知られている任意の方法で実施可能である。
【0093】
コンピュータ構成8のプロセッサ21は、本発明に係る、透過画像検出装置TISによる振動検出及び振動分析する方法を実施するソフトウェア・コードを実行することができる。
【0094】
既に述べたように、上述の構成はリソグラフィ装置における振動検出のためのツールとして使用可能である。実際に、上述の構成はリソグラフィ装置の挙動を分析するための分析ツールとして使用可能である。
【0095】
これを以下でさらに説明する。
【0096】
リソグラフィ装置を使用するとき、システムの再現性及び精度が重要である。従って、このようなシステムの性能を最適化するために、再現性及び精度を診断する必要がある。しかし、このような診断を実行するとき、基板テーブルWTの動作(望ましくない移動)、位置合わせ標識及び基板テーブルWTの位置を測定するために使用されるセンサの動作、測定信号を処理するために使用される電子機器中の雑音等々のような機械の様々な部品の動作を判別することが困難である。
【0097】
基板テーブルWT上の位置合わせ標識AMの位置を測定する位置合わせシステムASの読取りと、基板テーブルWTが駆動されていない間に基板テーブルWTの位置を測定する干渉計IFの読取りとを同時に監視することによって、システムの挙動を分析することができる。基板テーブルWTが駆動されていないとき、原理上は、位置合わせシステムASと干渉計IFの両方の読取りが一致すべきであることが理解されよう。しかし、あらゆる種類の望ましくない振動、望ましくない動き、測定誤差などによって、実際には一致しない。位置合わせシステムASと干渉計IFの両方の読取りを分析し、かつ位置合わせ標識AMの動きに対する位置合わせシステムASの感度に関する情報を使用することによって、システムは下でさらに説明するように診断可能である。
【0098】
図12は、このような分析ツールの一実施例を模式的に示す。図12は、基板テーブルWTの上に配置された基板Wを示す。基板Wには、少なくとも1つの位置合わせ標識AMが設けられている。当然のことであるが、2つ以上の位置合わせ標識AMを設けることもできる。基板W上の位置合わせ標識AMの代わりに又はそれに追加して、位置合わせ標識AMを基板テーブルWT上に設けることもできる。
【0099】
分析ツールは、少なくとも1つの位置合わせ標識AMの位置を測定するための位置合わせシステムASをさらに備える。この位置合わせシステムASは、既に上で詳細に説明した透過画像検出装置TISでよいが、別法による位置合わせセンサASでもよく、それを以下にさらに詳細に説明する。
【0100】
分析ツールは、少なくとも1つの干渉計IFをさらに備える。この干渉計IFは、基板テーブルWTの位置をx方向で測定する(図12に示す座標系を参照されたい)。当然のことであるが、他の干渉計IFが、例えば、基板テーブルWTの位置をy方向(図面の表面に対して直交する)のような他の方向で測定するように設けられ得る。基板テーブルWTには、当業者によって理解されるように、干渉計IFで測定するために使用されるミラーMIが設けられる。干渉計IFを使用して基板テーブルWTの位置をx、y、及びRz方向で測定することができる(Rzはz軸回りの回転位置である)。
【0101】
干渉計IFによって測定された位置情報x、y、Rzを位置制御システムで使用して基板テーブルWTを望ましい位置に維持することができる。これはフィードバック・ループの使用によって実行可能であり、そのループは、基板テーブルWTの位置を絶えず監視し、かつ基板テーブルWTに連結された位置決め装置PWに制御信号を供給して、測定位置と望ましい位置との間に差が検出されるときに基板テーブルWTの位置を調整する。
【0102】
図12は、位置合わせシステムAS及び干渉計IFと通信するように構成されるプロセッサ21をさらに示す。プロセッサ21は位置合わせシステムASを制御するように構成され、干渉計IFは上で説明した測定を実行する。プロセッサ21は、位置合わせシステムAS及び干渉計IFから測定結果を受け取り、これらの測定値を格納し、かつこれらの測定値を提供するようにさらに構成される。プロセッサ21は、図11に示したコンピュータ・システムの一部として構成可能である。
【0103】
当然のことであるが、上で説明した干渉計IFのフィードバック・ループもプロセッサ21によって実行可能である。
【0104】
既に述べたように、ここで説明したツールは、上述の透過画像検出装置TIS、又は任意の他の知られている若しくは開発中のオフアクシス(off−axis)位置合わせセンサのような、全ての種類の位置合わせシステムASと組み合わせて使用可能である。他の位置合わせシステム、例えば、投影系PSのレンズを通過する位置合わせビームを使用する位置合わせシステムも使用可能である。これらの位置合わせセンサは通常、レンズ通過位置合わせセンサ(TTL)と呼ばれる。
【0105】
ここで図13を参照して別法による位置合わせシステムAS’の一実施例を説明する。
【0106】
図13は、位置合わせ標識AMの位置を測定するように構成される別法によるオフアクシス位置合わせセンサAS’を示す。このようなオフアクシス位置合わせセンサAS’は、例えば、2連ステージ式リソグラフィ・システムで知られている、例えば、露光箇所とは異なる測定個所で使用可能である。位置合わせの間、放射ビームがミラーMI1及びレンズL2によって位置合わせ標識AMを照明する。位置合わせ標識AMは、放射の位置合わせビームABを+1、−1、+2、及び−2のような幾つかの回折次数に回折させる。光学要素L1、L2を使用することによって、各組の複数の対応する回折次数(例えば、+1及び−1)が、位置合わせ標識AM’の画像を基準プレートRP上にそれぞれ形成する。基準プレートRPは、測定すべき各組の複数の対応する回折次数のための基準格子RGを備える。それぞれの基準格子RGの背後には、別体の強度検出器Dが基準プレートRP上に設けられた基準格子RGを通過する画像中の放射の強度を測定するように構成される。位置合わせ標識AM’を基準プレートRPに対して(又は逆の様態で)動かすことによって、1つ又は複数の画像に関する最高の強度を有する位置(位置合わせ位置を与える)を見つける。
【0107】
性能を高めるために、幾つかの画像の強度が測定されることが可能であり、かつ位置合わせビームAB放射は多数の色で構成可能である。
【0108】
上に説明した位置合わせシステムASは、透過画像検出装置TIS(図3参照)とも呼ばれるが、基板テーブルWT上の限定的な数の位置のみで使用可能であり、他方で、図13を参照して説明した別法による位置合わせシステムAS’は、基板テーブルWT上の位置で使用可能であるが、基板W自体の上の所望の数の位置でも使用可能であることが理解されよう。
【0109】
ここで説明したツールは、位置合わせ標識AMの位置変化に従って測定強度Iの変動を検出する全ての種類の位置合わせセンサAS、AS’と組み合わせて使用可能である。
【0110】
このような理論上の依存性が図14に模式的に示されている。図14は、位置合わせシステムAS、AS’によって測定された強度Iが、x方向における位置合わせ標識AM(従って基板テーブルWT)の位置の関数であることを示す。当然のことであるが、同様の依存性がy方向でも存在する。図14に示した曲線は正弦曲線の一部であり得るが、そこでは3つの典型的な測定位置を区別することができる。即ち、
T1:強度Iが低い位置であり、実質的に零の傾斜を有する。
T2:強度Iが高い位置であり、実質的に零の傾斜を有する。
T3:強度IがT1とT2との中間にある位置であり、零とは異なる傾斜を有する。
【0111】
最初にT1、T2、及びT3の位置を決定するために位置合わせ走査を実行することができる。これは、位置合わせ標識AM上で位置合わせシステムAS、AS’を走査している間に、即ち、基板テーブルWTをある一定の方向に、例えば、x方向に移動させている間に、位置合わせシステムAS、AS’で強度Iを測定することによって実行可能である。このような走査は、例えば、1.5又は3.0ミリメートル/秒の走査速度で実行可能である。
【0112】
同時に、干渉計IFを使用して基板テーブルWTのx位置が測定される。位置合わせシステムAS、AS’及び干渉計IFによって測定されたデータを組み合わせると、この場合には雑音寄与が含まれるが、図14に示した曲線を与える。
【0113】
次に、0ミリメートル/秒の走査速度を有する位置合わせ測定が実行される。即ち、位置合わせシステムAS、AS’を使用して複数の位置合わせ測定を実行し、他方で同時に干渉計IFを使用して基板テーブルWT(従って位置合わせ標識AM)の位置を測定する。走査速度が零であり、従って位置合わせ標識AMは移動していないので、理論上は、位置合わせシステムAS、AS’及び干渉計IFは一定の読取り値を与えるはずである。しかし、それらの読取り値は、様々な種類の雑音の結果として一定ではない。このような零速度の位置合わせ測定を位置T1、T2、及びT3でそれぞれ実行すること、またこれらの測定の結果を比較することによって、様々な種類の雑音に関する情報を得ることができる。
【0114】
これを実行するために、例えば、毎秒20.000〜40.000サンプルの抽出率で位置合わせセンサAS、AS’及び干渉計IFの読取り値をサンプル抽出することによって、位置T1、T2、及びT3で測定が実行される。図15a、15b、及び15cに示されているように、これらのサンプルの結果を散布図にプロットすることができる。図15a、15b、及び15cの散布図は、位置T1、T2、及びT3でそれぞれ取られた複数の位置合わせ測定値のそれぞれをグラフにプロットすることによって得られるが、そこでは軸IFが干渉計IFによって測定された位置を示し、軸I位置が位置合わせシステムAS、AS’によって測定された強度Iを示す。
【0115】
軸IF位置の方向における散布図の幅は、(例えば、干渉計IFとMIとの間の空気流によって生じた)干渉計IFの測定誤差及び基板テーブルWTの望ましくない動きに関する尺度を表す。下でさらに説明するように、軸Iの方向における散布図の幅は、位置合わせセンサAS、AS’の電子機器によって発生した雑音、光雑音(レーザ雑音)、干渉計雑音、フレーム変形などに関する、位置T1、T2、及びT3に依存する尺度であり得る。
【0116】
図15aは、位置T1で、即ち、図14に示した位置合わせシステムAS、AS’の強度曲線の底で実行された位置合わせ測定値の散布図を示す。この位置では、位置合わせシステムAS、AS’によって測定された光の強度Iが相対的に低く、従って、例えば、散布図の垂直幅に対する光雑音(レーザ雑音)の寄与は相対的に小さい。
【0117】
生成された位置合わせビームABの強度の変動が、位置合わせシステムAS、AS’の測定値における雑音をもたらす。これは光雑音又はレーザ雑音と呼ばれる。
【0118】
同様に、図14に示した位置合わせシステムAS、AS’の強度曲線がT1で平坦である(傾斜が零である)ので、位置合わせシステムAS、AS’の測定値に対する基板テーブルWTの望ましくない動きの寄与は相対的に小さい。従って、基板テーブルWTの振動のような望ましくない動きは、位置合わせセンサAS、AS’の読取り値に対して殆ど影響を与えない。
【0119】
従って、位置T1では、軸I方向の散布図の幅は、位置合わせセンサAS、AS’の電子機器によって発生した雑音が主な原因である。
【0120】
図15cに示すように、位置T2では、図14に示した位置合わせシステムAS、AS’の強度曲線がT2で平坦である(傾斜が零である)ので、この場合も散布図に対する基板テーブルWTの望ましくない動きの寄与が相対的に小さい。しかし、主として位置合わせビームABの光強度Iの変動によって生じた光雑音(レーザ雑音)が、上述の位置T1とは異なりT2では存在する。従って、T2では、軸I方向における散布図の幅は、位置合わせセンサAS、AS’の電子機器(T1と同様に)及び光雑音(レーザ雑音)によって発生した雑音が原因である。
【0121】
最後に、図15bに示すように、位置T3では、T3における軸Iの方向の散布図の幅は、位置合わせセンサAS、AS’の電子機器によって発生した雑音及び光雑音(レーザ雑音)ばかりでなく、基板テーブルWTの振動のような望ましくない動きによって発生した雑音も原因である。基板テーブルWTの位置の変動は、位置T3が、図14に示した位置合わせシステムAS、AS’の強度曲線の傾斜上にあるので、位置合わせセンサAS、AS’による測定の変動をもたらす。基板テーブルWTの位置の変動は、振動及びフレーム変形によって引き起こされ得る。基板テーブルWTの位置の変動は、干渉計IFの測定誤差によっても引き起こされ得る。干渉計IFの読取り値の誤差は、干渉計IFがフィードバック・ループを介して(誤った)読取り値を補正するので、基板テーブルWTの位置の変化をもたらす。
【0122】
上述のように、リソグラフィ装置は異なる方式で使用可能であり、それらの1つはステップ方式と呼ばれ、この方式では投影ビームに付与されたパターン全体が1回で標的部分Cの上に投影される間、マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTは本質的に静止状態に保持される。次いで、異なる標的部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがx方向及び/又はy方向に移動される。
【0123】
一旦、基板テーブルWTがこのようなステップ移動後に停止すると、上述したツールを使用して基板テーブルWT及び干渉計IFの挙動を分析することができる。基板テーブルWTの動きは、システムの安定性を乱すあらゆる種類の影響をもたらす恐れがあり、例えば、干渉計の読取り値に影響し得ることが理解されよう。
【0124】
図16は、基板テーブルWTの動きによって生じる可能性のある干渉計IFに対する影響の一例を模式的に示す。同じ参照符号は前図と同様の物体を指す。
【0125】
図16では、基板テーブルWTが丁度左に移動し、図示の位置に停止したところである。その結果、ミラーMIと干渉計IFとの間に介在する空気又は気体が乱されて、空気の乱流又は層流AFが発生し得る。
【0126】
干渉計IFは、干渉計IFと基板テーブルWT上に設けられたミラーMIとの間の距離を決定する。これを実行するために、干渉計IFは放射ビームRBを生成し、この放射ビームを第1の部分と第2の部分とに分割する。第1の部分は基板テーブルWTのミラーMIに出力され、そこで第1の部分は反射されて干渉計IFに戻る。放射ビームRBの第2の部分と放射ビームRBの反射された第1の部分とを重ね合わせることによって、基板テーブルWTと干渉計IFとの相対位置に関する情報を得ることができる。
【0127】
放射ビームRBの反射された第1の部分と第2の部分との重ね合わせは、干渉計IFとミラーMI(従って、基板テーブルWT)との間の光路長の変化に敏感であり、その変化を使用して干渉計IFとミラーMIとの間の距離を測定することができる。光路長は、干渉計IFとミラーMIとの間の距離に依存するばかりでなく、干渉計IFとミラーMIとの間に介在する空気又は気体の屈折率nにも依存することが理解されよう。温度、湿度などの僅かな変化が屈折率nに影響し、従って干渉計IFの測定値に影響を与える。
【0128】
空気流AFが干渉計IFとミラーMIとの間に介在する空気又は気体を「新たにする」ので、今や空気流AFは温度、湿度などの変化を引き起こし得る。「新たな」空気又は気体は異なる温度及び/又は湿度を有する可能性があり、従って干渉計IFの読取り値に影響を与える。
【0129】
上述したように、干渉計IFはフィードバック・ループ及び位置決め装置PWを介して読取り値の偏差を補正する。これは基板テーブルWTを図17に示すように移動させるが、他方で干渉計読取り値IFは相対的に安定している。
【0130】
図17は、第1のグラフC1及び第2のグラフC2をそれぞれ示し、T3における位置合わせシステムAS、AS’の測定結果及び干渉計IFの測定結果を共に基板テーブルWTが時間tで停止した後の時間の関数としてそれぞれ表す。図15a、15b、及び15cから、基板テーブルWTの最小偏差に伴う位置変動は、位置合わせシステムAS、AS’によって測定された強度Iが基板テーブルWTの位置の変動に最も敏感である位置T3で最も適切に測定可能であることが理解されよう。
【0131】
グラフC2は、基板テーブルWTの位置が移動中であり、かつ基板テーブルWTが完全に停止を完了するまでに時間が掛かることを示す。同時に、干渉計IFの読取り値を表すC1は、フィードバック・ループの結果として相対的に安定している。
【0132】
この分析に基づいて、干渉計IFに対する空気流AFの影響、従ってこのような空気流AFの結果としての干渉計IFの測定誤差を推定することができる。所定の時間の間、位置T3で位置合わせシステムAS、AS’によって測定された強度Iを測定することにより、ステップ後にシステム全体が再び安定するまでの所要時間に適切な尺度が得られる。この時間を決定するために、様々なステップ・サイズ、様々なステップ速度、基板テーブルWTの異なる位置における測定、異なる空気流AFで実験を実施することができる。
【0133】
本発明の他の別法による実施例によれば、本システムは、位置合わせシステムAS、AS’によって時間単位で測定された強度Iと、干渉計IFによって時間単位で測定された位置とを周波数領域にフーリエ変換することによって評価可能である。この分析は、基板テーブルWT、投影系PL(の一部)、マスク・テーブルMT、又は照明系ILなどの、リソグラフィ投影装置の構成要素の共振周波数に関する情報を提供することができる。
【0134】
図18は、位置合わせシステムAS、AS’によって周波数の関数として測定された強度I(左の垂直軸を参照)のフーリエ変換によって得られた強度の第1の分布を表すグラフC3と、干渉計IFによって周波数の関数として測定された位置の強度I(右の垂直軸を参照)のフーリエ変換によって得られた強度Iの第2の分布を表すグラフC4とを示す。この実施例でも、基板テーブルWTの位置(位置合わせ標識AM)に対する位置合わせシステムAS、AS’の最大感度を有するために、位置合わせシステムAS、AS’は位置T3にある。
【0135】
図18で理解できるように、グラフC3、C4は同じ周波数分布を示さない。位置合わせシステムAS、AS’によって測定された強度Iのフーリエ変換を示すC3はf及びfで2つの周波数ピークを示す。一方、干渉計IFの強度のフーリエ変換を示すC4はfで1つの周波数ピークのみを有する。周波数fで示した成分のような両方のフーリエ変換における共通の周波数成分は、例えば、基板テーブルWTの振動によるもの(これらが位置合わせセンサAS、AS’と干渉計IFの両方の読取り値に現れることになるので)であることが理解されよう。
【0136】
非相関の周波数ピークには他の原因がある。例えば、図18に示したfにおけるピークは位置合わせセンサAS、AS’の読取り値のみに見られ、干渉計IFの読取り値には見られない。このピークは、位置合わせシステムAS、AS’の電子機器中の雑音によってもたらされ得る。干渉計IFの読取り値のみに現れる周波数ピークは、フィードバック・ループによって補正される干渉計IFの誤差又は干渉計の光雑音(レーザ雑音)のような、干渉計IF測定のみに影響する原因に関連することになる。読取り値の一方のみに影響し得るもう1つの誤差は、センサの一方のみが投影系PSを通してその測定ビームを誘導するときに投影系PS中で振動するレンズであり得る。
【0137】
一実施例によれば、様々なデータセットが時間単位で選択可能である。例えば、基板テーブルWTによるステップ後に基板テーブルWTが停止を完了してから最初の50ミリ秒間存在する周波数に関連する測定データは、安定化した2秒後の周波数に関連する測定データから分離可能である。
【0138】
従って、一般的に、リソグラフィ装置の性能は、所定の位置において0ミリメートル/秒の走査速度で位置合わせ走査を実施することによって分析可能である。これらの位置は、最小光強度Iを有する第1の位置T1、最大光強度Iを有する第2の位置T2、及び位置合わせ標識AM及び基板テーブルWTの位置に対して最大感度を有する第3の位置T3から選択可能である。それぞれのセンサが異なる雑音挙動を有する同じパラメータ(基板テーブルWT/位置合わせ標識AM位置又は任意の他の物体位置のような)に関する情報を提供する2つのセンサを使用して異なる測定を実施することによってシステムに関する情報を入手することができよう。
【0139】
0ミリメートル/秒の走査速度の位置合わせ走査時に、システムの構成に応じて、例えば、毎秒10.000〜20.000サンプルのサンプル抽出率で、位置合わせシステムAS、AS’及び干渉計IF(x、y、及びRz位置における)の測定データが収集される。
【0140】
基板テーブルWTは、フィードバック・ループ(サーボフィードバック・ループ)を介して干渉計の制御下にある。その結果として、干渉計IFの実際の読取り値は実質的に一定であり、位置合わせシステムAS、AS’によって測定された強度も一定であるはずである。しかし、様々な種類の原因により一定にならない。測定信号の変動の分析によって、システムを分析することができる。異なる測定装置の測定結果を比較することによって、原因を分析しかつ区別することができる。このような比較により、主として2つの測定結果の間に違いを見つけることができる。
【0141】
上に説明した各実施例においては、センサの一方が干渉計であり、他方のセンサが、例えば、透過画像センサ又はレンズ通過センサであることが想定されている。しかし、他の測定構成、即ち、第1のセンサが透過画像センサであり、別のセンサが図13に示したセンサのようなオフアクシス位置合わせセンサである構成なども添付の特許請求の範囲内に入ることが意図されている。一般的に言えば、実施例では、使用される位置センサのいずれか一方が、透過画像検出装置、オフアクシス位置合わせセンサ、レンズ通過位置合わせセンサ、及び干渉計のうちの1つであり得る。
【0142】
上記の方法は、例えば、重ね合わせ及び/又は位置合わせの再現性が想定を超えるときにリソグラフィ装置で使用可能である。本明細書に説明したツールは相対的に迅速に(5分以内に)実行可能であり、かつ追加の材料又は装備を必要としない。試験結果から、リソグラフィ装置のどのサブシステム(例えば、干渉計IF、基板テーブルWT、投影系PL(の一部)、マスク・テーブルMT、又は照明系IL)をさらに観察する必要があるかを決定することができる。
【0143】
上記の方法は、全ての種類の単一ステージ機械ばかりでなく、追加的なテーブルを並行して、即ち、1つ又は複数のテーブル上で予備工程を実行し、他方では1つ又は複数の他のテーブルが露光用に使用されている2連ステージ機械などの全ての種類の多連ステージ機械を含めて、全ての種類のリソグラフィ装置に使用可能である。本明細書に説明したツールを使用して、露光と測定との間のクロストークのような異なるステージ間のクロストークを決定するために使用可能である。
【0144】
露光と測定との間のクロストーク評価では、例えば、露光中の第1の基板テーブルWTの動きが第2の基板テーブルWTに与える影響を調べることができる。これは、上述したように、第1の基板テーブルWT上に位置決めされた基板Wが露光される間に、第2の基板テーブルWT上で0ミリメートル/秒の走査速度で測定走査を実行することによって実施可能である。このような測定は位置T3で実行されることが好ましい。このような試験を実行することによって、第1の基板テーブルWTの移動によって発生した空気流AFが第2の基板テーブルWTの干渉計IFに対して及ぼす影響を分析することができる。
【0145】
以上に説明した全ての方法の少なくとも一部は、プロセッサ21によって実行可能である。従って、本発明は、プロセッサ21にこれらの方法を実行させる、プロセッサ21によって読込み可能なデータ及び命令を含むコンピュータ・プログラム製品にも関する。さらに本発明は、このようなコンピュータ・プログラム製品を含むデータ記憶媒体にも関連する。
【0146】
以上に本発明の特定の実施例を説明したが、本発明は説明したものとは別様に実施可能であることが理解されよう。説明は本発明を限定しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の一実施例に係るリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】透過画像検出装置を模式的に示す図である。
【図3】透過画像検出装置を使用する位置合わせ工程を模式的に示す図である。
【図4a】透過画像検出装置によって検出されたエアリアル画像の典型的な強度分布を示す等高線図である。
【図4b】透過画像検出装置によって検出されたエアリアル画像の典型的な強度分布を示す3次元図である。
【図5】エアリアル画像の頂点強度の静的走査の典型的な測定を示す図である。
【図6a】エアリアル画像の傾斜強度の測定の一例を示す図である。
【図6b】一連のさらなるサンプル抽出過程で干渉計によって同時に測定されたステージ位置の一例を示す図である。
【図7】図6a及び6bの測定に関する傾斜強度対測定ステージ位置を示すグラフである。
【図8】エアリアル画像の傾斜上における強度測定と周波数の関数として同時に行ったステージ位置測定を示すスペクトル強度グラフである。
【図9】周波数の関数としてのエアリアル画像の頂点及び傾斜上における強度測定を示すスペクトル・グラフである。
【図10】時間の関数としてのエアリアル画像の傾斜上の強度測定及び同時に行ったステージ位置測定を示す移動標準偏差グラフである。
【図11】本発明で使用する計算装置を示す模式図である。
【図12】本発明の一態様に係る測定セットアップを模式的に示す図である。
【図13】別法による一実施例に係る別法による測定位置合わせセンサを模式的に示す図である。
【図14】干渉計読取り値の関数として位置合わせセンサの強度を示す模式的なグラフである。
【図15a】本発明に従って異なる位置で実行された測定を示す散布図である。
【図15b】本発明に従って異なる位置で実行された測定を示す散布図である。
【図15c】本発明に従って異なる位置で実行された測定を示す散布図である。
【図16】本発明の別法による一実施例に係る測定装置を模式的に示す図である。
【図17】時間の関数として、位置合わせシステムによって測定された強度及び干渉計読取り値を模式的に示すグラフである。
【図18】位置合わせセンサ及び干渉計の読取り値のフーリエ変換を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0148】
8 コンピュータ・システム
21 ホスト・プロセッサ
AB 位置合わせビーム
AF 空気の乱流又は層流
AM、AM’ 位置合わせ標識
AS、AS’ 位置合わせシステム
C 標的部分
D 強度検出器
I 強度
IF 干渉計
IL 照明系(照明器)
G0 第1の格子
G1 第2の格子(スロット・パターン)
MA パターン形成装置(例えば、マスク)
MT 第1の支持構造(マスク・テーブル)
PB 投影ビーム
PL 投影系
PM 第1の位置決め装置
PS 光センサ素子
PW 第2位置決め装置
RG 基準格子
RP 基準プレート
SL エアリアル画像強度の傾斜
SO 放射源
T1、T2、T3 測定位置
TIS 透過画像センサ
TOP エアリアル画像ピークの頂点
W 基板(ウェーハ)
WS ウェーハ・ステージ
WT 基板テーブル(ウェーハ・テーブル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影平面内の画像位置でエアリアル画像を投影し、
前記エアリアル画像の強度を画像マップにマッピングし、前記画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された前記強度の値とを含むように構成され、
スロット・パターンを通して受け取った前記エアリアル画像の強度を測定することによって、振動関連情報を決定するための方法であって、
さらに、
前記画像マップから前記画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを含み、
前記傾斜部分の前記検出位置で、前記エアリアル画像の時間的強度を測定しかつ前記スロット・パターンと前記画像位置との相対位置を測定するステップを含み、前記スロット・パターンの前記相対位置は前記スロット・パターンの位置関連データとして測定され、
前記エアリアル画像の前記時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記スロット・パターンと前記画像位置との前記相対位置を測定するステップは、走査範囲にわたってサンプル抽出するステップを含み、前記走査範囲は前記スロット・パターンと前記画像位置との前記相対位置の変位を制御することによって画定される、請求項1に記載の透過画像検出方法。
【請求項3】
前記エアリアル画像の前記時間的強度を前記測定するステップは、一定の時間間隔でサンプル抽出するステップを含む、請求項1に記載の透過画像検出方法。
【請求項4】
前記エアリアル画像に関する前記振動関連情報は時間領域の振動データを含む、請求項1に記載の振動関連情報を決定する方法。
【請求項5】
前記エアリアル画像に関する前記振動関連情報は周波数領域の振動データを含む、請求項1に記載の振動関連情報を決定する方法。
【請求項6】
前記振動関連情報は前記振動データのデータ処理に利用される、請求項1に記載の振動関連情報を決定する方法。
【請求項7】
前記スロット・パターンは第2の格子を含む、請求項1に記載の振動関連情報を決定する方法。
【請求項8】
前記データ処理は、前記エアリアル画像の品質に関する尺度として時間ベースの移動標準偏差を提供する、請求項5に記載の振動関連情報を決定する方法。
【請求項9】
前記データ処理は、前記振動関連情報と前記スロット・パターンの位置関連データとの間の相関関係を提供する、請求項5に記載の振動関連情報を決定する方法。
【請求項10】
投影平面内の画像位置で投影されかつエアリアル画像の強度を画像マップの中にマッピングするように構成されたエアリアル画像の振動関連情報を決定するための装置であって、前記画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された前記強度の値とを含むように構成され、
前記装置は、スロット・パターン、感光素子、及び前記感光素子に接続されたコンピュータ・システムを備え、前記感光素子は、前記スロット・パターンを通して受け取った前記エアリアル画像の強度を測定するために前記スロット・パターンに対して所定の位置に配置され、
前記装置は、前記スロット・パターンと前記投影平面内の前記画像位置との相対位置を変位するように構成されており、
振動関連情報を決定するための前記装置は、
前記画像マップから前記画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを実行し、
前記傾斜部分の前記検出位置で、前記エアリアル画像の時間的強度を測定しかつ前記スロット・パターンと前記画像位置との前記相対位置を測定するステップを実行し、前記スロット・パターンの前記相対位置は前記スロット・パターンの位置関連データとして測定され、
前記エアリアル画像の前記時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを実行するように構成される、装置。
【請求項11】
リソグラフィ装置であって、
放射の投影ビームを供給するための照明系と、
前記投影ビームの断面にパターンを付与する役割を果たすパターン形成装置を支持するための支持構造と、
基板を保持するための基板テーブルと、
前記パターン形成したビームを前記基板の標的部分の上に投影するための投影系と、
投影平面内の画像位置で投影されかつエアリアル画像の強度を画像マップの中にマッピングするように構成されたエアリアル画像の振動関連情報を決定するための装置であって、前記画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された前記強度の値とを含むように構成されている装置と、を備え、
前記装置は、スロット・パターン、感光素子、及び前記感光素子に接続されたコンピュータ・システムを備え、前記感光素子は、前記スロット・パターンを通して受け取った前記エアリアル画像の強度を測定するために前記スロット・パターンに対して所定の位置に配置され、
前記装置は前記スロット・パターンと前記投影平面内の前記画像位置との相対位置を変位するように構成されており、
振動関連情報を決定するための前記装置は、
前記画像マップから前記画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを実行し、
前記傾斜部分の前記検出位置で、前記エアリアル画像の時間的強度を測定しかつ前記スロット・パターンと前記画像位置との前記相対位置を測定するステップを実行し、前記スロット・パターンの前記相対位置は前記スロット・パターンの位置関連データとして測定され、
前記エアリアル画像の前記時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを実行するように構成される、リソグラフィ装置。
【請求項12】
デバイス製造方法であって、
基板を提供するステップと、
照明系を使用して放射の投影ビームを供給するステップと、
前記投影ビームの断面にパターンを付与するためにパターン形成装置を使用するステップと、
前記放射のパターン形成したビームを前記基板の標的部分の上に投影するステップと、
振動関連情報を決定するステップであって、
投影平面内の画像位置でエアリアル画像を投影し、
前記エアリアル画像の強度を画像マップにマッピングし、前記画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された前記強度の値とを含むように構成され、
スロット・パターンを通して受け取った前記エアリアル画像の強度を測定する装置によって、振動関連情報を決定するステップと、を含み、
さらに、
前記画像マップから前記画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを含み、
前記傾斜部分の前記検出位置で、前記エアリアル画像の時間的強度を測定しかつ前記スロット・パターンと前記画像位置との相対位置を測定するステップを含み、前記スロット・パターンの前記相対位置は前記スロット・パターンの位置関連データとして測定され、
前記エアリアル画像の前記時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを含む、方法。
【請求項13】
投影平面内の画像位置で投影されかつエアリアル画像の強度を画像マップの中にマッピングするように構成されたエアリアル画像の振動関連情報を決定するための装置であって、前記画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された前記強度の値とを含むように構成されている装置で使用するためのコンピュータ・システムであって、
前記装置は、スロット・パターン、感光素子、及び前記感光素子に接続されたコンピュータ・システムを備え、前記感光素子は、前記スロット・パターンを通して受け取った前記エアリアル画像の強度を測定するために前記スロット・パターンに対して所定の位置に配置され、
前記装置は前記スロット・パターンと前記投影平面内の前記画像位置との相対位置を変位するように構成されており、
前記コンピュータ・システムは、振動関連情報を決定するための前記装置が、
前記画像マップから前記画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを実行し、
前記傾斜部分の前記検出位置で、前記エアリアル画像の時間的強度を測定しかつ前記スロット・パターンと前記画像位置との前記相対位置を測定するステップを実行し、前記スロット・パターンの前記相対位置はスロット・パターンの位置関連データとして測定され、
前記エアリアル画像の前記時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを実行できるようにする、コンピュータ・システム。
【請求項14】
投影平面内の画像位置で投影されかつエアリアル画像の強度を画像マップの中にマッピングするように構成されたエアリアル画像の振動関連情報を決定する装置であって、前記画像マップはサンプル抽出箇所の座標の値とそれぞれのサンプル抽出箇所でサンプル抽出された前記強度の値とを含むように構成されている装置で使用するためにコンピュータ・システムによってロードされるコンピュータ・プログラム製品であって、
前記装置は、スロット・パターン、感光素子、及び前記感光素子に接続されたコンピュータ・システムを備え、前記感光素子は、前記スロット・パターンを通して受け取った前記エアリアル画像の強度を測定するために前記スロット・パターンに対して所定の位置に配置され、
前記装置は前記スロット・パターンと前記投影平面内の前記画像位置との相対位置を変位するように構成されており、
読込み後の前記コンピュータ・プログラム製品は、前記コンピュータ・システムが、
前記画像マップから前記画像マップの傾斜部分の検出位置を決定するステップを実行し、
前記傾斜部分の前記検出位置で、前記エアリアル画像の時間的強度を測定しかつ前記スロット・パターンと前記画像位置との前記相対位置を測定するステップを実行し、前記スロット・パターンの前記相対位置は前記スロット・パターンの位置関連データとして測定され、
前記エアリアル画像の前記時間的強度から前記エアリアル画像に関する振動関連情報を決定するステップを実行できるようにする、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータ・プログラム製品を含むデータ記憶媒体。
【請求項16】
請求項9に記載の振動関連情報を決定する装置の使用であって、振動関連情報を決定する前記装置は光学系のサブシステムであり、前記光学系は他の光学サブシステムを備え、前記使用は、前記光学系の変調伝達関数に対して、前記エアリアル画像に関する前記振動関連情報を導出することを含み、前記変調伝達関数は前記光学系の前記他の光学サブシステムに関する他の寄与率を含む、振動関連情報を決定する装置の使用。
【請求項17】
前記光学系はリソグラフィ装置の投影系である、請求項16に記載の振動関連情報を決定する装置の使用。
【請求項18】
前記コンピュータ・システムにより又は監理情報網上の遠隔システムにより監視することによって、予防保全ツールとして、請求項16又は17に記載の振動関連情報を決定する装置の使用。
【請求項19】
物体が静止している間に第1のセンサによって前記物体に対して第1の位置測定を実行し、かつ前記物体が静止している間に第2のセンサによって前記物体に対して第2の位置測定を実行することによって前記物体の位置を測定する方法であって、前記第1及び第2の位置測定は相互に異なり、前記第1の位置測定と前記第2の位置測定の両方が時間単位で複数のサンプルを抽出し、かつ前記第1の測定及び前記第2の測定を提供する方法。
【請求項20】
前記第1及び第2の位置測定を同時に実行するステップを含む、請求項19に記載の測定方法。
【請求項21】
前記第1及び第2のセンサの測定を比較するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のセンサは、透過画像検出装置、オフアクシス位置合わせセンサ、レンズ通過位置合わせセンサ、及び干渉計のうちの1つである、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のセンサは、透過画像検出装置、オフアクシス位置合わせセンサ、レンズ通過位置合わせセンサ、及び干渉計のうちの1つである、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のセンサは、前記物体上に位置決めされるか又は前記物体上に位置決めされている基板上に位置決めされる位置合わせ標識の位置を測定することによって前記物体の位置を測定する、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
位置合わせビームを生成するステップと、
前記位置合わせビームを前記物体上に位置決めされた位置合わせ標識に誘導するステップと、
前記第1のセンサによって前記位置合わせ標識からの反射ビームを受け取るステップと、
前記第1のセンサを使って前記位置合わせ標識からの前記反射ビームを測定するステップと含み、測定された強度は前記物体の前記位置と共に変化する、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のセンサによって測定された前記強度は、前記物体の前記位置と共に変化し、さらに
前記強度が低く、前記位置の関数として実質的に零の傾斜を有する第1の位置、
前記強度が高く、前記位置の関数として実質的に零の傾斜を有する第2の位置、及び
前記強度が前記第1及び第2の位置の前記強度の中間にあり、零とは異なる傾斜を有する第3の位置の少なくとも1つを有する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1、第2、及び第3の位置の少なくとも1つで複数のサンプルを抽出するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記物体はリソグラフィ装置で使用する基板テーブルである、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記第1及び/又は第2のセンサの前記位置測定を診断するために時間単位でデータセットを選択するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記第1及び/又は第2のセンサの前記位置測定からフーリエ変換を得るステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記物体を移動させ、かつ前記物体を前記移動させるのを停止した直後に前記第1及び第2の位置測定の少なくとも一方を実行するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
物体の位置を測定するシステムであって、前記物体が静止している間に第1の位置測定を実行する第1のセンサと、前記物体が静止している間に第2の位置測定を実行する第2のセンサとを備え、前記第1及び第2の位置測定は相互に異なり、前記第1及び第2のセンサはそれぞれ、前記第1の位置測定及び前記第2の位置測定をそれぞれに行う間に、時間単位で複数のサンプルを抽出するように構成され、前記システムは前記第1の測定及び前記第2の測定を提供するように構成される、システム。
【請求項33】
コンピュータ構成にロードされたとき、請求項19に記載の前記方法を実行するように構成されるコンピュータ・プログラム。
【請求項34】
請求項33に記載のコンピュータ・プログラムを含むデータ記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図4a】
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【図4b】
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【公開番号】特開2006−114888(P2006−114888A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−266329(P2005−266329)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(504151804)エイエスエムエル ネザランドズ ベスローテン フエンノートシャップ (1,856)
【Fターム(参考)】