説明

搬送設備

【課題】本発明は、簡単な構成で、自走台車のエンジン位置をトロリ装置の車体のエンジン取付位置に自動同期させることができる搬送設備を提供することを目的とする。
【解決手段】トロリ装置3に設けた、進み検出用反射板58と遅れ検出用反射板60を、自走台車15に設けた光電スイッチ31,33により検出し、進み検出用反射板58のみが検出されると自走台車15を減速し、遅れ検出用反射板60のみが検出されると、自走台車15を加速する。この構成により、自走台車15をトロリ装置3に同期することができ、この際にトロリ装置3の走行速度を計測し、自走台車15に通信する必要がなく、また自走台車15からトロリ装置3に何ら通信する必要はなく、設備を簡略化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送設備、特に自動車の車体にエンジン等の複数の部品を下から持ち上げ状態で組み付ける、自動車の組立ラインに活用できる搬送設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の上記搬送設備の一例が、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されている搬送設備は、自動車の車体を支持搬送する天井側搬送装置と自動車のエンジンを支持搬送する床側搬送装置とを備え、この床側搬送装置による下部搬送ラインの一部を、天井側搬送装置による上部搬送ラインに上下で対向させている。
【0003】
前記天井側搬送装置は、レールと、車体を支持し前記レールに支持案内されるトロリ装置と、トロリ装置を移動させるチェーン式駆動装置を備え、トロリ装置は、チェーン式駆動装置からの移動力を受けて移動し、以て上部搬送ライン上で車体を所定速度で搬送している。
【0004】
また前記床側搬送装置は、自動車のエンジンを支持し下部搬送ライン上を移動自在な自走台車を有している。この自走台車の本体の中央部には、昇降レバーの操作により昇降する昇降動装置が設けられ、昇降動装置上に左右ガイド装置を介して下位スライド板が設けられ、下位スライド板上に前後スライド装置を介して上位スライド板が設けられ、この上位スライド板に、トロリ装置が支持している車体に組み付けるエンジンを支持する支持部(スキット)が連接されている。
【0005】
またエンジン組立作業者により前記前後スライド装置を使用して、前記支持部が自走台車の本体側に対して設定範囲L以上に前後動されたことを検出する検出装置が設けられ、この検出装置の検出に基づいて、自走台車の移動速度を制御すべく構成されている。前記検出装置は、支持部側となる前記上位スライド板に被検出体(ストライカー)を設けるとともに、前記本体側となる前記下位スライド板に一対の光電スイッチを前記設定範囲Lを得るべく前後方向に離して設けて構成されている。
【0006】
上記構成により、自走台車は、上部搬送ラインの所定位置にトロリ装置が達することで自動走行され、上部搬送ラインを搬送されてきた車体の所定位置にエンジンを対向させた状態で、トロリ装置側に対して自走台車を同期走行させる。このとき自走台車にエンジン組立の作業者が付き、同期走行に合わせて歩行を行う。この歩行の最中に作業者は昇降レバーを操作し、昇降動装置を上昇させる。
【0007】
昇降動装置の上昇は少しずつ行われ、その間に作業者は、左右ガイド装置と前後スライド装置を使用して車体に対するエンジンの最終的な位置修正を行う。すなわち作業者はエンジンに対して位置修正方向に力を付与する。
【0008】
また同期走行は完全に同期し難いものであり、トロリ装置側の移動速度に対して自走台車の走行速度が早く、または遅くなっている。すなわち自走台車の走行速度が早いとき、車体のエンジン取付位置に対してエンジンが前側に位置していることから、作業者は、最終的な位置修正を、前後スライド装置により下位スライド板に対して上位スライド板を後方へ移動させて行い、また自走台車の走行速度が遅いとき、車体のエンジン取付位置に対してエンジンが後側に位置していることから、作業者は、最終的な自走台車のエンジン位置修正を、前後スライド装置により下位スライド板に対して上位スライド板を前方へ移動させて行い、エンジンの組立を行う。
【0009】
このような最終的な位置修正は、位置ずれによる前後方向への移動が設定範囲L内であるときに行われる。しかし車体のエンジン取付位置に対してエンジンが前後方向で大きく位置ずれし、前後方向への修正移動が設定範囲L外の場合もある。
【0010】
すなわち自走台車の走行速度が速いときで、後方への移動が設定範囲L外であるときには、上位スライド板とともに後方へ移動する被検出体が後位の光電スイッチに検出されることになる。すると走行駆動装置へ減速指令が発せられ、以て自走台車はトロリ装置に同期すべく減速走行される。
【0011】
また自走台車の走行速度が遅いときで、前方への移動が設定範囲L外であるときには、上位スライド板とともに前方へ移動する被検出体が前位の光電スイッチに検出されることになる。すると走行駆動装置へ増速指令が発せられ、以て自走台車はトロリ装置に同期すべく増速走行される。
【特許文献1】特開平6−191634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、従来の搬送設備では、エンジンの組立の作業者が、下位スライド板に対して上位スライド板を移動させて、自走台車のエンジン位置をトロリ装置の車体のエンジン取付位置に同期させる作業を実行しており、実際のエンジンの組立作業以外の作業が強いられている。よって、トロリ装置による自動車の車体の搬送速度を上げることができず、全体の組立効率を改善できないという問題があった。
【0013】
このような問題を解決するために、トロリ装置と自走台車の同期自動制御が考えられる。つまり、トロリ装置または自走台車の一方の走行速度を検出し、他方へ送信し、他方の走行速度を一方の走行速度に合わせる制御である。しかし、この同期自動制御では、トロリ装置と自走台車との間の走行速度の通信が必要であり、設備が複雑になるという問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、簡単な構成で、自走台車のエンジン位置をトロリ装置の車体のエンジン取付位置に自動同期させることができる搬送設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、第1部材を支持搬送する天井側搬送装置と第2部材を支持搬送する床側搬送装置とを有し、前記床側搬送装置による下部搬送ラインと前記天井側搬送装置による上部搬送ラインの一部を上下で対向して形成し、前記天井側搬送装置は、前記上部搬送ライン上を移動自在な上部移動体を備え、前記床側搬送装置は、前記下部搬送ライン上を移動自在な下部移動体を備える搬送設備であって、
前記上部移動体または前記下部移動体の一方に、進み検出用反射板と遅れ検出用反射板を、移動方向とは直角な左右方向に平行で、かつ進み検出用反射板を移動方向にずらし一部は互いに対向するように設け、前記上部移動体または前記下部移動体の他方に、前記各反射板に対向して、一対の変速用光電スイッチを、前記左右方向に平行に設け、前記下部搬送ラインと上部搬送ラインが対向されているエリアにおいて、前記一対の変速用光電スイッチにより、前記進み検出用反射板のみが検出されると、前記変速用光電スイッチを設けた前記下部移動体または前記上部移動体は減速され、前記一対の変速用光電スイッチにより、前記遅れ検出用反射板のみが検出されると、前記変速用光電スイッチを設けた前記下部移動体または前記上部移動体は加速されることを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、走行している上部移動体または下部移動体の一方に設けた、進み検出用反射板と遅れ検出用反射板を、上部移動体または下部移動体の他方に設けた変速用光電スイッチにより検出し、進み検出用反射板のみが検出されると、変速用光電スイッチを設けた下部移動体または上部移動体が減速され、遅れ検出用反射板のみが検出されると、変速用光電スイッチを設けた下部移動体または上部移動体が加速される。よって、変速用光電スイッチを設けた下部移動体または上部移動体は、進み検出用反射板と遅れ検出用反射板を設けた上部移動体または下部移動体に同期され、上部移動体の第1部材の位置と下部移動体の第2部材の位置とが自動同期される。このように変速用光電スイッチを設けた下部移動体または上部移動体が同期される際に、進み検出用反射板と遅れ検出用反射板を設けた上部移動体または下部移動体の走行速度を計測して、変速用光電スイッチを設けた下部移動体または上部移動体に通信する必要がなく、設備が簡略化される。また光電スイッチを使用して同期制御が実行されることにより、進み検出用反射板と遅れ検出用反射板を設けた上部移動体または下部移動体の走行速度が増減しても、さらに走行速度の検出に誤差が生じても、何ら障害は発生しない。
【0017】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記進み検出用反射板と遅れ検出用反射板を設けた前記上部移動体または前記下部移動体に、同期開始用反射板を、前記進み検出用反射板と遅れ検出用反射板の一部が対向する位置に設け、前記一対の変速用光電スイッチを設けた前記下部移動体または前記上部移動体に、前記同期開始用反射板に対向して同期開始用光電スイッチを設け、前記下部搬送ラインと上部搬送ラインが対向されているエリアにおいて、前記同期開始用光電スイッチにより同期開始用反射板が検出されると、前記同期開始用光電スイッチを設けた下部移動体または上部移動体は、前記同期開始用反射板を設けた上部移動体または下部移動体に追従する同期走行が開始されることを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、走行している上部移動体または下部移動体に設けた、同期開始用反射板を、下部移動体または上部移動体に設けた同期開始用光電スイッチにより検出すると、同期開始用光電スイッチを設けた下部移動体または上部移動体は、同期開始用反射板を設けた上部移動体または下部移動体に追従して同期走行が開始される。よって、同期開始用反射板を設けた上部移動体または下部移動体から何ら指令を受けなくても、同期開始用光電スイッチを設けた下部移動体または上部移動体の追従走行が開始される。
【0019】
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記進み検出用反射板と遅れ検出用反射板と同期開始用反射板を、前記上部移動体の下部に前記下部搬送ラインに向けて設け、前記一対の変速用光電スイッチと前記同期開始用光電スイッチを、前記下部移動体に前記上部移動体の各反射板に対向して設け、前記一対の変速用光電スイッチにより、前記進み検出用反射板のみが検出されると、前記下部移動体は減速され、前記一対の変速用光電スイッチにより、前記遅れ検出用反射板のみが検出されると、前記下部移動体は加速され、前記同期開始用光電スイッチにより同期開始用反射板が検出されると、前記下部移動体は、前記上部移動体に追従する同期走行が開始されることを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、走行している上部移動体に設けた、進み検出用反射板と遅れ検出用反射板を、下部移動体に設けた変速用光電スイッチにより検出し、進み検出用反射板のみが検出されると下部移動体が減速され、遅れ検出用反射板のみが検出されると下部移動体が加速され、下部移動体は上部移動体に同期され、下部移動体の第2部材の位置が上部移動体の第1部材の位置に自動同期される。また走行している上部移動体に設けた、同期開始用反射板を、下部移動体に設けた同期開始用光電スイッチにより検出すると、下部移動体は上部移動体に追従して同期走行が開始される。よって、上部移動体から何ら指令を受けなくても、下部移動体の追従走行が開始される。
【0021】
また請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明であって、前記下部搬送ラインに沿って、前記下部搬送ラインと上部搬送ラインが対向されているエリアの入口付近に、被検知体を設け、前記下部移動体に、前記被検知体を検知する検知手段を設け、前記下部移動体は、前記検知手段により前記被検知体を検知することにより、前記エリアの入口付近に停止され、前記エリアに進入してきた上部移動体の同期開始用反射板を検出することにより走行が開始されることを特徴とするものである。
【0022】
上記構成によれば、下部移動体は、前記検知手段により前記被検知体を検知することにより、前記エリアの入口付近に停止する。よって、上部移動体から何ら指令を受けなくても、自動停止が実現される。
【0023】
また請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の発明であって、前記床側搬送装置は、前記下部搬送ラインを形成する案内レールと、前記案内レールに沿って移動する前記下部移動体と、前記下部移動体に取り付けられた被作用体と、前記案内レールに沿って配置され、前記下部移動体に取り付けられた被作用体に作用して前記下部移動体を前記案内レールに沿って移動させる移動装置を備えることを特徴とするものである。
【0024】
上記構成によれば、移動装置が被作用体に作用することにより下部移動体は移動され、案内用レールに沿って第2部材が搬送される。この移動装置が被作用体に作用する摩擦駆動方式であり、下部移動体の走行に滑りが生じても、上記加速による滑りは補償され、同期が実現される。また移動装置を、上部搬送ラインの一部と対向しているエリアでは、作業に適した低速で下部移動体を移動させる移動装置とし、それ以外のエリアでは、より高速で移動させる移動装置とすることができ、搬送効率を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の搬送設備は、上部移動体または下部移動体の走行速度を、下部移動体または上部移動体に通信する必要なく、上部移動体の第1部材の位置と下部移動体の第2部材の位置を自動同期させることができ、設備を簡略化できる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における搬送設備の要部側面図である。
図1において、1は天井側搬送装置であり、天井に敷設され、上部搬送ラインmを形成する上部案内用レール(レールの一例)2と、この上部案内用レール2に支持案内され、自走する複数のトロリ装置(上部搬送ラインm上を移動自在な上部移動体の一例)3から構成されている。
【0027】
前記各トロリ装置3はそれぞれ、上部案内用レール2上を走行する駆動輪体3aを支持する駆動トロリ3Aと、上部案内用レール2上を走行する従動輪体3bを支持する従動トロリ3Bと、これらトロリ3A,3Bにて支持され、自動車の車体(第1部材の一例)4を支持する支持装置5と、駆動トロリ3Aに配置され、前記上部案内用レール2に沿って敷設される誘導線路(図示せず)から無接触で給電され、前記駆動輪体3aを駆動することによりトロリ装置3を走行させる走行駆動装置6とを備え、車体4を支持装置5により支持して走行駆動装置6に駆動されて自走し、上部搬送ラインm(上部案内用レール2)に沿って車体4を搬送する。また前記支持装置5は、前後一対のハンガ7と、これらハンガ7に支持され実際に自動車の車体4が載置されるスキッド8から構成されている。
【0028】
また図1および図2において、11は、エンジン(第2部材の一例)12を支持搬送する床側搬送装置であり、床側搬送装置11は、床13に敷設され、下部搬送ラインpを形成する無端状の下部案内用レール(案内レールの一例)14と、下部案内レール14に沿って走行する複数(例えば、5台)の自走台車(下部搬送ラインp上を移動自在な下部移動体の一例)15とから構成されている。
【0029】
前記各自走台車15はそれぞれ、図1に示すように、台車フレームを形成する本体16と、本体16の下部に配置され本体16を支持し下部案内用レール14に案内される複数の従動輪体17と、本体16の下方に水平に前後方向に取り付けられたロードバー(被作用体の一例)18と、本体16の上面に配置され、エンジン12を昇降可能に支持する昇降テーブル19が備えられている。
【0030】
前記昇降テーブル19は、油圧シリンダ等により駆動されるパンタグラフ機構により平行昇降駆動される昇降台20を備えたものであり、昇降台20の上にエンジン12が積載される。また本体16内には、図5に示すように、昇降テーブル19の駆動ユニット21と、制御装置22と、制御装置22に接続された無線送信機23が設けられ、本体16の上部に、無線送信機23に接続されたアンテナ24が設けられている。
【0031】
また図2に示すように、下部案内用レール14に沿って、各自走台車15のロードバー18に作用して自走台車15を走行させる複数の走行装置(移動装置の一例)31が配置されている。なお、走行装置31の1台は必ず、下部案内用レール14に案内される自走台車15のロードバー18に作用するように配置されている。各走行装置31は、ロードバー18の被動側面18aを左右両側から挟む摩擦駆動輪32とバックアップローラー33、および摩擦駆動輪32を駆動するモータ34から構成され、前記摩擦駆動輪32とバックアップローラー33とは、ロードバー18の移動経路、すなわち下部搬送ラインpに対し略直角水平方向に横動可能に支持されると共にバネ(図示せず)によりロードバー18側へ付勢され、摩擦駆動輪32がロードバー18の被動側面18aに確実に圧接するように構成されている。また各走行装置31毎に、自走台車15の在席(有り無し)を、ロードバー18を有無により検出する磁気センサからなる在席検出器36が設けられている。
【0032】
また図2に示すように、床側搬送装置11による下部搬送ラインp(下部案内用レール14)の一部が、天井側搬送装置1による上部搬送ラインm(上部案内用レール2)に上下で対向して形成されて、エンジン組立作業エリアEが設定され、また下部搬送ラインpのエンジン組立作業エリアEに対向した反対のエリアに自走台車15の昇降台20へエンジン12を供給(搭載)するエンジン搭載位置Vが形成されている。またエンジン組立作業エリアEでは、トロリ装置3は一定速度で走行(移動)される。自走台車15の走行速度は、エンジン組立作業エリアEとそれ以外のエリア(エンジン搭載位置Vと後述する待機位置Wを除く)では変えている。すなわち、走行装置31を、エンジン組立作業エリアE(上部搬送ラインmの一部と対向しているエリア)では、トロリ装置3の一定速度に合わせた、作業に適した低速で自走台車15を走行させる走行装置とし、前記それ以外のエリアでは、より高速で走行させる走行装置としている。以下、トロリ装置3と自走台車15の走行方向(移動方向)をx、この走行方向xとは直角な方向を左右方向yとする。
【0033】
またエンジン組立作業エリアEの入口に相当する、下部搬送ラインpより、対向した上部搬送ラインmへ入って自走台車15の姿勢が上部搬送ラインmに平行となる地点に、自走台車15の待機位置Wが設定されている。
【0034】
この待機位置Wには、下部案内用レール14に沿って被停止位置検出体(被検知体の一例)37が配置され、その上流に自走台車15を減速させるための被減速位置検出体38が配置されている。また下部案内用レール14に沿って、待機位置Wから走行を開始した自走台車15へ昇降台20を上昇する地点を示す被上昇位置検出体39が配置され、その下流に、自走台車15へ昇降台20を下降する地点を示す被下降位置検出体40が配置されている。
【0035】
また同様にエンジン搭載位置Vに、下部案内用レール14に沿って被停止位置検出体37’が配置され、その上流に自走台車15を減速させるための被減速位置検出体38’が配置されている。またエンジン載置位置Vには、エンジン12の載置が終了したときに、作業者が操作する作業終了操作スイッチ41(図6)が設けられている。
【0036】
上記被検出体37〜40,37’,38’は、磁石から形成されている。
各自走台車15には、これら被検出体37〜40,37’,38’をそれぞれ検出する磁気センサからなる検出器が設けられている。すなわち、被停止位置検出体37,37’を検出する停止位置検出器(検知手段の一例)25、被減速位置検出体38,38’を検出する減速位置検出器26、被上昇位置検出体39を検出する上昇位置検出器27、被下降位置検出体40を検出する下降位置検出器28が設けられ、図5に示すように、停止位置検出器25の停止位置検出信号と、減速位置検出器26の減速位置検出信号は制御装置22へ入力され、また上昇位置検出器27の上昇位置検出信号と、下降位置検出器28の下降位置検出信号は、昇降テーブル19の駆動ユニット21へ入力されている。駆動ユニット21は、上昇位置検出信号を入力すると昇降テーブル19を駆動して昇降台20を上限位置まで上昇させ、下降位置検出信号を入力すると昇降テーブル19を駆動して昇降台20を下限位置まで下降させる。
【0037】
また図2に示すように、下部案内用レール14の近くに、地上制御盤42が設けられ、この地上制御盤42に、図6に示すように、各自走台車15の無線送信機23およびアンテナ24より送信されてくる自走台車データ(後述する)を受信するアンテナ43および無線受信機44と、各走行装置31のモータ34の駆動装置(インバータ)45と、無線受信機44、各走行装置31のモータ34の駆動装置45、各在席検出器36、および作業終了操作スイッチ41に接続され、各駆動装置45を介してモータ34を制御し、各自走台車15の走行を制御する地上コントローラ46が設けられている。
【0038】
この地上コントローラ46により駆動装置45およびモータ34を介して走行装置31の摩擦駆動輪32が回動され、摩擦駆動輪32がロードバー18に作用することにより自走台車15は走行され、下部搬送ラインp(下部案内用レール14)に沿ってエンジン12が搬送される。
[同期制御]
トロリ装置3と自走台車15が同期制御されているときのトロリ装置3のスキッド8と、スキッド8に支持された車体4のエンジン取付位置と、自走台車15の昇降台20(エンジン12の位置)との位置関係を、図3に示す。
【0039】
図3に示すように、トロリ装置3と自走台車15が同期がとれて走行している同期状態のとき、スキッド8に支持された車体4のエンジン12の取付位置の下方に、自走台車15の昇降台20(エンジン12)が位置している。この自走台車15の昇降台20の後端に、光を上方に垂直に照射する3台の光電スイッチ51,52,53が、左右方向yに平行に取り付けられ、これら光電スイッチ51,52,53の光軸にそれぞれ直角に対向するように反射板を取り付けた3枚のプレート55,56,57をスキッド8の前端に、左右方向yに平行に取り付けている。
【0040】
3枚のプレート55,56,57には、前記各反射板として図4に示すように、左右方向yに平行に、走行方向xに向かって右から順に、進み検出用反射板58、同期開始用反射板59、遅れ検出用反射板60が配置されている。上記同期状態のとき、進み検出用反射板58、同期開始用反射板59、遅れ検出用反射板60は同時に左右方向yに並べた光電スイッチ51,52,53により検出されるように配置され、また進み検出用反射板58と遅れ検出用反射板60はその一部が互いに対向し、進み検出用反射板58は走行方向x側に、遅れ検出用反射板60は走行方向xとは逆の方向側にずらして配置されている。
【0041】
中央の光電スイッチ(同期開始用光電スイッチ)52は、同期開始用反射板59に対応し、照射した光が同期開始用反射板59により反射したことにより、同期開始信号を出力している。また走行方向xの右側に配置された光電スイッチ(変速用光電スイッチ)51は、進み検出用反射板58に対応し、照射した光が進み検出用反射板58により反射したことにより、進み検知信号を出力している。また走行方向xの左側に配置された光電スイッチ(変速用光電スイッチ)53は、遅れ検出用反射板60に対応し、照射した光が遅れ検出用反射板60により反射したことにより、遅れ検知信号を出力している。
【0042】
これら同期開始信号と進み検知信号と遅れ検知信号は、図5に示すように、制御装置22へ入力され、制御装置22は、同期開始信号を入力すると、この同期開始信号を無線送信機23へ出力するとともに、進み検知信号および遅れ検知信号の監視を開始し、いずれの信号も入力しているときは、何の信号を出力せず、進み検知信号のみを入力し、遅れ検知信号を入力していないとき、減速信号を無線送信機23へ出力し、遅れ検知信号のみを入力し、進み検知信号を入力していないとき、加速信号を無線送信機23へ出力する。また制御装置22は、停止位置検出器25の停止位置検出信号を入力すると、この停止位置検出信号を無線送信機23へ出力し、減速位置検出器26の減速位置検出信号を入力すると、この減速位置検出信号を無線送信機23へ出力する。
【0043】
無線送信機23は、制御装置22より、同期開始信号、減速信号、加速信号、停止位置検出信号、減速位置検出信号を入力する毎に、各自走台車15に付された固有のコードを付加して前記自走台車データとして、アンテナ24を介して地上制御盤42へ送信する。
【0044】
地上制御盤42の無線受信機44はアンテナ43を介して、各自走台車15の無線送信機23から送信されてきた自走台車データを受信すると、その自走台車データ(固有のコード付き)を地上コントローラ46へ出力する。
【0045】
この地上コントローラ46は、在席検出器36により、各自走台車15の位置を追跡し、在席している箇所の走行装置31を認識しており、自走台車データ(固有のコード付き)により、減速位置検出信号を入力すると、前記コードにより判別される自走台車15に対応している走行装置31の速度を減速させ、停止位置検出信号を入力すると、前記コードにより判別される自走台車15に対応している走行装置31を停止させる。
【0046】
また地上コントローラ46は、自走台車データ(固有のコード付き)により、同期開始信号を入力すると、前記コードにより判別される自走台車15(待機位置Wに停止中)に対応している走行装置31を駆動して自走台車15の走行を開始し、また作業終了操作スイッチ41の操作信号を入力すると、エンジン搭載位置Vに停止中の自走台車15に対応している走行装置31を駆動して自走台車15の走行を開始する。またエンジン組立作業エリアEに在席している自走台車15から、自走台車データ(固有のコード付き)により、減速信号を入力すると、対応している走行装置31を減速して走行速度を落とし、また加速信号を入力すると、対応している走行装置31を加速して走行速度を増す。
【0047】
また地上コントローラ46は、上述したように、エンジン組立作業エリアEとそれ以外のエリア(エンジン搭載位置Vと待機位置Wを除く)では、自走台車15の所定の走行速度を変えている。
【0048】
また他の自走台車15については、待機位置Wまたはエンジン搭載位置Vに停止中の自走台車15に衝突しないように、前方向(走行方向x)へ移動させている。
上記設備構成によるエンジン組立作業について説明する。
【0049】
まず、待機位置Wにエンジン12を搭載した自走台車15が停止しているとする。この状態で、トロリ装置3が一定速度で走行し、車体4が搬送され、同期開始用光電スイッチ52により同期開始用反射板59が検出されると、同期開始信号が地上コントローラ46へ送信され、地上コントローラ46により、自走台車15に対応する走行装置31が駆動され、待機位置Wに待機していた自走台車15は走行を開始し、トロリ装置3に追従して自走台車15はエンジン組立作業エリアEを走行する。
【0050】
そして、自走台車15において、上昇位置検出器27により被上昇位置検出体39が検出されると、昇降テーブル19の駆動ユニット21により昇降テーブル19が上昇駆動されて、昇降台20が上昇されエンジン12が上限位置まで上昇される。すると、待機していたエンジン組立作業者は自走台車15に沿って歩きながら、エンジン12を車体4に取り付ける。
【0051】
続いて自走台車15において、下降位置検出器28により被下降位置検出体40が検出されると、昇降テーブル19の駆動ユニット21により昇降テーブル19が下降駆動されて、昇降台20が下限位置まで下降される。
【0052】
自走台車15がエンジン組立作業エリアEを走行中に、変速用光電スイッチ51により進み検出用反射板58が検出され、変速用光電スイッチ53により遅れ検出用反射板60が検出されずに自走台車15より減速信号が出力されると、対応している走行装置31が減速されて走行速度が落とされ、また変速用光電スイッチ51により進み検出用反射板58が検出されず、変速用光電スイッチ53により遅れ検出用反射板60が検出されて加速信号が出力されると、走行装置31が加速されて走行速度が増され、トロリ装置3への自走台車15の同期が維持される。
また待機位置Wの自走台車15が走行を開始すると、後続の自走台車15の走行が開始され、待機位置Wに近づき、この後続の自走台車15から減速位置検出信号が出力されると、自走台車15に対応している走行装置31の速度が減速され、停止位置検出信号が出力されると、自走台車15に対応している走行装置31が停止され、後続の自走台車15は待機位置Wに停止する。
【0053】
また同様に、エンジン搭載位置Vに停止している自走台車15にエンジン12が搭載されて、作業終了操作スイッチ41が操作されると、この自走台車15に対応している走行装置31が駆動されて走行を開始し、同時に後続の自走台車15の走行が開始され、待機位置Wに近づき、この後続の自走台車15から減速位置検出信号が出力されると、自走台車15に対応している走行装置31の速度が減速され、停止位置検出信号が出力されると、自走台車15に対応している走行装置31が停止され、後続の自走台車15はエンジン搭載位置Vに停止する。
【0054】
また他の自走台車15については、待機位置Wの自走台車15とエンジン搭載位置Vの自走台車15の走行に応じて、衝突しないように、対応している走行装置31を駆動する。
【0055】
以上のように本実施の形態によれば、トロリ装置3に設けた、進み検出用反射板58と遅れ検出用反射板60を、自走台車15に設けた光電スイッチ51,53により検出し、進み検出用反射板58のみが検出されると自走台車15が減速され、遅れ検出用反射板60のみが検出されると、自走台車15が加速されることにより、自走台車15をトロリ装置3に自動同期させることができ、自走台車15のエンジン12の位置をトロリ装置3の車体4のエンジン取付位置に自動同期させることができ、エンジン12の組立作業を支障なく迅速に進めることができる。この際にトロリ装置3の走行速度を計測し、自走台車15に通信する必要がなく、また自走台車15からトロリ装置3に何ら通信する必要はなく、設備を簡略化することができる。
【0056】
また本実施の形態によれば、同期開始用反射板59を自走台車15に設けた同期開始用光電スイッチ52により検出すると、自走台車15はトロリ装置3に追従して同期走行が開始されることにより、自走台車15を、トロリ装置3から何ら指令信号を受けずに追従走行を開始させることができ、設備を簡略化することができる。
【0057】
また本実施の形態によれば、自走台車15は、停止位置検出器25により被停止位置検出体37を検知して、エンジン組立作業エリアEの入口付近に停止できることにより、自走台車15を、トロリ装置3から何ら信号を受けずに自動停止させることができ、設備を簡略化することができる。
【0058】
また本実施の形態によれば、光電スイッチ51,53の検知信号により同期制御を実行することにより、トロリ装置3の走行速度が増減しても、また走行速度の検出に誤差が生じても、何ら障害は発生せず、また走行装置31の摩擦駆動輪32が回動され、摩擦駆動輪32がロードバー18に作用することにより自走台車15は走行され、下部搬送ラインp(下部案内用レール14)に沿ってエンジン12が搬送されるとき、自走台車15を走行する走行装置31の摩擦駆動輪32とロードバー18の間に滑りが生じても、上記加速により、滑りを補償でき、自動同期を実現することができる。また走行装置31を、エンジン組立作業エリアE(上部搬送ラインmの一部と対向しているエリア)では、作業に適した低速で自走台車15を移動させる走行装置とし、それ以外のエリア(エンジン搭載位置Vと待機位置Wを除く)では、より高速で移動させる走行装置とすることにより、搬送効率を高めることができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、エンジン組立作業者は自走台車15とともに歩いて、エンジン12の組立作業を行っているが、自走台車15を作業者が乗れるように構成し、作業者は歩くことなく、組立を行うようにすることもできる。
【0060】
また本実施の形態では、トロリ装置3に進み検出用反射板58と遅れ検出用反射板60を設け、自走台車15に光電スイッチ51,53を設けているが、逆に自走台車15に進み検出用反射板58と遅れ検出用反射板60を設け、トロリ装置3に光電スイッチ51,53を設けるようにしてもよい。このとき、自走台車15に設けた、進み検出用反射板58と遅れ検出用反射板60を、トロリ装置3に設けた光電スイッチ51,53により検出し、進み検出用反射板58のみが検出されるとトロリ装置3が減速され、遅れ検出用反射板60のみが検出されると、トロリ装置3が加速されることにより、上記実施の形態とは逆に、トロリ装置3を自走台車15に自動同期させることができ、トロリ装置3の車体4のエンジン取付位置を自走台車15のエンジン12の位置に自動同期させることができ、エンジン12の組立作業を支障なく迅速に進めることができる。この際に自走台車15の走行速度を計測し、トロリ装置3に通信する必要がなく、またトロリ装置3から自走台車15に何ら通信する必要はなく、設備を簡略化することができる。
【0061】
また本実施の形態では、トロリ装置3のスキッド8に、反射板58,59,60を設けているが、前方のハンガ7の前端に振り分けて配置するようにしてもよい。また光電スイッチ51,52,53を昇降台20に設けているが、本体16に設けるようにしてもよい。
【0062】
また本実施の形態では、進み検出用反射板58と遅れ検出用反射板60をそれぞれ1個設けているが、さらに1セット、進み検出用反射板と遅れ検出用反射板を追加して配置し、これら追加した進み検出用反射板と遅れ検出用反射板に対向して光電スイッチを設けるようにしてもよい。このとき、2個の進み検出用反射板の一方を第1進み検出用反射板とし、他方を第2進み検出用反射板とし、同期開始用反射板59と遅れ検出用反射板60を検出せずに第1進み検出用反射板を検出すると、第1段階まで減速し、同期開始用反射板59と遅れ検出用反射板60を検出せずに第2進み検出用反射板を検出するとさらに減速して第2段階まで減速する。これにより、大きく進んでいれば、大きく減速して速やかに同期を図ることができる。また2個の遅れ検出用反射板の一方を第1遅れ検出用反射板とし、他方を第2遅れ検出用反射板とし、進み検出用反射板58と同期開始用反射板59を検出せずに第1遅れ検出用反射板を検出すると、第1段階まで加速し、進み検出用反射板58と同期開始用反射板59を検出せずに第2遅れ検出用反射板を検出するとさらに加速して第2段階まで加速する。これにより、大きく遅れていれば、大きく加速して速やかに同期を図ることができる。
【0063】
また本実施の形態では、上部移動体であるトロリ装置3により搬送されている第1部材を自動車の車体4、下部移動体である自走台車15により搬送されている第2部材をエンジン12としているが、このように部材を車体4とエンジン12に限ることはなく、例えば、機械本体とその取付部品の組合せでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態における搬送設備の要部側面図である。
【図2】同搬送設備の自走台車の下部搬送ラインの構成図である。
【図3】同搬送設備のトロリ装置と自走台車が同期状態のときの機器の配置を示す図である。
【図4】同搬送設備の自走台車の光電スイッチの検知信号と、自走台車から出力される信号の関係を説明する図である。
【図5】同搬送設備の自走台車の制御構成図である。
【図6】同搬送設備の地上制御盤の制御構成図である。
【符号の説明】
【0065】
m 上部搬送ライン
p 下部搬送ライン
x 走行方向
y 左右方向
E エンジン組立作業エリア
V エンジン搭載位置
W 待機位置
1 天井側搬送装置
2 上部案内用レール
3 トロリ装置
4 自動車の車体
5 支持装置
6 走行駆動装置
7 ハンガ
11 床側搬送装置
12 エンジン
14 下部案内用レール
15 自走台車
16 本体
17 従動輪体
18 ロードバー
19 昇降テーブル
20 昇降台
21 昇降テーブルの駆動ユニット
22 制御装置
23 無線送信機
24 アンテナ
25 停止位置検出器
26 減速位置検出器
27 上昇位置検出器
28 下降位置検出器
31 走行装置
32 摩擦駆動輪
33 バックアップローラー
34 モータ
36 在席検出器
37,37’ 被停止位置検出体
38,38’ 被減速位置検出体
39 被上昇位置検出体
40 被下降位置検出体
41 作業終了操作スイッチ
42 地上制御盤
43 アンテナ
44 無線受信機
45 駆動装置(インバータ)
46 地上コントローラ
51 変速用光電スイッチ
52 同期開始用光電スイッチ
53 変速用光電スイッチ
58 進み検出用反射板
59 同期開始用反射板
60 遅れ検出用反射板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材を支持搬送する天井側搬送装置と第2部材を支持搬送する床側搬送装置とを有し、前記床側搬送装置による下部搬送ラインと前記天井側搬送装置による上部搬送ラインの一部を上下で対向して形成し、前記天井側搬送装置は、前記上部搬送ライン上を移動自在な上部移動体を備え、前記床側搬送装置は、前記下部搬送ライン上を移動自在な下部移動体を備える搬送設備であって、
前記上部移動体または前記下部移動体の一方に、進み検出用反射板と遅れ検出用反射板を、移動方向とは直角な左右方向に平行で、かつ進み検出用反射板を移動方向にずらし一部は互いに対向するように設け、
前記上部移動体または前記下部移動体の他方に、前記各反射板に対向して、一対の変速用光電スイッチを、前記左右方向に平行に設け、
前記下部搬送ラインと上部搬送ラインが対向されているエリアにおいて、前記一対の変速用光電スイッチにより、前記進み検出用反射板のみが検出されると、前記変速用光電スイッチを設けた前記下部移動体または前記上部移動体は減速され、前記一対の変速用光電スイッチにより、前記遅れ検出用反射板のみが検出されると、前記変速用光電スイッチを設けた前記下部移動体または前記上部移動体は加速されること
を特徴とする搬送設備。
【請求項2】
前記進み検出用反射板と遅れ検出用反射板を設けた前記上部移動体または前記下部移動体に、同期開始用反射板を、前記進み検出用反射板と遅れ検出用反射板の一部が対向する位置に設け、
前記一対の変速用光電スイッチを設けた前記下部移動体または前記上部移動体に、前記同期開始用反射板に対向して同期開始用光電スイッチを設け、
前記下部搬送ラインと上部搬送ラインが対向されているエリアにおいて、前記同期開始用光電スイッチにより同期開始用反射板が検出されると、前記同期開始用光電スイッチを設けた下部移動体または上部移動体は、前記同期開始用反射板を設けた上部移動体または下部移動体に追従する同期走行が開始されること
を特徴とする請求項1に記載の搬送設備。
【請求項3】
前記進み検出用反射板と遅れ検出用反射板と同期開始用反射板を、前記上部移動体の下部に前記下部搬送ラインに向けて設け、
前記一対の変速用光電スイッチと前記同期開始用光電スイッチを、前記下部移動体に前記上部移動体の各反射板に対向して設け、
前記一対の変速用光電スイッチにより、前記進み検出用反射板のみが検出されると、前記下部移動体は減速され、前記一対の変速用光電スイッチにより、前記遅れ検出用反射板のみが検出されると、前記下部移動体は加速され、
前記同期開始用光電スイッチにより同期開始用反射板が検出されると、前記下部移動体は、前記上部移動体に追従する同期走行が開始されること
を特徴とする請求項2に記載の搬送設備。
【請求項4】
前記下部搬送ラインに沿って、前記下部搬送ラインと上部搬送ラインが対向されているエリアの入口付近に、被検知体を設け、
前記下部移動体に、前記被検知体を検知する検知手段を設け、
前記下部移動体は、前記検知手段により前記被検知体を検知することにより、前記エリアの入口付近に停止され、前記エリアに進入してきた上部移動体の同期開始用反射板を検出することにより走行が開始されること
を特徴とする請求項3に記載の搬送設備。
【請求項5】
前記床側搬送装置は、前記下部搬送ラインを形成する案内レールと、前記案内レールに沿って移動する前記下部移動体と、前記下部移動体に取り付けられた被作用体と、前記案内レールに沿って配置され、前記下部移動体に取り付けられた被作用体に作用して前記下部移動体を前記案内レールに沿って移動させる移動装置を備えること
を特徴とする請求項3または請求項4に記載の搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−286501(P2009−286501A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137345(P2008−137345)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】