説明

検査装置、検査方法及び半導体装置の製造方法

【課題】検査対象からの反射光角度の変化に基づいて基板の欠陥を精度よく検査することができる検査装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る検査装置は、赤外光を出射する光源11と、光源11から出射される赤外光を平行光としてウエハ30に略垂直に入射させ、当該ウエハ30からの反射光を導く光学系と、光学系により導かれる反射光のうち、正反射光以外の光を検出するIRカメラ19、20とを備え、光源11からの赤外光を導光する光ファイバ13の出射端面面は、光学系の瞳位置に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の表面形状検査、特に素子基板に支持基板を張り合わせた接合基板の検査に好適な検査装置、検査方法及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、シリコン貫通ビア(TSV:Through Silicon Via)が、半導体デバイスの小型、高集積化及び高性能化を同時に達成できる次世代の半導体実装技術として注目されている。TSVは、半導体チップを垂直に貫通する電極又は配線である。複数のチップを積み重ねてTSVによりチップ相互間を接続することで、3次元集積回路の小型化、大容量化、高性能化を容易に実現することができる。
【0003】
ビアを形成する際、加工時間の短縮と狭ピッチ化を実現するため、ウエハを薄厚化する必要がある。ウエハの薄厚化には裏面研削(バックグラインディング)が実施されている。ウエハの厚さが薄くなるとウエハに反りが発生し易くなり、ハンドリングが困難となる。そこで、ウエハの表面に支持基板(サポート基板)を接着してウエハの裏面を研磨し、研磨が完了した後ウエハから支持基板を除去している。
【0004】
ウエハと支持基板とは、樹脂等の接着層により張り合わせられる。このとき、ウエハと支持基板との間に異物が入る場合がある。また、ウエハと支持基板との間に空気が残留し、気孔(ボイド)が形成される場合がある。この状態でウエハの裏面研磨処理を行った場合、異物やボイドが存在する領域とそれ以外の領域とで、ウエハの厚みがばらつくという問題がある。上述の三次元半導体装置では、ウエハの厚みが異なると、チップ間の接続が取れないことがある。
【0005】
また、近年、CMOS(Complementally Metal Oxide Semiconductor)センサの裏面照射技術(BSI:Backside Illumination)が開発されている。BSIでは、センサの裏面のウエハ側から集光する。BSIを採用したイメージセンサの製造工程おいても、ウエハに支持基板を張り合わせた状態で、ウエハの裏面を削る工程がある。この場合も同様に、ウエハ‐支持基板間の異物等に起因してウエハの厚みがばらつくことがある。このようにウエハの厚みがばらつくと、感度ムラが発生するという問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、ウエハの裏面研磨処理を行う前に、ウエハと樹脂との間の異物等を検出することが望まれている。従来から、2枚のシリコンウエハを張り合わせたSOI(Silicon on Insulator)ウエハの欠陥を検査する検査装置が提案されている(特許文献1、非特許文献1)。これらの検査装置では、SOIウエハに赤外光を照射し、透過或いは反射した光に基づいてボイド等の欠陥を検出している。
【0007】
非特許文献1のように透過照明を用いた場合、ボイドが発生している部分ではフレネル反射が起こるため、この部分の透過光の強度がボイドが発生していない部分のそれよりも弱くなる。これを撮像して得られる画像からボイドが発生している部分とそうでない部分との輝度の差により、SOIウエハの基板間に存在するボイドを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−161569号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「半導体内部観察装置C9597-11」、浜松ホトニクス株式会社、2010年6月、Cat. No. SSMS0001J06
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の検査装置では、照明光の透過光と散乱・回折光の両者を取り込んで撮像し、欠陥部分と非欠陥部分との輝度の差により欠陥を検出している。接着層内部の微小な異物やボイドでは微小な散乱光しか発生せず、この輝度の差も微小なものとなる。従って、このような微小な欠陥の検出が困難であるという問題がある。また、取得した画像から異物が存在しているのか、ボイドが存在しているのかを判別することは困難である。
【0011】
本発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、本発明の目的は、検査対象の欠陥を精度よく検査することができる検査装置、検査方法及びこれを用いた半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様に係る検査装置は、赤外光を出射する光源部と、前記光源部から出射される前記赤外光を平行光として検査対象に略垂直に入射させ、前記検査対象からの反射光を導く光学系と、前記光学系により導かれる反射光のうち、正反射光以外の光を検出する光検出部とを備え、前光源部は、前記光学系の瞳位置に配置されているものである。これにより、検査対象からの反射光角度の変化に基づいて検査対象の欠陥を精度よく検査することができる。
【0013】
本発明の第2の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記光検出部は、2つの光検出器を有し、前記光学系は、前記正反射光以外の光を前記2つの光検出器にそれぞれ導くことを特徴とするものである。これにより、2つの撮像器で取得される画像に基づいて、検査対象の欠陥を精度よく検査することができる。
【0014】
本発明の第3の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記光学系は、光軸に対して対称に配置され、前記検査対象からの正反射光以外の光を反射して前記2つの光検出器にそれぞれ導く2面の反射面を備えるものである。これにより、検査対象からの反射光角度の変化に基づいて検査対象の表面形状の検査を行うことができる。
【0015】
本発明の第4の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記2つの光検出器でそれぞれ取得された輝度情報に基づいて、前記反射面又は前記検査対象の少なくともいずれか一方を移動させる移動機構をさらに備えるものである。これにより、欠陥検出精度を向上させることが可能となる。
【0016】
本発明の第5の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記検査対象は、素子基板と支持基板とが接着層を介して張り合わせられた接合基板であることを特徴とするものである。本発明は、このような検査対象の検査に特に好適である。
【0017】
本発明の第6の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記光源部は、異なる波長の複数の赤外光を切り替えて出射することを特徴とするものである。これにより、検査対象に存在する欠陥の種類を判別することができる。
【0018】
本発明の第7の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記光源部は、前記素子基板で反射される波長の赤外光と、前記素子基板を透過する波長の赤外光とを切り替えて出射することを特徴とするものである。これにより、接合基板間に存在する欠陥の種類を判別することができる。
【0019】
本発明の第8の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記光検出部は4つの光検出器を有し、前記光学系は、前記正反射光以外の光を前記4つの光検出器にそれぞれ導くことを特徴とするものである。これにより、4つの撮像器で取得される画像に基づいて、検査対象の欠陥をより精度よく検査することができる。
【0020】
本発明の第9の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記光学系は、光軸周りに90度毎に配置され、前記検査対象からの正反射光以外の光を反射して前記4つの光検出器にそれぞれ導く4面の反射面を備えるものである。これにより、検査対象からの反射光角度の変化に基づいて検査対象の表面形状の検査をより精度よく行うことができる。
【0021】
本発明の第10の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記光源部は、前記赤外光を導光し、出射端面面が前記光学系の瞳位置に配置された光ファイバをさらに備えるものである。
【0022】
本発明の第11の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記光源部は、前記検査対象に面状の赤外光を照射し、前記光検出部は、前記検査対象の像を撮像することを特徴とするものである。
【0023】
本発明の第12の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記光源部は、前記検査対象に面状の赤外光を照射し、前記光検出部は、前記検査対象の像を撮像し、前記移動機構は、前記光検出部で取得された画像中の欠陥部分以外の輝度情報に基づいて、前記反射面又は前記検査対象の少なくともいずれか一方を移動させるものである。
【0024】
本発明の第13の態様に係る検査装置は、上記の検査装置において、前記光源部は、前記赤外光のビームを反射して前記検査対象をライン走査する回動可能な回動ミラーをさらに備えるものである。これにより、欠陥検出感度を向上させることができる。
【0025】
本発明の第14の態様に係る検査方法は、光学系の瞳位置に配置された光源部から出射される赤外光を平行光として検査対象に略垂直に入射させ、前記検査対象からの反射光のうち、正反射光以外の光を光検出部により検出し、前記光検出部により得られた輝度情報に基づいて前記検査対象の欠陥を検出する。これにより、検査対象からの反射光角度の変化に基づいて検査対象の欠陥を精度よく検査することができる。
【0026】
本発明の第15の態様に係る検査方法は、上記の検査方法において、前記正反射光以外の光を前記光検出部の異なる2つの光検出器にそれぞれ導く。これにより、2つの撮像器で取得される画像に基づいて、検査対象の欠陥を精度よく検査することができる。
【0027】
本発明の第16の態様に係る検査方法は、上記の検査方法において、光軸に対して対称に配置された2面の反射面により、前記検査対象からの正反射光以外の光を前記光検出部の異なる2つの光検出器にそれぞれ導く。これにより、検査対象からの反射光角度の変化に基づいて検査対象の表面形状の検査を行うことができる。
【0028】
本発明の第17の態様に係る検査方法は、上記の検査方法において、前記2つの光検出器でそれぞれ取得された輝度情報に基づいて、前記反射面又は前記検査対象の少なくともいずれか一方を移動させる。これにより、結果検出精度を向上させることが可能となる。
【0029】
本発明の第18の態様に係る検査方法は、上記の検査方法において、異なる波長の複数の赤外光を切り替えて前記検査対象に照射することを特徴とする。これにより、検査対象に存在する欠陥の種類を判別することができる。
【0030】
本発明の第19の態様に係る検査方法は、上記の検査方法において、前記検査対象は、素子基板と支持基板とが接着層を介して張り合わせられた接合基板であり、前記素子基板で反射される波長の赤外光と、前記素子基板を透過する波長の赤外光とを切り替えて前記検査対象に照射することを特徴とする。これにより、接合基板間に存在する欠陥の種類を判別することができる。
【0031】
本発明の第20の態様に係る検査方法は、上記の検査方法において、前記検査対象からの正反射光以外の光を前記光検出部の異なる4つの光検出器にそれぞれ導く。これにより、4つの撮像器で取得される画像に基づいて、検査対象の欠陥をより精度よく検査することができる。
【0032】
本発明の第21の態様に係る検査方法は、上記の検査方法において、光軸周りに90度毎に配置された4面の反射面により、前記検査対象からの正反射光以外の光を前記異なる4つの光検出器にそれぞれ導く。これにより、検査対象からの反射光角度の変化に基づいて検査対象の表面形状の検査をより精度よく行うことができる。
【0033】
本発明の第22の態様に係る検査方法は、上記の検査方法において、前記検査対象に面状の赤外光を照射して、前記検査対象の像を撮像することを特徴とする。
【0034】
本発明の第23の態様に係る検査方法は、上記の検査方法において、前記検査対象に面状の赤外光を照射して、前記検査対象の像を撮像し、前記光検出部で取得された画像中の欠陥部分以外の輝度情報に基づいて、前記反射面又は前記検査対象の少なくともいずれか一方を移動させる。
【0035】
本発明の第24の態様に係る検査方法は、上記の検査方法において、回動ミラーにより前記赤外光のビームを反射して前記検査対象をライン走査する請求項14〜21のいずれか1項に記載の検査方法。
【0036】
本発明の第25の態様に係る半導体装置の製造方法は、上記いずれかに記載の検査方法を用いて、素子基板と支持基板とが接着層を介して張り合わせられた接合基板の欠陥の検査を行い、検査後の接合基板における素子基板の裏面を研磨し、前記支持基板を剥離する。これにより、接合基板を用いて製造される半導体装置の品質を向上することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、検査対象からの反射光角度の変化に基づいて基板の欠陥を精度よく検査することができる検査装置、検査方法及びこれを用いた半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施の形態1に係る検査装置の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る検査装置において接合基板を検査している状態を説明する図である。
【図3】実施の形態1に係る検査装置において接合基板を検査している状態を説明する図である。
【図4】実施の形態1に係る検査装置の感度について説明する図である。
【図5】実施の形態2に係る検査装置において接合基板を検査している状態を説明する図である。
【図6】実施の形態2に係る検査装置において接合基板を検査している状態を説明する図である。
【図7】本発明に係る検査装置において用いられるミラーのその他の構成を示す図である。
【図8】実施の形態2に係る検査装置の構成を示す図である。
【図9】実施の形態2に係る検査装置において接合基板を検査している状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。
【0040】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る検査装置の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る検査装置10の構成を示す図である。図1に示すように、検査装置10は、光源11、レンズ12、光ファイバ13、対物レンズ14、X−Yステージ15、ミラー16、結像レンズ17、18、IRカメラ19、20、比較器21、コントローラ22、ステージ23を備えている。
【0041】
ここでは、検査対象として、接合基板30を例として説明する。まず、接合基板30について説明する。接合基板30は、貫通電極を有する半導体装置の製造工程における中間製品である。接合基板30は、素子基板31、金属パターン32、支持基板33、粘着層34を有する。素子基板31は、シリコンウエハ等の半導体基板である。素子基板31には、当該基板中に埋め込まれた図示しない貫通電極と、その貫通電極に接続された金属パターン32が形成されている。
【0042】
素子基板31の素子基板31の金属パターン32が形成された面には、支持基板33が粘着層34を介して張り合わせられている。支持基板33として、例えば石英、ガラス又はシリコンウエハが用いられる。素子基板31の金属パターン32が形成された面の裏面を研磨して、貫通電極の端子面を露出させた後に支持基板33を除去することにより、貫通電極を備える半導体装置が製造される。
【0043】
粘着層34としては、剥離可能な材質が用いられる。粘着層34として、例えば熱可塑性の接着剤を用いた場合、加熱により接着層34を軟化させることにより、支持基板33の張り合わせおよび除去を行うことができる。検査装置10は、特に、このような接合基板30の素子基板31と支持基板33との間の異物又はボイド等の検査に好適である。
【0044】
素子基板31と支持基板33との間に異物が存在する場合、接合基板30の厚みが厚くなる。このとき、裏面研磨を行うと、異物が存在する部分の素子基板31の厚みが他の部分よりも薄くなる。また、裏面研磨は圧力をかけて行われるため、素子基板31と支持基板33との間にボイドが存在すると裏面研磨中に接合基板30のボイドが存在する部分の厚みが薄くなる。このため、ボイドが存在する部分の素子基板31の厚みが他の部分よりも厚くなる。
【0045】
本発明に係る検査装置10は、このような接合基板30の裏面研磨を行う前に、接合基板30の厚みのムラ、すなわち、接合基板30の表面形状を検査するものである。すなわち、検査装置10は、接合基板30において周囲に対して凹状又は凸状となる欠陥又はボイド等を検査することができる。
【0046】
なお、本発明に係る検査装置は接合基板30の検査に限定されるものではなく、他の基板の表面形状の検査を行うことも可能である。例えば、裏面照射型のCMOSイメージセンサの製造工程におけるSOI(Silicon On Insulator)基板の検査にも適用可能である。また、接合基板だけでなく、基板の表面形状の検査を行うことも可能である。
【0047】
光源11は、接合基板30に照射される赤外光を出射するレーザ光源である。光源11としては、例えば、中心波長1310nmや1550nmのSLED(Super luminescent Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)を用いることができる。一般的に、検査光が照射される側に配置される支持基板33としてシリコンウエハが用いられるため、シリコンを透過する波長の赤外光を出射する光源が用いられる。光源11としては、SLEDを用いることが好ましい。これにより、スペックルノイズの発生を抑制することができる。
【0048】
光源11から出射された赤外光は、レンズ12により集光され光ファイバ13の入射端面に入射する。光ファイバの内部に取り入れられた赤外光は光ファイバ内を導光され、出射端面から出射する。光ファイバ13としては、例えば120μmの外径のシングルモードファイバを用いることができる。本実施の形態においては、特許請求の範囲に記載の光源部は、光源11、レンズ12、光ファイバ13を含む。
【0049】
光源部は、光ファイバ13の出射端から赤外光を出射する点光源となっている。光ファイバ13の出射端面は、後述する光学系の瞳位置と共役な位置に配置されている。すなわち、光源部の光出射位置は、光学系の瞳位置と共役な位置である。本実施の形態では、光学系の瞳は、対物レンズ14の射出瞳と一致する。
【0050】
光ファイバ13の出射端面から出射された赤外光は、対物レンズ14に入射する。対物レンズ14は入射する赤外光を平行光として、接合基板30の検査領域全体に照射する。すなわち、対物レンズ14はコリメートレンズとしての役割を担っている。接合基板30は、X−Yステージ15上に載置されている。ここでは、素子基板31がX−Yステージ15に当接するように接合基板30がX−Yステージ15上に載置されている。X−Yステージ15はX−Y方向に移動可能である。これにより、光ファイバ13から照射される赤外光により接合基板30の全面を走査することができる。
【0051】
接合基板30の赤外光が照射される側の面は平坦面であり、対物レンズ14で導かれる平行光に対して略垂直に配置される。すなわち、対物レンズ14の光軸が、接合基板30の赤外光が照射される側の面に対して略垂直となっている。従って、接合基板30に照射される赤外光は、NAが0のコヒーレント照明となる。素子基板31と支持基板33との間に欠陥がない場合、接合基板30の各面(素子基板31の表面、裏面及び支持基板33の表面、裏面)は光軸に対して略垂直になっている。接合基板30で正反射された平行光は、再び対物レンズ14へと入射し、対物レンズ14によって光ファイバ13の出射端面に集光される。
【0052】
なお、戻り光雑音を防止するために、光ファイバ13と対物レンズ14との間にファラデーアイソレータを設けてもよい。又は、再び光ファイバ13に戻る光をミラー16が配置されていない方向(図1において前後方向)にずらすようにしてもよい。
【0053】
ミラー16は、接合基板30で正反射された赤外光以外の赤外光を反射して結像レンズ17又は18に導く。ミラー16は、光軸に対して対称に配置された2つの反射面16a、16bを有する。本実施の形態においては、ミラー16は2つの直角ミラーで構成されている。2つの直角ミラーの間に光ファイバ13が配置されている。
【0054】
2つの直角ミラーの斜辺がそれぞれ反射面16a、16bとなっている。反射面16aと反射面16bとは所定の間隔をもって配置されている。反射面16aと反射面16bとの間に光ファイバ13の出射端面が配置される。反射面16aは、接合基板30から当該反射面16aに入射した光を反射して結像レンズ17に入射させ、IRカメラ19に導く。反射面16bは、接合基板30から当該反射面16bに入射した光を反射して結像レンズ18に入射させ、IRカメラ20に導く。
【0055】
結像レンズ17、18は、接合基板30からの正反射光以外の光をIRカメラ19、20の結像面にそれぞれ結像させる。従って、特許請求の範囲に記載の光学系は、対物レンズ14、ミラー16、結像レンズ17、18を含む。対物レンズ14は、光源11からの赤外光を平行光として接合基板30に導くコリメートレンズの役割を果たすとともに、テレセントリックレンズとしての役割も果たす。
【0056】
2つのIRカメラ19、20は、上記の光学系により結像された接合基板30の検査領域の像を撮像する。IRカメラ19、20により取得された画像に基づいて接合基板30の検査領域における欠陥を検出することができる。
【0057】
ここで、図2、3を参照して、接合基板30の素子基板31と支持基板33との間に欠陥として異物35が存在している場合について説明する。図2、3は、検査装置10において異物35が介在している接合基板30を検査している状態を説明する図である。
【0058】
検査領域中において傾斜がない場合、接合基板30に入射した赤外光は光ファイバ13の出射端面に戻る。従って、接合基板30の検査領域中に欠陥がない場合、IRカメラ19、20で取得される画像は、全体が暗い画像となる。
【0059】
図2に示すように、異物35が存在する部分では、支持基板33の一部が盛り上がり、傾斜が発生する。図2のように、検査領域中に右上がりの傾斜がある場合、当該傾斜部分に入射する赤外光は、光ファイバ13の出射端面に戻らず、ミラー16の反射面16bに入射する。この赤外光は反射面16bで反射され、結像レンズ18によりIRカメラ20に導かれる。
【0060】
一方、検査領域中において傾斜がない部分に入射する赤外光は、光ファイバ13の出射端面に戻る。従って、IRカメラ20で取得される画像では、検査対象面である素子基板31の表面に傾斜が存在する部分のみが明るく、他の部分が暗くなる。すなわち、検査装置10は、暗視野照明の検査装置となっている。このように、本発明に係る検査装置10では、検査対象からの反射光角度の変化に基づいて検査対象の欠陥を検査することができる。また、暗視野照明の検査装置では、背景光が暗いためショットノイズが抑えられるという効果も有する。
【0061】
検出したい欠陥のサイズは、通常数μmから数十μmである。異物35がある場合、素子基板31又は支持基板33には異物35のサイズよりも大きい領域で傾斜が発生することとなる。このため、異物35そのものを検出する場合と比較して、IRカメラ19、20のピクセルサイズを大きくすることができる。例えば、IRカメラ19、20のピクセルサイズを50μmとすることができる。これにより、接合基板30全体の欠陥検出に係る時間を短縮して、高速に検査を行うことができる。
【0062】
図3のように、検査領域中に左上がりの傾斜がある場合、当該傾斜部分に入射する赤外光は、光ファイバ13の出射端面に戻らず、ミラー16の反射面16aに入射する。この赤外光は反射面16aで反射され、結像レンズ17によりIRカメラ19に導かれる。また、上記と同様に、検査領域中において傾斜がない部分に入射する赤外光は、光ファイバ13の出射端面に戻る。従って、IRカメラ19で取得される画像では、検査対象面である素子基板31の表面に傾斜が存在する部分のみが明るく、他の部分が暗くなる。
【0063】
このように、本実施の形態では接合基板30の同じ領域を同時に別の2つのIRカメラ19、20で観察することができる。いずれのIRカメラで欠陥が検出されたかによって、支持基板33に発生した傾斜の方向を特定することができる。このように、本実施の形態では、光軸に対して対称に反射された2つの反射面16a、16b及び2つのIRカメラ19、20を有していることにより、接合基板30からの反射光角度の変化に基づいてその表面形状を検査することができる。
【0064】
なお、図2、3に示す例では、異物35が存在する部分で支持基板33の一部が盛り上がり、傾斜が発生しているが、素子基板31が変形することもありうる。このような場合でも、支持基板33を透過した赤外光が傾斜する素子基板31や金属パターン32で反射されるため、欠陥の検出が可能である。素子基板31や支持基板33の表面や裏面、金属パターン32に照射される赤外光に対して垂直でない部分が存在する場合、当該部分から反射された光がIRカメラ19、20により検出される。
【0065】
また、素子基板31と支持基板33との間にボイドが存在する場合は、素子基板31、支持基板33の各面は照射される赤外光に対して垂直であるが、ボイド面が当該赤外光すなわち光軸に対して斜めになる。この場合、ボイド面において反射或いは屈折した光が、瞳位置で横にずれてミラー16で反射し、IRカメラ19又は20により検出される。従って、上述と同様に、ボイドが存在する欠陥部分は画像内で明るい部分として観察される。
【0066】
従来、接合基板の検査は、赤外線の反射光又は透過光の輝度変化によって欠陥を検出していた。このため、接着層内部の微小な異物やボイドでは微小な散乱光しか発生せず、この輝度変化も微小なものとなるため、欠陥の検出が困難であるという問題があった。本発明では、反射光角度の変化に基づいて欠陥の検査を行うため、接着層34内部の微小な異物やボイドでも高感度で検出を行うことができる。
【0067】
欠陥の検出は、IRカメラ19、20によって取得される画像に基づいて、目視により判定することができる。又は、これらの画像を用いて、欠陥を判定する欠陥判定部を設けてもよい。欠陥判定部は、欠陥がない部分の輝度と欠陥がある部分の輝度との差がある閾値を超えた場合に欠陥と判定することが可能である。或いは、同じ場所を観察している2つのカメラ19、20で取得された画像における輝度の差が、ある閾値を超えた場合に欠陥と判定してもよい。
【0068】
なお、素子基板31上に形成された金属パターン32による散乱光、回折光の影響により、実際には欠陥がないにも関わらず欠陥があるように判定される疑似欠陥が検出される場合がある。このような回折光、散乱光は、光軸とのなす角度が大きい場合が多い。従って、疑似欠陥の検出を防止するように、ミラー16の大きさを小さくすることが好ましい。または、回折光、散乱光がミラー16に入射しないように、絞りを設けることも可能である。これにより、欠陥検出精度を向上させることができる。
【0069】
また、回折光、散乱光は、左右に配置された2つのIRカメラ19、20のそれぞれに同じように検出される場合もある。従って、IRカメラ19、20から得られるそれぞれの画像に差がある場合に欠陥と判定してもよい。また、金属パターン32は、繰り返しパターンであるため、Die to Die検査又はDie to リファレンス検査のように一定の間隔で検出されるものを欠陥と判定しないようにしてもよい。
【0070】
ここで、図4を参照して、検査装置10における欠陥検出感度について説明する。図4は、検査装置10の欠陥検出感度を説明する図である。ここでは、接合基板30に、凸状の欠陥があるものとする。対物レンズ14からから接合基板30までの距離をd、光ファイバ13の出射端面とミラー16の一方の反射面16aまでの距離をdとするろ、検査装置10において検出できる欠陥の接合基板30表面からの高さをΔは、以下の式で表わされる。
2Δ=d/f
【0071】
例えば、f=250mm、d=0.5mmのとき、Δ=1/1000となる。このように、本発明によれば、異物によって生じる傾斜がわずかなものであっても、高感度に検出することができる。なお、反射面16a、16bの間の距離は、できるだけ狭いほうが好ましい。反射面16a、16b間の距離が狭いほど感度を向上させることができる。なお、2つの直角ミラーの位置を可変として、欠陥検出感度を変化させることも可能である。
【0072】
ここで、図1に戻って、検査装置10のさらなる構成要素について説明する。検査装置10は、上述した構成要素に加えて、比較器21、コントローラ22、ステージ23をさらに備えている。接合基板30のわずかな傾斜を検出するためには、接合基板30に対して正しい角度で照明することが重要である。そこで、本実施の形態では、2つのIRカメラ19、20で取得される画像の全体的な明るさを等しくするようなサーボ制御を行う。
【0073】
比較器21は、IRカメラ19、20で取得される画像の平均輝度を算出し、これを比較する。取得された画像中に他の部分よりも明るい欠陥部分が含まれる場合には、比較器21は当該欠陥部分を除いた平均輝度を算出する。コントローラ22は、比較器21による比較結果に基づいて、ミラー16が取り付けられたステージ23を移動させる。
【0074】
すなわち、コントローラ22は、画像中の欠陥部分以外の輝度情報に基づいて、ミラー16を移動させる。コントローラ22は、例えば、比例制御(Proportional Control)、積分制御(Integral Control)、微分制御(Derivative Control)を行うPID制御機能を有する。これにより、接合基板30に対して垂直に赤外光を照射することができ、より正確に欠陥を検出することが可能である。
【0075】
なお、本実施の形態では、ミラー16を移動させる構成としたが、X−Yステージ15にチルト機構を設け、2台のカメラで検出される画像の全体的な輝度を等しくするような制御を行うようにしてもよい。
【0076】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る検査装置について図5、6を参照して説明する。図5、6は、本発明の実施の形態2に係る検査装置10Aにおいて接合基板を検査している状態を説明する図である。検査装置10Aは、検出される欠陥の種類を判別することができる。
【0077】
本実施の形態においては、光源11は、異なる波長の複数の赤外光を切り替えて出射する。光源11は、支持基板33で反射される波長の赤外光と、支持基板33を透過する波長の赤外光とを切り替えて出射する。例えば、光源11は、中心波長1310nmと980nmの2つの波長の赤外光を制御に応じて出射する。
【0078】
検査光が照射される側に配置される支持基板33としては、通常シリコンウエハが用いられる。素子基板31と支持基板33との間にボイドが存在する場合は、素子基板31、支持基板33の各面は照射される赤外光に対して垂直であるが、ボイド面が当該赤外光に対して斜めになる。
【0079】
図5に示すように、光源11から支持基板33を透過する中心波長1310nmの赤外光が出射された場合、ボイド面において反射或いは屈折した光が、瞳位置で横にずれてミラー16で反射し、IRカメラ19又は20により検出される。従って、ボイドが存在する欠陥部分は画像内で明るい部分として観察される。
【0080】
一方、図6に示すように、光源から支持基板33で反射する中心波長980nmの赤外光が出射された場合、照射された赤外光は、当該赤外光に対して垂直な支持基板33の表面で反射され、光ファイバ13の出射端面に戻る。従って、IRカメラ20で取得される画像は、全体が暗い画像となる。このように、支持基板33自体に傾斜が発生していない、ボイドによる欠陥がある場合には、波長を切り替えることにより、IRカメラ19、20で取得される画像が異なる。
【0081】
これに対し、実施の形態1で説明したように、素子基板31と支持基板33との間に異物による欠陥が存在し、支持基板33の表面に傾斜面が存在する場合には、光源11から出射される赤外光の波長を切り替えても、異物が存在する欠陥部分が明るい画像が取得される。このように、支持基板33を透過する波長と反射する波長とを切り替えて出射することにより、素子基板31、支持基板33間にボイドがあるのか異物があるのかを判別することが可能となる。
【0082】
なお、上記の実施の形態では、ミラー16として2つの直角ミラーを用いたが、これに限定されない。図7に示すように、2つの直角ミラーの代わりに2枚の平行平板ミラーを用いてもよい。この場合、光ファイバ13を用いず、光源11から出射されレンズ12で集光された赤外光がミラー16の反射面16a、16bの間に配置される。これにより、光ファイバ13を用いるよりも反射面16a、16bの距離を短くすることができ、検査感度をさらに向上させることが可能となる。
【0083】
また、ミラー16が2つより多くの反射面を有していてもよい。例えば、ミラー16が光軸周りに90度毎に配置された4面の反射面を有していてもよい。このようなミラー16としては、例えば、ピラミッド型の4面の反射面を有するものを用いることができる。こピラミッド型のミラー16の頂点に光源部の赤外光出射部が設けられる。例えば、光ファイバ13の出射端面がピラミッド型のミラー16の頂点に配置される。
【0084】
そして、これら4面の反射面からの反射光をそれぞれ受光する4つのIRカメラが設けられる。これら4つのIRカメラにより撮像することにより、垂直、水平方向のそれぞれの接合基板30の変形を捉えることが可能となる。これにより、接合基板30の欠陥、すなわち表面形状をより精度よく検査することが可能となる。
【0085】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る検査装置の構成について、図8を参照して説明する。図8は、本実施の形態に係る検査装置10Aの構成を示す図である。図8において、図1〜7と同一の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。図8に示すように、検査装置10Aは、光源11、対物レンズ14、ミラー16、結像レンズ17、18、光スキャナ40、ラインセンサ42、43を備えている。
【0086】
光スキャナ40は、2枚の平行平板ミラーの反射面16a、16bの間に配置されている。光スキャナ40は、回動軸を中心として回動する回動ミラー41を備えている。回動ミラーとしては、例えばMEMS(micro electro mechanical system)ミラー、ポリゴンミラー等を用いることができる。反射面16a、16bの間には、間隙(スリット)が形成されており、この間隙に回動ミラー41が配置される。本実施の形態においては、特許請求の範囲に記載の光源部は、光源11と回動ミラー41を含む。
【0087】
光源11から出射された赤外光は、回動ミラー41によって反射されて対物レンズ14に入射する。本実施の形態では、回動ミラー41が光源部の出射端面となる。回動ミラー41は、後述する光学系の瞳位置と共役な位置に配置されている。すなわち、回動ミラー41は、対物レンズ14の瞳に配置されている。
【0088】
対物レンズ14は入射する赤外光をコリメートして、接合基板30にスポット照射する。光スキャナ40の回動ミラー41を、回動軸を中心として回動させることにより、対物レンズ14でコリメートされたビームによりラインスキャンすることができる。
【0089】
接合基板30の赤外光が照射される側の面は平坦面であり、対物レンズ14で導かれるビームに対して略垂直に配置される。素子基板31と支持基板33との間に欠陥がない場合、接合基板30の各面(素子基板31の表面、裏面及び支持基板33の表面、裏面)は光軸に対して略垂直になっている。接合基板30で正反射されたビームは、再び対物レンズ14へと入射し、対物レンズ14によって回動ミラー41の出射端面に導かれる。
【0090】
ミラー16は、接合基板30で正反射された赤外光以外の赤外光を反射して結像レンズ17又は18に導く。結像レンズ17、18は、接合基板30からの正反射光以外の光をラインセンサ42、43の結像面にそれぞれ導く。従って、本実施の形態では、特許請求の範囲に記載の光学系は、対物レンズ14、ミラー16、結像レンズ17、18を含む。
【0091】
対物レンズ14は、光源11からの赤外光を平行光として接合基板30に導くコリメートレンズの役割を果たすとともに、テレセントリックレンズとしての役割も果たす。ラインセンサ42、43は、ミラー16により反射される光を検出する。ラインセンサ42、43の検出結果に基づいて接合基板30の検査領域における欠陥を検出することができる。
【0092】
ここで、図9を参照して、接合基板30からの反射光をラインセンサ42、43により検出する例について説明する。図9は、実施の形態2に係る検査装置において接合基板30を検査している状態を説明する図である。
【0093】
接合基板30に欠陥が存在しない場合、接合基板30に入射した赤外光は正反射して、回動ミラー41の方向に戻る。従って、接合基板30の検査領域中に欠陥がない場合、ラインセンサ42、43で検出される輝度が比較的暗くなる。
【0094】
図9に示すように、接合基板30に欠陥が存在すると、入射する赤外光は回動ミラー41の方向に戻らず、ミラー16の反射面16a又は16bに入射する。図9の例では、赤外光は反射面16aで反射され、結像レンズ18によりラインセンサ42に導かれる。このように、ラインセンサ42における検出結果では、欠陥が存在する領域が、欠陥が存在しない領域よりも輝度が高くなる。
【0095】
実施の形態1では面照明方式であるため、対物レンズ14のテレセントリック性が悪いと、対物レンズ14から出射される光が接合基板30に対して垂直とならず、接合基板30からの反射光が瞳上で反射面16a、16bの間隙の幅方向にずれた場所に戻ってくることがある。このずれた反射光がミラー16に入射すると、欠陥の誤検出が発生する。これを防止するために、反射面16a、16bの間隔を広くすると、欠陥の検出感度が低下する恐れがある。
【0096】
本実施の形態では、回動ミラー41で反射される赤外光は、対物レンズ14の中心を通るライン上に入射する。このため、対物レンズ14のテレセントリック性が悪くても、接合基板30で反射された反射光は、瞳上で反射面16a、16bの間に形成された間隙の長手方向にずれる。このため、反射面16a、16bの間隙を狭くしても、接合基板30からの反射光がラインセンサ42、43に入射することがない。このように、反射面16a、16bの間の間隙を狭くすることができ、欠陥検出感度を向上させることができる。
【0097】
なお、本実施の形態においても、図1において説明したように、比較器21、コントローラ22等を設け、2つのラインセンサ42、43で検出される輝度が等しくなるようにサーボ制御を行ってもよい。これにより、より正確に欠陥を検出することが可能となる。
【符号の説明】
【0098】
10 検査装置
11 光源
12 レンズ
13 光ファイバ
14 対物レンズ
15 X−Yステージ
16 ミラー
16a 反射面
16b 反射面
17 結像レンズ
18 結像レンズ
19 IRカメラ
20 IRカメラ
21 比較器
22 コントローラ
23 ステージ
30 接合基板
31 素子基板
32 金属パターン
33 支持基板
34 粘着層
35 異物
36 ボイド
40 光スキャナ
41 回動ミラー
42 ラインセンサ
43 ラインセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外光を出射する光源部と、
前記光源部から出射される前記赤外光を平行光として検査対象に略垂直に入射させ、前記検査対象からの反射光を導く光学系と、
前記光学系により導かれる反射光のうち、正反射光以外の光を検出する光検出部とを備え、
前光源部は、前記光学系の瞳位置に配置されている検査装置。
【請求項2】
前記光検出部は、2つの光検出器を有し、
前記光学系は、前記正反射光以外の光を前記2つの光検出器にそれぞれ導くことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記光学系は、光軸に対して対称に配置され、前記検査対象からの正反射光以外の光を反射して前記2つの光検出器にそれぞれ導く2面の反射面を備える請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記2つの光検出器でそれぞれ取得された輝度情報に基づいて、前記反射面又は前記検査対象の少なくともいずれか一方を移動させる移動機構をさらに備える請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記検査対象は、素子基板と支持基板とが接着層を介して張り合わせられた接合基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記光源部は、異なる波長の複数の赤外光を切り替えて出射することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記光源部は、前記素子基板で反射される波長の赤外光と、前記素子基板を透過する波長の赤外光とを切り替えて出射することを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
【請求項8】
前記光検出部は4つの光検出器を有し、
前記光学系は、前記正反射光以外の光を前記4つの光検出器にそれぞれ導くことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項9】
前記光学系は、光軸周りに90度毎に配置され、前記検査対象からの正反射光以外の光を反射して前記4つの光検出器にそれぞれ導く4面の反射面を備える請求項8に記載の検査装置。
【請求項10】
前記光源部は、前記赤外光を導光し、出射端面面が前記光学系の瞳位置に配置された光ファイバをさらに備える請求項1〜9のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項11】
前記光源部は、前記検査対象に面状の赤外光を照射し、
前記光検出部は、前記検査対象の像を撮像することを特徴とする1〜10のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項12】
前記光源部は、前記検査対象に面状の赤外光を照射し、
前記光検出部は、前記検査対象の像を撮像し、
前記移動機構は、前記光検出部で取得された画像中の欠陥部分以外の輝度情報に基づいて、前記反射面又は前記検査対象の少なくともいずれか一方を移動させる請求項4又は9に記載の検査装置。
【請求項13】
前記光源部は、前記赤外光のビームを反射して前記検査対象をライン走査する回動可能な回動ミラーをさらに備える請求項1〜9のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項14】
光学系の瞳位置に配置された光源部から出射される赤外光を平行光として検査対象に略垂直に入射させ、
前記検査対象からの反射光のうち、正反射光以外の光を光検出部により検出し、
前記光検出部により得られた輝度情報に基づいて前記検査対象の欠陥を検出する検査方法。
【請求項15】
前記正反射光以外の光を前記光検出部の異なる2つの光検出器にそれぞれ導くことを特徴とする請求項14に記載の検査方法。
【請求項16】
光軸に対して対称に配置された2面の反射面により、前記検査対象からの正反射光以外の光を前記光検出部の異なる2つの光検出器にそれぞれ導くことを特徴とする請求項15に記載の検査方法。
【請求項17】
前記2つの光検出器でそれぞれ取得された輝度情報に基づいて、前記反射面又は前記検査対象の少なくともいずれか一方を移動させる請求項16に記載の検査方法。
【請求項18】
異なる波長の複数の赤外光を切り替えて前記検査対象に出射することを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項19】
前記検査対象は、素子基板と支持基板とが接着層を介して張り合わせられた接合基板であり、前記素子基板で反射される波長の赤外光と、前記素子基板を透過する波長の赤外光とを切り替えて出射することを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項20】
前記検査対象からの正反射光以外の光を前記光検出部の異なる4つの光検出器にそれぞれ導くことを特徴とする請求項14〜19のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項21】
光軸周りに90度毎に配置された4面の反射面により、前記検査対象からの正反射光以外の光を前記異なる4つの光検出器にそれぞれ導く請求項20に記載の検査方法。
【請求項22】
前記検査対象に面状の赤外光を照射して、前記検査対象の像を撮像することを特徴とする14〜21のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項23】
前記検査対象に面状の赤外光を照射して、前記検査対象の像を撮像し、
前記光検出部で取得された画像中の欠陥部分以外の輝度情報に基づいて、前記反射面又は前記検査対象の少なくともいずれか一方を移動させる請求項16又は21に記載の検査方法。
【請求項24】
回動ミラーにより前記赤外光のビームを反射して前記検査対象をライン走査する請求項14〜21のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項25】
請求項14〜24に記載の検査方法を用いて、素子基板と支持基板とが接着層を介して張り合わせられた接合基板の欠陥の検査を行い、
検査後の接合基板における素子基板の裏面を研磨し、
前記支持基板を剥離する半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−15428(P2013−15428A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148809(P2011−148809)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000115902)レーザーテック株式会社 (184)
【Fターム(参考)】