説明

欠陥に関する透明な基板の検査

ガラスシートなどの透明な基板における欠陥の検出のための方法、装置およびシステムが開示される。この方法、装置およびシステムは、100nmより小さい透明な基板における光路長の変動を検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、欠陥を決定するために基板を検査するシステム、方法および装置に関する。本発明は、ガラスシートにおける1次元の光路長の変動の測定に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
ガラスシートなどの透明な基板における欠陥は一般に、人間の検査者および人手による方法を用いて検出される。たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)に用いられるガラス基板のコードおよびストリークなどの欠陥の検出において、欠陥を検出するために陰影法が用いられる。この方法によれば、ガラスのシート(一般に幅約1メートル×長さ2メートル)が、自在に回転するL字型ブラケットスタンドに取り付けられ、キセノン光源によって照射される。光源は、シート全体を照射するために発散される。ガラスの陰影は、検査者によって白いスクリーン上で見て確認される。欠陥は、スクリーン上にコントラストの1次元の線のように見える。線の方向は、たとえば、ガラスシートが作製されるダウンドロー装置において、ガラスシートが延伸される方向に平行である。ストリーク欠陥は一般に1本の孤立した線として見えるのに対し、コード欠陥は数ミリメートルごとに離隔された複数の線からなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コード欠陥は一般に、数ミリメートルの周期で数ナノメートルほどの小さい光路長(OPL)の変動からなる。これらの小さな変動は、厚さまたは屈折率の変動の結果として生じ、「レンズ効果(lensing)」と一般に呼ばれる効果によって、スクリーン上の光強度を変調する。コード欠陥およびストリーク欠陥の反復可能かつ信頼性のある目視検査は、特に人手による方法を用いた場合には、きわめて困難であることが分かっている。したがって、透明な基板の1次元の光路長の変動を測定することができる装置、システムおよび方法を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ガラスシートなどの透明な基板における光路長の変動を測定するための装置、方法およびシステムに関する。本発明を用いて、透明な基板の厚さの変動を測定することができる。ストリーク欠陥および埃は、現在既存の方法より簡単な方法で、コードと識別することができる。
【0005】
本発明の複数の実施形態によれば、光路長の変動は、空間的により高い可干渉性のビームによって、ガラスを照射することによって間接的に観測される。コントラストパターンの解釈を複雑にする可能性がある干渉の影響は、一時的に非干渉性のビーム、すなわちきわめて短い干渉長を有するビームを利用することによって低減される。ある実施形態によれば、OPLの変動がビームサイズ未満またはビームサイズにほぼ等しい周期を有する場合には、光路長の変動は、測定することができるビームにおいて位相歪みを生じるため、光路長の変動(約10nm程度)に関連する物理的影響を生じる。
【0006】
ある好ましい実施形態において、位相歪みの測定は、光を空間的にフィルタリングすることによって、たとえばシングルモードファイバに連結されたスーパールミネッセントダイオード(SLD)光源を用いることによって実現される。SLDは、干渉の影響を低減するためにガラスを通る光路長より短い干渉長を提供するのに十分に広い波長スペクトルを有すること好ましい。シングルモードファイバを用いることによって、高い空間的可干渉性を提供することができる。ビームはファイバから送り出され、ファイバ端部から離れた1つの焦点距離に配置されたレンズがコリメートビームを形成することが好ましい。光ファイバを用いる代わりに、直径が50ミクロン未満であれば好ましく、約20ミクロン未満であれば(さらに)好ましい小さな開口部を通って光を透過することによって、空間フィルタリングを実行してもよい。
【0007】
ある実施形態によれば、光源は、垂直入射で所定の試料を通るように向けられ、スリット上にビームを部分的に集束するために、正レンズが用いられる。スリットは、レンズの焦点面の前に配置されることが好ましい。一態様によれば、基板の欠陥による位相歪みは、スリット位置でビームの強度外形にわずかな変化を生じる。スリットの背後に配置されたセンサは、スリットを通過する光強度を検出する。一部の実施形態において、ガラス全体にわたる全体的な光学系を並進することによって、ビームにおける位相歪みの変化が位置データに対する光強度のコントラストとして測定される。次に、このデータからガラスの光路長における局所的な変動を推測することができる。一部の実施形態によれば、2つの離隔された光源を用いて、1次元の欠陥(すなわちコードまたはストリーク)の原因となる信号のコントラストを、埃、異物をはじめとする他のさらに局所的な欠陥から識別することができる。一旦、ガラス位置の関数として光強度が得られると、アルゴリズムはデータを処理して信号におけるコントラストを定量化する。
【0008】
本発明は、従来技術のシステムよりガラス面における欠陥のより高い解像度を生じる広い空間周波数応答範囲を有する。本発明は、低レベルの欠陥(たとえば、約100nm未満、好ましくは約50nm、約1nm程度の小さなOPLの変動)に敏感な反復可能な測定を提供する。このシステムおよび装置は、コンパクトであり、高速で欠陥を測定することができる。
【0009】
本発明のさらなる利点は、以下の詳細な説明から明白となるであろう。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はいずれも例示であり、請求されたように、本発明のさらなる説明を提供することを目的としていることを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の複数の具体的な実施形態について記載する前に、本発明は以下の説明に記載される構成または方法ステップの詳細に限定されるわけではないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であり、種々の方法で実行または実現されることができる。
【0011】
本発明は、ガラスシートなどの透明な基板を検査するための装置、システムおよび方法に関する。本発明は、約100nm以下、たとえば約50nmまたは10nm程度、液晶ディスプレイ基板では約1nm程度の小さい1次元のOPLの変動を検出するのに特に有用である。
【0012】
図1を参照し、本発明の第1の実施形態によれば、透明な基板12の中または上の欠陥を測定するための装置10が提供される。この装置は、液晶ディスプレイに用いられるガラス基板におけるコード欠陥を測定する場合に特に有用である。図1および図2に示されているように、z方向に沿って測定されるガラスシートを通る光路長は、延伸方向または図2に示される「y」軸に平行に向いたコードまたはストリークと一般に呼ばれる特徴のパターンを生じる、「x」軸に沿った位置と共に変化する。「x」に沿った光路長の変調は、約数ミリメートルの範囲の周期および約数ナノメートルの範囲の振幅で周期的である。さらに図1および図2を参照すると、装置10は、光15の第1のビームを基板12に指向するための第1の光源14を具備する。第1の光源14は、光15の第1のビームが図1の「z」軸に平行なシートに実質的に垂直である方向に進むように基板12に指向されることが好ましい。光源14は、基板12の平面にわたって複数の異なる位置で光を指向することができるように構成されることが好ましい。したがって、好ましい実施形態において、複数の異なる位置で基板12の面に向かって光が透過されるように、光源を「x」方向または「y」方向に移動することができるか、または別法として、光源は依然として静止しているが、基板12を移動することができる。好ましい実施形態において、コード欠陥の方向が図1および図2に示されている「y」方向に平行に進むように、基板が取り付けられるか、または光のビームが「x」方向に基板に渡って並進するように基板12または光源14が移動される。
【0013】
さらに図1を参照すると、装置10は、異なる位置でシート12を透過するか、またはシート12から反射される光の位相歪みを検出するための少なくとも第1のセンサ18を具備する光学系16をさらに具備する。光の位相歪みは、基板12の平面にわたって異なる位置で光強度のコントラストに関連付けられる。光学系は、基板12とセンサ18との間に第1のレンズ20を具備し、第1のレンズ20がセンサ18で受信される位相歪みのコントラストを選択的に強調することができる性能を備えていることが好ましい。別の実施形態によれば、センサ18は、センサ18(22a)またはその後(22b)に位置する仮想平面22aまたは22bに結像する。本願明細書で用いられるとき、センサ手段の後では、平面は、z平面において第1の光源14から遠ざかる方向にある。したがって、図1に示されているように、光源14は左側にあり、センサ18は右側にあり、第1のセンサ18の後に位置する仮想平面22bは第1のセンサ18の右にあることになる。
【0014】
ここで図3を参照すると、透明な基板32における欠陥を測定するための装置30の別の実施形態が示されている。装置は、離隔された関係にある1対の光源34a、34bを具備する。光源は、約20mm〜120mmだけ離隔することができる。好ましい実施形態において、各光源34a、34bは、空間フィルタに連結される。この実施形態において、空間フィルタリングは、1対の光ファイバ35a、35bによって形成される。光は、少なくとも光のビームの直径、好ましくは約30mmだけ離隔されるファイバ35a、35bから出射し、基板32を透過する。好ましい実施形態において、光源34a、34bからの光のビームは、ファイバ35a、35bの端部と基板32との間に配置された1対のコリメートレンズ36a、36bを透過する。光が基板32を透過した後、1対のレンズ38a、38b(以下ではコントラスト強調レンズまたはコントラストレンズと呼ぶ)を具備する光学系は、光を1対のスリット40a、40bに通して、センサ42a、42bに向ける。光学系は、センサで受信される位相歪みのコントラストを選択的に強調するように動作可能である。前述の実施形態において見られるように、センサ42a、42bは、センサ42a、42bまたはその後に位置する仮想平面に結像する。光源および光学系のさらなる詳細については、以下に記載される。
【0015】
好ましい実施形態において、光源は、平面基板の2つの主面からの反射によって生成される干渉の影響を避けるために、測定される基板の光学厚さより小さい干渉長を有する。光源はまた、空間的に可干渉性であることが好ましい。空間的可干渉性とは、ビーム伝搬方向(図1の「z」平面)に垂直な位相面がビーム全体にわたって一様であることを意味する。光源を空間的にフィルタリングすることによって、空間的可干渉性を実現することができる。空間的フィルタリングは、所定の最小の横方向の欠陥寸法より少なくとも約10倍小さく、好ましくは40倍小さい開口部によって光を透過することによって、またはシングルモードファイバに連結された光源を用いることによって、実現されることができる。
【0016】
特に好ましい光源は、スーパールミネッセントダイオード(SLD)である。この素子は、一時的に非干渉性(比較的広い波長スペクトル)の光を提供する。図4は、約50μm未満の干渉長に対応する本発明の一実施形態による任意の電源装置におけるスーパールミネッセントダイオードの出力スペクトルを示している。さまざまなタイプの広帯域光源が短い干渉長(タングステン−ハロゲン、キセノン、LEDなど)を提供するが、SLDはシングルモードファイバにきわめて効率的に連結させることができる。これにより、相当のパワーレベル(ファイバから約1mW)を保持すると同時に、光源の効率的な空間的フィルタリングを可能にする。さらに一般的な光源の空間的フィルタリングは、許容可能でないほど低いパワーを生じる。コード欠陥およびストリーク欠陥のコントラスト特性のレベルは、1%以下程度である。したがって、SLD光源の良好なパワー安定性(たとえば、約10秒間で0.05%未満)が好ましい。
【0017】
空間フィルタから出射する光は、基板に入射する前にコリメートされることが好ましい。光ビームのコリメートにより、シート位置およびビーム伝搬方向に沿った移動に対するシステム感度を低下させるほか、センサによって収集されるデータの解釈を簡単にする。好ましい実施形態において、入射光ビームは、約5〜20mmの直径にコリメートする(1/e直径)。ビームサイズは、システムが敏感である光路長の変動の周期における上限に設定する。比較的大きいビームサイズは、ストリーク(一般的な幅は約5mm未満)に敏感であるが、基板の光路長の変動においてより長い周期の変化に鈍感であるシステムを生じる。
【0018】
好ましい実施形態において、2つの光源が用いられ、図3に示されているように離隔した関係に配置される。システムにおける2つのビーム経路は、基板の面における埃および他の汚染物から生じる測定の誤差を低減する。好ましい実施形態において、ビームは、ガラス面の異なる領域をサンプリングするために、垂直に(基板のy軸またはコード/ストリークの方向に平行な方向に沿って)ずれていることから、両方のビームに共通のコントラストは純粋にコードまたはストリークに起因する。1つのみのビームによって測定されるコントラストの差は、埃、ペンマーク、異物またはガラスの内部の欠陥によって影響されうる。ビームのずれは、2つのビームによってサンプリングされるコード/ストリークの特徴の差を最小限に抑えることを保証するほど十分に小さいものとする。これは、コードまたはストリークの特徴がy軸に沿ってどれほど急激に変化するかによって抑制される。光の2つのビームは、2つのビームを形成するために、1つの光源、およびビームスプリッター、およびミラーによって生成されうる。ビーム分割素子の例が、光ファイバカプラである。しかし、より優れた長期安定性のために、2つの個別の光源(光の各ビームごとに1つの光源)が好ましい。
【0019】
上述したように、システムに組み込まれ、基板とセンサとの間に配置されるレンズは、コードおよびストリークから生じるコントラストを強調すると同時に、より短い経路の光学系を生じる。しかし、振動および位置合せ感度などの要因は、より短い焦点距離のレンズの利用を制限する。たとえば、50mm〜400mmの焦点距離のレンズは、振動に対する鈍感さを持続すると同時に、コントラスト強調の優れた組合せを提供する。
【0020】
レンズと、一部の好ましい実施形態において、レンズとセンサとの間に配置されるスリットの位置によって定義される強度コントラストが測定される平面との間の距離を調整することによって、特定の範囲に関して、システムまたは装置の空間周波数感度を最適化してもよい。異なる構成下で測定される光学系の周波数の依存度の例が、図5に示されている。図5は、異なる周期の2つのコード欠陥に関して、焦点距離(f)のレンズおよび10ミクロンのスリットを用いて得られた測定されたコントラストを示している。スリットがレンズから遠ざかるように移動したとき(レンズの焦点により近い位置に移動したとき)、各パターンのコントラストが増大し、ピークコントラストに達し、スリット位置が焦点に近づくにつれて急激に減少する。より高い周波数(より短い周期)のコードパターンの場合には、ピークコントラストは、レンズにより近い平面で生じる。
【0021】
図5においてA、BおよびCの印のついた円は、最適な光学系設計に関する複数の可能な選択肢を示している。円Aは、最小のコントラスト強調の点であるが、最も広い周波数応答である。円Bは、より低い周波数ピークの場合には最高のコントラスト強調を有するが、高い周波数ピークの場合にはコントラストが低減する。円Cは、好ましい動作点である。この点は妥協点を表し、最高であることが観察される周波数コードの相対的な応答を低減することなく、コントラスト強調がなされる。
【0022】
レンズとセンサとの間に配置されるスリットの幅は、最高の周波数コントラスト特徴を十分に分解するのに十分なほど狭いことが好ましいが、信号対雑音比を維持するために、十分な光パワーをセンサに供給することができるほど十分に広い。測定における誤差を避けるために、スリットは、コード欠陥の方向に実質的に平行に位置合せされることが好ましい。実質的に位置合せを行うことによって、スリットは、コードの方向の約0.5°以内に位置合せされるものとする。
【0023】
好ましいセンサは、約4mm×1mmの最小領域を有するシリコンフォトダイオードである。各スリットは、センサの面に直接連結されることが好ましい。フォトダイオードは、スリットを通過する光パワーに直接比例する電流を生成する。この電流は約10μA程度であり、電流は低雑音トランスインピーダンス増幅器によって増幅されることが好ましい。しかし、本発明は、任意の特定のセンサに限定されるわけではない。他の適切なセンサとしては電荷結合素子(CCD)または他のタイプの光電センサが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0024】
センサからのデータは、たとえばコンピュータなどの従来の電子機器およびデータ処理機器を用いて、取得および解析される。センサによって生成される電圧は、アナログ・ディジタル変換器を用いてディジタル化されることが好ましい。プロセッサは、欠陥を分類し(たとえば、ストリーク対コードおよび埃)、欠陥の大きさを定量化することになる。次に、データが関連付けられ、サンプルを通過するOPLの変動を定量化するために解析される。
【0025】
一実施形態による装置から取得されたデータの例が、図6に示されており、約100mm/分の走査速度でサンプルにわたって測定されたコントラストを示している。図6は、ライン走査データの2次元表示であり、コントラストが強化され、コードはコントラストの周期的なラインとして見える。図6のy軸およびx軸は、図3に記載されるガラスシートのy軸およびx軸に相当する。図6において、コードは、画像全体にわたる強度の周期的な変化として明白であり、ストリーク欠陥は画像の中心付近の明るい孤立した線として明白である。
【0026】
本発明のシステムの全体的な反復可能性は良好である。コードおよびストリークを含み、本発明のシステムによって測定されるサンプルに関する反復可能性および再現性の研究の結果から、(人手による検査によって判断する場合には)段階的な欠陥深刻度に対して十分な相関があることが分かった。光源に対するセンサの位置を固定し、ガラス全体にわたって全体的な光学系を並進することによって、システムの位置依存性を最小限に抑えることができる。ストリーク検出は、二重ビームシステムを生成することによって可能となる。光源の最適化およびレンズの利用によって、システムは、垂直入射における周知のコード欠陥のすべてを検出することができるほど十分に敏感である。特に高い周波数の欠陥の検出が可能である。
【0027】
本発明のシステムは、工場環境のオフライン検査を行うことができる。基本的な技術はまた、オンライン検査に必要なデータ速度を可能にする。図7は、基板112を測定するために用いることができるシステム100の例を示している。システムは、離隔した関係にあり、互いに対して固定される1対の光源114および1対のセンサ116を具備している。好ましくは、各光源およびセンサは、約1m未満、好ましくは約0.5m未満、さらに好ましくは約30cm未満だけ離隔される。基板112は、光源およびセンサに対して移動させることができ、または別法として、光源およびセンサを可動ステージに取り付けて矢印115によって示される方向にシートにわたって並進することができる。センサ116によって取得されるデータは、データプロセッサ122と通信中の電子パックに通信される。データプロセッサは、パーソナルコンピュータまたはメインフレームコンピュータなどの任意の従来のデータプロセッサであってもよい。測定システムは、ガラスの振動に対して比較的鈍感であり、きわめて厳密なガラスの位置決めを必要とせず、埃の影響に対しても寛容である。
【0028】
本発明の精神または範囲を逸脱することなく、本発明に対して種々の修正および変更を行うことができることは当業者には明白であろう。たとえば、レンズを排除するか、またはスリットをレンズに近づけることによって、より高い空間周波数に対する応答を得ることができる。コリメートレンズの焦点にスリットを近づけることによって、欠陥に起因するより高いコントラストを得ることができる。振動の影響に対してより高い感度を生じうる検出側により短い焦点距離のレンズを用いることによって、より短い(よりコンパクトな)全体的な光学系を得ることができる。好ましい実施形態は、サンプルによって透過される光ビームからのデータの収集を示しているが、システム、方法および装置は、サンプルの面から反射された光ビームから収集されたデータを利用することも可能である。第2のセンサアセンブリの利用によって、反射された信号および透過された信号のいずれの収集も、両面の面の高さの偏差の独立した測定を可能にする。本発明は、添付された請求項およびその等価物の範囲内にあるという条件で、本発明の修正および変形を網羅することを目的としている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態による透明な基板における欠陥を測定するための装置の概略図を示している。
【図2】コード欠陥を有するガラスシートの図である。
【図3】本発明の一実施形態による透明な基板における欠陥を測定するための装置の概略を示している。
【図4】一実施形態による光源の出力スペクトルを示しているグラフである。
【図5】本発明の一実施形態によるレンズからスリットまでの距離に対する実際に測定されたコードのコントラストの割合を示しているグラフである。
【図6】本発明の一実施形態によるコード欠陥およびストリーク欠陥を含むガラスシートを走査した後のシステムから取得された2次元のライン走査データの投影図である。
【図7】本発明の一実施形態による透明な基板における欠陥を測定するための装置の斜視図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な平面基板における欠陥を測定するための装置において、
前記基板の主面にわたって異なる位置で前記基板で光を指向するための第1の空間的に可干渉かつ空間的に調整される光源、および
異なる位置でシートによって透過される光または前記シートから反射される光の位相歪みを検出するようになされたレンズおよび第1のセンサを具備する光学系であって、前記位相歪みが異なる位置における位置対光強度のコントラストに関連付けられ、前記レンズが前記光源と前記センサとの間の光路に沿って位置され、前記レンズが光強度のコントラストを選択的に強化するように動作可能である光学系を有してなることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1のセンサは、前記センサまたはその後に位置される仮想平面で光強度を測定するように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、約10nmの1次元の光路長の変動を測定することができることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記空間的に可干渉性の光源は光源および空間フィルタを具備し、前記空間フィルタはシングルモード光ファイバを具備することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光源の干渉長は、前記基板を通る前記光路長より小さいことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記光源は、スーパールミネッセントダイオードを具備することを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
光源およびセンサが、前記基板の前記平面にわたって並進されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の光源から離隔される第2の光源と、前記第1のセンサから離隔される第2のセンサと、をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記基板で指向される光を空間的にフィルタリングするために、前記光源に連結される光ファイバと、
前記シートによって透過される光の前記ビームをコリメートするために、前記光ファイバと前記シートとの間に配置されるコリメートレンズと、
コリメートレンズと前記センサとの間に配置されるスリットと、をさらに具備し、前記コリメートレンズが前記シートと前記センサとの間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の光源から離隔される第2の光源と、前記第1のセンサから離隔される第2のセンサと、をさらに具備することを特徴とする請求項9に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−522934(P2006−522934A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507051(P2006−507051)
【出願日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/007343
【国際公開番号】WO2004/079406
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(505333931)コーニング インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】CORNING INCORPORATED
【Fターム(参考)】