説明

海上における対象物の捜索方法及びシステム並びに対象物の捜索方法を実行する記録媒体

【課題】捜索物及び捜索領域の状況に応じて捜索を確実にすることができる海上捜索システム及び装置並びにこの捜索を実行するプログラムを提供する。
【解決手段】海上に浮遊又は漂流又は走行している対象物を捜索する捜索方法であって、浮遊又は漂流又は走行している対象物の当該海域の海象条件を入力する入力装置103と、前記入力された海象条件及び対象物の大きさに応じた探知率変化を、予め記憶装置105に記憶されたデータベース106から読み出す読出し装置101と、前記読み出された探知率変化から対象物の認識確率を算出する算出装置102と、前記算出装置で算出された捜索モードを出力する出力装置104と、を備え、海象条件により捜索条件を策定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば遭難者、遭難船、不審船等のような海上における捜索対象物を捜索する海上における対象物の捜索方法及びシステム並びに対象物の捜索方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
海上遭難者又は海上遭難船等は、船舶により捜索される。また、目視捜索を補充するためにレーダ捜索が行われる。船舶に搭載され画像を動画として形成するレーダは、結果的には双眼鏡の目視捜索である。レーダにより走査的に静止画像を形成する技術は知られている(参照:後掲特許文献1)。また、得られた画像を処理する技術は知られている(参照:後掲特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−188747号公報
【特許文献2】特開2002−063575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図18に示すように、海面に浮遊する捜索者又は捜索物等の対象物54を捜索船51から監視・捜索する場合においては、波浪03等により物体が見え隠れするので、物体が存在する方向を捜索装置により監視又は撮影していても、対象物54を探知することができないという、問題がある。
【0005】
通常、捜索領域を旋回しながら監視が行われるが、海象条件、船舶等の運航条件により、物体の見え隠れする状態が変化するので、各々の条件に合わせた旋回動作等の運用条件の設定を行う必要があるが、現状の技術においては、このような海象条件に合わせた運用条件の設定はなされておらず、監視・捜索活動の効率が低いので、効率的な捜索の手法の出現が望まれている。
【0006】
また、海上においては、例えば、遭難者を捜索する場合と遭難船を捜索する場合においては、捜索する対象物54の大きさが異なるので、状況に応じた検索をする必要があるが、現状においては、このような状況に応じた適切な捜索システムが確率されておらず、効率的な捜索手法の出現が望まれている。
【0007】
本発明は、前記問題に鑑み、捜索物及び捜索領域の状況に応じて捜索を確実にすることができる海上捜索システム及び装置並びに対象物の捜索方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、海上に浮遊又は漂流又は走行している対象物を捜索する捜索方法であって、浮遊又は漂流又は走行している対象物の当該海域の海象条件を入力する第1の入力ステップと、前記第1の入力ステップで入力された海象条件及び対象物の大きさに応じた探知率変化を、予め記憶装置に記憶されたデータベースから読み出す読出しステップと、前記読み出された探知率変化から対象物の認識確率を算出する算出ステップと、前記算出ステップで算出された捜索モードを出力する出力ステップと、を備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索方法にある。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記探知率変化が、対象物までの距離と、所定時間内において対象物を確認することができる割合である探知率との関係より求められることを特徴とする海上における対象物の捜索方法にある。
【0010】
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記海象条件が、波の周期と有義波高とにより定まることを特徴とする海上における対象物の捜索方法にある。
【0011】
第4の発明は、第2又は3の発明において、前記認識確率が、下記式(1)より求めることを特徴とする海上における対象物の捜索方法にある。
1−[1−探知率(1回目)]×[1−探知率(2回目)]×[1−探知率(3回目)]×・・・×[1−探知率(n回目)]・・・(1)
ここで、nは任意の整数である。
【0012】
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記対象物の捜索を地上又は船舶のいずれかより捜索装置を用いて行うことを特徴とする海上における対象物の捜索方法にある。
【0013】
第6の発明は、第5の発明において、船舶で捜索する場合において、さらに、海象条件に応じて船舶の進行速度(kt)、捜索装置の視野角(°)、捜索装置の旋回走査速度(°/s)、又は捜索装置の旋回振幅(°)を入力する第2の入力ステップを備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索方法にある。
【0014】
第7の発明は、第1乃至6のいずれか一つの発明において、さらに、捜索範囲を入力する第3の入力ステップを備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索方法にある。
【0015】
第8の発明は、第5乃至7のいずれか一つの発明において、前記捜索装置が、レーザレーダ、可視カメラ、赤外カメラのいずれか一種又はこれらの組合せであることを特徴とする海上における対象物の捜索方法にある。
【0016】
第9の発明は、海上に浮遊又は漂流又は走行している対象物を捜索する捜索システムであって、浮遊又は漂流又は走行している対象物の当該海域の海象条件を入力する第1の入力装置と、前記第1の入力装置で入力された海象条件及び対象物の大きさに応じた探知率変化を、予め記憶装置に記憶されたデータベースから読み出す読出し装置と、前記読み出された探知率変化から対象物の認識確率を算出する算出装置と、前記算出装置で算出された捜索モードを出力する出力装置と、を備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索システムにある。
【0017】
第10の発明は、第9の発明において、前記探知率変化が、対象物までの距離と、所定時間内において対象物を確認することができる割合である探知率との関係より求められることを特徴とする海上における対象物の捜索システムにある。
【0018】
第11の発明は、第9又は10の発明において、前記海象条件が、波の周期と有義波高とにより定まることを特徴とする海上における対象物の捜索システムにある。
【0019】
第12の発明は、第9乃至11のいずれか一つの発明において、前記対象物の捜索を地上又は船舶のいずれかより捜索装置を用いて行うことを特徴とする海上における対象物の捜索システムにある。
【0020】
第13の発明は、第12の発明において、船舶で捜索する場合において、さらに、海象条件に応じて船舶の進行速度(kt)、捜索装置の視野角(°)、捜索装置の旋回走査速度(°/s)、又は捜索装置の旋回振幅(°)を入力する第2の入力装置を備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索システムにある。
【0021】
第14の発明は、第9乃至13のいずれか一つの発明において、さらに、捜索範囲を入力する第3の入力装置を備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索システムにある。
【0022】
第15の発明は、第9乃至14のいずれか一つの発明において、前記捜索装置が、レーザレーダ、可視カメラ、赤外カメラのいずれか一種又はこれらの組合せであることを特徴とする海上における対象物の捜索システムにある。
【0023】
第16の発明は、海上に浮遊又は漂流又は走行している対象物を捜索する捜索方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、浮遊又は漂流又は走行している対象物の当該海域の海象条件を入力する第1の入力ステップと、前記第1の入力ステップで入力された海象条件から対象物の大きさに応じた探知率変化を、予め記憶装置に記憶されたデータベースから読み出す読出しステップと、前記読み出された探知率変化から対象物の認識確率を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された捜索モードを出力する出力ステップと、を備えた対象物の捜索方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体にある。
【0024】
第17の発明は、第16の発明において、船舶で捜索する場合において、さらに、海象条件に応じて船舶の進行速度(kt)、捜索装置の視野角(°)、捜索装置の旋回走査速度(°/s)、又は捜索装置の旋回振幅(°)を入力する第2の入力ステップを備えた対象物の捜索方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体にある。
【0025】
第18の発明は、第16又は17の発明において、さらに、捜索範囲を入力する第3の入力ステップを備えた対象物の捜索方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体にある。
【発明の効果】
【0026】
本発明の海上における対象物の捜索方法によれば、対象物の周囲の海象条件を入力することにより、海象条件に対応する探知率から認識確率を的確に求めることができ、効率的な捜索が可能となる。
また、海上における対象物の捜索システムによれば、海象条件に対応する探知率から認識確率を的確に求めることができ、効率的な捜索が可能となる。
また、記録媒体に記録されているプログラムをコンピュータに読み取らせることにより、前記海上における対象物の捜索方法をコンピュータに実行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、この発明にかかる海上における対象物の捜索法および装置ならびに捜索方法のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体の実施例の一例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0028】
図1は、この実施例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、海上における対象物の捜索装置は、海上に浮遊又は漂流又は走行している対象物を捜索する捜索方法であって、浮遊又は漂流又は走行している対象物の当該海域の海象条件を入力する入力装置103と、前記入力された海象条件及び対象物の大きさに応じた探知率変化を、予め記憶装置105に記憶されたデータベース106から読み出す読出し装置101と、前記読み出された探知率変化から対象物の認識確率を算出する算出装置102と、前記算出装置で算出された捜索モードを出力する出力装置104と、を備え、海象条件により捜索条件を策定する。
ここで、図1において、符号100は中央処理装置である。この中央処理装置100は、CPU、並列プロセッサ、ベクトルプロセッサなどからなる。この中央処理装置100は、読出し装置101と、算出装置102と、入力装置103とを備えている。
【0029】
図1において、符号103は入力装置である。この入力装置103は、キーボード、OCR、マウス、タブレット、ライトペン、イメージスキャナーなどからなる。また、図1において、104は出力装置である。この出力装置104は、ディスプレー装置、プリンタ等からなる。
【0030】
図1において、105は記憶装置である。この記憶装置105は、HD、FD、CD、MD、磁気テープ、各種メモリー等からなる。この記憶装置105は、捜索装置のファイル106aと、海象条件のファイル106b、船舶の運用条件のファイル106c等が階層的に構築されたデータベース106からなる。
【0031】
前記中央処理装置100と、入力装置103と、出力装置104と、記憶装置105とは、バス107を介して接続されており、コンピュータを構成する。
【0032】
本捜索システムは図2に示すように、地上における監視棟50や、海上における巡視船等の捜索船51に設置された捜索装置52を用いて、捜索するものである。この捜索装置52は、レーザレーダ、可視カメラ、赤外カメラ等の種々の捜索装置を単独或いは種々併用して用いて行うことができる。以下において、本実施例ではレーザレーダを用いた監視について説明する。
【0033】
図3は捜索船51に搭載した捜索装置52のカメラ52aの捜索領域を示す概念図である。図3に示すように、カメラ52aを捜索船51に搭載すると、海面から位置Hが特定され、監視距離の先端側を特定すると、捜索海域に監視可能な瞬時領域53が特定される。
【0034】
また、図4乃至図6にレーザの視野角と監視可能な瞬時領域53の関係を示す。図4はカメラ52aの分解能を示すものであり、図5及び図6は図3における対応平面図と側面図である。図4に示すように、この監視可能な瞬時領域53は、捜索装置52のカメラ52aの対象物54の分解能αから横方向の視野角(画角)θ1が決定される。なお、図6に示すように、φはカメラ52aの俯角である。
【0035】
ここで、カメラ52aの分解能αは下記式(2)から求められる。
α=tan-1[(対象物54の大きさD/探知に必要な画素数N)/距離L]・・・(2)
そして、カメラ横方向の視野角θ1は下記式(3)から求められる。
θ1=分解能α×カメラ画素・・・(3)
一般に探知に必要な最低限の画素数は2×2であるとされているので、画素数は2以上となる。
よって、監視距離L、対象物54の大きさD、画素数Nを入力することで、視野角が算出される。
【0036】
ここで、カメラの画素数は日本工業規格によりNTSC(National TV Standards Committee)の場合には横と縦の割合が4:3であり、HV(High−Definition Television)の場合には16:9と規格化されているので、横方向の視野角θ1が特定されることで、縦方向の視野角θ2が特定されることになり、その結果、奥行き方向の監視可能領域(先端側監視距離L1と後端側監視距離L2とで囲まれた領域)55が特定される。
【0037】
例えば500m先の0.2mの対象物54を認識する場合には、視野角が1〜2°と狭くなり、約数十m程度の幅しか画面では表示されないことになる。よって、肉眼においては、前方を監視していると認識しているものの、実際に対象物54を捜索する捜索装置52においては、前方の極一部のみを監視していることになる。
【0038】
よって、捜索領域を10km四方とする場合には、例えば探知幅が20mの場合においては、そのまま10km前進し、所定距離をもってターンして進行するような往復捜索する場合では、その10km四方の海域について全て捜索するには500回ターンを繰り返し往復することとなり、大変時間がかかることになる。
【0039】
このために、図7に示すように、捜索装置52のカメラ52aを進行方向を中心として左右に旋回操作することで、有効捜索幅Wを広げる必要がある。
この有効捜索幅Wを広げる要素が捜索振幅βであり、進行方向を基準として例えば±1〜70°旋回操作を行い、監視領域を広げるようにしている。
この旋回操作を行うことにより、有効捜索幅Wを例えば500mとすることができ、この結果、10km四方の捜索が20回のターンを行うことで捜索が可能となる。
【0040】
図8は捜索船の捜索状況とその有効捜索幅を示す概略図である。図8に示すように、捜索船51は前方に進行しているので、その前進により、両円は円ではなく、円の中心点が時刻列上で増大する一定半径円の包絡線56,57,58となる。
よって、有効捜索幅を増大させることができる。
【0041】
ここで、図9のブロック図を参照して捜索装置の一例であるレーザレーダについて説明する。
図9に示すように、レーザレーダは撮像部Aと制御・レーダ部Bとから構成されており、パルスレーザ装置1からのパルスレーザ光4を照射することにより、対象物54からの反射光を撮像装置12で受光し、画像データに変換するようにしている。なお、シャッタ装置10を用いることで必要な間のみ受光するようにしている。
ここで、本実施例では、レーザとしては、パルスレーザを照射し、反射光をカメラの高速シャッタ開閉制御により撮影するレンジゲート式の画像取得用レーザレーダを用いるようにしているが、他の方式のレーザレーダであってもよい。
【0042】
図9に示すように、レーザレーダは、パルスレーザ装置1に対し、パルスレーザ制御装置2を介してパルスレーザ用電源装置3から供給される駆動電力により駆動し、パルスレーザ光4を発生させ、このパルスレーザ光4を照明用光学レンズ系5を介して海上の認識対象物に照明光として照射し、認識対象物からの反射光を受光用光学レンズ系7およびシャッタ装置10を介して撮像装置12上に結像して認識対象物の撮像を行い、撮像装置12から得られた画像信号を画像処理装置14により処理して表示装置15で画像表示するものである。
【0043】
前記照明用光学レンズ系5、前記受光用光学レンズ系7、前記シャッタ装置10および前記撮像装置12は、それぞれ照明領域制御装置6、受光領域制御装置9、シャッタ動作制御装置11および撮像制御装置13により制御される。
【0044】
また、制御信号発生装置16は、物体認識装置全体の制御しており、ユーザインタフェース17から入力されるユーザ(観測者)の指定に応じて、パルスレーザ制御装置2、照明領域制御装置6、受光領域制御装置9、シャッタ動作制御装置11および撮像制御装置13のそれぞれに所定の制御信号を出力する。この制御信号発生装置16と上述したパルスレーザ制御装置2、照明領域制御装置6、受光領域制御装置9、シャッタ動作制御装置11および撮像制御装置13は、それぞれ光ケーブル等による伝送路で接続されており、ユーザインタフェース17および表示装置15を用いた遠隔操作が可能な構成となっている。
【0045】
このレーザレーダによって海上の対象物の認識を行う場合、ユーザはパーソナルコンピュータ等で構成されたユーザインタフェース17を用いて、パルスレーザ装置1において発生させるパルスレーザ光4の出力、パルス幅、繰返し周期等の特性を指定すると共に、このパルスレーザ光4の照射による照明領域8aの広さについて指定する。
【0046】
照明領域8aは、対象物54までの距離および認識対象物の大きさに対応させて変化させるものであり、ユーザは照明領域8aを調節しながら観測を行って、表示装置15に認識対象物を示す画像が最適な割合で表示されるようにする。具体的には、認識対象物までの距離が短いとき、または認識対象物が大きいときには、画像中に認識対象物が全て含まれるように照明領域8aを広く指定し、認識対象物までの距離が長いとき、または認識対象物が小さいときは、画像中を占める認識対象物の割合が大きくなるように照明領域8aを狭く指定する。
【0047】
このようにして指定されたパルスレーザ光4の特性および照明領域8aの広さを示す各データは制御信号発生装置16に出力され、制御信号発生装置16からは各データに応じた制御信号がパルスレーザ制御装置2および照明領域制御装置6にそれぞれ出力される。
【0048】
パルスレーザ制御装置2は、制御信号発生装置16から出力された制御信号に応じてパルスレーザ装置1を駆動させ、パルスレーザ装置1はパルスレーザ制御装置2の制御に応じた特性、すなわちユーザによって指定された特性のパルスレーザ光4を発生させる。
【0049】
パルスレーザ装置1で発生したパルスレーザ光4は、照明用光学レンズ系5に導かれる。照明用光学レンズ系5は、照明領域制御装置6の制御に応じてその位置を変化させるレンズ群を備えており、このレンズ群によりパルスレーザ装置1から導かれたパルスレーザ光4を空間的に拡大もしくは縮小して、照明領域8aに向けて照射する。
【0050】
この際、照明領域制御装置6はユーザによって指定された照明領域8aにパルスレーザ光4が照射されるように照明用光学レンズ系5を制御している。また、照明領域制御装置6は後述する受光領域8bがユーザに指定されたときは、この受光領域8bと照明領域8aとが可能な限り同一となるように照明用光学レンズ系5を自動的に制御する。
【0051】
このようにして、照明領域8aにパルスレーザ光4が照射されると、照明領域8a内に存在する認識対象物によってパルスレーザ光4が反射することにより反射光(散乱光)が発生する。以下、この反射光を受光して認識対象物を撮像する処理について説明する。
【0052】
まず、反射光を受光する受光領域8bが照明領域8aと可能な限り同一となるように調節される。具体的には、制御信号発生装置16から所定の制御信号が受光領域制御装置9に出力され、受光領域制御装置9はこの制御信号に応じて受光用光学レンズ系7を構成するレンズ群の位置を変化させて、照明領域8aとできるだけ同じ領域からの反射光を受光するように受光領域8bを自動的に調節する。なお、必要に応じてユーザが受光領域8bを指定してもよい。
【0053】
このとき、受光領域制御装置9は受光用光学レンズ系7における焦点制御も同時に行っており、ユーザによって指定された領域(距離)に対して焦点が結ばれるように受光用光学レンズ系7を制御する。なお、この焦点は後述する動作開始時間に対応させて、撮影しようとする認識対象物までの距離に応じて調節するものとする。
【0054】
受光用光学レンズ系7によって集光された認識対象物からの反射光は、シャッタ装置10を介して撮像装置12へ導入される。ここで、シャッタ装置10はシャッタ動作制御装置11によって開(オープン)状態および閉(クローズ)状態を制御されるものであり、所定のタイミングでシャッタの開閉を行うことにより、認識対象物からの反射光のみを撮像装置12に導き、それ以外の浮遊粒子等からの反射光を遮光する。
【0055】
このようにシャッタ装置10を動作させるためには、予め動作開始時間および動作間隔時間を適切に指定しておく必要がある。動作開始時間とはパルスレーザ装置1によるパルスレーザ光4の照射開始からシャッタをオープン状態にして露光を開始するまでの時間を表し、パルスレーザ光4と同期して認識対象物までの距離に応じて設定される。また、動作間隔時間とはシャッタ装置10のオープン状態を保つ時間を表しており、撮像装置12の感度等に応じて設定される。これら動作開始時間および動作間隔時間を調節することによって、任意の領域(距離)に存在する認識対象物からの反射光のみを取り込むことが可能となる。なお、これら動作開始時間および動作間隔時間はユーザインタフェース17により指定され、各々の値に応じた制御信号が制御信号発生装置16からシャッタ動作制御装置11に出力される。
【0056】
シャッタ動作制御装置11は、制御信号発生装置16から出力される制御信号に基づき、パルスレーザ装置1によるパルスレーザ光4の照射開始と同時にシャッタ装置10をクローズ状態にする。そして、パルスレーザ光4に同期した動作開始信号および動作間隔信号を出力することによりシャッタ装置10を最適なタイミングで開閉させて、認識対象物からの反射光のみを撮像装置12に導く。
【0057】
なお、認識対象物までの距離が不明の場合には、動作開始時間を僅かずつずらすことによって、認識対象物の位置を探査することが可能となる。この場合、パルスレーザ光4の照射から反射光の受光までの伝搬時間に基づいて、認識対象物までの距離を計測し、この距離によって動作開始時間を設定してもよい。
【0058】
撮像装置12は、このようにして導かれた反射光を受光し、撮像制御装置13から出力されるゲイン、アイリス、撮像周期等の受光特性に関する制御信号に従って撮像を行い、得られた画像信号を画像処理装置14に出力する。なお、上述した受光特性はユーザインタフェース17を用いて予め指定されているものとする。
【0059】
画像処理装置14は、撮像装置12から出力される画像信号をA/D変換し、さらにエッジ強調処理等の処理を施して表示装置15に出力する。ここで、画像処理装置14では認識対象物(もしくは、物体認識装置本体)が僅かに移動(微小振動等を含む)している場合でも正確に物体の認識を行うことができるように、例えば積分法のように比較的長時間にわたる画像情報を必要とする画像処理は行わず、上述したエッジ強調処理のように比較的短時間にわたる単一の画像情報のみに基いた画像処理を行うことが望ましい。
【0060】
表示装置15は、画像処理装置14から出力される画像信号で示される画像を表示し、ユーザは表示された画像に基づいて物体の認識を行う。この際、照射領域8aおよび受光領域8bの広さおよび認識対象物までの距離を示すデータ、さらにユーザによって指定された種々のデータを同時に表示してもよく、このようにすることでユーザは実際の認識対象物の大きさを容易に把握することができる。
【0061】
前述した構成においては、パルスレーザ装置1から発生するパルスレーザは一種類としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば赤外側と紫外側の両方のパルスレーザ光を用いて監視するようにしてもよい。この場合には、パルスレーザ装置1と照明用光学レンズ系5との間に、波長変換部を介装し、この波長変換部により赤外側レーザ光と紫外側レーザ光とを照射するようにする。
【0062】
なお、赤外側の波長は、パルスレーザの波長が760nm以上1600nm以下とすることが好ましい。このような波長範囲とすることで、特に港湾では密航船に対して監視している事実を知られたくない場合に、好適である。
【0063】
また、紫外側では、パルスレーザの波長が220nm以上440nm以下とすることが好適である。特に、赤外線吸収物質で船名等を覆っているような場合においても、紫外側の成分は反射が良好であるので、認識物体を撮像することができる。
【0064】
また、撮像装置12には、カラー可視カメラ、IRカメラを併設するようにしてもよい。
【0065】
このようなレーザレーダを用いて、捜索するシステムの条件の構築について説明する。
【0066】
[対象物の状況に応じた捜索条件の構築]
捜索対象物54としては、海難事故による漂流者及び漂流船、又は未確認浮遊物体、又は未確認航行船舶等を例示することができる。これらの対象物54はその大きさ及び識別力(例えば反射部を具備しているか否か)により認識確率が変化する。
なお、対象物により捜索船の作業が捜索又は監視になるが、以下の実施例においては、遭難者を捜索することについて説明する。
【0067】
[捜索領域における海象状況に応じた捜索条件の構築]
捜索領域の海象条件は海域毎に異なるので、捜索海域の海象条件により捜索モードを変更する。ここで、海象条件とは、図10に示すように、捜索領域における波の周期60と有義波高61とにより定まる。これにより波と距離条件により対象物が見えている時間が求められる。この海象条件は図1においてデータベース化されている。
この海象条件の一例を下記「表1」に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
次に、前記海象条件から、対象物54の位置と探知率との関係である探知率変化を求める。なお、この探知率変化は対象物の大きさDと捜索装置52の設置位置Hにより異なる。
図11に対象物の探知率変化の一例を示す。
図11においては、対象物の大きさを0.2mとした場合を示す。ここで、探知率の定義は対象物が探知できる時間/監視時間をいう。図11においては、監視1000秒における場合を示す。
この探知率変化より、対象物を認識することができる認識確率を設定することができる。
【0070】
ここで、認識確率は、下記式(1)により求められる。
1−[1−探知率(1回目)]×[1−探知率(2回目)]×[1−探知率(3回目)]×・・・×[1−探知率(n回目)]・・・(1)
なお、nは任意の整数である。
よって、認識確率をある閾値とした場合において、対象物の位置と探知率の関係から、捜索回数を設定することができる。
【0071】
[捜索装置を搭載した捜索船の対象物の状況に応じた捜索条件の構築]
捜索船の進行速度と監視システムの運用条件により、捜索モードを選定する。
捜索モードの選定には、運用条件を入力する必要がある。
図12は、オペレータが入力する操作画面の一例である。
図12において、操作用画面30は、対象物54の撮影像を表示する対象物表示部位31と捜索領域表示画面32とを有する。対象物表示部位31に画像化されている捜索領域は、極座標で表示されている。なお、図12においては、対象物表示部位31には対象物54が確認されている。
【0072】
また、捜索領域表示画面32は、多数の部分捜索領域に分割されている。部分捜索領域に対象物が存在することについて、画像処理により高精度化されて判定される。ここでは、500m前方の海面近傍に漂流する漂流者の頭部が領域33−1に存在することが例示的に示されている。
【0073】
操作用画面30は、船舶の進行速度(kt)、捜索装置の視野角(°)、捜索装置の旋回振幅(°)及び捜索装置の旋回走査速度(°/s)を入力する領域34−1、34−2、34−3、34−4を有している。また、海象条件を入力する領域35を有している。また、気象条件を入力する領域36及び昼夜の条件を入力する領域37を有している。
これらのモードに基づいて、レーザレーダ1の照射立体角度又は距離的捜索範囲が自動的に決定される。操作用画面30は、実船速vと旋回速度(実角速度)ωを設定する実速度設定領域38を有している。また、捜索時間、捜索回数及び有効捜索幅が表示される時間等表示領域39を有している。
【0074】
[捜索シミュレーション]
次に、捜索シミュレーションについて図1及び図13を基に説明する。図13は捜索シミュレーションのフロー図である。
(1)海象条件の入力(ステップ1)
先ず、オペレータが入力装置103の操作用画面30において、海象条件を入力する。すると、読出し装置101がデータベースの海象条件のファイル106bから波浪パターンを読み出す。
(2)探知率変化の算出(ステップ2)
入力された海象条件から当該海象条件模擬する波浪パターンデータのデータベースにより、探知率変化(図11参照)を算出する。
この際、捜索装置52の設置高さHを入力する。
(3)距離毎の探知率の算出(ステップ3)
船舶が進行している場合は、対象物54までの距離Lと旋回時に前を見る距離毎の探知率を算出する。これにより、監視可能な瞬時領域53(図3等参照)が特定される。
(4)認識確率の算出(ステップ4)
そして、監視可能な瞬時領域53が対象物位置54を通過する間の対象物の認識確率を算出装置102により算出する。
さらに、捜索船51の進行速度及び捜索装置52の運用条件を入力し、カメラの旋回操作時における監視可能な瞬時領域53の重なり状況を選定する。これにより、各ポイントが何回走査されるかを確認する。
(5)有効捜索幅及び時間の出力(ステップ5)
この結果、捜索に有効な有効捜索幅Wが求められると共に、捜索領域の捜索に要する時間が求められ、出力装置104により出力され、操作用画面30に表示される。
【0075】
これにより、捜索領域での捜索モードの特定がなされる。
この結果、監視、捜索等の捜索活動を開始する前において、認識確率及び捜索時間等の予想値が得られるので、システムの運用条件設定の良否の判断が可能となり、非効率な監視活動を行うおそれが低減され、効率的な捜索を行うことができる。
なお、データベース106に様々な条件における捜索シミュレーション結果を記憶させておき、入力情報と同程度の条件における結果と照合して、予想される認識確率と捜索に要する時間等のデータを提供するようにしてもよい。これにより、運用直前にシミュレーションすることが省略される。
【0076】
次に、図14を参照して具体的な捜索フローについて説明する。
例えば遭難者の一報が入ると同時に捜索船が出動し、遭難海域に到着して漂流者を捜索する場合を想定する。
【0077】
(1)捜索条件の設定(ステップ11)
遭難海域に到着すると同時に、当該海域の海象条件を入力する。
次に、海象条件から得られた探知率変化から、認識確率を選定する。
これと同時に、この得られた認識確率を基に、巡視船の進行速度、視野角、捜索振幅、旋回速度を設定し、入力する。さらに、捜索範囲を入力する。
(2)対象物の捜索開始(ステップ12)
捜索装置を自動操作とし、オペレータによる監視画面のモニタリングを行う。
(3)対象物の探知(ステップ13)
オペレータにより画面上における対象物の目視確認がなされた場合には、方角、距離を確認する。捜索マップ上に対象物を表示する。
(4)対象物のロックオン及び識別(ステップ14)
オペレータの例えばジョイスティック等の手動操作により、再探知する。対象物をロックオンの上、ズームアップをし、対象物を識別する。ストップモーションの画面により識別するようにしてもよい。
(5)対象物か否かの判定(ステップ15)
オペレータにより対象物であるか否かを画面上の目視で判定する。
この結果、捜索対象物である場合には、次にステップに移行する。一方、捜索対象物でない場合(例えば単なる漂流物)には、ステップ12に戻り、再度対象物の捜索を続行する。
(6)追尾・接近・捕捉(ステップ16)
目視により判別の結果、捜索対象物である場合には、自動追尾装置に切換え、捜索対象物を追尾しつつ速やかに接近し、収容する。
【0078】
図15は実際に捜索する海域(10km四方)40を示す。対象物54を海域の中心点として、捜索船51は海域のいずれかの一辺から捜索を開始する。
【0079】
図16−1、図16−2においては、レーザレーダによる監視の概念をストップモーションで図示している。なお、図中、まるで囲んだ数字は捜索船51の進行位置とそれに対応した捜索領域を時系列で表したものである。
図16−1は悪天候及び夜間の場合において、捜索船51の航行速度を低速として、捜索範囲の重なりを厚くした場合(監視するポイントを複数回行っている場合)を示す。
図16−2は晴天の場合において、捜索船51の航行速度を速めて、捜索範囲の重なりが少ない場合を示している。
【0080】
図17に船舶の進行速度を10ktとし、捜索装置の視野角が2°、捜索装置の旋回走査速度が2°/s、捜索装置の旋回振幅が±35°とした場合における捜索範囲と回数について示す。なお、有効捜索幅Wは800mである。
【0081】
また、有効捜索幅Wを一定に維持するために、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により自船の位置及び移動履歴情報を取得し、二重の監視及び見落とし領域の有無を判定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように、本発明にかかる海上における対象物の捜索方法は、海上を漂流している遭難者や遭難船、身元不明な船舶等を海上において、その捜索海域の状況に応じて、瞬時に対応することができ、認識確率が向上し、海難救済に用いて適している。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】捜索装置の設置例を示す概念図である。
【図3】カメラの捜索領域を示す概念図である。
【図4】レーザの視野角と監視可能な瞬時領域の関係を示す図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】図4の側面図である。
【図7】レーザの有効捜索幅を示す概略図である。
【図8】捜索船の捜索状況とその有効捜索幅を示す概略図である。
【図9】レーザレーダのブロック図である。
【図10】波の有義波高と周期との関係を示す図である。
【図11】対象物の探知率変化の一例を示す図である。
【図12】オペレータが入力する操作画面の一例を示す図である。
【図13】捜索シミュレーションのフロー図である。
【図14】捜索のフロー図である。
【図15】捜索海域の概念図である。
【図16−1】捜索船に搭載したレーザレーダによる監視の概念図である。
【図16−2】捜索船に搭載したレーザレーダによる監視の概念図である。
【図17】レーザレーダによる監視の概念図である。
【図18】波と対象物との関係図である。
【符号の説明】
【0084】
100 中央処理装置
101 読出し装置
102 算出装置
103 入力装置
104 出力装置
105 記憶装置
106 データベース
107 バス
50 監視棟
51 捜索船
52 捜索装置
53 監視可能な瞬時領域
54 対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海上に浮遊又は漂流又は走行している対象物を捜索する捜索方法であって、
浮遊又は漂流又は走行している対象物の当該海域の海象条件を入力する第1の入力ステップと、
前記第1の入力ステップで入力された海象条件及び対象物の大きさに応じた探知率変化を、予め記憶装置に記憶されたデータベースから読み出す読出しステップと、
前記読み出された探知率変化から対象物の認識確率を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された捜索モードを出力する出力ステップと、
を備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記探知率変化が、対象物までの距離と、所定時間内において対象物を確認することができる割合である探知率との関係より求められることを特徴とする海上における対象物の捜索方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記海象条件が、波の周期と有義波高とにより定まることを特徴とする海上における対象物の捜索方法。
【請求項4】
請求項2又は3において、
前記認識確率が、下記式(1)より求めることを特徴とする海上における対象物の捜索方法。
1−[1−探知率(1回目)]×[1−探知率(2回目)]×[1−探知率(3回目)]×・・・×[1−探知率(n回目)]・・・(1)
ここで、nは任意の整数である。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
前記対象物の捜索を地上又は船舶のいずれかより捜索装置を用いて行うことを特徴とする海上における対象物の捜索方法。
【請求項6】
請求項5において、
船舶で捜索する場合において、
さらに、海象条件に応じて船舶の進行速度(kt)、捜索装置の視野角(°)、捜索装置の旋回走査速度(°/s)、又は捜索装置の旋回振幅(°)を入力する第2の入力ステップを備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つにおいて、
さらに、捜索範囲を入力する第3の入力ステップを備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索方法。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか一つおいて、
前記捜索装置が、レーザレーダ、可視カメラ、赤外カメラのいずれか一種又はこれらの組合せであることを特徴とする海上における対象物の捜索方法。
【請求項9】
海上に浮遊又は漂流又は走行している対象物を捜索する捜索システムであって、
浮遊又は漂流又は走行している対象物の当該海域の海象条件を入力する第1の入力装置と、
前記第1の入力装置で入力された海象条件及び対象物の大きさに応じた探知率変化を、予め記憶装置に記憶されたデータベースから読み出す読出し装置と、
前記読み出された探知率変化から対象物の認識確率を算出する算出装置と、
前記算出装置で算出された捜索モードを出力する出力装置と、
を備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索システム。
【請求項10】
請求項9において、
前記探知率変化が、対象物までの距離と、所定時間内において対象物を確認することができる割合である探知率との関係より求められることを特徴とする海上における対象物の捜索システム。
【請求項11】
請求項9又は10において、
前記海象条件が、波の周期と有義波高とにより定まることを特徴とする海上における対象物の捜索システム。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれか一つにおいて、
前記対象物の捜索を地上又は船舶のいずれかより捜索装置を用いて行うことを特徴とする海上における対象物の捜索システム。
【請求項13】
請求項12において、
船舶で捜索する場合において、
さらに、海象条件に応じて船舶の進行速度(kt)、捜索装置の視野角(°)、捜索装置の旋回走査速度(°/s)、又は捜索装置の旋回振幅(°)を入力する第2の入力装置を備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索システム。
【請求項14】
請求項9乃至13のいずれか一つにおいて、
さらに、捜索範囲を入力する第3の入力装置を備えたことを特徴とする海上における対象物の捜索システム。
【請求項15】
請求項9乃至14のいずれか一つにおいて、
前記捜索装置が、レーザレーダ、可視カメラ、赤外カメラのいずれか一種又はこれらの組合せであることを特徴とする海上における対象物の捜索システム。
【請求項16】
海上に浮遊又は漂流又は走行している対象物を捜索する捜索方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
浮遊又は漂流又は走行している対象物の当該海域の海象条件を入力する第1の入力ステップと、
前記第1の入力ステップで入力された海象条件から対象物の大きさに応じた探知率変化を、予め記憶装置に記憶されたデータベースから読み出す読出しステップと、
前記読み出された探知率変化から対象物の認識確率を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された捜索モードを出力する出力ステップと、
を備えた対象物の捜索方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項17】
請求項16において、
船舶で捜索する場合において、
さらに、海象条件に応じて船舶の進行速度(kt)、捜索装置の視野角(°)、捜索装置の旋回走査速度(°/s)、又は捜索装置の旋回振幅(°)を入力する第2の入力ステップを備えた対象物の捜索方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項18】
請求項16又は17において、
さらに、捜索範囲を入力する第3の入力ステップを備えた対象物の捜索方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−3455(P2007−3455A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186334(P2005−186334)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(591196577)海上保安庁長官 (6)
【Fターム(参考)】