湾曲された熱可塑性複合部品の製造方法
調節された可変の厚さを有する湾曲された熱可塑性複合積層部品を連続的なプロセスで成形するための製造方法である。自動化された装置または手作業のレイアップが部品またはコンポーネントを多層スタックに集積するために使用される。各スタックは位置とその配向方向を維持するために適切な位置で仮留めされるプライ集積領域を含めた全てのプライを含んでいる。プライ仮留めツーリングは全ての必要な部品特性を含み、異なる厚さの領域を潜在的に有する単一の一体化された熱可塑性複合積層を多プライスタックから形成するためカスタム化された多プライスタックに調節される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスティック材料を使用する製造プロセスに関し、特に湾曲された熱可塑性複合部品を製造するための優れた方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一定の厚さと直線の所定の長さの熱可塑性複合(TPC)積層体を製造するために多くの多数のプロセスが存在する。加圧、型押、オートクレーブ成形のような非連続的プロセスに加えて、押出し、プルトルージョン、ロール成形、圧縮モールドのような連続的プロセスが存在する。これらの後者のプロセスは連続的な長さで部品を生成することができるが、これらには軽量の航空宇宙構造及びその他の重量が特に重要である構造で必要とされている可変の厚さの部品を製造する能力がない。さらに、前述のプロセスは湾曲部を有する部品をそれらの長さに沿って製造する能力がない。
【0003】
したがって連続的なプロセスで調節された厚さを有する湾曲したTPC積層体を製造することができる新規な方法を提供する必要がある。このような方法は廉価な方法であることが好ましく、可能ならば自動化された装置を利用すべきである。
【発明の概要】
【0004】
本発明は連続的なプロセスで調節された可変の厚さを有する湾曲し熱可塑性複合積層を製造する革新的な方法を提供する。この革新的プロセスは部品またはコンポーネントを多層スタックに集積するために自動化装置または手作業のレイアップを使用する。各スタックは配向と位置を維持するために適切な位置で取り付けられるプライ集積領域を含めた全てのプライを含んでいる。強化ツーリングは全ての必要な部品特性を含み、これらの多プライスタックから異なる厚さの領域を潜在的に有する単一の一体化された複合積層を成形するためにカスタム化された多数の2プライスタックに調節される。
【0005】
前述の方法により成形された複合部品は例えばオートクレーブおよび航空宇宙応用を含んだ広範囲の応用で使用を見出すことができる。本発明により成形された複合部品の1例は商用航空機の構造的に硬化された部材として使用するのに理想的に適している。
【0006】
本発明の1特徴にしたがって、方法は調節され可変の厚さを有する湾曲した熱可塑性積層部品を製造するために提供される。その方法は非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多数のプライスタックを成形し、そのスタックから湾曲したブランクを切断し、予備成形された部品を製造するために湾曲したパスで予備成形構造を通って湾曲されたブランクを供給し、プライを圧縮するため予備成形された部品を加圧するステップを含んでいる。スタックのプライは熱可塑性樹脂の局部的な溶融により共に付着され、それによってプライは相互に固定した関係を保持される。複数の部品のブランクは材料の各スタックから切断されることができる。各ブランクは予備成形構造を通して供給され、ここでは部品のある特徴が積層プライが圧縮される前に予備成形される。部品の調節された可変の厚さの特徴は予備成形部品上に配置された湾曲したツールを使用して成形され、部品と共にプレス機に供給される。プレス機内の予備成形された部品に対して湾曲したツールを型押しすると、プライが圧縮されるときツールの表面特徴形成を部品に与える。
【0007】
本発明の別の特徴によれば、連続的なプロセスで調節された可変の厚さを有する湾曲した熱可塑性積層部品を製造するための方法が提供される。この方法は湾曲した予備成形部品を製造するために湾曲したパスで予備成形構造を通って多プライの熱可塑性積層ブランクを供給し、湾曲した予備成形部品を湾曲したパスでプレス機を通して供給し、プライを圧縮するため予備成形された部品を加圧し、調節された可変の厚さを規定する特性を部品に与えるステップを含んでいる。その方法はさらに非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多プライスタックを成形し、湾曲したブランクを多プライスタックから切断するステップを含んでいる。スタック中のプライは積層ブランクが予備成形構造を通して供給されるとき相互に固定された関係でプライを保持するように共に仮留めされる。湾曲され、予備成形された部品は熱可塑性樹脂マトリックスの溶融点まで加熱され、その後段階的なステップでプレス機を通して動かされ、それによってプレス機は各段階的ステップ後に部品の1セクションを圧縮する。
【0008】
本発明のさらに別の特徴によれば、調整された可変の厚さ特性を有する湾曲した熱可塑性積層部品を製造するための方法が提供される。方法は湾曲した多プライの熱可塑性積層ブランクを成形し、ブランクの部分を変形することにより湾曲され予備成形された部品を製造し、湾曲したツールを湾曲され予備成形された部品と接触させ、湾曲したパスで圧縮プレス機を通して湾曲したツールと共に湾曲され予備成形された部品を供給し、積層プライを圧縮し調節された可変の厚さを形成するため湾曲したツールと湾曲され予備成形された部品を共に加圧するステップを含んでいる。方法はさらに非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多プライスタックを成形し、湾曲されたブランクを材料のスタックから切断するステップを含むことができる。はんだごて等はブランクが予備成形された部品へ変形させながらプライを固定した関係に保持するようにプライを共に付着させるために使用されることができる。
【0009】
本発明のその他の特徴、便宜性、利点は添付図面と特許請求の範囲にしたがって考察するとき、以下の詳細な説明から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の好ましい実施形態により成形された熱可塑性複合積層体の分解図および斜視図である。
【図2】図2は調節された多層スタックを成形するために使用されるコンベア台の斜視図である。
【図3】図3は図2で成形された調節された多層スタックの1例の斜視図である。
【図4】図4は図1の熱可塑性複合積層を成形するために使用される強化構造の予備成形ゾーンと強化ゾーンを示す図である。
【図5】図5は図4の強化構造の予備成形ゾーンの斜視図である。
【図6】図6は図2乃至5により図1の熱可塑性複合積層を成形するための好ましい方法を示す論理フロー図である。
【図7】図7は本発明の方法により成形される湾曲した熱可塑性複合積層部品の例を表す斜視図である。
【図8】図8はスタックから切り出された3つの湾曲部分のブランクを有する熱可塑性複合材料の調節された多層スタックの斜視図である。
【図9】図9は本発明の方法による湾曲した熱可塑性複合部品を成形するために使用されるツーリングの斜視図である。
【図10】図10は湾曲した熱可塑性複合部品に特徴を与えるために使用される湾曲したツールの斜視図である。
【図11】図11は図10に示されているツールの底面図である。
【図12】図12はツールの2つの部分間で捕捉された湾曲した複合部品の一部を示す断片的な断面図である。
【図13】図13は積層プライの圧縮に使用されるダイスをツーリング及び機械型押しするための動作関係で示されている熱可塑性複合Iセクションビームの分解断面図である。
【図14】図14は湾曲した複合部品を製造する方法で使用される予備成形構造と、圧縮プレス機の一部の斜視図である。
【図15】図15は図14に類似しているが、予備成形構造とプレス機の反対側を示している図である。
【図16】図16は強化ツーリングを使用して予備成形された部品を圧縮するダイスを示すプレス機の断面図である。
【図17】図17は一定の湾曲を有する部品を生成するためのツーリングスリーブに関して湾曲されたダイスを示しているプレス機の断面の部分図である。
【図18】図18は図17に類似しているが、非均一な湾曲を有する部品を製造するためのツーリングスリーブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は連続的なプロセスで調節された可変の厚さを有する熱可塑性複合(“TPC”)積層材料を形成するための優れた製造方法を提供する。本発明は例えば航空宇宙産業を含む広範囲の潜在的な応用で適用可能な使用を見出している。本発明の好ましい方法は航空機の胴体の支持フレームワークに熱可塑性複合補強部材を形成するのに理想的に適している。熱可塑性複合補強部材の潜在的な例は胴体の外皮、翼の外皮、制御表面、ドアパネル、アクセスパネルを含んでいるがそれらに限定されない。補強部材はキールビーム、床げた、甲板ビームを含んでいるがそれらに限定されない。単なる例示的な目的で、本発明を最初に商用航空機の胴体で使用するための熱可塑性複合床げた20を形成することについて参照して説明する。しかしながらIセクションが示されているが、それらの長さに沿って湾曲部を有するものを含めたZセクション、Uセクション、Tセクション等のような他の補強された部材の形状についても後に説明する。
【0012】
図1を参照すると、熱可塑性複合積層体、ここでは調節された可変の厚さの領域t1とt2を有する熱可塑性複合積層体床げた20は両端部において1対のキャップ領域24に結合されているウェブ領域22を有するものとして示されている。ウェブ領域22および1対のキャップ領域24は非均一な厚さの取り付けられた多層プライシートスタック76を熱可塑性複合充填ナゲット26の対と、さらに均一な厚さの仮留めされた多層プライシートスタック74の対とを固定することにより単一の一体化された積層構造として形成される。シートスタック76は2つのプライで構成されているように示されているが、シートスタック74と76の一方は応用に応じて、任意の数のプライを含んでもよいことが理解されよう。図1では均一な厚さと1つのプライを有するように示されているキャップ領域24も同様に可変の厚さおよび/または複数のプライの領域が与えられることができることが理解されよう。
【0013】
別のバージョン(図示せず)では、床げた20のような熱可塑性複合積層は代わりにここで説明した方法と類似の方法で、1以上の均一または非均一な仮留めされた多層プライシート74、76を熱可塑性複合材料30の1以上のプライ(図2と3では32として示されている)、熱可塑性材料30の1以上の部分的なプライ(図3では34として示されている)、或いは1以上の均一または非均一な厚さの仮留めされた多層のスタック74、76及び任意のその組合せのいずれかと固定することにより形成されることができる。さらに、1以上の充填ナゲット26も熱可塑性複合積層20のさらに別のバージョンを形成するためにその組合せで使用されることができる。図1に示されているように熱可塑性複合床げた20を形成する方法を図2−6と関連して詳細に以下説明する。
【0014】
プライ32、34で使用される熱可塑性材料30は、好ましくはガラス(s型またはe型)または炭素ファイバのような繊維素子(図3で38として示されている)で補強されているポリエーテルエーテルケトン(“PEEK”)、ポリエーテルケトンケトン(“PEKK”)、ポリフェニルスルホン(“PPS”)、ポリエーテルイミド(“PEI”)のような熱可塑性マトリックスポリマー(図3では40として示されている)を含んでいる。熱可塑性材料30の各プライ32、34内のファイバ38は特定の応用に基づいて、一方方向または非均一な配置で配向されている。当業者はマトリックス40内のファイバ38の相対的なタイプ、厚さ、量および各プライ32、34で使用されるマトリックス樹脂のタイプは、熱可塑性積層複合物20の価格と最終的に所望される物理的及び機械的特性を含めた多数の要因に基づいて非常に変化することができる。さらに別のプライ32、34に関する一方のプライ32、34の一方方向ファイバの相対的な配向もまた熱可塑性複合積層20の機械的特性に影響する。
【0015】
ナゲット26は押出しまたは他のよく知られた成形プロセスを介して熱可塑性材料30と適合する熱可塑性材料37から形成される。ナゲット26のマトリックス樹脂組成42は材料30のマトリックス樹脂組成40と同じであることが好ましい。さらに、充填ナゲット26は熱可塑性材料30内に含まれるファイバ38と類似のファイバ44を使用することができる。
【0016】
論理フロー図(図6)と処理図(図2−5)を参照すると、図1のTPC積層床げた20を成形する方法は、それぞれローラー46または他の保持装置で保持されている熱可塑性材料36と予備成形された充填ナゲット26の予備成形されたプライ32、34を与えることによりステップ150で開始する。
【0017】
次に、ステップ160で、熱可塑性材料36の多数のプライ32、34は手作業のレイアップまたは自動化プロセスを使用して、非均一な厚さまたは均一な厚さの仮留めされていない多層プライシートスタック58または60を成形するために所望の構造で重ねられる。
【0018】
自動化プロセスでは、図2で示されているように熱可塑性材料30の複数のプライ32または34(図3)は結合するために揃えられた多層の非均一な厚さまたは均一な厚さの多層プライスタック58または60を成形するためにローラー46からコンベア台48へ広げられる。ローラー46はそれぞれのプライ層32、34を別の隣接する層32、34に関して特定の配向で載置するためにコンベア台48の1端部50または側面52、54に沿って配置されることができる。したがって、例えば完全なプライ32の下部層は一方の方向で延在する一方方向ファイバ38を有して載置され、次のそれぞれの上部の完全なプライ32は別の方向(例えば下に存在するプライ32に関して45または90度)で載置されたファイバ38を有することができる。コンベア台48上に位置されるレーザプロジェクタ56は完全なプライ32に関する局部的または部分的なプライ34および/またはポケット36の適切な位置を確実にする。
【0019】
図2のプロセスにより作られた仮留めされていない非均一な厚さの多層シートスタック58の1例が図3に示されており、この図は種々の完全なおよび部分的なプライ32、34を示し、さらにプライ32、34間で生成されたポケット36を示している。さらに図3は相互に関して90度の相対的な配向角度で載置されている一方方向ファイバ38を有する部分的なプライ62、64を示しており、ここでは第1の配向方向(ファイバ38は前部66から後部68へ延在する)で載置される部分的なプライ62を示し、他方で部分的なプライ64は異なる配向(ファイバ38は側面70から側面72へ延在する)で載置されている。勿論、示さないが、プライは相互に垂直(即ち0/90の配置)から相互に平行(即ち0/0配置)および(例えば0/30の配向、0/60、0、45、90の配向等を含めた)あらゆる考えうる角度にわたる相互に対して他の相対配向のファイバ38を有することができる。
【0020】
次にステップ170では、図2で形成された仮留めされていないスタック58、60の幾つかのまたは全ての種々のプライ32、34は均一または非均一な厚さの仮留めされた多層プライシートスタック74、76を形成するために種々の予め定められた位置で共に仮留めされることができる。好ましくは、スタック58、60はそれぞれのスタック74、76を形成するためにはんだごてまたは超音波溶接機(図示せず)を使用して共に仮留めされることができるが、当業者に知られている熱可塑性材料の種々のプライ32、34を共に結合するために使用される他の装置も考えられる。プライ32、34間の仮留めの量および位置は、種々のプライ32、34とポケット64の数及び位置を含むがそれに限定されない幾つかの要因にしたがう。さらに、仮留めの量は単一部材として輸送されることができる実質的に一体化され仮留めされたスタック74、76を形成するのに十分でなければならない。
【0021】
ステップ175では、仮留めされたスタック74、76はその後、より小さいピースへ切断されることができ、または図1の床げた20のような熱可塑性複合積層の形成に使用される準備がされている。
【0022】
次にステップ180では、均一または不均一な厚さの仮留めされたスタック74、76の少なくとも1つと、非均一な厚さの仮留めされたスタック76と均一な厚さの仮留めされたスタック74または単一のプライ32の少なくとも1つと、随意選択的に熱可塑性材料30、37の充填ナゲット26の少なくとも1つの組合せは床げた20のような単一の一体化された熱可塑性複合積層を形成するために強化構造78で共に融着される。図1の熱可塑性複合積層床げた20を形成するように特別に設計された1つの好ましい強化構造78は以下説明するように図4および5で示されている。
【0023】
図4および5を参照すると、強化構造78は予備成形ゾーン80と強化ゾーン82を含むことができる。予備成形ゾーン80では、均一または不均一な厚さの仮留めされたスタック74、76の少なくとも1つと、随意選択的に充填ナゲット26の少なくとも1つと、非均一な厚さの仮留めされたスタック76と均一な厚さの仮留めされたスタック74または熱可塑性材料の図2および3の単一のプライ32の少なくとも1つの組合せは連続的なプロセスでそれらの適切な配向で装着され、予備成形された部品84を形成するために上昇温度で所望の形状に予備成形される。予備成形された部品84はその後、予備成形ゾーン80を出て、強化ゾーン82に入り、ここで前述の図1で説明したように床げた20のような単一の一体化された熱可塑性複合積層を形成するように合体強化される。部品の予備成形で使用される上昇温度は仮留めされたスタック74、76または単一のプライ32の軟化を生じさせるのに十分な温度でなければならず、それによって層は予備成形プロセス中に屈曲されることができる。しかしながら上昇温度はマトリックス樹脂40、42のポリマーコンポーネントが粘性の液体の一貫性を有する温度よりも低温でなければならない。
【0024】
図5を参照すると、強化構造78の予備成形ゾーン80はギャップ90により分離されている中央部88を有する1対のU型のツーリングチャンネル86と1対のサイドツーリングシート部材92を含んでいる。シート部材92はマンドレル92とも呼ばれる。好ましくはチャンネル86とサイドツーリングシート部材92は反復的な高熱サイクルの処理が可能なステンレス鋼等のような材料から成形される。
【0025】
仮留めされたスタック74または76の第1の対94はそれぞれの中央部88間とU型チャンネル86のギャップ90内に導入される。同時に、随意選択的な充填ナゲット26と付加的な仮留めされたスタック74または76またはプライ32のいずれかは第1の対94の各フランジ96に沿ってそれぞれのサイドツーリングシート部材92内に導入される。図4および5に関して以下の段落での説明の目的のために、非均一な厚さの仮留めされたスタック76はギャップ90内に導入される第1の対94として示されている。均一な厚さの仮留めされたスタック74はU型チャンネル86の外部98とそれぞれのサイドツーリング部材92との間の位置に導入されているように示されている。さらに、プライ層32はこの説明では示されていない。示されてはいないが、U型チャンネル86は傾斜及び特定の材料(ここでは非均一な仮留めされたスタック76の第1の対94)の(図1のt1とt2に対応する)積層の厚さの変化に整合するように設計されている他の特徴を含んでいる。
【0026】
仮留めされたスタック74、76とナゲット26が予備成形ゾーン80を通って強化ゾーン82の方向へ動くとき、u型チャンネル86のいずれかの側の非均一な仮留めされたスタック76の第1の対94のフランジ96は相互に離れるようにU型チャンネル86のそれぞれの外側部分98方向への熱及び圧力下で外方向に屈曲される。フランジ96はそれ故、フランジ96と均一または非均一な厚さの仮留めされたスタック76のそれぞれの内端部との間に位置されるナゲット26により、均一または非均一な厚さの仮留めされたスタック76の内側に対して平らに結合される。予備成形ゾーン80内の熱は非均一な厚さの仮留めされたスタック76のフランジ96の変形を可能にするのに十分な温度に上昇されるが、それぞれのスタック74、76とナゲット26のマトリックス樹脂40、42のポリマーコンポーネントが粘性の液体の一貫性を有する温度よりも低温である。フランジ86の屈曲はローラー(図示せず)のような外部成形装置によりフランジ96に与えられる圧力によって開始される。サイドツーリングシート部材92は仮留めされたスタック74をフランジ96に対して内方向に圧迫し、フランジ96に与えられる付加的な圧力を発生し、これはフランジ96の屈曲を促す。予備成形部品84はその後強化ゾーン82へ動く準備をされる。
【0027】
図4で最良に示されているように、予備成形部品84はガイドローラー105上の強化ゾーン82内の別々または接続された強化構造102に入る。強化構造102はU型チャンネル86とサイドツーリングシート部材92の外部表面と個別に結合する通常104で示されている複数の標準化されたツーリングダイスを含んでいる。ツーリングダイス104の付加的な詳細を図13および16を参照して後に説明する。強化構造102の標準化されたダイス104とチャンネル86およびシート部材92の外部表面との間の表面のこの共通性は部品に特定する高価な整合されたダイスの必要性をなくし、異なるプライ構造を有する異なる予備成形部品間のスタートアップ時間をなくす。
【0028】
強化構造102は予備成形された部品84を強化ゾーン82内で前方向に予備成形ゾーン80から離れるように段階的に移動する脈動構造106を有する。部品84が前方向に動くとき、部品は最初に加熱ゾーン108に入り、この加熱ゾーン108はスタック74、76とナゲット26のマトリックス樹脂40、42のポリマーコンポーネントの自由流動を可能にする温度まで部品を加熱する。次に、部品84は加圧ゾーン112へ前方向に移動し、ここで標準化されたダイス104は仮留めされたスタック74、76の種々のプライ32、34およびナゲット26をその所望の形状と厚さへ合体強化する(即ちマトリックス樹脂の自由流動を可能にする)のに十分な予め規定された力(圧力)で集合的または個別に下げられ、ここでは床げた20のウェブ領域22と1対のキャップ領域24とを成形する。各ダイス104は絶縁体を有する複数の異なる温度ゾーンを有して形成される。ダイス104は実際には部品84と接触しないが、部品84に対向するU型チャンネル86とサイドツーリング部材92の外部表面と接触する。したがってチャンネル86、92のそれぞれの内部表面は部品84の一部分に対して圧縮する。この圧縮は、全てのダイス104が1つの独立した調整されたステップで圧縮するように行われる。ダイス104は開かれ、部品84は強化ゾーン102内で予備成形ゾーン80から離れるように前進される。ダイス104はその後再度閉じられ、部品84の一部が異なる温度ゾーン内の力により圧縮されることを可能にする。部品84が冷却ゾーン114方向へガイドローラー105に沿って段階的に前進されるときプロセスはダイス104の各温度ゾーンで反復される。
【0029】
形成および成形された部品84はその後、加圧ゾーン112から離れている冷却ゾーン114へ入り、温度はマトリックス樹脂40、42の自由流動温度よりも低くされ、それによって溶融され強化された部品をその最終的に加圧された形状116へ硬化させる。加圧された部品116はその後強化構造102を出て、サイドシート部材92はスクラップとしてローラー120へ再度巻き付けられる。
【0030】
示されていないが、強化構造102は形状または特性を加圧された形状116へ誘導できる付加的な部品または装置を有することができる。
【0031】
使用されることができる1つの好ましい強化ゾーン構造102はここで参考文献としている1993年9月30日に出版された独国特許出願第4017978号明細書に開示されているようないわゆる連続圧縮鋳造(“CCM”)プロセスである。しかしながらプルトルージョンまたはロール成形を含めるがそれに限定されない当業者に知られている他の鋳造プロセスが本発明により特に考慮されてもよい。
【0032】
次にステップ190では、加圧された部品116は熱可塑性複合積層20を成形するためにトリムされ、または他の方法でその所望の最終形状に後処理される。ステップ200では、積層20は好ましくは超音波の非破壊検査技術を使用して視覚的に、または積層20が正確に成形され任意の視覚的または他の欠陥を含んでいないことを確かめるためのその他の手段によって検査される。検査後、ステップ210で熱可塑性複合床げた20のような積層20はそのアセンブリへ設置されることができる。床げた20の場合には、これは航空機の胴体内に導入される。
【0033】
本発明を基本的にI型ビーム形状を有する熱可塑性複合床げた20を形成することに関して説明したが、他の潜在的な形状が本発明により特に考慮される。これはL型、C型、T型を有するかまたは平坦なパネル形状の熱可塑性複合積層を含んでおり、ここでは厚さの変位が部品の任意のセクションで生じる可能性がある。これらの代わりに成形された積層または床げた20の他の形態はここで説明した方法と類似の方法で、1以上の均一または非均一な仮留めされた多層プライシート74、76を熱可塑性複合材料30の1以上のプライ32、熱可塑性材料30の1以上の部分的なプライ34、或いは1以上の均一または非均一な厚さの仮留めされた多層のスタック74、76及び任意のその組合せのいずれかと強化することにより形成されることができる。さらに、1以上の充填ナゲット26も熱可塑性複合積層20のさらに別の代わりのバージョンを形成するために使用されることができる。任意のこれらの別の好ましい変形を実現するため、TPC積層20の所望の厚さ変化に整合するように予備成形ゾーン80内のツーリングに対する変形が必要である。例えば図5のU型ツール86は図1の床げた20のようなI型ビームを成形するのに特定されたものであり、ギャップ90を有する代わりに成形されたツール86はそれぞれのプライ層の間にテーパーを有するC型の積層、L型の積層または平坦なビームの成形に使用される。U型ツール86に類似して、これらの別のツールは強化ゾーン102内の標準化されたダイス104に整合されたスタック74、76とは接触しない領域を含んでいる。
【0034】
本発明は変形された単一ステップの強化ゾーンを使用することにより熱可塑性複合積層を成形するのに理想的に適しているが、熱硬化性積層複合体も形成されることができる。この強化プロセスの変形バージョンでは、加熱および加圧ゾーンは熱硬化性部品を成形するためのマトリックス樹脂の反応または硬化温度を超える温度を実現する。したがって、単一の加圧プロセスはその後の加圧プロセスなしにその最終的な所望の形状を有する部品を実現する。
【0035】
本発明は連続プロセスで調節された可変の厚さを有する複雑な熱可塑性複合積層を製造するための革新的な方法を提供する。この革新的なプロセスは部品またはコンポーネントを多層スタックに適合するため自動化された装置または手作業のレイアップを使用する。各スタックは配向と位置を維持するために適切な位置で取り付けられるプライ集積領域を含めた全てのプライを含んでいる。強化構造は多層スタックから複合積層を成形するための2段方法を使用し、結果を実現するための全ての必要な部品特性を含んでいる。予備成形ゾーン80のU型ツール86のようなツーリングは成形されたTPC積層20に所望の厚さの変化を生むために適切な形状で生成され、さらに強化ゾーン82を有する標準化されたダイスと結合するように設計される。
【0036】
前述の方法により成形される複合部品は例えば自動車および航空宇宙応用を含めた広範囲の応用で使用を見出すことができる。本発明により成形される複合部品の一例は熱可塑性複合積層の床げた20を含めた構造的な補強部材として商用の航空機で使用するのに理想的に適している。
【0037】
図7−15を参照すると、本発明の別の実施形態は湾曲され調節されおよび/またはそれらの長さに沿って可変の厚さの熱可塑性積層部品を製造するために使用されることができる。曲率が一定(円形)または積層部品の長さに沿って可変である湾曲された積層が製造されることができる。前述した実施形態の場合のように、湾曲された熱可塑性積層部品は調節された領域または部分的または局部的なプライを付加することにより実現された可変の厚さの領域、或いはポケットを含む領域を含むことができる。「調節された」または「調節する」は部品の表面のプロフィールを示し、ここでは部品の特別な領域におけるプライの選択的な付加または減少は圧縮プロセス期間中にプライが強化された後、所望の表面プロフィールを実現するために使用されることができる。この方法の実施形態により生成された湾曲された部品は、フレーム、リング、模型、構造的な航空機の補強部材、または胴体の外皮、翼の外皮、ドアパネル、アクセスパネル、キールビーム、床げた、甲板ビームのような種々の応用で使用されることができる。湾曲された部品は図7の(a)−(f)に示されているような種々の断面を有して生成されることができる。Iセクションを有する製造された部品212は図7の(a)に示され、Uセクションを有する部品214は図7の(b)に示されている。Lセクション部品216は図7の(c)に示され、Tセクション部品は図7の(d)に示されている。Zセクションを有する部品220は図7の(e)に示されており、簡単な方形セクションを有する部品222は図7の(f)に示されている。図7の(a)−(f)に示されている部品は前述したように一定または可変の曲率を有することができ、それらの長さに沿って1以上の点で可変または調節された厚さの領域を含むことができる。
【0038】
この本発明の実施形態により湾曲された熱可塑性積層部品を製造する予備ステップは前述したステップに類似している。熱可塑性材料の複数のプライは図2を伴って前述したように、揃えられた多層の非均一な厚さまたは均一な厚さの多層スタックを成形するためにコンベア台に置かれる。したがって結果的な多層スタックは図3に示されているスタック58に類似し、これは完全または部分的なプライ32、34と、プライ32、34の間で生成されたポケット36を含んでいる。部分的なプライ62、64も含まれることができ、これはファイバの配向の方向に関して交番する角度で配置される一方方向ファイバ38を有する。前述したように、多層スタック58のシートははんだごてまたは他の加熱装置(図示せず)を使用して共に固着され、それによってプライは相互に固定した関係で保持される。前述の方法により生成された揃えて仮留めされたスタック224は図8に示されている。
【0039】
湾曲した複合部品を製造するための方法の次のステップはそろえられたスタック224から個々の部品プライスタックまたは部品ブランク226を切断することを含んでいる。この切断動作は例えばコンピュータの制御下で動作する水ジェットカッター(図示せず)により行われることができ、所望の部品の曲率に通常対応する外部プロフィールを有する切断ブランク226を生成する。前述したようにこの曲率は一定であるか、部品ブランク226の長さに沿って変化することができる。
【0040】
部品ブランク226は、湾曲されていない複合部品を製造することに関して前述した方法と通常類似の方法で以下説明する強化ツーリング235のセットに沿って予備成形局275(図14および15)へ与えられる。しかしながら、本発明の実施形態の場合、強化ツーリング235とブランク226はこれらが予備成形局275へ与えられるとき湾曲されたパスに沿って移動する。
【0041】
強化ツーリング235は図9に示され、湾曲された内部および外部ツーリングスリーブ228、230と上部及び下部ツーリングスリーブ232、234を具備している。上部及び下部ツーリングスリーブ232、234はそれぞれブランク226の曲率に対応する曲率を有し、内部および外部ツーリングスリーブ228、230は予備成形プロセス期間中に部品ブランク226の曲率に適合するように同様に湾曲されるかフレキシブルであることができる。図9、14、15で示されている例では、ツーリングスリーブ228−234は図7の(e)に示されているようにZセクション部品220を生成するように構成される。図面では特に示されていないが、ツーリングスリーブ228−234の部品側の表面は可変の厚さ、可変の曲率、ポケット等のような部品の鏡像特性を生成するツーリング特性を含んでいる。
【0042】
図14と15を特に参照すると、上部及び下部のツーリングスリーブ232、234はブランクが湾曲されたパス280で複数の成形装置268とガイド270のセットを含む予備成形局275へ与えられる前に部品ブランク226周囲に組み立てられる。部品ブランク226はZセクション部品220のウェブ220aとキャップ220b(図7の(e))を具備する平坦な仮留めされたスタック262と、ビームウェブ220aの局部的な補強を形成する集積プライ264のセットを含んでいるように見える。
【0043】
部品ブランク226とツーリングスリーブ232、234を具備する重ねられたアセンブリは予備成形局275に与えられ、内部および外部ツーリングスリーブ228、230は重ねられたアセンブリと接触するように供給される。成形装置268はツーリングスリーブ232、234上のフランジ265に対してブランク226のエッジ部を変形する機能を行い、それによってZセクション部品220のキャップ220bを予備成形する。同様に、付加的なキャップ補強プライ266は成形装置268とツーリングフランジ265との間に与えられる。ガイド270は内部および外部ツーリングスリーブ228、230をキャップ220bを形成するブランク226のエッジと接触させる。予備成形されたブランク226はツーリングスリーブ235と共に、強化ツーリング235上に力を与えるダイスを含んでいるCCMマシンのような湾曲されたプレス機284を通る湾曲パス280における移動を継続する。この力は予備成形された部品のプライの圧縮及び強化を行う。図面では特に示されていないが、部品ブランク226のマトリックス樹脂のポリマーコンポーネントが粘性の液体の一貫性を有する温度まで部品ブランク226を加熱するのに必要なヒータまたはオーブンが与えられる。この方法による部品ブランク226の加熱はプライの強化を促す。場合によっては、部品ブランク226の予備加熱は予備成形プロセスを容易にするためにも必要とされる可能性がある。部品ブランク226の予備加熱の必要性はプライの数、プライの配向、材料のタイプ、予備成形される形状等のような多数の要因に基づくことができる。
【0044】
プレス機284は図4に関連して前述したものと本質的に類似している。しかしながら図4に示されているプレス機と異なって、プレス機284で使用されるダイスは湾曲され予備成形された部品226に適合するためにある程度の曲率を有する。1つのこのようなダイス286は図17に示されており、ここではダイス286の内部表面296は上部ツーリングスリーブ232上のフランジ265の曲率に整合する曲率を有する。ダイス286は圧縮プロセス期間中、矢印288の方向で内側に、内部ツーリングスリーブ228と接触するように移動する相互に湾曲されたダイス(図示せず)に対して反対方向でフランジ265と接触するように移動する。プレス機284で使用されるダイスの曲率は、生成されている湾曲された部品の形状と、部品の特徴の製造に必要なツーリングスリーブの形状と部分的に基づいている。ダイス286の外部面298は図17で示されているように湾曲されてもよく、平坦であってもよい。予備成形された部品は段階的にプレス機284を通して湾曲されたパス280を移動される。部品の移動は各段階のステップで休止されるとき、プレスダイスは熱及び力をツーリングスリーブ235へ与え、ダイスの下に位置するプライのセクションを強化する。
【0045】
前述したように、積層部品はその長さに沿って一定の曲率ではなく可変の曲率を有することができ、これに関しては、図18に示されている。湾曲され予備成形された部品292をコンパクトにするダイス286はツーリングスリーブ290の外部面300と結合する一定の曲率に湾曲された内部面296を有する。ツーリングスリーブ290の外部面300はダイス286の内部面296の曲率に整合する一定の曲率を有するが、ツーリングスリーブ290の外部面300とは異なる半径で湾曲されている内部面302を有し、一定ではない外部半径を有する部品292を生じる。
【0046】
湾曲された熱可塑性積層部236の別の例は図10および11に示されており、ここでその部分はその長さにわたる曲率を有し、断面がU型である本体238を有する。その本体238は本体238の厚さにおいて変化を形成する1対の勾配のある傾斜部240を有し、それによって部品236はその長さに沿って厚さが異なる3つのセクションを有する。さらに、本体238の上側には部品236における厚さが減少された区域を表すポケットまたは窪み242が設けられる。本体238の異なる厚さはt1、t2、t3により表され、ポケット244の厚さはt4により表されている。部品236は一定の内部及び外部湾曲曲率を有するが、曲率は部品236の長さに沿って変化できることが理解されよう。
【0047】
図12は部品のプライを強化するためのツーリングスリーブ246、280内に保持される部品236の一部を示している。部品のプライ236は本体238の厚さを効率的に増加するプライ集積領域252を有していることが示されており、勾配240が生じる。ツーリングスリーブは剥離剤添付金属シム246と、勾配240を成形するための傾斜を有する外部強化ツール部248とを含んでいる。図12で観察されるように、ツーリングスリーブ248の上側は図13に示されている任意のダイス256のような一般的なダイと結合可能であるように平坦である。
【0048】
図13は本発明の方法により製造された湾曲された部品212の別の例を示している。部品212はI型の断面を有する湾曲されたビームを構成している。通常のマシンダイス256はそれらの長さに沿って湾曲と可変の厚さの両者を有する部品を強化するために使用されることができる。この例では、ツーリングスリーブは1対の平坦な金属シートまたはシム260と、断面がほぼU型の1対のツーリングスリーブ258とを具備している。平坦なシート260は部品212のキャップの成形を補助し、スリーブ258はキャップの部分と部品212のウェブを成形するように機能する。部品212に面するスリーブ258の表面は鏡像特性を部品212へ与える隆起された領域または傾斜のようなツーリング特性を有することができる。図13では特に示されていないが、ヒート260とツーリングスリーブ258は湾曲されている部品212を成形するためそれらの長さに沿って湾曲されることができる。
【0049】
本発明を好ましい実施形態に関して説明したが、特に前述の教示を考慮して変更が当業者により行われることができるので、勿論本発明はその説明に限定されない。
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスティック材料を使用する製造プロセスに関し、特に湾曲された熱可塑性複合部品を製造するための優れた方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一定の厚さと直線の所定の長さの熱可塑性複合(TPC)積層体を製造するために多くの多数のプロセスが存在する。加圧、型押、オートクレーブ成形のような非連続的プロセスに加えて、押出し、プルトルージョン、ロール成形、圧縮モールドのような連続的プロセスが存在する。これらの後者のプロセスは連続的な長さで部品を生成することができるが、これらには軽量の航空宇宙構造及びその他の重量が特に重要である構造で必要とされている可変の厚さの部品を製造する能力がない。さらに、前述のプロセスは湾曲部を有する部品をそれらの長さに沿って製造する能力がない。
【0003】
したがって連続的なプロセスで調節された厚さを有する湾曲したTPC積層体を製造することができる新規な方法を提供する必要がある。このような方法は廉価な方法であることが好ましく、可能ならば自動化された装置を利用すべきである。
【発明の概要】
【0004】
本発明は連続的なプロセスで調節された可変の厚さを有する湾曲し熱可塑性複合積層を製造する革新的な方法を提供する。この革新的プロセスは部品またはコンポーネントを多層スタックに集積するために自動化装置または手作業のレイアップを使用する。各スタックは配向と位置を維持するために適切な位置で取り付けられるプライ集積領域を含めた全てのプライを含んでいる。強化ツーリングは全ての必要な部品特性を含み、これらの多プライスタックから異なる厚さの領域を潜在的に有する単一の一体化された複合積層を成形するためにカスタム化された多数の2プライスタックに調節される。
【0005】
前述の方法により成形された複合部品は例えばオートクレーブおよび航空宇宙応用を含んだ広範囲の応用で使用を見出すことができる。本発明により成形された複合部品の1例は商用航空機の構造的に硬化された部材として使用するのに理想的に適している。
【0006】
本発明の1特徴にしたがって、方法は調節され可変の厚さを有する湾曲した熱可塑性積層部品を製造するために提供される。その方法は非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多数のプライスタックを成形し、そのスタックから湾曲したブランクを切断し、予備成形された部品を製造するために湾曲したパスで予備成形構造を通って湾曲されたブランクを供給し、プライを圧縮するため予備成形された部品を加圧するステップを含んでいる。スタックのプライは熱可塑性樹脂の局部的な溶融により共に付着され、それによってプライは相互に固定した関係を保持される。複数の部品のブランクは材料の各スタックから切断されることができる。各ブランクは予備成形構造を通して供給され、ここでは部品のある特徴が積層プライが圧縮される前に予備成形される。部品の調節された可変の厚さの特徴は予備成形部品上に配置された湾曲したツールを使用して成形され、部品と共にプレス機に供給される。プレス機内の予備成形された部品に対して湾曲したツールを型押しすると、プライが圧縮されるときツールの表面特徴形成を部品に与える。
【0007】
本発明の別の特徴によれば、連続的なプロセスで調節された可変の厚さを有する湾曲した熱可塑性積層部品を製造するための方法が提供される。この方法は湾曲した予備成形部品を製造するために湾曲したパスで予備成形構造を通って多プライの熱可塑性積層ブランクを供給し、湾曲した予備成形部品を湾曲したパスでプレス機を通して供給し、プライを圧縮するため予備成形された部品を加圧し、調節された可変の厚さを規定する特性を部品に与えるステップを含んでいる。その方法はさらに非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多プライスタックを成形し、湾曲したブランクを多プライスタックから切断するステップを含んでいる。スタック中のプライは積層ブランクが予備成形構造を通して供給されるとき相互に固定された関係でプライを保持するように共に仮留めされる。湾曲され、予備成形された部品は熱可塑性樹脂マトリックスの溶融点まで加熱され、その後段階的なステップでプレス機を通して動かされ、それによってプレス機は各段階的ステップ後に部品の1セクションを圧縮する。
【0008】
本発明のさらに別の特徴によれば、調整された可変の厚さ特性を有する湾曲した熱可塑性積層部品を製造するための方法が提供される。方法は湾曲した多プライの熱可塑性積層ブランクを成形し、ブランクの部分を変形することにより湾曲され予備成形された部品を製造し、湾曲したツールを湾曲され予備成形された部品と接触させ、湾曲したパスで圧縮プレス機を通して湾曲したツールと共に湾曲され予備成形された部品を供給し、積層プライを圧縮し調節された可変の厚さを形成するため湾曲したツールと湾曲され予備成形された部品を共に加圧するステップを含んでいる。方法はさらに非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多プライスタックを成形し、湾曲されたブランクを材料のスタックから切断するステップを含むことができる。はんだごて等はブランクが予備成形された部品へ変形させながらプライを固定した関係に保持するようにプライを共に付着させるために使用されることができる。
【0009】
本発明のその他の特徴、便宜性、利点は添付図面と特許請求の範囲にしたがって考察するとき、以下の詳細な説明から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の好ましい実施形態により成形された熱可塑性複合積層体の分解図および斜視図である。
【図2】図2は調節された多層スタックを成形するために使用されるコンベア台の斜視図である。
【図3】図3は図2で成形された調節された多層スタックの1例の斜視図である。
【図4】図4は図1の熱可塑性複合積層を成形するために使用される強化構造の予備成形ゾーンと強化ゾーンを示す図である。
【図5】図5は図4の強化構造の予備成形ゾーンの斜視図である。
【図6】図6は図2乃至5により図1の熱可塑性複合積層を成形するための好ましい方法を示す論理フロー図である。
【図7】図7は本発明の方法により成形される湾曲した熱可塑性複合積層部品の例を表す斜視図である。
【図8】図8はスタックから切り出された3つの湾曲部分のブランクを有する熱可塑性複合材料の調節された多層スタックの斜視図である。
【図9】図9は本発明の方法による湾曲した熱可塑性複合部品を成形するために使用されるツーリングの斜視図である。
【図10】図10は湾曲した熱可塑性複合部品に特徴を与えるために使用される湾曲したツールの斜視図である。
【図11】図11は図10に示されているツールの底面図である。
【図12】図12はツールの2つの部分間で捕捉された湾曲した複合部品の一部を示す断片的な断面図である。
【図13】図13は積層プライの圧縮に使用されるダイスをツーリング及び機械型押しするための動作関係で示されている熱可塑性複合Iセクションビームの分解断面図である。
【図14】図14は湾曲した複合部品を製造する方法で使用される予備成形構造と、圧縮プレス機の一部の斜視図である。
【図15】図15は図14に類似しているが、予備成形構造とプレス機の反対側を示している図である。
【図16】図16は強化ツーリングを使用して予備成形された部品を圧縮するダイスを示すプレス機の断面図である。
【図17】図17は一定の湾曲を有する部品を生成するためのツーリングスリーブに関して湾曲されたダイスを示しているプレス機の断面の部分図である。
【図18】図18は図17に類似しているが、非均一な湾曲を有する部品を製造するためのツーリングスリーブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は連続的なプロセスで調節された可変の厚さを有する熱可塑性複合(“TPC”)積層材料を形成するための優れた製造方法を提供する。本発明は例えば航空宇宙産業を含む広範囲の潜在的な応用で適用可能な使用を見出している。本発明の好ましい方法は航空機の胴体の支持フレームワークに熱可塑性複合補強部材を形成するのに理想的に適している。熱可塑性複合補強部材の潜在的な例は胴体の外皮、翼の外皮、制御表面、ドアパネル、アクセスパネルを含んでいるがそれらに限定されない。補強部材はキールビーム、床げた、甲板ビームを含んでいるがそれらに限定されない。単なる例示的な目的で、本発明を最初に商用航空機の胴体で使用するための熱可塑性複合床げた20を形成することについて参照して説明する。しかしながらIセクションが示されているが、それらの長さに沿って湾曲部を有するものを含めたZセクション、Uセクション、Tセクション等のような他の補強された部材の形状についても後に説明する。
【0012】
図1を参照すると、熱可塑性複合積層体、ここでは調節された可変の厚さの領域t1とt2を有する熱可塑性複合積層体床げた20は両端部において1対のキャップ領域24に結合されているウェブ領域22を有するものとして示されている。ウェブ領域22および1対のキャップ領域24は非均一な厚さの取り付けられた多層プライシートスタック76を熱可塑性複合充填ナゲット26の対と、さらに均一な厚さの仮留めされた多層プライシートスタック74の対とを固定することにより単一の一体化された積層構造として形成される。シートスタック76は2つのプライで構成されているように示されているが、シートスタック74と76の一方は応用に応じて、任意の数のプライを含んでもよいことが理解されよう。図1では均一な厚さと1つのプライを有するように示されているキャップ領域24も同様に可変の厚さおよび/または複数のプライの領域が与えられることができることが理解されよう。
【0013】
別のバージョン(図示せず)では、床げた20のような熱可塑性複合積層は代わりにここで説明した方法と類似の方法で、1以上の均一または非均一な仮留めされた多層プライシート74、76を熱可塑性複合材料30の1以上のプライ(図2と3では32として示されている)、熱可塑性材料30の1以上の部分的なプライ(図3では34として示されている)、或いは1以上の均一または非均一な厚さの仮留めされた多層のスタック74、76及び任意のその組合せのいずれかと固定することにより形成されることができる。さらに、1以上の充填ナゲット26も熱可塑性複合積層20のさらに別のバージョンを形成するためにその組合せで使用されることができる。図1に示されているように熱可塑性複合床げた20を形成する方法を図2−6と関連して詳細に以下説明する。
【0014】
プライ32、34で使用される熱可塑性材料30は、好ましくはガラス(s型またはe型)または炭素ファイバのような繊維素子(図3で38として示されている)で補強されているポリエーテルエーテルケトン(“PEEK”)、ポリエーテルケトンケトン(“PEKK”)、ポリフェニルスルホン(“PPS”)、ポリエーテルイミド(“PEI”)のような熱可塑性マトリックスポリマー(図3では40として示されている)を含んでいる。熱可塑性材料30の各プライ32、34内のファイバ38は特定の応用に基づいて、一方方向または非均一な配置で配向されている。当業者はマトリックス40内のファイバ38の相対的なタイプ、厚さ、量および各プライ32、34で使用されるマトリックス樹脂のタイプは、熱可塑性積層複合物20の価格と最終的に所望される物理的及び機械的特性を含めた多数の要因に基づいて非常に変化することができる。さらに別のプライ32、34に関する一方のプライ32、34の一方方向ファイバの相対的な配向もまた熱可塑性複合積層20の機械的特性に影響する。
【0015】
ナゲット26は押出しまたは他のよく知られた成形プロセスを介して熱可塑性材料30と適合する熱可塑性材料37から形成される。ナゲット26のマトリックス樹脂組成42は材料30のマトリックス樹脂組成40と同じであることが好ましい。さらに、充填ナゲット26は熱可塑性材料30内に含まれるファイバ38と類似のファイバ44を使用することができる。
【0016】
論理フロー図(図6)と処理図(図2−5)を参照すると、図1のTPC積層床げた20を成形する方法は、それぞれローラー46または他の保持装置で保持されている熱可塑性材料36と予備成形された充填ナゲット26の予備成形されたプライ32、34を与えることによりステップ150で開始する。
【0017】
次に、ステップ160で、熱可塑性材料36の多数のプライ32、34は手作業のレイアップまたは自動化プロセスを使用して、非均一な厚さまたは均一な厚さの仮留めされていない多層プライシートスタック58または60を成形するために所望の構造で重ねられる。
【0018】
自動化プロセスでは、図2で示されているように熱可塑性材料30の複数のプライ32または34(図3)は結合するために揃えられた多層の非均一な厚さまたは均一な厚さの多層プライスタック58または60を成形するためにローラー46からコンベア台48へ広げられる。ローラー46はそれぞれのプライ層32、34を別の隣接する層32、34に関して特定の配向で載置するためにコンベア台48の1端部50または側面52、54に沿って配置されることができる。したがって、例えば完全なプライ32の下部層は一方の方向で延在する一方方向ファイバ38を有して載置され、次のそれぞれの上部の完全なプライ32は別の方向(例えば下に存在するプライ32に関して45または90度)で載置されたファイバ38を有することができる。コンベア台48上に位置されるレーザプロジェクタ56は完全なプライ32に関する局部的または部分的なプライ34および/またはポケット36の適切な位置を確実にする。
【0019】
図2のプロセスにより作られた仮留めされていない非均一な厚さの多層シートスタック58の1例が図3に示されており、この図は種々の完全なおよび部分的なプライ32、34を示し、さらにプライ32、34間で生成されたポケット36を示している。さらに図3は相互に関して90度の相対的な配向角度で載置されている一方方向ファイバ38を有する部分的なプライ62、64を示しており、ここでは第1の配向方向(ファイバ38は前部66から後部68へ延在する)で載置される部分的なプライ62を示し、他方で部分的なプライ64は異なる配向(ファイバ38は側面70から側面72へ延在する)で載置されている。勿論、示さないが、プライは相互に垂直(即ち0/90の配置)から相互に平行(即ち0/0配置)および(例えば0/30の配向、0/60、0、45、90の配向等を含めた)あらゆる考えうる角度にわたる相互に対して他の相対配向のファイバ38を有することができる。
【0020】
次にステップ170では、図2で形成された仮留めされていないスタック58、60の幾つかのまたは全ての種々のプライ32、34は均一または非均一な厚さの仮留めされた多層プライシートスタック74、76を形成するために種々の予め定められた位置で共に仮留めされることができる。好ましくは、スタック58、60はそれぞれのスタック74、76を形成するためにはんだごてまたは超音波溶接機(図示せず)を使用して共に仮留めされることができるが、当業者に知られている熱可塑性材料の種々のプライ32、34を共に結合するために使用される他の装置も考えられる。プライ32、34間の仮留めの量および位置は、種々のプライ32、34とポケット64の数及び位置を含むがそれに限定されない幾つかの要因にしたがう。さらに、仮留めの量は単一部材として輸送されることができる実質的に一体化され仮留めされたスタック74、76を形成するのに十分でなければならない。
【0021】
ステップ175では、仮留めされたスタック74、76はその後、より小さいピースへ切断されることができ、または図1の床げた20のような熱可塑性複合積層の形成に使用される準備がされている。
【0022】
次にステップ180では、均一または不均一な厚さの仮留めされたスタック74、76の少なくとも1つと、非均一な厚さの仮留めされたスタック76と均一な厚さの仮留めされたスタック74または単一のプライ32の少なくとも1つと、随意選択的に熱可塑性材料30、37の充填ナゲット26の少なくとも1つの組合せは床げた20のような単一の一体化された熱可塑性複合積層を形成するために強化構造78で共に融着される。図1の熱可塑性複合積層床げた20を形成するように特別に設計された1つの好ましい強化構造78は以下説明するように図4および5で示されている。
【0023】
図4および5を参照すると、強化構造78は予備成形ゾーン80と強化ゾーン82を含むことができる。予備成形ゾーン80では、均一または不均一な厚さの仮留めされたスタック74、76の少なくとも1つと、随意選択的に充填ナゲット26の少なくとも1つと、非均一な厚さの仮留めされたスタック76と均一な厚さの仮留めされたスタック74または熱可塑性材料の図2および3の単一のプライ32の少なくとも1つの組合せは連続的なプロセスでそれらの適切な配向で装着され、予備成形された部品84を形成するために上昇温度で所望の形状に予備成形される。予備成形された部品84はその後、予備成形ゾーン80を出て、強化ゾーン82に入り、ここで前述の図1で説明したように床げた20のような単一の一体化された熱可塑性複合積層を形成するように合体強化される。部品の予備成形で使用される上昇温度は仮留めされたスタック74、76または単一のプライ32の軟化を生じさせるのに十分な温度でなければならず、それによって層は予備成形プロセス中に屈曲されることができる。しかしながら上昇温度はマトリックス樹脂40、42のポリマーコンポーネントが粘性の液体の一貫性を有する温度よりも低温でなければならない。
【0024】
図5を参照すると、強化構造78の予備成形ゾーン80はギャップ90により分離されている中央部88を有する1対のU型のツーリングチャンネル86と1対のサイドツーリングシート部材92を含んでいる。シート部材92はマンドレル92とも呼ばれる。好ましくはチャンネル86とサイドツーリングシート部材92は反復的な高熱サイクルの処理が可能なステンレス鋼等のような材料から成形される。
【0025】
仮留めされたスタック74または76の第1の対94はそれぞれの中央部88間とU型チャンネル86のギャップ90内に導入される。同時に、随意選択的な充填ナゲット26と付加的な仮留めされたスタック74または76またはプライ32のいずれかは第1の対94の各フランジ96に沿ってそれぞれのサイドツーリングシート部材92内に導入される。図4および5に関して以下の段落での説明の目的のために、非均一な厚さの仮留めされたスタック76はギャップ90内に導入される第1の対94として示されている。均一な厚さの仮留めされたスタック74はU型チャンネル86の外部98とそれぞれのサイドツーリング部材92との間の位置に導入されているように示されている。さらに、プライ層32はこの説明では示されていない。示されてはいないが、U型チャンネル86は傾斜及び特定の材料(ここでは非均一な仮留めされたスタック76の第1の対94)の(図1のt1とt2に対応する)積層の厚さの変化に整合するように設計されている他の特徴を含んでいる。
【0026】
仮留めされたスタック74、76とナゲット26が予備成形ゾーン80を通って強化ゾーン82の方向へ動くとき、u型チャンネル86のいずれかの側の非均一な仮留めされたスタック76の第1の対94のフランジ96は相互に離れるようにU型チャンネル86のそれぞれの外側部分98方向への熱及び圧力下で外方向に屈曲される。フランジ96はそれ故、フランジ96と均一または非均一な厚さの仮留めされたスタック76のそれぞれの内端部との間に位置されるナゲット26により、均一または非均一な厚さの仮留めされたスタック76の内側に対して平らに結合される。予備成形ゾーン80内の熱は非均一な厚さの仮留めされたスタック76のフランジ96の変形を可能にするのに十分な温度に上昇されるが、それぞれのスタック74、76とナゲット26のマトリックス樹脂40、42のポリマーコンポーネントが粘性の液体の一貫性を有する温度よりも低温である。フランジ86の屈曲はローラー(図示せず)のような外部成形装置によりフランジ96に与えられる圧力によって開始される。サイドツーリングシート部材92は仮留めされたスタック74をフランジ96に対して内方向に圧迫し、フランジ96に与えられる付加的な圧力を発生し、これはフランジ96の屈曲を促す。予備成形部品84はその後強化ゾーン82へ動く準備をされる。
【0027】
図4で最良に示されているように、予備成形部品84はガイドローラー105上の強化ゾーン82内の別々または接続された強化構造102に入る。強化構造102はU型チャンネル86とサイドツーリングシート部材92の外部表面と個別に結合する通常104で示されている複数の標準化されたツーリングダイスを含んでいる。ツーリングダイス104の付加的な詳細を図13および16を参照して後に説明する。強化構造102の標準化されたダイス104とチャンネル86およびシート部材92の外部表面との間の表面のこの共通性は部品に特定する高価な整合されたダイスの必要性をなくし、異なるプライ構造を有する異なる予備成形部品間のスタートアップ時間をなくす。
【0028】
強化構造102は予備成形された部品84を強化ゾーン82内で前方向に予備成形ゾーン80から離れるように段階的に移動する脈動構造106を有する。部品84が前方向に動くとき、部品は最初に加熱ゾーン108に入り、この加熱ゾーン108はスタック74、76とナゲット26のマトリックス樹脂40、42のポリマーコンポーネントの自由流動を可能にする温度まで部品を加熱する。次に、部品84は加圧ゾーン112へ前方向に移動し、ここで標準化されたダイス104は仮留めされたスタック74、76の種々のプライ32、34およびナゲット26をその所望の形状と厚さへ合体強化する(即ちマトリックス樹脂の自由流動を可能にする)のに十分な予め規定された力(圧力)で集合的または個別に下げられ、ここでは床げた20のウェブ領域22と1対のキャップ領域24とを成形する。各ダイス104は絶縁体を有する複数の異なる温度ゾーンを有して形成される。ダイス104は実際には部品84と接触しないが、部品84に対向するU型チャンネル86とサイドツーリング部材92の外部表面と接触する。したがってチャンネル86、92のそれぞれの内部表面は部品84の一部分に対して圧縮する。この圧縮は、全てのダイス104が1つの独立した調整されたステップで圧縮するように行われる。ダイス104は開かれ、部品84は強化ゾーン102内で予備成形ゾーン80から離れるように前進される。ダイス104はその後再度閉じられ、部品84の一部が異なる温度ゾーン内の力により圧縮されることを可能にする。部品84が冷却ゾーン114方向へガイドローラー105に沿って段階的に前進されるときプロセスはダイス104の各温度ゾーンで反復される。
【0029】
形成および成形された部品84はその後、加圧ゾーン112から離れている冷却ゾーン114へ入り、温度はマトリックス樹脂40、42の自由流動温度よりも低くされ、それによって溶融され強化された部品をその最終的に加圧された形状116へ硬化させる。加圧された部品116はその後強化構造102を出て、サイドシート部材92はスクラップとしてローラー120へ再度巻き付けられる。
【0030】
示されていないが、強化構造102は形状または特性を加圧された形状116へ誘導できる付加的な部品または装置を有することができる。
【0031】
使用されることができる1つの好ましい強化ゾーン構造102はここで参考文献としている1993年9月30日に出版された独国特許出願第4017978号明細書に開示されているようないわゆる連続圧縮鋳造(“CCM”)プロセスである。しかしながらプルトルージョンまたはロール成形を含めるがそれに限定されない当業者に知られている他の鋳造プロセスが本発明により特に考慮されてもよい。
【0032】
次にステップ190では、加圧された部品116は熱可塑性複合積層20を成形するためにトリムされ、または他の方法でその所望の最終形状に後処理される。ステップ200では、積層20は好ましくは超音波の非破壊検査技術を使用して視覚的に、または積層20が正確に成形され任意の視覚的または他の欠陥を含んでいないことを確かめるためのその他の手段によって検査される。検査後、ステップ210で熱可塑性複合床げた20のような積層20はそのアセンブリへ設置されることができる。床げた20の場合には、これは航空機の胴体内に導入される。
【0033】
本発明を基本的にI型ビーム形状を有する熱可塑性複合床げた20を形成することに関して説明したが、他の潜在的な形状が本発明により特に考慮される。これはL型、C型、T型を有するかまたは平坦なパネル形状の熱可塑性複合積層を含んでおり、ここでは厚さの変位が部品の任意のセクションで生じる可能性がある。これらの代わりに成形された積層または床げた20の他の形態はここで説明した方法と類似の方法で、1以上の均一または非均一な仮留めされた多層プライシート74、76を熱可塑性複合材料30の1以上のプライ32、熱可塑性材料30の1以上の部分的なプライ34、或いは1以上の均一または非均一な厚さの仮留めされた多層のスタック74、76及び任意のその組合せのいずれかと強化することにより形成されることができる。さらに、1以上の充填ナゲット26も熱可塑性複合積層20のさらに別の代わりのバージョンを形成するために使用されることができる。任意のこれらの別の好ましい変形を実現するため、TPC積層20の所望の厚さ変化に整合するように予備成形ゾーン80内のツーリングに対する変形が必要である。例えば図5のU型ツール86は図1の床げた20のようなI型ビームを成形するのに特定されたものであり、ギャップ90を有する代わりに成形されたツール86はそれぞれのプライ層の間にテーパーを有するC型の積層、L型の積層または平坦なビームの成形に使用される。U型ツール86に類似して、これらの別のツールは強化ゾーン102内の標準化されたダイス104に整合されたスタック74、76とは接触しない領域を含んでいる。
【0034】
本発明は変形された単一ステップの強化ゾーンを使用することにより熱可塑性複合積層を成形するのに理想的に適しているが、熱硬化性積層複合体も形成されることができる。この強化プロセスの変形バージョンでは、加熱および加圧ゾーンは熱硬化性部品を成形するためのマトリックス樹脂の反応または硬化温度を超える温度を実現する。したがって、単一の加圧プロセスはその後の加圧プロセスなしにその最終的な所望の形状を有する部品を実現する。
【0035】
本発明は連続プロセスで調節された可変の厚さを有する複雑な熱可塑性複合積層を製造するための革新的な方法を提供する。この革新的なプロセスは部品またはコンポーネントを多層スタックに適合するため自動化された装置または手作業のレイアップを使用する。各スタックは配向と位置を維持するために適切な位置で取り付けられるプライ集積領域を含めた全てのプライを含んでいる。強化構造は多層スタックから複合積層を成形するための2段方法を使用し、結果を実現するための全ての必要な部品特性を含んでいる。予備成形ゾーン80のU型ツール86のようなツーリングは成形されたTPC積層20に所望の厚さの変化を生むために適切な形状で生成され、さらに強化ゾーン82を有する標準化されたダイスと結合するように設計される。
【0036】
前述の方法により成形される複合部品は例えば自動車および航空宇宙応用を含めた広範囲の応用で使用を見出すことができる。本発明により成形される複合部品の一例は熱可塑性複合積層の床げた20を含めた構造的な補強部材として商用の航空機で使用するのに理想的に適している。
【0037】
図7−15を参照すると、本発明の別の実施形態は湾曲され調節されおよび/またはそれらの長さに沿って可変の厚さの熱可塑性積層部品を製造するために使用されることができる。曲率が一定(円形)または積層部品の長さに沿って可変である湾曲された積層が製造されることができる。前述した実施形態の場合のように、湾曲された熱可塑性積層部品は調節された領域または部分的または局部的なプライを付加することにより実現された可変の厚さの領域、或いはポケットを含む領域を含むことができる。「調節された」または「調節する」は部品の表面のプロフィールを示し、ここでは部品の特別な領域におけるプライの選択的な付加または減少は圧縮プロセス期間中にプライが強化された後、所望の表面プロフィールを実現するために使用されることができる。この方法の実施形態により生成された湾曲された部品は、フレーム、リング、模型、構造的な航空機の補強部材、または胴体の外皮、翼の外皮、ドアパネル、アクセスパネル、キールビーム、床げた、甲板ビームのような種々の応用で使用されることができる。湾曲された部品は図7の(a)−(f)に示されているような種々の断面を有して生成されることができる。Iセクションを有する製造された部品212は図7の(a)に示され、Uセクションを有する部品214は図7の(b)に示されている。Lセクション部品216は図7の(c)に示され、Tセクション部品は図7の(d)に示されている。Zセクションを有する部品220は図7の(e)に示されており、簡単な方形セクションを有する部品222は図7の(f)に示されている。図7の(a)−(f)に示されている部品は前述したように一定または可変の曲率を有することができ、それらの長さに沿って1以上の点で可変または調節された厚さの領域を含むことができる。
【0038】
この本発明の実施形態により湾曲された熱可塑性積層部品を製造する予備ステップは前述したステップに類似している。熱可塑性材料の複数のプライは図2を伴って前述したように、揃えられた多層の非均一な厚さまたは均一な厚さの多層スタックを成形するためにコンベア台に置かれる。したがって結果的な多層スタックは図3に示されているスタック58に類似し、これは完全または部分的なプライ32、34と、プライ32、34の間で生成されたポケット36を含んでいる。部分的なプライ62、64も含まれることができ、これはファイバの配向の方向に関して交番する角度で配置される一方方向ファイバ38を有する。前述したように、多層スタック58のシートははんだごてまたは他の加熱装置(図示せず)を使用して共に固着され、それによってプライは相互に固定した関係で保持される。前述の方法により生成された揃えて仮留めされたスタック224は図8に示されている。
【0039】
湾曲した複合部品を製造するための方法の次のステップはそろえられたスタック224から個々の部品プライスタックまたは部品ブランク226を切断することを含んでいる。この切断動作は例えばコンピュータの制御下で動作する水ジェットカッター(図示せず)により行われることができ、所望の部品の曲率に通常対応する外部プロフィールを有する切断ブランク226を生成する。前述したようにこの曲率は一定であるか、部品ブランク226の長さに沿って変化することができる。
【0040】
部品ブランク226は、湾曲されていない複合部品を製造することに関して前述した方法と通常類似の方法で以下説明する強化ツーリング235のセットに沿って予備成形局275(図14および15)へ与えられる。しかしながら、本発明の実施形態の場合、強化ツーリング235とブランク226はこれらが予備成形局275へ与えられるとき湾曲されたパスに沿って移動する。
【0041】
強化ツーリング235は図9に示され、湾曲された内部および外部ツーリングスリーブ228、230と上部及び下部ツーリングスリーブ232、234を具備している。上部及び下部ツーリングスリーブ232、234はそれぞれブランク226の曲率に対応する曲率を有し、内部および外部ツーリングスリーブ228、230は予備成形プロセス期間中に部品ブランク226の曲率に適合するように同様に湾曲されるかフレキシブルであることができる。図9、14、15で示されている例では、ツーリングスリーブ228−234は図7の(e)に示されているようにZセクション部品220を生成するように構成される。図面では特に示されていないが、ツーリングスリーブ228−234の部品側の表面は可変の厚さ、可変の曲率、ポケット等のような部品の鏡像特性を生成するツーリング特性を含んでいる。
【0042】
図14と15を特に参照すると、上部及び下部のツーリングスリーブ232、234はブランクが湾曲されたパス280で複数の成形装置268とガイド270のセットを含む予備成形局275へ与えられる前に部品ブランク226周囲に組み立てられる。部品ブランク226はZセクション部品220のウェブ220aとキャップ220b(図7の(e))を具備する平坦な仮留めされたスタック262と、ビームウェブ220aの局部的な補強を形成する集積プライ264のセットを含んでいるように見える。
【0043】
部品ブランク226とツーリングスリーブ232、234を具備する重ねられたアセンブリは予備成形局275に与えられ、内部および外部ツーリングスリーブ228、230は重ねられたアセンブリと接触するように供給される。成形装置268はツーリングスリーブ232、234上のフランジ265に対してブランク226のエッジ部を変形する機能を行い、それによってZセクション部品220のキャップ220bを予備成形する。同様に、付加的なキャップ補強プライ266は成形装置268とツーリングフランジ265との間に与えられる。ガイド270は内部および外部ツーリングスリーブ228、230をキャップ220bを形成するブランク226のエッジと接触させる。予備成形されたブランク226はツーリングスリーブ235と共に、強化ツーリング235上に力を与えるダイスを含んでいるCCMマシンのような湾曲されたプレス機284を通る湾曲パス280における移動を継続する。この力は予備成形された部品のプライの圧縮及び強化を行う。図面では特に示されていないが、部品ブランク226のマトリックス樹脂のポリマーコンポーネントが粘性の液体の一貫性を有する温度まで部品ブランク226を加熱するのに必要なヒータまたはオーブンが与えられる。この方法による部品ブランク226の加熱はプライの強化を促す。場合によっては、部品ブランク226の予備加熱は予備成形プロセスを容易にするためにも必要とされる可能性がある。部品ブランク226の予備加熱の必要性はプライの数、プライの配向、材料のタイプ、予備成形される形状等のような多数の要因に基づくことができる。
【0044】
プレス機284は図4に関連して前述したものと本質的に類似している。しかしながら図4に示されているプレス機と異なって、プレス機284で使用されるダイスは湾曲され予備成形された部品226に適合するためにある程度の曲率を有する。1つのこのようなダイス286は図17に示されており、ここではダイス286の内部表面296は上部ツーリングスリーブ232上のフランジ265の曲率に整合する曲率を有する。ダイス286は圧縮プロセス期間中、矢印288の方向で内側に、内部ツーリングスリーブ228と接触するように移動する相互に湾曲されたダイス(図示せず)に対して反対方向でフランジ265と接触するように移動する。プレス機284で使用されるダイスの曲率は、生成されている湾曲された部品の形状と、部品の特徴の製造に必要なツーリングスリーブの形状と部分的に基づいている。ダイス286の外部面298は図17で示されているように湾曲されてもよく、平坦であってもよい。予備成形された部品は段階的にプレス機284を通して湾曲されたパス280を移動される。部品の移動は各段階のステップで休止されるとき、プレスダイスは熱及び力をツーリングスリーブ235へ与え、ダイスの下に位置するプライのセクションを強化する。
【0045】
前述したように、積層部品はその長さに沿って一定の曲率ではなく可変の曲率を有することができ、これに関しては、図18に示されている。湾曲され予備成形された部品292をコンパクトにするダイス286はツーリングスリーブ290の外部面300と結合する一定の曲率に湾曲された内部面296を有する。ツーリングスリーブ290の外部面300はダイス286の内部面296の曲率に整合する一定の曲率を有するが、ツーリングスリーブ290の外部面300とは異なる半径で湾曲されている内部面302を有し、一定ではない外部半径を有する部品292を生じる。
【0046】
湾曲された熱可塑性積層部236の別の例は図10および11に示されており、ここでその部分はその長さにわたる曲率を有し、断面がU型である本体238を有する。その本体238は本体238の厚さにおいて変化を形成する1対の勾配のある傾斜部240を有し、それによって部品236はその長さに沿って厚さが異なる3つのセクションを有する。さらに、本体238の上側には部品236における厚さが減少された区域を表すポケットまたは窪み242が設けられる。本体238の異なる厚さはt1、t2、t3により表され、ポケット244の厚さはt4により表されている。部品236は一定の内部及び外部湾曲曲率を有するが、曲率は部品236の長さに沿って変化できることが理解されよう。
【0047】
図12は部品のプライを強化するためのツーリングスリーブ246、280内に保持される部品236の一部を示している。部品のプライ236は本体238の厚さを効率的に増加するプライ集積領域252を有していることが示されており、勾配240が生じる。ツーリングスリーブは剥離剤添付金属シム246と、勾配240を成形するための傾斜を有する外部強化ツール部248とを含んでいる。図12で観察されるように、ツーリングスリーブ248の上側は図13に示されている任意のダイス256のような一般的なダイと結合可能であるように平坦である。
【0048】
図13は本発明の方法により製造された湾曲された部品212の別の例を示している。部品212はI型の断面を有する湾曲されたビームを構成している。通常のマシンダイス256はそれらの長さに沿って湾曲と可変の厚さの両者を有する部品を強化するために使用されることができる。この例では、ツーリングスリーブは1対の平坦な金属シートまたはシム260と、断面がほぼU型の1対のツーリングスリーブ258とを具備している。平坦なシート260は部品212のキャップの成形を補助し、スリーブ258はキャップの部分と部品212のウェブを成形するように機能する。部品212に面するスリーブ258の表面は鏡像特性を部品212へ与える隆起された領域または傾斜のようなツーリング特性を有することができる。図13では特に示されていないが、ヒート260とツーリングスリーブ258は湾曲されている部品212を成形するためそれらの長さに沿って湾曲されることができる。
【0049】
本発明を好ましい実施形態に関して説明したが、特に前述の教示を考慮して変更が当業者により行われることができるので、勿論本発明はその説明に限定されない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多数のプライスタックを形成し、
(B)ステップ(A)で形成されたスタックから湾曲されたブランクを切断し、
(C)予備成形された部品を製造するために湾曲されたパスで予備成形構造を通して湾曲されたブランクを供給し、
(D)湾曲されたパスでプレス機を通して予備成形された部品を供給し、
(E)プライを圧縮するために予備成形された部品を加圧するステップを含んでいる熱可塑性積層部品の製造方法。
【請求項2】
前記ステップ(A)はプライが相互に固定された関係で保持されている仮留めされたスタックを形成するためにスタック中のプライを共に仮留めするステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項3】
仮留めはスタックのプライの対向部分を溶融することにより行われる請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(C)はブランクが湾曲されたパスを通って移動されている間に湾曲されたブランクの少なくとも一部を変形する処理を含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項5】
(F)ツーリングをブランクに対して配置し、
(G)湾曲されたパスで湾曲されたブランクと共に予備成形構造を通してツーリングを供給するステップをさらに含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項6】
(H)湾曲されたパスで予備成形された部品と共にプレス機を通ってツーリングを供給するステップをさらに含んでいる請求項5記載の方法。
【請求項7】
熱可塑性材料は自由流動温度を有するマトリックス樹脂コンポーネントを含み、方法はさらに、
(F)前記ステップ(E)が行われる前に予備成形された部品を少なくとも熱可塑性材料のマトリックス樹脂コンポーネントの自由流動温度まで加熱するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ステップ(E)は、
湾曲されたツールを予備成形された部品と接触させ、
ツールの特徴を予備成形された部品に与えるために、湾曲されたツールを予備成形された部品に対して加圧するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記ステップ(B)乃至(E)は連続したプロセスで行われる請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ステップ(D)は予備成形された部品を湾曲されたパスにおいて段階的なステップでプレス機を通して移動する処理を含み、
前記ステップ(E)は予備成形された部品が段階的ステップの1つで動かされる毎に行われる請求項1記載の方法。
【請求項11】
請求項1記載の方法を使用して製造された熱可塑性積層部品。
【請求項12】
(A)湾曲され予備成形された部品を製造するために湾曲されたパスで予備成形構造を通って多プライ熱可塑性積層ブランクを供給し、
(B)湾曲され予備成形された部品を湾曲されたパスでプレス機を通って供給し、
(C)プライを圧縮し、特徴を部品に与えるため予備成形された部品を加圧するステップを含んでいる熱可塑性積層部品を連続的なプロセスで製造する方法。
【請求項13】
(D)非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多プライスタック形成し、
(E)湾曲されたブランクを前記ステップ(D)で形成されたスタックから切断するステップをさらに含んでいる請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記ステップ(D)はプライが相互に固定された関係で保持される仮留めされたスタックを成形するためにスタックのプライを共に仮留めするステップを含んでいる請求項13記載の方法。
【請求項15】
仮留めはスタックのプライの対向部分を溶融することによって行われる請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記ステップ(A)はブランクが湾曲されたパスを通って移動されている間に湾曲されたブランクの少なくとも一部を変形する処理を含んでいる請求項12記載の方法。
【請求項17】
(D)ツーリングをブランクに対して配置し、
(E)湾曲されたパスで湾曲されたブランクと共に予備成形構造を通ってツーリングを供給するステップをさらに含んでいる請求項12記載の方法。
【請求項18】
(F)湾曲されたパスで予備成形された部品と共にプレス機を通ってツーリングを供給するステップをさらに含んでいる請求項17記載の方法。
【請求項19】
熱可塑性積層ブランクは自由流動温度を有するマトリックス樹脂コンポーネントを含み、方法はさらに、
(D)ステップ(E)が行われる前に予備成形された部品を熱可塑性積層ブランクのマトリックス樹脂コンポーネントの少なくとも自由流動温度まで加熱するステップを含んでいる請求項12記載の方法。
【請求項20】
前記ステップ(C)は、
湾曲されたツールを予備成形された部品と接触させ、
特徴を予備成形された部品に与えるため、湾曲されたツールを予備成形された部品に対して加圧するステップを含んでいる請求項12記載の方法。
【請求項21】
前記ステップ(B)は予備成形された部品を湾曲されたパスにおいて段階的なステップでプレス機を通って移動する処理を含み、
前記ステップ(C)は予備成形された部品が前記段階的なステップの1つで動かされる毎に行われる請求項12記載の方法。
【請求項22】
請求項12記載の方法を使用して製造された熱可塑性積層部品。
【請求項23】
(A)湾曲された多プライ熱可塑性積層ブランクを形成し、
(B)ブランクの部分を変形することにより湾曲された予備成形された部品を生成し、
(C)湾曲されたツールを湾曲され予備成形された部品と接触させ、
(D)湾曲されたパスにおいて湾曲されたツールと共にプレス機を通して湾曲され予備成形された部品を供給し、
(E)積層プライを圧縮するために湾曲されたツールと湾曲され予備成形された部品を共に加圧するステップを含んでいる熱可塑性積層部品の製造方法。
【請求項24】
(F)非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多プライスタックを形成し、
(G)湾曲されたブランクを前記ステップ(F)で形成されたスタックから切断するステップをさらに含んでいる請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記ステップ(F)はプライが相互に固定された関係で保持される仮留めされたスタックを形成するためにスタックのプライを共に仮留めするステップを含んでいる請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記ステップ(B)は湾曲されたパスにおいて湾曲されたブランクを予備成形構造を通過させることにより行われる請求項23記載の方法。
【請求項27】
熱可塑性積層ブランクは自由流動温度を有するマトリックス樹脂コンポーネントを含んでおり、方法はさらに、
(F)前記ステップ(E)が行われる前に予備成形された部品を熱可塑性積層ブランクのマトリックス樹脂コンポーネントの少なくとも自由流動温度まで加熱するステップを含んでいる請求項23記載の方法。
【請求項28】
前記ステップ(D)は予備成形された部品を湾曲されたパスにおいて段階的なステップでプレス機を通って移動させる処理を含み、
前記ステップ(E)は予備成形された部品が前記段階的なステップの1つで動かされる毎に行われる請求項23記載の方法。
【請求項29】
請求項23記載の方法を使用して製造された熱可塑性積層部品。
【請求項1】
(A)非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多数のプライスタックを形成し、
(B)ステップ(A)で形成されたスタックから湾曲されたブランクを切断し、
(C)予備成形された部品を製造するために湾曲されたパスで予備成形構造を通して湾曲されたブランクを供給し、
(D)湾曲されたパスでプレス機を通して予備成形された部品を供給し、
(E)プライを圧縮するために予備成形された部品を加圧するステップを含んでいる熱可塑性積層部品の製造方法。
【請求項2】
前記ステップ(A)はプライが相互に固定された関係で保持されている仮留めされたスタックを形成するためにスタック中のプライを共に仮留めするステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項3】
仮留めはスタックのプライの対向部分を溶融することにより行われる請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(C)はブランクが湾曲されたパスを通って移動されている間に湾曲されたブランクの少なくとも一部を変形する処理を含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項5】
(F)ツーリングをブランクに対して配置し、
(G)湾曲されたパスで湾曲されたブランクと共に予備成形構造を通してツーリングを供給するステップをさらに含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項6】
(H)湾曲されたパスで予備成形された部品と共にプレス機を通ってツーリングを供給するステップをさらに含んでいる請求項5記載の方法。
【請求項7】
熱可塑性材料は自由流動温度を有するマトリックス樹脂コンポーネントを含み、方法はさらに、
(F)前記ステップ(E)が行われる前に予備成形された部品を少なくとも熱可塑性材料のマトリックス樹脂コンポーネントの自由流動温度まで加熱するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ステップ(E)は、
湾曲されたツールを予備成形された部品と接触させ、
ツールの特徴を予備成形された部品に与えるために、湾曲されたツールを予備成形された部品に対して加圧するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記ステップ(B)乃至(E)は連続したプロセスで行われる請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ステップ(D)は予備成形された部品を湾曲されたパスにおいて段階的なステップでプレス機を通して移動する処理を含み、
前記ステップ(E)は予備成形された部品が段階的ステップの1つで動かされる毎に行われる請求項1記載の方法。
【請求項11】
請求項1記載の方法を使用して製造された熱可塑性積層部品。
【請求項12】
(A)湾曲され予備成形された部品を製造するために湾曲されたパスで予備成形構造を通って多プライ熱可塑性積層ブランクを供給し、
(B)湾曲され予備成形された部品を湾曲されたパスでプレス機を通って供給し、
(C)プライを圧縮し、特徴を部品に与えるため予備成形された部品を加圧するステップを含んでいる熱可塑性積層部品を連続的なプロセスで製造する方法。
【請求項13】
(D)非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多プライスタック形成し、
(E)湾曲されたブランクを前記ステップ(D)で形成されたスタックから切断するステップをさらに含んでいる請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記ステップ(D)はプライが相互に固定された関係で保持される仮留めされたスタックを成形するためにスタックのプライを共に仮留めするステップを含んでいる請求項13記載の方法。
【請求項15】
仮留めはスタックのプライの対向部分を溶融することによって行われる請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記ステップ(A)はブランクが湾曲されたパスを通って移動されている間に湾曲されたブランクの少なくとも一部を変形する処理を含んでいる請求項12記載の方法。
【請求項17】
(D)ツーリングをブランクに対して配置し、
(E)湾曲されたパスで湾曲されたブランクと共に予備成形構造を通ってツーリングを供給するステップをさらに含んでいる請求項12記載の方法。
【請求項18】
(F)湾曲されたパスで予備成形された部品と共にプレス機を通ってツーリングを供給するステップをさらに含んでいる請求項17記載の方法。
【請求項19】
熱可塑性積層ブランクは自由流動温度を有するマトリックス樹脂コンポーネントを含み、方法はさらに、
(D)ステップ(E)が行われる前に予備成形された部品を熱可塑性積層ブランクのマトリックス樹脂コンポーネントの少なくとも自由流動温度まで加熱するステップを含んでいる請求項12記載の方法。
【請求項20】
前記ステップ(C)は、
湾曲されたツールを予備成形された部品と接触させ、
特徴を予備成形された部品に与えるため、湾曲されたツールを予備成形された部品に対して加圧するステップを含んでいる請求項12記載の方法。
【請求項21】
前記ステップ(B)は予備成形された部品を湾曲されたパスにおいて段階的なステップでプレス機を通って移動する処理を含み、
前記ステップ(C)は予備成形された部品が前記段階的なステップの1つで動かされる毎に行われる請求項12記載の方法。
【請求項22】
請求項12記載の方法を使用して製造された熱可塑性積層部品。
【請求項23】
(A)湾曲された多プライ熱可塑性積層ブランクを形成し、
(B)ブランクの部分を変形することにより湾曲された予備成形された部品を生成し、
(C)湾曲されたツールを湾曲され予備成形された部品と接触させ、
(D)湾曲されたパスにおいて湾曲されたツールと共にプレス機を通して湾曲され予備成形された部品を供給し、
(E)積層プライを圧縮するために湾曲されたツールと湾曲され予備成形された部品を共に加圧するステップを含んでいる熱可塑性積層部品の製造方法。
【請求項24】
(F)非均一な厚さを有する熱可塑性材料の多プライスタックを形成し、
(G)湾曲されたブランクを前記ステップ(F)で形成されたスタックから切断するステップをさらに含んでいる請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記ステップ(F)はプライが相互に固定された関係で保持される仮留めされたスタックを形成するためにスタックのプライを共に仮留めするステップを含んでいる請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記ステップ(B)は湾曲されたパスにおいて湾曲されたブランクを予備成形構造を通過させることにより行われる請求項23記載の方法。
【請求項27】
熱可塑性積層ブランクは自由流動温度を有するマトリックス樹脂コンポーネントを含んでおり、方法はさらに、
(F)前記ステップ(E)が行われる前に予備成形された部品を熱可塑性積層ブランクのマトリックス樹脂コンポーネントの少なくとも自由流動温度まで加熱するステップを含んでいる請求項23記載の方法。
【請求項28】
前記ステップ(D)は予備成形された部品を湾曲されたパスにおいて段階的なステップでプレス機を通って移動させる処理を含み、
前記ステップ(E)は予備成形された部品が前記段階的なステップの1つで動かされる毎に行われる請求項23記載の方法。
【請求項29】
請求項23記載の方法を使用して製造された熱可塑性積層部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2010−506768(P2010−506768A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533296(P2009−533296)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/018611
【国際公開番号】WO2008/073164
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/018611
【国際公開番号】WO2008/073164
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】
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