燃費情報処理システム及び燃費情報表示方法
【課題】経路の燃費の内訳を示す表示情報を提供する。
【解決手段】サーバ3000側の燃費情報管理装置10は、走行時の燃費情報を前記各車載装置から集約する燃費情報集約部11と、燃費要因がマッピングされた地図情報を参照し、燃費情報を燃費要因ごとに統計した燃費統計を生成する統計処理部12とを有し、車載装置200側の燃費情報提示装置100は、自車両の燃費情報を収集する燃費情報収集部110と、燃費要因がマッピングされた地図情報を参照し、燃費情報に基づいて、自車両の燃費要因ごとの燃費情報を算出する燃費算出部130と、自車両の燃費情報の分散度を評価する評価部140と、目的地に至る経路の燃費要因に関する燃費統計と分散度とに基づいて、燃費情報を推測する燃費推測部150と、燃費を指標とした探索経路と、燃費情報と、その経路の燃費要因及び燃費要因が燃費に与える影響とを含む情報を表示する燃費情報表示部170とを備える。
【解決手段】サーバ3000側の燃費情報管理装置10は、走行時の燃費情報を前記各車載装置から集約する燃費情報集約部11と、燃費要因がマッピングされた地図情報を参照し、燃費情報を燃費要因ごとに統計した燃費統計を生成する統計処理部12とを有し、車載装置200側の燃費情報提示装置100は、自車両の燃費情報を収集する燃費情報収集部110と、燃費要因がマッピングされた地図情報を参照し、燃費情報に基づいて、自車両の燃費要因ごとの燃費情報を算出する燃費算出部130と、自車両の燃費情報の分散度を評価する評価部140と、目的地に至る経路の燃費要因に関する燃費統計と分散度とに基づいて、燃費情報を推測する燃費推測部150と、燃費を指標とした探索経路と、燃費情報と、その経路の燃費要因及び燃費要因が燃費に与える影響とを含む情報を表示する燃費情報表示部170とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃費に関する情報を提示する燃費情報処理システムおよび燃費情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現況の交通情報から推定された走行速度と燃費情報を用いて、燃料消費量の少ない経路を算出し、その経路に対する燃料消費量を数字で提示する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−98174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この技術では、算出された経路に対する燃料消費量(燃費)が数字だけで表示されるため、利用者は経路全体に対する包括的な燃料消費量(燃費)しか知ることができず、燃料消費量(燃費)が経路上のどのような要因に基づいて算出されるのかといった燃料消費量(燃費)の内訳を視認することができず、燃費の妥当性を判断することができないという問題があった。
【0005】
本願発明が解決しようとする課題は、経路に係る燃費の妥当性を判断することができる表示情報を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の車両から集約された走行時の燃費情報が、燃費に影響を与える燃費要因ごとに統計された燃費統計と、その燃費要因に関する自車両の燃費情報とを対比し、燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度を評価し、経路探索のための目的地が入力された場合に、目的地に至る経路の燃費要因に関する燃費統計と分散度とに基づいて、目的地に至る経路の燃費情報をそれぞれ推測し、推測された燃費情報に基づいて燃費を指標とする経路を探索し、その探索された経路と、経路について推測された燃費情報と、経路の燃費要因と、その燃費要因が燃費に与える影響と、を含む燃費情報を提示することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、経路上の燃費要因の存在及びその影響といった情報をユーザが視認することによって、経路の燃費情報の内訳を理解することができるようになるのでユーザが経路に関する燃費情報の妥当性を判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本実施形態の燃費情報処理システム1000を図面に基づいて説明する。図1は燃費情報処理システム1000全体概要を示す図である。
【0009】
本実施形態の燃費情報処理システム1000は、車両に搭載された車載装置2000と、これと通信可能なサーバ3000とを有する。
【0010】
図1に示すように、車載装置2000は、燃費情報提示装置100と、外部との通信を行う通信端末200と、地図情報を有する地図データベース(地図DB)300と、GPS(Global Positioning System)410を用いて現在位置を検出するとともに目的地までの経路を探索するナビゲーション装置400と、車両に関する情報を取得する車両コントローラ500とを有する。
【0011】
この燃費情報提示装置100は、CPU,MPU,DSP,FPGAなどの動作回路を組み合わせて構成される。また、通信端末200は、携帯電話網、UWB、DSRC、無線LAN等を用いて、サーバ3000との通信を行う。そして、地図データベース300は、HDD,CD,MD,DVD、光ディスク等の記録媒体が使用され、燃費情報提示装置100、ナビゲーション装置400のアクセス(読み込み)を受け付ける。
【0012】
また同図に示すように、サーバ3000は、燃費情報管理装置10と、車両(車載装置2000)から集めた情報を記憶するデータ保存装置20と、地図情報を有するサーバ側地図データベース(地図DB)30と、外部へ情報を配信する配信装置40と、車両を含む外部との通信を行う通信装置50とを有する。
【0013】
この燃費情報管理装置10は、CPU,MPU,DSP,FPGAなどの動作回路を組み合わせて構成される。また、データ保存装置20は、RAM等で構成される。さらに、サーバ側地図データベース30は、車両側同様、HDD,CD,MD,DVD、光ディスク等の記録媒体が使用される。そして、通信部50の通信網としては、携帯電話網、UWB,DSRC,無線LAN等である。
【0014】
これら車載装置2000とサーバ3000とは、通信端末200と通信部50を介して相互に情報の授受を行う。
【0015】
図2は、燃費情報処理システム1000のブロック構成を示す図である。以下、図2に基づいて、サーバ3000側の燃費情報管理装置10の各構成、及び車載装置2000側の燃費情報提示装置100の各構成について説明する。
【0016】
まず、燃費情報管理装置10について説明する。図2に示すように、燃費情報管理装置10は、燃費情報集約部11と、統計処理部12とを有する。
【0017】
この燃費情報集約部11は、通信端末200及び通信装置50を介して、車両が走行する際の燃費情報を、各車両に搭載された車載装置2000から集約する。本実施形態において、集約された情報はデータ保存装置20に蓄積されるが、これを車載装置2000側のメモリ1211に保存してもよい。
【0018】
集約される燃費情報は、燃費と、その燃費が検出された際の走行地点の位置情報を含む。燃費は、車両の走行によって消費される燃料の量(燃料消費量)である。走行距離を燃料消費量で割った燃料1リットルあたりの走行距離又は燃料消費量を走行距離で割った走行距離1kmあたりの燃料消費量である。なお、車両の走行によって消費される燃料の量(燃料消費量)を、走行時に排出される二酸化炭素の量で表現してもよい。
【0019】
また、燃費情報に含まれる位置情報は、緯度経度情報、地図座標、交差点名、施設名その他の走行地点を特定できる情報である。燃費情報集約部11が集約するこの燃費情報により、ある車両が地点Aを走行する際の燃費Yを得ることができる。そして、燃費情報を多数集約することにより、地点A、B、C…を走行する際の燃費の分布をそれぞれ得ることができる。
【0020】
次に統計処理部12について説明する。統計処理部12は、車両の燃費に影響を与える燃費要因がマッピングされた地図情報31を参照し、集約された燃費情報が燃費要因ごとに統計された燃費統計を生成する。具体的に、統計処理部12は、車両から得た燃費情報に含まれる位置情報に基づいて、燃費要因がマッピングされた地図情報31を参照し、燃費要因と燃費情報とを対応づけ、燃費要因ごとに燃費情報を統計する。
【0021】
統計に用いられる燃費要因は、道路又はリンクの識別子、道路又はリンクの勾配、道路又はリンクの標高、道路又はリンクの曲率、道路又はリンクの信号機の有無、道路又はリンクの一時停止ポイントの有無、道路又はリンクの減速ゾーンの有無その他の道路属性、車種、車型、排気量その他の車両情報、又は渋滞度、速度、交通規制その他の交通状態などの燃費に影響を与える1又は2以上含む情報である。
【0022】
図3に燃費要因の一例を示す。図3に示すように、燃費の増減効果に応じて細分化された燃費要因を定義することもできる。たとえば、道路の勾配に関する燃費要因を、上り坂を形成する道路の勾配、下り坂を形成する道路の勾配、急な上り坂を形成する所定値帯の道路傾斜率、緩やかな上り坂を形成する所定値帯の道路の傾斜率と細分化して定義することができる。他の道路属性においても同様である。
【0023】
車両情報についても、さらに細分化された燃費要因を定義することができる。図3に示すように、一の車種を燃費要因としてもよいし、複数のグループ化された車種を燃費要因と定義してもよい。車型や排気量についても同様に、予め燃費要因の内容を定義することができる。
【0024】
また、交通状態についても、さらに細分化された燃費要因を定義することができる。たとえば、渋滞度を、所定リンクの走行速度、所定区間の通過所要時間により定量的に表現し、それをレベルごとに定義してもよい。交通規制を、交通規制の有無、交通規制の内容ごとに燃費要因として定義してもよい。
【0025】
統計処理部12は、予め定義された燃費要因ごとに燃費情報を統計する。たとえば、統計処理部12は、燃費要因ごとに集約された燃費情報の分布を調査する。
【0026】
図4に、リンクIDにより特定される燃費要因(リンクW)ごとに統計された燃費の分布の一例を示す。先述したように、燃費要因は、複数の要因を組み合わせて特定できることから、統計処理部12は排気量が3000クラスの車両のリンクWごとの燃費の分布、車種X〜Yの車両の上り坂を含む道路ごとの分布といった統計処理を行うことができる。統計処理部12は、統計結果をデータ保存装置20又は統計処理部12内の統計記憶部121に記憶する。
【0027】
また、統計処理部12は統計送出部122を備える。この統計送出部122は、所定のタイミング又は車載装置2000側の要求に応じて、燃費統計を燃費情報提示装置100へ送出する。統計送出部122は、予め定義された燃費要因についての燃費統計又は燃費情報提示装置100が要求する燃費要因についての燃費統計を、燃費情報提示装置100へ送出する。送出された燃費統計は、燃費情報提示装置100の車載送受信部110により受信され、車載送受信部110内の統計記憶部111に記憶される。
【0028】
続いて、車両に搭載された、燃費情報提示装置100について説明する。図2に示すように、燃費情報提示装置100は、車載送受信部110と、燃費情報収集部120と、燃費算出部130と、評価部140と、燃費推測部150と、経路探索部160と、燃費情報表示部170とを備える。
【0029】
本実施形態の車載送受信部110は、通信端末200を介してサーバ3000側の燃費情報管理装置10と情報の授受を行う。車載送受信部110は、燃費情報管理装置10の統計処理部12により生成された燃費統計を受信し、統計記憶部111に記憶する。また、車載送受信部110は、自車両の車載装置2000側が取得する位置情報を含む燃費情報を燃費情報管理装置10へ向けて送出する。車載送受信部110は、燃費情報に加えて、燃費要因(道路属性、車両情報、交通状態)、その他のプローブ情報を燃費情報管理装置10へ向けて送出する。
【0030】
また、燃費情報収集部120は、自車両の走行時の燃費情報を収集する。先述したように、燃費情報は、燃費と、その燃費が検出された際の走行地点の位置情報を含む。この位置情報は、緯度経度情報、地図座標、交差点名、施設名その他の走行地点を特定できる情報である。走行時に収集された燃費情報はメモリ1211に蓄積される。なお、蓄積する燃費情報には、その位置情報に対応する燃費要因を含めてもよい。その場合、燃費情報収集部120は、燃費要因がマッピングされた地図情報301を参照し、燃費情報の走行位置に対応する燃費要因を検索し、その燃費情報と対応づけてメモリ1211に記憶する。なお、燃費情報収集部120は、燃費情報以外に、速度情報、リンク通過所要時間などの交通に関するプローブ情報を収集し、蓄積することもできる。
【0031】
また、燃費算出部130は、燃費情報収集部120により収集された燃費情報に基づいて、車両の燃費の増減に影響を与える燃費要因がマッピングされた地図情報301を参照し、自車両の燃費要因ごとの燃費情報を算出する。つまり、燃費算出部130は、自身が搭載された自車両について、自車両が走行経験に基づいて、所定の燃費要因下における自車両の実際の燃費情報を算出する。すなわち、車種、車型、排気量が特定された自車両固有について、走行時の気候、走行時刻、走行時の天候などの所定の条件下における、所定の燃費要因下(所定の走行リンクを通過、所定の勾配の上り坂を通過など)での燃費情報を算出する。燃費情報の算出手法は特に限定されないが、燃費算出部130は、所定の燃費要因ごとの燃費の統計をとり、その平均値、中央値、最大値、最頻値などの代表値を算出し、その値を自車両の燃費要因ごとの燃費情報とする。なお、燃費情報提示装置100側において、収集された燃費情報のすべてを蓄積することに不利益(記憶領域の占有、通信料金の増加)がなければ、代表値を求めることなく、収集された燃費情報のすべてをメモリ1211に蓄積してもよい。
【0032】
そして、評価部140は、燃費統計取得部141と、燃費評価部142とを有し、燃費算出手段130により算出された自車両の燃費要因ごとの燃費情報と、燃費情報管理装置10側の統計処理部12にて生成された燃費要因ごとの燃費統計と対比して、燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度を評価する。
【0033】
まず、燃費統計取得部141は、図5(A)に示すような燃費統計を燃費統計管理装置10から取得する。燃費統計取得部141は、燃費算出部130により算出された自車両の燃費情報の燃費要因と共通する燃費要因についての燃費統計を取得する。燃費統計取得部141は、評価時に必要な燃費統計の取得を燃費情報管理装置10へ要求してもよいし、予め蓄積された燃費統計の中から必要な燃費統計を選択して取得してもよい。
【0034】
続いて、燃費評価部142は、燃費算出部130により算出された燃費情報と、燃費統計取得部141により取得された燃費統計を対比して燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度を評価する。不特定多数の車両の燃費情報に基づいて統計された燃費統計と、固有の車両性能、固有の環境において検知された自車両の燃費情報とは、通常異なる値(傾向)を示すからである。不特定多数の車両の燃費統計に対する自車両固有の燃費情報の位置づけを示す値として、分散度を求める。この分散度の算出手法は特に限定されず、燃費統計の最頻値、中央値などの代表値からのずれ量その他の偏差を分散度とすることができる。たとえば、燃費統計取得部141が、図5(A)に示す「傾斜率帯Bの上り坂を走行する車両の燃費情報の統計」を取得した場合、燃費評価部142は、図5(B)に示すように、取得した燃費統計と、燃費算出部130により算出された「傾斜率帯Bの上り坂を走行する自車両の燃費情報」とを対比し、燃費統計の最頻値からの差分aを、燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度として評価する。この評価により、燃費情報管理装置10により複数の車両について求められた燃費統計に対する自車両の燃費情報の位置づけを定量的に得ることができる。
【0035】
続いて、燃費推測部150について説明する。燃費推測部150は、入力された目的地に至る経路の燃費要因に関する燃費統計を取得し、この燃費統計と評価手段により評価された分散度とに基づいて、経路の燃費情報をそれぞれ推測する。ナビゲーション装置400は、目的地の入力を受け付け、現在位置(出発地)から目的地に至る一又は二以上の経路を探索する。燃費推測部150は、燃費要因がマッピングされた地図情報を参照して、ナビゲーション装置400により探索された経路(候補)の燃費要因、または経路(候補)に含まれる燃費要因を抽出する。そして、燃費推測部150は、抽出された各燃費要因に関する燃費統計を取得し、各燃費要因に関する燃費統計と評価部140により求められた自車両の燃費情報の分散度とに基づいて、各燃費要因下の燃費を算出し、各燃費要因下の燃費を経路ごとに合計し、経路ごとの燃費情報を推測する。
【0036】
例えば、目的地に至る経路Yに傾斜率帯Cの上り坂と、曲率帯Oの急カーブとが含まれる場合、燃費推測部150は、図6に示す傾斜率帯Cの上り坂を走行する車両の燃費統計と、評価部140により求められた自車両の分散度aとを取得し、燃費統計の最頻値から分散度aだけ離れた値Rを自車両の燃費情報として推測する。同様の処理を曲率帯Oの燃費要因についても実行する。そして、求めた各燃費要因(傾斜率帯Cの上り坂、曲率帯Oの急カーブ)についての燃費情報を合計し、経路Yの燃費情報を推測する。同じく、目的地に至るすべての経路(経路Y以外)について燃費情報を推測する。
【0037】
もちろん、経路Y(経路Yを構成するリンク)についての燃費統計を用いて、経路Yを走行する際の自車両の燃費情報を算出することができる。図7に示すようなリンクW1〜W5から構成される経路がある場合、燃費推測部150は、各リンクW1〜W5の燃費統計を取得し、自車両の燃費情報の分散度aを用いて、各リンクの燃費情報R1〜R5をそれぞれ推測する。そして、燃費情報R1〜R5を加算し、出発地(Start)から目的地(Goal)までの経路の燃料情報を推測する。
【0038】
また、燃費推測部150は、リンクW1〜W5の燃費統計を用いることなく、各リンクに含まれる道路の勾配、標高、曲率、信号の有無といった燃費要因ごとの燃費統計を用いて、各リンクの燃費情報を推測することもできる。なお、各リンクに複数の燃費要因が含まれる場合は、燃費要因ごとに推測された燃費情報を加算すればよい。
【0039】
このように、前もって、所定の燃費要因について燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度(燃費統計に対する位置づけ)を評価しておくため、自車両が実際には走行したことがない経路についても、その経路の燃費統計を用いて自車両の燃費情報を算出することができる。つまり、自車両が走行したことがなくても、他車両が走行した際の燃費情報を利用して、自車両固有の条件が考慮された燃費情報を算出することができる。
【0040】
さらに、経路探索部160は、推測された各経路の燃費情報に基づいて、燃費を指標とする経路を探索する。本実施形態の経路探索部160は、燃料消費量(又は二酸化炭素の排出量)が少ない経路を優先する探索を行う。経路探索部160は、燃費のほか、所要時間、所要料金、走行距離、走行道路種別の何れか一つ以上の指標に基づいて経路候補を探索する。ユーザは燃費以外の指標も考慮して経路を選択するからである。ちなみに、燃費以外の指標に基づいて探索された経路は、後述する燃費情報表示部170により表示される。そして、ユーザから入力された一の経路を選択する選択命令に従い、選択された経路情報が出力される。
【0041】
次に、燃料情報表示部170について説明する。燃料情報表示部170は、編集部171と、選択受付部172と、出力部173とを備え、経路探索部160により探索された経路と、この経路について推測された燃費情報と、この経路に含まれる燃費要因と、その燃費要因が燃費に与える影響とを含む情報を表示する。
【0042】
編集部171は、経路探索部160により探索された経路と、その経路の燃費要因と、燃費要因が燃費に与える影響とが対応づけられた表示情報を編集する。表示態様は特に限定されないが、本実施形態の編集部171は、経路の傍らに燃費要因及びその燃費要因が燃費に与える影響が表示される表示情報を編集する。燃費要因の表示位置は、燃費要因の実際の位置と経路との位置関係に応じた位置に表示することが好ましい。
【0043】
このように、経路と燃費要因とその影響とを対応づけて表示することにより、経路のどこに、どのような燃費要因が存在し、どのような影響を与えるのか(燃費の増減)を、総合的に一目で認識させることができる。ユーザは、経路、燃費要因及び燃費要因の影響が対応づけられた情報を視認することにより、探索された経路の燃費の内訳を理解し、経路ごとの燃費について妥当な判断をすることができる。また、経路上の燃費要因の位置及びその影響を総合的に認定できるため、燃料消費量を増加させる燃費要因を避けた新たな経路を探索することができる。さらに、経路(候補)全体の燃費情報に加えて、各経路(候補)のそれぞれの燃費情報の内訳を詳細に示すことができるため、燃料情報の内訳を検討してから一の経路に絞り込み又は他の経路を探索させ、要求を満たす経路の案内を出力させることができる。
【0044】
また、編集部171は、経路とともに燃費要因を表示する場合は、各燃費要因の内容に予め対応づけた要因表示画像を表示する表示情報を編集するとともに、燃費要因が燃費に与える影響を表示する場合は、燃費に与える影響の内容に予め対応づけた影響表示画像を表示する表示情報を編集する。要因表示画像及び影響表示画像の一例を図8に示す。要因表示画像は燃費要因の内容を連想できる画像であれば、特に限定されず任意に定義することができる。同じく影響表示画像は燃費要因が燃料消費量に与える影響の内容を連想できるも画像であれば、特に限定されず任意に定義することができる。また影響の内容に応じて影響表示画像の表示サイズを変化させてもよい。
【0045】
また、編集部171は、燃費要因が燃費を悪化させる場合は、その燃費要因および/または燃費要因が燃費に与える影響を、赤色を含む暖色系の色で示し、燃費要因が燃費を向上させる場合は、その燃費要因および/または燃費要因が燃費に与える影響を、青色を含む寒色系の色で表示する表示情報を編集する。このため、本実施形態では、図8に示すように、燃費要因(要因表示画像を含む)および/または燃費情報(影響表示画像を含む)の表示色を予め定義する。
【0046】
編集部171により編集された表示情報の一例を図9に示す。図9に示すように、出発地から目的地に至る経路とともに、その経路に存在する燃費要因(上り坂、渋滞度高、下り坂)を要因表示画像で表示する。なお、要因表示画像は、その燃費要因が存在する位置に対応する位置に表示する。また、要因表示画像とともにその影響を示す影響表示画像を表示する。つまり、表示された経路上に、上り坂のある位置を要因表示画像で表示するとともに、上り坂によって燃料消費量が増加する旨を影響表示画像で表示する。
【0047】
なお、渋滞度、走行速度、通過所要時間などは、経路の所定範囲において発生するため、経路の色を変化させ、又は経路を点滅させることにより渋滞度が高いことを表示する。つまり、編集部171は、外部から取得する渋滞情報(渋滞区間、混雑区間、順調走行区間)を、探索された経路に重畳させて表示する。なお、渋滞度、走行速度、通過所要時間などは、VICS(Vehicle Information and Communication System)から取得する。
【0048】
なお、編集部171は、図9に示すように、各リンクの燃料消費量が積分された、経路全体の燃料消費量及び燃料の料金を表示情報に含める。さらに、編集部171は、各リンクの燃費*リンク長から求められる各リンクの燃料消費量、各リンクの燃料燃費量を積分して求められる経路の総燃料消費量、経路の総燃料消費量 / 経路の距離により求められる経路の平均燃等を表示情報に含めることができる。
【0049】
このように、燃費要因の存在及び存在位置、並びに燃費要因が燃費に与える影響を経路とともに表示することにより、目的地までの燃費情報の内訳を一目で視認することができる。
【0050】
また、編集部171は、経路探索部160により探索された経路のうち一の経路が選択された場合に表示される表示情報を編集する。編集部171は、選択された経路について、その経路の燃費要因と、燃費要因が燃費に与える影響とが対応づけられた表示情報を編集する。表示の態様は特に限定されず、燃費要因及びその影響については予めグレーアウトにより非表示とさせておき、カーソルやタッチパネル等で経路を選ぶと、そのグレーアウトを外して、燃費要因及びその影響を表示するようにしてもよい。表示態様の一例を示すと、図9に示すように、実線で表わされた経路と点線で表わされた経路とがある場合、編集部171は、ユーザにより選択された経路(カーソルが当てられた経路、又はタッチパネルへの入力により選択された)経路についてのみ、表燃費要因、燃費要因の影響が表示される表示情報を編集する。これより、ユーザが情報を欲する経路についてのみ詳細な燃費情報を提供することができる。なお、編集部171は、選択された経路以外の経路についても、その経路と、経路の燃費要因と、燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する表示情報を編集してもよい。これらの表示モードはユーザの入力により切り替え可能であることが好ましい。
【0051】
また、図10に示すように、編集部171は、燃費要因の内容、燃費要因通過時の燃費をテキスト情報で表示する表示情報を編集することができる。
【0052】
さらに、編集部171は、燃費情報を二酸化炭素の排出量により表示する表示情報を編集する。例えば、図10に示すように、燃費とともに二酸化炭素の排出量を表示することができる。二酸化炭素の排出量は数字で示してもよいし、大小を示す画像で表示してもよい。
【0053】
加えて、編集部171は、経路探索部160により探索された経路が表示される領域とは別の領域に、経路ごとの燃費要因と、燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する表示情報を編集する。経路(地図情報)を含まない燃費要因等の表示情報の一例を図11に示す。図11に示すように、編集部171は、経路1〜3の上り勾配及び下り勾配をそれぞれ示すとともに、燃費要因が燃費に与える影響を示す影響表示画像を含む表示情報を編集する。また、編集部171は、各経路1〜3の所要時間、有料道路の料金、燃料消費量、燃料料金を表示情報に含める。
【0054】
選択受付部172は、ユーザからの経路選択命令を受け付ける。出力部173は、選択受付部172を介して選択された経路を出力する。
【0055】
そして、モニタ1731は、図9〜11に例示する表示情報を画面に表示する。
【0056】
なお、燃費要因及び燃費要因が与える影響は、その燃費要因の位置とともに音声にて出力してもよい。この場合、編集部171は、「○○駅踏切で燃費がダウンします」というように、燃費要因の位置とその影響がわかるテキスト情報を編集する。
【0057】
次に、本実施形態の情報処理システム1000の制御手順を説明する。図12は情報処理システム1000の燃費情報提示装置100−1,100−2,100−nおよび燃費情報管理装置10の制御手順を説明するためのフローチャートである。
【0058】
まず、燃料情報提示装置100の燃費情報収集部120は、自車両の燃費情報を検出する(S101)。燃費情報収集部120は、予め定義された燃費要因がマッピングされた地図情報を参照し(S102)、燃費情報と燃費要因とを対応づけてメモリ1211に格納する(S103)。車載送受信部110は、所定のタイミングで、収集された燃費情報を燃費情報管理装置10へ送出する(S104)。送出のタイミングは特に限定されず、通信機能を利用する操作を行った場合や、予め定めた所定周期で収集された燃費情報(プローブ情報)を送出する。
【0059】
さらに、燃費算出部130は、収集された自車両の燃費情報に基づいて、自車両の燃費要因ごとの燃費情報を算出する(S105)。自車両の燃費情報の算出は、所定周期で実行してもよいし、その燃費要因についての燃費情報が新たに取得されたタイミングで実行してもよい。
【0060】
サーバ3000側の燃費情報管理装置10の燃費情報集約部11は、不特定多数の車両(プローブ車両)に搭載された車載送受信部110から送られてきた燃費情報を集約する(S120)。そして、統計処理部12は、集約された燃費情報が燃費要因ごとに統計された燃費統計を生成する(S121)生成された燃費統計は、統計記憶部121に記憶する。プローブ車両(車載装置2000)の情報の収集、サーバ3000の情報の集約、統計処理は所定のタイミングで繰り返される。
【0061】
燃費情報提示装置100は、ユーザから目的地が入力されたことをトリガとして、燃費情報の提示処理を開始する(S106)。目的地は、燃費情報提示装置100に直接入力されてもよいし、車載LANにて接続されたナビゲーション装置400を介して入力されてもよい。
【0062】
評価部140は、自車両の燃費が算出された燃費要因についての燃費統計を燃料情報管理装置10へ要求する(S108)。要求する燃費統計の燃費要因の特定手法は特に限定されず、最も新しい燃費情報についての燃費要因としてもよいし、燃費情報の収集量が最も多い燃費要因としてもよい。
【0063】
この要求に呼応して、燃費情報管理部10の統計送出部122は、要求に係る燃費要因についての燃費統計を燃費情報提示装置100へ送出する(S123)。
【0064】
評価部140の燃料統計取得部141は、要求に係る燃費統計を取得する。そして燃費評価部142は、S105で算出された自車両の燃費情報と、燃費統計とを対比して、燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度を評価する(S108)。燃費評価部142は、燃費統計の代表値(平均値、中央値、最頻値など)との差分を分散度として得る。
【0065】
なお、分散度を求める際に対比される自車両の燃費情報の燃費要因と、燃費統計の燃費要因とは共通するものであることが好ましい。燃費要因の共通性を判断する際には、燃費に与える影響が共通するものとして予め定義された燃費要因であるか否かを判断することにより行う。燃費要因の共通性は、形式的な一致に拘泥せず、燃費に与える影響の共通性に基づいて適宜定義することができる。
【0066】
続いて、燃費推測部150は、目的地に至る経路に含まれる燃費要因に関する燃費統計を燃費情報管理装置10に要求する(S109)。統計送出部122は要求に係る燃費統計を燃費情報提示装置100へ送出する(S124)。ちなみに、目的地に至る経路の候補は、車載LANで接続されたナビゲーション装置400から取得してもよいし、経路探索部160から取得してもよい。
【0067】
そして、燃費推測部150は、取得した燃費統計とS108にて得た分散度とに基づいて、経路候補の燃費情報を推測する(S110)。
【0068】
経路探索部160は、推測された燃費情報に基づいて、燃料消費量が少ない(又は排出する二酸化炭素量が少ない)経路を優先的に探索する(S111)。
【0069】
燃費情報表示部170の編集部171は、探索された経路と、経路について推測された燃費情報と、経路の燃費要因と、その燃費要因が燃費に与える影響とを含む表示情報を編集する(S112)。
【0070】
出力部173は、編集された表示情報を出力する(S113)。ユーザは、経路ごとに表示された燃費情報、燃費要因及び燃費要因が与える影響を参考に、案内を求める経路を選択する。選択受付部172に入力された選択命令に従い、選択された経路の案内情報を表示し、誘導を実行する(S115)。
【0071】
自車両は、案内情報を参考に走行を開始し(S116)、S101以降の処理を実行する。
【0072】
本実施形態は、以上にように構成され、動作するので以下の効果を奏する。
【0073】
本実施形態の燃費情報処理システム1000は、経路探索において指標とされる燃費情報を推測する際に用いた燃費要因及びその燃費要因が燃費に与える影響を、経路とともに提示することにより、経路全体の燃費がどのような要因に基づいて算出されたのかといった具体的な内訳をユーザに視認させることができる。ユーザは、経路と、経路全体の燃費情報と、経路の燃費要因とその燃費要因が燃費に与える影響を含む表示情報を見ることによって、経路のどこで、どのような要因によって、どれくらいの燃費増減があるのかを一目で知ることができ、経路の燃費情報の妥当性を判断することができる。
【0074】
また、燃費を指針として経路を選択する際に、経路(候補)全体の燃費情報に加えて、各経路(候補)のそれぞれの燃費情報の内訳を詳細に示すことができるため、経路全体の総合的な燃費情報のみによって経路を選択するだけではなく、経路上の個々の燃費要因の位置、その影響といった具体的な内訳に基づいて、より詳細な検討を行うことができる。その結果、燃費が有利な経路を探索することができ、また、燃費を悪化させる燃費要因を迂回する新たな経路を探索することができる。
【0075】
また、道路又はリンクの識別子、勾配、標高、曲率、信号機の有無、一時停止ポイントの有無、及び減速ゾーンの有無その他の道路属性を燃費要因に含めることにより、実際の走行状態及び実際の交通状態を考慮した燃費を求めることができるとともに、経路上において道路属性が燃費に与える影響を具体的に知ることができる。同様に、車種、車型、排気量その他の車両情報を燃費要因に含めることにより、燃費に関係する車両性能を考慮した燃費を求めることができる。さらに、渋滞度、速度、交通規制その他の交通状態を燃費要因に含めることにより、実際の走行における交通状況を考慮した燃費を求めることができる。
【0076】
さらにまた、経路と、経路の燃費要因と、燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示することにより、経路と燃費要因の位置関係、及び経路における燃費要因の影響の変化を一目で認識させることができる。この場合、選択された経路についてのみ、燃費要因と燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示することにより、必要な場合に限って詳細な情報提示することができる。他方、ユーザによっては、探索された経路候補の全部について、その燃費要因及び燃費要因の影響を知りたい場合があるので、選択された経路以外の経路について燃費要因等を提示することにより、ユーザの要求に対応した情報を提示することができる。さらに、経路に外部から取得した渋滞情報を重畳させて表示することにより、経路上の渋滞区間の位置、渋滞の程度を知ることができ、経路の選択を燃費と渋滞回避との観点から検討することができる。
【0077】
また、経路が表示される領域とは別の表示領域に、経路の燃費要因と燃費要因が燃費に与える影響を提示することにより、燃費要因についての情報だけを表示することができる。
【0078】
加えて、燃費要因を要因表示画像で表示し、燃費要因の影響を影響表示画像で表示することにより、燃費要因の内容及びその影響の程度を画像により一目で認識することができる。また燃費を悪化させる燃費要因を赤色が含まれる暖色系で示し、燃費を向上させる燃費要因を青色が含まれる寒色系の色で表示することにより、燃費の悪化と向上を感覚的に認識させることができる。
【0079】
また、燃費情報を二酸化炭素排出量で表示することにより、環境保護の観点から燃費が有利な経路を選択することができる。
【0080】
さらに、燃費以外にも、所要時間、所要料金、走行道路の種別などの指標に基づいた経路探索を行うことにより、ユーザのニーズに合致した情報を提供することができる。
【0081】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0082】
すなわち、本明細書では、本発明に係る燃費情報処理システムの一態様として車載装置2000とサーバ3000を備えるシステムを例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書では、サーバ3000側の燃費情報管理装置10の一態様として、燃費情報集約手段の一例としての燃費情報集約部11と、統計処理手段の一例としての統計処理部12とを備える装置を説明したが、これに限定されるものではない。さらに、本明細書では、車載される燃費情報提示装置100の一態様として、情報の授受を行う通信機能を備える車載送受信部110と、燃費情報収集手段の一例としての燃費情報収集部120と、燃費算出手段の一例としての燃費算出部130と、評価手段の一例としての評価部140と、燃費推測手段の一例としての燃費推測部150と、経路探索手段としての経路探索部160と、燃費情報表示手段としての燃費情報表示部170とを有する装置を説明したが、これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】燃費情報処理システム1000の概要を示す図である。
【図2】燃費情報処理システム1000のブロック構成を示す図である。
【図3】燃費要因の一例を示す図である。
【図4】燃費統計の一例を示す図である。
【図5】図5Aは所定の燃費要因についての燃費統計の一例を示す図、図5Bは自車両の燃費情報の分散度を評価する手法を説明するための図である。
【図6】分散度と燃費統計とから自車両の燃費情報を求める手法を説明するための図である。
【図7】経路の燃費を算出する手法を説明するための図である。
【図8】要因表示画像と影響表示画像の一例を示す図である。
【図9】表示情報の第1の例を示す図である。
【図10】表示情報の第2の例を示す図である。
【図11】表示情報の第3の例を示す図である。
【図12】燃費情報の提示処理を説明するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
【0084】
1000…燃費情報処理システム
2000…車載装置
100…燃費情報提示装置
110…車載送受信部
120…燃費情報収集部
130…燃費算出部
140…評価部
150…燃費推測部
160…経路探索部
170…燃費情報表示部
200…通信端末
300…地図データベース
400…ナビゲーション装置
500…車両コントローラ
3000…サーバ
10…燃費情報管理装置
11…燃費情報集約部
12…統計処理部
20…データ保存装置
30…サーバ側地図データベース
40…配信装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃費に関する情報を提示する燃費情報処理システムおよび燃費情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現況の交通情報から推定された走行速度と燃費情報を用いて、燃料消費量の少ない経路を算出し、その経路に対する燃料消費量を数字で提示する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−98174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この技術では、算出された経路に対する燃料消費量(燃費)が数字だけで表示されるため、利用者は経路全体に対する包括的な燃料消費量(燃費)しか知ることができず、燃料消費量(燃費)が経路上のどのような要因に基づいて算出されるのかといった燃料消費量(燃費)の内訳を視認することができず、燃費の妥当性を判断することができないという問題があった。
【0005】
本願発明が解決しようとする課題は、経路に係る燃費の妥当性を判断することができる表示情報を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の車両から集約された走行時の燃費情報が、燃費に影響を与える燃費要因ごとに統計された燃費統計と、その燃費要因に関する自車両の燃費情報とを対比し、燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度を評価し、経路探索のための目的地が入力された場合に、目的地に至る経路の燃費要因に関する燃費統計と分散度とに基づいて、目的地に至る経路の燃費情報をそれぞれ推測し、推測された燃費情報に基づいて燃費を指標とする経路を探索し、その探索された経路と、経路について推測された燃費情報と、経路の燃費要因と、その燃費要因が燃費に与える影響と、を含む燃費情報を提示することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、経路上の燃費要因の存在及びその影響といった情報をユーザが視認することによって、経路の燃費情報の内訳を理解することができるようになるのでユーザが経路に関する燃費情報の妥当性を判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本実施形態の燃費情報処理システム1000を図面に基づいて説明する。図1は燃費情報処理システム1000全体概要を示す図である。
【0009】
本実施形態の燃費情報処理システム1000は、車両に搭載された車載装置2000と、これと通信可能なサーバ3000とを有する。
【0010】
図1に示すように、車載装置2000は、燃費情報提示装置100と、外部との通信を行う通信端末200と、地図情報を有する地図データベース(地図DB)300と、GPS(Global Positioning System)410を用いて現在位置を検出するとともに目的地までの経路を探索するナビゲーション装置400と、車両に関する情報を取得する車両コントローラ500とを有する。
【0011】
この燃費情報提示装置100は、CPU,MPU,DSP,FPGAなどの動作回路を組み合わせて構成される。また、通信端末200は、携帯電話網、UWB、DSRC、無線LAN等を用いて、サーバ3000との通信を行う。そして、地図データベース300は、HDD,CD,MD,DVD、光ディスク等の記録媒体が使用され、燃費情報提示装置100、ナビゲーション装置400のアクセス(読み込み)を受け付ける。
【0012】
また同図に示すように、サーバ3000は、燃費情報管理装置10と、車両(車載装置2000)から集めた情報を記憶するデータ保存装置20と、地図情報を有するサーバ側地図データベース(地図DB)30と、外部へ情報を配信する配信装置40と、車両を含む外部との通信を行う通信装置50とを有する。
【0013】
この燃費情報管理装置10は、CPU,MPU,DSP,FPGAなどの動作回路を組み合わせて構成される。また、データ保存装置20は、RAM等で構成される。さらに、サーバ側地図データベース30は、車両側同様、HDD,CD,MD,DVD、光ディスク等の記録媒体が使用される。そして、通信部50の通信網としては、携帯電話網、UWB,DSRC,無線LAN等である。
【0014】
これら車載装置2000とサーバ3000とは、通信端末200と通信部50を介して相互に情報の授受を行う。
【0015】
図2は、燃費情報処理システム1000のブロック構成を示す図である。以下、図2に基づいて、サーバ3000側の燃費情報管理装置10の各構成、及び車載装置2000側の燃費情報提示装置100の各構成について説明する。
【0016】
まず、燃費情報管理装置10について説明する。図2に示すように、燃費情報管理装置10は、燃費情報集約部11と、統計処理部12とを有する。
【0017】
この燃費情報集約部11は、通信端末200及び通信装置50を介して、車両が走行する際の燃費情報を、各車両に搭載された車載装置2000から集約する。本実施形態において、集約された情報はデータ保存装置20に蓄積されるが、これを車載装置2000側のメモリ1211に保存してもよい。
【0018】
集約される燃費情報は、燃費と、その燃費が検出された際の走行地点の位置情報を含む。燃費は、車両の走行によって消費される燃料の量(燃料消費量)である。走行距離を燃料消費量で割った燃料1リットルあたりの走行距離又は燃料消費量を走行距離で割った走行距離1kmあたりの燃料消費量である。なお、車両の走行によって消費される燃料の量(燃料消費量)を、走行時に排出される二酸化炭素の量で表現してもよい。
【0019】
また、燃費情報に含まれる位置情報は、緯度経度情報、地図座標、交差点名、施設名その他の走行地点を特定できる情報である。燃費情報集約部11が集約するこの燃費情報により、ある車両が地点Aを走行する際の燃費Yを得ることができる。そして、燃費情報を多数集約することにより、地点A、B、C…を走行する際の燃費の分布をそれぞれ得ることができる。
【0020】
次に統計処理部12について説明する。統計処理部12は、車両の燃費に影響を与える燃費要因がマッピングされた地図情報31を参照し、集約された燃費情報が燃費要因ごとに統計された燃費統計を生成する。具体的に、統計処理部12は、車両から得た燃費情報に含まれる位置情報に基づいて、燃費要因がマッピングされた地図情報31を参照し、燃費要因と燃費情報とを対応づけ、燃費要因ごとに燃費情報を統計する。
【0021】
統計に用いられる燃費要因は、道路又はリンクの識別子、道路又はリンクの勾配、道路又はリンクの標高、道路又はリンクの曲率、道路又はリンクの信号機の有無、道路又はリンクの一時停止ポイントの有無、道路又はリンクの減速ゾーンの有無その他の道路属性、車種、車型、排気量その他の車両情報、又は渋滞度、速度、交通規制その他の交通状態などの燃費に影響を与える1又は2以上含む情報である。
【0022】
図3に燃費要因の一例を示す。図3に示すように、燃費の増減効果に応じて細分化された燃費要因を定義することもできる。たとえば、道路の勾配に関する燃費要因を、上り坂を形成する道路の勾配、下り坂を形成する道路の勾配、急な上り坂を形成する所定値帯の道路傾斜率、緩やかな上り坂を形成する所定値帯の道路の傾斜率と細分化して定義することができる。他の道路属性においても同様である。
【0023】
車両情報についても、さらに細分化された燃費要因を定義することができる。図3に示すように、一の車種を燃費要因としてもよいし、複数のグループ化された車種を燃費要因と定義してもよい。車型や排気量についても同様に、予め燃費要因の内容を定義することができる。
【0024】
また、交通状態についても、さらに細分化された燃費要因を定義することができる。たとえば、渋滞度を、所定リンクの走行速度、所定区間の通過所要時間により定量的に表現し、それをレベルごとに定義してもよい。交通規制を、交通規制の有無、交通規制の内容ごとに燃費要因として定義してもよい。
【0025】
統計処理部12は、予め定義された燃費要因ごとに燃費情報を統計する。たとえば、統計処理部12は、燃費要因ごとに集約された燃費情報の分布を調査する。
【0026】
図4に、リンクIDにより特定される燃費要因(リンクW)ごとに統計された燃費の分布の一例を示す。先述したように、燃費要因は、複数の要因を組み合わせて特定できることから、統計処理部12は排気量が3000クラスの車両のリンクWごとの燃費の分布、車種X〜Yの車両の上り坂を含む道路ごとの分布といった統計処理を行うことができる。統計処理部12は、統計結果をデータ保存装置20又は統計処理部12内の統計記憶部121に記憶する。
【0027】
また、統計処理部12は統計送出部122を備える。この統計送出部122は、所定のタイミング又は車載装置2000側の要求に応じて、燃費統計を燃費情報提示装置100へ送出する。統計送出部122は、予め定義された燃費要因についての燃費統計又は燃費情報提示装置100が要求する燃費要因についての燃費統計を、燃費情報提示装置100へ送出する。送出された燃費統計は、燃費情報提示装置100の車載送受信部110により受信され、車載送受信部110内の統計記憶部111に記憶される。
【0028】
続いて、車両に搭載された、燃費情報提示装置100について説明する。図2に示すように、燃費情報提示装置100は、車載送受信部110と、燃費情報収集部120と、燃費算出部130と、評価部140と、燃費推測部150と、経路探索部160と、燃費情報表示部170とを備える。
【0029】
本実施形態の車載送受信部110は、通信端末200を介してサーバ3000側の燃費情報管理装置10と情報の授受を行う。車載送受信部110は、燃費情報管理装置10の統計処理部12により生成された燃費統計を受信し、統計記憶部111に記憶する。また、車載送受信部110は、自車両の車載装置2000側が取得する位置情報を含む燃費情報を燃費情報管理装置10へ向けて送出する。車載送受信部110は、燃費情報に加えて、燃費要因(道路属性、車両情報、交通状態)、その他のプローブ情報を燃費情報管理装置10へ向けて送出する。
【0030】
また、燃費情報収集部120は、自車両の走行時の燃費情報を収集する。先述したように、燃費情報は、燃費と、その燃費が検出された際の走行地点の位置情報を含む。この位置情報は、緯度経度情報、地図座標、交差点名、施設名その他の走行地点を特定できる情報である。走行時に収集された燃費情報はメモリ1211に蓄積される。なお、蓄積する燃費情報には、その位置情報に対応する燃費要因を含めてもよい。その場合、燃費情報収集部120は、燃費要因がマッピングされた地図情報301を参照し、燃費情報の走行位置に対応する燃費要因を検索し、その燃費情報と対応づけてメモリ1211に記憶する。なお、燃費情報収集部120は、燃費情報以外に、速度情報、リンク通過所要時間などの交通に関するプローブ情報を収集し、蓄積することもできる。
【0031】
また、燃費算出部130は、燃費情報収集部120により収集された燃費情報に基づいて、車両の燃費の増減に影響を与える燃費要因がマッピングされた地図情報301を参照し、自車両の燃費要因ごとの燃費情報を算出する。つまり、燃費算出部130は、自身が搭載された自車両について、自車両が走行経験に基づいて、所定の燃費要因下における自車両の実際の燃費情報を算出する。すなわち、車種、車型、排気量が特定された自車両固有について、走行時の気候、走行時刻、走行時の天候などの所定の条件下における、所定の燃費要因下(所定の走行リンクを通過、所定の勾配の上り坂を通過など)での燃費情報を算出する。燃費情報の算出手法は特に限定されないが、燃費算出部130は、所定の燃費要因ごとの燃費の統計をとり、その平均値、中央値、最大値、最頻値などの代表値を算出し、その値を自車両の燃費要因ごとの燃費情報とする。なお、燃費情報提示装置100側において、収集された燃費情報のすべてを蓄積することに不利益(記憶領域の占有、通信料金の増加)がなければ、代表値を求めることなく、収集された燃費情報のすべてをメモリ1211に蓄積してもよい。
【0032】
そして、評価部140は、燃費統計取得部141と、燃費評価部142とを有し、燃費算出手段130により算出された自車両の燃費要因ごとの燃費情報と、燃費情報管理装置10側の統計処理部12にて生成された燃費要因ごとの燃費統計と対比して、燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度を評価する。
【0033】
まず、燃費統計取得部141は、図5(A)に示すような燃費統計を燃費統計管理装置10から取得する。燃費統計取得部141は、燃費算出部130により算出された自車両の燃費情報の燃費要因と共通する燃費要因についての燃費統計を取得する。燃費統計取得部141は、評価時に必要な燃費統計の取得を燃費情報管理装置10へ要求してもよいし、予め蓄積された燃費統計の中から必要な燃費統計を選択して取得してもよい。
【0034】
続いて、燃費評価部142は、燃費算出部130により算出された燃費情報と、燃費統計取得部141により取得された燃費統計を対比して燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度を評価する。不特定多数の車両の燃費情報に基づいて統計された燃費統計と、固有の車両性能、固有の環境において検知された自車両の燃費情報とは、通常異なる値(傾向)を示すからである。不特定多数の車両の燃費統計に対する自車両固有の燃費情報の位置づけを示す値として、分散度を求める。この分散度の算出手法は特に限定されず、燃費統計の最頻値、中央値などの代表値からのずれ量その他の偏差を分散度とすることができる。たとえば、燃費統計取得部141が、図5(A)に示す「傾斜率帯Bの上り坂を走行する車両の燃費情報の統計」を取得した場合、燃費評価部142は、図5(B)に示すように、取得した燃費統計と、燃費算出部130により算出された「傾斜率帯Bの上り坂を走行する自車両の燃費情報」とを対比し、燃費統計の最頻値からの差分aを、燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度として評価する。この評価により、燃費情報管理装置10により複数の車両について求められた燃費統計に対する自車両の燃費情報の位置づけを定量的に得ることができる。
【0035】
続いて、燃費推測部150について説明する。燃費推測部150は、入力された目的地に至る経路の燃費要因に関する燃費統計を取得し、この燃費統計と評価手段により評価された分散度とに基づいて、経路の燃費情報をそれぞれ推測する。ナビゲーション装置400は、目的地の入力を受け付け、現在位置(出発地)から目的地に至る一又は二以上の経路を探索する。燃費推測部150は、燃費要因がマッピングされた地図情報を参照して、ナビゲーション装置400により探索された経路(候補)の燃費要因、または経路(候補)に含まれる燃費要因を抽出する。そして、燃費推測部150は、抽出された各燃費要因に関する燃費統計を取得し、各燃費要因に関する燃費統計と評価部140により求められた自車両の燃費情報の分散度とに基づいて、各燃費要因下の燃費を算出し、各燃費要因下の燃費を経路ごとに合計し、経路ごとの燃費情報を推測する。
【0036】
例えば、目的地に至る経路Yに傾斜率帯Cの上り坂と、曲率帯Oの急カーブとが含まれる場合、燃費推測部150は、図6に示す傾斜率帯Cの上り坂を走行する車両の燃費統計と、評価部140により求められた自車両の分散度aとを取得し、燃費統計の最頻値から分散度aだけ離れた値Rを自車両の燃費情報として推測する。同様の処理を曲率帯Oの燃費要因についても実行する。そして、求めた各燃費要因(傾斜率帯Cの上り坂、曲率帯Oの急カーブ)についての燃費情報を合計し、経路Yの燃費情報を推測する。同じく、目的地に至るすべての経路(経路Y以外)について燃費情報を推測する。
【0037】
もちろん、経路Y(経路Yを構成するリンク)についての燃費統計を用いて、経路Yを走行する際の自車両の燃費情報を算出することができる。図7に示すようなリンクW1〜W5から構成される経路がある場合、燃費推測部150は、各リンクW1〜W5の燃費統計を取得し、自車両の燃費情報の分散度aを用いて、各リンクの燃費情報R1〜R5をそれぞれ推測する。そして、燃費情報R1〜R5を加算し、出発地(Start)から目的地(Goal)までの経路の燃料情報を推測する。
【0038】
また、燃費推測部150は、リンクW1〜W5の燃費統計を用いることなく、各リンクに含まれる道路の勾配、標高、曲率、信号の有無といった燃費要因ごとの燃費統計を用いて、各リンクの燃費情報を推測することもできる。なお、各リンクに複数の燃費要因が含まれる場合は、燃費要因ごとに推測された燃費情報を加算すればよい。
【0039】
このように、前もって、所定の燃費要因について燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度(燃費統計に対する位置づけ)を評価しておくため、自車両が実際には走行したことがない経路についても、その経路の燃費統計を用いて自車両の燃費情報を算出することができる。つまり、自車両が走行したことがなくても、他車両が走行した際の燃費情報を利用して、自車両固有の条件が考慮された燃費情報を算出することができる。
【0040】
さらに、経路探索部160は、推測された各経路の燃費情報に基づいて、燃費を指標とする経路を探索する。本実施形態の経路探索部160は、燃料消費量(又は二酸化炭素の排出量)が少ない経路を優先する探索を行う。経路探索部160は、燃費のほか、所要時間、所要料金、走行距離、走行道路種別の何れか一つ以上の指標に基づいて経路候補を探索する。ユーザは燃費以外の指標も考慮して経路を選択するからである。ちなみに、燃費以外の指標に基づいて探索された経路は、後述する燃費情報表示部170により表示される。そして、ユーザから入力された一の経路を選択する選択命令に従い、選択された経路情報が出力される。
【0041】
次に、燃料情報表示部170について説明する。燃料情報表示部170は、編集部171と、選択受付部172と、出力部173とを備え、経路探索部160により探索された経路と、この経路について推測された燃費情報と、この経路に含まれる燃費要因と、その燃費要因が燃費に与える影響とを含む情報を表示する。
【0042】
編集部171は、経路探索部160により探索された経路と、その経路の燃費要因と、燃費要因が燃費に与える影響とが対応づけられた表示情報を編集する。表示態様は特に限定されないが、本実施形態の編集部171は、経路の傍らに燃費要因及びその燃費要因が燃費に与える影響が表示される表示情報を編集する。燃費要因の表示位置は、燃費要因の実際の位置と経路との位置関係に応じた位置に表示することが好ましい。
【0043】
このように、経路と燃費要因とその影響とを対応づけて表示することにより、経路のどこに、どのような燃費要因が存在し、どのような影響を与えるのか(燃費の増減)を、総合的に一目で認識させることができる。ユーザは、経路、燃費要因及び燃費要因の影響が対応づけられた情報を視認することにより、探索された経路の燃費の内訳を理解し、経路ごとの燃費について妥当な判断をすることができる。また、経路上の燃費要因の位置及びその影響を総合的に認定できるため、燃料消費量を増加させる燃費要因を避けた新たな経路を探索することができる。さらに、経路(候補)全体の燃費情報に加えて、各経路(候補)のそれぞれの燃費情報の内訳を詳細に示すことができるため、燃料情報の内訳を検討してから一の経路に絞り込み又は他の経路を探索させ、要求を満たす経路の案内を出力させることができる。
【0044】
また、編集部171は、経路とともに燃費要因を表示する場合は、各燃費要因の内容に予め対応づけた要因表示画像を表示する表示情報を編集するとともに、燃費要因が燃費に与える影響を表示する場合は、燃費に与える影響の内容に予め対応づけた影響表示画像を表示する表示情報を編集する。要因表示画像及び影響表示画像の一例を図8に示す。要因表示画像は燃費要因の内容を連想できる画像であれば、特に限定されず任意に定義することができる。同じく影響表示画像は燃費要因が燃料消費量に与える影響の内容を連想できるも画像であれば、特に限定されず任意に定義することができる。また影響の内容に応じて影響表示画像の表示サイズを変化させてもよい。
【0045】
また、編集部171は、燃費要因が燃費を悪化させる場合は、その燃費要因および/または燃費要因が燃費に与える影響を、赤色を含む暖色系の色で示し、燃費要因が燃費を向上させる場合は、その燃費要因および/または燃費要因が燃費に与える影響を、青色を含む寒色系の色で表示する表示情報を編集する。このため、本実施形態では、図8に示すように、燃費要因(要因表示画像を含む)および/または燃費情報(影響表示画像を含む)の表示色を予め定義する。
【0046】
編集部171により編集された表示情報の一例を図9に示す。図9に示すように、出発地から目的地に至る経路とともに、その経路に存在する燃費要因(上り坂、渋滞度高、下り坂)を要因表示画像で表示する。なお、要因表示画像は、その燃費要因が存在する位置に対応する位置に表示する。また、要因表示画像とともにその影響を示す影響表示画像を表示する。つまり、表示された経路上に、上り坂のある位置を要因表示画像で表示するとともに、上り坂によって燃料消費量が増加する旨を影響表示画像で表示する。
【0047】
なお、渋滞度、走行速度、通過所要時間などは、経路の所定範囲において発生するため、経路の色を変化させ、又は経路を点滅させることにより渋滞度が高いことを表示する。つまり、編集部171は、外部から取得する渋滞情報(渋滞区間、混雑区間、順調走行区間)を、探索された経路に重畳させて表示する。なお、渋滞度、走行速度、通過所要時間などは、VICS(Vehicle Information and Communication System)から取得する。
【0048】
なお、編集部171は、図9に示すように、各リンクの燃料消費量が積分された、経路全体の燃料消費量及び燃料の料金を表示情報に含める。さらに、編集部171は、各リンクの燃費*リンク長から求められる各リンクの燃料消費量、各リンクの燃料燃費量を積分して求められる経路の総燃料消費量、経路の総燃料消費量 / 経路の距離により求められる経路の平均燃等を表示情報に含めることができる。
【0049】
このように、燃費要因の存在及び存在位置、並びに燃費要因が燃費に与える影響を経路とともに表示することにより、目的地までの燃費情報の内訳を一目で視認することができる。
【0050】
また、編集部171は、経路探索部160により探索された経路のうち一の経路が選択された場合に表示される表示情報を編集する。編集部171は、選択された経路について、その経路の燃費要因と、燃費要因が燃費に与える影響とが対応づけられた表示情報を編集する。表示の態様は特に限定されず、燃費要因及びその影響については予めグレーアウトにより非表示とさせておき、カーソルやタッチパネル等で経路を選ぶと、そのグレーアウトを外して、燃費要因及びその影響を表示するようにしてもよい。表示態様の一例を示すと、図9に示すように、実線で表わされた経路と点線で表わされた経路とがある場合、編集部171は、ユーザにより選択された経路(カーソルが当てられた経路、又はタッチパネルへの入力により選択された)経路についてのみ、表燃費要因、燃費要因の影響が表示される表示情報を編集する。これより、ユーザが情報を欲する経路についてのみ詳細な燃費情報を提供することができる。なお、編集部171は、選択された経路以外の経路についても、その経路と、経路の燃費要因と、燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する表示情報を編集してもよい。これらの表示モードはユーザの入力により切り替え可能であることが好ましい。
【0051】
また、図10に示すように、編集部171は、燃費要因の内容、燃費要因通過時の燃費をテキスト情報で表示する表示情報を編集することができる。
【0052】
さらに、編集部171は、燃費情報を二酸化炭素の排出量により表示する表示情報を編集する。例えば、図10に示すように、燃費とともに二酸化炭素の排出量を表示することができる。二酸化炭素の排出量は数字で示してもよいし、大小を示す画像で表示してもよい。
【0053】
加えて、編集部171は、経路探索部160により探索された経路が表示される領域とは別の領域に、経路ごとの燃費要因と、燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する表示情報を編集する。経路(地図情報)を含まない燃費要因等の表示情報の一例を図11に示す。図11に示すように、編集部171は、経路1〜3の上り勾配及び下り勾配をそれぞれ示すとともに、燃費要因が燃費に与える影響を示す影響表示画像を含む表示情報を編集する。また、編集部171は、各経路1〜3の所要時間、有料道路の料金、燃料消費量、燃料料金を表示情報に含める。
【0054】
選択受付部172は、ユーザからの経路選択命令を受け付ける。出力部173は、選択受付部172を介して選択された経路を出力する。
【0055】
そして、モニタ1731は、図9〜11に例示する表示情報を画面に表示する。
【0056】
なお、燃費要因及び燃費要因が与える影響は、その燃費要因の位置とともに音声にて出力してもよい。この場合、編集部171は、「○○駅踏切で燃費がダウンします」というように、燃費要因の位置とその影響がわかるテキスト情報を編集する。
【0057】
次に、本実施形態の情報処理システム1000の制御手順を説明する。図12は情報処理システム1000の燃費情報提示装置100−1,100−2,100−nおよび燃費情報管理装置10の制御手順を説明するためのフローチャートである。
【0058】
まず、燃料情報提示装置100の燃費情報収集部120は、自車両の燃費情報を検出する(S101)。燃費情報収集部120は、予め定義された燃費要因がマッピングされた地図情報を参照し(S102)、燃費情報と燃費要因とを対応づけてメモリ1211に格納する(S103)。車載送受信部110は、所定のタイミングで、収集された燃費情報を燃費情報管理装置10へ送出する(S104)。送出のタイミングは特に限定されず、通信機能を利用する操作を行った場合や、予め定めた所定周期で収集された燃費情報(プローブ情報)を送出する。
【0059】
さらに、燃費算出部130は、収集された自車両の燃費情報に基づいて、自車両の燃費要因ごとの燃費情報を算出する(S105)。自車両の燃費情報の算出は、所定周期で実行してもよいし、その燃費要因についての燃費情報が新たに取得されたタイミングで実行してもよい。
【0060】
サーバ3000側の燃費情報管理装置10の燃費情報集約部11は、不特定多数の車両(プローブ車両)に搭載された車載送受信部110から送られてきた燃費情報を集約する(S120)。そして、統計処理部12は、集約された燃費情報が燃費要因ごとに統計された燃費統計を生成する(S121)生成された燃費統計は、統計記憶部121に記憶する。プローブ車両(車載装置2000)の情報の収集、サーバ3000の情報の集約、統計処理は所定のタイミングで繰り返される。
【0061】
燃費情報提示装置100は、ユーザから目的地が入力されたことをトリガとして、燃費情報の提示処理を開始する(S106)。目的地は、燃費情報提示装置100に直接入力されてもよいし、車載LANにて接続されたナビゲーション装置400を介して入力されてもよい。
【0062】
評価部140は、自車両の燃費が算出された燃費要因についての燃費統計を燃料情報管理装置10へ要求する(S108)。要求する燃費統計の燃費要因の特定手法は特に限定されず、最も新しい燃費情報についての燃費要因としてもよいし、燃費情報の収集量が最も多い燃費要因としてもよい。
【0063】
この要求に呼応して、燃費情報管理部10の統計送出部122は、要求に係る燃費要因についての燃費統計を燃費情報提示装置100へ送出する(S123)。
【0064】
評価部140の燃料統計取得部141は、要求に係る燃費統計を取得する。そして燃費評価部142は、S105で算出された自車両の燃費情報と、燃費統計とを対比して、燃費統計に対する自車両の燃費情報の分散度を評価する(S108)。燃費評価部142は、燃費統計の代表値(平均値、中央値、最頻値など)との差分を分散度として得る。
【0065】
なお、分散度を求める際に対比される自車両の燃費情報の燃費要因と、燃費統計の燃費要因とは共通するものであることが好ましい。燃費要因の共通性を判断する際には、燃費に与える影響が共通するものとして予め定義された燃費要因であるか否かを判断することにより行う。燃費要因の共通性は、形式的な一致に拘泥せず、燃費に与える影響の共通性に基づいて適宜定義することができる。
【0066】
続いて、燃費推測部150は、目的地に至る経路に含まれる燃費要因に関する燃費統計を燃費情報管理装置10に要求する(S109)。統計送出部122は要求に係る燃費統計を燃費情報提示装置100へ送出する(S124)。ちなみに、目的地に至る経路の候補は、車載LANで接続されたナビゲーション装置400から取得してもよいし、経路探索部160から取得してもよい。
【0067】
そして、燃費推測部150は、取得した燃費統計とS108にて得た分散度とに基づいて、経路候補の燃費情報を推測する(S110)。
【0068】
経路探索部160は、推測された燃費情報に基づいて、燃料消費量が少ない(又は排出する二酸化炭素量が少ない)経路を優先的に探索する(S111)。
【0069】
燃費情報表示部170の編集部171は、探索された経路と、経路について推測された燃費情報と、経路の燃費要因と、その燃費要因が燃費に与える影響とを含む表示情報を編集する(S112)。
【0070】
出力部173は、編集された表示情報を出力する(S113)。ユーザは、経路ごとに表示された燃費情報、燃費要因及び燃費要因が与える影響を参考に、案内を求める経路を選択する。選択受付部172に入力された選択命令に従い、選択された経路の案内情報を表示し、誘導を実行する(S115)。
【0071】
自車両は、案内情報を参考に走行を開始し(S116)、S101以降の処理を実行する。
【0072】
本実施形態は、以上にように構成され、動作するので以下の効果を奏する。
【0073】
本実施形態の燃費情報処理システム1000は、経路探索において指標とされる燃費情報を推測する際に用いた燃費要因及びその燃費要因が燃費に与える影響を、経路とともに提示することにより、経路全体の燃費がどのような要因に基づいて算出されたのかといった具体的な内訳をユーザに視認させることができる。ユーザは、経路と、経路全体の燃費情報と、経路の燃費要因とその燃費要因が燃費に与える影響を含む表示情報を見ることによって、経路のどこで、どのような要因によって、どれくらいの燃費増減があるのかを一目で知ることができ、経路の燃費情報の妥当性を判断することができる。
【0074】
また、燃費を指針として経路を選択する際に、経路(候補)全体の燃費情報に加えて、各経路(候補)のそれぞれの燃費情報の内訳を詳細に示すことができるため、経路全体の総合的な燃費情報のみによって経路を選択するだけではなく、経路上の個々の燃費要因の位置、その影響といった具体的な内訳に基づいて、より詳細な検討を行うことができる。その結果、燃費が有利な経路を探索することができ、また、燃費を悪化させる燃費要因を迂回する新たな経路を探索することができる。
【0075】
また、道路又はリンクの識別子、勾配、標高、曲率、信号機の有無、一時停止ポイントの有無、及び減速ゾーンの有無その他の道路属性を燃費要因に含めることにより、実際の走行状態及び実際の交通状態を考慮した燃費を求めることができるとともに、経路上において道路属性が燃費に与える影響を具体的に知ることができる。同様に、車種、車型、排気量その他の車両情報を燃費要因に含めることにより、燃費に関係する車両性能を考慮した燃費を求めることができる。さらに、渋滞度、速度、交通規制その他の交通状態を燃費要因に含めることにより、実際の走行における交通状況を考慮した燃費を求めることができる。
【0076】
さらにまた、経路と、経路の燃費要因と、燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示することにより、経路と燃費要因の位置関係、及び経路における燃費要因の影響の変化を一目で認識させることができる。この場合、選択された経路についてのみ、燃費要因と燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示することにより、必要な場合に限って詳細な情報提示することができる。他方、ユーザによっては、探索された経路候補の全部について、その燃費要因及び燃費要因の影響を知りたい場合があるので、選択された経路以外の経路について燃費要因等を提示することにより、ユーザの要求に対応した情報を提示することができる。さらに、経路に外部から取得した渋滞情報を重畳させて表示することにより、経路上の渋滞区間の位置、渋滞の程度を知ることができ、経路の選択を燃費と渋滞回避との観点から検討することができる。
【0077】
また、経路が表示される領域とは別の表示領域に、経路の燃費要因と燃費要因が燃費に与える影響を提示することにより、燃費要因についての情報だけを表示することができる。
【0078】
加えて、燃費要因を要因表示画像で表示し、燃費要因の影響を影響表示画像で表示することにより、燃費要因の内容及びその影響の程度を画像により一目で認識することができる。また燃費を悪化させる燃費要因を赤色が含まれる暖色系で示し、燃費を向上させる燃費要因を青色が含まれる寒色系の色で表示することにより、燃費の悪化と向上を感覚的に認識させることができる。
【0079】
また、燃費情報を二酸化炭素排出量で表示することにより、環境保護の観点から燃費が有利な経路を選択することができる。
【0080】
さらに、燃費以外にも、所要時間、所要料金、走行道路の種別などの指標に基づいた経路探索を行うことにより、ユーザのニーズに合致した情報を提供することができる。
【0081】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0082】
すなわち、本明細書では、本発明に係る燃費情報処理システムの一態様として車載装置2000とサーバ3000を備えるシステムを例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書では、サーバ3000側の燃費情報管理装置10の一態様として、燃費情報集約手段の一例としての燃費情報集約部11と、統計処理手段の一例としての統計処理部12とを備える装置を説明したが、これに限定されるものではない。さらに、本明細書では、車載される燃費情報提示装置100の一態様として、情報の授受を行う通信機能を備える車載送受信部110と、燃費情報収集手段の一例としての燃費情報収集部120と、燃費算出手段の一例としての燃費算出部130と、評価手段の一例としての評価部140と、燃費推測手段の一例としての燃費推測部150と、経路探索手段としての経路探索部160と、燃費情報表示手段としての燃費情報表示部170とを有する装置を説明したが、これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】燃費情報処理システム1000の概要を示す図である。
【図2】燃費情報処理システム1000のブロック構成を示す図である。
【図3】燃費要因の一例を示す図である。
【図4】燃費統計の一例を示す図である。
【図5】図5Aは所定の燃費要因についての燃費統計の一例を示す図、図5Bは自車両の燃費情報の分散度を評価する手法を説明するための図である。
【図6】分散度と燃費統計とから自車両の燃費情報を求める手法を説明するための図である。
【図7】経路の燃費を算出する手法を説明するための図である。
【図8】要因表示画像と影響表示画像の一例を示す図である。
【図9】表示情報の第1の例を示す図である。
【図10】表示情報の第2の例を示す図である。
【図11】表示情報の第3の例を示す図である。
【図12】燃費情報の提示処理を説明するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
【0084】
1000…燃費情報処理システム
2000…車載装置
100…燃費情報提示装置
110…車載送受信部
120…燃費情報収集部
130…燃費算出部
140…評価部
150…燃費推測部
160…経路探索部
170…燃費情報表示部
200…通信端末
300…地図データベース
400…ナビゲーション装置
500…車両コントローラ
3000…サーバ
10…燃費情報管理装置
11…燃費情報集約部
12…統計処理部
20…データ保存装置
30…サーバ側地図データベース
40…配信装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両が目的地に移動する際の燃費に関する情報を提示する燃費情報提示装置と、この燃費情報提示装置を含む複数の車載装置と情報の授受を行う燃費情報管理装置とを備える燃費情報処理システムであって、
前記燃費情報管理装置は、
走行時の燃費情報を前記各車載装置から集約する燃費情報集約手段と、
車両の燃費に影響を与える燃費要因がマッピングされた地図情報を参照し、前記集約された燃費情報が前記燃費要因ごとに統計された燃費統計を生成する統計処理手段と、を有し、
前記燃費情報提示装置は、
自車両の走行時の燃費情報を収集する燃費情報収集手段と、
車両の燃費の増減に影響を与える燃費要因がマッピングされた地図情報を参照し、前記収集された燃費情報に基づいて、前記自車両の燃費要因ごとの燃費情報を算出する燃費算出手段と、
前記燃費算出手段により算出された前記自車両の燃費要因ごとの燃費情報と、前記燃費情報管理装置側にて生成された前記燃費要因ごとの燃費統計と対比して、前記燃費統計に対する前記自車両の燃費情報の分散度を評価する評価手段と、
入力された目的地に至る経路の燃費要因に関する前記燃費統計を取得し、前記燃費統計と前記評価手段により評価された分散度とに基づいて、前記経路の燃費情報をそれぞれ推測する燃費推測手段と、
前記推測された各経路の燃費情報に基づいて、燃費を指標とする経路を探索する経路探索手段と、
前記探索された経路と、前記経路について推測された燃費情報と、前記経路の燃費要因と、その燃費要因が燃費に与える影響とを含む情報を表示する燃費情報表示手段とを有する燃費情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費要因は、道路又はリンクの識別子、道路又はリンクの勾配、道路又はリンクの標高、道路又はリンクの曲率、道路又はリンクの信号機の有無、道路又はリンクの一時停止ポイントの有無、道路又はリンクの減速ゾーンの有無その他の道路属性を含む燃費情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費要因は、車種、車型、排気量その他の車両情報を含む燃費情報処理システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費要因は、渋滞度、速度、交通規制その他の交通状態を含む燃費情報処理システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記経路探索手段により探索された経路と、当該経路の燃費要因と、前記燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する燃費情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記経路探索手段により探索された経路のうち一の経路が選択された場合は、前記選択された経路と、当該経路の燃費要因と、前記燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する燃費情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記経路探索手段により探索された経路以外の経路と、当該経路の燃費要因と、前記燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する燃費情報処理システム。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記探索された経路に外部から取得された渋滞情報を重畳させて表示する燃費情報処理システム。
【請求項9】
請求項1〜4の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記経路探索手段により探索された経路が表示される領域とは別の領域に、当該経路の燃費要因と、前記燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する燃費情報処理システム。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記燃費要因を表示する場合は、前記各燃費要因の内容に予め対応づけられた要因表示画像を表示し、前記燃費要因が燃費に与える影響を表示する場合は、前記燃費に与える影響の内容に予め対応づけられた影響表示画像を表示する燃費情報処理システム。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、燃費要因が燃費を悪化させる場合は、その燃費要因および/または燃費要因が燃費に与える影響を、赤色を含む暖色系の色で示し、燃費要因が燃費を向上させる場合は、その燃費要因および/または燃費要因が燃費に与える影響を、青色を含む寒色系の色で表示する燃費情報処理システム。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、燃費情報を二酸化炭素排出量により表示する燃費情報処理システム。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記経路探索部は、所要時間、所要料金、走行距離、走行道路種別の何れか一つ以上の指標に基づいて経路候補を探索し、
前記燃費情報表示手段は、探索された経路候補を表示するとともに、ユーザから一の経路を選択する選択命令を受け付け、前記選択された経路を出力させる燃費情報処理システム。
【請求項14】
複数の車両から集約された走行時の燃費情報が、燃費に影響を与える燃費要因ごとに統計された燃費統計と、その燃費要因に関する自車両の燃費情報とを対比して、前記燃費統計に対する前記自車両の燃費情報の分散度を評価し、
入力された目的地に至る経路の燃費要因に関する前記燃費統計と前記分散度とに基づいて、前記目的地に至る経路の燃費情報をそれぞれ推測し、
前記推測された燃費情報に基づいて燃費を指標とする経路を探索し、
前記探索された経路と、前記経路について推測された燃費情報と前記経路の燃費要因と、前記燃費要因が燃費に与える影響とを含む情報を表示する燃費情報表示方法。
【請求項1】
自車両が目的地に移動する際の燃費に関する情報を提示する燃費情報提示装置と、この燃費情報提示装置を含む複数の車載装置と情報の授受を行う燃費情報管理装置とを備える燃費情報処理システムであって、
前記燃費情報管理装置は、
走行時の燃費情報を前記各車載装置から集約する燃費情報集約手段と、
車両の燃費に影響を与える燃費要因がマッピングされた地図情報を参照し、前記集約された燃費情報が前記燃費要因ごとに統計された燃費統計を生成する統計処理手段と、を有し、
前記燃費情報提示装置は、
自車両の走行時の燃費情報を収集する燃費情報収集手段と、
車両の燃費の増減に影響を与える燃費要因がマッピングされた地図情報を参照し、前記収集された燃費情報に基づいて、前記自車両の燃費要因ごとの燃費情報を算出する燃費算出手段と、
前記燃費算出手段により算出された前記自車両の燃費要因ごとの燃費情報と、前記燃費情報管理装置側にて生成された前記燃費要因ごとの燃費統計と対比して、前記燃費統計に対する前記自車両の燃費情報の分散度を評価する評価手段と、
入力された目的地に至る経路の燃費要因に関する前記燃費統計を取得し、前記燃費統計と前記評価手段により評価された分散度とに基づいて、前記経路の燃費情報をそれぞれ推測する燃費推測手段と、
前記推測された各経路の燃費情報に基づいて、燃費を指標とする経路を探索する経路探索手段と、
前記探索された経路と、前記経路について推測された燃費情報と、前記経路の燃費要因と、その燃費要因が燃費に与える影響とを含む情報を表示する燃費情報表示手段とを有する燃費情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費要因は、道路又はリンクの識別子、道路又はリンクの勾配、道路又はリンクの標高、道路又はリンクの曲率、道路又はリンクの信号機の有無、道路又はリンクの一時停止ポイントの有無、道路又はリンクの減速ゾーンの有無その他の道路属性を含む燃費情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費要因は、車種、車型、排気量その他の車両情報を含む燃費情報処理システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費要因は、渋滞度、速度、交通規制その他の交通状態を含む燃費情報処理システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記経路探索手段により探索された経路と、当該経路の燃費要因と、前記燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する燃費情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記経路探索手段により探索された経路のうち一の経路が選択された場合は、前記選択された経路と、当該経路の燃費要因と、前記燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する燃費情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記経路探索手段により探索された経路以外の経路と、当該経路の燃費要因と、前記燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する燃費情報処理システム。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記探索された経路に外部から取得された渋滞情報を重畳させて表示する燃費情報処理システム。
【請求項9】
請求項1〜4の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記経路探索手段により探索された経路が表示される領域とは別の領域に、当該経路の燃費要因と、前記燃費要因が燃費に与える影響とを対応づけて表示する燃費情報処理システム。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、前記燃費要因を表示する場合は、前記各燃費要因の内容に予め対応づけられた要因表示画像を表示し、前記燃費要因が燃費に与える影響を表示する場合は、前記燃費に与える影響の内容に予め対応づけられた影響表示画像を表示する燃費情報処理システム。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、燃費要因が燃費を悪化させる場合は、その燃費要因および/または燃費要因が燃費に与える影響を、赤色を含む暖色系の色で示し、燃費要因が燃費を向上させる場合は、その燃費要因および/または燃費要因が燃費に与える影響を、青色を含む寒色系の色で表示する燃費情報処理システム。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記燃費情報表示手段は、燃費情報を二酸化炭素排出量により表示する燃費情報処理システム。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか一項に記載の燃費情報処理システムにおいて、
前記経路探索部は、所要時間、所要料金、走行距離、走行道路種別の何れか一つ以上の指標に基づいて経路候補を探索し、
前記燃費情報表示手段は、探索された経路候補を表示するとともに、ユーザから一の経路を選択する選択命令を受け付け、前記選択された経路を出力させる燃費情報処理システム。
【請求項14】
複数の車両から集約された走行時の燃費情報が、燃費に影響を与える燃費要因ごとに統計された燃費統計と、その燃費要因に関する自車両の燃費情報とを対比して、前記燃費統計に対する前記自車両の燃費情報の分散度を評価し、
入力された目的地に至る経路の燃費要因に関する前記燃費統計と前記分散度とに基づいて、前記目的地に至る経路の燃費情報をそれぞれ推測し、
前記推測された燃費情報に基づいて燃費を指標とする経路を探索し、
前記探索された経路と、前記経路について推測された燃費情報と前記経路の燃費要因と、前記燃費要因が燃費に与える影響とを含む情報を表示する燃費情報表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−250930(P2009−250930A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102659(P2008−102659)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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