説明

自動変速機の制御装置

【課題】ロックアップ解除時の車両減速度の変化を滑らかにして運転者の違和感を軽減する。
【解決手段】ロックアップクラッチ付きの流体伝動装置と、減速時にロックアップクラッチを締結させ所定の解除条件でロックアップクラッチを解除させるロックアップクラッチ制御部21とを備える自動変速機の制御装置であって、ロックアップクラッチ解除時の変速段を形成する所定の摩擦締結要素以外の摩擦締結要素に所定の締結トルク容量を付加することで準インターロックを発生させる準インターロック制御部23を備え、減速時のロックアップクラッチ締結中にロックアップクラッチ解除の際に同期して準インターロックを発生させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロックアップクラッチ付きの流体伝動装置を備えた自動変速機の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の自動変速機の制御装置において、アクセル開度全閉による減速時に、燃費向上のためにエンジンに対する燃料供給を断つ燃料カット制御を行うとともに、燃料カットによるエンストを回避するために上記ロックアップクラッチを締結させるロックアップ制御を行うものは公知である(たとえば特許文献1、2参照)。
【0003】
以下、説明の便宜上、ロックアップクラッチについて締結状態をオン、締結解除状態をオフという。また、ロックアップクラッチオン状態をロックアップ状態、ロックアップクラッチオフ状態をロックアップオフ状態という。
【特許文献1】特開2008−025376号公報
【特許文献2】特開2004−137963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公知技術においては、燃料カット&ロックアップ状態で車速が一定以下に低下した場合等には、エンストを回避するためにロックアップオフ制御を行うようにしている。
【0005】
ところが、ロックアップオフ制御を行うと、その途端に伝達トルクが急変して車両減速度が大きく変化(低下)する。この点、公知技術では何の手当てもなされていないため、運転者に違和感を発生させるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、ロックアップオフ時の車両減速度の変化を滑らかにして運転者の違和感を軽減することができる自動変速機の制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、ロックアップクラッチ付きの流体伝動装置と、減速時に上記ロックアップクラッチを締結させ所定の解除条件でロックアップクラッチを解除させるロックアップ制御手段とを備える自動変速機の制御装置であって、上記ロックアップクラッチ解除時の変速段を形成する所定の摩擦締結要素以外の摩擦締結要素に所定の締結トルク容量を付加することで準インターロックを発生させる準インターロック制御手段を備え、減速時のロックアップクラッチ締結中にロックアップクラッチ解除の際に同期して準インターロックを発生させるように構成されたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、減速時のロックアップクラッチ締結中の車両減速度を検出する車両減速度検出手段を備え、車両減速度に応じて上記所定の締結トルク容量を調整するように構成されたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成において、上記準インターロック制御を所定時間実行し、その後上記所定の締結トルク容量を時間経過に応じて低下させるように構成されたものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの構成において、エンジンの燃料供給を断つ燃料カット制御を行う燃料カット制御手段と、燃料カット中にエンジンの燃料を再供給する燃料カット復帰制御を行う燃料カット復帰制御手段とを備え、減速時に、上記燃料カット制御を実行し、ロックアップクラッチ解除の際に同期して上記燃料カット復帰制御を実施するように構成されたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、ロックアップオフ時に準インターロック、すなわち、ロックアップオフ時の変速段を形成する摩擦締結要素以外の摩擦締結要素(準インターロック要素)に所定の締結トルク容量を付加することで準インターロック状態を発生させるため、この準インターロック作用により、ロックアップ状態からロックアップオフに切換わるときの減速度の変化を滑らかにすることができる。このため、減速度の変化による運転者の違和感を軽減することができる。
【0012】
とくに請求項2の発明によると、準インターロック状態での摩擦締結要素の締結トルク容量を車両減速度に応じて調整するため、上記効果が顕著となる。
【0013】
また、請求項3の発明によると、準インターロック状態を一定時間継続させた後、締結トルク容量を時間経過に応じて低下させるため、減速度を本来の値に向けて滑らかに変化させることができる。
【0014】
ところで、たとえば特許文献2に示されているように、ロックアップオフ制御の際に、燃料供給を再開する燃料カット復帰制御を行うことは公知であるが、こうすると減速度の変化がさらに大きくなる。
【0015】
これに対し、請求項4の発明によると、ロックアップオフ時に燃料カット復帰制御をも行う装置に適用することによって減速度を滑らかに変化させる点の効果がとくに高いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
まず、本発明が適用される自動変速機の全体構成を図1(スケルトン図)によって簡単に説明する。
【0017】
この自動変速機は、主たる構成要素として、エンジン出力軸1に取付けられた流体伝動装置としてのトルクコンバータ2と、このトルクコンバータ2の出力回転が入力軸3を介して入力される変速機構4とを有し、この変速機構4の出力回転が、入力軸3まわりに配置された出力ギヤ5から図示しないカウンタドライバ機構及び差動装置を介して車軸に伝達されるように構成されている。6は変速機構4が収容された変速機ケースである。
【0018】
なお、流体伝動装置は、トルクコンバータ2に限らず、フルードカップリングであってもよい。また、本発明の適用対象となる自動変速機は、次に例示する有段式の変速機に限らず、無段階に変速比を変えるCVT(ContinuoslyVariable Transmission)や、デュアルクラッチ式のDSG(Direct-Shift Gearbox)を含む。
【0019】
トルクコンバータ2は、エンジン出力軸1に連結されたケース2aと、このケース2a内に設けられたポンプ2bと、このポンプ2bにより駆動されるタービン2cと、ポンプ2bとタービン2cとの間でトルク増大作用を行うステータ2dと、このステータ2dと変速機ケース6との間に設けられたトルコン用ワンウェイクラッチ2eと、ケース2aを介してエンジン出力軸1とタービン2cとを直結するロックアップクラッチ2fとによって構成され、タービン2cの回転が入力軸3を介して変速機構4に伝達される。
【0020】
ロックアップクラッチ2fは、エンジン駆動の油圧ポンプ(図示省略)からの油圧によって作動する油圧クラッチであって、減圧時にロックアップ状態、加圧時にロックアップオフ状態となる加圧オフ型のクラッチとして構成されている。
【0021】
変速機構4は、トルクコンバータ2に近い側から順に入力軸3まわりに配置された第1、第2、第3の各遊星歯車機構7,8,9と、変速用摩擦締結要素としての第1、第2両クラッチ10,11、及び第1〜第3各ブレーキ12,13,14と、プレート状カップリング15とから成っている。
【0022】
各遊星歯車機構7〜9は、サンギヤ16と、このサンギヤ16に噛み合うプラネタリギヤ17と、このプラネタリギヤ17を支持するキャリア18と、プラネタリギヤ17に噛み合うリングギヤ19とで構成され、この遊星歯車機構同士、またはこれらと両クラッチ10,11及び各ブレーキ12〜14の関係等が次のように設定されている。
【0023】
(i)入力軸3が第3遊星歯車機構9のサンギヤ16に連結されている。
【0024】
(ii)第1、第2両遊星歯車機構7,8のサンギヤ16,16同士が連結されている。
【0025】
(iii)第1遊星歯車機構7のリングギヤ19と第2遊星歯車機構8のキャリア18とが連結されている。
【0026】
(iv)第2遊星歯車機構8のリングギヤ19と第3遊星歯車機構9のキャリア18とが連結されている。
【0027】
(v)第1遊星歯車機構7のキャリア18に出力ギヤ5が連結されている。
【0028】
(vi)第1、第2両遊星歯車機構7のサンギヤ16,16は、第1クラッチ10を介して入力軸3に断続(切断/接続)可能に連結されている。
【0029】
(vii)第2遊星歯車機構8のキャリア18は、第2クラッチ11を介して入力軸3に断続可能に連結されている。
【0030】
(viii)第1遊星歯車機構7のリングギヤ19、及び第2遊星歯車機構8のキャリア18は、第1ブレーキ12及びプレート状カップリング15を介して変速機ケース6に断続可能に連結されている。
【0031】
(ix)第2遊星歯車機構8のリングギヤ19、及び第3遊星歯車機構9のキャリア18は、第2ブレーキ13を介して変速機ケース6に断続可能に連結されている。
【0032】
(x)第3遊星歯車機構9のリングギヤ19は、第3ブレーキ14を介して変速機ケース6に断続可能に連結されている。
【0033】
以上の構成に基づき、摩擦締結要素(クラッチ10,11及びブレーキ12〜14)の作動/非作動の組み合わせの選択により、遊星歯車機構7〜9によって得られる変速段を前進6速と後退速の間で自動的に切換え得るようになっている。上記組み合わせと変速段の具体的な関係を図2によって簡単に説明する。
【0034】
前進1速
第1クラッチ10と第1ブレーキ12とが作動する。入力軸3の回転は、第1遊星歯車機構7により大きな減速比で減速されて第1遊星歯車機構7のキャリア18から出力ギヤ5に出力される。
【0035】
前進2速
第1クラッチ10と第2ブレーキ13とが作動する。入力軸3の回転は、第1遊星歯車機構7のサンギヤ16に入力されると同時に、第2遊星歯車機構8を介して第1遊星歯車機構7のリングギヤ19にも入力される。このため、入力回転は1速の場合よりも小さな減速比で減速されて第1遊星歯車機構7のキャリア18から出力ギヤ5に出力される。
【0036】
前進3速
第1クラッチ10と第3ブレーキ14とが作動する。入力軸3の回転は、第1遊星歯車機構7のサンギヤ16に入力されると同時に、第3及び第2両遊星歯車機構9,8を介して第1遊星歯車機構7のリングギヤ19にも入力される。このため、入力回転は2速よりもさらに小さい減速比で減速されて第1遊星歯車機構7のキャリア18から出力ギヤ5に出力される。
【0037】
前進4速
第1、第2両クラッチ10,11が作動する。入力軸3の回転は、第1遊星歯車機構7のサンギヤ16に入力されると同時に、第2遊星歯車機構8経由でそのまま第1遊星歯車機構7のリングギヤ19にも入力される。これにより、第1遊星歯車機構7全体が入力軸3と一体に回転し、キャリア18から減速比1の回転が出力ギヤ5に出力される。
【0038】
前進5速
第2クラッチ11と第3ブレーキ14とが作動する。入力軸3の回転は、第2遊星歯車機構8経由でそのまま第1遊星歯車機構7のリングギヤ19に入力されると同時に、第3及び第2両遊星歯車機構9,8を介して第1遊星歯車機構7のサンギヤ16にも入力される。これにより、入力回転は増速されて第1遊星歯車機構7のキャリア18から出力ギヤ5に出力される。
【0039】
前進6速
第2クラッチ11と第2ブレーキ13とが作動する。入力軸3の回転は、第2遊星歯車機構8経由でそのまま第1遊星歯車機構7のリングギヤ19に入力されると同時に、第2遊星歯車機構8を介して第1遊星歯車機構7のサンギヤ16にも入力される。これにより、入力回転は5速よりも大きな増速比で増速されて第1遊星歯車機構7のキャリア18から出力ギヤ5に出力される。
【0040】
後退速
第1、第3両ブレーキ12,14が作動する。入力軸3の回転は、第3及び第2両遊星歯車機構9,8を介して第1遊星歯車機構7のサンギヤ16に入力される。このとき、第2遊星歯車機構8において回転方向が逆転されることにより、第1遊星歯車機構7のキャリア18から出力ギヤ5に、入力軸3の回転方向と反対方向の回転が出力される。
【0041】
この変速機構4を構成する第1、第2両クラッチ10,11及び第1〜第3各ブレーキ12〜14は、ロックアップクラッチ2fと同様にエンジン駆動の油圧ポンプからの油圧によって作動する油圧クラッチとして構成され、その締結トルク容量の制御によって締結状態/解放状態となる。
【0042】
また、この締結トルク容量を完全締結と完全解放の中間域に制御することにより、中間状態である所謂半クラッチ(スリップ)状態となる。
【0043】
次に、減速時にロックアップクラッチ2fをオンさせるロックアップ制御、ロックアップ後に車両速度が一定以上に低下したときに同クラッチ2fをオフさせるロックアップオフ制御、ロックアップとともに燃料をカットする燃料カット制御、所定の条件下で燃料供給を再開する燃料カット復帰制御、及び本発明の特徴的な制御である準インターロック制御を行う制御手段20について説明する。
【0044】
図3は制御手段20のブロック構成を示す。
【0045】
この制御手段20は、ロックアップクラッチ制御部(請求項1のロックアップ制御手段に対応)21と、燃料カット制御部(請求項4の燃料カット制御手段及び燃料カット復帰制御手段に対応)22と、準インターロック制御部23(請求項1の準インターロック制御手段に対応)とを備えている。
【0046】
また、各制御のデータとなる運転状況を検出して必要な制御部に送る検出部として、アクセル開度(アクセル開度全閉による減速中)を検出するアクセル開度検出部24と、ロックアップオフ制御開始の条件となる車速を検出する車速検出部25と、車両減速度を検出する車両減速度検出部(請求項2の車両減速度検出手段に対応)26とを備えている。
【0047】
車速検出部25は、車速を直接検出するものでもよいし、エンジン回転数から間接的に車速を検出するものでもよい。また、車両減速度検出部26は、加速度計のように減速度を直接検出するものを用いてもよいし、エンジン回転数等から減速度を割り出すものを用いてもよい。
【0048】
この制御手段20の作用を図4,5を併用して説明する。
【0049】
図4において、ステップS1でアクセルオフ(減速中)か否か、ステップS2でロックアップクラッチ2fがオン(ロックアップ中)か否か、ステップS3で車速が予め設定されたロックアップオフ車速よりも低いか否かがそれぞれ判断され、いずれもYESのとき、すなわち減速中でかつロックアップ中であって、車速がロックアップを解除すべき速度まで低下したときに、ステップS4以降の制御に移る。
【0050】
まず、ステップS4で、図3のロックアップクラッチ制御部21からロックアップクラッチ2fに向けてロックアップオフの指令が出されるとともに、ステップS5で燃料カット制御部22から燃料供給系に燃料カット復帰指令が出される。
【0051】
これにより、ロックアップオフ制御と燃料カット復帰制御が実行される。
【0052】
ところが、これだけでは、ロックアップオフ制御の実行によって車両減速度が図5中の実線で示すように急変するため、運転者に違和感を与える。
【0053】
そこで、ステップS6において準インターロック制御が実行される。
【0054】
すなわち、ロックアップオフ制御を行う際に、そのときの変速段を形成する定常変速要素以外の摩擦締結要素(以下、準インターロック要素という)について、完全締結状態となる締結トルク容量よりも小さい所定の締結トルク容量を付与することによって、準インターロック要素をスリップさせ、インターロック手前の準インターロック状態を発生させる。
【0055】
たとえば、図1,2の自動変速機において前進6速(第2クラッチ11と第2ブレーキ13が定常変速要素)の状態で準インターロック制御を行う場合、これ以外の摩擦締結要素である第1クラッチ10、第1ブレーキ12、第3ブレーキ14のいずれかをインターロック要素として準インターロック状態を発生させる。
【0056】
このときの締結トルク容量は、図3の車両減速度検出部26によって検出される車両減速度に応じて、この減速度の変化が小さくなる方向に調整された大きさとして準インターロック要素に加えられる。
【0057】
また、この準インターロック状態が一定時間継続された後、締結トルク容量が設定された時間の経過に応じて低下し、タイムアップで準インターロック要素が元の解放状態に戻る。
【0058】
このような準インターロック制御を行うことにより、上記締結トルク容量に応じた準インターロック作用が働き、タイヤ側から見て減速度を増加させることができるため、車両減速度が、無制御(図5中の実線)の場合と比較して、破線で示すように滑らかに変化する。このため、車両減速度の変化による運転者の違和感を軽減することができる。
【0059】
とくに、実施形態では、上記のように準インターロック要素の締結トルク容量を車両減速度に応じて調整するため、この点の効果が高くなる。
【0060】
また、実施形態では、ロックアップオフ制御を行う際に、燃料カット復帰制御、すなわち燃料供給を再開する(減速度の変化が大きくなる)制御方式をとる変速機に適用しているため、減速度を滑らかに変化させる点の効果がさらに高いものとなる。
【0061】
さらに、準インターロックを一定時間継続させた後、時間経過に応じて低下させるため、減速度を本来の値向けて滑らかに変化させることができる。
【0062】
なお、準インターロック制御は、図5に示すようにロックアップオフと同じタイミングで実行されるのが望ましいが、多少遅れて実行されても相応の効果を得ることができる。
【0063】
また、準インターロック制御を行う準インターロック要素としての摩擦締結要素は、一つでもよいし二つでもよい。
【0064】
さらに、準インターロック要素となる摩擦締結要素のダメージを極力抑えるために、同要素として、たとえば二つのうち、伝達トルク容量(トルク分担量)が小さいもの、またはそのときのフェーシング温度が低いものを選択するのが望ましい。
【0065】
他の実施形態
(1) 上記実施形態では、本発明の効果がとくに高い、ロックアップオフ制御時に燃料カット復帰制御をも行う制御装置に適用した場合を例示したが、本発明はこのロックアップオフ制御時に燃料カット復帰を行わない制御装置にも適用することができる。
【0066】
(2) 上記実施形態では、準インターロック要素の締結トルク容量を、検出される車両減速度に応じて調整する構成をとったが、この締結トルク容量を予め設定したパターンで時間の経過とともに自動的に変化させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態にかかる自動変速機の全体構成を示すスケルトン図である。
【図2】同変速機における摩擦締結要素の組み合わせと変速段の関係を示す表である。
【図3】実施形態にかかる制御手段の構成を示すブロック図である。
【図4】制御手段による制御内容を示すフローチャートである。
【図5】制御時の各部の動向を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0068】
2 流体伝動装置としてのトルクコンバータ
2f ロックアップクラッチ
4 変速機構
10,11 摩擦締結要素としてのシリンダ
11〜13 同ブレーキ
20 制御手段
21 ロックアップクラッチ制御部(ロックアップ制御手段)
22 燃料カット制御部(燃料カット制御手段及び燃料カット復帰制御手段)
23 準インターロック制御部(準インターロック制御手段)
24 アクセル開度検出部
25 車速検出部
26 車両減速度検出部(車両減速度検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロックアップクラッチ付きの流体伝動装置と、減速時に上記ロックアップクラッチを締結させ所定の解除条件でロックアップクラッチを解除させるロックアップ制御手段とを備える自動変速機の制御装置であって、上記ロックアップクラッチ解除時の変速段を形成する所定の摩擦締結要素以外の摩擦締結要素に所定の締結トルク容量を付加することで準インターロックを発生させる準インターロック制御手段を備え、減速時のロックアップクラッチ締結中にロックアップクラッチ解除の際に同期して準インターロックを発生させるように構成されたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項2】
減速時のロックアップクラッチ締結中の車両減速度を検出する車両減速度検出手段を備え、車両減速度に応じて上記所定の締結トルク容量を調整するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
【請求項3】
上記準インターロック制御を所定時間実行し、その後上記所定の締結トルク容量を時間経過に応じて低下させるように構成されたことを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の制御装置。
【請求項4】
エンジンの燃料供給を断つ燃料カット制御を行う燃料カット制御手段と、燃料カット中にエンジンの燃料を再供給する燃料カット復帰制御を行う燃料カット復帰制御手段とを備え、減速時に、上記燃料カット制御を実行し、ロックアップクラッチ解除の際に同期して上記燃料カット復帰制御を実施するように構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−243514(P2009−243514A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88181(P2008−88181)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】