説明

表示装置の製造方法

【課題】輝度むらを低減することが可能な表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板に、酸化物半導体層を有する薄膜トランジスタを形成する工程と、前記薄膜トランジスタの上層に複数の表示素子よりなる表示領域を形成する工程とを含み、前記酸化物半導体層を形成する工程を、複数の分割部を平面状に継ぎ合わせた酸化物半導体よりなるターゲットと前記基板とを対面させて、スパッタリング法により行い、前記ターゲットの互いに平行な二本の継ぎ目の間隔を、前記継ぎ目に直交する方向において前記表示領域に生じる輝度分布の幅以下とする表示装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チャネルとして酸化物半導体層を有する薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)を備えた表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
亜鉛,インジウム,ガリウム,スズあるいはそれらの混合物の酸化物(酸化物半導体)は、優れた半導体特性を示すことが知られている。そのため、酸化物半導体は、近年、アクティブマトリクス型表示装置の駆動素子としてのTFTへの応用が盛んに研究されている。
【0003】
酸化物半導体層の成膜には、一般にスパッタリング法が用いられる。スパッタリング法は、大型基板への成膜やプロセスの低温化が可能であること、シリコン(Si)系のTFT製造ラインで用いられている既存の装置を利用できること等の利点がある。
【0004】
しかしながら、スパッタリング用の酸化物半導体ターゲットは、透明電極材料であるITO(酸化インジウムスズ)同様、大型のターゲット製造が困難な材料である。そのため、大型スパッタリング装置で用いられるターゲットは分割されており、継ぎ目が存在する。ITOのスパッタリングでは、スパッタされた粒子がターゲット表面に再付着することによるパーティクルや、ノジュール(スパッタ中にターゲット表面に生成する黒色突起物)に起因する異常放電が問題として知られている。エロージョン領域(スパッタリングで電圧が印加される領域)に継ぎ目がある場合、特に継ぎ目の端部でパーティクル等が発生しやすくなる。これを抑制するため、ITO分割ターゲットでは、ターゲット密度,寸法,表面粗さなどを調整する試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4470029号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
酸化物半導体を用いたTFTでは、ITO分割ターゲットのような継ぎ目におけるパーティクルが問題になることは少ない一方で、酸化物半導体層の膜密度,膜厚または構成元素といった膜質によって電気特性が大きく変化する。そのため、分割されたターゲットを用いることでTFTの特性ばらつきが生じてしまっていた。特に有機EL表示装置は、各画素を駆動するTFTの電気特性によって輝度が敏感に変化するので、局所的な特性差は輝度むらの原因となってしまうという問題があった。
【0007】
本開示の目的は、輝度むらを低減することが可能な表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の表示装置の製造方法は、基板に、酸化物半導体層を有する薄膜トランジスタを形成する工程と、薄膜トランジスタの上層に複数の表示素子よりなる表示領域を形成する工程とを含み、酸化物半導体層を形成する工程を、複数の分割部を平面状に継ぎ合わせた酸化物半導体よりなるターゲットと基板とを対面させて、スパッタリング法により行い、ターゲットの互いに平行な二本の継ぎ目の間隔を、継ぎ目に直交する方向において表示領域に生じる輝度分布の幅以下とするようにしたものである。
【0009】
本開示の表示装置の製造方法では、基板に、酸化物半導体層を有する薄膜トランジスタが形成されたのち、薄膜トランジスタの上層に複数の表示素子よりなる表示領域が形成される。酸化物半導体層を形成する工程は、酸化物半導体よりなるターゲットと基板とを対面させて、スパッタリング法により行われる。ターゲットは、複数の分割部を平面状に継ぎ合わせたものであり、隣接する分割部の境界線には継ぎ目がある。そのため、基板上の表示領域には、継ぎ目の対向位置およびその近傍領域に、継ぎ目に直交する方向に輝度分布(他の領域とは輝度が異なっている領域)が生じる。
【0010】
ここでは、ターゲットの互いに平行な二本の継ぎ目の間隔が、この輝度分布の幅以下とされている。よって、表示領域においては、それぞれの継ぎ目の対向位置およびその近傍領域に輝度分布が生じ、それらの輝度分布が重畳されることにより、表示領域全体としての輝度分布が平坦化され、均一な発光が得られる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の表示装置の製造方法によれば、ターゲットの互いに平行な二本の継ぎ目の間隔を、継ぎ目に直交する方向において表示領域に生じる輝度分布の幅以下とするようにしたので、輝度むらを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表す図である。
【図2】図1に示した画素駆動回路の一例を表す等価回路図である。
【図3】図2に示したTFTの構成を表す断面図である。
【図4】図1に示した表示領域の構成を表す断面図である。
【図5】図1に示した表示装置の製造方法を工程順に表す断面図である。
【図6】図5(B)に示した工程で用いるターゲットの構成を表す平面図である。
【図7】図6に示したターゲットの上方における基板の揺動または進行方向を説明するための平面図である。
【図8】(A)は、2分割ターゲットの一例を表す平面図であり、(B)は、(A)に示した2分割ターゲットを用いて形成された表示装置の輝度むらの発生状態を模式的に表す図である。
【図9】(A)は、図8(A)に示した2分割ターゲットを用いた場合に表示領域に生じる輝度分布を説明するための図であり、(B)は、図6に示したターゲットを用いた場合の表示領域における輝度むらの低減を説明するための図である。
【図10】(A)は、本実施の形態に係るインライン型またはマルチターゲット型のターゲットの一例を表す平面図であり、(B)は、(A)に示したターゲットを用いて形成された表示装置の輝度むらの発生状態を模式的に表す図である。
【図11】(A)は、枚葉型の4分割ターゲットの一例を表す平面図であり、(A)は、(B)に示した4分割ターゲットを用いて形成された表示装置の輝度むらの発生状態を模式的に表す図である。
【図12】(A)は、本実施の形態に係る枚葉型のターゲットの一例を表す平面図であり、(B)は、(A)に示したターゲットを用いて形成された表示装置の輝度むらの発生状態を模式的に表す図である。
【図13】図5に続く工程を表す断面図である。
【図14】本開示の第2の実施の形態に係る表示装置の構成を表す図である。
【図15】図14に示した画素の等価回路を表す図である。
【図16】図14に示した表示領域の構成を表す断面図である。
【図17】本開示の第3の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。
【図18】図17に示した駆動基板の構成を表す平面図である。
【図19】図17に示した表示装置の製造方法を工程順に表す断面図である。
【図20】上記実施の形態の表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。
【図21】上記実施の形態の表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図22】適用例2の外観を表す斜視図である。
【図23】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図24】(A)は適用例4の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図25】適用例5の外観を表す斜視図である。
【図26】適用例6の外観を表す斜視図である。
【図27】(A)は適用例7の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(有機EL表示装置)
2.第2の実施の形態(液晶表示装置)
3.第3の実施の形態(電気泳動型表示装置)
4.適用例
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表すものである。この表示装置は、極薄型の有機発光カラーディスプレイ装置などとして用いられるものであり、例えば、後述するTFT基板1に、表示素子として後述する複数の有機発光素子10R,10G,10Bよりなる画素PXLCがマトリクス状に配置されてなる表示領域110が設けられている。表示領域110の周辺には、信号部である水平セレクタ(HSEL)121と、スキャナ部であるライトスキャナ(WSCN)131および電源スキャナ(DSCN)132とが配置されている。
【0015】
表示領域110において、列方向には信号線DTL101〜10nが配置され、行方向には走査線WSL101〜10mおよび電源ラインDSL101〜10mが配置されている。各信号線DTLと各走査線WSLとの交差点に、有機発光素子PXLC(10R,10G,10Bのいずれか一つ(サブピクセル))を含む画素回路140が設けられている。各信号線DTLは、水平セレクタ121に接続され、この水平セレクタ121から信号線DTLに映像信号が供給される。各走査線WSLは、ライトスキャナ131に接続されている。各電源ラインDSLは、電源ラインスキャナ132に接続されている。
【0016】
図2は、画素回路140の一例を表したものである。画素回路140は、サンプリング用トランジスタ3Aおよび駆動用トランジスタ3Bと、保持容量3Cと、有機発光素子PXLCよりなる発光素子3Dとを有するアクティブ型の駆動回路である。サンプリング用トランジスタ3Aは、そのゲートが対応する走査線WSL101に接続され、そのソースおよびドレインの一方が対応する信号線DTL101に接続され、他方が駆動用トランジスタ3Bのゲートgに接続されている。駆動用トランジスタ3Bは、そのドレインdが対応する電源線DSL101に接続され、ソースsが発光素子3Dのアノードに接続されされている。発光素子3Dのカソードは接地配線3Hに接続されている。なお、この接地配線3Hは全ての画素PXLCに対して共通に配線されている。保持容量3Cは、駆動用トランジスタ3Bのソースsとゲートgとの間に接続されている。
【0017】
サンプリング用トランジスタ3Aは、走査線WSL101から供給される制御信号に応じて導通し、信号線DTL101から供給された映像信号の信号電位をサンプリングして保持容量3Cに保持するものである。駆動用トランジスタ3Bは、第1電位にある電源線DSL101から電流の供給を受け、保持容量3Cに保持された信号電位に応じて駆動電流を発光素子3Dに供給するものである。発光素子3Dは、供給された駆動電流により、映像信号の信号電位に応じた輝度で発光するようになっている。
【0018】
図3は、図2に示したサンプリング用トランジスタ3Aおよび駆動用トランジスタ3Bを構成するTFT20の断面構成を表したものである。TFT20は、例えば、基板10上に、ゲート電極21,ゲート絶縁膜22,酸化物半導体層23,チャネル保護層24,ソース電極25Sおよびドレイン電極25D,並びにパッシベーション膜26をこの順に有する酸化物半導体トランジスタである。ここで酸化物半導体とは、亜鉛,インジウム,ガリウム,スズまたはそれらの混合物の酸化物をいい、優れた半導体特性を示すことが知られている。
【0019】
ゲート電極21は、TFT20に印加されるゲート電圧により酸化物半導体層23中の電子密度を制御するものであり、例えば、厚みが50nmのモリブデン(Mo)層と、厚みが400nmのアルミニウム(Al)層またはアルミニウム合金層との二層構造を有している。アルミニウム合金層としては、例えばアルミニウム−ネオジム合金層が挙げられる。
【0020】
ゲート絶縁膜22,チャネル保護層24およびパッシベーション膜26は、それぞれ、例えば、厚みが50nm以上1μm以下であり、シリコン酸化膜,シリコン窒化膜,シリコン酸窒化膜,ハフニウム酸化膜,アルミニウム酸化膜,タンタル酸化膜,ジルコニウム酸化膜,ハフニウム酸窒化膜,アルミニウム酸窒化膜,タンタル酸窒化膜およびジルコニウム酸窒化膜などの単層膜または積層膜により構成されている。
【0021】
酸化物半導体薄膜層23は、例えば、厚みが20nm以上100nm以下であり、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO(In−Ga−Zn−Oxide))により構成されている。また、酸化物半導体薄膜層23の構成材料としては、IGZOのほか、ITZO,IGO,ZnOなど、その他の酸化物半導体材料でもよい。
【0022】
ソース電極25Sおよびドレイン電極25Dは、モリブデン,アルミニウム,チタン等の金属あるいはそれらの多層膜により構成されている。ソース電極25Sおよびドレイン電極25Dの具体的な構成としては、例えば、酸化物半導体層23の側から、厚みが50nmのチタン層25A、厚みが200nmから1μmのアルミニウム層25Bおよび厚みが50nmのチタン層25Cの積層膜が好ましい。なお、ソース電極25Sおよびドレイン電極25Dは、TFT20の用途・応用によっては、モリブデン層,アルミニウム層およびモリブデン層の積層膜、または、モリブデン層,アルミニウム層およびチタン層の積層膜により構成することも可能である。
【0023】
図4は、表示領域110の断面構成を表したものである。表示領域110には、赤色の光を発生する有機発光素子10Rと、緑色の光を発生する有機発光素子10Gと、青色の光を発生する有機発光素子10Bとが、順に全体としてマトリクス状に形成されている。なお、有機発光素子10R,10G,10Bは短冊形の平面形状を有し、隣り合う有機発光素子10R,10G,10Bの組み合わせが一つの画素(ピクセル)を構成している。
【0024】
有機発光素子10R,10G,10Bは、それぞれ、TFT基板1上に、平坦化絶縁膜51を間にして、アノード(陽極)52、電極間絶縁膜53、後述する発光層を含む有機層54、およびカソード(陰極)55がこの順に積層された構成を有している。
【0025】
このような有機発光素子10R,10G,10Bは、必要に応じて、シリコン窒化膜またはシリコン酸化膜などの保護膜56により被覆され、更にこの保護膜55上に、熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂などの接着層60を間にしてガラスなどよりなる封止用基板71が全面にわたって貼り合わされることにより封止されている。封止用基板71には、必要に応じてカラーフィルタ72およびブラックマトリクスとしての光遮蔽膜73が設けられていてもよい。
【0026】
平坦化絶縁膜51は、上述したTFT20よりなるサンプリング用トランジスタ3Aおよび駆動用トランジスタ3Bを含む画素駆動回路140が形成されたTFT基板1の表面を平坦化するためのものである。平坦化絶縁膜51は、微細な接続孔51Aが形成されるためパターン精度が良い材料により構成されていることが好ましい。平坦化絶縁膜51の構成材料としては、例えば、ポリイミド等の有機材料、あるいは酸化シリコン(SiO2 )などの無機材料が挙げられる。図2に示した駆動トランジスタ3Bは、平坦化絶縁膜51に設けられた接続孔51Aを介してアノード52に電気的に接続されている。
【0027】
アノード52は、有機発光素子10R,10G,10Bの各々に対応して形成されている。また、アノード52は、発光層で発生した光を反射させる反射電極としての機能を有しており、できるだけ高い反射率を有するようにすることが発光効率を高める上で望ましい。アノード52は、例えば、厚みが100nm以上1000nm以下であり、銀(Ag),アルミニウム(Al),クロム(Cr),チタン(Ti),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),モリブデン(Mo),銅(Cu),タンタル(Ta),タングステン(W),白金(Pt)あるいは金(Au)などの金属元素の単体または合金により構成されている。
【0028】
電極間絶縁膜53は、アノード52とカソード55との絶縁性を確保すると共に発光領域を正確に所望の形状にするためのものであり、例えば、ポリイミドなどの有機材料、または酸化シリコン(SiO2 )などの無機絶縁材料により構成されている。電極間絶縁膜53は、アノード52の発光領域に対応して開口部を有している。なお、有機層54およびカソード55は、発光領域だけでなく電極間絶縁膜53の上にも連続して設けられていてもよいが、発光が生じるのは電極間絶縁膜53の開口部だけである。
【0029】
有機層54は、例えば、アノード52の側から順に、正孔注入層,正孔輸送層,発光層および電子輸送層(いずれも図示せず)を積層した構成を有するが、これらのうち発光層以外の層は必要に応じて設ければよい。また、有機層54は、有機発光素子10R,10G,10Bの発光色によってそれぞれ構成が異なっていてもよい。正孔注入層は、正孔注入効率を高めるためのものであると共に、リークを防止するためのバッファ層である。正孔輸送層は、発光層への正孔輸送効率を高めるためのものである。発光層は、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、光を発生するものである。電子輸送層は、発光層への電子輸送効率を高めるためのものである。なお、有機層54の構成材料は、一般的な低分子または高分子有機材料であればよく、特に限定されない。
【0030】
カソード55は、例えば、厚みが5nm以上50nm以下であり、アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ナトリウム(Na)などの金属元素の単体または合金により構成されている。中でも、マグネシウムと銀との合金(MgAg合金)、またはアルミニウム(Al)とリチウム(Li)との合金(AlLi合金)が好ましい。また、カソード55は、ITOまたはIZO(酸化インジウム亜鉛(登録商標))により構成されていてもよい。
【0031】
この表示装置は、例えば次のようにして製造することができる。
【0032】
(TFT基板1を形成する工程)
まず、基板10に、酸化物半導体層23を有するTFT20を形成し、TFT基板1を形成する。すなわち、ガラスよりなる基板10上に、例えばスパッタリング法により、例えば、厚みが50nmのモリブデン(Mo)層と、厚みが400nmのアルミニウム(Al)層またはアルミニウム合金層との二層構造を形成する。次いで、この二層構造に対して、フォトリソグラフィおよびエッチングを施すことにより、図5(A)に示したように、ゲート電極21を形成する。
【0033】
続いて、同じく図5(A)に示したように、基板10の全面に、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長)法により、上述した厚みおよび材料よりなるゲート絶縁膜22を形成する。
【0034】
ゲート絶縁膜22を形成したのち、図5(B)に示したように、ゲート絶縁膜22の全面に、例えばIGZOよりなるターゲットを用い、アルゴンと酸素との混合ガス雰囲気中で反応性DCスパッタリング法により、酸化物半導体材料膜23Aを形成する。
【0035】
図6は、酸化物半導体材料膜23Aの成膜に用いるターゲット30の平面構成を表したものである。このターゲット30は、複数(例えば図6では四つ)の矩形の分割部31を一方向(y方向)に並べて平面状に継ぎ合わせたインライン型またはマルチターゲット型のものである。隣接する分割部31の間には継ぎ目32がある。継ぎ目32は、例えば、分割部31の並べられている方向(y方向)に直交する方向(x方向)に延在している。分割部31は隙間なく突き合わせて基材(図示せず)に貼り付けられており、実際の継ぎ目32の空隙の幅はほぼゼロ(1mm未満)である。
【0036】
スパッタリング装置はインライン方式を用い、例えば図7に示したように、ターゲット30と基板10とを対面させて成膜を行う。基板10は、静止していてもよいし、ターゲット30の上方において矢印A1方向に揺動ないし流動させてもよい。基板10の変位方向A1は、装置およびスパッタリングターゲットの大型化を回避し、製造コストを抑制するため、例えば、必要なターゲット幅が最小になるよう、ターゲット長辺方向に対して垂直な方向(x方向)とすることが望ましい。
【0037】
ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32は、継ぎ目32に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布の幅以下とする。これにより、この表示装置の製造方法では、輝度むらを低減することが可能となっている。
【0038】
更に、基板10をターゲット30に対面させて揺動または進行させて成膜を行う場合には、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32を、基板10の変位方向A1に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布の幅以下とすることが好ましい。なお、本実施の形態では、継ぎ目32をターゲット長辺方向に対して垂直な方向(x方向)に設けているので、基板10の変位方向A1は継ぎ目32の方向と同じである。
【0039】
以下、このことについてより詳細に説明する。例えば2分割ターゲット30Aは、図8(A)に示したように、二つの分割部31の間に、一本の継ぎ目32を有している。このような2分割ターゲット30Aに基板10を対面させて進行させながら酸化物半導体材料膜23Aを形成した場合には、図8(B)に示したように、完成した表示領域110に局所的な輝度分布33(他の領域とは輝度が異なっている領域)が発生する。その理由は以下の通りである。2分割ターゲット30Aにはエロージョン領域内に継ぎ目32が存在するので、継ぎ目32近傍から飛散した酸化物半導体粒子が基板10上に成膜される領域において、酸化物半導体材料膜23Aの膜質変動が起こる。特に、IGZOのような多元系材料では膜質変動が起こりやすい。この膜質変動によりTFT20の特性も変動し、これに起因して有機発光素子10R,10G,10Bの輝度も変わってしまう。より詳細には、TFT20の閾値が上がり、同じソース・ドレイン電圧でもドレイン電流が低くなる。そのため、有機発光素子10R,10G,10Bは正常に点灯するものの輝度が低下して局所的な線状の暗部となる。暗部すなわち輝度分布33の位置は、継ぎ目32の位置と一致している。
【0040】
継ぎ目32が一本しかない2分割ターゲット30Aの場合には、輝度分布33は、図9(A)に示したように、表示領域110における継ぎ目32の対向位置およびその近傍領域に、継ぎ目32に直交する方向A2に生じる。輝度分布33の幅w33は、例えば40mm程度であり、継ぎ目32の空隙の幅よりも広くなる。ここで幅w33は、輝度低下量が、輝度分布33の最も低い輝度と他の領域の輝度との輝度差ΔIの2分の1(1/2)以上となっている領域の幅(半値幅)である。
【0041】
一方、本実施の形態では、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32を、輝度分布33の幅w33以下としている。よって、表示領域110においては、図9(B)に示したように、それぞれの継ぎ目32の対向位置およびその近傍領域に輝度分布33が生じ、それらの輝度分布33が重畳されることにより、表示領域110全体としての輝度分布34が平坦化され、輝度差ΔIが小さくなる。
【0042】
具体的には、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32は、例えば40mm以下とすることが好ましい。輝度分布33の幅w33が40mm程度であることから、継ぎ目32の間隔d32を40mm以下とすることにより表示領域110全体としての輝度分布34を平坦にすることが可能となる。
【0043】
図10(A)は、互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32を、輝度分布33の幅w33以下、具体的には40mm以下としたインライン型またはマルチターゲット型のターゲット30の平面構成の一例を表したものであり、図10(B)は、このターゲット30を用いた場合の表示領域110の輝度分布の発生状態を模式的に表したものである。図10(B)から分かるように、完成した表示領域110の輝度は、2分割ターゲット30Aを用いた場合(図8(A))よりも均一化されている。
【0044】
図11(A)は、枚葉型の4分割ターゲット30Bの平面構成を表したものである。この4分割ターゲット30Bは、四つの分割部31の境界に、十字形の継ぎ目32を有している。このような4分割ターゲット30Bを用いて酸化物半導体材料膜23Aを形成した場合には、図11(B)に示したように、完成した表示領域110にも局所的な輝度分布33(他の領域とは輝度が異なっている領域)が十字形に発生する。
【0045】
図12(A)は、互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32を、輝度分布33の幅w33以下、具体的には40mm以下とした枚葉型のターゲット30の平面構成の一例を表したものであり、図12(B)は、このターゲット30を用いた場合の表示領域110の輝度分布の発生状態を模式的に表したものである。図12(B)から分かるように、完成した表示領域110の輝度は、4分割ターゲット30Aを用いた場合(図11(B))よりも均一化されている。
【0046】
このようにして酸化物半導体材料膜23Aを形成したのち、例えばフォトリソグラフィおよびエッチングにより、酸化物半導体材料膜23Aを所定の形状に成形する。これにより、図13(A)に示したように、酸化物半導体層23が形成される。
【0047】
酸化物半導体層23を形成したのち、例えば原子層成膜法,スパッタリング法またはCVD法により、シリコン酸化膜,シリコン窒化膜,シリコン酸窒化膜,酸化アルミニウム等よりなるチャネル保護層材料膜(図示せず)を形成し、これをフォトリソグラフィおよびエッチングにより所定の形状に成形する。これにより、図13(B)に示したように、チャネル保護層24を形成する。
【0048】
そののち、例えばスパッタリング法により、厚みが50nmのチタン層25A、厚みが500nmのアルミニウム層25Bおよび厚みが50nmのチタン層25Cを形成し、フォトリソグラフィおよびエッチングにより所定の形状に成形する。これにより、図13(C)に示したように、ソース電極25Sおよびドレイン電極25Dを形成する。
【0049】
ソース電極25Sおよびドレイン電極25Dを形成したのち、図3に示したように、例えば原子層成膜法,スパッタリング法またはCVD法により、上述した厚みおよび材料よりなるパッシベーション膜26を形成する。以上により、図3に示したTFT20を有するTFT基板1が形成される。
【0050】
(有機発光素子10R,10G,10Bを形成する工程)
続いて、TFT20の上層に有機発光素子10R,10G,10Bよりなる表示領域110を形成する。すなわち、まず、TFT基板1の全面に感光性樹脂を塗布し、露光および現像することにより、平坦化絶縁膜51および接続孔51Aを形成し、焼成する。次いで、例えば直流スパッタリングにより、上述した材料よりなるアノード52を成膜し、例えばリソグラフィ技術を用いて選択的にエッチングし、所定の形状にパターニングする。続いて、例えばCVD法により上述した厚みおよび材料よりなる電極間絶縁膜53を形成し、例えばリソグラフィ技術を用いて開口部を形成する。そののち、例えば蒸着法により、上述した材料よりなる有機層54およびカソード55を順次成膜し、有機発光素子10R,10G,10Bを形成する。続いて、有機発光素子10R,10G,10Bを、上述した材料よりなる保護膜56で覆う。
【0051】
そののち、保護膜56の上に、接着層60を形成する。そののち、カラーフィルタ72および光遮蔽膜73が設けられ、上述した材料よりなる封止用基板71を用意し、TFT基板1と封止用基板71とを接着層60を間にして貼り合わせる。以上により、図4に示した表示装置が完成する。
【0052】
この表示装置では、走査線WSLから供給される制御信号に応じてサンプリング用トランジスタ3Aが導通し、信号線DTLから供給された映像信号の信号電位がサンプリングされて保持容量3Cに保持される。また、第1電位にある電源線DSLから駆動用トランジスタ3Bに電流が供給され、保持容量3Cに保持された信号電位に応じて、駆動電流が発光素子3D(有機発光素子10R,10G,10B)に供給される。発光素子3D(有機発光素子10R,10G,10B)は、供給された駆動電流により、映像信号の信号電位に応じた輝度で発光する。この光は、カソード55,カラーフィルタ72および封止用基板71を透過して取り出される。
【0053】
ここでは、酸化物半導体層23をスパッタリング法により形成する工程において、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32が、継ぎ目32に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布33の幅w33以下とされている。よって、表示領域110においては、図9(B)に示したように、それぞれの継ぎ目32の対向位置およびその近傍領域に輝度分布33が生じ、それらの輝度分布33が重畳されることにより、表示領域110全体としての輝度分布34が平坦化され、均一な発光が得られる。
【0054】
このように本実施の形態では、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32を、基板10の変位方向A1に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布33の幅w33以下とするようにしたので、輝度むらを低減し、表示品位を高めることが可能となる。また、大型化が困難とされる酸化物半導体ターゲット製造において、分割部31の寸法を小さくすることが可能となる。よって、良質な酸化物半導体ターゲットを容易に製造することが可能となり、歩留まり向上およびコスト削減が可能となる。
【0055】
(第2の実施の形態)
図14は、本開示の第2の実施の形態に係る表示装置の全体構成を表したものである。この表示装置は、液晶テレビジョン装置などとして用いられるものであり、例えば、上述したTFT基板1に、表示素子として後述する複数の液晶表示素子10Lよりなる画素PXLCがマトリクス状に配置されてなる表示領域110が設けられている。表示領域110の周辺には、信号部であるデータドライバ121Aと、スキャナ部であるゲートドライバ131Aとが配置されている。表示領域110の背面側には、バックライトユニットとしての照明部150が設けられている。
【0056】
図15は、画素PXLCの等価回路を表したものである。画素PXLCは、第1の実施の形態で説明したTFT20と、液晶表示素子10Lと、容量素子Cstとを有している。
【0057】
TFT20は、画素PXLCに対して、映像信号を供給するためのスイッチング素子としての機能を有するものであり、第1の実施の形態と同様に構成されている。TFT20のゲートは、左右方向に延在するゲートバスラインGLに接続されている。このゲートバスラインGLには、上下方向に延在するソースバスラインSLが直交している。TFT20のソースはソースバスラインSLに接続され、ドレインは液晶表示素子10Lの一端および容量素子Cstの一端に接続されている。
【0058】
液晶表示素子10Lは、TFT20を介して供給される信号電圧に応じて表示のための動作を行う表示素子としての機能を有するものである。液晶表示素子10Lの他端は接地されている。
【0059】
容量素子Cstは、両端間に電位差を発生させるものであり、具体的には電荷を蓄積させる誘電体を含んで構成されている。容量素子Cstの他端は、ゲートバスラインGLに平行すなわち左右方向に延在する容量素子バスラインCLに接続されている。
【0060】
図16は、表示領域110の断面構成を表したものである。TFT基板1は、第1の実施の形態と同様に、基板10に、酸化物半導体層23(図3参照。)を有するTFT20を有している。液晶表示素子10Lは、平坦化絶縁膜81の上に、例えばITOよりなる画素電極82Aを有している。また、対向基板83上には、赤色フィルタ84R,緑色フィルタ84Gおよび青色フィルタ84Bよりなるカラーフィルタ84,光遮蔽膜85,並びに例えばITOよりなる共通電極82Bが設けられている。画素電極82Aと共通電極82Bとの間には液晶層82Cが設けられている。なお、図16では容量素子Cstは省略している。
【0061】
平坦化絶縁膜81は、第1の実施の形態の平坦化絶縁膜51と同様に構成されている。TFT20は、平坦化絶縁膜81に設けられた接続孔81Aを介して画素電極82Aに接続されている。
【0062】
この表示装置は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0063】
(TFT基板1を形成する工程)
まず、第1の実施の形態と同様にして、基板10に、酸化物半導体層23を有するTFT20を形成し、TFT基板1を形成する。
【0064】
すなわち、第1の実施の形態と同様にして、図5(A)に示した工程により、ゲート電極21およびゲート絶縁膜22を形成する。
【0065】
次いで、第1の実施の形態と同様にして、図5(B)に示した工程により、酸化物半導体材料膜23Aを形成する。その際、第1の実施の形態と同様に、図6に示したように複数(例えば図6では四つ)の矩形の分割部31を一方向(y方向)に並べて平面状に継ぎ合わせたインライン型またはマルチターゲット型のターゲット30を用い、図7に示したように、ターゲット30と基板10とを対面させて成膜を行う。基板10は、静止していてもよいし、ターゲット30の上方において矢印A1方向に揺動ないし流動させてもよい。
【0066】
ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32は、第1の実施の形態と同様に、継ぎ目32に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布の幅以下とする。これにより、この表示装置の製造方法では、第1の実施の形態と同様に、輝度むらを低減することが可能となっている。
【0067】
更に、基板10をターゲット30に対面させて揺動または進行させて成膜を行う場合には、第1の実施の形態と同様に、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32を、基板10の変位方向A1に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布の幅以下とすることが好ましい。詳細については、第1の実施の形態において図8および図9を参照して説明したのと同様である。
【0068】
具体的には、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32は、第1の実施の形態と同様に、例えば40mm以下とすることが好ましい。輝度分布33の幅w33が40mm程度であることから、継ぎ目32の間隔d32を40mm以下とすることにより表示領域110全体としての輝度分布34を平坦にすることが可能となる。
【0069】
このようにして酸化物半導体材料膜23Aを形成したのち、第1の実施の形態と同様にして、図13(A)に示した工程により、酸化物半導体材料膜23Aを所定の形状に成形して、酸化物半導体層23を形成する。
【0070】
続いて、第1の実施の形態と同様にして、図13(B)に示した工程により、チャネル保護層24を形成する。そののち、第1の実施の形態と同様にして、図13(C)に示した工程により、ソース電極25Sおよびドレイン電極25Dを形成する。
【0071】
ソース電極25Sおよびドレイン電極25Dを形成したのち、第1の実施の形態と同様にして、パッシベーション膜26を形成する。以上により、図3に示したTFT20を有するTFT基板1が形成される。
【0072】
(液晶表示素子10Lを形成する工程)
続いて、TFT20の上層に液晶表示素子10Lよりなる表示領域110を形成する。すなわち、まず、TFT基板1の全面に感光性樹脂を塗布し、露光および現像することにより、平坦化絶縁膜81および接続孔81Aを形成し、焼成する。次いで、例えば直流スパッタリングにより、上述した材料よりなる画素電極82Aを成膜し、例えばリソグラフィ技術を用いて選択的にエッチングし、所定の形状にパターニングする。
【0073】
また、対向基板83にカラーフィルタ84,光遮蔽膜85および上述した材料よりなる共通電極82Bを形成し、TFT基板1と対向基板83とを封止枠(図示せず)を間にして貼り合わせる。そののち、封止枠の開口(図示せず)から液晶を注入することにより、画素電極82Aと共通電極82Bとの間に液晶層82Cを形成し、開口を封止する。以上により、図14に示した表示装置が完成する。
【0074】
この表示装置では、照明部150からの光は、光学シート(図示せず)により均一に拡散されて液晶表示素子10Lに入射する。この入射光は、画素電極82Aと共通電極82Bとの間に印加された映像電圧に基づいて画素毎に変調されつつ液晶層82Cを透過する。液晶層82Cを透過した光は、カラーフィルタ84を通過することにより、カラーの表示光として対向基板83の外側へ取り出される。
【0075】
ここでは、第1の実施の形態と同様に、酸化物半導体層23をスパッタリング法により形成する工程において、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32が、継ぎ目32に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布33の幅w33以下とされている。よって、第1の実施の形態と同様に、表示領域110においては、図9(B)に示したように、それぞれの継ぎ目32の対向位置およびその近傍領域に輝度分布33が生じ、それらの輝度分布33が重畳されることにより、表示領域110全体としての輝度分布34が平坦化され、均一な発光が得られる。特にこのような効果は、精細度やフレームレートの増加、あるいは画面サイズの増大に依る信号遅延の増加、に伴って、画素電極82Aと共通電極82Bとの間に形成される容量への書き込み不足が発生する時に顕著となり、その効果が有効となる。
【0076】
このように本実施の形態では、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32を、基板10の変位方向A1に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布33の幅w33以下とするようにしたので、第1の実施の形態と同様に、輝度むらを低減し、表示品位を高めることが可能となる。また、大型化が困難とされる酸化物半導体ターゲット製造において、分割部31の寸法を小さくすることが可能となる。よって、良質な酸化物半導体ターゲットを容易に製造することが可能となり、歩留まり向上およびコスト削減が可能となる。
【0077】
(第3の実施の形態)
図17は、本開示の第3の実施の形態に係る表示装置の断面構成を表したものである。この表示装置は、電気泳動現象を利用して画像(例えば文字情報等)を表示する電気泳動型ディスプレイ(いわゆる電子ペーパーディスプレイ)であり、TFT基板1上に、表示層91、対向基板92,透明接着層93,保護膜94をこの順に有している。なお、図17はこの表示装置の形状を模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なる。
【0078】
TFT基板1には、図18に示したように、中央の表示領域110の周囲に、この表示領域110を完全に取り囲むように接着領域110Aが設けられている。表示領域110上には表示層91が設けられ、接着領域110Aには、保護膜94の端部が接着層94Aにより接着されている。
【0079】
TFT基板1は、基体90A上にバリア層90BおよびTFT(Thin Film Transistor)回路90Cをこの順に積層させたものである。基体90Aは、例えば、ガラス、石英、シリコン、ガリウム砒素等の無機材料、ステンレス等の金属材料あるいは、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等のプラスチック材料等からなる。この基体90Aは、ウェハなどの剛性を有するものであってもよく、薄層ガラス、フィルムまたは金属箔など可撓性を有するものであってもよい。基体90Aが可撓性を有するものであれば、折り曲げ可能な表示装置を実現できる。基体90Aの厚み(積層方向の厚み。以下単に厚みという。)は、例えば10μm〜100μmである。
【0080】
バリア層90Bは、例えばCVD法により形成されたAlOx N1−X (ただし、X=0.01〜0.2)膜または窒化シリコン(Si3 N4 )膜であり、水分や有機ガスによるTFT回路90Cおよび表示層91の劣化を抑えるものである。バリア層90Bは、CVD法により成膜される場合がほとんどであり、蒸着法により成膜した場合と比較すると緻密で、透湿性がより低くなる。
【0081】
TFT回路90Cは画素を選択するためのスイッチング機能を有している。このTFT回路90Cは、例えば、第1の実施の形態において図3を参照して説明したTFT20により構成されている。
【0082】
表示層91は画素電極と共通電極との間に電気泳動型の表示体を有するものである。画素電極はTFT回路90C、共通電極は対向基板92にそれぞれ接している。表示層91の積層方向の厚みは、例えば40μm〜165μm程度である。画素電極は画素ごとに設けられており、例えばクロム(Cr)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、
銅(Cu)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)あるいは銀(Ag)などの金属元素の単体または合金からなる。共通電極は、対向基板92の一面に亘り設けられており、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)、酸化アンチモン−酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)またはアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の透光性導電材料(透明電極材料)により構成されている。
【0083】
対向基板92は、表示層91と同様に表示領域110上に設けられており例えば125μm程度の厚みを有する。本実施の形態では、対向基板92側において画像が表示されるため、対向基板92には光透過性の材料が用いられるが、この点を除き、基体90Aと同様の材料を用いることができる。
【0084】
保護膜94は、表示層91を封止するものである。保護膜94は、防湿機能に加え、反射防止機能あるいは防眩機能等の光学機能、更には外力に対する保護機能を兼ねており、その膜厚は、例えば数百μm程度である。
【0085】
保護膜94は対向基板92に対して透明接着層93により固定されている。この透明接着層93は、例えば、25μmの厚みのOCA(Optical Clear Adhesive)等からなる。基体90Aを可撓性基板により構成するときには、透明接着層93も可撓性であることが好ましい。
【0086】
保護膜94により封止された表示領域110と接着領域110Aとの間(表示層91および対向基板92の側面と保護膜94との間)は空隙95となっており、表示層91および対向基板92の側面は空隙95により囲まれている。
【0087】
この表示装置は、例えば以下のようにして製造することができる。
【0088】
(TFT基板1を形成する工程)
図19は、この表示装置の製造方法を工程順に表したものである。まず、図19(A)に示したように、基体90Aに例えばCVD法により窒化シリコンからなるバリア層90Bを形成する。次いで、同じく図19(A)に示したように、バリア層90Bの上に、酸化物半導体層23を有するTFT20よりなるTFT回路90Cを形成し、TFT基板1とする。
【0089】
すなわち、第1の実施の形態と同様にして、図5(A)に示した工程により、ゲート電極21およびゲート絶縁膜22を形成する。
【0090】
次いで、第1の実施の形態と同様にして、図5(B)に示した工程により、酸化物半導体材料膜23Aを形成する。その際、第1の実施の形態と同様に、図6に示したように複数(例えば図6では四つ)の矩形の分割部31を一方向(y方向)に並べて平面状に継ぎ合わせたインライン型またはマルチターゲット型のターゲット30を用い、図7に示したように、ターゲット30と基板10とを対面させて成膜を行う。基板10は、静止していてもよいし、ターゲット30の上方において矢印A1方向に揺動ないし流動させてもよい。
【0091】
ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32は、第1の実施の形態と同様に、継ぎ目32に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布の幅以下とする。これにより、この表示装置の製造方法では、第1の実施の形態と同様に、輝度むらを低減することが可能となっている。
【0092】
更に、基板10をターゲット30に対面させて揺動または進行させて成膜を行う場合には、第1の実施の形態と同様に、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32を、基板10の変位方向A1に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布の幅以下とすることが好ましい。詳細については、第1の実施の形態において図8および図9を参照して説明したのと同様である。
【0093】
具体的には、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32は、第1の実施の形態と同様に、例えば40mm以下とすることが好ましい。輝度分布33の幅w33が40mm程度であることから、継ぎ目32の間隔d32を40mm以下とすることにより表示領域110全体としての輝度分布34を平坦にすることが可能となる。
【0094】
このようにして酸化物半導体材料膜23Aを形成したのち、第1の実施の形態と同様にして、図13(A)に示した工程により、酸化物半導体材料膜23Aを所定の形状に成形して、酸化物半導体層23を形成する。
【0095】
続いて、第1の実施の形態と同様にして、図13(B)に示した工程により、チャネル保護層24を形成する。そののち、第1の実施の形態と同様にして、図13(C)に示した工程により、ソース電極25Sおよびドレイン電極25Dを形成する。
【0096】
ソース電極25Sおよびドレイン電極25Dを形成したのち、第1の実施の形態と同様にして、パッシベーション膜26を形成する。以上により、図3に示したTFT20を有するTFT基板1が形成される。
【0097】
(電気泳動型の表示層91を形成する工程)
TFT基板1を形成したのち、例えばクロム、金、白金、ニッケル、銅、タングステン、アルミニウムあるいは銀からなる金属膜をTFT基板1の全面に形成し、これをパターニングすることにより、画素電極を形成する。
【0098】
次いで図19(B)に示したように、共通電極を備えた対向基板92に例えば塗布により表示体を形成した後、この対向基板92をTFT基板1に貼り合わせる。これにより、TFT基板1上に表示層91および対向基板92が形成される。共通電極は、例えばITOを対向基板92の一方の面の全面に成膜し、形成しておく。
【0099】
対向基板92を貼合したのち、透明接着層93により保護膜94を対向基板92上に固定する。このとき、保護膜94には、その全ての辺において表示領域110の辺よりも大きく、その面積が表示領域110の面積よりも大きいものを用いる。これにより、保護膜94に表示領域110の外側に張り出す部分が形成される。続いて、保護膜94の表示領域110から張り出した部分をTFT基板1側に折り曲げ、表示層91の側面を覆うようにしてTFT基板1の接着領域110Aに接着層94により固定する。以上により、図17および図18に示した表示装置が完成する。
【0100】
この表示装置では、表示層91において、画素電極と共通電極との間に印加された映像電圧に基づいて電気泳動型の表示体により表示が行われる。
【0101】
ここでは、第1の実施の形態と同様に、酸化物半導体層23をスパッタリング法により形成する工程において、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32が、継ぎ目32に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布33の幅w33以下とされている。よって、第1の実施の形態と同様に、表示領域110においては、図9(B)に示したように、それぞれの継ぎ目32の対向位置およびその近傍領域に輝度分布33が生じ、それらの輝度分布33が重畳されることにより、表示領域110全体としての輝度分布34が平坦化され、均一な発光が得られる。特にこのような効果は、精細度やフレームレートの増加、あるいは画面サイズの増大に依る信号遅延の増加、に伴って、画素電極と共通電極との間に形成される容量への書き込み不足が発生する時に顕著となり、その効果が有効となる。
【0102】
このように本実施の形態では、ターゲット30の互いに平行な二本の継ぎ目32の間隔d32を、基板10の変位方向A1に直交する方向A2において表示領域110に生じる輝度分布33の幅w33以下とするようにしたので、第1の実施の形態と同様に、輝度むらを低減し、表示品位を高めることが可能となる。また、大型化が困難とされる酸化物半導体ターゲット製造において、分割部31の寸法を小さくすることが可能となる。よって、良質な酸化物半導体ターゲットを容易に製造することが可能となり、歩留まり向上およびコスト削減が可能となる。
【0103】
(適用例)
続いて、図20ないし図27を参照して、上記実施の形態に係る表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態の表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話やスマートフォン等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、この表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0104】
(モジュール)
上記実施の形態の表示装置は、例えば、図20に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜6などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基板10の一辺に、第1の実施の形態における封止用基板71および接着層60、または第2の実施の形態における対向基板83から露出した領域160を設け、この露出した領域160に、第1の実施の形態における水平セレクタ121,ライトスキャナ131および電源スキャナ132、または第2の実施の形態におけるデータドライバ121Aおよびゲートドライバ131Aの配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)161が設けられていてもよい。
【0105】
(適用例1)
図21(A)および図21(B)はそれぞれ、上記実施の形態の表示装置が適用される電子ブックの外観を表したものである。この電子ブックは、例えば、表示部210および非表示部220を有しており、この表示部210が上記実施の形態の表示装置により構成されている。
【0106】
(適用例2)
図22は、上記実施の形態の表示装置が適用されるスマートフォンの外観を表したものである。このスマートフォンは、例えば、表示部230および非表示部240を有しており、この表示部230が上記実施の形態の表示装置により構成されている。
【0107】
(適用例3)
図23は、上記実施の形態の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態の表示装置により構成されている。
【0108】
(適用例4)
図24は、上記実施の形態の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、この表示部420が上記実施の形態の表示装置により構成されている。
【0109】
(適用例5)
図25は、上記実施の形態の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、この表示部530が上記実施の形態の表示装置により構成されている。
【0110】
(適用例6)
図26は、上記実施の形態の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有している。そして、この表示部640が上記実施の形態の表示装置により構成されている。
【0111】
(適用例7)
図27は、上記実施の形態の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そして、これらのうちのディスプレイ740またはサブディスプレイ750が、上記実施の形態の表示装置により構成されている。
【0112】
以上、実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、基板10の変位方向A1を、継ぎ目32に平行な方向とする場合について説明したが、基板10を継ぎ目32に対して斜め方向に揺動させるようにしてもよい。
【0113】
また、上記実施の形態では、継ぎ目32を、分割部31が並べられている方向(y方向)に直交する方向(x方向)に設ける場合について説明したが、継ぎ目32を、y方向に対して斜めに設けると共に、基板10の変位方向A1をx方向に平行としてもよい。
【0114】
更に、上記実施の形態では、基板10を分割ターゲット30に対向させて揺動させながら成膜を行う場合について説明したが、基板10を、分割ターゲット30上を進行(通過)させて成膜を行うことも可能である。
【0115】
加えて、例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
【0116】
更にまた、上記実施の形態では、有機発光素子10R,10B,10Gの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。
【0117】
加えてまた、本開示は、有機発光素子のほか、液晶表示素子、無機エレクトロルミネッセンス素子、またはエレクトロデポジション型もしくエレクトロクロミック型の表示素子などの他の表示素子を用いた表示装置にも適用可能である。
【0118】
更にまた、例えば、上記実施の形態において表示装置の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての構成要素を備える必要はなく、また、他の構成要素を更に備えていてもよい。
【0119】
なお、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
基板に、酸化物半導体層を有する薄膜トランジスタを形成する工程と、前記薄膜トランジスタの上層に複数の表示素子よりなる表示領域を形成する工程とを含み、
前記酸化物半導体層を形成する工程を、複数の分割部を平面状に継ぎ合わせた酸化物半導体よりなるターゲットと前記基板とを対面させて、スパッタリング法により行い、
前記ターゲットの互いに平行な二本の継ぎ目の間隔を、前記継ぎ目に直交する方向において前記表示領域に生じる輝度分布の幅以下とする
表示装置の製造方法。
(2)
前記酸化物半導体層を形成する工程を、前記基板を前記ターゲットに対面させて揺動または進行させて行い、
前記ターゲットの互いに平行な二本の継ぎ目の間隔を、前記基板の変位方向に直交する方向において前記表示領域に生じる輝度分布の幅以下とする
前記(1)記載の表示装置の製造方法。
(3)
前記ターゲットの互いに平行な二本の継ぎ目の間隔を、40mm以下とする
前記(1)または(2)記載の表示装置の製造方法。
(4)
前記表示素子は、前記薄膜トランジスタにより駆動される有機発光素子である
前記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
(5)
前記表示素子は、前記薄膜トランジスタにより駆動される液晶表示素子である
前記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
(6)
前記表示素子は、前記薄膜トランジスタにより駆動される電気泳動型表示体である
前記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
【符号の説明】
【0120】
1…TFT基板、3A…サンプリング用トランジスタ、3B…駆動用トランジスタ、3C…保持容量、3D…発光素子、10…基板、10R,10G,10B…有機発光素子、20…TFT、21…ゲート電極、22…ゲート絶縁膜、23…酸化物半導体層、24…チャネル保護層、25S…ソース電極、25D…ドレイン電極、26…パッシベーション膜、30…ターゲット、31…分割部、32…継ぎ目、51…平坦化絶縁膜、52…アノード、53…電極間絶縁膜、54…有機層、55…カソード、56…保護膜、60…接着層、71…封止用基板、110…表示領域、140…画素駆動回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に、酸化物半導体層を有する薄膜トランジスタを形成する工程と、前記薄膜トランジスタの上層に複数の表示素子よりなる表示領域を形成する工程とを含み、
前記酸化物半導体層を形成する工程を、複数の分割部を平面状に継ぎ合わせた酸化物半導体よりなるターゲットと前記基板とを対面させて、スパッタリング法により行い、
前記ターゲットの互いに平行な二本の継ぎ目の間隔を、前記継ぎ目に直交する方向において前記表示領域に生じる輝度分布の幅以下とする
表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記酸化物半導体層を形成する工程を、前記基板を前記ターゲットに対面させて揺動または進行させて行い、
前記ターゲットの互いに平行な二本の継ぎ目の間隔を、前記基板の変位方向に直交する方向において前記表示領域に生じる輝度分布の幅以下とする
請求項1記載の表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記ターゲットの互いに平行な二本の継ぎ目の間隔を、40mm以下とする
請求項1記載の表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記表示素子は、前記薄膜トランジスタにより駆動される有機発光素子である
請求項1記載の表示装置の製造方法。
【請求項5】
前記表示素子は、前記薄膜トランジスタにより駆動される液晶表示素子である
請求項1記載の表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記表示素子は、前記薄膜トランジスタにより駆動される電気泳動型表示体である
請求項1記載の表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−84669(P2013−84669A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221980(P2011−221980)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】