説明

製造制御装置及び製造制御方法

【課題】膜厚変動を抑制することにより、トランジスタ特性のばらつきを低減できる製造制御装置及び製造制御方法を提供する。
【解決手段】第1半導体ウェハ上に絶縁膜を堆積する成膜装置30を制御する制御パラメータ(堆積時間ttarget)を算出する製造制御装置20であって、第2半導体ウェハの第2ウェハ表面積L1が大きいほど、成膜装置30に絶縁膜を厚く堆積させる制御パラメータ(堆積時間ttarget)を算出する。また、製造制御装置20は、第2ウェハ表面積L1が大きいほど堆積時間ttargetが長くなるように堆積時間ttargetを算出する堆積時間算出部116を備えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造制御装置及び製造制御方法に関し、詳しくは半導体ウェハ上に絶縁膜を堆積する成膜装置を制御する制御パラメータを算出する製造制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、MIS(Metal Insulator Semiconductor)型半導体装置の高集積化に対する要求を実現するために、MISトランジスタのゲート長が微細化されている。このような微細化したMISトランジスタでは、シリコン基板の表面領域に浅い接合を形成させるために、低エネルギーのイオン注入を用いてエクステンション領域を形成する。このエクステンション領域は、ソース・ドレイン領域の一部としてゲート電極の端部下に形成される(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図31A〜図31D及び図32A〜図32Cは、従来の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0004】
まず、図31Aに示す工程において、シリコン基板301上に、nMISトランジスタ形成領域RTNとpMISトランジスタ形成領域RTPとを区画するトレンチ型の素子分離絶縁膜304を形成する。その後、シリコン基板301上の全面に、例えばシリコン酸化膜よりなるゲート絶縁膜302とポリシリコン膜とを順次形成する。その後、ポリシリコン膜を、ドライエッチング方法等を用いてパターニングすることによって、nMISトランジスタ及びpMISトランジスタの各ゲート電極303を形成する。
【0005】
次に、図31Bに示す工程において、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、基板上の全面にシリコン酸化膜からなる側壁用絶縁膜305を堆積する。これにより、各ゲート電極303を含むnMISトランジスタ形成領域RTNとpMISトランジスタ形成領域RTPとの全体が側壁用絶縁膜305によって覆われる。
【0006】
次に、図31Cに示す工程において、CF4/O2/Arガスを用いて側壁用絶縁膜305を異方性ドライエッチングすることにより、選択的にゲート電極303の側面に側壁絶縁膜306を形成する。このとき、CF4/O2/Arガスを用いたドライエッチングでは、当該ドライエッチングにより発生するデポ膜に対するエッチングレートが速い。このために、ソース・ドレイン形成領域のシリコン基板301の表面にはデポ膜がほとんど形成されず、シリコン基板301の表面が露出する。
【0007】
次に、図31Dに示す工程において、nMISトランジスタ形成領域RTN上に開口を有し、かつpMISトランジスタ形成領域RTP上を覆うレジストマスク307を形成する。
【0008】
その後、ゲート電極303、側壁絶縁膜306及びレジストマスク307をマスクとして用いて、n型不純物である砒素(As+)イオン308を、注入エネルギーが約5keV、ドーズ量が5×1014〜5×1015/cm2の条件でイオン注入する。これにより、nMISトランジスタ形成領域RTNにn型エクステンション領域309を形成する。
【0009】
次に、図32Aに示す工程において、レジストマスク307を除去する。次に、図32Bに示す工程において、pMISトランジスタ形成領域RTP上に開口を有する、nMISトランジスタ形成領域RTN上を覆うレジストマスク310を形成する。
【0010】
その後、ゲート電極303、側壁絶縁膜306及びレジストマスク310をマスクとして用いて、p型不純物であるボロン(B+)イオン311を、注入エネルギーが約1keV、ドーズ量が8×1013〜6×1014/cm2の条件でイオン注入する。これにより、pMISトランジスタ形成領域RTPにp型エクステンション領域312を形成する。
【0011】
次に、図32Cに示す工程において、レジストマスク310を除去する。
【0012】
上記のトランジスタでは、図31Bで示されている主にCVD法を用いて形成される側壁用絶縁膜305から形成される側壁絶縁膜306により注入領域を制御している。つまり、側壁用絶縁膜305の膜厚が変動すると、側壁絶縁膜306の膜厚が変動する。よって、トランジスタの微細化の進展に伴い、この側壁絶縁膜306の膜厚の変動に起因するトランジスタ特性変動が大きくなる、所謂短チャネル効果が問題となる。
【0013】
このような背景からCVD法を用いた側壁用絶縁膜305の形成における膜厚制御の重要性は非常に高い。例えば、LP−CVD(Low Pressure CVD)法では、投入モニターウェハ削減と精度向上とを目的として、炉内に投入された枚数毎のレシピを作成し、製品処理時の炉内投入枚数により最適なレシピを選択する手法の検討がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
【0014】
以下、特許文献2に記載の技術について説明する。
【0015】
図33は、特許文献2に記載の製造制御装置における、処理の流れを示すフローチャートである。
【0016】
図33に示すように、まず、従来の製造制御装置は、ウェハ枚数Wを読み出す(S100)。次に、従来の製造制御装置は、複数の確定した処理種のレシピのうち、最もバッチサイズBSが小さいレシピを読み出す(S102)。次に、従来の製造制御装置は、ウェハ枚数WがバッチサイズBSより小さいか否かを判定する(S104)。ウェハ枚数WがバッチサイズBSより大きい場合(S104でNo)には、従来の製造制御装置は、次に少ないバッチサイズBSのレシピを読み出し(S106)、再度、ステップS104の判定を行う。
【0017】
一方、ウェハ枚数WがバッチサイズBSより小さい場合(S104でYes)には、従来の製造制御装置は、現在のバッチサイズを最終的なバッチサイズに決定し(S108)、選択している処理レシピが出力される(S110)。
【0018】
以上により、特許文献2の技術は、半導体製造装置の反応室内の支持体(ボート)の全てにウェハが収容されている場合でなくとも、支持体全てにウェハが収容された場合と同じ結果を得ることができる。この場合、支持体全てにウェハが収容された状態で最もばらつきが少なく安定した状態であると推測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2004−103899号公報(第8項、図3、図4)
【特許文献2】特開2005−93747号公報(第13項、図5、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、ウェハ数以外の要因により絶縁膜の堆積膜厚は変動する。つまり、特許文献2記載の技術は、十分に絶縁膜の膜厚変動を抑制することができないという課題を有する。
【0021】
そこで本発明は、より膜厚変動を抑制することにより、トランジスタ特性のばらつきを低減できる製造制御装置及び製造制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するために、本発明に係る製造制御装置は、第1半導体ウェハ上に絶縁膜を堆積する成膜装置を制御する制御パラメータを算出する製造制御装置であって、前記第1半導体ウェハの第1表面積が大きいほど、前記成膜装置に前記絶縁膜を厚く堆積させる前記制御パラメータを算出する。
【0023】
この構成によれば、本発明に係る製造制御装置は、ウェハ表面積に依存した絶縁膜の堆積膜厚の変動を抑制できるので、トランジスタ特性のばらつきをより軽減できる。
【0024】
また、前記製造制御装置は、前記制御パラメータとして、前記成膜装置が前記第1半導体ウェハ上に前記絶縁膜を堆積する第1堆積時間を算出する堆積時間算出部を備え、前記堆積時間算出部は、前記第1表面積が大きいほど前記第1堆積時間が長くなるように前記第1堆積時間を算出してもよい。
【0025】
この構成によれば、本発明に係る製造制御装置は、ウェハ表面積に依存した絶縁膜の堆積膜厚の変動を抑制できる第1堆積時間を算出できる。
【0026】
また、前記製造制御装置は、さらに、目標堆積膜厚を取得する目標堆積膜厚取得部と、前記成膜装置により単位時間当たりに堆積される前記絶縁膜の厚さである成膜レートを取得する成膜レート取得部と、前記第1表面積に第1係数を乗算することにより、前記成膜装置により堆積される前記絶縁膜の膜厚のうち前記第1表面積に依存する膜厚である第1変動膜厚を算出する第1変動膜厚算出部とを備え、前記堆積時間算出部は、前記目標堆積膜厚と前記第1変動膜厚とを加算することにより第1推定膜厚を算出し、当該第1推定膜厚を前記成膜レートで除算することにより前記第1堆積時間を算出してもよい。
【0027】
この構成によれば、本発明に係る製造制御装置は、ウェハ表面積に依存した絶縁膜の第1変動膜厚を算出し、当該第1変動膜厚を用いて、第1堆積時間を算出できる。
【0028】
また、前記製造制御装置は、さらに、第2半導体ウェハの第2表面積を取得する第2表面積取得部と、前記成膜装置により前記第2半導体ウェハに絶縁膜が堆積された際の堆積時間である処理時間を取得する処理時間取得部と、前記成膜装置により前記第2半導体ウェハに前記絶縁膜が堆積された際の、当該絶縁膜の膜厚である測定膜厚を取得する測定膜厚取得部と、前記第2表面積に前記第1係数を乗算することにより、前記成膜装置により堆積される前記絶縁膜の膜厚のうち前記第2表面積に依存する膜厚である第2変動膜厚を算出する第2変動膜厚算出部と、前記測定膜厚から前記第2変動膜厚を減算することにより第2推定膜厚を算出し、算出した当該第2推定膜厚を前記処理時間で除算することにより前記成膜レートを算出する成膜レート算出部とを備え、前記成膜レート取得部は、前記成膜レート算出部により算出された前記成膜レートを取得してもよい。
【0029】
この構成によれば、本発明に係る製造制御装置は、同じ成膜装置で成膜された絶縁膜の膜厚から、成膜レートを算出することにより、装置間のばらつきを低減できる。
【0030】
また、前記成膜装置は、前記第1半導体ウェハを含む複数の第1半導体ウェハ上に前記絶縁膜を堆積し、前記複数の第1半導体ウェハは、異なるパターンが形成された複数種類のウェハを含み、前記表面積は、前記複数種類のウェハの表面積うちの最大の表面積と最小の表面積との平均値であってもよい。
【0031】
また、前記成膜装置は、前記第1半導体ウェハを含む複数の第1半導体ウェハ上に前記絶縁膜を堆積し、前記複数の第1半導体ウェハは、異なるパターンが形成された複数種類のウェハを含み、前記表面積は、前記複数の半導体ウェハの表面積の総和であってもよい。
【0032】
この構成によれば、本発明に係る製造制御装置は、ウェハ表面積に依存した絶縁膜の堆積膜厚の変動を、さらに抑制できる。
【0033】
また、前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極パターンを形成する第1工程と、前記第1工程より後に前記成膜装置が前記絶縁膜を堆積する第2工程とを含み、前記第1表面積は、前記第1工程後に、単位面積当たりに形成されている前記ゲート電極パターンの面積の割合であってもよい。
【0034】
また、前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極パターンを形成する第1工程と、前記第1工程より後に前記成膜装置が前記絶縁膜を堆積する第2工程とを含み、前記第1表面積は、前記第1工程後に、単位面積当たりの前記ゲート電極パターンが形成されていない面積の割合であってもよい。
【0035】
また、前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極パターンを形成する第1工程と、前記第1工程より後に前記成膜装置が前記絶縁膜を堆積する第2工程とを含み、前記第1表面積は、前記第1工程後に、単位面積当たりに形成されている前記ゲート電極パターンの周辺長であってもよい。
【0036】
また、前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極パターンを形成する第1工程と、前記第1工程より後に前記成膜装置が前記絶縁膜を堆積する第2工程とを含み、前記第1表面積は、前記第1工程で形成された前記ゲート電極パターンの周辺長の総和であってもよい。
【0037】
また、前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極を形成する第1工程と、第1工程より後に前記成膜装置が前記ゲート電極の側壁絶縁膜に用いられる前記絶縁膜を堆積する第2工程とを含み、前記製造制御装置は、さらに、前記第1工程後、かつ前記第2工程前における、前記第1半導体ウェハに形成された前記トランジスタの構造の形状を示す第1測定値を取得する第1測定値取得部と、前記第1測定値に応じて、前記第1工程において前記トランジスタの特性が変動した方向と逆方向に前記トランジスタの特性を変動させるように、前記目標堆積膜厚を補正することにより補正後目標堆積膜厚を生成する目標堆積膜厚補正部を備え、前記堆積時間算出部は、前記目標堆積膜厚と前記第1変動膜厚とを加算することにより第1推定膜厚を算出し、当該第1推定膜厚を前記成膜レートで除算することにより前記第1堆積時間を算出してもよい。
【0038】
この構成によれば、本発明に係る製造制御装置は、前工程で形成された構造により生じるトランジスタ特性の変動を戻すように、目標堆積膜厚を補正する。これにより、本発明に係る製造制御装置は、装置間及びLot間のトランジスタ特性のばらつきを低減できる。
【0039】
また、前記第1測定値取得部は、前記第1測定値として、前記ゲート電極の寸法又は角度を取得し、前記目標堆積膜厚補正部は、前記ゲート電極の寸法が小さいほど、又は、前記ゲート電極の角度が大きいほど、前記目標堆積膜厚を大きくしてもよい。
【0040】
また、前記第1工程では、さらに、前記ゲート電極の第1側壁絶縁膜を形成し、前記第2工程では、前記成膜装置が、前記第1側壁絶縁膜の側面に形成される、前記ゲート電極の第2側壁絶縁膜に用いられる前記絶縁膜を堆積し、前記第1測定値取得部は、前記第1測定値として、前記第1側壁絶縁膜の幅又は角度を取得し、前記目標堆積膜厚補正部は、前記第1側壁絶縁膜の幅が小さいほど、又は、前記第1側壁絶縁膜が大きいほど、前記目標堆積膜厚を大きくしてもよい。
【0041】
また、前記目標堆積膜厚補正部は、前記第1測定値に応じて、前記第1工程において前記トランジスタの閾値電圧が変動した方向と逆方向に前記閾値電圧を変動させるように、前記目標堆積膜厚を補正してもよい。
【0042】
この構成によれば、本発明に係る製造制御装置は、装置間及びLot間のトランジスタの閾値電圧のばらつきを低減できる。
【0043】
また、前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極を形成する第1工程と、第1工程より後に前記成膜装置が前記ゲート電極上に、前記絶縁膜としてコンタクトエッチストップレイヤーを堆積する第2工程とを含み、前記製造制御装置は、さらに、前記第1工程後、かつ前記第2工程前における、前記第1半導体ウェハに形成された前記トランジスタの構造の形状を示す測定値を取得する測定値取得部と、前記第1測定値に応じて、前記第1工程において前記トランジスタの駆動能力が変動した方向と逆方向に前記駆動能力を変動させるように、前記目標堆積膜厚を補正することにより補正後目標堆積膜厚を生成する目標堆積膜厚補正部を備え、前記堆積時間算出部は、前記目標堆積膜厚と前記第1変動膜厚とを加算することにより第1推定膜厚を算出し、当該第1推定膜厚を前記成膜レートで除算することにより前記第1堆積時間を算出してもよい。
【0044】
この構成によれば、本発明に係る製造制御装置は、装置間及びLot間のトランジスタの駆動能力のばらつきを低減できる。
【0045】
また、前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタの第1ゲート電極を形成するとともに、前記成膜装置が前記ゲート電極の側壁絶縁膜に用いられる前記絶縁膜を堆積する第1工程と、前記第1工程より後に、前記第1ゲート電極を除去し、当該第1ゲート電極が除去された領域に、ゲート電極材料を埋め込む第2工程とを含み、前記製造制御装置は、さらに、前記第1工程後、かつ前記第2工程前における、前記第1半導体ウェハに形成された前記トランジスタの構造の形状を示す第2測定値を取得する第2測定値取得部と、前記第2測定値に応じて、前記第1工程において前記トランジスタの特性が変動した方向と逆方向に、前記第2工程において前記トランジスタの特性を変動させる前記ゲート電極の特性を決定するゲート電極特性決定部とを備えてもよい。
【0046】
この構成によれば、本発明に係る製造制御装置は、前工程で形成された構造により生じるトランジスタ特性の変動を戻すように、ゲート電極の特性を決定する。これにより、本発明に係る製造制御装置は、装置間及びLot間のトランジスタ特性のばらつきを低減できる。
【0047】
また、前記ゲート電極特性決定部は、前記ゲート電極の特性として、前記ゲート電極材料の膜種、膜質又は膜厚を決定してもよい。
【0048】
また、ゲート電極特性決定部は、前記第1工程において前記トランジスタの閾値電圧が変動した方向と逆方向に、前記第2工程において前記閾値電圧を変動させる仕事関数を有する前記ゲート電極の特性を決定してもよい。
【0049】
この構成によれば、本発明に係る製造制御装置は、装置間及びLot間のトランジスタの閾値電圧のばらつきを低減できる。
【0050】
また、前記第2工程では、前記第1ゲート電極が除去された領域に、前記トランジスタのゲート絶縁膜となる高誘電体膜を形成し、形成された当該高誘電体膜の上に前記ゲート電極材料を埋め込み、前記ゲート電極特性決定部は、前記ゲート電極の特性として、前記高誘電体膜の膜種、膜質又は膜厚を決定してもよい。
【0051】
なお、本発明は、このような製造制御装置として実現できるだけでなく、製造制御装置に含まれる特徴的な手段をステップとする製造制御方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0052】
さらに、本発明は、このような製造制御装置の機能の一部又は全てを実現する半導体集積回路(LSI)として実現したり、このような製造制御装置を含む製造システムとして実現したり、このような製造制御方法を含む半導体装置の製造方法として実現できる。
【発明の効果】
【0053】
以上より、本発明は、より膜厚変動を抑制することにより、トランジスタ特性のばらつきを低減できる製造制御装置及び製造制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1A】ウェハ表面積が異なる製品の堆積膜厚を示す図である。
【図1B】ウェハ表面積と堆積膜厚との関係を示す図である。
【図2A】製品Aのみを導入した場合と製品A及び製品Bを混在させて導入した場合との堆積膜厚を示す図である。
【図2B】支持体内部に製品Aのみを導入した場合と製品A及び他製品を混合した場合との差分と、支持体内部の位置との関係を示す図である。
【図3】製品堆積レートの推移を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る製造システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る製造システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る製造制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る第1処理部による推定成膜レートの算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る第2処理部による堆積時間の算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図9A】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図9B】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図9C】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図9D】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図10A】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図10B】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図10C】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図10D】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図11A】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図11B】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図11C】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図11D】本発明の第1の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る製造制御装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る製造制御装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る製造システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4の実施形態に係る製造制御装置の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る第2処理部による堆積時間の算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図17A】本発明の第13〜37の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図17B】本発明の第13〜37の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図18A】本発明の第13〜37の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図18B】本発明の第13〜37の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図18C】本発明の第13〜37の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図19A】本発明の第13〜37の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図19B】本発明の第13〜37の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図19C】本発明の第13〜37の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図20A】本発明の第38の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図20B】本発明の第38の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図21A】本発明の第39〜第44の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図21B】本発明の第39〜第44の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図22A】本発明の第39〜第44の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図22B】本発明の第39〜第44の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図22C】本発明の第39〜第44の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図23A】本発明の第39〜第44の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図23B】本発明の第39〜第44の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図23C】本発明の第39〜第44の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図24】本発明の第39〜44の実施形態に係る製造制御装置の構成を示すブロック図である。
【図25A】本発明の第45〜第52の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図25B】本発明の第45〜第52の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図25C】本発明の第45〜第52の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図25D】本発明の第45〜第52の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図26】本発明の第45〜第52の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図27A】本発明の第53〜第58の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図27B】本発明の第53〜第58の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図27C】本発明の第53〜第58の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図28】本発明の第53〜第58の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図29A】本発明の第59〜第61の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図29B】本発明の第59〜第61の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図30】本発明の第59〜第61の実施形態に係る製造システムにより製造される半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図31A】従来の半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図31B】従来の半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図31C】従来の半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図31D】従来の半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図32A】従来の半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図32B】従来の半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図32C】従来の半導体装置の製造過程における構造を示す断面図である。
【図33】従来の半導体装置の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
発明者等は、半導体製造装置の支持体内に収容されるウェハ総枚数により成膜状況が変わってしまう以外に3点の変動要因により生じる膜厚変動が存在することを見出した。
【0056】
第1の膜厚変動として、発明者等は、処理するウェハの表面積に依存して膜厚が変動することを見出した。
【0057】
第2の膜厚変動として、発明者等は、支持体内に収容されたウェハの総表面積に依存して膜厚が変動することを見出した。
【0058】
第3の膜厚変動として、発明者等は、メンテナンスなどによる、装置パラメータが変動することにより膜厚が変動することを見出した。
【0059】
まず、図1A及び図1Bを用いて、第1の膜厚変動について説明する。
【0060】
図1Aは、ウェハ表面積が異なる2種類の製品A、及び製品Bをバッチ式のCVD成膜装置の支持体に交互に収容したうえでSiO2膜を成膜し、成膜したSiO2膜厚を測定した結果を示す図である。ここで、製品Aの表面積は、製品Bの表面積より小さい。また、X軸は支持体内部の位置(炉内位置)を示し、Y軸は製品のSiO2膜厚(堆積膜厚)を示す。
【0061】
図1Aに示すように、同一支持体に収容しているにもかかわらず製品Aに比べ、製品Bの膜厚が常に薄くなっている。また、その差は支持体位置によらずほぼ一定となっている。この差は、支持体内部の位置による影響、つまり半導体製造装置の温度分布又はガス流量の分布による影響とは考え難い。
【0062】
図1Bは、堆積膜厚をいくつかの製品のウェハ表面積に対しプロットしたグラフである。X軸は、上記製品Bのウェハ表面積で規格化した製品のウェハ表面積であり、Y軸は製品のSiO2膜厚(堆積膜厚)である。図1Bに示すように、製品上に堆積される膜厚は製品のウェハ表面積に対し良好な相関性を持っており、特に反比例していることが分かる。
【0063】
また、上記相関性は、支持体内部の位置でほぼ同等の傾向を示しているため、ウェハ表面積に依存する、一種のローディング効果により発生していると考えられる。
【0064】
次に、第2の膜厚変動について、図2A及び図2Bを用いて説明する。
【0065】
図2Aは、図1A及び図1Bで示した条件において、支持体内部に製品Aのみを投入したうえで成膜処理を行い、図1A及び図1Bの条件と重ね合わせた結果を示す図である。図2Bは、製品Aのみを投入したうえで成膜処理した場合の膜厚から、図1A及び図1Bの製品A膜厚の差分値をプロットしたグラフである。
【0066】
図2Bに示すようにBottomからTopに炉内位置が変わるにつれて、堆積膜厚差が大きくなる。ここで、評価を行ったバッチ式CVD装置がBottom側からガスを導入しているために、反応ガスはBottom側から反応して使用される。よって、Topへ向かうに連れて反応ガスの分圧の低下が生じていると考えられる。これにより、上記炉内位置に応じた堆積膜厚差の変動が生じていると考えられる。
【0067】
また、表面積が大きいほど反応ガスを多く消費するので、表面積が小さいものを導入した場合と大きいものを導入した場合とで、支持体内部の位置による堆積膜厚に差が発生する。よって、図2Bに示すように、導入された製品の表面積が変わることで堆積膜厚に差が発生すると考えられる。
【0068】
この関係は、図2Bに示すように支持体内部に導入された枚数×製品表面積の総和と高い相関がある。
【0069】
次に第3の膜厚変動について説明する。
【0070】
図3は、同一製品を同一処理枚数、及び同一装置で成膜を行った際のある期間の堆積レートの変動データを示す図である。
【0071】
図3に示すように、メンテナンスの前後で堆積レートが変動することがわかる。これは、メンテナンス毎に設備状態が変化してしまうため同一装置においても堆積レートが異なることにより、このメンテナンス前後の堆積レート変動が生じると考えられる。
【0072】
また、図3に示すように、メンテナンス間においても堆積レートが変動している箇所が存在している。これは、支持体表面に成膜した膜が累積することにより、支持体の熱容量等が変化し、これにより相対的に設備状態が変化するために、堆積レートが変動していると考えられる。
【0073】
以下、本発明に係る半導体装置の製造管理装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0074】
また、以下の実施形態は、上記第1〜第3の膜厚変動のうち少なくとも一つを考慮したうえで、半導体装置を製造する製造システムを例として説明を行う。
【0075】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る製造システムは、ウェハ表面積が大きくなるほど、堆積時間を長くする。これにより、本発明の第1の実施形態に係る製造システムは、ウェハ表面積に依存した堆積膜厚の変動(上記第1の膜厚変動)を抑制できるので、トランジスタ特性のばらつきを軽減できる。
【0076】
まず、本発明の第1の実施形態に係る製造システムの構成を説明する。
【0077】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る製造システム10の構成を示すブロック図である。
【0078】
図4に示す製造システム10は、製造制御装置20と、成膜装置30と、測定装置40とを含む。
【0079】
成膜装置30は、半導体ウェハ(以下、単に「ウェハ」とも記す。)上にCVD法を用いて絶縁膜を堆積する。例えば、成膜装置30は、LP−CVD法を用いてSiO2膜を成膜する。
【0080】
測定装置40は、ウェハ上に生成された絶縁膜の膜厚等を測定する。
【0081】
製造制御装置20は、成膜装置30を制御する制御パラメータを算出する。また、製造制御装置20は、算出した制御パラメータを用いて、成膜装置30が堆積する絶縁膜の膜厚を制御する。制御パラメータとは、具体的には、成膜装置30の成膜時における、堆積時間、温度、パワー、圧力、分圧、出力、入力、ガス流量、及び排気圧力等である。この製造制御装置20は、半導体ウェハの表面積が大きいほど、成膜装置30に絶縁膜を厚く堆積させる制御パラメータを算出する。
【0082】
例えば、製造制御装置20は、CPU等のプロセッサと、メモリとを備えるコンピュータであり、例えば、パーソナルコンピュータである。
【0083】
なお、以下において、制御パラメータが堆積時間である場合を例に説明する。
【0084】
次に、製造システム10における、全体の処理の流れを説明する。
【0085】
図5は、製造システム10の処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
図5に示すように、まず、成膜装置30は、第1Lotのウェハに絶縁膜を堆積する(S11)。次に、測定装置40は、ステップS11で堆積された絶縁膜の膜厚を測定する(S12)。
【0087】
次に、製造制御装置20は、ステップS12で測定された絶縁膜の膜厚を用いて、成膜装置30の推定成膜レートR0を算出する(S13)。ここで推定成膜レートR0とは、成膜装置30により単位時間当りに堆積される絶縁膜の膜厚である。
【0088】
次に、製造制御装置20は、算出した推定成膜レートR0を用いて、第2Lotのウェハに対する、成膜装置30による絶縁膜の堆積時間ttargetを算出する(S14)。
【0089】
次に、成膜装置30は、製造制御装置20により算出された堆積時間ttargetで絶縁膜を堆積する(S15)。
【0090】
以下、製造制御装置20の構造及び動作を詳細に説明する。
【0091】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る製造制御装置20の構成を示すブロック図である。
【0092】
図6に示す製造制御装置20は、第1処理部21と、第2処理部22とを備える。
【0093】
第1処理部21は、第1Lotのウェハの第1ウェハ表面積L0と、処理時間t0と、測定膜厚T0とを用いて、推定成膜レートR0を算出し、算出した推定成膜レートR0を第2処理部22に出力する。この第1処理部21は、第1ウェハ表面積取得部101と、第1ウェハ表面積蓄積部102と、第1変動膜厚算出部103と、処理時間取得部104と、処理時間蓄積部105と、測定膜厚取得部106と、測定膜厚蓄積部107と、推定成膜レート算出部108と、推定成膜レート蓄積部109とを備える。
【0094】
第1ウェハ表面積取得部101は、成膜装置30の支持体内部に導入された第1Lotのウェハの第1ウェハ表面積L0を成膜装置30から取得する。この第1ウェハ表面積L0は、例えば、第1Lotに含まれる複数のウェハのウェハ表面積の最大値と最小値とを平均した値である。なお、各Lotには、それぞれパターンの異なる複数種類の製品が含まれる。つまり、各Lotには、それぞれウェハ表面積が異なる複数種類のウェハが含まれる。また、本発明においてLotとは、成膜装置30の同一の支持体で同時に処理された1以上の製品を示し、所謂バッチに相当する。
【0095】
第1ウェハ表面積蓄積部102は、第1ウェハ表面積取得部101により取得された第1ウェハ表面積L0を蓄積する。
【0096】
第1変動膜厚算出部103は、第1ウェハ表面積蓄積部102に蓄積された第1ウェハ表面積L0を用いて、当該第1ウェハ表面積L0に対する第1変動膜厚TA0を算出する。ここで、第1変動膜厚TA0は、ウェハに堆積された絶縁膜の膜厚のうち、第1ウェハ表面積L0に依存して変動する膜厚に相当する。具体的には、第1変動膜厚算出部103は、第1ウェハ表面積L0に、変動膜厚依存性係数A0を乗算することにより、第1変動膜厚TA0を算出する。つまり、第1ウェハ表面積L0が大きいほど、第1変動膜厚TA0は大きくなる。
【0097】
処理時間取得部104は、第1Lotにおいて、成膜装置30が絶縁膜を堆積した期間(堆積時間)である処理時間t0を成膜装置30から取得する。
【0098】
処理時間蓄積部105は、処理時間取得部104により取得された処理時間t0を蓄積する。
【0099】
測定膜厚取得部106は、測定装置40により測定された、第1Lotで成膜装置30により成膜された絶縁膜の膜厚である測定膜厚T0を、測定装置40から取得する。
【0100】
測定膜厚蓄積部107は、測定膜厚取得部106により取得された測定膜厚T0を蓄積する。
【0101】
推定成膜レート算出部108は、測定膜厚蓄積部107に蓄積された測定膜厚T0から第1変動膜厚TA0を減算した膜厚を、処理時間t0で除算することにより推定成膜レートR0を算出する。つまり、推定成膜レートR0は、成膜装置30により堆積される絶縁膜の膜厚のうち、第1ウェハ表面積L0に依存して変動する膜厚の成分を除いた、単位時間当りに堆積される絶縁膜の膜厚である。つまり、R0=(T0−TA0)/t0である。
【0102】
推定成膜レート蓄積部109は、推定成膜レート算出部108により算出された推定成膜レートR0を蓄積する。
【0103】
第2処理部22は、第1Lotの成膜後、かつ第2Lotの成膜前である第2Lotの前工程において、第1処理部21により算出された推定成膜レートR0と、第2Lotのウェハの第2ウェハ表面積L1と、目標堆積膜厚Ttargetとを用いて、堆積時間ttargetを算出し、算出した堆積時間ttargetを成膜装置30に出力する。ここで、目標堆積膜厚Ttargetは、第2Lotにおいて成膜する絶縁膜の、目標とする膜厚である。また、堆積時間ttargetは、第2Lotで成膜装置30が絶縁膜の成膜を行う時間である。
【0104】
この第2処理部22は、第2ウェハ表面積取得部110と、第2ウェハ表面積蓄積部111と、第2変動膜厚算出部112と、目標堆積膜厚取得部113と、目標堆積膜厚蓄積部114と、推定成膜レート取得部115と、堆積時間算出部116と、堆積時間蓄積部117と、堆積時間出力部118とを備える。
【0105】
第2ウェハ表面積取得部110は、成膜装置30の支持体に次に導入する予定の第2Lotのウェハの第2ウェハ表面積L1を成膜装置30から取得する。例えば、この第2ウェハ表面積L1は、第2Lotに含まれる複数のウェハのウェハ表面積の最大値と最小値とを平均した値である。
【0106】
第2ウェハ表面積蓄積部111は、第2ウェハ表面積取得部110により取得された第2ウェハ表面積L1を蓄積する。
【0107】
第2変動膜厚算出部112は、第2ウェハ表面積蓄積部111に蓄積された第2ウェハ表面積L1を用いて、当該第2ウェハ表面積L1に対する第2変動膜厚TA1を算出する。ここで、第2変動膜厚TA1は、ウェハに堆積される絶縁膜の膜厚のうち、第2ウェハ表面積L1に依存して変動する膜厚に相当する。具体的には、第2変動膜厚算出部112は、第2ウェハ表面積L1に、変動膜厚依存性係数A0を乗算することにより、第2変動膜厚TA1を算出する。つまり、第2ウェハ表面積L1が大きいほど、第2変動膜厚TA1は大きくなる。
【0108】
目標堆積膜厚取得部113は、処理対象ウェハの目標堆積膜厚Ttargetを成膜装置30から取得する。
【0109】
目標堆積膜厚蓄積部114は、目標堆積膜厚取得部113により取得された目標堆積膜厚Ttargetを蓄積する。
【0110】
推定成膜レート取得部115は、推定成膜レート蓄積部109に蓄積される推定成膜レートR0を取得する。
【0111】
堆積時間算出部116は、第2変動膜厚算出部112により算出された第2変動膜厚TA1と、推定成膜レート取得部115により取得された推定成膜レートR0と、目標堆積膜厚蓄積部114に蓄積される目標堆積膜厚Ttargetとを用いて、第2Lotの製品ウェハに最適な堆積時間ttargetを算出する。具体的には、堆積時間算出部116は、目標堆積膜厚Ttargetに第2変動膜厚TA1を加算したうえで、推定成膜レートR0で除算することにより、堆積時間ttargetを算出する。つまり、ttarget=(Ttarget+TA1)/R0である。ここで、第2ウェハ表面積L1が大きいほど、第2変動膜厚TA1は大きい。よって、第2ウェハ表面積L1が大きいほど、堆積時間ttargetが長くなる。
【0112】
堆積時間蓄積部117は、堆積時間算出部116により算出された堆積時間ttargetを蓄積する。
【0113】
堆積時間出力部118は、堆積時間蓄積部117に蓄積される堆積時間ttargetを成膜装置30に出力する。
【0114】
なお、図6に示す製造制御装置20に含まれる各処理部の機能は、典型的には、製造制御装置20が備えるプロセッサが、メモリ(ROM、RAM、HDD、又は不揮発性メモリ等)に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、製造制御装置20に含まれる各蓄積部の機能は、製造制御装置20が備えるメモリ(RAM、HDD、又は不揮発性メモリ等)により実現される。なお、製造制御装置20に含まれる複数の処理部のうち、一部又は全てを専用の回路(ハードウェア)で実現してもよい。
【0115】
また、製造制御装置20は、第1ウェハ表面積L0、第2ウェハ表面積L1、処理時間t0及び目標堆積膜厚Ttargetは、成膜装置30以外の他の装置から取得してもよいし、ユーザの操作により製造制御装置20に入力されてもよい。また、製造制御装置20は、測定膜厚T0を、測定装置40から直接取得するのではなく、他の装置を介して取得してもよいし、ユーザの操作により測定膜厚T0が製造制御装置20に入力されてもよい。
【0116】
また、第1処理部21及び第2処理部22は、それぞれ異なる装置が備えてもよい。また、本発明に係る製造制御装置20は、第1処理部21及び第2処理部22の一方のみを含む構成としてもよい。
【0117】
次に、製造制御装置20の動作の流れを説明する。
【0118】
まず、第1処理部21による推定成膜レートR0の算出処理(図5のステップS13)の流れを説明する。
【0119】
図7は、第1処理部21による推定成膜レートR0の算出処理の流れを示すフローチャートである。
【0120】
図7に示すように、まず、第1ウェハ表面積取得部101は、第1Lotのウェハの第1ウェハ表面積L0を取得し、第1ウェハ表面積蓄積部102に蓄積する(S111)。
【0121】
次に、第1変動膜厚算出部103は、第1ウェハ表面積L0に、変動膜厚依存性係数A0を乗算することにより、第1変動膜厚TA0を算出する(S112)。
【0122】
次に、処理時間取得部104は、第1Lotにおいて、成膜装置30が絶縁膜を堆積した期間である処理時間t0を取得し、処理時間蓄積部105に蓄積する(S113)。
【0123】
次に、測定膜厚取得部106は、測定膜厚T0を測定装置40から取得し、測定膜厚蓄積部107に蓄積する(S114)。
【0124】
次に、推定成膜レート算出部108は、測定膜厚T0から第1変動膜厚TA0を減算した膜厚を、処理時間t0で除算することにより推定成膜レートR0を算出し、推定成膜レート蓄積部109に蓄積する(S115)。
【0125】
以上により、推定成膜レートR0が算出される。
【0126】
なお、図7に示すステップS111、S113及びS114の順序は任意でよい。また、ステップS112は、ステップS111の後、かつ、ステップS115の前であれば任意のタイミングで行ってよい。また、ステップS111〜S114の処理の一部を同時に行ってもよい。
【0127】
次に、第2処理部22による堆積時間ttargetの算出処理(図5のステップS14)の流れを説明する。
【0128】
図8は、第2処理部22による堆積時間ttargetの算出処理の流れを示すフローチャートである。
【0129】
図8に示すように、まず、第2ウェハ表面積取得部110は、第2Lotのウェハの第2ウェハ表面積L1を取得し、第2ウェハ表面積蓄積部111に蓄積する(S121)。
【0130】
次に、第2変動膜厚算出部112は、第2ウェハ表面積L1に、変動膜厚依存性係数A0を乗算することにより、第2変動膜厚TA1を算出する(S122)。
【0131】
次に、目標堆積膜厚取得部113は、目標堆積膜厚Ttargetを取得し、目標堆積膜厚蓄積部114に蓄積する(S123)。
【0132】
次に、推定成膜レート取得部115は、推定成膜レート蓄積部109に蓄積される推定成膜レートR0を取得する(S124)。
【0133】
次に、堆積時間算出部116は、目標堆積膜厚Ttargetに第2変動膜厚TA1を加算したうえで、推定成膜レートR0で除算することにより、堆積時間ttargetを算出し、堆積時間蓄積部117に蓄積する(S125)。
【0134】
次に、堆積時間出力部118は、堆積時間蓄積部117に蓄積される堆積時間ttargetを成膜装置30に出力する(S126)。
【0135】
以上により、第2Lotの堆積時間ttargetが成膜装置30に出力される。
【0136】
なお、図8に示すステップS121、S123及びS124の順序は任意でよい。また、ステップS122は、ステップS121の後、かつ、ステップS125の前であれば任意のタイミングで行ってよい。また、ステップS121〜S124の処理の一部を同時に行ってもよい。
【0137】
以上により、本発明の第1の実施形態に係る製造制御装置20は、第2Lotの第2ウェハ表面積L1が大きくなるほど、堆積時間ttargetを長くする。これにより、製造制御装置20は、ウェハ表面積に依存した堆積膜厚の変動(上記第1の膜厚変動)を抑制できるので、トランジスタ特性のばらつきを軽減できる。
【0138】
また、製造制御装置20は、同じ成膜装置30で、直前のLotで成膜された絶縁膜の測定膜厚T0から、推定成膜レートR0を算出する。これにより、製造制御装置20は、装置間のばらつき(上記第3の膜厚変動)を低減できる。
【0139】
なお、上記説明では、一般的な呼び方としてウェハ表面積と記載したが、製造制御装置20は、第1ウェハ表面積L0及び第2ウェハ表面積L1として、パターン面積率、パターン面積、パターン開口率、又はパターン開口面積を用いてもよい。ここで、パターン面積率とは、単位面積当たりに形成されているゲート電極パターンの面積の割合である。また、パターン面積とは、ゲート電極パターンの総面積である。また、パターン開口率とは、単位面積当たりのゲート電極パターンが形成されていない面積の割合である。また、パターン開口面積とは、ゲート電極パターンが形成されていない総面積である。また、パターン率及びパターン面積が大きいほど、ウェハ表面積は大きくなり、パターン開口率及びパターン開口面積が大きいほど、ウェハ表面積は小さくなる。
【0140】
また、製造制御装置20は、第1ウェハ表面積L0及び第2ウェハ表面積L1として、ゲート電極のパターン単位周辺長(パターン周辺長率)、又はパターン周辺長を用いてもよい。ここでパターン単位周辺長とは、単位面積当たりに形成されているゲート電極の周辺長である。また、パターン周辺長とは、ウェハ上に形成されたゲート電極パターンの周辺長の総和である。また、パターン単位周辺長及びパターン周辺長が大きいほど、ウェハ表面積は大きくなる。
【0141】
具体的には、ゲート電極パターンが形成されている場合、ウェハ表面の面積は、ゲート電極の単位周辺長×ウェハ面積(150mm×150mm×π)×ゲート電極高さ+ウェハ表面の面積(150mm×150mm×π)となる。また、ウェハ裏面の面積は、ウェハ面積(150mm×150mm×π)となる。また、ウェハ表面積は、このウェハ表面の面積と、ウェハ裏面の面積を加算した値である。
【0142】
なお、製造制御装置20は、これらのパターン面積率、パターン面積、パターン開口率、パターン開口面積、パターン単位周辺長、又はパターン周辺長から、ウェハ表面積を算出したうえで、上述した処理を行ってもよいし、これらから直接、第1変動膜厚TA0及び第2変動膜厚TA1を算出してもよい。
【0143】
また、製造制御装置20は、さらに、装置間差、及び堆積前に形成されている自然酸化膜厚などを補正した堆積時間ttargetを算出してもよい。
【0144】
つまり、製造制御装置20は、以下の式(1)を用いて、理論堆積時間ttargetを算出してもよい。
【0145】
target=(Ttarget+L1×A0+B)/[(T0−L0×A0+B)/t0]+C
・・・式(1)
【0146】
上記式(1)において、補正値Bは、例えば、装置間差などを補正するための係数であり、補正値Cは、例えば、堆積前に形成されている自然酸化膜厚などを補正するための係数である。
【0147】
また、上記説明では、製造制御装置20は、堆積膜厚を予測しているが、堆積膜厚では無く成膜レートの変動を予測したうえで、補正してもよい。具体的には、製造制御装置20は、上述した堆積膜厚の変動依存性係数A0の代わりに、成膜レートの変動依存性係数A1を算出する。次に、製造制御装置20は、当該変動依存性係数A1を用いて、レート変動を予測したうえで、レート変動分を補正した予測レートRAを算出する。例えば、RA=A1×L1である。次に、製造制御装置20は、目標堆積膜厚Ttargetを予測レートで除算することにより、堆積時間ttargetを算出すればよい。つまり、ttarget=Ttarget/(R0+RA)となる。
【0148】
次に、製造システム10により製造される半導体装置の製造例を説明する。この半導体装置は、トランジスタを含む。また、この半導体装置は、成膜装置30を含む半導体製造装置により製造される。
【0149】
図9A〜図11Dは、製造システム10により製造される半導体装置の製造行程を示す断面図である。図中の左側にn−ch MISトランジスタ(以下、nMISトランジスタ)の断面構造を模式的に示し、右側にp−ch MISトランジスタ(以下、pMISトランジスタ)の断面構造を模式的に示す。
【0150】
まず、図9Aに示す断面構造において、シリコン基板1104上にnMISトランジスタ形成領域1001とpMISトランジスタ形成領域1002とを区画するトレンチ型の素子分離絶縁膜1103を形成する。
【0151】
その後、シリコン基板1104上の全面に、例えばシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜1102とポリシリコン膜とを順次形成する。次に、当該ポリシリコン膜を、ドライエッチング方法等を用いてパターニングすることによって、nMISトランジスタのゲート電極1100及びpMISトランジスタのゲート電極1105を形成する。
【0152】
次に、図9Bに示す工程において、CVD法を用いて、シリコン基板1104上の全面にシリコン酸化膜からなる第1の側壁用絶縁膜1101を堆積する。これにより、nMISトランジスタのゲート電極1100、pMISトランジスタのゲート電極1105を含むnMISトランジスタ形成領域1001とpMISトランジスタ形成領域1002との全体が第1の側壁用絶縁膜1101によって覆われる。
【0153】
次に、図9Cに示す工程においてCF4/Arガス等のフルオロカーボンガスなどを用いて第1の側壁用絶縁膜1101を異方性ドライエッチングする。これにより、選択的にゲート電極1100及び1105の側面に第1の側壁絶縁膜1106を形成する。このときCF4/Arガスを用いてドライエッチングした場合、第1の側壁用絶縁膜1101に対するエッチングレートが遅いため、エッチング制御性を向上できる。
【0154】
次に図9Dに示す工程において、nMISトランジスタ形成領域1001上に開口を有し、かつpMISトランジスタ形成領域1002上を覆うレジストマスク1110を形成する。その後、ゲート電極1100、第1の側壁絶縁膜1106及びレジストマスク1110をマスクとして用いて、n型不純物である砒素(As+)イオン1111を、注入エネルギーが約1.0keV〜5keV、ドーズ量が5×1013〜5×1015/cm2の条件でイオン注入する。これにより、nMISトランジスタ形成領域1001にn型エクステンション領域1112が形成される。
【0155】
次に図10Aに示す工程において、レジストマスク1110をアッシングすることにより除去する。なお、硫酸過酸化水素水溶液(SPM)又はアンモニア過酸化水素水溶液(APM)などを用いたウェット洗浄することによりレジストマスク1110を除去してもよい。
【0156】
次に、図10Bに示す工程において、pMISトランジスタ形成領域1002上に開口を有し、かつnMISトランジスタ形成領域1001上を覆うレジストマスク1113を形成する。
【0157】
その後、ゲート電極1105、第1の側壁絶縁膜1106及びレジストマスク1113をマスクとして用いて、p型不純物であるボロン(B+)イオン1114を、注入エネルギーが約0.3keV〜2.0keV、ドーズ量が5×1013〜5×1015/cm2の条件でイオン注入する。これにより、pMISトランジスタ形成領域1002のp型エクステンション領域1115が形成される。
【0158】
次に図10Cに示す工程において、レジストマスク1113をアッシングすることにより除去する。なお、硫酸過酸化水素水溶液(SPM)又はアンモニア過酸化水素水溶液(APM)などを用いたウェット洗浄を行うことによりレジストマスク1113を除去してもよい。
【0159】
次に図10Dに示す工程において、CVD法を用いてシリコン基板1104上の全面にシリコン窒化膜からなる第2の側壁用絶縁膜1116を堆積する。これにより、nMISトランジスタのゲート電極1100、pMISトランジスタのゲート電極1105、及び第1の側壁絶縁膜1106を含むnMISトランジスタ形成領域1001とpMISトランジスタ形成領域1002との全体が第2の側壁用絶縁膜1116によって覆われる。
【0160】
次に、図11Aに示す工程において第2の側壁用絶縁膜1116を異方性ドライエッチングすることにより、選択的にゲート電極1100、1105、及び第1の側壁絶縁膜1106の側面に第2の側壁絶縁膜1117を形成する。
【0161】
次に図11Bに示す工程において、nMISトランジスタ形成領域1001上に開口を有し、かつpMISトランジスタ形成領域1002上を覆うレジストマスク1118を形成する。その後、ゲート電極1100、第1の側壁絶縁膜1106、第2の側壁絶縁膜1117及びレジストマスク1118をマスクとして用いて、n型不純物である砒素(As+)イオン1119を、注入エネルギーが約5keV〜30keV、ドーズ量が1×1014〜1×1016/cm2の条件でイオン注入する。これにより、nMISトランジスタ形成領域1001にn型ソース・ドレイン領域1120が形成される。
【0162】
次に、図11Cに示す工程において、レジストマスク1118をアッシングすることにより除去する。なお、硫酸過酸化水素水溶液(SPM)、又はアンモニア過酸化水素水溶液(APM)などを用いたウェット洗浄を行うことによりレジストマスク1118を除去してもよい。次に、pMISトランジスタ形成領域1002上に開口を有し、かつnMISトランジスタ形成領域1001上を覆うレジストマスク1121を形成する。
【0163】
その後、ゲート電極1105、第1の側壁絶縁膜1106、第2の側壁絶縁膜1117及びレジストマスク1121をマスクとして用いて、p型不純物であるボロン(B+)イオン1122を、注入エネルギーが約5keV〜20keV、ドーズ量が1×1014〜1×1016/cm2の条件でイオン注入する。これにより、pMISトランジスタ形成領域1002のp型ソース・ドレイン領域1123が形成される。
【0164】
次に図11Dに示す工程において、レジストマスク1121をアッシングすることにより除去する。なお、硫酸過酸化水素水溶液(SPM)、又はアンモニア過酸化水素水溶液(APM)などを用いたウェット洗浄を行うことによりレジストマスク1118を除去する。
【0165】
以上により、トランジスタ特性を決定する注入工程が行われたトランジスタ構造が形成される。
【0166】
この後、層間絶縁膜形成工程、コンタクト形成工程、配線形成工程、及びPAD形成工程を経て製品(半導体装置)が完成する。
【0167】
上述した製造制御装置20は、例えば、上記工程における第2の側壁用絶縁膜1116の堆積時間ttargetを算出する。なお、製造制御装置20は、上記工程における第1の側壁用絶縁膜1101の堆積時間ttargetを算出してもよい。
【0168】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る製造制御装置20Aは、各Lotに投入される複数のウェハの総表面積が大きいほど、堆積時間を長くする。これにより、本発明の第2の実施形態に係る製造制御装置20Aは、ウェハの総表面積に依存した堆積膜厚の変動(上記第2の膜厚変動)を抑制できるので、トランジスタ特性のばらつきを軽減できる。
【0169】
なお、上述した第1の実施形態と同様の内容の説明は省略し、以下では相違点のみを説明する。
【0170】
図12は、本発明の第2の実施形態に係る製造制御装置20Aの構成を示すブロック図である。なお、図6と同様の要素には同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。この製造制御装置20Aは、第1処理部21Aと、第2処理部22Aとを備える。
【0171】
第1処理部21Aは、第1の実施形態に係る第1処理部21の構成に加え、さらに、第1ウェハ枚数取得部221と、第1ウェハ枚数蓄積部222と、第1総表面積算出部223とを備える。また、第1ウェハ表面積取得部201、第1ウェハ表面積蓄積部202及び第1変動膜厚算出部203の構成が第1の実施形態と異なる。
【0172】
第1ウェハ表面積取得部201は、成膜装置30の支持体内部に導入された第1Lotのウェハに含まれる複数種の製品のそれぞれの第1ウェハ表面積L0n(n=0〜製品種数−1)を成膜装置30から取得する。
【0173】
第1ウェハ表面積蓄積部202は、第1ウェハ表面積取得部201により取得された第1ウェハ表面積L0nを蓄積する。
【0174】
第1ウェハ枚数取得部221は、第1Lotの複数種の製品それぞれの第1ウェハ枚数N0n(n=0〜製品種数−1)を取得する。
【0175】
第1ウェハ枚数蓄積部222は、第1ウェハ枚数取得部221により取得された第1ウェハ枚数N0nを蓄積する。
【0176】
第1総表面積算出部223は、第1ウェハ表面積蓄積部202に蓄積された第1ウェハ表面積L0nと、第1ウェハ枚数蓄積部222に蓄積された第1ウェハ枚数N0nとを用いて、支持体内部に導入された複数のウェハの表面積の総和である第1総表面積Lt0を算出する。具体的には、第1総表面積算出部223は、製品ごとに、第1ウェハ表面積L0nと第1ウェハ枚数N0nとの積を算出し、算出した製品ごとの積を加算することにより、第1総表面積Lt0を算出する。つまり、Lt0=Σ(L0n×N0n)である。
【0177】
第1変動膜厚算出部203は、第1総表面積算出部223により算出された第1総表面積Lt0を用いて、当該第1総表面積Lt0に対する第1変動膜厚TA0を算出する。ここで、第1変動膜厚TA0は、具体的には、第1変動膜厚算出部203は、第1総表面積Lt0に、変動膜厚依存性係数D0を乗算することにより、第1変動膜厚TA0を算出する。つまり、第1総表面積Lt0が大きいほど、第1変動膜厚TA0は厚くなる。
【0178】
第2処理部22Aは、第1の実施形態に係る第2処理部22の構成に加え、さらに、第2ウェハ枚数取得部224と、第2ウェハ枚数蓄積部225と、第2総表面積算出部226とを備える。また、第2ウェハ表面積取得部210、第2ウェハ表面積蓄積部211及び第2変動膜厚算出部212の構成が第1の実施形態と異なる。
【0179】
第2ウェハ表面積取得部210は、成膜装置30の支持体内部に導入された第2Lotのウェハに含まれる複数種の製品のそれぞれの第2ウェハ表面積L1n(n=0〜製品種数−1)を成膜装置30から取得する。
【0180】
第2ウェハ表面積蓄積部211は、第2ウェハ表面積取得部210により取得された第2ウェハ表面積L1nを蓄積する。
【0181】
第2ウェハ枚数取得部224は、第2Lotの複数種の製品それぞれの第2ウェハ枚数N1n(n=0〜製品種数−1)を取得する。
【0182】
第2ウェハ枚数蓄積部225は、第2ウェハ枚数取得部224により取得された第2ウェハ枚数N1nを蓄積する。
【0183】
第2総表面積算出部226は、第2ウェハ表面積蓄積部211に蓄積された第2ウェハ表面積L1nと、第2ウェハ枚数蓄積部225に蓄積された第2ウェハ枚数N1nとを用いて、支持体内部に導入された複数のウェハの表面積の総和である第2総表面積Lt1を算出する。具体的には、第2総表面積算出部226は、製品ごとに、第2ウェハ表面積L1nと第2ウェハ枚数N1nとの積を算出し、算出した製品ごとの積を加算することにより、第2総表面積Lt1を算出する。つまり、Lt1=Σ(L1n×N1n)である。
【0184】
第2変動膜厚算出部212は、第2総表面積算出部226により算出された第2総表面積Lt1を用いて、当該第2総表面積Lt1に対する第2変動膜厚TA1を算出する。ここで、第2変動膜厚TA1は、具体的には、第2変動膜厚算出部212は、第2総表面積Lt1に、変動膜厚依存性係数D0を乗算することにより、第2変動膜厚TA1を算出する。つまり、第2総表面積Lt1が大きいほど、第2変動膜厚TA1は厚くなる。
【0185】
以上の構成により、製造制御装置20Aは、以下の式(2)を用いて、理論堆積時間ttargetを算出する。
【0186】
target=(Ttarget+L00×N00×D0+L01×N01×D0+・・・+L0n×N0n×D0+E)/[(T0−L10×N10×D0+L11×N11×D0+・・・+L1n×N1n×D0+E)/t0]+F ・・・式(2)
【0187】
上記式(2)において、補正値Eは、例えば、装置間差などを補正するための係数であり、補正値Fは、例えば、堆積前に形成されている自然酸化膜厚などを補正するための係数である。
【0188】
また、上述した第1の実施形態と同様に、製造制御装置20Aを変形してもよい。
【0189】
以上により、本発明の第2の実施形態に係る製造制御装置20Aは、第2Lotのウェハの第2総表面積Lt1が大きくなるほど、堆積時間ttargetを長くする。これにより、製造制御装置20は、ウェハの総表面積に依存した堆積膜厚の変動(上記第2の膜厚変動)を抑制できるので、トランジスタ特性のばらつきを軽減できる。
【0190】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る製造制御装置20Bは、第1の実施形態に係る製造制御装置20の変形例である。第3の実施形態に係る製造制御装置20Bは、ウェハ表面積が大きくなるほど、成膜装置30が絶縁膜を厚く堆積するような、成膜装置30の制御パラメータを算出する。これにより、本発明の第3の実施形態に係る製造制御装置20Bは、ウェハ表面積に依存した堆積膜厚の変動(上記第1の膜厚変動)を抑制できるので、トランジスタ特性のばらつきを軽減できる。
【0191】
なお、上述した第1の実施形態と同様の内容の説明は省略し、以下では相違点のみを説明する。
【0192】
図13は、本発明の第3の実施形態に係る製造制御装置20Bの構成を示すブロック図である。なお、図6と同様の要素には同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。この製造制御装置20Bは、第2処理部22Bの構成が第1の実施形態と異なる。具体的には、第2処理部22Bは、堆積時間算出部116、堆積時間蓄積部117及び堆積時間出力部118の代わりに、パラメータ算出部216、パラメータ蓄積部217及びパラメータ出力部218を備える。
【0193】
第2処理部22Bは、第1Lotの成膜後、かつ第2Lotの成膜前である第2Lotの前工程において、第1処理部21により算出された推定成膜レートR0と、第2Lotのウェハの第2ウェハ表面積L1と、目標堆積膜厚Ttargetとを用いて、制御パラメータPtargetを算出し、算出した制御パラメータPtargetを成膜装置30に出力する。
【0194】
パラメータ算出部216は、第2変動膜厚算出部112により算出された第2変動膜厚TA1と、推定成膜レート取得部115により取得された推定成膜レートR0と、目標堆積膜厚蓄積部114に蓄積される目標堆積膜厚Ttargetとを用いて、第2Lotの製品ウェハに最適な制御パラメータPtargetを算出する。具体的には、パラメータ算出部216は、目標堆積膜厚Ttargetに対して第2変動膜厚TA1を補完するような制御パラメータPtargetを算出する。つまり、パラメータ算出部216は、第2変動膜厚TA1が大きいほど、成膜装置30が絶縁膜を厚く堆積するような制御パラメータPtargetを算出する。言い換えると、パラメータ算出部216は、第2ウェハ表面積L1が大きいほど、成膜装置30が絶縁膜を厚く堆積するような制御パラメータPtargetを算出する。
【0195】
ここで制御パラメータPtargetは、成膜装置30の成膜時における、温度、パワー、圧力、分圧、出力、入力、ガス流量、及び排気圧力等を制御するパラメータである。
【0196】
パラメータ蓄積部217は、パラメータ算出部216により算出された制御パラメータPtargetを蓄積する。
【0197】
パラメータ出力部218は、パラメータ蓄積部217に蓄積される制御パラメータPtargetを成膜装置30に出力する。
【0198】
以上により、本発明の第3の実施形態に係る製造制御装置20Bは、第2Lotの第2ウェハ表面積L1が大きくなるほど、成膜装置30が絶縁膜を厚く堆積するような、成膜装置30の制御パラメータPtargetを算出する。これにより、本発明の第3の実施形態に係る製造制御装置20Bは、ウェハ表面積に依存した堆積膜厚の変動(上記第1の膜厚変動)を抑制できるので、トランジスタ特性のばらつきを軽減できる。
【0199】
なお、上述した第2の実施形態に係る製造制御装置20Aに対して、同様の変形例を適用してもよい。
【0200】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る製造制御装置20Cは、第1の実施形態に係る製造制御装置20の変形例である。第4の実施形態に係る製造制御装置20Cは、製造制御装置20の機能に加え、さらに、第2Lotの前工程で生成されたゲート電極寸法に応じて、目標堆積膜厚Ttargetを補正する。これにより、本発明の第4の実施形態に係る製造制御装置20Cは、装置間及びLot間のトランジスタ特性のばらつき(上記第3の膜厚変動)を軽減できる。
【0201】
まず、第4の実施形態に係る製造システム10における、全体の処理の流れを説明する。
【0202】
図14は、第4の実施形態に係る製造システム10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS11〜S13の処理は、第1の実施形態と同様である。
【0203】
図14に示すように、まず、成膜装置30は、第1Lotのウェハに絶縁膜を堆積する(S11)。次に、測定装置40は、ステップS11で堆積された絶縁膜の膜厚を測定する(S12)。
【0204】
次に、製造制御装置20は、ステップS12で測定された絶縁膜の膜厚等を用いて、成膜装置30の推定成膜レートR0を算出する(S13)。
【0205】
次に、成膜装置30を含む半導体製造装置は、第2Lotの第1工程を行う(S24)。
【0206】
次に、測定装置40は、第2Lotの第1工程で生成された構造の形状を測定する(S25)。
【0207】
次に、製造制御装置20は、ステップS13で算出した推定成膜レートR0とステップS25で測定された測定値とを用いて、第2Lotの第2工程に対する、成膜装置30による絶縁膜の堆積時間ttargetを算出する(S26)。
【0208】
次に、成膜装置30は、製造制御装置20により算出された堆積時間ttargetで、第2Lotの第2工程の絶縁膜を堆積する(S27)。
【0209】
次に、本発明の第4の実施形態に係る製造制御装置20Cの構成を説明する。
【0210】
図15は、本発明の第4の実施形態に係る製造制御装置20Cの構成を示すブロック図である。なお、図6と同様の要素には同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。この製造制御装置20Cは、第2処理部22Cの構成が第1の実施形態と異なる。具体的には、第2処理部22Cは、さらに、測定値取得部231と、測定値蓄積部232と、目標堆積膜厚補正部233とを備える。
【0211】
測定値取得部231は、測定装置40により測定された、第2Lotの第1工程終了後のウェハ上に形成された構造の形状を示す測定値234を、測定装置40から取得する。
【0212】
測定値蓄積部232は、測定値取得部231により取得された測定値234を蓄積する。
【0213】
目標堆積膜厚補正部233は、目標堆積膜厚蓄積部114に蓄積される目標堆積膜厚Ttargetを、測定値蓄積部232に蓄積される測定値234に応じて、第1工程においてトランジスタの特性が変動した方向と逆方向にトランジスタの特性を変動させるように補正することにより、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を生成する。
【0214】
堆積時間算出部116は、第2変動膜厚算出部112により算出された第2変動膜厚TA1と、推定成膜レート取得部115により取得された推定成膜レートR0と、目標堆積膜厚補正部233により生成された補正後目標堆積膜厚Ttarget2とを用いて、第2Lotの第2工程に最適な堆積時間ttargetを算出する。具体的には、堆積時間算出部116は、補正後目標堆積膜厚Ttarget2に第2変動膜厚TA1を加算したうえで、推定成膜レートR0で除算することにより、堆積時間ttargetを算出する。つまり、ttarget=(Ttarget2+TA1)/R0である。
【0215】
具体的には、上記第1工程は、図9Aに示す構造までを形成する工程であり、第2工程は、図9Bに示す第1の側壁用絶縁膜1101を形成する工程である。また、測定値234は、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124、及びpMISトランジスタのゲート電極寸法1125である。また、目標堆積膜厚Ttarget及び堆積時間ttargetは、第1の側壁用絶縁膜1101の目標堆積膜厚及び堆積時間である。
【0216】
ここで、ゲート電極寸法1124又は1125が変動することによりトランジスタのVt(閾値電圧)などのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁用絶縁膜厚1128の目標堆積膜厚Ttargetを第1工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0217】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124あるいは1125、又はその平均値とVtとの相関データと、第1の側壁用絶縁膜厚1128とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極寸法1124及び1125が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0218】
次に、第2処理部22Cによる堆積時間ttargetの算出処理(図14のステップS26)の流れを説明する。
【0219】
図16は、第2処理部22Cによる堆積時間ttargetの算出処理の流れを示すフローチャートである。
【0220】
図16に示すように、まず、第2ウェハ表面積取得部110は、第2Lotのウェハの第2ウェハ表面積L1を取得し、第2ウェハ表面積蓄積部111に蓄積する(S121)。
【0221】
次に、第2変動膜厚算出部112は、第2ウェハ表面積L1に、変動膜厚依存性係数A0を乗算することにより、第2変動膜厚TA1を算出する(S122)。
【0222】
次に、目標堆積膜厚取得部113は、目標堆積膜厚Ttargetを取得し、目標堆積膜厚蓄積部114に蓄積する(S123)。
【0223】
次に、測定値取得部231は、測定装置40により測定された、第2Lotの第1工程終了後のウェハ上に形成された構造の形状を示す測定値234を取得し、測定値蓄積部232に蓄積する(S227)。
【0224】
次に、目標堆積膜厚補正部233は、目標堆積膜厚Ttargetを、測定値234に応じて、第1工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に補正することにより、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を生成する(S228)。
【0225】
次に、推定成膜レート取得部115は、推定成膜レート蓄積部109に蓄積される推定成膜レートR0を取得する(S124)。
【0226】
次に、堆積時間算出部116は、補正後目標堆積膜厚Ttarget2に第2変動膜厚TA1を加算したうえで、推定成膜レートR0で除算することにより、堆積時間ttargetを算出し、堆積時間蓄積部117に蓄積する(S125)。
【0227】
次に、堆積時間出力部118は、堆積時間蓄積部117に蓄積される堆積時間ttargetを成膜装置30に出力する(S126)。
【0228】
以上により、第2Lotの第2工程の堆積時間ttargetが成膜装置30に出力される。
【0229】
なお、図16に示すステップS121、S123、S227及びS124の順序は任意でよい。また、ステップS122は、ステップS121の後、かつ、ステップS125の前であれば任意のタイミングで行ってよい。また、ステップS228は、ステップS123及びS227の後、かつ、ステップS125の前であれば任意のタイミングで行ってよい。また、ステップS121〜S124の処理の一部を同時に行ってもよい。
【0230】
以上より、本発明の第4の実施形態に係る製造制御装置20Cは、第2Lotの第1工程で生成されたゲート電極寸法に応じて、第1工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に目標堆積膜厚Ttargetを補正する。これにより、本発明の第4の実施形態に係る製造制御装置20Cは、装置間及びLot間の装置間及びLot間のトランジスタ特性のばらつき(上記第3の膜厚変動)を軽減できる。
【0231】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る製造制御装置は、第4の実施形態に係る製造制御装置20Cの変形例である。なお、第5〜第12の実施形態に係る製造制御装置20Cの構成は、図15に示す構成と同様である。
【0232】
本発明の第5の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極角度1126、及びpMISトランジスタのゲート電極角度1127に応じて、図9Bに示す第1の側壁用絶縁膜厚1128の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0233】
ここで、ゲート電極角度1126及び1127が低テーパー角度化される(より90度に近づく)と、第1の側壁用絶縁膜1101を異方性エッチングすることにより形成される第1の側壁絶縁膜1106の第1の側壁絶縁膜幅1131及び1132は細くなる。これによりトランジスタのVtが変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極角度1126及び1127が低角度化された場合には、第1の側壁用絶縁膜厚1128の目標堆積膜厚Ttargetを前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0234】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極角度1126あるいは1127、又はその平均値とVtとの相関データと、第1の側壁用絶縁膜厚1128とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極角度1126及び1127が大きい(テーパー角が小さい)ほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を小さくする。
【0235】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る製造制御装置20Cは、第4の実施形態に係る製造制御装置20Cの変形例である。
【0236】
本発明の第6の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124、及びpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0237】
ここで、ゲート電極寸法1124及び1125が変動するとトランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0238】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124あるいは1125、又はその平均値とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極寸法1124及び1125が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0239】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る製造制御装置20Cは、第4の実施形態に係る製造制御装置20Cの変形例である。
【0240】
本発明の第7の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極角度1126、及びpMISトランジスタのゲート電極角度1127に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0241】
ここで、ゲート電極角度1126及び1127が低テーパー角度化されると、第2の側壁用絶縁膜1116を異方性エッチングすることにより形成される第2の側壁絶縁膜1117の第2の側壁絶縁膜幅1140及び1141は細くなる。これによりトランジスタのVtが変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極角度1126及び1127が低角度化された場合には、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0242】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極角度1126あるいは1127、又はその平均値とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極角度1126及び1127が大きい(テーパー角が小さい)ほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を小さくする。
【0243】
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係る製造制御装置20Cは、第4の実施形態に係る製造制御装置20Cの変形例である。
【0244】
本発明の第8の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1129、及びpMISトランジスタのゲート電極寸法1130に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。ここで、ゲート電極寸法1129は、nMISトランジスタのゲート電極1100と第1の側壁絶縁膜1106とを含むゲート電極の寸法であり、ゲート電極寸法1124と第1の側壁絶縁膜幅1131との和である。また、ゲート電極寸法1130は、pMISトランジスタのゲート電極1105と第1の側壁絶縁膜1106とを含むゲート電極の寸法であり、ゲート電極寸法1125と第1の側壁絶縁膜幅1132との和である。
【0245】
ここで、ゲート電極寸法1129及び1130が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0246】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1129あるいは1130、又はその平均値とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極寸法1129及び1130が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0247】
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態に係る製造制御装置20Cは、第4の実施形態に係る製造制御装置20Cの変形例である。
【0248】
本発明の第9の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜幅1131、及びpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜幅1132に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0249】
ここで、第1の側壁絶縁膜幅1131及び1132が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0250】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜幅1131あるいは1132、又はその平均値とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜幅1131及び1132が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0251】
(第10の実施形態)
本発明の第10の実施形態に係る製造制御装置20Cは、第4の実施形態に係る製造制御装置20Cの変形例である。
【0252】
本発明の第10の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1133、及びpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1134に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0253】
ここで、第1の側壁絶縁膜角度1133及び1134が低テーパー角度化された場合、第2の側壁用絶縁膜1116を異方性エッチングすることにより形成される第2の側壁絶縁膜1117の第2の側壁絶縁膜幅1140及び1141は細くなる。これによりトランジスタのVtが変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜角度1133及び1134が低角度化された場合には、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0254】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜角度1133あるいは1134、又はその平均値とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜角度1133及び1134が大きいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を小さくする。
【0255】
(第11の実施形態)
本発明の第11の実施形態に係る製造制御装置20Cは、第4の実施形態に係る製造制御装置20Cの変形例である。
【0256】
本発明の第11の実施形態に係る製造制御装置20Cは、nMISトランジスタのn型エクステンション領域1112を形成した後、アッシング又は洗浄処理を経た、図10Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1136に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。ここで、ゲート電極寸法1136は、pMISトランジスタのゲート電極1105と第1の側壁絶縁膜1106とを含むゲート電極の寸法であり、ゲート電極寸法1125と第1の側壁絶縁膜幅1132との和である。
【0257】
ここで、pMISトランジスタのゲート電極寸法1136が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0258】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1136とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とpMISトランジスタのVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極寸法1136が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0259】
(第12の実施形態)
本発明の第12の実施形態に係る製造制御装置20Cは、第4の実施形態に係る製造制御装置20Cの変形例である。
【0260】
本発明の第12の実施形態に係る製造制御装置20Cは、nMISトランジスタのn型エクステンション領域1112を形成した後、アッシング又は洗浄処理を経た、図10Aに示すpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1137に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0261】
ここで、pMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1137が低テーパー角度化された場合、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0262】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜角度1137とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とpMISトランジスタのVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜角度1137が大きいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を小さくする。
【0263】
以上より、上記第4〜第12の実施形態に係る製造制御装置20Cは、前工程の寸法、傾き、及び膜厚データに応じて、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に目標堆積膜厚Ttargetを変更する。これにより、上記第4〜第12の実施形態に係る製造制御装置20Cは、処理毎、及び製品毎のトランジスタ特性ばらつき(第3の膜厚変動)を低減できる。
【0264】
なお、上記説明では、第4〜第12の実施形態に係る製造制御装置20Cが、それぞれ一つの測定値234に基づき、一つの絶縁膜の膜厚の目標堆積膜厚Ttargetを補正する例を述べたが、上述した2類以上の測定値234に基づき、一つの絶縁膜の膜厚の目標堆積膜厚Ttargetを補正してもよいし、2以上の絶縁膜の膜厚の目標堆積膜厚Ttargetを補正してもよい。つまり、製造制御装置20Cは、ゲート電極寸法1124、1125、1129、1130、1136、ゲート電極角度1126、1127、第1の側壁絶縁膜幅1131、1132、第1の側壁絶縁膜角度1133、1134及び1137のうち2以上に基づき、第1の側壁用絶縁膜厚1128及び第2の側壁用絶縁膜厚1135のうち一つ以上を補正してもよい。
【0265】
(第13の実施形態)
以下の第13〜第37の実施形態では、第4の実施形態に係る製造制御装置20Cの変形例について説明する。
【0266】
また、第13〜第37の実施形態では、上述した第1〜第12の実施形態と異なる工程で半導体装置を製造する場合について説明する。
【0267】
まず、第13〜第37の実施形態における、半導体装置の製造方法を説明する。
【0268】
図17A〜図19Cは、第13〜第37の実施形態において、製造システム10により製造される半導体装置の製造行程を示す断面図である。なお、図9A〜図11Dと同様の要素には同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0269】
第13〜第37の実施形態において、製造される半導体装置は、さらに、第3の側壁用絶縁膜1216と、コンタクトエッチストップレイヤー1226とを備える。
【0270】
第3の側壁用絶縁膜1216は、第1の側壁絶縁膜1106と第2の側壁絶縁膜1117との間に形成される。
【0271】
コンタクトエッチストップレイヤー1226は、ゲート電極1100及び1105上に形成される絶縁膜である。このコンタクトエッチストップレイヤー1226は、トランジスタの駆動能力の向上のためにチャネル部にストレスを加える機能を持つ。
【0272】
なお、レジストマスク1113を除去する工程(図9A〜図10C)までは、第1〜第12の実施形態と同様であり説明は省略する。
【0273】
レジストマスク1113を除去した後、図17Aに示す工程において、CVD法を用いて基板上の全面にシリコン酸化膜からなる第3の側壁用絶縁膜1216を堆積する。
【0274】
次に、図17Bに示す工程において、CVD法を用いて基板上の全面にシリコン窒化膜からなる第2の側壁用絶縁膜1116を形成する。これにより、nMISトランジスタのゲート電極1100、pMISトランジスタのゲート電極1105、第1の側壁絶縁膜1106を含むnMISトランジスタ形成領域1001とpMISトランジスタ形成領域1002との全体が第3の側壁用絶縁膜1216及び第2の側壁用絶縁膜1116によって覆われる。
【0275】
次に、図18Aに示す工程において、第3の側壁用絶縁膜1216を異方性ドライエッチングする。その際、第2の側壁用絶縁膜1116をエッチストップとして用いて、シリコン基板1104の基板ダメージを抑制する。その後、第2の側壁用絶縁膜1116を異方性ドライエッチングすることにより、選択的にゲート電極1100、1105、第1の側壁絶縁膜1106の側面上に第3の側壁絶縁膜1218を形成するとともに、第3の側壁絶縁膜1218の側面及び上面に第2の側壁絶縁膜1117を形成する。
【0276】
次に、図18Bに示す工程において、nMISトランジスタ形成領域1001上に開口を有し、かつpMISトランジスタ形成領域1002上を覆うレジストマスク1118を形成する。その後、ゲート電極1100、第1の側壁絶縁膜1106、第3の側壁絶縁膜1218、第2の側壁絶縁膜1117及びレジストマスク1118をマスクとして用いて、n型不純物である砒素(As+)イオン1119を、注入エネルギーが約5keV〜30keV、ドーズ量が1×1014〜1×1016/cm2の条件でイオン注入する。これにより、nMISトランジスタ形成領域1001にn型ソース・ドレイン領域1120を形成する。
【0277】
次に、図18Cに示す工程において、レジストマスク1118をアッシングすることにより除去する。なお、硫酸過酸化水素水溶液(SPM)、又はアンモニア過酸化水素水溶液(APM)などを用いたウェット洗浄を行うことによりレジストマスク1118を除去してもよい。
【0278】
次に、図19Aに示す工程において、pMISトランジスタ形成領域1002上に開口を有し、かつnMISトランジスタ形成領域1001上を覆うレジストマスク1121を形成する。
【0279】
その後、ゲート電極1105、第1の側壁絶縁膜1106、第3の側壁絶縁膜1218、第2の側壁絶縁膜1117及びレジストマスク1121をマスクとして用いて、p型不純物であるボロン(B+)イオン1122を、注入エネルギーが約5keV〜20keV、ドーズ量が1×1014〜1×1016/cm2の条件でイオン注入する。これにより、pMISトランジスタ形成領域1002のp型ソース・ドレイン領域1123を形成する。
【0280】
次に図19Bに示す工程において、レジストマスク1121をアッシングすることにより除去する。なお、硫酸過酸化水素水溶液(SPM)、又はアンモニア過酸化水素水溶液(APM)などを用いたウェット洗浄を行うことによりレジストマスク1121を除去してもよい。
【0281】
次に図19Cに示す工程において、トランジスタの駆動能力の向上のためチャネル部にストレスを加える機能を持つコンタクトエッチストップレイヤー1226(絶縁膜)を、CVD法を用いて堆積する。
【0282】
以上により、トランジスタ特性を決定する注入工程が行われたトランジスタ構造が形成される。
【0283】
この後、層間絶縁膜形成工程、コンタクト形成工程、配線形成工程、及びPAD形成工程を経て製品(半導体装置)が完成する。
【0284】
以下、この半導体装置の成膜を制御する第13の実施形態に係る製造制御装置20Cについて説明する。なお、第13〜第37の実施形態に係る製造制御装置20Cの構成は、図15に示す構成と同様である。
【0285】
本発明の第13の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124、pMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、図17Bに示す第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0286】
ここで、ゲート電極寸法1124及び1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0287】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124あるいは1125、又はその平均値とVtとの相関データと、第3の側壁用絶縁膜厚1239とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極寸法1124及び1125が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0288】
(第14の実施形態)
本発明の第14の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極角度1126、及びpMISトランジスタのゲート電極角度1127に応じて、図17Bに示す第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0289】
ここで、ゲート電極角度1126及び1127が低テーパー角度化されると、第3の側壁用絶縁膜1216、及び第2の側壁用絶縁膜1116を異方性エッチングすることにより形成される第3の側壁絶縁膜1218及び第2の側壁絶縁膜1117の側壁絶縁膜幅1243及び1244は細くなる。これによりトランジスタのVtが変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極角度1126及び1127が低角度化された場合には、第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0290】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極角度1126あるいは1127、又はその平均値とVtとの相関データと、第3の側壁用絶縁膜厚1239とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極角度1126及び1127が大きい(テーパー角が小さい)ほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を小さくする。
【0291】
(第15の実施形態)
本発明の第15の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1129、及びpMISトランジスタのゲート電極寸法1130に応じて、図17Bに示す第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0292】
ここで、ゲート電極寸法1129及び1130が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0293】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1129あるいは1130、又はその平均値とVtとの相関データと、第3の側壁用絶縁膜厚1239とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極寸法1129及び1130が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0294】
(第16の実施形態)
本発明の第16の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜幅1131、及びpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜幅1132に応じて、図17Bに示す第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0295】
ここで、第1の側壁絶縁膜幅1131及び1132が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0296】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜幅1131あるいは1132、又はその平均値とVtとの相関データと、第3の側壁用絶縁膜厚1239とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜幅1131及び1132が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0297】
(第17の実施形態)
本発明の第17の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1133、及びpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1134に応じて、図17Bに示す第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0298】
ここで、第1の側壁絶縁膜角度1133及び1134が低テーパー角度化されると、第3の側壁用絶縁膜1216、及び第2の側壁用絶縁膜1116を異方性エッチングすることにより形成される第3の側壁絶縁膜1218及び第2の側壁絶縁膜1117の側壁絶縁膜幅1243及び1244は細くなる。これによりトランジスタのVtが変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜角度1133及び1134が低角度化された場合には、第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0299】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜角度1133あるいは1134、又はその平均値とVtとの相関データと、第3の側壁用絶縁膜厚1239とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜角度1133及び1134が大きいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を小さくする。
【0300】
(第18の実施形態)
本発明の第18の実施形態に係る製造制御装置20Cは、nMISトランジスタのn型エクステンション領域1112を形成した後、アッシング又は洗浄処理を経た、図10Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1136に応じて、図17Bに示す第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0301】
ここで、pMISトランジスタのゲート電極寸法1136が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0302】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、pMISの第1の側壁絶縁膜1106を含むゲート電極寸法1136とVtとの相関データと、第3の側壁用絶縁膜厚1239とpMISトランジスタのVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極寸法1136が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0303】
(第19の実施形態)
本発明の第19の実施形態に係る製造制御装置20Cは、nMISトランジスタのn型エクステンション領域1112を形成した後、アッシング又は洗浄処理を経た、図10Aに示すpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1137に応じて、図17Bに示す第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0304】
ここで、pMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1137が低テーパー角度となると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第3の側壁用絶縁膜厚1239の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0305】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜角度1137とVtとの相関データと、第3の側壁用絶縁膜厚1239とpMISトランジスタのVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜角度1137が大きいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を小さくする。
【0306】
(第20の実施形態)
本発明の第20の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124、及びpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0307】
ここで、ゲート電極寸法1124及び1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0308】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124あるいは1125、又はその平均値とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極寸法1124及び1125が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0309】
(第21の実施形態)
本発明の第21の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極角度1126、及びpMISトランジスタのゲート電極角度1127に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0310】
ここで、ゲート電極角度1126及び1127が低テーパー角度化されると、第3の側壁用絶縁膜1216、及び第2の側壁用絶縁膜1116を異方性エッチングすることにより形成される第3の側壁絶縁膜1218及び第2の側壁絶縁膜1117の側壁絶縁膜幅1243及び1244は細くなる。これによりトランジスタのVtが変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極角度1126及び1127が低角度化された場合には、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0311】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極角度1126あるいは1127、又はその平均値とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極角度1126及び1127が大きいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を小さくする。
【0312】
(第22の実施形態)
本発明の第22の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1129、及びpMISトランジスタのゲート電極寸法1130に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0313】
ここで、ゲート電極寸法1129及び1130が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0314】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1129あるいは1130、又はその平均値とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極寸法1129及び1130が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0315】
(第23の実施形態)
本発明の第23の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜幅1131、及びpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜幅1132に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0316】
ここで、第1の側壁絶縁膜幅1131及び1132が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0317】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜幅1131あるいは1132、又はその平均値とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜幅1131及び1132が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0318】
(第24の実施形態)
本発明の第24の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1133、及びpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1134に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0319】
ここで、第1の側壁絶縁膜角度1133及び1134が低テーパー角度化されると、第3の側壁用絶縁膜1216及び第2の側壁用絶縁膜1116を異方性エッチングすることにより形成される第3の側壁絶縁膜1218及び第2の側壁絶縁膜1117の側壁絶縁膜幅1243及び1244は細くなる。これによりトランジスタのVtが変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜角度1133及び1134が低角度化された場合には、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0320】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜角度1133あるいは1134、又はその平均値とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜角度1133及び1134が大きいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を小さくする。
【0321】
(第25の実施形態)
本発明の第25の実施形態に係る製造制御装置20Cは、nMISトランジスタのn型エクステンション領域1112を形成した後、アッシング又は洗浄処理を経た、図10Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1136に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0322】
ここで、pMISトランジスタのゲート電極寸法1136が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0323】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、pMISの第1の側壁絶縁膜1106を含むゲート電極寸法1136とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とpMISトランジスタのVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極寸法1136が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0324】
(第26の実施形態)
本発明の第26の実施形態に係る製造制御装置20Cは、nMISトランジスタのn型エクステンション領域1112を形成した後、アッシング又は洗浄処理を経た、図10Aに示すpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1137に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0325】
ここで、pMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1137が低テーパー角度となると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0326】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜角度1137とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とpMISトランジスタのVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜角度1137が大きいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を小さくする。
【0327】
(第27の実施形態)
本発明の第27の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図17Bに示す第3の側壁用絶縁膜厚1239に応じて、図10Dに示す第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0328】
ここで、第3の側壁用絶縁膜厚1239が薄くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第2の側壁用絶縁膜厚1135の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0329】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第3の側壁用絶縁膜厚1239とVtとの相関データと、第2の側壁用絶縁膜厚1135とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、第3の側壁用絶縁膜厚1239が小さいほど、補正後目標堆積膜厚Ttarget2を大きくする。
【0330】
(第28の実施形態)
本発明の第28の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124、及びpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、コンタクトエッチストップレイヤー1226の堆積膜厚であるコンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0331】
ここで、ゲート電極寸法1124及び1125が細くなると、トランジスタの駆動能力などのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、コンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することで駆動能力などのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0332】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124あるいは1125、又はその平均値と駆動能力との相関データとコンタクトエッチストップ膜厚1245と駆動能力の相関データを用いて算出する。
【0333】
ここで、コンタクトエッチストップレイヤー1226により生じる内部応力の方向(圧縮応力、又は引っ張り応力)と、nMISトランジスタであるかpMISトランジスタであるかに応じて、駆動能力に与える効果がそれぞれ反転する。具体的には、目標堆積膜厚補正部233は、駆動能力が低下した場合、nMISトランジスタに対しては、チャネル部に引っ張り応力が強くなる(圧縮応力が弱くなる)ようにコンタクトエッチストップ膜厚1245を変更する。さらに、コンタクトエッチストップレイヤー1226がチャネル部に圧縮応力を与えるのであれば、目標堆積膜厚補正部233は、コンタクトエッチストップ膜厚1245を薄くする。
【0334】
(第29の実施形態)
本発明の第29の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極角度1126、及びpMISトランジスタのゲート電極角度1127に応じて、図19Cに示すコンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0335】
ここで、ゲート電極角度1126及び1127が低テーパー角度化されると、第3の側壁用絶縁膜1216、コンタクトエッチストップレイヤー1226を異方性エッチングすることにより形成される第3の側壁絶縁膜1218及び第2の側壁絶縁膜1117の側壁絶縁膜幅1243及び1244は細くなる。これによりトランジスタの駆動能力が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、ゲート電極角度1126及び1127が低角度化された場合には、コンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することで駆動能力などのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0336】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極角度1126あるいは1127、又はその平均値と駆動能力との相関データと、コンタクトエッチストップ膜厚1245と駆動能力との相関データとを用いて算出する。
【0337】
(第30の実施形態)
本発明の第30の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1129、及びpMISトランジスタのゲート電極寸法1130に応じて、図19Cに示すコンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0338】
ここで、ゲート電極寸法1129及び1130が細くなると、トランジスタの駆動能力などのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、コンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することで駆動能力などのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0339】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1129あるいは1130、又はその平均値と駆動能力との相関データと、コンタクトエッチストップ膜厚1245と駆動能力との相関データから算出する。
【0340】
(第31の実施形態)
本発明の第31の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜幅1131、及びpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜幅1132に応じて、図19Cに示すコンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0341】
ここで、第1の側壁絶縁膜幅1131及び1132が細くなると、トランジスタの駆動能力などのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、コンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することで駆動能力などのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0342】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜幅1131あるいは1132、又はその平均値と駆動能力との相関データと、コンタクトエッチストップ膜厚1245と駆動能力との相関データとを用いて算出する。
【0343】
(第32の実施形態)
本発明の第32の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図9Cに示すnMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1133、及びpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1134に応じて、図19Cに示すコンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0344】
ここで、第1の側壁絶縁膜角度1133及び1134が低テーパー角度化されると、第3の側壁用絶縁膜1216、及び第2の側壁用絶縁膜1116を異方性エッチングすることにより形成される第3の側壁絶縁膜1218及び第2の側壁絶縁膜1117の側壁絶縁膜幅1243及び1244は細くなる。これによりトランジスタの駆動能力が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、第1の側壁絶縁膜角度1133及び1134が低角度化された場合には、コンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することで駆動能力などのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0345】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜角度1133あるいは1134、又はその平均値と駆動能力との相関データと、コンタクトエッチストップ膜厚1245と駆動能力との相関データとを用いて算出する。
【0346】
(第33の実施形態)
本発明の第33の実施形態に係る製造制御装置20Cは、nMISトランジスタのn型エクステンション領域1112を形成した後、アッシング又は洗浄処理を経た、図10Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1136に応じて、図19Cに示すコンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0347】
ここで、pMISトランジスタのゲート電極寸法1136が細くなると、トランジスタの駆動能力などのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、コンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することで駆動能力などのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0348】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、pMISの第1の側壁絶縁膜1106を含むゲート電極寸法1136と駆動能力との相関データと、コンタクトエッチストップ膜厚1245とpMISトランジスタの駆動能力との相関データとを用いて算出する。
【0349】
(第34の実施形態)
本発明の第34の実施形態に係る製造制御装置20Cは、nMISトランジスタのn型エクステンション領域1112を形成した後、アッシング又は洗浄処理を経た、図10Aに示すpMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1137に応じて、図19Cに示すコンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0350】
ここで、pMISトランジスタの第1の側壁絶縁膜角度1137が低テーパー角度となると、トランジスタの駆動能力などのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、コンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することで駆動能力などのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0351】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第1の側壁絶縁膜角度1137と駆動能力との相関データと、コンタクトエッチストップ膜厚1245とpMISトランジスタの駆動能力との相関データとを用いて算出する。
【0352】
(第35の実施形態)
本発明の第35の実施形態に係る製造制御装置20Cは、図17Bに示す第3の側壁用絶縁膜厚1239に応じて、図19Cに示すコンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0353】
ここで、第3の側壁用絶縁膜厚1239が薄くなると、トランジスタの駆動能力などのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、コンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することで駆動能力などのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0354】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、第3の側壁用絶縁膜厚1239と駆動能力との相関データと、コンタクトエッチストップ膜厚1245と駆動能力との相関データとを用いて算出する。
【0355】
(第36の実施形態)
本発明の第36の実施形態に係る製造制御装置20Cは、第1の側壁絶縁膜1106、第3の側壁絶縁膜1218及び第2の側壁絶縁膜1117を含む、図18Aに示すゲート電極寸法1241及び1242に応じて、図19Cに示すコンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0356】
ここで、ゲート電極寸法1241及び1242が細くなると、トランジスタの駆動能力などのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、コンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することで駆動能力などのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0357】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1241あるいは1242、又はその平均値と駆動能力との相関データと、コンタクトエッチストップ膜厚1245と駆動能力との相関データとを用いて算出する。
【0358】
(第37の実施形態)
本発明の第37の実施形態に係る製造制御装置20Cは、第3の側壁用絶縁膜1216及び第2の側壁用絶縁膜1116を含む、図18Aに示す側壁絶縁膜幅1243及び1244に応じて、図19Cに示すコンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを変更する。
【0359】
ここで、側壁絶縁膜幅1243及び1244が細くなると、トランジスタの駆動能力などのトランジスタ特性が変動する。これに対して、目標堆積膜厚補正部233は、コンタクトエッチストップ膜厚1245の目標堆積膜厚Ttargetを、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することで駆動能力などのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0360】
目標堆積膜厚補正部233は、この際の補正量を、側壁絶縁膜幅1243あるいは1244、又はその平均値と駆動能力との相関データと、コンタクトエッチストップ膜厚1245と駆動能力との相関データから算出する。
【0361】
(第38の実施形態)
第38の実施形態に係る製造制御装置20Cは、上述した第13〜第37の実施形態の変形例である。また、第38の実施形態では、上述した第13〜第37の実施形態と異なる工程で半導体装置を製造する場合について説明する。
【0362】
第38の実施形態に係る半導体装置の製造方法では、第2の側壁絶縁膜1117を除去したうえで、コンタクトエッチストップレイヤー1226を形成する。
【0363】
なお、図19Bに示す工程までは、上述した第13〜第37の実施形態と同様であり説明は省略する。
【0364】
図20A及び図20Bは、第38の実施形態において、製造システム10により製造される半導体装置の製造行程を示す断面図である。
【0365】
図19Bの工程の後、図20Aに示すように、よりトランジスタ能力を向上させるため第2の側壁絶縁膜1117をウェットエッチで除去する。
【0366】
次に、図20Bに示すように、コンタクトエッチストップレイヤー1226を形成する。
【0367】
このようなプロセスにおいても、前述の第13〜第37の実施形態と同様の製造制御装置20Cを実現できる。
【0368】
以上より、上記の第13〜第38の実施形態に係る製造制御装置20Cは、目標堆積膜厚Ttargetを前工程の寸法、傾き、及び膜厚データに応じて、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に目標堆積膜厚Ttargetを変更する。これにより、上記第13〜第38の実施形態に係る製造制御装置20Cは、処理毎、及び製品毎のトランジスタ特性ばらつき(第3の膜厚変動)を低減できる。
【0369】
なお、上記説明では、第13〜第38の実施形態に係る製造制御装置20Cが、それぞれ一つの測定値234に基づき、一つの絶縁膜の膜厚の目標堆積膜厚Ttargetを補正する例を述べたが、上述した2類以上の測定値234に基づき、一つの絶縁膜の膜厚の目標堆積膜厚Ttargetを補正してもよいし、2以上の絶縁膜の膜厚の目標堆積膜厚Ttargetを補正してもよい。
【0370】
(第39の実施形態)
以下の本発明の第39〜第44の実施形態では、第1の実施形態に係る製造制御装置20の変形例について説明する。
【0371】
また、第39〜第44の実施形態では、上述した第1の実施形態と異なる工程で半導体装置を製造する場合について説明する。
【0372】
まず、第39〜第44の実施形態における、半導体装置の製造方法を説明する。
【0373】
第39〜第44の実施形態に係る半導体装置の製造方法では、ポリシリコン等により形成されるゲート電極1100及び1105を除去した後、金属材料を用いてゲート電極を形成する。
【0374】
図21A〜図23Cは、第39〜第44の実施形態において、製造システム10により製造される半導体装置の製造行程を示す断面図である。なお、図9A〜図10C及び図17A〜図19Cと同様の要素には同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0375】
第39〜第44の実施形態における半導体装置の製造方法は、上述した図19Cの工程後に、さらに工程を含む。
【0376】
なお、図19Cの工程までは、第13〜第37の実施形態と同様であり説明は省略する。
【0377】
図19Cに示す工程の後、次に図21Aに示す工程において、CVD法を用いて層間絶縁膜1327を堆積する。
【0378】
次に図21Bに示す工程において、機械的化学的研磨(CMP)を行うことで平坦化を行うことにより、ポリシリコン層(ゲート電極1100及び1105)を露出させる。
【0379】
次に図22Aに示す工程において、露出したゲート電極1100及び1105を濃度の薄いアンモニア水溶液を含む薬液を用いて除去する。
【0380】
次に図22Bに示す工程において、除去部分にCVD法を用いてAl、Ta、Mo、Ti、Hf、TaN、Nb、又はTiNなどの仕事関数の低いゲート電極材料1328を埋め込む。
【0381】
次に図22Cに示す工程において、CMPを用いて余剰なゲート電極材料1328を研磨することにより、除去する。
【0382】
次に図23Aに示す工程において、pMISトランジスタ形成領域1002上に開口を有し、かつnMISトランジスタ形成領域1001上を覆うレジストマスク1329を形成する。
【0383】
その後pMISトランジスタ形成領域1002に埋め込まれたゲート電極材料1328を、ウェットエッチを行うことにより除去する。その後レジストマスク1329を、ウェット洗浄などを行うことにより除去する。
【0384】
次に図23Bに示す工程において、除去部分にCVD法を用いてRuO2、Ir、Pt、WN、Mo2N、TaN、Au、又はNiなどの仕事関数の高いゲート電極材料1330を埋め込む。
【0385】
次に図23Cに示す工程において、CMPを用いてnMISトランジスタ形成領域1001のゲート電極材料1328の表面が露出するまで余剰なゲート電極材料1330を研磨する。
【0386】
以上により、トランジスタ特性を決定する注入工程が行われたトランジスタ構造が形成される。
【0387】
この後、層間絶縁膜形成工程、コンタクト形成工程、配線形成工程、及びPAD形成工程を経て製品(半導体装置)が完成する。
【0388】
次に、本発明の第39〜44の実施形態に係る製造制御装置20Dの構成を説明する。
【0389】
本発明の第39〜44の実施形態に係る製造制御装置20Dは、ゲート電極材料1328及び1330の仕事関数を前工程の寸法、傾き、膜厚データに応じて変更することにより、処理毎、製品毎のトランジスタ特性ばらつき(第3の膜厚変動)を低減する。
【0390】
図24は、本発明の第39〜44の実施形態に係る製造制御装置20Dの構成を示すブロック図である。なお、図6と同様の要素には同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。この製造制御装置20Dは、さらに、第3処理部23を備える。
【0391】
第3処理部23は、測定値取得部241と、測定値蓄積部242と、ゲート電極特性決定部243と、ゲート電極特性蓄積部244と、ゲート電極特性出力部245とを備える。
【0392】
測定値取得部241は、測定装置40により測定された、第2Lotの第1工程終了後のウェハ上に形成された構造の形状を示す測定値251を、測定装置40から取得する。
【0393】
測定値蓄積部242は、測定値取得部241により取得された測定値251を蓄積する。
【0394】
ゲート電極特性決定部243は、測定値蓄積部242に蓄積される測定値251に応じて、ゲート電極特性252を決定する。ここで、ゲート電極特性252とは、例えば、nMISゲート電極材料1328、又はpMISゲート電極材料1330の特性であり、具体的には、膜種、膜質又は膜厚(1349又は1350)である。また、ゲート電極特性決定部243は、第2Lotの第1工程において、変動したVt等のトランジスタ特性を戻すように、ゲート電極特性252を決定する。
【0395】
ゲート電極特性蓄積部244は、ゲート電極特性決定部243により決定されたゲート電極特性252を蓄積する。
【0396】
ゲート電極特性出力部245は、ゲート電極特性蓄積部244により蓄積されるゲート電極特性252を、成膜装置30に出力する。
【0397】
また、成膜装置30は、第2Lotの第2工程において、ゲート電極特性出力部245により出力されたゲート電極特性252で、ゲート電極材料1328又は1330を生成する。
【0398】
ここでは、製造制御装置20Dが、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124(測定値251)に応じて、nMISゲート電極材料1328の膜種(ゲート電極特性252)を変更する場合について説明する。
【0399】
ここで、ゲート電極寸法1124が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、nMISゲート電極材料1328の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、nMISゲート電極材料1328の膜種を、所望の仕事関数となるように変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。例えば、ゲート電極特性決定部243は、nMISゲート電極材料1328を必要な仕事関数を持つ別の金属に変更したり、TaNのN量を変更したりする。具体的には、仕事関数を小さくすることで、Vtを小さくできる。
【0400】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124とVtとの相関データと、nMISゲート電極材料1328の膜種とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1124が小さいほど、nMISゲート電極材料1328の仕事関数を小さくする。
【0401】
(第40の実施形態)
第40の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124に応じて、nMISゲート電極材料1328の膜質を変更する。
【0402】
ここで、ゲート電極寸法1124が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、nMISゲート電極材料1328の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、nMISゲート電極材料1328の膜質(例えば、TaNの結晶構造)を所望の仕事関数となるように膜質を変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0403】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124とVtとの相関データと、nMISゲート電極材料の膜質とVtとの相関データとを用いて算出する。
【0404】
(第41の実施形態)
第41の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124に応じて、図23Cに示すnMISゲート電極材料1328の膜厚であるnMISゲート電極膜厚1349を変更する。
【0405】
ここで、ゲート電極寸法1124が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、nMISゲート電極材料1328の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、CMPの際の研磨厚を変更することにより、nMISゲート電極膜厚1349を、所望の仕事関数となるような膜厚へ変更する。これによりVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0406】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124とVtとの相関データと、nMISゲート電極膜厚1349とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1124が小さいほど、nMISゲート電極膜厚1349を薄くする。
【0407】
(第42の実施形態)
第42の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、pMISゲート電極材料1330の膜種を変更する。
【0408】
ここで、ゲート電極寸法1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、pMISゲート電極材料1330の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、pMISゲート電極材料1330の膜種を、所望の仕事関数となるように変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。例えば、ゲート電極特性決定部243は、pMISゲート電極材料1330を必要な仕事関数を持つ別の金属に変更したり、TaNのN量を変更したりする。
【0409】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1125とVtとの相関データと、pMISゲート電極材料の膜種とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1125が小さいほど、pMISゲート電極材料1330の仕事関数を小さくする。
【0410】
(第43の実施形態)
第43の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、pMISゲート電極材料1330の膜質を変更する。
【0411】
ここで、ゲート電極寸法1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、pMISゲート電極材料1330の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、pMISゲート電極材料1330の膜質(例えば、TaNの結晶構造)を、所望の仕事関数となるように変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0412】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1125とVtとの相関データと、pMISゲート電極材料の膜質とVtとの相関データとを用いて算出する。
【0413】
(第44の実施形態)
第44の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、図23Cに示すpMISゲート電極膜厚1350を変更する。
【0414】
ここで、ゲート電極寸法1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、pMISゲート電極材料1330の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、CMPの際の研磨厚を変更することにより、CMP後のpMISゲート電極膜厚1350を、所望の仕事関数となるような膜厚へ変更する。これにより、Vtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0415】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1125とVtとの相関データと、pMISゲート電極膜厚1350とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1125が小さいほど、pMISゲート電極膜厚1350を薄くする。
【0416】
なお、上記第39〜第44の実施形態では、ゲート電極寸法1124又は1125に応じて、ゲート電極材料1328、1330の膜種、膜質又は膜厚(1349又は1350)を補正する場合を説明したが、nMISゲート電極角度1126、pMISゲート電極角度1127、第1の側壁用絶縁膜厚1128、nMISゲート電極寸法1129、pMISゲート電極寸法1130、nMIS第1の側壁絶縁膜角度1133、pMIS第1の側壁絶縁膜角度1134、nMISゲート電極の第1の側壁絶縁膜幅1131、pMISゲート電極の第1の側壁絶縁膜幅1132、第3の側壁用絶縁膜厚1239、第2の側壁用絶縁膜厚1135、nMISゲート電極寸法1241、pMISゲート電極寸法1242、nMIS側壁絶縁膜幅1243、pMIS側壁絶縁膜幅1244、又はコンタクトエッチストップ膜厚1245に応じて、ゲート電極材料1328、1330の膜種、膜質又は膜厚(1349又は1350)を補正してもよい。
【0417】
また、製造制御装置20Cは、上述した2類以上の測定値234に基づき、一つの絶縁膜の膜厚の目標堆積膜厚Ttargetを補正してもよいし、2以上の絶縁膜の膜厚の目標堆積膜厚Ttargetを補正してもよい。
【0418】
以上のように上記第39〜第44の実施形態に係る製造制御装置20Dは、ゲート電極材料1328及び1330の仕事関数を前工程の寸法、傾き、膜厚データに応じて変更することにより、処理毎、製品毎のトランジスタ特性ばらつき(第3の膜厚変動)を低減できる。
【0419】
なお、ここでは、第1の実施形態に係る製造制御装置20が、さらに、第3処理部23を備える例を説明したが、他の実施形態に係る製造制御装置20A〜20Cが、さらに、第3処理部23を備えてもよい。
【0420】
また、製造制御装置20Dは、第1処理部21及び第2処理部22を備えず、第3処理部23のみを備えてもよい。
【0421】
(第45の実施形態)
以下、本発明の第45〜第52の実施形態では、第39〜第44の実施形態に係る製造制御装置20Dの変形例について説明する。
【0422】
また、第45〜第52の実施形態では、上述した第39〜第44の実施形態と異なる工程で半導体装置を製造する場合について説明する。
【0423】
まず、第45〜第52の実施形態における、半導体装置の製造方法を説明する。
【0424】
第45〜第52の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、ゲート電極1100及び1105に加え、ゲート絶縁膜1102を除去したうえで、ゲート絶縁膜となる高誘電体膜1401を形成し、その後、ゲート電極材料1328及び1330を埋め込む。
【0425】
なお、図22Aまでの処理は、第39〜第44の実施形態と同様であり、説明は省略する。
【0426】
図25A〜図26は、第45〜第52の実施形態において、製造システム10により製造される半導体装置の製造行程を示す断面図である。
【0427】
図22Aの工程後、図25Aに示す工程において、下地のゲート絶縁膜1102を、ウェットエッチを行うことにより除去する。
【0428】
次に図25Bに示す工程において、除去部分にCVD法を用いてHfを含む絶縁膜などの高誘電体膜1401を堆積する。その後CVD法を用いてAl、Ta、Mo、Ti、Hf、TaN、Nb、又はTiNなどの仕事関数の低いゲート電極材料1328を埋め込む。
【0429】
続いて、CMPを用いて余剰のゲート電極材料1328及び高誘電体膜1401を研磨することにより除去する。
【0430】
次に図25Cに示す工程において、pMISトランジスタ形成領域1002に開口を有し、かつnMISトランジスタ形成領域1001上を覆うレジストマスク1329を形成する。その後pMISトランジスタ形成領域1002に埋め込まれたゲート電極材料1328を、ウェットエッチを行うことにより除去する。その後レジストマスク1329を、ウェット洗浄などを行うことにより除去する。
【0431】
次に図25Dに示す工程において、除去部分にCVD法を用いてRuO2、Ir、Pt、WN、Mo2N、TaN、Au、又はNiなどの仕事関数の高いゲート電極材料1330を埋め込む。
【0432】
次に図26に示す工程において、CMPを用いてnMISトランジスタ形成領域1001のゲート電極材料1330の表面が露出するまで余剰なゲート電極材料1330を研磨することにより、pMISゲート電極を形成する。
【0433】
以上により、トランジスタ特性を決定する注入工程が行われたトランジスタ構造が形成される。
【0434】
この後、層間絶縁膜形成工程、コンタクト形成工程、配線形成工程、及びPAD形成工程を経て製品(半導体装置)が完成する。
【0435】
以下、この半導体装置の製造を制御する第45の実施形態に係る製造制御装置20Dについて説明する。なお、第45〜第52の実施形態に係る製造制御装置20Dの構成は、図24に示す構成と同様である。
【0436】
第45の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124に応じて、nMISゲート絶縁膜となる高誘電体膜1401の膜種を変更する。
【0437】
ここで、ゲート電極寸法1124が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、高誘電体膜1401の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、高誘電体膜1401の膜種を、所望の仕事関数となるように変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。例えば、ゲート電極特性決定部243は、高誘電体膜1401が必要な仕事関数を持つようHfとSiとの組成を変更する、又は添加物を加えるなどを行う。
【0438】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124とVtとの相関データと、高誘電体膜1401の膜種とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1124が小さいほど、高誘電体膜1401の仕事関数を小さくする。
【0439】
(第46の実施形態)
第46の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124に応じて、高誘電体膜1401の膜質を変更する。
【0440】
ここで、ゲート電極寸法1124が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、高誘電体膜1401の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、高誘電体膜1401の膜質(例えば、HfO2の結晶構造)を、所望の仕事関数となるように変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0441】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124とVtとの相関データと、高誘電体膜1401の膜質とVtとの相関データとを用いて算出する。
【0442】
(第47の実施形態)
第47の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124に応じて、図25Aに示す高誘電体膜厚1405を変更する。
【0443】
ここで、ゲート電極寸法1124が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1408を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、CVD法を用いて堆積される高誘電体膜1401の堆積膜厚量を変更することにより、所望のゲート電極寸法1408となるように高誘電体膜厚1405を変更する。これにより、Vtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0444】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124とVtとの相関データと、高誘電体膜厚1405とnMISゲート電極寸法1408とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1124が小さいほど、高誘電体膜厚1405を小さくする。
【0445】
(第48の実施形態)
第48の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124に応じて、図26に示すnMISゲート電極膜厚1349を変更する。
【0446】
ここで、ゲート電極寸法1124が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、nMISゲート電極膜厚1349を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、CMPの際の研磨厚を変更することにより、所望のnMISゲート電極膜厚1349となるようにnMISゲート電極膜厚1349を変更する。これにより、Vtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0447】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124とVtとの相関データと、nMISゲート電極膜厚1349とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1124が小さいほど、nMISゲート電極膜厚1349を薄くする。
【0448】
(第49の実施形態)
第49の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、高誘電体膜1401の膜種を変更する。
【0449】
ここで、ゲート電極寸法1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、高誘電体膜1401の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、高誘電体膜1401の膜種を、所望の仕事関数となるように変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。例えば、ゲート電極特性決定部243は、高誘電体膜1401が必要な仕事関数を持つようHfとSiとの組成を変更する、又は添加物を加えるなどを行う。
【0450】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1125とVtとの相関データと、高誘電体膜1401の膜種とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1125が小さいほど、高誘電体膜1401の仕事関数を小さくする。
【0451】
(第50の実施形態)
第50の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、高誘電体膜1401の膜質を変更する。
【0452】
ここで、ゲート電極寸法1124が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、高誘電体膜1401の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、高誘電体膜1401の膜質(例えば、HfO2の結晶構造)を、所望の仕事関数となるように変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0453】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1125とVtとの相関データと、高誘電体膜1401の膜種とVtとの相関データとを用いて算出する。
【0454】
(第51の実施形態)
第51の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、高誘電体膜厚1405を変更する。
【0455】
ここで、ゲート電極寸法1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1409を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、CVD法に堆積される高誘電体膜1401の堆積膜厚量を変更することにより、所望のゲート電極寸法1409となるように高誘電体膜厚1405を変更する。これにより、Vtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0456】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1125とVtとの相関データと、高誘電体膜厚1405とpMISゲート電極寸法1409とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1125が小さいほど、高誘電体膜厚1405を小さくする。
【0457】
(第52の実施形態)
第52の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、図26に示すpMISゲート電極膜厚1350を変更する。
【0458】
ここで、ゲート電極寸法1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、pMISゲート電極膜厚1350を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、CMPの際の研磨厚を変更することにより、所望のゲート電極膜厚1350となるようにゲート電極膜厚1350を変更する。これにより、Vtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0459】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1125とVtとの相関データと、pMISゲート電極膜厚1350とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1125が小さいほど、pMISゲート電極膜厚1350を薄くする。
【0460】
なお、上記第45〜第52の実施形態では、ゲート電極寸法1124又は1125に応じて、高誘電体膜1401の膜種、膜質、高誘電体膜厚1405、ゲート電極膜厚1349又は1350を補正する場合を説明したが、nMISゲート電極角度1126、pMISゲート電極角度1127、第1の側壁用絶縁膜厚1128、nMISゲート電極寸法1129、pMISゲート電極寸法1130、nMIS第1の側壁絶縁膜角度1133、pMIS第1の側壁絶縁膜角度1134、nMISゲート電極の第1の側壁絶縁膜幅1131、pMISゲート電極の第1の側壁絶縁膜幅1132、第3の側壁用絶縁膜厚1239、第2の側壁用絶縁膜厚1135、nMISゲート電極寸法1241、pMISゲート電極寸法1242、nMIS側壁絶縁膜幅1243、pMIS側壁絶縁膜幅1244、又はコンタクトエッチストップ膜厚1245に応じて、高誘電体膜1401の膜種、膜質、高誘電体膜厚1405、ゲート電極膜厚1349又は1350を補正してもよい。
【0461】
また、製造制御装置20Dは、上述した2類以上の測定値251に基づき、高誘電体膜1401の膜種、膜質、高誘電体膜厚1405、ゲート電極膜厚1349及び1350のうち1以上を補正してもよい。
【0462】
以上のように上記第45〜第52の実施形態に係る製造制御装置20Dは、高誘電体膜1401の膜種、膜質、高誘電体膜厚1405、ゲート電極膜厚1349又は1350を、前工程の寸法、傾き、又は膜厚データに応じて変更することにより、処理毎、製品毎のトランジスタ特性ばらつき(第3の膜厚変動)を低減できる。
【0463】
(第53の実施形態)
以下の本発明の第53〜第58の実施形態では、第45〜第52の実施形態に係る製造制御装置20Dの変形例について説明する。
【0464】
また、第53〜第58の実施形態では、上述した第45〜第52の実施形態と異なる工程で半導体装置を製造する場合について説明する。
【0465】
第53〜第58の実施形態に係る半導体装置は、2層の金属材料が積層されたゲート電極構造を有する。
【0466】
図27A〜図28は、第53〜第58の実施形態において、製造システム10により製造される半導体装置の製造行程を示す断面図である。
【0467】
なお、図25Aの工程までは、第45〜第52の実施形態と同様であり説明は省略する。
【0468】
図25Aの工程の後、次に図27Aに示す工程において、除去部分にCVD法を用いてHfを含む絶縁膜などの高誘電体膜1401を堆積する。その後CVD法を用いてLa、Mo、Al、Ta、Mo、Ti、Hf、TaN、Nb、又はTiNなどの仕事関数の低い第1のゲート電極材料1501を埋め込む。
【0469】
その後、さらに第1のゲート電極材料1501の上部に、CVD法を用いてLa、Mo、Al、Ta、Mo、Ti、Hf、TaN、Nb、又はTiNなどの仕事関数の低い第2のゲート電極材料1502を埋め込む。
【0470】
続いて、CMPを用いて余剰の高誘電体膜1401、第1のゲート電極材料1501及び第2のゲート電極材料1502を研磨することにより除去する。
【0471】
次に図27Bに示す工程において、pMISトランジスタ形成領域1002に開口を有し、かつ、nMISトランジスタ形成領域1001上を覆うレジストマスク1329を形成する。その後pMISトランジスタ形成領域1002に埋め込まれた第1のゲート電極材料1501及び第2のゲート電極材料1502を、ウェットエッチを行うことにより除去し、その後レジストマスク1329を、ウェット洗浄などを行うことにより除去する。
【0472】
次に図27Cに示す工程において、除去部分にCVD法を用いてRuO2、Ir、Pt、WN、Mo2N、TaN、Au、Ni、又はAl23などの仕事関数の高い第3のゲート電極材料1504を埋め込む。続いて、RuO2、Ir、Pt、WN、Mo2N、TaN、Au、Ni、又はTiNなどを含む仕事関数の高い第4のゲート電極材料1505を埋め込む。
【0473】
次に図28に示す工程において、CMPを用いてnMISトランジスタ形成領域1001の第1のゲート電極材料1501及び第2のゲート電極材料1502の表面が露出するまで余剰な第3のゲート電極材料1504及び第4のゲート電極材料1505を研磨することによりpMISゲート電極を形成する。
【0474】
以上により、トランジスタ特性を決定する注入工程が行われたトランジスタ構造が形成される。
【0475】
この後、層間絶縁膜形成工程、コンタクト形成工程、配線形成工程、及びPAD形成工程を経て製品(半導体装置)が完成する。
【0476】
以下、この半導体装置の製造を制御する第53の実施形態に係る製造制御装置20Dについて説明する。なお、第53〜第58の実施形態に係る製造制御装置20Dの構成は、図24に示す構成と同様である。
【0477】
第53の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124に応じて、第1のゲート電極材料1501の膜種を変更する。
【0478】
ここで、ゲート電極寸法1124が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、第1のゲート電極材料1501の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、第1のゲート電極材料1501の膜種を、所望の仕事関数となるように変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。例えば、ゲート電極特性決定部243は、第1のゲート電極材料1501として、必要な仕事関数を持つよう別金属を採用する、又は第1のゲート電極材料1501に添加物を加えるなどを行うことにより第1のゲート電極材料1501の膜種を変更する。
【0479】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124とVtとの相関データと、第1のゲート電極材料1501の膜種とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1124が小さいほど、第1のゲート電極材料1501の仕事関数を小さくする。
【0480】
(第54の実施形態)
第54の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すnMISトランジスタのゲート電極寸法1124に応じて、図27Aに示す第1のゲート電極膜厚1506を変更する。
【0481】
ここで、ゲート電極寸法1124が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、CVD法を用いて堆積される第1のゲート電極膜厚1506を前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することにより、Vtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0482】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1124とVtとの相関データと、第1のゲート電極膜厚1506とVtとの相関データとを用いて算出する。
【0483】
(第55の実施形態)
第55の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図27Aに示すnMISトランジスタの第1のゲート電極膜厚1506に応じて、第2のゲート電極材料1502の膜種を変更する。
【0484】
ここで、第1のゲート電極膜厚1506が薄くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に第2のゲート電極材料1502の膜種を変更することにより、Vtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0485】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、第1のゲート電極膜厚1506とVtとの相関データと、第2のゲート電極材料1502の膜種とVtとの相関データとを用いて算出する。
【0486】
(第56の実施形態)
第56の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、第3のゲート電極材料1504の膜種を変更する。
【0487】
ここで、ゲート電極寸法1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、第3のゲート電極材料1504の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、第3のゲート電極材料1504の膜種を、所望の仕事関数となるように変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。例えば、ゲート電極特性決定部243は、第3のゲート電極材料1504として、必要な仕事関数を持つよう別金属を採用する、又は第3のゲート電極材料1504に添加物を加えるなどを行うことにより第3のゲート電極材料1504の膜種を変更する。
【0488】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1125とVtとの相関データと、第3のゲート電極材料1504の膜種とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1125が小さいほど、第3のゲート電極材料1504の仕事関数を小さくする。
【0489】
(第57の実施形態)
第57の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、図27Cに示す第3のゲート電極膜厚1507を変更する。
【0490】
ここで、ゲート電極寸法1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、CVD法を用いて堆積される第3のゲート電極膜厚1507を前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することにより、Vtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0491】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1125とVtとの相関データと、第3のゲート電極膜厚1507とVtとの相関データとを用いて算出する。
【0492】
(第58の実施形態)
第58の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図27Cに示すpMISトランジスタの第3のゲート電極膜厚1507に応じて、第4のゲート電極材料1505の膜種を変更する。
【0493】
ここで、第3のゲート電極膜厚1507が薄くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に第4のゲート電極材料1505の膜種を変更することにより、Vtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0494】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、第3のゲート電極膜厚1507とVtとの相関データと、第4のゲート電極材料1505の膜種とVtとの相関データとを用いて算出する。
【0495】
なお、上記第53〜第58の実施形態では、ゲート電極寸法1124、1125、第1のゲート電極膜厚1506、又は第3のゲート電極膜厚1507に応じて、第1のゲート電極材料1501の膜種、第1のゲート電極膜厚1506、第2のゲート電極材料1502の膜種、第3のゲート電極材料1504の膜種、第3のゲート電極膜厚1507又は第4のゲート電極材料1505の膜種を補正しているが、nMISゲート電極角度1126、pMISゲート電極角度1127、第1の側壁用絶縁膜厚1128、nMISゲート電極寸法1129、pMISゲート電極寸法1130、nMIS第1の側壁絶縁膜角度1133、pMIS第1の側壁絶縁膜角度1134、nMISゲート電極の第1の側壁絶縁膜幅1131、pMISゲート電極の第1の側壁絶縁膜幅1132、第3の側壁用絶縁膜厚1239、第2の側壁用絶縁膜厚1135、nMISゲート電極寸法1241、pMISゲート電極寸法1242、nMIS側壁絶縁膜幅1243、pMIS側壁絶縁膜幅1244、又はコンタクトエッチストップ膜厚1245に応じて、第1のゲート電極材料1501の膜種、第1のゲート電極膜厚1506、第2のゲート電極材料1502の膜種、第3のゲート電極材料1504の膜種、第3のゲート電極膜厚1507又は第4のゲート電極材料1505の膜種を補正してもよい。
【0496】
また、製造制御装置20Dは、上述した2類以上の測定値251に基づき、第1のゲート電極材料1501の膜種、第1のゲート電極膜厚1506、第2のゲート電極材料1502の膜種、第3のゲート電極材料1504の膜種、第3のゲート電極膜厚1507及び第4のゲート電極材料1505の膜種のうち1以上を補正してもよい。
【0497】
以上のように上記第53〜第58の実施形態に係る製造制御装置20Dは、第1のゲート電極材料1501の膜種、第1のゲート電極膜厚1506、第2のゲート電極材料1502の膜種、第3のゲート電極材料1504の膜種、第3のゲート電極膜厚1507又は第4のゲート電極材料1505の膜種を、前工程の寸法、傾き、又は膜厚データに応じて変更することにより、処理毎、製品毎のトランジスタ特性ばらつき(第3の膜厚変動)を低減できる。
【0498】
(第59の実施形態)
以下の本発明の第59〜第61の実施形態では、第53〜第58の実施形態に係る製造制御装置20Dの変形例について説明する。
【0499】
また、第59〜第61の実施形態では、上述した第53〜第58の実施形態と異なる工程で半導体装置を製造する場合について説明する。
【0500】
第59〜第61の実施形態に係る半導体装置は、nMISとpMISとで異なるゲート絶縁膜を有する。
【0501】
図29A〜図30は、第59〜第61の実施形態において、製造システム10により製造される半導体装置の製造行程を示す断面図である。
【0502】
なお、図27Aの工程までは、第53〜第58の実施形態と同様であり説明は省略する。
【0503】
図27Aの工程の後、次に図29Aに示す工程において、pMISトランジスタ形成領域1002に開口を有し、かつnMISトランジスタ形成領域1001上を覆うレジストマスク1329を形成する。その後pMISトランジスタ形成領域1002に埋め込まれた高誘電体膜1401、第1のゲート電極材料1501、及び第2のゲート電極材料1502を、ウェットエッチを行うことにより除去する。その後レジストマスク1329を、ウェット洗浄などを行うことにより除去する。
【0504】
次に図29Bに示す工程において、除去部分にCVD法を用いてHfを含む絶縁膜などの高誘電体膜1604を堆積する。その後CVD法を用いてRuO2、Ir、Pt、WN、Mo2N、TaN、Au、Ni、又はAl23などの仕事関数の高い第3のゲート電極材料1504を埋め込む。
【0505】
続いて、RuO2、Ir、Pt、WN、Mo2N、TaN、Au、Ni、TiNなどを含む仕事関数の高い第4のゲート電極材料1505を埋め込む。
【0506】
次に図30に示す工程において、CMPを用いてnMISトランジスタ形成領域1001の第1のゲート電極材料1501及び第2のゲート電極材料1502の表面が露出するまで余剰な第3のゲート電極材料1504、第4のゲート電極材料1505及び高誘電体膜1604を研磨することにより、pMISゲート電極を形成する。
【0507】
以上により、トランジスタ特性を決定する注入工程が行われたトランジスタ構造が形成される。
【0508】
この後、層間絶縁膜形成工程、コンタクト形成工程、配線形成工程、及びPAD形成工程を経て製品(半導体装置)が完成する。
【0509】
以下、この半導体装置の製造を制御する第59の実施形態に係る製造制御装置20Dについて説明する。なお、第59〜第61の実施形態に係る製造制御装置20Dの構成は、図24に示す構成と同様である。
【0510】
第59の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、第3のゲート電極材料1504の膜種を変更する。
【0511】
ここで、ゲート電極寸法1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、第3のゲート電極材料1504の仕事関数を、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、第3のゲート電極材料1504の膜種を、所望の仕事関数となるように変更することでVtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。例えば、ゲート電極特性決定部243は、第3のゲート電極材料1504として、必要な仕事関数を持つよう別金属を採用する、又は第3のゲート電極材料1504に添加物を加えるなどを行うことにより第3のゲート電極材料1504の膜種を変更する。
【0512】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1125とVtとの相関データと、第3のゲート電極材料1504の膜種とVtとの相関データとを用いて算出する。具体的には、ゲート電極特性決定部243は、ゲート電極寸法1125が小さいほど、第1のゲート電極材料1501の仕事関数を小さくする。
【0513】
(第60の実施形態)
第60の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図9Aに示すpMISトランジスタのゲート電極寸法1125に応じて、図27Cに示す第3のゲート電極膜厚1507を変更する。
【0514】
ここで、ゲート電極寸法1125が細くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、CVD法を用いて堆積される第3のゲート電極膜厚1507を前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に変更することにより、Vtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0515】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、ゲート電極寸法1125とVtとの相関データと、第3のゲート電極膜厚1507とVtとの相関データとを用いて算出する。
【0516】
(第61の実施形態)
第61の実施形態に係る製造制御装置20Dは、図29Bに示すpMISトランジスタの第3のゲート電極膜厚1507に応じて、第4のゲート電極材料1505の膜種を変更する。
【0517】
ここで、第3のゲート電極膜厚1507が薄くなると、トランジスタのVtなどのトランジスタ特性が変動する。これに対して、ゲート電極特性決定部243は、前工程で変動したトランジスタ特性を戻す方向に第4のゲート電極材料1505の膜種を変更することにより、Vtなどのトランジスタ特性の変動分を補完する。
【0518】
ゲート電極特性決定部243は、この際の補正量を、第3のゲート電極膜厚1507とVtとの相関データと、第4のゲート電極材料1505の膜種とVtとの相関データとを用いて算出する。
【0519】
なお、上記第59〜第61の実施形態では、ゲート電極寸法1125、又は第3のゲート電極膜厚1507に応じて、第3のゲート電極材料1504の膜種、第3のゲート電極膜厚1507又は第4のゲート電極材料1505の膜種を補正しているが、pMISゲート電極角度1127、第1の側壁用絶縁膜厚1128、pMISゲート電極寸法1130、pMIS第1の側壁絶縁膜角度1134、pMISゲート電極の第1の側壁絶縁膜幅1132、第3の側壁用絶縁膜厚1239、第2の側壁用絶縁膜厚1135、pMISゲート電極寸法1242、pMIS側壁絶縁膜幅1244、又はコンタクトエッチストップ膜厚1245に応じて、第3のゲート電極材料1504の膜種、第3のゲート電極膜厚1507又は第4のゲート電極材料1505の膜種を補正してもよい。
【0520】
また、製造制御装置20Dは、上述した2類以上の測定値251に基づき第3のゲート電極材料1504の膜種、第3のゲート電極膜厚1507及び第4のゲート電極材料1505のうち1以上を補正してもよい。
【0521】
以上のように上記第59〜61の実施形態に係る製造制御装置20Dは、第3のゲート電極材料1504の膜種、第3のゲート電極膜厚1507又は第4のゲート電極材料1505の膜種を、前工程の寸法、傾き、又は膜厚データに応じて変更することにより、処理毎、製品毎のトランジスタ特性ばらつき(第3の膜厚変動)を低減できる。
【0522】
また、上記第1〜61の実施形態に係る製造制御装置に含まれる各処理部は典型的にはCPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。
【0523】
さらに、本発明は上記プログラムであってもよいし、上記プログラムが記録された記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0524】
なお、本発明の第1〜61の実施形態に係る製造制御装置の機能の一部又は全てを、集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。
【0525】
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0526】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0527】
また、上記図では半導体装置の各構成要素の角部及び辺を直線的に記載しているが、製造上の理由により、角部及び辺が丸みをおびたものも本発明に含まれる。
【0528】
また、上記第1〜61の実施形態に係る、製造制御装置、及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
【0529】
更に、本発明の主旨を逸脱しない限り、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0530】
本発明は、半導体製造装置を制御する製造制御装置に適用できる。また、本発明は、半導体装置を製造する製造システムに適用できる。
【符号の説明】
【0531】
10 製造システム
20、20A、20B、20C、20D 製造制御装置
21、21A 第1処理部
22、22A、22B、22C 第2処理部
30 成膜装置
40 測定装置
101、201 第1ウェハ表面積取得部
102、202 第1ウェハ表面積蓄積部
103、203 第1変動膜厚算出部
104 処理時間取得部
105 処理時間蓄積部
106 測定膜厚取得部
107 測定膜厚蓄積部
108 推定成膜レート算出部
109 推定成膜レート蓄積部
110、210 第2ウェハ表面積取得部
111、211 第2ウェハ表面積蓄積部
112、212 第2変動膜厚算出部
113 目標堆積膜厚取得部
114 目標堆積膜厚蓄積部
115 推定成膜レート取得部
116 堆積時間算出部
117 堆積時間蓄積部
118 堆積時間出力部
216 パラメータ算出部
217 パラメータ蓄積部
218 パラメータ出力部
221 第1ウェハ枚数取得部
222 第1ウェハ枚数蓄積部
223 第1総表面積算出部
224 第2ウェハ枚数取得部
225 第2ウェハ枚数蓄積部
226 第2総表面積算出部
231、241 測定値取得部
232、242 測定値蓄積部
233 目標堆積膜厚補正部
234、251 測定値
243 ゲート電極特性決定部
244 ゲート電極特性蓄積部
245 ゲート電極特性出力部
252 ゲート電極特性
301、1104 シリコン基板
302、1102 ゲート絶縁膜
303、1100、1105 ゲート電極
304、1103 素子分離絶縁膜
305 側壁用絶縁膜
306 側壁絶縁膜
307、310、1110、1113、1118、1121、1329 レジストマスク
308、311、1111、1114、1119、1122 イオン
309、1112 n型エクステンション領域
312、1115 p型エクステンション領域
1001、RTN nMISトランジスタ形成領域
1002、RTP pMISトランジスタ形成領域
1101 第1の側壁用絶縁膜
1106 第1の側壁絶縁膜
1116 第2の側壁用絶縁膜
1117 第2の側壁絶縁膜
1120 n型ソース・ドレイン領域
1123 p型ソース・ドレイン領域
1124、1125、1129、1130、1136、1241、1242、1408、1409 ゲート電極寸法
1126、1127 ゲート電極角度
1128 第1の側壁用絶縁膜厚
1131、1132 第1の側壁絶縁膜幅
1133、1134、1137 第1の側壁絶縁膜角度
1135 第2の側壁用絶縁膜厚
1140、1141 第2の側壁絶縁膜幅
1216 第3の側壁用絶縁膜
1218 第3の側壁絶縁膜
1226 コンタクトエッチストップレイヤー
1239 第3の側壁用絶縁膜厚
1243、1244 側壁絶縁膜幅
1245 コンタクトエッチストップ膜厚
1327 層間絶縁膜
1328、1330 ゲート電極材料
1349、1350 ゲート電極膜厚
1401、1604 高誘電体膜
1405 高誘電体膜厚
1501 第1のゲート電極材料
1502 第2のゲート電極材料
1504 第3のゲート電極材料
1505 第4のゲート電極材料
1506 第1のゲート電極膜厚
1507 第3のゲート電極膜厚
0、L0n 第1ウェハ表面積
1、L1n 第2ウェハ表面積
t0 第1総表面積
t1 第2総表面積
0n 第1ウェハ枚数
1n 第2ウェハ枚数
target 制御パラメータ
0 推定成膜レート
0 測定膜厚
A0 第1変動膜厚
A1 第2変動膜厚
target 目標堆積膜厚
target2 補正後目標堆積膜厚
0 処理時間
target 堆積時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体ウェハ上に絶縁膜を堆積する成膜装置を制御する制御パラメータを算出する製造制御装置であって、
前記第1半導体ウェハの第1表面積が大きいほど、前記成膜装置に前記絶縁膜を厚く堆積させる前記制御パラメータを算出する
製造制御装置。
【請求項2】
前記製造制御装置は、
前記制御パラメータとして、前記成膜装置が前記第1半導体ウェハ上に前記絶縁膜を堆積する第1堆積時間を算出する堆積時間算出部を備え、
前記堆積時間算出部は、前記第1表面積が大きいほど前記第1堆積時間が長くなるように前記第1堆積時間を算出する
請求項1記載の製造制御装置。
【請求項3】
前記製造制御装置は、さらに、
目標堆積膜厚を取得する目標堆積膜厚取得部と、
前記成膜装置により単位時間当たりに堆積される前記絶縁膜の厚さである成膜レートを取得する成膜レート取得部と、
前記第1表面積に第1係数を乗算することにより、前記成膜装置により堆積される前記絶縁膜の膜厚のうち前記第1表面積に依存する膜厚である第1変動膜厚を算出する第1変動膜厚算出部とを備え、
前記堆積時間算出部は、前記目標堆積膜厚と前記第1変動膜厚とを加算することにより第1推定膜厚を算出し、当該第1推定膜厚を前記成膜レートで除算することにより前記第1堆積時間を算出する
請求項2記載の製造制御装置。
【請求項4】
前記製造制御装置は、さらに、
第2半導体ウェハの第2表面積を取得する第2表面積取得部と、
前記成膜装置により前記第2半導体ウェハに絶縁膜が堆積された際の堆積時間である処理時間を取得する処理時間取得部と、
前記成膜装置により前記第2半導体ウェハに前記絶縁膜が堆積された際の、当該絶縁膜の膜厚である測定膜厚を取得する測定膜厚取得部と、
前記第2表面積に前記第1係数を乗算することにより、前記成膜装置により堆積される前記絶縁膜の膜厚のうち前記第2表面積に依存する膜厚である第2変動膜厚を算出する第2変動膜厚算出部と、
前記測定膜厚から前記第2変動膜厚を減算することにより第2推定膜厚を算出し、算出した当該第2推定膜厚を前記処理時間で除算することにより前記成膜レートを算出する成膜レート算出部とを備え、
前記成膜レート取得部は、前記成膜レート算出部により算出された前記成膜レートを取得する
請求項3記載の製造制御装置。
【請求項5】
前記成膜装置は、前記第1半導体ウェハを含む複数の第1半導体ウェハ上に前記絶縁膜を堆積し、
前記複数の第1半導体ウェハは、異なるパターンが形成された複数種類のウェハを含み、
前記表面積は、前記複数種類のウェハの表面積うちの最大の表面積と最小の表面積との平均値である
請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造制御装置。
【請求項6】
前記成膜装置は、前記第1半導体ウェハを含む複数の第1半導体ウェハ上に前記絶縁膜を堆積し、
前記複数の第1半導体ウェハは、異なるパターンが形成された複数種類のウェハを含み、
前記表面積は、前記複数の半導体ウェハの表面積の総和である
請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造制御装置。
【請求項7】
前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、
前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極パターンを形成する第1工程と、前記第1工程より後に前記成膜装置が前記絶縁膜を堆積する第2工程とを含み、
前記第1表面積は、前記第1工程後に、単位面積当たりに形成されている前記ゲート電極パターンの面積の割合である
請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造制御装置。
【請求項8】
前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、
前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極パターンを形成する第1工程と、前記第1工程より後に前記成膜装置が前記絶縁膜を堆積する第2工程とを含み、
前記第1表面積は、前記第1工程後に、単位面積当たりの前記ゲート電極パターンが形成されていない面積の割合である
請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造制御装置。
【請求項9】
前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、
前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極パターンを形成する第1工程と、前記第1工程より後に前記成膜装置が前記絶縁膜を堆積する第2工程とを含み、
前記第1表面積は、前記第1工程後に、単位面積当たりに形成されている前記ゲート電極パターンの周辺長である
請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造制御装置。
【請求項10】
前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、
前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極パターンを形成する第1工程と、前記第1工程より後に前記成膜装置が前記絶縁膜を堆積する第2工程とを含み、
前記第1表面積は、前記第1工程で形成された前記ゲート電極パターンの周辺長の総和である
請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造制御装置。
【請求項11】
前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、
前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極を形成する第1工程と、第1工程より後に前記成膜装置が前記ゲート電極の側壁絶縁膜に用いられる前記絶縁膜を堆積する第2工程とを含み、
前記製造制御装置は、さらに、
前記第1工程後、かつ前記第2工程前における、前記第1半導体ウェハに形成された前記トランジスタの構造の形状を示す第1測定値を取得する第1測定値取得部と、
前記第1測定値に応じて、前記第1工程において前記トランジスタの特性が変動した方向と逆方向に前記トランジスタの特性を変動させるように、前記目標堆積膜厚を補正することにより補正後目標堆積膜厚を生成する目標堆積膜厚補正部を備え、
前記堆積時間算出部は、前記目標堆積膜厚と前記第1変動膜厚とを加算することにより第1推定膜厚を算出し、当該第1推定膜厚を前記成膜レートで除算することにより前記第1堆積時間を算出する
請求項3記載の製造制御装置。
【請求項12】
前記第1測定値取得部は、前記第1測定値として、前記ゲート電極の寸法又は角度を取得し、
前記目標堆積膜厚補正部は、前記ゲート電極の寸法が小さいほど、又は、前記ゲート電極の角度が大きいほど、前記目標堆積膜厚を大きくする
請求項11記載の製造制御装置。
【請求項13】
前記第1工程では、さらに、前記ゲート電極の第1側壁絶縁膜を形成し、
前記第2工程では、前記成膜装置が、前記第1側壁絶縁膜の側面に形成される、前記ゲート電極の第2側壁絶縁膜に用いられる前記絶縁膜を堆積し、
前記第1測定値取得部は、前記第1測定値として、前記第1側壁絶縁膜の幅又は角度を取得し、
前記目標堆積膜厚補正部は、前記第1側壁絶縁膜の幅が小さいほど、又は、前記第1側壁絶縁膜が大きいほど、前記目標堆積膜厚を大きくする
請求項11記載の製造制御装置。
【請求項14】
前記目標堆積膜厚補正部は、前記第1測定値に応じて、前記第1工程において前記トランジスタの閾値電圧が変動した方向と逆方向に前記閾値電圧を変動させるように、前記目標堆積膜厚を補正する
請求項11記載の製造制御装置。
【請求項15】
前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、
前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、前記トランジスタのゲート電極を形成する第1工程と、第1工程より後に前記成膜装置が前記ゲート電極上に、前記絶縁膜としてコンタクトエッチストップレイヤーを堆積する第2工程とを含み、
前記製造制御装置は、さらに、
前記第1工程後、かつ前記第2工程前における、前記第1半導体ウェハに形成された前記トランジスタの構造の形状を示す測定値を取得する測定値取得部と、
前記第1測定値に応じて、前記第1工程において前記トランジスタの駆動能力が変動した方向と逆方向に前記駆動能力を変動させるように、前記目標堆積膜厚を補正することにより補正後目標堆積膜厚を生成する目標堆積膜厚補正部を備え、
前記堆積時間算出部は、前記目標堆積膜厚と前記第1変動膜厚とを加算することにより第1推定膜厚を算出し、当該第1推定膜厚を前記成膜レートで除算することにより前記第1堆積時間を算出する
請求項3記載の製造制御装置。
【請求項16】
前記成膜装置を含む半導体制御装置は、前記第1半導体ウェハにトランジスタを含む半導体装置を製造し、
前記半導体制御装置による前記半導体装置の製造工程は、
前記トランジスタの第1ゲート電極を形成するとともに、前記成膜装置が前記ゲート電極の側壁絶縁膜に用いられる前記絶縁膜を堆積する第1工程と、
前記第1工程より後に、前記第1ゲート電極を除去し、当該第1ゲート電極が除去された領域に、ゲート電極材料を埋め込む第2工程とを含み、
前記製造制御装置は、さらに、
前記第1工程後、かつ前記第2工程前における、前記第1半導体ウェハに形成された前記トランジスタの構造の形状を示す第2測定値を取得する第2測定値取得部と、
前記第2測定値に応じて、前記第1工程において前記トランジスタの特性が変動した方向と逆方向に、前記第2工程において前記トランジスタの特性を変動させる前記ゲート電極の特性を決定するゲート電極特性決定部とを備える
請求項1記載の製造制御装置。
【請求項17】
前記ゲート電極特性決定部は、前記ゲート電極の特性として、前記ゲート電極材料の膜種、膜質又は膜厚を決定する
請求項16記載の製造制御装置。
【請求項18】
ゲート電極特性決定部は、前記第1工程において前記トランジスタの閾値電圧が変動した方向と逆方向に、前記第2工程において前記閾値電圧を変動させる仕事関数を有する前記ゲート電極の特性を決定する
請求項17記載の製造制御装置。
【請求項19】
前記第2工程では、前記第1ゲート電極が除去された領域に、前記トランジスタのゲート絶縁膜となる高誘電体膜を形成し、形成された当該高誘電体膜の上に前記ゲート電極材料を埋め込み、
前記ゲート電極特性決定部は、前記ゲート電極の特性として、前記高誘電体膜の膜種、膜質又は膜厚を決定する
請求項16記載の製造制御装置。
【請求項20】
第1半導体ウェハ上に絶縁膜を堆積する成膜装置を制御する製造制御方法であって、
前記第1半導体ウェハの第1表面積が大きいほど、前記成膜装置に前記絶縁膜を厚く堆積させる
製造制御方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図28】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30】
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【図31A】
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【図31B】
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【図31C】
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【図31D】
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【図32A】
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【図32B】
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【図32C】
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【図33】
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【公開番号】特開2010−258105(P2010−258105A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104476(P2009−104476)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】