説明

エポキシ樹脂組成物、銅張積層板、接着剤フィルム、カバーレイ及びプリント配線板

【課題】本発明は、フレキシブルプリント配線板において、耐熱性に優れ、絶縁樹脂と銅配線との間に高い密着性を得ることができるという両特性を併せ持つプリント配線板用樹脂組成物を提供するものである。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂と、(B)エポキシ樹脂用硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)トリアジンジチオール誘導体と、(E)ゴム老化防止剤と、(F)合成ゴムと、(G)無機充填剤と、を必須成分とし、(F)合成ゴム100質量部に対し、(D)トリアジンジチオール誘導体及び(E)ゴム老化防止剤をそれぞれ0.1〜5質量部配合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着性、耐折れ強さ及び難燃性に優れるエポキシ樹脂組成物並びにそれを用いたフレキシブル銅張積層板、カバーレイ、接着剤フィルム及びプリント配線板に関し、特にフレキシブルプリント配線板に適したエポキシ樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型・軽量化、高機能化に伴い、それらの機器に使用されるプリント配線板やパッケージ・モジュール基板においてファインピッチパターン化、小型化が急速に進んでいる。さらに、世界的な環境問題、人体に対する安全性についての関心の高まりに伴って、はんだ処理での鉛無使用、非ハロゲン系難燃剤の使用など、有害性を低減し、より高い安全性を確保しようという要求が増大している。
【0003】
従って、フレキシブル配線板に用いられる絶縁材料には高耐熱でかつ高密度実装が可能であることが要求され、このため、はんだ耐熱性や銅箔引剥し強さに対する要求レベルがより厳しいものになった。
【0004】
銅配線と絶縁樹脂との間の密着性を向上させる方法としては銅と樹脂中の構成成分との間の化学的密着性がある。かかる構成成分として、分子レベルでは、公知の技術として、各種の有機化合物が提案されている。そのなかでも、チオール基を2個以上有する複素環状化合物は、銅に対する密着性を高めるものとしての報告例がいくつかなされている。
【0005】
例えば、銅との密着性に優れる化合物として、1,3,5−トリメルカプトピリジン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等の化合物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
一方、銅のマイグレーションによる汚染を防止するための銅害防止剤として、6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−フェニルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール等の化合物の使用が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。トリアジンチオール化合物は、金属とキレートを形成する作用により、金属と化学的に結合することにより、銅のマイグレーションを防止するものである。
【0007】
また、銅張積層板とカバーレイとの接着力向上のため、6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−フェニルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールの化合物の使用が提案されている。ここで、トリアジンチオール化合物は接着剤組成物としてではなく、表面処理剤として、銅張積層板の銅表面に塗布され使用されている(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平5−158240号公報
【特許文献2】特開平5−65466号公報
【特許文献3】特開平5−198123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載されている化合物は銅との密着性は優れていても絶縁樹脂中に配合されたときに樹脂との密着性が低いため、結果的に絶縁樹脂膜と銅配線との密着性を向上することができない。
【0009】
また、特許文献2及び3に記載されている化合物についても、それを単独で用いたとしても、この化合物と樹脂との密着性が低く、また、チオール基とエポキシ基の反応により、架橋密度が低下すること及び合成ゴムが酸化劣化されることにより、リフロー後の銅配線と絶縁樹脂膜との高い密着性及び耐熱性は得られない。
【0010】
そこで、本発明は、フレキシブルプリント配線板において、耐熱性に優れ、絶縁樹脂と銅配線との間に高い密着性を得ることができるという両特性を併せ持つプリント配線板用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、このような樹脂組成物を用いた、銅張積層板、カバーレイ、接着剤フィルム及びプリント配線板を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、接着剤組成物として、エポキシ樹脂をベース樹脂として用い、これに、トリアジンジチオール誘導体とゴム老化防止剤を併せて配合するという新規な組成によって、銅配線と絶縁樹脂膜との密着性、耐熱性の両特性が向上して、上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成させたものである。
【0013】
すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)エポキシ樹脂用硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)トリアジンジチオール誘導体と、(E)ゴム老化防止剤と、(F)合成ゴムと、(G)無機充填剤と、を必須成分とすることを特徴とするものであり、(F)合成ゴム100質量部に対し、(D)トリアジンジチオール誘導体及び(E)ゴム老化防止剤をそれぞれ0.1〜5質量部配合することが好ましい。
【0014】
また、本発明のフレキシブル銅張積層板は、ポリイミドフィルムと、このポリイミドフィルムの片面又は両面に本発明のエポキシ樹脂組成物を介して積層して接着した銅箔と、からなることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明のカバーレイは、ポリイミドフィルムと、このポリイミドフィルムの表面に本発明のエポキシ樹脂組成物により形成された樹脂層と、からなることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の接着剤フィルムは、本発明のエポキシ樹脂組成物をフィルム状に形成してなることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明のフレキシブルプリント配線板は、本発明の銅張積層板の銅箔に回路を形成してなることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の補強板付プリント配線板は、本発明のフレキシブルプリント配線板と、その表面に接着剤フィルムを介して接着した補強板と、からなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明のエポキシ樹脂組成物によれば、トリアジンジチオール誘導体及びゴム老化防止剤を含むことにより、高い耐熱性を有し、かつ、リフロー後も劣化することなく銅配線との高い密着性を有するものである。この高い密着性は、このエポキシ樹脂組成物中のトリアジンチオール誘導体のジチオール基が銅とキレートを形成することにより得ることができると考えられるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明のエポキシ樹脂組成物の各構成要素について説明する。
【0021】
まず、本発明に用いる(A)エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル系の変性エポキシ樹脂及びその臭素物などが挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。また、シロキサン及びリン化合物変性することによりハロゲンフリーで難燃性を付与することもできる。
【0022】
本発明に用いる(B)エポキシ樹脂用硬化剤としては、一般的なエポキシ樹脂用硬化剤が使用でき、例えば、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、ノボラック型フェノール樹脂、アミノ変性ノボラック型フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリルとその誘導体、メラミンとその誘導体、アミンイミド、ポリアミン塩、モレキュラーシーブ、アミン、酸無水物、ポリアミド、イミダゾール等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0023】
本発明に用いる(B)エポキシ樹脂用硬化剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂 100質量部に対して、(B)エポキシ樹脂用硬化剤は2〜50質量部の範囲であることが好ましい。このとき、さらに(B)エポキシ樹脂用硬化剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂と(B)エポキシ樹脂用硬化剤の当量比、すなわち、エポキシ基の数に対する、硬化剤のエポキシ基と反応する官能基(アミン基、水酸基等)の数の比が0.5〜1.5の範囲であることが特に好ましい。
【0024】
本発明に用いる(C)硬化促進剤としては、必要な場合、通常のエポキシ樹脂用の硬化促進剤として用いられる第三級アミン、2−エチル−4−イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、芳香族アミン、三フッ化ホウ素アミン錯体、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。これらの硬化促進剤は単独又は2種以上混合して用いることができる。
【0025】
本発明に用いる(C)硬化促進剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂 100質量部に対して、硬化促進剤は0.01〜5質量部の範囲であることが好ましい。
【0026】
本発明に用いる(D)トリアジンチオール誘導体としては、一般式(I)
【化1】

(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基、−NR、−NHR、−OR又は−SRで表される基である。)で表される化合物が挙げられる。この置換基Rとしては、水素原子、アルキル基又はフェニル基であることが好ましい。
【0027】
ここで、アルキル基としては、炭素原子数が1〜25、好ましくは1〜18のアルキル基が挙げられる。このようなアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、デシル基、セチル基、ステアリル基、1−メンチル基等が挙げられ、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0028】
また、アルケニル基としては、炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10のアルケニル基が挙げられる。このようなアルケニル基としては、例えば、プロパンジエニル基、イソプロペニル基、3−メチル−2−ブテニル基、アリル基、2−メチルアリル基等が挙げられ、イソプロペニル基であることが好ましい。
【0029】
また、アルキニル基としては、炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10のアルキニル基が挙げられる。このようなアルキニル基としては、例えば、プロパルギル基、1−フェニルプロパルギル基等が挙げられ、プロパルギル基であることが好ましい。
【0030】
また、アラルキル基としては、炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10のアラルキル基が挙げられる。このようなアラルキル基としては、例えば、4−フェニルブチル基等が挙げられる。
【0031】
また、アリール基としては、フェニル基(C−)、メトキシフェニル基、o−トリル基、p−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、p−フルオロフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、p−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−アセチルフェニル基、p−ヨードフェニル基、p−クロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基等が挙げられ、フェニル基であることが好ましい。
【0032】
また、−NRで表される置換アミノ基としては、置換基R及びRがそれぞれ同一又は異なって、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基又はアラルキル基であり、アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。
【0033】
ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基及びアラルキル基としては、Rと同様の基が挙げられる。ここで、アルキル基としては、Rの説明で挙げた基の他に、2−ピペリジノエチル基、フッ素置換されたフルオロアルキル基、環状のシクロアルキル基であることも好ましく、フルオロアルキル基としては、テトラフルオロエチル基等、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。また、アラルキル基としては、ベンジル基又は置換ベンジル基であることも好ましく、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基等が挙げられる。
【0034】
また、−NHRで表されるモノ置換アミノ基としては、置換基Rが、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、アニリノ基、ヒドロキシアニリノ基、p−メチルアニリノ基及びモルホリノ基から選ばれる基を示し、これらのうちでは、アルキル基が好ましい。
【0035】
ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基としては、前記Rで示した基と同様の基が例示される。ヒドロキシアニリノ基としては、o−,m−,p−ヒドロキシアニリン誘導体に由来する基が挙げられる。
【0036】
また、−ORで表される基としては、置換基Rがアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基から選ばれる基を示す。
【0037】
ここで、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基は、Rと同様の基を挙げることができ、アラルキル基としては、例えば、4−フェニルブチル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ハロゲノフェニル基等の置換フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0038】
ここで、ハロゲノフェニル基としては、例えば、p−ヨードフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジヨードフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基等が挙げられる。
【0039】
また、−SRで表される基としては、置換基Rがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基又はアリール基から選ばれる基を示す。これらの基としては、前記Rで示した置換基と同様の基を挙げることができる。
【0040】
このような前記一般式(I)で表されるジチオール化合物としては、具体的には、たとえば、s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−メチル−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−フェニル−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−アミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジへキシルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−[ビス(2−ヘキシル)アミノ]−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジエチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジシクロへキシルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジフェニルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジベンジルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジアリルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジドデシルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジブチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジメチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−フェニルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ステアリルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−エチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−へキシルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(cis−9−オクタデセニルアミノ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−シクロヘキシルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(4−アニリノ−N−イソプロピルアニリノ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−メトキシ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(1−ナフチルオキシ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(m−クロロフェノキシ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(2,4−ジメチルフェノキシ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−フェノキシ−s−トリアジン−2,4−ジチオール等が挙げられる。
【0041】
この(D)トリアジンチオール誘導体は、銅配線と樹脂層との密着性を改良するために十分となる量で用いられ、通常、(F)合成ゴム100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部の割合で用いることがより好ましい。5質量部よりも多量であると、コストが嵩み、かつ、樹脂の物性が低くなってしまい、0.01質量部よりも少量であると密着性を十分に改良することができなくなってしまう。
【0042】
次に、本発明で用いられる(E)ゴム老化防止剤は、フレキシブルプリント配線板の銅配線表面を不活性化させることにより、配線層の腐食を抑制する機能を有する公知のものであれば種々のものを制限なく用いることができる。使用にあたっては、耐熱性・耐熱変色防止性等の物性から適宜選択すればよく、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン等の芳香族アミン類、ヒドロキノン類、ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン、チオプロピオン酸誘導体、有機リン酸エステル、ヒドラジド誘導体、ジチオカルバミン酸塩とその誘導体、チオウレア誘導体、亜リン酸誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、サリチル酸誘導体、有機チオ酸、ヒドラジン誘導体、2,4−ジヒドロキシ安息香酸アニリド誘導体等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0043】
より具体的には、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジン]ドデカン二酸、4,4´−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリオクタデシルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4´−ビフェニレンジチオフォスフェート、ジ−t−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどが挙げられる。
【0044】
本発明で用いるゴム老化防止剤の配合量は、(F)合成ゴム100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部の割合で用いることがより好ましい。5.0質量部以上になると添加効果が小さくなり、材料の着色が起こったり、製品表面にブツが発生しやすくなったり、コストが嵩み、かつ、樹脂の物性が低下してしまい、0.01質量部以下になると良好な耐熱性、耐熱変色防止性が得られなくなってしまう。
【0045】
本発明に用いる(F)合成ゴムとしては、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンメチルアクリレートアクリロニトリルゴム、ブタジエンゴム、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム、ビニル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ポリビニルブチラール等が挙げられ、これらゴムは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0046】
この(F)合成ゴムの配合量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して10〜900質量部であることが好ましく、20〜150質量部であることがより好ましい。900質量部を超えると耐熱性が低下してしまい、10質量部未満になると引き剥がし強度が低下してしまう。
【0047】
本発明に用いる(G)無機充填剤は、難燃性を付与する等の補助添加剤として使用する無機充填剤であり、エポキシ樹脂組成物の接着剤としての諸特性を阻害しない範囲で添加可能である。これら充填剤には、タルク、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が含まれ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0048】
この(G)無機充填剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましく、20〜40質量部であることがより好ましい。50質量部を超えると樹脂の流動性が低下するため作業性が低下してしまい、5質量部未満になると難燃性が低下してしまう。
【0049】
以上のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、硬化促進剤、所定のトリアジンチオール、ゴム老化防止剤、合成ゴム、無機充填剤を必須成分とするが、本発明の目的に反しない限度において、また、必要に応じて、顔料、難燃剤等を添加配合することができる。
【0050】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、臭素等のハロゲンを有するエポキシ樹脂や添加型ブロム化合物で変性することにより難燃性を付与することができる。また、シロキサン及びリン化合物変性することによりハロゲンフリーで難燃性を付与することもできる。
【0051】
この場合のリン化合物としては、縮合型リン酸エステル、リン酸エステルアミド及びホスファゼン化合物が最適であり、例えば、ホスファゼン化合物としては、実質的にハロゲンを含まないもので、耐熱性、耐湿性、難燃性、耐薬品性等の観点から、融点が80℃以上であるホスファゼン化合物を好ましく使用できる。
【0052】
このようなホスファゼン化合物としては、例えば、次の一般式(II)
【化2】

(但し、式中、Xは水素原子又はハロゲンを含まない有機基であって、それらが互いに同じでも異なってもよい。mは3〜10の整数を表す。)で表されるシクロホスファゼン化合物等が挙げられる。このシクロホスファゼン化合物における置換基Xのハロゲンを含まない有機基としては、炭素数1〜15のアルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、アリル基等が挙げられる。
【0053】
以上述べた本発明のエポキシ樹脂組成物を、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の好適な有機溶剤で希釈して、ポリイミドフィルム上に塗布し、加熱乾燥し、熱ロールで銅箔を片面又は両面に張り合わせた後、加熱硬化するという通常の方法によりフレキシブル銅張積層板を製造する事ができる。
【0054】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、これをプロピレングリコールモノメチルエーテル等の好適な有機溶剤で希釈して、ポリイミドフィルム上に塗布し、加熱乾燥するという通常の方法によりカバーレイを製造する事ができる。
【0055】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、これをプロピレングリコールモノメチルエーテル等の好適な有機溶剤で希釈して、キャリアフィルム上に塗布し、加熱乾燥するという通常の方法によりエポキシ樹脂組成物をフィルム状に形成し、接着剤フィルムを製造する事ができる。
【0056】
また、本発明のフレキシブル銅張積層板に回路を形成し、必要であれば穴明けスルーホールメッキし、ついで所定箇所に穴をあけたカバーレイを重ねて加熱加圧成形するという通常の方法でフレキシブルプリント配線板を製造することができる。
【0057】
このように得られたフレキシブルプリント配線板にフィルム接着剤を介して補強板を重ね合わせ、加熱加圧するという通常の方法で補強板付きフレキシブルプリント配線板を製造することができる。このとき、加熱加圧成形は減圧環境で行うことができ、フィルム接着剤としては、本発明のフィルム接着剤を用いることが好ましい。
【0058】
また、多層プリント配線板は、本発明のフレキシブルプリント配線板にフィルム接着剤を介してフレキシブル銅張積層板又はハロゲンを含まないガラスエポキシ銅張積層板等を重ね合わせ加熱・加圧成形し、スルーホールを形成し、スルーホールメッキを行った後、所定の回路を形成するという通常の方法により製造することができる。このとき、フィルム接着剤、フレキシブル銅張積層板として、本発明のフィルム接着剤、フレキシブル銅張積層板を用いることが好ましい。
【実施例】
【0059】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。実施例及び比較例において「部」とは「質量部」を意味する。
【0060】
(実施例1)
カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム ニポール1072(日本ゼオン株式会社製、商品名;ニトリル含量27) 300質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エピコート1001(油化シェル株式会社製、商品名;エポキシ当量 470) 320質量部、シロキサン変性エポキシ樹脂 Albiflex296(Hansechemie社製、商品名;エポキシ当量 850) 147質量部、フェノールノボラック樹脂(昭和高分子株式会社製、水酸基価 106) 92質量部、フェノキシホスファゼンオリゴマー(大塚化学株式会社製、融点100℃) 300質量部、トリアジンジチオール誘導体として6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(三協化成株式会社製、商品名:ZISENT−DB) 1.5質量部、重金属不活性剤として3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール(アデカアーガス化学社製、商品名:MARK CDA−1) 1.5質量部、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(共同薬品株式会社製、商品名:スミライザーMDP−S) 1.0質量部、水酸化アルミニウム 300質量部及び2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.5質量部からなる混合物に溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)及びメチルエチルケトンを加えて固形分40質量%のエポキシ樹脂組成物Aを調整した。
【0061】
このエポキシ樹脂組成物Aを、厚さ25μmのポリイミドフィルム カプトン(東レデュポン社製、商品名)にロールコーターを用いて、乾燥後の厚さが15μmになるように塗布乾燥し、その接着剤面と圧延銅箔(35μm)の処理面とを重ね合わせて120℃のラミネートロールで圧着した後、オーブンにより100℃で3時間、130℃で3時間、160℃で3時間処理して接着剤を硬化させフレキシブル銅張積層板を得た。
【0062】
このフレキシブル銅張積層板の銅表面をソフトエッチング処理し、その銅表面にカバーレイ(ニッカン工業株式会社製、商品名:CISV)を重ね合わせ、熱プレスにより160℃、4MPaの条件で1時間加熱加圧接着し、カバーレイ付フレキシブルプリント配線板を製造した。
【0063】
(実施例2)
カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム ニポール1072(日本ゼオン株式会社製、商品名;ニトリル含量27)400質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エピコート1001(油化シェル株式会社製、商品名;エポキシ当量 470) 274質量部、シロキサン変性エポキシ樹脂 AlbiflexXP544(Hansechemle社製、商品名;エポキシ当量 750) 126質量部、フェノールノボラック樹脂(昭和高分子株式会社製、水酸基価 106) 80質量部、フェノキシホスファゼンオリゴマー(大塚化学株式会社製、融点100℃) 300質量部、トリアジンジチオール誘導体として6−ジオクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(三協化成株式会社製) 1.5質量部、ゴム老化防止剤としてN−1,3−ジメチルブチル−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン(川口化学工業株式会社製、商品名:アンテージ6C) 4質量部、水酸化アルミニウム 300質量部及び2−エチル−4メチルイミダゾール 2質量部からなる混合物に溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)及びメチルエチルケトンを加えて固形分34質量%のエポキシ樹脂組成物Bを調整した。
【0064】
実施例1のエポキシ樹脂組成物Aの代わりに、ここで得られたエポキシ樹脂組成物Bを使用した以外は実施例1と同様の操作によりフレキシブル銅張積層板及びカバーレイ付フレキシブルプリント配線板を製造した。
【0065】
(実施例3)
カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム ニポール1072(日本ゼオン株式会社製、商品名;ニトリル含量 27) 400質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エピコート1004(油化シェル株式会社製、商品名;エポキシ当量 925) 274質量部、シロキサン変性エポキシ樹脂 Alblflex348(Hansechemie社製、商品名;エポキシ当量 1150) 126質量部、ビスフェノールA型ノボラック樹脂(大日本インキ化学株式会社製、水酸基価 118) 47質量部、フェノキシホスファゼンオリゴマー(大塚化学株式会社製、融点100℃) 300質量部、トリアジンジチオール誘導体として6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(三協化成株式会社製) 1.5質量部、ゴム老化防止剤としてN,N´−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(日本チバガイギー株式会社製、商品名:IRGANOX MD1024) 4質量部、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(日本チバガイギー株式会社、商品名:IRGANOX565) 0.75質量部、水酸化アルミニウム 300質量部及び2−エチル−4−メチルイミダゾール 2質量部からなる混合物に溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)及びメチルエチルケトンを加えて固形分34質量%のエポキシ樹脂組成物Cを調整した。
【0066】
実施例1のエポキシ樹脂組成物Aの代わりに、ここで得られたエポキシ樹脂組成物Cを使用した以外は実施例1と同様の操作によりフレキシブル銅張積層板及びカバーレイ付フレキシブルプリント配線板を製造した。
【0067】
(実施例4)
カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム ニポール1072(日本ゼオン株式会社製、商品名;ニトリル含量 27) 400質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エピコート1001(油化シェル株式会社製、商品名;エポキシ当量 470) 274質量部、シロキサン変性エポキシ樹脂 Albiflex 6/917(Hansechemie社製、商品名;エポキシ当量 750) 126質量部、フェノールノボラック樹脂(昭和高分子株式会社製、水酸基価 106) 80質量部、フェノキシホスファゼンオリゴマー(大塚化学株式会社製、融点100℃) 300質量部、トリアジンジチオール誘導体として6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(川口化学工業株式会社製) 1.5質量部、ゴム老化防止剤としてアデカスイタブ ZS−90(旭電化工業株式会社製、商品名) 4質量部、水酸化アルミニウム 300質量部及び2−エチル−4−メチルイミダゾール 2質量部からなる混合物に溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)及びメチルエチルケトンを加えて固形分34質量%のエポキシ樹脂組成物Dを調整した。
【0068】
実施例1のエポキシ樹脂組成物Aの代わりに、ここで得られたエポキシ樹脂組成物Dを使用した以外は実施例1と同様の操作によりフレキシブル銅張積層板及びカバーレイ付フレキシブルプリント配線板を製造した。
【0069】
(実施例5〜8)
実施例1〜4で調整したエポキシ樹脂組成物A〜Dを、それぞれ厚さ25μmのポリイミドフィルム カプトン(東レデュポン株式会社製、商品名)の片面にロールコーターで、乾燥後の厚さが25μmになるように塗布乾燥し、4種類のカバーレイを得た。このカバーレイを実施例1で得られた銅表面をソフトエッチング処理後のフレキシブル銅張板積層板にそれぞれ重ね合わせ、熱プレスで160℃、4MPa、1時間加熱加圧接着し評価用のカバーレイ付きフレキシブル配線板を製造した。
【0070】
(実施例9〜12)
実施例1〜4で調整したエポキシ樹脂組成物A〜Dを、それぞれ厚さ40μmのポリプロピレンフィルムにロールコーターで、乾燥後の厚さが50μmになるように塗布乾燥し、4種類の接着剤フィルムを得た。この接着剤フィルムを厚さ125μmのポリイミド補強板に120℃のラミネートロールで圧着した後、キャリアフィルムのポリプロピレンフィルムを剥がし、実施例1で得られたフレキシブル銅張積層板にフィルム面を重ね合わせ、160℃、0.5MPaで15分間加熱加圧接着し、評価用の補強板付きフレキシブルプリント配線板を得た。
【0071】
(比較例1)
実施例1の組成において、ゴム老化防止剤 3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール(アデカアーガス化学社製、商品名:MARK CDA−1)を除いた以外は全て実施例1と同一の配合として、エポキシ樹脂組成物を調整した。得られたエポキシ樹脂組成物を用いて実施例1と同様の操作によりフレキシブル銅張積層板及びフレキシブルプリント配線板を得た。
【0072】
(比較例2)
実施例2の組成において、ゴム老化防止剤 N−1,3−ジメチルブチル−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン(川口化学工業株式会社製、商品名:アンテージ6C)を除いた以外は全て実施例2と同一の配合として、エポキシ樹脂組成物を調整した。得られたエポキシ樹脂組成物を用い実施例2と同様の操作によりフレキシブル銅張積層板及びフレキシブルプリント配線板を得た。
【0073】
(比較例3)
実施例2の組成において、トリアジンジチオール誘導体として6−ジオクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(三協化成株式会社製)及びゴム老化防止剤N−1,3−ジメチルブチル−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン(川口化学工業株式会社製、商品名:アンテージ6C)を除いた以外は全て実施例2と同一の配合として、エポキシ樹脂組成物を調整した。さらに、得られたエポキシ樹脂組成物を用い実施例2と同様の操作によりフレキシブル銅張積層板及びフレキシブルプリント配線板を得た。
【0074】
(比較例4)
6−ジオクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(三協化成株式会社製)の1質量%メチルエチルケトン(MEK)溶液中に、比較例1で得られた銅表面をソフトエッチング処理後の銅張積層板を浸積し、溶剤の臭気がなくなるまで室温にて風乾させた。その銅表面に比較例3で得られたエポキシ樹脂組成物で作成したカバーレイを重ね合わせ、熱プレスにより160℃、4MPaの条件で1時間加熱加圧接着し、カバーレイ付フレキシブルプリント配線板を得た。
【0075】
(比較例5)
実施例3の組成において、ゴム老化防止剤 N,N´−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(日本チバガイギー株式会社製、商品名:IRGANOX MD1024)を除いた以外は、実施例3と同一の配合として、エポキシ樹脂組成物を調整した。得られたエポキシ樹脂組成物を用い実施例3と同様の操作によりフレキシブル銅張積層板及びカバーレイ付フレキシブルプリント配線板を得た。
【0076】
実施例1〜12及び比較例1〜5で得られた配線板について、特性評価結果を表1〜3に示す。
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

【0079】
【表3】

【0080】
*1:得られたフレキシブル銅張積層板について、IPC−FC−240Bに準じて測定を行った。
*2:リフロー条件[ピーク温度240℃、プリヒート温度180℃、プリヒート時間90秒、リフロー温度220℃、リフロー時間40秒]にて処理した後、測定を行った。
*3:得られたフレキシブル銅張積層板について、試験片を100℃、60分加熱乾燥した後、所定温度のハンダ浴に20秒間フロートさせてフクレの有無を調査した。
○…フクレ無し、×…フクレ有り
*4:得られたフレキシブルプリント配線板について、JIS C6471 6.6に準じて測定を行った。
【0081】
実施例5〜12では、それぞれ使用した樹脂の特性が保持されて銅配線と樹脂とが密着しており、銅配線の表裏それぞれを本発明のエポキシ樹脂組成物を用いているため、より好ましいプリント配線板が得られた。
【0082】
以上述べたように、本発明のエポキシ樹脂組成物によれば、優れた耐熱性を有し、リフロー後も樹脂と銅導体との密着性に優れるフレキシブル銅張積層板、カバーレイ、フィルム接着剤を製造することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)エポキシ樹脂と、(B)エポキシ樹脂用硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)トリアジンジチオール誘導体と、(E)ゴム老化防止剤と、(F)合成ゴムと、(G)無機充填剤と、を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
前記(F)合成ゴム100質量部に対し、前記(D)トリアジンジチオール誘導体及び(E)ゴム老化防止剤をそれぞれ0.1〜5質量部配合することを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
前記(E)ゴム老化防止剤が、フェノール類、芳香族アミン類並びにヒドラジン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
ポリイミドフィルムと、このポリイミドフィルムの片面又は両面に請求項1乃至3のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物を介して積層して接着した銅箔と、からなることを特徴とするフレキシブル銅張積層板。
【請求項5】
ポリイミドフィルムと、このポリイミドフィルムの表面に請求項1乃至3のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物により形成された樹脂層と、からなることを特徴とするカバーレイ。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物を、フィルム状に形成してなることを特徴とする接着剤フィルム。
【請求項7】
請求項4記載のフレキシブル銅張積層板の銅箔に回路を形成して得られることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【請求項8】
前記フレキシブルプリント配線板の表面に、請求項5記載のカバーレイを貼り合わせたことを特徴とする請求項7記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項9】
請求項7又は8記載のフレキシブルプリント配線板と、その表面に接着剤フィルムを介して接着した補強板と、からなることを特徴とする補強板付プリント配線板。
【請求項10】
前記接着剤フィルムが、請求項6記載の接着剤フィルムであることを特徴とする請求項9記載の補強板付プリント配線板。

【公開番号】特開2007−2170(P2007−2170A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186543(P2005−186543)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(390022415)京セラケミカル株式会社 (424)
【Fターム(参考)】