説明

ハイブリッド車両および/または4輪駆動車両の回生制動制御方法、および前記方法を使用する車両の機構

本発明は、ハイブリッド車両の回生制動制御方法、および前記方法を使用する車両の機構に関するものであり、この車両には、車両の後輪に結合手段(12)を介して結合された電動機が取り付けられており、この電動機は、関連バッテリ(10)への電源供給および/または関連バッテリ(10)の充電を行う制御装置(9)を含み、前記制御装置は、回生制動モード(19)の間に、本方法を実行する配分制御装置(23)により制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両または4輪駆動車両において回生制動を制御する方法、および本方法を実行する車両の機構に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術において、燃焼機関と電動モータとにより駆動される車両がある。このような駆動システムはハイブリッド駆動として知られている。
先行技術において、少なくとも1つの駆動アクチュエータにより生成される駆動力を車両の全ての4つの車輪に伝達する車両がある。必要の有無に関わらず、この動作がまさにハイブリッド車両の動作である。具体的には、燃焼機関の推進力または駆動力を第1車輪セットに伝達し、電動モータの推進力を車両の第2車輪セットに伝達する方法が既知である。
【0003】
最後に、先行技術において、モータとして動作して車両を駆動する電動機が存在する場合、電動機を制動状態で動作させることが既知である。すなわち、電気的な観点から、この電動機は次いで発電機として動作し、電動機のロータに加わる機械エネルギーを電流に変換し、次いで電動機制御装置において、電気バッテリを充電するための電流によってこの電流を制御することができる。この運転モードでは、電気変換によって生じる機械エネルギーの消費によって、車両の車輪に制動トルクが加わる。これが意味するのは、第1に、発電機として動作する電気駆動装置を使用して少なくとも部分的に車両を制動できることであり、第2に、制動状態で回収される運動エネルギーを電気エネルギーに変換することができるので、走行中の車両の総合エネルギー効率を高めることができることである。
【0004】
しかしながら、先行技術には、前輪セットと後輪セットとの間で駆動力または制動力を配分することが必要な、駆動状態または制動状態における車両の安定性の問題の解決策も開示されている。具体的には、前輪セットに加わる制動力が後輪セットに加わる制動力よりも大きくなければならないということが既知である。
ここで、電動機が後輪セットに配置され、燃焼機関が前輪セットに配置される場合、回生制動状態でのエネルギーの回収量は、達成可能な回収量よりも小さくならざるを得ない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、先行技術におけるこれらの問題を解決する。詳細には、本発明は、後輪セットが回生電動機に結合されるハイブリッド車両、4輪駆動車両、または2輪駆動車両において回生制動を制御する方法に関する。本方法は、車輪の各々のグリップ力を測定するステップと、測定グリップ力の均一グリップ条件をテストするステップと、回生が最適化されるような回生制動の指令信号を推定するステップとを含む。
本発明の1態様によれば、グリップ力は、各車輪セットおよび/または車輪セット中の1つの車輪に作用する鉛直力および縦力の関数として計算される。
【0006】
本発明の1態様によれば、均一グリップ条件は、フロントとリアとの力配分を決定する2次関係式に基づいて設定される。
本発明は更に、前輪を駆動する燃焼機関を備えた車両において本方法を実行する機構に関する。本機構では、結合手段を介して車両の後輪に結合される電動機が車両に取り付けられており、関連バッテリに電源供給し、および/または関連バッテリを電気的に充電する車両の制御装置が、回生制動運転モードにおいて、本発明の方法を実行する配分制御装置から指令をうける。
【0007】
本発明の1態様によれば、結合手段は、後輪に連結されるデファレンシャルを含む。
本発明の1態様によれば、結合手段は、リアデファレンシャルに結合されるクラッチを含む。
【0008】
本発明の1態様によれば、結合手段は、前輪および後輪に共通するシャフトに連結される減速ギアを含む。
本発明の1態様によれば、結合手段は更に、後輪に結合される電動機により変換される機械力を前輪に伝達するベベルギアボックスを含む。
【0009】
本発明の1態様によれば、本機構は、回生制動力配分制御装置も備え、この回生制動力配分制御装置は、回生制動モードを指令する手段と、縦方向加速度、縦方向速度および質量を検出する手段に接続されて、後輪および/または前輪の間で回生制動力を配分する指令信号を決定する。
本発明の1態様によれば、制動力配分制御装置は更に、電気走行機能を実行する手段を含み、この電気走行機能実行手段は電気走行を指令する手段に接続されて、モータモードの電動機制御装置に対し、および/または電動機を後輪に、または後輪と前輪とに結合させる手段に対し、電気走行指令信号を生成する。
【0010】
本発明の1態様によれば、制動力配分制御装置は、トルクの落ち込みをカバーする機能を実行する手段も含み、この手段が、モータモードにおける電動機制御装置に対して、および/または電動機を後輪に、または後輪と前輪とに結合させる手段に対して指令する信号を生成することにより、燃焼機関から繋がるドライブトレインの状態の変化により生じるエンジントルクの落ち込みを補完する。
本発明の他の特徴および利点は、後述の説明および添付図面から一層明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の特定の1実施形態による機構の線図である。
【図2】図2は、本発明によるアセンブリ機構を使用するアセンブリ方法の好適な1実施形態を示している。
【図3】図3は、図2の方法の1つのステップを説明する曲線である。
【図4】図4は、本発明による別の機構の線図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明による機構を示している。このアーキテクチャでは、シャーシは、デファレンシャル4を介してギアボックス3のセカンダリシャフトに連結される1組の前輪5および6からなる前輪セットを備え、ギアボックスのプライマリシャフトは、燃焼機関1によりクラッチ2を介して駆動される。燃焼機関1はオルタネータスタータ7にも連結されており、オルタネータスタータ7の定格では、それだけで効果的な回生制動を行なうことができない。
後輪セットは、デファレンシャル12を介して電動機11のロータのシャフトに連結される2つの後輪13および14からなる。電動機11は、発電機として回生制動動作モードでも動作できる場合は、4輪駆動ハイブリッド車両の電気駆動装置とすることができる。
【0013】
本発明の機構は、制動力配分制御装置23も含み、この制動力配分制御装置は、入力として、以下に詳細に説明する複数の入力信号を受信する。
回生制動モードに固有の入力信号は、本発明の機構が制動下において回生モードで動作する必要があることを通知し、前記入力信号がモジュールにより生成されることにより、回生制動モード信号19が生成される。このモジュールは、回生制動を実行する可能性に関連し、かつ運転指令によりアクティブ状態に切り替わる論理信号と、車両ブレーキの起動を表わす信号の合成信号を分析する手段を含むことができる。運転指令は、運転者のために、運転コンピュータによって、または運転位置に配置される状態スイッチを動作させることによって、発することができる。ブレーキ起動信号は、ブレーキペダルが運転位置で踏み込まれたことを検出するセンサにより、および/または運転コンピュータにより生成することができる。
【0014】
縦方向加速度に固有の入力信号は、特に前輪および後輪にそれぞれ加わる縦力を決定することができる縦方向加速度センサ20により生成される。
縦方向速度に固有の入力信号は、特に前輪の回転速度と後輪の回転速度とを区別することできる縦方向速度センサ21により生成される。
【0015】
質量測定値または質量推定値に固有の入力信号は、特に各車輪、具体的各前輪セットおよび各後輪セットに加わる力の垂直成分を測定することができる質量測定手段または質量推定手段22により生成される。
このとき、制動力配分制御装置23は均一グリップ条件データベースとの接続部を含み、この均一グリップ条件データベースは、前輪セットと後輪セットの間の最大配分比を決定することができ、かつ特にトラクションコントロール、許容ブレーキ距離などに関連する種々の要件の関数として、配分比がこの最適値のどこに位置するかを判断することができる。データベースは均一グリップテストデータメモリ24に記録される。
【0016】
次に、制動力配分制御装置23は1〜4つの指令信号を生成し、必要に応じて電源制御装置9に対する指令信号C4を生成する。この電源制御装置は、電動機が供給する電流を制御して、発電機が後輪13および14に加える抵抗トルクを制御する。これを行うために、電源制御装置9は、発電機として動作する電動機11により生成される電流を、後輪に対する制動力の設定値に基づいて制御する手段を含み、この設定値は、回生制動モードで運転している間に制御装置23によって永続的に決定される。
特定の実施形態では、制動力配分制御装置23は、電源制御装置8に対する指令信号C3も生成し、この電源制御装置は、特に電動機が燃焼機関1のオルタネータスタータであるとき、電動機7の電流を制御する。このとき、指令信号C3は、フロントとリアの間の制動力配分比に応じて、オルタネータスタータによって生成される電流を制御してバッテリ10を充電することにより、後輪に結合される電動機11が供給する電流を補充することができる。
【0017】
特定の1実施形態では、制動力配分比を回生制動モードで制御する制御装置23は、クラッチが電子式クラッチであるとき、燃焼機関1のアクチュエータ、およびクラッチ2のアクチュエータに向けられる指令信号C1を生成する。実際、全てのイベントにおいて、これらの信号C1およびC2は、前輪に印加される摩擦ブレーキ信号に関連付けられ、回生制動状態で電動機11から得られない残りの制動力を補う必要がある場合は、後輪に印加される摩擦ブレーキ信号に関連付けられる。これらの信号は、本発明の手段と連動するときしか印加されないか、または本発明の方法が実行されていないとき、例えば車両が回生制動モード以外で運転されているときに印加されるので、これらの摩擦ブレーキ信号を更に詳細に説明することはせず、かつ図面に示すことはしない。
【0018】
図2は、好適な実施形態における本発明の方法のフロー図を示している。車両A1が運転中である場合、ステップS2では、運転モードの回生制動への変化が生じているかどうかを検出する。そのような変化がない場合、回生制動以外の車両運転が再開される。そのような変化がある場合、制御はステップS3に移動し、制動力配分制御装置23または被制御車両に接続された対応する計算部材が、加速度および推定質量に基づいて、前輪セットおよび後輪セットの両方に対する縦力Fおよび鉛直力Fを計算する。これに基づいて、前輪セットに関する値(F、F)_AV、および後輪セットに関する値(F、F)_ARからなる2組の値が推定され、これらの値により、μ_AV=F_AV/F_AVおよびμ_AR=F_AR/F_ARを使用して、前輪セットおよび後輪セットそれぞれに対するグリップ力を計算することが可能となる。
次のステップS4では、制動力配分制御装置23または被制御車両に接続された対応する計算部材が、後輪を回生制動する際に電動機(図1のマシン11)により供給される電流を指令する少なくとも1つの指令信号C4(図1)を生成する指令条件を計算して、均一グリップ条件のための総合制動指令値に収束させる。他の指令信号、特にC1〜C3は、この均一グリップ条件に基づき、要求される合計制動力を考慮することにより、推定される。
【0019】
次に、回生制動状態の電動機(図1のマシン11)により印加される制動トルクを決定する制動電流をステップS5で測定し、回生制動が依然として継続している限り、プロセスをステップS2から再開する。
【0020】
図3は、前輪AVと後輪ARとが等しいグリップ力になる制動条件を、グリップ力F/Fの関数として表わすグラフである。好適な実施形態では、最大設定値の関係式は2次関数で表わされ、したがって描かれる曲線は放物線となる。横軸にプロットされるグリップ力データは、縦軸に、回生制動電動機(図1のマシン11のような)に印加することができる最大回生制動指令値を表わす。この曲線は、均一グリップ条件メモリ24(図1)に記録される均一グリップ条件データベースに記録され、実際、制動距離、道路状況、または道路上における車輪のスリップ率のような種々のパラメータの関数として記録されるもので、前述の方法のステップS4の間に、複数の条件が記録されて選択的に使用される。
【0021】
図4は、本発明による別の機構を示している。この機構では、車両アーキテクチャは図1のアーキテクチャとは異なる。しかしながら、図4における同じ構成要素には同じ参照番号が付され、従ってこれらの構成要素を更に説明することはしない。
図4の実施形態のシャーシでは、車両は元来、単に燃焼機関1を駆動系に接続することにより4輪駆動を行なっていた。この車両が回生制動の利点を生かせるように、本発明の機構では、ベベルギアボックス32の出力シャフトに減速ギアを挿入し、ベベルギアボックス32の他方の出力シャフトを前輪デファレンシャル4に連結するとともに、減速ギア31の出力を電子式クラッチ33に伝達する。減速ギア31は電動機30にも連結され、電動機の電源制御装置9は、電動機にバッテリ10から電流を供給するか、または回生制動下で電動機が充電電流を供給することを可能にする。
【0022】
この機構を組み込んだ車両のアーキテクチャによって、本発明の機構は種々の機能を実現可能にする。
具体的には、図4に示すように、燃焼機関を1つしか持たない4輪駆動車両に本機構を組み込む場合、この機構は、適切な指令信号C5を使用して電子式クラッチ33のアクチュエータに指令を出し、リアクラッチ33を解放することにより、前輪にのみ回生制動機能を実現することができる。
【0023】
別の実施形態では、制動力配分制御装置23により生成されて、電子式クラッチ33の公知のアクチュエータに印加される適切な指令信号C5を使用して比例指令値を生成することにより、前輪および後輪の両方に回生制動機能も実現する。このとき、回生制動電動機30により生成される回生電流を指令する指令信号C1を使用して、総合回生制動設定値FR_Tを印加するだけでなく、電子式クラッチ33のアクチュエータに印加され、かつ本発明の方法に従って計算される指令信号C5を使用して、次の関係式で表わされる比例指令値Kを印加することが可能になる。
_AV+F_AR<FR_T
_AV=KFR_T
_AR=(1−K)FR_T
これらの関係式に基づいて、合計回生制動設定値FR_Tが、前輪AVに加わる制動力F_AV、および後輪ARに加わる制動力F_ARを決定する。
本発明の1態様によれば、本発明の機構の電動機は、燃焼機関が前輪セットに搭載される場合は後輪セットに配置することができ、これは、車両の2つの車輪セットに加わる荷重をバランスさせるために役立つ。
【0024】
本発明の1態様によれば、本機構は、図1または図4に関連して説明したように、被駆動車輪セットを1つだけ有する4輪車両に搭載することもできる。この場合、最初に駆動される車輪セットが前輪セットであれば、本発明の機構では、電動機がリアデファレンシャルに直接連結される図1のアーキテクチャに従って、または、電動機が、リアデファレンシャルに結合される電子式クラッチを介して後輪に装着される図4のアーキテクチャに従って、電動機を後輪セットに取り付け、常にというわけではないが必要に応じて、図4にも示したように、減速ギア31およびベベルギアボックス32を介して前輪に取り付ける。
具体的には、図4に示すように燃焼機関を1つだけ搭載した4輪駆動車両に本機構が組み込まれる場合、本機構によって電動モータ運転機能が実現する。これを行うには、燃焼機関1を、指令信号C2に基づいて点火を停止することにより、またはクラッチを切ることにより、ドライブトレインから切り離す。本実施形態では、制動力配分制御装置23は、電気走行モード制御装置としても動作する。制御装置は、図1の機構の回生制動運転指令手段19と同様に配置される電気走行運転モード指令手段と連動する。このとき、本発明の機構の制御装置23は電動機30の指令信号C1を生成し、電動機30は電動機の電源制御装置9を介して電源供給されて、駆動トルクを駆動系に伝達する。加えて、機構の制御装置23は、クラッチ33の適切なアクチュエータに向けられる指令信号C5を生成することで、指令信号C5により生じる起動状態に応じて、クラッチ33が切り離される場合には前輪にのみ、またはクラッチ33が係合する場合には前輪および後輪に、駆動力を伝達することができる。
【0025】
具体的には、図4に示すように燃焼機関を1つだけ搭載した4輪駆動車両に本機構が組み込まれる場合、本機構によって、トルクの落ち込みを補う機能が提供される。1つの燃焼機関と、1つのギアボックスとを搭載した車両に実際に起きるのは、駆動力を車両の車輪に伝達するドライブトレインの状態の変化であり、この変化の間に、トルクが有意に低下するか、または場合によってはゼロになる。この現象は、特に機械的遊びによって生じるだけでなく、離散したギア比を有するギアボックスがニュートラルを通過する場合に生じる。この理由により、トルクの落ち込みをカバーする機能を実行する手段を有する回生制動制御装置23は、ドライブトレインの状態の変化を検出する手段を備える。トルクの落ち込みを補完する機能を実行する手段がこのような変化を検出すると、同手段は、モータモードの電動機制御装置、および/または後輪に、或いは後輪と前輪とに電動機を結合させる手段に対し、燃焼機関から繋がるドライブトレインの状態の変化により生じるエンジントルクの落ち込みを補完するよう指令する指令信号を出す。
本発明の特に有利な点は、車両の安定性の問題に対して、すなわち制動状態で介入し、必要に応じて電気駆動やトルクの落ち込みの補完を行う電動機を1つだけ設けることにより燃焼機関の動作点の計算を簡易化する際の問題に対し、極めて多くの解決策を持つことである。
【0026】
本発明の別の利点は、電子式リアクラッチが設けられる図4のアーキテクチャの場合、電子式リアクラッチ33の指令信号C5による制御により、電動機により生成される制動力および/または駆動力と、後輪との間、または後輪および前輪との間で実際にやりとりされるトルクとを別々に計算することが可能になるため、安定性問題の最適な解決策を得る自由度が得られることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後輪セットが回生電動機に結合するハイブリッド車両、4輪駆動車両、または2輪駆動車両において回生制動を制御する方法であって、車輪(AV/AR)の各々のグリップ力(F/F)を測定するステップ(S3)と、測定グリップ力の均一グリップ条件をテストするステップ(S4)と、回生が最適化されるような回生制動の指令信号(C4、C5)を推定するステップ(S5)とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
各車輪セットおよび/または車輪セットに含まれる一の車輪に作用する鉛直力および縦力の関数としてグリップ力を計算することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
均一グリップ条件を、フロントとリアの間での力配分を設定する2次関係式に基づいて設定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1ないし3に記載の方法を実行する前輪を駆動する燃焼機関(1)を備えた車両の機構であって、車両には、結合手段(12;31、33、12)を介して車両の後輪に結合される電動機(11;30)が設けられており、関連バッテリ(10)に電源供給する、および/または関連バッテリ(10)を電気的に充電する車両の制御装置(9)が、回生制動運転モードにおいて、本発明の方法を実行する配分制御装置(23)から指令を受けることを特徴とする機構。
【請求項5】
結合手段が、後輪に連結されるデファレンシャル(12)を含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の機構。
【請求項6】
結合手段が、リアデファレンシャル(12)に結合されるクラッチ(33)を含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の機構。
【請求項7】
結合手段が、前輪および後輪に共通するシャフトに連結される減速ギア(31)を含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の機構。
【請求項8】
結合手段が、後輪に結合される電動機(30)によって変換された機械力を前輪に伝達するベベルギアボックス(32)も含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の機構。
【請求項9】
回生制動力配分制御装置(23)が、回生制動モードを指令する手段(19)と、縦方向加速度を検出する手段(20)と、縦方向速度を検出する手段(21)と、質量を検出する手段と(22)に接続されて、後輪および/または前輪の間で回生制動力を配分する指令信号(C4、C5)を決定することを特徴とする、請求項4に記載の機構。
【請求項10】
回生制動力配分制御装置(23)が、電気走行機能を実行する手段も備えており、この電気走行機能実行手段が、電気走行を指令する手段に接続されて、モータモードの電動機制御装置に対して、および/または電動機を後輪に、或いは後輪と前輪とに結合させる手段に対して、電気走行指令信号を生成する手段を含むことを特徴とする、請求項4に記載の機構。
【請求項11】
制動力配分制御装置が、トルクの落ち込みをカバーする機能を実行する手段も備えており、このトルク落ち込みカバー機能実行手段が、モータモードの電動機制御装置に対して、および/または電動機を後輪に、或いは後輪と前輪とに結合させる手段に対して指令する信号を生成することにより、燃焼機関から続くドライブトレインの状態の変化により生成されるエンジントルクの落ち込みを補完することを特徴とする、請求項4に記載の機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−531260(P2010−531260A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512744(P2010−512744)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【国際出願番号】PCT/FR2008/050977
【国際公開番号】WO2008/155500
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(507308902)ルノー・エス・アー・エス (281)
【Fターム(参考)】