説明

パターン評価方法及びパターン評価装置

【課題】SEM画像を利用したパターン計測において、計測対象のパターンに比較的大きな欠陥が含まれている場合でも、基準パターンとのマッチングを高精度に実施することができるパターン評価方法及びパターン評価装置。
【解決手段】基準パターン画像及び計測対象パターン画像から、各パターンの輪郭線を抽出し、抽出した各パターンの輪郭線からパターンのコーナー部分や欠陥部分などに相当するノイズ領域を除去してパターンマッチング用輪郭線を生成する。続いて、基準パターンのパターンマッチング用輪郭線と、計測対象パターンのパターンマッチング用輪郭線とのマッチングを行い、マッチングした位置で元の輪郭線同士を重ね合わせ表示する。そして、その重ね合わせ画像から、基準パターンと計測対象パターンとの差分を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造のリソグラフィ工程で用いられるフォトマスクのマスクパターンや、フォトマスクを露光転写しウェハ上に形成されるウェハパターン等のパターン画像から、その形状の特徴を定量的に計測するパターン評価方法及びパターン評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体LSIパターンの微細化に伴い、パターン原版としてのフォトマスクも同様に微細化への対応を迫られており、同時に高精度化への要求は非常に厳しい。
従来、フォトマスク品質における重要項目として、欠陥・寸法精度・アライメントの3項目が特に重視されており、半導体の微細化が進む現在では、それぞれの項目を計測するための高精度なフォトマスク専用検査装置が開発され使用されている。
【0003】
しかし、フォトマスクパターンの微細化による高精度化への要求は、前記3項目以外のあらゆる品質項目(パターン形状、パターンデータ保証、耐久性、クリーン度等)においても同様になりつつあり、特にパターン形状の精度については、直接LSI回路の精度および性能に関わるため、重要視されるようになってきた。
フォトマスクのパターン形状は、半導体回路のマスクレイアウト設計において設計図面通りのパターンが精度良くマスク上に再現されていることが望ましい。ところが、実際にはリソグラフィ技術を用いてガラス上の金属薄膜に微細なパターンを加工しているため、マスクパターンと設計パターンとは完全に同一形状ではなく、寸法差やコーナー部の丸みなど、微小な違いが存在する。
【0004】
この違いは、マスク上で数十〜数百ナノメートル程度の大きさであることがほとんどであるが、近年の超LSIの微細化の進展によって、これが半導体回路の特性に影響を与えることが懸念され始めている。すなわち、微細なパターンであるほど、パターン自体に対して前記のパターン形状の違いが相対的に大きくなり、特性値に影響するようになってきたということである。
【0005】
一般的に、フォトマスクのパターン形状の良否を確認する検査では、主に光学式の検査装置が用いられる。近年の検査装置は、非常に感度が高くなってきており、最先端のフォトマスクにおいては10nm以下の非常に微細な欠陥が検出されることも珍しくない。
検査装置で検出された欠陥は、走査型電子顕微鏡(以下、SEM(scanning electron microscope))などでレビューを実施する。一般的に欠陥の大きさを定量化する手段として、パターンの輪郭線を抽出して欠陥部分の幅や高さ面積といった特徴を輪郭線の座標情報から算出する方法や、比較用の基準パターンと重ね合わせ、その差分領域から長さや面積を算出する方法などがある。基準パターンと重ね合わせる場合には、精度の良いパターンマッチングが重要となる。
【0006】
比較用の基準パターンと重ね合わせ比較する従来の方法として、基準パターン画像をテンプレートとして登録しておき、検査対象のSEM画像上のあらゆる位置においてテンプレートとの相関係数を算出し、その相関係数が最大となる領域を抽出するテンプレートマッチング方法が広く知られている。しかしながら、テンプレートマッチング法は、計算処理が膨大となるため、パターンの領域を抽出するのに非常に時間がかかる。
【0007】
これを改善する方法として、基準パターン画像および計測対象パターン画像から輪郭線を抽出しておき、輪郭線の座標情報を利用することで計算量を大幅に削減したパターンマッチング方法がある。この方法は、具体的には、輪郭線の座標情報から基準パターンと計測対象パターンの重心位置をそれぞれ計算して、これらの重心が重なるようにマッチングを行う方法である。
【0008】
輪郭線を抽出する方法としては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。この技術は、選択された領域の階層エッジデータを作成し、これを利用して追跡開始点の特定と輪郭追跡処理を行うことで輪郭データを抽出した後、動的輪郭モデルによる補正処理によって輪郭データを滑らかに補正する方法であり、ノイズや濃淡ムラがある場合においても元のパターン画像と一致しかつ滑らかな輪郭線の抽出を可能とするものである。
また、パターンマッチング方法としては、特願2009−079348に開示されているように、基準パターンの輪郭線から形状が変化するところを特徴点として抽出しておき、計測対象パターンの輪郭線をある回数分だけ膨張処理した画像とマッチングを行い、特徴点が全て一致する位置の平均からマッチングポイントを算出する手法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第04085635号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来のパターンマッチング方法にあっては、計測対象パターンに比較的大きな欠陥が含まれている場合にはうまくいかないことが多い。すなわち、重心位置でマッチングする場合には、パターン中の欠陥によって重心位置が変化するため、図17に示すように、基準パターンと重ね合わせた際にズレが生じてしまう。また、特願2009−079348に記載の技術にあっては、微小な欠陥検査を目的としていることもあり、計測対象パターンの比較的大きな欠陥部分や、コーナーラウンディングが基準パターンと大きく異なるような場合には、特徴点が全て一致することがないため、パターンマッチングが難しい。
そこで、本発明は、SEM画像を利用したパターン計測において、計測対象のパターンに比較的大きな欠陥が含まれている場合でも、基準パターンとのマッチングを高精度に実施することができるパターン評価方法及びパターン評価装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に係るパターン評価方法は、計測対象パターンを基準パターンと比較し評価するパターン評価方法であって、前記基準パターンの画像及び前記計測対象パターンの画像から、前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線をそれぞれ抽出する輪郭線抽出工程と、前記基準パターン及び前記計測対象パターンのそれぞれの輪郭線について、輪郭線を形成する各点の座標データに基づいてノイズ領域を特定するノイズ領域特定工程と、前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線から、それぞれ特定した前記ノイズ領域を除去するノイズ領域除去工程と、前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と、前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線とのマッチングを行うマッチング工程と、前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線とがマッチングするマッチング位置で、前記ノイズ領域を除去する前の基準パターンの輪郭線と前記ノイズ領域を除去する前の計測対象パターンの輪郭線とを重ね合わせ、前記基準パターンと前記計測対象パターンとを比較し、前記計測対象パターンの評価を行う評価工程と、を備えることを特徴としている。
【0012】
また、請求項2に係るパターン評価方法は、請求項1に係る発明において、前記ノイズ領域特定工程において、前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線を形成する各点の座標データに基づいて、輪郭線の形状変化量を示す一次元の形状データを生成し、所定のノイズ領域判定閾値以上の値を示す形状データに対応する輪郭線を前記ノイズ領域として特定することを特徴としている。
【0013】
また、請求項3に係るパターン評価方法は、請求項2に係る発明において、前記ノイズ領域特定工程において、前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線における所望の領域を前記ノイズ領域として特定可能であることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係るパターン評価方法は、請求項1〜3の何れかに係る発明において、前記マッチング工程において、前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線の重心位置と、前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線の重心位置とが重なる位置を、前記マッチング位置とすることを特徴としている。
【0014】
また、請求項5に係るパターン評価方法は、請求項1〜3の何れかに係る発明において、前記マッチング工程において、前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と、前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線との一致度が最も高くなる位置を、前記マッチング位置とすることを特徴としている。
さらに、請求項6に係るパターン評価方法は、請求項1〜3の何れかに係る発明において、前記マッチング工程において、前記基準パターンの予め指定した領域内で、前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と、前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線との一致度が最も高くなる位置を、前記マッチング位置とすることを特徴としている。
【0015】
また、請求項7に係るパターン評価装置は、計測対象パターンを基準パターンと比較し評価するパターン評価装置であって、前記基準パターンの画像及び前記計測対象パターンの画像を取得する撮像手段と、前記撮像手段で取得した前記基準パターンの画像及び前記計測対象パターンの画像から、前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線をそれぞれ抽出する輪郭線抽出手段と、前記輪郭線抽出手段で抽出した前記基準パターン及び前記計測対象パターンのそれぞれの輪郭線について、輪郭線を形成する各点の座標データに基づいてノイズ領域を特定するノイズ領域特定手段と、前記輪郭線抽出手段で抽出した前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線から、前記ノイズ領域特定手段でそれぞれ特定した前記ノイズ領域を除去するノイズ領域除去手段と、前記ノイズ領域除去手段で前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と、前記ノイズ領域除去手段で前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線とのマッチングを行うマッチング手段と、前記ノイズ領域除去手段で前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と前記ノイズ領域除去手段で前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線とがマッチングするマッチング位置で、前記輪郭線抽出手段で抽出した基準パターンの輪郭線と前記輪郭線抽出手段で抽出した計測対象パターンの輪郭線とを重ね合わせ、前記基準パターンと前記計測対象パターンとを比較し、前記計測対象パターンの評価を行う評価手段と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明よれば、ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線及び計測対象パターンの輪郭線を用いてマッチング位置を特定し、特定したマッチング位置で、ノイズ領域を除去する前の元の輪郭線を重ね合わせ表示して、計測対象パターンの評価を行う。したがって、パターンマッチングの妨げとなる領域をノイズ領域として除去した状態でマッチング処理を行うことができる。したがって、計測対象パターンに比較的大きな欠陥が含まれている場合であっても、その欠陥部分をノイズ領域として特定することでマッチング処理対象から除外することができるので、高い一致度でマッチングすることが可能となる。その結果、計測対象パターンの評価を精度良く行うことができる。
【0017】
また、請求項2に係る発明によれば、パターンの輪郭線の形状変化量が比較的大きい領域をノイズ領域として自動的に特定することができる。したがって、基準パターンと計測対象パターンとの差が生じやすいコーナー部分や、エッジラフネス、突起・欠けなどの欠陥部分をノイズ領域として自動的に特定し、マッチング処理対象から除外することができる。そのため、高い一致度でマッチングすることが可能となる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、マッチング処理対象から除外する領域を任意に指定することができるため、マッチングの精度を高めることができる。
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、各パターンの輪郭線の重心位置が重なる位置をマッチング位置とするので、比較的簡易にマッチング位置を特定することができる。
【0018】
また、請求項5に係る発明によれば、基準パターンの輪郭線上の点と計測対象パターンの輪郭線上の点とがなるべく多く一致するか、基準パターンの輪郭線上の点と計測対象パターンの輪郭線上の点との距離がなるべく小さくなる(予め設定した閾値以下となる)位置をマッチング位置とすることができる。そのため、マッチングの精度を確実に高めることができる。
【0019】
さらに、請求項6に係る発明によれば、基準パターンにおいて合わせ込みたい領域を予め指定することで、指定した領域と計測対象パターンとの一致度をより重視したパターンマッチングを行うことができる。したがって、基準パターンに比べて計測対象パターンが全体的に拡大・縮小している場合でも、重ね合わせ表示が可能となり、計測対象パターンの評価が可能となる。
また、請求項7に係る発明によれば、計測対象パターンに比較的大きな欠陥が含まれている場合であっても、その欠陥部分をノイズ領域として特定することでマッチング処理対象から除外することができるので、高い一致度でマッチングすることが可能となる。その結果、計測対象パターンの評価を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明におけるパターン評価装置の構成を示すブロック図である。
【図2】CPU13で実行するパターン計測処理手順を示すフローチャートである。
【図3】基準パターンの輪郭線を示す図である。
【図4】計測対象パターンの輪郭線を示す図である。
【図5】基準パターンの形状データを示す図である。
【図6】計測対象パターンの形状データを示す図である。
【図7】基準パターンのパターンマッチング用輪郭線を示す図である。
【図8】計測対象パターンのパターンマッチング用輪郭線を示す図である。
【図9】パターンマッチング結果を示す図である。
【図10】元の輪郭線での重ね合わせ表示を示す図である。
【図11】基準パターンの例を示す図である。
【図12】計測対象パターンの例を示す図である。
【図13】パターン画像の重ね合わせ表示の例を示す図である。
【図14】基準パターン領域の例を示す図である。
【図15】計測対象パターン領域の例を示す図である。
【図16】パターン領域の重ね合わせ表示の例を示す図である。
【図17】従来手法によるマッチング結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明におけるパターン評価装置の構成を示すブロック図である。
この図1に示すように、パターン評価装置10は、画像撮影部11と、メモリ12と、CPU13と、表示部14とを備える。 画像撮影部11は、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)等で構成され、フォトマスクパターンやウェハパターンのカラー又はモノクロの画像を撮影し、これをグレーの多階調画像(パターン画像)に変換する。メモリ12は、画像撮影部11から得られるパターン画像を記憶する。CPU13は、後述するパターン計測処理を実行し、欠陥がない正常パターン(基準パターン)と欠陥を含む計測対象パターンとを重ね合わせて比較計測することで、欠陥の大きさを定量化する。表示部14は、CPU13で実行したパターン計測処理の実行結果を表示する。
【0022】
図2は、CPU13で実行するパターン計測処理手順を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1で、CPU13は、図3(a)に示すような画像撮影部11で撮影した欠陥がない正常パターンのSEM画像を、基準パターン画像として取得する。また、CPU13は、図4(a)に示すような画像撮影部11で撮影した欠陥を含むパターンのSEM画像を、計測対象パターン画像として取得する。
【0023】
次に、ステップS2では、CPU13は、前記ステップS1で取得した各パターン画像に対して、輪郭線抽出処理を実施し、ステップS3に移行する。ここでは、例えば、特許第04085635号明細書に記載されている輪郭抽出方法を用いて、基準パターンと計測対象パターンとの輪郭線を抽出する。この輪郭抽出方法は、選択された領域の階層エッジデータを作成し、これを利用して追跡開始点の特定と輪郭追跡処理を行うことで輪郭データを抽出した後、動的輪郭モデルによる補正処理によって輪郭データを滑らかに補正する方法であり、ノイズや濃淡ムラがある場合においても元のパターン画像と一致しかつ滑らかな輪郭線の抽出を可能とするものである。
図3(b)は、図3(a)に示す基準パターン画像から基準パターンの輪郭線を抽出した輪郭線抽出結果である。また、図4(b)は、図4(a)に示す計測対象パターン画像から計測対象パターンの輪郭線を抽出した輪郭線抽出結果である。ここで、図4(b)中の矩形領域αは、パターンマッチングの対象から除外すべき欠陥領域である。
【0024】
ステップS3では、CPU13は、基準パターンの輪郭線及び計測対象パターンの輪郭線の形状データを、それぞれ作成する。形状データとは、パターン形状の特徴を表すためのもので、輪郭線を構成する点の座標データを用いて作成する。ここでは、形状データとして、各点のx座標の変化値(微分値)とy座標の変化値(微分値)との乗算値を用いる。
これにより、図5に示す基準パターンの形状データ、及び図6に示す計測対照パターンの形状データが得られる。図5及び図6中の丸印は、形状データのピークであり、パターンのコーナー部分に相当する形状データである。また、図6中の矩形領域β内の形状データは、図4(b)の輪郭線抽出結果に示す欠陥領域(矩形領域α)に対応する形状データである。
【0025】
すなわち、本実施形態では、基準パターン及び計測対象パターンの輪郭線を形成する各点の座標データに基づいて、輪郭線の形状変化量を示す一次元の形状データを生成する。
なお、形状データとして、各点を結ぶ部分ベクトルの角度の変化(フーリエ記述子)や部分ベクトルのx成分の変化値とy成分の変化値との乗算値などを用いることもできる。部分ベクトルをもとに作成した形状データを用いた場合、パターン自体の回転に依存しないという利点がある。
【0026】
次に、ステップS4で、CPU13は、前記ステップS3で作成した各パターンの形状データをもとに、それぞれのノイズ領域を検出する。ここでは、形状データのピークの値に応じて、図5及び図6の点線で示すノイズ領域判定閾値を決定し、ノイズ領域判定閾値以上となる座標点に対応する輪郭線をノイズ領域として抽出する。ノイズ領域判定閾値は、例えば、上記ピーク値に応じて、パターンのコーナー部分や欠陥部分(突起・欠け等)をノイズ領域として特定可能な値に設定する。
【0027】
次に、ステップS5では、CPU13は、パターンマッチング用の輪郭線を作成し、ステップS6に移行する。ここでは、前記ステップS2で抽出した各パターンの輪郭線から、前記ステップS4で抽出した各ノイズ領域を取り除く処理を行う。
これにより、図7に示す基準パターンのパターンマッチング用輪郭線、及び図8に示す計測対象パターンのパターンマッチング用輪郭線が得られる。このように、基準パターンのパターンマッチング用輪郭線は、基準パターンのコーナー部分が除去された形状となり、計測対象パターンのパターンマッチング用輪郭線は、計測対象パターンのコーナー部分と欠陥部分(突起)とが除去された形状となる。
【0028】
ステップS6では、CPU13は、前記ステップS5で作成したノイズ領域を除去した基準パターンと計測対象パターンとを重ね合わせるパターンマッチング処理を行う。パターンマッチングの方法としては、例えば、図7及び図8のノイズ領域を除去した輪郭線のデータからそれぞれの重心位置を計算し、2つの重心が重なる位置をマッチング位置としてマッチングを行う方法がある。また、図7の基準パターンを上下左右に少しずつ移動させ、基準パターンと計測対象パターンの輪郭線上の点がなるべく一致する位置を探索する方法を採用することもできる。
図9は、パターンマッチング結果を示す図である。ここでは、基準パターンと計測対象パターンのパターンマッチング用輪郭線から、それぞれの重心位置を算出しマッチングした結果を示している。
【0029】
次に、ステップS7では、CPU13は、計測対象パターンにおける欠陥部分の計測を行い、パターン計測処理を終了する。このステップS7では、先ず、前記ステップS6で求めたマッチング位置で、前記ステップS2で抽出した基準パターンの輪郭線と計測対象パターンの輪郭線とを重ね合わせる。これにより、図10に示すような重ね合わせ表示が得られる。
【0030】
そして、この重ね合わせ画像を利用して、計測対象パターンを基準パターンと比較し、計測対象パターンの評価を行う。ここでは、計測対象パターンの評価として、基準パターンと計測対象パターンとの差分を長さや面積などで定量化することで、欠陥部分を計測する処理を行う。
なお、図1において、画像撮影部11が撮像手段に対応している。また、図2において、ステップS2が輪郭線抽出手段に対応し、ステップS3及びS4がノイズ領域特定手段に対応し、ステップS5がノイズ領域除去手段に対応し、ステップS6がマッチング手段に対応し、ステップS7が評価手段に対応している。
【0031】
(動作)
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
ここでは、基準パターンと計測対象パターンとの違いが微小な場合について説明する。
先ず、画像撮影部11は、図11(a)に示す基準パターンのSEM画像を撮影する。また、画像撮影部11は、図12(a)に示す計測対象パターンのSEM画像を撮影する。そして、CPU13は、画像撮影部11で撮影したSEM画像を取り込み(図2のステップS1)、基準パターン及び計測対象パターンの輪郭線を抽出する(ステップS2)。基準パターンの輪郭線は図11(b)に示すようになり、計測対象パターンの輪郭線は図12(b)に示すようになる。
【0032】
次に、CPU13は、抽出した各パターンの輪郭線の座標値を利用して、形状データを算出する(ステップS3)。形状データは、各輪各線のx座標の変化値とy座標の変化値とを乗算したものを使用する。そして、算出した基準パターン及び計測対象パターンの形状データにおいて、それぞれノイズ領域判定閾値(ここでは、20)以上の値を示す輪郭線をノイズ領域として設定し(ステップS4)、これを除去することでパターンマッチング用輪郭線を作成する(ステップS5)。
このとき、基準パターンのパターンマッチング用輪郭線は図11(c)に示すようになり、計測対象パターンの輪郭線は図12(c)に示すようになる。この例では、計測対象パターンには突起や欠けなどの欠陥部分が無いことから、基準パターン及び計測対象パターンのコーナー部分のみがノイズ領域として設定され、除去される。
【0033】
次に、CPU13は、図11(c)に示す基準パターンの輪郭線と、図12(c)に示す計測対象パターンの輪郭線とのマッチング処理を行う(ステップS6)。例えば、図11(c)に示す基準パターンの輪郭線と、図12(c)に示す計測対象パターンの輪郭線とからそれぞれ重心位置を算出し、重心位置が重なるようにマッチングする。この位置をマッチング位置とする。そして、CPU13は、そのマッチング位置で、図11(b)に示す元の基準パターンの輪郭線と、図12(b)に示す元の計測対象パターンの輪郭線とを重ね合わせ表示する。重ね合わせ表示した結果は、図13に示すようになる。続いてCPU13は、図13に示す重ね合わせ表示結果に基づいて、基準パターンと計測対象パターンとの差分を長さや面積などで定量化することで、欠陥部分を計測する(ステップS7)。
【0034】
このように、本実施形態では、基準パターン画像及び計測対象パターン画像からそれぞれ輪郭線を抽出し、抽出した輪郭線からノイズ領域を除去した後、その結果を用いてマッチング位置を決定する。これにより、高い一致度でマッチングすることが可能となる。なお、上述した例では、基準パターンの輪郭線上の点と計測対象パターンの輪郭線上の点との一致度を計算すると、一致度=95%という高い効果が得られた。
【0035】
一方、本実施形態のように、ノイズ領域を除去せずに、図11(b)に示す輪郭線と図12(b)に示す輪郭線とでパターンマッチング処理を行うと、一致度は83%となった。このように、ノイズ領域の除去処理を行わない手法を採用した場合に一致度が低くなる原因としては、図13からも明らかなように、計測対象パターンの左上と右上のコーナー部分の縮退量(Corner Pull Back)が大きいことが考えられる。
【0036】
図13の重ね合わせ表示画像を使用して差分計測すると、基準パターンに比べて計測対象パターンの左上は9.3nm、右上は10.7nmの縮退量があることが分かる。フォトマスクやウェハ上のパターンにおいては、同一プレート内でもこのようにコーナー部分の形状が微妙に異なることが多く見られる。したがって、本実施形態のように、コーナー部分をノイズ領域としてマッチング処理対象から除外することで、コーナー形状の変化によらずマッチングの一致度を高くすることができる。その結果、マッチング及び差分計測の精度を向上させることができる。
【0037】
(効果)
このように、第1の実施形態では、基準パターン及び計測対象パターンのSEM画像から、各パターンの輪郭線をそれぞれ抽出し、抽出したそれぞれの輪郭線についてノイズ領域を特定する。そして、ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と、ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線とのマッチングを行い、マッチングした位置で、ノイズ領域を除去する前の基準パターンの輪郭線とノイズ領域を除去する前の計測対象パターンの輪郭線とを重ね合わせ表示し、基準パターンと計測対象パターンとの差分を計測する。したがって、パターンマッチングの妨げとなる領域をノイズ領域として除去した状態でマッチング処理を行うことができる。
【0038】
このとき、上記輪郭線を構成する各点の座標データから一次元の形状データを生成し、ノイズ領域判定閾値以上の値を示す形状データに対応する輪郭線をノイズ領域として特定するので、パターンの輪郭線の形状変化量が比較的大きい領域をマッチング処理対象から除外することができる。
一般に、フォトマスクやウェハ上に形成されるパターンにおいて、その形状はコーナー部分において差が生じやすく、パターンマッチングの際に一致度を低下させる原因になっている。パターンの輪郭線の形状変化量が比較的大きい領域をノイズ領域として自動的に特定することで、パターンのコーナー部分をノイズ領域としてマッチング処理対象から除外することができる。また、エッジラフネスや、突起・欠けなどの欠陥部分についても、ノイズ領域として自動的に特定し、マッチング処理対象から除外することができる。これにより、高い一致度でマッチングすることが可能となる。
【0039】
さらに、ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線の重心位置と、ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線の重心位置とが重なる位置をマッチング位置とするので、比較的簡易にマッチング位置を特定することができる。
また、ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と、ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線との一致度が最も高くなる位置をマッチング位置とするようにすれば、マッチングの精度をより高めることができる。
【0040】
このように、SEM画像を利用したパターン計測において、計測対象パターンに比較的大きな欠陥が含まれている場合であっても、当該欠陥をノイズ領域として特定することでマッチング処理対象から除外することができるので、基準パターンとのマッチングを高精度で行うことができる。その結果、計測対象パターンの評価を精度良く行うことができる。
【0041】
(応用例)
なお、本発明は、基準パターン及び計測対象パターンが画像中に複数個含まれている場合についても対応可能である。但し、基準パターン画像に含まれるパターン数は、計測対象パターン画像に含まれるパターン数以下という制約がある。
この場合、個々のパターンにおいて図2のステップS2〜S5の処理を実施し、パターンマッチング用輪郭線を抽出する。その後、複数パターンを含む基準パターン画像を計測対象パターン画像中において上下左右に少しずつ移動させながら、なるべく多くの輪郭線上の点が一致する位置を探索する。一致する位置が見つかった場合は、その位置をマッチング位置として、ノイズ領域除去前の元のパターンの輪郭線を重ね合わせ表示し、欠陥や形状の違いを計測したいパターンを任意に選択して長さや面積などで定量化する。具体的な処理について、以下に説明する。
【0042】
先ず、画像撮影部11は、図14(a)に示す基準パターンのSEM画像を撮影し、このSEM画像から図14(b)に示す基準パターンの輪郭線を抽出する。次に、CPU13は、抽出した各パターンの輪郭線の座標値を利用して、図14(c)に示す形状データを算出する。この図14(c)は、図14(b)の右上にあるホールパターンの形状データを示すものである。そして、基準パターン画像の形状データにおいて、それぞれノイズ領域判定閾値以上の値を示す輪郭線をノイズ領域として設定し、これを除去する。図14(b)にある全てのパターンについて、形状データの算出及びノイズ領域の抽出と除去を実施した結果を図14(d)に示す。このように、パターンのコーナーや段差が生じている箇所は全てノイズ領域として除去される。
続いて、CPU13は、図15(a)に示す計測対象パターン領域のSEM画像についても、全てのパターンについて輪郭線を抽出し、上述した基準パターンと同様に形状データを算出して、ノイズ領域判定閾値によりノイズ領域を除去する。図15(b)は、ノイズ領域を除去した後の輪郭線である。
【0043】
そして、図14(d)に示す基準パターンの輪郭線と、図15(b)に示す計測対象パターンの輪郭線とのマッチング処理を行う。このとき、図14(d)を少しずつずらしながら輪郭線の一致度を計算し、一致度が最も高くなる位置をマッチング位置として検出する。なお、この例では、図14(d)に示す基準パターンの輪郭線が、図15(c)の領域γと重なる位置で一致度が最も高くなるため、この位置をマッチング位置として検出する。最後に、検出したマッチング位置で基準パターン領域と計測対象パターン領域の輪郭線を重ね合わせ表示する(図16)。これにより、基準パターンと計測対象パターンとの差分を長さや面積などで定量化することができ、欠陥部分が計測できる。
このように、各領域に複数パターンが含まれている場合にも、高精度にマッチング処理を行うことができ、各パターンについて形状の違いを詳細に計測することが可能となる。
【0044】
(変形例)
なお、上記実施形態においては、計測対象パターンを入力する際、ノイズ領域として除去する箇所を、ノイズ領域判定閾値を用いて自動的に設定する場合について説明したが、これに加えてユーザーが任意にノイズ領域を指定することもできる。これにより、形状データがノイズ領域判定閾値を下回る領域であっても、欠陥箇所をノイズ領域として設定しマッチング処理対象から除外することができるので、マッチングの精度を向上させることができる。
【0045】
また、上記実施形態においては、基準パターンを入力する際に、パターンマッチングで重視したい領域を設定することもできる。例えば、基準パターンに比べて計測対象パターンが全体的に拡大又は縮小している場合には、どのエッジが一致するようにパターンマッチングされるか分からない。そこで、基準パターンにおいて計測対象パターンと重ね合わせたいエッジ領域を事前に設定しておき、その領域にある輪郭線上の点については、計測対象パターンとのマッチング処理の際に一致度がより高くなるように重み付けする。これにより、全体的に大きさが異なるパターンにおいても、基準パターン上にユーザーが任意に設定した領域の輪郭線で重ね合わせることが可能となり、計測対象パターンとの差分評価がし易くなる。
【0046】
さらに、上記実施形態においては、フォトマスクやウェハに形成された電子回路パターンの計測に本発明を適用する場合について説明したが、複数の近似形状の画像パターン同士からマッチング処理を行い、欠陥箇所を計測することが求められる広範な分野、つまり規則的な微細パターンを形成する分野全般に利用することができる。例えば、半導体デバイス、光学素子、配線回路、データストレージメディア(ハードディスク、光学メディアなど)、医療用部材(分析検査用チップ、マイクロニードルなど)、バイオデバイス、(バイオセンサ、細胞培養基板など)、精密検査機器用部材(検査プローブ、試料保持部材など)、ディスプレイパネル、パネル部材、エネルギーデバイス(太陽電池、燃料電池など)、マイクロ流路、マイクロリアクタ、MEMSデバイス、インプリントモールド、フォトマスク、EUVフォトマスクなどの分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
10…パターン評価装置、11…画像撮影部、12…メモリ、13…CPU、14…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象パターンを基準パターンと比較し評価するパターン評価方法であって、
前記基準パターンの画像及び前記計測対象パターンの画像から、前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線をそれぞれ抽出する輪郭線抽出工程と、
前記基準パターン及び前記計測対象パターンのそれぞれの輪郭線について、輪郭線を形成する各点の座標データに基づいてノイズ領域を特定するノイズ領域特定工程と、
前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線から、それぞれ特定した前記ノイズ領域を除去するノイズ領域除去工程と、
前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と、前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線とのマッチングを行うマッチング工程と、
前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線とがマッチングするマッチング位置で、前記ノイズ領域を除去する前の基準パターンの輪郭線と前記ノイズ領域を除去する前の計測対象パターンの輪郭線とを重ね合わせ、前記基準パターンと前記計測対象パターンとを比較し、前記計測対象パターンの評価を行う評価工程と、を備えることを特徴とするパターン評価方法。
【請求項2】
前記ノイズ領域特定工程において、前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線を形成する各点の座標データに基づいて、輪郭線の形状変化量を示す一次元の形状データを生成し、所定のノイズ領域判定閾値以上の値を示す形状データに対応する輪郭線を前記ノイズ領域として特定することを特徴とする請求項1に記載のパターン評価方法。
【請求項3】
前記ノイズ領域特定工程において、前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線における所望の領域を前記ノイズ領域として特定可能であることを特徴とする請求項2に記載のパターン評価方法。
【請求項4】
前記マッチング工程において、前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線の重心位置と、前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線の重心位置とが重なる位置を、前記マッチング位置とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のパターン評価方法。
【請求項5】
前記マッチング工程において、前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と、前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線との一致度が最も高くなる位置を、前記マッチング位置とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のパターン評価方法。
【請求項6】
前記マッチング工程において、前記基準パターンの予め指定した領域内で、前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と、前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線との一致度が最も高くなる位置を、前記マッチング位置とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のパターン評価方法。
【請求項7】
計測対象パターンを基準パターンと比較し評価するパターン評価装置であって、
前記基準パターンの画像及び前記計測対象パターンの画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段で取得した前記基準パターンの画像及び前記計測対象パターンの画像から、前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線をそれぞれ抽出する輪郭線抽出手段と、
前記輪郭線抽出手段で抽出した前記基準パターン及び前記計測対象パターンのそれぞれの輪郭線について、輪郭線を形成する各点の座標データに基づいてノイズ領域を特定するノイズ領域特定手段と、
前記輪郭線抽出手段で抽出した前記基準パターン及び前記計測対象パターンの輪郭線から、前記ノイズ領域特定手段でそれぞれ特定した前記ノイズ領域を除去するノイズ領域除去手段と、
前記ノイズ領域除去手段で前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と、前記ノイズ領域除去手段で前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線とのマッチングを行うマッチング手段と、
前記ノイズ領域除去手段で前記ノイズ領域を除去した後の基準パターンの輪郭線と前記ノイズ領域除去手段で前記ノイズ領域を除去した後の計測対象パターンの輪郭線とがマッチングするマッチング位置で、前記輪郭線抽出手段で抽出した基準パターンの輪郭線と前記輪郭線抽出手段で抽出した計測対象パターンの輪郭線とを重ね合わせ、前記基準パターンと前記計測対象パターンとを比較し、前記計測対象パターンの評価を行う評価手段と、を備えることを特徴とするパターン評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−197120(P2011−197120A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61283(P2010−61283)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】