説明

プラズマ化学気相堆積による、有機官能基と共にシリコンを含有するハイブリッド前駆体を使用する超低誘電材料

低誘電率層を基板上に堆積するための方法が提供される。一実施形態では、本方法は、1種または複数のオルガノシリコン化合物をチャンバに導入するステップであって、1種または複数のオルガノシリコン化合物がシリコン原子およびこのシリコン原子に結合されたポロゲン成分を含むステップと、1種または複数のオルガノシリコン化合物を、RF電力の存在下で反応させることにより、低誘電率層をチャンバ内の基板上に堆積させるステップと、低誘電率層からポロゲン成分が実質的に除去されるようにこの低誘電率層を後処理するステップとを含む。任意選択で、不活性キャリアガス、酸化ガス、またはその両方を、1種または複数のオルガノシリコン化合物と共に処理チャンバ内に導入してもよい。後処理プロセスは、堆積した材料の紫外線硬化とすることができる。UV硬化プロセスは、熱または電子ビーム硬化プロセスと同時にまたは連続して使用してもよい。低誘電率層は、良好な機械的性質および望ましい誘電率を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、集積回路の製造に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、集積回路用に低誘電率層を堆積するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の幾何形状は、そのようなデバイスが数十年前に最初に導入されて以来、そのサイズが劇的に縮小されてきている。導入以来、集積回路は一般に、チップ上のデバイスの数が2年ごとに2倍になることを意味する、2年/ハーフサイズ則(two year/half−size rule)(しばしば、ムーアの法則と呼ばれる。)に従ってきた。今日の製造設備は、90nm、さらには65nmの特徴サイズを有するデバイスを日常的に生産しており、将来の設備は間もなく、さらに小さい特徴サイズを有するデバイスを生産することになる。
【0003】
デバイスの幾何形状が縮小し続けることによって、より低い誘電率(k)値を有する被膜の需要が発生してきたが、その発生理由は集積回路上のデバイスのサイズがさらに縮小されるように、隣接する金属線同士の間の容量性カップリングを低減させなければならないからである。特に、約4.0未満の低誘電率を有する絶縁体が望ましい。低誘電率を有する絶縁体の例には、スピンオンガラス、フッ素がドープされたシリコンガラス(FSG)、炭素がドープされた酸化物、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が含まれ、これら全ては市販されているものである。
【0004】
より最近になって、約3.0未満、さらには約2.5未満のk値を有する低誘電率オルガノシリコン被膜が開発された。低誘電率オルガノシリコン被膜を開発するのに使用されてきた1つの方法は、オルガノシリコン化合物と、熱に不安定な化学種または揮発性基を含む化合物とを含む、混合ガスから被膜を堆積し、次いで堆積された被膜から有機基などの熱に不安定な化学種または揮発性基が除去されるように、堆積された被膜を後処理することであった。堆積された被膜から、熱に不安定な化学種または揮発性基を除去すると、被膜にナノメートルサイズのボイドが生成され、被膜の誘電率が低下するが、この低下理由は空気が約1の誘電率を有するからである。
【0005】
望ましい低誘電率を有する低誘電率オルガノシリコン被膜は上述のように開発されたが、これら低誘電率被膜のいくつかは、後続の半導体処理ステップ中に被膜が損傷を受け易くなる不十分な機械的強度など、望ましいとは言えない機械的性質を示した。低誘電率被膜に損傷を与える可能性のある半導体処理ステップは、低誘電率被膜をパターニングするのに使用される、プラズマをベースにしたエッチングプロセスを含む。誘電体被膜からフォトレジストまたは底部反射防止コーティング(BARC)を除去するアッシングプロセスと、湿式エッチングプロセスも、被膜に損傷を与える可能性がある。さらに、堆積された材料全体にわたる、サイズの均一性および分布の均一性の両方におけるボイド(または細孔)の均一性は、望ましいとは言えない。
【0006】
したがって、改善された均一性、改善された機械的性質、および後続の基板処理ステップから受ける損傷への耐性を有する低誘電率被膜を作製するためのプロセスが、依然求められている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は一般に、低誘電率層を堆積するための方法を提供する。一実施形態では、方法は、1種または複数のオルガノシリコン化合物をチャンバに導入するステップであって、この1種または複数のオルガノシリコン化合物が、シリコン原子およびこのシリコン原子に結合されたポロゲン成分を含み、この1種または複数のオルガノシリコン化合物が、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、5−(ビシクロヘプテニル)メチルジエトキシシラン、5−(ビシクロヘプテニル)ジメチルエトキシシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリメチルシラン、5−(ビシクロヘプチル)メチルジエトキシシラン、5−(ビシクロヘプチル)ジメチルエトキシシラン、5−(ビシクロヘプチル)トリメチルシラン、5−(ビシクロヘプチル)ジメチルクロロシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、1−[2−(トリメトキシシリル)エチル]シクロヘキサン−3,4−エポキシド、1,1−ジメチル−1−シラシクロペンタン、(2−シクロヘキセン−1−イルオキシ)トリメチル−シラン、(シクロヘキシルオキシ)トリメチル−シラン、2,4−シクロペンタジエン−1−イルトリメチルシラン、1,1−ジメチル−シラシクロヘキサン、およびこれらの組合せからなる群より選択されるものであるステップと、1種または複数のオルガノシリコン化合物をRF電力の存在下で反応させて、低誘電率層をチャンバ内の基板上に堆積させるステップと、低誘電率層からポロゲン成分が実質的に除去されるように低誘電率層を後処理するステップとを含む。シリコン原子は、1個または複数の酸素原子に結合されていてもよい。任意選択で、不活性キャリアガス、酸化ガス、またはその両方を、1種または複数のオルガノシリコン化合物と共に処理チャンバ内に導入してもよい。後処理プロセスは、堆積した材料の紫外線硬化であってもよく、UV硬化プロセスを、熱、プラズマ、または電子ビーム硬化プロセスと同時にまたは連続して使用してもよい。
【0008】
本発明の上記列挙された特徴を詳細に理解することができるように、上記にて簡単に概説された本発明のより具体的な説明は、そのいくつかが添付図面に例示される実施形態を参照することによって行うことができる。しかし添付図面は、本発明の典型的な実施形態のみ例示し、したがって本発明の範囲を限定するとは見なされず、本発明はその他の均等に有効な実施形態を許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本明細書に記述されるポロゲン含有オルガノシリコン化合物、シクロヘキシルメチルジメトキシシランと、ポロゲン前駆体およびシリコン含有化合物の2つの個別の化合物の、堆積された材料の別の実施形態における、多孔性構造の半径サイズに対する体積パーセントを示す図である。
【図2】本明細書に記述されるポロゲン含有オルガノシリコン化合物、5−(ビシクロヘプテニル)トリメチルシランと、ポロゲン前駆体およびシリコン含有化合物の2つの個別の化合物の、堆積された材料の別の実施形態における、多孔性構造の半径サイズに対する体積パーセントを示す図である。
【図3】A〜Dは、本明細書に記述される一実施形態による、デュアルダマシン堆積順序の一実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、低誘電率層を堆積する方法を提供する。低誘電率層は、シリコン、酸素、および炭素を含み、酸炭化ケイ素、または炭素がドープされた酸化ケイ素と呼ぶこともできる。層は、ナノメートルサイズの細孔も含む。低誘電率層は、約3.0以下、好ましくは約2.6以下、例えば約2.1から2.5の間の誘電率を有する。低誘電率層は、少なくとも約4GPa、例えば約6GPa以上の弾性率を有していてもよい。低誘電率層は、層構造、例えば多層デュアルダマシン構造の、金属間誘電体層としてまたはバリア層などの別の層として使用されてもよい。本発明の実施形態による低誘電率層を堆積する方法を、以下に記述する。
【0011】
プロセスは、以下の通り記述することができる。1種または複数のオルガノシリコン化合物は、処理チャンバ内に導入されてもよい。1種または複数のオルガノシリコン化合物は、結合されたシリコン原子と、シリコン原子に結合されたポロゲン成分とを含んでいてもよい。シリコン原子は、任意選択で1個または複数の酸素原子に結合されていてもよい。希ガス、例えばアルゴンまたはヘリウムなどの不活性キャリアガスを、1種または複数のオルガノシリコン化合物と共に導入してもよい。任意選択で、酸化ガスを処理チャンバ内に導入してもよい。
【0012】
1種または複数のオルガノシリコン化合物、および任意選択で酸化ガスを、RF電力の存在下で反応させて、低誘電率材料をチャンバ内の基板上に堆積する。次いで堆積した材料を、紫外線硬化プロセスで後処理することにより、ポロゲン成分を低誘電率層から実質的に除去することができる。
【0013】
1種または複数のオルガノシリコン化合物および任意のその他の任意選択のガスが導入されるチャンバは、プラズマ化学気相堆積(PECVD)チャンバであってもよい。堆積プロセス用のプラズマは、一定の高周波(RF)電力、パルスRF電力、高周波RF電力、二重周波数RF電力、またはこれらの組合せを使用して発生させてもよい。使用できるPECVDチャンバの例は、Applied Materials,Inc.、Santa Clara、CAから入手可能なPRODUCER(登録商標)チャンバである。しかし、その他のチャンバを使用して低誘電率層を堆積してもよい。
【0014】
1種または複数のオルガノシリコン化合物(グラフト化ポロゲン前駆体と呼ぶこともできる。)は、シリコン含有成分と、このシリコン含有成分のシリコン原子に結合されたポロゲン成分とを含む。シリコン含有成分は、少なくとも1個の酸素原子に結合されたシリコン原子を含んでいてもよい。適切なオルガノシリコン化合物には:
5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン

5−(ビシクロヘプテニル)メチルジエトキシシラン

5−(ビシクロヘプテニル)ジメチルエトキシシラン

5−(ビシクロヘプテニル)トリメチルシラン

シクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CHMDMOS)

イソブチルメチルジメトキシシラン(IBMDMOS)

1−[2−(トリメトキシシリル)エチル]シクロヘキサン−3,4−エポキシド

1,1−ジメチル−1−シラシクロペンタン

(2−シクロヘキセン−1−イルオキシ)トリメチル−シラン

(シクロヘキシルオキシ)トリメチル−シラン

2,4−シクロペンタジエン−1−イルトリメチルシラン

1,1−ジメチル−シラシクロヘキサン

5−(ビシクロヘプチル)メチルジエトキシシラン

5−(ビシクロヘプチル)ジメチルエトキシシラン

5−(ビシクロヘプチル)トリメチルシラン

5−(ビシクロヘプチル)ジメチルクロロシラン

およびこれらの組合せが含まれる。
【0015】
シリコン含有成分は、任意のシリコンをベースにした化合物(および任意選択で少なくともシリコン−酸素結合を有する)を含むことができ、例えば、トリメチルシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(シラノメチレン)ジシロキサン、ビス(1−メチルジシロキサニル)メタン、ビス(1−メチルジシロキサニル)プロパン、およびこれらの組合せからなる群より選択される化合物を含んでいてよい。ポロゲン成分と結合するように適合させることができる、シリコン含有成分に関する追加のシリコンをベースにした化合物には、ジメチルジメトキシシラン(DMDMOS)(例えば、ポロゲン成分の結合の後に、シリコン含有成分として、ジメチルメトキシシランまたはメチルジメトキシシランとして存在させることができる。)、ジメトキシメチルビニルシラン(DMMVS)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDS)、ヘキサメトキシジシロキサン(HMDOS)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、およびこれらの組合せからなる群より選択される化合物を含めてもよい。
【0016】
ポロゲン成分は、シリコン原子にカップリングされた熱に不安定な官能基を含んでいてもよい。熱に不安定な官能基には、ビシクロヘプテニル、シクロヘキシル、イソブチル、シクロヘキセンエポキシ、シクロヘキセニル、シクロペンタジエニル、これらの誘導体、およびこれらの組合せを含めることができる。シリコン原子と結合する前のベースのポロゲン化合物は、ビシクロヘプタジエン(ノルボルナジエン)、ビシクロヘプタン(ノルボルナン)、シクロヘキサン、イソブタン、シクロヘキサンエポキシド、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、およびこれらの組合せからなる群より選択されてもよい。熱に不安定な基は、硬化したときの、堆積された材料に由来し、細孔またはボイドが、堆積された材料に形成される。硬化プロセスは、熱または電子ビーム硬化プロセスと逐次または同時に使用することができる紫外線プロセスであってもよい。
【0017】
1種または複数のオルガノシリコン化合物を、その他のシリコン含有前駆体およびポロゲン前駆体と混合して、低誘電率誘電体層を堆積することができる。
【0018】
1種または複数の任意選択のシリコン含有前駆体は、1種または複数のオルガノシリコン前駆体と共に使用してもよい。1種または複数のシリコン含有前駆体は、1種または複数の非ポロゲン成分オルガノシリコン化合物であってもよく、例えば、ジメチルジメトキシシラン(DMDMOS)、メチルジエトキシシラン(MDEOS)、トリメチルシラン(TMS)、トリエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDS)、1,3−ビス(シラノメチレン)ジシロキサン、ビス(1−メチルジシロキサニル)メタン、ビス(1−メチルジシロキサニル)プロパン、ヘキサメトキシジシロキサン(HMDOS)、ジメトキシメチルビニルシラン(DMMVS)、およびこれらの組合せが含まれる。1種または複数のシリコン含有前駆体は、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、およびこれらの組合せを含む環状化合物を含んでいてもよい。
【0019】
さらに、1種または複数の任意選択のポロゲン前駆体を、1種または複数のオルガノシリコン化合物と共に使用してもよい。好ましいポロゲン前駆体は、個々の化合物として形成されたポロゲン成分のポロゲン化合物であり、例えば、とりわけビシクロヘプタジエン(ノルボルナジエン)、ビシクロヘプタン(ノルボルナン)、シクロヘキサン、イソブタン、α−テルピネン、シクロヘキサンエポキシド、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、およびこれらの組合せが含まれる。
【0020】
酸化ガスは、酸素(O)、亜酸化窒素(NO)、オゾン(O)、水(HO)、二酸化炭素(CO)、一酸化炭素(CO)、およびこれらの組合せからなる群より選択される酸素含有化合物である。
【0021】
上記および本出願の全体において記述される流量は、Applied Materials,Inc.、Santa Clara、CAから入手可能なPRODUCER(登録商標)チャンバなど、2つの隔絶された処理領域を有する300mmチャンバに関して提供される。したがって、各基板処理領域ごとに経験する流量は、チャンバ内への流量の半分である。
【0022】
1種または複数のオルガノシリコン化合物と、任意選択で酸化ガスおよび任意の不活性ガスとを、RF電力の存在下で反応させて、低誘電率層をチャンバ内の基板上に堆積させる。1種または複数のオルガノシリコン化合物は、内部にポロゲン成分(熱に不安定な基)を保持する層を堆積するように反応する。層の後処理の結果、層からのポロゲン(熱に不安定な基)の分解および発生が生じ、その結果、ボイドまたはナノメートルサイズの細孔が層内に形成される。
【0023】
適用において、基板は、PECVDを行うことが可能な処理チャンバの基板支持体上に位置決めされる。1種または複数のオルガノシリコン化合物と任意選択で酸化ガスとを含む組成物を有する混合ガスは、シャワーヘッドなどの、チャンバのガス分布プレートを通してチャンバ内に導入される。高周波(RF)電力を、チャンバ内にプラズマ処理条件を提供するためにシャワーヘッドなどの電極に印加する。混合ガスを、RF電力の存在下でチャンバ内で反応させることにより、下に在る基板に強力に接着する酸化ケイ素層を含んだ開始層を堆積する。低誘電率層は、ポロゲンが低誘電率層から実質的に除去されるように後処理する。
【0024】
低誘電率層をチャンバ内の基板上に堆積させるための、1種または複数のオルガノシリコン化合物と酸化ガスとの反応中、基板は、約0℃から約400℃の間の温度で典型的には維持される。チャンバ圧力は、約0.1Torrから約50Torrの間、例えば約1Torrから15Torrの間であってもよく、基板支持体とチャンバのシャワーヘッドとの間の間隔は、約100ミルから約1500ミルの間、例えば約200ミルから約1200ミルの間であってもよい。
【0025】
1種または複数のオルガノシリコン化合物は、約10mg/分から約5000mg/分の流量で、例えば約100mg/分から約3000mg/分の流量で、チャンバ内に導入することができる。任意選択の酸化ガスは、約0mg/分から約10000mg/分の流量で、例えば約0mg/分から約5000mg/分の流量で、チャンバ内に導入されてもよい。ヘリウム、アルゴン、または窒素などの希釈またはキャリアガスは、約10sccmから約10000sccmの間の流量で、例えば約500mg/分から5000mg/分の流量で、チャンバ内に導入されてもよい。
【0026】
プラズマは、RF電力レベルが約10Wから約2000Wの間である約0.014W/cmから約2.8W/cmに及ぶ電力密度、例えば300mm基板ではRF電力レベルが約50Wから約1000Wの間である0.07W/cmから約1.4W/cmに及ぶ電力密度を印加することによって、発生させてもよい。RF電力は、約0.01MHzから300MHzの間、例えば約13.56MHzの周波数で提供される。RF電力は、約13.56MHzの高周波数および約350kHzの低周波数など、混合周波数で提供されてもよい。RF電力は、基板の加熱を低減させかつ堆積した層でより大きな多孔度を促進させるため、循環させまたはパルス化させてもよい。RF電力は、連続的であっても不連続であってもよい。
【0027】
低誘電率層が堆積された後、この層を後処理してもよい。一実施形態では、ポロゲンは、UV線を当てることによって除去される。UV線の適用は、とりわけ、電子ビーム(e−ビーム)処理、プラズマをベースにした処理、熱アニーリング処理、およびこれらの組合せなどの追加の後処理と併せて、同時に、または逐次使用されてもよい。
【0028】
使用されてもよいUV後処理条件の例には、約1Torrから約12Torrの間、例えば1Torrから10Torrの間のチャンバ圧力と、約50℃から約600℃、例えば約350℃から約500℃の基板支持体温度とが含まれる。UV線は、水銀マイクロ波アークランプ、パルスキセノンフラッシュランプ、または高効率UV発光ダイオーアレイなど、任意のUV源から提供されてもよい。UV線は、例えば約170nmから約400nmの間の波長を有していてもよい。ヘリウムガスは、約100sccmから約20,000sccmの間の流量で供給されてもよい。ある実施形態では、ヘリウム、アルゴン、窒素ガス、水素ガス、および酸素ガスなどのガス、またはこれらの任意の組合せを使用してもよい。UV電力は、約25%から約100%の間であってもよく、処理時間は、約0分から約200分の間であってもよい。
【0029】
使用されてもよいUVチャンバおよび処理条件のさらなる詳細は、参照により本明細書に組み込まれた、同一出願人による、2005年5月9日出願の米国特許出願第11/124,908号に記述されている。Applied Materials,Inc.製のNanoCure(商標)チャンバは、UV後処理で使用されてもよい市販のチャンバの例である。
【0030】
例示的な熱アニーリング後処理は、約200℃から約500℃の間の基板温度で約2秒から約3時間、好ましくは約0.5から約2時間、チャンバ内で層をアニールするステップを含む。ヘリウム、水素、窒素、またはこれらの混合物などの非反応性ガスを、約100から約10,000sccmの速度でチャンバ内に導入してもよい。チャンバ圧力は、約1mTorrから約10Torrの間で維持される。好ましい基板間隔は、約300ミルから約800ミルの間である。
【0031】
下記の実施例は、本発明の実施形態を示す。実施例における基板は、300mm基板である。低誘電率層を、Applied Materials,Inc.、Santa Clara、CAから入手可能なPRODUCER(登録商標)チャンバ内で基板上に堆積し、Applied Materials,Inc.、Santa Clara、CAから入手可能なNanoCure(商標)チャンバ内でUV処理した。
【0032】
本明細書に記述されるオルガノシリコン化合物と共に上記プロセスによって堆積された誘電体層は、アニーリングまたは後処理の後に、約2.0から約2.5に及ぶ誘電率、例えば約2.2から約2.46に及ぶ誘電率と、約20体積%〜約30体積%の多孔度体積と、約6.5GPaの弾性率と、約6Å(0.6nm)から約17Å(1.7nm)、例えば約6Å(0.6nm)から約11Å(1.1nm)、例えば約7Åから約9Åの間の平均細孔半径を有することが観察された。
【実施例】
【0033】
実施例1および図1
低誘電率層を、約7Torrでかつ約300℃の温度で、基板上に堆積した。間隔は約800ミルであり、RF電力を約400Wおよび約13.56MHzで提供した。下記の処理ガスおよび流量:約1000mgmでシクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CHMDMOS)、約0mgmで酸素ガス、および約3000sccmでヘリウムを使用した。層を、上述のようにUV処理で後処理した。
【0034】
後処理の後、層は、誘電率約2.35、堆積速度約2500Å/分、引張り応力約55MPa、弾性率約4.5GPa、平均細孔半径が約7.1Å(0.71nm)である約28%の多孔度、およびSiO結合に対するSi−CH結合の基準FTIR比約2.7%を有することが観察された。
【0035】
図1は、上記堆積されたシクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CHMDMOS)オルガノシリコン化合物(太い実線)と、別の化合物としてのシリコン成分(メチルジメトキシシラン)およびポロゲン(ビシクロヘプタジエン(BHCD))(細い実線)との多孔度(多孔性体積)および平均細孔構造半径の比較を示す。図1に示されるように、オルガノシリコン化合物が堆積された層は、より均一な多孔性構造サイズ(個別の成分としてシリコン成分およびポロゲンと共に堆積された層よりも狭いピーク構造)でより大きな多孔度(ピーク下でより大きな面積)を示す。多孔度体積%および細孔半径を、公知の技法を使用して測定した。
【0036】
実施例2および図2
低誘電率層を、約7Torrでかつ約300℃の温度で基板上に堆積した。間隔は約800ミルであり、RF電力は、約400Wおよび13.56MHzで提供した。下記の処理ガスおよび流量:約1000mgmで5−(ビシクロヘプテニル)トリメチルシラン、約0mgmで酸素ガス、および約3000sccmでヘリウムを使用した。層を、上述のようにUV処理で後処理した。
【0037】
後処理の後、層は、誘電率約2.43、堆積速度約2000Å/分、引張り応力約60MPa、弾性率約6.5GPa、平均細孔半径が約7.0Å(0.7nm)である約23%の多孔度、およびSiO結合に対するSi−CH結合の基準FTIR比約3.2%を有することが観察された。
【0038】
図2は、上記堆積された5−(ビシクロヘプテニル)トリメチルシランオルガノシリコン化合物(太い実線)対個別の化合物としてのシリコン成分(メチルジメトキシシラン)およびポロゲン(ノルボルナジエンとしても知られるビシクロヘプタジエン)(細い実線)に関する、多孔度(多孔性体積)および平均細孔構造半径の比較を示す。図2に示されるように、オルガノシリコン化合物が堆積された層は、個別の化合物としてシリコン成分およびポロゲンが堆積された層よりも、より均一な多孔性構造サイズでより大きな多孔度を示す。
【0039】
(グラフト化)シリコン原子に結合されたポロゲンを使用して誘電材料を堆積させるステップは、堆積された酸炭化ケイ素材料においてより制御された細孔構造を生成したことが観察された。図1〜2は、ポロゲン体積%対細孔半径のチャートによって、この制御された細孔構造を示し、2種の個別の前駆体を用いたプロセスに比べてより狭い細孔半径のばらつきを有しかつ場合によっては増加した多孔度体積を有している。改善された細孔構造は、層パターニングプロセスからレジスト材料を除去する酸素アッシングなど、層を損傷するプロセスに対して、より良好な耐性を示した。
【0040】
本明細書に記述される方法によって堆積された(多孔性)低誘電率誘電体層は、下記のように層間誘電材料として使用してもよい。あるいは、本明細書に記述される方法によって堆積された(多孔性)低誘電率誘電体層は、エッチング停止層またはバリア層などの別の層間誘電体層として使用してもよい。
【0041】
図3Aに示されるように、内部に基板表面材料305に形成された金属の特徴307を有する基板300を使用して形成されるダマシン構造を、処理チャンバに提供する。炭化ケイ素バリア層などの第1のバリア層310が、基板とその後に堆積される材料との間の層間拡散をなくすために、一般に基板表面に堆積される。バリア層材料は、約9まで、好ましくは約2.5から約4未満の誘電率を有していてもよい。炭化ケイ素バリア層は、約5以下、好ましくは約4未満の誘電率を有していてもよい。第1のバリア層310の炭化ケイ素材料には、窒素および/または酸素がドープされていてもよい。バリア層は、UV処理、熱処理、プラズマ処理、電子ビーム処理、またはこれらの組合せで処理してもよい。
【0042】
任意選択で、本明細書に記述されるバリア層は、本明細書に記述される1種または複数のオルガノシリコン化合物の1種から堆積してもよい。例えば、イソブチルメチルジメトキシシランから堆積された誘電体層は、より低い多孔度体積と、本明細書に記述されるその他のオルガノシリコン化合物に対して改善されたバリア特性とを有することが観察された。イソブチルメチルジメトキシシランオルガノシリコン化合物は、不活性ガス、酸化ガス、または両方を用いて堆積されてもよい。酸素ガスを含まない堆積プロセスは、酸化ガスを含む堆積プロセスよりも良好なバリア特性およびより高い誘電率の値を有すると考えられる。
【0043】
図示されていないが、窒素を含まない炭化ケイ素または酸化ケイ素のキャッピング層を、第1のバリア層310上に堆積してもよい。窒素を含まない炭化ケイ素または酸化ケイ素キャッピング層は、処理ガスの組成を調節することによって、その場で堆積してもよい。例えば、窒素を含まない炭化ケイ素のキャッピング層は、窒素源ガスを最小限に抑えることによってまたはなくすことによって、第1の炭化ケイ素バリア層310上にその場で堆積してもよい。あるいは、図示していないが、開始層を第1の炭化ケイ素バリア層310上に堆積してもよい。開始層は、本明細書の特許請求の範囲に記載される態様および本明細書の開示と矛盾しない程度まで参照により本明細書に組み込まれる、ADHESION IMPROVEMENT FOR LOW K DIELECTRICSという名称の米国特許第7,030,041号により十分に記述されている。
【0044】
第1の誘電体層312は、本明細書に記述される1種または複数のオルガノシリコン化合物を使用して(多孔性)低誘電率誘電体層を形成することに関する本明細書に記述される方法によって、製作される構造のサイズに応じて約1,000から約15,000Åの厚さまで炭化ケイ素バリア層310上に堆積される。次いで第1の誘電体層312は、プラズマプロセス、熱プロセス、または電子ビームプロセスと組み合わせて使用することができる、本明細書に記述される紫外線プロセスによって、後処理されてもよい。任意選択で、堆積された材料から炭素を除去するために、本明細書に記述される酸炭化ケイ素堆積プロセスで酸素濃度を増大させることによって、酸化ケイ素キャップ層(図示せず)を第1の誘電体層312上にその場で堆積してもよい。第1の誘電体層は、パラリンを含む低ポリマー材料などのその他の低誘電率誘電材料、またはドープされていないシリコンガラス(USG)もしくはフッ素がドープされたシリコンガラス(FSG)などの低誘電率スピンオンガラスを含んでいてもよい。
【0045】
次いで任意選択の低誘電率エッチング停止層(または第2のバリア層)314、例えば炭化ケイ素層であって、窒素または酸素がドープされていてもよい層を、第1の誘電体層312上に堆積する。低誘電率エッチング停止層314は、約50Åから約1,000Åの厚さまで、第1の誘電体層312上に堆積してもよい。低誘電率エッチング停止層314は、炭化ケイ素材料または酸炭化ケイ素材料に合わせて本明細書に記述されるように後処理されてもよい。次いで低誘電率エッチング停止層314をパターンエッチングして、コンタクト/ビア316の開口を画定し、コンタクト/ビア316が形成される領域で第1の誘電体層312を露出させる。一実施形態では、低誘電率エッチング停止層314を、従来のフォトリソグラフィとフッ素、炭素、および酸素イオンを使用するエッチングプロセスとを使用して、パターンエッチングする。図示されていないが、約100Åから約500Åの間の、窒素を含まない炭化ケイ素または酸化ケイ素キャップ層を、さらなる材料を堆積する前に低誘電率エッチング停止層314上に任意選択で堆積してもよい。
【0046】
次いで図3Bを参照すると、レジスト材料が除去された後に、本明細書に記述されるオルガノシリコン化合物の第2の誘電体層318が、任意選択のパターニングされたエッチング停止層314と第1の誘電体層312とを覆って堆積されている。第2の誘電体層318は、多孔性低誘電率誘電体層を形成するために、本明細書に記述される方法によって酸炭化ケイ素を含んでいてもよく、約5,000から約15,000Åの厚さに堆積される。次いで第2の誘電体層318は、プラズマプロセス、熱プロセス、または電子ビームプロセスと組み合わせて使用することができる本明細書に記述される紫外線プロセスで後処理されてもよく、かつ/または本明細書に記述されるプロセスによって表面に配置された酸化ケイ素キャップ材料を有していてもよい。第2の誘電体層318を堆積するのに、第1の誘電体層312と同じまたは異なるオルガノシリコン化合物を使用してもよい。
【0047】
次いでレジスト材料322を、第2の誘電体層318(またはキャップ層)上に堆積し、従来のフォトリソグラフィプロセスを使用して、図3Bに示されるように相互接続線320が画定されるようにパターニングする。任意選択で、ARC層およびエッチングマスク層、例えばハードマスク層(図示せず)などを、レジスト材料322と第2の誘電体層318との間に位置決めして、基板300へのパターンおよび特徴の転写が促進されるようにしてもよい。レジスト材料322は、当技術分野で従来から知られている材料、好ましくは高活性化エネルギーレジスト材料、例えばShipley Company Inc.、Marlborough、Massachusettsから市販されているUV−5などを含む。次いで相互接続およびコンタクト/ビアを、反応性イオンエッチングまたはその他の異方性エッチング技法を使用してエッチングして、図3Cに示される金属化構造(即ち、相互接続およびコンタクト/ビア)を画定する。エッチング停止層314または第2の誘電体層318をパターニングするのに使用される任意のレジスト材料またはその他の材料は、酸素ストリップまたはその他の適切なプロセスを使用して除去される。
【0048】
次いで金属化構造を、アルミニウム、銅、タングステン、またはこれらの組合せなどの導電性材料で形成する。現在、銅の低い抵抗(アルミニウムが3.1mΩ−cmであるのに比べ、1.7mΩ−cm)に起因して、より小さな特徴を形成するのに銅を使用する傾向がある。一実施形態では、銅がこれを取り囲むシリコンおよび/または誘電材料中に移行しないように、窒化タンタルなどの適切な金属バリア層324が、金属化パターンに順応して最初に堆積される。その後、銅は、導電性構造を形成するために、化学気相堆積、物理的気相堆積、電気メッキ、またはこれらの組合せなどの技法を使用して堆積される。構造に、銅またはその他の導電性金属を充填したら、化学機械研磨を使用して表面を平坦化し、図3Dに示されるように導電性金属の特徴326の表面を露出させる。
【0049】
1種または複数のオルガノシリコン化合物は、間隙充填プロセスなどのその他の堆積スキームで使用されてもよい。間隙充填プロセスの例は、「Method Of Depositing A Low K Dielectric With Organo Silane」という名称の、2000年4月25日に発行された特許第6,054,379号に開示されており、この出願は、特許請求の範囲に記載された態様および本明細書の記述に矛盾しない程度まで、参照により本明細書に組み込まれるものである。
【0050】
前述の事項は本発明の実施形態を対象とするが、その基本的な範囲から逸脱することなく本発明のその他および別の実施形態を考え出することができ、その範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低誘電率層を堆積する方法であって、
1種または複数のオルガノシリコン化合物をチャンバに導入するステップであって、前記1種または複数のオルガノシリコン化合物が、シリコン原子、および前記シリコン原子に結合されたポロゲン成分を含んでおり、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、5−(ビシクロヘプテニル)メチルジエトキシシラン、5−(ビシクロヘプテニル)ジメチルエトキシシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリメチルシラン、5−(ビシクロヘプチル)メチルジエトキシシラン、5−(ビシクロヘプチル)ジメチルエトキシシラン、5−(ビシクロヘプチル)トリメチルシラン、5−(ビシクロヘプチル)ジメチルクロロシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、1−[2−(トリメトキシシリル)エチル]シクロヘキサン−3,4−エポキシド、1,1−ジメチル−1−シラシクロペンタン、(2−シクロヘキセン−1−イルオキシ)トリメチル−シラン、(シクロヘキシルオキシ)トリメチル−シラン、2,4−シクロペンタジエン−1−イルトリメチルシラン、1,1−ジメチル−シラシクロヘキサン、およびこれらの組合せからからなる群より選択されるステップと、
前記1種または複数のオルガノシリコン化合物を、RF電力の存在下で反応させることにより、低誘電率層を前記チャンバ内の基板上に堆積させるステップと、
前記低誘電率層から前記ポロゲン成分が実質的に除去されるように前記低誘電率層を後処理するステップであって、前記低誘電率層が、約20体積%から約30体積%の多孔度体積および約6Åから約11Åの平均細孔半径を有するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記後処理するステップがUV硬化処理を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記低誘電率層の誘電率が約2.0から約2.5である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
酸化ガスを、前記チャンバ内に導入し、前記1種または複数のオルガノシリコン化合物と前記酸化ガスとをRF電力の存在下で反応させることにより、低誘電率層を前記チャンバ内の基板上に堆積させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記酸化ガスが、酸素(O)、亜酸化窒素(NO)、オゾン(O)、水(HO)、二酸化炭素(CO)、一酸化炭素(CO)、およびこれらの組合せからなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
シリコン含有前駆体、ポロゲン前駆体、およびこれらの組合せからなる群より選択される1種または複数の化合物を導入するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記シリコン含有前駆体が、ジメチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、トリメチルシラン、トリエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ビス(シラノメチレン)ジシロキサン、ビス(1−メチルジシロキサニル)メタン、ビス(1−メチルジシロキサニル)プロパン、ヘキサメトキシジシロキサン、ジメトキシメチルビニルシラン、およびこれらの組合せからなる群より選択される1種または複数のポロゲン不含シリコン化合物を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記シリコン含有前駆体が、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、およびこれらの組合せからなる群より選択される1種または複数のポロゲン不含環状シリコン含有前駆体を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ポロゲン前駆体が、ノルボルナン、ノルボルナジエン、シクロヘキサン、イソブタン、α−テルピネン、シクロヘキサンエポキシド、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、およびこれらの組合せからなる群より選択されるポロゲン化合物を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記シリコン原子が少なくとも1個の酸素原子に結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記低誘電率層が、酸炭化ケイ素を含み、約2.0から約2.5の誘電率を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記平均細孔半径が約7Åから約9Åの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
低誘電率層を堆積する方法であって、
1種または複数のオルガノシリコン化合物をチャンバに導入するステップであって、前記1種または複数のオルガノシリコン化合物が、シリコン原子、および前記シリコン原子に結合されたポロゲン成分を含み、5−(ビシクロヘプテニル)メチルジエトキシシラン、5−(ビシクロヘプテニル)ジメチルエトキシシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリメチルシラン、5−(ビシクロヘプチル)メチルジエトキシシラン、5−(ビシクロヘプチル)ジメチルエトキシシラン、5−(ビシクロヘプチル)トリメチルシラン、5−(ビシクロヘプチル)ジメチルクロロシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、1−[2−(トリメトキシシリル)エチル]シクロヘキサン−3,4−エポキシド、1,1−ジメチル−1−シラシクロペンタン、(2−シクロヘキセン−1−イルオキシ)トリメチル−シラン、(シクロヘキシルオキシ)トリメチル−シラン、2,4−シクロペンタジエン−1−イルトリメチルシラン、1,1−ジメチル−シラシクロヘキサン、およびこれらの組合せからからなる群より選択されるステップと、
前記1種または複数のオルガノシリコン化合物をRF電力の存在下で反応させることにより、低誘電率層を前記チャンバ内の基板上に堆積させるステップと、
前記低誘電率層から前記ポロゲン成分が実質的に除去されるように前記低誘電率層を後処理するステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記低誘電率層が、後処理の後に、約20体積%から約30体積%の多孔度体積および約6Åから約11Åの平均細孔半径を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記平均細孔半径が約7Åから約9Åの間である、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−520841(P2013−520841A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555043(P2012−555043)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2011/025093
【国際公開番号】WO2011/106218
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】