説明

マイクロチャネルプロセス技術を用いてエマルジョンを作製するプロセス

開示する発明は、エマルジョンをつくるプロセスに関する。本プロセスは、プロセスマイクロチャネルを通して第一の液体を流す工程であって、前記プロセスマイクロチャネルは開口区域を備える壁を有するものとする工程、前記開口区域を通して前記プロセスマイクロチャネル中に第二の液体を流入させ前記第一の液体と接触させる工程を含み、前記第一の液体は連続相を形成し、前記第二の液体は前記連続相中に分散した不連続相を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロチャネルプロセス技術を用いてエマルジョンをつくる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二つ以上の混ざり合わない液体、通常は水または水系溶液と疎水性有機液体(例えばオイル)とを混合するとき、一方の液体が他方の液体中で液滴を形成するようにエマルジョンを作製することができる。どちらの液体も他方の液体中に分散することができる。例えば、オイルが水の中に分散するとき、このエマルジョンを水中油(o/w)エマルジョンと呼ぶことができる。逆の場合は、油中水(w/o)エマルジョンである。例えば、連続オイル相中の水の液滴そのものが分散したオイル液滴を含むとき、二重エマルジョンなどのもっと複雑なエマルジョンを作製することができる。これらの油中水中油エマルジョンをo/w/oエマルジョンと分類することができる。同様に、w/o/wエマルジョンを作製することができる。
【0003】
多くのエマルジョンの一つの問題は、例えば界面活性剤または乳化剤を加えて安定化させないと凝塊し、クリーミング層を形成し、合体して最終的には二つの相に分かれる傾向があることである。混ざり合わない液体の一方または両方に界面活性剤または乳化剤(時には表面活性剤と呼ばれる)を加えると、一方の液体は連続相を形成し、他方の液体は液滴の形(「分散相または不連続相」)のままで、この液滴を連続相中に分散することができる。液滴サイズが特定の値より小さくなると、エマルジョンの安定度を増加させることができる。例えば、20ミクロンの液滴サイズの一般的なo/wエマルジョンは、一時的に安定(時間程度)なだけであるが、一方、1ミクロンのものは「準恒久的に」安定(少なくとも週程度)とみなせる。しかし、従来の加工技術を用いると、特に非常に小さな液滴サイズ、および粘度の高いエマルジョンを多量に製造する場合、液滴サイズが小さくなるほど、乳化システムおよびプロセスのエネルギー消費および所要動力が顕著に増加する可能性がある。例えば、従来の加工技術を用いると、エネルギー散逸(エネルギー消費)を二倍にしても、平均液滴サイズを約25%しか減らすことができない。界面張力に打ち克ち、その結果大きな液滴を小さな液滴に分割するために、せん断力を加えることができる。しかし、液滴サイズが減少するにつれて、液滴の形状を保つために必要な界面張力が増加する傾向がある。エネルギー消費は、さまざまな形で生じ、例えば、バッチプロセスでエマルジョンのせん断力に打ち克つために撹拌機が必要とするエネルギー、加熱および冷却のためのエネルギー、および/またはホモジナイザーにおけるような連続プロセスの圧力降下に打ち克つ動力のことがある。一方の相が室温で流れないか、または流れるのが遅すぎるとき、多くの場合、乳化のために加熱が必要である。しかし、一般に加熱したエマルジョンは連続相の粘度が低いため、ドラグが小さくなり安定性が劣る。液滴の運動と、その結果起こる大きくて多くの場合望ましくない液滴への合体、または液滴の凝集ならびに層への相分離とを停めるか遅らせるために、ドラグが必要なことがある。乳化後、液滴は浮力によって上昇する傾向がある。それに応じて、直ぐに冷却しなければならないことがあり、それもエネルギーを消費する。
【0004】
エマルジョンをつくるために現在利用できるプロセスの多くの一つの問題は、製品を製剤化するために利用できる組成の範囲が制約されることである。例えば、現在利用できるエマルジョンの多くの一つの問題は、それらの製剤中の界面活性剤または乳化剤の存在に関わる。これらの界面活性剤または乳化剤は、エマルジョンを安定化させるために必要であるが、多くの用途には望ましくない。例えば、乳化プロセスでは多くの場合バブリングまたは沸騰させずに加熱するこが望ましい、しかしいくつかの例では、界面活性剤または乳化剤が存在すると、核沸騰、または連続相中の溶解空気からの気泡生成の開始温度が低くなる。沸騰は望ましくない性質変化の原因となり得る。気泡は、クリーミングおよびその他の望ましくない問題の原因となり得る。
【0005】
化粧品産業のスキンケア製品では、多くの場合、界面活性剤または乳化剤濃度が低いか、またはそのような界面活性剤または乳化剤をまったく含むまないエマルジョンが望ましい。いくつかの界面活性剤または乳化剤の不利な点は、p−ヒドロキシ安息香酸のエステルなど、スキンケア製品中に用いられている防腐剤と相互作用する傾向である。皮層刺激は、多くの場合界面活性剤または乳化剤の使用に関わる別の問題である。消費者が化粧品の使用から経験する多くの有害皮膚反応は、界面活性剤または乳化剤の存在に関連づけられる。別の例は、防水が望まれる場合に界面活性剤または乳化剤を用いる問題に関わる。例えば、日焼け止めなどの水性スキンケア製品では、水溶性界面活性剤または乳化剤の存在が原因で活性成分が防水性でないことがある。
【0006】
多くの医薬品化合物の使用に関する一つの問題は、それらが水に溶けないか、または溶けにくく、用いることができる界面活性剤または乳化剤には制限があるという事実に関連がある。これは、体内に薬剤を輸送することに関して問題があるために、臨床的に許容できない薬剤があるという発見につながった。静脈内注射用の薬剤および化学療法薬または抗ガン剤の投与では、エマルジョン製剤が問題を引き起こすことがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも一つの実施態様では、上記の問題の一つ以上に解決策を提供することができる。一つの実施態様では、従来の技術と比較して比較的低いレベルのエネルギーを用いて、エマルジョンをつくることができる。少なくとも一つの実施態様では、本発明のプロセスに従ってつくられるエマルジョンは、比較的小さな液滴サイズおよび比較的一様な液滴サイズ分布の分散相を有することができる。一つの実施態様では、本発明のプロセスに従ってつくられるエマルジョンは、高い安定性の度合いを示すことができる。一つの実施態様では、本発明のプロセスによってつくられるエマルジョンでは、界面活性剤または乳化剤濃度を低くするか、またはそのような界面活性剤または乳化剤をまったく使わなくてよい。一つの実施態様では、本発明のプロセスに従ってつくられるエマルジョンは、例えばスキンケア製品、医薬品組成物などとして有用である。
【0008】
本発明は、エマルジョンをつくるプロセスに関し、プロセスマイクロチャネルを通して第一の液体を流す工程、ここにおいて前記プロセスマイクロチャネルは開口区域を備える壁を有するおよび、前記開口区域を通して前記プロセスマイクロチャネルに第二の液体を流入させ前記第一の液体と接触させて前記エマルジョンを作製する工程、ここにおいて前記第二の液体は前記第一の液体と混ざり合わず、前記第一の液体は連続相を形成し、前記第二の液体は前記連続相中に分散した不連続相を形成する、からなるものである。一つの実施態様では、前記第二の液体は、液体チャネルから前記開口区域を通って流れる。
【0009】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネルと熱交換器との間、液体チャネルと熱交換器との間、またはプロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルの両方と熱交換器との間で熱が交換される。熱交換器は、冷却、加熱または冷却および加熱の両方に用いることができる。熱交換器は、プロセスマイクロチャネル、液体チャネルまたはプロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルの両方に隣接する熱交換チャネル、加熱エレメントおよび/または冷却素子を含むことができる。一つの実施態様では、熱交換器は、プロセスマイクロチャネルまたは液体チャネルと接触または隣接するのではなく、むしろプロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルの一方または両方から離れていてもよい。
【0010】
一つの実施態様では、第一の液体および第二の液体は、プロセスマイクロチャネル中の混合ゾーンで互いと接触する。
【0011】
一つの実施態様では、熱は、混合ゾーンで、熱交換器とプロセスマイクロチャネルの少なくとも一部との間で交換される。
【0012】
一つの実施態様では、熱は、混合ゾーンの上流で、熱交換器とプロセスマイクロチャネルの少なくとも一部との間で交換される。
【0013】
一つの実施態様では、熱は、混合ゾーンの下流で、熱交換器とプロセスマイクロチャネルの少なくとも一部との間で交換される。
【0014】
一つの実施態様では、エマルジョンは、混合ゾーンの下流で、プロセスマイクロチャネル中で急冷される。
【0015】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネルは、混合ゾーンの中に狭められた断面を有する。
【0016】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネルは、間隔の離れた壁と、これらの間隔の離れた壁のそれぞれにある開口区域を有し、第二の液体は開口区域のそれぞれを通ってプロセスマイクロチャネルに流入する。一つの実施態様では、間隔の離れた壁のそれぞれにある開口区域は複数の開口を含み、一方の壁の開口区域の開口は、他方の壁の開口区域の開口に直接対向して位置合わせされる。一つの実施態様では、間隔の離れた壁のそれぞれにある開口区域は複数の開口を含み、一方の壁の開口区域の開口の少なくともいくつかは、他方の壁の開口区域の開口に直接対向しないように位置をずらされる。
【0017】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネルは、第一のプロセスマイクロチャネル、第二のプロセスマイクロチャネル、および第一のプロセスマイクロチャネルと第二のプロセスマイクロチャネルとの間に配置される液体チャネルを含むエマルジョン作製ユニットの中にあり、それぞれのプロセスマイクロチャネルは開口区域を備える壁を有し、第一の液体は第一のプロセスマイクロチャネルおよび第二のプロセスマイクロチャネルを通って流れ、第二の液体は液体チャネルから第一のプロセスマイクロチャネル中の開口区域を通って第一の液体と接触し、第二のプロセスマイクロチャネル中の開口区域を通って第一の液体と接触する。
【0018】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネルは円形であり、円形のディスクと開口区域との間に配置され、円形のディスクは軸の周りに回転し、第一の液体は開口区域の中心開口部を通って回転ディスクに向かってプロセスマイクロチャネルに流入し、第二の液体は開口区域を通ってプロセスマイクロチャネルに流入し、そこで第一の液体と接触して混ざり合ってエマルジョンを形成し、エマルジョンは回転ディスク上を半径方向外向きに流れる。
【0019】
一つの実施態様では、第二の液体は液体チャネル中を流れ、液体チャネルは別の開口区域を備える別の壁を有し、プロセスは、別の開口区域を通して第三の液体を流して第二の液体と接触させ液体混合物を作製する工程、および開口区域を通して第二の液体をプロセスマイクロチャネルに流入させて第一の液体と接触させる工程をさらに含む。
【0020】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネルは平行なシート、プレートまたはそのようなシートまたはプレートの組み合わせから作製される。
【0021】
一つの実施態様では、本プロセスはマイクロチャネルミキサー中で実施され、マイクロチャネルミキサーは複数のプロセスマイクロチャネルを含み、プロセスマイクロチャネルは開口区域および隣接する液体チャネルを備える壁を有し、第二の液体は液体チャネルから開口区域を通ってプロセスマイクロチャネルに流入して第一の液体と接触し、プロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルは間隔の空いた平行なシートまたはプレートから作製され、プロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルは互いに隣接し、横に並べられた交互積層垂直配向面または上下に積み重ねられた交互積層水平配向面として配列される。
【0022】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネルは二つ以上の開口区域を含み、開口区域のそれぞれを通って別々の第二の液体が流れる。一つの実施態様では、開口区域のそれぞれを通って流れる別々の第二の液体は異なる組成を有する。一つの実施態様では、開口区域のそれぞれを通って流れる別々の第二の液体は異なる性質を有する。
【0023】
一つの実施態様では、本プロセスはマイクロチャネルミキサー中で実施され、マイクロチャネルミキサーは少なくとも2本のプロセスマイクロチャネル、一つの実施態様では少なくとも約10本のプロセスマイクロチャネル、一つの実施態様では少なくとも約100本のプロセスマイクロチャネル、一つの実施態様では少なくとも約1000本のプロセスマイクロチャネルを含む。
【0024】
一つの実施態様では、本プロセスはマイクロチャネルミキサー中で実施され、マイクロチャネルミキサーは少なくとも一つの第一の液体マニホールドに接続した複数のプロセスマイクロチャネルを含み、第一の液体は少なくとも一つの第一の液体マニホールドを通ってプロセスマイクロチャネルへ流れる。一つの実施態様では、液体チャネルはプロセスマイクロチャネルに隣接し、マイクロチャネルミキサーは液体チャネルに接続した少なくとも一つの第二の液体マニホールドをさらに含み、第二の液体はこの少なくとも一つの第二の液体マニホールドを通って液体チャネルに流れる。一つの実施態様では、熱交換チャネルがプロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルに隣接し、マイクロチャネルミキサーは熱交換チャネルに接続した少なくとも一つの熱交換マニホールドをさらに含み、熱交換流体は少なくとも一つの熱交換マニホールドを通って熱交換チャネルに流れる。
【0025】
一つの実施態様では、第二の液体は液体チャネルから開口区域を通ってプロセスマイクロチャネルに流入し、プロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルは同心状に配列された複数の環状チューブを含む。
【0026】
一つの実施態様では、本プロセスはマイクロチャネルミキサー中で実施され、マイクロチャネルミキサーは複数のプロセスマイクロチャネルを備え、プロセスマイクロチャネルのそれぞれの中で別々のエマルジョンが作製され、プロセスマイクロチャネルの少なくとも二つの中で作製されるエマルジョンは互いに異なる。エマルジョンは、異なる組成および/または異なる性質を有してよい。このミキサーを、コンビナトリアル合成およびスクリーニング装置と呼ぶことができる。本発明のこの実施態様の利点は、同時に同じ装置を用いて複数の製品エマルジョンの作製および評価を提供することである。これは、新製品の候補として複数の製剤をスクリーニングすることが望まれるとき、利点となる可能性がある。
【0027】
一つの実施態様では、マイクロチャネルミキサー中でエマルジョンをつくるプロセス、マイクロチャネルミキサーは横に並べられるかまたは上下に積み重ねられた複数のエマルジョン作製ユニットを含み、各エマルジョン作製ユニットはプロセスマイクロチャネルおよび隣接する液体チャネルを含み、プロセスマイクロチャネルと隣接液体チャネルとは開口区域を備える共通の壁を有し、開口区域は液体チャネルから開口区域を通してプロセスマイクロチャネルに液体を流入させるのに適し、各プロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルは間隔の空いた平行なシート、プレート、またはそのようなシートおよびプレートの組み合わせから作製され、本プロセスは、プロセスマイクロチャネル中に第一の液体を流す工程、液体チャネルから開口区域を通してプロセスマイクロチャネルに第二の液体を流入させる工程、およびプロセスマイクロチャネル中で第一の液体と第二の液体とを混合してエマルジョンを作製する工程を含む。
【0028】
一つの実施態様では、本発明のプロセスは、プロセスマイクロチャネルを通る第一の液体の流れの圧力降下を比較的低くして動作させることができる。一つの実施態様では、本発明のプロセスは、開口区域を通るプロセスマイクロチャネルへの第二の液体の流れの圧力降下を比較的低くして動作させることができる。
【0029】
添付の図面では、類似の部品および構造物は類似の参照番号を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
用語「マイクロチャネル」は、最長約50ミリメートル(mm)、一つの実施態様では最長約10mm、一つの実施態様では最長約5mm、一つの実施態様では最長約2mm、一つの実施態様では最長約1mmの少なくとも一つの内部寸法(例えば幅、高さ、直径等)を有するチャネルを指す。一つの実施態様では、内部寸法は約0.05から約50mm、一つの実施態様では約0.05から約10mm、一つの実施態様では約0.05から約5mm、一つの実施態様では約0.05から約2mm、一つの実施態様では約0.05から約1.5mm、一つの実施態様では約0.05から約1mm、一つの実施態様では約0.05から約0.75mm、一つの実施態様では約0.05から約0.5mmの範囲であってよい。この内部寸法は、マイクロチャネルを通る流れの方向に対して垂直であってよい。
【0031】
一つのチャネルの位置を別のチャネルの位置に対して指定するとき、用語「隣接する」は、一枚の壁が二つのチャネルを分けて直接隣接することを意味する。この壁はさまざまな厚さを有することができる。しかし、「隣接する」チャネルは、隣接チャネル間の伝熱に干渉する介在チャネルで分けられることはない。
【0032】
用語「混ざり合わない」は、一方の液体が別の液体に溶けないか、または25℃でリットルあたり最大約1ミリリットルの程度までしか溶けないことを指す。
【0033】
用語「水不溶物」は、25℃で水に溶けないか、または25℃でリットルあたり最大約0.1グラムの濃度までしか水に溶けない材料を指す。
【0034】
用語「上流側」および「下流側」は、マイクロチャネルを含む本発明のプロセスで用いられるチャネルの中の場所を、チャネルを通る液体の流れの向きに対して指定する。例えば、そのチャネルを通ってその位置の方に流れる液体の一部分がまだ到着しないチャネル内の場所は、液体のその一部分の下流側である。そのチャネルを通ってその位置から流れ去る液体の一部分が既に通り過ぎたチャネル内の場所は、液体のその一部分の上流側である。本発明のプロセスで用いられるチャネルは、水平に、垂直に、または傾斜した角度に配向させることができるので、用語「上流側」および「下流側」は必ずしも垂直位置を指すものではない。
【0035】
まず、図1を参照して、本発明のプロセスを説明する。図1を参照して、本発明のプロセスは、対向する側壁112および114を有するプロセスマイクロチャネル110と、側壁112中にある開口区域140とを備えるエマルジョン作製ユニット100を用いて実施することができる。開口区域140は、多孔区域または多孔基板と呼ぶことができる。開口区域140は、開口区域全体に広がる開口144のアレイを有するシートまたはプレート142を含むことができる。側壁112に隣接して、開口区域140を介してプロセスマイクロチャネル110に開く液体チャネル170がある。プロセスマイクロチャネル110は、非開口または非多孔領域111および117と、混合ゾーン113とを有する。非開口領域111は、プロセスマイクロチャネルへの入口から混合ゾーン113への入口に及ぶ。非開口領域111は、混合ゾーン113の上流側である。混合ゾーン113は、開口区域140に隣接する。非開口領域117は、混合ゾーン113の終端からプロセスマイクロチャネル110の出口に及ぶ。非開口領域117は、混合ゾーン113の下流側である。側壁114に隣接して、熱交換チャネル190がある。動作時、矢印116で示すように、第一の液体はプロセスマイクロチャネル110に流入し、非開口領域111を通って混合ゾーン113に流入する。矢印172で示すように、第二の液体は液体チャネル170に流入し、矢印174で示すように、次いで開口区域140を通って混合ゾーン113に流入する。混合ゾーン113で、第二の液体は第一の液体と接触し混ざり合ってエマルジョンを形成する。第二の液体は第一の液体中で不連続相を形成することができる。第一の液体は連続相を形成することができる。エマルジョンは、プロセスマイクロチャネル110から非開口領域117を通って流れ、矢印118で示すように、混合ゾーン113から出る。エマルジョンは、油中水エマルジョンまたは水中油エマルジョンであってよい。加熱または冷却は、選択肢とすることができる。加熱または冷却が望まれるとき、矢印192で示すように、熱交換流体は熱交換チャネル190を通って流れ、プロセスマイクロチャネル110および液体チャネル170中の液体を加熱または冷却する。加熱または冷却の度合いは、プロセスマイクロチャネル110および液体チャネル170の長さにわたって変化させることができる。プロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルのいくつかの区域では、加熱または冷却は無視できるか、またはまったく存在しなくてもよく、他の区域では中程度または比較的高くてもよい。あるいは、熱交換流体以外を用いて加熱または冷却を実現することができる。例えば、電熱素子を用いて加熱を実現してもよい。電熱素子を用いてプロセスマイクロチャネル110および/または液体チャネル170の一つ以上の壁を作製してもよい。電気加熱は、プロセスマイクロチャネル110および/または液体チャネル170の一つ以上の壁の中に作り付けしてもよい。冷却は、非流体冷却素子を用いて実現することができる。プロセスマイクロチャネル110に沿って複数の加熱または冷却ゾーンを使用することができる。同様に、プロセスマイクロチャネル110および/または液体チャネル170に沿って、異なる温度の複数の加熱流体を使用することができる。
【0036】
図2に例を示すエマルジョン作製ユニット100Aは、プロセスマイクロチャネル110の壁114が開口区域140に対向して位置を合わせたテーパ区域120を含むことを除いて、図1に例を示したエマルジョン作製ユニット100と同一である。テーパ区域120は、混合ゾーン113のプロセスマイクロチャネル110の幅または高さを減らし、従って混合ゾーン113のプロセスマイクロチャネル110に狭められた断面を提供する。幅または高さは、約0.001から約5mm、一つの実施態様では約0.01から約2mmの範囲であってよい。テーパ区域120が存在すると、混合ゾーン113を通って流れる液体の速度は増加する。混合ゾーン113を通って流れる液体の速度が増加すると、開口144を通って混合ゾーン113に流入する第二の流体に作用するせん断力が増加する。これは、開口144を通って混合ゾーン113に入る第二の液体の流れを促進する。テーパ区域120に隣接するプロセスマイクロチャネル110の狭められた断面を通って流れる液体の速度は、約0.005から約50メートル/秒(m/s)、一つの実施態様では約0.01から約50m/sの範囲であってよい。
【0037】
図3に例を示すエマルジョン作製ユニット100Bは、エマルジョン作製ユニット100Bが液体チャネル170aおよび開口区域140aも備えることを除いて、図1に例を示したエマルジョン作製ユニット100に似ている。液体チャネル170aは、プロセスマイクロチャネル110と熱交換チャネル190との間に配置される。側壁114に開口区域140aが作製される。液体チャネル170aは、開口区域140aを介してプロセスマイクロチャネル110に開く。開口区域140aは、開口区域全体に広がる開口144aのアレイを有するシートまたはプレート142aを含むことができる。プロセスマイクロチャネル110は、非開口または非多孔領域111および117と、混合ゾーン113とを有する。非開口領域111は、プロセスマイクロチャネルへの入口から混合ゾーン113への入口に及び、混合ゾーン113から上流側である。混合ゾーン113は、開口区域140および140aに隣接する。非開口領域117は、混合ゾーン113の終端からプロセスマイクロチャネル110の出口に及ぶ。非開口領域117は、混合ゾーン113の下流側である。動作時、矢印116で示すように、第一の液体はプロセスマイクロチャネル110に流入し、非開口領域111を通って混合ゾーン113に流入する。矢印172および172aで示すように、第二の液体は液体チャネル170および170aにそれぞれ流入する。矢印174および174aで示すように、第二の液体は、それぞれ開口区域140および140aを通って混合ゾーン113に流入する。混合ゾーン113で、第二の液体は第一の液体と接触し混ざり合ってエマルジョンを形成する。第二の液体は、第一の液体中で不連続相を形成することができる。第一の液体は、連続相を形成することができる。矢印118で示すように、エマルジョンは非開口領域117を通って流れ、プロセスマイクロチャネル110から出る。エマルジョンは、油中水エマルジョンまたは水中油エマルジョンであってよい。加熱または冷却は、選択肢とすることができる。加熱または冷却が望まれるとき、矢印192で示すように、熱交換流体は熱交換チャネル190を通って流れ、プロセスマイクロチャネル110および液体チャネル170および170a中の液体を加熱または冷却する。加熱または冷却の度合いは、プロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルの長さにわたって変化させることができる。プロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルのいくつかの区域では、加熱または冷却は無視できるかまたはまったく存在しなくてもよく、他の区域では中程度または比較的高くてもよい。
【0038】
図4に例を示すエマルジョン作製ユニット100Cは、図3に例を示した開口144および144aは互いに直接対向して位置合わせされていたが、一方、図4に例を示す開口144および144aはそのような直接的な位置合わせからずらされることを除いて、図3に例を示したエマルジョン作製ユニット100Bと同一である。図3では、開口144および144aを通って流れる第二の液体の流れは、互いに直接衝突し、それによって第一の液体中への第二の液体の拡散を促進する。他方、図4では、開口144と144aとを通って流れる第二の液体の流れは、互いに位置がずれ、それによって混合ゾーン113中に渦巻き効果を提供して拡散を促進する。
【0039】
図5に例を示すエマルジョン作製ユニット100Dは、プロセスマイクロチャネル110および110a、開口区域140および140a、液体チャネル170および熱交換チャネル190を備える。側壁112に開口区域140が作製され、側壁114に開口区域140aが作製される。開口区域140および140aは、多孔区域または多孔基板と呼ぶことができる。液体チャネル170は、開口区域140および140aを介してそれぞれプロセスマイクロチャネル110および110aに開く。開口区域140は、開口区域全体に広がる開口144のアレイを有するシートまたはプレート142を含むことができる。同様に、開口区域140aは、開口区域全体に広がる開口144aのアレイを有するシートまたはプレート142aを含むことができる。プロセスマイクロチャネル110および110aは、非開口または非多孔領域111および117、111aおよび117a、混合ゾーン113および113aをそれぞれ有する。非開口領域111および111aは、プロセスマイクロチャネル110および110aへの入口からそれぞれ混合ゾーン113および113aへの入口に及ぶ。非開口領域111および111aは、混合ゾーン113および113aからそれぞれ上流側である。混合ゾーン113および113aは、開口区域140および140aにそれぞれ隣接する。非開口領域117および117aは、混合ゾーン113および113aの終端からプロセスマイクロチャネル110および110aの出口にそれぞれ及ぶ。非開口領域117および117aは、混合ゾーン113および113aからそれぞれ下流側である。プロセスマイクロチャネル110に隣接して熱交換チャネル190がある。動作時、矢印116および116aで示すように、第一の液体はプロセスマイクロチャネル110および110aにそれぞれ流入し、非開口領域111および111aを通って混合ゾーン113および113aに流入する。矢印172で示すように、第二の液体は液体チャネル170に流入し、次に矢印174および174aで示すように、開口区域140および140aを通って混合ゾーン113および113aにそれぞれ流入する。混合ゾーン113および113aで、第二の液体は第一の液体と接触し混ざり合ってエマルジョンを形成する。第二の液体は、第一の液体中で不連続相を形成することができる。第一の液体は、連続相を形成することができる。矢印118および118aで示すように、エマルジョンは、それぞれ非開口区域117および117aを通ってプロセスマイクロチャネル110および110aから流れ出る。エマルジョンは、油中水エマルジョンまたは水中油エマルジョンであってよい。加熱または冷却は、選択肢とすることができる。加熱または冷却が望まれるとき、矢印192で示すように、熱交換チャネル190を通って熱交換流体が流れ、チャネル110、110aおよび170中の液体を加熱または冷却する。加熱または冷却の度合いは、チャネルの長さにわたって変化させることができる。プロセスマイクロチャネル110および110aおよび液体チャネル170のいくつかの区域では、加熱または冷却は無視できるか、または存在せず、その他の区域では中程度または比較的高くてよい。
【0040】
一つの実施態様では、エマルジョン作製ユニットは回転ディスクを備え、プロセスマイクロチャネルは円形の形状であってよい。この実施態様は、図6に例を示す。図6を参照して、エマルジョン作製ユニット200は、円形ディスク202、プロセスマイクロチャネル210、開口区域240および液体チャネルまたは容器270を備える。プロセスマイクロチャネル210は円形であり、円形ディスク202と開口区域240との間に配置される。開口区域240は、液体チャネルまたは容器270からプロセスマイクロチャネル210に液体を流す複数の開口244をシートまたはプレート242中に備えることができる。円形の矢印206で示すように、円形ディスク202はシャフト204の周りに回転する。シャフト204は、モーターまたはギアなどの回転力伝達機構によって駆動するか、またはそれらに接続することができる。矢印216で示すように、第一の液体は入口207を通り、開口区域240の開口241に向かって241を通り、マイクロチャネル210に流入する。第二の液体は、液体チャネル270への入口272を通って流れる。液体チャネル270中で第二の液体は加圧され、矢印274で示すように開口区域240を通ってプロセスマイクロチャネル210の方に押される。第一の液体および第二の液体は、プロセスマイクロチャネル210中で互いに混合してエマルジョンを形成する。第二の液体は、第一の液体中で不連続相を形成することができる。第一の液体は、連続相を形成することができる。プロセスマイクロチャネル210中で作製されるエマルジョンは、矢印218で示すように、プロセスマイクロチャネルの中心から外向きにエマルジョンコレクタ208に流入する。矢印218で示す方向のエマルジョンの外向きの流れは、プロセスマイクロチャネル210内の圧力差および/またはディスク202の回転から生じる遠心力によって実現される。選択肢として、エマルジョンは、ライン209で示すように、エマルジョンコレクタから第一の液体の入り口207に戻して再循環させることができる。プロセスマイクロチャネル210を定める円形ディスク202と開口区域240との間のギャップは、最大約10mm、一つの実施態様では約0.05から約10mm、一つの実施態様では約0.05から約5mm、一つの実施態様では約0.05から約2mm、一つの実施態様では約0.05から約1.5mm、一つの実施態様では約0.05から約1mmであってよい。円形ディスク202の直径は、例えば約0.5から約500cm、一つの実施態様では約1から約250cm、一つの実施態様では約2から約100cm、一つの実施態様では約2から約50cmの任意の寸法であってよい。円形ディスク202は、例えば毎分約0.2から約50、000回転(rpm)、一つの実施態様では約1から約5000rpmの任意の速度で回転することができる。選択肢として、液体チャネルまたは容器270および/または回転ディスク202に隣接する位置で熱交換チャネルを使用して液体を加熱または冷却することができる。液体チャネルまたは容器270の高さまたは厚さは、例えば約0.01から約50mm、一つの実施態様では約0.1から約10mmの任意の寸法であってよい。プロセスマイクロチャネル210を通る液体の流量は、毎分約0.01から約1000リットル(lpm)、一つの実施態様では0.1から約200lpmの範囲であってよい。プロセスマイクロチャネル210を通って流れる液体の速度は、毎秒約0.001から約50メートル(m/s)、一つの実施態様では約0.01から約10m/sの範囲であってよい。プロセスマイクロチャネル210を通って流れる液体のレイノルズ数は、約5から約50、000、一つの実施態様では約10から約5000の範囲であってよい。プロセスマイクロチャネル210に入る第一の液体の温度は、約0℃から約200℃、一つの実施態様では約20℃から約100℃の範囲であってよい。プロセスマイクロチャネル210内の圧力は、約0.01から約1000気圧、一つの実施態様では約1から約10気圧の範囲であってよい。液体チャネルまたは容器270を通って流れる第二の液体の流量は、約0.001から約200ミリリットル/秒(ml/s)、一つの実施態様では約0.01から約100ml/sの範囲であってよい。液体チャネル270中の第二の液体の温度は、約−20℃から約250℃、一つの実施態様では約20℃から約100℃の範囲であってよい。液体チャネルまたは容器270の中の圧力は、約0.1から約1000気圧、一つの実施態様では約0.2から約100気圧であってよい。開口区域240を通って流れる第二の液体の圧力降下は、約0.01から約500気圧、一つの実施態様では約0.1から約100気圧の範囲であってよい。
【0041】
一つの実施態様では、本発明のプロセスは二重エマルジョンをつくるために適する。これらの二重エマルジョンは、図33に例を示すエマルジョン作製ユニット400を用いてつくることができる。図33では、エマルジョン作製ユニット400は、中心線402と404との間に配置される。エマルジョン作製ユニット400は、プロセスマイクロチャネル410と、液体チャネル420、430、440および450を備える。液体チャネル420および430は、プロセスマイクロチャネル410に隣接する。液体チャネル440は液体チャネル420に隣接し、液体チャネル450は液体チャネル430に隣接する。粗開口区域415を備える共通壁412がプロセスマイクロチャネル410と液体チャネル420とを分ける。粗開口区域425を備える共通壁422がプロセスマイクロチャネル410と液体チャネル430とを分ける。開口区域415および425は、開口416および426をそれぞれ含む。液体チャネル440と液体チャネル420との間には、開口436を含む微細開口区域435が配置され両者を分ける。液体チャネル450と液体チャネル430との間には、開口446を含む微細開口区域445が配置され、両者を分ける。粗開口区域415および425の開口416および426は、微細開口区域435および445の開口436および446より大きい。プロセスマイクロチャネル410は、非開口または非多孔領域411および混合ゾーン413を有する。非開口領域411は、プロセスへの入口から混合ゾーン413への入口に及ぶ。混合ゾーン413は、開口区域415および425に隣接する。選択肢として、中心線402および/または404によって示す位置に熱交換チャネルを組み込み、所望の加熱または冷却を液体に提供することができる。
【0042】
中心線402の下の方には、同じく図33に例を示した隣のエマルジョン作製ユニット400aの一部が配置されている。エマルジョン作製ユニット400aは、プロセスマイクロチャネル410a、粗開口区域415aおよび425a、液体チャネル430aおよび微細開口区域445aを備える。これらは、上記で考察したプロセスマイクロチャネル410、粗開口区域415および425、液体チャネル430および微細開口区域445と同じである。図33の中心線404の上の方には、別の隣接エマルジョン作製ユニット400bの一部も配置されている。エマルジョン作製400bは、微細開口区域435bおよび液体チャネル420bを備える。これらは、上記で考察した微細開口区域435および液体チャネル420と同じである。図33にエマルジョン作製ユニット400aおよび400bの一部を含めたのは、本発明のプロセスに従ってマイクロチャネルミキサーの中で使用されるときのエマルジョン作製ユニット400の繰り返しの例を示すためである。
【0043】
図33を参照して、動作時、矢印414で示すように、第一の液体はプロセスマイクロチャネル410に入り、非開口領域411を通って混合ゾーン413に流入する。矢印423および433で示すように、第二の液体は液体チャネル420および430にそれぞれ入る。矢印442および452で示すように、第三の液体が液体チャネル440および450にそれぞれ入る。第三の液体は、液体チャネル440から開口区域435を通って液体チャネル420に流入し、そこで第二の液体と混ざり合って別のエマルジョンを形成する。第三の液体は、液体チャネル450から開口区域445を通って液体チャネル430に流入し、そこで第二の液体と混ざり合って別のエマルジョンも形成する。液体チャネル420および430中で作製される別のエマルジョンの中で、第三の液体は不連続相を形成し、第二の液体は連続相を形成する。液体チャネル420および430中で作製されるこれらの別のエマルジョンは、開口区域415および425を通ってそれぞれ混合ゾーン413に流入し、そこで第一の液体と混ざり合う。混合ゾーン413では、この別のエマルジョンは第一の液体を連続相の形とする不連続相として第一の液体中に分散する。混合ゾーン413で作製されるこのエマルジョンは、二重エマルジョンである。二重エマルジョンでは、第三の液体の少なくとも一部を第二の液体の液滴中にカプセル化することができる。カプセル化された液滴は、連続相の形である第一の液体中に不連続相として分散する。矢印418で示すように、二重エマルジョンはプロセスマイクロチャネル410から出る。
【0044】
一つの実施態様では、多重エマルジョン調合物および/または加工条件の組を用いて、一台のマイクロチャネルミキサー中で種々のエマルジョンを発生させることができる。例えば、一台のマイクロチャネルミキサーが二つ以上のプロセスマイクロチャネル、関連液体チャネルおよび熱交換チャネルを使用し、一台のマイクロチャネルミキサー中で、一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、数十、数百、数千、数万、数十万等の別々のエマルジョンをつくることができる。この種類のミキサーをコンビナトリアル合成装置と呼ぶことができる。この装置の例を、エマルジョン作製ユニット500を説明する図34に示す。エマルジョン作製ユニット500は四つのプロセスマイクロチャネルを使用し、その結果四つまでの別々のエマルジョンを発生させることができる。エマルジョン作製ユニット500を任意の所望回数、例えば二回、三回、四回、五回、六回、七回、八回、九回、十回、数十回、数百回、数千回、数万回等繰り返し、上記で示した複数の別々のエマルジョンの可能性を提供することができる。エマルジョン作製ユニット500は、プロセスマイクロチャネル510、520、530および540、液体チャネル550および560、熱交換チャネル570および580を備える。側壁512に開口区域511が作製される。側壁522に開口区域521が作製される。側壁532に開口区域531が作製される。側壁542に開口区域541が作製される。開口513、523、533および543は、開口区域511、521、531および541にそれぞれ配置され、開口区域全体に広がる。プロセスマイクロチャネル510、520、530および540は、混合区域515、525、535および545から上流側に配置される非開口セクション514、524、534および544をそれぞれ備える。混合区域515、525、535および545は、開口区域511、521、531および541に隣接してそれぞれ配置される。プロセスマイクロチャネル510、520、530および540は、混合ゾーン515、525、535および545の下流に配置される非開口区域516、526、536および546もそれぞれ備える。動作時、矢印517、527、537および547で示すように、第一の液体は、プロセスマイクロチャネル510、520、530および540にそれぞれ流入する。プロセスマイクロチャネル510、520、530および540に入る第一の液体は、互いに同じ組成を有してもよく、あるいは組成は互いに異なってもよい。第一の液体は、非開口区域514、524、534および544を通って混合ゾーン515、525、535および545にそれぞれ流入する。矢印551および561で示すように、第二の液体は、液体チャネル550および560に流入する。液体チャネル550に入る第二の液体は、液体チャネル560に入る第二の液体と同じであってもよく、あるいは異なってもよい。液体チャネル550に入る第二の液体と液体チャネル560に入る第二の液体との間の差異は、組成または加工条件、物理的性質(例えば粘度、密度、表面張力等)および/または動作パラメータによるものであってよい。矢印551で示すように、液体チャネル550に入る第二の液体は、矢印552および553で示すように、開口区域511および521を通って混合ゾーン515および525にそれぞれ流入する。混合ゾーン515および525で、第二の液体は第一の液体と接触し混ざり合ってエマルジョンを形成する。同様に、矢印561で示すように、第二の液体は液体チャネル560に流入し、矢印562および563で示すように、次いで開口区域531および541を通って混合ゾーン535および545にそれぞれ流入する。混合ゾーン515、525、535および545で、第二の液体は第一の液体と接触し混ざり合ってエマルジョンを形成する。混合ゾーン515、525、535および545で作製されるエマルジョンは、同じであってもよく、異なってもよい。異なっている場合、それらのエマルジョンは、組成および/または物理的性質または動作パラメータ(例えば分散相および/または連続相の組成、粒子サイズ、粒子サイズ分布、粘度、密度、表面張力、温度、圧力、流量等)に関して互いに異なってよい。プロセスマイクロチャネル510、520、530および540のそれぞれの中で作製されるエマルジョンは、油中水エマルジョン、水中油エマルジョン、またはそれらの組み合わせであってよい。例えば、プロセスマイクロチャネル510中で作製されるエマルジョンは油中水エマルジョンであってよく、一方、プロセスマイクロチャネル520、530および/または540の中で作製されるエマルジョンは水中油エマルジョンであってよい等である。どのエマルジョンが油中水で、どれが水中油であるかについてのその他の組み合わせおよび順列が可能である。矢印518、528、538および548で示すように、エマルジョンは、混合ゾーン515、525、535および545から非開口セクション516、526、536および546を通ってプロセスマイクロチャネル510、520、530および540からそれぞれ流れ出る。熱交換チャネル570および580を用いる加熱または冷却は、選択肢とすることができる。加熱または冷却が望まれるとき、矢印571および572と、581および582とで示すように、熱交換流体は、熱交換チャネル570および580を通って流れ、チャネル510、520、530、540、550および560中の液体を加熱または冷却する。加熱または冷却の度合いは、チャネルのそれぞれの長さにわたって変化させることができる。プロセスチャネルおよび/または液体チャネルのいくつかの区域では、加熱または冷却は無視できるかまたはまったく存在しなくてもよく、他の区域では中程度または比較的高くてもよい。本発明のこの実施態様の利点は、同時に同じ装置を用いて複数の製品エマルジョンの作製および評価を提供できることである。これは、新製品の候補として複数の製剤をスクリーニングすることが望まれるとき、利点となり得る。
【0045】
図1〜6、33および34のそれぞれでは、一つのエマルジョン作製ユニットだけの全体の例を示したが、本発明のプロセスを実施するためにマイクロチャネルミキサー中に用いることができるエマルジョン作製ユニットの数には、事実上、上限はない。例えば、上記で説明したエマルジョン作製ユニットの一基、二基、三基、四基、五基、六基、八基、十基、二十基、五十基、百基、数百基、千基、数千基、一万基、数万基、十万基、数十万基、数百万基等を用いることができる。一つの実施態様では、各エマルジョン作製ユニットをマニホールド化することができる。マニホールド化は、マクロ配管、パイプ配管またはダクト配管を各ユニットに接続することによって実現することができる。あるいは、エマルジョン作製ユニットの多くは、各ユニットの間に比較的等しい圧力降下回路を創り出すことによって、エマルジョン作製ユニットを含むマイクロチャネルミキサー中で内部マニホールド化することができる。他方、若干の流れ不均衡配分があっても製品の品質には影響を及ぼさないので、各ユニットの間の圧力降下を等しくしないことができる。一つの実施態様では、本発明のプロセスを用いてエマルジョンを作製する場合、最高約50%の流れ不均衡配分は許容できる。プロセスマイクロチャネル、接続液体チャネルおよび熱交換チャネルは、横に配列するかまたは上下に積み重ねることができる。例えば、エマルジョン作製ユニット100および100Aの場合には、一つの面内にプロセスマイクロチャネル110を平行に並べ、プロセスマイクロチャネル110の一方の側の隣接する面内に液体チャネル170を平行に並べ、プロセスマイクロチャネル110の他方の側の別の面内に熱交換チャネル190を平行に並べることができる。例えば、エマルジョン作製ユニット100Bおよび100Cの場合には、一つの面内にプロセスマイクロチャネル110を平行に並べ、プロセスマイクロチャネル110のそれぞれの側の隣接する面内に液体チャネル170および170aを平行に並べ、液体チャネル170aに隣接する面内に熱交換チャネル190を平行に並べることができる。エマルジョン作製ユニット100Dの場合には、一つの面内に液体チャネル170を平行に並べ、液体チャネル170のそれぞれの側の隣接する面内にプロセスマイクロチャネル110および110aを平行に並べ、プロセスマイクロチャネル110に隣接する面内に熱交換チャネル190を平行に並べることができる。これらのエマルジョン作製ユニットは、図1〜6および33には示さないが、当業者が提供できるプロセス液体および熱交換流体の入出力を制御するために、適切なヘッダ、フッタ、マニホールド、バルブ、導路、チュービング、制御機構等を有することができる。例えば、プロセスマイクロチャネルのサイズに関連する不必要な圧力降下を回避するために導路またはチュービングを接続する場合、エマルジョン作製ユニットを含むマイクロチャネルミキサーへの入口および出口で、傾斜したヘッダおよびフッタを用いることができる。マイクロチャネルミキサー内のエマルジョン作製ユニット100Dの使用について、下記で考察する図16〜20にさらに例を示す。
【0046】
一つの実施態様では、需要に即応できる大きな製造能力用のスケールアップ装置のコアを形成するために、複数のエマルジョン作製ユニット(100、100A、100B、100C、100D、400または500)を上下に積み重ねることができる。スケールアップ装置は、エマルジョン製品のためだけでなくエマルジョンを作製するために用いられる液体のためのマニホールドとしても、傾斜したヘッダおよびフッタを有することができる。プロセスチャネルまたは分散相チャネルまたは熱交換チャネルの入口のオリフィスプレートまたはその他の開口ゾーンを加えることによって、より一様な流れの分布を促進することができる。エマルジョン作製ユニットを保持し、シールするために、フレームセクションを用いることができる。
【0047】
プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)のそれぞれは、例えば正方形、長方形、円形、環状、楕円形、台形等任意の構成の断面を有することができる。プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)は管状であってよい。プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)は、横に並べられて、または上下に積み重ねられて配置される離間した平行な複数のシートまたはプレートから作製することができる。用語「シート」は、最大約5mmの壁の厚さを指す。用語「プレート」は、約5mm以上の壁の厚さを指す。シートはロールの形でユーザに供給することができ、一方プレートは平らな製品材料の形でユーザに供給することができる。プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)のそれぞれは、プロセスマイクロチャネルを通る流体の流れに垂直な最高約50mm、一つの実施態様では最高約10mm、一つの実施態様では最高約2mmの範囲の内部寸法(例えば、高さ、幅または直径)を有する。この寸法は、約0.05から約50mm、一つの実施態様では約0.05から約10mm、一つの実施態様では約0.05から約5mm、一つの実施態様では約0.05から約2mm、一つの実施態様では約0.05から約1.5mm、一つの実施態様では約0.05から約1mm、一つの実施態様では約0.05から約0.5mmの範囲であってよい。プロセスマイクロチャネルを通る液体の流れに垂直な別の内部寸法(例えば、高さまたは幅)は、任意の値、例えば約0.01cmから約100cmの範囲、一つの実施態様では約0.01cmから約75cmの範囲、一つの実施態様では約0.01cmから約50cmの範囲、一つの実施態様では約0.2cmから約25cmの範囲であってよい。プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)のそれぞれの長さは任意の値であってよく、例えば約0.1cmから約500cmの範囲、一つの実施態様では約0.1cmから約250cmの範囲、一つの実施態様では約1cmから約100cmの範囲、一つの実施態様では約1cmから約50cmの範囲、一つの実施態様では約2cmから約25cmの範囲であってよい。
【0048】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)は、混合ゾーン(113、113a、413、515、525、535、545)の上流の入口で、プロセスマイクロチャネル中の第一の液体の流れの均一な分布を提供する非開口または非多孔領域(111、111a、411、514、524、534、544)を有することができる。これは、複数のプロセスマイクロチャネルを横におよび/または上下に並べるとき、および複数のプロセスマイクロチャネルへの第一の液体の流れが一様でないとき、有用なことがある。これらの非開口領域(111、111a、411、514、524、534、544)を提供することによって、混合ゾーン(113、113a、413、515、525、535、545)に達する前の第一の液体の流れを安定化させることができる。プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)が円形断面(すなわち管状の幾何学的形状)を有するとき、非開口領域(111、111a、411、514、524、534、544)を用いると有利なことがある。一つの実施態様では、非開口領域(111、111a、411、514、524、534、544)内のプロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)の最小内部寸法に対するプロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)への入口から混合ゾーン(113、113a、413、515、525、535、545)への入口までの非開口領域(111、111a、411、514、524、534、544)の長さの比は、約0.0001から約10000、一つの実施態様では約0.001から約1000であってよい。
【0049】
液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)は、マイクロチャネルとは言えないほど大きな寸法を有することもできるが、マイクロチャネルである。これらのチャネルのそれぞれは、任意の形状、例えば正方形、長方形、円形、環状、楕円形、台形等を有する断面を有することができる。液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)は、管状であってよい。液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)は、横に並べられて、または上下に積み重ねられて配置される間隔の空いた平行なシートまたはプレートから作製することができる。各液体チャネルは、液体チャネルを通る液体の流れに垂直な最大約100cmの範囲、一つの実施態様では約0.05mmから約100cmの範囲、一つの実施態様では約0.05mmから約50cmの範囲、一つの実施態様では約0.05mmから約10cmの範囲、一つの実施態様では約0.05mmから約5cmの範囲、一つの実施態様では約0.05mmから約10mmの範囲、一つの実施態様では約0.05mmから約5mmの範囲、一つの実施態様では約0.05mmから約2mmの範囲、一つの実施態様では約0.05mmから約1mmの範囲の内部寸法(例えば高さ、幅または直径)を有することができる。液体チャネルを通る液体の流れに垂直な別の内部寸法(例えば、高さまたは幅)は、約0.01cmから約100cm、一つの実施態様では約0.01cmから約75cm、一つの実施態様では約0.1cmから約50cm、一つの実施態様では約0.2cmから約25cmの範囲であってよい。液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)の長さは、任意の値、例えば約0.1cmから約500cm、一つの実施態様では約0.1cmから約250cm、一つの実施態様では約1cmから約100cm、一つの実施態様では約1cmから約50cm、一つの実施態様では約2cmから約25cmの範囲であってよい。各プロセスマイクロチャネルと次の隣接液体チャネルとの間、または隣接する液体チャネル間の距離は、約0.05mmから約50mm、一つの実施態様では約0.1から約10mm、一つの実施態様では約0.2mmから約2mmの範囲であってよい。
【0050】
熱交換器は、冷却、加熱または冷却および加熱の両方に用いることができる。熱交換器は、一つ以上の熱交換チャネル(190、570、580)、電熱素子、抵抗加熱器および/または非流体冷却素子を含むことがある。これらは、プロセスマイクロチャネル、液体チャネル、あるいはプロセスマイクロチャネルと液体チャネルとの両方に隣接させることができる。一つの実施態様では、熱交換器はプロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルと接触または隣接するのではなく、むしろプロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルの一方または両方から離しておくこともできる。電熱素子、抵抗加熱器および/または非流体冷却素子を用いて、プロセスマイクロチャネル(110、110a、210、410、510、520、530、540)および/または液体チャネル(170、170a、270、420、430、440、450、560、570)の一つ以上の壁を形成させてもよい。電熱素子、抵抗加熱器および/または非流体冷却素子は、プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルの一つ以上の壁に組み入れることができる。電熱素子および/または抵抗加熱器は、プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルの壁に埋め込まれた薄いシート、ロッド、ワイヤ、ディスクまたはその他の形状の構造物であってよい。電熱素子および/または抵抗加熱器は、プロセスマイクロチャネル壁および/または液体チャネル壁に貼り付けられたホイルまたはワイヤの形であってもよい。加熱および/または冷却は、ペルティエ型熱電冷却および/または加熱素子を用いて実現することができる。プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルの長さ方向に沿って複数の加熱および/または冷却ゾーンを使用することができる。同様に、プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルの長さ方向に沿って、種々の温度の複数の熱交換流体を使用することができる。作製後にエマルジョンを急冷して液滴安定性を高めるために、冷却を用いることができる。熱交換器を用いて、プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネル内の精密な温度制御を提供することができる。
【0051】
熱交換チャネル(190、570、580)は、マイクロチャネルとは言えないほど大きな寸法を有することもできるが、マイクロチャネルである。これらのチャネルのそれぞれは、任意の形状、例えば正方形、長方形、円形、環状、楕円形、台形等を有する断面を有することができる。熱交換チャネル(190、570、580)は、管状であってよい。熱交換チャネル(190、570、580)は、横に並べられて、または上下に積み重ねられて配置される間隔の空いた平行なシートまたはプレートから作製することができる。熱交換チャネルのそれぞれは、熱交換チャネルを通る熱交換流体の流れに垂直な最大約50mm、一つの実施態様では最大約10mm、一つの実施態様では最大約2mmの範囲の内部寸法、例えば高さ、幅または直径を有することができる。この寸法は、約0.05から約50mm、一つの実施態様では約0.05から約10mm、一つの実施態様では約0.05から約5mm、一つの実施態様では約0.05から約2mm、一つの実施態様では約0.5から約1mmの範囲であってよい。熱交換チャネルを通る熱交換流体の流れに垂直な別の内部寸法、例えば高さまたは幅は、例えば約0.01cmから約100cm、一つの実施態様では約0.01cmから約75cm、一つの実施態様では約0.1cmから約50cm、一つの実施態様では約0.2cmから約25cmの範囲の任意の値であってよい。熱交換チャネルの長さは、例えば約0.1cmから約500cm、一つの実施態様では約0.1cmから約250cm、一つの実施態様では約1cmから約100cm、一つの実施態様では約1cmから約50cm、一つの実施態様では約0.2cmから約25cmの範囲の任意の値であってよい。各プロセスマイクロチャネルまたは液体チャネルと次に隣接する熱交換チャネルとの間の距離は、約0.05mmから約50mm、一つの実施態様では約0.1から約10mm、一つの実施態様では約0.2mmから約2mmの範囲であってよい。
【0052】
図1〜5に例を示した熱交換チャネル190および図34に例を示した熱交換チャネル570および580は、矢印で示すように、プロセスマイクロチャネル(110、110a、510、520、530、540)および液体チャネル(170、170a、550、560)を通る液体の流れに平行でチャネルを通って同じ向きの方向に流れる熱交換流体に適応している。あるいは、熱交換流体は、熱交換チャネル(190、570、580)を通って、図1〜5および34に示す方向とは反対の方向、従ってプロセスマイクロチャネル(110、110a、510、520、530、540)および液体チャネル(170、170a、550、560)を通る液体の流れと向流で流すことができる。あるいは、熱交換チャネル(190、570、580)は、プロセスマイクロチャネル(110、110a、510、520、530、540)および液体チャネル(170、170a、550、560)を通る液体の流れに対して交差流の方向の熱交換流体の流れを提供するように、プロセスマイクロチャネル(110、110a、510、520、530、540)および液体チャネル(170、170a、550、560)に対して方向を定めることができる。熱交換チャネル(190、570、580)は、交差流および並流または向流の組み合わせを提供するために、S字曲線構成を有することができる。
【0053】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)、液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)および熱交換チャネル(190、570、580)は、正方形または長方形の断面を有し、間隔の空いた平行なシートまたはプレートから作製される。これらのチャネルは、横に並んだ垂直配向積層面内または上下に積み重ねられた水平配向積層面内に配列されることがある。平行プレート構成と呼ぶことができるこれらの構成には、多数の利点がある。例えば、管状のチューブと比較すると、平行プレート構成は、同じ連続相の物質流束において同じせん断力を実現する高さ、幅または直径の場合に受ける圧力降下が小さい。例えば、長方形チャネルのアスペクト比が約10に近づくと、すなわち平行シートまたはプレート構成に近づくと、その圧力降下は同じ条件下の管状チャネル中の圧力降下の約50%しかないことがある。平行プレート構成を有するプロセスマイクロチャネル、液体チャネルおよび熱交換チャネルは、スケールアップ用のコンパクトな装置内に容易に配置することができる。管状チューブと比較すると、平行プレート構成を用いることによって、単位体積あたり処理能力のより高いエマルジョン作製プロセスを実現することもできる。
【0054】
平行プレート構成を用いることの利点は、これらの構成が管状チューブと比較してより大きな流体/壁材料比を有し、従ってよりコンパクトでより高い製造能力または出力の可能性を有することである。図7に示すように、同じ速度(従って類似のせん断力および液滴サイズ)、同じ寸法d、D、LおよびWで比較を行なうことができる。比較結果は、連続相流量Gチューブ=DΠ/[8(D+d)]Gプレートである。D=dなら、Gチューブ=0.196Gプレートである。d=D/2なら、Gチューブ=0.262Gプレートである。これは、同じ流量/製造能力およびシステム体積の場合、チューブ内径を(1/0.196)0.5=2.25倍または(1/0.262)0.5=1.954倍の因子分だけおおきくしなければならないことを意味する。しかし、チューブ直径を大きくすると、せん断力がはるかに低くなり、そのため液滴サイズが大きくなってしまう。乳化面積は以下の関係を有するので、この場合、充填密度が低くなる。D=dならAチューブ=0.39Aプレート、d=D/2なら、Aチューブ=0.52Aプレートである。
【0055】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)、液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)、および選択肢として、熱交換チャネル(190、570、580)は、同心円状に配置された円形チューブの形であってもよい。プロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルは、一方のチャネルを環状の空間に配置し、他方のチャネルを中心空間または隣接する環状の空間に配置して、互いに隣接させてもよい。一つの実施態様では、本発明のプロセスで有用なマイクロチャネルミキサーは、マイクロチャネルミキサーを円筒形の形状として、複数の交互積層同心円管状のプロセスマイクロチャネル、液体チャネル、および選択肢として、熱交換チャネルを含むことができる。
【0056】
開口(144、144a、244、416、426、436、446、513、523、533、543)は、開口区域を通る指定された液体の流れを可能にするのに十分なサイズとすることができる。開口は、細孔と呼ぶことができる。開口区域(140、140a、240、415、425、435、445、511、521、531、541)は、約0.01から約50mm、一つの実施態様では約0.05から約10mm、一つの実施態様では約0.1から約2mmの範囲の厚さを有してよい。開口(144、144a、244、416、426、436、446、513、523、533、543)は、最大約50ミクロンの範囲、一つの実施態様では約0.001から約50ミクロンの範囲、一つの実施態様では約0.05から約50ミクロン、一つの実施態様では約0.1から約50ミクロンの平均直径を有することがある。一つの実施態様では、開口は、約0.5から約10ナノメートル(nm)、一つの実施態様では約1から約10nm、一つの実施態様では約5から約10nmの範囲の平均直径を有することがある。開口区域の開口の数は、平方センチメートルあたり約10から約5×10個の開口個、一つの実施態様では平方センチメートルあたり約1から約1×10個の開口の範囲であってよい。開口は、互いに孤立していてもよく、孤立していなくてもよい。開口の一部またはすべては、開口区域内の他の開口と流体連通していてもよい。プロセスマイクロチャネル(110、110a、210、410、510、520、530、540)を通って流れる液体の流路に沿う方向の開口区域の長さに対する開口区域(140、140a、240、415、425、435、445、511、521、531、541)の厚さの比は、約0.001から約1、一つの実施態様では約0.01から約1、一つの実施態様では約0.03から約1、一つの実施態様では約0.05から約1、一つの実施態様では約0.08から約1、一つの実施態様では約0.1から約1の範囲であってよい。開口区域(140、140a、240、415、425、435、445、511、521、531、541)は、本発明のプロセスの動作を可能にするのに十分な強度および寸法安定性を提供する任意の材料で構築することができる。これらの材料は、鋼(例えばステンレス鋼、炭素鋼および類似物)、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、上記金属の任意のものの合金、重合体(例えば熱硬化樹脂)、セラミック、ガラス、一つ以上の重合体(例えば熱硬化樹脂)およびガラス繊維を含むコンポジット、石英、ケイ素、カーボンナノチューブまたはカーボンモレキュラーシーブを含む微多孔質炭素、ゼオライトまたはそれらの二つ以上の組み合わせを含む。開口は、レーザ穿孔、マイクロエレクトロ機械加工システム(MEMS)、リソグラフィー電着および成型(LIGA)、電気スパークリングまたは電気化学エッチングなどの既知の技法を用いて作製することができる。開口は、押し出し成型品などの構造を有するプラスチックまたは配列カーボンナノチューブ(CNT)膜などの膜をつくるために用いられる技法を用いて作製することができる。開口は、金属粉末または粒子を焼結または圧縮して曲がりくねって相互に連結したキャピラリーチャネルを作製することなどの技法および膜作製技法を用いて作製することができる。部分的に開口を埋める開口内部側壁へのコーティングの塗布によって、これらの方法の任意のものによって提供されるサイズから開口の大きさを小さくすることができる。選択的なコーティングによって、連続流路に接して最小の細孔径を提供する多孔質体の外部薄層を作製することもできる。最小平均細孔開口部は、所望のエマルジョンの液滴サイズによって、約1ナノメートルから約数百ミクロンの範囲であってよい。開口内部の側壁上に酸化物スケールまたはコーティングを作製する方法だけでなく、熱処理によって開口の大きさを減らすこともできる。これらの技法は、開口を部分的に閉塞して流れのための開口部のサイズを減らすために用いることができる。図8および9は、同じ倍率および同じ位置での熱処理の前後のステンレス鋼多孔基板のSEM表面構造の比較を示す。図8は熱処理前の表面を示し、図9は熱処理後の表面を示す。熱処理後の多孔質材料の表面は、著しく小さなギャップおよび開口部サイズを有する。開口部の間の平均距離は、対応して増加する。
【0057】
開口区域(140、140a、240、415、425、435、445、511、521、531、541)は、約0.01から約200ミクロンの範囲の平均細孔径の相互連結チャネルまたは細孔を有する金属または非金属多孔質材料からつくることができる。これらの細孔は、開口(144、144a、244、416、426、436、446、513、523、533、543)として機能することがある。多孔質材料は、平均細孔間距離が平均細孔径と同様であるように、粉末または微粒子からつくることができる。非常に小さな細孔径を用いると、細孔間距離も非常に小さくなることがあり、液滴はプロセスマイクロチャネル(110、110a、210、410、510、520、530、540)または液体チャネル(420、430)の側の表面で合体して望ましくない大きな液滴を形成することがある。多孔質材料は、約300℃から約1000℃の範囲の高温で約1時間から約20日間の長さの酸化によって、またはゾルコーティングによってアルミナなどの別の材料の薄層をコーティングすることまたは小さな細孔をふさぎ、大きな細孔の細孔径を小さくし、その結果細孔間距離を増加させる細孔の表面および内部の化学蒸着法を用いるニッケルによって手直しすることができる。それなりに、液滴の合体を減らすか、またはなくし、より小さな液滴の生成を可能にすることができる。図10に、手直しした基板または開口区域のSEM画像を示す。
【0058】
約1ミクロンより小さな液滴サイズを有するエマルジョンを提供するのに十分に小さなマイクロスケール開口または細孔(144、144a、244、416、426、436、446、513、523、533、543)を有する開口区域(140、140a、240、415、425、435、445、511、521、531、541)として用いられる基板の製作には問題が多い。これの理由の一つは、圧縮および/または焼結によって粉末/粒子からつくられる金属多孔基板などの未処理の規則性多孔質材料では比較的高い表面粗さが生じるという事実にある。一般に、これらの金属多孔質基板では、所定の名目細孔径が特定の値より低いとき、表面領域に必要な細孔径はない。多孔質材料のバルクは指定された名目細孔径を有するが、多くの場合、表面領域ははるかに大きなサイズの融合細孔および空洞を特徴とする。この問題は、所望の表面領域の細孔径および細孔間距離を提供するようにこれらの基板を手直しすることによって、克服することができる。これは、多孔質基板から表面層を除き、小さな開口部を有する滑らかな新しい表面を加えることによって実施できる。これらの手直し基板を用いて作製されるエマルジョンでは、基板による圧力降下を増加させることなく液滴サイズを小さくすることができる。多孔質表面を直接研磨または機械加工すると、表面構造のスミアリングおよび細孔の閉塞の原因となることがあるので、多孔質構造を液体充填材で満たした後、固形化および機械研磨/磨き仕上げする。それから、充填材を除いて材料の多孔質構造を再び得る。充填材は、亜鉛またはスズなどの低い融点を有する金属またはエポキシなどの重合体の前駆体であってよい。真空を使用することによって、液体充填および除去工程を容易にすることができる。研磨/磨き仕上げは、研削盤および研削粉を用いて実現することができる。金属充填剤の除去は、融解および真空吸い出しによって、または酸エッチングによって実現することができる。エポキシまたはその他の重合体は、溶媒溶解によって、または空気中での燃焼除去によって除去することができる。
【0059】
図11〜13を参照して、一つの実施態様では、開口区域(140、140a、240、415、425、435、445、511、521、531、541)は、比較的小さな開口148を含む比較的薄いシート146と、開口148と同軸で位置合わせされるかまたは開口148に連結される比較的大きな開口152のアレイを含む比較的厚いシートまたはプレート150とで構築することができる。比較的薄いシート146は、比較的厚いシート150の上に重ねて貼り合わせられ、比較的薄いシート146はプロセスマイクロチャネル(110、110a、210、410、510、520、530、540)または液体チャネル(420、430)の内部に面し、比較的厚いシート150は液体チャネル(170、170a、270、420、430、440、450、550、560)の内部に面する。比較的薄いシート146は、任意の適当な手順(例えば拡散結合)を用いて比較的厚いシート150に張り合わせられ、強化された機械的強度を有するコンポジット構造154を提供することができる。比較的薄いシート146は、約0.001から約0.5mm、一つの実施態様では約0.05から約0.2mmの範囲の厚さを有することできる。比較的小さな開口148は、任意の形状、例えば円形、三角形または長方形を有することができる。比較的小さな開口148は、約0.05から約50ミクロン、一つの実施態様では約0.05から約20ミクロンの範囲の平均直径を有することができる。比較的厚いシートまたはプレート150は、約0.1から約5mm、一つの実施態様では約0.1から約2mmの範囲の厚さを有することがある。比較的大きな開口152は、任意の形状、例えば円形、三角形または長方形を有することができる。比較的大きな開口152は、約0.1から約4000ミクロン、一つの実施態様では約1から約2000ミクロン、一つの実施態様では約10から約1000ミクロンの範囲の平均直径を有することができる。シート146の開口148のアレイおよびシートまたはプレート150の開口152のアレイは、それぞれ平方センチメートルあたり約2個から約10000個の開口、一つの実施態様では、平方センチメートルあたり約2個から約1000個の開口を含む。シート146およびシートまたはプレート150は、開口区域(140、140a、240、415、425、435、445、511、521、531、541)を造るために有用であると上記で説明した材料の任意のもので構築することができる。開口148および152は、開口区域を通って流れる液体が最初に開口152を通り、次に開口148を通って流れるように同軸で位置合わせするか、または連結することができる。比較的小さな開口148を通って液体が流れる通路は比較的短いため、開口の通路が開口146と152との合計の長さに等しい長さを有したら起こったであろう圧力降下と比べると、比較的低い圧力降下で液体が開口148を通って流れることが可能になる。
【0060】
図14に例を示す実施態様では、コンポジット構造物154aは、開口152に重なる比較的薄いシート146の凸部分149が提供される点を除いて、図13に例を示したと同じ設計を有する。凸部分149によって、隣接するチャネルで提供される局所せん断力が増加する。図14の矢印116および118は、開口148に隣接するチャネルの液体の流れを示す。せん断力が高いほど、開口148を通って流れる液体では小さな液滴サイズが生じる。
【0061】
図15に例を示す実施態様では、シートまたはプレート142の表面と、開口144の内部側壁160とに表面コーティング158を析出させる。このコーティングによって、開口144(または開口144a、244、416、426、436、446、513、523、533、543)の直径を減らす容易な方法が提供される。コーティング158を作製するために用いられるコーティング材料は、アルミナ、ニッケル、金または重合材料(例えばテフロン(登録商標))であってよい。コーティング158は、化学蒸着、金属スパッタリング、金属メッキ、焼結、ゾルコーティングおよび類似法を含む既知の技法を用いて、シートまたはプレート142に塗布することができる。開口144(または開口144a、244、416、426、436、446、513、523、533、543)の直径は、コーティング158の厚さを制御することによって制御することができる。
【0062】
一つの実施態様では、開口区域(140、140a、240、415、425、435、445、511、521、531、541)は、非対称の多孔質材料、例えば焼結粒子の複数の層を有する多孔質材料から作製することができる。層の数は、二つ、三つ以上である。これらの多層基板の利点は、高い耐久性および接着強さを提供することである。例は、一方の側に比較的大きな細孔、他方の側に比較的小さな細孔を有する焼結セラミックスを含む。比較的小さな細孔は、約2から約10nmの範囲の直径を有することができる。比較的小さな細孔は、多層基板の比較的薄い層に配置することができる。比較的薄い層は、約1から約10ミクロンの範囲の厚さを有することがある。比較的小さな細孔のある側は、比較的小さなエマルジョンが生成するとき、比較的高いせん断力を利用して液滴を除去するために、連続相流れ(すなわちプロセスマイクロチャネルの内部)に面して配置することができる。
【0063】
エマルジョン作製ユニット100、100A、1008、1000または100Dは、図16〜20に例を示すマイクロチャネルミキサー300の中で使用することができる。これらの図面に、エマルジョン作製ユニット100Dを詳しく示す。マイクロチャネルミキサー300は、混合コア310、傾斜した第一の液体ヘッダ320、傾斜した第二の液体ヘッダ330、傾斜したエマルジョンフッタ340、選択肢として熱交換マニホールド350を備える。混合コア310は、上下に積み重ねられた複数のエマルジョン作製ユニット100、100A、100B、100Cまたは100Dを含むことができる。フレーム区域302は、エマルジョン作製ユニットを固定し、シールするために用いることができる。矢印324で示すように、第一の液体は導管322を通ってマイクロチャネルミキサー300に入る。第一の液は、ヘッダ320を通って、ヘッダ320から混合コア310中のプロセスマイクロチャネル110および110aに流入する。第二の液は、矢印334で示すように、導管332を通ってヘッダ330に流入する。第二の液は、ヘッダ330から液体チャネル170に流入する。液体チャネル170は、間隔の空いた平行対向壁(112、112a)中に開口区域(140、140a)を含む平たい幅広カートリッジの形であってよい。これらのカートリッジは、メンテナンスまたは交換のために取り外すことができる。第二の液は、液体チャネル170を通って開口区域140および140aに流れ、開口区域140および140aを通って、プロセスマイクロチャネル110および110aにそれぞれ流入する。プロセスマイクロチャネル110および110aで、第一の液体と第二の液体とが混ざり合って所望のエマルジョンを形成する。矢印344で示すように、エマルジョンは、プロセスマイクロチャネル110および110aから製品フッタ340を通過し、導管342を通過してマイクロチャネルミキサーから流出する。熱交換流体は、熱交換入口352を通って熱交換マニホールド350に流入する。熱交換流体は、熱交換マニホールド350から熱交換チャネル190を通り、熱交換チャネル190から流れて熱交換マニホールド350へ戻り、そこで熱交換流体は熱交換流体出口354を通って流出する。図18に示すように、熱交換チャネル190は、プロセスマイクロチャネル110および110aならびに液体チャネル170中の液体の流れに対して、熱交換流体の交差流と、並流または向流のどちらかとの組み合わせを提供する蛇行形の形状を有する。あるいは、流路は、非蛇行形、すなわちプロセスマイクロチャネル110、110aおよび/または液体チャネル170中の液体の流れに対して並流または向流とすることもできると考えられる。
【0064】
プロセスマイクロチャネル(110、110a、210、410、510、520、530、540)、液体チャネル(170、170a、270、420、430、440、450、560、570)および熱交換チャネル(190、570、580)は、関連するヘッダ、フッタ、マニホールド等とともに、本発明のプロセスの動作を可能にするのに十分な強度、寸法安定性、腐食抵抗性および伝熱特性を提供する任意の材料でつくることができる。これらの材料は、鋼(例えばステンレス鋼、炭素鋼および類似物)、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、白金、ロジウム、銅、クロム、真鍮、上記金属の任意のものの合金、重合体(例えば熱硬化樹脂)、セラミック、ガラス、一つ以上の重合体(例えば熱硬化樹脂)およびガラス繊維を含むコンポジット、石英、ケイ素またはそれらの二つ以上の組み合わせを含む。
【0065】
第一の液体および第二の液体は、互いに混ざり合わない。第三の液体は、第二の液体と混ざり合わなくてもよく、第一の液体と混ざり合わなくても混ざり合ってもよい。各液体は、有機液体、水性液体またはそれらの組み合わせであってよい。例えば、第一の液体はベンゼンであり、第二の液体はグリセロールであってよく、あるいはその逆でもよい。液体の一つは、イオン液体(例えば1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムの塩)であってもよく、別の一つは有機液体であってもよい。液体の一つは水を含んでもよく、別の液体はオイルなどの疎水性有機液体を含んでもよい。本発明のプロセスによってつくられるエマルジョンは、油中水(w/o)または水中油(o/w)エマルジョンと呼ぶことができる。本発明のプロセスによってつくられる二重エマルジョンは、水中油中水(w/o/w)または油中水中油(o/w/o)エマルジョンと呼ぶことができる。有機材料はオイルであってもよくオイルでなくてもよいが、本明細書を通じて、また請求項において、用語「オイル」は、時にはエマルジョンの有機相を指すために用いられる。第一の液体は、本発明のプロセスによってつくられるエマルジョン中に約0.1から約99.9重量%、一つの実施態様では約1から約99重量%、一つの実施態様では約5から約95重量%の範囲の濃度で存在することができる。第二の液体は、本発明のプロセスによってつくられるエマルジョン中に約99.9から約0.1重量%、一つの実施態様では約99から約1重量%、一つの実施態様では約95から約5重量%の範囲の濃度で存在することができる。第三の液体は、用いられる場合には、本発明のプロセスによってつくられるエマルジョン中に最大約50重量%、一つの実施態様では約0.1から約20重量%、一つの実施態様では約0.5から約10重量%の範囲の濃度で存在することができる。
【0066】
第一、第二および/または第三の液体は、一つ以上の液化炭化水素を含むことができる。用語「炭化水素」は、炭化水素または主に炭化水素の性格を有する化合物を示す。これらの炭化水素化合物は、以下のものを含む。
【0067】
(1)純炭化水素化合物、すなわち脂肪族化合物(例えばアルカンまたはアルキレン)、脂環式化合物(例えばシクロアルカン、シクロアルキレン)、芳香族化合物、脂肪族および脂環式置換芳香族化合物、芳香族置換脂肪族化合物および芳香族置換脂環式化合物および類似物。例は、ヘキサン、ドデカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン類、エチルベンゼン、スチレン等を含む。
【0068】
(2)置換炭化水素化合物、すなわち化合物の主に炭化水素の性格を変えない非炭化水素置換基を含む炭化水素化合物。非炭化水素置換基の例は、ヒドロキシ、アシル、ニトロ、ハロ等を含む。
【0069】
(3)ヘテロ置換炭化水素化合物、すなわち性格的には主に炭化水素であるが、通常は炭素原子で構成される分子鎖または環に炭素以外の原子を含む炭化水素化合物。例えば、ヘテロ原子は窒素、酸素および硫黄を含む。
【0070】
第一、第二および/または第三の液体は、天然オイル、合成オイルまたはそれらの混合物を含むことがある。天然オイルは、液体石油系オイル分およびパラフィン系、ナフテン系または混合パラフィン系−ナフテン系型の溶媒処理または酸処理鉱物オイルなどの鉱物オイルだけでなく、動物オイルおよび植物オイル(例えばヒマシ油、ラード油)を含む。天然オイルは、石炭または頁岩から誘導されるオイルを含む。オイルは、トリグリセリドの仲間からのケン化可能なオイル、例えばダイズ油、ゴマ種子油、綿実油、サフラワー油および類似物であってよい。オイルは、シリコーンオイル(例えばシクロメチコーン、シリコンメチコーン類等)であってよい。オイルはワセリン、スクアラン、スクアレンまたは一つ以上のジアルキルシクロヘキサン類、またはそれらの二つ以上の混合物などの脂肪族またはナフテン系炭化水素であってよい。合成オイルは、重合および高分子間反応したオレフィン(例えばポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレンイソブチレン共重合体等)、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン)等およびそれの混合物などの炭化水素オイル、アルキルベンゼン(例えばドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ−(2−エチルヘキシル)ベンゼン等)、ポリフェニル(例えばビフェニル、テルフェニル、アルキル化ポリフェニル等)、アルキル化ジフェニルエーテルおよびアルキル化ジフェニルスルフィドおよびそれらの誘導体、類縁体および同族体ならびに類似物を含む。末端ヒドロキシル基がエステル化、エーテル化等によって修飾されたアルキレンオキシドポリマー類およびそれらの共重合体および誘導体は、用いることができる合成オイルである。合成オイルは、ポリ−アルファ−オレフィンまたはフィッシャー−トロプシュ合成炭化水素を含むことができる。
【0071】
第一、第二および/または第三の液体は、通常液体の炭化水素燃料、例えば、ASTM規格D439によって定められる自動車ガソリンなどの留出燃料、またはASTM規格D396によって定められるディーゼル燃料または重油を含むことができる。
【0072】
第一、第二および/または第三の液体は、脂肪族アルコール、脂肪酸エステルまたはそれらの混合物を含むことができる。脂肪族アルコールは、ゲルベ(Guerbet)アルコールであってよい。脂肪族アルコールは、約6個から22個の炭素原子、一つの実施態様では約6個から約18個の炭素原子、一つの実施態様では約8個から約12個の炭素原子を含んでよい。脂肪酸エステルは、約6個から約22個の炭素原子の直鎖脂肪酸と約6個から約22個の炭素原子の直鎖または分岐脂肪族アルコールとのエステル、約6個から約13個の炭素原子の分岐カルボン酸と約6個から約22個の炭素原子の直鎖または分岐脂肪族アルコールとのエステル、またはそれらの混合物であってよい。例は、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルシン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルシン酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルシン酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルシン酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸塩ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルシン酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、エルシルイソステアリン酸、オレイン酸エルシルベヘン酸エルシルおよびエルシン酸エルシルを含む。脂肪酸エステルは以下を含むことがある。すなわち、約18個から約38個の炭素原子のアルキルヒドロキシカルボン酸と、約6個から約22個の炭素原子の直鎖または分岐脂肪族アルコールとのエステル(例えばリンゴ酸ジオクチル)、約6個から約22個の炭素原子の直鎖または分岐脂肪酸と、多価アルコール(例えばプロピレングリコール、二量体ジオールまたは三量体トリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、約6個から約18個の炭素原子の一つ以上の脂肪酸からつくられるトリグリセリド、約6個から約18個の炭素原子の一つ以上の脂肪酸からつくられるモノ−、ジ−および/またはトリグリセリド系の混合物、約6個から約22個の炭素原子の一つ以上の脂肪族アルコールおよび/またはゲルベアルコール類と、一つ以上の芳香族カルボン酸(例えば安息香酸)とのエステル、2個から約12個の炭素原子の一つ以上のジカルボン酸と、1個から22個の炭素原子を含む一つ以上の直鎖または分岐アルコール、2個から10個の炭素原子および2個から6個のヒドロキシル基を含む一つ以上のポリオール、またはそのようなアルコールおよびポリオールの混合物とのエステル、2個から約12個の炭素原子の一つ以上のジカルボン酸(例えばフタル酸)と、1個から22個の炭素原子の一つ以上のアルコール(例えばブチルアルコール、ヘキシルアルコール)とのエステル、安息香酸と、約6個から約22個の炭素原子の直鎖および/または分岐アルコールとのエステル、あるいはそれらの二つ以上の混合物。
【0073】
第一、第二および/または第三の液体は以下のもの、すなわち約6個から約22個の炭素原子の一つ以上の分岐第一級アルコール、約6個から約22個の炭素原子の一つ以上の直鎖および/または分岐脂肪族アルコール炭酸エステル、約6個から約22個の炭素原子の一つ以上の脂肪族アルコールからつくられる一つ以上のゲルベ炭酸エステル、各アルキル基が1個から約12個の炭素原子を含む一つ以上のジアルキル(例えばジエチルヘキシル)ナフタレート、アルキル基あたり約6個から約22個の炭素原子を含む一つ以上の直鎖または分岐、対称または非対称ジアルキルエーテル、約6個から約22個の炭素原子のエポキシ化された脂肪酸エステルと、2個から10個の炭素原子および2個から6個のヒドロキシル基を含むポリオールとの一つ以上の開環生成物、またはそれらの二つ以上の混合物を含むことがある。
【0074】
第一、第二および/または第三の液体は水を含んでいてもよい。水は、任意の便利な供給源からとることができる。水は、浸透法または蒸留法を用いて脱イオンまたは精製することができる。
【0075】
一つ以上の本発明の実施態様の場合には、乳化剤および/または界面活性剤は必要ではないが、本発明のプロセスによって調製されるエマルジョンを作製する際に一つ以上の乳化剤および/または界面活性剤を用いることができる。乳化剤および/または界面活性剤は、第一、第二および/または第三の液体のどれかとあらかじめ混合することができる。乳化剤および/または界面活性剤は、グリフィン(Griffin)のシステムで0から約18、一つの実施態様では約0.01から約18の範囲の疎水性親水性バランス(HLB)を有するイオン性または非イオン性化合物を含むことがある。イオン化合物は、カチオン性または両性化合物のことがある。例は、「マッカチオンズ界面活性剤および洗剤(McCutcheons Surfactants and Detergents)」、1998年版、北米版および国際版に開示されているものを含む。北米版の1〜235頁および国際版の1〜199頁は、そのような乳化剤の開示に関する部分が参照によって本明細書に組み込まれる。用いることができる乳化剤および/または界面活性剤は、アルキレンオキシド繰り返し単位、カルボキシル化アルコールエトキシレート、エトキシ化アルコール類、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化アミンおよびアミド、エトキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪酸エステルおよびオイル、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、グリセロールエステル、グリコールエステル、ソルビタンエステル、イミダゾリン誘導体、レシチンおよび誘導体、リグニンおよび誘導体、モノグリセリドおよび誘導体、オレフィンスルホン酸エステル、リン酸エステルおよび誘導体、プロポキシ化およびエトキシ化脂肪酸またはアルコール類またはアルキルフェノール、ソルビタン誘導体、ショ糖エステルおよび誘導体、硫酸エステルまたはアルコールまたはエトキシ化アルコールまたは脂肪酸エステル、ドデシルおよびトリデシルベンゼンまたは縮合ナフタレンまたは石油のスルホン酸エステル、スルホコハク酸エステルおよび誘導体、トリデシルおよびドデシルベンゼンスルホン酸を含有するブロック共重合体を含むアルカノールアミン、アルキルアリールスルホン酸エステル、アミンオキシド、ポリ(オキシアルキレン)化合物を含む。乳化剤および/または界面活性剤は、一つ以上のポリアルキレングリコール、グリセロールまたはソルビタンと、約12個から約22個の炭素原子を含む脂肪酸との一つ以上の部分エステル、またはそれらの混合物を含むことがある。乳化剤および/または界面活性剤は、レシチンなどの薬学上許容される材料を含むことができる。本発明のプロセスによって作られるエマルジョン中のこれらの乳化剤および/または界面活性剤の濃度は、最高でエマルジョンの約20重量%、一つの実施態様では約0.01から約5重量%の範囲、一つの実施態様では約0.01から約2重量%の範囲で変化させることができる。一つの実施態様では、この濃度は、最高約2重量%、一つの実施態様では最高約1重量%、一つの実施態様では最高約0.5重量%であってよい。
【0076】
本発明のプロセスによってつくられるエマルジョンは、以下の添加剤の一つ以上を含むことがある。これらの添加剤は、第一、第二および/または第三の液体のどれかとあらかじめ混合することができる。これらの添加剤は以下のものを含む。すなわち、紫外線保護因子(例えば3−ベンジリデンカンファーおよびその誘導体、4−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸のエステル、ベンゾフェノンの誘導体、ベンザルマロン酸のエステル、トリアジン誘導体、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸およびその塩、ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体およびその塩、ベンゾイルメタンの誘導体)、ワックス(例えばキャンデリラロウ、シュロロウ、日本ロウ、コルクワックス、米油ロウ、サトウキビワックス、ミツロウ、ペトロラタム、ポリアルキレンワックス、ポリエチレングリコールワックス)、ちょう度因子(例えば脂肪族アルコール、ヒドロキシ脂肪族アルコール、部分グリセリド、脂肪酸、オキシ脂肪酸)、増粘剤(例えばキサンタンガムなどの多糖類、グアグアおよびカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン)、過脂肪剤(例えば、ラノリン、レシチン、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、脂肪酸アルカノールアミド)、安定化剤(例えば、マグネシウム、アルミニウムまたは亜鉛のステアリン酸塩またはリシノール酸塩などの脂肪酸の金属塩)、重合体(例えば、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩およびアクリルアミドの共重合体、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾール重合体、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、ポリアミノポリアミドなどのカチオンポリマー、アニオン、双性イオン、両性および非イオン重合体)、シリコーン化合物(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシーロキサン、環状シリコーン、アミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−、グリコシド−および/またはアルキル−修飾シリコーン化合物、シメチコ−ン、ジメチコ−ン)、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、生体薬剤(例えば、トコフェロール、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、アミノ酸、植物エキス、複合ビタミン剤)、酸化防止剤(例えば、アミノ酸、イミダゾール、ペプチド、カロチノイド、カロチン、リポン酸およびその誘導体、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、ジラウリルチオジプロピオネート、スルホキシイミン化合物、アルファ−ヒドロキシ脂肪酸などの金属キレート化剤、クエン酸または乳酸などのアルファ−ヒドロキシ酸、フミン酸、胆汁酸、EDTA、EGTA、葉酸およびその誘導体、ビタミンA、CまたはEなどの複合ビタミン剤、スチルベンおよびその誘導体)、脱臭剤、発汗抑制剤、フケ防止剤、膨潤剤(例えば、モンモリロナイト、粘土鉱物)、駆虫剤、自己−なめし剤(例えば、ジヒドロキシアセトン)、チロシン阻害剤(脱色剤)、ヒドロトロープ(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、および、流れ挙動を改善するために用いられるグリセロールおよびアルキレングリコールなどのポリオール)、可溶化剤、防腐剤(例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオール、ソルビン酸)、香油(例えば花、果皮、根、木、ハーブおよび草、針葉および枝、樹脂およびバルサムの抽出物、ならびにエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素を含む合成香料)、色素、および類似物。本発明のエマルジョンにおけるこれらの添加剤のそれぞれの濃度は、最高約20重量%、一つの実施態様では約0.01から約10重量%、一つの実施態様では約0.01から約5重量%、一つの実施態様では約0.01から約2重量%、一つの実施態様では約0.01から約1重量%のことがある。
【0077】
本発明のエマルジョンは、一つ以上の粒状の固体を含むことがある。これらは、第一、第二および/または第三の液体とあらかじめ混合することができる。粒状の固体は、有機物、無機物またはそれらの組み合わせであってよい。粒状の固体は、触媒(例えば、CeO/BaAl1219、Pt/Al等などの燃焼触媒、重合触媒および類似物)、顔料(例えば、TiO、カーボンブラック、酸化鉄等)、充填材(例えば、雲母、シリカ、滑石、硫酸バリウム、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン粉、メタクリル酸メチル粉末)等を含むことができる。粒状の固体は、ナノサイズの粒子を含むことができる。粒状の固体は、約0.001から約10ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約1ミクロンの範囲の平均粒子直径を有することができる。エマルジョン中の粒状の固体の濃度は、最大約70重量%、一つの実施態様ではエマルジョンの重量基準で約0.1から約30重量%の範囲にある。
【0078】
一つの実施態様では、本発明のプロセスによってつくられるエマルジョンは、連続相中に分散した不連続相を含む。不連続相は、最大約200ミクロンの体積基準平均直径を有する液滴を含むことがある、一つの実施態様では約0.01から約200ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約100ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約50ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約25ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約10ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約5ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約2ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約1ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約0.5ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約0.2ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約0.1ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約0.1ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約0.05ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約0.03ミクロン。一つの実施態様では、不連続相は水を含み、連続相は有機液体を含む。一つの実施態様では、不連続相は有機液体を含み、連続相は水または別の有機液体を含む。連続相は、連続相中に分散または懸濁した粒状の固体を含むことがある。不連続相は、不連続相中の液滴の中にカプセル化した粒状の固体および/または液滴を含むことがある。本発明のプロセスの利点は、少なくとも一つの実施態様では、液滴は比較的狭い液滴サイズの分布を有することによってキャラクタリゼーションすることができることである。一つの実施態様では、分散相中の液滴サイズをプロットすると、その結果正規分布曲線を得ることができる。
【0079】
「相対スパン」は、多くの場合「スパン」と呼ばれる。それは体積分布から計算される無次元パラメータである。体積中央値液滴サイズ(VMD)と同様に、D[v,0.1]およびD[v,0.9]は、液体の体積の10%および90%が、それぞれ、小さな直径の方の液滴中に分散している点に対応する直径である。スパンは、D[v,0.9]からD[v,0.1]を引いた後、VMD(D[v,0.5])で除したものと定義することができる。本発明のプロセスによってつくられるエマルジョン中の液滴のスパンは、約0.005から約10、一つの実施態様では約0.01から約10、一つの実施態様では約0.01から約5、一つの実施態様では約0.01から約2、一つの実施態様では約0.01から約1、一つの実施態様では約0.01から約0.5、一つの実施態様では約0.01から約0.2、一つの実施態様では約0.01から約0.1の範囲のことがある。一つの実施態様では、本発明のプロセスは、単一のプロセスマイクロチャネル中で実施され、スパンは約0.01から約0.5の範囲のことがある。一つの実施態様では、本発明のプロセスは複数のプロセスマイクロチャネルを使用するスケールアップ乳化処理プロセス中で実施され、スパンは約0.01から約1の範囲のことがある。
【0080】
一つの実施態様では、本発明のプロセスによってつくられるエマルジョン中の液滴の体積基準の直径は、約0.01から約200ミクロンの範囲であってよく、スパンは約0.005から約10の範囲であってよい。一つの実施態様では、体積基準の平均直径は、約0.01から約100ミクロンの範囲、スパンは約0.01から約5の範囲であってよい。一つの実施態様では、体積基準の平均直径は、約0.01から約50ミクロンの範囲、スパンは約0.02から約5の範囲であってよい。一つの実施態様では、体積基準の平均直径は、約0.01から約10ミクロンの範囲、スパンは約0.05から約2.5の範囲であってよい。一つの実施態様では、体積基準の平均直径は、約0.01から約5ミクロンの範囲、スパンは約0.01から約2の範囲であってよい。一つの実施態様では、体積基準の平均直径は、約0.01から約1ミクロンの範囲、スパンは約0.005から約1の範囲であってよい。
【0081】
上記のように、本発明のプロセスによって作製されるエマルジョンは、二重エマルジョン、すなわちw/o/wまたはo/w/oエマルジョンであってよい。これらは、第二の液体の液滴の中にカプセル化される第三の液体の液滴を特徴とすることができる。カプセル化された液滴が連続相中に分散される。図32にこれの例を示す。図32を参照して、二重エマルジョン10は、第二の液体の液滴14の中にカプセル化された第三の液体の液滴12を含む。カプセル化された液滴は、第一の液体の連続相16中に分散する。第一の液体は、第三の液体と同じ組成を有してもよく、有さなくてもよい。液滴12は、約0.001から約10ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約5ミクロンの体積基準平均直径を有することができる。液滴14は、約0.001から約10ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約5ミクロンの体積基準平均直径を有することができる。上記で考察したように、これらの二重エマルジョン中の三つの相のどれをとっても粒状の固体を含むことができる。二重エマルジョンは、薬剤、医療、食品および化粧品産業におけるようなさまざまな用途で用いられる。これらの二重エマルジョンが提供できる有利な特徴は、第三の液体中の活性成分が後の時間、一般に第二の液体の使用または輸送の後、あるいは使用または輸送の間に消費される、制御された処理時間および速度を提供することである。別の特徴は、第三の液体中の活性成分が化学的にまたは物理的に第一の液体と相容れないとき、または第一の液体を液体担体としてだけ用いることができるとき、第三の液体中の活性成分を第一の液体から分離することができ、従って使用前の供給の間に変化させずに維持できることである。
【0082】
一つの実施態様では、本発明のプロセスによって製造されるエマルジョンは、最後にろ過するか、または製造ライン中でろ過することができる。そのようなろ過の使用は、殺菌問題が重要である医薬品組成物などのエマルジョンを製造する場合に特に適する。そのようなろ過によって、比較的大きな汚染物質粒子(例えば生体材料)は除去することができる。一つの実施態様では、本発明のプロセスは、連続閉鎖系(すなわち無菌)プロセス中で製品エマルジョンのインラインろ過を提供することを含む。
【0083】
少なくとも一つの実施態様では、本発明のプロセスの利点は、プロセスが実験室用であろうと、パイロットプラント規模用であろうと、または実生産規模用であろうと、プロセスマイクロチャネル、液体チャネルおよび熱交換チャネルの間のギャップ距離は同じであってよいことである。その結果、マイクロチャネルミキサーが実験室またはパイロットプラント規模で、または実生産規模のプラント装置として建設されようと、本発明のプロセスで用いられるマイクロチャネルミキサーによって製造されるエマルジョンの粒径分布は、実質的に同じにすることができる。これは、図21に提示する粒子サイズ分布曲線によって示される。一本のプロセスチャネルと、スケールアップシステムとについて、図21に示した分布曲線の差異は、望ましくない隅の効果の寄与から生じる可能性がある。しかし、非一様なせん断力が液滴サイズに及ぼす望ましくない効果は、辺の部分を無視できるようにすることによって最小化することができ、従って、1本のプロセスマイクロチャネルの粒径分布曲線は、スケールアップシステムのものと同じ、または実質的に同じにすることができる。
【0084】
液体制御素子(離散形)に対する速度uの方向のせん断力は、式 F=mu×du/dy によって計算することができ、式中、muは粘度、du/dyは開口区域に垂直な液体の流れの速度勾配である。しかし、液体の位置(制御素子によって表される)の場合と同じく、一般に、速度は三つの成分を有し、せん断力も三つの成分を有する。表面の近くおよび表面上のチャネルの流れの場合、一次元の仮定をおくことができ、Fによって液体の素子表面における正味のせん断力を近似できる。FluentまたはFEMLABなどの市販のソフトウェアパッケージを含む計算機流体力学を用いて、必要な輸送方程式を解き、表面せん断力を計算することができる。チャネル長さの流れの方向に平行な表面せん断力を計算することができる。平行なチャネルの間のせん断力も、流れ分布効果を取り込んでそれぞれの平行なチャネル中への物質流束を詳細なチャネルおよびマニホールドの幾何形状の関数として決定して計算することができる。例えば、「流体力学の基礎(Fundamentals of Fluid Mechanics)」、第3版、ビー・アール・マンソン(B.R.Munson)、ディー・エフ・ヤング(D.F.Young)およびティー・エイチ・オキイシ(T.H.Okiishi)、ジョンワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons,Inc)、ヴァインハイム(Weinheim)、1998年、に別の計算方法がある。
【0085】
一つの実施態様では、単一のプロセスマイクロチャネルを使用するプロセスのせん断力偏差因子(SFDF)は、複数のプロセスマイクロチャネルを備えるスケールアッププロセスのSFDFの約50%にすることができる。SFDFは、式 SFDF=(Fmax−Fmin)/(2Fmean) を用いて計算することができ、式中Fmaxは、特定の液体に対するプロセスマイクロチャネル中の最大せん断力、Fminは同じ液体に対するプロセスマイクロチャネル中の最小せん断力、Fmeanはプロセスマイクロチャネル内の開口区域(140、140a、240、415、425、435、445、511、521、531、541)の表面における同じ液体に対する算術平均せん断力である。本発明のプロセスによって動作する単一のプロセスマイクロチャネルの中では、SFDFは約2より小さく、一つの実施態様では約1より小さく、一つの実施態様では約0.5より小さく、一つの実施態様では約0.2より小さくすることができる。
【0086】
一つの実施態様では、本発明のプロセスは、複数のプロセスマイクロチャネルを使用しながら、比較的一様なせん断力を提供することができる。複数のプロセスマイクロチャネルの間のせん断力一様性を測定するためには、各チャネルについて平均せん断力を計算し、比較する。Fmaxは平均チャネルせん断力の最大値であり、Fminは平均せん断力の最小値である。Fmeanは、すべてのチャネルの平均せん断力の平均値である。SFDFは、これらの値から計算することができる。本発明のプロセスの少なくとも一つの実施態様では、複数のプロセスマイクロチャネルの間で、SFDFは約2より小さく、一つの実施態様では約1より小さく、一つの実施態様では約0.5より小さく、一つの実施態様では約0.2より小さくすることができる。
【0087】
図22および23を参照して、狭い液滴サイズ分布を有する本発明のプロセスを用いてつくられたエマルジョンと、従来のバッチ乳化処理プロセスを用いてつくられたエマルジョンとの比較を行なうことができる。図22は、本発明のプロセスによってつくられたエマルジョンの顕微鏡画像であり、一方、図23は従来のプロセスによってつくられたエマルジョンを示す。図23の液滴は、サイズ分布がいく、液滴サイズも大きい。図22の液滴のサイズ分布は比較的狭く、液滴サイズも小さい。狭い液滴サイズ分布の利点は、例えば、皮膚などの塗布表面での活性成分の一様な広がり、広い分布を有するエマルジョンを用いたときに起こる可能性がある小さな表面構造の中への小さな液滴の望ましくない浸透を防ぐことが含まれる。例えば、エマルジョン液滴サイズ分布が約2から約20ミクロンの広い範囲を有するなら、最も小さな液滴の存在まで考慮して安定なエマルジョンを維持するためには、多くの場合、過剰の界面活性剤が用いられるので、別の利点は界面活性剤の使用を減らすことに関わる。狭い液滴サイズ分布によって、必要なだけの界面活性剤の量をより正確に決定することが可能になり、その結果、不必要な界面活性剤の使用を減らし、またはなくすことができる。本発明の一つの実施態様では、液滴サイズ分布が十分に狭い、例えば約0.5より小さいスパンのとき、エマルジョンは、製造が完了した後、エマルジョン全体により高い界面活性剤濃度を必要とすることがある望ましくない小さな液滴を含まないので、用いられる界面活性剤の量を著しく減らすことができることである。
【0088】
熱交換流体は、任意の流体であってよい。これらは、空気、蒸気、液体の水、気体窒素、液体窒素、不活性気体を含むその他の気体、一酸化炭素、二酸化炭素、融解塩、鉱油などのオイル、気体炭化水素、液化炭化水素およびダウ−ユニオンカーバイド(Dow−Union Carbide)から入手できるダウサームA(Dowtherm A)およびサーミノール(Therminol)などの熱交換流体を含む。
【0089】
熱交換流体は、エマルジョンをつくる際に用いられる第一、第二また、第三の液体を含むことができる。これによって、プロセス予備加熱または予備冷却を提供し、プロセスの総合的な熱効率を高くすることができる。
【0090】
一つの実施態様では、熱交換チャネルは、吸熱または発熱プロセスが実行されるプロセスチャネルを含む。これらの熱交換プロセスチャネルは、マイクロチャネルであってよい。熱交換チャネル中で実行できる吸熱プロセスの例は、スチームリホーミングおよび脱水素反応を含む。一つの実施態様では、改善されたヒートシンクを提供する同時吸熱反応の組み込みによって、対流による冷却熱流束よりほぼ一桁以上の一般的な熱流束が可能になる。熱交換チャネル中で実行できる発熱プロセスの例は、水性ガスシフト反応、メタノール合成反応およびアンモニア合成反応を含む。マイクロチャネル反応器中で熱交換する同時放熱および吸熱反応の使用は、2002年8月15日出願の米国特許出願第10/222,196号明細書に開示されている。
【0091】
一つの実施態様では、熱交換流体は、熱交換チャネルを通って流れるとき相変化する。この相変化によって、対流加熱または冷却によって供給される熱の他に、プロセスマイクロチャネルまたは液体チャネルからさらに熱を供給するか、または除去することを提供する。気化する液体熱交換流体の場合には、プロセスマイクロチャネルから移動する追加分の熱が熱交換流体が必要とする蒸発潜熱となる可能性がある。そのような相変化の例は、核沸騰するオイルまたは水である。一つの実施態様では、相変化流体の沸騰の蒸気質量分率品質は、最高約50%にすることができる。
【0092】
相変化または化学反応による促進伝熱の使用は、エマルジョン発生がプロセスチャネル中の化学反応と協同して起こるとき、さらに有利にすることができる。一つの実施態様では、例えば、エマルジョンは、重合反応またはその他用の反応性モノマーであってもよく、それなりに追加の熱交換を要請することができる。
【0093】
マイクロチャネルミキサー中の対流熱交換または対流冷却の熱流束は、マイクロチャネルミキサー中のプロセスマイクロチャネルの表面積の平方センチメートルあたり約0.01から約125ワット(W/cm)、一つの実施態様では約0.1から約50W/cm、一つの実施態様では約1から約25W/cm、一つの実施態様では約1から約10W/cmの範囲であってよい。相変化熱交換のための熱流束は、約1から約250W/cmの範囲、一つの実施態様では約1から約100W/cm、一つの実施態様では約1から約50W/cm、一つの実施態様では約1から約25W/cm、一つの実施態様では約1から約10W/cmあってよい。
【0094】
熱交換チャネルを用いて本発明のプロセスを用いるエマルジョンの作製の間に無菌状態を提供することができる。バッチミキサと異なって、本発明のプロセスは環境に対して閉鎖することができ、環境から切り離すために不活性気体で覆う必要がない。熱交換チャネルがプロセスマイクロチャネルまたは液体チャネルに隣接することができると、マイクロチャネルミキサー中の液体を迅速に加熱および冷却して温度勾配を小さくすることを可能にする比較的短い熱輸送および拡散距離を提供することができる。その結果、本発明のプロセスを用いて、長時間の加熱に適さないか、または大きな温度勾配の下では劣化する可能性のあるエマルジョンを調製することができる。一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネル中の同じ軸位置のプロセスマイクロチャネル壁とプロセスマイクロチャネル内のバルクの流れとの間の温度勾配を、約5℃より小さく、一つの実施態様では約2℃より小さく、一つの実施態様では約1℃より小さくすることができる。
プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルに密着して加熱および/または冷却を制御する熱交換チャネルは、複数のプロセスマイクロチャネルの間の一様な温度プロファイルを提供することができる。これによって、混合タンクなどの従来の処理設備を用いて得ることができるよりも速い速度での一様な加熱および冷却が可能になる。多重チャネルマイクロチャネルミキサーにおいて、プロセス流れの長さ方向の少なくともいくつかの軸位置で、プロセスマイクロチャネル間の温度差を約5℃より小さく、一つの実施態様では約2℃より小さく、一つの実施態様では約1℃より小さくすることができる。
【0095】
プロセスマイクロチャネル、液体チャネルの一方または両方に隣接する熱交換チャネルは、そのようなチャネルに沿って温度ゾーンを使用することができる。一つの実施態様では、プロセスチャネルへの入口に近い第一のゾーンの温度は、プロセスマイクロチャネルの終端に近い第二のゾーンの第二の温度より高い温度に維持される。エマルジョンを急速に冷却し、安定化させるために、冷却または急冷ゾーンをプロセスマイクロチャネル中に組み込むことができる。原料およびまたはエマルジョン生成物を加熱および/または冷却するための、プロセスマイクロチャネル中の混合ゾーンの前および/または後ろの両方のセクションの可能性を含めて、プロセスマイクロチャネルの長さの方向に微調整した熱プロフィルを可能にする熱プロフィルの多数の組み合わせが可能である。
【0096】
プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)を通る液体の流量は、約0.001から約500lpm、一つの実施態様では約0.001から約250lpm、一つの実施態様では約0.001から約100lpm、一つの実施態様では約0.001から約50lpm、一つの実施態様では約0.001から約25lpm、一つの実施態様では約0.01から約10lpmの範囲であってよい。プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)を通って流れる液体の速度は、約0.01から約100m/秒、一つの実施態様では約0.01から約75m/秒、一つの実施態様では約0.01から約50m/秒、一つの実施態様では約0.01から約30m/秒、一つの実施態様では約0.02から約20m/秒の範囲であってよい。プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)を通って流れる液体のレイノルズ数は、約0.0001から約100000、一つの実施態様では約0.001から約10000の範囲であってよい。プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)に入る液体の温度は、約0℃から約300℃、一つの実施態様では約20℃から約200℃の範囲であてよい。プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)内の圧力は、約0.01から約100気圧、一つの実施態様では約1から約10気圧の範囲であってよい。本発明のプロセスでは、開口区域(140、140a、415、425、435、445、511、521、531、541)中の比較的高い圧力降下または液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)を通る対応して高い分散相液体流量は、必要な要件であることができない―分散相の所望の分銅荷重を実現しこと多くの場合高圧ホモジナイザーの場合で、例えば、ある。本発明のプロセスでは、開口を通る分散相流れの慣性がより低いため液滴が分割する前に液滴の成長が遅くなるので、流量が低いことまたは圧力降下が小さいことによって液滴サイズが小さくなる。図24に概略的にこれを示す。
【0097】
液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)中を流れる液体の流量は、約0.05から約5000ml/s、一つの実施態様では約0.1から約500ml/sの範囲であってよい。液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)中を流れる液体の速度は、約0.0001から約0.1m/s、一つの実施態様では約0.0001m/sから約0.05m/sの範囲であってよい。液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)中を流れる液体のレイノルズ数は、約0.0000001から約1000、および一つの実施態様では約0.0001から約100の範囲であってよい。液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)に入いる液体の温度は、約−20℃から約250℃、および一つの実施態様では約20℃から約100℃の範囲であってよい。液体チャネル(170、170a、420、430、440、450、550、560)内の圧力は、約1から約200気圧、および一つの実施態様では約1から約100気圧の範囲であってよい。開口(144、144a、416、426、436、446、513、523、533、543)中を流れる液体の圧力降下は、約0.05から約200気圧、一つの実施態様では約1から約150気圧の範囲であってよい。
【0098】
プロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)から出るエマルジョンは、約−20℃から約300℃、一つの実施態様では約0℃から約200℃の範囲の温度であってよい。
【0099】
熱交換チャネル(190、570、580)に入る熱交換流体は、約−50℃から約300℃、一つの実施態様では約−10から約200℃、一つの実施態様では約0℃から約100℃の範囲の温度を有してよい。熱交換チャネル(190、570、580)を出る熱交換流体は、約0℃から約200℃、一つの実施態様では約10℃から約200℃の範囲の温度を有してよい。熱交換チャネル中を流れるとき、熱交換流体の圧力降下は、約0.01から約20気圧、一つの実施態様では約0.1から約20気圧の範囲であってよい。熱交換チャネルを通る熱交換流体の流れは層流または遷移流であってよく、一つの実施態様では層流であってよい。熱交換チャネル中を流れる熱交換流体の流れのレイノルズ数は、最大約100000の範囲、一つの実施態様では最大約10000、一つの実施態様では約20から約10000の範囲、一つの実施態様では約100から約5000であってよい。
【0100】
第一、第二および/または第三の液体は、マイクロチャネル熱交換器またはヒートパイプを含む任意の種類の熱交換装置を用いて、マイクロチャネルミキサー中でまたはマイクロチャネルミキサーに入る前に予熱することができる。一つの実施態様では、第一の液体は、混合ゾーン(113、113a、413、515、525、535、545)の上流のプロセスマイクロチャネル(110、110a、410、510、520、530、540)の非開口領域(111、111a、411、514、524、534、544)中で予熱することができる。マイクロチャネルミキサー中で製造されるエマルジョンは、マイクロチャネル熱交換器を含む任意の種類の熱交換装置を用いてマイクロチャネルミキサー中で、またはマイクロチャネルミキサーを出るとすぐに冷却することができる。一つの実施態様では、エマルジョンを安定化または固定化するために、エマルジョンを急冷することができる。一つの実施態様では、エマルジョンは、プロセスマイクロチャネル(110、110a、510、520、530、540)の非開口領域(117、117a、516、526、536、546)中で急冷することができる。一つの実施態様では、エマルジョンは、最長約10分間、一つの実施態様では最長約5分間、一つの実施態様では最長約1分間、一つの実施態様では最長約30秒間、一つの実施態様では最長約10秒間、一つの実施態様では約1秒間より短い範囲の時間で室温に冷却または急冷することができる。
【0101】
本発明のプロセスを用いて、少なくとも毎分約0.01リットル、一つの実施態様では少なくとも毎分約1リットルの速度でエマルジョンをつくることができる。一つの実施態様では、本プロセスを用いて、少なくとも毎秒約1リットルの速度でエマルジョンをつくることができる。
【0102】
一つの実施態様では、図25に例を示すように、連続相チャネルの周りに複数の分散相液体貯槽またはチャンバを構築することができる。個々の貯槽またはチャンバは切り離され、バルブなどのそれ自体の入り口制御機構を有してよい。この構成では、二つの相の体積比(充填密度)は、開口区域の開口または細孔サイズ、あるいは連続相または分散相の個々の流量など他の成分を変化させることなく、所望の製品エマルジョンの種々の調合物によって制御および変化させることができる。これは、「ワンパスプロセス」(すなわち再循環なし)に有用である。例えば、すべての貯槽またはチャンバA、B、CおよびDが同じオイル流量および細孔径を有するなら、バルブAおよびBを閉じたときのエマルジョン充填密度は、すべてのバルブ弁を開けたときの50%である。この概念のさまざまな変更形、例えば三つ以上のオイル貯槽またはチャンバを連続相チャネルの両側に構成することが可能なことに注意する。複数の連続相チャネルを平行に積層(サンドイッチ)して、プロセスチャネルのアレイを作製することができる。図25では、分散相はオイル相として特定されるが、分散相は連続相液体と混ざらない任意の液体であってよいことは当業者には明らかである。この実施態様によって、複数ピークを有する液滴サイズ分布および/または複数成分分散相を有するエマルジョンを製造することが可能である。この実施態様によって、異なる開口区域を通ってプロセスマイクロチャネルに入る二つ以上の第二の液体を提供することが可能である。この配置は、複数の供給点を提供して原料を次々に加えるために用いることができる。
【0103】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネル中で、光学的または熱光学的特性を調節することができる。これらの光学的または熱光学的特徴を測定および/または調節する技法の例は、エマルジョン品質管理、平均値液滴サイズおよびスパンを含む分析のためのインラインLSD(レーザ散乱回折)検出、製品粘度および固体含量を評価する粘度計、液滴サイズ測定のために写真を用いる光学測定、干渉計法を含むエマルジョン性質を調節することによるホログラフィー画像化および類似の方法を含む。
【0104】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネル中で、液体吸着プロセス、液体−気体吸着プロセス、液体分離プロセス、固化プロセスまたはガス化プロセスを実行することができる。一つの実施態様では、荷電粒子を加える用途のために、プロセスマイクロチャネル中で、エマルジョンを製造することができる。
【0105】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネル中で、化学反応を実施することができる。実施することができる化学反応の例は、重合反応(例えば、メタクリル酸メチル乳化重合反応)、触媒重合反応(例えば、触媒として中性ニッケル(II)錯体を用いる水溶液中のエチレン重合)、共重合体および三元重合体の製造、液相酸化(例えば、アジピン酸の製造)または気相−液相反応の触媒および非触媒反応、ならびに触媒および非触媒液−液反応(例えば、ベンゼンのニトロ化またはオレフィンアルキル化)を含む。
【0106】
一つの実施態様では、プロセスマイクロチャネルで、生物学的プロセスを実施することができる。そのような生物学的プロセスの例は、乳化した洗浄剤を用いるバイオレメディエーション(清浄化)プロセスを含む。
【0107】
一つの実施態様では、本発明のプロセスに従って調製されるエマルジョンは、製造業者がエマルジョンを濃縮液の形で供給することを可能にし、従って末端ユーザが最終的な完全に製剤化した製品を得るために水またはオイルなどの追加の成分を加えることを可能にする利点を提供する。
【0108】
本発明のプロセスによってつくられるエマルジョンは、多数の用途を有する。これらは、低濃度の乳化剤または界面活性剤が望ましいパーソナルスキンケア製品(例えば防水日焼け止め、防水ハンドクリームまたはローション)を含む。
【0109】
本発明のプロセスによってつくられるエマルジョンは、ペイントまたはコーティングとして有用なことがある。これらは、強い耐候特性を有する耐水性ラテックスペイントを含む。エマルジョンは、接着剤、グルー、コーキン、防水シーラントおよび類似物として有用なことがある。これらの組成物に水相を取り込んだ結果、これらの製品における揮発性有機化合物(VOC)の問題を減らすことができる。
【0110】
本発明のプロセスは、さまざまな食品加工用途、特に連続加工操作で用いることができる。
【0111】
本発明のプロセスは、葉の上に化学製品を広げ、より小さな濃度の化学製品を用いて高められた防水性を提供するために、狭い液滴サイズ分布を有する分散相の使用が有利である農業用化学品の製造において用いることができる。一つの実施態様では、本発明のプロセスは、分散相のために可視光の波長より小さい液滴サイズを使用することが望ましい殺虫剤などの農業用化学品の製造に用いることができる。
【0112】
本発明のプロセスは、乳化した潤滑剤および燃料の製造のために用いることができる。これらは、ディーゼルエンジンのために用いられるものなどのオンボード燃料乳化処理システムを含むことができる。
【0113】
本発明のプロセスは、乳化重合プロセスで用いることができる。例えば、触媒を有する界面活性剤中にモノマーを可溶化することができる。
本発明のプロセスは、ビチューメンを含有する高速沈降エマルジョンをつくるために用いることができる。これらのエマルジョンは、道路、車道および類似物などのセメントまたはアスファルト表面のための表面装飾として用いることができる。これらのエマルジョンは、約60から約70重量%のビチューメンを含み、処理される表面の上に吹き付けることができる。これらの表面装飾の上にチッピングを広げ、ロールして適切な埋め込みおよび整列を確実にする。これは、防水表面シールおよび改善した表面組織も提供する。
【0114】
本発明のプロセスを用いてつくられるエマルジョンは、シリコーンエマルジョンであってもよい。これらのエマルジョンは、繊維およびその他の基質を処理してそれらの防水性を変化させるために用いることができる。
本発明のプロセスは、晶析プロセス、例えば連続晶析プロセス中で用いることができる。このプロセスは、指定されるサイズの粉を単離、精製および/または製造するために用いることができる。そのような結晶の例は、高度に精製した砂糖を含む。エマルジョン晶析では、融解物は、バルク融解物中より低い速度で均一な核形成が起こるように、エマルジョンの液滴中で結晶化することができる。このプロセスは無溶媒で実行することができ、従って低い資本および運転費の利点を提供することができる。
本発明のプロセスは、液晶をつくるために用いることができる。このプロセスで作製される液晶は、分散相が適所に「ロックされる」ので、乳化剤および/または界面活性剤の使用を減らす助けとなり得る。
【0115】
本発明のプロセスを用いて、接着剤、液状石鹸、洗濯用洗剤、織物または布のためのコーティングおよび類似物のためのワックスエマルジョンをつくることができる。
【0116】
本発明のプロセスは、狭い液滴サイズ分布を有する分散油相を提供することが有利である医薬品の製造において用いることができる。これらは、皮膚クリーム、ローションおよび点眼薬だけでなく経口または注射用組成物を含むことができる。本発明のプロセスを用いて実現される液滴サイズおよび分布は、薬剤の効力を増大させ、必要な治療のための低減したレベルの薬剤使用を提供することができる。これは、包装材料中に用いられる有機物を溶解させる傾向がある非水溶媒成分の使用を回避または限定する利点も提供する。これらの用途のための分散油相の液滴サイズは、脾臓または肝臓によって除かれることを回避するために、最大約0.5ミクロン、一つの実施態様では約0.01から約0.2ミクロンの範囲、一つの実施態様では約0.01から約0.1ミクロンであってよい。本発明のプロセスによって製造されるエマルジョンは、不溶性または貧溶性の薬剤(例えば、イブプロフェン、ジアゼパム、グリセオフルビン、シクロスポリン、コーチゾン、プロリュウキン、エトポシド、パクリタキセル、サイトトキシン、ビタミンE、アルファ−トコフェロールおよび類似物)のためのエマルジョンベヒクルとして機能することができる。米国特許出願公開第2003/27858号明細書に開示されている医薬品化合物または薬剤、オイルおよび界面活性剤の多くは、本発明のプロセスを用いて医薬品組成物をつくるに際して用いることができ、そのような化合物または薬剤、オイルおよび界面活性剤の開示について、この特許公開は参照により本明細書に組み込まれる。本発明のプロセスを用いる利点は、無菌環境を維持しながら狭い液滴サイズ分布を有する小さな液滴を実現することを試みるために従来の高せん断力混合装置を用いることに係わる問題の多くが回避されるという事実に関する。
【実施例1】
【0117】
図26に例を示すマイクロチャネル装置をステンレス鋼からつくり、これを用いてオイル−水エマルジョンを作製した。この装置は、連続相流のための基部、不連続オイル相を供給する上部、多孔基板、ヘッダ、フッタ、およびマイクロチャネル装置への液体の流れを提供するチューブ配管およびパイプ配管を含む。
【0118】
3/5×1.5×1.5インチの全体サイズを有する基部は、0.02×0.5×0.5インチの寸法を有する開放マイクロチャネルと、連続相液体のために溶接によってヘッダおよびフッタに接続される傾斜した入口および出口流路(長さ0.5インチ、幅0.5インチ、傾斜角27°)とを有する。開放マイクロチャネルの辺は、厚さ0.005インチのシーリング用ゴムガスケットを介して多孔基板を装着するための幅0.02インチのリップ(ステップ)を有する。多孔基板(0.5×0.5×0.04インチ)を装着すると、連続相の高速流を提供し、連続相中の分散相としてマイクロスケール液滴を発生させるマイクロチャネルが形成される。
【0119】
上部部品は、オイルパイプライン(図面には示していない)に接続される組み込みのオイルチャンバ(図26の右側の図を参照のこと)を備える。ヘッダおよびフッタ(傾斜面および接続空間を有する部品)は、ポンプおよび加熱能力に依存して全体の圧力降下を妥当な値に維持しながら、小さなギャップ(1mmより小さい)で通常の管からマイクロチャネルへ流れ断面を変化させるために設計される。
【0120】
図27に基部構造の概略の例を示す。多孔性基板は、コネチカット州ファーミントン(Farmington,CT)のモット・メタラージカル社(MOTT Metallurgical Corp.)が供給する熱処理済み多孔基板である。多孔基板は、ステンレス鋼316からつくられる。各細孔の平均直径は、0.5ミクロンである。多孔基板は、分散相液体チャンバを連続相液体チャネルから分離する。乳化動作時の圧力差(10から20psia(絶対平方インチあたりポンド))によって、分散相液体は多孔性基板を通って連続液体チャネル中に押し込まれ、その結果連続相中に液滴が形成される。
【0121】
図28に乳化システムの例を示す。このシステムは、オイルポンプ(ニューヨーク州サイオセット(Syosset,NY)のフルードミータリング社(FluidMetering,Inc.)のQG6型FMI「Q」ポンプ)、流量ダイヤルを有する水ポンプ(イリノイ州ヴァーノンヒルズ(Vernon Hills,IL)のコール・パーマー(Cole Palmer)のマイクロポンプGJ−N25型JF18A)、加熱オイル貯槽、連続相液体貯槽、およびポンプとマイクロチャネル乳化器とを接続する金属配管(1/4インチ管)を備える。実際の流量を記録し、後で較正するために、外部ローター流量計(コール・パーマー)が設置される。マイクロチャネル装置だけでなく金属配管、露出した構成部品の大部分の周りに加熱テープを設け、複数の重要位置からのTC信号によって加熱動力をフィードバック制御することによって、システム中のすべての構成部品および液体は環境より高い温度に維持される。加熱され、制御される構成部品は、マイクロチャネル乳化機、オイルポンプおよび貯槽、ならびに水貯槽を含む。貯槽類は、内部体積目盛りを有する。
【0122】
多孔性基板は、乳化に用いる前にクリーニングおよび熱処理される。以下のクリーニング手順が用いられる。
1.ヘキサン中5分間超音波照射する。多孔性基板がオイルに予備露出されている場合、その都度新しいヘキサンを用いて、ヘキサン超音波処理を繰り返す。
2.室温で一夜または乾燥庫中80℃で10〜20分間空気中で乾燥する。
3.多孔性基板を20%硝酸中20分間超音波照射する。
4.多孔性基板を新しい脱イオン水中5分間超音波照射する。
5.水のpHの読みが5を超えるまで、工程#4を少なくとも3回繰り返す。
6.多孔性基板をアセトンまたはイソプロパノール中で3分間超音波照射する。
7.室温で一夜または乾燥庫中80℃で10〜20分間空気乾燥する。
次に、以下の手順を用いて、多孔性基板を熱処理槽中で熱処理する。すなわち、
1.排気し、窒素で再び満たすことを3回行なう。
2.水素および水の存在下、毎分3.5℃の速度で650℃まで加熱する。
3.窒素を流しながら温度を650℃に30分間維持する。
4.空気中で100時間650℃に温度を維持する。
5.空気中で毎分3.5℃の速度で室温に冷却する。
細孔サイズおよび数に対する熱処理効果をキャラクタリゼーションする方法の一つは、水を用いて透過性試験を実施することである。同じ流量を用いて、熱処理多孔基板および未熱処理多孔基板を通してポンプで水を送液する。図29に示すように、異なる圧力降下曲線が得られる。熱処理基板は、未熱処理基板の圧力降下より高い圧力降下を有する。本実施例では、平均細孔サイズは、0.5から0.44ミクロンに減少し、一方、細孔間距離は0.5から0.6ミクロンに増加する。
【0123】
このマイクロチャネル装置を用いて、下記の調合物処方を有する加湿ローションを調製する。
重量部
第一の液体(連続水相)
水 82.90
カーボポール(Carbopol)934(ビー・エフ・グッドリッチ(BF Goodrich)/ハリス・アンド・フォード(Harris and Fordが供給する樹脂と特定される製品) 0.20
Na EDTA(ダウケミカル社(Dow Chemical Company)が供給する製品) 0.05
グリセリンUSP(フムコ(Humco)が供給する製品) 4.00
第二の液体(不連続オイル)
ステアリン酸 2.00
セチルアルコール 0.50
モノステアリン酸グリセリン 0.20
モノステアリン酸エチレングリコール 0.30
プロピルパラベン 0.10
メチルパラベン 0.20
ミネラルオイル 7.00
シリコーンフルードDC200(ダウコーニング(Dow Corning)が供給するシリコーンフルードと特定される製品) 1.00
トゥイーン20(ユニケマ・アメリカズ(アイ・シー・アイ)(Uniqema Americas(ICI))が供給する界面活性剤と特定される製品) 0.50
トリエタノールアミン 0.90
以下のプロセス工程が用いられる。すなわち、
1.第二の液体のすべての成分をビーカー中で混合して、75℃に加熱する。トリエタノールアミンは、最後に加える。次に、オイル相貯槽中で第二の液体を75℃に維持する。
2.カーボポール934を水の中に分散させ、75℃に加熱して第一の液体を調製する。次に、第一の液体のための残りの成分を加える。連続相液体ポンプに接続している貯槽中で第一の液体を75℃に維持する。
3.すべての構成部品のためのシステムの加熱動力を75±10℃に調節し、安定化させる。
4.連続相液体ポンプを起動し、2.5リットル/分の流量に設定する。
5.オイルポンプを起動し、2.5ミリリットル/分の流量に設定する。多孔基板中の圧力降下を10〜20psiaに維持する。
6.所望量の第二の液体が第一の液体と混合されるまで第一の液体を循環させる。
7.貯槽を冷水/氷浴中に置くことによって、または貯槽中に造られた冷却コイルのスイッチを入れることによって、製品エマルジョンを38℃より低い温度に冷却する。
【0124】
図30および31は、二つの異なるサイズ範囲の上記エマルジョンの倍率100倍の顕微鏡画像である。図30は、細孔サイズ0.5ミクロンの熱処理多孔基板を毎分2.0標準リットル(SLPM)の第一液体流量で用いる約0.5ミクロンから約2ミクロンの液滴サイズを示す。図31は、細孔径0.5ミクロンの熱処理多孔性基板を0.5SLPMの第一液体流量で用いる約1から約8ミクロンの液滴サイズを示す。
【0125】
特定の実施態様に関して本発明を説明してきたが、本明細書を読めば、実施態様のさまざまな変更形は当業者にとって自明であると理解される。従って、本明細書に開示される発明は、そのような変更形を添付の請求項の範囲内に含まれるとして包含することを意図するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明のプロセスで用いられるエマルジョン作製ユニットの例を示すフローシートであり、第一の液体はプロセスマイクロチャネルを通って流れ、隣接するチャネルからプロセスマイクロチャネル中の開口区域を通ってプロセスマイクロチャネルに流入する第二の液体と混合される。
【図2】本発明のプロセスで用いられるエマルジョン作製ユニットの実施態様の例を示すフローシートである。
【図3】本発明のプロセスで用いられるエマルジョン作製ユニットの実施態様の例を示すフローシートである。
【図4】本発明のプロセスで用いられるエマルジョン作製ユニットの実施態様の例を示すフローシートである。
【図5】本発明のプロセスで用いられるエマルジョン作製ユニットの実施態様の例を示すフローシートである。
【図6】本発明のプロセスで用いられるエマルジョン作製ユニットの実施態様の例を示すフローシートである。
【図7】平行プレート構成を有する長方形チャネルと環状チューブとの間の、そのようなチャネルおよびチューブを通る流体の流れに関する比較を示す概略図を提供する。
【図8】熱処理される前の多孔性ステンレス鋼基板のSEM画像である。
【図9】熱処理された後の図8に示した基板のSEM画像である。
【図10】本発明のプロセスで有用な最適化した多孔性基板のSEM画像である。
【図11】本発明のプロセスで用いられるプロセスマイクロチャネルの開口区域をつくる際に有用である開口シートの平面図である。
【図12】本発明のプロセスで用いられるプロセスマイクロチャネルの開口区域をつくる際に有用である開口シートまたはプレートの平面図である。
【図13】比較的厚い開口シートの上に載る、本発明のプロセスで用いられるプロセスマイクロチャネルの開口区域をつくる際に有用な比較的薄い開口シートまたはプレートの説明図である。
【図14】比較的厚い開口シートの上に載る、本発明のプロセスで用いられるプロセスマイクロチャネルの開口区域をつくる際に有用な比較的薄い開口シートまたはプレートの例を示す。
【図15】本発明のプロセスで用いられるプロセスマイクロチャネルの開口区域中で用いることができる開口の代替実施態様の例を示し、この開口は開口を部分的に埋め、開口の側壁上に載るコーティングを有する。
【図16】本発明のプロセスを実施する際に有用な混合装置の例を示す。
【図17】本発明のプロセスを実施する際に有用な混合装置の例を示す。
【図18】本発明のプロセスを実施する際に有用な混合装置の例を示す。
【図19】本発明のプロセスを実施する際に有用な混合装置の例を示す。
【図20】本発明のプロセスを実施する際に有用な混合装置の例を示す。
【図21】本発明のプロセスに従ってつくられるエマルジョンの粒子サイズ分布曲線を示す。曲線の一方は一本のプロセスマイクロチャネルを用いてつくられるエマルジョンの場合、他方の曲線は複数のプロセスマイクロチャネルを有するスケールアップシステムを用いてつくられるエマルジョンの場合である。
【図22】本発明のプロセスによってつくられるエマルジョンの顕微鏡画像である。
【図23】バッチ乳化プロセスによってつくられるエマルジョンの顕微鏡画像である。
【図24】本発明のプロセスの動作時の液滴の生成を示す概略説明図である。
【図25】複数の分散相貯槽を用いて複数の分散相を含むエマルジョンを作製する本発明のプロセスの代替実施態様の例を示すフローシートである。
【図26】実施例1で用いられるマイクロチャネル装置の概略説明図である。
【図27】実施例1で用いられるマイクロチャネル装置の別の概略説明図である。
【図28】実施例1で用いられる乳化システムの例を示すフローシートである。
【図29】実施例1で試験する多孔性基板に関する圧力降下対流量のプロットである。
【図30】実施例1でつくられるエマルジョンの顕微鏡画像である。
【図31】実施例1でつくられるエマルジョンの顕微鏡画像である。
【図32】二重エマルジョン、すなわち水中油中水(w/o/w)または油中水中油(o/w/o)エマルジョンの概略説明図である。
【図33】本発明のプロセスで用いられるエマルジョン作製ユニットの実施態様の例を示すフローシートであり、このエマルジョン作製ユニットは二重エマルジョンをつくるために有用である。
【図34】本発明のプロセスで用いられるエマルジョン作製ユニットの実施態様の例を示すフローシートであり、一台の装置の中で複数のエマルジョン調合物および/または加工条件を用いて別々の異なったエマルジョンを発生させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エマルジョンをつくるプロセスであって、
プロセスマイクロチャネルを通して第一の液体を流す工程、ここで該プロセスマイクロチャネルは、開口区域を備える壁を有する、および
前記開口区域を通して第二の液体を前記プロセスマイクロチャネルに流入させ、前記第一の液体と接触させて前記エマルジョンを作製する工程、ここで該第一の液体は、連続相を形成し、該第二の液体は、該連続相中に分散した不連続相を形成する、
とからなることを特徴とするプロセス。
【請求項2】
前記プロセスマイクロチャネルと熱交換器との間で熱が交換される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第二の液体は、液体チャネルから前記開口区域を通って流れる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記プロセスマイクロチャネルと熱交換器との間、前記液体チャネルと熱交換器との間、または前記プロセスマイクロチャネルおよび前記液体チャネルの両方と熱交換器との間で熱が交換される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第一の液体および前記第二の液体は、前記プロセスマイクロチャネル中の混合ゾーンで互いに接触する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
熱交換器と前記混合ゾーンの前記プロセスマイクロチャネルの少なくとも一部分との間で熱が交換される、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
熱交換器と、前記混合ゾーンの上流側の前記プロセスマイクロチャネルの少なくとも一部分との間で熱が交換される、請求項5に記載のプロセス。
【請求項8】
熱交換器と、前記混合ゾーンの下流側の前記プロセスマイクロチャネルの少なくとも一部分との間で熱が交換される、請求項5に記載のプロセス。
【請求項9】
前記エマルジョンは、前記混合ゾーンの下流側の前記プロセスマイクロチャネル中で急冷される、請求項5に記載のプロセス。
【請求項10】
前記プロセスマイクロチャネルは、前記混合ゾーン中に狭くなった断面を有する、請求項5に記載のプロセス。
【請求項11】
前記プロセスマイクロチャネルは、間隔の離れた複数壁と、前記間隔の離れた壁のそれぞれにある開口区域とを有し、前記第二の液体は開口区域のそれぞれを通って前記プロセスマイクロチャネルに流入する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記間隔の離れた壁のそれぞれにある前記開口区域は、複数の開口を含み、前記一方の壁の開口区域の開口は、前記他方の壁の開口区域の開口に直接対向して位置合わせをされている、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記間隔の離れた壁のそれぞれにある前記開口区域は、複数の開口を含み、前記一方の壁の開口区域の開口の少なくともいくつかは、前記他方の壁の開口区域の開口と直接位置合わせされた位置からずらされる、請求項11に記載のプロセス。
【請求項14】
前記プロセスマイクロチャネルは、第一のプロセスマイクロチャネル、第二のプロセスマイクロチャネル、および前記第一のプロセスマイクロチャネルと前記第二のプロセスマイクロチャネルとの間に配置される液体チャネルからなるエマルジョン作製ユニット中にあり、各プロセスマイクロチャネルは、開口区域を備える壁を有し、前記第一の液体は、前記第一のプロセスマイクロチャネルおよび前記第二のプロセスマイクロチャネルを通って流れ、前記第二の液体は、前記液体チャネルから前記第一のプロセスマイクロチャネル中の前記開口区域を通って前記第一の液体と接触して流れ、前記第二のプロセスマイクロチャネル中の開口区域を通って前記第一の液体と接触して流れる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
前記プロセスマイクロチャネルは円形であり、円形のディスクと開口区域との間に配置され、前記円形のディスクはその軸の周りに回転し、前記第一の液体は、前記開口区域の中心開口部を通って前記回転ディスクに向かって前記プロセスマイクロチャネルに流入し、前記第二の液体は、前記開口区域を通って前記プロセスマイクロチャネルに流入し、前記第一の液体と接触し混ざり合って前記エマルジョンを形成し、前記エマルジョンは、前記回転ディスク上を半径方向外向きに流れる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
前記第二の液体は、前記プロセスマイクロチャネルに隣接する液体チャネルから流れ、前記液体チャネルは、離間した平行な複数のシートまたはプレートから作製され、前記開口区域は、前記シートまたはプレートの一つにある、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記第二の液体は、液体チャネル中を流れ、前記液体チャネルは、別の開口区域を備える別の壁を有する請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記別の開口区域を通して第三の液体を流し、前記第二の液体と接触させて液体混合物を形成する工程、および
前記開口区域を通して前記液体混合物を前記プロセスマイクロチャネル中に流入させて前記第一の液体と接触させる工程
をさらに含むプロセス。
【請求項18】
前記液体混合物は、前記第一の液体中に不連続相として分散する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記液体混合物は、別のエマルジョンからなる、請求項17に記載のプロセス。
【請求項20】
前記第三の液体は、前記第二の液体中に分散する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項21】
前記第二の液体の少なくとも一部分は、前記第一の液体中に分散した液滴の形をとり、前記第三の液体の少なくとも一部分は、前記第二の液体の前記液滴に包まれた液滴の形をとる、請求項17に記載のプロセス。
【請求項22】
前記プロセスマイクロチャネルは、平行な間隔の空いたシート、プレートまたはそのようなシートおよびプレートの組み合わせから作製される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項23】
前記第二の液体は、液体チャネルから前記開口区域を通って前記プロセスマイクロチャネルに流入し、前記液体チャネルは、離間した平行な複数のシートまたはプレートから作製され、前記液体チャネルは、前記プロセスマイクロチャネルに隣接する、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
前記第一の液体および第二の液体は、熱交換チャネルと熱を交換し、前記熱交換チャネルは、離間した平行な複数のシートまたはプレートから作製され、前記熱交換チャネルは、前記プロセスマイクロチャネル、前記液体チャネル、または前記プロセスマイクロチャネルおよび前記液体チャネルの両方に隣接する、請求項22に記載のプロセス。
【請求項25】
前記プロセスは、マイクロチャネルミキサー中で実施され、前記マイクロチャネルミキサーは、複数の前記プロセスマイクロチャネルを含み、前記プロセスマイクロチャネルは、開口区域を備える壁および隣接する液体チャネルを有し、前記第二の液体は、前記液体チャネルから前記開口区域を通って前記プロセスマイクロチャネルに流入して前記第一の液体と接触し、前記プロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルは、離間した平行な複数のシートまたはプレートから作製され、前記プロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルは、互いに隣接し、横方向に積層した垂直配向面または上下方向に積層した水平配向面の形で配置される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項26】
前記マイクロチャネルミキサーは、離間した平行な複数のシートまたはプレートから作製される複数の熱交換チャネルをさらに含み、前記熱交換チャネルは、前記プロセスマイクロチャネル、前記液体チャネル、または前記プロセスマイクロチャネルおよび前記液体チャネルの両方に隣接する、請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
前記第二の液体は、液体チャネルから前記開口区域を通って前記プロセスマイクロチャネルに流入し、前記プロセスマイクロチャネルおよび前記液体チャネルは、同心状に配置される管状チューブからなる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項28】
前記プロセスマイクロチャネルは、環状空間にあり、前記液体チャネルは、前記中心空間または隣接する環状空間にある、請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
前記プロセスマイクロチャネルは、前記中心空間にあり、前記液体チャネルは、隣接する環状空間にある、請求項27に記載のプロセス。
【請求項30】
前記プロセスは、マイクロチャネルミキサー中で実施され、前記マイクロチャネルミキサーは、複数の前記プロセスマイクロチャネルを備え、前記プロセスマイクロチャネルのそれぞれの中で別々のエマルジョンが作製され、前記プロセスマイクロチャネルの少なくとも二つの中で作製されるエマルジョンは互いに異なる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項31】
前記プロセスマイクロチャネルの少なくとも二つの中で作製されるエマルジョンは、組成が異なる、請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
前記プロセスマイクロチャネルの少なくとも二つの中で作製されるエマルジョンは、一つ以上の異なる物理的性質を有する、請求項30に記載のプロセス。
【請求項33】
前記プロセスマイクロチャネルは二つ以上の開口区域を含み、前記開口区域のそれぞれを通って別々の第二の液体が流れる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項34】
前記開口区域のそれぞれを通って流れる前記別々の第二の液体は、異なる組成を有する、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
前記開口区域のそれぞれを通って流れる前記別々の第二の液体は、異なる性質を有する、請求項33に記載のプロセス。
【請求項36】
前記プロセスマイクロチャネルは、前記開口区域に隣接する混合ゾーンと、前記プロセスマイクロチャネルへの入口から前記混合ゾーンまで広がる非開口領域とを有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項37】
前記開口区域は、シートまたはプレートを含み、前記シートまたはプレートは複数の開口を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項38】
前記開口区域は、比較的厚いシートまたはプレートの上に載る比較的薄いシートを含み、前記比較的薄いシートは、複数の比較的小さな開口を含み、前記比較的厚いシートまたはプレートは、複数の比較的大きな開口を含み、前記比較的小さな開口は、前記比較的大きな開口から前記比較的小さな開口を通して液体を流すのに十分なように、前記比較的大きな開口と位置合わせされている、請求項1に記載のプロセス。
【請求項39】
前記シートまたはプレートの少なくとも一部の上に載り、前記開口の一部を埋めるコーティングを有する、請求項34に記載のプロセス。
【請求項40】
前記シートまたはプレートは、熱処理される、請求項34に記載のプロセス。
【請求項41】
前記開口区域は、ある壁の厚さと、前記プロセスマイクロチャネルを通って流れる前記第一の液体の流路の方向の長さを有し、前記流路の方向の長さに対する前記壁の厚さの比は、約0.001から約1の範囲にある、請求項1に記載のプロセス。
【請求項42】
前記開口区域は、多孔質材料からつくられる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項43】
前記多孔質材料は金属である、請求項42に記載のプロセス。
【請求項44】
前記多孔質材料は非金属である、請求項42に記載のプロセス。
【請求項45】
前記多孔質材料は酸化されている、請求項42に記載のプロセス。
【請求項46】
前記多孔質材料は、アルミナ、ニッケルまたはそれらの組み合わせでコーティングされる、請求項42に記載のプロセス。
【請求項47】
前記開口区域は、多孔質材料からつくられ、前記多孔質材料の表面は、前記表面の細孔を液体充填材で埋め、前記充填材を固化させ、前記表面を研削および/または研磨し、前記充填材を取り除くことによって処理される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項48】
前記不連続相は、最大約200ミクロンの範囲の体積基準平均直径を有する液滴の形をとる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項49】
前記不連続相は、最大約200ミクロンの範囲の体積基準平均直径と、約0.01から約10の範囲のスパンとを有する液滴からなる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項50】
前記第一の液体は水である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項51】
前記第一の液体は有機液体である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項52】
前記第一の液体はオイルである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項53】
前記第二の液体は水である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項54】
前記第二の液体は有機液体である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項55】
前記第二の液体はオイルである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項56】
前記第三の液体は水である、請求項17に記載のプロセス。
【請求項57】
前記第三の液体は有機液体である、請求項17に記載のプロセス。
【請求項58】
前記第三の液体はオイルである、請求項17に記載のプロセス。
【請求項59】
前記プロセスマイクロチャネルは、前記プロセスマイクロチャネルを通る液体の流れに垂直な最大約50mmの内部寸法を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項60】
前記プロセスマイクロチャネルは、前記プロセスマイクロチャネルを通る液体の流れに垂直な最大約10mmの内部寸法を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項61】
前記プロセスマイクロチャネルは、前記プロセスマイクロチャネルを通る液体の流れに垂直な最大約2mmの内部寸法を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項62】
前記プロセスマイクロチャネルは、鋼、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅、真鍮、任意の前記金属の合金、重合体、セラミック、ガラス、重合体とガラス繊維とを含むコンポジット、石英、ケイ素、またはそれらの二つ以上の組み合わせからなる材料でつくられる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項63】
前記第二の液体は、液体チャネルから前記開口区域を通って流れる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項64】
前記液体チャネルは、前記液体チャネルを通る液体の流れに垂直な最長約100cmの内部寸法を有する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項65】
前記液体チャネルは、前記液体チャネルを通る液体の流れに垂直な約0.05mmから約10mmの内部寸法を有する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項66】
前記液体チャネルは、前記液体チャネルを通る液体の流れに垂直な約0.05から約2mmの内部寸法を有する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項67】
前記液体チャネルは、鋼、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅、真鍮、任意の前記金属の合金、重合体、セラミック、ガラス、重合体とガラス繊維とを含むコンポジット、石英、ケイ素、またはそれらの二つ以上の組み合わせからなる材料でつくられる、請求項3に記載のプロセス。
【請求項68】
前記熱交換器は、少なくとも一つの熱交換チャネルからなる、請求項2に記載のプロセス。
【請求項69】
前記熱交換チャネルは、前記熱交換チャネルを通る熱交換流体の流れに垂直な最長約50mmの内部寸法を有する、請求項68に記載のプロセス。
【請求項70】
前記熱交換チャネルは、前記熱交換チャネルを通る熱交換流体の流れに垂直な最長約10mmの内部寸法を有する、請求項68に記載のプロセス。
【請求項71】
前記熱交換チャネルは、前記熱交換チャネルを通る熱交換流体の流れに垂直な最長約2mmの内部寸法を有する、請求項68に記載のプロセス。
【請求項72】
前記液体チャネルは、鋼、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅、真鍮、任意の前記金属の合金、重合体、セラミック、ガラス、重合体とガラス繊維とを含むコンポジット、石英、ケイ素、またはそれらの二つ以上の組み合わせからなる材料でつくられる、請求項68に記載のプロセス。
【請求項73】
前記プロセスマイクロチャネルは、前記熱交換チャネルを通って流れる熱交換流体と熱を交換する、請求項68に記載のプロセス。
【請求項74】
前記熱交換流体は、前記熱交換チャネルを通って流れるとき相変化を受ける、請求項73に記載のプロセス。
【請求項75】
前記熱交換チャネル中で、吸熱プロセスが実施される、請求項73に記載のプロセス。
【請求項76】
前記熱交換チャネル中で、発熱プロセスが実施される、請求項73に記載のプロセス。
【請求項77】
前記熱交換流体は、空気、水蒸気、液体水、一酸化炭素、二酸化炭素、気体窒素、液体窒素、気体炭化水素または液体炭化水素からなる、請求項73に記載のプロセス。
【請求項78】
前記熱交換流体は、前記第一の液体、前記第二の液体、または前記第一の液体と前記第二の液体との混合物からなる、請求項73に記載のプロセス。
【請求項79】
少なくとも一つの熱交換チャネルが前記プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルに隣接し、熱交換流体が前記熱交換チャネルを通って流れ、前記熱交換流体は前記第一の液体、第二の液体および/または第三の液体からなる、請求項17に記載のプロセス。
【請求項80】
前記熱交換器は、電熱素子、抵抗加熱器および/または非流体冷却素子からなる、請求項4に記載のプロセス。
【請求項81】
前記電熱素子、抵抗加熱器および/または非流体冷却素子は、前記プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルに隣接する、請求項80に記載のプロセス。
【請求項82】
前記電熱素子、抵抗加熱器および/または非流体冷却素子は、前記プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルの一つ以上の壁の中に作り付けられる、請求項80に記載のプロセス。
【請求項83】
前記プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルの一つ以上の壁は、前記電熱素子、抵抗加熱器および/または非流体冷却素子から形成されている、請求項80に記載のプロセス。
【請求項84】
前記熱交換器は、前記プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルに隣接する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項85】
前記熱交換器は、前記プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルから離れている、請求項4に記載のプロセス。
【請求項86】
前記第三の液体は、別の液体チャネルから前記別の開口区域を通って流れる、請求項17に記載のプロセス。
【請求項87】
前記別の液体チャネルは、前記液体チャネルを通る液体の流れに垂直な最長約100cmの内部寸法を有する、請求項86に記載のプロセス。
【請求項88】
前記別の液体チャネルは、前記液体チャネルを通る液体の流れに垂直な約0.05mmから約10mmの内部寸法を有する、請求項86に記載のプロセス。
【請求項89】
前記別の液体チャネルは、前記液体チャネルを通る液体の流れに垂直な約0.05から約2mmの内部寸法を有する、請求項86に記載のプロセス。
【請求項90】
前記別の液体チャネルは、鋼、モネル、インコネル、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅、真鍮、任意の前記金属の合金、重合体、セラミック、ガラス、重合体とガラス繊維とを含むコンポジット、石英、ケイ素、またはそれらの二つ以上の組み合わせからなる材料でつくられる、請求項86に記載のプロセス。
【請求項91】
前記エマルジョンは、最長約10分間の時間範囲内で室温に冷却される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項92】
前記エマルジョンはろ過される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項93】
前記エマルジョンは、油中水エマルジョンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項94】
前記エマルジョンは、水中油エマルジョンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項95】
前記エマルジョンは、水中油中水エマルジョンである、請求項17に記載のプロセス。
【請求項96】
前記エマルジョンは、油中水中油エマルジョンである、請求項17に記載のプロセス。
【請求項97】
前記エマルジョンは、少なくとも一つの有機液体である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項98】
前記エマルジョンは、少なくとも一つの液体炭化水素である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項99】
前記エマルジョンは、少なくとも一つの天然オイル、合成オイルまたはそれらの混合物からなる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項100】
前記エマルジョンは、植物源、鉱物源またはそれらの混合物から誘導される少なくとも一つの液体からなる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項101】
前記エマルジョンは、少なくとも一つの通常は液体の炭化水素燃料からなる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項102】
前記エマルジョンは、少なくとも一つの脂肪族アルコール、脂肪酸エステルまたはそれらの混合物からなる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項103】
前記エマルジョンは、約6個から約22個の炭素原子の直鎖脂肪酸と約6個から約22個の炭素原子の直鎖または分岐脂肪族アルコールとの少なくとも一つのエステル、約6個から約13個の炭素原子の分岐カルボン酸と約6個から約22個の炭素原子の直鎖または分岐脂肪族アルコールとのエステル、あるいはそれらの混合物からなる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項104】
前記エマルジョンは、約18個から約38個の炭素原子のアルキルヒドロキシカルボン酸と約6個から約22個の炭素原子の直鎖または分岐脂肪族アルコールとのエステル、約6個から約22個の炭素原子の直鎖または分岐脂肪酸と多価アルコールおよび/またはゲルベ(Guerbet)アルコールとのエステル、約6個から約18個の炭素原子の一つ以上の脂肪酸からつくられるトリグリセリド、約6個から約18個の炭素原子の一つ以上の脂肪酸からつくられるモノ、ジおよび/またはトリグリセリドの混合物、約6個から約22個の炭素原子の一つ以上の脂肪族アルコールおよび/またはゲルベアルコールと一つ以上の芳香族カルボン酸とのエステル、2個から約12個の炭素原子の一つ以上のジカルボン酸と1個から約22個の炭素原子を含む一つ以上の直鎖または分岐アルコール、2個から約10個の炭素原子および2個から約6個のヒドロキシル基を含む一つ以上のポリオール、または一つ以上のそのようなアルコールおよび一つ以上のそのようなポリオールの混合物とのエステル、2個から約12個の炭素原子の一つ以上のジカルボン酸と1個から約22個の炭素原子の一つ以上のアルコールとのエステル、安息香酸と約6個から約22個の炭素原子の直鎖および/または分岐アルコールとのエステル、あるいはそれらの二つ以上の混合物からなる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項105】
前記エマルジョンは、約6個から約22個の炭素原子の一つ以上の分岐第一アルコール、約6個から約22個の炭素原子の一つ以上の直鎖および/または分岐脂肪族アルコール炭酸エステル、約6個から約22個の炭素原子の一つ以上の脂肪族アルコールからつくられる一つ以上のゲルベ(Guerbet)炭酸エステル、各アルキル基が1個から約12個の炭素原子を含む一つ以上のジアルキルナフタレート、アルキル基あたり約6個から約22個の炭素原子を含む一つ以上の直鎖または分岐、対称または非対称ジアルキルエーテル、約6個から約22個の炭素原子のエポキシド化脂肪酸エステルと2個から10個の炭素原子および2個から6個のヒドロキシル基を含むポリオールとの一つ以上の開環生成物、あるいはそれらの二つ以上の混合物からなる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項106】
前記エマルジョンは、少なくとも一つの乳化剤および/または界面活性剤からなる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項107】
前記乳化剤および/または界面活性剤は、アルキルアリールスルホン酸エステル、アミンオキシド、カルボキシ化アルコールエトキシレート、エトキシ化アルコール、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化アミン、エトキシ化アミド、エトキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪酸エステル、エトキシ化脂肪オイル、脂肪酸エステル、グリセロールエステル、グリコールエステル、ソルビタンエステル、イミダゾリン誘導体、レシチン、レシチン誘導体、リグニン、リグニン誘導体、モノグリセリド、モノグリセリド誘導体、オレフィンスルホン酸エステル、リン酸エステル、リン酸エステル誘導体、プロポキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪酸、プロポキシ化アルコールまたはアルキルフェノール、エトキシ化アルコールまたはアルキルフェノール、ソルビタン誘導体、ショ糖エステル、ドデシルまたはトリデシルベンゼンのスルホン酸エステル、ナフタレンスルホン酸エステル、石油スルホン酸エステル、トリデシルまたはドデシルベンゼンスルホン酸、スルホコハク酸エステル、スルホコハク酸エステル誘導体、あるいはそれらの二つ以上の混合物からなる、請求項106に記載のプロセス。
【請求項108】
前記乳化剤および/または界面活性剤は、少なくとも一つのポリアルキレングリコール、グリセロールおよび/またはソルビタンと一つ以上の脂肪酸との少なくとも一つの部分エステル、あるいはそれらの混合物からなる、請求項106に記載のプロセス。
【請求項109】
前記エマルジョンは、紫外線保護因子、ワックス、ちょう度因子、増粘剤、過脂肪剤、安定剤、カチオン性、アニオン性、双性イオン、両性または、非イオン性重合体、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、生体薬剤、酸化防止剤、脱臭剤、発汗抑制剤、フケ防止剤、膨潤剤、駆虫剤、自己なめし剤、チロシン阻害剤、可溶化剤、防腐剤、香油または色素、あるいはそれらの二つ以上の混合物の一つ以上からなる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項110】
前記エマルジョン中に固体が分散する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項111】
前記エマルジョン中に顔料が分散する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項112】
前記エマルジョン中に触媒が分散する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項113】
前記プロセスマイクロチャネル中で、前記エマルジョンの光学的または熱光学的特性が調節される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項114】
前記プロセスマイクロチャネル中で、化学反応が実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項115】
前記プロセスマイクロチャネル中で、生物プロセスが実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項116】
前記プロセスマイクロチャネル中で、液体吸着プロセスが実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項117】
前記プロセスマイクロチャネル中で、液−気吸着プロセスが実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項118】
前記プロセスマイクロチャネル中で、液体分離プロセスが実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項119】
前記プロセスマイクロチャネルの中で、固化プロセスが実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項120】
前記プロセスマイクロチャネル中で、ガス化プロセスが実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項121】
前記エマルジョンは、帯電粒子を追跡するために用いられる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項122】
前記プロセスは、分あたり少なくとも1リットルのエマルジョンを製造する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項123】
前記プロセスは、秒あたり少なくとも1リットルのエマルジョンを製造する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項124】
前記プロセスは、マイクロチャネルミキサー中で実施され、前記マイクロチャネルミキサーは、少なくとも二つの前記プロセスマイクロチャネルを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項125】
前記プロセスは、マイクロチャネルミキサー中で実施され、前記マイクロチャネルミキサーは、少なくとも約1000の前記プロセスマイクロチャネルを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項126】
前記プロセスは、マイクロチャネルミキサー中で実施され、前記マイクロチャネルミキサーは、少なくとも約10の前記プロセスマイクロチャネルを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項127】
前記プロセスは、マイクロチャネルミキサー中で実施され、前記マイクロチャネルミキサーは、少なくとも約100の前記プロセスマイクロチャネルを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項128】
前記プロセスは、マイクロチャネルミキサー中で実施され、前記マイクロチャネルミキサーは、少なくとも一つの第一の液体マニホールドに接続される複数の前記プロセスマイクロチャネルを含み、前記第一の液体は、前記少なくとも一つの第一の液体マニホールドを通って前記プロセスマイクロチャネルへ流れる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項129】
前記プロセスマイクロチャネルに液体チャネルが隣接し、前記マイクロチャネルミキサーは、前記液体チャネルに接続される少なくとも一つの第二の液体マニホールドをさらに含み、前記第二の液体は、前記少なくとも一つの第二の液体マニホールドを通って前記液体チャネルへ流れる、請求項128に記載のプロセス。
【請求項130】
前記プロセスマイクロチャネルおよび/または液体チャネルに熱交換チャネルが隣接し、前記マイクロチャネルミキサーは、前記熱交換チャネルに接続される少なくとも一つの熱交換マニホールドをさらに含み、前記少なくとも一つの熱交換マニホールドを通って熱交換流体が前記熱交換チャネルへ流れる、請求項129に記載のプロセス。
【請求項131】
マイクロチャネルミキサー中でエマルジョンをつくるプロセスであって、該マイクロチャネルミキサーは、横に並べられるかまたは上下に積み重ねられる複数のエマルジョン作製ユニットを備え、各エマルジョン作製ユニットは、プロセスマイクロチャネルおよび隣接する液体チャネルからなり、前記プロセスマイクロチャネルおよび隣接液体チャネルは、共通の壁を有し、該共通の壁には開口区域があり、該開口区域は、前記液体チャネルから該開口区域を通して前記プロセスマイクロチャネルに液体を流入させるため適しており、各プロセスマイクロチャネルおよび液体チャネルは、平行な間隔の空いたシート、プレートまたはそのようなシートおよびプレートの組み合わせから作製され、前記プロセスは、
前記プロセスマイクロチャネル中に第一の液体を流す工程、
前記液体チャネルから前記開口区域を通して前記プロセスマイクロチャネルに第二の液体を流入させる工程、および
前記プロセスマイクロチャネル中で前記第一の液体と前記第二の液体とを混合して前記エマルジョンを作製する工程、
とからなることを特徴とするプロセス。
【請求項132】
各エマルジョン作製ユニットは、前記プロセスマイクロチャネル、前記液体チャネル、または前記プロセスマイクロチャネルおよび前記液体チャネルの両方に隣接する熱交換チャネルをさらに含む、請求項131に記載のプロセス。
【請求項133】
前記第一の液体は、ヘッダを通って前記プロセスマイクロチャネルに流入する、請求項131に記載のプロセス。
【請求項134】
前記第二の液体は、ヘッダを通って前記液体チャネルに流入する、請求項131に記載のプロセス。
【請求項135】
前記エマルジョンは、フッタを通って前記プロセスマイクロチャネルから流出する、請求項131に記載のプロセス。
【請求項136】
前記マイクロチャネルミキサーは、熱交換マニホールドをさらに含み、前記熱交換マニホールドから前記熱交換チャネルを通って前記熱交換マニホールドに熱交換流体が流れる、請求項132に記載のプロセス。
【請求項137】
請求項1に記載のプロセスによってつくられるエマルジョン。
【請求項138】
請求項1に記載のプロセスによってつくられるスキンケア製品。
【請求項139】
請求項1に記載のプロセスによってつくられるペイントまたはコーティング組成物。
【請求項140】
請求項1に記載のプロセスによってつくられる接着剤組成物。
【請求項141】
請求項1に記載のプロセスによってつくられるグルー組成物。
【請求項142】
請求項1に記載のプロセスによってつくられるコーキング組成物。
【請求項143】
請求項1に記載のプロセスによってつくられるシーラント組成物。
【請求項144】
請求項1に記載のプロセスによってつくられる食品組成物。
【請求項145】
請求項1に記載のプロセスによってつくられる農業用組成物。
【請求項146】
請求項1に記載のプロセスによってつくられる医薬品組成物。
【請求項147】
請求項1に記載のプロセスによってつくられる燃料組成物。
【請求項148】
請求項1に記載のプロセスによってつくられる潤滑剤組成物。
【請求項149】
請求項1に記載のプロセスによってつくられる表面装飾組成物。
【請求項150】
請求項1に記載のプロセスによってつくられるシリコーンエマルジョン。
【請求項151】
請求項1に記載のプロセスによってつくられる結晶を含む組成物。
【請求項152】
請求項1に記載のプロセスによってつくられる液晶組成物。
【請求項153】
請求項1に記載のプロセスによってつくられるワックスエマルジョン。
【請求項154】
請求項17に記載のプロセスによってつくられる二重エマルジョン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2007−516067(P2007−516067A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532956(P2006−532956)
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/014736
【国際公開番号】WO2004/103539
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505056694)ヴェロシス,インク. (20)
【Fターム(参考)】