説明

レーザ光源

【課題】波長変換素子で波長変換されない基本波の出力を抑制し、かつ、小型化できること。
【解決手段】基本波を出射するレーザ素子101と、基本波が入射され、入射された基本波の少なくとも一部を、基本波より短波長の変換波に波長変換する波長変換素子102と、基本波をシングルモードで導波する径を有し、波長変換素子102の出射波を導波する光ファイバ111と、変換波をシングルモードで導波する径を有し、光ファイバ111の出射波に含まれる基本波の成分を減衰させて導波する可視光用光ファイバ112と、光ファイバ111に形成され、波長変換素子102から出射された基本波をフィードバックしてレーザ素子101から出射する基本波の波長または周波数をロックするFBG111aと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換素子を有する波長変換型のレーザ光源に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光源は、近赤外波長(NIR)の基本波を出射するが、可視波長への波長変換を行い第2高調波(変換波)を出力する技術としては、例えば下記特許文献1に開示されているものがある。この特許文献1に記載の構成は、LDの出射光を、ファイバブラグ格子(FBG)が形成された偏光保持ファイバに入射させ発振させるファイバピグテール型のレーザ光源である。波長ロックのための経路途中に波長変換素子を配置することにより、基本波を変換波に波長変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−270686号公報(第2頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、偏光保持ファイバが発振器の一部として機能するため、この偏光保持ファイバからは、波長変換素子で波長変換されない基本波が出力されてしまうという問題があった。出射光から基本波を取り除くためには、別途フィルタを設ける必要があり、さらに、LDと偏光保持ファイバとの間にレンズを設ける必要があるため、小型化できないものであった。
【0005】
本発明は、上述の従来技術による問題点を解消するため、効率良く波長変換が行え、基本波の成分を除去した変換波を出力でき、小型化できるレーザ光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるレーザ光源は、基本波を出射するレーザ素子と、前記基本波が入射され、入射された前記基本波の少なくとも一部を、該基本波より短波長の変換波に波長変換する波長変換素子と、前記波長変換素子の出射波を導波する第1の導波路と、前記第1の導波路の出射波に含まれる前記基本波の成分を減衰させて導波する第2の導波路と、前記第1の導波路に形成され、前記波長変換素子から出射された前記基本波をフィードバックして前記レーザ素子から出射する前記基本波の波長または周波数をロックする回折格子と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記の構成により、波長変換素子から出射された基本波は第1の導波路に形成された回折格子によりフィードバックされ、基本波の波長または周波数がロックされる。第2の導波路は、基本波の成分を減衰させるため、第2の導波路からは変換波を効率良く出射できるようになる。
【0008】
また、前記第1の導波路は、前記基本波をシングルモードで導波する径を有し、前記第2の導波路は、前記変換波をシングルモードで導波する径を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記波長変換素子と前記第1の導波路とを光学的に結合する結合部材として、グレーデッドインデックス型光ファイバを備えることを特徴とする。ここで、グレーデッドインデックス(Graded Index)型はグラディエントインデックス(Gradient Index)型と称する場合もあるが、以下ではグレーデッドインデックス型とする。
【0010】
上記の構成により、波長変換素子と第1の導波路とを効率良く小型に結合できるようになる。
【0011】
また、前記グレーデッドインデックス型光ファイバは、前記波長変換素子側に位置する開口数NA1の第1のGIレンズと、該第1のGIレンズに接続し、該第1のGIレンズより小さな開口数NA2の第2のGIレンズと、を有することを特徴とする。ここで、GIとはグレーテッドインデックス(graded index)またはグラディエントインデックス(gradient index)の略であり、GIレンズは径方向に屈折率分布を持ったマルチモードファイバから成る。
【0012】
上記の構成により、2つのGIレンズを用いることにより、波長変換素子の出射光を効率良く結合させることができるとともに、小型化できるようになる。
【0013】
また、前記グレーデッドインデックス型光ファイバの入射端面が当該光ファイバの光軸に対して斜めに形成されたことを特徴とする。
【0014】
また、前記グレーデッドインデックス型光ファイバの入射端面が先球状に形成されたことを特徴とする。
【0015】
上記の構成により、入射端面での光の反射を防止でき、結合効率を向上できるようになる。
【0016】
また、前記第1の導波路と、前記第2の導波路は、偏波保持ファイバであることを特徴とする。
【0017】
上記の構成により、偏波状態を保持できるようになる。
【0018】
また、前記第1の導波路と、前記第2の導波路との間には、異なるモード径のモード変換を行うモード変換部を設けたことを特徴とする。
【0019】
上記の構成により、モード変換部は、第1の導波路と、第2の導波路とで異なるモード径のモード変換を行い、結合効率を向上できるようになる。
【0020】
また、前記モード変換部は、一つまたは複数の開口数の異なるGIレンズであることを特徴とする。
【0021】
上記の構成により、第1の導波路と、第2の導波路とで異なるモード径のモード変換を、小型で効率良く結合させることができるようになる。
【0022】
また、前記モード変換部は、前記第1の導波路と、前記第2の導波路の融着接合部のコアに対し、TEC(Thermally Expanded Core)化処理によりテーパー部を形成させ、コア径を一致させることを特徴とする。
【0023】
上記の構成により、第1の導波路と、第2の導波路とで異なるモード径のモード変換を、空間光学系部品を用いず小型に効率良く結合させることができるようになる。
【0024】
また、前記レーザ素子を保持する基台と、前記基台上に設けられ、前記波長変換素子を保持する保持部材と、前記基台および前記保持部材のキャップと、前記キャップの開口部に取り付けられ、前記波長変換素子の光が入射される前記第1の導波路、前記第2の導波路、および前記結合部材を固定するフェルールと、を有することを特徴とする。
【0025】
上記の構成により、基台の面の方向と、光軸の方向とを独立して光軸調整でき、レーザ素子と波長変換素子との間、および波長変換素子と、第1の導波路との間における光軸調整を容易に行うことができる。
【0026】
また、収容溝が形成されたケースと、前記収容溝に収容され、前記レーザ素子および前記波長変換素子が搭載される半導体基板と、前記ケースの開口部に取り付けられ、前記波長変換素子の光が入射される前記第1の導波路、前記第2の導波路、および前記結合部材を固定するフェルールと、を有することを特徴とする。
【0027】
上記の構成により、半導体基板上にレーザ素子および波長変換素子を精度良く搭載でき、また、波長変換素子と第1の導波路との間の光軸調整を容易に行うことができる。
【0028】
また、前記レーザ素子および前記波長変換素子が搭載される半導体基板と、前記半導体基板に接合され、前記波長変換素子の光が入射される前記第1の導波路および前記第2の導波路を固定する光ファイバ固定部と、を有することを特徴とする。
【0029】
上記の構成により、部品点数を削減できるとともに、より小型化でき、半導体基板上にレーザ素子および波長変換素子を精度良く搭載でき、組み立ても容易化できるようになる。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、波長変換素子で波長変換されない基本波の出力を抑制し、かつ、小型化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態にかかるレーザ光源を示す構成図である。
【図2】GIレンズの有無による結合特性測定の評価系を示す図である。
【図3】図2の評価系による変換光に対する光軸方向(Z)の位置−出力パワー特性の測定結果を示す図表である。
【図4】レーザ光源のモジュール構造例を示す分解斜視図である。
【図5】レーザ光源のモジュール構造を示す側断面図である。
【図6】レーザ光源のモジュール構造のほかの例を示す一部断面図である。
【図7】GIレンズを用いたモード変換の構成例を示す構成図である。
【図8】GIレンズを用いたモード変換のほかの構成例を示す図である。
【図9】TEC化処理によるモード変換の構成例を示す図である。
【図10】TEC化処理によるモード変換のほかの構成例を示す図である。
【図11】図1の構成の導波路にモード変換部を設けた構成を示す図である。
【図12】図1の構成の導波路にモード変換部を設けた構成を示す図である。
【図13】図1の構成の導波路にモード変換部を設けた構成を示す図である。
【図14】レーザ光源のモジュール構造のほかの例を示す一部断面図である。
【図15−1】図14の部分側断面図である。
【図15−2】図15−1のA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるレーザ光源の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0033】
(実施の形態)
図1は、この発明の実施の形態にかかるレーザ光源を示す構成図である。このレーザ光源100は、波長変換素子102を有し、第2次高調波を出力するSHG(Second Harmonic Generation)レーザ光源である。このレーザ光源100は、LD101と、波長変換素子102と、導波路である光ファイバ103と、結合部材であるGIレンズ104とから構成されている。
【0034】
LD101は、近赤外波長(1064nm)の基本波のレーザ光を出射する。波長変換素子102には、PPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)が用いられ、LD101から出射された基本波が入射される。基本波は、波長変換素子102内部を伝搬し、SH(第2高調波)光(変換波)に変換される。
【0035】
導波路である光ファイバ103は、第1の導波路である光ファイバ111と、第2の導波路である可視光用光ファイバ112により構成されている。光ファイバ111は、基本波をシングルモード(SM)で導波する径を有し、この光ファイバ111には、回折格子(ファイバーブラッググレーティング:FBG)111aが形成されている。FBG111aは、基本波に対する反射率を50〜100%にすることが望ましい。
【0036】
一方、可視光用光ファイバ112は、変換波をシングルモード(SM)で導波する径を有する。これにより、基本波は、可視光用光ファイバ112のコアモードと結合できないため、可視光用光ファイバ112はハイパスフィルタとして作用し、光ファイバ111の出射波に含まれる基本波の成分を減衰させる。すなわち、可視光用光ファイバ112は、変換波のみ伝搬させる波長選択の機能を有する。
【0037】
第1の導波路である光ファイバ111には、例えば、Corning HI1060が用いられ、第2の導波路である可視光用光ファイバ112には、Nufern 460HPを用いる。これら光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112は偏波保持ファイバで構成してもよい。
【0038】
FBG111aが形成されている基本波用の光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112とはコア径が異なる。このため、互いの光ファイバ111,112のコアの融着部分はテーパー処理され、変換波の反射を最小としている。
【0039】
ところで、LD101からの基本波の一部は、そのまま波長変換素子102を透過する。そして、結合部材104を介して光ファイバ111に形成されているFBG111aと結合し、その一部が周波数(波長)選択されて反射する。このフィードバックにより、LD101の周波数(波長)ロックを行う。この実施の形態では、FBG111aの反射バンドと、波長変換素子102の変換波長とをマッチングさせ、高効率の波長変換を行う。
【0040】
また、光ファイバ103の入射側には、結合部材としてのGIレンズ104が設けられている。このGIレンズ104は、波長変換素子102からの小モードフィールド径を波長変換素子102より大きなモードフィールド径に変換するために用いる。このGIレンズ104は、グレーデッドインデックス型(またはグラディエントインデックス型)(GI型)の光ファイバからなる2つのGIレンズ114,115により構成されている。このGIレンズ104としては、汎用のレンズ、例えば、東洋ガラス株式会社製「シリカグリン」を使用することができる。波長変換素子102側に位置する第1のGIレンズ114は大きい開口数NA1であり、第2のGIレンズ115は、第1のGIレンズ114より小さな開口数NA2とされている。GIレンズ104は、大きなNAと小さなNAを持つ2つの短いマルチモードファイバからなり複合レンズとして作用する。
【0041】
GIレンズ104は、変換波が光ファイバ111のコアと高効率に結合するように設計するが、基本波である近赤外領域においてもFBG111aが形成されたIR用光ファイバ111のコアへのレンズとして作用し、FBG111aの反射波長域において比較的高い結合を実現することができる。これにより、波長変換素子102で波長変換された変換波は、変換波用に最適化されたGIレンズ114,115により、波長変換素子102の出射モードフィールドをFBG111aが形成された光ファイバ111の端面に高効率に結合できる。そして、光ファイバ111,112と、GIレンズ114,115は、それぞれ融着接続により一体化される。なお、図1では、光ファイバ111の全体にFBG111aが形成されているように図示しているが、必要に応じてFBG111aを形成しない領域が設けられてもよい。
【0042】
上記のGIレンズ104(GIレンズ114,115)を個別の空間光学系レンズで構成した場合には、基本波のIR領域と変換波の可視光領域とで生じる大きな波長分散を補償するため、従来技術の如く複雑で大きな光学系が必要となるが、この実施の形態で説明したGIレンズ114,115を用いることにより、高効率で小型の周波数(波長)ロック機能を有するSHGレーザ光源を容易に実現できるようになる。
【0043】
また、GIレンズ114,115と、FBG111aが形成された光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112とは、それぞれ、同一径(例えば125μmφ)で融着固定される。融着固定されたGIレンズ114,115、光ファイバ111および光ファイバ112は、後述するように、例えば同一のV溝内またはフェルール内に固定され、最少の部品点数で機械的な変形を起こし難いように一体に構成することができる。
【0044】
また、結合部材に対する光の入射端面、すなわち、GIレンズ104の先端には、基本波および変換波に対する反射を防止する反射防止膜(ARコート等)が施されている。さらに、このGIレンズ104の先端(入射端面)は、光軸方向に対して斜めに形成するほかに先球状に形成しても良く、これらにより、入射端面における表面反射を低減させFBG111aで反射される所定の波長以外のLD101への不要な反射光を抑えることができる。また、上記の構成では、基本波の波長を1064nmとし、波長変換素子102による波長変換後の波長を532nmとしたが、これ以外の波長で波長変換を行う構成でも利用可能である。
【0045】
図2は、GIレンズの有無による結合特性測定の評価系を示す図である。上述したGIレンズ104を使った場合と使わない場合での波長変換素子の出力と、光ファイバとの結合効率を評価した。図中Lは、波長変換素子102と、光ファイバ112との間の光軸方向Zの距離である。評価サンプルは、光ファイバにNufern 460HPを用い、532nm用のGIレンズ(上記東洋ガラス製シリカグリン)104を用いた。Nufern 460HPは、上記可視光用光ファイバ112に相当するものであり、シングルモードファイバ(SMF)で約3.5μmのコア径を有する。
【0046】
評価系には、光ファイバ112の出射側に近赤外カットフィルタ201(シグマ光機製、HAF−50S−15H)を配置し、パワーメータ202で光パワーを検出する。LD101は、1064nmの波長の基本波を出射し、波長変換素子(PPLN)102は、532nmの変換光を光ファイバ112に出射する。
【0047】
図3は、図2の評価系による変換光に対する光軸方向(Z)の位置−出力パワー特性の測定結果を示す図表である。GIレンズ104ありの特性301と、GIレンズ104なしの特性302を示した。測定の結果、GIレンズなしの特性302では、各部材の製造誤差を考慮して直接結合ができないため空隙を設けたため結合効率は最大43%であり、このときの距離Lは10μmであった。また、距離Lの値に対して出力が半減するまでの距離は約14μmであった。これに対して、GIレンズありの特性301では、結合効率は最大66%(半値全幅:FWHMが27μm)であり、このときの距離Lは54μmであった。
【0048】
この測定結果から、GIレンズ104なしの場合、実際のレーザ構造をYAG溶接法などで作製する際に空隙を設ける必要があることを考慮すると結合効率が低く、さらに、波長変換素子102と光ファイバ112との間の距離Lをできるだけ短くしなければならず、製造誤差や光軸調整等で波長変換素子102と光ファイバ112とが衝突する可能性がある。これに対し、光ファイバ112にGIレンズ104を設けた場合には、結合効率が高く距離Lを比較的長くできるため、波長変換素子102と光ファイバ112との間のトレランスを取ることができ、製造誤差を許容できるとともに、光軸調整時にも互いの衝突を防止できる。
【0049】
(レーザ光源のモジュール構造例1)
次に、上記のレーザ光源のモジュールの実施例を説明する。図4は、レーザ光源のモジュール構造例を示す分解斜視図である。図5は、レーザ光源のモジュール構造を示す側断面図である。図4および図5に示すように、レーザ光源モジュール400は、例えばSUSからなるTOキャンパッケージ形状であり、基台401にキャップ402が装着されてなる。キャップ402は円筒形に形成されており、上面の開口部402aには例えばSUSからなるフランジ420を介してフェルール430が取り付けられる。このフェルール430は、例えば、上述したGIレンズ104および光ファイバ103先端が内部に固定される穴の開いたキャピラリー状のジルコニアと、このジルコニアをカバーするSUS部材からなる。ジルコニアをカバーするSUS部材と、同じくSUSからなるフランジ420とが、例えばYAG(レーザ)溶接により固定される。
【0050】
このように、GIレンズ104と、IR用光ファイバ111のFBG111aの形成領域および可視光用光ファイバ112の先端部がフェルール430内に固定されることにより、GIレンズ104、IR用光ファイバ111および可視光用光ファイバ112の機械的な変形を抑え、IR用光ファイバ111のコアを伝搬した変換波長の最低次の導波モードが効率良く可視光用光ファイバ112のコアの最低次モードに、少ない損失でモード結合することが可能となる。
【0051】
ホルダ403内部の基台401上には、ホルダ403内部にサブマウント上に実装したLD101および波長変換素子102が設けられる。この基台401にはレーザ光源駆動用の複数本のリード端子404が突出形成されている。
【0052】
基台401は、例えばSPCまたはコバールからなり、表面がAuメッキされている。基台401上には、ブロック501が高さ方向に突出形成され、このブロック501の側面に上述したLD101が固定され、高さ方向に光を出射する。ブロック501は、基台401と一体で形成されるか、溶着等の手段により一体的に基台401に固着されている。LD101は、リード端子404とワイヤボンディングされて電気的に接続されている。
【0053】
基台401上には、下から順に円環状の支持台502と、フランジ503と、素子ホルダ504が載置される。素子ホルダ504は、上記の波長変換素子102を保持する。支持台502の上面には、円筒形のフランジ503の下面が摺接可能に形成され位置決め調整後レーザ溶接等で固定される。
【0054】
支持台502の下面は、基台401にレーザ溶接、ロー付けまたは接着されて、基台401と一体に固着される。支持台502の高さ位置は、LD101の発光点(出射位置)より少し低い位置に設定されている。
【0055】
フランジ503内部には、素子ホルダ504が上下方向に位置調節可能に形成され位置決め調整後レーザ溶接等で固定される。素子ホルダ504は、円柱形に形成され、中心位置に上下に溝504a(図4参照)が形成されている。素子ホルダ504の溝504aには、上述した波長変換素子102がエポキシ系接着剤等により固着保持される。この波長変換素子102は、入射端面がLD101の直上に位置する。
【0056】
素子ホルダ504に固定された波長変換素子102の入射端面と、基台401側のLD101の出射端面とは、互いに平行状態が保持され、かつ、LD101と、波長変換素子102とは直接結合(Butt結合)されている。これらLD101と、波長変換素子102は、支持台502上でフランジ503を平面(X−Y軸)方向に移動調整でき、また、フランジ503内部で素子ホルダ504を高さ(Z軸)方向に移動調整でき、これら平面方向と、高さ方向を独立して調整でき、光軸調整を容易に行える。
【0057】
レーザ光源モジュール400のキャップ402上部には、円筒形状のフランジ420が取り付けられ、このフランジ420は、内部にフェルール430が高さ方向に位置調整可能に形成され位置決め調整後、レーザ溶接等で固定される。フェルール430内部には、下から順に、図1に示した結合部材104を構成するGIレンズ104(114,115)と、光ファイバ103(111,112)とが配置、固定されている。
【0058】
フェルール430内部に設けられたGIレンズ104は、フランジ420により入射端面が波長変換素子102の出射端面に向いて位置しており、互いに平行状態が保持されている。これらGIレンズ104と、波長変換素子102は、キャップ402上でフランジ420を平面(X−Y軸)方向に移動調整でき、また、フランジ420内部でフェルール430を高さ(Z軸)方向に移動調整でき、これら平面方向と、高さ方向を独立して調整でき、光軸調整を容易に行える。そして、GIレンズ104と、波長変換素子102とは、図3に示したように、距離Lを有して部材の熱膨張係数の差などによる変形によって接触しないように所定の距離をおいてGIレンズ結合でき、結合効率を向上できる。
【0059】
(レーザ光源のモジュール構造例2)
図6は、レーザ光源のモジュール構造のほかの例を示す一部断面図である。この構造例のレーザ光源モジュール600は、金属製のケース601内部に、収容溝601aが形成され、この収容溝601aに平板状の半導体基板(Si基板)602が設けられる。このSi基板602上には、上述したLD101と、波長変換素子102が搭載されてなる。これらLD101と、波長変換素子102は、例えば常温活性化接合等の方法でSi基板602上に精度良く搭載することができる。
【0060】
ケース601の一端には、レーザ光源駆動用のフレキシブルプリント基板(FPC)610が導出されている。ケース601の他端には、円筒状のフランジ615が設けられ、フランジ615内部にフェルール620が取り付けられる。このフェルール620内部には、図1に示した結合部材104を構成するGIレンズ104(114,115)と、光ファイバ103(111,112)とが配置、固定されている。
【0061】
フェルール620内部に設けられたGIレンズ104は、フランジ615により入射端面が波長変換素子102の出射端面に向いて位置しており、互いに平行状態が保持されている。これらGIレンズ104と、波長変換素子102は、フランジ615を平面(X−Y軸)方向に移動調整でき、また、フランジ615内部でフェルール620を高さ(Z軸)方向に移動調整でき、これら平面方向と、高さ方向を独立して調整でき、光軸調整を容易に行える。そして、GIレンズ104と、波長変換素子102とは、図3に示したように、距離Lを有して部材の熱膨張係数の差などによる変形によって接触しないように所定の距離をおいてGIレンズ結合でき、結合効率を向上できる。
【0062】
以上説明したレーザ光源によれば、光ファイバ103をFBG111aが形成された光ファイバ111と、LD101が出射する基本波の成分を減衰させる可視光用光ファイバ112とを組み合わせて構成したので、光ファイバ103だけの簡単な構成で変換波を出射させることができる。さらに、光ファイバ103と、波長変換素子102との間には、グレーデッドインデックス(GI)型光ファイバからなるGIレンズ104を設けた構成であり、波長変換素子102が出射する変換波に対し高効率で結合できるようになる。このGIレンズ104は、光ファイバで構成されているから小型に構成できる。
【0063】
(モード変換部の構成例)
次に、上述した光ファイバ(第1の導波路)111と、可視光用光ファイバ(第2の導波路)112との間の光の結合効率を向上させる構成について説明する。これら光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112とは、それぞれ異なるモード径(MFD:Mode Field Diameter)を有している。したがって、これら光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112との間にモード変換部を設けることにより、異なるモード径のファイバ間のモード変換が行え、結合効率を向上できるようになる。モード変換部としては、GIレンズ、あるいは光ファイバのTEC(Thermally Expanded Core)化処理を施して構成できる。
【0064】
(GIレンズを用いたモード変換の構成例)
図7は、GIレンズを用いたモード変換の構成例を示す図である。光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112との間にモード変換部として2つのGIレンズ700(701,702)を設ける。光ファイバ111は、例えばコア111cのコア径が6μmであり、可視光用光ファイバ112は、例えばコア112cのコア径が3.5μmである。GIレンズ701は、小さな開口数(NA)であり、GIレンズ702は、大きな開口数(NA)のものを用いる。これらGIレンズ701,702は、小さなNAと大きなNAを持つ2つの短いマルチモードファイバからなり複合レンズとして作用する。
【0065】
光ファイバ111から入射した第2次高調波は、GIレンズ701を通過することにより平行光になる。そして、GIレンズ702を介したときの焦点距離位置でのビーム径が可視光用光ファイバ112となるようにする。このように、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112との間にモード変換部として2つのGIレンズ701,702を設けることにより、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112との間の結合効率を向上できるようになる。
【0066】
図8は、GIレンズを用いたモード変換のほかの構成例を示す図である。図示の例では、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112との間にモード変換部として一つのGIレンズ800を設ける。単一のGIレンズ800を用いる場合には、GIレンズ800の焦点距離位置でのビーム径は、光ファイバ111のビーム径のままであり変化しないが、径方向の屈折率分布がステップ状に変化するシングルモードファイバに比して穏やかに変化する。このため、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112とを直接結合するよりも、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112との間にGIレンズ800を設けた方が接合面での反射率を低減でき、結合効率を向上できるようになる。以上説明したGIレンズを設けた構成によれば、小型化したまま結合効率を向上できる。
【0067】
(TEC化処理によるモード変換の構成例)
図9は、TEC化処理によるモード変換の構成例を示す図である。図9(a)に示すように、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112とを直接、融着接合した場合には、コア111c,112cの間に段差による光の反射が生じ、結合効率が低下する。このため、図9(b)に示すように、可視光用光ファイバ112の接合面のコア112cをTEC化処理する。これにより、コア112cの接合面には、開口径が大きくなるテーパー部112dがコア拡散され形成される。この後、図9(c)に示すように、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112とを融着接合する。これにより、可視光用光ファイバ112のコア112cのコア径が光ファイバ111のコア111cのコア径に一致するよう近づけることができ、MFDミスマッチを断熱的に低減して結合効率を向上できるようになる。
【0068】
また、図10は、TEC化処理によるモード変換のほかの構成例を示す図である。この構成例では、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112とを融着接合した後、この融着部1001をTEC化処理する構成としてもよい。このTEC化処理により、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112とのを融着接合面にそれぞれテーパー部111d,112dが形成され、互いのコア111c,112cのコア径が拡散されて段差なく接合でき、MFDミスマッチを断熱的に低減して結合効率を向上できるようになる。このようなTEC化処理によりモード変換を行う構成によれば、レンズ等が不要であり、GIレンズを用いる構成に比してさらに(光軸方向の)小型化が達成できるとともに、レンズ等の構成を不要にできる。
【0069】
(モード変換部を設けた導波路の構成)
図11〜図13は、それぞれ図1の構成の導波路にモード変換部を設けた構成を示す図である。図11は、図1相当の構成であり、導波路である光ファイバ103は、第1の導波路である光ファイバ111と、第2の導波路である可視光用光ファイバ112により構成されており、これら光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112とは互いに融着接合され他だけである。この場合、光ファイバ103と、波長変換素子102(図1参照)との間には、グレーデッドインデックス(GI)型光ファイバからなるGIレンズ104が設けられており、波長変換素子102が出射する変換波に対し高効率で結合できるが、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112との間では、MFDミスマッチが生じるため、全体の結合効率の向上が抑えられていた。
【0070】
しかし、図12に示すように、光ファイバ111の融着接合部をTEC化処理することにより、モード変換部としてテーパー部112dを形成した場合には、図9(c)で説明した如く、可視光用光ファイバ112のコア112cのコア径を光ファイバ111のコア111cのコア径に近づけることができ、MFDミスマッチを低減して結合効率を向上できるようになる。加えて、光ファイバ103と、波長変換素子102(図1参照)との間には、グレーデッドインデックス(GI)型光ファイバからなるGIレンズ104が設けられており、波長変換素子102が出射する変換波に対し高効率で結合できるため、全体の結合効率を向上できるようになる。
【0071】
なお、不図示であるが、図10に示したように、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112との融着接合部をTEC化処理してもよい。これにより、光ファイバ111のコア111c、および可視光用光ファイバ112のコア112cのコア径を互いに近づけることができ、MFDミスマッチを低減して結合効率を向上でき、さらに、GIレンズ104によって、波長変換素子102が出射する変換波に対し高効率で結合でき、全体の結合効率を向上できるようになる。
【0072】
また、図13に示すように、モード変換部として図7,あるいは図8に示したGIレンズ700,800を設けた場合であっても、同様に、このGIレンズ700(701,702),800により、光ファイバ111と、可視光用光ファイバ112との間の結合効率を向上でき、さらに、GIレンズ104によって、波長変換素子102が出射する変換波に対し高効率で結合でき、全体の結合効率を向上できるようになる。
【0073】
なお、図11〜図13では、波長変換素子102が出射する変換波に対し高効率で結合させるために、光ファイバ111にGIレンズ104を設ける構成としたが、用途によっては、このGIレンズ104を設けない構成とすることもできる。GIレンズ104を設けない構成であっても、光ファイバ111と可視光用光ファイバ112との融着接合部に設けたモード変換部によって、導波路である光ファイバ103におけるMFDミスマッチを低減して結合効率を向上できるようになる。
【0074】
以上説明したモード変換部を有する構成によれば、光ファイバ103をFBG111aが形成された光ファイバ111と、LD101が出射する基本波の成分を減衰させる可視光用光ファイバ112とを組み合わせて構成したので、光ファイバ103だけの簡単な構成で変換波を出射させることができる。さらに、光ファイバ103と、波長変換素子102との間には、グレーデッドインデックス(GI)型光ファイバからなるGIレンズ104を設けた構成であり、波長変換素子102が出射する変換波に対し高効率で結合できるようになる。このGIレンズ104は、光ファイバで構成されているから小型に構成できる。さらに、光ファイバ111と可視光用光ファイバ112との融着接合部に設けたモード変換部によって、導波路である光ファイバ103におけるMFDミスマッチを低減してモジュール全体の結合効率を向上できるようになる。
【0075】
(レーザ光源のモジュール構造例3)
図14は、レーザ光源のモジュール構造のほかの例を示す一部断面図である。この構造例のレーザ光源モジュール1400は、長方形状(平板状)の半導体基板(Si基板)1401上に、上述したLD101と、波長変換素子102である、PPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)と、光ファイバ103の端部を固定保持する光ファイバ固定部1402と、がそれぞれ設けられ、フェィスダウン実装される。
【0076】
図15−1は、図14の部分側断面図、図15−2は、図15−1のA−A線断面図である。光ファイバ固定部1402は、Si基板からなりブロック状に形成される。この光ファイバ固定部1402の下面(Si基板1401に向く面)1402Bには、光ファイバ103の被覆部103aの径に対応した収容溝1402aと、光ファイバ103の素線部103bの径に対応した収容溝1402bが溝形成されている。この素線部103bの部分には、上述した第1の導波路(光ファイバ111)と、第2の導波路(可視光用光ファイバ112)と、モード変換部が設けられる。なお、上述した第1の導波路と第2の導波路と、モード変換部は被覆部103aに含まれるように形成しても良い。
【0077】
光ファイバ103の端部は、被覆部103a部分が収容溝1402a部分に収容した状態で樹脂接着剤等により接合固定される。また、光ファイバ103の先端部は、被覆部103aから所定長さを有して素線部103bが表出される。この素線部103bは、収容溝1402bに収容した状態で樹脂接着剤等により接合固定される。これにより光ファイバ固定部1402には、光ファイバ103の先端部が固定される。この際、光ファイバ103の先端部の光軸(中心位置)は、図15−2に示すように、光ファイバ固定部1402の下面1402Bの位置に一致する。
【0078】
光ファイバ固定部1402は、Si基板1401の端部に接合固定される。Si基板1401の上面(光ファイバ固定部1402に向く面)1401Aには、光ファイバ103に接触せずにこの光ファイバ103を収容する逃がし溝1401aが溝形成されている。逃がし溝1401aは、光軸調整のためにSi基板1401上で光ファイバ固定部1402が縦横自在(図14のX,Y,Z軸方向)に移動できるよう、光ファイバ103の被覆部103aの径よりも大きい径を有して溝形成されている。
【0079】
上記構成によるレーザ光源モジュール1400の組み立てについて説明する。まず、Si基板1401上にLD101を載置固定し、この後、LD101の出射光の基本波および変換光をCMOSカメラや光検出器でモニタしながら光軸調整して波長変換素子102を搭載する。そして、Si基板1401上において、波長変換素子102の出射位置に光ファイバ固定部1402を基本波および変換光をモニタしながら載置する。この状態で、図15−2に示したSi基板1401の上面1401Aに、光ファイバ固定部1402の下面1402Bが摺動自在に面または多点接合面により接合する。この状態で、光ファイバ103は、光ファイバ固定部1402の収容溝1402a,1402bにそれぞれ被覆部103a,素線部103bが固定されており、光ファイバ103の先端の高さ位置は、波長変換素子102の出射光の高さ位置に一致する(図15−1に示す状態)。
【0080】
したがって、この後、光ファイバ固定部1402を図14のX,Y軸方向に移動させることにより、波長変換素子102の出射光の光軸と、光ファイバ103の光軸とを光軸合わせできるようになる。この後、光ファイバ固定部1402をSi基板1401上に樹脂、あるいは半田等で接合固定させることにより、モジュールの組み立てが完成する。
【0081】
なお、LD101と、波長変換素子102は、例えば常温活性化接合等の方法を用いてSi基板1401上に精度良く搭載することができる。
【0082】
以上説明したレーザ光源モジュールによれば、平板状のSi基板上に光部品を精度良く搭載でき、最小限の部品点数だけで小型で安価なレーザ光源を得ることができる。また、組み立て時における光部品間の光軸調整を容易に行うことができる。
【0083】
本願発明は、外部共振器型で波長ロックする構成、およびパルスレーザを用いて基本波の一部を戻し周波数ロックする構成のいずれにおいても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上のように、本発明にかかるレーザ光源は、基本波を変換して変換波を出力する波長変換素子を備えたレーザ光源に有用であり、特に、高効率で小型なレーザ光源、および、このレーザ光源を備えた光通信システムやレーザプロジェクタなどのディスプレイシステムにおける光源に適している。
【符号の説明】
【0085】
100 レーザ光源
101 LD
102 波長変換素子
103 光ファイバ
104 結合部材(GIレンズ)
111 第1の導波路(光ファイバ)
111a FBG
111c,112c コア
111d,112d テーパー部
112 第2の導波路(可視光用光ファイバ)
114 第1のGIレンズ
115 第2のGIレンズ
400,1400 レーザ光源モジュール
401 基台
402 キャップ
402a 開口部
403 ホルダ
404 リード端子
420 フランジ
430 フェルール
501 ブロック
502 支持台
503 フランジ
504 素子ホルダ
504a 溝
600 レーザ光源モジュール
601 ケース
601a 収容溝
602,1401 Si基板
615 フランジ
620 フェルール
700(701,702),800 GIレンズ
1401a 逃がし溝
1402 光ファイバ固定部
1402a,1402b 収容溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本波を出射するレーザ素子と、
前記基本波が入射され、入射された前記基本波の少なくとも一部を、該基本波より短波長の変換波に波長変換する波長変換素子と、
前記波長変換素子の出射波を導波する第1の導波路と、
前記第1の導波路の出射波に含まれる前記基本波の成分を減衰させて導波する第2の導波路と、
前記第1の導波路に形成され、前記波長変換素子から出射された前記基本波をフィードバックして前記レーザ素子から出射する前記基本波の波長または周波数をロックする回折格子と、を備えた
ことを特徴とするレーザ光源。
【請求項2】
前記第1の導波路は、前記基本波をシングルモードで導波する径を有し、
前記第2の導波路は、前記変換波をシングルモードで導波する径を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ光源。
【請求項3】
前記波長変換素子と前記第1の導波路とを光学的に結合する結合部材として、グレーデッドインデックス型光ファイバを備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ光源。
【請求項4】
前記グレーデッドインデックス型光ファイバは、前記波長変換素子側に位置する開口数NA1の第1のGIレンズと、該第1のGIレンズに接続し、該第1のGIレンズより小さな開口数NA2の第2のGIレンズと、を有する
ことを特徴とする請求項3に記載のレーザ光源。
【請求項5】
前記グレーデッドインデックス型光ファイバの入射端面が当該光ファイバの光軸に対して斜めに形成された
ことを特徴とする請求項3または4に記載のレーザ光源。
【請求項6】
前記グレーデッドインデックス型光ファイバの入射端面が先球状に形成された
ことを特徴とする請求項3または4に記載のレーザ光源。
【請求項7】
前記第1の導波路と、前記第2の導波路は、偏波保持ファイバである
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のレーザ光源。
【請求項8】
前記第1の導波路と、前記第2の導波路との間には、異なるモード径のモード変換を行うモード変換部を設けた
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のレーザ光源。
【請求項9】
前記モード変換部は、一つまたは複数の開口数の異なるGIレンズである
ことを特徴とする請求項8に記載のレーザ光源。
【請求項10】
前記モード変換部は、前記第1の導波路と、前記第2の導波路の融着接合部のコアに対し、TEC(Thermally Expanded Core)化処理によりテーパー部を形成させ、コア径を一致させる
ことを特徴とする請求項8に記載のレーザ光源。
【請求項11】
前記レーザ素子を保持する基台と、
前記基台上に設けられ、前記波長変換素子を保持する保持部材と、
前記基台および前記保持部材のキャップと、
前記キャップの開口部に取り付けられ、前記波長変換素子の光が入射される前記第1の導波路、前記第2の導波路、および前記結合部材を固定するフェルールと、を有する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のレーザ光源。
【請求項12】
収容溝が形成されたケースと、
前記収容溝に収容され、前記レーザ素子および前記波長変換素子が搭載される半導体基板と、
前記ケースの開口部に取り付けられ、前記波長変換素子の光が入射される前記第1の導波路、前記第2の導波路、および前記結合部材を固定するフェルールと、を有する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のレーザ光源。
【請求項13】
前記レーザ素子および前記波長変換素子が搭載される半導体基板と、
前記半導体基板に接合され、前記波長変換素子の光が入射される前記第1の導波路および前記第2の導波路を固定する光ファイバ固定部と、を有する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のレーザ光源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【公開番号】特開2011−175245(P2011−175245A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4411(P2011−4411)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】