説明

半導体装置の製造方法

【課題】ウエハの中心位置を高い検出精度で検出する。
【解決手段】円形板状のウエハ(半導体ウエハ)20を準備する工程と、ウエハ20の位置決めをする前に予めウエハ20の中心位置Cを検出する工程とを有する半導体装置の製造方法である。ここで、ウエハ20の中心位置Cを検出する工程では、まず、ウエハ20のエッジ(外縁)20eを含むウエハ20の一部の画像データ20gを画像処理装置が取得する。次に、画像処理装置を用いて、ウエハ20のエッジ20eを構成する複数の座標点20hを中心として、ウエハ20の半径rと等しい半径を有する複数の円弧軌道(円弧の軌道)20kをそれぞれ求める。次に、画像処理装置を用いて、複数の円弧軌道20kの交点を求めることにより、ウエハ20の中心位置Cを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造技術に関し、特に半導体ウエハの位置決めをする前に予め前記半導体ウエハの中心位置を検出する工程に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程には、半導体ウエハ(以下単にウエハと記す)の状態で様々な処理やテストを施す工程がある。これらの各工程は、各処理装置で行われるが、各処理装置での位置合わせ工程の時間を短縮するため、各処理装置の作業ステージにウエハを正確に載置することが好ましい。このため、予めウエハの中心位置およびノッチあるいはオリフラ(Orientation Flat)などの方向識別部の位置を高精度で検出しておく必要がある。
【0003】
この中心位置の検出手段としては、一般に以下の手段が用いられる。まず、回転台の上に載置したウエハを回転させながらウエハの下側に線上に配置した光学センサ(ラインセンサ)から発する電気信号の変動を見て、ウエハの中心位置の位置ずれを検出する。次に、回転を維持した状態で回転台を平面方向に移動させることにより、位置ずれを徐々に補正し、位置ずれの補正が完了した時点でウエハの中心位置を検出する。
【0004】
また、例えば、特開平10−223732号公報(特許文献1)には、ウエハを挟み込むように配置した光源とラインセンサあるいはイメージセンサによって、ウエハのエッジ位置を2点検出し、この2点を結ぶ弦の長さと、ウエハの半径の関係から基準位置に対するウエハの位置ずれを検出する方法が記載されている。
【特許文献1】特開平10−223732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウエハに処理やテストを施す各工程でのウエハの位置ずれに伴う種々の問題を防止するためには、高精度な位置合わせを行う必要があるが、ウエハ中心位置あるいは方向識別部の位置を検出する精度を向上させることによりこの位置合わせ工程の時間を大幅に短縮することができる。
【0006】
特に近年、1枚のウエハから取得する半導体チップ(以下単にチップと記す)の数を増加させるためウエハの平面寸法の大型化が図られており、例えば直径が300mmのウエハも一般に用いられている。一方、チップの平面寸法はチップを搭載する電気製品に対する小型化、軽量化、薄型化の要求に応えるため、小型化、薄型化が進められている。
【0007】
したがって、小さいチップ形成領域を多数備えた大きな平面寸法を有するウエハに対しても高い検出精度で中心位置や方向識別部の位置を検出することができる技術が必要となっている。
【0008】
しかしながら、本発明者がウエハの中心位置の検出手段について検討した所、上記した技術には以下の課題があることを見出した。まず、光学センサを用いる場合、電気信号の変動に基づいてウエハの中心位置あるいは方向識別部の位置を検出するため、検出精度が低い。
【0009】
また、ウエハを回転させながらウエハの中心位置の位置ずれを検出する方法の場合、中心位置を検出するために必要なデータを取得するため少なくとも数十回転〜数百回転させる必要があるので処理速度が低い。この処理速度を向上させるために回転速度を上げると、塵埃などの異物が舞い上がり、ウエハに付着する。例えば、異物がウエハに形成された回路素子面に付着した場合には、各種テスト工程で不具合の原因となる。
【0010】
また、上記特許文献1に記載される方法の場合、X方向とY方向でそれぞれ2点のエッジを結ぶ弦の長さを測定する必要があるので、センサの配置レイアウトが複雑になる。また、1回の検出動作で、1本の弦の長さデータしか得られないため検出精度が低くなる。あるいは、検出精度を向上させるために、多数回の検出動作を行うと検出工程の時間が長くなる。
【0011】
また、上記した技術に代わるウエハの中心位置の検出手段として、ウエハ全体が見渡せる位置にカメラを配置して、該カメラにより撮像した画像データからウエハの中心位置および方向識別部を検出する方法も考えられる。
【0012】
しかし、ウエハ全体が見渡せる位置にカメラを配置する場合、ウエハの中心位置を検出する装置が大きくなる。また、ウエハとカメラの位置が遠くなるため中心位置の検出精度が低下する。また、ウエハ全体に相当する解析データを処理することになるため、それぞれの位置を検出するために長い処理時間を要する。また、ウエハ全体を一度に撮像する場合、ウエハに照射する光もウエハ全体に照射する必要がある。このため、ウエハの一部を撮像する場合と比較して大きな光源が必要となり、また、光源の消費電力も大きくなる。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウエハの中心位置を高い検出精度で検出することができる技術を提供することにある。
【0014】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0016】
すなわち、本発明の一つの実施の形態における半導体装置の製造方法は、円形板状の半導体ウエハを準備する工程と、前記半導体ウエハの位置決めをする前に予め前記半導体ウエハの中心位置を検出する工程とを有している。ここで、前記半導体ウエハの中心位置を検出する工程には、前記半導体ウエハの外縁を含む前記半導体ウエハの一部の画像データを画像処理装置が取得する工程と、前記画像処理装置を用いて、前記半導体ウエハの外縁を構成する複数の点を中心として、前記半導体ウエハの半径と等しい半径を有する複数の円弧の軌道をそれぞれ求める工程と、前記画像処理装置を用いて、前記複数の円弧の軌道の交点を求めることにより、前記半導体ウエハの中心位置を算出する工程とが含まれるものである。
【発明の効果】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0018】
すなわち、ウエハの中心位置を高い検出精度で検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は可能な限り省略するようにしている。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態)
<半導体装置の構造>
半導体装置には、チップがリードフレームや配線基板に実装され、これを樹脂やセラミックなどの封止体で封止したパッケージや、ウエハの状態で、保護膜の形成や配線加工などを行った後個片化するウエハレベルCSP(Wafer Level Chip size Package)と呼ばれるものなど種々の構造がある。また、1個の半導体装置に実装されるチップの数も1個には限定されず、複数のチップが1個の半導体装置内に実装された構造もある。以下で説明する技術はこれらの半導体装置に広く適用することができるが、本実施の形態では半導体装置の一例として、配線基板の実装面に外部接続端子となる半田ボールが配列されたBGA(Ball Grid Array)タイプのCSP(Chip size Package)を例に取り上げて説明する。
【0021】
図1は本実施の形態の半導体装置であるCSPの要部断面図である。本実施の形態の半導体装置は図1に示すようにCSP(半導体装置)7は、図1に示すように、チップ(半導体チップ)1の平面積がパッケージ基板(配線基板)3の平面積よりも僅かに大きい程度の寸法となっている。このような小型の半導体装置はCSPと呼ばれる。
【0022】
また、CSP7は、パッケージ基板3の裏面3bに複数の外部接続端子である半田ボール8がエリア配置されるエリアアレイ型の半導体装置である。エリアアレイ型の半導体装置としては、図1に示すBGAの他、例えば図1に示す半田ボール8を形成せずに、パッケージ基板3のランド部3dを外部接続端子とするLGA(Land Grid Array)などもある。
【0023】
また、CSP7は配線基板であるパッケージ基板3と、パッケージ基板3の主面3aに搭載されるチップ1と、チップ1の電極であるパッド1cとパッケージ基板3のボンディング用端子3eとを電気的に接続する導電性のワイヤ4と、パッケージ基板3の裏面3bに形成された複数のランド部3dと、封止体6とを有している。また、ランド部3d上には複数の外部接続端子である半田ボール8がそれぞれ形成されている。
【0024】
チップ1は、例えば、シリコンなどによって形成され、その主面1aには半導体素子を含む集積回路が形成されている。また、チップ1の主面1aの平面形状は方形であり、図1に示すチップ1は例えば正方形となっている。また、主面1aの周縁部には集積回路と電気的に接続される複数のパッド1cが形成されている。このパッド1cと、パッケージ基板3の主面3aの周縁部に配置されたボンディング用端子3eとが導電性のワイヤ4によってそれぞれ電気的に接続されている。このワイヤ4は、例えば、金線等である。
【0025】
チップ1は、図1に示すように、その裏面1bが、ペースト剤やダイアタッチフィルム等の接着剤2を介してパッケージ基板3に固着され、主面1aを上方に向けた状態でパッケージ基板3に搭載されている。
【0026】
パッケージ基板3は、主面3aと、主面3aの反対側に位置する裏面3bと、コア材3cとを有している。主面3aの周縁部には複数のボンディング用端子(ワイヤ接合部)3eが形成されている。主面3aは、絶縁膜であるソルダレジスト膜3fによって被覆されているが、このボンディング用端子3eの配置に対応して開口窓が形成され、ボンディング用端子3eの少なくとも一部が主面3a側に露出している。ワイヤ4はこのボンディング用端子3eが露出する領域に接合されている。
【0027】
一方、パッケージ基板3の裏面3bには複数のランド部3dが形成され、例えば格子状に配置されている。このランド部3dと、ボンディング用端子3eとはパッケージ基板3(コア材3c)に形成された配線(図示は省略)やスルーホール(図示は省略)などの導体パターンを介して電気的に接続されている。パッケージ基板3の裏面3bは、絶縁膜であるソルダレジスト膜3fによって被覆されているが、このランド部3dの配置に対応して開口窓が形成され、ランド部3dの少なくとも一部が裏面3b側に露出する構造となっている。パッケージ基板3の裏面3bには、このランド部3dの露出部に対応して半田ボール8が設けられている。この半田ボール8は、例えば、Pb−Sn等の半田からなり、パッケージ基板3の裏面3bにエリア配置されている。
【0028】
封止体6は、例えば、エポキシ樹脂等からなるとともに、パッケージ基板3の主面3a側に形成されており、チップ1及び複数の導電性のワイヤ4を樹脂封止するものである。
【0029】
<半導体装置の製造方法の概要>
次に図1に示すCSP7の製造方法の概要について説明する。図2は図1に示すCSPの製造工程の概要を示す説明図であって、ウエハプロセスおよびパッケージングプロセスの一例を示すプロセスフロー図である。また、図3は、図1に示すCSPの製造に用いるウエハの一例を示す斜視図である。
【0030】
図1に示すCSP7の製造工程を大きく分類すると、図2に示すウエハプロセスWPとパッケージングプロセスPPとに分類される。
【0031】
<ウエハプロセス>
ウエハプロセスWPには、以下の工程が含まれる。
【0032】
まず、ステップS1として示すウエハ準備工程では、例えば図3に示すウエハ20を準備する。ウエハ20は、平面略円形の板状部材であって、例えばシリコンなど半導体材料により構成されている。また、ウエハ20の外縁にはウエハ20の方向を認識するための識別マークであるノッチ(方向識別部)20cが少なくとも1箇所以上(図3では1箇所)に形成されている。またウエハ20の主面20aは複数のチップ領域20dに区画されている。ウエハ20の略円形の平面における直径は種々の寸法があるが、例えば200mm〜300mm程度のものが用いられる。また、ウエハ20の平面寸法を大きくすることにより、1枚のウエハから取得できるチップ1の数を増加させて製造効率を向上させることができるので、300mm以上の寸法のウエハ20を用いても良い。
【0033】
ステップS2として示す半導体素子形成・電極形成工程では、ウエハ20の複数のチップ領域20dのそれぞれに例えばトランジスタなどの半導体素子およびチップ1(図1参照)の外部電極となるパッド1c(図1参照)をそれぞれ複数形成する。また、各半導体素子同士、あるいは各半導体素子と各パッド1cとをそれぞれ電気的に接続する回路を構成する回路パターンも本工程で形成する。これにより、主面20aには、半導体素子を含む集積回路が形成される。この半導体素子や回路パターンおよびパッド1cを形成する方法には半導体チップの製造技術分野で知られている種々の方法を用いることができる。簡単に説明すると、図2に示す半導体素子形成・電極形成工程は、図4に示すように、酸化・拡散工程、CVD(化学的気相成長;Chemical Vapor Deposition)・スパッタ工程、フォトリソグラフィ工程、イオン打ち込み工程、エッチング工程などが含まれ、これらの工程を組み合わせて形成することができる。図4は図2に示す半導体素子形成・電極形成工程の詳細を示すプロセスフロー図である。
【0034】
酸化・拡散工程は、例えば熱処理装置内でウエハ20を高温で処理する工程である。酸化工程では酸素中でウエハ20を酸化処理してウエハ20の露出した表面に酸化シリコンなどの絶縁膜を形成する。また、拡散工程では、ウエハ20を高温熱処理することにより、半導体材料中の不純物を熱拡散させて導電層やPN接合を形成する。
【0035】
CVD・スパッタ工程はウエハ20に導電膜や絶縁膜を形成する工程である。CVD工程では、気相中の熱分解や酸化などの化学反応を用いて、ウエハ20の表面に導電膜や絶縁膜を形成する。また、スパッタ工程では、高融点金属や合金材料を物理的にウエハ20の表面に被着させて導電膜などの薄膜を形成する。
【0036】
フォトリソグラフィ工程は、光によって性質が変わるレジスト膜をウエハ20上に形成し、紫外線を当ててフォトマスク上の回路パターンをウエハ20上のフォトレジストに転写する。
【0037】
イオン打ち込み工程は、リン、ヒ素、ホウ素などの不純物イオンを高電界で加速してウエハ20上に打ち込み、不純物層を形成する。
【0038】
エッチング工程は、フォトリソグラフィ工程で作成したフォトレジストのパターンをマスクとして下地層をエッチングすることにより所望のパターンを形成する。
【0039】
図2にステップS3として示すウエハテスト工程(電気的試験を行う工程)では、ステップS2でウエハ20の主面20aに形成された、半導体素子、回路パターン、パッド1cなどで構成される集積回路について、ウエハ20を各チップ1に個片化する前に電気的試験を行う。ウエハ20の段階で、電気的不良となっているチップ領域20dを選別することにより、不良品に対する加工の手間を省略することができるので、製造効率を向上させることができる。図5は図2に示すウエハテスト工程の詳細を示すプロセスフロー図である。
【0040】
図5において、ステップS3のウエハテスト工程は、ウエハ位置検出工程S3a、ウエハ仮位置決め工程(プリアライン工程)S3b、ウエハ高精度位置検出工程S3c、ウエハ高精度位置決め工程S3d、および電気的検査工程S3eを有している。
【0041】
電気的検査工程S3eでは、ウエハ20の主面20aに形成された各パッド1cにプローブと呼ばれる導電性の接触端子を接触させて、電気的検査を行う。このような電気的検査はプローブ検査と呼ばれ、ウエハ20の状態で各チップ領域20dに形成された半導体素子、回路パターン、パッド1cなどで構成される集積回路が、所定の機能通りに動作するか否かを確認する機能テストやDC動作特性およびAC動作特性のテストを行って良品/不良品を判別するものである。
【0042】
ここで、近年、半導体装置の多機能化が進行し、1個の半導体チップ(例えば図1に示すチップ1)に複数の回路を作りこむことが進められている。また、半導体装置の製造コストを低減するために、半導体素子および配線(回路パターン)を微細化して、チップ1の面積を小さくし、ウエハ1枚当たりの取得チップ数を増加することが進められている。
【0043】
このため、パッド数が増加するだけでなく、パッドの配置が狭ピッチ化し、パッドの面積も縮小されてきている。このようなパッド1cの狭ピッチ化に伴って、上記プローブ検査を行うには、接触端子とパッド1cとを正確に接触させるため、プローブ検査装置における各接触端子とウエハ20との位置合わせが特に重要となる。
【0044】
このため、ウエハテスト工程では、ウエハ高精度位置検出工程S3cで、例えばウエハ20の主面20aに形成された複数のパッド1cの配置パターンを検出した後、ウエハ高精度位置決め工程S3dで高精度の位置合わせを行う。
【0045】
しかし、このウエハ高精度位置決め工程S3dは、微細な位置合わせを行う工程なので、位置合わせのためにウエハ20を移動させる距離が長くなると、対応できなくなる場合がある。また、仮に対応できたとしても、位置合わせに要する時間が長くなり、製造効率が低下する懸念がある。そこで、高精度で位置決めを行う前に、予めウエハ仮位置決め工程(プリアライン工程)S3bでウエハ20の概略の位置合わせを行っておくことが好ましい。これにより、ウエハ高精度位置決め工程S3dでの処理時間を短縮することができるので製造効率を向上させることができる。
【0046】
本実施の形態では、この概略の位置合わせを行うため、ウエハ位置検出工程S3aでウエハ20の中心位置や方向識別部であるノッチ20cの位置を予め検出しておくものである。ウエハ20の中心位置を予め検出することにより、ウエハ20をプローブ検査装置の検査ステージの所定の位置に中心位置を揃えて載置することができるので、ウエハ20の仮位置決めを容易に行うことができる。また、ノッチ20cの位置を予め検出することにより、ウエハ20を載置する方向をある程度揃えて載置することができるので製造効率を向上させることができる。なお、ウエハ位置検出工程S3aについては後で詳細に説明する。
【0047】
ステップS3に示すウエハテスト工程が完了すると、図2に示すウエハプロセスWPは完了する。
【0048】
<パッケージングプロセス>
次に、図2〜図7を用いてパッケージングプロセスPPについて説明する。図6は図2に示すダイシング工程の詳細を示すプロセスフロー図、図7は図2に示す配線基板準備工程で準備する多数個取り配線基板の要部斜視図である。図2に示すパッケージングプロセスPPには以下の工程が含まれる。
【0049】
図2および図6にステップS4として示すダイシング工程は、図6において、ステップS4のダイシング工程は、ウエハ位置検出工程S4a、ウエハ仮位置決め工程(プリアライン工程)S4b、ウエハ高精度位置検出工程S4c、ウエハ高精度位置決め工程S4d、および個片化工程S4eを有している。
【0050】
このダイシング工程では、図2にステップS3として示すウエハテスト工程が完了したウエハ20をチップ領域20d毎に切断し、個片化する。ステップS4eで示す個片化工程では、図3に示すウエハ20のチップ領域20dを区画するダイシングライン20fに沿ってダイシングブレードと呼ばれる円盤状の切断治具を用いてウエハ20を切断する。この個片化工程が完了すると、ウエハ20の各チップ領域20dは図1に示すチップ1に個片化される。
【0051】
ここで、チップ1の小型化に伴い、このダイシング工程においても、ウエハ20とダイシングブレードとの位置合わせが重要となる。そこで、ウエハ20の位置合わせを行うため、ウエハ位置検出工程S4a、ウエハ仮位置決め工程(プリアライン工程)S4b、ウエハ高精度位置検出工程S4c、ウエハ高精度位置決め工程S4dの各工程を行う。
【0052】
また、図2においてステップS5として示す配線基板準備工程では、チップ1を搭載するための配線基板を準備する。本工程で準備する多数個取り配線基板21は、例えば、図7に示すように、ダイシングライン21fによって区画される複数のパッケージ領域21dを有している。パッケージ領域21dは図1に示したCSP7が有するパッケージ基板3の1個分に対応する領域であり、多数個取り配線基板21にはパッケージ領域21dがアレイ状に配置されている。
【0053】
また、多数個取り配線基板21の主面21a側には、パッケージ領域21d毎にチップ搭載領域が配置されている。また、主面21a側には、チップ1と電気的に接続するためのボンディング用端子3e(図1参照)などの導体パターンが所定のパターンで形成されている。また裏面21b側には、ランド部3d(図1参照)などが形成されており、各ボンディング用端子3eとランド部3dは、多数個取り配線基板21の内部(図1に示すコア材3c)に形成された配線(図示は省略)やスルーホール(図示は省略)などの導電路を介して電気的に接続されている。
【0054】
また、図2においてステップS6として示すチップ搭載工程では、図7に示す多数個取り配線基板21の各パッケージ領域21dにチップ1(図2に示すダイシング工程で個片化されたもの)をダイボンディングする。また、本工程では、各チップ1の主面1aに形成されたパッド1cとボンディング用端子3eとをワイヤ4などの導電性部材を介して電気的に接続する。これにより、チップ1の主面1aに形成された集積回路は、配線基板21の裏面21bに形成されたランド部3dと電気的に接続される。
【0055】
また、図2においてステップS7として示す封止工程では、パッケージ領域21d毎にチップ1がそれぞれ搭載された多数個取り配線基板21の主面21a側を図1に示す封止体6により樹脂封止する。本工程では、例えば多数個取り配線基板21を上下の金型で挟み込んで、この金型内の空間に封止樹脂を注入することにより封止する。
【0056】
また、図2においてステップS8として示す外部端子形成工程では、図1に示す複数のランド部3eのそれぞれに、半田ボール8を接合する。半田ボール8は、図1に示すCSP7の外部端子となる。
【0057】
また、図2においてステップS9として示すマーキング・個片化工程では封止体6の表面に識別記号などをマーキングする。このマーキングには、レーザマーキング法などを用いることができる。また、本工程では、複数のチップ1が一括して封止された多数個取り配線基板21をダイシングライン21fに沿って切断し、個片化する。個片化されると、図1に示すCSP7が得られる。
【0058】
また、図2においてステップS10として示すパッケージテスト工程では、得られたCSP7のそれぞれについて、外観検査、バーンイン試験などの各種試験を行い、良品/不良品の選別を行う。良品として選別されたCSP7は包装工程などの次工程に搬送される。
【0059】
<ウエハの中心および方向識別部の位置を検出する工程の詳細説明>
次に、図5あるいは図6にステップS3a、S4aとして示すウエハ位置検出工程について説明する。まず、ウエハ位置検出工程に用いる位置検出装置の構成について説明する。図8は本実施の形態の位置検出装置の概要構造を示す要部斜視図、図9は図8に示すウエハと、カメラの撮像範囲および光源の平面的位置関係を示す平面図である。
【0060】
図8において、位置検出装置30は各構成部を支持する支持台31と支持台31の上に配置され、ウエハ20を載置するウエハステージ32とウエハ20の裏面20b側に配置され、ウエハ20の方向に光を照射する光源33とを有している。また、位置検出装置30はウエハ20の主面20a側に配置され、ウエハ20のエッジ(外縁)20eを含むウエハ20の一部を撮像する撮像手段であるカメラ34と、カメラ34と電気的に接続され、カメラ34により取得した画像データを処理する画像処理装置35とを有している。
【0061】
ウエハステージ32は、円柱状に形成された台であり、その円形部の平面積はウエハ20の平面積よりも小さい。したがって、図9に示すようにウエハステージ32にウエハ20を載置した時に、ウエハ20のエッジ20eは、ウエハステージ32の外縁よりも張り出した位置に配置される。光源33とカメラ34とは、このウエハ20がウエハステージ32の外縁よりも張り出した位置に対向して配置される。
【0062】
図8では、位置検出装置30における光学系の配置レイアウトの例として、ウエハ20を間に挟むように裏面20b側に光源33を、主面20a側にカメラ34を配置する構成例について示したが、光源33とカメラ34の配置を入れ替えても良い。このように撮像対象物を挟んで光源33とカメラ34とを配置する照明方法はバックライト照明と呼ばれ、この照明方法で撮像するとシルエット画像が取得できるので、ウエハ20の輪郭を安定的に撮像することができる点で特に好ましい。また、バックライト照明の他、光源33およびカメラ34を主面20aあるいは裏面20bのいずれか一方側に配置することもできる。
【0063】
また、ウエハステージ32は、円柱の中心線を回転軸として回転可能な構造となっている。位置検出装置30は、図9に示すようにウエハ20の一部を撮像するので、撮像範囲34aにウエハ20のノッチ(方向識別部)20cが配置されていない場合に、ウエハ20を回転させてノッチ20cが撮像範囲34aに含まれるようにするためである。
【0064】
光源33はウエハ20の輪郭(エッジ20e)がカメラ34により鮮明に認識できるものであれば、特に限定されない。ただし、図9に示すように撮像範囲34aよりも広い範囲を略一様な明るさで投光するため、面光源とすることが好ましい。
【0065】
カメラ34は、ウエハ20とカメラ34の距離Lに応じて適宜選択することができる。本実施の形態では、カメラ34としてVGA(Video Graphics Array)モード(640画素×480画素)でプログレッシブ走査方式のカメラを用いた。このVGAモードのカメラ34は、種々の用途に汎用されており、コスト、入手容易性、あるいは画像処理装置と接続するインターフェースの選択性など設計の自由度の観点で好ましい。ところで、カメラ34の解像度(画面モード)を一定とすると、距離Lを短くする程位置検出精度を向上させることができる。つまり、本実施の形態ではウエハ20の一部を撮像すれば良いので、ウエハ20の全体を撮像する場合と比較して距離Lを短くすることができるので、位置検出精度を向上させることができる。図8に示す距離Lは、VGAモードのカメラ34でも十分な解像度が得られるように、例えば250mmに設定してある。また本実施の形態では距離Lを短くすることにより、位置検出装置30の全体寸法をコンパクト化することができる。
【0066】
次に、図8に示す位置検出装置30を用いてウエハ20の中心位置およびノッチ20cの位置を検出する工程について説明する。図10は本実施の形態のウエハ位置検出工程の詳細を示すフロー図、図11は図8に示すカメラにより撮像された画像の一例を示す平面図である。また、図12は図8に示す画像処理装置において、ウエハのエッジを構成する複数の点を中心とする複数の円弧の軌道を求める工程を示す説明図である。また、図13は図8に示すウエハの半径を求める方法について説明するための平面図である。また、図14は図8に示すカメラにより撮像された画像の別の例を示す平面図である。
【0067】
(a)まず、ウエハ準備工程として図8に示すウエハ20を準備してウエハステージ32上にウエハ20を載置する。本工程では、ウエハ20の中心位置およびノッチ20cの位置を検出する工程中あるいは検出後に、ウエハ20のウエハステージ32上における位置がずれることを防止するため、ウエハステージ32に固定する。固定手段としては、例えば、ウエハステージ32にウエハ吸着部(図示は省略)を設け、これにより固定することができる。ウエハ吸着部の吸着手段は例えば、減圧吸着などを用いることができる。
【0068】
また、本工程では、図9に示すように、ウエハ20のエッジ20eの一部が光源33とカメラ34の撮像範囲34aの間に挟まれるように配置する。
【0069】
なお、本工程で準備するウエハ20の構造は、ウエハ20の中心位置およびノッチ20cの位置を検出する工程の後に実施する工程に応じて種々の場合がある。例えば、図2に示すステップS2を行う前にウエハの位置を検出する場合には、ウエハ20の主面20aには未だ回路素子は形成されていない状態である。また、例えば、ステップS3あるいはステップS4におけるウエハ位置検出工程S3a、S4aであれば、ウエハ20の主面20aには回路素子が既に形成されている。
【0070】
(b)次に、画像取得工程として、図8に示す光源33を点灯させた状態で、カメラ34により撮像し、得られた画像データ20g(図11参照)を画像処理装置35が取得する。本工程では、例えば図11に示すようにエッジ20eを含むウエハ20の一部がシルエット画像の画像データ20gとして得られる。得られた画像データ20gは、例えば図8に示すケーブル36を介して画像処理装置35に伝送されて、画像処理装置35が取得する。
【0071】
本実施の形態では、VGAモードのカメラ34を用いているので、得られる画像データ20gは、例えば方向X(横方向)が640画素、方向Y(縦方向)が480画素の解像度で得られる。したがって、画像処理装置35が取得する画像データ20gにおいて、エッジ20eを構成する成分としては、最大で640個の座標点データが得られる。
【0072】
(c)次に、円弧軌道の算出工程として、画像処理装置35を用いて、ウエハ20のエッジ20eを構成する複数の座標点を中心として、ウエハ20の半径と等しい半径を有する複数の円弧の軌道をそれぞれ求める。本工程では、図12に示すように画像データ20gにおいて、エッジ20eを構成する複数(本実施の形態では最大で640個)の座標点20hを選択し、これらを中心として、ウエハ20の半径rと同じ半径の円弧軌道20kをそれぞれ求める。
【0073】
ところで、ウエハ20の半径rの値が既知である場合には、中心とする座標点20hを決定すれば、円弧軌道20kを容易に求めることができる。しかし、半径rが未知である場合、あるいは、ウエハ20の加工時の誤差を補正して中心位置を検出する場合には半径rを以下のように算出することもできる。
【0074】
図13に示すように、ウエハ20の中心位置Cとエッジ20eを構成する座標点20hのうち、任意の2つの点A、Bを選択する。また、線分ABの中心をDとして、線分CDをエッジ20e方向に延長した時のエッジ20eとの交点をEとする。この時、線分CEは線分ABの垂直二等分線となる。したがって、三角形CADは直角三角形となるので、三平方の定理より下記の式(1)が成り立つ。
【0075】
(CA)=(AD)+(CD) ・・・(1)
ここで、線分CAおよび線分CEは半径rであり、線分CDは線分CEと線分DEの差なので、これらを代入して半径rについて解くと以下の式(2)となる。
【0076】
r={(AD)+(DE)}/2(DE) ・・・(2)
このようにウエハ20の半径rは点A、Bの座標の位置から容易に算出することができる線分ADの長さと線分DEの長さから算出することができる。つまり、半径rはエッジ20eを構成する任意の2つの座標点20hから算出することができる。
【0077】
ウエハ20の半径rをエッジ20eを構成する任意の2つの座標点20hから算出することにより、半径rが未知の場合でもウエハ20の中心位置Cを算出することができる。また、半径rが既知の場合であっても、ウエハ20の加工上の誤差を補正して中心位置Cの検出精度を向上させることができる。
【0078】
この場合、例えば、画像処理装置35が画像データ20gにおいて、ウエハ20のエッジ20eを構成する任意の複数の座標点20hのデータからウエハ20の半径rを算出する工程を、本工程の前に行うこととなる。
【0079】
(d)次に、中心位置算出工程として、画像処理装置35を用いて、上記(c)工程で求めた複数の円弧軌道20kの交点を求めることによりウエハ20の中心位置Cを算出する。本工程で、円弧軌道20kの交点を求めるためには、上記(c)工程で少なくとも2本以上の円弧軌道20kを求める必要がある。また、図12に示す座標点20hが、例えば図14に示すノッチ20cなどの方向識別部を構成する点である場合や、ウエハ20のエッジ20eが真円ではなく、僅かに変形している場合がある。これらの影響に伴う検出精度の低下を防止するためには、上記(c)工程で3つ以上の座標点20hを中心として円弧軌道20kをそれぞれ求め、本工程では3本以上の円弧軌道20kの各交点が最も多く重なる位置をウエハ20の中心位置Cとして算出することが好ましい。また、さらに検出精度を向上させるためには、より多くの円弧軌道20kを求めることが好ましい。
【0080】
ここで、エッジ20eの検出手段としてラインセンサを用いる場合(以下ラインセンサ方式と呼ぶ)には、1回の検出動作で、最大2箇所までしかエッジ20eの座標点20hを検出することができない。このため、検出精度を向上させるためには、ウエハ20を回転させて複数回検出動作を行う必要がある。また、処理時間との関係でウエハ20の回転速度を高速(例えば、5000rpm)にする必要があるため、塵埃などの異物が舞い上がるという新たな課題が生じることとなる。特に、異物がウエハ20の主面20a側に付着した場合、ウエハテスト工程での検査が困難となるばかりでなく、最終的な製品であるCSP7(図1参照)の信頼性低下の原因となる場合もある。
【0081】
そこで本実施の形態では、エッジ20eの検出手段として図8に示すカメラ34を用いて、ウエハ20の画像データ20gを画像処理装置35が取得する。したがって、1回の検査で多数(本実施の形態では最大で640個)の座標点20hを検出することができる。このため、中心位置を算出するために用いるデータ(座標点20h)を1回の撮像処理で最大640点とすることができるので、中心位置の算出を高い精度で行うことができる。すなわち、ウエハ20の中心位置を高い検出精度で検出することができる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、ウエハ20を回転させなくても中心位置Cの検出精度を十分に向上させることができるので、ウエハ20の回転に伴って塵埃などの異物が舞い上がることを防止することができる。
【0083】
なお、ウエハ20を回転させて複数の視野で画像データ20gを取得することもできる。この場合、検出精度をさらに向上させることができる。本実施の形態ではウエハ20を回転させる場合でも、最大で1周分回転させれば良く、また、1回の検出動作でラインセンサ方式と比較して選択できる座標点の数が多いので回転速度を抑制することができる。したがって、塵埃などの異物が舞い上がることを防止ないしは抑制することができる。なお、ウエハ20を回転させる場合には、連続的に回転させても良いし、間欠的に回転させても良い。
【0084】
(e)一方、ウエハ20のノッチ20cの検出工程は、例えば、以下のように行う。本工程は、中心位置Cの検出工程と独立して行うこともできるし、並行して行うこともできる。本工程を中心位置Cの検出工程と並行して行えば、トータルの検出時間を短縮することができるので、製造効率を向上させることができる。
【0085】
本工程では、前記(b)で説明した画像取得工程で得られた画像データ20gを用いて行うことができる。ノッチ20cの位置は、画像処理装置35を用いて、エッジ20eの位置の変化量を抽出することにより検出する。例えば、図14に示す画像データ20gにおいて、ノッチ20cの位置に配置される座標点20hは、その両隣の座標点20hと比較して座標位置の変化量が非常に大きい。つまり、ノッチ20cが形成された場所は、画像データ20gにおいて各座標点20hの変化量が最も大きくなるので、これをノッチ20cの位置検出手段として用いることができる。
【0086】
また、本実施の形態では上記の通り、VGAモードのカメラ34(図8参照)を用いているので640点の座標点20hを検出することができる。したがって、カメラ34とウエハ20との距離Lを調整することにより、ノッチ20cの検出洩れを防止することができる。
【0087】
ところで、図11に示すように得られた画像データ20gの範囲内にノッチ20cが配置されていない場合もあり得る。この場合、以下のように検出することができる。まず、画像処理装置35(図8参照)において、隣り合う座標点20hの位置の変化量に予め閾値(基準値)を設定する。次に画像データ20gを取得して、予め設定した閾値を超える変化量の有無を判定する(ノッチ位置判定工程)。閾値を超える座標点20hが検出された場合(つまりノッチ20cが検出された場合)には、その時点でノッチ位置の検出工程を完了させることができる。
【0088】
一方、閾値を超える座標点20hが検出されなかった場合(つまりノッチ20cが未検出の場合)には、ウエハ20を数十度回転させて次の撮像範囲34a(図9参照)で画像処理装置35(図8参照)が画像データ20gを再取得する。このサイクルを繰り返すことにより、ウエハ20を最大で1周分回転させれば、ノッチ20cの位置を検出することができる。
【0089】
また、別の方法としてウエハ20を1周分回転させて複数の画像データ20gを連続的に取得して、エッジ20eを構成する各座標点20hにおける周辺の座標点20hに対する変化量が最大の所をノッチ20cの位置として検出する方法でも良い。
【0090】
いずれの方法であっても、ウエハ20を最大で1周分回転させればノッチ20cを検出することができるので、ウエハ20の高速回転に伴う塵埃の発生を大幅に抑制することができる。
【0091】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0092】
例えば、本実施の形態では、ウエハテスト工程およびダイシング工程を行う際の位置合わせの準備として、ウエハ20の中心位置およびノッチ20cの位置を検出する方法について説明した。しかし、図2においてステップS2として示す半導体素子形成・電極形成工程などウエハ20の状態で加工を施す各プロセスに広く適用できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、半導体ウエハを加工して製造する半導体装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体装置であるCSPの要部断面図である。
【図2】図1に示すCSPの製造工程の概要を示す説明図であって、ウエハプロセスおよびパッケージングプロセスの一例を示すプロセスフロー図である。
【図3】図1に示すCSPの製造に用いるウエハの一例を示す斜視図である。
【図4】図2に示す半導体素子形成・電極形成工程の詳細を示すプロセスフロー図である。
【図5】図2に示すウエハテスト工程の詳細を示すプロセスフロー図である。
【図6】図2に示すダイシング工程の詳細を示すプロセスフロー図である。
【図7】図2に示す配線基板準備工程で準備する多数個取り配線基板の要部斜視図である。
【図8】本発明の一実施の形態である位置検出装置の概要構造を示す要部斜視図である。
【図9】図8に示すウエハと、カメラの撮像範囲および光源の平面的位置関係を示す平面図である。
【図10】図5あるいは図6に示すウエハ位置検出工程の詳細を示すフロー図である。
【図11】図8に示すカメラにより撮像された画像の一例を示す平面図である。
【図12】図8に示す画像処理装置において、ウエハのエッジを構成する複数の点を中心とする複数の円弧の軌道を求める工程を示す説明図である。
【図13】図8に示すウエハの半径を求める方法について説明するための平面図である。
【図14】図8に示すカメラにより撮像された画像の別の例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0095】
1 半導体チップ
1a 主面
1b 裏面
1c パッド(電極)
2 接着剤
3 パッケージ基板(配線基板)
3a 主面
3b 裏面
3c コア材
3d ランド部
3e ボンディング用端子(ワイヤ接合部)
3f ソルダレジスト膜
4 ワイヤ
6 封止体
7 CSP(半導体装置)
8 半田ボール
20 ウエハ(半導体ウエハ)
20a 主面
20b 裏面
20c ノッチ
20d チップ領域
20e エッジ(外縁)
20f ダイシングライン
20g 画像データ
20h 座標点
20k 円弧軌道
21 多数個取り配線基板
21a 主面
21b 裏面
21d パッケージ領域
21f ダイシングライン
30 位置検出装置
31 支持台
32 ウエハステージ
33 光源
34 カメラ
35 画像処理装置
36 ケーブル
C 中心位置
L 距離
r 半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形板状の半導体ウエハを準備する工程と、
前記半導体ウエハの位置決めをする前に予め前記半導体ウエハの中心位置を検出する工程とを有し、
前記半導体ウエハの中心位置を検出する工程には、
前記半導体ウエハの外縁を含む前記半導体ウエハの一部の画像データを画像処理装置が取得する工程と、
前記画像処理装置を用いて、前記半導体ウエハの外縁を構成する複数の点を中心として、前記半導体ウエハの半径と等しい半径を有する複数の円弧の軌道をそれぞれ求める工程と、
前記画像処理装置を用いて、前記複数の円弧の軌道の交点を求めることにより、前記半導体ウエハの中心位置を算出する工程とが含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記複数の円弧の軌道を求める工程では、前記半導体ウエハの外縁を構成する3つ以上の点を中心として前記複数の円弧の軌道をそれぞれ求め、
前記半導体ウエハの中心位置を算出する工程では、前記複数の円弧の軌道の各交点が最も多く重なる位置を前記半導体ウエハの中心位置として算出することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
円形板状の半導体ウエハの主面に集積回路を形成する工程と、
前記集積回路が形成された半導体ウエハを個片化する前に電気的試験を行う工程とを有し、
前記電気的試験を行う工程は、
前記集積回路が形成された半導体ウエハを準備する工程と、
前記半導体ウエハの中心位置を検出する工程と、
中心位置を予め検出した前記半導体ウエハを、前記電気的試験を行う装置に位置決めする工程と、
前記半導体ウエハの電気的検査を行う工程とを有し、
前記半導体ウエハの中心位置を検出する工程には、
前記半導体ウエハの外縁を含む前記半導体ウエハの一部の画像データを画像処理装置が取得する工程と、
前記画像処理装置を用いて、前記半導体ウエハの外縁を構成する複数の点を中心として、前記半導体ウエハの半径と等しい半径を有する複数の円弧の軌道をそれぞれ求める工程と、
前記画像処理装置を用いて、前記複数の円弧の軌道の交点を求めることにより、前記半導体ウエハの中心位置を算出する工程とが含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
円形板状の半導体ウエハを準備する工程と、
前記半導体ウエハの位置決めをする前に予め前記半導体ウエハの中心位置および方向識別部を検出する工程とを有し、
前記半導体ウエハの中心位置を検出する工程には、
前記半導体ウエハの外縁を含む前記半導体ウエハの一部の画像データを画像処理装置が取得する工程と、
前記画像処理装置を用いて、前記半導体ウエハの外縁を構成する複数の点を中心として、前記半導体ウエハの半径と等しい半径を有する複数の円弧の軌道をそれぞれ求める工程と、
前記画像処理装置を用いて、前記複数の円弧の軌道の交点を求めることにより、前記半導体ウエハの中心位置を算出する工程とが含まれ、
前記半導体ウエハの方向識別部を検出する工程には、
前記半導体ウエハの外縁を含む前記半導体ウエハの一部の画像データを画像処理装置が取得する工程と、
前記画像処理装置を用いて、前記画像データにおける前記半導体ウエハの外縁を構成する複数の点の変化量を抽出することにより前記方向識別部の位置を検出する工程とが含まれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体ウエハの前記方向識別部を検出する工程には、
前記画像処理装置が取得した画像データに前記複数の点の変化量が予め設定した閾値を超えない場合に、前記ウエハを回転させて、画像データを画像処理装置が再取得する工程が含まれていることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−21485(P2010−21485A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182932(P2008−182932)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】