説明

半導体装置

半導体装置が半導体基板上のゲートを含む。ゲートの1つの側壁が少なくとも1つの突出部を含んでいてもよく、ゲートの反対側壁が少なくとも1つの凹部を含んでいてもよい。接触部が、ゲート上に配置された絶縁層を通して形成されている。接触部は、ゲートの少なくとも1つの突出部に少なくとも部分的に重なっている。金属層が絶縁層上に配置されている。金属層は、ゲートの第1の側に移動した第1の構造を含む。接触部が絶縁層を通して第1の構造をゲートに電気的に連結するように、第1の構造は接触部に少なくとも部分的に重なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してトランジスタを形成する半導体プロセスに関し、特に半導体基板の配置密度を増大させるプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
平面トランジスタなどのトランジスタは数10年もの間、集積回路の中心であり続けてきた。このトランジスタ使用の間、個々のトランジスタのサイズは、プロセス開発における進歩と特徴密度の増大の必要性を通して着実に減少している。現在のスケーリングは32nmの技術を用いているが、22nmの技術に向かって開発が進んでいる。
【0003】
NMOS(N型金属酸化膜半導体)構造とPMOS(P型金属酸化膜半導体)構造の間を接続するように用いる金属1(M1)の垂直なワイヤー経路が、標準のトランジスタセル設計では重要である。M1の垂直なワイヤー経路は下位層の活性領域に接触する接触部(出力部)に接続していてもよい。は、ゲートに接触する他のM1ワイヤーに加えて、M1の垂直なワイヤー経路があってもよい。
【0004】
M1ワイヤー(接触ワイヤー、垂直ワイヤーのいずれか)ルーチングでの第1の課題は、不整合誤差又はオーバーレイ誤差である。最新のリソグラフィでは不整合の課題が増加していることで、ある実施上の制限を招いてしまう。1つの実施上の制限は、小さな接触構造間でのずれをできる限り小さく保つことが望まれ、中心を一致させることが好ましいということである。この制限を解決することで、例えば、接触部の中心をゲート上に配置し、ゲート、接触部、及びM1ワイヤーの中心をすべて同じポイント上に配置するように、薄いM1ワイヤーの中心を接触部上に配置することが促される。
【0005】
第2の課題は、技術の限界(例えば、22nmの設計則)に近いCPP(contacted poly pitch)の要求である。この要求によって、上述のような不整合の回避が好ましいM1とゲートが同心であるときに、2つの接触したゲート間に垂直なM1ワイヤーなどの追加M1ワイヤーをパターニングできない。その不整合を回避しながら、接触したゲート間に垂直なM1ワイヤーをルーチング可能であれば、より密に配置できる。その結果、製品コストが低下し、操作がより高速になる。
【0006】
図1に、ゲート上に直接配置された接触部及び金属層構造を備えた装置の上面図を示す。配置100がゲート102A、102Bを含み、ゲート102A、102Bは、それぞれ接触部106A、106BによってM1構造104A、104Bに連結されている。M1構造104A、104Bは、ゲート102A、102B用の入力接点である。M1構造104AとM1構造104Bが接近しているため、垂直なM1ワイヤー経路などの別のM1構造用の空間が各M1構造間に存在しない。領域108が、M1構造104A、M1構造104B周りの領域を表し、この領域は、配置の密度によって他のM1構造配置用に遮蔽される。
【0007】
配置100において垂直なM1ワイヤー経路を許容する1つの可能な解決法は、各活性ゲート間の水平距離を増加させるようにダミーのゲートを付加することでゲート領域を拡大(CPP拡大)させることである。しかしながら、この方法は、全体のチップ面積を増加させて、チップ面積に対するチップ性能を制限してしまう。
【0008】
別の可能な解決法は、垂直なM1ワイヤー経路の代わりに、出力に接続する追加的で局所的な相互接続(LI)層を使用することである。ゲートとの接触、及び/又は、活性領域との接触にLI層を使用してもよい。しかしながら、LI層の使用は、近傍のM1ワイヤーにLI層がショートすることを抑制する追加ビア(V0)層の使用が必要となる。追加V0層は、開発費及び/又は加工費を顕著に増大させ得る。
【0009】
別の可能な解決法は、M2層が露出するとともにM2ワイヤーがM1ワイヤーと同一方向にある、別の方法の金属2(M2)層を使用することである。これによって、M1ワイヤーに接続する他の位置(例えば、他の論理ゲート又は回路の他の部品)からワイヤーをルーチングし難くなる。さらに、CPPと同一程度に密なピッチでM2をプリントするために、次の方法のいずれかがリソグラフィでは必要となる。すなわち、その方法は、直交した方向におけるプリント可能な最小ピッチをトレードオフすること(この技術は、例えばレチクル・エンハンスメント技術(RET)及び双極子照明を含む)、又は、コストに関する不利益及び生産性に関する不利益を生み出してしまう複数の露出部及び複数のマスクを使用することである。よって、反対にM2解決法には、全体設計を広げてしまう制約、及びM1ワイヤーの高密度のルーチング性能又は加工費や生産性について妥協せざるを得ないという制約がある。
【0010】
また別の可能な解決法は、ゲート接続を置換するとともに配置密度を増加できるように、ヘッド(又はフラグ)をゲートに付加することである。そして、ヘッドと位置が一致するように直接ヘッド上に接触部を配置してもよい。しかしながら、ヘッドを使用すると、ゲート幅のずれが増大する。ゲート幅のこのずれにより、限界寸法の変動が増して、生産性や信頼性の問題を引き起こしかねない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、開発費と加工費を最小にして、所望レベルの性能と信頼性を維持しながら、M1垂直ワイヤールーチングを可能にして配置密度を増加させる必要がある。M1垂直ワイヤールーチングを備えた、より密な配置は、製品コストを下げ、及び/又は、より密な配置を利用するチップの操作速度を速くできる。このようなより密な配置は、より高速で、より信頼性のあるCPU(中央演算処理装置)又はGPU(グラフィック処理ユニット)を製造する22nmの技術などの先進技術で有用であり得る。本発明はこのような配置を有する半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ある実施形態では、半導体装置が半導体基板上のゲートを含む。ゲートの1つの側壁が少なくとも1つの突出部を含んでいてもよく、ゲートの反対側壁が少なくとも1つの凹部を含んでいてもよい。絶縁層がゲート上に実質的に配置されていてもよい。接触部が絶縁層を通して形成されていてもよい。接触部は、ゲートの中の少なくとも1つの突出部に少なくとも部分的に重なっていてもよい。金属層が絶縁層上に配置されていてもよい。金属層は、ゲートの第1の側に移動した第1の構造を含んでいてもよい。接触部が絶縁層を通して第1の構造をゲートに電気的に連結するように、第1の構造は接触部に少なくとも部分的に重なっていてもよい。
【0013】
ある実施形態では、半導体装置製造プロセスが、半導体基板上にゲートを形成することであって、ゲートの1つの側壁が少なくとも1つの突出部を含み、ゲートの反対側壁が少なくとも1つの凹部を含むことと、ゲート上に実質的に絶縁層を形成することと、絶縁層を通して接触部を形成することと、絶縁層上に第1の構造を有する金属層を形成することと、を含む。
【0014】
ある実施形態では、集積回路が1以上の半導体装置を含む。半導体装置の少なくとも1つは、ゲートであって、ゲートの1つの側壁が少なくとも1つの突出部を有し、ゲートの反対側壁が少なくとも1つの凹部を有するゲートと、ゲート上に実質的に配置された絶縁層と、絶縁層を通して形成された接触部と、絶縁層上に配置された第1の構造を有する金属層と、を含む。
【0015】
ある実施形態では、複数の命令を格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が、複数の命令を実行するときに、複数の命令が半導体装置への供給に使用可能な1以上のパターンを生成する。この半導体装置は、ゲートであって、ゲートの1つの側壁が少なくとも1つの突出部を有し、ゲートの反対側壁が少なくとも1つの凹部を有するゲートと、ゲート上に実質的に配置された絶縁層と、絶縁層を通して形成された接触部と、絶縁層上に配置された第1の構造を有する金属層と、を含む。
【0016】
ある実施形態では、複数の命令を格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、複数の命令を実行するときに、複数の命令が半導体プロセスに使用可能な1以上のパターンを生成する。この半導体プロセスは、半導体基板上にゲートを形成することであって、ゲートの1つの側壁が少なくとも1つの突出部を有し、ゲートの反対側壁が少なくとも1つの凹部を有することと、ゲート上に実質的に絶縁層を形成することと、絶縁層を通して接触部を形成することと、絶縁層上に第1の構造を有する金属層を形成することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ゲート上に直接配置された接触部及び金属層構造を備えた先行技術の装置の上面図を示す。
【0018】
【図2A】屈曲部を備えたゲート上で移動した接触部と金属層構造を備えた装置用の設計配置の実施形態の上面図を示す。
【0019】
【図2B】屈曲部及びゲートの屈曲部を覆う接触部を備えたゲートの拡大図を示す。
【0020】
【図3】基板上に形成されるような、屈曲部を備えたゲート上で移動した接触部と金属構造の配置の一部の実施形態の拡大上面図を示す。
【0021】
【図4】図2Aに示す配置100を再度対象にした(最適化されたプロセス統合用の)図を示す。
【0022】
【図5】図2Aに示す配置のウェハ上の図を示す。
【0023】
【図6】基板上に形成されるような、ゲート上で移動した接触部と金属層構造を有する配置の実施形態の横断面図を示す。
【0024】
【図7】基板上に形成されるような、屈曲部を備えたゲート上で移動した幾つかの接触部と金属層構造を有する配置の実施形態の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、幾つかの実施形態及び例示的な図面の実施例として本明細書に記載されるが、当業者は、記載した実施形態又は図面に本発明が限定されないことを認識するであろう。本明細書に付随する図面及び詳細な説明は、開示した特定の形態に本発明が限定されないことを意図するものと理解すべきである。むしろ、添付の請求項で定めるような本発明の精神及び範囲内にある、すべての修正実施形態、均等物、及び代替実施形態を本発明は保護する。本明細書に用いた如何なる見出しも、構成上の目的のみのためであって、明細書又は請求項の範囲の限定を意味するものではない。本明細書に用いるように、「may」の単語は、強制的に必要な意味(すなわち、しなければならないという意味)というよりはむしろ許容的な意味(すなわち、その意味以外の潜在性を有するという意味)で用いられる。同様に、「include」、「including」、及び「includes」の単語は、「含む」ことを意味するが、この意味に限定されない。
【0026】
図2Aに、屈曲部を備えたゲート上で移動した接触部及び金属層構造を有する装置用の配置100の実施形態の上面図を示す。配置100は、例えば、中央演算処理装置(CPU)及びグラフィック処理ユニット(GPU)などの半導体装置に用いてもよいが、その使用はこれらの半導体装置に限定されない。配置100は、このような装置に使用するトランジスタ、又はこのトランジスタの一部であってもよい。幾つかの実施形態では、配置100は、NMOS若しくはPMOS配置、又はNMOS若しくはPMOS配置の一部である。配置100は、CAD(コンピュータ支援設計)で設計した配置、又はCADで設計したプロセスから形成された配置であってもよい。ある実施形態では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体が複数の命令を格納し、複数の命令を実行するときに、複数の命令が、配置100を生成するか、或いは半導体プロセスでの配置100の形成に使用されるパターンを生成する。
【0027】
ある実施形態では、配置100はゲート102A、102Bを含んでいる。ゲート102A、102Bの上に絶縁層を堆積させてもよい。接触部106A、106Bは、絶縁層を通してゲート102A、102Bに連結するように形成してもよい。接触部106A、106Bは、ゲート102A、102B用の入力接点であってもよい。
【0028】
ある実施形態では、ゲート102A、102Bは1以上の屈曲部108A、108Bを含んでいる。「屈曲部」は、本明細書に示す実施形態で示されるように、一方向に偏心して曲げられるか、又は移されるゲートの一部である。たとえば、ゲートの1つの側壁が突出部(例えば、突起、膨隆部、隆起部、又はこぶ)を有し、ゲートの反対側壁が凹部(例えば、くぼみ又はディンプル)を有するように、ゲートの屈曲部は、一方向に移動するか、変位するか、又は押される対壁を有する。突出部と凹部とは、ゲートの長さの一部に沿って実質的に互いに対向していてもよい。ある実施形態では、突出部と凹部とは、ゲートの長さのすべてではなく一部に沿って実質的に互いに対向している。突出部と凹部は、ゲートの長さに沿ったほぼ同一の箇所に配置してもよい。幾つかの実施形態では、屈曲部を基板上に形成する突出部と凹部は、同様なサイズ及び形状を有する。幾つかの実施形態では、屈曲部を基板上に形成する突出部と凹部は、長さ及び/又は深さが異なっている。
【0029】
本明細書で述べる「屈曲部」とは、基板表面に形成された形状を呼び、必ずしもこの表面に形状を形成するに用いる形状又はデザインを呼ぶわけではないと理解すべきである。たとえば、幾つかの実施形態では、異なった形状又は複数の形状の集合からウェハ上の屈曲部を形成してもよい。幾つかの実施形態では、図2Aに示すように、屈曲部は矩形状に形成されている。他の実施形態では、屈曲部は矩形状ではない形状に形成されている。たとえば、リソグラフィの空間分解能を超えた特徴を有する形状(例えば、鋭い角部又は狭い空間)で屈曲部を形成してもよく、この形状部分は加工の間、例えば、丸めるか、或いは埋没させるかして除去される。たとえば、一実施形態では、連続した屈曲部を基板上に形成するように、リソグラフィの分解能より小さい間隔でゲートの残り部分から取り外し裁ち落とした形状部分を、ゲートの残り部分と組み合わせてもよい。よって、類似した形状の屈曲部を基板上に形成するように、多くの異なった組み合わせの配置形状を使用できる。
【0030】
図2Bに、屈曲部108A及び屈曲部を覆う接触部106Aを備えたゲート102Aの拡大図を示す。図2A及び2Bに示すように、ゲート102Aは完全な屈曲部108Aを含み、同様に、ゲート102Bは、図2Aに完全な屈曲部108Bを含むように示されている。図2Bに示すように、屈曲部108Aはゲート102Aの一部を偏心させるように曲げるか、又は移動させる。例えば交差して連結したNMOSゲートとPMOSゲートとの対など、交差して連結した装置用の幾つかの実施形態では、1/2の屈曲部のみが必要である。ゲートの残り部分が1/2の屈曲部以前にゲートの一部から移動するように、1/2の屈曲部がゲートを移動させる。1/2の屈曲部の実施例が、図7に示す実施形態にて参照番号116として示されている。
【0031】
図2A及び2Bに示すように、接触部106A、106Bはゲート102A、102B上に形成されている。接触部106A、106Bは、それぞれ屈曲部108A、108Bに少なくとも部分的に重なるように配置されていてもよい。たとえば、接触部が屈曲部に少なくとも部分的に重なるように配置100を形成(例えば、パターニング又はデザイン)してもよい。幾つかの実施形態では、接触部106A、106Bの一部はゲート102A、102Bの他の部分と重なっている。他の実施形態では、接触部106A、106Bは、ゲート102A、102Bの屈曲部108A、108Bの一部にのみ重なっている。図2Aに示すように、接触部106A、106Bが屈曲部108A、108Bに少なくとも部分的に重なるため、各接触部は互いに離れる方向に移るか、ずれる。これにより、例えば図1に示すような屈曲していないゲート上に直接配置された接触部よりも各接触部間により広い空間が生まれる。
【0032】
ある実施形態では、図2Aに示すように、M1構造104A、104Bを含む金属層が、基板上に形成されている。M1構造104A、104Bは、それぞれ接触部106A、106Bに少なくとも部分的に重なるように配置してもよい。たとえば、M1構造が接触部に少なくとも部分的に重なるように配置100を形成(例えば、パターニング又はデザイン)してもよい。M1構造104A、104Bは、接触部106A、106Bに連結するM1構造であってもよい。たとえば、M1構造104A、104Bは、それぞれゲート102A、102Bに入力を供給する金属ワイヤーであってもよい。幾つかの実施形態では、M1構造がゲート102A、102Bの屈曲部108A、108Bに少なくとも部分的に重なるように、M1構造104A、104Bを配置してもよい。
【0033】
M1構造104A、104Bが接触部106A、106B及び屈曲部108A、108Bに少なくとも部分的に重なるため、各M1構造は互いに離れる方向に移動するか、ずれる。これにより、各M1構造間の空間が増す。各M1構造104A、104B間のこの増加した空間によって、追加M1構造110とこれらM1構造との間隔が増す。M1構造110は、M1構造104A、104Bと同一の金属層の一部として形成してもよい。たとえば、M1構造110は、出力接触部112Bに出力接触部112Aを連結する金属ワイヤーであってもよい。出力接触部112A、112Bは、例えば、配置100の活性領域114A、114Bに対する接点であってもよい。
【0034】
図3に、基板上に形成されるような、屈曲部108Aを備えたゲート102A上で移動した接触部106A及びM1構造104Aの配置100の一部の実施形態の拡大上面図を示す。図3に示すように、配置100の一部は、加工した半導体基板(例えば、半導体ウェハ)上に存在可能な配置を表す。図3に示すように、M1構造104Aは、接触部106A及びゲート102Aの屈曲部108Aに重なっている。接触部106Aはゲート102Aに部分的に重なっているとともに、屈曲部108Aに少なくとも部分的に重なっている。ゲート102Aの屈曲部108Aによって、追加M1構造110はM1構造104Aのゲートの他の側に存在できる。
【0035】
ある実施形態では、配置100は配置用の最小限の重なり要件と間隔要件を満たすか、或いは上回っているため、その配置における要素(例えば、ゲート102A、ゲート102B、M1構造104Aなど)は適切に機能する。たとえば、これらの要件に限定されるものではないが、以下のような値の要件があり得る:
(a)接触部106Aとゲート102Aとの重なりの最小量(図3の矢印A);
(b)接触部106Aとゲート102Bとの間隔の最小量(図3の矢印B);
(c)接触部106AとM1構造104Aとの重なりの最小量(図3の矢印C);
(d)接触部106Aと追加M1構造110との間隔の最小量(図3の矢印D);
(e)接触部106Aと接触部112Bとの間隔の最小量(図3の矢印E);及び
(f)接触部106Aと活性領域114Bとの間隔の最小量(図3の矢印F)。
【0036】
最小量の重なり及び/又は間隔を決定する際に使用可能なファクターは、マスクの不整合誤差(オーバーレイ誤差)、z方向のテーパーの変動(側壁変動)、リソグラフィ効果による限界寸法の一様性(CDU)(この変化は図3の構造の二重線によって表される)、エッチングプロセス変動(例えば、RIE変動)、及び静電的最小値を含むが、これらに限定されない。
【0037】
重なりに関しては、静電的最小値は要素間に必要とされる最小量の接触領域を表す数であってもよいため、抵抗とエレクトロマイグレーションが、選択された閾値未満にとどまる。重なり用の静電的最小値は、例えば接触部106Aが楕円と仮定して、その閾値に基づき楕円の面積を計算するための特性を用いて数値化してもよく、或いは、例えばモンテカルロ・シミュレーションを用いることで数値化してもよい。間隔に関しては、静電的最小値は、各要素間の空間で用いる誘電体の機能停止回避用の分離に必要な最小距離を表す数であってもよい。
【0038】
一例として、上に記載した最小値(a)から(f)を、幅25nm、長さ60nmの屈曲部を有する幅22nmのゲートについて計算した(屈曲部は、ゲートの縁から25nmだけ移動させ、ゲート縁に曲がって戻る前に長さ60nmで延びている)。接触部は、幅40nm、長さ80nmを有し、屈曲部に重なるように30nmだけ偏心させ移動させた。オーバーレイ誤差、側壁変動、CDU、及びRIE変動の最小値は、4σのRSS(根二乗和)の値を用いて計算した。静電的最小値は、長軸60nmの楕円の領域を有すると仮定して決定され、閾値は50%の名目接触面積を有するように設定された。それら最小値は、(a)22nm、(b)21nm、(c)28nm、(d)28nm、(e)30nm、(f)22nmであると近似的に求められた。
【0039】
計算された最小値は、図2A及び図3に示す配置100に類似する配置を生成するPVBANDシミュレーションを用いて求められた値と比較した。PVBANDシミュレーションが生成する配置は、その計算で求めるすべての最小要件を満足することが判った。よって、その配置は、現在のリソグラフィツールを用いた実装に適していることが判り、更には、ゲートにおける屈曲部の実装以外の現在の加工技術を超えてプロセス層及び/又はプロセス開発を追加することなく、かつ、接触部とM1構造の位置を再度目的対象とすることなく、その配置を製造できる。
【0040】
図4及び5に、図2Aに示した配置100を再度対象にした(最適化されたプロセス統合用の)図、及び配置100のウェハ上の図を示す。図4に示す配置100の実施形態はプロセス統合用に最適化してもよいため、加工又は設計において誤差があっても最小の重なり要件及び最小の間隔要件が達せられる。幾つかの実施形態では、ゲート102A、102B以外の他の特徴は、配置100の限界寸法に対する加工の誤差の潜在的な影響を更に低減するように、屈曲部を含んでいてもよい。たとえば、図4に示すように、M1構造104A、104B、追加M1構造110、及び活性領域114A、114Bは小さな屈曲部を含んでいる。M1構造及び/又は活性領域の屈曲部は、厚肉構造から始まり、屈曲部が必要である切り欠きを切除して形成してもよいか、或いは、薄肉構造から始まり、屈曲部が必要な箇所を除いたすべての箇所の構造を拡大して形成してもよい。
【0041】
図6に、基板120上に形成されるような、ゲート102A上で移動した接触部106AとM1構造104Aを有する配置100の実施形態の横断面図を示す。図6に示すように、接触部106Aは絶縁層122を通して形成されている。接触部106Aは、ゲート102A及びM1構造104Aから少なくとも部分的に移動していてもよい。ゲート102Aの屈曲部(不図示)は、接触部とゲートとの十分な接続を提供しながら、ゲート102Aから接触部106Aを移動できる。接触部106AとM1構造104Aの移動によって、追加M1構造110はゲート102Aとゲート102Bの間に配置できる。
【0042】
図7に、基板上に形成されるような、屈曲部を備えたゲート上で移動した幾つかの接触部と金属層構造を有する配置200の実施形態の上面図を示す。図7は、図2A、図3、図4、及び図5に示す配置100を含むことが可能なより大きな配置を表す。参考までに、図7の配置200の一部として配置100を示している。配置200は、例えばGPUに使用されるフロップ配置(flop layout)であってもよい。配置200は幾つかのゲート102を含んでいてもよく、その幾つかは屈曲部108を含んでいる。簡略化のために、接触部、M1構造、及び活性領域は図7で参照番号が付されていない。ゲートの屈曲部及び接触部の使用によって、配置の大型化が抑制されるとともに、より高速でより信頼性のあるCPU又はGPUを製造可能なより密な配置が可能になることを配置200は示している。
【0043】
図7に1/2の屈曲部116を備えたゲート102’の実施形態を示す。ゲート102’は、別のゲート(例えば、ゲート102’’)に交差して連結していてもよい。ゲート102’が交差して連結しているため、ゲートは1/2すなわち半分の屈曲部の後で終端処理され、完全な屈曲部は必要でない。また、ゲート102’’は、ゲート上に中心が位置する接触部を備えたゲートの実施例である。よって、ゲートに部分的に重なる屈曲部及び接触部を備えたゲートと同一の配置は、ゲート上に中心が位置する接触部を備えたゲートを含んでいてもよいことを図7に示す実施形態は示している。また、幾つかの実施形態では、これらの異なったタイプのゲートと接触部は、互いに適切な近さで近接していてもよい。
【0044】
本発明の種々の態様の更なる修正実施形態及び代替実施形態は、本記載を鑑みて当業者には明らかとなろう。したがって、本記載は、例示的なものとしてのみ解釈すべきあって、本発明を実施する一般的な方法を当業者に教示することを目的とする。本明細書に示し記載した発明の形態は、現在の好適実施形態として受け取るべきと理解すべきである。要素と材料は本明細書に示し記載したものに置換してもよく、部品及びプロセスを逆にしてもよい。また、本発明の幾つかの特徴は独立して用いてもよい。これらすべては、本発明の本記載の利益を享受した後に当業者には明らかとなろう。以下の請求項に記載されているような本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、本明細書に記載した要素を変更してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上のゲートであって、該ゲートの1つの側壁が少なくとも1つの突出部を有し、前記ゲートの反対側壁が少なくとも1つの凹部を有するゲートと、
前記ゲート上に実質的に配置された絶縁層と、
前記絶縁層を貫いて形成された接触部であって、前記ゲートの中の前記少なくとも1つの突出部に少なくとも部分的に重なった接触部と、
前記絶縁層上に配置された金属層であって、該金属層は前記ゲートの第1の側に移動した第1の構造を有し、前記接触部が前記絶縁層を通して該第1の構造を前記ゲートに電気的に連結するように、前記第1の構造は前記接触部に少なくとも部分的に重なっている金属層と、
を有する、半導体装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つの凹部とは、前記ゲートの長さの一部に沿って実質的に互いに対向している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記突出部と前記凹部とは、前記ゲートの前記長さのすべてではなく一部に沿って実質的に互いに対向している、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の構造は、前記ゲートの前記少なくとも1つの突出部に少なくとも部分的に重なっている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の構造は、前記ゲートに対向する該第1の構造の他の側の追加ゲートに重なっていない、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ゲートの前記少なくとも突出部及び前記ゲートの前記少なくとも1つの凹部は、前記金属層の第2の構造が前記ゲートと少なくとも1つの追加ゲートの間に配置されることを可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ゲートの前記第1の側とは反対側の該ゲートの第2の側に配置された前記金属層の第2の構造を更に有し、該第2の構造は前記第1の構造から電気的に絶縁されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の構造は前記ゲートに重なっていない、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の構造は、前記ゲートに対向する該第2の構造の前記側の追加ゲートに重なっていない、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記半導体基板上の追加ゲートを更に有し、該追加ゲートは、前記ゲートからは前記第2の構造の前記反対側に配置され、該第2の構造は前記ゲート又は前記追加ゲートに重なっていない、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記絶縁層に形成された少なくとも1つの追加接触部を更に有し、該追加接触部は、前記絶縁層を通して当該装置の活性領域を前記第2の構造に連結するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記ゲートの前記突出部と前記凹部は、CAD(コンピュータ支援設計)で設計されたパターンにより形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
半導体基板上にゲートを形成することであって、該ゲートの1つの側壁が少なくとも1つの突出部を有し、前記ゲートの反対側壁が少なくとも1つの凹部を有することと、
前記ゲート上に実質的に絶縁層を形成することと、
該絶縁層を通して接触部を形成することであって、該接触部は、前記ゲートの前記少なくとも1つの突出部に少なくとも部分的に重なることと、
前記絶縁層上に金属層を形成することであって、該金属層は前記ゲートの第1の側に移動した第1の構造を有し、前記接触部が前記絶縁層を通して該第1の構造を前記ゲートに電気的に連結するように、前記第1の構造は前記接触部に少なくとも部分的に重なることと、
を有する、半導体装置製造プロセス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つの凹部とを前記ゲートの長さの一部に沿って実質的に互いに対向するように形成することを更に有する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記突出部と前記凹部とは、前記ゲートの前記長さのすべてではなく一部に沿って実質的に互いに対向する、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記第1の構造が、前記ゲートに対向する該第1の構造の他の側の追加ゲートに重ならないように、前記第1の構造を配置することを更に有する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項17】
前記ゲートの前記第1の側とは反対側の該ゲートの第2の側に配置された前記金属層に第2の構造を形成することを更に有する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項18】
前記第2の構造が前記ゲートに重ならないように該第2の構造を配置することを更に有する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記第2の構造が、前記ゲートに対向する該第2の構造の他の側の追加ゲートに重ならないように、前記第2の構造を配置することを更に有する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項20】
前記半導体基板上に追加ゲートを形成することを更に有し、該追加ゲートは、前記ゲートからは前記第2の構造の前記反対側に配置され、該第2の構造は前記ゲート又は前記追加ゲートに重ならない、請求項17に記載のプロセス。
【請求項21】
前記絶縁層を通して当該装置の活性領域を前記第2の構造に連結するように、前記絶縁層に少なくとも1つの追加接触部を形成することを更に有する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項22】
CAD(コンピュータ支援設計)で設計されたパターンに基づき前記ゲートの前記突出部と前記凹部を形成することを更に有する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項23】
1以上の半導体装置を有する集積回路であって、該半導体装置の少なくとも1つは、
半導体基板上のゲートであって、該ゲートの1つの側壁が少なくとも1つの突出部を有し、前記ゲートの反対側壁が少なくとも1つの凹部を有するゲートと、
該ゲート上に実質的に配置された絶縁層と、
該絶縁層を通して形成された接触部であって、前記ゲートの前記少なくとも1つの突出部に少なくとも部分的に重なった接触部と、
前記絶縁層上に配置された金属層であって、該金属層は前記ゲートの第1の側に移動した第1の構造を有し、前記接触部が前記絶縁層を通して該第1の構造を前記ゲートに電気的に連結するように、前記第1の構造は前記接触部に少なくとも部分的に重なっている金属層と、
を有する、集積回路。
【請求項24】
複数の命令を格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記複数の命令を実行するときに、
半導体基板上のゲートであって、該ゲートの1つの側壁が少なくとも1つの突出部を有し、前記ゲートの反対側壁が少なくとも1つの凹部を有するゲートと、
該ゲート上に実質的に配置された絶縁層と、
該絶縁層を通して形成された接触部であって、前記ゲートの前記少なくとも1つの突出部に少なくとも部分的に重なった接触部と、
前記絶縁層上に配置された金属層であって、該金属層は前記ゲートの第1の側に移動した第1の構造を有し、前記接触部が前記絶縁層を通して該第1の構造を前記ゲートに電気的に連結するように、前記第1の構造は前記接触部に少なくとも部分的に重なっている金属層と、を有する半導体装置への供給に使用可能な1以上のパターンを生成する、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項25】
複数の命令を格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記複数の命令を実行するときに、
半導体基板上にゲートを形成することであって、該ゲートの1つの側壁が少なくとも1つの突出部を有し、前記ゲートの反対側壁が少なくとも1つの凹部を有することと、
前記ゲート上に実質的に絶縁層を形成することと、
該絶縁層を通して接触部を形成することであって、該接触部は、前記ゲートの前記少なくとも1つの突出部に少なくとも部分的に重なることと、
前記絶縁層上に金属層を形成することであって、該金属層は前記ゲートの第1の側に移動した第1の構造を有し、前記接触部が前記絶縁層を通して該第1の構造を前記ゲートに電気的に連結するように、前記第1の構造は前記接触部に少なくとも部分的に重なることと、を有する半導体プロセスに使用可能な1以上のパターンを生成する、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−503499(P2013−503499A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527900(P2012−527900)
【出願日】平成22年8月21日(2010.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/046254
【国際公開番号】WO2011/025718
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(591016172)アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド (439)
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
【Fターム(参考)】