説明

可視剤量表示システム、画像形成装置、画像形成システム、及び画像形成システムに用いられるプログラム

【課題】トナーの残量表示に対する使用者の違和感を軽減することができると共に、現像剤容器の空状態の検知の精度を保つことのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】所定の時期にトナー搬送パイプ52をトナーカートリッジ60から移送されるトナーTで満たす充填動作を実行する螺旋状のコイル53と、トナー供給装置50の動作量に基づいてトナー残量率を算出し、該トナー残量率に基づいてトナーカートリッジ60の残量表示を行うように制御すると共に、螺旋状のコイル53により充填動作が実施された場合にはトナー残量率に関わらず強制的に満量を示す状態を残量表示として表示するように制御する制御装置90と、該制御装置90の制御に基づいて残量表示を行う表示パネル200を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視剤量表示システム、画像形成装置、画像形成システム、及び画像形成システムに用いられるプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ等の画像形成装置において、トナーやインク等の可視剤を画像形成装置から脱着可能な容器に収容させて、容器に収容された可視剤が無くなると、可視剤が収容された新しい容器に交換する画像形成装置が知られている。
【特許文献1】特開2002−357945号公報
【特許文献2】特開平05−127522号公報
【特許文献3】特開2004−354463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、画像形成装置においては、可視剤が収容された新しい容器を装着した場合に、未だ1枚も画像形成していない状態であるにも関わらず、可視剤の残量表示が「満量」でなくなることがあり、使用者に違和感を抱かせる虞があった。
【0004】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、可視剤の量を把握しつつ使用者の初回の違和感を無くすことができる可視剤量表示システム、画像形成装置、及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る可視剤量表示制御システムは、記録媒体に可視像を形成させる動作に伴って減少する可視剤が収容される第1の収容器と、前記第1の収容器へ可視剤を供給させる動作に伴って減少する可視剤が収容され、前記第1の収容器を備えた所定の装置に対して脱着可能に構成された第2の収容器と、前記第2の収容器に収容される可視剤の量を把握する把握手段と、前記把握手段で把握された前記第2の収容器の可視剤の量を表示させる表示手段と、前記第2の収容器に収容された可視剤を前記第1の収容器に供給させる初回の供給動作によって減少した可視剤を除いた残りの可視剤の量を前記把握手段で把握させ、前記初回の供給で減少した可視剤の量に係わらず前記表示手段に満量を表示させるように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2の発明に係る可視剤量表示システムは、前記制御手段は、前記初回の供給の後、前記表示手段で表示させる前記第2の収容器の可視剤の量を、前記把握手段で把握される前記第2の収容器の可視剤の量へ徐々に近づけるように制御することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3の発明に係る可視剤量表示システムは、前記制御手段は、前記把握手段で把握される前記第2の収容器の可視剤の量が前記第1の収容器へ当該可視剤を供給不能な量となった際には、前記表示手段で表示させる前記第2の収容器の可視剤の量が無しを示す表示となるように制御されることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4の発明に係る可視剤量表示システムは、前記把握手段は、前記初回の供給で減少した可視剤の量を把握し、前記制御手段に伝達することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5の発明に係る可視剤量表示システムは、前記第2の収容器の可視剤を前記第1の収容器へ供給させる可視剤供給装置を備え、前記把握手段は前記可視剤供給装置の動作量にて前記初回の供給で減少した可視剤の量を把握することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6の発明に係る可視剤量表示システムは、前記可視剤供給装置は前記第2の収容器から前記第1の収容器へ可視剤を供給させる供給路を備え、前記供給路と前記第1の収容器を加えた容積よりも前記第2の収容器の容積の方が小さいことを特徴とする。
【0011】
また、請求項7の発明に係る画像形成装置は、記録媒体に可視像を形成させる動作に伴って減少する可視剤が収容される第1の収容器と、前記第1の収容器へ可視剤を供給させる動作に伴って減少する可視剤が収容され脱着可能に構成された第2の収容器と、前記第2の収容器に収容される可視剤の量を把握する把握手段と、前記第2の収容器に収容された可視剤を前記第1の収容器に供給させる初回の供給動作によって減少した可視剤を除いた残りの可視剤の量を前記把握手段で把握させ、前記初回の供給で減少した可視剤の量に係わらず前記第2の収容器の可視剤の量を表示させる表示手段に満量を表示させるように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項8の発明に係る画像形成装置は、画像情報に応じた静電潜像が形成される像保持体と、該像保持体に形成される前記静電潜像をトナーによって可視像化する現像装置と少なくともトナーを有する現像剤を収容する現像剤容器と、前記現像剤を現像剤搬送路を介して前記現像剤容器から前記現像装置に供給する現像剤供給装置と、所定の時期に前記現像剤搬送路を前記現像剤容器から移送される現像剤で満たす充填動作を実行する現像剤搬送路充填手段と、前記現像剤供給装置の動作量に基づいてトナー残量率を算出し、該トナー残量率に基づいて前記現像剤容器の残量表示を行うように制御すると共に、前記現像剤搬送路充填手段により充填動作が実施された場合には前記トナー残量率に関わらず強制的に満量を示す状態を残量表示として表示するように制御する残量表示制御手段と、該残量表示制御手段の制御に基づいて残量表示を行う表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項9の発明に係る画像形成装置は、前記トナー残量率は、次式 トナー残量率(%)=((警告閾値−第一の動作量)/(警告閾値−第二の動作量))×100
(ただし、第一の動作量は前記現像剤供給装置の現像剤供給動作量の累積値、第二の動作量は前記充填動作の動作量、警告閾値は現像剤が空になるときの前記現像剤供給装置の動作量)によって算出されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項10の発明に係る画像形成装置は、前記警告閾値、前記第一の動作量および前記第二の動作量を書き換え可能に記憶保持する記憶手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項11の発明に係る画像形成装置は、前記所定の時期は、前記画像形成装置が設置されて最初に電源が投入された時であることを特徴とする。
【0016】
また、請求項12の発明に係る画像形成装置は、前記現像剤容器のトナーが空状態か否かを検知する空状態検知センサと、前記現像剤容器が未使用状態か否かを確認する現像剤容器確認手段とを備え、前記所定の時期は、前記空状態検知センサにより前記現像剤容器が空状態であると検知され、且つ前記現像剤容器確認手段により前記現像剤容器が未使用状態であると確認されたときであることを特徴とする。
【0017】
また、請求項13の発明に係る画像形成装置は、前記像保持体に対向させてトナー濃度を検知する濃度センサが設けられ、前記現像剤容器が未使用状態か否かを確認する現像剤容器確認手段を備え、前記所定の時期は、前記濃度センサにより検知されるトナー濃度に基づいて前記現像剤容器のトナーの空状態が検出され、且つ前記現像剤容器確認手段により前記現像剤容器が未使用状態であると確認されたときであることを特徴とする。
【0018】
また、請求項14の発明に係る画像形成装置は、前記現像剤容器は、トナーの残量状態に関する情報を記憶する状態記憶手段を備え、前記現像剤容器確認手段は、前記状態記憶手段から読み取った情報に基づいて前記現像剤容器が未使用状態か否かを確認することを特徴とする。
【0019】
また、請求項15の発明に係る画像形成装置は、前記状態記憶手段は、前記トナーの残量状態に関する情報に加えて、前記警告閾値、前記第一の動作量および前記第二の動作量を記憶することを特徴とする。
【0020】
また、請求項16の発明に係る画像形成システムは、記録媒体に可視像を形成させる動作に伴って減少する可視剤が収容される第1の収容器と、前記第1の収容器へ可視剤を供給させる動作に伴って減少する可視剤が収容され脱着可能に構成された第2の収容器と、前記第2の収容器に収容される可視剤の量を把握する把握手段とを備えた画像形成装置と、前記把握手段で把握された前記第2の収容器の可視剤の量を表示させる表示手段を備えた計算機と、前記画像形成装置又は前記計算機に設けられ、前記第2の収容器に収容された可視剤を前記第1の収容器に供給させる初回の供給動作によって減少した可視剤を除いた残りの可視剤の量を前記把握手段から把握し、前記初回の供給で減少した可視剤の量に係わらず前記表示手段に満量を表示させるように制御する制御手段と を有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項17の発明に係る画像形成システムに用いられるプログラムは、記録媒体に可視像を形成させる動作に伴って減少する可視剤が収容される第1の収容器と、前記第1の収容器へ可視剤を供給させる動作に伴って減少する可視剤が収容され脱着可能に構成された第2の収容器と、前記第2の収容器に収容される可視剤の量を把握する把握手段と、を備えた画像形成装置と、前記把握手段で把握された前記第2の収容器の可視剤の量を表示させる表示手段を備えた計算機とを備え、前記画像形成装置又は前記計算機に設けられ、前記第2の収容器に収容された可視剤を前記第1の収容器に供給させる初回の供給動作によって減少した可視剤を除いた残りの可視剤の量を前記把握手段から把握し、前記初回の供給で減少した可視剤の量に係わらず前記表示手段に満量を表示させるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0023】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、可視剤の量を把握しつつ使用者の初回の違和感を無くすことができる。
【0024】
また、請求項2に記載の発明によれば、所定の装置の使用状態に反して可視剤の量が急激に減少することがなく使用者の違和感を継続して無くすことができる。
【0025】
また、請求項3に記載の発明によれば、使用者の初回の違和感を無くしつつ可視剤が供給不能な量となった際には第2の収容器の可視剤の量を使用者に正確に伝えることができる。
【0026】
また、請求項4に記載の発明によれば、初回の供給量が異なる場合であっても可視剤の量を正確に把握しつつ使用者の初回の違和感を無くすことができる。
【0027】
また、請求項5に記載の発明によれば、新たな検知手段を追加することなく初回の供給で減少した可視剤の量を把握することができる。
【0028】
また、請求項6に記載の発明によれば、初回の供給で減少する可視剤の量が多い形態の装置であっても使用者に全く違和感を抱かせることを無くすことができる。
【0029】
また、請求項7に記載の発明によれば、可視剤の量を把握しつつ使用者の初回の違和感を無くすことができる。
【0030】
また、請求項8に記載の発明によれば、画像形成装置が新品であるとき、現像剤搬送路内を充填するためにトナーを消費した場合でも、使用者に通知する残量表示は強制的に満量を示す状態(例えば、「100%」等と表示する)とすることができるので、トナーの残量表示に対する使用者の違和感を有効に軽減することができる。また、現像剤供給装置の動作量に基づいてトナー残量率を算出し、そのトナー残量率に基づいて現像剤容器の残量表示を行うので、トナーの空状態の検知の精度を保持することができると共に使用者に対して的確なタイミングでトナーの空状態を報知することが可能となる。
【0031】
また、請求項9に記載の発明によれば、トナー残量率を精度良く算出することができ、トナーの空状態の検知の精度を一層向上させることができる。
【0032】
また、請求項10に記載の発明によれば、充填動作時における現像剤の実際の使用量により近い情報が動作量として把握されるようになり、トナーの残量表示に対する使用者の違和感を有効に軽減することができる。
【0033】
また、請求項11に記載の発明によれば、最初の電源投入時に、現像剤搬送路充填手段による充填動作が実施され、トナー残量率に関わらず強制的に満量を示す状態を残量表示として表示することができ、トナーの残量表示に対する使用者の違和感を有効に軽減することができる。
【0034】
また、請求項12に記載の発明によれば、空状態検知センサ(例えば透磁率センサ)により現像剤容器が空状態であると検知され、且つ現像剤容器確認手段により現像剤容器が未使用状態であると確認されたときに、現像剤搬送路充填手段による充填動作が実施され、トナー残量率に関わらず強制的に満量を示す状態を残量表示として表示することができ、トナーの残量表示に対する使用者の違和感を有効に軽減することができる。
【0035】
また、請求項13に記載の発明によれば、濃度センサにより検知されるトナー濃度に基づいて現像剤容器のトナーの空状態が検出され、且つ現像剤容器確認手段により現像剤容器が未使用状態であると確認されたときに、現像剤搬送路充填手段による充填動作が実施され、トナー残量率に関わらず強制的に満量を示す状態を残量表示として表示することができ、トナーの残量表示に対する使用者の違和感を有効に軽減することができる。
【0036】
また、請求項14に記載の発明によれば、現像剤容器が未使用状態か否かを確実に判別することができ、的確な時期に満量を示す状態を残量表示として表示することができ、トナーの残量表示に対する使用者の違和感を有効に軽減することができる。
【0037】
また、請求項15に記載の発明によれば、現像剤容器を途中で取り外した後にそれを再装着した時や、現像剤容器を交換した時に各容器の現像剤供給装置の動作量を確実に把握することができる。また、収容されている現像剤の量の異なる現像剤容器が存在する場合には、その各現像剤の収容量に応じた適切な残量表示を行うことができる。
【0038】
また、請求項16に記載の発明によれば、システムとしては可視剤の量を把握しつつ使用者が自身の計算機の前で初回の違和感を感じることを無くすことができる。
【0039】
また、請求項17に記載の発明によれば、システムとしては可視剤の量を把握しつつ使用者が自身の計算機の前で初回の違和感を感じることを無くすことを後から付加したり変更したりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0041】
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置としてのフルカラープリンタを示す全体構成図、図2の(a)はトナーカートリッジ、トナー供給装置および現像装置を示す概略断面図、(b)は(a)のA−A線断面図、図3はトナー供給装置からトナーカートリッジを取り外した状態を示す概略断面図、図4はトナー残量率算出処理の処理手順を示すフローチャート、図5はトナー残量のレベルメータの推移を示すグラフ、図6はトナーの残量推移を示すグラフ、図7はトナー補給およびトナーカートリッジ状況管理を行う制御系の構成を示すブロック図、図8は表示パネルの表示例を示す説明図、図9はトナーの残量表示の推移状態の表示例を示す説明図、図10は設置シーケンス処理の処理手順を示すフローチャート、図11はトナー空状態リカバリ動作処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【0042】
まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の一例であるフルカラープリンタPの概略構成について説明する。
【0043】
このフルカラープリンタPは、その筐体1内に、可視剤として例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成する作像ユニット10と、この作像ユニット10に記録媒体として例えば記録用紙20を供給する給紙ユニット30と、この給紙ユニット30から供給した記録用紙20に作像ユニット10の通過時に転写される各トナー像を定着させる定着ユニット40と、作像ユニット10の各現像装置(第1の収容器の一例)に各色のトナーを補給する4つのトナー供給装置(第2の収容器、及び現像剤供給装置の一例)50(Y,M,C,K)とが主要部として配置されている。各装置は、下方側に配設される電源装置95から電源が供給されると共に、マイクロコンピュータ等で構成される制御装置90によりプリント動作時等の制御が行われる。なお、本実施の形態においては、制御装置90は残量表示制御手段を兼ねている。但し、制御装置90とは別途に残量表示制御手段として例えば1チップマイクロコンピュータ等を独立して設けるようにしてもよい。
【0044】
作像ユニット10は、前記イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を専用に形成するための感光ドラム11Y,11M,11C,11Kを上下方向に一定の間隔をもって配置し、その各感光ドラム11(Y,M,C,K)の周りに、その各感光ドラム11(Y,M,C,K)の表面を接触した状態で帯電させる帯電ローラ12(Y,M,C,K)と、その各感光ドラム11(Y,M,C,K)に現像剤(トナー)を供給する現像装置14(Y,M,C,K)とを有する作像ユニット10とを上下方向に一定の間隔をもって配置している。
【0045】
ここで、各感光ドラム11(Y,M,C,K)は、有機感光材料等からなる感光層が形成されたドラム状の回転体であり、図1においては反時計回りに回転駆動するようになっている。なお、前記各帯電ローラ12(Y,M,C,K)には、前記電源装置95から所定の帯電用電圧がそれぞれ供給されている。
【0046】
特に限定はされないが、前記各現像装置14(Y,M,C,K)は、トナーTおよびキャリアからなる二成分現像剤を使用して磁気ブラシ接触型現像を行う二成分現像装置とすることができ、その装置内に収容される二成分現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材(図示省略)と、この攪拌搬送部材により搬送される二成分現像剤を保持して各感光ドラム11(Y,M,C,K)と対向する現像域に搬送する現像ローラ15(Y,M,C,K:図2参照)等で構成されている。
【0047】
各現像ローラ15(Y,M,C,K)は何れも、例えば回転する円筒状のスリーブとそのスリーブの内部に配置されるマグネットローラとから構成され、そのスリーブには電源装置95から所定の現像バイアスがそれぞれ供給されるようになっている。
【0048】
また、作像ユニット10は、各感光ドラム11(Y,M,C,K)の帯電ローラ12(Y,M,C,K)と現像装置14(Y,M,C,K)の間に対し、前記イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の静電潜像を画像信号に応じて形成する各レーザビーム光LBを光学系(図示省略)を介して各感光体ドラム11(Y,M,C,K)の表面にそれぞれ照射する露光装置13が配置されている。露光装置13に対しては、このプリンタPに接続されるパーソナルコンピュータ等の外部接続機器から入力される画像情報等が制御装置90における画像処理装置により処理された後に、正式な画像信号として入力される。
【0049】
さらに、作像ユニット10には、各感光ドラム11(Y,M,C,K)で形成されるトナー像を記録用紙20に転写するための転写装置100が配置されている。この転写装置100は、4つの感光ドラム11のうちで2つの感光体ドラム11Y,11Mに接触する第1の一次中間転写ドラム21と、他の2つの感光ドラム11C,11Kに接触する第2の一次中間転写ドラム22と、この第1の一次中間転写ドラム21と第2の一次中間転写ドラム22に同時に接触する二次中間転写ドラム23と、この二次中間転写ドラム23に接触する最終転写ドラム24とでその主要部が構成されている。
【0050】
この転写装置100において、一次中間転写ドラム21,22は何れも、円筒状のローラ芯材の表面に導電性シリコンゴム等からなる弾性ゴム層を形成した構造のものであり、図1においては時計回りに回転駆動する。二次中間転写ドラム23は、円筒状のローラ芯材の表面に導電性シリコンゴム等からなる弾性ゴム層を形成すると共にフッ素ゴム等からなる離型層を形成したものであり、反時計回りに回転駆動する。また、最終転写ドラム24は、ローラ芯材にウレタンゴム等からなる被覆層を形成した構造のものであり、図1においては時計回りに回転自在に取り付けられている。
【0051】
さらに、各中間転写ドラム21、22および23には電源装置95から所定の各一次転写用電圧や二次転写用電圧がそれぞれ供給されており、また、最終転写ドラム24には電源装置95から所定の三次転写用電圧が印加されている。なお、各中間転写ドラム21、22、23には、その表面に付着するトナー等の不要付着物を除去するための図示しない清掃部材が表面に対向する位置に配設されている。
【0052】
給紙ユニット30は、筐体1の前方側(図1では右側)に引き出し可能に装着された、複数枚の記録用紙20を積載して収容する用紙トレイ31と、この用紙トレイ31に収容されている記録用紙20をその最上部から1枚ずつ送り出すローラ式の用紙送出装置32等から構成されている。
【0053】
定着ユニット40は、回転駆動するように支持されると共に加熱ランプあるいはハロゲンヒータ等の発熱体がローラの中空内に設置された加熱ローラ41と、この加熱ローラ41に圧接された状態で回転するように支持された加圧ローラ42と、用紙排出ローラ43とから構成されている。
【0054】
なお、図1中の一点鎖線101は、記録用紙20の用紙搬送路を示す。この用紙搬送路101は、複数の用紙搬送ローラ35、37、レジストローラ36、用紙搬送ガイド(図示省略)等を配設することで形成されている。また、筐体1の上部には、定着後に筐体1内から排出される記録用紙20を積載した状態で収容する傾斜曲面からなる排紙部1aが設けられている。
【0055】
また、筐体1の上部の前面側(図1上は右側)には、操作部を兼ねる表示パネル200が配設されている。なお、特に限定されるものではないが、表示パネル200は例えば液晶表示装置等が適用される。また、操作部は感圧式の液晶パネル(いわゆるタッチパネル)を用いた操作方式とすることもできるが、押しボタン式のものとしてもよい。
【0056】
また、詳しくは図10,図11を参照して後述するが、トナーの残量表示は、この表示パネル200を用いて例えば満量の状態からトナーが徐々に消費されて減っていく状態を表現できる棒グラフ状のレベルメータ200kとして表示される。但し、これに限定されるものではなく、円グラフ状のレベルメータなどトナーの残量を視覚的に使用者に報知できる形態であれば如何なる表現形式であってもよい。
【0057】
また、筐体1の前面側の下部には、主電源のオン・オフを行う電源スイッチSが配設されている。
【0058】
ここで、前記4つのトナー供給装置50(Y,M,C,K)は図1から図3に示すように、前記イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーがそれぞれ収容された円筒状のトナーカートリッジ(現像剤容器)60Y,60M,60C,60Kを着脱可能に保持すると共にその各トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)内のトナーを一時的に貯留するホルダー51Y,51M,51C,51K(図2(a)参照)と、この各ホルダー51(Y,M,C,K)と各現像装置14(Y,M,C,K)の間を接続するように配置されるトナー搬送パイプ52Y,52M,52C,52Kと、各ホルダー51(Y,M,C,K)内に貯留されるトナーを各トナー搬送パイプ52(現像剤搬送路)側に送り込む現像剤搬送路充填手段としての螺旋状コイル53(Y,M,C,K)と、この各トナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)内に送り込まれるトナーを現像装置14(Y,M,C,K)側に向けて搬送する螺旋状の搬送部材54Y,54M,54C,54K(図2(a)参照)等から構成されている。
【0059】
なお、図2aに示すように、各現像装置14(Y,M,C,K)には開口部14aが設けられ、現像ローラ15(Y,M,C,K)の一部がその開口部14aから露出するようになっている。
【0060】
また、トナーカートリッジ60Y,60M,60C,60Kは、通常、フルカラープリンタP本体のホルダー51等に対して着脱自在に装着して使用する着脱交換式の形態のものであるが、その形態等については特に限定されるものではない。また、このトナーカートリッジに収容される現像剤は、通常、トナーおよびキャリアからなる二成分現像剤のうちのトナーであるが、トナーとキャリアの混合物であってもよく、最終的にはその現像剤の供給先である現像装置において補給すべき要求条件に応じて選定することができる。
【0061】
また、トナー供給装置50におけるトナー搬送パイプ52は、トナーカートリッジ60Y,60M,60C,60Kと現像装置14(Y,M,C,K)との間に介在するものであればよく、その形態等については特に限定されるものではない。
【0062】
また、トナー搬送パイプ52としては、例えば、トナーカートリッジ内の現像剤を一旦貯留する貯留部を設け、この貯留部と現像装置14(Y,M,C,K)との間に介在するように配置されるものが挙げられる。トナー供給装置50は、通常、このトナー搬送パイプ52の通路内に現像剤送り部材(例えば、螺旋状コイルや螺旋状の小径スクリュー等)を配置し、その現像剤送り部材を電動モータ等の回転駆動装置により回転駆動させるように構成される。現像剤送り部材は、前記貯留部を設ける場合、その貯留部と現像剤搬送路の双方に配置するが、その現像剤搬送路が現像剤送り部材に頼らず現像剤の搬送ができる形態であれば貯留部内のみに配置してもよい。
【0063】
また、後述する表示パネル200は、使用者に対して残量を視覚的に伝達できるものであればよく、その形態等については特に限定されるものではないが、使用者の視認性等を考慮して例えば棒グラフ状あるいは円グラフ状のレベルメータ等として表示することが好ましい。
【0064】
各トナー供給装置50(Y,M,C,K)におけるホルダー51(Y,M,C,K)は何れも、円筒状のトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の下半分を保持するほぼ半円筒状の形状からなるホルダー本体部51aと、このホルダー本体部51aの下方側に突出するように形成されるトナー貯留部51bとから構成されている。この各ホルダー本体部51aの一端部側には、トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)が装着されているか否かを検知するトナーカートリッジ装着検知センサ55(Y,M,C,K)がそれぞれ取り付けられている。また、このトナー貯留部51bには、トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)から排出されて貯留されるトナーが存在するか否かを検知するトナー検知センサ56(Y,M,C,K)がそれぞれ取り付けられている(図2(b)参照)。
【0065】
図2(a)において、螺旋状のコイル53は、回転軸にトナー送り羽根を螺旋状に巻きつけた状態で構成されるものであり、トナー貯留部51bの底部空間内に回転可能に取り付けられている。また、螺旋状のコイル53は、図2に示すように、ディスペンス用のモータ57(Y,M,C,K)の回転動力が所定の減速ギア列58(Y,M,C,K)を介して伝達されることにより回転する。このディスペンス用のモータ57としては、ステッピングモータが使用されるが、必要に応じてDCモータやACモータ等の他の形式のモータを使用してもよい。
【0066】
トナー搬送パイプ52は、柔軟性を備える樹脂製パイプからなるものであり、その一端部が各ホルダー51(Y,M,C,K)の貯留部51bのトナー送出口51cに接続され、その他端部が各現像装置14(Y,M,C,K)のトナー受入口14bに接続されている。
【0067】
螺旋状の搬送部材54は、トナー搬送パイプ52の内部に挿入して回転し得るように、金属製の線材をトナー搬送パイプ52の内径よりも小さい巻径でかつ所定のピッチで螺旋状に巻いてなるもの(いわゆるコイル螺旋状のコイル)である。また、この螺旋状の搬送部材54は、その一端部が前記螺旋状のコイル53の先端部と連結され、その他端部が自由端となっており、前記螺旋状のコイル53の回転に伴って同時に回転するようになっている。
【0068】
トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)は、図2および図3に示すように、トナー供給装置50(Y,M,C,K)のホルダー51(Y,M,C,K)に着脱可能に装着して使用される形式のものである。具体的には、一端部側の下部面にトナー排出口62が形成された円筒状のボトル本体61と、そのボトル本体61の両端部の開口を塞ぐ蓋体63,64と、この蓋体63,64に回転可能に支持され、ボトル本体61の内部でトナーTを排出口61に向けて搬送するように回転するアジテータ65(本実施の形態では、回転支持体65aの先端部にボトル内面に接触するフィルム65bを取り付けたもの:図2(b)参照)等から構成されている。
【0069】
前記アジテータ65は、その一端部に取り付けられたギア67が前記減速ギア列58の一部と噛み合い、前記ディスペンス用のモータ57の回転駆動力が伝えられることにより回転するようになっている。また、各トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)は、筐体1の前記排紙部1aに取り外し可能に取り付けられている蓋(図示省略)を取り外した状態で、その下方に露出する各トナー供給装置50(Y,M,C,K)のホルダー51(Y,M,C,K)に載置した状態で装着させるように構成されている。
【0070】
また、本実施の形態に係るフルカラープリンタPでは、図2および図3に示すように、トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の状況管理を行うための記憶手段として、前記各不揮発性メモリ80(Y,M,C,K)には、予めトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)ごとに個別に設定される警告閾値(トナーライフ閾値ともいう)W(Y,M,C,K)がそれぞれ記憶保持されている。
【0071】
ここで、前記記憶手段は、警告閾値およびトナー供給装置50のトナー供給時における動作の量を累積して書き換え可能に記憶保持するのに適したものであればよく、その形式、形態等については特に限定されないが、記憶保持の観点から不揮発性の記憶素子(例えば、フラッシュメモリ等)であることが好ましい。
【0072】
また、この記憶手段は、フルカラープリンタP本体側にのみ設置してもよいが、本体側に加えて、または本体側の記憶手段に代えてトナーカートリッジ60側に取り付ける記憶手段(状態記憶手段)を併用することが好ましい。すなわち、トナーカートリッジ60として複数種のものを使用するフルカラープリンタP等においては、例えば、その各トナーカートリッジ60ごとに固有の情報を記憶させて、その記憶情報を識別情報として利用するために、それらの各トナーカートリッジ60側に記憶手段が個別に取り付けられることが多いので、そのトナーカートリッジ60側の記憶手段の機能を活用することが望ましい。
【0073】
また、その各メモリ80(Y,M,C,K)には、トナー供給装置50(Y,M,C,K)の動作量(第一の動作量)m1(Y,M,C,K)が所定のカウント値として累積的に書き込まれ、また、充填動作の動作量(第二の動作量)m2(Y,M,C,K)が動作時間として累積的に書き込まれるようになっている。
【0074】
ここで、警告閾値Wはトナーが空になるときのトナー供給装置50(Y,M,C,K)の動作量を、第一の動作量m1はトナー供給装置50(Y,M,C,K)のトナー供給動作量の累積値を、第二の動作量m2は所定の時期(例えば、最初の電源投入時等)にトナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)をトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)から移送されるトナーで満たす充填動作を実行する螺旋状のコイル53(Y,M,C,K)による充填動作の動作量をそれぞれ示している。
【0075】
なお、ここでいう最初の電源投入時とは、フルカラープリンタP本体が未だ稼働歴のない新品である場合の最初の電源投入時、メンテナンスなどでトナー搬送パイプ52を交換した後あるいはトナー搬送パイプ52を一旦取り外して清掃を行った後の最初の電源投入時などを含む。
【0076】
また、この各不揮発性メモリ80(Y,M,C,K)に記憶されている情報の読み出しやその各メモリ80(Y,M,C,K)への情報の書き込み(書き換え)をそれぞれ行うための非接触式のメモリ読み書き装置(現像剤容器確認手段)81(Y,M,C,K)がトナー供給装置50等の所定部位に設置されている。
【0077】
このメモリ読み書き装置81(Y,M,C,K)は、読み書き用のヘッド部81aを備え、トナー供給装置50(Y,M,C,K)のホルダー51(Y,M,C,K)には、ヘッド部81aと対向する部位に開口部51eが形成されている。
【0078】
前記メモリ80とメモリ読み書き装置81(Y,M,C,K)は、図7に示すように前記制御装置90に接続されている。これにより、各不揮発性メモリ80(Y,M,C,K)に記録保持されている情報の読み出し情報を制御装置90に入力したり、あるいは、制御装置90から出される必要な情報をその各メモリ80(Y,M,C,K)に書き込むようになっている。
【0079】
なお、この実施の形態では、メモリ読み書き装置81として、不揮発性メモリ80との間で無線方式(具体的にはRFID、電磁結合方式)により非接触で読み書きが可能な方式のものを適用しているが、接触方式のものを適用してもよい。
【0080】
ここで、トナー残量率の算出の仕方について説明する。
【0081】
本実施の形態では、前記の警告閾値W、第一の動作量(動作時間)m1および第二の動作量(動作時間)m2に基づいて、トナー残量率を、次に示す式1
【0082】
トナー残量率(%)=((W−m1)/(W−m2))×100・・・・式1
【0083】
によって算出している。
なお、トナー供給装置50の動作量としては、動作時間や動作状態(例えば、回転数等)などの要素が挙げられる。
【0084】
ここで、このフルカラープリンタPが新品の時は、トナーカートリッジ60から現像装置14までトナーTを搬送するトナー搬送パイプ52内にはトナーTが無い状態であるので、装置の起動時にトナーTをトナー搬送パイプ52内に充填させるトナー充填動作(設置シーケンスあるいはリカバリ動作処理ともいう)が必要となる。そのときのトナー供給装置50の駆動時間(充填動作時間)を第二の動作時間m2とする。そして、その後のプリント動作によって消費したトナーTを補給するためのトナー供給装置50の駆動時間を第一の動作時間m1とする。
【0085】
次に、トナー残量率の算出手順を図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0086】
まず、トナー残量率算出処理が開始されるとステップS10で、トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の各不揮発性メモリ80(Y,M,C,K)から情報が読み出される。より具体的には、メモリ読み書き装置81(Y,M,C,K)によって各不揮発性メモリ80(Y,M,C,K)に格納されている警告閾値W(Y,M,C,K)と、トナー供給装置50(Y,M,C,K)の動作量(第一の動作量)m1(Y,M,C,K)に相当する動作時間と、充填動作の動作量(第二の動作量)m2(Y,M,C,K)に相当する動作時間がそれぞれ読み出される。
【0087】
次いで、ステップS11に移行して、前記各情報が前記式1に代入されてトナー残量率(%)が算出され、ステップS12に移行する。
【0088】
ステップS12では、算出されたトナー残量率が100を超えるか否かが判定され、超えていると判定された場合にはステップS13に進んで表示パネル200の棒グラフ状のレベルメータ200kにより「トナー残量100%」と表示して(図8,図9参照)、処理を終了する。一方、算出されたトナー残量率が100を超えないと判定された場合にはステップS14に移行して、算出されたトナー残量率が0未満か否かが判定される。
【0089】
そして、トナー残量率が0未満であると判定された場合にはステップS15に移行して表示パネル200の棒グラフ状のレベルメータ200kにより「トナー残量0%」と表示してから(図8,図9参照)、ステップS16に進み、表示パネル200のトナー補給表示200eを点灯させる(図8参照)などして使用者にトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の交換を促す表示を行った後、処理を終了する。
【0090】
一方、ステップS14でトナー残量率が0未満でないと判定された場合にはステップS17に移行して、算出されたトナー残量率に応じて表示パネル200の棒グラフ状のレベルメータ200kによる表示(例えば、「トナー残量80%」、「トナー残量10%等:図9参照)を行ってから処理を終了する。
【0091】
この算出結果をレベルメータの推移のグラフに表したものが図5である。なお、図6は残量推移の例を示すグラフである。
【0092】
図5において、通常ケース残量率とは、本発明のように式1により補正したトナー残量率を用いずに、例えばトナーセンサの検知結果のみに基づいてトナー残量率を求めた場合であり、初期消費ケースとは、現像剤搬送経路としてのトナー搬送パイプ52及び現像装置14の少なくとも一方にトナーを充填するためにトナーを消費するケース、すなわち、現像装置14とトナーカートリッジ60とがトナー搬送パイプ52等で接続されている場合は少なくともトナー搬送パイプ52にトナーを充填するためにトナーを消費するケースであり、現像装置14とトナーカートリッジ60とがトナー搬送パイプ52等を介さずに直接接続されている場合は現像装置14にトナーを充填するためにトナーを消費するケースであり、初期消費ケース残量率はトナーカートリッジ60の実際のトナー残量率に近い値を示す。補正後残量率は、上記式1により算出したトナー残量率をいう。なお、通常ケース残量率および初期消費ケース残量率は、前記式1において、第二の動作量が無い場合(トナー残量率(%)=((警告閾値−トナー供給装置の累積動作時間)/警告閾値)×100で算出される場合)に相当する。
【0093】
また、図6は、例えばトナーカートリッジ60のトナー容量が45グラムの場合の残量推移を例示している。したがって、トナーカートリッジ60のトナー容量が異なれば、残量推移の状態も変化することはいうまでもない。
【0094】
図5のグラフからわかるように1枚もプリントしていない状態において残量率は100%であり、後述する残量表示手段としての表示パネル200のトナー残量表示200kにおいて「トナー残量100%」と表示される(図9参照)。
【0095】
ここで、後述するように、新品の各トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)をトナー排出口62を開口状態にした後に、各トナー供給装置50(Y,M,C,K)のホルダー51のホルダー本体部51aに装着し、その各トナーカートリッジ60内のトナーTをホルダー51の貯留部51bを通して各トナー搬送パイプ52内に適度に充填させるためのトナー充填動作が行われる。したがって、このトナー充填動作によりトナーカートリッジ60内からトナーTが持ち出されるので、実際にはトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)のトナー残量は100%(満量)の状態ではなくなる。
【0096】
しかしながら、使用者の感覚からすると、1枚も印刷をしていない状態であるにも関わらず、トナー残量表示が例えば「80%」や「60%」と表示されると、「新品のトナーカートリッジを装着したのに、なぜ100%と表示されないのか?」といった違和感や不信感を抱く虞がある。そこで、本発明では、上記充填動作が行われた場合には、実際のトナー残量に関わらず、制御装置90の強制的な制御により、表示パネル200のトナー残量表示200kにトナー残量「100%」の状態を表示して、使用者の違和感等を有効に軽減できるようにしている。
【0097】
なお、このトナー充填動作は、原則的には、上記のようにフルカラープリンタP自体が新品のとき、または新品の各トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)を装着した際に行われるが、それ以外にも、例えばメンテナンスなどでトナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)を交換したり、トナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)を一旦取り外して清掃を行った場合などの作業後にもトナー充填動作(設置シーケンスあるいはリカバリ動作処理)が行われ、更には、トナー残量表示が0%を表示していたり、トナーカートリッジ60の交換警告を発しているにも係わらず、プリンタPを使用し続けた結果、トナー搬送パイプ52内のトナーが消費された場合などの過度のプリンタPの稼動後にもトナー充填動作が行われる。この場合には、後述するトナーカートリッジ状況管理において、装着されるトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)が新品であるか否かを判定し、トナー充填動作が行われ且つトナーカートリッジ60が新品である場合には、上記と同様に実際のトナー残量に関わらずトナー残量表示200kにトナー残量「100%」の状態を表示し、トナー充填動作が行われたが、トナーカートリッジ60は新品ではないと判定された場合(使いかけの場合)には、上記式1により算出されたトナー残量率に応じたトナー残量表示を行う。
【0098】
また、各トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)が装着された状態で、プリント枚数の累積により徐々にトナーTが消費されていくと、上記式1により算出されたトナー残量率(図5上の補正後残量率)に応じたトナー残量表示が行われる。
【0099】
ところで、図5のレベルメータの推移を表すグラフを見れば分かるように、プリント枚数が「0」の初期状態においては、通常ケース残量率および補正後残量率はともに「100%」からスタートするが、残量率が「0%」に到達する時点については、通常ケース残量率では約2400枚と実際に残量率が0%となる約2100枚との間に300枚程度のずれが生じる。これに対して、式1に基づいて算出される補正後の残量率では0%となる時点を約2100枚とすることができ、実際に残量率が0%となる時点とほぼ一致させることができ、トナーの空状態の検知の精度を保持することができる。
【0100】
なお、上記の充填動作を行うタイミング(時期)は、特に限定されるものではないが、例えば、フルカラープリンタP自体が新品である場合の最初の電源投入時(電源スイッチSの最初のオン操作時)とすることができる。また、メンテナンスなどでトナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)を交換した後あるいはトナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)を一旦取り外して清掃を行った後の最初の電源投入時とすることもできる。
【0101】
また、トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)におけるトナーの使い切りは、トナー検知センサ(空状態検知センサ)56(Y,M,C,K)が「トナー無し」を検知したことにより判別される。
【0102】
なお、特に限定されるものではないが、トナー検知センサ56としては、透磁率センサを用いることができる。透磁率センサを用いる場合には、例えば、現像装置14(Y,M,C,K)内またはその近傍に設けた透磁率センサの出力によりトナー濃度判定を行い、トナー濃度が所定濃度よりも低いと判定されたときにトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の「トナー無し」と判定する。
【0103】
ここで、上述のように透磁率センサによりトナーカートリッジ60が空状態であると検知され、且つ現像剤容器確認手段を構成するトナーカートリッジ60側の不揮発性のメモリ80とそのメモリの読み書き装置81によりトナーカートリッジ60が未使用状態(新品)であると確認されたときに、前記トナー充填動作を行うと共に、表示パネル200のトナー残量表示200kにトナー残量「100%」の状態を強制的に表示するようにできる。
【0104】
次に、図7のブロック図を参照して、トナー補給およびトナーカートリッジ状況管理を行う制御系の構成について説明する。
【0105】
なお、本実施の形態においては、トナー補給およびトナーカートリッジ状況管理を行う制御系は、プリンタの各部位を制御する制御装置90の一部として組み込まれているが、これに限定されるものではなく、トナー補給およびトナーカートリッジ状況管理を行う制御系を例えば別途配設する1チップマイクロコンピュータ等で構成し、制御装置90から独立させた構成とすることも可能である。
【0106】
ここで、マイクロコンピュータ等で構成される制御装置90は、制御プログラム等が記憶されるROMや、制御情報や各種情報が書き換え可能に記憶保持されるRAM等からなる記憶部91を具備している。
【0107】
また、この制御装置90には、フルカラープリンタPの主電源をオン・オフ操作する電源スイッチSや、筐体1に開閉するように取り付けられた作業用扉の開閉の有無を検知するインターロック開閉検知センサ18のほか、前記トナーカートリッジ装着検知センサ55(Y,M,C,K)、前記各トナー検知センサ56(Y,M,C,K)、濃度センサ29等がそれぞれ接続されている。
【0108】
そして、電源スイッチSの動作情報やトナーカートリッジ装着検知センサ55(Y,M,C,K)55,トナー検知センサ56(Y,M,C,K)から各検知情報が入力され、濃度センサ29から測定値が入力される。
【0109】
濃度センサ29は、感光ドラム11(Y,M,C,K)に対向して設置されている反射型濃度センサとすることができ、11(Y,M,C,K)上に作成した基準パッチを複数回にわたって薄いと検知した場合にトナーTが空状態であると判定するようにできる。
【0110】
そして、上記のように濃度センサ29からの検知情報に基づいてトナーTが空状態であると判定され、且つ現像剤容器確認手段を構成するトナーカートリッジ60側の不揮発性のメモリ80とそのメモリの読み書き装置81によりトナーカートリッジ60が未使用状態(新品)であると確認されたときに、前記トナー充填動作を行うと共に、表示パネル200のトナー残量表示200kにトナー残量「100%」の状態を強制的に表示するようにできる。
【0111】
すなわち、使用者によりトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の交換作業が実施されると、現像装置14(Y,M,C,K)内のトナー濃度(TC%)を正常範囲に戻す処理(リカバリ動作処理:図11のフローチャート参照)が必要であるため、トナー供給装置50(Y,M,C,K)を駆動してトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)からトナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)を介して現像装置14(Y,M,C,K)にトナーTを供給する。そして濃度センサ29で基準パッチの濃度の読み込みを所定の規準内に入るまで複数回繰り返し、正常にプリント動作を復帰させる。この動作の間のトナー供給装置50(Y,M,C,K)の駆動時間(充填動作時間)を第二の動作時間m2とし、その後のプリント動作によって消費したトナーTを補給するためのトナー供給装置50の駆動時間を第一の動作時間m1とする。そして、プリント動作を開始するまでは、トナー残量率を強制的に100%と表示すると共に、第一の動作時間m1および第二の動作時間m2を前記式1に代入してトナー残量率を算出し、そのトナー残量率に基づいて図10に示すようなトナー残量表示200kをプリント動作開始後に行うこととなる。これにより、使用者の違和感等を有効に軽減できると共に、トナーの残量表示およびトナーの空状態検知を精度良く行うことができる。
【0112】
一方、制御装置90には、ディスペンス用のモータ57(Y,M,C,K)の駆動を制御するディスペンス用モータ駆動制御部75(Y,M,C,K)およびメモリ読み書き装置81(Y,M,C,K)が接続され、所定の制御信号を送り出すようになっている。
【0113】
また、制御装置90には、表示手段としての表示パネル200が接続され、所定のタイミングで表示信号を送り出すようになっている。なお、表示手段としては上述のように通常は筐体1の所定部位に設置される表示パネル200が用いられるが、これに限られず、例えばこのフルカラープリンタPに接続される外部接続機器(パーソナルコンピュータ等の計算機)の表示部(表示ディスプレイ)等を利用するものであってもよい。
【0114】
なお、制御装置90は、全ての機能をフルカラープリンタPに設けても、又は、全ての機能を外部接続機器に設けても良く、更には、制御装置90の機能の内の一部をフルカラープリンタPに設け、制御装置90の機能の内の残りを外部接続機器に設けても良い。
【0115】
ここで、図8と図9を参照して表示パネル200の構成例並びに表示例について説明する。
【0116】
図8において、表示パネル200の左側から順に、倍率を表示する倍率表示200a、トレイの種類を表示する複写紙の用紙選択表示200b、用紙サイズを表示する用紙サイズ表示200c、用紙方向表示200d、トナー不足になると点滅してトナーの補給を促すトナー補給表示200e、紙詰まりの発生位置を報知する紙詰まり表示200f、電源スイッチSをオンにした後、複写機による複写が可能な状態になったことを文字にて発光表示するコピー可能表示200g、コピー可能表示200gが発光表示される前の状態を文字にて発光表示する待機表示200h、コピー枚数を表示するコピー枚数カウンタ200i、濃度のレベルを表示する濃度表示200j、トナーカートリッジの残トナーの量を棒グラフ状のレベルメータで表示するトナー残量表示200kなどが配置されている。
【0117】
なお、表示パネル200の所定表示部(例えば、倍率表示200a、用紙選択表示200b、用紙サイズ表示200c)に感圧式のスイッチを設け、使用者が指で触れることにより所要の設定を選択することができるように構成することができる。また、表示パネル200の近傍に別途設定ボタンを設け、それらの設定ボタンの操作により所要の設定を選択するようにしてもよい。
【0118】
また、図8に示す実施の形態では、トナー残量表示200kを一つだけ設け、例えば使用者が所定のボタン操作等を行うことにより残量を知りたいトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の残量情報を選択するようにできる。また、トナー残量表示200kを各色のトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)毎に計4つ並設するようにしてもよい。そのように構成した場合には、使用者は一度に各色のトナーの残量を知ることができ利便性を向上させることができる。
【0119】
次に、図9を参照して、トナー残量表示200kによる残量表示の推移状態の表示例について述べる。
【0120】
図9に示すように、前記式1によって算出されるトナー残量率に応じて、左側から順に、満量(トナー残量100%)→(トナー残量90%)→(トナー残量80%)・・・・(トナー残量10%)→(トナー残量5%)→トナーの空状態(トナー残量0%)へと棒グラフ状のレベルメータが順次下がる状態を表示して、使用者にトナーの減り具合を視覚的に報知する。
【0121】
なお、トナー残量の表示頻度(レベルの細かさ)は任意であり、より細かく(例えば、1%毎)表示しても良いし、あるいはより大雑把(例えば、100%→50%→20%→0%)に表示するようにしても良い。
【0122】
また、トナー残量表示200kの表示形態も棒グラフ状に限定されるものではなく、円グラフ状のレベルメータなどトナーの残量を視覚的に使用者に報知できる形態であれば如何なる表現形式であっても採用可能である。
【0123】
上記のように構成される本実施の形態に係るフルカラープリンタPによるフルカラー画像のプリントは、概略、次のように行われる。
【0124】
まず、作像ユニット10において4つの感光ドラム11(Y,M,C,K)が帯電ロール12(Y,M,C,K)により一様に帯電された後、その帯電された各感光ドラム11(Y,M,C,K)の表面に露光装置13からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応したレーザビーム光LBが別々に照射され、プリンタPへの入力情報に応じた各色の静電潜像が形成される。次いで、その各感光ドラム11(Y,M,C,K)上の各静電潜像は、各現像装置14(Y,M,C,K)によって現像され、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像として可視化される。
【0125】
続いて、各感光ドラム11(Y,M,C,K)上に形成された各色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム21および第2の一次中間転写ドラム22上に静電的に一次転写される。すなわち、感光ドラム11Y,11Mに形成されたイエロー、マゼンタの色のトナー像は第1の一次中間転写ドラム21上に、感光ドラム11C、11Kに形成されたシアン、ブラックの色のトナー像は第2の一次中間転写ドラム22上にそれぞれ転写される。これにより、第1の一次中間転写ドラム21上にはマゼンタ色のトナー像とイエロー色のトナー像とが形成され、一方、第2の一次中間転写ドラム22上にはシアン色のトナー像とブラック色のトナー像とが形成される。
【0126】
引き続いて、第1および第2の一次中間転写ドラム21、22上にそれぞれ形成された各トナー像は、二次中間転写ドラム23上に静電的に二次転写される。これにより、二次中間転写ドラム23上には、第1の中間転写ドラム21上のトナー像(イエロー、マゼンタ)と第2の中間転写ドラム22上のトナー像(シアン、ブラック)とがそれぞれ転写されて4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。 次いで、この4色のトナー像は、第2の二次中間転写ドラム23の回転に伴って最終転写ドラム24と圧接する最終転写部に向けて搬送される。
【0127】
この作像ユニット10でのトナー像の形成に合わせた所定のタイミングで、前記最終転写部にむけて給紙ユニット30から記録用紙20が供給される。すなわち、用紙トレイ31に収容された記録用紙20が、用紙送出装置32により1枚だけ用紙搬送路101に送り出されてレジストローラ36で一旦停止させられた後に、そのレジストローラ36により所定のタイミングで最終転写部に送り込まれる。これにより、二次中間転写ドラム23上の4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像は、この二次中間転写ドラム23と最終転写ドラム24の圧接部である最終転写部に送り込まれる記録用紙20に加圧された状態で静電的に三次転写される。
【0128】
次いで、この4色のトナー像が転写された記録用紙20は、定着ユニット40に送られ、その定着ユニットの加熱ローラ41と加圧ロールの間を通過することにより加熱加圧されて定着処理された後、排紙部1aに排出される。以上のような一連の画像形成プロセスが実行されることにより、記録用紙20上にフルカラー画像が形成される。
【0129】
次に、トナー補給の構成および動作について説明する。
【0130】
このフルカラープリンタPでは、上述したような画像形成プロセスを繰り返すことにより各現像装置14(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)内のトナーが消費されて減少するため、所定のタイミングで各トナー供給装置50(Y,M,C,K)による各色のトナーの補給(例えば消費された分に相当する量のトナー補給)がそれぞれ行われる。
【0131】
このフルカラープリンタPにおけるトナー補給は、まず基本的に、制御装置90内における画像処理装置等から露光装置13に送信される画像信号(ビデオ信号)の量をカウントし、そのカウント値に基づいて現像工程で消費されるトナーの量を予測し、その予測した情報に基づいて制御装置90の制御動作により行うように構成されている。すなわち、そのカウント値をトナー供給装置(Y,M,C,K)50におけるディスペンス用モータ57の補給用駆動量(回転数や回転時間)に換算した値(補給用駆動量)として算出したうえで、次のプリント動作(ジョブ)時に、その補給用駆動量に基づいてディスペンス用モータ57(Y,M,C,K)を所要の時間だけ駆動させることにより行われる。
【0132】
また、このトナー補給は、補助的に、濃度制御用の基準トナー像(パッチ)を各色ごとに感光ドラム11(Y,M,C,K)で形成した後に中間転写ドラム(例えば最終転写ドラム24)に転写させ、その転写ドラム上でパッチの画像濃度を図示しない光学式の濃度検出センサで計測し、その情報結果に基づいて前記トナー補給量を制御装置90の制御動作により更に適切な値に調整するように構成されている。すなわち、そのパッチ濃度の測定値を基準値と比較したうえで、その測定値が基準値を下回る(濃度が低い)場合には、次回以降のプリント動作時にトナー補給量(ディスペンス用モータ57の補給用駆動量)を所定割合で増やすように適宜配分して調整したうえで実際のトナー補給が実行される。反対に、その測定値が基準値を上回る(濃度が高い)場合には、次回以降のプリント動作時にトナー補給量を所定の割合で減らすように適宜配分して調整したうえで実際のトナー補給が実行される。このパッチ形成とその濃度測定は、累積プリント枚数が所定の枚数に達した段階等において行われる。
【0133】
そして、このトナー補給の要求(ディスペンス用モータ57の駆動要求)があると、各色のトナー供給装置50におけるディスペンス用モータ57が所定の駆動量分だけそれぞれ回転駆動する。
【0134】
これにより、各トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)に収容されている各色のトナーTが、そのアジテータ65の回転によりボトル本体61のトナー排出口62から各トナー供給装置50のホルダー51の貯留部51bに落下して貯留される。またこれと同時に、各ホルダー51の貯留部51bに貯留されている各トナーTが、ディスペンス用モータ57の回転駆動により回転する螺旋状のコイル53により各トナー搬送パイプ52に送り出された後、その各トナー搬送パイプ52内で螺旋状のコイル53と連動して回転する螺旋状の搬送部材(例えば線材を螺旋状に巻いてなるコイル螺旋状のコイル)54により搬送される。この結果、その各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーTは、各トナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)を介して現像装置14に補給される。
【0135】
なお、このトナーの補給を繰り返すことにより、トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)内のトナーTが無くなった場合には、その使い切った使用済みのトナーカートリッジ60をホルダー51から取り外し、そのホルダー51に新品のトナーカートリッジ60を装着することになる。
【0136】
次に、トナー充填動作およびトナーカートリッジ状況管理に関する構成について述べる。
【0137】
このフルカラープリンタPでは、その新品の段階で初めて使用するに先立って、以下のようなトナー充填動作(以下、単に「充填動作」あるいは「設置シーケンス」ともいう)が自動的に実行されるようになっている。
【0138】
まず、この設置シーケンスとは、基本的に、新品の各トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)を(トナー排出口62を開口状態にした後に)各トナー供給装置50(Y,M,C,K)のホルダー51のホルダー本体部51aに装着した後、その各トナーカートリッジ60内のトナーTをホルダー51の貯留部51bを通して各トナー搬送パイプ52内に適度に充填させるための動作(充填動作)である。
【0139】
ここで、新品の各トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)をトナー排出口62を開口状態にした後に、各トナー供給装置50(Y,M,C,K)のホルダー51のホルダー本体部51aに装着し、その各トナーカートリッジ60内のトナーTをホルダー51の貯留部51bを通して各トナー搬送パイプ52内に適度に充填させるためのトナー充填動作が行われる。したがって、このトナー充填動作によりトナーカートリッジ60内からトナーTが持ち出されるので、実際にはトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)のトナー残量は100%(満量)の状態ではなくなる。ところで、前述したように使用者の感覚からすると、1枚も印刷をしていない状態であるにも関わらず、トナー残量表示が例えば「80%」や「60%」と表示されると違和感や不信感を抱く虞がある。そこで、このトナー充填動作が行われた場合には、実際のトナー残量に関わらず、制御装置90の強制的な制御により、表示パネル200のトナー残量表示200kにトナー残量「100%」の状態を表示して、使用者の違和感等を有効に軽減できるようにしている。
【0140】
なお、この設置シーケンス(トナー充填動作あるいはリカバリ動作処理)は、上記のようにフルカラープリンタP自体が新品のとき、または新品の各トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)を装着した際に行われるが、それ以外にも、例えばメンテナンスなどでトナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)を交換したり、トナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)を一旦取り外して清掃を行った場合などの作業後にもトナー充填動作が行われる。
【0141】
また、この設置シーケンスは、フルカラープリンタPが複数のトナー供給装置50(Y,M,C,K)を備えており、その各トナー供給装置のトナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)の経路長が異なることなどを考慮して、異なった条件(動作量など)で実行されるようになっている。
【0142】
例えば、この実施の形態におけるトナー搬送パイプ52Y,52M,52C,52Kの各経路長L1,L2,L3,L4は、「L1<L2<L3<L4」という大小関係にある。このため、各トナー供給装置50(Y,M,C,K)における設置シーケンスの動作量は、そのトナー搬送パイプ52が長いほど多く実行するように設定されている。 つまり、この動作量は、基本的に、ディスペンス用モータ57の駆動により螺旋状のコイル53や搬送部材54が回転してトナーを各トナー搬送パイプ52に確実に送り込んで充填させることができる観点から設定されている。
【0143】
さらに、このプリンタでは、各トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の使用状況(残量状態)を監視し、その各トナーカートリッジ60の交換時期に関連する必要な警告を行う、トナーカートリッジ状況管理が実行されるようになっている。
【0144】
このトナーカートリッジ状況管理は、各トナー供給装置50(Y,M,C,K)の動作量を不揮発性のメモリ80(Y,M,C,K)に記憶保持させ、その記憶保持される動作量が所定の警告閾値Wに達するか否かを判断することで、例えばトナーカートリッジ60の交換を促すような警告表示を行うように構成されている。
【0145】
そして、使用者によりトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の交換作業が実施されると、現像装置14(Y,M,C,K)内のトナー濃度(TC%)を正常範囲に戻す必要があるため、トナー供給装置50(Y,M,C,K)を駆動してトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)からトナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)を介して現像装置14(Y,M,C,K)にトナーTを供給する。そして前記濃度センサ29で基準パッチの濃度の読み込みを所定の規準内に入るまで複数回繰り返し、正常にプリント動作を復帰させる。ここで、この動作の間のトナー供給装置50(Y,M,C,K)の駆動時間(充填動作時間)を第二の動作時間m2とし、その後のプリント動作によって消費したトナーTを補給するためのトナー供給装置50の駆動時間を第一の動作時間m1とする。そして、プリント動作を開始するまでは、トナー残量率を強制的に100%と満量を表すように表示すると共に、第一の動作時間m1および第二の動作時間m2を前記式1に代入してトナー残量率を算出し、そのトナー残量率に基づいて図9に示すようなトナー残量表示200kをプリント動作開始後に行うこととなる。これにより、使用者の違和感等を有効に軽減できると共に、トナーの残量表示およびトナーの空状態検知を精度良く行うことができる。
【0146】
ここで、図10と図11のフローチャートを参照して、設置シーケンス処理の処理手順について説明する。
【0147】
トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)がホルダー51(Y,M,C,K)に装着されると、設置シーケンス処理が開始され、まず、ステップS20で設置フラグがオンか否かが判定され、判定結果が「No」の場合にはステップS24へ移行し、「Yes」の場合にはステップS21へ移行する。
【0148】
ステップS21では、搬送経路充填用に各色のトナー供給装置50(Y,M,C,K)をT1時間だけ駆動させてからステップS22へ進む。
【0149】
ステップS22では、リカバリ累積供給動作時間=T1,累積供給動作時間=累積供給動作時間+T1としてトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の各不揮発性メモリ80へ格納してからステップS23に移行し、設置フラグをオフにしてステップS24へ進む。
【0150】
ステップS24では、トナーカートリッジ空検知フラグがオンであるか否かが判定され、判定結果が「No」の場合、すなわち未だトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)は空状態ではないと判定された場合にはそのまま処理を終了する。
【0151】
一方、ステップS24において、判定結果が「Yes」の場合、すなわちトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)が空状態であると判定された場合には、ステップS25に移行して、トナー空状態リカバリ動作処理のサブルーチンが実行される。
【0152】
ここで、図11を参照してトナー空状態におけるリカバリ動作処理の処理手順について説明する。
【0153】
この処理が開始されると、まずステップS2501でリカバリ回数を1だけインクリメント、すなわち「リカバリ回数=リカバリ回数+1」としてステップS2502に移行する。
【0154】
ステップS2502では、リカバリ回数がリカバリ最大回数未満か否かを判定し、判定結果が「No」の場合にはステップS2508に移行して、トナーカートリッジの空検知フラグをオンにして図10の設置シーケンス処理に戻る。
【0155】
一方、ステップS2502で、判定結果が「Yes」の場合には、ステップS2503に移行して、該当色のトナー供給装置50(Y,M,C,K)をt2時間だけ駆動させてからステップS2504に移行する。
【0156】
ステップS2504では、現像装置14(Y,M,C,K)内に配設されるトナー検知センサ56を構成する透磁率センサでトナー濃度をセンシングしてステップS2505に移行する。
【0157】
ステップS2505では、トナー濃度が目標濃度以上であるか否かが判定され、未だ目標濃度に達しないと判定された場合にはステップS2501に戻って同じ処理を繰り返して実行し、目標濃度以上であると判定された場合にはステップS2506に移行する。
【0158】
ステップS2506では、リカバリ動作でのトナー供給装置駆動時間T2=t2×リカバリ回数としてからステップS2507に移行してトナーカートリッジの空検知フラグをオフにして図10の設置シーケンス処理に戻る。
【0159】
なお、図11に示す実施の形態では、トナー検知センサとして透磁率センサを用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、濃度センサ29を用いても同様の処理を実施することが可能である。その場合には、前記ステップS2504の処理に代えて、感光ドラム11(Y,M,C,K)上に基準パッチを作成し、その基準パッチを濃度センサ29でセンシングし、前記ステップS2505の処理に代えて、基準パッチ濃度が目標濃度以上となったか否かを判定する処理を行うこととなる。
【0160】
続いて、図10のステップS26以下の処理手順について説明する。
【0161】
前記トナー空状態におけるリカバリ動作処理のサブルーチンを実行後、ステップS26に移行し、トナーカートリッジ空検知フラグはオフか否かが判定され、判定結果が「No」の場合にはそのまま処理を終了し、判定結果が「Yes」の場合にはステップS27に移行する。
【0162】
ステップS27では、トナーカートリッジ60(Y,M,C,K)は新品か否かが判定され、新品ではないと判定された場合にはステップS29に移行して、累積供給動作時間=累積供給動作時間+T2としてトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の各不揮発性メモリ80へ格納して処理を終了する。
【0163】
一方、ステップS27で、新品であると判定された場合にはステップS28に移行してリカバリ累積時間=T2としてトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の各不揮発性メモリ80へ格納し、ステップS29に移行して、累積供給動作時間=累積供給動作時間+T2としてトナーカートリッジ60(Y,M,C,K)の各不揮発性メモリ80へ格納して処理を終了する。
【0164】
上述の処理のように透磁率センサや濃度センサ29からの検知情報に基づいてトナーTが空状態であると判定され、且つトナーカートリッジ60側の不揮発性のメモリ80とそのメモリの読み書き装置81によりトナーカートリッジ60が新品であると確認されたときに、前記トナー充填動作を行うと共に、表示パネル200のトナー残量表示200kにトナー残量「100%」の状態を強制的に表示するようにでき、これにより、使用者の違和感等を有効に軽減できると共に、トナーの残量表示およびトナーの空状態検知を精度良く行うことができる。
【0165】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0166】
例えば、画像形成装置は、現像剤により形成される画像を記録用紙等の記録媒体に直接または中間転写体を介して転写することにより所要の画像を形成することができるものであればよく、特にその形式、形態等について限定されるものではない。特に画像形成装置が色の異なる複数色のトナーを用いてカラー画像を形成するカラー画像形成装置である場合には、現像装置、現像剤容器および現像剤供給装置等の組み合わせを独立して複数備える構成とすることができる。
【0167】
また、全部または一部の機能を外部装置(例えば、画像処理装置に接続されるパーソナルコンピュータ等)で実現することも考えられる。
【0168】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明による画像形成装置は、現像画像形成装置、転写画像形成装置、帯電画像形成装置等として適用することができる。また、前記画像形成装置は、画像形成装置としてのレーザプリンタ、フルカラープリンタ、複写機等に適用することができる。更に、可視剤としてインクを用いたインクジェットプリンタ等にも適用することができ、すなわち、インクを射出させるインクヘッドとインクを充填させたインクタンクとをチューブ等で連結させて、インクヘッド側のインクが減少することに応じてインクタンク側からインクをインクヘッドに供給させる形態のインクジェットプリンタ等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置としてのフルカラープリンタを示す全体構成図である。
【図2】(a)はトナーカートリッジ、トナー供給装置および現像装置を示す概略断面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図3】トナー供給装置からトナーカートリッジを取り外した状態を示す概略断面図である。
【図4】トナー残量率算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】トナー残量のレベルメータの推移を示すグラフである。
【図6】トナーの残量推移を示すグラフである。
【図7】トナー補給およびトナーカートリッジ状況管理を行う制御系の構成を示すブロック図である。
【図8】表示パネルの表示例を示す説明図である。
【図9】トナーの残量表示の推移状態の表示例を示す説明図である。
【図10】設置シーケンス処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】トナー空状態リカバリ動作処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0171】
P 画像形成装置(フルカラープリンタ)
T トナー(現像剤、及び可視剤の一例)
10 作像ユニット
11(Y,M,C,K) 感光ドラム
12(Y,M,C,K) 帯電ローラ
13 露光装置
14(Y,M,C,K) 現像装置(第1の収容器の一例)
15(Y,M,C,K) 現像ローラ
18 インターロック開閉検知センサ
20 記録用紙
21,22 一次中間転写ドラム
23 二次中間転写ドラム
24 最終転写ドラム
29 濃度センサ
30 給紙ユニット
31 用紙トレイ
32 用紙送出装置
35 用紙搬送ローラ
36 レジストローラ
40 定着ユニット
41 加熱ローラ
42 加圧ローラ
43 用紙排出ローラ
50(Y,M,C,K) トナー供給装置(第2の収容器、及び現像剤供給装置の一例))
51 ホルダー
51a ホルダー本体部
51b トナー貯留部
51b 貯留部
51c トナー送出口
51e 開口部
52(Y,M,C,K) トナー搬送パイプ(現像剤搬送路)
53 螺旋状のコイル(現像剤搬送路充填手段)
54
搬送部材
55 トナーカートリッジ装着検知センサ
56 トナー検知センサ(把握手段、及び空状態検知センサ:透磁率センサ)
57 ディスペンス用モータ
58 減速ギア列
60(Y,M,C,K) トナーカートリッジ(現像剤容器)
61 ボトル本体
62 トナー排出口
63 蓋体
65 アジテータ
75 ディスペンス用モータ駆動制御部
80 不揮発性メモリ(状態記憶手段,現像剤容器確認手段:クラム)
81 メモリ読み書き装置(現像剤容器確認手段)
90 制御装置(残量表示制御手段)
91 記憶部
95 電源装置
100 転写装置
101 用紙搬送路
200 表示パネル
200a 倍率表示
200b 用紙選択表示
200c 用紙サイズ表示
200d 用紙方向表示
200e トナー補給表示
200f 紙詰まり表示
200g コピー可能表示
200h コピー枚数カウンタ
200i 待機表示
200j 濃度表示
200k トナー残量表示
LB
レーザビーム光
S 電源スイッチ
W 警告閾値(現像剤が空になるときの現像剤供給装置の動作量)
m1 第一の動作量(現像剤供給装置の現像剤供給動作量の累積値)
m2 第二の動作量(充填動作の動作量)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に可視像を形成させる動作に伴って減少する可視剤が収容される第1の収容器と、
前記第1の収容器へ可視剤を供給させる動作に伴って減少する可視剤が収容され、前記第1の収容器を備えた所定の装置に対して脱着可能に構成された第2の収容器と、
前記第2の収容器に収容される可視剤の量を把握する把握手段と、
前記把握手段で把握された前記第2の収容器の可視剤の量を表示させる表示手段と、
前記第2の収容器に収容された可視剤を前記第1の収容器に供給させる初回の供給動作によって減少した可視剤を除いた残りの可視剤の量を前記把握手段で把握させ、前記初回の供給で減少した可視剤の量に係わらず前記表示手段に満量を表示させるように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする可視剤量表示制御システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記初回の供給の後、前記表示手段で表示させる前記第2の収容器の可視剤の量を、前記把握手段で把握される前記第2の収容器の可視剤の量へ徐々に近づけるように制御することを特徴とする請求項1に記載の可視剤量表示システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記把握手段で把握される前記第2の収容器の可視剤の量が前記第1の収容器へ当該可視剤を供給不能な量となった際には、前記表示手段で表示させる前記第2の収容器の可視剤の量が無しを示す表示となるように制御されることを特徴とする請求項1に記載の可視剤量表示システム。
【請求項4】
前記把握手段は、前記初回の供給で減少した可視剤の量を把握し、前記制御手段に伝達することを特徴とする請求項1に記載の可視剤量表示システム。
【請求項5】
前記第2の収容器の可視剤を前記第1の収容器へ供給させる可視剤供給装置を備え、前記把握手段は前記可視剤供給装置の動作量にて前記初回の供給で減少した可視剤の量を把握することを特徴とする請求項4に記載の可視剤量表示システム。
【請求項6】
前記可視剤供給装置は前記第2の収容器から前記第1の収容器へ可視剤を供給させる供給路を備え、前記供給路と前記第1の収容器を加えた容積よりも前記第2の収容器の容積の方が小さいことを特徴とする請求項5に記載の可視剤量表示システム。
【請求項7】
記録媒体に可視像を形成させる動作に伴って減少する可視剤が収容される第1の収容器と、
前記第1の収容器へ可視剤を供給させる動作に伴って減少する可視剤が収容され脱着可能に構成された第2の収容器と、
前記第2の収容器に収容される可視剤の量を把握する把握手段と、
前記第2の収容器に収容された可視剤を前記第1の収容器に供給させる初回の供給動作によって減少した可視剤を除いた残りの可視剤の量を前記把握手段で把握させ、前記初回の供給で減少した可視剤の量に係わらず前記第2の収容器の可視剤の量を表示させる表示手段に満量を表示させるように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
画像情報に応じた静電潜像が形成される像保持体と、
該像保持体に形成される前記静電潜像をトナーによって可視像化する現像装置と、
少なくともトナーを有する現像剤を収容する現像剤容器と、
前記現像剤を現像剤搬送路を介して前記現像剤容器から前記現像装置に供給する現像剤供給装置と、
所定の時期に前記現像剤搬送路を前記現像剤容器から移送される現像剤で満たす充填動作を実行する現像剤搬送路充填手段と、
前記現像剤供給装置の動作量に基づいてトナー残量率を算出し、該トナー残量率に基づいて前記現像剤容器の残量表示を行うように制御すると共に、前記現像剤搬送路充填手段により充填動作が実施された場合には前記トナー残量率に関わらず強制的に満量を示す状態を残量表示として表示するように制御する残量表示制御手段と、
該残量表示制御手段の制御に基づいて残量表示を行う表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記トナー残量率は、次式
トナー残量率(%)=((警告閾値−第一の動作量)/(警告閾値−第二の動作量))×100
(ただし、第一の動作量は前記現像剤供給装置の現像剤供給動作量の累積値、第二の動作量は前記充填動作の動作量、警告閾値は現像剤が空になるときの前記現像剤供給装置の動作量)
によって算出されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記警告閾値、前記第一の動作量および前記第二の動作量を書き換え可能に記憶保持する記憶手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記所定の時期は、前記画像形成装置が設置されて最初に電源が投入された時であることを特徴とする請求項8から請求項10の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記現像剤容器のトナーが空状態か否かを検知する空状態検知センサと、
前記現像剤容器が未使用状態か否かを確認する現像剤容器確認手段と、を備え、
前記所定の時期は、前記空状態検知センサにより前記現像剤容器が空状態であると検知され、且つ前記現像剤容器確認手段により前記現像剤容器が未使用状態であると確認されたときであることを特徴とする請求項8から請求項10の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記像保持体に対向させてトナー濃度を検知する濃度センサが設けられ、
前記現像剤容器が未使用状態か否かを確認する現像剤容器確認手段を備え、
前記所定の時期は、前記濃度センサにより検知されるトナー濃度に基づいて前記現像剤容器のトナーの空状態が検出され、且つ前記現像剤容器確認手段により前記現像剤容器が未使用状態であると確認されたときであることを特徴とする請求項8から請求項10の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記現像剤容器は、トナーの残量状態に関する情報を記憶する状態記憶手段を備え、
前記現像剤容器確認手段は、前記状態記憶手段から読み取った情報に基づいて前記現像剤容器が未使用状態か否かを確認することを特徴とする請求項12または請求項13の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記状態記憶手段は、前記トナーの残量状態に関する情報に加えて、前記警告閾値、前記第一の動作量および前記第二の動作量を記憶することを特徴とする請求項9から請求項14の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
記録媒体に可視像を形成させる動作に伴って減少する可視剤が収容される第1の収容器と、前記第1の収容器へ可視剤を供給させる動作に伴って減少する可視剤が収容され脱着可能に構成された第2の収容器と、前記第2の収容器に収容される可視剤の量を把握する把握手段と、を備えた画像形成装置と、
前記把握手段で把握された前記第2の収容器の可視剤の量を表示させる表示手段を備えた計算機と、
前記画像形成装置又は前記計算機に設けられ、前記第2の収容器に収容された可視剤を前記第1の収容器に供給させる初回の供給動作によって減少した可視剤を除いた残りの可視剤の量を前記把握手段から把握し、前記初回の供給で減少した可視剤の量に係わらず前記表示手段に満量を表示させるように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項17】
記録媒体に可視像を形成させる動作に伴って減少する可視剤が収容される第1の収容器と、前記第1の収容器へ可視剤を供給させる動作に伴って減少する可視剤が収容され脱着可能に構成された第2の収容器と、前記第2の収容器に収容される可視剤の量を把握する把握手段と、を備えた画像形成装置と、
前記把握手段で把握された前記第2の収容器の可視剤の量を表示させる表示手段を備えた計算機と、を備え、
前記画像形成装置又は前記計算機に設けられ、前記第2の収容器に収容された可視剤を前記第1の収容器に供給させる初回の供給動作によって減少した可視剤を除いた残りの可視剤の量を前記把握手段から把握し、前記初回の供給で減少した可視剤の量に係わらず前記表示手段に満量を表示させるように制御する、
ことを特徴とする画像形成システムに用いられるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−139485(P2008−139485A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324565(P2006−324565)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】