基板を処理するための複合トランスデューサー装置及びシステム、及びそれを造る方法
トランスデューサー、それを製造するシステム及び方法は、圧電ピラーの複合物を利用する。一実施形態において、本発明は、音響エネルギーを発生させるための装置であって、圧電物質で造られる複数のピラーを含んでおり、ピラーは、隣接したピラー間に空間が存在するように離隔方式で配列されており、ピラーは、幅と、上面と底面との間で延びる高さとを有しており、ピラーの高さは、ピラーの幅よりさらに大きく、空間は、複合アセンブリーを形成するように弾性物質で満たされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2007年11月6日に出願された米国仮特許出願第60/985,947号、2008年3月5日に出願された米国仮特許出願第61/034,142号を優先権主張する。上記すべての出願は、本開示において参照によって取り込まれる。
本発明は、一般的に、半導体ウエハー、加工していないシリコン基板、フラットパネルディスプレイ、ソーラーパネル、フォトマスク、ディスク、磁気ヘッド、又は高いレベルの処理正確度を要求するある他のアイテムのような基板の処理のための音響エネルギーを発生させるための装置及びシステムに関する。具体的に、本発明は、敏感なデバイスへの損傷を最小化する、敏感なデバイスを含有する基板から高いレベルの粒子除去効率を提供することができる、音響発生装置、又はそれを組み込むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造分野において、その産業の開始以来、製造処理の間に半導体ウエハーから粒子を除去することは、質のよいウエハーを生産するにあたって重要な要件であると認識されてきた。多くの他のシステム及び方法が、半導体ウエハーから粒子を除去するのに数年にかけて開発されてきたが、多くのこのようなシステム及び方法は、それらがウエハーに損傷を起こすため、望ましくなかった。従って、ウエハーからの粒子の除去は、クリーニング方法及び/又はシステムによってウエハーに生じさせられる損傷の量に対してバランスがとられなければならない。従って、クリーニング方法又はシステムは、デバイス構造に損傷を起こすことなく、敏感な半導体ウエハーから粒子を除去することができるようにすることが望ましい。
【0003】
半導体ウエハーの表面から粒子を除去する現存する技術は、化学的処理と機械的処理との組み合わせを用いる。従来技術で用いられる典型的なクリーニングケミストリーは、スタンダードクリーン1(「SC1」)であり、これは、水酸化アンモニウムと過酸化水素と水との混合物である。SC1は、ウエハーの表面を酸化させエッチングする。アンダーカッティングと知られている、このエッチング処理は、粒子が表面に結合する物理的な接触領域を減らし、従って、除去を促進する。しかし、ウエハーの表面から粒子を実際に除去するのに、機械的な処理が依然として要求される。
【0004】
より大きい粒子及びより大きいデバイスに対しては、スクラバーがウエハーの表面から粒子を物理的に払い落とすのに用いられてきた。しかし、デバイスのサイズが小さくなることによって、スクラバー及び他の形態の物理的なクリーナーは、それらとウエハーとの物理的な接触がさらに小さいデバイスに致命的な損傷を起こすため、不適切になった。
【0005】
ウェット処理の間に行う音響エネルギーの適用は、粒子除去を達成するのに、特に半導体処理ラインで製造されるウエハー(又はプレート)からサブミクロン粒子をクリーニングするのに幅広く受け入れられてきた。基板処理で用いられる音響エネルギーは、音響エネルギーのソースを通して発生される。典型的に、ソニックエネルギーのこのソースは、セラミックス又はクリスタルのような圧電物質で造られるトランスデューサーを含んでいる。作動において、トランスデューサーは、電気エネルギーのソースに結合されている。電気エネルギー信号(すなわち、電気)は、トランスデューサーに提供される。トランスデューサーは、この電気エネルギー信号を振動機械エネルギー(すなわち、音響エネルギー)に変換し、その後、振動機械エネルギーは、処理されている基板に伝達される。トランスデューサーから基板までの音響エネルギーの伝達は、トランスデューサーを基板に音響的に結合する流体によって典型的に達成され、音響エネルギー伝達の可能な物質が圧電物質上の電気的接触の「短絡」を避けるように、トランスデューサー自分と流体カップリングレイヤーとの間に位置されていることも典型的である。この伝達物質は、薄いレイヤー、剛性プレート、棒状プローブ、レンズなどを含む多様な構造的配列を取ることができる。伝達物質は、基板の汚染を避けるために流体カップリングレイヤーに対して不活性の物質で通常生産される。
【0006】
基板への音響エネルギーの適用は、粒子を除去し、他の処理ステップの効率性を改善するのに非常に効率的な方法であると証明されてきたが、基板とデバイスとに対する損傷が依然として起こりえる機械的処理もある。従って、基板の音響クリーニングは、従来の物理的クリーニングと同一の損傷問題をかかえている。
【0007】
現存するトランスデューサーアセンブリーによって発生される音響エネルギーは、頻繁に、電気回路を構成するいくらかの壊れやすい構造が損傷される(すなわち、電気回路を構成するいくらかの壊れやすい構造が除去されたり部分的に除去され、回路がこれ以上機能しなくなる)ことを引き起こすほど十分に活動的である。現在使われているトランスデューサーアセンブリーと、関連する音響特性との長期的な研究を通して、現在の発明者は、無数の問題点が、圧電物質の構造と、現存するトランスデューサーアセンブリーによって伝えられる音波の方向及び向きとの両方に存在することが分かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、ソニックエネルギーを用いて基板をクリーニングするシステム及び方法を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、基板上のデバイスに損傷を減らすソニックエネルギーを用いて基板を処理するシステム及び方法を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる他の目的は、適切な粒子除去効率を達成すると共に、基板上のデバイスに損傷を減らすソニックエネルギーを用いて基板をクリーニングするシステム及び方法を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる他の目的は、処理流体内にキャビテーションを制御するソニックエネルギーを用いて基板を処理するシステム及び方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる他の目的は、トランスデューサーと処理される基板との間で、さらに少ないエネルギー損失をもたらす基板を処理するためのシステム及び方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる他の目的は、基板の表面上にさらに均一なエネルギー分布をもたらす基板を処理するためのシステム及び方法を提供することである。
【0014】
本発明は、ウエハーの前及び/又は後に適用される流体音響伝達媒質に効率的に、かつ、正確に結合する音波を発生させるように互いに接続されることができる個々の音響発生ピラーで構成されるように、放射形区域内に形成され分けられるセラミックス圧電物質を用いて形成された音響発生デバイスを有する。圧電要素の放射状性質は、音響エネルギーが音響伝達流体に、かつ、ウエハー(又はプレート) 表面上に向け、発生されるソースから離れるように反射するように設計される。その結果、高エネルギー及び低エネルギーのノードが抑制されている。高いエネルギー地域は構造損傷を引き起こすことになり、低いエネルギー地域は粒子の除去を減少させてしまう。このような2つの状態は、このようなトランスデューサーの使用において望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一観点で、本発明は、音響エネルギーを発生させるための装置であって、圧電物質で造られる複数のピラーを含んでいる。ピラーは、隣接したピラー間に空間が存在するように離隔方式で配列されている。ピラーは、幅と、上面と底面との間で延びる高さとを有しており、ピラーの高さは、ピラーの幅よりさらに大きい。空間は、複合アセンブリーを形成するように弾性物質で満たされている。
【0016】
他の観点で、本発明は、音響エネルギーで物品を処理するための装置であって、トランスデューサーアセンブリーを含んでいる。トランスデューサーアセンブリーは、凹内面と凸外面とを有している伝達構造と、伝達構造の凹内面に接合されている凸底面を有している第1トランスデューサーと、伝達構造の凹内面に接合されている凸底面を有している第2トランスデューサーと、を含んでいる。活性の第2トランスデューサーは、非活性音響エネルギー領域が第1トランスデューサーと第2トランスデューサーとの間の伝達構造上に存在するように活性の第1トランスデューサーから離れている。
【0017】
さらなる他の観点で、本発明は、音響エネルギーを発生させるための装置を製造する方法であって、支持物質のレイヤーを提供するステップと、接着物質のレイヤー上に圧電物質を位置させるステップと、隣接するピラー間に空間が存在するように圧電物質のピラーを切るステップと、複合アセンブリーを形成するように空間を弾性物質で満たすステップと、を含んでいる。
【0018】
さらなる他の観点で、本発明は、物品を処理する方法であって、支持部上の物品を支持するステップと、凹内面と凸外面とを有している伝達構造と、伝達構造の凹内面に接合される凸底面を有している第1トランスデューサーと、伝達構造の凹内面に接合される凸底面を有している第2トランスデューサーと、を含んでおり、活性の第2トランスデューサーは、非活性音響エネルギー領域が第1トランスデューサーと第2トランスデューサーとの間の伝達構造上に存在するように活性の第1トランスデューサーから離れている、トランスデューサーアセンブリーを備えるステップと、トランスデューサーアセンブリーを支持部上の物品の表面に隣接するように位置させ、伝達構造の非活性音響領域を、物品の表面を向き合う向きで位置させるステップと、伝達構造の凸底面が物品の表面に流動的に結合されるように物品の表面に流体を適用するステップと、発生される音波が、トランスデューサーアセンブリーから遠ざかる、反射された音波となる、垂直ではない角度で物品の表面で伝えられるように第1及び/又は第2トランスデューサーを作動させるステップと、を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、従来のトランスデューサーの概略図である。
【図2】図2は、ノード及びアンチノードを有する、図1の従来のトランスデューサーによって発生される音波を示した概略図である。
【図3A】図3Aは、本発明の一実施形態に係る、ワックスベース上に支持されトランスデューサーを作り出すのに用いられる圧電気ピラーの配列の正面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの圧電気ピラーの配列の側面図である。
【図3C】図3Cは、図3Aの圧電気ピラーの配列の斜視図である。
【図3D】図3Dは、本発明の一実施形態に係る、弾性材料で満たされたピラー間に空間を有する図3Aの圧電気ピラーの配列の側面図である。
【図3E】図3Eは、本発明の一実施形態に係る、図3Dに示されたように弾性物質で満たされたピラー間に空間を有する圧電ピラーを含む複合アセンブリーの側面図であり、ワックスベースが除去されている。
【図3F】図3Fは、本発明の一実施形態に係る図3Eの複合アセンブリーを組み込むトランスデューサーの側面図であり、伝達物質が底電極に接合されている。
【図4A】図4Aは、本発明の一実施形態に係る図3Fのトランスデューサーの概略図であり、電極は個々のピラーが音響エネルギー波を発生させているように電圧が与えられている。
【図4B】図4Bは、本発明の一実施形態に係る図3Fのトランスデューサーを示す概略図であり、電極は、ピラーの個々の音響エネルギー波が効率的に組み合わせられ平面波の特性を形成するように電圧が与えられている。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係る複合トランスデューサーの側面図であり、インピーダンス整合レイヤーが加えられている。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係る、湾曲した複合トランスデューサーの横断側面図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る音響処理システムの斜視図である。
【図8】図8は、斜視図のVIII-VIIIに沿う図7の音響処理システムのトランスデューサーアセンブリーの横断面図である。
【図9】図9は、望ましい寸法で設定されたものを示す、図8のトランスデューサーアセンブリーのダイヤグラムである。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態に係る音響処理システムの斜視図であり、小さい複合トランスデューサーアセンブリーが支持部ロッドによってウエハーの表面を横切って動いている。
【図11】図11は、本発明の第3実施形態に係る音響処理システムの斜視図であり、複合トランスデューサーアセンブリーは、ウエハーの全径を横切って延びている。
【図12】図12は、四角形パネルを処理する、図11の音響処理システムの斜視図である。
【図13】図13は、本発明に係る湾曲した複合トランスデューサーが造られることができる、他の形状を示した図である。
【図14】図14は、本発明に係るトランスデューサーアセンブリーと3つの従来技術のトランスデューサー構成に対してウエハーに沿って多様な距離において発生される音響レベルを比較するグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1を参照すると、現在用いられている音響処理システムに用いられる典型的な従来のトランスデューサー1が示されている。産業において用いられる従来のトランスデューサー1の正確な形状及び向きは多様であるが、従来周知のトランスデューサー1はすべて、大きいフラットプレート構造である。このような従来のトランスデューサー1は、それらがプレートの対向する側の上で電極2、3によって駆動され圧電物質4がその固有の圧電効果によってオシレーションされる時に、結果として生じたオシレーションがフラットプレート構造の正確な形状に依存するマルチノードとなる傾向があるという問題点を有することが見出された。図2から見られるように、これは実際に複雑な音波5を送り出す。この音波5は不均一のエネルギーパターンを有している。
【0021】
しかも、トランスデューサー1が、それの主表面が、処理される基板に平行になるように位置される場合(すなわち、音波5が基板の表面に直角の方向に伝えられる場合)、音波5は、ウエハーの表面に反射され、トランスデューサー1に向けて戻ってくる。これは、定常波を作り出す。事実上、定常波の問題は、音響エネルギー波がウエハーの表面に平行に伝達されるトランスデューサー配列にさえ存在すると考えられる。音響エネルギー波がウエハーに垂直である半径方向成分を有しているからである。
【0022】
定常波は、ノードとアンチノードとからなっており、そのため、エネルギーの観点で、ウエハーを高いエネルギーポイントと低いエネルギーポイントの局地的な領域の影響を受けるようにさせる。トランスデューサー1に戻ってくる波は、トランスデューサー1の内に熱を消散させ、その結果、液体及び/又はガス、ある形態の冷却を要求する。冷却無しには、コンストラクションと連関されている要素の一部は、速く劣化されることがある。又、典型的なセラミックス又はクリスタル圧電物質のインピーダンスは、温度の関数として変化する。温度が電源(50オーム負荷に固定された整合)に整合される温度から変化する場合、圧電物質は、物質内に熱として付加のエネルギーを消散させる。これは、トランスデューサー1をさらに加熱してインピーダンスにさらに大きい変化を引き起こす。チェックせずにそのまま置くと、これはトランスデューサー1の欠陷を引き起こす。
【0023】
図3A乃至図3Fを参照し、本発明の一実施形態に係る複合トランスデューサー100とそのコンストラクションとが説明される。まず、圧電物質の典型的なフラットストックピース(flat stock piece)が備えられている(図示せず)。圧電物質は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換することができるセラミックス、クリスタル又はある他の物質であることができる。圧電物質のフラットストックピースは、その後、接着剤のようなワックスベース10や他の支持物質上に置かれるようになる。一実施形態において、支持物質は、電極(後述)であることができる。支持物質は、以下で説明する支持機能を遂行することができるある物質又は構造である。
【0024】
図3A乃至図3Cのみを参照すると、フラットストック圧電物質がワックスベース10 上に配置される時に、圧電物質は、XとYの平面をばらばらに切ることによって、圧電物質のピラー20の配列を形成する。カッティング処理の間、鋸は、望ましくはワックスベース10ではなくフラットストック圧電物質のみを切る。ワックスベース10のピラー20の保持は、ピラー20の離隔される向きで、そして一般的に直立の向きで適所で行われる。複数の交差するチャンネルがピラー20間に形成されており、そのため、隣接したピラー20間にスペース30を備えている。ピラー20は、示された実施形態において、同一に離隔された配列構成にある一方、他の構成及び幾何学的パターンが達成されることができる。しかも、望ましくは、ピラー20は、円筒形、放射形セグメント、目形状を含む、他の幾何学的な形状を採用することができる。混乱を避けるために、ピラー20とスペース30のうちいくつかのみに図面符号が付されている。
【0025】
ピラー20の各々は、それの底面21とそれの上面22との間の距離によって定義された高さHを有している。又、ピラーの各々は、幅Wを有している。ピラー20の高さHは、幅Wよりさらに大きいことがいっそう望ましい。高さHは、幅Wの二倍又はそれより大きいことがいっそう望ましい。ピラーの幅Wとスペース30の幅とは、略同一であるか、又は、少なくとも同じ大きさである。他の実施形態において、スペース30の幅は、ピラー20の幅Wよりさらに小さいことが望ましい。
【0026】
しかも、機能性の観点から、ピラー20の幅Wとスペース30の幅とは、複合トランスデューサー100によって発生される音響エネルギー波の波長よりさらに小さいことが望ましい。例えば、1MHz周波数で作動するピラー20に対して、望ましい寸法は、ピラー20の高さHが略1.6mmであり、ピラー20の幅Wが略0.8mm又はそれ未満であり、周りのスペース30の幅が活性領域で0.8mm又はそれ未満である。後述する他の実施形態において、音響的に活性領域を有していないことが望ましい。後述する活性及び非活性音響発生領域を作り出す多様な手段がある。
【0027】
図3Dを参照すると、ピラー20が造られる時、スペース30は硬化性充填材40で再び満たされる。一実施形態において、硬化性充填材は、望ましくは弾性物質40である。硬化性充填材の他の例は、エラストマーとエポキシとを含む。充填材40が硬化される時、ワックスベース10は除去され、そのため、複合アセンブリー50が、充填材40によって分離される圧電素子のピラー20によって形成されるようになる。複合アセンブリーは、図3Eに示されている。
【0028】
図3Eを参照すると、複合アセンブリー50は、底面51と上面52とを含んでいる。以下で詳細に説明されるように、複合アセンブリー50が曲率を有するように形成されるか、又は、後に曲率を有する形状で作られることができる。
【0029】
図3Fを参照すると、複合アセンブリー50が所望の形状(示された実施形態でフラット)である時、電気導電物質は、複合アセンブリー50の底面51と上面52とに適用され、そのため、電極61、62が形成される。その結果、本発明の一実施形態に係るトランスデューサー100が形成される。電極61、62を形成するのに用いられる電気導電物質は、銀のような金属、電気導電エポキシ、又は圧電ピラー20を励磁する電流を導電することができるある物質であることができる。
【0030】
以下にさらに詳細に説明されるように、ある状況では、圧電ピラー20のあるものやサブセットに単に電圧を与えることが望ましい。従って、電極61、62が複合アセンブリー50の底面51と上面52との全体に適用されるように見える一方、他の実施形態において、電極61、62は、互いから電気的に絶縁された、選択された領域のみをカバーする(図6の実施形態で見えるものと同様)。
【0031】
トランスデューサー100が物品のウェット処理に関連して用いられる時、処理流体の不足及び/又は汚染を避けるように、処理流体からトランスデューサー100(及びそれの電極)を遮蔽することが望ましい。これは伝達構造70(一般的に示されている)をトランスデューサー100に接合することによって達成されることができる。図3Fに示されているように、伝達構造70は、トランスデューサー100に直接的に接合されている。伝達構造70は、非常に多様な物質、形状及び寸法を有するように造られることができる。意図された機能によって、伝達構造は堅固な構造又は薄いフィルム又はホイルであることができる。伝達構造70に対して適切な物質は、意図された処理を促進する音響エネルギーを効率的に伝達することができるポリマー、石英、サファイア、窒化ホウ素非結晶炭化物、ステンレス鋼、又はある他の物質を含む。
【0032】
一実施形態において、伝達構造70は、ポリマーフィルムであることが望ましい。適切なポリマーは、Halar(ECTFE)、 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリスルホン、又は他のポリマーのような物質を含んでいる。ポリマーフィルムの厚さは、望ましくは0.1mil乃至18milの範囲、さらに望ましくは1mil乃至5milの範囲であることができる。このようなポリマーフィルムは、処理流体に向けて低い表面張力を供給する物質の表面特性を改善するように化学的に処理されることができるか、又は製造されることができる。
【0033】
図4Aを参照すると、音響エネルギーを発生させるように電圧が与えられるトランスデューサー100が概略的に示されている。電気が、電気のソースに作動可能に接続されているワイヤによって電極61、62に供給される。電気は、圧電ピラー20の各々によって独立的な音波80に変換される。見られるように、ピラー20は、独立的なピストンとして作用し、その高さHに実質的に平行の方向に、それ自体の独立的な音波80を各々発生させる。
【0034】
しかし、図4Bから見られるように、音波80の全体的な効果は、アンチノードとノードとがない平面波を送り出すことである。ピラー20が圧電効果によってそれらの軸方向に(すなわち、それらの高さHに沿って垂直に)延びる時、ピラー20はポアソン比によって左右方向に(すなわち、それらの幅Wに沿って水平に)収縮する。同様に、ピラー20が圧電効果によってそれらの軸方向に収縮する時、ピラー20はポアソン比によって左右方向に膨脹する。しかし、スペース30は、弾性物質で満たされているため、左右方向に発生させられるいずれの波も非常に弱くなるか、又は除去される。これは、実際にトランスデューサー100の表面から平面波を送り出す。
【0035】
上述したように、ピラー20は、音響的に活性領域及び音響的に非活性領域を作り出すように独立的に電圧が与えられることができるか、又は、サブセットでグループ化されることができる。対向する電極を有していないか、又は対向する電極に電圧が与えられていないピラー20は、圧電効果を有しておらず、音波を送り出さない。従って、音響的に活性領域の規模は、所望の正確な状況に合わせられることができる。さらに、トランスデューサー100(又はデバイスが用いられるアセンブリー)の領域が、音響的に活性であることが要求されない場合、このような部分は、複合アセンブリーから除去されて弾性物質が満たされるか又は空洞として残される圧電ピラー20を有することができる。
【0036】
図5を参照すると、トランスデューサー100の実施形態が示されており、整合レイヤー75が伝達構造70と電極との間に加えられている。整合レイヤー75(又はレイヤー)は、望ましくは、音響エネルギーを処理流体に伝達する間にエネルギー損失を減少させるインピーダンス整合レイヤーとして作用するように選択される。言い換えて、整合レイヤー75は、音波が伝達流体に効率的に結合されインターフェースで反射されないように音響的に設計されている。例えば、音響的透過性を有するVA波エポキシ整合レイヤー(略 0.029")と、音響透過性のある非常に薄いポリマー(Halarフィルム)が整合レイヤー75と伝達構造70として各々用いられることができる。設計多様性において、外部のポリマーフィルム厚さが増加されて音響レイヤーの部分として見えることによって、そのようになると、ポリマーフィルムは整合レイヤーとして含まれ、すべてのレイヤー厚さ及び特徴は、音響エネルギーを圧電ピラー20から処理流体に効率的に伝達するように調整される。
【0037】
図6を参照すると、曲率半径を有するトランスデューサー100が本発明の一実施形態に係って示されている。物品のある処理適用においては、トランスデューサー100が音響エネルギー制御及び物品との流体カップリングを達成する湾曲した形状を取ることが望ましい。
【0038】
図6の湾曲したトランスデューサー100は、上記で言及したステップの間、曲率半径を有する複合アセンブリー50を形成するか、又はフラット形状に形成された直後の複合アセンブリー50を操作することによって形成されることができる。電極61、62と伝達構造70(そしてある整合レイヤー)とは、湾曲が形成される前や後に複合アセンブリー50に接合されることができる。図6において、このような物質は、湾曲を形成する前に接合される。他のコンストラクションの手順として、複合アセンブリー50が単独に湾曲した形態に形成されることができ、その後、電極61、62と伝達構造70(そして、インピーダンス整合レイヤーがある場合)とが、後のステップで接合されることができる。伝達構造70は、湾曲形成の処理後にアセンブリーの次のステップで典型的に含まれている。
【0039】
伝達構造70は、凸外面71と凹内面72とを含んでいる。トランスデューサー100は、凹内面71に接合されている。図に示すように、上端電極62は、複合アセンブリー50の上面上の2つの絶縁された地域として適用されている。従って、トランスデューサーが電気信号を電極61、62に適用することによって電圧が与えられる時、電極62によって覆われる唯一のそのようなピラー20は、音響エネルギーを発生させ、そのため、2つの分離された、音響的に活性領域A、Bとなる。なぜなら、複合アセンブリー50の中心領域は、その領域で電極62がないことの結果として電気信号を受けないため、その領域でピラー20は音響エネルギーを発生させず、その結果、音響的に非活性領域Cとなる。音響的に活性領域A、Bは、非活性領域Cによって音響的に円周方向に分離されている。
【0040】
活性の圧電ピラー20を作り出す電極61、62のパターンは、音響エネルギーパターンをある所望の構成に変えるように変更されることができる。又、減少される電極パターン領域は、与えられた領域で効率的な音響強度を減少させることができる。しかも、音響エネルギーが要求されない複合アセンブリー50の領域は、その領域で電極を省略することによって非活性的になることができるだけでなく、又、その領域がパワーを受けない電極を有することができ、又は、このような領域は、除去され及び/又は空洞として残されるか又は弾性物質で取り替えられた複合アセンブリー50を有することができる。他の実施形態で、圧電ピラー20はグループ化されることができ、各々のグループはその自分の電極61、62とパワー/コントロールワイヤとを有する。これは、ピラー20の各々のグループが外部のコントローラーによって独立的に制御されることを許容する。これはピラーの各々のグループがその自分のパワーレベル、駆動周波数、オン/オフサイクルタイムを有するように許容する。他の実施形態で、外側の電極は、多数の領域に分けられることができる。各々の電極は、その自分のパワー/コントロールワイヤを有している。これは、デバイスの活性領域を制御するための他の方法である。
【0041】
図7を参照すると、フラット物品400を処理するためのメガソニックシステム1000が示されている。メガソニックシステム1000は、物品が一般的に水平方向に支持され回転されるロータリー支持部(図示せず)を含んでいる。又、メガソニックシステム1000は、物品400の上面401に隣接し対向するように位置されたトランスデューサーアセンブリー200を含んでいる。トランスデューサーアセンブリー200は、ブロック210で一般的に示された、支持メカニズムによって片持ち梁方式で支持されている。必要に応じて、支持メカニズムは並進運動及び/又はピボット運動を可能とすることができる。トランスデューサーアセンブリー200は、物品の表面401に十分に接近して支持されているため、ディスペンサー300がウエハーの表面に液体を適用する時に、液体の液体フィルムがトランスデューサーアセンブリー200を表面401に結合し、トランスデューサーアセンブリー200によって発生される音響エネルギーが、物品400に伝達されることができる。そのようなシングル−物品の音響−補助処理システムの一般的な概念は、従来技術で知られており、そして、米国特許第6,684,891号(発明者: Mario Bran)に開始されており、それの全体が参照としてここに取り込まれる。
【0042】
トランスデューサーアセンブリー200は、物品400の表面401に実質的に平行に支持されている。トランスデューサーアセンブリー200は細長い棒状のプローブとして示されているが、本発明は、これに限られるものではない。トランスデューサーアセンブリーは、多様な形状、向き及び構造配列を取ることができる。
【0043】
図8を参照すると、トランスデューサーアセンブリー200の横断面図が示されている。トランスデューサーアセンブリー200は、インピーダンス整合レイヤー75が組み込まれており伝達構造70が本実施形態で管状エレメントの形状であるということを除くと、上記した図6に図示される湾曲したトランスデューサーを組み込んでおり、伝達構造70は、デバイス内で音響的に役割を果たさない支持構造90を越して延びる保護ポリマーフィルムであるが、堅固さと構造的な強化とを供給する。他の実施形態で、伝達構造70は、支持のための、必要な構造的な強化を提供するように十分に堅固な物質及び/又は厚さで造られることができる。例えば、伝達構造70は、石英、サファイア、溶融シリカ、又は工程で用いられる化学薬品及び/又は液体に不活性である他の物質で造られることができる。
【0044】
伝達構造70は、円筒状のチューブ形状であり、外面71と内面72とを含んでいる。勿論、伝達構造70は、レンズ、湾曲プレート、パーシリンドリカルトラフなど、他の湾曲した実施形態を取ることができる。
【0045】
電気ワイヤ63、64は、電極61、62に作動可能に接続されており、トランスデューサーアセンブリー200を通して外部に送られ、そこでそれらが電気信号のソースに接続されている。電気のソースは、音響エネルギーの波80を発生させる複合トランスデューサー100の活性領域A、Bに位置される圧電ピラー20を駆動する電気信号を供給する。望ましくは、音響エネルギーの波80は、メガソニック範囲にある周波数、さらに望ましくは、500KHzと5MHzとの間の範囲の周波数を有している。
【0046】
複合トランスデューサー100は、底円周の一部で伝達構造70の内面71に接合されているため、複合トランスデューサー100の音響的に活性区域A、Bによって発生される音響エネルギーの波80が、物品表面401上の液体310のレイヤー内に伝達される。トランスデューサーアセンブリー200と、圧電ピラー20の音響的に活性区域A、B間の円周の空間との回転向きの組み合わせによって、音響エネルギーの平面波80は、液体レイヤー310を通して斜めに物品400の表面401に伝達するため、波80がトランスデューサーアセンブリー200に再び反射されない。代りに、波80は、物品400に反射され、トランスデューサーアセンブリー200から遠く被害を与えないように曲がりながら進む。
【0047】
言い換えて、電気的に活性の2つの上側縁の上に単にそのようなピラー20を有することによって、このようなピラー20から送り出される音波はトランスデューサー100に再び反射されず、そのため、定常波を抑制する。定常波を発生させるピラー20(音響的に非活性領域Cでのもの)は、電極と電気的に接続されていない。
【0048】
伝達構造70は内部キャビティー95を形成し、空気又は他のガスが満たされる空洞として残すことができるか、又はこのコンストラクション内にトランスデューサー100の後部に適用されることができる音響エネルギーを減衰させる減衰物質で満たされることができる。減衰物質の存在は、ある所望しない音響エネルギーを抑制する。伝達構造70は、液体310がキャビティー95を貫通することができず、キャビティー95の内側の物質が液体310と潜在的に物品とを汚染させようと外側に出ることができないようにシールされている。ここで、物品は、精密構造を有する半導体ウエハー又はソーラーパネルであることができる。
【0049】
又、伝達構造70の外面が伝達液体310に対して低い表面張力を有するように処理されるか、又は変更されることが望ましく、その結果、最小限の部分的なウェティングが起こる。エアポケット、バブル、又は空洞は、トランスデューサーに戻る音響エネルギーの反射を引き起こす。
【0050】
図7及び図8を同時に参照して、システム1000を用いる半導体ウエハー400をクリーニングする方法が説明される。まず、半導体ウエハー400は、一般的に水平向きに支持されている、回転可能な支持部上に位置されている。ウエハー400が、その後、矢印で示すように回転される。液体媒質310は、その後、ディスペンサー300を通してウエハー400の上面401上に分配される。液体は、DIウォーター、DIウォーターをオゾン処理したSC1、SC2のように、ウエハーを処理するのに用いられるある化学薬品、溶液などであることができる。
【0051】
トランスデューサーアセンブリー200がウエハーの表面401に隣接して位置されているため、小さいギャップが伝達構造70の底とウエハー400の表面401との間に存在する。トランスデューサーアセンブリーは、ウエハー400の半径よりさらに大きい。例えば、300mmシリコンウエハーに対して、トランスデューサーアセンブリー200は、活性音響長さ150mmを有する240mmの長い棒である。
【0052】
ウエハー400が回転することによって、表面401に供給される液体310は、トランスデューサーアセンブリー200をウエハー400に流動的に結合する液体310のレイヤーを形成する。電気は、その後、活性領域A、Bでピラー20を励磁するワイヤ63、64を通して供給され、そのため、所望の周波数とパワーレベルとで音響エネルギー波80を発生させる。音響エネルギーの波80は、その後、傾斜方式でトランスデューサーアセンブリー200を通して外方に伝達され、液体レイヤー310に入って、結局はウエハーの表面401と接触する。トランスデューサーアセンブリー200の下のチャック上のウエハー400を回転させることは、表面401の完全な音響の範囲を提供する。音響エネルギー波80は、ウエハーの表面401から粒子を除去し、そのため、クリーニングを達成する。
【0053】
図9から見られるように、音響的に活性領域A、Bは、少なくとも45度又はそれ以上の、音響的に非活性領域Cによって分離されている。これは、波80がトランスデューサーアセンブリー200に再び反射されないということを保証する。勿論、非活性領域Cのサイズは、構造の湾曲及び他の特徴によって影響を受ける。さらに、伝達構造70の外面71と内面72とが湾曲した表面として見える一方、本発明の傾斜波の適用技術は、互いに対して傾斜した平らな表面を用いることによって果たされることができる。従って、「湾曲した、凸、凹」という用語は、実施形態をカバーするために意図されるものであり、平らな表面は、同一の効果を達成するために互いに対して角を成すように向いている。
【0054】
図10を参照すると、本発明に係るシステム2000の第2実施形態が示されている。本の実施形態で、複合トランスデューサーアセンブリー200は、第1システム1000のトランスデューサーアセンブリーの短いセグメントである。この短いセグメントトランスデューサー200は、回転チャックを放射状に横切る支持アーム90に取り付けられている。放射状スキャンは、トランスデューサーが外側縁に向けて動くことによって、増加するウエハーの領域を占めるようにプログラムが作成されることができる。音響伝達媒質310は、流体カップリングを達成するように、上述したようにウエハーの表面401 上に分配される。音響デバイス200は、活性音響長さ20mmを有する24mmの長い棒である。
【0055】
図11及び図12を参照すると、本発明に係るシステム3000の第3実施形態が示されており、他の形状の物品が処理される。本の実施形態で、複合トランスデューサー200は、処理されるオブジェクト400の全径(又は幅)に対応している。トランスデューサー200は、適所で保持されることができ、オブジェクト(ウエハー、プレートなど)は、トランスデューサー200の下側で線形にスキャンされることができる。音響伝達媒質は、ウエハー/プレート表面上に分配される。
【0056】
各々の例で、所望の目標は、音響エネルギーが粒子を除去するように十分なエネルギーを依然として有しており、表面に適用される音響エネルギーから構造損傷を抑制することである。又、複合圧電物質を用いると、多くのセグメント(複合パターンを延ばす)で構成されたトランスデューサーを作り、その長さが原則的にある寸法であるようにすることが可能である。しかも、一般的な形状は、円形のロッドであることが要求されず、デバイスの形状において他の変形は、図13に図示されるように、デバイスの特徴を向上させることができる。
【0057】
本発明の望ましい実施形態の説明は、図示と説明の目的のために示されたものである。これは、完全であると意図されず、又は、開始された正確な形態で本発明を制限することが意図されない。多くの変更及び変形が上記内容を考慮して可能である。本発明の範囲は、上記詳細な説明によらず、後述する特許請求の範囲によって限られることが意図される。
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2007年11月6日に出願された米国仮特許出願第60/985,947号、2008年3月5日に出願された米国仮特許出願第61/034,142号を優先権主張する。上記すべての出願は、本開示において参照によって取り込まれる。
本発明は、一般的に、半導体ウエハー、加工していないシリコン基板、フラットパネルディスプレイ、ソーラーパネル、フォトマスク、ディスク、磁気ヘッド、又は高いレベルの処理正確度を要求するある他のアイテムのような基板の処理のための音響エネルギーを発生させるための装置及びシステムに関する。具体的に、本発明は、敏感なデバイスへの損傷を最小化する、敏感なデバイスを含有する基板から高いレベルの粒子除去効率を提供することができる、音響発生装置、又はそれを組み込むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造分野において、その産業の開始以来、製造処理の間に半導体ウエハーから粒子を除去することは、質のよいウエハーを生産するにあたって重要な要件であると認識されてきた。多くの他のシステム及び方法が、半導体ウエハーから粒子を除去するのに数年にかけて開発されてきたが、多くのこのようなシステム及び方法は、それらがウエハーに損傷を起こすため、望ましくなかった。従って、ウエハーからの粒子の除去は、クリーニング方法及び/又はシステムによってウエハーに生じさせられる損傷の量に対してバランスがとられなければならない。従って、クリーニング方法又はシステムは、デバイス構造に損傷を起こすことなく、敏感な半導体ウエハーから粒子を除去することができるようにすることが望ましい。
【0003】
半導体ウエハーの表面から粒子を除去する現存する技術は、化学的処理と機械的処理との組み合わせを用いる。従来技術で用いられる典型的なクリーニングケミストリーは、スタンダードクリーン1(「SC1」)であり、これは、水酸化アンモニウムと過酸化水素と水との混合物である。SC1は、ウエハーの表面を酸化させエッチングする。アンダーカッティングと知られている、このエッチング処理は、粒子が表面に結合する物理的な接触領域を減らし、従って、除去を促進する。しかし、ウエハーの表面から粒子を実際に除去するのに、機械的な処理が依然として要求される。
【0004】
より大きい粒子及びより大きいデバイスに対しては、スクラバーがウエハーの表面から粒子を物理的に払い落とすのに用いられてきた。しかし、デバイスのサイズが小さくなることによって、スクラバー及び他の形態の物理的なクリーナーは、それらとウエハーとの物理的な接触がさらに小さいデバイスに致命的な損傷を起こすため、不適切になった。
【0005】
ウェット処理の間に行う音響エネルギーの適用は、粒子除去を達成するのに、特に半導体処理ラインで製造されるウエハー(又はプレート)からサブミクロン粒子をクリーニングするのに幅広く受け入れられてきた。基板処理で用いられる音響エネルギーは、音響エネルギーのソースを通して発生される。典型的に、ソニックエネルギーのこのソースは、セラミックス又はクリスタルのような圧電物質で造られるトランスデューサーを含んでいる。作動において、トランスデューサーは、電気エネルギーのソースに結合されている。電気エネルギー信号(すなわち、電気)は、トランスデューサーに提供される。トランスデューサーは、この電気エネルギー信号を振動機械エネルギー(すなわち、音響エネルギー)に変換し、その後、振動機械エネルギーは、処理されている基板に伝達される。トランスデューサーから基板までの音響エネルギーの伝達は、トランスデューサーを基板に音響的に結合する流体によって典型的に達成され、音響エネルギー伝達の可能な物質が圧電物質上の電気的接触の「短絡」を避けるように、トランスデューサー自分と流体カップリングレイヤーとの間に位置されていることも典型的である。この伝達物質は、薄いレイヤー、剛性プレート、棒状プローブ、レンズなどを含む多様な構造的配列を取ることができる。伝達物質は、基板の汚染を避けるために流体カップリングレイヤーに対して不活性の物質で通常生産される。
【0006】
基板への音響エネルギーの適用は、粒子を除去し、他の処理ステップの効率性を改善するのに非常に効率的な方法であると証明されてきたが、基板とデバイスとに対する損傷が依然として起こりえる機械的処理もある。従って、基板の音響クリーニングは、従来の物理的クリーニングと同一の損傷問題をかかえている。
【0007】
現存するトランスデューサーアセンブリーによって発生される音響エネルギーは、頻繁に、電気回路を構成するいくらかの壊れやすい構造が損傷される(すなわち、電気回路を構成するいくらかの壊れやすい構造が除去されたり部分的に除去され、回路がこれ以上機能しなくなる)ことを引き起こすほど十分に活動的である。現在使われているトランスデューサーアセンブリーと、関連する音響特性との長期的な研究を通して、現在の発明者は、無数の問題点が、圧電物質の構造と、現存するトランスデューサーアセンブリーによって伝えられる音波の方向及び向きとの両方に存在することが分かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、ソニックエネルギーを用いて基板をクリーニングするシステム及び方法を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、基板上のデバイスに損傷を減らすソニックエネルギーを用いて基板を処理するシステム及び方法を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる他の目的は、適切な粒子除去効率を達成すると共に、基板上のデバイスに損傷を減らすソニックエネルギーを用いて基板をクリーニングするシステム及び方法を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる他の目的は、処理流体内にキャビテーションを制御するソニックエネルギーを用いて基板を処理するシステム及び方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる他の目的は、トランスデューサーと処理される基板との間で、さらに少ないエネルギー損失をもたらす基板を処理するためのシステム及び方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる他の目的は、基板の表面上にさらに均一なエネルギー分布をもたらす基板を処理するためのシステム及び方法を提供することである。
【0014】
本発明は、ウエハーの前及び/又は後に適用される流体音響伝達媒質に効率的に、かつ、正確に結合する音波を発生させるように互いに接続されることができる個々の音響発生ピラーで構成されるように、放射形区域内に形成され分けられるセラミックス圧電物質を用いて形成された音響発生デバイスを有する。圧電要素の放射状性質は、音響エネルギーが音響伝達流体に、かつ、ウエハー(又はプレート) 表面上に向け、発生されるソースから離れるように反射するように設計される。その結果、高エネルギー及び低エネルギーのノードが抑制されている。高いエネルギー地域は構造損傷を引き起こすことになり、低いエネルギー地域は粒子の除去を減少させてしまう。このような2つの状態は、このようなトランスデューサーの使用において望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一観点で、本発明は、音響エネルギーを発生させるための装置であって、圧電物質で造られる複数のピラーを含んでいる。ピラーは、隣接したピラー間に空間が存在するように離隔方式で配列されている。ピラーは、幅と、上面と底面との間で延びる高さとを有しており、ピラーの高さは、ピラーの幅よりさらに大きい。空間は、複合アセンブリーを形成するように弾性物質で満たされている。
【0016】
他の観点で、本発明は、音響エネルギーで物品を処理するための装置であって、トランスデューサーアセンブリーを含んでいる。トランスデューサーアセンブリーは、凹内面と凸外面とを有している伝達構造と、伝達構造の凹内面に接合されている凸底面を有している第1トランスデューサーと、伝達構造の凹内面に接合されている凸底面を有している第2トランスデューサーと、を含んでいる。活性の第2トランスデューサーは、非活性音響エネルギー領域が第1トランスデューサーと第2トランスデューサーとの間の伝達構造上に存在するように活性の第1トランスデューサーから離れている。
【0017】
さらなる他の観点で、本発明は、音響エネルギーを発生させるための装置を製造する方法であって、支持物質のレイヤーを提供するステップと、接着物質のレイヤー上に圧電物質を位置させるステップと、隣接するピラー間に空間が存在するように圧電物質のピラーを切るステップと、複合アセンブリーを形成するように空間を弾性物質で満たすステップと、を含んでいる。
【0018】
さらなる他の観点で、本発明は、物品を処理する方法であって、支持部上の物品を支持するステップと、凹内面と凸外面とを有している伝達構造と、伝達構造の凹内面に接合される凸底面を有している第1トランスデューサーと、伝達構造の凹内面に接合される凸底面を有している第2トランスデューサーと、を含んでおり、活性の第2トランスデューサーは、非活性音響エネルギー領域が第1トランスデューサーと第2トランスデューサーとの間の伝達構造上に存在するように活性の第1トランスデューサーから離れている、トランスデューサーアセンブリーを備えるステップと、トランスデューサーアセンブリーを支持部上の物品の表面に隣接するように位置させ、伝達構造の非活性音響領域を、物品の表面を向き合う向きで位置させるステップと、伝達構造の凸底面が物品の表面に流動的に結合されるように物品の表面に流体を適用するステップと、発生される音波が、トランスデューサーアセンブリーから遠ざかる、反射された音波となる、垂直ではない角度で物品の表面で伝えられるように第1及び/又は第2トランスデューサーを作動させるステップと、を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、従来のトランスデューサーの概略図である。
【図2】図2は、ノード及びアンチノードを有する、図1の従来のトランスデューサーによって発生される音波を示した概略図である。
【図3A】図3Aは、本発明の一実施形態に係る、ワックスベース上に支持されトランスデューサーを作り出すのに用いられる圧電気ピラーの配列の正面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの圧電気ピラーの配列の側面図である。
【図3C】図3Cは、図3Aの圧電気ピラーの配列の斜視図である。
【図3D】図3Dは、本発明の一実施形態に係る、弾性材料で満たされたピラー間に空間を有する図3Aの圧電気ピラーの配列の側面図である。
【図3E】図3Eは、本発明の一実施形態に係る、図3Dに示されたように弾性物質で満たされたピラー間に空間を有する圧電ピラーを含む複合アセンブリーの側面図であり、ワックスベースが除去されている。
【図3F】図3Fは、本発明の一実施形態に係る図3Eの複合アセンブリーを組み込むトランスデューサーの側面図であり、伝達物質が底電極に接合されている。
【図4A】図4Aは、本発明の一実施形態に係る図3Fのトランスデューサーの概略図であり、電極は個々のピラーが音響エネルギー波を発生させているように電圧が与えられている。
【図4B】図4Bは、本発明の一実施形態に係る図3Fのトランスデューサーを示す概略図であり、電極は、ピラーの個々の音響エネルギー波が効率的に組み合わせられ平面波の特性を形成するように電圧が与えられている。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係る複合トランスデューサーの側面図であり、インピーダンス整合レイヤーが加えられている。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係る、湾曲した複合トランスデューサーの横断側面図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る音響処理システムの斜視図である。
【図8】図8は、斜視図のVIII-VIIIに沿う図7の音響処理システムのトランスデューサーアセンブリーの横断面図である。
【図9】図9は、望ましい寸法で設定されたものを示す、図8のトランスデューサーアセンブリーのダイヤグラムである。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態に係る音響処理システムの斜視図であり、小さい複合トランスデューサーアセンブリーが支持部ロッドによってウエハーの表面を横切って動いている。
【図11】図11は、本発明の第3実施形態に係る音響処理システムの斜視図であり、複合トランスデューサーアセンブリーは、ウエハーの全径を横切って延びている。
【図12】図12は、四角形パネルを処理する、図11の音響処理システムの斜視図である。
【図13】図13は、本発明に係る湾曲した複合トランスデューサーが造られることができる、他の形状を示した図である。
【図14】図14は、本発明に係るトランスデューサーアセンブリーと3つの従来技術のトランスデューサー構成に対してウエハーに沿って多様な距離において発生される音響レベルを比較するグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1を参照すると、現在用いられている音響処理システムに用いられる典型的な従来のトランスデューサー1が示されている。産業において用いられる従来のトランスデューサー1の正確な形状及び向きは多様であるが、従来周知のトランスデューサー1はすべて、大きいフラットプレート構造である。このような従来のトランスデューサー1は、それらがプレートの対向する側の上で電極2、3によって駆動され圧電物質4がその固有の圧電効果によってオシレーションされる時に、結果として生じたオシレーションがフラットプレート構造の正確な形状に依存するマルチノードとなる傾向があるという問題点を有することが見出された。図2から見られるように、これは実際に複雑な音波5を送り出す。この音波5は不均一のエネルギーパターンを有している。
【0021】
しかも、トランスデューサー1が、それの主表面が、処理される基板に平行になるように位置される場合(すなわち、音波5が基板の表面に直角の方向に伝えられる場合)、音波5は、ウエハーの表面に反射され、トランスデューサー1に向けて戻ってくる。これは、定常波を作り出す。事実上、定常波の問題は、音響エネルギー波がウエハーの表面に平行に伝達されるトランスデューサー配列にさえ存在すると考えられる。音響エネルギー波がウエハーに垂直である半径方向成分を有しているからである。
【0022】
定常波は、ノードとアンチノードとからなっており、そのため、エネルギーの観点で、ウエハーを高いエネルギーポイントと低いエネルギーポイントの局地的な領域の影響を受けるようにさせる。トランスデューサー1に戻ってくる波は、トランスデューサー1の内に熱を消散させ、その結果、液体及び/又はガス、ある形態の冷却を要求する。冷却無しには、コンストラクションと連関されている要素の一部は、速く劣化されることがある。又、典型的なセラミックス又はクリスタル圧電物質のインピーダンスは、温度の関数として変化する。温度が電源(50オーム負荷に固定された整合)に整合される温度から変化する場合、圧電物質は、物質内に熱として付加のエネルギーを消散させる。これは、トランスデューサー1をさらに加熱してインピーダンスにさらに大きい変化を引き起こす。チェックせずにそのまま置くと、これはトランスデューサー1の欠陷を引き起こす。
【0023】
図3A乃至図3Fを参照し、本発明の一実施形態に係る複合トランスデューサー100とそのコンストラクションとが説明される。まず、圧電物質の典型的なフラットストックピース(flat stock piece)が備えられている(図示せず)。圧電物質は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換することができるセラミックス、クリスタル又はある他の物質であることができる。圧電物質のフラットストックピースは、その後、接着剤のようなワックスベース10や他の支持物質上に置かれるようになる。一実施形態において、支持物質は、電極(後述)であることができる。支持物質は、以下で説明する支持機能を遂行することができるある物質又は構造である。
【0024】
図3A乃至図3Cのみを参照すると、フラットストック圧電物質がワックスベース10 上に配置される時に、圧電物質は、XとYの平面をばらばらに切ることによって、圧電物質のピラー20の配列を形成する。カッティング処理の間、鋸は、望ましくはワックスベース10ではなくフラットストック圧電物質のみを切る。ワックスベース10のピラー20の保持は、ピラー20の離隔される向きで、そして一般的に直立の向きで適所で行われる。複数の交差するチャンネルがピラー20間に形成されており、そのため、隣接したピラー20間にスペース30を備えている。ピラー20は、示された実施形態において、同一に離隔された配列構成にある一方、他の構成及び幾何学的パターンが達成されることができる。しかも、望ましくは、ピラー20は、円筒形、放射形セグメント、目形状を含む、他の幾何学的な形状を採用することができる。混乱を避けるために、ピラー20とスペース30のうちいくつかのみに図面符号が付されている。
【0025】
ピラー20の各々は、それの底面21とそれの上面22との間の距離によって定義された高さHを有している。又、ピラーの各々は、幅Wを有している。ピラー20の高さHは、幅Wよりさらに大きいことがいっそう望ましい。高さHは、幅Wの二倍又はそれより大きいことがいっそう望ましい。ピラーの幅Wとスペース30の幅とは、略同一であるか、又は、少なくとも同じ大きさである。他の実施形態において、スペース30の幅は、ピラー20の幅Wよりさらに小さいことが望ましい。
【0026】
しかも、機能性の観点から、ピラー20の幅Wとスペース30の幅とは、複合トランスデューサー100によって発生される音響エネルギー波の波長よりさらに小さいことが望ましい。例えば、1MHz周波数で作動するピラー20に対して、望ましい寸法は、ピラー20の高さHが略1.6mmであり、ピラー20の幅Wが略0.8mm又はそれ未満であり、周りのスペース30の幅が活性領域で0.8mm又はそれ未満である。後述する他の実施形態において、音響的に活性領域を有していないことが望ましい。後述する活性及び非活性音響発生領域を作り出す多様な手段がある。
【0027】
図3Dを参照すると、ピラー20が造られる時、スペース30は硬化性充填材40で再び満たされる。一実施形態において、硬化性充填材は、望ましくは弾性物質40である。硬化性充填材の他の例は、エラストマーとエポキシとを含む。充填材40が硬化される時、ワックスベース10は除去され、そのため、複合アセンブリー50が、充填材40によって分離される圧電素子のピラー20によって形成されるようになる。複合アセンブリーは、図3Eに示されている。
【0028】
図3Eを参照すると、複合アセンブリー50は、底面51と上面52とを含んでいる。以下で詳細に説明されるように、複合アセンブリー50が曲率を有するように形成されるか、又は、後に曲率を有する形状で作られることができる。
【0029】
図3Fを参照すると、複合アセンブリー50が所望の形状(示された実施形態でフラット)である時、電気導電物質は、複合アセンブリー50の底面51と上面52とに適用され、そのため、電極61、62が形成される。その結果、本発明の一実施形態に係るトランスデューサー100が形成される。電極61、62を形成するのに用いられる電気導電物質は、銀のような金属、電気導電エポキシ、又は圧電ピラー20を励磁する電流を導電することができるある物質であることができる。
【0030】
以下にさらに詳細に説明されるように、ある状況では、圧電ピラー20のあるものやサブセットに単に電圧を与えることが望ましい。従って、電極61、62が複合アセンブリー50の底面51と上面52との全体に適用されるように見える一方、他の実施形態において、電極61、62は、互いから電気的に絶縁された、選択された領域のみをカバーする(図6の実施形態で見えるものと同様)。
【0031】
トランスデューサー100が物品のウェット処理に関連して用いられる時、処理流体の不足及び/又は汚染を避けるように、処理流体からトランスデューサー100(及びそれの電極)を遮蔽することが望ましい。これは伝達構造70(一般的に示されている)をトランスデューサー100に接合することによって達成されることができる。図3Fに示されているように、伝達構造70は、トランスデューサー100に直接的に接合されている。伝達構造70は、非常に多様な物質、形状及び寸法を有するように造られることができる。意図された機能によって、伝達構造は堅固な構造又は薄いフィルム又はホイルであることができる。伝達構造70に対して適切な物質は、意図された処理を促進する音響エネルギーを効率的に伝達することができるポリマー、石英、サファイア、窒化ホウ素非結晶炭化物、ステンレス鋼、又はある他の物質を含む。
【0032】
一実施形態において、伝達構造70は、ポリマーフィルムであることが望ましい。適切なポリマーは、Halar(ECTFE)、 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリスルホン、又は他のポリマーのような物質を含んでいる。ポリマーフィルムの厚さは、望ましくは0.1mil乃至18milの範囲、さらに望ましくは1mil乃至5milの範囲であることができる。このようなポリマーフィルムは、処理流体に向けて低い表面張力を供給する物質の表面特性を改善するように化学的に処理されることができるか、又は製造されることができる。
【0033】
図4Aを参照すると、音響エネルギーを発生させるように電圧が与えられるトランスデューサー100が概略的に示されている。電気が、電気のソースに作動可能に接続されているワイヤによって電極61、62に供給される。電気は、圧電ピラー20の各々によって独立的な音波80に変換される。見られるように、ピラー20は、独立的なピストンとして作用し、その高さHに実質的に平行の方向に、それ自体の独立的な音波80を各々発生させる。
【0034】
しかし、図4Bから見られるように、音波80の全体的な効果は、アンチノードとノードとがない平面波を送り出すことである。ピラー20が圧電効果によってそれらの軸方向に(すなわち、それらの高さHに沿って垂直に)延びる時、ピラー20はポアソン比によって左右方向に(すなわち、それらの幅Wに沿って水平に)収縮する。同様に、ピラー20が圧電効果によってそれらの軸方向に収縮する時、ピラー20はポアソン比によって左右方向に膨脹する。しかし、スペース30は、弾性物質で満たされているため、左右方向に発生させられるいずれの波も非常に弱くなるか、又は除去される。これは、実際にトランスデューサー100の表面から平面波を送り出す。
【0035】
上述したように、ピラー20は、音響的に活性領域及び音響的に非活性領域を作り出すように独立的に電圧が与えられることができるか、又は、サブセットでグループ化されることができる。対向する電極を有していないか、又は対向する電極に電圧が与えられていないピラー20は、圧電効果を有しておらず、音波を送り出さない。従って、音響的に活性領域の規模は、所望の正確な状況に合わせられることができる。さらに、トランスデューサー100(又はデバイスが用いられるアセンブリー)の領域が、音響的に活性であることが要求されない場合、このような部分は、複合アセンブリーから除去されて弾性物質が満たされるか又は空洞として残される圧電ピラー20を有することができる。
【0036】
図5を参照すると、トランスデューサー100の実施形態が示されており、整合レイヤー75が伝達構造70と電極との間に加えられている。整合レイヤー75(又はレイヤー)は、望ましくは、音響エネルギーを処理流体に伝達する間にエネルギー損失を減少させるインピーダンス整合レイヤーとして作用するように選択される。言い換えて、整合レイヤー75は、音波が伝達流体に効率的に結合されインターフェースで反射されないように音響的に設計されている。例えば、音響的透過性を有するVA波エポキシ整合レイヤー(略 0.029")と、音響透過性のある非常に薄いポリマー(Halarフィルム)が整合レイヤー75と伝達構造70として各々用いられることができる。設計多様性において、外部のポリマーフィルム厚さが増加されて音響レイヤーの部分として見えることによって、そのようになると、ポリマーフィルムは整合レイヤーとして含まれ、すべてのレイヤー厚さ及び特徴は、音響エネルギーを圧電ピラー20から処理流体に効率的に伝達するように調整される。
【0037】
図6を参照すると、曲率半径を有するトランスデューサー100が本発明の一実施形態に係って示されている。物品のある処理適用においては、トランスデューサー100が音響エネルギー制御及び物品との流体カップリングを達成する湾曲した形状を取ることが望ましい。
【0038】
図6の湾曲したトランスデューサー100は、上記で言及したステップの間、曲率半径を有する複合アセンブリー50を形成するか、又はフラット形状に形成された直後の複合アセンブリー50を操作することによって形成されることができる。電極61、62と伝達構造70(そしてある整合レイヤー)とは、湾曲が形成される前や後に複合アセンブリー50に接合されることができる。図6において、このような物質は、湾曲を形成する前に接合される。他のコンストラクションの手順として、複合アセンブリー50が単独に湾曲した形態に形成されることができ、その後、電極61、62と伝達構造70(そして、インピーダンス整合レイヤーがある場合)とが、後のステップで接合されることができる。伝達構造70は、湾曲形成の処理後にアセンブリーの次のステップで典型的に含まれている。
【0039】
伝達構造70は、凸外面71と凹内面72とを含んでいる。トランスデューサー100は、凹内面71に接合されている。図に示すように、上端電極62は、複合アセンブリー50の上面上の2つの絶縁された地域として適用されている。従って、トランスデューサーが電気信号を電極61、62に適用することによって電圧が与えられる時、電極62によって覆われる唯一のそのようなピラー20は、音響エネルギーを発生させ、そのため、2つの分離された、音響的に活性領域A、Bとなる。なぜなら、複合アセンブリー50の中心領域は、その領域で電極62がないことの結果として電気信号を受けないため、その領域でピラー20は音響エネルギーを発生させず、その結果、音響的に非活性領域Cとなる。音響的に活性領域A、Bは、非活性領域Cによって音響的に円周方向に分離されている。
【0040】
活性の圧電ピラー20を作り出す電極61、62のパターンは、音響エネルギーパターンをある所望の構成に変えるように変更されることができる。又、減少される電極パターン領域は、与えられた領域で効率的な音響強度を減少させることができる。しかも、音響エネルギーが要求されない複合アセンブリー50の領域は、その領域で電極を省略することによって非活性的になることができるだけでなく、又、その領域がパワーを受けない電極を有することができ、又は、このような領域は、除去され及び/又は空洞として残されるか又は弾性物質で取り替えられた複合アセンブリー50を有することができる。他の実施形態で、圧電ピラー20はグループ化されることができ、各々のグループはその自分の電極61、62とパワー/コントロールワイヤとを有する。これは、ピラー20の各々のグループが外部のコントローラーによって独立的に制御されることを許容する。これはピラーの各々のグループがその自分のパワーレベル、駆動周波数、オン/オフサイクルタイムを有するように許容する。他の実施形態で、外側の電極は、多数の領域に分けられることができる。各々の電極は、その自分のパワー/コントロールワイヤを有している。これは、デバイスの活性領域を制御するための他の方法である。
【0041】
図7を参照すると、フラット物品400を処理するためのメガソニックシステム1000が示されている。メガソニックシステム1000は、物品が一般的に水平方向に支持され回転されるロータリー支持部(図示せず)を含んでいる。又、メガソニックシステム1000は、物品400の上面401に隣接し対向するように位置されたトランスデューサーアセンブリー200を含んでいる。トランスデューサーアセンブリー200は、ブロック210で一般的に示された、支持メカニズムによって片持ち梁方式で支持されている。必要に応じて、支持メカニズムは並進運動及び/又はピボット運動を可能とすることができる。トランスデューサーアセンブリー200は、物品の表面401に十分に接近して支持されているため、ディスペンサー300がウエハーの表面に液体を適用する時に、液体の液体フィルムがトランスデューサーアセンブリー200を表面401に結合し、トランスデューサーアセンブリー200によって発生される音響エネルギーが、物品400に伝達されることができる。そのようなシングル−物品の音響−補助処理システムの一般的な概念は、従来技術で知られており、そして、米国特許第6,684,891号(発明者: Mario Bran)に開始されており、それの全体が参照としてここに取り込まれる。
【0042】
トランスデューサーアセンブリー200は、物品400の表面401に実質的に平行に支持されている。トランスデューサーアセンブリー200は細長い棒状のプローブとして示されているが、本発明は、これに限られるものではない。トランスデューサーアセンブリーは、多様な形状、向き及び構造配列を取ることができる。
【0043】
図8を参照すると、トランスデューサーアセンブリー200の横断面図が示されている。トランスデューサーアセンブリー200は、インピーダンス整合レイヤー75が組み込まれており伝達構造70が本実施形態で管状エレメントの形状であるということを除くと、上記した図6に図示される湾曲したトランスデューサーを組み込んでおり、伝達構造70は、デバイス内で音響的に役割を果たさない支持構造90を越して延びる保護ポリマーフィルムであるが、堅固さと構造的な強化とを供給する。他の実施形態で、伝達構造70は、支持のための、必要な構造的な強化を提供するように十分に堅固な物質及び/又は厚さで造られることができる。例えば、伝達構造70は、石英、サファイア、溶融シリカ、又は工程で用いられる化学薬品及び/又は液体に不活性である他の物質で造られることができる。
【0044】
伝達構造70は、円筒状のチューブ形状であり、外面71と内面72とを含んでいる。勿論、伝達構造70は、レンズ、湾曲プレート、パーシリンドリカルトラフなど、他の湾曲した実施形態を取ることができる。
【0045】
電気ワイヤ63、64は、電極61、62に作動可能に接続されており、トランスデューサーアセンブリー200を通して外部に送られ、そこでそれらが電気信号のソースに接続されている。電気のソースは、音響エネルギーの波80を発生させる複合トランスデューサー100の活性領域A、Bに位置される圧電ピラー20を駆動する電気信号を供給する。望ましくは、音響エネルギーの波80は、メガソニック範囲にある周波数、さらに望ましくは、500KHzと5MHzとの間の範囲の周波数を有している。
【0046】
複合トランスデューサー100は、底円周の一部で伝達構造70の内面71に接合されているため、複合トランスデューサー100の音響的に活性区域A、Bによって発生される音響エネルギーの波80が、物品表面401上の液体310のレイヤー内に伝達される。トランスデューサーアセンブリー200と、圧電ピラー20の音響的に活性区域A、B間の円周の空間との回転向きの組み合わせによって、音響エネルギーの平面波80は、液体レイヤー310を通して斜めに物品400の表面401に伝達するため、波80がトランスデューサーアセンブリー200に再び反射されない。代りに、波80は、物品400に反射され、トランスデューサーアセンブリー200から遠く被害を与えないように曲がりながら進む。
【0047】
言い換えて、電気的に活性の2つの上側縁の上に単にそのようなピラー20を有することによって、このようなピラー20から送り出される音波はトランスデューサー100に再び反射されず、そのため、定常波を抑制する。定常波を発生させるピラー20(音響的に非活性領域Cでのもの)は、電極と電気的に接続されていない。
【0048】
伝達構造70は内部キャビティー95を形成し、空気又は他のガスが満たされる空洞として残すことができるか、又はこのコンストラクション内にトランスデューサー100の後部に適用されることができる音響エネルギーを減衰させる減衰物質で満たされることができる。減衰物質の存在は、ある所望しない音響エネルギーを抑制する。伝達構造70は、液体310がキャビティー95を貫通することができず、キャビティー95の内側の物質が液体310と潜在的に物品とを汚染させようと外側に出ることができないようにシールされている。ここで、物品は、精密構造を有する半導体ウエハー又はソーラーパネルであることができる。
【0049】
又、伝達構造70の外面が伝達液体310に対して低い表面張力を有するように処理されるか、又は変更されることが望ましく、その結果、最小限の部分的なウェティングが起こる。エアポケット、バブル、又は空洞は、トランスデューサーに戻る音響エネルギーの反射を引き起こす。
【0050】
図7及び図8を同時に参照して、システム1000を用いる半導体ウエハー400をクリーニングする方法が説明される。まず、半導体ウエハー400は、一般的に水平向きに支持されている、回転可能な支持部上に位置されている。ウエハー400が、その後、矢印で示すように回転される。液体媒質310は、その後、ディスペンサー300を通してウエハー400の上面401上に分配される。液体は、DIウォーター、DIウォーターをオゾン処理したSC1、SC2のように、ウエハーを処理するのに用いられるある化学薬品、溶液などであることができる。
【0051】
トランスデューサーアセンブリー200がウエハーの表面401に隣接して位置されているため、小さいギャップが伝達構造70の底とウエハー400の表面401との間に存在する。トランスデューサーアセンブリーは、ウエハー400の半径よりさらに大きい。例えば、300mmシリコンウエハーに対して、トランスデューサーアセンブリー200は、活性音響長さ150mmを有する240mmの長い棒である。
【0052】
ウエハー400が回転することによって、表面401に供給される液体310は、トランスデューサーアセンブリー200をウエハー400に流動的に結合する液体310のレイヤーを形成する。電気は、その後、活性領域A、Bでピラー20を励磁するワイヤ63、64を通して供給され、そのため、所望の周波数とパワーレベルとで音響エネルギー波80を発生させる。音響エネルギーの波80は、その後、傾斜方式でトランスデューサーアセンブリー200を通して外方に伝達され、液体レイヤー310に入って、結局はウエハーの表面401と接触する。トランスデューサーアセンブリー200の下のチャック上のウエハー400を回転させることは、表面401の完全な音響の範囲を提供する。音響エネルギー波80は、ウエハーの表面401から粒子を除去し、そのため、クリーニングを達成する。
【0053】
図9から見られるように、音響的に活性領域A、Bは、少なくとも45度又はそれ以上の、音響的に非活性領域Cによって分離されている。これは、波80がトランスデューサーアセンブリー200に再び反射されないということを保証する。勿論、非活性領域Cのサイズは、構造の湾曲及び他の特徴によって影響を受ける。さらに、伝達構造70の外面71と内面72とが湾曲した表面として見える一方、本発明の傾斜波の適用技術は、互いに対して傾斜した平らな表面を用いることによって果たされることができる。従って、「湾曲した、凸、凹」という用語は、実施形態をカバーするために意図されるものであり、平らな表面は、同一の効果を達成するために互いに対して角を成すように向いている。
【0054】
図10を参照すると、本発明に係るシステム2000の第2実施形態が示されている。本の実施形態で、複合トランスデューサーアセンブリー200は、第1システム1000のトランスデューサーアセンブリーの短いセグメントである。この短いセグメントトランスデューサー200は、回転チャックを放射状に横切る支持アーム90に取り付けられている。放射状スキャンは、トランスデューサーが外側縁に向けて動くことによって、増加するウエハーの領域を占めるようにプログラムが作成されることができる。音響伝達媒質310は、流体カップリングを達成するように、上述したようにウエハーの表面401 上に分配される。音響デバイス200は、活性音響長さ20mmを有する24mmの長い棒である。
【0055】
図11及び図12を参照すると、本発明に係るシステム3000の第3実施形態が示されており、他の形状の物品が処理される。本の実施形態で、複合トランスデューサー200は、処理されるオブジェクト400の全径(又は幅)に対応している。トランスデューサー200は、適所で保持されることができ、オブジェクト(ウエハー、プレートなど)は、トランスデューサー200の下側で線形にスキャンされることができる。音響伝達媒質は、ウエハー/プレート表面上に分配される。
【0056】
各々の例で、所望の目標は、音響エネルギーが粒子を除去するように十分なエネルギーを依然として有しており、表面に適用される音響エネルギーから構造損傷を抑制することである。又、複合圧電物質を用いると、多くのセグメント(複合パターンを延ばす)で構成されたトランスデューサーを作り、その長さが原則的にある寸法であるようにすることが可能である。しかも、一般的な形状は、円形のロッドであることが要求されず、デバイスの形状において他の変形は、図13に図示されるように、デバイスの特徴を向上させることができる。
【0057】
本発明の望ましい実施形態の説明は、図示と説明の目的のために示されたものである。これは、完全であると意図されず、又は、開始された正確な形態で本発明を制限することが意図されない。多くの変更及び変形が上記内容を考慮して可能である。本発明の範囲は、上記詳細な説明によらず、後述する特許請求の範囲によって限られることが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響エネルギーを発生させるための装置であって、
圧電物質から造られる複数のピラーを含んでおり、
前記ピラーは、隣接したピラー間に空間が存在するように離隔方式で配列されており、
前記ピラーは、幅と、上面と底面との間で延びる高さとを有しており、
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅よりさらに大きく、
前記空間は、複合アセンブリーを形成するように弾性物質で満たされている、
装置。
【請求項2】
隣接したピラー間の前記空間と前記ピラーの前記幅とは、実質的に同一である、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅の少なくとも2倍である、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅の略2倍である、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ピラーの前記底面上の第1電極と、
前記ピラーの前記上面上の第2電極と、
前記ピラーの各々が前記底面から音波を発生させるように前記第1電極と前記第2電極とに作動可能に結合される電気のソースと、
をさらに含んでいる、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
隣接したピラー間の前記空間と前記ピラーの前記幅とは、同じ大きさである、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ピラーの前記底面上の第1電極と、
前記ピラーの前記上面上の第2電極と、
前記ピラーの各々が前記底面から周波数と波長とを有する音波を発生させるように前記第1電極と前記第2電極とに作動可能に結合される電気のソースと、
をさらに含んでおり、
前記ピラーの前記幅と隣接したピラー間の前記空間とは、前記音波の前記波長よりさらに小さい、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記音波の前記周波数は、メガソニック範囲にある、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ピラーの配列の前記上面と前記底面との上の電極と、
前記電極に作動可能に結合される電気のソースと、
をさらに含んでおり、
前記電極は、個々のピラー又は複数の前記ピラーのサブセットのうちのいずれか一つが絶縁された音波を発生させるように独立的に作動することを許容する方式で配列されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ピラーの前記底面は、曲率半径を有している、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ピラーの前記底面上の第1電極と、
前記ピラーの前記上面上の第2電極と、
独立的な音波が平面波として共に作用するようにする方式で前記ピラーの各々が前記独立的な音波を発生させるように、前記第1電極と前記第2電極とに作動可能に結合され、さらに適合させられた電気のソースと、
をさらに含んでいる、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記複合アセンブリーの底面に接合される伝達物質をさらに含んでいる、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記伝達物質は、ポリマーフィルムである、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記伝達物質と前記複合アセンブリーの前記底面との間にインピーダンス整合レイヤーをさらに含んでいる、
請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記インピーダンス整合レイヤーは、エポキシである、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記複合アセンブリーは、曲率半径を有する底面を有している、
請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記複合アセンブリーの底面に接合される伝達物質と、前記伝達物質と前記複合アセンブリーの前記底面との間のインピーダンス整合レイヤーとをさらに含んでいる、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
カップリング流体と接触する前記伝達物質の外面は、前記カップリング流体に向けて表面張力を減少させるように処理される、
請求項16に記載の装置。
【請求項19】
凸曲率半径を有する底面と、上面とを有している前記複合アセンブリーと、
前記複合アセンブリーの前記上面と前記底面とに作動可能に接続される電極と、
凸外面と凸内面を有する伝達構造と、
をさらに含んでおり、
前記複合アセンブリーは、前記伝達構造の前記凹内面に接合された前記電極を含んでいる、
請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記複合アセンブリーは、密閉された空間内に位置されている、
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記密閉された空間は、音響減衰物質で満たされている、
請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記伝達構造は、空洞の棒状構造である、
請求項19に記載の装置。
【請求項23】
音響エネルギーで物品を処理するための装置であって、
凹内面と凸外面とを有している伝達構造と、
前記伝達構造の前記凹内面に接合されている凸底面を有している第1トランスデューサーと、
前記伝達構造の前記凹内面に接合されている凸底面を有している第2トランスデューサーと、
を含むトランスデューサーアセンブリーを含んでおり、
活性の前記第2トランスデューサーは、非活性音響エネルギー領域が前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとの間の前記伝達構造上に存在するように活性の前記第1トランスデューサーから離れている、
装置。
【請求項24】
前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとは、前記凹内面の少なくとも45度、互いから離れている、
請求項23に記載の装置。
【請求項25】
処理される物品を支持するための支持部と、
前記物品の表面に流体を適用するための導管と、
をさらに含み、
前記トランスデューサーアセンブリーは、前記流体が前記導管によって前記物品の前記表面に適用される時に前記伝達構造の前記凸底面が前記物品の前記表面に流動的に結合されるように、前記物品の前記表面に隣接し向き合うように位置されており、
前記トランスデューサーアセンブリーは、前記伝達構造の前記非活性音響領域が前記物品の前記表面を向けるようになっている、
請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記支持部は、回転可能な支持部である、
請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記支持部は、並進運動支持部である、
請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記トランスデューサーアセンブリーは、前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとによって発生される音波が前記トランスデューサーアセンブリーから遠ざかる、反射された音波となる、垂直ではない角度で前記物品の前記表面に伝えられるように向いている、
請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとの各々は、圧電物質で造られる複数のピラーを含んでいる複合アセンブリーによって形成されており、
前記ピラーは、隣接したピラー間に空間が存在するように離隔方式で配列されており、幅と、上面と底面との間で延びる高さとを有しており、
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅よりさらに大きく、
前記空間は、複合アセンブリーを形成するように弾性物質で満たされている、
請求項23に記載の装置。
【請求項30】
音響エネルギーを発生させるための装置を造る方法であって、
支持物質のレイヤーを提供するステップと、
接着物質のレイヤーの上に圧電物質を位置させるステップと、
隣接するピラー間に空間が存在するように圧電物質の前記ピラーを切るステップと、
複合アセンブリーを形成するように前記空間を弾性物質で満たすステップと、
を含んでいる、
方法。
【請求項31】
前記ピラーは、幅と高さとを有しており、前記高さは、前記幅よりさらに大きい、
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅の少なくとも2倍である、
請求項30に記載の方法。
【請求項33】
電気的導電物質を前記複合アセンブリーの上面の少なくとも一部に適用するステップと、
電気的導電物質を前記複合アセンブリーの底面の少なくとも一部に適用するステップと
をさらに含んでいる、
請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記支持物質は、ワックス又は接着剤である、
請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記複合アセンブリーの底面が曲率半径を有するように前記複合アセンブリーを形成するステップをさらに含んでいる、
請求項30に記載の方法。
【請求項36】
電気的導電物質を前記複合アセンブリーの上面の少なくとも一部に適用するステップと、
電気的導電物質を前記複合アセンブリーの前記湾曲した底面の少なくとも一部に適用するステップと、
をさらに含んでいる、
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
伝達物質を前記複合アセンブリーの前記底面上の前記電気的導電物質に接合するステップをさらに含んでいる、
請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記伝達物質は、サファイア又は石英である、
請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記伝達物質は、ポリマーフィルムである、
請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記伝達物質は、凸外面を有している、
請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記電気的導電物質は、非活性領域によって分離された2つの電気的に絶縁された区域で前記複合アセンブリーの上面に適用される、
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
流体でそれの表面張力を減少させるように前記伝達物質の前記外面を処理するステップをさらに含んでいる、
請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記伝達物質は、前記複合アセンブリーが位置されている内部キャビティーを形成し、
前記内部キャビティーを減衰物質で満たすステップをさらに含んでいる、
請求項40に記載の方法。
【請求項44】
物品を処理する方法であって、
支持部上の物品を支持するステップと、
凹内面と凸外面とを有している伝達構造と、前記伝達構造の前記凹内面に接合される凸底面を有している第1トランスデューサーと、前記伝達構造の前記凹内面に接合される凸底面を有している第2トランスデューサーとを含んでおり、活性の前記第2トランスデューサーは、非活性音響エネルギー領域が前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとの間の前記伝達構造上に存在するように活性の前記第1トランスデューサーから離れている、トランスデューサーアセンブリーを備えるステップと、
前記トランスデューサーアセンブリーを前記支持部上の前記物品の表面に隣接するように位置させ、前記伝達構造の前記非活性音響領域を前記物品の前記表面を向き合う向きで位置させるステップと、
前記伝達構造の前記凸底面が前記物品の前記表面に流動的に結合されるように前記物品の前記表面に流体を提供するステップと、
発生される音波が、前記トランスデューサーアセンブリーから遠ざかる、反射された音波となる、垂直ではない角度で前記物品の前記表面に伝えられるように第1及び/又は第2トランスデューサーを作動させるステップと、
を含んでいる、
方法。
【請求項45】
前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとの各々は、圧電物質で造られる複数のピラーを含む複合アセンブリーによって形成され、
前記ピラーは、隣接したピラー間に空間が存在するように離隔方式で配列されており、
前記ピラーは、幅と、上面と底面との間で延びる高さとを有しており、
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅よりさらに大きく、
前記空間は、複合アセンブリーを形成するように弾性物質で満たされている、
請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記支持部は、前記物品の回転又は並進が可能である、
請求項44に記載の方法。
【請求項1】
音響エネルギーを発生させるための装置であって、
圧電物質から造られる複数のピラーを含んでおり、
前記ピラーは、隣接したピラー間に空間が存在するように離隔方式で配列されており、
前記ピラーは、幅と、上面と底面との間で延びる高さとを有しており、
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅よりさらに大きく、
前記空間は、複合アセンブリーを形成するように弾性物質で満たされている、
装置。
【請求項2】
隣接したピラー間の前記空間と前記ピラーの前記幅とは、実質的に同一である、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅の少なくとも2倍である、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅の略2倍である、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ピラーの前記底面上の第1電極と、
前記ピラーの前記上面上の第2電極と、
前記ピラーの各々が前記底面から音波を発生させるように前記第1電極と前記第2電極とに作動可能に結合される電気のソースと、
をさらに含んでいる、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
隣接したピラー間の前記空間と前記ピラーの前記幅とは、同じ大きさである、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ピラーの前記底面上の第1電極と、
前記ピラーの前記上面上の第2電極と、
前記ピラーの各々が前記底面から周波数と波長とを有する音波を発生させるように前記第1電極と前記第2電極とに作動可能に結合される電気のソースと、
をさらに含んでおり、
前記ピラーの前記幅と隣接したピラー間の前記空間とは、前記音波の前記波長よりさらに小さい、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記音波の前記周波数は、メガソニック範囲にある、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ピラーの配列の前記上面と前記底面との上の電極と、
前記電極に作動可能に結合される電気のソースと、
をさらに含んでおり、
前記電極は、個々のピラー又は複数の前記ピラーのサブセットのうちのいずれか一つが絶縁された音波を発生させるように独立的に作動することを許容する方式で配列されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ピラーの前記底面は、曲率半径を有している、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ピラーの前記底面上の第1電極と、
前記ピラーの前記上面上の第2電極と、
独立的な音波が平面波として共に作用するようにする方式で前記ピラーの各々が前記独立的な音波を発生させるように、前記第1電極と前記第2電極とに作動可能に結合され、さらに適合させられた電気のソースと、
をさらに含んでいる、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記複合アセンブリーの底面に接合される伝達物質をさらに含んでいる、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記伝達物質は、ポリマーフィルムである、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記伝達物質と前記複合アセンブリーの前記底面との間にインピーダンス整合レイヤーをさらに含んでいる、
請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記インピーダンス整合レイヤーは、エポキシである、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記複合アセンブリーは、曲率半径を有する底面を有している、
請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記複合アセンブリーの底面に接合される伝達物質と、前記伝達物質と前記複合アセンブリーの前記底面との間のインピーダンス整合レイヤーとをさらに含んでいる、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
カップリング流体と接触する前記伝達物質の外面は、前記カップリング流体に向けて表面張力を減少させるように処理される、
請求項16に記載の装置。
【請求項19】
凸曲率半径を有する底面と、上面とを有している前記複合アセンブリーと、
前記複合アセンブリーの前記上面と前記底面とに作動可能に接続される電極と、
凸外面と凸内面を有する伝達構造と、
をさらに含んでおり、
前記複合アセンブリーは、前記伝達構造の前記凹内面に接合された前記電極を含んでいる、
請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記複合アセンブリーは、密閉された空間内に位置されている、
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記密閉された空間は、音響減衰物質で満たされている、
請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記伝達構造は、空洞の棒状構造である、
請求項19に記載の装置。
【請求項23】
音響エネルギーで物品を処理するための装置であって、
凹内面と凸外面とを有している伝達構造と、
前記伝達構造の前記凹内面に接合されている凸底面を有している第1トランスデューサーと、
前記伝達構造の前記凹内面に接合されている凸底面を有している第2トランスデューサーと、
を含むトランスデューサーアセンブリーを含んでおり、
活性の前記第2トランスデューサーは、非活性音響エネルギー領域が前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとの間の前記伝達構造上に存在するように活性の前記第1トランスデューサーから離れている、
装置。
【請求項24】
前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとは、前記凹内面の少なくとも45度、互いから離れている、
請求項23に記載の装置。
【請求項25】
処理される物品を支持するための支持部と、
前記物品の表面に流体を適用するための導管と、
をさらに含み、
前記トランスデューサーアセンブリーは、前記流体が前記導管によって前記物品の前記表面に適用される時に前記伝達構造の前記凸底面が前記物品の前記表面に流動的に結合されるように、前記物品の前記表面に隣接し向き合うように位置されており、
前記トランスデューサーアセンブリーは、前記伝達構造の前記非活性音響領域が前記物品の前記表面を向けるようになっている、
請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記支持部は、回転可能な支持部である、
請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記支持部は、並進運動支持部である、
請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記トランスデューサーアセンブリーは、前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとによって発生される音波が前記トランスデューサーアセンブリーから遠ざかる、反射された音波となる、垂直ではない角度で前記物品の前記表面に伝えられるように向いている、
請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとの各々は、圧電物質で造られる複数のピラーを含んでいる複合アセンブリーによって形成されており、
前記ピラーは、隣接したピラー間に空間が存在するように離隔方式で配列されており、幅と、上面と底面との間で延びる高さとを有しており、
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅よりさらに大きく、
前記空間は、複合アセンブリーを形成するように弾性物質で満たされている、
請求項23に記載の装置。
【請求項30】
音響エネルギーを発生させるための装置を造る方法であって、
支持物質のレイヤーを提供するステップと、
接着物質のレイヤーの上に圧電物質を位置させるステップと、
隣接するピラー間に空間が存在するように圧電物質の前記ピラーを切るステップと、
複合アセンブリーを形成するように前記空間を弾性物質で満たすステップと、
を含んでいる、
方法。
【請求項31】
前記ピラーは、幅と高さとを有しており、前記高さは、前記幅よりさらに大きい、
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅の少なくとも2倍である、
請求項30に記載の方法。
【請求項33】
電気的導電物質を前記複合アセンブリーの上面の少なくとも一部に適用するステップと、
電気的導電物質を前記複合アセンブリーの底面の少なくとも一部に適用するステップと
をさらに含んでいる、
請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記支持物質は、ワックス又は接着剤である、
請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記複合アセンブリーの底面が曲率半径を有するように前記複合アセンブリーを形成するステップをさらに含んでいる、
請求項30に記載の方法。
【請求項36】
電気的導電物質を前記複合アセンブリーの上面の少なくとも一部に適用するステップと、
電気的導電物質を前記複合アセンブリーの前記湾曲した底面の少なくとも一部に適用するステップと、
をさらに含んでいる、
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
伝達物質を前記複合アセンブリーの前記底面上の前記電気的導電物質に接合するステップをさらに含んでいる、
請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記伝達物質は、サファイア又は石英である、
請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記伝達物質は、ポリマーフィルムである、
請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記伝達物質は、凸外面を有している、
請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記電気的導電物質は、非活性領域によって分離された2つの電気的に絶縁された区域で前記複合アセンブリーの上面に適用される、
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
流体でそれの表面張力を減少させるように前記伝達物質の前記外面を処理するステップをさらに含んでいる、
請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記伝達物質は、前記複合アセンブリーが位置されている内部キャビティーを形成し、
前記内部キャビティーを減衰物質で満たすステップをさらに含んでいる、
請求項40に記載の方法。
【請求項44】
物品を処理する方法であって、
支持部上の物品を支持するステップと、
凹内面と凸外面とを有している伝達構造と、前記伝達構造の前記凹内面に接合される凸底面を有している第1トランスデューサーと、前記伝達構造の前記凹内面に接合される凸底面を有している第2トランスデューサーとを含んでおり、活性の前記第2トランスデューサーは、非活性音響エネルギー領域が前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとの間の前記伝達構造上に存在するように活性の前記第1トランスデューサーから離れている、トランスデューサーアセンブリーを備えるステップと、
前記トランスデューサーアセンブリーを前記支持部上の前記物品の表面に隣接するように位置させ、前記伝達構造の前記非活性音響領域を前記物品の前記表面を向き合う向きで位置させるステップと、
前記伝達構造の前記凸底面が前記物品の前記表面に流動的に結合されるように前記物品の前記表面に流体を提供するステップと、
発生される音波が、前記トランスデューサーアセンブリーから遠ざかる、反射された音波となる、垂直ではない角度で前記物品の前記表面に伝えられるように第1及び/又は第2トランスデューサーを作動させるステップと、
を含んでいる、
方法。
【請求項45】
前記第1トランスデューサーと前記第2トランスデューサーとの各々は、圧電物質で造られる複数のピラーを含む複合アセンブリーによって形成され、
前記ピラーは、隣接したピラー間に空間が存在するように離隔方式で配列されており、
前記ピラーは、幅と、上面と底面との間で延びる高さとを有しており、
前記ピラーの前記高さは、前記ピラーの前記幅よりさらに大きく、
前記空間は、複合アセンブリーを形成するように弾性物質で満たされている、
請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記支持部は、前記物品の回転又は並進が可能である、
請求項44に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2011−504134(P2011−504134A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533253(P2010−533253)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/082701
【国際公開番号】WO2009/061970
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(506410626)アクリオン テクノロジーズ インク (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/082701
【国際公開番号】WO2009/061970
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(506410626)アクリオン テクノロジーズ インク (4)
【Fターム(参考)】
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