説明

基板保持ユニット、及びこれを利用する基板処理装置及び基板処理方法

【課題】半導体などの基板の全体に対して均一に工程が行なわれるように基板を保持する基板保持ユニット、及びこれを利用する効率の良い基板処理装置及び基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板保持ユニットは、第1保持部及び第2保持部を含む。第1保持部は第1方向に移動可能であり、第1方向に対応する方向に工程流体が提供される基板に対して、基板の第1部分を保持する。第2保持部は第2方向に移動可能であり、基板の第2部分を保持する。第1及び第2保持部のうち少なくとも一つは、工程流体が提供される間、基板を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板保持ユニット、及びこれを利用する基板処理装置及び基板処理方法に関し、さらに詳細には、半導体などの基板の全体に対して均一に工程が行なわれるように半導体などの基板を保持する基板保持ユニット、及びこれを利用する基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリ素子又は平板表示装置のような電子装置は基板を含む。基板はシリコンウェハやガラス基板であり得る。基板上には複数の導電膜パターンが形成され、また、互いに異なる複数の導電膜パターンの間を絶縁する絶縁膜パターンが形成される。導電膜パターンや絶縁膜パターンは、露光、現像及びエッチングのような一連の工程によって形成される。
【0003】
上記の導電膜パターンや絶縁膜パターンは数マイクロメートル乃至数ナノメートル程度の微細な大きさを有するため、工程の精密度が重要である。すなわち、基板全体に対して均一に工程が行なわれなければならない。もし、工程が不均一に行なわれると、パターンにエラーが発生して該当の電子装置の不良を誘発する。
【0004】
例えば、工程が基板に対する洗浄工程である場合、対象基板はチャンバ内で処理液に浸漬され、対象基板が処理液と反応しながら洗浄工程が行なわれる。洗浄後、基板は乾燥される。このような洗浄工程が基板に対して不均一に行なわれると、領域によっては水斑が生じて不純物パーティクルが発生する。その結果、パーティクルによって基板を使用する装置に動作不良が誘発される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、半導体などの基板の全体に対して均一に工程が行なわれるように基板を保持する基板保持ユニットを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、基板保持ユニットを利用する基板処理装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、基板保持ユニットを利用する基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明の実施の形態による基板保持ユニットは、第1保持部及び第2保持部を含む。前記第1保持部は第1方向に移動可能であり、前記第1方向に対応する方向に工程流体が提供される基板に対して、前記基板の第1部分を保持する。前記第2保持部は第2方向に移動可能であり、前記基板の第2部分を保持する。前記第1及び第2保持部のうち少なくとも一つは、前記工程流体が提供される間、前記基板を保持する。
【0009】
本発明の他の実施の形態による基板保持ユニットは、第1保持部及び第2保持部を含む。前記第1保持部は垂直方向に移動可能であり、前記垂直方向に載置された基板の下端部を保持する。前記第2保持部は水平方向に移動可能であり、前記基板の両側端部を保持する。
【0010】
本発明の実施の形態による基板処理装置は、第1チャンバ、噴射機、及び基板保持ユニットを含む。前記第1チャンバには基板が収容されて、前記基板に対する工程が行われる。前記噴射機は前記第1チャンバに設けられ、前記基板に工程流体を提供する。前記基板保持ユニットは前記第1チャンバに備えられ、前記工程が行われる間、前記基板を保持する。
【0011】
ここで、前記基板保持ユニットは第1保持部及び第2保持部を含む。前記第1保持部は、前記工程流体が提供される方向と対応する第1方向に移動可能であり、前記基板の第1部分を保持する。前記第2保持部は第2方向に移動可能であり、前記基板の第2部分を保持する。前記第1及び第2保持部のうち少なくとも一つは、前記工程流体が提供される間、前記基板を保持する。
【0012】
本発明の他の実施の形態による基板処理装置は、第1チャンバ、第2チャンバ、第1保持台、及び第2保持台を含む。前記第1チャンバには基板が収容され、前記基板に対する第1工程が行われる。前記第2チャンバは前記第1チャンバと連結され、前記第2チャンバで前記基板に対する第2工程が行われる。前記第1保持台は前記基板を保持し、前記第1及び第2チャンバの間で前記基板と共に移送される。前記第2保持台は前記第2チャンバで前記基板を保持し、前記基板を保持した状態で回転可能である。
【0013】
本発明の他の実施の形態による基板処理方法は、第1チャンバで第1保持台により基板を保持し、前記基板に対する第1工程を行うステップと、前記基板が保持された第1保持台を前記第1チャンバと連結された第2チャンバに移送するステップと、前記第1保持台を前記基板から離隔させ、第2保持台により前記基板を保持するステップと、前記第2保持台を回転しながら、前記基板に対する第2工程を行うステップとを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1保持部と第2保持部を含む基板保持ユニットを操作することにより、基板の全領域に対して均一に工程が行なわれ、工程効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。但し、本発明はここに説明する実施の形態に限定されず、他の様々な形態に変形できる。むしろ、ここで説明する実施の形態は、内容の開示を徹底且つ完全にするために、そして当業者に本発明の思想を十分伝達するために提供される。従って、本発明の範囲が後述する実施の形態に限定されると解釈されてはならない。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態による基板保持ユニットの断面図である。
【0017】
図1を参照すると、基板保持ユニットは、ウェハWを保持する第1保持部1及び第2保持部2を含む。第1保持部1は第1方向D1に移動し、ウェハWの下端部を保持する。第2保持部2は第1方向D1に垂直な第2方向D2に移動し、ウェハWの両側端部を保持する。第2保持部2は、互いに対向する一対が備えられる。
【0018】
ウェハWが第1方向D1に載置されるので、第1方向D1が上下方向である場合、第1方向D1には一側だけでもウェハWを安定的に保持できる。一方、第2方向D2に対しては、ウェハWを安定的に保持するには、ウェハWを両側から保持する必要がある。従って、第1保持部1は単数備え、第2保持部2は複数備えることが好ましい。ただ、より安定的な保持力を確保するために、第1保持部1は複数備えてもよい。また、一側だけでも保持力が確保されるなら、第2保持部2は単数備えても良い。本実施の形態において、第1及び第2保持部1、2の構成個数に拘わらず、互いに異なる位置でウェハWを保持する複数の保持部を備えることが重要である。
【0019】
第1保持部1は、第1保持台1aと第1駆動部1bを含む。第1保持台1aは、実質的にウェハWに接触して保持する部分であり、第1駆動部1bは、第1保持台1aが第1方向D1に移動するように必要な動力を発生して伝達する部分である。第2保持部2は、第2保持台2aと第2駆動部2bを含む。第2保持台2aは、ウェハWを保持する部分であり、第2駆動部2bは、第2保持台2aが第2方向D2に移動するように必要な動力を発生して伝達する部分である。
【0020】
図2は、図1に示した第1保持台の斜視図である。
【0021】
図2を参照すると、第1保持台1aは、ベース板5、第1乃至第3保持部材6、7、8及び連結板9を含む。第1乃至第3保持部材6、7、8は、相互間に離隔し、ベース板5から垂直方向に形成される。連結板9は、互いに離隔した第1乃至第3保持部材6、7、8を互いに連結する。連結板9は、前方と後方に一対が備えられる。
【0022】
第1乃至第3保持部材6、7、8には、溝状のスロット6h、7h、8hがそれぞれ形成される。スロット6h、7h、8hは、第1乃至第3保持部材6、7、8の長さ方向に沿って複数形成される。スロット6h、7h、8hの個数に対応して、第1保持台1aは一度に複数のウェハWを保持できる。例えば、第1保持台1aは一度に50枚のウェハを保持することが可能で、ウェハW1枚当たり第1乃至第3保持部材6、7、8によって3ヶ所で保持される。
【0023】
第1及び第2保持部材6、7はベース板5のエッジに形成され、第3保持部材8は第1及び第2保持部材6、7の間に位置する。第1及び第2保持部材6、7は第3保持部材8に比べて高く位置する。その結果、第3保持部材8はウェハWで最も低い下面を保持し、第1及び第2保持部材6、7は下面から側面に移動した部分を保持する。
【0024】
但し、上記の第1保持台1aの構造は一実施の形態に過ぎず、ウェハWを保持する他の様々な構造が適用可能である。一方、第2保持台2aは、第1保持台1aと同じ又は類似する他の保持構造を保有できる。
【0025】
図3及び図4は、図1に示した基板保持ユニットの作用効果を説明する断面図である。
【0026】
図3を参照すると、ウェハWが第1保持部1に安着した状態で工程が行なわれる。工程時に、第1方向D1に工程流体が提供(矢印で表示)され、ウェハWと工程流体の間の反応で工程が行なわれる。このような型の工程では、ウェハWの全体領域で工程を行なうためには、ウェハWの該当の領域全てに工程流体が到達する必要がある。
【0027】
工程進行時、第2保持部2はウェハWから離隔した状態であり、工程流体は第1保持部1が保持する領域を除いてウェハWの全体領域に到逹する。従って、第2保持部2に保持されるウェハWの領域A1にも工程流体が到達する。
【0028】
図4を参照すると、一定時間が経過した後、第1保持部1がウェハWから離隔し、ウェハWは第2保持部2によって保持される。工程進行時、工程流体は第2保持部2が保持する領域を除いてウェハWの全体領域に到逹する。従って、第1保持部1に保持されるウェハWの領域A2にも工程流体が到達する。
【0029】
上記のように、ウェハWの互いに異なる領域を保持する第1及び第2保持部1、2が備えられ、これらが互いに異なる時間にウェハWを保持することで、ウェハWの全体領域に工程流体が到達できる。その結果、ウェハWの全領域で均一に工程が行なわれて、工程不良を防止できる。
【0030】
以下では、上記の基板保持ユニットを利用する基板処理装置及び基板処理方法に対して説明する。
【0031】
図5は、本発明の実施の形態による基板処理装置の斜視図である。
【0032】
図5を参照すると、基板処理装置にはロードポート10、トランスファユニット20及び処理ユニット30が備えられる。ロードポート10ではウェハがローディング、アンローディングされる。ロードポート10では、カセット11を用いて一度に複数枚のウェハが処理される。一つのカセット11は、最大25枚のウェハを収容できる。従って、二つのカセット11を用いて、一度に最大50枚のウェハを処理できる。
【0033】
トランスファユニット20は、ロードポート10からウェハを受け取って処理ユニットに移送する。トランスファユニット20の下端部には、ウェハを移送する移送ロボット(図示せず)が配置される。
【0034】
処理ユニット30は、トランスファユニット20から移送されたウェハを工程処理する。処理ユニット30は複数のサブ処理ユニットを含む。即ち、処理ユニット30は例えば、第1サブ処理ユニット31、第2サブ処理ユニット32、及び第3サブ処理ユニット33を含む。処理ユニット30は必要によって、第1乃至第3サブ処理ユニット31、32、33の他に追加的なサブ処理ユニットをさらに保有できる。又は、処理ユニット30は必要によって、第1乃至第3サブ処理ユニット31、32、33のうち一部を省略できる。
【0035】
第1乃至第3サブ処理ユニット31、32、33のそれぞれは、ウェハに対する様々な工程を行なうための工程溶液が入った処理槽を含む。例えば、工程としてはエッチング、洗浄及び乾燥を包含できる。エッチング、洗浄及び乾燥時に、工程溶液やガスとしてフッ酸、硫酸、脱イオン水、イソプロピルアルコール、窒素などを様々に使用できる。
【0036】
第1乃至第3サブ処理ユニット31、32、33それぞれの処理槽に入った工程溶液は、同じ工程を行うための同じ工程溶液であり得る。又は、第1乃至第3サブ処理ユニット31、32、33それぞれの処理槽に入った工程溶液は、同じ工程に対して互いに異なる成分を有する工程溶液であっても良い。又は、第1乃至第3サブ処理ユニット31、32、33それぞれの処理槽に入った工程溶液は、相違する工程を行うための互いに異なる工程溶液であっても良い。
【0037】
図6は、図5に示したサブ処理ユニットの断面図であり、図7は、図6に示したサブ処理ユニットを利用する基板処理方法を説明するフローチャートである。図6には、第1乃至第3サブ処理ユニット31、32、33のうち何れか一つを示しており、ここに図示した構造は、第1乃至第3サブ処理ユニット31、32、33の全てに対して適用されるか又はこのうち一部に適用できる。
【0038】
図6を参照すると、ウェハWが収容される空間を有するチャンバ100が備えられる。チャンバ100には、上述の、第1保持部1と第2保持部2からなる基板保持ユニット、即ち、ウェハWを保持する第1保持部110及び第2保持部120からなる基板保持ユニットが設けられる。また、チャンバ100には、工程流体を噴射する噴射機130が設けられる。第1保持部110は第1方向D1に移動可能であり、ウェハWの下端部を保持する。第2保持部120は互いに対向する一対が備えられる。第2保持部120は第2方向D2に移動可能であり、ウェハWの両側端部を保持する。噴射機130はウェハWの上部から離隔するように設けられ、噴射機130から噴射された工程流体は第1方向D1に沿ってウェハWに提供される。
【0039】
図7を参照すると、ステップS10で、第1保持部110が半導体基板であるウェハWの下端部に該当する第1部分を保持する。ステップS10で、第2保持部120はウェハWから離隔する。
【0040】
ステップS20で、噴射機130を介して工程流体150を噴射する。工程流体150は工程溶液又は工程ガスである。工程流体150は、第1部分を除いたウェハWの全体領域でウェハWと反応する。
【0041】
ステップS30で、第2保持部120がウェハWの両側端部に該当する第2部分を保持する。ステップS30で、第1保持部110はウェハWから離隔する。
【0042】
ステップS40で、工程流体150が提供されて、第2部分を除いたウェハWの全体領域でウェハWと反応する。
【0043】
上記のようなステップにより、ウェハWの全体領域に対して均一に工程を実行できる。このステップ順序において、第1保持部110と第2保持部120の保持順番は交換できる。また、第1及び第2保持部110、120の他にウェハWに対する安定的な保持力を確保するために、必要な場合、保持部をさらに追加できる。
【0044】
一方、ステップS20は省略しても良い。即ち、ステップS20を省略しても、ステップS40で工程流体を提供する時、ある程度まではウェハWの全体領域に工程流体を提供できる。それは、第2保持部120が工程流体の提供される方向に対して垂直にウェハWを保持しているため、工程流体が第1方向D1に移動しながら基板の第2部分と、第2保持部120との間の間隔を通過できるからである。特に、該当の工程がガスを用いてウェハWを乾燥する工程である場合、ステップS20を省略する方法がより效果的に適用できる。乾燥工程に関する詳細は後述する。
【0045】
以上、図6に示した基板処理装置を利用する基板処理方法に対して説明した。しかし、本実施の形態の基板処理方法は、図6に示した基板処理装置の他にも複数の保持部を有する他の構造の基板処理装置に様々に適用できる。
【0046】
図8は、本発明の他の実施の形態による図5に示したサブ処理ユニットの断面図である。
【0047】
図8を参照すると、上下に連通している互いに異なる二つのチャンバが備えられる。説明の便宜上、図8で下部に位置するチャンバを下部チャンバ200と称し、上部に位置するチャンバを上部チャンバ300と称する。下部チャンバ200と上部チャンバ300とでは互いに異なる工程をそれぞれ実施する。例えば、下部チャンバ200ではウェハWに対する洗浄を実施し、上部チャンバ300ではウェハWに対する乾燥工程を実施できる。
【0048】
この場合、下部チャンバ200には洗浄液が噴射される第1噴射機213が設けられ、上部チャンバ300には乾燥ガスが噴射される第2噴射機313が設けられる。また、下部チャンバ200にはウェハWの下端部を保持する第1保持部310が設けられ、上部チャンバ300にはウェハWの両側端部を持する第2保持部320が設けられる。第1及び第2保持部310、320としては前述した実施の形態の基板処理ユニットが使用できる。
【0049】
下部チャンバ200は内槽210及び外槽220を含む。内槽210は洗浄液が噴射されて満たされ、底には洗浄液が排出される排出口214が形成される。外槽220は内槽210を取り囲み、内槽210からオーバーフローした洗浄液を収容する。下部チャンバ200には、上部チャンバ300と下部チャンバ200の工程領域を区分するシャッタ230が備えられる。下部チャンバ200の側部にはゲート225が設けられ、ゲート225を介してシャッタ230が出入する。
【0050】
第1保持部310は上下に移動可能であり、下部チャンバ200と上部チャンバ300の間でウェハWを移送する。図8に示していないが、第1保持部310を上下に移送する移送手段は、第1保持部310の一側に連結され、上部チャンバ300の上部を貫通する駆動軸及び駆動軸に動力を伝達するモータをさらに保有できる。第2保持部320は互いに対向する一対が備えられる。第2保持部320には駆動軸401が連結され、駆動軸401にモータ400から動力が伝達されて、第2保持部320は直線運動する。
【0051】
上記のように、上部及び下部チャンバ200、300が上下に積層され、互いに連通している場合は、ウェハWを洗浄した後、遠い距離を移送しなくても直ちに乾燥工程に移行できるという長所がある。
【0052】
図9は、図8に示したサブ処理ユニットを利用する基板処理方法を説明するフローチャートであり、図10乃至図16は、図9のフローチャートに示した各ステップに対応する基板処理装置の動作過程を示す断面図である。
【0053】
図9及び図10を参照すると、ステップS100で、ウェハWが移送されて、下部チャンバ200で第1保持部310の第1保持台に安着する。
【0054】
図9及び図11を参照すると、ステップS200で、第1噴射機213から純水などの洗浄液F1が提供される。洗浄液F1は内槽210を満たし、外槽220にオーバーフローする。ウェハWは洗浄液F1に浸漬された状態でリンスされる。
【0055】
図9及び図12を参照すると、ステップS300で、リンスが完了されたウェハWが上部チャンバ300に移送される。ウェハWは、第1保持部310に保持された状態で第1保持部310と共に移送される。
【0056】
図9及び図13を参照すると、ステップS400で、シャッタ230が下部チャンバ200に挿入されて、上部チャンバ300と下部チャンバ200の間の作業空間が互いに区分されるように遮断する。また、第2保持部320が左右方向に直線移動してウェハWを保持する。図面では、第2保持部320は上部チャンバ300内部に設けられているように示したが、第2保持部320が必ずしも上部チャンバ300内部に設けられねばならないのではない。
【0057】
例えば、第2保持部320は上部チャンバ300外部に設けられ、上部チャンバ300には第2保持部320が出入できるように開閉ドアが形成されても良い。このような構造では、ウェハWが下部チャンバ200から上部チャンバ300に移送された後、開閉ドアが開き、第2保持部320が移動してウェハWを保持する。この場合、第2保持部320が上部チャンバ300内部に設けられないので、第2保持部320が占める空間だけ上部チャンバ300の空間を削減できる。
【0058】
図9及び図14を参照すると、ステップ500で、第1保持部310が下方へ移動してウェハWから離隔する。その結果、ウェハWは第2保持部320だけによって保持される。
【0059】
図9及び図15を参照すると、ステップ600で、第2噴射機313から乾燥ガスF2が噴射されてウェハWに提供される。乾燥ガスF2としては、イソプロピルアルコールと窒素を使用できる。図15に示していないが、シャッタ230には複数の排出ホールを形成できる。この場合、排出ホールを介して乾燥ガスF2は下部チャンバ200に移動した後、下部チャンバ200から外部に排出できる。
【0060】
この時、図16に示すように、ステップ600で、第2噴射機313から乾燥ガスF2が提供される間、第2保持部320が回転することもできる。
【0061】
即ち、乾燥ガスF2が提供される間、第2保持部320は選択的に駆動軸400から動力を伝達してもらい回転できる。第2保持部320が回転することで、それに装着されたウェハWも一緒に回転するようになる。上記の回転が行なわれる間、ウェハWの全領域にかけて洗浄液F1が下方に流れる。また、上記の回転により乾燥ガスF2がウェハWの全領域に均一に提供される。
【0062】
もし、第2保持部320が設けられず、ウェハWが第1保持部310に保持された状態で乾燥ガスF2が提供されたら、第1保持部310に溜まって残存する洗浄液F1が乾燥ガスF2によって急に乾燥されてしまい、第1保持部310により保持されたウェハWの部分で、水斑点が生じて不純物パーティクルが発生する恐れがある。
【0063】
しかし、本実施の形態のように、第2保持部320でウェハWを保持すれば、第1保持部310により保持されたウェハWの部分に溜まっていた洗浄液F1が下方へ流れ去ってしまい、このような状態で乾燥ガスF2が提供されると、ウェハW全体が均一に乾燥され、上記の水斑点の生成を防止できる。
【0064】
以上で説明したように、本発明の実施の形態によればウェハ全体で均一に工程が行なわれて、工程有効性が向上する。但し、実施の形態は例示的な観点で説明したものに過ぎず、該当の技術分野における通常の知識を有する当業者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることが理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態による基板保持ユニットの断面図である。
【図2】図1に示した第1保持台の斜視図である。
【図3】図1に示した基板保持ユニットの作用効果を説明する断面図である。
【図4】図1に示した基板保持ユニットの作用効果を説明する断面図である。
【図5】本発明の実施の形態による基板処理装置の斜視図である。
【図6】図5に示したサブ処理ユニットの断面図である。
【図7】図6に示したサブ処理ユニットを利用する基板処理方法を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施の形態による図5に示したサブ処理ユニットの断面図である。
【図9】図8に示したサブ処理ユニットを利用する基板処理方法を説明するフローチャートである。
【図10】図9のフローチャートに示したステップS100に対応する基板処理装置の動作過程を示す断面図である。
【図11】図9のフローチャートに示したステップS200に対応する基板処理装置の動作過程を示す断面図である。
【図12】図9のフローチャートに示したステップS300に対応する基板処理装置の動作過程を示す断面図である。
【図13】図9のフローチャートに示したステップS400に対応する基板処理装置の動作過程を示す断面図である。
【図14】図9のフローチャートに示したステップS500に対応する基板処理装置の動作過程を示す断面図である。
【図15】図9のフローチャートに示したステップS600に対応する基板処理装置の動作過程を示す断面図である。
【図16】図9のフローチャートに示したステップS600に対応する基板処理装置の改良した動作過程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 第1保持部
1a 第1保持台
1b 第1駆動部
2 第2保持部
2a 第2保持台
2b 第2駆動部
5 ベース板
6、7、8 第1、第2、第3保持部材
6h、7h、8h スロット
9 連結板
10 ロードポート
11 カセット
20 トランスファユニット
30 処理ユニット
31、32、33 第1、第2、第3サブ処理ユニット
100 チャンバ
110、310 第1保持部
120、320 第2保持部
130 噴射機
150 工程流体
200、300 下部、上部チャンバ
210、220 内槽、外槽
225、230 ゲート、シャッタ
213、313 第1、第2噴射機
300 上部チャンバ
400、401 モータ、駆動軸
W ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に移動可能であり、前記第1方向に対応する方向に工程流体が提供される基板に対して、前記基板の第1部分を保持する第1保持部と、
第2方向に移動可能であり、前記基板の第2部分を保持する第2保持部と、を含み、
前記第1及び第2保持部のうち少なくとも一つは、前記工程流体が提供される間、前記基板を保持することを特徴とする基板保持ユニット。
【請求項2】
前記第1及び第2保持部は、前記基板に対する工程が行なわれる間、互いに異なる時間に前記基板を保持することを特徴とする請求項1に記載の基板保持ユニット。
【請求項3】
前記第2保持部は、少なくとも前記工程流体が提供される間、前記基板を保持することを特徴とする請求項1に記載の基板保持ユニット。
【請求項4】
前記第1及び第2保持部の各々は、
ベース板と、
前記ベース板に形成され、前記基板が挿入されるようにスロットが形成された保持部材と、を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の基板保持ユニット。
【請求項5】
前記第2保持部は、前記基板を介して互いに対向する一対が備えられることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の基板保持ユニット。
【請求項6】
前記第1及び第2方向は互いに垂直であることを特徴とする請求項1に記載の基板保持ユニット。
【請求項7】
垂直方向に移動可能であり、前記垂直方向に載置された基板の下端部を保持する第1保持部と、
水平方向に移動可能であり、前記基板の両側端部を保持する第2保持部と、を含むことを特徴とする基板保持ユニット。
【請求項8】
前記第1及び第2保持部は、前記基板に対する工程が行なわれる間、互いに異なる時間に前記基板を保持することを特徴とする請求項7に記載の基板保持ユニット。
【請求項9】
前記第1及び第2保持部の各々は、
ベース板と、
前記ベース板に形成され、前記基板が挿入されるようにスロットが形成された保持部材と、を含むことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の基板保持ユニット。
【請求項10】
基板が収容され、前記基板に対する工程が行なわれる第1チャンバと、
前記第1チャンバに設けられ、前記基板に工程流体を提供する噴射機と、
前記第1チャンバに備えられ、前記工程が行なわれる間、前記基板を保持する基板保持ユニットと、を含み、
前記基板保持ユニットは、
前記工程流体が提供される方向と対応する第1方向に移動可能であり、前記基板の第1部分を保持する第1保持部と、
第2方向に移動可能であり、前記基板の第2部分を保持する第2保持部と、を含み、
前記第1及び第2保持部のうち少なくとも一つは、前記工程流体が提供される間、前記基板を保持することを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
前記第1及び第2保持部は、前記基板に対する工程が行なわれる間、互いに異なる時間に前記基板を保持することを特徴とする請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記第1及び第2保持部の各々は、
ベース板と、
前記ベース板に形成され、前記基板が挿入されるようにスロットが形成された保持部材と、を含むことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第2保持部は、前記基板を介して互いに対向する一対が備えられることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記第1及び第2方向は互いに垂直であることを特徴とする請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記第1チャンバの上部に設けられる第2チャンバをさらに含むことを特徴とする 請求項10又は請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記第1チャンバに設けられ、洗浄流体を提供する第1噴射機と、
前記第2チャンバに設けられ、乾燥流体を提供する第2噴射機と、をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
基板が収容され、前記基板に対する第1工程が行なわれる第1チャンバと、
前記第1チャンバと連結され、前記基板に対する第2工程が行なわれる第2チャンバと、
前記基板を保持し、前記第1及び第2チャンバの間で前記基板と共に移送される第1保持台と、
前記第2チャンバで前記基板を保持し、前記基板を保持した状態で回転可能な第2保持台と、を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項18】
前記第1保持台は、前記第1工程時に前記基板を保持し、前記第2保持台は、前記第2工程時に前記基板を保持することを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記第1チャンバに設けられ、洗浄流体を提供する第1噴射機と、
前記第2チャンバに設けられ、乾燥流体を提供する第2噴射機と、をさらに含むことを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記第1及び第2保持台の各々は、
ベース板と、
前記ベース板に形成され、前記基板が挿入されるようにスロットが形成される保持部材と、を含むことを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項21】
前記第2保持台は、前記基板を介して互いに対向する一対が備えられたことを特徴とする請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項22】
第1チャンバで第1保持台により基板を保持し、前記基板に対する第1工程を行うステップと、
前記基板が保持された第1保持台を前記第1チャンバと連結された第2チャンバに移送するステップと、
前記第1保持台を前記基板から離隔させ、第2保持台により前記基板を保持するステップと、
前記第2保持台を回転しながら、前記基板に対する第2工程を行うステップと、を含むことを特徴とする基板処理方法。
【請求項23】
前記第1工程は洗浄工程であり、前記第2工程は乾燥工程であることを特徴とする請求項22に記載の基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−94522(P2009−94522A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263706(P2008−263706)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(598123150)セメス株式会社 (76)
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】#278,Mosi−ri,Jiksan−eup,Seobuk−gu,Cheonan−si,Chungcheongnam−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】