説明

基板処理装置

【課題】保持ローラから異物が移って基板が汚染されることを抑制または防止することができる基板処理装置を提供すること。
【解決手段】基板処理装置1は、ほぼ円形の基板Wの周端面にその外周面を当接させることにより当該基板Wを挟持して保持する複数の保持ローラ2と、複数の保持ローラ2を回転させることによって、当該保持ローラ2に保持された基板Wを回転させる基板回転機構15と、保持ローラ2を洗浄するためのローラ洗浄ブラシ49と、複数の保持ローラ6に保持された基板Wの周縁部に複数の保持ローラ6とは異なる位置で当接し、当該基板Wの周縁部を洗浄するための周縁洗浄ブラシ39とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板を処理する基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程には、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の表面に成膜やエッチングなどの処理を繰り返し施して微細パターンを形成していく工程が含まれる。微細加工のためにはウエハ自体の表面およびウエハ表面に形成された薄膜の表面を清浄に保つ必要があるから、必要に応じてウエハの洗浄が行われる。たとえば、ウエハの表面上に形成された薄膜を研磨剤を用いて研磨した後には、研磨剤(スラリー)などの異物がウエハに残留しているから、この異物を除去する必要がある。このような異物をウエハから除去する方法としては、たとえば、ウエハにブラシを擦りつけて洗浄するスクラブ洗浄がある。
【0003】
スクラブ洗浄を行うための基板処理装置は、たとえば、ウエハの周端面を挟持して当該ウエハを水平に保持する複数の保持ローラと、これらの保持ローラに保持されたウエハをスクラブ洗浄するためのブラシとを備えている。複数の保持ローラのうちの少なくとも1つの保持ローラは回転駆動される駆動ローラとされている。複数の保持ローラによりウエハが保持された状態で、前記駆動ローラを回転(自転)させることにより、ウエハを回転させることができる。また、回転状態のウエハにブラシを当接させることにより、ウエハにブラシを擦りつけてウエハの表面および裏面や周端面をスクラブ洗浄することができる。
【特許文献1】特開平10−335280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記のような構成では、ブラシによりウエハをスクラブ洗浄する前に、各保持ローラをウエハの周端面に当接させる必要があるので、保持ローラの外周面に異物が付着するおそれがある。そのため、ブラシによりウエハを洗浄したとしても、保持ローラからウエハに異物が移って当該ウエハが汚染されるおそれがある。
そこで、この発明の目的は、保持ローラから異物が移って基板が汚染されることを抑制または防止することができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、ほぼ円形の基板(W)の周端面にその外周面を当接させることにより当該基板を挟持して保持する複数の保持ローラ(2)と、前記複数の保持ローラを回転させることによって、当該保持ローラに保持された基板を回転させる基板回転手段(15)と、前記保持ローラを洗浄するためのローラ洗浄ブラシ(49,149)と、前記複数の保持ローラに保持された基板の周縁部に前記複数の保持ローラとは異なる位置で当接し、当該基板の周縁部を洗浄するための周縁洗浄ブラシ(39)とを含む、基板処理装置(1)である。
【0006】
基板の周縁部とは、一方の主面の周縁領域、他方の主面の周縁領域および周端面を含む部分である。また、周縁領域とは、基板の周端縁からたとえば幅数ミリメートル程度の環状の領域である。なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すものとする。
この発明によれば、複数の保持ローラによって基板の周端面を挟持して当該基板を保持した状態で、基板回転手段によってこれらの保持ローラを回転させることにより、保持された基板に各保持ローラを転がり接触させながら、基板を回転させることができる。そして、複数の保持ローラとは異なる位置で、回転状態の基板の周縁部に周縁洗浄ブラシを当接させることにより、基板の周縁部の全周に周縁洗浄ブラシを擦りつけて、基板の周縁部を洗浄することができる。
【0007】
また、回転状態の保持ローラに対してローラ洗浄ブラシを当接させることにより、各保持ローラにローラ洗浄ブラシを擦りつけて、保持ローラの外周面を全周にわたって洗浄することができる。したがって、基板の周端面に付着していた異物が保持ローラに移って保持ローラの外周面に付着していたとしても、この異物を保持ローラの外周面から除去することができる。これにより、周縁洗浄ブラシによって基板の周縁部が洗浄された後に、保持ローラから基板に異物が移って、当該異物が基板に付着(再付着)することを抑制または防止することができる。そのため、基板の周縁部を高品質に清浄化できる。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記ローラ洗浄ブラシは、前記保持ローラの外周面に対応する形状に形成された当接部(49a,149a)を有するものであり、前記当接部が、前記保持ローラの周方向の所定位置において前記外周面の一端から他端にわたる全域に当接することができるようになっている、請求項1記載の基板処理装置である。
この発明によれば、ローラ洗浄ブラシに設けられた当接部が保持ローラの外周面に対応する形状に形成されているので、当接部を、保持ローラの周方向の所定位置において、保持ローラの外周面の一端から他端にわたる全域に当接させることができる。したがって、回転状態の保持ローラの外周面に当接部を当接させることにより、保持ローラの外周面全域に当接部を擦りつけて、保持ローラの外周面全域を洗浄することができる。これにより、保持ローラの清浄度を向上させて、保持ローラから基板に異物が移って基板が汚染されることを一層確実に抑制または防止することができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記ローラ洗浄ブラシは、前記保持ローラ毎に設けられている、請求項1または2記載の基板処理装置である。
この発明によれば、各保持ローラに対応するローラ洗浄ブラシによって各保持ローラを個別に洗浄することができる。したがって、保持ローラに対するローラ洗浄ブラシの押し付け量などの洗浄条件を精度良く管理することができ、各保持ローラの清浄度を向上させることができる。また、何れかのローラ洗浄ブラシが痛んだ(摩耗等した)ときは、痛んだローラ洗浄ブラシだけを交換すればよいので、他のローラ洗浄ブラシを引き続き使用することができる。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記ローラ洗浄ブラシは、前記保持ローラが基板を保持している状態で当該保持ローラを洗浄可能に設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、保持ローラが基板を保持している状態で当該保持ローラに対してローラ洗浄ブラシを当接させることができる。より具体的には、保持ローラの外周面において、基板との当接位置とは異なる位置で、ローラ洗浄ブラシを当接させることができる。したがって、ローラ洗浄ブラシが保持ローラに当接している状態で当該保持ローラを回転させれば、保持ローラの外周面を全周にわたって洗浄することができる。これにより、保持ローラが基板を保持している状態で当該保持ローラを洗浄することができる。したがって、たとえば請求項6記載の発明のように、前記周縁洗浄ブラシによる基板の周縁部の洗浄と同時に、前記ローラ洗浄ブラシによる前記保持ローラの洗浄を行うことができる。
【0011】
請求項5記載の発明は、前記ローラ洗浄ブラシを前記保持ローラの回転軸線と平行な回転軸線まわりに自転させるブラシ回転手段(57)をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、保持ローラの回転軸線と平行な回転軸線まわりにローラ洗浄ブラシを自転させることにより、ローラ洗浄ブラシの外周面を全周にわたって使用して保持ローラを洗浄することができる。これにより、ローラ洗浄ブラシの外周面を均一に使用することができるから、当該外周面の一部が痛むことを抑制または防止することができる。したがって、ローラ洗浄ブラシの耐久性を向上させることができる。
【0012】
前記ローラ洗浄ブラシは、前記保持ローラの回転軸線と平行な軸線に関して回転対称な形状に形成されていることが好ましい。すなわち、ローラ洗浄ブラシは、回転対称な形状に形成されたものであり、その回転軸線が前記保持ローラの回転軸線と平行にされていることが好ましい。この場合、ローラ洗浄ブラシが保持ローラに当接した状態を維持しつつ、当該ローラ洗浄ブラシを自転させることができる。したがって、ローラ洗浄ブラシの外周面を全周にわたって使用しながら、保持ローラの外周面を全周にわたって洗浄することができる。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記周縁洗浄ブラシによる基板の周縁部の洗浄と同時に、前記ローラ洗浄ブラシによる前記保持ローラの洗浄ができるようになっている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、周縁洗浄ブラシによる基板の周縁部の洗浄と同時に、ローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄ができるので、基板の周端面から保持ローラの外周面に異物が移ったとしても、この異物をローラ洗浄ブラシによって保持ローラから即座に除去することができる。これにより、保持ローラから異物が移って基板が汚染されることを一層確実に抑制または防止することができる。
【0014】
また、周縁洗浄ブラシによる基板の周縁部の洗浄と同時に、ローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄ができるので、ローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄を行うための時間を別途設けなくてもよい。これにより、基板処理装置のスループット(単位時間あたりの基板の処理枚数)を低下させずに、ローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄を行うことができる。
【0015】
請求項7記載の発明は、前記複数の保持ローラに保持された基板に処理液を供給する処理液供給手段(3,4,26,27)をさらに含み、前記保持ローラは、前記処理液供給手段から基板に供給された処理液が当該基板を通じて供給されるように形成されたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板処理装置である。
この発明によれば、処理液供給手段から基板に供給された処理液が当該基板を通じて保持ローラに供給されるので、保持ローラの外周面に異物が付着していたとしても、供給された処理液によってこの異物を洗い流して保持ローラから除去することができる。これにより、保持ローラから異物が移って基板が汚染されることを抑制または防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を示す図解的な側面図である。また、図2は、基板処理装置1の概略構成の図解的な平面図である。
基板処理装置1は、半導体ウエハのようなほぼ円形の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置であって、基板Wの表面に形成された薄膜を研磨するCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理が行われた後に基板Wに残っているスラリーおよび余分な薄膜などの異物を除去するためのものである。基板処理装置1は、基板Wの周端面を挟持して当該基板Wを水平に保持する複数の保持ローラ2と、これらの保持ローラ2に保持された基板Wの上下面にそれぞれ処理液を供給するための上面ノズル3(処理液供給手段)および下面ノズル4(処理液供給手段)と、複数の保持ローラ2に保持された基板Wをスクラブ洗浄するための洗浄機構とを備えている。
【0017】
洗浄機構は、たとえば、基板Wの上面をスクラブ洗浄するための上面洗浄機構5と、基板Wの下面をスクラブ洗浄するための下面洗浄機構6と、基板Wの周縁部をスクラブ洗浄するための周縁部洗浄機構7とによって構成されている。基板Wの周縁部とは、上面の周縁領域、下面の周縁領域および周端面を含む部分であり、周縁領域とは、基板Wの周端縁からたとえば幅数ミリメートル程度の環状の領域である。
【0018】
複数の保持ローラ2(この実施形態では、6つの保持ローラ2)は、3つずつに分かれて、2つのローラ保持部材8に保持されている。より具体的には、各保持ローラ2は、鉛直方向に延びる回転軸9の上端部に連結されており、各回転軸9の下端部が何れか一方のローラ保持部材8に回転可能に保持されている。したがって、各ローラ保持部材8の上方には、3つの保持ローラ2が一体的に保持されている。
【0019】
各保持ローラ2は、たとえば合成樹脂製であり、中心軸線に関して回転対称な鼓状(中央部がくびれた円柱状)に形成されている。各保持ローラ2は、その中心軸線が鉛直となるように、何れか一方のローラ保持部材8の上方で保持されている。各保持ローラ2は、高さが揃えられており、その外周面が全周にわたって露出されている。各保持ローラ2は、その中心軸線まわりに回転(自転)可能となっている。
【0020】
また、2つのローラ保持部材8は、水平に対向配置されている。一方のローラ保持部材8に保持された3つの保持ローラ2は、対向方向X1(2つのローラ保持部材8が対向する水平な方向。図1および図2における左右方向)に関して、それぞれ、他方のローラ保持部材8に保持された3つの保持ローラ2に水平に対向している。さらに、各ローラ保持部材8に保持された3つの保持ローラ2は、それぞれ、基板Wの外周形状に対応する所定の円周上で間隔を隔てて配置されている。
【0021】
また、各ローラ保持部材8には、個別に設けられたローラ昇降機構10およびローラ水平移動機構11が結合されている。ローラ昇降機構10は、ローラ保持部材8を鉛直方向に昇降させることができる。また、ローラ水平移動機構11は、対向方向X1に沿ってローラ保持部材8を水平移動させることができる。これにより、2つのローラ保持部材8を近接または離反させることができる。この実施形態では、2つのローラ保持部材8が近接したときの保持ローラ2の位置が、保持ローラ2により基板Wを保持する保持位置(図1および図2に示す位置)に設定されており、2つのローラ保持部材8が離反したときの保持ローラ2の位置が、保持ローラ2の待機位置に設定されている。
【0022】
6つの保持ローラ2の内側に基板Wを位置させた状態で、2つのローラ保持部材8を近接させることにより、各保持ローラ2の外周面を基板Wの周端面に当接させて、当該基板Wを挟持することができる。これにより、上下面を露出させた状態で基板Wを水平に保持することができる。また、保持ローラ2によって基板Wが保持された状態で、2つのローラ保持部材8を離反させることにより、基板Wの挟持を解除することができる。さらに、保持ローラ2によって基板Wが保持された状態で、2つのローラ保持部材8を一体的に昇降させることにより、保持された基板Wを鉛直方向に昇降させることができる。
【0023】
一方のローラ保持部材8(図1および図2では、右側のローラ保持部材8)に保持された3つの保持ローラ2のうち中央の1つの保持ローラ2には、モータ12の駆動力がベルト13を介して伝達されるようになっている。さらに、中央の保持ローラ2に伝達された駆動力は、図2に示すベルト14をそれぞれ介して他の2つの保持ローラ2に伝達されるようになっている。したがって、モータ12は、一方のローラ保持部材8に保持された3つの保持ローラ2をそれぞれの中心軸線まわりに一体的に回転させることができる。
【0024】
保持ローラ2によって基板Wが保持された状態で、モータ12によって3つの保持ローラ2を回転させることにより、保持された基板Wに対して当該3つの保持ローラ2を転がり接触させながら、基板Wを鉛直な軸線まわりに回転させることができる。また、このとき回転駆動される3つの保持ローラ2(駆動ローラ)以外の3つの保持ローラ2(従動ローラ)を基板Wの回転に従動して回転させることができる。この実施形態では、モータ12およびベルト13,14により、保持ローラ2によって保持された基板Wを回転させる基板回転機構15(基板回転手段)が構成されている。
【0025】
上面ノズル3および下面ノズル4には、それぞれ処理液供給管16および処理液供給管17が接続されている。処理液供給管16には、処理液バルブ18を介して処理液が供給される。また、処理液供給管17には、処理液バルブ19を介して処理液が供給される。上面ノズル3は、処理液供給管16を通して供給される処理液を、保持ローラ2に保持された基板Wの上面に向けて吐出する。より具体的には、上面ノズル3は、基板Wの上面中央(図2において×で示す位置)と上面外周縁との中間付近に向けて処理液を吐出する。同様に、下面ノズル4は、処理液供給管17を通して供給される処理液を、保持ローラ2に保持された基板Wの下面中央と下面外周縁との中間付近に向けて処理液を吐出する。ノズル3,4に供給される処理液としては、たとえば薬液や純水が用いられている。薬液としては、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液を例示することができる。
【0026】
上面洗浄機構5および下面洗浄機構6は、それぞれ、上ベース20および下ベース21を有している。上ベース20および下ベース21は、円板状であり、それぞれ、保持ローラ2による基板Wの保持位置の上方および下方で水平に保持されている。上ベース20は、上支軸22の下端に連結されており、下ベース21は、下支軸23の上端に連結されている。上ベース20の下面および下ベース21の上面には、それぞれ、基板Wをスクラブ洗浄するための上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25が取り付けられている。
【0027】
上面洗浄ブラシ24は、たとえば、PVA(ポリビニルアルコール)製の円柱状をなす複数のスポンジブラシにより構成されており、これらのスポンジブラシが上ベース20の下面において中央部を除く所定範囲内に取り付けられている。同様に、下面洗浄ブラシ25は、たとえば、PVA製の円柱状をなす複数のスポンジブラシにより構成されており、これらのスポンジブラシが下ベース21の上面において中央部を除く所定範囲内に取り付けられている。
【0028】
また、上ベース20は、直径が保持ローラ2により保持された基板Wの半径よりもやや大きくされている。上ベース20は、対向方向Xに関して2つのローラ保持部材8の間に位置している。上ベース20は、平面視において各保持ローラ2と重なり合わないように配置されている。上ベース20は、保持ローラ2により保持された基板Wから周縁部が外側にはみ出た状態で、当該基板Wの周方向の所定位置における中心から外周縁に至る範囲を上方から覆っている。上面洗浄ブラシ24は、基板Wの上面において、上ベース20により覆われた範囲を洗浄できるように設けられている。
【0029】
また、下ベース21は、上ベース20とほぼ同じ大きさに形成されている。下ベース21は、平面視において上ベース20に重なり合う位置に配置されている。下ベース21は、保持ローラ2により保持された基板Wから周縁部が外側にはみ出た状態で、当該基板Wの周方向の所定位置における中心から外周縁に至る範囲を下方から覆っている。下面洗浄ブラシ25は、基板Wの下面において、下ベース21により覆われた範囲を洗浄できるように設けられている。
【0030】
また、上ベース20および下ベース21には、それぞれ、上ノズル26(処理液供給手段)および下ノズル27(処理液供給手段)が取り付けられている。上ノズル26には、上薬液バルブ28が介装された上薬液供給管29を介して薬液が供給される。また、上ノズル26には、上純水バルブ30が介装された上純水供給管31を介して純水(脱イオン水)が供給される。上ノズル26には、処理液としての薬液および純水が選択的に供給されるようになっている。上ノズル26の吐出口は、上ベース20の下面中央部に位置しており、上ノズル26に供給された処理液(薬液または純水)は、上ベース20の下面中央部から下方に向けて吐出される。
【0031】
また、下ノズル27には、下薬液バルブ32が介装された下薬液供給管33を介して薬液が供給される。また、下ノズル27には、下純水バルブ34が介装された下純水供給管35を介して純水が供給される。下ノズル27には、処理液として薬液および純水が選択的に供給されるようになっている。下ノズル27の吐出口は、下ベース21の上面中央部に位置しており、下ノズル27に供給された処理液(薬液または純水)は、下ベース21の上面中央部から上方に向けて吐出される。
【0032】
また、図1に示すように、上支軸22には、上昇降機構36および上回転機構37が結合されている。上昇降機構36は、上ベース20および上面洗浄ブラシ24とともに、上支軸22を鉛直方向に昇降させることができる。したがって、保持ローラ2によって基板Wを保持させた状態で、上昇降機構36によって上支軸22を降下させることにより、上面洗浄ブラシ24を基板Wの上面に押し付けることができる。これにより、上面洗浄ブラシ24が基板Wの上面に当接する洗浄位置と、上面洗浄ブラシ24が保持ローラ2の上方に退避した待機位置との間で上面洗浄ブラシ24を昇降させることができる。
【0033】
また、上回転機構37は、上ベース20の中心を通る鉛直な軸線を回転軸線として、右回りおよび左回りの両方向に上支軸22を回転させることができる。上回転機構37によって上支軸22を回転させることにより、上ベース20および上面洗浄ブラシ24を、上ベース20の中心を通る鉛直な軸線まわりに回転させることができる。
同様に、下支軸23には下回転機構38が結合されており、下回転機構38は、下ベース21の中心を通る鉛直な軸線を回転軸線として、右回りおよび左回りの両方向に下支軸23を回転させることができる。下回転機構38によって下支軸23を回転させることにより、下ベース21および下面洗浄ブラシ25を、下ベース21の中心を通る鉛直な軸線まわりに回転させることができる。
【0034】
周縁部洗浄機構7は、基板Wの周縁部をスクラブ洗浄するための周縁洗浄ブラシ39と、保持ローラ2による基板Wの保持位置よりも上方で水平に延びる揺動アーム40と、基板Wの回転範囲外に配置され、揺動アーム40の基端部を下方から支持するアーム支持軸41(図2参照)とを備えている。
周縁洗浄ブラシ39は、たとえば、PVA製のスポンジ材によって形成されており、中心軸線に関して回転対称な鼓状をなしている。周縁洗浄ブラシ39は、倒立円錐台状の第1洗浄部42と、第1洗浄部42の下方に配置された円錐台状の第2洗浄部43とを有している。第1洗浄部42および第2洗浄部43は、同軸となるように共通の軸線に沿って配置されている。第1洗浄部42の外周面が、基板Wの上面の周縁領域および周端面を洗浄するための第1洗浄面となっており、第2洗浄部43の外周面が、基板Wの下面の周縁領域および周端面を洗浄するための第2洗浄面となっている。
【0035】
図1に示すように、周縁洗浄ブラシ39は、その中心軸線が鉛直となるように、回転軸44を介して揺動アーム40の下方で保持されている。また、回転軸44は、揺動アーム40によって回転可能に保持されており、揺動アーム40の内部において、ブラシ自転機構45に結合されている。ブラシ自転機構45の駆動力を回転軸44に入力することにより、周縁洗浄ブラシ39をその中心軸線まわりに回転(自転)させることができる。
【0036】
また、アーム支持軸41には、昇降機構46および揺動機構47が結合されている。昇降機構46は、揺動アーム40およびアーム支持軸41を鉛直方向に一体的に昇降させることができる。これにより、周縁洗浄ブラシ39を昇降させることができる。また、揺動機構47は、アーム支持軸41を支点として揺動アーム40を水平に揺動させることができる。これにより、アーム支持軸41を支点として、周縁洗浄ブラシ39を水平移動させることができる。
【0037】
周縁洗浄ブラシ39を上昇または降下させることにより、保持ローラ2に保持された基板Wの周端面に周縁洗浄ブラシ39を水平に対向させることができる。また、保持ローラ2に保持された基板Wの周端面に周縁洗浄ブラシ39が対向した状態で、周縁洗浄ブラシ39を水平移動させることにより、基板Wの周端面に周縁洗浄ブラシ39を押し付けることができる。これにより、周縁洗浄ブラシ39が基板Wの周縁部に当接して当該周縁部を洗浄する洗浄位置(図1および図2に示す位置)と、前記洗浄位置から退避して待機するときの待機位置との間で、周縁洗浄ブラシ39を移動させることができる。
【0038】
本実施形態の一つの特徴は、基板処理装置1が保持ローラ2を洗浄するためのローラ洗浄機構48を備えており、このローラ洗浄機構48によって保持ローラ2を洗浄することにより、保持ローラ2から基板Wに異物が移って、基板Wが汚染されることを抑制または防止できることにある。以下では、ローラ洗浄機構48、およびこれに関連する構成について説明する。引き続き、図1および図2を参照する。
【0039】
ローラ洗浄機構48は、たとえば、保持ローラ2と同数の複数(この実施形態では、6つ)のローラ洗浄ブラシ49を備えている。6つローラ洗浄ブラシ49は、3つずつに分かれて、2つのブラシ保持部材50に保持されている。より具体的には、各ローラ洗浄ブラシ49は、鉛直方向に延びる回転軸51の下端部に連結されており、各回転軸51の上端部が何れか一方のブラシ保持部材50に回転可能に保持されている。したがって、各ブラシ保持部材50の下方には、3つのローラ洗浄ブラシ49が一体的に保持されている。
【0040】
各ローラ洗浄ブラシ49は、たとえば、PVA製のスポンジ材によって形成されており、中心軸線に関して回転対称なそろばん玉状(中央部が上端部および下端部よりも膨らんだ円柱状)をなしている。各ローラ洗浄ブラシ49は、その中心軸線が鉛直となるように、何れか一方のブラシ保持部材50の下方で保持されている。各ローラ洗浄ブラシ49は、高さが揃えられており、その外周面が全周にわたって露出されている。各ローラ洗浄ブラシ49は、その中心軸線まわりに回転(自転)可能となっている。
【0041】
2つのブラシ保持部材50は、図1に示すように、2つのローラ保持部材8よりも上側で対向方向X1に対向している。また、図2に示すように、2つのブラシ保持部材50は、平面視において、2つのローラ保持部材8を間に挟んで対向している。一方のブラシ保持部材50に保持された3つのローラ洗浄ブラシ49は、それぞれ、2つの保持ローラ2を間に挟んで、他方のブラシ保持部材50に保持された3つのローラ洗浄ブラシ49に水平に対向している。各ブラシ保持部材50に保持された3つのローラ洗浄ブラシ49は、それぞれ、保持ローラ2の配置に対応する所定の円周上で間隔を隔てて配置されている。
【0042】
また、各ブラシ保持部材50には、個別に設けられたブラシ昇降機構52およびブラシ水平移動機構53が結合されている。ブラシ昇降機構52は、ブラシ保持部材50を鉛直方向に昇降させることができ、さらに、ブラシ保持部材50を鉛直方向に往復振動させることができる。また、ブラシ水平移動機構53は、対向方向X1に沿ってブラシ保持部材50を移動させることができる。
【0043】
各ブラシ昇降機構52によってブラシ保持部材50を上昇または下降させることにより、当該ブラシ保持部材50に保持された3つのローラ洗浄ブラシ49を保持ローラ2と同じ高さに位置させることができる。また、ブラシ水平移動機構53によってブラシ保持部材50を対向方向X1に移動させることにより、2つのブラシ保持部材50を近接または離反させることができる。この実施形態では、2つのブラシ保持部材50が近接したときのローラ洗浄ブラシ49の位置が、ローラ洗浄ブラシ49により保持ローラ2を洗浄する洗浄位置に設定されており、2つのブラシ保持部材50が離反したときのローラ洗浄ブラシ49の位置(図1および図2に示す位置)が、ローラ洗浄ブラシ49の待機位置に設定されている。
【0044】
6つのローラ洗浄ブラシ49を6つの保持ローラ2と同じ高さに位置させた状態で、2つのブラシ保持部材50を近接させることにより、各ローラ洗浄ブラシ49を対応する保持ローラ2に押し付けて、各保持ローラ2の外周面にローラ洗浄ブラシ49の外周面を当接させることができる。より具体的には、各保持ローラ2の外周面において、基板Wに当接する位置とは異なる位置にローラ洗浄ブラシ49の外周面を当接させることができる。したがって、各ローラ洗浄ブラシ49は、保持ローラ2が基板Wを保持している状態で、対応する保持ローラ2の外周面に当接できるようになっている。
【0045】
各ブラシ保持部材50に保持された3つのローラ洗浄ブラシ49のうち中央の1つのローラ洗浄ブラシ49には、モータ54の駆動力がベルト55を介して伝達されるようになっている。さらに、中央のローラ洗浄ブラシ49に伝達された駆動力は、図2に示すベルト56をそれぞれ介して他の2つのローラ洗浄ブラシ49に伝達されるようになっている。したがって、各モータ54は、対応するブラシ保持部材50に保持された3つのローラ洗浄ブラシ49をそれぞれの中心軸線まわりに一体的に回転させることができる。この実施形態では、モータ54およびベルト55,56により、ローラ洗浄ブラシ49を保持ローラ2の回転軸線と平行な回転軸線まわりに自転させるブラシ回転機構57(ブラシ回転手段)が構成されている。
【0046】
また、ローラ洗浄ブラシ49に関連して、この基板処理装置1には、ローラ洗浄ブラシ49を収容するための待機ポッド58(図1参照)が備えられている。図1では、待機ポッド58を1つだけ図示しているが、待機ポッド58は、ローラ洗浄ブラシ49に対応する数だけ(この実施形態では6つ)設けられている。各待機ポッド58は、対応するローラ洗浄ブラシ49の待機位置に配置されている。
【0047】
待機ポッド58は、有底筒状の容器である。各ローラ洗浄ブラシ49は、対応する待機ポッド58内において待機させられる。各待機ポッド58には、ブラシに処理液(たとえば純水)を供給するための処理液ノズルからなる図示しない処理液供給機構が設けられている。各ローラ洗浄ブラシ49には、対応する待機ポッド58内において処理液が供給されるようになっている。
【0048】
ローラ洗浄ブラシ49に処理液を供給することにより、ローラ洗浄ブラシ49の乾燥を抑制または防止して、ローラ洗浄ブラシ49が湿った状態を維持することができる。これにより、PVAのように乾燥すると弾力が小さくなって硬化する材料によってローラ洗浄ブラシ49が形成されている場合であっても、ローラ洗浄ブラシ49の弾力を一定値以上に維持することができる。これにより、ローラ洗浄ブラシ49によって保持ローラ2を洗浄するときに、ローラ洗浄ブラシ49が削れたりしてローラ洗浄ブラシ49が損傷することを抑制または防止することができる。また、ローラ洗浄ブラシ49に処理液を供給することにより、ローラ洗浄ブラシ49に付着している異物を洗い流して、ローラ洗浄ブラシ49を洗浄することができる。これにより、ローラ洗浄ブラシ49から保持ローラ2に異物が移って、保持ローラ2が汚染されることを抑制または防止することができる。
【0049】
図3は、保持ローラ2およびローラ洗浄ブラシ49の図解的な拡大図である。
前述のように、保持ローラ2は、中心軸線に関して回転対称な鼓状をなしている。より具体的には、保持ローラ2は、倒立円錐台状の上部59と、上部59の下方に配置された円柱状の挟持部60と、挟持部60の下方に配置された円錐台状の下部61とを有している。上部59、挟持部60および下部61は、一体的に形成されており、それぞれが同軸となるように共通の軸線に沿って配置されている。
【0050】
上部59の下端の外径は、挟持部60の外径と等しくされており、上部59の下端の外周面は、挟持部60の外周面に連なっている。同様に、下部61の上端の外径は、挟持部60の外径と等しくされており、下部61の上端の外周面は、挟持部60の外周面に連なっている。また、挟持部60の軸長(中心軸線に沿う方向の長さ)は、保持ローラ2によって保持される基板Wの厚みとほぼ等しくされている。
【0051】
保持ローラ2によって基板Wを保持するときは、各保持ローラ2の挟持部60を基板Wの周端面に当接させて、6つの保持ローラ2によって協働して基板Wを挟持する。また、保持ローラ2によって基板Wを保持しつつ、当該基板Wを回転させるときには、各保持ローラ2の挟持部60を基板Wの周端面に転がり接触させる。前述のように、挟持部60の軸長が基板Wの厚みとほぼ等しくされ、さらに、上部59および下部61の外径が挟持部60の外径よりも大きくなっているので、基板Wを回転させるときに基板Wと保持ローラ2との当接位置を上下に移動させることなく、基板Wを安定して保持することができる。
【0052】
一方、ローラ洗浄ブラシ49は、中心軸線に関して回転対称なそろばん玉状をなしている。より具体的には、ローラ洗浄ブラシ49は、円錐台状の上部62と、上部62の下方に配置された円柱状の膨出部63と、膨出部63の下方に配置された倒立円錐台状の下部64とを有している。上部62、膨出部63および下部64は、一体的に形成されており、それぞれが同軸となるように共通の軸線に沿って配置されている。ローラ洗浄ブラシ49により保持ローラ2を洗浄するときは、上部62、膨出部63および下部64が、それぞれ、対応する保持ローラ2の上部59、挟持部60および下部61に押し付けられる。
【0053】
上部62の下端の外径は、膨出部63の外径と等しくされており、上部62の下端の外周面は、膨出部63の外周面に連なっている。同様に、下部64の上端の外径は、膨出部63の外径と等しくされており、下部64の上端の外周面は、膨出部63の外周面に連なっている。膨出部63の軸長は、保持ローラ2の挟持部60の軸長とほぼ等しくされている。
【0054】
また、ローラ洗浄ブラシ49の外周面49a(当接部)は、保持ローラ2の外周面に対応する形状にされている。すなわち、上部62の軸長は、保持ローラ2の上部59の軸長以上の大きさにされており、上部62の外周面の傾斜角度は、保持ローラ2の上部59の外周面の傾斜角度にほぼ等しくされている。また、下部64の軸長は、保持ローラ2の下部61の軸長以上の大きさにされており、下部64の外周面の傾斜角度は、保持ローラ2の下部61の外周面の傾斜角度にほぼ等しくされている。
【0055】
したがって、ローラ洗浄ブラシ49を保持ローラ2に押し付けることにより、保持ローラ2の周方向の所定位置において、保持ローラ2の外周面の一端から他端にわたる全域にローラ洗浄ブラシ49を当接させて、図3に示すように、保持ローラ2とローラ洗浄ブラシ49とを隙間なく密着させることができる。したがって、ローラ洗浄ブラシ49を保持ローラ2に当接させた状態で、保持ローラ2を回転させることにより、保持ローラ2の全周にわたってローラ洗浄ブラシ49を擦りつけて、保持ローラ2の外周面全域をローラ洗浄ブラシ49により洗浄することができる。
【0056】
図4は、基板処理装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む構成の制御部65を備えている。この制御部65には、ローラ昇降機構10、ローラ水平移動機構11、基板回転機構15、上昇降機構36、上回転機構37、下回転機構38、ブラシ自転機構45、昇降機構46、揺動機構47、ブラシ昇降機構52、ブラシ水平移動機構53、ブラシ回転機構57などが制御対象として接続されている。また、基板処理装置1に備えられたバルブの開閉は、制御部65によって制御される。
【0057】
制御部65は、予め定められた処理レシピ(基板Wの処理やその他の処理のための各種条件)に従ってローラ昇降機構10等を制御する。より具体的には、制御部65は、処理レシピに従って基板Wの回転速度やブラシ24,25,39による基板Wの洗浄時間等を制御する。また、制御部65は、ブラシ24,25,39やローラ洗浄ブラシ49の使用回数を記憶して、使用回数が所定値に達したときに、図示しない表示部において、ブラシ24,25,39やローラ洗浄ブラシ49の交換を促すメッセージを表示させることができる。
【0058】
図5〜図12は、それぞれ、基板処理装置1による基板Wの処理およびローラ洗浄ブラシ49による保持ローラ2の洗浄の一例を説明するための模式図である。
以下では、図1および図2を参照して、基板処理装置1による基板Wの処理およびローラ洗浄ブラシ49による保持ローラ2の洗浄の一例を説明する。また、以下の説明において、図5〜図12を適宜参照する。
【0059】
前工程であるCMP処理が行われた基板Wは、デバイス形成面である表面をたとえば上に向けた水平姿勢で図示しない搬送ロボットによって搬送され、6つの保持ローラ2の内側に配置される。このとき、保持ローラ2、上面洗浄ブラシ24、下面洗浄ブラシ25、周縁洗浄ブラシ39、ローラ洗浄ブラシ49は、それぞれの待機位置に配置されている。
次に、制御部65により2つのローラ水平移動機構11が制御されて、図5に示すように、各保持ローラ2が待機位置から保持位置まで移動させられる。これにより、図6に示すように、各保持ローラ2の外周面が基板Wの周端面に当接して、当該基板Wが挟持される。
【0060】
次に、制御部65により基板回転機構15が制御されて、6つの保持ローラ2のうち3つの保持ローラ2が一体的に回転させられる。これにより、保持ローラ2に保持された基板Wが、たとえば20rpm程度の低回転速度で鉛直な軸線まわりに回転させられる。また、このとき回転駆動される3つの保持ローラ2以外の3つの保持ローラ2は、基板Wの回転に従動して回転する。
【0061】
次に、制御部65により2つの処理液バルブ18,19が開かれて、上面ノズル3および下面ノズル4からそれぞれ基板Wの上面および下面に向けて薬液が吐出される。上面ノズル3および下面ノズル4から吐出された薬液は、それぞれ、基板Wの上面および下面に着液した後、基板Wの回転による遠心力を受けて外周縁に向かって広がっていく。これにより、基板Wの周縁部に薬液が供給される。
【0062】
また、基板Wの上面および下面において外周縁に達した薬液は、基板Wの上面および下面から排出されるとともに、その一部が各保持ローラ2の外周面に付着する。このとき各保持ローラ2が回転状態にされているので、各保持ローラ2には、その全周にわたって薬液が供給される。したがって、基板Wの周端面に付着していた研磨剤(スラリー)などの異物が保持ローラ2の外周面に付着していたとしても、薬液によってこの異物を洗い流して保持ローラ2から除去することができる。
【0063】
次に、制御部65により2つのブラシ回転機構57が制御されて、図6に示すように、たとえば保持ローラ2の回転方向と同じ方向に6つのローラ洗浄ブラシ49が一体的に回転させられる。そして、制御部65によりブラシ水平移動機構53が制御されて、各ローラ洗浄ブラシ49が回転状態のまま待機位置から洗浄位置まで水平移動させられる。これにより、図7に示すように、各ローラ洗浄ブラシ49が回転状態の保持ローラ2に押し付けられる。各ローラ洗浄ブラシ49は、保持ローラ2に押し付けられている間、制御部65によりブラシ昇降機構52が制御されて鉛直方向に往復振動されていてもよいし、往復振動されずに鉛直方向に関して固定されていてもよい。
【0064】
回転状態の保持ローラ2にローラ洗浄ブラシ49を押し付けることにより、保持ローラ2の外周面全域にローラ洗浄ブラシ49を擦りつけて、保持ローラ2の外周面全域を洗浄することができる。これにより、保持ローラ2の外周面に異物が付着していたとしても、この異物を保持ローラ2から除去することができる。また、このときローラ洗浄ブラシ49を鉛直方向に往復振動させることにより、保持ローラ2の外周面に強固に付着している異物を除去することができる。
【0065】
この実施形態では、ローラ洗浄ブラシ49が保持ローラ2毎に設けられているので、対応するローラ洗浄ブラシ49によって各保持ローラ2を個別に洗浄することができる。したがって、保持ローラ2に対するローラ洗浄ブラシ49の押し付け量などの洗浄条件を精度良く管理することができる。また、何れかのローラ洗浄ブラシ49が痛んだ(摩耗等した)ときは、痛んだローラ洗浄ブラシ49だけを交換すればよいので、他のローラ洗浄ブラシ49を引き続き使用することができる。
【0066】
また、この実施形態では、保持ローラ2の回転軸線と平行な回転軸線まわりにローラ洗浄ブラシ49を自転させて、回転状態のローラ洗浄ブラシ49を保持ローラ2に押し付けるので、ローラ洗浄ブラシ49の外周面を全周にわたって使用して保持ローラ2を洗浄することができる。これにより、ローラ洗浄ブラシ49の外周面を均一に使用することができるから、当該外周面の一部が痛むことを抑制または防止することができる。したがって、ローラ洗浄ブラシ49の耐久性を向上させることができる。
【0067】
さらに、この実施形態では、ローラ洗浄ブラシ49が保持ローラ2の回転軸線と平行な軸線に関して回転対称な形状に形成されているので、ローラ洗浄ブラシ49が保持ローラ2に当接した状態を維持しつつ、当該ローラ洗浄ブラシ49を自転させることができる。したがって、ローラ洗浄ブラシ49の外周面を全周にわたって使用しながら、保持ローラ2の外周面を全周にわたって洗浄することができる。
【0068】
さらにまた、この実施形態では、上面ノズル3および下面ノズル4から基板Wに薬液を供給しながら、各保持ローラ2にローラ洗浄ブラシ49を当接させているので、基板Wを通じて各保持ローラ2に供給されたノズル3,4からの薬液は、保持ローラ2を介して各ローラ洗浄ブラシ49供給される。これにより、各ローラ洗浄ブラシ49の乾燥を抑制または防止することができる。また、基板Wに供給された薬液を利用して各ローラ洗浄ブラシ49を濡らすことができるので、洗浄位置においてローラ洗浄ブラシ49に薬液を供給するための薬液供給手段を別途設けて、この薬液供給手段からローラ洗浄ブラシ49に薬液を供給する場合に比べて、薬液の消費量を低減することができる。
【0069】
次に、制御部65により揺動機構47が制御されて、周縁洗浄ブラシ39が待機位置から洗浄位置まで水平移動させられる。これにより、図7に示すように、回転状態の基板Wの周縁部に周縁洗浄ブラシ39が押し付けられて、基板Wの周縁部がスクラブ洗浄される。
より具体的には、まず、制御部65により昇降機構46が制御されて、第2洗浄部43が基板Wの周端面に水平に対向する位置まで周縁洗浄ブラシ39が上昇または降下させられる。次に、制御部65により揺動機構47が制御されて、周縁洗浄ブラシ39が洗浄位置まで水平移動させられる。このとき、周縁洗浄ブラシ39は、制御部65によりブラシ自転機構45が制御されて回転状態とされていてもよいし、非回転状態とされていてもよい。
【0070】
周縁洗浄ブラシ39が洗浄位置に配置されることにより、図8に示すように、基板Wの周縁部が第2洗浄部43に食い込んで、第2洗浄部43の外周面が基板Wの下面の周縁領域および周端面に押し付けられる。また、このとき基板Wが回転状態とされているので、周縁洗浄ブラシ39は全周にわたって基板Wに擦りつけられる。これにより、基板Wの下面の周縁領域および周端面の全域がスクラブ洗浄される。
【0071】
基板Wの下面の周縁領域および周端面が所定時間にわたってスクラブ洗浄された後は、制御部65により昇降機構46が制御されて、周縁洗浄ブラシ39が降下させられる。これにより、図9に示すように、基板Wの周縁部が第1洗浄部42に食い込んで、第1洗浄部42の外周面が基板Wの上面の周縁領域および周端面に押し付けられる。また、このとき基板Wが回転状態とされているので、周縁洗浄ブラシ39は全周にわたって基板Wに擦りつけられ、基板Wの上面の周縁領域および周端面の全域がスクラブ洗浄される。このようにして、基板Wの周縁部全域がスクラブ洗浄される。
【0072】
周縁洗浄ブラシ39による基板Wの周縁部の洗浄が所定時間にわたって行われた後は、制御部65により揺動機構47が制御されて、周縁洗浄ブラシ39が待機位置まで水平移動させられる。また、このとき周縁洗浄ブラシ39が回転状態とされている場合には、制御部65によりブラシ自転機構45が制御されて、周縁洗浄ブラシ39の回転が停止させられる。さらに、制御部65により処理液バルブ18,19が閉じられて、上面ノズル3および下面ノズル4からの薬液の吐出が停止される。
【0073】
次に、制御部65により上回転機構37および下回転機構38が制御されて、図10に示すように、上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25が同一の回転方向に回転させられる。そして、制御部65により上薬液バルブ28が開かれて、上ノズル26から基板Wの上面に向けて薬液が吐出される。また、制御部65により下薬液バルブ32が開かれて、下ノズル27から基板Wの下面に向けて薬液が吐出される。上ノズル26および下ノズル27から基板Wに供給された薬液は、前述と同様に、基板Wを通じて各保持ローラ2に供給される。また、各ローラ洗浄ブラシ49には、保持ローラ2を通じてノズル26,27からの薬液が供給される。
【0074】
次に、制御部65により2つのローラ昇降機構10が制御されて、6つの保持ローラ2とともに、保持された基板Wが降下させられる。このとき制御部65により2つのブラシ昇降機構52が制御されて、保持ローラ2の降下に同期して、6つのローラ洗浄ブラシ49が降下させられる。その後、制御部65により上昇降機構36が制御されて、上面洗浄ブラシ24が降下させられる。これにより、図11に示すように、保持ローラ2に保持された回転状態の基板Wが2つの洗浄ブラシ(上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25)により上下に挟まれた状態となる。
【0075】
回転状態の上面洗浄ブラシ24が回転状態の基板Wの上面に押し付けられることにより、基板Wの上面全域に上面洗浄ブラシ24が擦りつけられて、基板Wの上面全域がスクラブ洗浄される。また、回転状態の下面洗浄ブラシ25が回転状態の基板Wの下面に押し付けられることにより、基板Wの下面全域に下面洗浄ブラシ25が擦りつけられて、基板Wの下面全域がスクラブ洗浄される。
【0076】
このように、本実施形態では、複数の保持ローラ2によって上下面を露出させた状態で基板Wを保持しているので、基板Wを持ち替えずに(異なる基板保持手段を用いずに)、周縁洗浄ブラシ39による基板Wの周縁部の洗浄に引き続いて、上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25による基板Wの上面および下面の洗浄を行うことができる。
また、図11に示すように、上ベース20の周縁部が保持ローラ2により保持された基板Wから外側にはみ出た状態で基板Wの上面に押し付けられているので、上面洗浄ブラシ24は、基板Wの上面の周縁領域だけでなく、基板Wの周端面の上側部分にも押し付けられる。したがって、基板Wの周端面の上側部分に上面洗浄ブラシ24が擦りつけられ、基板Wの周端面の上側部分が全周にわたってスクラブ洗浄される。同様に、下ベース21の周縁部が保持ローラ2により保持された基板Wから外側にはみ出た状態で基板Wの下面に押し付けられているので、基板Wの周端面の下側部分に下面洗浄ブラシ25が擦りつけられ、基板Wの周端面の下側部分が全周にわたってスクラブ洗浄される。
【0077】
次に、制御部65により上昇降機構36が制御されて、上面洗浄ブラシ24が基板Wの上面から離反するまで上昇させられる。続いて、制御部65により2つのローラ昇降機構10が制御されて、基板Wが下面洗浄ブラシ25から離反するまで上昇させられる。その後、制御部65により上回転機構37および下回転機構38が制御されて、上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25の回転方向が切り換えられる。これにより、上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25の回転方向が反転される。このとき、基板Wの回転方向は反転されずに一定とされている。
【0078】
そして、再び、基板Wおよび上面洗浄ブラシ24が順次降下させられて、図12に示すように、回転状態の基板Wが2つの洗浄ブラシ(上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25)により上下に挟持される。これにより、基板Wの上面および下面がそれぞれ上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25によってスクラブ洗浄される。また、基板Wの周端面の上側部分および下側部分がそれぞれ上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25によってスクラブ洗浄される。
【0079】
上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25によるスクラブ洗浄が所定時間にわたって行われた後は、上面洗浄ブラシ24および基板Wが順次上昇させられて、上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25が基板Wから離反させられる。また、制御部65により上回転機構37および下回転機構38が制御されて、上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25の回転が停止させられる。そして、制御部65により上薬液バルブ28および下薬液バルブ32が閉じられた後、制御部65により上純水バルブ30および下純水バルブ34が開かれて、上ノズル26および下ノズル27からそれぞれ回転状態の基板Wの上面および下面に向けて純水が吐出される。これにより、基板Wの上面および下面から薬液が洗い流される(リンス処理)。
【0080】
リンス処理が所定時間にわたって行われた後は、制御部65により基板回転機構15が制御されて、保持ローラ2に保持された基板Wの回転が停止される。そして、制御部65により上純水バルブ30および下純水バルブ34が閉じられて、上ノズル26および下ノズル27からの純水の吐出が停止される。その後、図示しない搬送ロボットにより処理済の基板Wが搬出される。
【0081】
また、リンス処理が所定時間にわたって行われた後、制御部65により2つのブラシ水平移動機構53が制御されて、6つのローラ洗浄ブラシ49がそれぞれの待機位置まで退避させられる。このとき、制御部65により2つのブラシ回転機構57が制御されて、各ローラ洗浄ブラシ49の回転が停止される。
以上のように本実施形態では、ブラシ24,25,39による基板Wのスクラブ洗浄と同時に、ローラ洗浄ブラシ49による保持ローラ2の洗浄を行うことができる。ローラ洗浄ブラシ49によって各保持ローラ2の外周面を洗浄することにより、基板Wの周端面に付着していた研磨剤(スラリー)などの異物が保持ローラ2に移って保持ローラ2の外周面に付着していたとしても、この異物を保持ローラ2の外周面から除去することができる。したがって、周縁洗浄ブラシ39により基板Wの周縁部が洗浄された後に、保持ローラ2から基板Wに異物が移って、当該異物が基板Wに付着(再付着)することを抑制または防止することができる。これにより、基板Wの表面をその周縁部まで含めて高品質に清浄化できる。
【0082】
また、ブラシ24,25,39による基板Wのスクラブ洗浄と同時に、ローラ洗浄ブラシ49による保持ローラ2の洗浄を行うことにより、基板Wの周端面から保持ローラ2の外周面に異物が移ったとしても、この異物をローラ洗浄ブラシ49によって保持ローラ2から即座に除去することができる。これにより、保持ローラ2から異物が移って基板Wが汚染されることを一層確実に抑制または防止することができる。
【0083】
さらに、ブラシ24,25,39による基板Wのスクラブ洗浄と同時に、ローラ洗浄ブラシ49による保持ローラ2の洗浄を行うことにより、ローラ洗浄ブラシ49による保持ローラ2の洗浄を行うための時間を別途設けなくてもよい。これにより、基板処理装置1のスループット(単位時間あたりの基板Wの処理枚数)を低下させずに、ローラ洗浄ブラシ49による保持ローラ2の洗浄を行うことができる。
【0084】
また、この実施形態では、各ブラシ保持部材50に3つのローラ洗浄ブラシ49を一体的に保持させているので、ブラシ保持部材50に対する3つのローラ洗浄ブラシ49の位置を精度よく調節しておけば、装置内におけるローラ洗浄ブラシ49の位置を調節するときに、1つのローラ洗浄ブラシ49の位置を調節することにより、他の2つのローラ洗浄ブラシ49の位置を同時に調節することができる。これにより、ローラ洗浄ブラシ49の位置調節に要する時間を短縮することができる。
【0085】
さらに、3つのローラ洗浄ブラシ49が保持されたブラシ保持部材50を別に用意しておけば、装置内のブラシ保持部材50を別のブラシ保持部材50に交換することにより、3つのローラ洗浄ブラシ49を一括して交換することができる。これにより、ローラ洗浄ブラシ49の交換に要する時間を短縮することができ、基板処理装置1のスループットの低下を抑制または防止することができる。
【0086】
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述の実施形態では、ローラ洗浄ブラシ49が、スポンジ材によって形成されており、保持ローラ2毎に設けられている場合について説明したが、これに限らず、ローラ洗浄ブラシ49は、多数の線状体により構成されたものであってもよいし、たとえば図13および図14に示すローラ洗浄ブラシ149のように、複数の保持ローラ2を一括して洗浄できるように形成されたものであってもよい。
【0087】
ローラ洗浄ブラシ149は、図13に示すように、たとえば平面視円弧状の長尺の部材であり、図14に示すように、保持ローラ2の外周面に対応する形状の当接部149aを有している。ローラ洗浄ブラシ149は、当接部149aを複数の保持ローラ2に同時に当接させることができる。また、ローラ洗浄ブラシ149は、各保持ローラ2の周方向の所定位置においてその外周面の一端から他端にわたる全域に当接部149aを当接させることができる。各保持ローラ2を回転(自転)させた状態で、当接部149aを各保持ローラ2の外周面に当接させることにより、複数の保持ローラ2を一括して洗浄することができる。
【0088】
ローラ洗浄ブラシ149によって複数の保持ローラ2を一括して洗浄するとき、ローラ洗浄ブラシ149は、複数の保持ローラ2の配列方向(図13では、基板Wの周方向)に沿って往復振動されてもよいし、保持ローラ2の中心軸線に沿う方向(図13では、紙面に垂直な方向)に往復振動されてもよいし、所定方向に移動せずにその場で停止するようにされていてもよい。
【0089】
また、前述の実施形態では、ローラ洗浄ブラシ49を移動させて保持ローラ2に当接させる場合について説明したが、ローラ洗浄ブラシ49は、対応する保持ローラ2に常時当接されていてもよい。
また、前述の実施形態では、基板Wの処理中において、ノズル3,4,26,27から供給された処理液が基板Wおよび保持ローラ2を通じてローラ洗浄ブラシ49に供給される場合について説明したが、洗浄位置においてローラ洗浄ブラシ49に処理液を供給するための処理液供給手段を別途設けて、この処理液供給手段からローラ洗浄ブラシ49に処理液を供給してもよい。
【0090】
また、前述の保持ローラ2の洗浄の一例では、上面洗浄ブラシ24および下面洗浄ブラシ25による基板Wの上面および下面の洗浄が終了するまで、ローラ洗浄ブラシ49が保持ローラ2に押し付けられる場合について説明したが、これに限らず、たとえば周縁洗浄ブラシ39による基板Wの周縁部の洗浄が終了した後に、各ローラ洗浄ブラシ49を洗浄位置から退避させてもよい。
【0091】
また、前述の保持ローラ2の洗浄の一例では、回転状態のローラ洗浄ブラシ49を保持ローラ2に押し付ける場合について説明したが、ローラ洗浄ブラシ49を非回転状態で保持ローラ2に押し付けてもよい。この場合、ローラ洗浄ブラシ49による保持ローラ2の洗浄処理を行う度に、または、当該洗浄処理を所定回数行う度に、ローラ洗浄ブラシ49を所定角度だけ回転させて、ローラ洗浄ブラシ49の外周面における保持ローラ2との当接位置を変更させてもよい。これにより、ローラ洗浄ブラシ49の一部が痛むことを抑制または防止することができる。さらにまた、ローラ洗浄ブラシ49は、その中心軸線まわりに回転可能とされていなくてもよい。
【0092】
また、前述の実施形態では、処理対象となる基板Wとして半導体ウエハを取り上げたが、半導体ウエハに限らず、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などの他の種類の基板が処理対象とされてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図解的な側面図である。
【図2】基板処理装置の概略構成の図解的な平面図である。
【図3】保持ローラおよびローラ洗浄ブラシの図解的な拡大図である。
【図4】基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図5】基板処理装置による基板の処理およびローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄の一例を説明するための模式図である。
【図6】基板処理装置による基板の処理およびローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄の一例を説明するための模式図である。
【図7】基板処理装置による基板の処理およびローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄の一例を説明するための模式図である。
【図8】基板処理装置による基板の処理およびローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄の一例を説明するための模式図である。
【図9】基板処理装置による基板の処理およびローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄の一例を説明するための模式図である。
【図10】基板処理装置による基板の処理およびローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄の一例を説明するための模式図である。
【図11】基板処理装置による基板の処理およびローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄の一例を説明するための模式図である。
【図12】基板処理装置による基板の処理およびローラ洗浄ブラシによる保持ローラの洗浄の一例を説明するための模式図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るローラ洗浄ブラシの図解的な平面図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るローラ洗浄ブラシの図解的な縦断面図である。
【符号の説明】
【0094】
1 基板処理装置
2 保持ローラ
3 上面ノズル
4 下面ノズル
15 基板回転機構
24 上面洗浄ブラシ
25 下面洗浄ブラシ
26 上ノズル
27 下ノズル
39 周縁洗浄ブラシ
49 ローラ洗浄ブラシ
49a (ローラ洗浄ブラシの)外周面
57 ブラシ回転機構
149 ローラ洗浄ブラシ
149a 当接部
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ円形の基板の周端面にその外周面を当接させることにより当該基板を挟持して保持する複数の保持ローラと、
前記複数の保持ローラを回転させることによって、当該保持ローラに保持された基板を回転させる基板回転手段と、
前記保持ローラを洗浄するためのローラ洗浄ブラシと、
前記複数の保持ローラに保持された基板の周縁部に前記複数の保持ローラとは異なる位置で当接し、当該基板の周縁部を洗浄するための周縁洗浄ブラシとを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記ローラ洗浄ブラシは、前記保持ローラの外周面に対応する形状に形成された当接部を有するものであり、前記当接部が、前記保持ローラの周方向の所定位置において前記外周面の一端から他端にわたる全域に当接することができるようになっている、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記ローラ洗浄ブラシは、前記保持ローラ毎に設けられている、請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ローラ洗浄ブラシは、前記保持ローラが基板を保持している状態で当該保持ローラを洗浄可能に設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記ローラ洗浄ブラシを前記保持ローラの回転軸線と平行な回転軸線まわりに自転させるブラシ回転手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記周縁洗浄ブラシによる基板の周縁部の洗浄と同時に、前記ローラ洗浄ブラシによる前記保持ローラの洗浄ができるようになっている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記複数の保持ローラに保持された基板に処理液を供給する処理液供給手段をさらに含み、
前記保持ローラは、前記処理液供給手段から基板に供給された処理液が当該基板を通じて供給されるように形成されたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−92928(P2010−92928A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258785(P2008−258785)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】