説明

積層セラミック基板

【課題】 低温焼成が可能で、焼成の際における導体層から誘電体層へのAgの拡散を抑制することができる積層セラミック基板を得る。
【解決手段】 誘電体層と導体層とを積層して焼成することにより得られる積層セラミック基板であって、誘電体層が、組成式a・Li2O−b・(CaO1-x−SrOx)−c・R23−d・TiO2(但し、xは0≦x<1を満足し、RはLa、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種であり、a、b、c及びdは、0<a≦20mol%、0≦b≦45mol%、0<c≦20mol%、40≦d≦80mol%、及びa+b+c+d=100mol%を満足する。)で表され、ペロブスカイト構造を有する誘電体材料を主成分とする誘電体層であり、導体層が、AgまたはAgPd合金を主成分とし、副成分としてBi23−ZnO−B23系ガラスを含有する導体層であることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミック基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品の小型化・薄型化に伴い、積層セラミック基板に対するニーズが急速に高まってきている。積層セラミック基板の代表的な例としては、Agなどの導電材料と同時に焼成可能な低温焼成材料(LTCC)を用い、各層にインダクタやコンデンサの回路を形成したものが挙げられる。この積層セラミック基板に使用される低温焼成材料としては、アルミナ等のセラミックフィラーとガラスを混合した誘電体磁器組成物が使用されるのが一般的である。しかし、このような組成物では誘電率が10以下と低く、LCフィルターに適用するには誘電特性が不十分であった。
【0003】
LCフィルターに適用するためには、高誘電率で誘電損失が少なく、かつ温度係数τfが0に近いことが要求される。これらの特性を満たす誘電体磁器組成物として、特許文献1には、Li2O−CaO−Sm23−TiO2の組成を有する誘電体磁器組成物が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、(Li0.5(Nd,Sm)0.5)TiO3−(Ca1-xNd2x/3)TiO3に、ZnO−B23−SiO2系ガラスフリット及びLi2O−B23−SiO2系ガラスフリットのいずれか1つのガラスフリットを3〜15重量%含む誘電体磁器組成物が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された誘電体磁器組成物は、1300℃程度の高温で焼成されており、そのままの組成では、900℃程度の低温で焼成する積層セラミック基板に適用することが困難であった。
【0006】
また、特許文献2に開示された誘電体磁器組成物において、900℃程度の低温での焼結性を向上させるためには、ガラスの添加量を増やさなければならなかった。ガラスの添加量を増やすと誘電特性が劣化するという問題があった。
【特許文献1】特開平5−211007号公報
【特許文献2】特開2003−146742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、誘電体磁器組成物に、Bi23系ガラスを添加することにより、900℃程度の低い焼成温度で焼結性を向上させることができ、誘電特性の劣化を抑制できることを見出した。
【0008】
しかしながら、このような誘電体磁器組成物を用い、導体層の導電性材料としてAgを用いて焼成すると、焼成の際にAgが導体層から誘電体層に拡散し、所望の導体層を形成することができないという問題を生じた。
【0009】
本発明の目的は、低温焼成が可能で、焼成の際における導体層から誘電体層へのAgの拡散を抑制することができる積層セラミック基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、誘電体層と導体層とを積層して焼成することにより得られる積層セラミック基板であり、誘電体層が、組成式a・Li2O−b・(CaO1-x−SrOx)−c・R23−d・TiO2(但し、xは0≦x<1を満足し、RはLa、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種であり、a、b、c及びdは、0<a≦20mol%、0≦b≦45mol%、0<c≦20mol%、40≦d≦80mol%、及びa+b+c+d=100mol%を満足する。)で表され、ペロブスカイト構造を有する誘電体材料を主成分とする誘電体層であり、導体層が、AgまたはAgPd合金を主成分とし、副成分としてBi23−ZnO−B23系ガラスを含有する導体層であることを特徴としている。
【0011】
本発明に従い、AgまたはAgPd合金を主成分とする導体層中に、Bi23−ZnO−B23系ガラスを含有させることにより、誘電体層と導体層とを積層して焼成する際に、Ag成分が導体層から誘電体層に拡散するのを抑制することができる。このため、焼成の際の導体層の残存率を高めることができ、所望の導体層パターンを誘電体層の上に形成することができる。
【0012】
本発明において、導体層中に含有されるBi23−ZnO−B23系ガラスの量は、0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜5重量%の範囲内である。Bi23−ZnO−B23系ガラスの含有量が少な過ぎると、導体層から誘電体層へのAgの拡散を抑制するという本発明の効果が十分に得られない場合がある。また、多過ぎると、導体層における導電性が低下し過ぎる場合がある。
【0013】
本発明においては、誘電体層にガラスが含有されていることが好ましい。このようなガラスとして、上記のようなBi23−ZnO−B23系ガラスを含有させることが好ましい。また、他のガラスと併用して用いてもよい。上記Bi23−ZnO−B23系ガラスの含有量としては、誘電体材料100重量部に対して、0.1〜10重量部となるように含有させることが好ましい。また、誘電体層に含有させるガラスの合計量としては、誘電体材料100重量部に対して1〜10重量部となるように含有させることが好ましい。
【0014】
本発明において用いるBi23−ZnO−B23系ガラス中におけるBi23の含有量は、30重量%以上であることが好ましく、Bi23とZnOの合計の含有量は50重量%以上であることが好ましい。このような含有量のBi23−ZnO−B23系ガラスを用いることにより、導体層からのAgの拡散をさらに効率的に抑制することができる。
【0015】
本発明における導体層には、AgまたはAgPd合金が主成分として含まれている。これらの導電性材料の含有量としては、90〜99.9重量%の範囲内であることが好ましく、95〜99.5重量%の範囲内である。また、導電性材料として、Pd単体がさらに含有されていてもよい。導体層中のPd含有量は、10重量%以下であることが好ましい。Pdを含有させることにより、Agの拡散を抑制する効果をさらに高めることができるが、多くなり過ぎると、導体層の導電性が低下する場合がある。従って、さらに好ましいPdの含有量は、1〜10重量%の範囲内である。
【0016】
本発明における誘電体層には、組成式a・Li2O−b・(CaO1-x−SrOx)−c・R23−d・TiO2(但し、xは0≦x<1を満足し、RはLa、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種であり、a、b、c及びdは、0<a≦20mol%、0≦b≦45mol%、0<c≦20mol%、40≦d≦80mol%、及びa+b+c+d=100mol%を満足する。)表されるペロブスカイト構造を有する誘電体材料が主成分として含まれる。上記組成式におけるaは、さらに好ましくは5<a≦15mol%の範囲内である。また、bは、10<b≦20mol%の範囲内であり、cは、5<c≦15mol%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0017】
本発明者らは、焼成の際に、導体層から誘電体層へAgが拡散するメカニズムについて検討した結果、誘電体材料の主相であるペロブスカイト相中におけるLiサイトがAgによって置換されることにより、Agが誘電体層中に拡散することを見出した。ペロブスカイト相中のLiサイトがAgによって置換されることは、以下の3つの事象によって確認された。
【0018】
(1)TEM(透過型電子顕微鏡)による断面マッピング
(2)Ag濃度による格子体積の変化
(3)表面導体パターンの光学顕微鏡による観察
以下、これらのことについて説明する。
【0019】
<TEMによる断面マッピング>
図4(a)は、上記組成式で表される誘電体材料のTEM像を示している。具体的な組成は、a=9mol%、b=16mol%、c=12mol%、x=0.06であり、RはNdである。図4(a)においてBで示す暗い部分は、ペロブスカイト相以外の部分を示しており、その他の明るい部分はペロブスカイト相を示している。
【0020】
図4(b)は、上記の誘電体材料を用いて作製した誘電体層にAgが拡散した後の状態を示すTEM像である。図4(b)において、明るい斑点の部分は、Agが存在していることを示している。図4(a)に示すBの部分には、明るい斑点が認められていない。従って、ペロブスカイト相以外の部分には、Agが存在しておらず、ペロブスカイト相の部分にのみAgが分布しており、ペロブスカイト相の部分にのみAgが拡散することがわかる。
【0021】
<Ag濃度による格子体積の変化>
図5は、導体層中におけるAg濃度を変化させて、導体層と誘電体層とを積層して焼成させたペロブスカイト相の格子体積(セル体積)を示す図である。図5に示すように、導体層中のAg濃度が高くなるにつれて、格子体積が増加していることがわかる。誘電体層の誘電体材料としては、後述する実施例における組成のものを用いた。
【0022】
図5において、点線で示す「Nd置換」は、実施例における誘電体材料のLiを全てNdに置換したペロブスカイト相の格子体積を示している。図5に示すように、Ag濃度が10重量%以上になると、「Nd置換」の格子体積とほぼ一致するようになっている。Liのイオン半径は0.78Å(0.078nm)であり、Agのイオン半径は1.13Å(0.113nm)であり、Ndのイオン半径は1.15Å(0.115nm)である。従って、Agのイオン半径はNdのイオン半径に近似している。従って、LiのサイトがAgイオンによって置換されることにより、Ndで置換したペロブスカイト相と同程度の格子体積に近づいているものと思われる。すなわち、Agで置換する前の格子体積は0.224nm3であるが、LiがAgに置換されることにより、「Nd置換」とほぼ同程度の格子体積である0.2265nm3に近い値となっていると考えられる。
【0023】
図6は、本発明における誘電体材料のペロブスカイト構造を示す模式図である。「Ti」で示すBサイトにはチタン(Ti)が位置し、「O」で示すOサイトには酸素(O)が位置し、その周囲のAサイトに、例えば実施例の誘電体材料の場合、Li、Nd、Sm、Ca、及びSrのいずれかが位置する。上述のように、このAサイトに位置するLiがAgと置換されるものと考えられる。
【0024】
なお、格子体積(セル体積)は、以下のようにして求めることができる。X線回折パターンにおいて比較的強度の大きいピーク数本を選択し、その回折角から面間隔dを求める。面指数と面間隔の組み合わせから最小自乗法により、a軸、b軸、及びc軸のそれぞれの長さを求める。ペロブスカイト構造の角度は全て直角であるので、求めた各軸の長さの積から格子体積(セル体積)を求めることができる。
【0025】
面間隔dは、以下に示すBraggの式から求めることができる。θは回折角であり、λは入射X線の波長であり、nは反射次数である。
2dsinθ=nλ
【0026】
<表面導体パターンの光学顕微鏡による観察>
図7は、誘電体層の上に導体層を形成し、焼成した後の状態を示す光学顕微鏡像である。図7(a)は、上記のLiを全てNdに置換した誘電体材料からなる誘電体層の上に、従来のAgのみを含有するペーストを用いて導体層を形成し、これを焼成した後の状態を示している。
【0027】
図7(b)は、実施例において作製したLiを含有する誘電体材料の上に、従来のAgのみを含有するペーストを用いて導体層を形成し、これを焼成した後の状態を示している。
【0028】
図7(a)に示すように、誘電体材料中にLiが含有されていない場合には、ほとんどの導体層が残存しており、導体層を確認することができる。これに対して、Liを含有した誘電体材料を用いた場合には、導体層を確認することができず、導体層中のAgが誘電体層中に拡散していることがわかる。
【0029】
以上のことから、導体層中のAgは、ペロブスカイト相中のLiと置換することにより、誘電体層に拡散することがわかる。
【0030】
本発明の積層セラミック基板は、誘電体層と導体層とを積層して焼成することにより、得られるものであり、焼成温度としては、特に限定されるものではないが、一般に850〜950℃の温度であることが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、低温焼成が可能で、かつ焼成の際における導体層から誘電体層へのAgの拡散を抑制することができる積層セラミック基板とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0033】
〔実験1〕
Li2CO3、CaCO3、SrCO3、Nd23及びTiO2を、Li2O:9mol%、CaO:15mol、SrO:1mol%、Nd23:12mol%、及びTiO2:63mol%となるように秤量して混合した。この混合物を、ボールミルでアルコールを用いる湿式混合法により24時間湿式混合した。その後、1200℃で2時間仮焼成した。
【0034】
得られた仮焼成物に、以下に示すガラス粉末A(Bi23系ガラス)と、ガラス粉末B(Zn−B−Si系ガラス)を、誘電体材料100重量部に対し、それぞれ1重量部となるように添加し、再びボールミルを用いて20時間粉砕した。
【0035】
以上のようにして得られた混合物に、PVB(ポリビニルブチラール)系バインダ、分散剤、及び可塑剤を添加し、混合してスラリーを作製した。次に、得られたスラリーをドクターブレード装置を用いてシート厚み50〜10μmのシート状に成形した。
【0036】
導体層を形成するための導体層形成用材料として、Agを導電性材料として88重量%含み、バインダを12重量%含む導体ペーストに、以下に示すガラス粉末を導体層の固形分中3重量%または1重量%となるように添加したものを調製した。上記のシートを所望の大きさに切断し、その上に得られた導体層形成用材料を所望のパターンとなるように印刷した。このようにして誘電体層の上に導体層を積層して形成したものを400℃で脱バインダ処理した後、900℃に2時間保持して焼成した。
【0037】
(ガラス粉末A〜F)
ガラス粉末A:Bi23(75重量%)−B23(15重量%)−ZnO(10重量%)
<Bi23+ZnOの含有率:85重量%>
ガラス粉末B:Bi23(55重量%)−B23(35重量%)−ZnO(10重量%)
<Bi23+ZnOの含有率:65重量%>
ガラス粉末C:Bi23(25重量%)−B23(60重量%)−ZnO(5重量%)−SiO2(10重量%)
<Bi23+ZnOの含有率:30重量%>
ガラス粉末D:ZnO、B23、及びSiO2を主成分とするガラス
日本電気硝子株式会社製「GA−12」
ガラス粉末E:B23、SiO2を主成分とするガラス
日本電気硝子株式会社製「GA−47」
ガラス粉末F:Bi23(100重量%)
なお、ガラス粉末A〜Cは本発明におけるBi23−ZnO−B23系ガラスの組成を有しており、ガラス粉末D〜Fは比較のガラス粉末である。
【0038】
<導体層の残存率の測定>
誘電体層の上に導体層を形成した焼成前の積層体を80℃で30分間乾燥し、触針式段差計により導体層の幅と厚みを測定した。測定して得られた幅と厚みから導体層の断面積を求めた。
【0039】
次に、上記の焼成後の各試料についても、触針式段差計により上記と同様にして導体層の断面積を求め、以下の式から導体層の残存率を算出した。
【0040】
導体層の残存率(%)=(焼成後の導体層の断面積/焼成前の導体層の断面積)×100
各ガラス粉末を用いた試料についての導体層の残存率を表1に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
表1に示す結果から明らかなように、本発明に従い、導体層中にBi23−ZnO−B23系ガラスを含有させた場合には、比較のガラス粉末を含有させた場合に比べ、導体層の残存率が高くなっていることがわかる。また、Bi23とZnOの合計の含有量が50重量%以上であるガラス粉末A及びBを用いた場合に、特に導体層の残存率が高くなっていることがわかる。
【0043】
〔実験2〕
上記実験1のガラス粉末Aを3重量%用いた実施例において、導体層形成用材料として、AgにさらにPd単体を添加したものを作製し、実験1と同様にして導体層の残存率を算出した。Pdの添加量としては、Ag100重量部に対し、3重量%及び6重量%とした。測定結果を表2に示す。
【0044】
【表2】

【0045】
表2に示すように、Pdを添加することにより、導体層の残存率が高くなっており、Agの拡散を抑制できることがわかる。
【0046】
〔実験3〕
次に、導体層形成材料中におけるAgを、Ag/Pd合金粉に代え、ガラス粉末Aを3重量%用いて、実験1と同様にして導体層残存率を測定した。Ag/Pd合金粉におけるPd濃度は、3原子%及び6原子%とした。
【0047】
測定結果を表3に示す。
【0048】
【表3】

【0049】
表3に示す結果から明らかなように、Ag/Pd合金粉を用いることにより、Ag単体を用いる場合より導体層残存率が高くなっていることがわかる。従って、Ag/Pd合金を用いることにより、Agの拡散が抑制されることがわかる。
【0050】
〔実験4〕
図3は、焼成後の誘電体層表面の導体層の状態を示す光学顕微鏡像である。図3(a)は、実験3においてPdを6原子%含有したAg/Pd合金粉を用いたときの状態を示している。
【0051】
図3(b)は、実験1においてガラス粉末を添加していないときの状態を示している。
【0052】
図3(a)と図3(b)との比較から明らかなように、本発明に従いBi23−ZnO−B23系ガラスを導体層に添加することにより、導体層から誘電体層へのAgの拡散が抑制され、所望のパターンの導体層を形成できることがわかる。
【0053】
〔積層セラミック基板〕
図1は、本発明の積層セラミック基板の一実施例を示す斜視図であり、図2は分解斜視図である。
【0054】
図1及び図2に示すように、誘電体層1の上には導体層2が形成されている。また、誘電体層1にビアホール3が形成されている誘電体もある。このような導体層2が形成された誘電体層2を複数枚積層し、焼成することにより、本発明に従う実施例の積層セラミック基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の積層セラミック基板の一例を示す斜視図。
【図2】本発明の積層セラミック基板の一例を示す分解斜視図。
【図3】(a)は本発明に従う実施例における焼成後の誘電体層表面の導体層を示す図であり、(b)は比較例における焼成後の誘電体表面の状態を示す図。
【図4】TEM(透過型電子顕微鏡)による断面マッピングを示す図。
【図5】導体層中のAgの濃度と、焼成後の誘電体層中のペロブスカイト相の格子体積との関係を示す図。
【図6】本発明における誘電体材料のペロブスカイト構造を示す模式図。
【図7】(a)はLiを含まない誘電体材料を用いたときの導体層を示す図であり、(b)はLiを含む誘電体材料を用いたときの誘電体層表面を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1…誘電体層
2…導体層
3…ビアホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層と導体層とを積層して焼成することにより得られる積層セラミック基板であって、
前記誘電体層が、組成式a・Li2O−b・(CaO1-x−SrOx)−c・R23−d・TiO2(但し、xは0≦x<1を満足し、RはLa、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種であり、a、b、c及びdは、0<a≦20mol%、0≦b≦45mol%、0<c≦20mol%、40≦d≦80mol%、及びa+b+c+d=100mol%を満足する。)で表され、ペロブスカイト構造を有する誘電体材料を主成分とする誘電体層であり、前記導体層が、AgまたはAgPd合金を主成分とし、副成分としてBi23−ZnO−B23系ガラスを含有する導体層であることを特徴とする積層セラミック基板。
【請求項2】
前記誘電体層に、Bi23−ZnO−B23系ガラスが含有されていることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック基板。
【請求項3】
前記Bi23−ZnO−B23系ガラス中のBi23とZnOの合計の含有量が、50重量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミック基板。
【請求項4】
前記導電体層にPd単体がさらに含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層セラミック基板。
【請求項5】
前記導電体層中のPd含有量が10重量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層セラミック基板。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−315876(P2006−315876A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137064(P2005−137064)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】