説明

経路情報提供装置およびナビゲーション装置

【課題】提供した予想旅行時間と実際の旅行時間との間に差異が生じた場合の原因を把握できるようにする。
【解決手段】ナビゲーション装置20により計測された道路区間の所要時間とその道路区間の予想旅行時間との差が予め定められた基準値よりも大きいことが判定された場合、周辺画像記憶装置30から経路情報提供装置10へ車両周辺の撮影画像および道路区間情報を送信するように指示される。そして、周辺画像記憶装置30から経路情報提供装置10へ車両周辺の撮影画像および道路区間情報が送信され、経路情報提供装置10の表示部に表示される(S304)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置から受信した条件に基づいて出発地から目的地に至る道路区間毎の予想旅行時間を算出し、ナビゲーション装置へ提供する経路情報提供装置およびナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行に伴って計測された道路区間の所要時間を表す区画所要時間情報をナビゲーション装置から収集してデータベースに更新登録し、ナビゲーション装置から走行予定道路の予想旅行時間の照会依頼があると、データベースに登録された区画所要時間情報に基づいて走行予定道路の予想旅行時間を算出してナビゲーション装置へ配信する情報装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−20288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載されたような情報装置は、提供した予想旅行時間と実際の旅行時間との間に差異が生じても、その差異が渋滞等の交通状況により生じたものか、あるいは休憩などのドライバーの意志により生じたものであるかを把握することができない。
【0004】
このため、渋滞等の交通状況により差異が生じた場合に、予想旅行時間に実際の旅行時間を反映させて、予想旅行時間の精度を高めて品質向上を図ることが困難である。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みたもので、提供した予想旅行時間と実際の旅行時間との間に差異が生じた場合の原因を把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴は、ナビゲーション装置から受信した条件に基づいて出発地から目的地に至る道路区間毎の予想旅行時間を算出し、ナビゲーション装置へ提供する経路情報提供装置であって、ナビゲーション装置には、車両周辺を撮影した画像データを記憶する周辺画像記憶装置が接続されており、ナビゲーション装置は、走行道路の道路区間毎の所要時間を計測し、計測した道路区間の所要時間とその道路区間の予想旅行時間との差が予め定められた基準値よりも大きいことを判定した場合、周辺画像記憶装置に対し、その道路区間における車両周辺の撮影画像および道路区間情報を経路情報提供装置へ送信するように指示するようになっており、周辺画像記憶装置から車両周辺の撮影画像および道路区間情報を受信すると、車両周辺の撮影画像および道路区間情報を表示部に表示させる表示制御手段と、を備えたことである。
【0007】
このような構成では、ナビゲーション装置により計測された道路区間の所要時間とその道路区間の予想旅行時間との差が予め定められた基準値よりも大きいことが判定された場合、周辺画像記憶装置から車両周辺の撮影画像および道路区間情報が送信され、車両周辺の撮影画像および道路区間情報が表示部に表示されるので、操作者は、提供した予想旅行時間と実際の旅行時間との間に差異が生じた場合の原因を把握することができる。
【0008】
また、本発明の第2の特徴は、周辺画像記憶装置が、車両の事故解析のために搭載されたドライブレコーダを用いて構成されていることである。
【0009】
このように、車両の事故解析を目的として搭載されたドライブレコーダを活用して周辺画像記憶装置を構成することができる。
【0010】
また、本発明の第3の特徴は、ナビゲーション装置は、周辺画像記憶装置に対し、その道路区間の所要時間を含めて送信させるようになっており、表示制御手段は、周辺画像記憶装置から道路区間における所要時間を受信すると、車両周辺の撮影画像、道路区間情報とともにその道路区間における所要時間を表示させることである。
【0011】
このような構成では、車両周辺の撮影画像、道路区間情報とともにその道路区間における所要時間が表示されるので、操作者は、提供した道路区間の予想旅行時間と実際の所要時間を比較して、どの程度の差異が生じたかを認識することが可能である。
【0012】
また、本発明の第4の特徴は、表示部に表示された道路区間における所要時間を道路区間毎の予想旅行時間が記憶されたデータベースに反映させるか否かの選択を操作者に促す選択制御手段と、操作者の操作により表示部に表示された道路区間における所要時間をデータベースへ反映させることが選択された場合、表示部に表示された区間の所要時間をデータベースに反映させる情報反映手段と、を備えたことである。
【0013】
このように、操作者は、表示部に表示された道路区間における所要時間を道路区間毎の予想旅行時間が記憶されたデータベースに反映させるか否かの指示を選択操作により行うことができる。
【0014】
また、本発明の第5の特徴は、経路情報提供装置より出発地から目的地に至る道路区画毎の予想旅行時間を取得する予想旅行時間取得手段と、車両周辺を撮影した画像データを記憶する周辺画像記憶装置と接続する周辺画像記憶装置接続手段と、走行道路の道路区間毎の所要時間を計測し、計測した道路区間の所要時間と予想旅行時間取得手段によって取得されたその道路区画の予想旅行時間との差が予め定められた基準値よりも大きいことを判定した場合、周辺画像記憶装置接続手段を介して周辺画像記憶装置に対し、その道路区間における車両周辺の撮影画像および道路区間情報を経路情報提供装置へ送信するように指示する送信指示手段と、を備えたことである。
【0015】
このような構成では、計測した道路区間の所要時間とその道路区間の予想旅行時間との差が予め定められた基準値よりも大きいことを判定した場合、周辺画像記憶装置に対し、その道路区間における車両周辺の撮影画像および道路区間情報を経路情報提供装置へ送信するように指示されるので、周辺画像記憶装置から経路情報提供装置へその道路区間における車両周辺の撮影画像および道路区間情報が送信され、車両周辺の撮影画像および道路区間情報を経路情報提供装置の表示部に表示させることが可能である。したがって、経路情報提供装置の操作者は、提供した予想旅行時間と実際の旅行時間との間に差異が生じた場合の原因を把握することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係る経路情報提供装置、ナビゲーション装置、ドライブレコーダおよび通信モジュールの全体構成を図1に示す。経路情報提供装置10は、情報センタ1に配置され、ナビゲーション装置20、ドライブレコーダ30および通信モジュール40は、車両(自動車)2内に配置される。
【0017】
経路情報提供装置10は、CPU、メモリ、ハードディスクドライブ、キーボード、ディスプレイ等を備えたコンピュータとして構成されている。
【0018】
経路情報提供装置10のハードディスクドライブには、案内経路を探索するための道路データや施設データ等の地図データを記憶したデータベース(図示せず)が格納されている。経路情報提供装置10は、このデータベースに格納された地図データに基づいて出発地から目的地に至る最適な案内経路を探索する処理を行う。なお、最適な案内経路を探索する手法としては、ダイクストラ法等が知られている。
【0019】
また、経路情報提供装置10のデータベースには、リンク毎の予想旅行時間が記憶されている。経路情報提供装置10は、ナビゲーション装置20から出発地および目的地を含む経路探索条件を受信すると、データベースを参照して出発地から目的地に至る案内経路を探索し、案内経路および案内経路の道路区間毎の予想旅行時間を特定し、ナビゲーション装置20へ送信する処理を実施する。
【0020】
図2に、ナビゲーション装置20の構成を示す。ナビゲーション装置20は、位置検出器21、表示装置22、操作スイッチ群23、スピーカ24、通信インタフェース25、ドライブレコーダインタフェース26、地図データ取得部27および制御回路28を備えている。
【0021】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路28に出力する。
【0022】
表示装置22は、液晶等のディスプレイを有し、制御回路28から入力される映像信号に応じた映像をディスプレイに表示させる。
【0023】
操作スイッチ群23は、表示装置22のディスプレイの周囲に配置されたメカニカルスイッチ、表示装置22のディスプレイの前面に重ねて配置されたタッチスイッチ等によって構成され、ユーザによるスイッチ操作に応じた信号を制御回路28に出力する。
【0024】
スピーカ24は、制御回路28から入力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0025】
通信インタフェース25は、図1に示した通信モジュール40に接続するためのインタフェースである。通信インタフェース25と通信モジュール40との間は、ケーブルを介して接続されている。
【0026】
ドライブレコーダインタフェース26は、ドライブレコーダ30と通信するためのインタフェースである。ドライブレコーダインタフェース26とドライブレコーダ30との間は、ケーブルを介して接続されている。
【0027】
地図データ取得部27は、地図表示や経路案内用の地図データを取得するための装置である。地図データ取得部27は、制御回路28の要求に応じて、地図データが記憶されたハードディスクドライブ等の不揮発性記憶媒体から必要な地図データの読み出しを行う。
【0028】
制御回路28は、CPU、RAM、ROM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUは、ROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。なお、本実施形態における制御回路28のCPUは、タイマー機能を有している。
【0029】
制御回路28の処理としては、位置検出器21から入力される情報に基づいて定期的に車両の現在位置および向きを特定する位置特定処理、現在位置の周辺の地図上に自車位置マークを重ねて表示する現在位置表示処理、ユーザの操作スイッチ群13の操作に応じて目的地を特定するとともに目的地特定処理、現在位置から目的地に至る案内経路を探索する経路探索処理、案内経路に従って走行案内を行う走行案内処理等がある。
【0030】
また、本実施形態における制御回路28は、自車がリンクの終点に到達したか否かを判定し、走行道路のリンク毎の所要時間を計測する処理も行う。
【0031】
図3に、ドライブレコーダ30の構成を示す。ドライブレコーダ30は、車両の事故解析のために車両に搭載されたものであり、監視カメラ31、加速度センサ(図中ではGセンサと記す)32、通信インタフェース33、ナビゲーションインタフェース34、フラッシュメモリ35および制御回路36を備えている。
【0032】
監視カメラ31は、車両周辺の状況を監視するためのカメラである。本実施形態では、車両前方の状況を撮影した画像データを制御回路36へ送出する。
【0033】
加速度センサ32は、自車両の前後、上下、および左右への加速度を検知し、検知信号を制御回路36へ出力する。
【0034】
通信インタフェース33は、図1に示した通信モジュール40に接続するためのインタフェースである。通信インタフェース33と通信モジュール40との間は、ケーブルを介して接続されている。
【0035】
ナビゲーションインタフェース34は、ナビゲーション装置20と通信するためのインタフェースである。ナビゲーションインタフェース34とナビゲーション装置20との間は、ケーブルを介して接続されている。
【0036】
制御回路36は、CPU、RAM、ROM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0037】
制御回路36の処理としては、監視カメラ31から送出される画像データを一定時間分、一時的にRAMに記憶させる画像データ一時記憶処理、衝突や急ブレーキ、急ハンドル等により加速度センサ32から検知信号が入力されると、加速度センサ32から検知信号が入力された時点を基準としてRAMに記憶させた前後の一定時間分の画像データをフラッシュメモリ35に記憶させる画像データ記憶処理等がある。なお、フラッシュメモリ35には、例えば、数百件分程度の動画像データが記憶可能となっている。
【0038】
本実施形態では、自車2がリンクの終点に到達すると、ナビゲーション装置20から制御回路36へリンクの終点に到達したことを示す信号が入力されるようになっている。制御回路36は、このリンクの終点に到達したことを示す信号が入力されると、一時的にRAMに記憶させた一定時間分の画像データをフラッシュメモリ35に記憶させる処理も実施する。なお、自車がリンクの終点に到達する前に、フラッシュメモリ35に記憶可能な1件分のデータ量を超える場合には、別件としてフラッシュメモリ35に記憶させる。そして、ナビゲーション装置20の制御回路28からの指示に応じて、RAMに記憶させた画像データにリンク情報、所要時間を付加して、通信インタフェース33を介して経路情報提供装置10へ送出する処理も行う。
【0039】
通信モジュール40は、移動体通信網の基地局を介して外部と無線通信を行うためのものである。車両2のナビゲーション装置20およびドライブレコーダ30は、この通信モジュール40を介して移動体通信網の基地局に接続し、情報センタ1の経路情報提供装置10と通信できるようになっている。
【0040】
次に、図4に従って、ナビゲーション装置20の制御回路28および経路情報提供装置10の各処理について説明する。車両2のイグニッションスイッチがオンすると、ナビゲーション装置20は起動状態となる。そして、ユーザの操作により出発地および目的地が指定されると、制御回路28は図4に示す処理を開始する。
【0041】
まず、出発地および目的地を含む経路探索条件を情報センタ1の経路情報提供装置10へ送信する(S100)。
【0042】
経路情報提供装置10は、この経路探索条件を受信すると、出発地および目的地に至る案内経路を探索する(S200)。
【0043】
そして、この案内経路および案内経路のリンク毎の予想旅行時間を含む提供経路情報をナビゲーション装置20に送信する(S202)。なお、提供経路情報には、案内経路を構成するリンク列の各リンクIDが含まれる。
【0044】
ナビゲーション装置20の制御回路28は、経路情報提供装置10から提供経路情報を受信すると(S102)、この提供経路情報に含まれる案内経路に従って走行案内処理を開始する(S104)。この走行案内処理により、例えば、右左折案内交差点の所定距離手前の地点に到達すると右左折案内が実施される。
【0045】
次に、走行道路のリンク毎の所要時間(図中では、実時間と記す)を計測する処理を開始する(S106)。なお、所要時間の計測は、タイマー機能を用いて行う。
【0046】
次に、自車がリンクの終点に到達したか否かを判定する(S108)。具体的には、位置特定処理によって特定した現在位置と地図データ取得部27を介して取得した自車位置周辺の道路データに基づいて自車が走行道路を表すリンクの終点に到達したか否かを判定する。
【0047】
自車が走行道路を表すリンクの終点に到達していない場合、S108の判定はNOとなり、S104の処理へ戻る。
【0048】
また、自車が走行道路を表すリンクの終点に到達すると、S108の判定はYESとなり、次に、計測したリンクの所要時間と提供経路情報に含まれるそのリンクの予想旅行時間との差が予め定められた基準値P未満か否かを判定する(S110)。なお、この基準値Pは、ユーザの操作により事前に変更できるようになっている。この基準値Pの変更は、例えば、メニュー画面に従って行うことができる。
【0049】
ここで、計測したリンクの所要時間とそのリンクの予想旅行時間との差が予め定められた基準値P未満の場合、S110の判定はYESとなり、S104の処理へ戻る。
【0050】
また、計測したリンクの所要時間とそのリンクの予想旅行時間との差が予め定められた基準値P以上の場合、S110の判定はNOとなり、ドライブレコーダ30に対し、そのリンクにおける車両周辺の撮影画像に、リンク情報、計測したリンクの所要時間およびタイムスタンプを付加して送信させるように指示し(S112)、S104へ戻る。なお、図示してないが、制御回路28は、自車が目的地の手前の地点に到達すると本処理を終了する。
【0051】
ドライブレコーダ30の制御回路36は、ナビゲーション装置20の制御回路28からの指示に応じて、フラッシュメモリ35に記憶させた画像データに、リンク情報、計測したリンクの所要時間およびタイムスタンプを付加して経路情報提供装置10へ送信する。これにより、所要時間と予想旅行時間との差が基準値よりも大きいと判定されたリンクにおける車両周辺の撮影画像が経路情報提供装置10へ送信される。
【0052】
また、制御回路36は、経路情報提供装置10へ送信しない画像データをフラッシュメモリ35から消去し、ナビゲーション装置20からの指示に応じて経路情報提供装置10へ送信した画像データをフラッシュメモリ35に残す。したがって、所要時間と予想旅行時間との差が基準値以下であると判定されたリンクの画像データはフラッシュメモリ35から消去され、所要時間と予想旅行時間との差が基準値よりも大きいと判定されたリンクの画像データはフラッシュメモリ35に記憶されたままとなる。
【0053】
経路情報提供装置10は、ドライブレコーダ30から画像データを受信すると、画像データを再生してディスプレイに表示する処理を実施する。
【0054】
次に、図5に従って、この処理について説明する。経路情報提供装置10は、図4に示した処理と並行して、図5に示す処理を実施する。
【0055】
まず、ドライブレコーダ30から画像データを受信したか否かを判定する(S300)。
【0056】
ドライブレコーダ30から画像データを受信すると、S300の判定はYESとなり、受信した画像データをハードディスクドライブに記憶する(S302)。なお、ハードディスクドライブには、画像データに、リンク情報、計測したリンクの所要時間およびタイムスタンプが付加された形式で記憶される。
【0057】
次に、この画像データを再生してディスプレイに表示させる(S304)。具体的には、この画像データ、リンク情報、計測したリンクの所要時間およびタイムスタンプを付加した情報をハードディスクドライブから読み出すとともに、このリンクの予想旅行時間をデータベースから読み出して、ディスプレイに表示させる。更に、表示したリンクの所要時間をデータベースの予想旅行時間に反映させるか否かの選択を操作者に促す画像を重ねて表示する。
【0058】
図6に、ディスプレイの表示例を示す。このディスプレイには、画像データの再生画面上に、リンク情報(リンクID)、タイムスタンプ、計測したリンクの所要時間(図中では、実時間と記す)、リンクの予想旅行時間が重ねて表示されている。更に、「データベースに反映させますか?」といったメッセージとともに「YES」、「NO」を表す画像が選択可能に表示されている。
【0059】
次に、操作者の選択操作に応じて、表示したリンクの所要時間をデータベースの予想旅行時間に反映させるか否かを判定する(S306)。
【0060】
操作者は、ディスプレイの表示画像から、例えば、車両が渋滞の影響で前方車両の後ろを低速走行しているのか、交通流に従って順調に走行中であるのか、ドライバーの意志により低速走行しているのか、あるいは休憩していたかなど、車両周辺の状況を把握することができる。
【0061】
ここで、操作者により「YES」が選択された場合、S210の判定はYESとなり、表示したリンクの所要時間をデータベースの予想旅行時間に反映させる(S308)。具体的には、表示したリンクの所要時間と、そのリンクの予想旅行時間を平均化し、新たな予想旅行時間としてデータベースに格納し(S308)、S300へ戻る。
【0062】
また、操作者により「NO」が選択された場合、S210の判定はNOとなり、表示したリンクの所要時間をデータベースの予想旅行時間に反映させることなく、S300へ戻る。
【0063】
上記した処理が繰り返し実施され、操作者の選択操作に応じて、表示されたリンクの所要時間がデータベースの予想旅行時間に反映される。
【0064】
上記した構成によれば、ナビゲーション装置により計測された道路区間の所要時間とその道路区間の予想旅行時間との差が予め定められた基準値よりも大きいことが判定された場合、ドライブレコーダから車両周辺の撮影画像および道路区間情報が送信され、車両周辺の撮影画像および道路区間情報が表示部に表示されるので、操作者は、提供した予想旅行時間と実際の旅行時間との間に差異が生じた場合の原因を把握することができる。
【0065】
また、車両の事故解析のために搭載されたドライブレコーダを活用して車両周辺の撮影画像を撮影することができる。
【0066】
また、車両周辺の撮影画像、道路区間情報とともにその道路区間における所要時間が表示されるので、操作者は、提供した道路区間の予想旅行時間と実際の所要時間を比較して、どの程度の差異が生じたかを認識することが可能である。
【0067】
また、操作者は、表示部に表示された道路区間における所要時間を道路区間毎の予想旅行時間が記憶されたデータベースに反映させるか否かの指示を選択操作により行うことができる。
【0068】
また、ナビゲーション装置は、計測した道路区間の所要時間とその道路区間の予想旅行時間との差が予め定められた基準値よりも大きいことを判定した場合、周辺画像記憶装置に対し、その道路区間における車両周辺の撮影画像および道路区間情報を経路情報提供装置へ送信するように指示するので、周辺画像記憶装置から経路情報提供装置へその道路区間における車両周辺の撮影画像および道路区間情報が送信され、車両周辺の撮影画像および道路区間情報を経路情報提供装置の表示部に表示させることが可能である。したがって、経路情報提供装置の操作者は、提供した予想旅行時間と実際の旅行時間との間に差異が生じた場合の原因を把握することが可能である。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0070】
例えば、上記実施形態では、ドライブレコーダを用いて車両周辺の画像を撮影する例を示したが、ドライブレコーダに限定されるものではなく、各種周辺画像撮影装置を用いて車両周辺の画像を撮影してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、道路区間としてリンクを例に説明したが、リンクに限定されるものではなく、例えば、セグメント等を用いてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、表示したリンクの所要時間と、そのリンクの予想旅行時間を平均化して表示したリンクの所要時間をデータベースに反映させる例を示したが、このような手法に限定されるものではない。
【0073】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S304が表示制御手段に相当し、S306が選択制御手段に相当し、S308が情報反映手段に相当し、ドライブレコーダインタフェース26が周辺画像記憶装置接続手段に相当し、S102が予想旅行時間取得手段に相当し、S112が送信指示手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態に係る経路情報提供装置、ナビゲーション装置、ドライブレコーダおよび通信モジュールの全体構成を示す図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図3】ドライブレコーダの構成を示す図である。
【図4】ナビゲーション装置の制御回路および経路情報提供装置の各処理を示すフローチャートである。
【図5】経路情報提供装置の処理を示すフローチャートである。
【図6】経路情報提供装置のディスプレイ表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1…情報センタ、2…車両、10…経路情報提供装置、20…ナビゲーション装置、
21…位置検出器、22…表示装置、23…操作スイッチ群、24…スピーカ、
25…通信インタフェース、26…ドライブレコーダインタフェース、
27…地図データ取得部、28…制御回路、30…ドライブレコーダ、
31…監視カメラ、32…加速度センサ、33…通信インタフェース、
34…ナビゲーションインタフェース、35…フラッシュメモリ、36…制御回路、
40…通信モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置から受信した条件に基づいて出発地から目的地に至る道路区間毎の予想旅行時間を算出し、前記ナビゲーション装置へ提供する経路情報提供装置であって、
前記ナビゲーション装置には、車両周辺を撮影した画像データを記憶する周辺画像記憶装置が接続されており、
前記ナビゲーション装置は、走行道路の道路区間毎の所要時間を計測し、計測した道路区間の所要時間とその道路区間の予想旅行時間との差が予め定められた基準値よりも大きいことを判定した場合、前記周辺画像記憶装置に対し、その道路区間における前記車両周辺の撮影画像および道路区間情報を前記経路情報提供装置へ送信するように指示するようになっており、
前記周辺画像記憶装置から前記車両周辺の撮影画像および道路区間情報を受信すると、前記車両周辺の撮影画像および前記道路区間情報を表示部に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴とする経路情報提供装置。
【請求項2】
前記周辺画像記憶装置は、前記車両の事故解析のために搭載されたドライブレコーダを用いて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の経路情報提供装置。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、前記周辺画像記憶装置に対し、その道路区間の所要時間を含めて送信させるようになっており、
前記表示制御手段は、前記周辺画像記憶装置から前記道路区間における前記所要時間を受信すると、前記車両周辺の撮影画像、前記道路区間情報とともに前記その道路区間における所要時間を表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の経路情報提供装置。
【請求項4】
前記表示部に表示された前記道路区間における所要時間を道路区間毎の予想旅行時間が記憶されたデータベースに反映させるか否かの選択を操作者に促す選択制御手段と、
操作者の操作により前記表示部に表示された前記道路区間における所要時間を前記データベースへ反映させることが選択された場合、前記表示部に表示された区間の所要時間を前記データベースに反映させる情報反映手段と、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の経路情報提供装置。
【請求項5】
経路情報提供装置より出発地から目的地に至る道路区画毎の予想旅行時間を取得する予想旅行時間取得手段と、
車両周辺を撮影した画像データを記憶する周辺画像記憶装置と接続する周辺画像記憶装置接続手段と、
走行道路の道路区間毎の所要時間を計測し、計測した道路区間の所要時間と前記予想旅行時間取得手段によって取得されたその道路区画の予想旅行時間との差が予め定められた基準値よりも大きいことを判定した場合、前記周辺画像記憶装置接続手段を介して前記周辺画像記憶装置に対し、その道路区間における前記車両周辺の撮影画像および道路区間情報を前記経路情報提供装置へ送信するように指示する送信指示手段と、を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−286633(P2008−286633A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131711(P2007−131711)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】