説明

薄膜トランジスタ、表示板、及び薄膜トランジスタの製造方法

【課題】多結晶シリコンのように電気的特性が向上した薄膜トランジスタ表示板を低コストで製造することができる方法を提供する。
【解決手段】基板と、基板上に形成されている制御電極124aと、制御電極124a上に形成されているゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されていて、制御電極と重畳する半導体151と、半導体151と一部分が重畳する入力電極173aと、半導体151と一部分が重畳する出力電極175aと、を含み、半導体151は非晶質シリコンからなる第1部分と多結晶シリコンからなる第2部分とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ、表示板、及び薄膜トランジスタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、シリコン(Si)は結晶状態によって非晶質シリコン(amorphous silicon)と結晶質シリコン(crystalline silicon)とに分けることができる。非晶質シリコンは、低い温度で蒸着して薄膜(thin film)を形成することが可能であるため、主に低い融点を有するガラスを基板として用いる表示装置の能動素子のチャネル層に多く用いられる。
【0003】
しかし、非晶質シリコン薄膜は、低い電界効果移動度などの問題点があるため、これを大面積の表示装置に適用することには難しさがある。そこで、高い電界効果移動度、高周波動作特性、及び低い漏洩電流(leakage current、漏れ電流)などの電気的特性を有する多結晶シリコン(poly crystalline silicon)を適用する必要性が高まっている。
【0004】
多結晶シリコン薄膜は、エキシマレーザアニーリング(eximer laser annealing)、順次的側面固状化(sequential lateral solidification)などのようにレーザを用いて非晶質シリコン薄膜を結晶化する方法によって主に作られる。
【0005】
しかし、このようにレーザを用いる結晶化方法は、高価な装備を追加しなければならないなど、工程の進行において多くの費用がかかり、また、薄膜全体にわたって均一な結晶性を確保することが難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題は、多結晶シリコンのように電気的特性が向上した薄膜トランジスタ表示板を低コストで製造することができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による薄膜トランジスタは、基板と、前記基板上に形成されている制御電極と、前記制御電極上に形成されているゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されていて、前記制御電極と重畳する半導体と、前記半導体と接触する入力電極と、前記半導体と接触する出力電極と、を含み、前記半導体は非晶質シリコンからなる第1部分と多結晶シリコンからなる第2部分とを含む。
【0008】
前記半導体の第2部分は、前記入力電極と前記出力電極との間にわたって形成されていることができる。前記薄膜トランジスタは、前記入力電極と前記半導体との間及び前記出力電極と前記半導体との間に介在されていて、不純物を含有する非晶質シリコンからなる複数のオーミックコンタクト部材をさらに含むことができる。
【0009】
前記半導体の第2部分は、アルミニウム、ニッケル、または金などの導電成分を微量含むことができ、前記導電成分は前記入力電極及び前記出力電極の各々にも含まれることができる。
【0010】
前記入力電極及び前記出力電極の各々は、アルミニウム系金属、ニッケル系金属、または金系金属からなる第1金属膜と、前記第1金属膜の下に形成されている第2金属膜と、前記第1金属膜の上に形成されている第3金属膜と、をさらに含むことができる。前記第2及び第3金属膜は、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムのうちのいずれか一つまたはこれらの合金からなることができる。
【0011】
本発明の一実施形態による表示板は、基板と、前記基板上に形成されている走査線と、前記走査線上に形成されているゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されている第1半導体と、前記第1半導体と接触するデータ線と、前記データ線と分離されていて、前記第1半導体と接触する第1出力電極と、前記第1半導体上に形成されている保護膜と、前記保護膜上に形成されている画素電極と、を含み、前記第1半導体は非晶質シリコンからなる第1部分と多結晶シリコンからなる第2部分とを含む。
【0012】
前記第1半導体の第2部分は、前記データ線と前記第1出力電極との間にわたって形成されていることができる。前記表示板は、前記データ線と前記第1半導体との間及び前記第1出力電極と前記第1半導体との間に介在されていて、不純物を含有する非晶質シリコンからなる複数のオーミックコンタクト部材をさらに含むことができる。
【0013】
前記データ線及び前記第1出力電極の各々は、アルミニウム系金属、ニッケル系金属、または金系金属からなる第1金属膜と、前記第1金属膜の下に形成されている第2金属膜と、前記第1金属膜の上に形成されている第3金属膜と、をさらに含むことができる。前記第2及び第3金属膜は、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムのうちのいずれか一つまたはこれらの合金からなることができる。
【0014】
前記第1半導体の第1部分は、前記データ線及び前記第1出力電極と実質的に同一の平面形状を有することができる。
【0015】
前記第1出力電極は前記画素電極と連結されることができる。
【0016】
前記表示板は、前記基板上に形成されている第2制御電極と、前記ゲート絶縁膜上に形成されており、前記第2制御電極と重畳し、非晶質シリコンからなる第1部分と多結晶シリコンからなる第2部分とを含む第2半導体と、前記第2半導体と接触する駆動電圧線と、前記第2半導体と接触し、前記画素電極と連結されている第2出力電極と、前記画素電極上に形成されている有機発光部材と、をさらに含むことができる。前記第1出力電極と前記第2制御電極とは電気的に連結される。
【0017】
本発明の一実施形態による薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に制御電極を形成する段階と、前記制御電極上にゲート絶縁膜を形成する段階と、前記ゲート絶縁膜上に真性非晶質半導体及び不純物含有非晶質半導体を順次に形成する段階と、前記不純物含有非晶質半導体及び前記ゲート絶縁膜上に導電層を積層する段階と、前記導電層上に感光膜を形成する段階と、前記感光膜をマスクとして前記導電層と前記不純物含有非晶質半導体とをエッチングし、入力電極及び出力電極とオーミックコンタクト部材とを形成すると同時に、前記真性非晶質半導体の一部を露出する段階と、感光膜除去剤を用いて前記感光膜を除去すると同時に、前記半導体の露出された部分の表面に金属薄膜を形成する段階と、前記基板を熱処理して前記半導体の露出された部分を結晶化する段階と、を含む。
【0018】
前記導電層は、前記感光膜除去剤に溶ける物質を含むことができ、前記金属薄膜は前記感光膜除去剤によって前記導電層から溶け出た物質が積層されてなることができる。
【0019】
前記導電層は、前記半導体の露出された部分を結晶化する段階で結晶化の核として作用できる物質を含むことができ、前記半導体の露出された部分を結晶化する段階は、前記金属薄膜を核とする金属誘導結晶化を含むことができる。
【0020】
前記熱処理の温度は、約130〜400℃であり得る。
【0021】
前記導電層は、アルミニウム系金属、ニッケル系金属、または金系金属からなる第1金属膜と、前記第1金属膜の下に位置する第2金属膜と、前記第1金属膜の上に位置する第3金属膜と、を含むことができる。前記第2及び第3金属膜は、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムのうちのいずれか一つまたはこれらの合金からなることができる。
【0022】
前記感光膜除去剤は、ブチルジグリコール(またはジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、及びモノイソプロパノールアミンを含むことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、チャネル部分を多結晶で形成すれば、非晶質シリコンで形成する時より電気移動度が高いため、高速動作が可能な表示板を提供することができる。
【0024】
また、接触が行われる部分に不純物が存在しないため、漏洩電流が発生せず、素子の信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は多様な形態で実現でき、ここに説明する実施形態に限定されない。
【0026】
図面において、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体にわたって類似な部分については同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるとする時、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の“すぐ上”にあるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0027】
先に、図1、図2A、及び図2Bを参照して、本発明の一実施形態による表示装置について詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の一実施形態による表示装置のブロック図であり、図2Aは本発明の一実施形態による表示装置の一例である液晶表示装置の一つの画素に対する等価回路図であり、図2Bは本発明の一実施形態による表示装置の一例である有機発光表示装置の一つの画素に対する等価回路図である。
【0029】
本発明の一実施形態による表示装置は、表示板部(display panel unit)300、走査駆動部400、データ駆動部500、階調電圧生成部800、及び信号制御部600を含む。
【0030】
図1を参照すれば、表示板部300は等価回路から見れば、複数の信号線(signal line)G−G,D−Dと、これに連結されている複数の画素(pixel)PXと、を含む。図2Aを参照すれば、液晶表示装置の表示板部300は、下部及び上部表示板100,200と、その間の液晶層3と、を含む。図2Bに示した有機発光表示装置の表示板部300は一つの表示板(図示せず)のみを含むことができる。
【0031】
信号線G−G,D−Dは、表示板部300の表示領域DA内に主に位置するが、表示領域DAの外側まで延長される。また、信号線G−G,D−Dは、走査信号を伝達する複数の走査線(scanning line)G−Gと、データ電圧を伝達する複数のデータ線(data line)D−Dと、を含む。走査線G−Gはほぼ行方向に伸びていて、互いにほとんど平行し、データ線D−Dはほぼ列方向に伸びていて、互いにほとんど平行する。
【0032】
画素PXは、表示板部300の表示領域(display area)内に位置し、ほぼ行列状に配列されている。各画素PXは、薄膜トランジスタなどの少なくとも一つのスイッチング素子(図示せず)と、少なくとも一つのキャパシタ(図示せず)と、を含む。
【0033】
図2Aを参照すれば、液晶表示装置の各画素PX、例えば、i番目(i=1,2,…,n)走査線Gとj番目(j=1,2,…,m)データ線Dに連結された画素PXは、スイッチングトランジスタQs、液晶キャパシタ(liquid crystal capacitor)Clc、及びストレージキャパシタ(storage capacitor)Cstを含む。ストレージキャパシタCstは必要に応じて省略することができる。
【0034】
薄膜トランジスタなどのスイッチングトランジスタQsは、下部表示板100に備えられており、各々走査線Gに連結されている制御端子、データ線Dに連結されている入力端子、ならびに液晶キャパシタClc及びストレージキャパシタCstに連結されている出力端子を有している3端子素子である。
【0035】
液晶キャパシタClcは、下部表示板100の画素電極191と上部表示板200の共通電極270とを2つの端子とし、2つの電極191,270の間の液晶層3は誘電体として機能する。画素電極191はスイッチングトランジスタQsに連結され、共通電極270は上部表示板200の全面に形成されていて、共通電圧Vcomの印加を受ける。図2とは異なって、共通電極270が下部表示板100に備えられる場合もあり、この場合には、2つの電極191,270が線状または棒状に作られることができる。
【0036】
ストレージキャパシタCstは液晶キャパシタClcを補助するキャパシタであって、下部表示板100に具備された別個の信号線(図示せず)と画素電極191とが重畳してなり、この別個の信号線には共通電圧Vcomなどの決められた電圧が印加される。しかし、ストレージキャパシタCstは、画素電極191が絶縁体を媒介としてすぐ上の前段走査線Gi−1と重畳してなることもできる。
【0037】
色表示を実現するために、各画素PXが複数の基本色(primary color)のうちの一つを固有に表示したり(空間分割)、複数の基本色を交互に表示したりすることによって(時間分割)、基本色の空間的、時間的合計によって所望の色相を示す。基本色の例としては、赤色、緑色、及び青色がある。図2Aは、各画素PXが上部表示板200で画素電極191と対向する対応する領域に基本色のうちの一つの色相を示すカラーフィルタ230を備えた空間分割の例を示している。これとは異なって、カラーフィルタ230は下部表示板100の画素電極191上または下に形成することもできる。
【0038】
表示板部300には、一つ以上の偏光子(図示せず)が備えられている。
【0039】
図2Bを参照すれば、有機発光表示装置の各画素PX、例えば、i番目(i=1,2,…,n)走査線Gとj番目(j=1,2,…,m)データ線Dとに連結された画素PXは、スイッチングトランジスタQs、駆動トランジスタ(driving transistor)Qd、ストレージキャパシタCst、及び有機発光ダイオード(organiclight emitting diode,OLED)LDを含む。
【0040】
スイッチングトランジスタQsは、制御端子、入力端子、及び出力端子を有し、制御端子は走査線Gに連結されており、入力端子はデータ線Dに連結されており、出力端子は駆動トランジスタQdに連結されている。
【0041】
駆動トランジスタQdも、また、制御端子、入力端子、及び出力端子を有し、制御端子はスイッチングトランジスタQsの出力端子に連結されており、入力端子は駆動電圧Vddに連結されており、出力端子は有機発光ダイオードLDに連結されている。
【0042】
ストレージキャパシタCstは、駆動トランジスタQdの制御端子と入力端子との間に連結されている。
【0043】
有機発光ダイオードLDは、駆動トランジスタQdの出力端子に連結されているアノード(anode)と、共通電圧Vcomに連結されているカソード(cathode)とを有する。
【0044】
スイッチングトランジスタQs及び駆動トランジスタQdは、n−チャネル電界効果トランジスタ(field effect transistor,FET)である。しかし、スイッチングトランジスタQsと駆動トランジスタQdのうちの少なくとも一つは、p−チャネル電界効果トランジスタであり得る。また、トランジスタQs,Qd、キャパシタCst、及び有機発光ダイオード(LD)の連結関係は変わることができる。
【0045】
図1を再び参照すれば、階調電圧生成部800は、画素PXの輝度と係わる全体階調電圧または限定された数の階調電圧(以下、“基準階調電圧”という)を生成する。液晶表示装置用階調電圧生成部800の場合、共通電圧Vcomに対して正の値と負の値とを各々有する2組の(基準)階調電圧集合を生成する。
【0046】
走査駆動部400は、表示板部300の走査線G−Gに連結されており、高電圧Von及び低電圧Voffの組み合わせからなる走査信号を走査線G−Gに印加する。走査駆動部400は表示板部300に集積されていて、表示領域DAの外側に位置する。走査駆動部400は複数の単位回路(図示せず)を含む。それぞれの単位回路は、一つの走査線G−Gに連結されていて、複数の薄膜トランジスタを含む。しかし、走査駆動部400は、集積回路(integrated circuit,IC)チップの形態で表示板部300上に装着されるか、または可撓性印刷回路膜(flexible printed circuit,FPC)フィルム上に装着されることができる。後者の場合に、可撓性印刷回路フィルムが表示板部300上に付着される。
【0047】
データ駆動部500は、表示板部300のデータ線D−Dに連結されていて、階調電圧生成部800からの階調電圧を選択してデータ電圧としてデータ線D−Dに印加する。しかし、階調電圧生成部800が階調電圧を全て提供することなく、限定された数の基準階調電圧のみを提供する場合には、データ駆動部500は基準階調電圧を分圧して所望のデータ電圧を生成する。また、データ駆動部500は、表示板部300に集積されたり、一つ以上の集積回路チップの形態で表示板部300上に装着されたり、表示板部300上に付着された可撓性印刷回路フィルム上に装着されたりできる。データ駆動部500も、表示領域DAの外側に位置する。
【0048】
信号制御部600は、走査駆動部400及びデータ駆動部500などを制御し、印刷回路基板(printed circuit board,PCB)(図示せず)などに装着されることができる。
【0049】
次に、このような表示装置の動作について詳細に説明する。
【0050】
信号制御部600は、外部のグラフィック制御機(図示せず)から入力映像信号R,G,B及びその表示を制御する入力制御信号を受信する。入力映像信号R,G,Bは、各画素PXの輝度(luminance)情報を含んでおり、輝度は決められた数、例えば、1024(=210)、256(=2)、または64(=2)個の階調(gray)を有している。入力制御信号の例としては、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、メインクロック(MCLK)、及びデータイネーブル信号DEなどがある。
【0051】
信号制御部600は、入力映像信号R,G,Bと入力制御信号に基づいて入力映像信号R,G,Bを表示板部300の動作条件に合うように適切に処理し、走査制御信号CONT1及びデータ制御信号CONT2などを生成した後、走査制御信号CONT1を走査駆動部400に送出し、データ制御信号CONT2と処理した映像信号DATをデータ駆動部500に送出する。
【0052】
走査制御信号CONT1は、走査開始を指示する走査開始信号STVと、高電圧の出力周期を制御する少なくとも一つのクロック信号とを含む。また、走査制御信号CONT1は、高電圧の持続時間を限定する出力イネーブル信号OEをさらに含むことができる。
【0053】
データ制御信号CONT2は、一束の画素PXに対するデジタル映像信号DATの伝送開始を知らせる水平同期開始信号STH、データ線D−Dにアナログデータ電圧の印加を指示するロード信号LOAD、及びデータクロック信号HCLKを含む。液晶表示装置の場合、データ制御信号CONT2は、共通電圧Vcomに対するアナログデータ電圧の極性(以下、“共通電圧に対するデータ電圧の極性”を略して“データ電圧の極性”と言う)を反転させる反転信号RVSをさらに含むことができる。
【0054】
信号制御部600からのデータ制御信号CONT2によって、データ駆動部500は一束の画素PXに対するデジタル映像信号DATを受信し、各デジタル映像信号DATに対応する階調電圧を選択することによってデジタル映像信号DATをアナログデータ電圧に変換した後、これを当該データ線D−Dに印加する。
【0055】
走査駆動部400は、信号制御部600からの走査制御信号CONT1によって高電圧を走査線G−Gに印加し、この走査線G−Gに連結されたスイッチングトランジスタQsを導通させる。このようにすると、データ線D−Dに印加されたデータ電圧が導通したスイッチングトランジスタQsを通じて当該画素PXに印加される。
【0056】
液晶表示装置の場合、画素PXに印加されたデータ電圧と共通電圧Vcomとの差は液晶キャパシタClcの充電電圧、つまり、画素電圧として現れる。液晶分子は、画素電圧の大きさによってその配列を異にし、そのために液晶層3を通過する光の偏光が変化する。このような偏光の変化は偏光子によって光の透過率の変化として現れ、これによって画素PXは映像信号DATの階調が示す輝度を表示する。
【0057】
有機発光表示装置の場合には、画素PXに提供されたデータ電圧は駆動トランジスタQdの制御端子に印加され、駆動トランジスタQdは制御端子と出力端子との間にかかる電圧によってその大きさが変わる出力電流ILDを流す。有機発光ダイオードLDは、駆動トランジスタQdの出力電流ILDによって強さを異にして発光することにより、映像信号DATの階調が示す輝度を表示する。
【0058】
1水平周期[“1H”とも記し、水平同期信号Hsync及びデータイネーブル信号DEの1周期と同一である]を単位としてこのような過程を繰り返すことにより、全ての走査線G−Gに対して順次に高電圧を印加し、全ての画素PXにデータ電圧を印加して1フレーム(frame)の映像を表示する。
【0059】
液晶表示装置の場合、1フレームが終了すれば、次のフレームが開始され、各画素PXに印加されるデータ電圧の極性が直前フレームでの極性と反対になるようにデータ駆動部500に印加される反転信号RVSの状態が制御される(“フレーム反転”)。この時、1フレーム内でも反転信号RVSの特性によって一つのデータ線を通じて流れるデータ電圧の極性が変わったり(例:行反転、点反転)、一つの画素行に印加されるデータ電圧の極性も互いに異なったりすることができる(例:列反転、点反転)。
【0060】
以下、図3乃至図6を参照して、図2Aに示した液晶表示装置用下部表示板、つまり、薄膜トランジスタ表示板の一例について詳細に説明する。
【0061】
図3は本発明の一実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の画素電極付近を示した配置図であり、図4は図3に示した薄膜トランジスタ表示板のIV−IV線に沿った断面図である。また、図5は本発明の一実施形態による、図1に示した液晶表示装置の走査駆動部用薄膜トランジスタを概略的に示した配置図であり、図6は図5に示した薄膜トランジスタのVI−VI線に沿った断面図である。
【0062】
透明なガラスまたはプラスチックなどで作られた絶縁基板110上に、第1制御電極124aを含む複数の走査線121、複数の維持電極線(storage electrode line)131、及び複数の第2制御電極124bを含む複数のゲート導電体(gate conductors)が形成されている。
【0063】
走査線121は走査信号を伝達し、主に横方向に伸びている。走査線121の一端は走査駆動部400と連結されている。
【0064】
第1制御電極124aは走査線121から下方に突出しており、第2制御電極124bは制御信号を印加する他の信号線(図示せず)と連結されている。
【0065】
維持電極線131は所定の電圧の印加を受け、走査線121とほとんど並んで伸びた幹線と、これから分かれた複数対の第1及び第2維持電極133a,133bとを含む。維持電極線131各々は隣接した2つの走査線121の間に位置し、幹線は2つの走査線121のうちの下側に近い。維持電極133a,133b各々は、幹線と連結された固定端と、その反対方向の自由端とを有している。第2維持電極133bの固定端は面積が広く形成されており、その自由端は直線部分と曲がった部分の2股に分かれる。しかし、維持電極線131の形状及び配置は多様に変更することができる。
【0066】
走査線121、第2制御電極124b、及び維持電極線131を含むゲート導電体は、アルミニウム(Al)及びアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)及び銀合金などの銀系金属、銅(Cu)及び銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)及びモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、ならびにチタニウム(Ti)などで作られることができる。しかし、ゲート導電体は物理的性質の異なる2つの導電膜(図示せず)を含む多重膜構造を有することもできる。このうちの一つの導電膜は信号遅延及び電圧降下などを減らすことができるように比抵抗(resistivity)が低い金属、例えば、アルミニウム系金属、銀系金属、銅系金属などで作られる。これとは異なって、他の導電膜は他の物質、特にITO(indium tin oxide)及びIZO(indium zinc oxide)との物理的、化学的、電気的接触特性に優れた物質、例えば、モリブデン系金属、クロム、タンタル、チタニウムなどで作られる。このような組み合わせの良い例としては、クロム下部膜とアルミニウム(合金)上部膜、及びアルミニウム(合金)下部膜とモリブデン(合金)上部膜などがある。しかし、ゲート導電体は、その他にも多様な金属または導電体で作られることができる。
【0067】
走査線121、第2制御電極124b、及び維持電極線131を含むゲート導電体の側面は基板110面に対して傾斜しており、その傾斜角は約30゜乃至約80゜であることが好ましい。
【0068】
ゲート導電体上には、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)などで作られたゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されている。
【0069】
ゲート絶縁膜140上には線状半導体151と島型半導体154bとが形成されている。線状半導体151は主に縦方向に伸びていて、第1制御電極124aに向かって伸び出た複数の突出部(projection)154aを含む。すなわち、線状半導体151は走査線121及び維持電極線131付近で幅が広くなってこれらを幅広く覆っている。島型半導体154bは、第2制御電極124b上に位置する。
【0070】
線状半導体151及び島型半導体154bにおいて、図4で図面符号Aに示した部分及び図6で図面符号Bに示した部分は多結晶シリコン(polysilicon)で作られることができ、残りの部分は水素化非晶質シリコン(hydrogenated amorphous silicon)(非晶質シリコンは、略してa−Siと称する)で作られることができる。また、A部分及びB部分は金属などの導電体を微量含有することができる。A部分及びB部分に含有される金属としては、たとえば、アルミニウム、ニッケル、または金である。
【0071】
線状半導体151上には複数の線状及び島型オーミックコンタクト部材(ohmic contact)161,165aが形成されており、島型半導体154b上には複数対の島型オーミックコンタクト部材163b,165bが形成されている。オーミックコンタクト部材161,163b,165a,165bは、リン(P)などのn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質、またはシリサイド(silicide)で作られることができる。線状オーミックコンタクト部材161は、複数の突出部163aを含み、この突出部163aと島型オーミックコンタクト部材165aとは対をなして半導体151の突出部154a上に配置されている。
【0072】
半導体151,154bとオーミックコンタクト部材161,163b,165a,165bの側面も基板110面に対して傾斜しており、傾斜角は30゜乃至80゜程度である。
【0073】
オーミックコンタクト部材161,163b,165a,165b及びゲート絶縁膜140上には、第1入力電極173aを含む複数のデータ線171、複数の第2入力電極173b、ならびに複数の第1及び第2出力電極175a,175bを含む複数のデータ導電体170(data conductor)が形成されている。
【0074】
データ線171はデータ電圧を伝達し、主に縦方向に伸びて走査線121と交差する。また、各データ線171は、維持電極線131と交差し、隣接した維持電極133a,133b対の間を通過する。各データ線171は、他の層または外部駆動回路との接続のための広い端部(図示せず)を含むことができる。データ駆動部500が基板110上に集積されている場合、データ線171が延長されてこれと直接連結できる。
【0075】
第1入力電極173aはデータ線171から第1制御電極124aに向かって突出しており、J字状に曲がっている。第1出力電極175aはデータ線171と分離されており、第1制御電極124aを中心に第1入力電極173aと対向する。各第1出力電極175aは面積の広い一の端部と棒状の他の端部とを含む。広い端部は維持電極線131と重畳し、棒状の端部は第1入力電極173aによって部分的に取り囲まれている。
【0076】
画素部において、一つの第1制御電極124a、一つの第1入力電極173a、及び一つの第1出力電極175aは、半導体151の突出部154aと共に一つの画素部薄膜トランジスタをなし、薄膜トランジスタのチャネル(channel)は第1入力電極173aと第1出力電極175aとの間にある突出部154aの多結晶質のA部分に形成される。
【0077】
第2制御電極124a、第2入力電極173b、及び第2出力電極175bは半導体154bと共に一つの走査駆動部400薄膜トランジスタをなし、この薄膜トランジスタのチャネルは第2入力電極173bと第2出力電極175bとの間にある半導体154bの多結晶質のB部分に形成される。
【0078】
このように、薄膜トランジスタのチャネルが形成される領域A,Bは電子移動度が高い多結晶シリコンからなるため、薄膜トランジスタの駆動速度が速くなる。また、通常の多結晶シリコン薄膜トランジスタに漏洩電流を減らすために必要な低濃度の不純物領域(lightly doped region)がないので、薄膜トランジスタの構造が簡単である。
【0079】
データ線171、第2入力電極173b、ならびに第1及び第2出力電極175a,175bを含むデータ導電体170は、下部膜171p,173bp,175ap,175bp、中間膜171q,173bq,175aq,175bq、及び上部膜171r,173br,175ar,175brを含む3重膜構造を有する。下部膜171p,173bp,175ap,175bpは、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムなどの耐火性金属(refractory metal)、またはこれらの合金で作られる。中間膜171q,173bq,175aq,175bqは、比抵抗の低いアルミニウム系金属、金系金属、ニッケル系金属などで作られる。上部膜171r,173br,175ar,175brはITO及びIZOなどとの接触特性に優れた、たとえば、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムなどの耐火性金属またはこれらの合金で作られる。このような3重膜構造の例としては、モリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)中間膜とモリブデン(合金)上部膜とがある。
【0080】
データ導電体170は、耐火性金属の下部膜(図示せず)とアルミニウム系金属、金系金属、ニッケル系金属などの低抵抗の上部膜(図示せず)とを含む2重膜構造を有することができる。また、データ導電体170は、アルミニウム系金属、金系金属、ニッケル系金属などで作られた単一膜構造を有することもできる。2重膜構造の例としては、クロムまたはモリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)上部膜とがある。しかし、データ導電体170はその他にも多様な金属または導電体で作られることができる。
【0081】
図4及び図6において、第1入力電極173aに対し、下部膜は英文字pを、中間膜は英文字qを、上部膜は英文字rを図面符号に付け加えて表記した。
【0082】
半導体151,154bに含まれている導電体は、データ線171、第2入力電極173b、ならびに第1及び第2出力電極175a,175bを含むデータ導電体170を構成する材料のうちの一つであり得る。
【0083】
データ導電体170も、その側面が基板110に対して30゜乃至80゜程度の傾斜角で傾斜していることが好ましい。
【0084】
オーミックコンタクト部材161,163b,165a,165bは、その下の半導体151,154bとその上のデータ導電体170との間にだけ存在し、これらの間の接触抵抗を低くする。大部分では線状半導体151の幅がデータ線171の幅より狭いが、前述したように、走査線121と合う部分で幅が広くなって表面のプロファイルをスムースにすることにより、データ線171が断線することを防止する。半導体151,154bには、入力電極173a,173bと出力電極175a,175bとの間をはじめとしてデータ導電体171,173b,175a,175bによって覆われず、露出された部分がある。
【0085】
データ導電体170及び露出された半導体151,154b部分上には保護膜(passivation layer)180が形成されている。保護膜180は無機絶縁物または有機絶縁物などで作られ、表面が平坦であり得る。有機絶縁物は感光性(photosensitivity)を有することができ、その誘電定数(dielectric constant)は約4.0以下であることが好ましい。しかし、保護膜180は、有機膜の優れた絶縁特性を生かしながらも露出された半導体151,154b部分に損傷を与えないように、下部無機膜と上部有機膜との2重膜構造を有することができる。
【0086】
保護膜180には第1出力電極175aを露出する複数のコンタクトホール(contact hole)185が形成されており、保護膜180とゲート絶縁膜140には、第2維持電極133bの固定端付近の維持電極線131の一部を露出する複数のコンタクトホール183と、第2維持電極133bの自由端の突出部を露出する複数のコンタクトホール184とが形成されている。
【0087】
保護膜180上には複数の画素電極(pixel electrode)191及び複数の連結橋(overpass)84が形成されている。これらはITO及びIZOなどの透明な導電物質、またはアルミニウム、銀、クロム、及びそれらの合金などの反射性金属で作られることができる。
【0088】
画素電極191は、コンタクトホール185を通じて第1出力電極175aと物理的かつ電気的に連結されており、第1出力電極175aからデータ電圧の印加を受ける。データ電圧が印加された画素電極191は、共通電圧Vcomの印加を受ける上部表示板200の共通電極270と共に電場を生成することにより、2つの電極間の液晶層3の液晶分子の方向を決定する。このように決定された液晶分子の方向によって液晶層3を通過する光の偏光が変わる。画素電極191と共通電極270とは液晶キャパシタを構成し、薄膜トランジスタがターンオフされた後にも印加された電圧を維持する。
【0089】
画素電極191及びこれと連結されたドレイン電極175は維持電極133a,133bをはじめとする維持電極線131と重畳してストレージキャパシタをなし、ストレージキャパシタは液晶キャパシタの電圧維持能力を強化する。
【0090】
連結橋84は走査線121を横切って、走査線121を間に置いて反対方向に位置するコンタクトホール183,184を通じて維持電極線131の露出された部分と第2維持電極133bの自由端の露出された端部とに連結されている。維持電極133a,133bをはじめとする維持電極線131は、連結橋84と共に走査線121、データ線171、または薄膜トランジスタの欠陥を修理することに使用することができる。
【0091】
以下、図3乃至図6に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する方法について、図7乃至図22を参照して詳細に説明する。
【0092】
図7及び図9は図3乃至図6に示した薄膜トランジスタ表示板を本発明の一実施形態によって製造する方法の最初の段階での配置図であり、図8及び図10は各々図7及び図9に示した薄膜トランジスタ表示板のVIII−VIII線及びX−X線に沿った断面図であり、図11及び図13は図7乃至図10の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図12及び図14は各々図11及び図13に示した薄膜トランジスタ表示板のXII−XII線及びXIV−XIV線に沿った断面図であり、図15及び図17は図11乃至図14の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図16及び図18は各々図15及び図17に示した薄膜トランジスタ表示板のXV−XV線及びXVIII−XVIII線に沿った断面図であり、図19及び図21は図15乃至図18の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図20及び図22は各々図19及び図21に示した薄膜トランジスタ表示板のXX−XX線及びXXII−XII線に沿った断面図である。
【0093】
まず、図7乃至図10に示したように、絶縁基板110上に金属膜を積層した後パターニングして、第1制御電極124aを含む複数の走査線121、維持電極133a,133bを含む複数の維持電極線131、及び複数の第2制御電極124bを形成する。
【0094】
次に、ゲート絶縁膜140、真性非晶質シリコン層150、及び不純物非晶質シリコン層(不純物含有非晶質シリコン層)160をプラズマ化学気相蒸着(PECVD)などによって続けて積層する。
【0095】
次に、図11乃至図14に示したように、不純物非晶質シリコン層160及び真性非晶質シリコン層150をフォトエッチングして、複数の線状及び島型不純物半導体164a,164b、ならびに突出部154aを含む複数の線状(真性)半導体151及び複数の島型(真性)半導体154bを形成する。
【0096】
そして、モリブデン系金属からなる下部膜170p、アルミニウム系金属からなる中間膜170q、及びモリブデン系金属からなる上部膜170rを含むデータ金属層170をスパッタリング方法によって積層する。
【0097】
次に、図15乃至図18に示したように、金属層170上に感光膜40を形成し、感光膜40をマスクにして金属層170を一度にウェットエッチングして、第1入力電極173aを含む複数のデータ線171、複数の第2入力電極173b、及び複数の第1及び第2出力電極175a,175bを含むデータ導電体170を形成する。図16及び図18において、データ導電体170の各々に対し、下部膜は英文字pを、中間膜は英文字qを、上部膜は英文字rを図面符号に付け加えて表記した。
【0098】
次いで、データ導電体170によって覆われずに露出された線状及び島型不純物半導体164a,164b部分を除去して、突出部163aを含む複数の線状オーミックコンタクト部材161及び複数の島型オーミックコンタクト部材163b,165a,165bを完成する一方、その下の真性半導体151,154b部分を露出する。
【0099】
次に、感光膜40を除去する。感光膜40は、ブチルジグリコール(butyl diglycol)(またはジエチレングリコールモノブチルエーテル(diethylene glycol monobutyl ether)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(diethylene glycol monoethyl ether)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)、N−メチルピロリドン(N−methylpyrrolidone)、及びモノイソプロパノールアミン(monoisopropanolamine)を含む除去液(photoresist stripper)で除去することが好ましい。この中でジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、及びモノイソプロパノールアミンが中間層171q,173bq,175aq,175bqのアルミニウムを溶かし、溶けたアルミニウムは半導体151,154bの露出された部分の表面に流れて薄膜となる。半導体151,154bの表面に付着されたアルミニウム薄膜の厚さは約1nm以上であることが好ましい。
【0100】
この後、130〜400℃程度の温度で熱処理を行えば、半導体151,154bの露出された部分が表面から結晶化される。これは、半導体151,154bの表面に存在するアルミニウムが結晶化の核となるためである。多結晶化が終わった後アルミニウムが半導体151,154bに残り得る。
【0101】
次に、図19乃至図22に示したように、感光性を有する有機物質で保護膜180を形成し、フォトリソグラフィ工程によって保護膜180に複数のコンタクトホール185を形成し、複数のコンタクトホール183,184の上部側壁を形成する。次いで、ゲート絶縁膜140をエッチングしてコンタクトホール183,184を完成する。
【0102】
次に、図3乃至図6に示したように、保護膜180上にITOなどの透明導電層をスパッタリングによって積層した後パターニングして、複数の画素電極191及び複数の連結橋84を形成する。
【0103】
このように、結晶化にレーザビームが必要なく、低濃度ドーピング領域などの不純物領域を形成するための不純物注入段階が必要ないため、薄膜トランジスタ表示板の生産工程が簡素化される。
【0104】
一方、データ導電体170は、感光膜エッチング剤に溶解され、結晶化の核として作用するものであれば、どんな導電体でも含むことができる。
【0105】
次に、図23乃至図25を参照して、図2Aに示した液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の他の例について説明する。
【0106】
図23は本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図24及び図25は各々図23の薄膜トランジスタ表示板のXXIV−XXIV線及びXXV−XXV線に沿った断面図である。
【0107】
本実施形態による薄膜トランジスタ表示板には走査駆動部400及びデータ駆動部500が集積されておらず、そのため図5及び図6に示したような駆動部トランジスタが別途に備えられていない。これを除けば、本実施形態による薄膜トランジスタ表示板の層状構造は図3及び図4に示したものとほとんど同一である。
【0108】
つまり、基板110上に複数の走査線121及び複数の維持電極線131を含むゲート導電体が形成されている。各走査線121は複数の制御電極124を含み、各維持電極線131は複数の維持電極133a,133bを含む。
【0109】
ゲート導電体及び基板110上にはゲート絶縁膜140が形成されている。
【0110】
ゲート絶縁膜140上には突出部154を含む複数の線状半導体151が形成されており、半導体151は多結晶質の部分Aと非晶質である残りの部分を含む。
【0111】
半導体151上には突出部163を含む複数の線状オーミックコンタクト部材161及び島型オーミックコンタクト部材165が形成されている。
【0112】
オーミックコンタクト部材161,165上には複数のデータ線171及び複数の出力電極175を含むデータ導電体170が形成されている。各データ線171は複数の入力電極173を含み、データ導電体170は、半導体151において非晶質部分を覆うが、多結晶質部分Aは覆わない。
【0113】
データ導電体170、半導体151の多結晶質部分A、及びゲート絶縁膜140上には保護膜180が形成されている。保護膜180及びゲート絶縁膜140には複数のコンタクトホール183,184,185が形成されている。
【0114】
保護膜180上には複数の画素電極191及び複数の連結橋84が形成されている。
【0115】
しかし、図3及び図4に示した薄膜トランジスタ表示板とは異なって、線状半導体151は多結晶質の露出部Aを除けば、データ導電体170及びその下のオーミックコンタクト部材161,165と実質的に同一の平面形状である。
【0116】
走査線121は走査駆動部400との接続のための広い端部129を含み、データ線171はデータ駆動部500との接続のための広い端部179を含む。ゲート絶縁膜140及び保護膜180には走査線121の端部129を露出する複数のコンタクトホール181が形成されており、保護膜180にはデータ線171の端部179を露出する複数のコンタクトホール182が形成されている。
【0117】
保護膜180上には、コンタクトホール181を通じて走査線121の端部129と連結される複数のコンタクト補助部材81と、コンタクトホール182を通じてデータ線171の端部179と連結される複数のコンタクト補助部材82とが形成されている。コンタクト補助部材81,82は、走査線121の端部129及びデータ線171の端部179と駆動部400,500の端子との接着性を補完し、これらを保護する。
【0118】
図3及び図4に示した薄膜トランジスタ表示板の多くの特徴は、図23乃至図25に示した薄膜トランジスタ表示板にも適用できる。
【0119】
以下、図23乃至図25に示した薄膜トランジスタ表示板を本発明の一実施形態によって製造する方法について、図26乃至図38を参照して説明する。
【0120】
図26は図23乃至図25に示した薄膜トランジスタ表示板を本発明の他の実施形態によって製造する方法の最初の段階での配置図であり、図27及び図28は各々図26に示した薄膜トランジスタ表示板のXXVII−XXVII線及びXXVIII−XVIII線に沿った断面図であり、図29及び図30は各々図26に示した薄膜トランジスタ表示板のXXVII−XXVII線及びXXVIII−XVIII線に沿った断面図であって、図27及び図28の次の段階での図面であり、図31及び図32は各々図26に示した薄膜トランジスタ表示板のXXVII−XXVII線及びXXVIII−XVIII線に沿った断面図であって、図29及び図30の次の段階での図面であり、図33は図26乃至図32の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図34及び図35は各々図33に示した薄膜トランジスタ表示板のXXXIV−XXXIV線及びXXXV−XXXV線に沿った断面図であり、図36は図33乃至図35の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図37及び図38は各々図36に示した薄膜トランジスタ表示板のXXXVII−XXXVII線及びXXXVIII−XXXVIII線に沿った断面図である。
【0121】
まず、図26乃至図28に示したように、絶縁基板110上に金属膜を形成した後フォトエッチングして、制御電極124及び端部129を含む複数の走査線121及び維持電極133a,133bを含む複数の維持電極線131を形成する。
【0122】
次に、ゲート絶縁膜140、真性非晶質シリコン層150、不純物非晶質シリコン層160、及びデータ金属層170を続けて形成する。データ金属層170は、モリブデンからなる下部膜170p、アルミニウムからなる中間膜170q、及びモリブデンからなる上部膜170rを含む。
【0123】
図29及び図30に示したように、データ金属層170上に感光膜を形成した後、光マスク(図示せず)を用いて露光及び現像を行い、位置によって厚さの異なる感光膜50を形成する。具体的に、感光膜50は、配線領域WA上に位置した複数の第1部分52と、チャネル領域CA上に位置して第1部分52より薄い複数の第2部分54とを含む。その他の領域EAには感光膜がない。
【0124】
ここで、説明の便宜上、データ金属層170、不純物非晶質シリコン層160、及び真性非晶質シリコン層150において、配線領域WA上に位置した部分を第1部分とし、チャネル領域CA上に位置した部分を第2部分とし、その他の領域EAに位置した部分を第3部分とする。
【0125】
このように、位置によって感光膜の厚さを異なるように形成する方法はいろいろあり得るが、露光マスクに透明領域(transparent area)及び遮光領域(light blocking area)に加えて、半透明領域(semi−transparent area)を備えることがその例である。反投光領域にはスリット(slit)パターン、格子パターン(lattice pattern)または透過率が中間であるか厚さが中間である薄膜が備えられる。スリットパターンを使用する時には、スリットの幅やスリットの間の間隔がフォトリソグラフィ工程に使用する露光装置の分解能(resolution)より小さいことが好ましい。他の例としては、リフロー(reflow)が可能な感光膜を使用することである。つまり、透明領域及び遮光領域のみを有した通常のマスクでリフロー可能な感光膜パターンを形成した後にリフローさせ、感光膜が残留しない領域に流れるようにすることによって薄い部分を形成する。
【0126】
次に、図31及び図32に示したように、感光膜50をエッチングマスクにしてその他の領域EAに位置したデータ金属層170の第1部分をウェットエッチングし、複数のデータ金属部材174を形成する。図31及び図32において、データ金属部材174に対して下部膜は英文字pを、中間膜は英文字qを、上部膜は英文字rを図面符号に付け加えて表記した。
【0127】
次に、その他の領域EAに残っている不純物非晶質シリコン層160及び真性非晶質シリコン層150をドライエッチングによって除去し、複数の線状不純物半導体164及び突出部154を含む複数の線状(真性)半導体151を形成する。
【0128】
次いで、エッチバック(etch back)工程を利用してチャネル領域CAに存在する感光膜50の第2部分54を除去する。この時、感光膜50の第1部分52の厚さもある程度薄くなる。
【0129】
次に、図33乃至図35に示したように、残っている感光膜50の第1部分52をマスクにしてデータ金属部材174をウェットエッチングしてデータ金属部材174の第2部分を除去することにより、それぞれのデータ金属部材174を入力電極173及び端部179を含む一つのデータ線171と複数のドレイン電極175とに分離すると同時に、チャネル領域CAに位置した線状不純物半導体164の第2部分を露出する。図34及び図35において、データ線171及びその端部179、ならびに入力電極173及びドレイン電極175に対し、下部膜は英文字pを、中間膜は英文字qを、上部膜は英文字rを図面符号に付け加えて表記した。
【0130】
この後、線状不純物半導体164をドライエッチングしてそれぞれの線状不純物半導体164を、突出部163を含む一つの線状オーミックコンタクト部材161と複数の島型オーミックコンタクト部材165とに分離すると同時に、チャネル領域CAに位置した真性半導体151の第2部分を露出する。
【0131】
次いで、感光膜50の第1部分52を除去剤を用いて除去する。除去剤は、ブチルジグリコール(またはジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、及びモノイソプロパノールアミンを含むことが好ましい。この中で、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、及びモノイソプロパノールアミンが中間層171q,175qのアルミニウムを溶かし、溶けたアルミニウムは半導体151の第2部分の表面に流れて薄膜となる。半導体151の表面に付着されたアルミニウム薄膜の厚さは約1nm以上であることが好ましい。
【0132】
この後、130〜400℃程度の温度で熱処理を行えば、図15乃至図18を参照して説明したように半導体151の第2部分が結晶化される。
【0133】
次に、図36乃至図38に示したように、保護膜180を積層しゲート絶縁膜140と共にエッチングして、複数のコンタクトホール181,182,183,184,185を形成する。
【0134】
最後に、図23乃至図25に示したように、保護膜180上にITO及びIZOなどの透明な導電物質をスパッタリングによって蒸着した後パターニングして、複数の画素電極191、複数のコンタクト補助部材81,82、及び複数の連結橋84を形成する。
【0135】
このようにすれば、図7乃至図22に示した製造方法に比べて一回のフォトリソグラフィ工程を減らすことができるので、製造方法が簡単になる。
【0136】
図7乃至図22に示した製造方法の特徴は、図26乃至図38に示した製造方法にも適用できる。
【0137】
以下、図2Bに示した有機発光表示装置の表示板部の詳細構造について図39乃至図41を参照して詳細に説明する。
【0138】
図39は本発明の一実施形態による有機発光表示装置用表示板部の配置図であり、図40及び図41は各々図39の表示板部のXL−XL線及びXLI−XLI線に沿った断面図である。
【0139】
透明なガラスまたはプラスチックなどで作られた絶縁基板110上に、第1制御電極(control electrode)124aを含む複数の走査線121と、複数の第2制御電極124bとを含む複数のゲート導電体(gate conductor)が形成されている。
【0140】
走査線121は走査信号を伝達し、主に横方向に伸びている。各走査線121は他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部129を含み、第1制御電極124aは走査線121から上方に伸びている。走査駆動部400が基板110上に集積されている場合、走査線121が延長されて走査駆動部400と直接連結される。
【0141】
第2制御電極124bは走査線121と分離されており、下方に伸び、右側に少し方向を変え、上方に長く伸びた維持電極127を含む。
【0142】
ゲート導電体は、アルミニウム(Al)及びアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)及び銀合金などの銀系金属、銅(Cu)及び銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)及びモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、ならびにチタニウム(Ti)などで作られることができる。しかし、これらは物理的性質が異なる2つの導電膜(図示せず)を含む多重膜構造を有することもできる。このうちの一つの導電膜は、信号遅延及び電圧降下などを減らすことができるように比抵抗が低い金属、例えば、アルミニウム系金属、銀系金属、銅系金属などで作られる。これとは異なって、他の導電膜は、他の物質、特にITO(indium tin oxide)及びIZO(indium zinc oxide)などとの物理的、化学的、電気的接触特性に優れた物質、例えば、モリブデン系金属、クロム、チタニウム、タンタルなどで作られる。このような組み合わせの良い例としては、クロム下部膜とアルミニウム(合金)上部膜、及びアルミニウム(合金)下部膜とモリブデン(合金)上部膜などがある。しかし、ゲート導電体は、その他にも多様な金属または導電体で作られることができる。
【0143】
ゲート導電体の側面は基板110面に対して傾斜しており、その傾斜角は約30゜乃至約80゜であることが好ましい。
【0144】
ゲート導電体上には、窒化ケイ素または酸化ケイ素などで作られたゲート絶縁膜140が形成されている。
【0145】
ゲート絶縁膜140上には、水素化非晶質シリコン及び多結晶シリコンなどで作られた複数の第1及び第2島型半導体154a,154bが形成されている。第1及び第2半導体154a,154bは、各々第1及び第2制御電極124a,124b上に位置する。
【0146】
図40における図面符号Aで示した部分及び図41における図面符号Bで示した部分を除けば、半導体154a,154bは水素化非晶質シリコンで作られることができ、A部分及びB部分は多結晶シリコンで作られることができる。
【0147】
第1及び第2半導体154a,154b上には、各々複数対の第1オーミックコンタクト部材163a,165aと複数対の第2オーミックコンタクト部材163b,165bとが形成されている。オーミックコンタクト部材163a,163b,165a,165bは島形であり、リンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質、またはシリサイドで作られることができる。第1オーミックコンタクト部材163a,165aは対をなして第1半導体154a上に配置されており、第2オーミックコンタクト部材163b,165bも対をなして第2半導体154b上に配置されている。
【0148】
オーミックコンタクト部材163a,163b,165a,165b及びゲート絶縁膜140上には、複数のデータ線171と複数の駆動電圧線172と複数の第1及び第2出力電極(output electrode)175a,175bとを含む複数のデータ導電体(data conductor)170が形成されている。
【0149】
データ線171はデータ電圧を伝達し、主に縦方向に伸びて走査線121と交差する。各データ線171は、第1制御電極124aに向かって伸びた複数の第1入力電極(input electrode)173aと、他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部179とを含む。データ駆動部500が基板110上に集積されている場合、データ線171が延長されてデータ駆動部500と直接連結されることができる。
【0150】
駆動電圧線172は駆動電圧を伝達し、主に縦方向に伸びて走査線121と交差する。各駆動電圧線172は、第2制御電極124bに向かって伸びた複数の第2入力電極173bを含む。駆動電圧線172は維持電極127と重畳し、互いに連結される。
【0151】
第1及び第2出力電極175a,175bは互いに分離されており、データ線171及び駆動電圧線172とも分離されている。第1入力電極173aと第1出力電極175aとは第1制御電極124aを中心に互いに対向し、第2入力電極173bと第2出力電極175bとは第2制御電極124bを中心に互いに対向する。
【0152】
複数のデータ線171と複数の駆動電圧線172と複数の第1及び第2出力電極175a,175bとを含むデータ導電体170は、下部膜171p,172p,175ap,175bp、中間膜171q,172q,175aq,175bq、及び上部膜171r,172r,175ar,175brを含む3重膜構造を有する。下部膜171p,172p,175ap,175bpはモリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムなどの耐火性金属(refractory metal)またはこれらの合金で作られ、中間膜171q,172q,175aq,175bqは比抵抗の低いアルミニウム系金属、金系金属、ニッケル系金属などで作られ、上部膜171r,172r,175ar,175brはITO及びIZOなどとの接触特性に優れた、たとえば、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムなどの耐火性金属またはこれらの合金で作られる。このような3重膜構造の例としては、モリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)中間膜とモリブデン(合金)上部膜とがある。
【0153】
図40及び図41において、データ線171の端部179と第1及び第2入力電極173a,173bに対し、下部膜は英文字pを、中間膜は英文字qを、上部膜は英文字rを図面符号に付け加えて表記した。
【0154】
ゲート導電体121,124bと同様に、データ導電体170もその側面が基板110面に対し30゜乃至80゜程度の傾斜角で傾斜していることが好ましい。
【0155】
オーミックコンタクト部材163a,163b,165a,165bは、その下の半導体154a,154bとその上のデータ導電体170との間にだけ存在し、接触抵抗を低くする。半導体154a,154bには、入力電極173a,173bと出力電極175a,175bとの間をはじめとしてデータ導電体171,172,175a,175bによって覆われずに、露出された部分がある。
【0156】
データ導電体170及び露出された半導体154a,154b部分上には保護膜180が形成されている。保護膜180は無機絶縁物または有機絶縁物などで作られ、表面が平坦であり得る。有機絶縁物は感光性を有することができ、その誘電定数は約4.0以下であることが好ましい。しかし、保護膜180は、有機膜の優れた絶縁特性を生かしながらも露出された半導体154a,154b部分に損傷を与えないように、下部無機膜と上部有機膜との2重膜構造を有することができる。
【0157】
保護膜180にはデータ線171の端部179と第1及び第2出力電極175bとを各々露出する複数のコンタクトホール182,185a,185bが形成されており、保護膜180とゲート絶縁膜140には走査線121の端部129と第2入力電極124bとを各々露出する複数のコンタクトホール181,184が形成されている。
【0158】
保護膜180上には、複数の画素電極191、複数の連結部材85、及び複数のコンタクト補助部材81,82が形成されている。これらはITO及びIZOなどの透明な導電物質、またはアルミニウム、銀、及びその合金などの反射性金属で作られることができる。
【0159】
画素電極191はコンタクトホール185bを通じて第2出力電極175bと物理的かつ電気的に連結されており、連結部材85はコンタクトホール184,185aを通じて第2制御電極124b及び第1出力電極175aと連結されている。
【0160】
コンタクト補助部材81,82は、各々コンタクトホール181,182を通じて走査線121の端部129及びデータ線171の端部179と連結される。コンタクト補助部材81,82は、走査線121の端部129及びデータ線171の端部179と外部装置との接着性を補完し、これらを保護する。
【0161】
保護膜180上には隔壁(partition)361が形成されている。隔壁361は画素電極191の周縁部を堤防(bank)のように取り囲んで開口部(opening)365を画定し、有機絶縁物または無機絶縁物で作られる。隔壁361は、また、黒色顔料を含む感光剤で作られることができるが、この場合、隔壁361は遮光部材の役割を果たし、その形成工程が簡単である。
【0162】
隔壁361が画定する画素電極191上の開口部365内には、有機発光部材(organic light emitting member)370が形成されている。有機発光部材370は、赤色、緑色、及び青色の3原色などの基本色のうちのいずれか1つの光を固有に出す有機物質で作られる。有機発光表示装置は、有機発光部材370が出す基本色の色光の空間的な合計によって所望の映像を表示する。しかし、有機発光部材370は白色光を出すことができ、その代わりに有機発光部材370の上または下に複数のカラーフィルタ(図示せず)が備えられることができる。
【0163】
有機発光部材370は、光を出す発光層(emitting layer)(図示せず)以外に、発光層の発光効率を向上するための付帯層(auxiliary layer)(図示せず)を含む多層構造を有することができる。付帯層には、電子と正孔とのバランスをとるための電子輸送層(electron transport layer)(図示せず)及び正孔輸送層(hole transport layer)(図示せず)、ならびに電子と正孔の注入を強化するための電子注入層(electron injecting layer)(図示せず)及び正孔注入層(hole injecting layer)(図示せず)などがある。
【0164】
有機発光部材370上には共通電極270が形成されている。共通電極270は共通電圧Vcomの印加を受けるものであり、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム、銀などを含む反射性金属またはITO及びIZOなどの透明な導電物質で作られる。
【0165】
このような有機発光表示装置において、走査線121に連結されている第1制御電極124a、データ線171に連結されている第1入力電極173a、及び第1出力電極175aは、第1半導体154aと共にスイッチング薄膜トランジスタ(switching TFT)Qsをなし、スイッチング薄膜トランジスタQsのチャネルは、第1入力電極173aと第1出力電極175aとの間の第1半導体154aに形成される。
【0166】
第1出力電極175aに連結されている第2制御電極124b、駆動電圧線172に連結されている第2入力電極173b、及び画素電極191に連結されている第2出力電極175bは、第2半導体154bと共に駆動薄膜トランジスタ(driving TFT)Qdをなし、駆動薄膜トランジスタQdのチャネルは、第2入力電極173bと第2出力電極175bとの間の第2半導体154bに形成される。
【0167】
画素電極191、有機発光部材370、及び共通電極270は有機発光ダイオードLDをなし、画素電極191がアノード(anode)で、共通電極270がカソード(cathode)となるか、反対に画素電極191がカソードで、共通電極270がアノードとなる。
【0168】
互いに重畳する維持電極127と駆動電圧線172とはストレージキャパシタ(storage capacitor)Cstをなす。
【0169】
このような有機発光表示装置は、基板110の上側または下側に光を送出して映像を表示する。不透明な画素電極191と透明な共通電極270は、基板110の上方向に映像を表示する前面発光(top emission)方式の有機発光表示装置に適用し、透明な画素電極191と不透明な共通電極270は、基板110の下方向に映像を表示する背面発光(bottom emission)方式の有機発光表示装置に適用する。
【0170】
以下、図39乃至図41に示した有機発光表示装置用表示板部を本発明の一実施形態によって製造する方法について、図42乃至図53を参照して詳細に説明する。
【0171】
図42は図39乃至図41に示した有機発光表示装置用表示板部を本発明の一実施形態によって製造する方法の最初の段階での配置図であり、図43及び図44は各々図42の表示板部のXLIII−XLIII線及びXLIV−XLIV線に沿った断面図であり、図45は図42乃至図44の次の段階での表示板部の配置図であり、図46及び図47は各々図45の表示板部のXLVI−XLVI線及びXLVII−XLVII線に沿った断面図であり、図48は図45乃至図47の次の段階での表示板部の配置図であり、図49及び図50は各々図48の表示板部のXLIX−XLIX線及びL−L線に沿った断面図であり、図51は図48乃至図50の次の段階での表示板部の配置図であり、図52及び図53は各々図51の表示板部のLII−LII線及びLIII−LIII線に沿った断面図である。
【0172】
まず、図42乃至図44に示したように、絶縁基板110上に金属膜を積層した後パターニングして、第1制御電極124a及び端部129を含む複数の走査線121及び複数の第2制御電極124bを形成する。
【0173】
次に、図45乃至図47に示したように、ゲート絶縁膜140、真性非晶質シリコン層、及び不純物非晶質シリコン層をプラズマ化学気相蒸着(PECVD)などによって続けて積層する。不純物非晶質シリコン層及び真性非晶質シリコン層をパターニングして複数の島型不純物半導体164a,164b及び複数の島型(真性)半導体154a,154bを形成する。
【0174】
そして、モリブデン系金属からなる下部膜170p、アルミニウム系金属からなる中間膜170q、及びモリブデン系金属からなる上部膜170rを含むデータ金属層170をスパッタリング方法によって積層する。
【0175】
次に、図48乃至図50に示したように、金属層170上に感光膜(図示せず)を形成し、感光膜をマスクにして金属層170を一度にウェットエッチングして、第1入力電極173a及び端部179を含む複数のデータ線171、第2入力電極173bを含む複数の駆動電圧線172、ならびに複数の第1及び第2出力電極175a,175bを含むデータ導電体を形成する。図49及び図50において、データ線171と駆動電圧線172と第1及び第2入力電極173a,173bと第1及び第2出力電極175a,175b各々に対し、下部膜は英文字pを、中間膜は英文字qを、上部膜は英文字rを図面符号に付け加えて表記した。
【0176】
そして、データ導電体170によって覆われずに露出された不純物半導体164a,164b部分を除去して、複数のオーミックコンタクト部材163a,163b,165a,165bを形成する一方、その下の真性半導体154a,154b部分A,Bを露出する。
【0177】
この後、感光膜を除去する。感光膜は、ブチルジグリコール(またはジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、及びモノイソプロパノールアミンを含む除去液にて除去することが好ましい。
【0178】
この中で、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、及びモノイソプロパノールアミンが中間層171q,172q,175aq,175bqのアルミニウムを溶かし、溶けたアルミニウムは半導体154a,154bの露出された部分A,Bの表面に流れて薄膜となる。半導体154a,154bの表面に付着されたアルミニウム薄膜の厚さは約1nm以上であることが好ましい。
【0179】
この後、130〜400℃程度の温度で熱処理を行えば、半導体154a,154bの露出された部分A,Bが表面から結晶化される。これは、半導体154a,154bの表面に存在するアルミニウムが結晶化の核となるためである。
【0180】
次に、図51乃至図53に示したように、感光性を有する有機物質で保護膜180を形成し、フォトリソグラフィ工程によって保護膜180に複数のコンタクトホール182,185a,185bを形成し、複数のコンタクトホール181,184の上部側壁を形成する。次に、ゲート絶縁膜140をエッチングしてコンタクトホール181,184を完成する。
【0181】
この後、保護膜180上にITOなどの透明導電層をスパッタリングによって積層した後パターニングして、複数の画素電極191、複数の連結部材85、及び複数のコンタクト補助部材81,82を形成する。
【0182】
最後に、図39乃至図41に示したように、開口部365を有する隔壁361、複数の有機発光部材370、及び共通電極270を形成する。
【0183】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるわけではなく、添付した請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】本発明の一実施形態による表示装置のブロック図である。
【図2A】本発明の一実施形態による表示装置の一例である液晶表示装置における一つの画素の等価回路図である。
【図2B】本発明の一実施形態による表示装置の他の例である有機発光表示装置における一つの画素の等価回路図である。
【図3】本発明の一実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の画素電極付近を示した配置図である。
【図4】図3に示した薄膜トランジスタ表示板のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】本発明の一実施形態による、図1に示した液晶表示装置の走査駆動部用薄膜トランジスタを概略的に示した配置図である。
【図6】図5に示した薄膜トランジスタのVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】図3乃至図6に示した薄膜トランジスタ表示板を本発明の一実施形態によって製造する方法の最初の段階での配置図である。
【図8】図7示した薄膜トランジスタ表示板のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】図3乃至図6に示した薄膜トランジスタ表示板を本発明の一実施形態によって製造する方法の最初の段階での配置図である。
【図10】図9に示した薄膜トランジスタ表示板のX−X線に沿った断面図である。
【図11】図7乃至図10の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図12】図11に示した薄膜トランジスタ表示板のXII−XII線に沿った断面図である。
【図13】図7乃至図10の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図14】図13に示した薄膜トランジスタ表示板のXIV−XIV線に沿った断面図である。
【図15】図11乃至図14の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図16】図15に示した薄膜トランジスタ表示板のXV−XV線に沿った断面図である。
【図17】図11乃至図14の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図18】図17に示した薄膜トランジスタ表示板のXVIII−XVIII線に沿った断面図である。
【図19】図15乃至図18の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図20】図19に示した薄膜トランジスタ表示板のXX−XX線に沿った断面図である。
【図21】図15乃至図18の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図22】図21に示した薄膜トランジスタ表示板のXXII−XII線に沿った断面図である。
【図23】本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図24】図23に示した薄膜トランジスタ表示板のXXIV−XXIV線に沿った断面図である。
【図25】図23に示した薄膜トランジスタ表示板のXXV−XXV線に沿った断面図である。
【図26】図23乃至図25に示した薄膜トランジスタ表示板を本発明の他の実施形態によって製造する方法の最初の段階での配置図である。
【図27】図26に示した薄膜トランジスタ表示板のXXVII−XXVII線に沿った断面図である。
【図28】図26に示した薄膜トランジスタ表示板のXXVIII−XVIII線に沿った断面図である。
【図29】図26に示した薄膜トランジスタ表示板のXXVII−XXVII線に沿った断面図であって、図27の次の段階での図面である。
【図30】図26に示した薄膜トランジスタ表示板のXXVIII−XVIII線に沿った断面図であって、図28の次の段階での図面である。
【図31】図26に示した薄膜トランジスタ表示板のXXVII−XXVII線に沿った断面図であって、図29の次の段階での図面である。
【図32】図26に示した薄膜トランジスタ表示板のXXVIII−XVIII線に沿った断面図であって、図30の次の段階での図面である。
【図33】図26乃至図32の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図34】図34に示した薄膜トランジスタ表示板のXXXIV−XXXIV線に沿った断面図である。
【図35】図34に示した薄膜トランジスタ表示板のXXXV−XXXV線に沿った断面図である。
【図36】図33乃至図35の次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図37】図36に示した薄膜トランジスタ表示板のXXXVII−XXXVII線に沿った断面図である。
【図38】図36に示した薄膜トランジスタ表示板のXXXVIII−XXXVIII線に沿った断面図である。
【図39】本発明の一実施形態による有機発光表示装置用表示板部の配置図である。
【図40】図39に示した表示板部のXL−XL線に沿った断面図である。
【図41】図39に示した表示板部のXLI−XLI線に沿った断面図である。
【図42】図39乃至図41に示した有機発光表示装置用表示板部を本発明の一実施形態によって製造する方法の最初の段階での配置図である。
【図43】図43に示した表示板部のXLIII−XLIII線に沿った断面図である。
【図44】図43に示した表示板部のXLIV−XLIV線に沿った断面図である。
【図45】図42乃至図44の次の段階での表示板部の配置図である。
【図46】図45に示した表示板部のXLVI−XLVI線に沿った断面図である。
【図47】図45に示した表示板部のXLVII−XLVII線に沿った断面図である。
【図48】図45乃至図47の次の段階での表示板部の配置図である。
【図49】図48に示した表示板部のXLIX−XLIX線に沿った断面図である。
【図50】図48に示した表示板部のL−L線に沿った断面図である。
【図51】図48乃至図50の次の段階での表示板部の配置図である。
【図52】図51に示した表示板部のLII−LII線に沿った断面図である。
【図53】図51に示した表示板部のLIII−LIII線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0185】
3 液晶層、
40,50,52,54 感光膜、
81,82 コンタクト補助部材、
84 連結橋、
85 連結部材、
100 下部表示板、
110 基板、
121,129 走査線、
124,124a,124b 制御電極、
127 維持電極、
131 維持電極線、
133a,133b 維持電極、
140 ゲート絶縁膜、
150 真性非晶質シリコン層、
151,154,154a,154b (真性)半導体、
160 不純物非晶質シリコン層、
161,163,163a,163b,165,165a,165b オーミックコンタクト部材、
164,164a,164b 不純物半導体、
170 データ金属層、
171,179 データ線、
172 駆動電圧線、
173,173a,173b 入力電極、
175,175a,175b 出力電極、
180 保護膜、
181,182,183,184,185,185a,185b コンタクトホール、
191 画素電極、
200 上部表示板、
230 カラーフィルタ、
270 共通電極、
300 表示板部、
361 隔壁、
365 開口部、
370 有機発光部材、
400 走査駆動部、
500 データ駆動部、
600 信号制御部、
800 階調電圧生成部、
A,B 半導体の多結晶部分、
CA,EA,WA 基板の領域、
Clc 液晶キャパシタ、
Cst ストレージキャパシタ、
CONT1 走査制御信号、
CONT2 データ制御信号、
DA 表示領域、
DAT 出力映像信号、
DE データイネーブル信号、
−D データ線、
−G 走査線、
Hsync 水平同期信号、
LD 駆動トランジスタの出力電流、
LD 有機発光ダイオード(OLED)、
PX 画素、
Qd 駆動トランジスタ、
Qs スイッチングトランジスタ、
R,G,B 入力映像信号、
Vcom 共通電圧、
Vdd 駆動電圧、
Voff 低電圧、
Vsync 垂直同期信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成されている制御電極と、
前記制御電極上に形成されているゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されていて、前記制御電極と重畳する半導体と、
前記半導体と接触する入力電極と、
前記半導体と接触する出力電極と、を含み、
前記半導体は、非晶質シリコンからなる第1部分と多結晶シリコンからなる第2部分とを含む、薄膜トランジスタ。
【請求項2】
前記半導体の第2部分は、前記入力電極と前記出力電極との間にわたって形成されている、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項3】
前記入力電極と前記半導体との間及び前記出力電極と前記半導体との間に介在されていて、不純物を含有する非晶質シリコンからなる複数のオーミックコンタクト部材をさらに含む、請求項2に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項4】
前記半導体の第2部分は微量の導電成分を含む、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項5】
前記導電成分は、アルミニウム、ニッケル、または金である、請求項4に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項6】
前記入力電極及び前記出力電極の各々は、前記導電成分を含む、請求項4に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項7】
前記入力電極及び前記出力電極の各々は、アルミニウム系金属、ニッケル系金属、または金系金属からなる第1金属膜を含む、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項8】
前記入力電極及び前記出力電極の各々は、前記第1金属膜の下に形成されている第2金属膜をさらに含む、請求項7に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項9】
前記入力電極及び前記出力電極の各々は、前記第1金属膜の上に形成されている第3金属膜をさらに含む、請求項8に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項10】
前記第2及び第3金属膜は、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムのうちのいずれか一つまたはこれらの合金からなる、請求項9に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項11】
基板と、
前記基板上に形成されている走査線と、
前記走査線上に形成されているゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されている第1半導体と、
前記第1半導体と接触するデータ線と、
前記データ線と分離されていて、前記第1半導体と接触する第1出力電極と、
前記第1半導体上に形成されている保護膜と、
前記保護膜上に形成されている画素電極と、を含み、
前記第1半導体は、非晶質シリコンからなる第1部分と多結晶シリコンからなる第2部分とを含む、表示板。
【請求項12】
前記第1半導体の第2部分は、前記データ線と前記第1出力電極との間にわたって形成されている、請求項11に記載の表示板。
【請求項13】
前記データ線と前記第1半導体との間及び前記第1出力電極と前記第1半導体との間に介在されていて、不純物を含有する非晶質シリコンからなる複数のオーミックコンタクト部材をさらに含む、請求項12に記載の表示板。
【請求項14】
前記データ線及び前記第1出力電極の各々は、アルミニウム系金属、ニッケル系金属、または金系金属からなる第1金属膜を含む、請求項13に記載の表示板。
【請求項15】
前記データ線及び前記第1出力電極の各々は、前記第1金属膜の下に形成されている第2金属膜をさらに含む、請求項14に記載の表示板。
【請求項16】
前記データ線及び前記第1出力電極の各々は、前記第1金属膜の上に形成されている第3金属膜をさらに含む、請求項15に記載の表示板。
【請求項17】
前記第2及び第3金属膜は、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムのうちのいずれか一つまたはこれらの合金からなる、請求項16に記載の表示板。
【請求項18】
前記第1半導体の第1部分は、前記データ線及び前記第1出力電極と実質的に同一の平面形状を有する、請求項11に記載の表示板。
【請求項19】
前記第1出力電極は、前記画素電極と連結されている、請求項11に記載の表示板。
【請求項20】
前記基板上に形成されている第2制御電極と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されており、前記第2制御電極と重畳し、非晶質シリコンからなる第1部分と多結晶シリコンからなる第2部分とを含む第2半導体と、
前記第2半導体と接触する駆動電圧線と、
前記第2半導体と接触し、前記画素電極と連結されている第2出力電極と、
前記画素電極上に形成されている有機発光部材と、をさらに含む、請求項11に記載の表示板。
【請求項21】
前記第1出力電極と前記第2制御電極とは電気的に連結されている、請求項20に記載の表示板。
【請求項22】
基板上に制御電極を形成する段階と、
前記制御電極上にゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上に真性非晶質半導体及び不純物含有非晶質半導体を順次に形成する段階と、
前記不純物含有非晶質半導体及び前記ゲート絶縁膜上に導電層を積層する段階と、
前記導電層上に感光膜を形成する段階と、
前記感光膜をマスクとして前記導電層と前記不純物含有非晶質半導体とをエッチングして、入力電極及び出力電極とオーミックコンタクト部材とを形成すると同時に、前記真性非晶質半導体の一部を露出する段階と、
感光膜除去剤を用いて前記感光膜を除去すると同時に、前記半導体の露出された部分の表面に金属薄膜を形成する段階と、
前記基板を熱処理して前記半導体の露出された部分を結晶化する段階と、
を含む、薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項23】
前記導電層は、前記感光膜除去剤に溶ける物質を含む、請求項22に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項24】
前記金属薄膜は、前記感光膜除去剤によって前記導電層から溶け出た物質が積層されてなる、請求項23に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項25】
前記導電層は、前記半導体の露出された部分を結晶化する段階で、結晶化の核として作用する物質を含む、請求項22に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項26】
前記半導体の露出された部分を結晶化する段階は、前記金属薄膜を核とする金属誘導結晶化を含む、請求項22に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項27】
前記熱処理の温度は、約130〜400℃である、請求項22に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項28】
前記導電層は、アルミニウム系金属、ニッケル系金属、または金系金属からなる第1金属膜を含む、請求項22に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項29】
前記導電層は、前記第1金属膜の下に位置する第2金属膜と、前記第1金属膜の上に位置する第3金属膜と、をさらに含む請求項28に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項30】
前記第2及び第3金属膜は、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムのうちのいずれか一つまたはこれらの合金からなる、請求項29に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項31】
前記感光膜除去剤は、ブチルジグリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、及びモノイソプロパノールアミン、または、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、及びモノイソプロパノールアミンを含む、請求項22に記載の薄膜トランジスタの製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【公開番号】特開2007−123900(P2007−123900A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291708(P2006−291708)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】