説明

表示制御回路

【課題】配線領域の面積の増大を抑制しつつ、配線領域内の各配線の長さを均一化する。
【解決手段】LCDドライバは、データレジスタ1と、ロードレジスタ2と、極性切替回路3と、レベルシフタ回路4a,4bと、正極側階調電圧発生回路5と、正極階調選択回路6と、負極側階調電圧発生回路7と、負極階調選択回路8と、出力回路9とを備えている。出力回路9内に出力バッファ12だけでなく極性切替回路3を設けて、出力回路9を出力パッド10と同じピッチで、出力パッド10に近接配置し、出力回路9と正極(負極)階調選択回路6,8との間に第1および第2の配線領域23,24を設ける。第1および第2の配線領域23,24での各配線パターンの配線長を均一化し、かつ配線長がなるべく短くなるようにする。これにより、信号の伝搬遅延のバラツキによる表示品質の劣化を防止できる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極性切替と階調制御が可能な表示制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを駆動するLCD(Liquid Crystal Display)ドライバは、液晶パネルの高解像度化と高階調化に伴って、配線数が増大する傾向にある。特に、高解像度化により信号線の本数が増えると、LCDドライバの出力信号線の数も増え、LCDドライバ内の配線領域が増大し、LCDドライバの外径寸法が大型化する。
【0003】
従来のLCDドライバは、データレジスタから出力バッファまでの回路ピッチを、出力パッドのピッチよりも狭くして高密度実装を行い、出力バッファと出力パッドとの間の配線領域でピッチの変換を行っていた(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、出力信号線数が増えると、出力バッファと出力パッドの間の配線領域に数多くの配線パターンを配置しなければならなくなり、配線領域が増大するとともに、各配線の長さを均一化するのが困難になって、配線遅延量のばらつきが生じ、表示ムラの原因になる。
【0005】
また、従来は、出力バッファや出力パッドのピッチに合わせて他の回路(例えば階調電圧生成回路等)を配置しなければならず、階調電圧生成回路等に配置制限があると、結果として、出力バッファや出力パッドの配置場所も制限されてしまい、チップ内の配置領域を有効に利用できなかった。
【特許文献1】特開2004−212836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、配置領域を有効利用して配線領域の面積の増大を抑制しつつ、配線領域内の各配線の長さを均一化することが可能な表示制御回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、入力された画素データを階調電圧に変換して出力する(N+M)/2個(N,Mは正の偶数)の階調電圧生成回路と、
前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路のそれぞれに対応して設けられ、対応する階調電圧生成回路から出力された階調電圧の極性を切り替えて出力するか否かを切り替える(N+M)/2個の出力回路と、
前記(N+M)/2個の出力回路の各出力端子に接続され、前記(N+M)/2個の出力回路のピッチと略等しいピッチで配置され、対応する出力回路にそれぞれ近接配置される(N+M)個の出力パッドと、
対向する2辺に沿って配置される前記(N+M)/2個の出力回路の間に、これら出力回路が並ぶ方向に沿って前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路を一列に配置した半導体基板と、を備え、
前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路のそれぞれは、
入力された画素データに応じた正極性の階調電圧を生成する正極階調選択回路と、
入力された画素データに応じた負極性の階調電圧を生成する負極階調選択回路と、を有し、
前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路は、1番目からN/2番目までの階調電圧生成回路の並び順と、(N/2+1)番目から(N+M)/2番目までの階調電圧生成回路の並び順とが互いに逆になるように前記半導体基板上に配置され、
前記半導体基板は、
対向する2辺に沿って配置され、前記(N+M)/2個の出力回路と前記(N+M)個の出力パッドとが配置される第1および第2の出力領域部と、
前記第1および第2の出力領域部と前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路との間にそれぞれ設けられ、前記第1および第2の出力領域部と前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路とを接続する配線パターンが配置される第1および第2の配線領域部と、を有することを特徴とする表示制御回路が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、配線領域内の各配線の長さを均一化することが可能で、かつ配置領域を有効利用できることから、配線領域の面積の増大も抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。以下では、本発明による表示制御回路の一例として、液晶パネルを駆動するLCDドライバについて説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施形態によるLCDドライバの概略構成を示すブロック図である。
【0011】
図1のLCDドライバは、データレジスタ1と、ロードレジスタ2と、極性切替回路3と、レベルシフタ回路4a,4bと、正極側階調電圧発生回路5と、正極階調選択回路6と、負極側階調電圧発生回路7と、負極階調選択回路8と、出力回路9とを備えている。
【0012】
データレジスタ1は、データバス上の画素データをクロック信号に同期して順にラッチする。ロードレジスタ2は、複数画素分の画素データをロード信号に同期してラッチする。極性切替回路3は、ロードレジスタ2の出力信号の極性を切り替える。
【0013】
正極側階調電圧発生回路5は、複数の正極側階調電圧を生成する。例えば、10ビットの階調表示を行う場合は、1024本の正極側階調電圧を生成する。正極階調選択回路6は、複数の正極側階調電圧の中から1つを階調選択信号の論理に基づいて選択する。負極側階調電圧発生回路7は、複数の負極側階調電圧を生成する。負極階調選択回路8は、複数の負極側階調電圧の中から1つを階調選択信号の論理に基づいて選択する。
【0014】
出力回路9は、極性切替回路11と出力バッファ12とを有し、1個の極性切替回路11に対して出力バッファ12が2個ずつ設けられている。極性切替回路11は、正極階調選択回路6が選択した電圧の極性と負極階調選択回路8が選択した電圧の極性とを連動して切り替える。出力バッファ12は、極性切替回路11の出力電圧のゲイン調整を行って液晶パネル内の信号線に供給する。
【0015】
極性切替回路3と出力回路9内の極性切替回路11は連動して動作しており、一方が正極性を選択する場合には他方も正極性を選択する。極性信号の論理を交互に切り替えることにより、隣接する2つの出力バッファ12の一方からは正極性の階調電圧が出力され、他方からは負極性の階調電圧が出力される。
【0016】
データレジスタ1と、ロードレジスタ2と、極性切替回路3と、レベルシフタ回路4a,4bと、正極階調選択回路6と、負極階調選択回路8とで階調電圧生成回路20を構成しており、このような階調電圧生成回路20と対応する出力回路9が複数個ずつ、半導体基板の長辺に沿って配置されている。例えば、LCDドライバが720本(240画素分)の出力信号線を有する場合には、360個の階調電圧生成回路20が一列に配置され、その外側に、半導体基板の対向する2つの長辺に沿って360個の出力回路9が配置されている。
【0017】
各出力回路9には2個の出力バッファ12が設けられるため、出力バッファ12の総数は720個となる。以下では、LCDドライバ内に、(N+M)/2個(N,Mは正の偶数)の階調電圧生成回路20が設けられるものとする。
【0018】
(N+M)/2個の階調電圧生成回路20は、一列に並んで配置されているが、1番目からN/2番目までの階調電圧生成回路20の並び順と、(N/2+1)番目から(N+M)/2番目までの階調電圧生成回路20の並び順は、互いに逆になっている。これが本実施形態の一つの特徴である。
【0019】
この並びに合わせて、図1に示すように、データバスから入力される画素データIN1〜IN(N)は左から右に順に入力され、画素データIN(N+1)〜IN(N+M)は右から左に順に入力される。
【0020】
図2(a)は半導体基板上の出力パッド10、出力回路9および階調電圧生成回路20の位置関係を示す図である。出力パッド10は、半導体基板の対向する二つの長辺に沿って形成され、出力パッド10に近接して第1および第2の出力領域21,22が設けられ、その内側に第1および第2の配線領域23,24が設けられる。
【0021】
出力回路9と出力パッド10は、第1および第2の出力領域21,22内に配置される。階調電圧生成回路20は、第1および第2の配線領域23,24の間に配置される。階調電圧生成回路20内の正極(負極)階調選択回路6,8と出力回路9とを接続する配線パターンは、第1および第2の配線領域23,24内に配置される。
【0022】
また、第1および第2の出力領域21,22内に配置される出力バッファ12のピッチは、出力パッド10のピッチとほぼ等しくされており、出力バッファ12は、出力パッド10に近接配置されている。
【0023】
図2(a)では、階調電圧生成回路20は、第1および第2の配線流域23,24の間に配置されているが、第1および第2の配線領域23,24は、階調電圧生成回路20とは異なる層に形成されるため、図2(b)のように、第1および第2の配線領域23,24と階調電圧生成回路20とは上下に一部が重なり合ってもよい。
【0024】
このように、本実施形態は、出力バッファ12を出力パッド10に近接配置し、正極(負極)階調選択回路6,8と出力回路9との間の配線を引き回す点に特徴がある。
【0025】
また、階調電圧生成回路20のピッチは、出力バッファ12のピッチよりも狭くしている。これにより、階調電圧生成回路20の高密度実装が可能になり、回路規模を大きくせずに表示解像度の向上が図れる。
【0026】
図3は本実施形態によるLCDドライバの概略的なレイアウトパターン図、図4は図3の一部を拡大した図である。
【0027】
図3に示すように、LCDドライバは2つの表示制御部25,26と、1つのロジック部(論理回路部)27とを有する。2つの表示制御部25,26は、半導体基板の長手方向の両端側に配置され、これら表示制御部25,26の間にロジック部27が配置されている。ロジック部27は、表示制御部25,26で使用される各種信号(例えば、極性信号、ロード信号、クロック信号、画素データを供給するデータバス、イネーブル信号など)を生成する。
【0028】
2つの表示制御部25,26はいずれも、図1と同様のブロック構成を持ち、それぞれ例えば360本の出力信号線を有する。結局、LCDドライバ全体で720本の出力信号線を有する。なお、出力信号線の数は一例であり、数には特に制限はない。
【0029】
出力回路9は、半導体基板の対向する二つの長辺に沿って配置されている。ロジック部27に近接した長辺の中央付近には入力パッド28が配置されている。
【0030】
図4には、LCDドライバの右半分のレイアウトパターンを示している。図示のように、半導体基板の一方の長辺に沿って、180+32本分の出力信号線に対応する出力回路9と出力パッド10が設けられており、他方の長辺に沿って、148本分の出力信号線に対応する出力回路9と出力パッド10が設けられている。
【0031】
半導体基板の一方の長辺に沿って配置される出力パッド10と、他方の長辺に沿って配置される出力パッド10とでは、出力信号線の並びが逆である。すなわち、一方の長辺側では、右から左に、出力信号線OUT149〜OUT360に対応する出力パッド10と出力回路9が順に配置されるのに対し、他方の長辺側では、左から右に、出力信号線OUT1〜OUT148に対応する出力パッド10と出力回路9が順に配置されている。
【0032】
出力信号線OUT149〜OUT360に対応する出力回路9は、近接した位置にある階調電圧生成回路20の出力端子と配線パターンにて接続される。この配線パターンは、出力回路9と階調電圧生成回路20との間の第1の配線領域23内に配置される。
【0033】
同様に、出力信号線OUT1〜OUT148に対応する出力回路9は、近接した位置にある階調電圧生成回路20と配線パターンにて接続される。この配線パターンは、出力回路9と階調電圧生成回路20との間の第2の配線領域24内に配置される。
【0034】
半導体基板の一方の長辺側には、出力信号線OUT149〜OUT180に対応する出力パッド10と出力回路9が配置されているが、この出力回路9と階調電圧生成回路20との配線パターンは、他の長辺側まで延びている。
【0035】
図5は出力信号線OUT149〜OUT180に対応する出力パッド10と出力回路9とを接続する配線パターンの一例を示す図である。図示のように、各配線パターンが交差しないように、各配線パターンが配置される。これら配線パターンにより、図2の第1および第2の配線領域23,24が半導体基板の短辺に沿って接続される。
【0036】
第1および第2の配線領域23,24内の各配線パターンは、全ての配線長が均一化し、かつなるべく配線長が短くなるように配置される。より具体的には、図5に示すように、各配線パターンをジグザグ状にし、ジグザグさせる回数を調整することで、すべての配線の長さを均一化する。
【0037】
本実施形態のLCDドライバの回路は、半導体基板の複数層を用いて形成される。例えば、下の層(一層でも複数層でもよい)を用いて図1に示す各回路をレイアウト配置し、最上層を配線層として用いる。この最上層には、例えば、上述した第1および第2の配線領域23,24内の各配線パターンと、電源パターンと、接地パターンとが形成される。
【0038】
図6は最上層の一例を示すレイアウトパターン図である。図6では、第1および第2の配線領域23,24内の配線パターン31,32をハッチで示し、電源パターン33と接地パターン34を斜線で示している。図6において、第1の配線領域23には、出力信号線OUT181〜OUT360に対応する出力回路9と階調電圧生成回路20とを接続する配線パターン群が配置され、第2の配線領域24には、出力信号線OUT1〜OUT148に対応する出力回路9と階調電圧生成回路20とを接続する配線パターン群と、出力信号線OUT149〜OUT180に対応する出力回路9と階調電圧生成回路20とを接続する配線パターン群とが配置される。
【0039】
また、図6に示すように、第1および第2の配線領域23,24を取り囲むように、電源パターン33と接地パターン34がそれぞれ幅広のパターンで形成されている。
【0040】
なお、LCDドライバの回路と配線を、半導体基板の複数層にどのように割り振るかは、回路規模や配線数、配線長などを総合的に勘案して決定すればよく、図6は一例にすぎない。
【0041】
図6では、表示制御部25の領域と第1および第2の配線領域23,24とが上下に一部重なり合う例を説明したが、図2(a)のように、重なり合わないように配置してもよい。
【0042】
図7は図4をより詳細に示すチップ上の概略的なレイアウトパターン図である。図7に示すように、本実施形態では、出力回路(AMP)9と出力パッド10のピッチを等しくて、出力回路9と出力パッド10間の距離を短くしている。また、階調電圧生成回路20のピッチを出力回路9や出力パッド10のピッチよりも狭くしている。
【0043】
チップの略中央部にはロジック部27が配置され、ロジック部27を間に挟んで長辺方向の両側に複数の階調電圧生成回路20が狭いピッチで配置され、それぞれの階調電圧生成回路20と対応する出力回路9との間には、第1および第2の配線領域23,24が設けられている。
【0044】
第1および第2の配線領域23,24により、階調電圧生成回路20のピッチを出力回路9のピッチに変換している。上述したように、第1および第2の配線領域23,24内の配線パターン群は、等長配線となるようにパターン長を調整している。
【0045】
図7のレイアウト配置では、ロジック部27の一辺に沿って入力パッド28を配置し、対向する辺に沿って出力パッド10を配置している。仮に階調電圧生成回路20と出力パッド10とのピッチを等しくした場合には、階調電圧生成回路20の配置場所に合わせて、出力回路9と出力パッド10を配置せざるを得ないことから、ロジック部27の辺に沿って出力パッド10を配置することができず、出力パッド10を配置する領域が限定されてしまう。ところが、本実施形態によれば、チップの辺に沿って出力パッド10を配置できるため、出力パッド10の配置自由度が向上する。
【0046】
また、本実施形態では、出力回路9と出力パッド10のピッチに合わせて階調電圧生成回路20を配置する必要がないため、図7に示すように階調電圧生成回路20を高密度に実装でき、また、上述したように出力回路9と出力パッド10の配置自由度も増すため、結果として、チップの長辺出力側に配置可能な出力パッド10の数を増やすことができ、ひいてはチップサイズの縮小が図れる。
【0047】
また、本実施形態では、出力回路9と出力パッド10との間の距離を短縮しているため、出力回路9の出力線の長さのばらつきに起因する表示品質の劣化が起きない。
【0048】
また、本実施形態では、階調電圧生成回路20と出力回路9との間に第1および第2の配線領域23,24を設けているが、この第1および第2の配線領域23,24には電流がほとんど流れないため、信号伝搬遅延は問題になりにくい。特に、第1および第2の配線領域23,24における信号伝搬遅延量よりも、出力回路9での遅延の方が大きいため、第1および第2の配線領域23,24における内部信号伝搬遅延がIC特性の出力遅延として外から見える可能性は低い。したがって、第1および第2の配線領域23,24を設けても、表示品質の劣化が起きる可能性は低い。
【0049】
なお、図7には、チップの短辺方向に沿って複数のダミーパッド13が配置されている。これらダミーパッド13はチップの応力を調整するためのものであり、信号の送受を行うものではなく、本質的な構成ではない。
【0050】
このように、本実施形態では、(N+M)/2個の階調電圧生成回路20のうち、1番目からN/2番目からの階調電圧生成回路の並び順と、(N/2+1)番目から(N+M)/2番目までの階調電圧生成回路の並び順とを互いに逆にする。そして、出力回路9内に出力バッファ12だけでなく極性切替回路3を設けて、出力回路9を出力パッド10と同じピッチで、出力パッド10に近接配置し、出力回路9と階調電圧生成回路20との間に第1および第2の配線領域23,24を設ける。階調選択回路6,8と出力回路9との間には、もともと電流はほとんど流れないため、第1および第2の配線領域23,24での電圧降下は生じず、信号の劣化も起きない。ただし、配線容量が増すおそれがあるため、本実施形態では、第1および第2の配線領域23,24での各配線パターンの配線長を均一化し、かつ配線長がなるべく短くなるようにする。より具体的には、出力回路9を半導体基板の二つの長辺に沿って配置し、出力信号線の並び順を二つの長辺で互いに逆にすることにより、第1および第2の配線領域23,24内の配線長を短縮化する。これにより、信号の伝搬遅延のバラツキによる表示品質の劣化を防止できるとともに、第1および第2の配線領域23,24の面積を大幅に削減でき、半導体基板の短辺方向の短縮化が図れる。
【0051】
また、本実施形態では、出力回路9を半導体基板の長辺に沿ってのみ配置するため、短辺に沿って出力回路9を配置しなくて済み、出力回路9内のトランジスタの向きをすべて揃えることができ、出力回路9の電気的特性の均一化が図れる。
【0052】
また、本実施形態では、第1および第2の配線領域23,24内の配線パターンを一つの層にまとめることができ、回路のレイアウト配置の設計が容易になる。
【0053】
なお、上述した実施形態では、半導体基板の対向する二つの長辺に沿って出力回路9を配置したが、短辺側に余裕がある場合には、短辺側にも出力回路9を配置してもよい。この場合、長辺側の出力回路9内のトランジスタの向きと短辺側の出力回路9内のトランジスタの向きとを一致させるのが望ましい。
【0054】
上述した実施形態において、LCDドライバから出力される出力信号線の数やLCDドライバ内の詳細な回路構成は図1に示したものに限定されない。
【0055】
また、図6では、半導体基板の対向する二つの長辺に沿って、互いに異なる数の出力回路9を配置しているが、二つの長辺のそれぞれに沿って配置される出力回路9の数は同数でも異なっていてもよい。また、図6では、第1および第2の配線領域23,24を同じ層に形成したが、複数の層に分けて形成してもよい。また、配線パターンと電源(接地)パターンを別個の層に形成してもよい。
【0056】
図3では、半導体基板の長手方向の両端側に2つの表示制御部25,26を配置したが、同じ半導体基板上に配置される表示制御部25,26の数や配置場所は特に問わない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態によるLCDドライバの概略構成を示すブロック図。
【図2】(a)および(b)は半導体基板上の出力パッド10、出力回路9および階調電圧生成回路20の位置関係を示す図。
【図3】本実施形態によるLCDドライバの概略的なレイアウトパターン図、図4は図3の一部を拡大した図。
【図4】図3の一部を拡大した図。
【図5】出力信号線OUT149〜OUT180に対応する出力パッド10と出力回路9とを接続する配線パターンの一例を示す図。
【図6】最上層の一例を示すレイアウトパターン図。
【図7】図4をより詳細に示すチップ上の概略的なレイアウトパターン図。
【符号の説明】
【0058】
1 データレジスタ
2 ロードレジスタ
3 極性切替回路
4a,4b レベルシフタ回路
6 正極階調選択回路
8 負極階調選択回路
9 出力回路
10 出力パッド
11 極性切替回路
12 出力バッファ
20 階調電圧生成回路
21 第1の出力領域
22 第2の出力領域
23 第1の配線領域
24 第2の配線領域
25,26 表示制御部
27 ロジック部
28 入力パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画素データを階調電圧に変換して出力する(N+M)/2個(N,Mは正の偶数)の階調電圧生成回路と、
前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路のそれぞれに対応して設けられ、対応する階調電圧生成回路から出力された階調電圧の極性を切り替えて出力するか否かを切り替える(N+M)/2個の出力回路と、
前記(N+M)/2個の出力回路の各出力端子に接続され、前記(N+M)/2個の出力回路のピッチと略等しいピッチで配置され、対応する出力回路にそれぞれ近接配置される(N+M)個の出力パッドと、
対向する2辺に沿って配置される前記(N+M)/2個の出力回路の間に、これら出力回路が並ぶ方向に沿って前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路を一列に配置した半導体基板と、を備え、
前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路のそれぞれは、
入力された画素データに応じた正極性の階調電圧を生成する正極階調選択回路と、
入力された画素データに応じた負極性の階調電圧を生成する負極階調選択回路と、を有し、
前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路は、1番目からN/2番目までの階調電圧生成回路の並び順と、(N/2+1)番目から(N+M)/2番目までの階調電圧生成回路の並び順とが互いに逆になるように前記半導体基板上に配置され、
前記半導体基板は、
対向する2辺に沿って配置され、前記(N+M)/2個の出力回路と前記(N+M)個の出力パッドとが配置される第1および第2の出力領域部と、
前記第1および第2の出力領域部と前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路との間にそれぞれ設けられ、前記第1および第2の出力領域部と前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路とを接続する配線パターンが配置される第1および第2の配線領域部と、を有することを特徴とする表示制御回路。
【請求項2】
前記半導体基板は、複数の層を有し、
前記第1および第2の配線領域部が形成される層は、前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路と前記(N+M)/2個の出力回路とが形成される層とは異なることを特徴とする請求項1に記載の表示制御回路。
【請求項3】
前記第1および第2の出力領域部は、前記半導体基板の対向する二つの長辺に沿って形成され、
前記前記第1および第2の配線領域部が形成される層には、電源パターンと接地パターンとが形成されることを特徴とする請求項2に記載の表示制御回路。
【請求項4】
前記半導体基板の長手方向の両端側に形成される第1および第2の表示制御部と、
前記第1および第2の表示制御部の間に形成される論理回路部と、を備え、
前記第1および第2の表示制御部のそれぞれは、前記(N+M)/2個の階調電圧生成回路と前記(N+M)/2個の出力回路とを有し、
前記論理回路部は、前記第1および第2の表示制御部で使用される制御信号およびクロック信号を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示制御回路。
【請求項5】
前記半導体基板の長辺の中央部に沿って形成される入力パッドを有し、
前記出力パッドは、前記入力パッドを挟んで両側の長辺に沿って配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表示制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−20511(P2009−20511A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156687(P2008−156687)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】