説明

車両の統合制御装置

【課題】スプリットμ路を素早く検出し、適切なタイミングで車両の制御を実行する。
【解決手段】メイン制御部1で、左右のCCDカメラ1aにより得られた撮像画像を基に前方走行路がスプリットμ路であるいか否か判定し、前方走行路がスプリットμ路と判定された場合、衝突防止制御部2で設定するブレーキ介入距離を補正するブレーキ介入距離補正ゲインGBRを増加補正して、衝突防止制御部2は、このブレーキ介入距離補正ゲインGBRで補正したブレーキ介入距離を用いて通常より早いブレーキタイミングで衝突防止制御を行う。一方、前方走行路がスプリットμ路と判定された場合、エンジン制御部3で設定する目標トルクTtを補正する目標トルク補正ゲインGTを減少補正して発生する駆動力により、左右で異なった路面μによって車両にヨーモーメントが発生して車両が不安定になることを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右の車輪が走行する路面の摩擦係数が異なるスプリットμ路を検出した際の車両制御を適切に行う車両の統合制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行路面の状態を検出し、車両制御に反映させる様々な技術が提案され実用化されている。例えば、特開2006−175992号公報(以下、特許文献1)では、スリップ率に基づいてスプリットμ路を検出し、該スプリットμ路を検出した場合の制動時には、車速が小さいほど制動制御手段の寄与度に対する操舵制御手段の寄与度の割合を大きく変更する車両安定化制御装置の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−175992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の車両安定化制御装置に開示される技術では、スプリットμ路を検出する際に、スリップ率を基に検出するようにしているため、既に、車両に対して影響を及ぼしている現象に対して対応することになるため、車両の安定化に適切なタイミングで対応できないという問題がある。また、スプリットμ路で予想される車両の不安定化は制動時以外にも生じることが考えられる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、スプリットμ路を素早く検出し、適切なタイミングで車両の制御を実行することができる車両の統合制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、カメラによる撮像画像を基に自車両の前方環境を認識する前方環境認識手段と、上記自車両の前方環境を基づいて左右の車輪が走行する路面の摩擦係数が異なるスプリットμ路を検出するスプリットμ検出手段と、上記スプリットμ路を検出した場合は、車両の加減速特性を変更する加減速特性変更手段とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明による車両の統合制御装置によれば、スプリットμ路を素早く検出し、適切なタイミングで車両の制御を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の一形態に係る、車両統合制御装置の構成説明図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る、加速特性、制動特性変更プログラムのフローチャートである。
【図3】本発明の実施の一形態に係る、衝突防止制御プログラムのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の一形態に係る、エンジン制御プログラムのフローチャートである。
【図5】本発明の実施の一形態に係る、衝突防止制御における自車両と制御対象との相対速及びラップ率とブレーキ介入距離との関係を示す3次元マップである。
【図6】本発明の実施の一形態に係る、衝突防止制御における自車両と制御対象との間に設定される各ブレーキ介入距離を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の一形態に係る、エンジン制御におけるアクセル開度とエンジン回転数と目標トルクの特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号10は車両に搭載される車両の統合制御装置を示し、該統合制御装置10は、メイン制御部1に、ステレオカメラ1a、衝突防止制御部2、エンジン制御部3が接続されて主要に構成されている。
【0010】
ステレオカメラ1aは、例えば電荷結合素子(CCD)等の固体撮像素子を用いた1組(左右の)のCCDカメラからなり、これら左右のCCDカメラが、それぞれ車室内の天井前方に一定の間隔をもって取り付けられ、車外の対象を異なる視点からステレオ撮像するものである。
【0011】
メイン制御部1では、ステレオカメラ1aからの画像データに基づき、得られた画像データを左側の領域と右側の領域とに分割して、それぞれの左右の領域毎に、雪路と、未舗装(ダート)路と、舗装路ウェット路面と、舗装路ドライ路面の判定を行う。
【0012】
雪路の検出は、例えば、本出願人が特開2001−43352号公報で詳述するように、左右のCCDカメラ1aにより得られた撮像画像中の所定領域に設定された監視領域における画像データに基づいて、路面一面雪とみなせる状態を検出することにより行う。具体的には、監視領域の水平方向に関する輝度エッジの数と、監視領域の全体的な輝度の大きさを算出し、輝度エッジの数が判定値よりも少なく、かつ、全体的な輝度の大きさが判定値よりも大きい場合に一面雪とみなせる状態で雪路と判定する。
【0013】
また、メイン制御部1におけるダート路、舗装路ウェット路面及び舗装路ドライ路面の検出は、例えば、本出願人が特開2001−43495号公報で詳述する方法で行う。具体的には、画像データに設定した画像データ監視領域の水平方向の輝度変化の状態(輝度エッジの個数)を求め、また、距離データに設定した距離データ監視領域の各データの高さ方向の座標値を求める。そして、まず、高さ方向の座標値が−0.4m以上0.3m以下の場合に白線、路面のわだち、砂利等のドライデータとして検出し、−0.4mより小さいデータはウェットデータ(舗装路ウェット路面)として検出する。次に、ドライデータを場合分けし、画像データ監視領域の輝度エッジの個数が大きくドライデータの数が設定値より小さい場合に舗装路ドライ路面として判定する。また、画像データ監視領域の輝度エッジの個数が小さくドライデータの数が多い場合は砂利道等のダート路として検出し、ドライデータの数が少ない場合は白線のない舗装路のような舗装路ドライ路面として検出する。尚、雪路、ダート路と、舗装路ウェット路面と、舗装路ドライ路面の道路状況の検出方法は、上述のものに限るものではない。
【0014】
そして、前方走行路の左右それぞれの画面について行った路面判定の結果、左右の結果がそれぞれ異なる場合に、前方走行路は、スプリットμ路であると判定する。尚、このスプリットμ路の判定は、この方法に限定するものではなく、例えば、左右の画面の平均輝度の差が、予め設定した閾値以上ある場合にスプリットμ路であると判定するようにしても良い。
【0015】
そして、メイン制御部1は、前方走行路がスプリットμ路と判定された場合、衝突防止制御部2における、前方障害物との衝突を防止する際の車両の制動特性を変更すべく、衝突防止制御部2で設定する後述のブレーキ介入距離を補正するブレーキ介入距離補正ゲインGBRを増加補正して衝突防止制御部2に出力する。また、メイン制御部1は、前方走行路がスプリットμ路と判定された場合、エンジン制御部3で設定する後述の目標トルクTtを補正する目標トルク補正ゲインGTを減少補正してエンジン制御部3に出力する。
【0016】
衝突防止制御部2は、例えば、ステレオカメラ1aからの画像情報、自車速V等の情報に基づいて自車両1前方の立体物データや白線データ等の前方情報を認識し、これら認識情報等に基づいて自車走行路を推定し、更に、自車走行路上に障害物や先行車等の立体物が存在するか否かを調べ、存在する場合には、直近のものを制動制御の制御対象として認識する。
【0017】
そして、衝突防止制御部2は、制御対象が認識されているときに、例えば、特開2009−262701号公報に記載される方法により、自車両と制御対象との衝突防止制御を実行する。この衝突防止制御は、具体的には、ブレーキ介入距離として、例えば、制御対象を基準とする第1,第2のブレーキ介入距離D1,D2を設定する(図6参照)。
【0018】
ここで、第1のブレーキ介入距離D1は、制御対象との衝突回避が制動によっても操舵によっても困難となる限界距離(衝突回避限界距離)であり、例えば、予め実験やシミュレーション等に基づいて設定されている。この衝突回避限界距離は、例えば、自車両と制御対象との相対速Vrelに応じて変化し、さらに、自車両と制御対象との相対速Vrel及びラップ率Rlによって変化する。衝突防止制御部2には、例えば、図5に示すように、自車両と制御対象との相対速Vrel及びラップ率Rlと第1のブレーキ介入距離D1との関係を示すマップが予め設定されて格納されており、衝突防止制御部2は、このマップを参照して第1のブレーキ介入距離D1を設定する。
【0019】
また、第2のブレーキ介入距離D2は、第1のブレーキ介入距離D1よりも所定に長い距離に設定される。具体的には、第2のブレーキ介入距離D2は、例えば、予め実験やシミュレーション等に基づいて設定されるもので、相対速Vrelに応じた所定距離だけ衝突回避限界距離よりも自車両側に延長された距離が設定されている。衝突防止制御部2には、例えば、図5に示すように、自車両と制御対象との相対速Vrel及びラップ率Rlと第2のブレーキ介入距離D2との関係を示すマップが予め設定されて格納されており、衝突防止制御部2は、このマップを参照して第2のブレーキ介入距離D2を設定する。
【0020】
そして、衝突防止制御部2は、相対距離dが第1のブレーキ介入距離D1以下となったとき、自動ブレーキの介入による制動制御(以下、本格制動制御ともいう)を実行する。この本格制動制御において、衝突防止制御部2は、例えば、制動制御により発生すべき減速度(目標減速度)、及び、この目標減速度を発生させる際に許容する減速度の変化量(減速度変化量)として予め設定された固定値をそれぞれセットし、これらに基づいて減速度指示値を演算する。そして、衝突防止制御部2は、演算した減速度指示値を自動ブレーキ制御装置2aに出力することにより、自動ブレーキを作動(介入)させる。
【0021】
また、衝突防止制御部2は、相対距離dが第1のブレーキ介入距離D1よりも大きく且つ第2のブレーキ介入距離D2以下であるとき、本格制動制御に先立ち、自動ブレーキの介入による制動制御(以下、拡大制動制御ともいう)を実行する。この拡大制動制御において、衝突防止制御部2は、例えば、目標減速度及び減速度変化量をそれぞれ可変設定し、これらに基づいて減速度指示値を演算する。そして、衝突防止制御部2は、演算した減速度指示値を自動ブレーキ制御装置2aに出力することにより、自動ブレーキを作動(介入)させる。
【0022】
この際、衝突防止制御部2は、上述の第1、第2のブレーキ介入距離D1、D2を設定して衝突防止制御を実行するにあたり、メイン制御部1からブレーキ介入距離補正ゲインGBRを読み込んで、第1、第2のブレーキ介入距離D1、D2を補正(具体的には、D1=GBR・D1、D2=GBR・D2)して、該補正した第1、第2のブレーキ介入距離D1、D2を用いて前述の衝突防止制御を実行するようになっている。ここで、メイン制御部1で設定されるブレーキ介入距離補正ゲインGBRは、上述したように、前方走行路がスプリットμ路と判定された場合、衝突防止制御部2における、前方障害物との衝突を防止する際の車両の制動特性を変更すべく(ブレーキ介入タイミングを早めるべく)、衝突防止制御部2で設定する第1、第2のブレーキ介入距離D1、D2を長い距離に補正するため、スプリットμ路と判定された場合に、ブレーキ介入距離補正ゲインGBRには、1より大きな値が設定されるようになっている。
【0023】
エンジン制御部3は、エンジン回転数Neとアクセル開度θaccとを読み込んで、これらエンジン回転数Neとアクセル開度θaccに基づいて、予め設定しておいたエンジン特性マップ(例えば、図7)を補間計算付きで参照して目標トルクTtを決定し、この目標トルクTtに対応する、最終的な目標スロットル開度θaを決定する。そして、スロットル開度θthを読み込んで、このスロットル開度θthが目標スロットル開度θaに収束するように、電子制御スロットル装置3aに設けられているスロットル弁を開閉動作させるスロットルアクチュエータをフィードバック制御する。
【0024】
この際、エンジン制御部3は、上述のように目標トルクTtを決定するにあたり、メイン制御部1から目標トルク補正ゲインGTを読み込んで、目標トルクTtを補正(具体的には、Tt=GT・Tt)して、該補正した目標トルク補正ゲインGTを用いてエンジン制御するようになっている。ここで、メイン制御部1で設定される目標トルク補正ゲインGTは、上述したように、前方走行路がスプリットμ路と判定された場合、発生する駆動力により、左右で異なった路面μによって車両にヨーモーメントが発生して車両が不安定になることを防止すべく、エンジン制御部3で設定する目標トルクTtを減少補正するため、スプリットμ路と判定された場合に、目標トルク補正ゲインGTには、1より小さな値が設定されるようになっている。
【0025】
次に、上述のメイン制御部1で実行される車両統合制御を、図2のフローチャートで説明する。
まず、ステップ(以下、「S」と略称)101で、スプリットμ路の検出処理が実行される。これは、上述したように、ステレオカメラ1aからの画像データによる、前方走行路の左右それぞれの画面について行った路面判定(雪路と、未舗装(ダート)路と、舗装路ウェット路面と、舗装路ドライ路面の判定)の結果、左右の結果がそれぞれ異なる場合に、前方走行路は、スプリットμ路であると判定する。
【0026】
次に、S102に進み、S101でのスプリットμ路検出の結果、スプリットμ路が検出されたか否か判定される。
【0027】
S102の判定の結果、スプリットμ路が検出されなかった場合は、S103に進んで、ブレーキ介入距離補正ゲインGBRに1を設定し、S104に進んで、目標トルク補正ゲインGTに1を設定してS107へと進む。
【0028】
また、スプリットμ路が検出された場合は、S105に進んで、衝突防止制御部2における、前方障害物との衝突を防止する際の車両の制動特性を変更すべく(ブレーキ介入タイミングを早めるべく)、衝突防止制御部2で設定する第1、第2のブレーキ介入距離D1、D2を長い距離に補正するため、ブレーキ介入距離補正ゲインGBRに、1より大きな値であるGBRSを設定する。
【0029】
次いで、S106に進んで、発生する駆動力により、左右で異なった路面μによって車両にヨーモーメントが発生して車両が不安定になることを防止すべく、エンジン制御部3で設定する目標トルクTtを減少補正するため、目標トルク補正ゲインGTに、1より小さな値であるGTSを設定する。
【0030】
そして、S107に進み、S103、S104で設定したGBR、GT、或いは、S105、S106で設定したGBR、GTを、衝突防止制御部2、エンジン制御部3に出力してプログラムを抜ける。
【0031】
次に、衝突防止制御部2で実行される衝突防止制御を図3のフローチャートで説明する。
まず、S201で、予め設定しておいたブレーキ介入距離のマップ(図5)を参照して、相対速Vrel及びラップ率Rlに応じて第1のブレーキ介入距離D1、第2のブレーキ介入距離D2を設定する。
【0032】
次いで、S202に進み、メイン制御部1からブレーキ介入距離補正ゲインGBRを読み込む。
【0033】
次に、S203に進み、S201で決定した第1、第2のブレーキ介入距離D1、D2を、上述の如く、D1=GBR・D1、D2=GBR・D2で補正する。
【0034】
そして、S204に進んで、前述のように、補正した第1、第2のブレーキ介入距離D1、D2に基づいて、衝突防止制御を実行してプログラムを抜ける。
【0035】
次に、エンジン制御部3で実行されるエンジン制御を図4のフローチャートで説明する。
まず、S301で、エンジン回転数Neとアクセル開度θaccとを読み込む。
【0036】
次に、S302に進み、予め設定しておいたエンジン特性マップ(例えば、図7)を補間計算付きで参照して目標トルクTtを決定する。
【0037】
次いで、S303に進んで、メイン制御部1から目標トルク補正ゲインGTを読み込む。
【0038】
次いで、S304に進み、S302で決定した目標トルクTtを、上述の如く、Tt=GT・Ttで補正する。
【0039】
次に、S305に進んで、この目標トルクTtに対応する、最終的な目標スロットル開度θaを決定する。
【0040】
次に、S306に進み、実際のスロットル開度θthを読み込み、S307に進んで、このスロットル開度θthが目標スロットル開度θaに収束するように、電子制御スロットル装置3aに設けられているスロットル弁を開閉動作させるスロットルアクチュエータをフィードバック制御して、プログラムを抜ける。
【0041】
このように、本発明の実施の形態によれば、メイン制御部1で、左右のCCDカメラ1aにより得られた撮像画像を基に前方走行路がスプリットμ路であるか否か判定し、前方走行路がスプリットμ路と判定された場合、衝突防止制御部2における、前方障害物との衝突を防止する際の車両の制動特性を変更すべく、衝突防止制御部2で設定するブレーキ介入距離D1,D2を補正するブレーキ介入距離補正ゲインGBRを増加補正して、衝突防止制御部2は、このブレーキ介入距離補正ゲインGBRで補正した(長くなるように補正した)ブレーキ介入距離D1,D2を用いて通常より早いブレーキタイミングで衝突防止制御を行う。一方、前方走行路がスプリットμ路と判定された場合、エンジン制御部3で設定する目標トルクTtを補正する目標トルク補正ゲインGTを減少補正して発生する駆動力により、左右で異なった路面μによって車両にヨーモーメントが発生して車両が不安定になることを防止するようになっている。このため、CCDカメラ1aにより得られた撮像画像を用いてスプリットμ路を素早く検出し、適切なタイミングで車両の制御を実行することが可能となる。
【0042】
尚、衝突防止制御のために設定するブレーキ介入距離補正ゲインGBRは、第1のブレーキ介入距離D1と、第2のブレーキ介入距離D2とで異なる値に設定しても良い。また、ブレーキ介入距離補正ゲインGBRは、車両の他のパラメータ(例えば、自車速等)に応じて可変設定(例えば、高速になるほど大きな値とする)するようにしても良い。
【0043】
また、衝突防止制御、及び、エンジン制御は、他の公知の制御であっても本実施の形態が適用できることは云うまでもない。
【0044】
更に、本実施の形態では、自車両1の前方環境を、ステレオカメラ3からの画像情報を基に認識するようになっているが、他に、単眼カメラからの画像情報を基に認識する車両運転支援装置に対しても適用できることは云うまでもない。
【0045】
また、本発明の実施の形態を適用して、例えば、ステレオカメラ3からの画像情報を基に前方走行路が低μ路であることを検出し、低μ路では、上述のように、ブレーキ介入距離補正ゲインGBRを増加補正し、目標トルク補正ゲインGTを減少補正するようにするようにすれば、本願と同様に、低μ路においても適切なタイミングで車両の制御を実行することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 メイン制御部(前方環境認識手段、スプリットμ検出手段、加減速特性変更手段)
1a ステレオカメラ
2 衝突防止制御部
2a 自動ブレーキ制御装置
3 エンジン制御部
3a 電子制御スロットル装置
10 統合制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによる撮像画像を基に自車両の前方環境を認識する前方環境認識手段と、
上記自車両の前方環境を基づいて左右の車輪が走行する路面の摩擦係数が異なるスプリットμ路を検出するスプリットμ検出手段と、
上記スプリットμ路を検出した場合は、車両の加減速特性を変更する加減速特性変更手段と、
を備えたことを特徴とする車両の統合制御装置。
【請求項2】
上記加減速特性変更手段は、車両の加速特性を変更するものであって、
上記スプリットμ路が検出された場合は、アクセル開度に応じて設定される目標トルクを減少補正することを特徴とする請求項1記載の車両の統合制御装置。
【請求項3】
上記加減速特性変更手段は、前方障害物との衝突を防止する際の車両の制動特性を変更するものであって、
上記スプリットμ路が検出された場合は、制動タイミングを早める方向に補正することを特徴とする請求項1記載の車両の統合制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−66785(P2012−66785A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215536(P2010−215536)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】