説明

車両用情報表示装置

【課題】複数の目的地又は経由地がある場合でも個々の乗員が希望する目的地又は経由地が反映された経路を設定することができる車両用情報表示装置を提供する。
【解決手段】CPU2は、上記目的地の設定を乗員に促す目的地設定に関する情報画像を運転席91及び助手席92に対応する複数の表示方向に同時に且つそれぞれ独立してモニター6に表示させると共に、該複数の目的地設定に関する情報画像に対して、該情報画像に対応する運転席側及び助手席側入力スイッチ41、42から出力された入力信号をそれぞれ独立に受けて、該入力信号に基づいて複数の目的地をRAM39に記憶させ、記憶された目的地に基づいて経路を演算して、該経路をモニター6に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より車両用情報表示装置として、1つの画面に対する視線の角度に応じて異なる情報画像を表示するものが特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された車両用情報表示装置は、液晶パネルがそれぞれ上下方向に延びる第1の帯状部と第2の帯状部とを左右方向に交互に配置して、第1の帯状部に運転席側映像を表示する一方、第2の帯状部に助手席側映像部を表示すると共に、液晶パネルの前に左右方向に等間隔に配置された上下方向に延びる遮光帯を有する透明カバーを配設して構成されている。そして、運転席側からは透明カバーの隣り合う遮光帯の間から液晶パネルの第1の帯状部のみが見える一方、助手席からは透明カバーの隣り合う遮光帯の間から液晶パネルの第2の帯状部のみが見えるように構成されている。こうして、運転者と助手席の乗員とに対して別々の情報画像が表示可能となっている。具体的には、運転者に対しては、速度や回転速度等の車両情報が表示される一方、助手席の乗員に対しては該車両情報とテレビの番組映像とが切替可能に表示される。
【特許文献1】特開2003−137005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1には、1つの画面に対する視線の角度に応じて異なる情報画像を表示できるという内容に留まり、ナビゲーション装置を備える車両用情報表示装置については何ら開示されていない。
【0004】
従来の一般的なナビゲーション装置においては、目的地、経由地等が複数ある場合には、1つの入力画面に対して1つの入力手段によって複数の目的地及び経由地を順次設定していく。そのため、複数の乗員がいる場合には、個々の乗員が順番に目的地等を設定することになり、他の乗員が希望する目的地等と過度に離れている場合などには、他の乗員に気を遣ったり又は他の乗員から干渉されたりして、自分が希望する目的地等を設定し難い状況もある。また、複数の目的地等を順次設定する場合には、設定する目的地等の個数に応じて設定時間が長くなる。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の目的地又は経由地がある場合でも個々の乗員が希望する目的地又は経由地が反映された経路を設定することができる車両用情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の乗員それぞれが、他の乗員の意向を気にすることなく、1つの表示手段に対して同時に目的地を設定できるようにしたものである。
【0007】
第1の発明は、車室内の複数の座席から視認可能な位置に設けられ且つ、該座席に対応する複数の表示方向に異なる情報画像を表示可能な表示手段と、上記表示手段の表示を制御すると共に、乗員により設定される目的地に至る経路を演算する制御手段と、上記複数の表示方向毎に表示される上記情報画像に対応して設けられ、乗員が各情報画像に対する入力操作を行うための複数の入力手段と、各種情報を記憶する記憶手段と、を備えている車両用情報表示装置が対象である。
【0008】
そして、上記制御手段は、上記目的地の設定を乗員に促す目的地設定に関する情報画像を上記複数の表示方向に同時に且つそれぞれ独立して上記表示手段に表示させると共に、該複数の目的地設定に関する情報画像に対して、該情報画像に対応する上記複数の入力手段から出力された入力信号をそれぞれ独立に受けて、該入力信号に基づいて複数の目的地を上記記憶手段に記憶させ、記憶された目的地に基づいて経路を演算して、該経路を上記表示手段に表示させるものとする。
【0009】
上記の構成の場合、上記制御手段により上記表示手段を介して各表示方向に表示される目的地設定に関する情報画像は、目的地設定という乗員が行う操作としては同じであるが、各表示方向毎にそれぞれ独立した情報画像であるため、上記目的地の設定に際して、上記表示手段によってそれぞれ独立した目的地設定に関する情報画像を同時に各表示方向に表示すると共に、該各表示方向へ表示された該目的地設定に関する情報画像に対してそれぞれ独立に入力操作を行う上記入力手段を設けることによって、各表示方向に位置する乗員はそれぞれ独立して且つ同時に目的地の入力操作を行うことができる。このとき、各表示方向に表示される目的地設定に関する情報画像はそれぞれ独立しているため、各表示方向に位置する乗員は該表示方向に対して表示された目的地設定に関する情報画像だけを見ながら目的地を設定することができ、目的地設定に際して各乗員は他の乗員から干渉されたり、他の乗員を干渉したりすることなく、目的地を設定することができる。その結果、乗員は、他の乗員が設定した目的地を考慮することなく、自分の希望する目的地を設定することができる。また、複数の目的地を設定する場合であっても、複数の乗員が同時に目的地を設定することができるため、目的地の設定時間を短縮することができる。ここで、「同時」とは、目的地設定という作業を各乗員が並列に行うことを意味し、各表示方向への情報画像が一斉に切り替わったりする訳ではなく、各乗員への目的地設定に関する情報画像の表示及び入力操作は表示方向間で独立に処理される。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、上記制御手段は、上記入力手段からの入力信号を受けたときには、上記表示手段に対し、該入力信号に基づく目的地を、該入力信号に対応する情報画像の表示方向とは異なる表示方向へ表示させるものとする。
【0011】
上記の構成の場合、上記目的地を設定する際には、他の表示方向とは独立に目的地を設定するが、上記目的地設定に関する情報画像に対して上記入力手段から入力信号が入力されたとき、即ち、乗員が上記入力手段によって目的地を設定したときには、その設定された目的地が該入力信号に対応する情報画像の表示方向とは異なる表示方向に表示されるため、設定後には他の乗員に設定した目的地を確認させることができる。つまり、目的地設定時には、他の乗員の意向を気にすることなく設定できるが、最終的に経路を決める際には、乗員間で相談して検討することができる。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、上記制御手段は、上記表示手段に対し、上記記憶手段に記憶されている全ての目的地に関する情報を含む同じ情報画像を上記各表示方向に表示させるものとする。
【0013】
上記の構成の場合、上記設定された全ての目的地に関する情報を含む1つの情報画像を上記各表示方向に表示されるため、個々の乗員が他の乗員の意向を気にすることなく目的地を設定した後で、乗員同士で全ての目的地を確認及び検討する機会を確保することができ、よりよい経路を決定することができる。このとき、設定された全ての目的地が1つの情報画像上に表されるため、全ての目的地を一見して把握することができ、経路決定のための判断を行い易くすることができる。ここで、「目的地に関する情報」とは、目的地の名称、目的地の位置、目的地までの距離、目的地までの所要時間等である。そして、これらのうち少なくとも1つが上記情報画像上に表される。
【0014】
第4の発明は、第1〜3の発明の何れか1つにおいて、上記制御手段は、上記記憶手段に記憶されている目的地に基づいて1つの経路を演算するものとする。
【0015】
上記の構成の場合、上記入力手段によって設定され、上記記憶手段に記憶されている複数の目的地に基づいて乗員が1つの経路を検討して設定する必要がなく、制御手段によって1つの経路を自動的に設定することができる。
【0016】
第5の発明は、第4の発明において、上記制御手段は、上記記憶手段に記憶されている全ての目的地を通る1つの経路を演算するものとする。
【0017】
上記の構成の場合、上記記憶手段に記憶されている全ての目的地を用いて1つの経路を演算するため、目的地を設定した全乗員の意向が反映された1つの経路を演算することができる。
【0018】
第6の発明は、第4の発明において、上記制御手段は、上記経路を演算する際の条件の設定を乗員に促す条件設定に関する情報画像を上記表示手段に表示させ、該条件設定に関する情報画像に対して上記入力手段から出力される入力信号によって決められる条件に基づいて、上記記憶手段に記憶されている目的地の中から少なくとも最終目的地を含む1又は複数の目的地を選択して、選択された目的地を通る1つの経路を演算するものとする。
【0019】
上記の構成の場合、上記記憶手段に記憶されている目的地の中から1つの経路を演算するために用いる目的地を選択する際に条件を設定することによって、個々の乗員が他の乗員の意向を気にせずに自由に目的地を設定した場合であっても、該条件により一定の制限が課せられるため、該条件に合わない不合理な目的地は除外され、最終目的地に至る、より合理的な1つの経路を決めることができる。ここで、「複数の目的地を選択」とは、記憶手段に記憶された全ての目的地の中から一部の目的地を選択することだけではなく、全部の目的地を選択する場合も含む。つまり、該条件に合致さえすれば、上記記憶手段に記憶された全ての目的地が選択されることもある。
【0020】
第7の発明は、第6の発明において、上記条件は、最終目的地までの所要時間に関係するものであるものとする。
【0021】
上記の構成の場合、上記記憶手段に記憶された目的地の中から、条件として設定された最終目的地までの所要時間に基づいて、1つの経路を演算する際に用いる目的地が選択される。例えば、最終目的地までの所要時間が、条件として設定された所要時間を超える目的地は経路の演算に際し除外される。別の例として、最終目的地までの所要時間が、条件として設定された所要時間に近づくように上記記憶手段に記憶された目的地の中から目的地が選択され経路が演算される。このように、最終目的地までの所要時間が所望の時間となるような経路を制御手段に演算させることができる。
【0022】
第8の発明は、第6の発明において、上記条件は、最終目的地に至る最短経路に対する迂回度合いに関係するものであるものとする。
【0023】
ここで、「最終目的地に至る最短経路に対する迂回度合い」とは、最終目的地までの最短経路の距離に対する迂回経路の距離の差、最終目的地までの最短経路の所要時間に対する迂回経路の所要時間の差、最終目的地までの最短経路の距離に対する迂回経路の距離の比、最終目的地までの最短経路の所要時間に対する迂回経路の所要時間の比等、最終目的地までの最短経路に対する迂回の程度を意味する。上記の構成の場合、設定された各目的地の中から、条件として設定された最終目的地に対する迂回度合いに基づいて、1つの経路を演算する際に用いる目的地が選択される。例えば、最終目的地に対する迂回度合いが、条件として設定された迂回度合いを超える目的地は経路の演算の際には除外される。このように、最終目的地に至る途中迂回度合いが所望の度合いとなる目的地を通る経路を制御手段に演算させることができる。
【0024】
第9の発明は、第6の発明において、上記制御手段は、上記入力信号によって決められる条件に基づいて、上記記憶手段に記憶されている目的地の中から上記最終目的地及び経由地を含む2以上の目的地を選択して、選択された目的地を通る1つの経路を演算するものとする。
【0025】
上記の構成の場合、最終目的地以外に経由地も設定され、最終目的地に至る経路の途中で経由地を必ず通るように経路が設定される。つまり、別の条件と組み合わせることによって、最終目的地及び経由地以外の目的地は、設定された目的地の中から1つの経路を演算する際に除外される可能性があるが、最終目的地と経由地とだけは除外されることなく、演算される経路に必ず含まれることになる。したがって、最終目的地に至るまでに経由地を必ず経由する経路を制御手段に演算させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、上記表示手段及び制御手段により各表示方向に対して目的地設定に関する情報画像を同時に且つそれぞれ独立して表示させると共に、上記入力手段ににより各表示方向から独立して目的地の入力操作を行うことができるため、各乗員は他の乗員の意向を気にすることなく、又他の乗員に干渉されることなく、目的地を設定することができる。その結果、何れかの乗員は目的地の設定さえできないという事態が回避され、個々の乗員の希望する目的地が反映された経路を設定することができる。また、各表示方向から上記入力手段によって複数の目的地を同時に設定することができるため、目的地の設定時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
(情報表示装置の全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る車両用情報表示装置1の構成を示している。この情報表示装置1は、図1に示すように、各種信号の制御処理を行う制御手段としての集中処理装置(CPU)2を備えており、このCPU2には、以下の各要素が信号の授受可能に接続されている。
【0029】
すなわち、上記CPU2に接続される要素には、各種の情報画像を表示する画面を有する表示手段としてのモニター6と、乗員が操作をする入力手段としての入力スイッチ4と、GPS(Global Positioning System)を利用して車両の経路誘導を行うための、GPSアンテナ及び地図データ等を含むナビゲーション部32と、時刻を検出する時計33と、テレビ及びラジオのチューナー34と、車外に設けられたサーバー71との間で無線通信を行う路車間通信手段35と、上記路車間の無線通信とは別に、車内において近距離の無線通信を行う近距離通信手段36と、乗員が携帯するID発信機72との間で信号の送受信を行うID送受信機37と、記憶手段としてのROM38、RAM39及びデータベース(以下、DBとも称する)5と、が含まれる。
【0030】
上記サーバー71は、各種のコンテンツ情報を有していて、情報表示装置1からの要求を受けてそのコンテンツ情報を上記情報表示装置1に提供するように構成されている。コンテンツ情報としては、地点情報、ニュース・天気予報の情報、及びレストランのメニュー情報(このことについては後述する)等が含まれる。
【0031】
また、上記サーバー71は、車両の遠隔故障診断を行うように構成されており、上記車両(情報表示装置1)から送信された各種の検出データに基づいて車両の異常等を判断すると共に、その判断結果を上記情報表示装置1に提供するように構成されている。
【0032】
そうして、上記情報表示装置1は、上記サーバー71から路車間通信を介して各種の情報を取得し、その取得した情報を上記モニター6に表示する。
【0033】
上記近距離通信手段36は、例えばBluetooth(登録商標)や赤外線通信等によって近距離の無線通信を行う手段であり、本実施形態では、乗員が携帯する携帯電話73との間で無線通信を行い、それによって上記情報表示装置1は、携帯電話73に対して送信された電子メールのデータを取得する。そして、上記情報表示装置1は、取得した電子メールを上記モニター6に表示する(このことについての詳細は後述する)。
【0034】
上記ID送受信機37は、上述したように、乗員が携帯するID発信機72との間で信号の送受信を行い、それによって、上記ID発信機72に登録されているID情報とそのID発信機72の位置とを検出する。
【0035】
ここで、ID情報は乗員を識別するための情報であり、本実施形態では、乗員それぞれがID発信機72を携帯しており、それらのID発信機72には互いに異なるID情報が登録されているとする。
【0036】
ID送受信機37はリクエスト信号を送信する一方、ID発信機72はそのリクエスト信号に応答して登録されているID情報を送信するようになっている。そして、ID発信機72が送信したID情報を上記ID送受信機37が受信することによって、そのID発信機72を携帯している乗員が誰であるかを特定することが可能にされている。
【0037】
また、上記ID送受信機37は、ID発信機72からの発信信号に基づいてそのID発信機72の位置を検出するが、そのID発信機72の位置の検出方法は、種々の公知の方法が採用可能であり、特に限定されるものではない。検出方法の一例として、ID送受信機37が、運転席側と助手席側とのそれぞれに所定範囲の電界を発生するアンテナを備えるようにしてもよい。つまり、運転席側のアンテナからのリクエスト信号に対してのみID発信機72がID信号を返信するときにはそのID発信機72が運転席側に位置していると判定する一方、助手席側のアンテナからのリクエスト信号に対してのみID発信機72がID信号を返信するときにはそのID発信機72が助手席側に位置していると判定する。また、双方のアンテナからのリクエスト信号に対してID発信機72がID信号を返信するときにはID発信機72の位置を特定することができないため、この場合は、後述するようにID発信機72が座席に対応する位置に存在しないと判定する。
【0038】
尚、上記ID発信機72を、キーレスエントリーシステムにおいて乗員が携帯する携帯型通信機とし、上記ID送受信機37は、そのキーレスエントリーシステムにおいて上記携帯型通信機に対して信号を送受信する装置としてもよい。このように既存のシステムを流用することで、本実施形態に係る情報表示装置1を安価に構成することが可能になる。
【0039】
上記入力スイッチ4は、後述するようにモニター6が運転席側と助手席側とで互いに異なる情報画像を個別に表示可能であることに対応して、CPU2に対して入力信号を独立に出力することができる運転席側入力スイッチ41と助手席側入力スイッチ42との2つの入力スイッチを含む。
【0040】
上記運転席側入力スイッチ41及び助手席側入力スイッチ42はそれぞれ、図2に示すように、車幅方向の略中央位置に設けられたセンターパネル82における運転席側と助手席側とに設けられており、各入力スイッチ41,42は、図5に示すように、カーソルキー43と決定キー44とを備えている。乗員は上記カーソルキー43を操作することによって、モニター6に表示される情報画像において上下左右にカーソルを移動させて情報画像に含まれるボタン等の選択を行うと共に、上記決定キー44を操作することによって、上記カーソルによって選択されたボタン等の実行を決定することが可能にされている。
【0041】
このように、乗員は入力スイッチ4を操作することによって、後述する各種の情報画像における設定操作や選択操作等の入力操作を行うようになっており、運転席側及び助手席側入力スイッチ41,42は上記モニター6と共に、インターフェース手段を構成する。ここで、本情報表示装置1では、上記モニター6が運転席側と助手席側とで互いに異なる情報画像を個別に表示可能であることから、運転席に着座する乗員用と、助手席に着座する乗員用との、2つの独立したインターフェース手段が設けられることになる(図3参照)。
【0042】
上記ROM38には、上記CPU2が実行する各種プログラムや、モニター6に表示される情報画像(図7等参照)のデータが格納され、上記RAM39は、各種情報を一時的に記憶し、上記データベース5は、後述するように、乗員毎に各種の設定情報を記憶する。
【0043】
ここで、上記RAM39及びデータベース5は、それぞれHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の公知の情報記憶機器によって構成すればよい。また、これらの記憶手段39,5は、別のHDDやフラッシュメモリ等によって構成してもよいし、例えばRAM39とデータベース5とを、同じ一つのHDDやフラッシュメモリ等によって構成してもよい。また、上記データベース5は、後述するように表示情報登録DB51と、表示形態登録DB52との2種類を含むが、この2つのデータベース51,52は、同じ一つのHDDやフラッシュメモリ等によって構成してもよいし、別のHDDやフラッシュメモリ等によって構成してもよい。
【0044】
上記モニター6は、図2,3に示すように、車室内前方に設けられたインストルメントパネル81の車幅方向中央位置に配置されており、それによって運転席91に着座した乗員と助手席92に着座した乗員とのそれぞれが、その画面を視認可能となっている。
【0045】
そうして、上記情報表示装置1のCPU2は、入力スイッチ4からの入力信号を受け、ROM38から必要なプログラムを読み込んでそのプログラムに従って各種の制御、すなわち、上記モニター6に各種の情報画像を表示する表示制御、情報画像の表示と共に入力スイッチ4からの入力信号を受け付けるインターフェース制御、上記受け付けた入力信号に応じた処理を実行する制御等を行う。
【0046】
その制御の実行に際し、上記CPU2は必要に応じて、入力スイッチ4からの入力情報やサーバー71から取得した情報等をRAM39やデータベース5に記憶したり、ROM38、RAM39及びデータベース5に記憶されている情報を読み込んだり、路車間通信手段35を介した情報の送受信を行ったり、近距離通信手段36を介した情報の送受信を行ったり、ID送受信機37による信号の送受信を行ったり、する制御を行う。
【0047】
具体的に上記CPU2は、例えばテレビ機能としてチューナー34によって受信したテレビ映像をモニター6に表示する表示制御を実行する。
【0048】
また、上記CPU2は、近距離の無線通信によって携帯電話73から取得した電子メールをモニター6に表示したり、路車間通信によってサーバー71から送信された車両故障情報(遠隔故障診断の診断結果)をモニター6に表示したりする表示制御を実行する。
【0049】
さらに、上記CPU2は、ナビゲーション部32の機能として、現在地周辺の地図を上記モニター6に表示する表示制御、経路誘導における目的地を設定するための目的地設定画面をモニター6に表示して乗員に対し入力スイッチ4による目的地の設定入力を促すインターフェース制御、及び設定された目的地に基づいて経路を設定する経路設定制御を実行する。
【0050】
加えて、上記CPU2は、情報表示装置1のブラウザ機能として、上記サーバー71から路車間通信によって取得した各種の情報、例えば後述するようなレストランのメニュー選択画面等をモニター6に表示して乗員に対し入力スイッチ4による選択入力等を促すインターフェース制御、及び入力内容に応じた処理(メニュー選択画面の場合は、注文処理等)を実行する。
【0051】
ここで、本実施形態では、上記モニター6は、その画面に対する視線の角度に応じて異なる情報画像が表示可能に構成されており、本実施形態では特に、運転席91に着座した乗員と助手席92に着座した乗員とに対応する表示方向へ、それぞれ異なる情報画像を表示させるように構成されている。
【0052】
つまり、上記モニター6は、図4に示すように、液晶パネル60を備えていて、その表示面は、一定幅で上下方向(図4において紙面垂直方向)に延びる複数の第1の帯状部61と第2の帯状部62とから構成されている。これら第1及び第2の帯状部61、62は車幅方向に対して交互に配置されている。
【0053】
また、上記液晶パネル60の表面側(車室内側)には透明カバー63が配置されており、この透明カバー63の表面には、第1の遮光帯64が、その裏面には、第2の遮光帯65がそれぞれ設けられている。
【0054】
上記各遮光帯64,65の幅は、上記帯状部61,62の幅と同一であると共に、第1及び第2の各遮光帯64,65は、その帯幅と同じ間隔を隔てて車幅方向に等ピッチで形成されている。また、第1の遮光帯64と第2の遮光帯65とは、1/2ピッチだけ左右方向に形成位置をずらしており、これによって、各遮光帯64,65の間は光通過スリット66,67となっている。
【0055】
そうして、上記CPU2によって、第1の帯状部61に運転席用の情報画像を表示し、第2の帯状部62に助手席用の情報画像を表示することにより、上記透明カバー63によって、上記運転席用の画像は運転席91に着座した乗員91aに、上記助手席用の情報画像は助手席92に着座した乗員92aに、それぞれ選択的に視認されるようになる。
【0056】
この構成により、例えば運転席91に着座した乗員91aに対しては、ナビゲーション部32が行う経路誘導に係る地図の表示を行う一方で、助手席92に着座した乗員92aに対しては、テレビ番組の表示を行うこと等が可能になる。また、運転席側と助手席側とに対して互いに異なる情報ソースの画像、即ち異なる情報に関する画像を表示する以外にも、例えば同じ情報ソースに係る画像、即ち単一の情報に関する画像であっても、その情報画像の表示形態を運転席側と助手席側とで異ならせたり、特定の乗員、例えば運転席側にのみ割り込み表示をしたり、すること等が可能になる。
【0057】
尚、上記第1及び第2の帯状部61,62で同じ情報画像を表示すれば、運転席91に着座した乗員91aが視認する情報画像と、助手席92に着座した乗員92aが視認する情報画像が同じになる。そこで、上記CPU2は、運転席側情報画像と助手席側情報画像とを個別に制御する個別表示制御と、運転席側情報画像と助手席側情報画像とを同一に制御する一般表示制御とを切り替えるようになっている。
【0058】
(情報表示装置の構成に関する変形例)
上記モニター6において、透明カバー63に設ける第1の遮光帯及び第2の遮光帯を液晶によって構成し、その遮光帯を制御によって現出及び消滅可能にすれば、遮光帯を現出させて運転席方向と助手席方向とのそれぞれの角度方向(表示方向)に対してのみ情報画像を表示する状態と、遮光帯を消滅させて角度方向に拘わらず情報画像を表示する状態とに切り替えることが可能になる。つまり、個別表示制御では、情報画像が視認される角度方向が限定される状態とし、一般表示制御では、情報画像が視認される角度方向が限定されない状態としてもよい。
【0059】
また、例えば透明カバー63に設ける第1の遮光帯及び第2の遮光帯を液晶によって構成し、その遮光帯の位置を制御によって変更可能、換言すれば光通過スリットの位置を変更可能に構成すれば、情報画像が視認される方向を変更させることが可能になる。
【0060】
さらに、上記液晶パネルと光通過スリットとの構成によっては、情報画像が視認される角度方向が、運転席側と助手席側との2方向だけでなく、3方向以上にすることも可能である。そのことによって、運転席に着座した乗員、助手席に着座した乗員、及び後席に着座した乗員それぞれ対して、異なる情報画像を表示することも可能である。
【0061】
さらにまた、前席用としてインストルメントパネルにモニターを配置すると共に、後席用としてルーフにモニターを配置して、各モニターを上記の構成の如く、右方向と左方向とに、それぞれ異なる情報画像を表示させるように構成してもよい。この場合、運転席に着座した乗員、助手席に着座した乗員、後席右側に着座した乗員及び後席左側に着座した乗員それぞれ対して、異なる情報画像を表示することが可能になる。
【0062】
加えて、画面に対する視線の角度に応じて異なる情報画像が表示可能に構成されるモニターは、光通過スリットによるものに限らない。例えば液晶パネルの表面側にその液晶パネルからの光を複数の方向に偏向させる偏向素子を設けた構成であってもよい。
【0063】
(個人適合表示制御)
上述したように上記情報表示装置1は、個別表示制御では、運転席側と助手席側とで互いに異なる情報画像を表示させることが可能である。このことを利用して、本実施形態に係る情報表示装置1は、運転席側の情報画像の表示形態を運転席に着座している乗員に応じて変更する一方、助手席側の情報画像の表示形態を助手席に着座している乗員に応じて変更する制御を行う。つまり情報画像における文字の大きさを変更したり、文字の色を変更したりしてその表示形態を変更し、それによって、情報画像の表示形態を特定の乗員(個人)に適合させる。
【0064】
また、上記情報表示装置1は、運転席に着座している乗員に応じて運転席側の情報画像に含まれる情報を変更する一方、助手席に着座している乗員に応じて助手席側の情報画像に含まれる情報を変更する制御を行う。つまり、例えば携帯電話73から取得した電子メールを、その携帯電話73の所有者(そのメールの宛先である乗員)にのみ表示し、他の乗員に対しては表示しない、といった制御を行う。
【0065】
そうして、モニター6は一つであるものの、あたかも乗員毎に複数のモニターを設けている状態と等価にしかつ、それぞれのモニターの表示を乗員に最適化する制御(個人適合表示制御)を行う。
【0066】
こうした個人適合表示制御を行うためには、どの乗員がどの座席に着座しているかを特定する必要があるが、本情報表示装置1では、上述したID送受信機37と、乗員が携帯するID発信機72とによって、その特定を行う。
【0067】
以下、上記情報表示装置1における個人適合表示制御について図面を参照しながら説明する。この制御は登録制御、乗員位置検出制御及び個別表示制御の3つの制御を含み、各制御を順に説明する。
【0068】
(登録制御)
登録制御は、各乗員の表示形態及び表示情報をデータベース5に予め登録するための制御であり、この登録制御は、図6に示すフローチャートに従って行われる。つまり、図6は、CPU2が実行する登録制御のフローチャートを示していて、CPU2は、乗員による入力スイッチ4の操作によって登録制御が選択されたときには、ROM38からID対応登録画面を読み出してそれを情報画像としてモニター6に表示する(ステップSA1)。尚、登録制御においてモニター6に表示する各情報画像(図7,8,9)は、一般表示制御での表示として運転席側と助手席側とで同じに表示してもよいし、個別表示制御での表示として上記入力操作が行われた入力スイッチ4側の座席に対してのみ表示してもよい。
【0069】
このID対応登録画面は、図7に示すように、登録するIDを選択するボタン(ID1,ID2)、表示情報の設定を行うか、又は表示形態の設定を行うかを選択するボタン(表示情報設定、表示形態設定)と、を含む。
【0070】
乗員による入力スイッチ4の操作によって表示情報設定及び表示形態設定のいずれが選択されたかを判定し(ステップSA2)、表示情報設定が選択されたときにはステップSA3に移行し、表示形態設定が選択されたときにはステップSA6に移行する。
【0071】
上記ステップSA3では、ROM38から読み込んだ表示情報設定画面をモニター6に表示し、乗員に対してこの設定画面における設定・入力を行わせる(図8参照)。図8の例は「ID1」に関する設定画面を示していて、この設定画面には、「携帯転送メール情報表示設定」、「車両故障情報表示設定」及び「番組予約情報表示設定」の3つの項目が含まれる。
【0072】
上記携帯転送メール情報表示設定は、乗員が携帯する携帯電話73が受信したメールの情報を情報表示装置1に転送して、そのモニター6に表示するか否かを設定する項目である。つまり、ここで設定する情報は、特定の乗員に対して送信される突発的な情報である。
【0073】
この携帯転送メール情報表示設定の項目には、転送したメール情報をモニター6に表示するか否かを設定するボタン(転送メール情報表示)と、モニター6に表示する場合(ON設定の場合)に、近距離通信手段36による通信のために、携帯電話73を特定するための識別IDを入力する欄(識別ID)と、メール情報を特定の乗員にのみ表示するか否か、換言すればメール情報を個別表示制御で表示させるか又は一般表示制御で表示させるか、を設定するボタン(ID1のみ表示)とが含まれる。図例では、転送したメール情報をモニター6に表示すると共に、識別IDが「○×△」と入力され、さらにメール情報をID1の乗員にのみ表示する、と設定されている。
【0074】
上記車両故障情報表示設定は、上記サーバー71が実行する遠隔故障診断において、故障が発見されたときに車両(情報表示装置1)に対して送信される電子メールの情報をモニター6に表示するか否かを設定する項目である。つまり、ここで設定する情報は、車両に対して送信される突発的な情報である。
【0075】
この車両故障情報表示設定の項目には、メール情報をモニター6に表示するか否かを設定するボタン(車両故障情報表示)と、メール情報を特定の乗員にのみ表示するか否か、換言すればメール情報を個別表示制御で表示させるか又は一般表示制御で表示させるか、を設定するボタン(ID1のみ表示)とが含まれる。図例では、メール情報をモニター6に表示すると共に、そのメール情報をID1の乗員にのみ表示する、と設定されている。
【0076】
上記番組予約情報表示設定は、特定のテレビ又はラジオの番組が始まることをモニター6に表示するか否かを設定する項目である。つまり、ここで設定する情報は、乗員に関係するスケジュール情報である。
【0077】
この番組予約情報表示設定の項目には、番組情報をモニター6に表示するか否かを設定するボタン(番組情報表示)と、モニター6に表示する場合(ON設定の場合)に、その番組を特定するための入力欄(CH(テレビの場合)/Hz(ラジオの場合)、時間、1回だけか、毎日か、毎週特定の曜日か)と、番組情報を特定の乗員にのみ表示するか否か、換言すれば番組情報を個別表示制御で表示させるか又は一般表示制御で表示させるか、を設定するボタン(ID1のみ表示)とが含まれる。図例では、番組情報をモニター6に表示すると共に、毎週金曜日の12:00に始まる○CH(又はHz)の番組が登録され、その番組情報をID1の乗員にのみ表示する、と設定されている。
【0078】
また、表示情報設定画面には、「決定」及び「戻る」の各ボタンが設けられており、「決定」ボタンを操作したときには、この表示情報設定画面において行った各項目の選択・入力内容が確定され、「戻る」ボタンを操作したときには、確定せずにID対応登録画面に戻る。
【0079】
そうして、ステップSA4では、上記表示情報設定画面において設定・入力がされたか否かを判定し、設定・入力がされたのYESのときにはステップSA5において、その設定・入力内容を、表示情報登録DB51に登録する。
【0080】
尚、以下の説明においては、この表示情報設定に係る情報(転送メール情報、車両故障情報及び番組情報)を総称して特定情報と呼ぶ。
【0081】
これに対し、ステップSA6では、ROM38から読み込んだ表示形態設定画面をモニター6に表示し、乗員にこの設定画面における設定・入力を行わせる(図9参照)。図9の例は「ID1」に関する設定画面を示していて、この設定画面には、「字体」、「フォントサイズ」、「色」、「言語」及び「スクリーン」の5つの項目が含まれる。ここで、「字体」は情報画像における文字の字体を設定する項目であり、ここでは「角字」「丸字」を選択的に設定するように構成されている。同様に「フォントサイズ」は情報画像における文字の大きさを設定する項目であり、ここでは「10」「12」「14」「16」の内から一つを選択的に設定するように構成されている。「色」は情報画像における文字の色を設定する項目であり、ここでは「黒」「赤」を選択的に設定するように構成されている。「言語」は情報画像における言語を設定する項目であり、ここでは「日本語」「英語」を選択的に設定するように構成されている。「スクリーン」は情報画像における壁紙を設定する項目であり、ここでは「標準」「花柄」を選択的に設定するように構成されている。
【0082】
このように、表示形態設定は、モニター6に表示される情報画像の形態を各乗員の視覚的な特性(視力、色覚等)に最適化したり、情報画像の形態を各乗員の嗜好に適合させたりすることが可能である。
【0083】
また、表示形態設定画面には、「決定」「戻る」及び「標準に戻す」の各ボタンが設けられており、「決定」ボタンを操作したときには、この表示形態設定画面において行った各項目の選択・入力内容が確定され、「戻る」ボタンを操作したときには、確定せずにID対応登録画面に戻り、「標準に戻す」ボタンを操作したときには、各項目が所定の内容(デフォルト)に設定される。
【0084】
そうして、ステップSA7では、上記表示形態設定画面において設定・入力がされたか否かを判定し、設定・入力がされたのYESのときにはステップSA8において、その設定・入力内容を、表示形態登録DB52に登録する。
【0085】
上記ID対応登録画面(図7参照)にはまた、表示情報設定に関する設定項目として、上記表示情報設定画面において設定した内容を適用する条件を設定する項目が設けられている。すなわち、表示情報設定画面において設定した内容を、運転席に着座しているときのみ適用するか否かを設定する項目が設けられて、「はい」のときには、その乗員(ここではID1の乗員)が運転席に着座しているときのみ、表示情報設定画面において設定した内容が適用され、その乗員が運転席以外の座席に着座しているときには、表示情報設定画面において設定した内容が適用されないことになる。逆に「いいえ」のときには、その乗員(ここではID1の乗員)がどの座席に着座していても、表示情報設定画面において設定した内容が適用されることになる。このように、表示情報設定画面において設定した内容を適用する条件を設定することは、乗員が運転席に着座しているときは、情報をモニター6に表示することが望ましい一方、乗員が助手席に着座しているときは、情報をモニター6に表示する必要性が乏しいことを考慮したためである。つまり、助手席に着座しているときは、電子メール等の情報を自身が携帯する携帯電話を通じて取得してもよいことから、表示情報設定画面において設定した内容を適用する条件を設定可能にすることによって、使い勝手の向上が図られる。
【0086】
また、上記ID対応登録画面には、上記表示情報設定画面において設定した内容を、運転席に着座しているときのみ適用する場合において、携帯転送機能を行うか否かを設定する項目と、携帯転送機能を行う場合に必要となる携帯電話73のアドレス(サーバー71から携帯電話73に電子メールを送信するときのアドレス)を入力する欄と、が設けられている。携帯転送機能は、乗員が運転席以外の座席に着座しているときに、上記転送メール情報、車両故障情報、及び番組情報をモニター6に表示しないで、その乗員が携帯している携帯電話73に転送する機能である。図例では、ON設定され、携帯アドレスが入力されている。尚、ここでの携帯転送機能は、サーバー71から携帯電話73に電子メールを送信するようにしているが、これとは異なり近距離無線通信によって情報表示装置1から携帯電話73にメール情報を送信してもよい。
【0087】
図10は、表示情報登録DB51の構成(同図(a))、及び表示形態登録DB52の構成(同図(b))を示していて、各データベース51,52には、上記ID対応登録画面、表示情報設定画面、表示形態設定画面のそれぞれで設定・入力された内容が、キー情報としての対象IDと対応付けられて記憶されている。
【0088】
(乗員位置検出制御)
乗員位置検出制御は、所定のタイミングでID発信機72の検出を行うことにより、どの乗員がどの座席に着座しているかを特定する制御である。換言すれば、乗員位置検出制御は、データベース5のキー情報である乗員IDと、その位置(座席)とを対応付けるための制御である。この制御は、図11に示すフローチャートに従って行われる。
【0089】
ここで、上記情報表示装置1のCPU2には、図1,3に示すように、左右の前輪の車輪速によって車速を検知する車輪速センサ83と、運転席側及び助手席側それぞれのドアの開閉を検知するドアセンサ84と、がそれぞれ信号の授受可能に接続されており、これらのセンサの検知信号がCPU2に入力される。上記車輪速センサ83の検知信号及びドアセンサ84の検知信号は、乗員位置検出制御においては、ID発信機72の検出タイミングの決定に利用される。
【0090】
この乗員位置検出制御は、ドアのロックが解除された時点、つまり乗員が乗車する直前から、車両停止状態でドアがロックされた時点、つまり乗員が降車した時点まで、後述する個別表示制御とは独立して実行される。
【0091】
図11においてステップSB1では、ドアセンサ84の検出に基づいてドアが開閉されたか否かを判定し、開閉されたのYESのときはステップSB4に移行し、開閉されていないのNOのときはステップSB2に移行する。
【0092】
ステップSB2では、車輪速センサ83の検出結果に基づいて車両停車状態であるか否かを判定し、停車状態であるのYESのときはステップSB4に移行し、停車状態でないのNOのときはステップSB3に移行する。
【0093】
ステップSB3では、マニュアル操作があったか否か、つまり入力スイッチ4の操作によって乗員位置の検出リクエストがあったか否かを判定し、操作があったのYESのときはステップSB4に移行し、操作が無かったのNOのときにはリターンする。
【0094】
上記ステップSB4では、ID送受信機37からリクエスト信号を発信し、その信号に対するID発信機72の応答があったか否かを判定する(ステップSB5)。そうして、応答があった(ID情報が検出された)のYESのときにはステップSB6に移行する一方、応答がなかった(ID情報が検出されていない)のNOのときにはステップSB8に移行する。
【0095】
ステップSB6では、検出されたID発信機72の位置は座席に対応しているか否かを判定し、対応しているのYESのときにはステップSB7に移行して、ID位置情報をRAM39に記憶させる一方、対応していないのNOのときにはステップSB8に移行してID位置情報を消去(記憶しない)する。ここで、「ID発信機72の位置が座席に対応している」とは、乗員が運転席又は助手席に着座していることが判別可能である場合をいう。
【0096】
そうして、ID発信機72の位置が座席に対応している場合には、上記RAM39には、乗員IDと座席とが対応づけられて記憶される。例えばID1が運転席で、ID2が助手席である、という情報がRAM39に記憶される。
【0097】
このように、乗員位置検出制御は、ドアの開閉時に行われるため、乗員が乗車する際に、また乗員が降車する際には、それぞれ乗員位置検出が行われる。また車両の停止時に、車室内で乗員が座席を移動する場合があることを考慮して、車両の停止時にも、乗員位置検出制御を行う。このことにより、どの乗員がどこに着座しているかを、より正確に特定することが可能になる。また、ID送受信機37による検出ミス等により、乗員とその乗員が視認する情報画像の表示とが適合していないとき等には、マニュアル操作によって、ID送受信機37に対し再度検出を実行させることが可能になる。
【0098】
(個別表示制御)
個別表示制御は、上記の乗員位置検出制御の検出結果に基づき、上記登録制御においてデータベース5に登録された内容に従って、運転席側の情報画像及び助手席側の情報画像の表示形態を乗員に合わせて個別に変更すると共に、その各情報画像に含まれる情報を乗員に合わせて変更する制御である。
【0099】
この個別表示制御は、図12に示すフローチャートに従って行われる。図12のフローチャートは、個別表示制御のメインフローを示していて、ステップSC1で各種データを読み込み、ステップSC2で表示情報判定制御を行う。続くステップSC3で表示タイミング設定制御を行い、ステップSC4で、上記ステップSC2,SC3において設定された内容を基にモニター6の表示制御を行う。以下ステップSC2,3,4の各ステップにおける制御について、図13,14,15に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0100】
図13は、上記ステップSC2における表示情報判定制御のフローチャートを示していて、この表示情報判定制御では、上記特定情報を取得したか否かを判定する。
【0101】
先ずステップSD1では、転送メール情報を取得したか否かを判定する。携帯電話73が受信したメール情報を近距離通信によって取得したのYESのときにはステップSD4に移行し、取得していないのNOのときにはステップSD2に移行する。
【0102】
ステップSD2では、車両故障情報を取得したか否かを判定し、路車間通信によってサーバー71から車両故障情報を受信したのYESのときにはステップSD4に移行し、受信していないのNOのときにはステップSD3に移行する。
【0103】
ステップSD3では、表示情報登録DB51に登録されている情報と、時計33によって検出される時刻情報とを基に、番組情報の報知時期になったか否かを判定し、報知時期になったのYESのときにはステップSD4に移行し、報知時期になっていないのNOのときにはリターンする。
【0104】
上記ステップSD4では、それらの情報を特定情報としてRAM39に一時記憶し、リターンする。このときRAM39には、その特定情報がどの乗員に関係するか(ID1の乗員であるか、ID2の乗員であるか)を併せて記憶しておく。
【0105】
図14は、図12のステップSC3における表示タイミング設定制御のフローチャートを示していて、この表示タイミング設定制御では、取得した特定情報をモニター6に表示するタイミングを種々の状況に応じて最適に設定する。
【0106】
先ずステップSE1では、RAM39に特定情報が記憶されているか否かを判定する。記憶されているのYESのときには、ステップSE2に移行する一方、記憶されていないのNOのときにはそのままリターンする。
【0107】
上記ステップSE2では、その特定情報はドライバー(運転席に着座している乗員)に対する情報であるか否かを判定する。ドライバーに対する情報であるのYESのときにはステップSE3に移行する一方、ドライバーに対する情報でないのNOのときにはステップSE4に移行する。
【0108】
上記ステップSE3では、車輪速センサ83の検出結果に基づいて車両が走行中であるか否かを判定する。そうして、走行中であるのYESの時には、ステップSE5に移行する一方、走行中でないのNOのときはステップSE4に移行する。
【0109】
上記ステップSE4では、モニター6に現在表示されている情報(上記の特定情報に関連する乗員側に表示されている情報)はメール情報であるか否かを判定し、メール情報でないのNOの時にはステップSE6に移行し、メール情報であるのYESの時にはステップSE7に移行する。同様にステップSE5では、モニター6に現在表示されている情報はメール情報であるか否かを判定し、メール情報でないのNOの時にはステップSE8に移行し、メール情報であるのYESの時にはステップSE9に移行する。
【0110】
ステップSE6では、表示タイミングを情報取得時に設定し、ステップSE7では、表示タイミングを現在表示している情報(つまりメール情報)が変更された時に設定し、ステップSE8では、表示タイミングを車両が停車したときに設定し、ステップSE9では、表示タイミングを現在表示している情報が変更されかつ、車両が停車したときに設定する。
【0111】
すなわち、ドライバーに対して情報を表示する場合は、車両停車時であることが望ましいため、特定情報の表示タイミングは少なくとも停車時に設定する。また、モニター6にメール情報が表示されているときは、乗員はそのメールを読んでいると考えられるため、そこに別の特定情報をさらに表示する(割り込み表示)ことは好ましくない。そこで、モニターに現在表示されている情報がメールであるときにはそのメール表示状態が変更された時点に、表示タイミングを設定する。そうして、ステップSE7,SE8,SE9では特定情報の表示を待機するのに対し、ステップSE6では待機をせずに、すぐにモニター6に表示するように、タイミングを設定する。
【0112】
図15は、図12のステップSC4における表示制御のフローチャートを示していて、そのステップSF1では、ID位置情報がRAM39に記憶されているか否かを判定する。記憶されている、つまり各乗員とその着座位置とが特定されているときにはステップSF2に移行し、記憶されていない、つまり各乗員とその着座位置とが特定されていないときにはステップSF3に移行する。
【0113】
ステップSF2では、その乗員に対応する表示形態の設定が登録されているか否かを、表示形態登録DB52を参照することによって判定し、表示形態の設定が登録されているのYESのときにはステップSF4に移行する一方、登録されていないのNOのときにはステップSF5に移行する。
【0114】
上記ステップSF4では、上記表示形態登録DB52に登録されている情報に基づいて、運転席側及び/又は助手席側の表示形態を変更し、ステップSF5に移行する。従って、表示形態の設定が登録されていないときには、モニター6の表示形態は変更されない。
【0115】
上記ステップSF5では、RAM39に特定情報があるか否かを判定し、特定情報が無いのNOのときにはステップSF14に移行して、特定情報以外の通常情報の表示を実行する。この通常情報には、例えばナビゲーション部32において表示する画面としての現在地周辺の地図や、テレビ番組、等が含まれる。
【0116】
一方、ステップSF5で特定情報があるのYESのときにはステップSF6に移行する。ステップSF6では、表示情報登録DB51を参照して、当該特定情報が個別表示制御の対象であるか否かを判定する。つまり、表示情報登録DB51(図10参照)において「個別表示」がONであるか否かを判定し、OFFであるときは特定表示の対象ではないとして、一般表示制御で上記特定情報を表示する(ステップSF12)。従って運転席側と助手席側との双方において特定情報が表示される。これに対し「個別表示」がONであるときには特定表示の対象であるとして、ステップSF7に移行する。
【0117】
ステップSF7では、その特定情報の対象である乗員は運転席に着座しているか否か、又は運転席に着座していていない場合はその乗員は助手席着座時にも個別表示を適用するか否か(表示情報登録DB51において運転席着座時のみがNOであるか)否かを判定する。ステップSF7でYESのときにはステップSF8に移行する一方、NOのときにはステップSF10に移行する。
【0118】
ステップSF8では、表示情報登録DB51の登録内容に応じて表示方向を運転席側又は助手席側に設定し、続くステップSF9で、上記表示タイミング設定制御において設定されたタイミングで特定情報の表示を行う(特定表示制御)。
【0119】
一方、上記ステップSF10では、携帯転送機能がONであるか否かを判定し、ONであるときにはステップSF11に移行する。一方、OFFであるときにはステップSF13に移行する。上記ステップSF11では、登録されている携帯アドレスに特定情報を電子メールによって送信する。この電子メールは、上述したように、路車間通信手段35によりサーバー71を介して携帯電話73に送信されることになる。これによって、乗員は携帯電話73において特定情報の内容を確認することができる。
【0120】
SF3では、RAM39に特定情報があるか否かを判定し、特定情報が無いのNOのときにはステップSF14に移行して、特定情報以外の通常情報の表示を実行する一方、特定情報があるのYESのときにはステップSF13に移行する。。
【0121】
上記ステップSF13では、特定情報が存在していてもモニター6においてその特定情報を表示することを禁止する。つまり、ID位置情報が存在してないとき(乗員がどの座席に着座しているかが特定できていないとき)には、モニター6に特定情報を表示することが禁止される。これは他の乗員に特定情報を見せないという機能を考慮したものである。また、表示情報登録DB51に登録された内容に従って、特定情報をモニター6に表示しない(個別表示制御によっても表示しない)状況であるときには、当然にモニター6に特定情報を表示しないようにする。
【0122】
次に、以上の個人適合表示制御によってモニター6にはどのような情報画像が表示されるか、を図面を参照しながら説明する。
【0123】
図16は、サーバー71から送られてきたレストランメニューをモニター6に表示してる例を示している。図16の上図は、一般表示制御によってモニター6に情報画像を表示している状態を示しており、この場合は運転席側と助手席側との双方に同じ情報画像が表示されていることになる。
【0124】
ここで、表示形態登録DB52に表示形態設定が存在している(ステップSF2でYES)のときには、表示形態が変更されるが、表示形態の変更による乗員の違和感を軽減するために、図16の上図に示すように、CPU2は、モニター6に確認メッセージを割り込み表示して、表示形態の変更を実行するか否かを乗員に選択入力させても良い。
【0125】
入力スイッチ4の操作によって表示形態の変更が選択されれば、一般表示制御から個別表示制御に切り替えられ、それによって表示形態が変更されることになる(ステップSF4)。その結果、図16の下図に示すように、運転席側から視認される情報画像と助手席側から視認される情報画像とは互いに異なることになる。つまり、情報画像に含まれる情報は同じ(ここではレストランメニューという単一の情報)であるものの、DB52に登録されている内容に応じて、その情報画像における文字の大きさ(フォントサイズ)が互いに異なるようになる。図例では、助手席側の情報画像では、比較的小さいフォントサイズであるのに対し、運転席側の情報画像では、比較的大きいフォントサイズである。
【0126】
このように表示形態を変更することによって、乗員にとって見易い形態で、各種の情報を提供することができる。このときに、運転席に着座した乗員と助手席に着座した乗員とが共通に視認する情報画像において表示形態を変更したのでは、ある乗員にとっては見易い形態であったとしても、他の乗員にとっては見難い形態となる場合があり、その場合は他の乗員に見難い形態を強いることになってしまう。これに対し、上記情報表示装置1は、運転席に着座した乗員と助手席側に着座した乗員とのそれぞれに対して別の情報画像を表示することができることから、各乗員に対し個別に表示形態を変更することができる。その結果、乗員毎に表示形態を最適化することができる。
【0127】
尚、図16の下図は、理解容易のために、運転席側の情報画像と助手席側の情報画像とを横方向に並べて描いているが、本情報表示装置1は、モニター6の画面に対する視線の方向が相違することによって運転席側の情報画像と助手席側の情報画像とがそれぞれ視認されるのであり、モニター6の画面を左右に分割して表示しているのではない。つまり、本情報表示装置1は、複数の情報画像を同時に表示するものであるものの、各情報画像の面積は小さくならない。
【0128】
また、図17は、ナビゲーション部32における現在地周辺の地図を、運転席側及び助手席側のそれぞれに表示している例を示している。
【0129】
ここで、運転席に着座している乗員が携帯している携帯電話73から情報表示装置1にメール情報が転送されたときには(ステップSF5でYESかつ、ステップSF6でYES)、DB51の登録内容に応じて、運転席側の情報画像にのみメールの着信を知らせる割り込み表示が行われる。このときに助手席側の情報画像には割り込み表示が行われない。これにより運転席に着座している乗員は、助手席に着座している乗員に知られることなく、メールの着信及びメールの内容を確認することができる。一方、助手席に着座している乗員は、自分とは無関係な情報がモニター6の画面に表示されることがない。
【0130】
このように表示情報を運転席側と助手席側とで変更することによって、乗員は個人的な情報を、他の乗員に迷惑をかけることなく取得することができる。
【0131】
ここで、図17の右図に示すメール着信に係る割り込み表示には、「全文を見る」「消去」「共有」の3つのボタンが含まれており、乗員は入力スイッチ4の操作によってこれらを選択することが可能にされている。
【0132】
この内「全文を見る」を選択したときには、そのメールの全文が運転席側の情報画像としてモニター6に表示される。また「消去」を選択したときには、割り込み表示が消去される。
【0133】
また「共有」を選択したときには、CPU2は個別表示制御から一般表示制御に切り替えて、メールの情報を運転席側と助手席側との双方に表示する。つまり、本情報表示装置1は、乗員の要求に応じて個別表示制御を解除し、特定の乗員にのみ表示している情報を、他の乗員にも表示するように構成されている。これによって、上記の例のように、他の乗員にもメールの内容を見せたいという要求を満たすことができ有用である。
【0134】
このように上記の情報表示装置1によると、運転席に着座する乗員が視認する情報画像と、助手席に着座する乗員が視認する情報画像とを互いに異ならせることが可能であることを利用して情報画像の表示形態を乗員毎に設定することにより、乗員それぞれが見易い形態で情報画像を視認することができ、ユーザフレンドリーなインターフェースを乗員に提供することができる。
【0135】
また、上記の情報表示装置1によると、乗員毎に表示する情報を設定して、特定の乗員のみに情報を表示することができるため、各乗員は他の乗員に迷惑をかけることなく情報を取得することができる。
【0136】
さらに、表示情報及び表示形態を予めデータベース5に登録しておくと共に、ID送受信機37とID発信機72とによってどの乗員がどの座席に着座しているかを自動的に検出してその検出結果に応じて個人適合表示制御を行うため、例えば乗車する度等に個人適合表示制御のための設定を行う必要がなく、そうした設定の煩わしさが解消される。
【0137】
加えて、上記の個人適合表示制御は、一つのモニター6によって行うため、例えば乗員毎にモニターを設けることとは異なり、限られた空間である車室内において特に有効である。しかも、モニター6の画面を分割して分割画面のそれぞれで異なる情報画像を表示する構成では各情報画像のサイズが小さくなるのに対し、本情報表示装置1は、画面(情報画像)のサイズを縮小することなく複数の情報画像が表示可能である点でも有用である。
【0138】
尚、乗員IDと座席とを対応づける方法としては、上述したように、ID送受信機37によってID発信機72のID信号とその位置とを検出する方法以外にも、乗員が入力スイッチ4の操作によって、乗員IDと座席との対応を入力する方法を採用してもよい。例えば「ID1の乗員が運転席に着座している」という内容を入力スイッチ4の操作によって入力し、CPU2がその入力内容をRAM39に記憶しておけばよい。
【0139】
(個人適合表示制御に関する変形例)
上記実施形態では、表示情報設定及び表示形態設定をそれぞれ乗員IDと対応づけてデータベース5に登録し、ID検出手段としてのID送受信機37によってID発信機72のID信号とその位置とを検出することによって、乗員IDと座席とを対応づけていたが、これに代えて、表示情報設定及び表示形態設定をそれぞれ座席と対応づけてデータベース5に登録してもよい。これは、運転席の着座する乗員と助手席に着座する乗員とがそれぞれ決まっている場合に特に有効である。
【0140】
尚、この変形例では、IDを検出する必要がないため、ID送受信機37は省略することが可能である。
【0141】
次に、図18〜20を参照しながら、表示情報設定及び表示形態設定を座席に対応づけて登録する実施形態について説明する。
【0142】
図18は、登録制御においてモニター6に表示される座席対応登録画面を示していて、登録する座席を選択するボタン(運転席,助手席)、表示情報の設定を行うか、又は表示形態の設定を行うかを選択するボタン(表示情報設定、表示形態設定)と、を含む。
【0143】
乗員による入力スイッチ4の操作によって、この座席対応登録画面において表示情報設定が選択されたときには表示情報設定画面がモニター6に表示され、表示形態設定が選択されたときには表示形態設定画面がモニター6に表示される。尚、表示情報設定画面及び表示形態設定画面はそれぞれ、図8,9とほぼ同じであるため、その説明は省略する。
【0144】
また上記座席対応登録画面には、「一時停止状態にする?」という項目が設けられている。この項目は、データベース5に登録している設定を一時的に停止させるか否かを設定する項目である。つまり、通常運転席に着座する人が助手席に着座した場合に、又はその逆の場合において設定する項目であり、「はい」を選択したときには登録した設定が一時的に停止され、「いいえ」を選択したときには停止されることなく、登録した設定に従って個人適合表示制御が行われる。乗員は、乗車した際、又は座席を移動した際に、手動でこの項目を設定することになる。
【0145】
また、変形例では、設定を一時停止にした場合に、特定情報を携帯電話73に転送可能に構成されており、座席対応登録画面における「携帯アドレス」の項目は、転送先の携帯電話73を指定する項目である。
【0146】
この変形例においては、図19に示すように、キー情報としての座席と対応づけられて、座席対応登録画面、表示情報設定画面及び表示形態設定画面のそれぞれで設定・入力された内容がデータベース5に登録されることになる。尚、図19(a)は、表示情報登録DB51の構成、図19(b)は、表示形態登録DB52の構成を示す。
【0147】
また、この変形例ではキー情報が座席であるため、キー情報には位置情報が含まれていることになる。そのため、キー情報と位置(座席)とを対応づけるための、乗員位置検出制御が不要である。
【0148】
さらに、この変形例では、個別表示制御のメインフローは上記の実施形態と同じである(図12参照)。また、そのメインフローにおけるステップSC1,SC2,SC3はそれぞれ上記の実施形態と同じである(図13,14参照)が、表示制御は上記の実施形態とは異なる。
【0149】
図20は、変形例に係る表示制御のフローチャートを示している。このフローでは、先ずステップSG1において、運転席及び/又は助手席に対応する表示形態の設定が登録されているか否かを、表示形態登録DB52を参照することによって判定し、設定されているのYESのときにはステップSG2に移行する一方、設定されていないのNOのときにはステップSG3に移行する。
【0150】
上記ステップSG2では、上記表示形態登録DB52に登録されている情報に基づいて、運転席側及び/又は助手席側の表示形態を変更し、ステップSG3に移行する。従って、表示形態の設定が登録されていないときには、表示形態は変更されない。
【0151】
上記ステップSG3では、特定情報があるか否かを判定し、特定情報が無いのNOのときにはステップSG10に移行して、特定情報以外の一般情報の表示を実行する。
【0152】
一方、ステップSG3で特定情報があるのYESのときにはステップSG4に移行する。ステップSG4では、表示情報登録DB51を参照して、当該特定情報が個別表示制御の対象であるか否かを判定する。特定表示の対象ではないのNOのときは、一般表示制御で上記特定情報を表示する(ステップSG9)。従って運転席側と助手席側との双方において特定情報が表示される。これに対し特定表示の対象であるのYESのときは、ステップSG5に移行する。
【0153】
ステップSG5では、一時停止状態であるか否かを判定し、一時停止状態であるのYESのときにはステップSG8に移行する一方、一時停止状態でないのNOのときにはステップSG6に移行する。
【0154】
ステップSG6では、データベース5の登録内容に応じて表示方向を運転席側又は助手席側に設定し、続くステップSG7で、上記表示タイミング設定制御において設定されたタイミングで特定情報の表示を行う(特定表示制御)。
【0155】
一方、上記ステップSG8では、登録されている携帯アドレスに特定情報を電子メールによって送信する。この電子メールはサーバー71を介して携帯電話73に送信されることになる。これによって、乗員は携帯電話73において特定情報の内容を確認することができる。
【0156】
この変形例に係る制御は特に、上述したように、運転席及び助手席に着座する乗員が特定の人に定まっている場合に有効であり、その場合、上記実施形態と同じ効果を奏する。
【0157】
また、変形例では、どの乗員がどの座席に着座しているかを検出するのではなく、座席(運転席及び助手席)方向に画一的に制御するものの、入力スイッチ4の操作によって、個人適合表示制御を一時的に停止させることが可能であるため、画一的な制御による不都合、例えば乗員と表示形態とが不適合になること等が解消される。
【0158】
さらに、個人適合表示制御を一時的に停止するときには、特定情報を携帯電話73に転送可能であるため、乗員は、例えば他の乗員に知られることなく特定情報を取得することができる。
【0159】
次に、上述したように、運転席側と助手席側とのそれぞれに異なる情報画像を表示可能に構成された情報表示装置1におけるアプリケーションの例として、ナビゲーション部32の機能である目的地設定制御と、ブラウザ機能であるレストランメニュー選択制御とについて説明する。
【0160】
(目的地設定制御)
目的地設定制御は、ナビゲーション部32が行う経路誘導に係る目的地を乗員が設定するための制御である。通常の目的地設定制御は、一つのモニター6に表示される情報画像において一人の乗員が入力スイッチ4を操作することによって目的地を設定する。また、例えば複数の目的地(経由地)を設定する場合は、その目的地を順次設定していくことになる。
【0161】
これに対し、本実施形態に係る目的地設定制御は、情報表示装置1が、運転席側と助手席側とに複数(2つ)の情報画像を表示可能であると共に、入力スイッチ4が運転席側と助手席側とのそれぞれに設けられている点に鑑みて、複数の乗員それぞれが同時に且つ独立して目的地を設定することを可能にする。つまり、上記CPU2は、単一の情報(同じ情報ソース)に係る情報画像を運転席側と助手席側に同時に且つそれぞれ独立してモニター6に表示させると共に、運転席側及び助手席側に表示された情報画像に対してそれぞれ運転席側及び助手席側入力スイッチ41、42から出力される入力信号をそれぞれ独立に受けて、該入力信号に基づく処理をそれぞれ独立に実行する(個別のインターフェース制御(第1のモード))。一方、上記CPU2は、単一の情報(情報ソース)に係る情報画像を運転席側と助手席側とに拘わらず同じにモニター6に表示させると共に、運転席側及び助手席側に同じに表示された情報画像に対して運転席側又は助手席側入力スイッチ41、42から出力される入力信号を受けて、該入力信号に基づく処理を実行することもできる(通常のインターフェース制御(第2のモード))。この通常のインターフェース制御では、運転席側及び助手席側に同じに表示された情報画像に対して運転席側入力スイッチ41と助手席側入力スイッチ42とに拘わらずの何れか一方の入力スイッチによって入力操作を行う。
【0162】
図21は、目的地設定制御のメインフローを示していて、先ず、入力スイッチ4の操作によって目的設定制御が選択された時には、ステップSH1において、ROM38から目的地設定画面を読み出してそれを情報画像としてモニター6に表示する。この目的地設定画面は、図23の上図に示すように、「名称で設定」、「地図で設定」、「電話番号で設定」の3つの項目を含んでいる。この点は、一般的な目的地設定画面を同じである。本実施形態に係る目的地設定画面において通常とは異なる点は、「個別目的地設定」のボタンを含むことであり、このボタンが選択操作されたときには、運転席に着座した乗員と助手席に着座した乗員とのそれぞれが個別に、目的地設定画面において目的地を設定することが可能になる。つまり、図21に示すフローのステップSH2において、個別目的地設定ボタンが押されたか否かが判定され、押されたのYESのときはステップSH3に移行する一方、押されていないのNOのときはステップSH4に移行する。
【0163】
ステップSH3では、後述する個別閲覧設定制御(個別のインターフェース制御)を実行し、ステップSH4では、通常の設定制御(通常のインターフェース制御)を実行する。この通常の目的地設定制御は一般的な制御であるため、ここではその説明を省略する。
【0164】
図22は、個別閲覧設定制御(個別のインターフェース制御)のフローを示していて、ステップSI1では、運転席側と助手席側とのそれぞれに対して同時に目的地設定画面を表示する。つまり、情報画像に含まれる情報としては目的地設定という単一の情報として同じであるが、互いに独立した目的地設定画面を表示する。そうして、ステップSI2において運転席側及び助手席側のそれぞれでスイッチ操作に応じた処理をそれぞれ独立に実行する。これによって、例えば図23の下図に示すように、運転席に着座した乗員は地図で目的地を設定する一方、助手席に着座した乗員は名称で目的地を設定する、といったことが可能になる。
【0165】
そうして、運転席側及び助手席側入力スイッチ41,42それぞれの操作によって、運転席側情報画像及び助手席側情報画像において目的地が設定されれば、CPU2は各入力スイッチ41,42から出力される入力信号としての目的地設定信号をそれぞれ独立に受けて、その目的地設定信号に基づいた目的地情報をRAM39に記憶する。
【0166】
ステップSI3ではそれぞれ、目的地が設定されたか否かを判定し、設定されたのYESのときにはステップSI4に移行する一方、設定されていないのNOのときにはステップSI2に戻る。
【0167】
ステップSI4では、CPU2がRAM39から記憶されている上記目的地情報を読み出し、該目的地情報に基づいて、運転席側及び助手席側それぞれにおいて設定された目的地までの経路を演算して設定する。これにより、図24の上図に示すように、運転席に着座した乗員(乗員1)により設定された目的地(Aスタジアム)までの経路が設定されて、その経路が運転席側情報画像として表示される一方、助手席に着座した乗員(乗員2)により設定された目的地(C公園)までの経路が設定されて、その経路が助手席側情報画像として表示される。このとき、各情報画像には他の乗員が設定した目的地の情報が含まれる。つまり、運転席側には乗員2の設定した目的地の情報(乗員2 目的地:C公園)が、助手席側には乗員1が設定した目的地の情報(乗員1 目的地:Aスタジアム)が表示される(相互表示)。この相互表示によって、他の乗員とは個別に目的地を設定した後で他の乗員が設定した目的地を確認することができ、経路設定に際し、乗員間で検討する機会が確保される。
【0168】
運転席側の情報画像にはまた「共有表示」のボタンが設けられており、このボタンが選択操作されたときには、個別表示制御から、運転席側の情報画像と助手席側の情報画像とを同じにする一般表示制御に切り替わる。つまり、図22のフローのステップSI5でYESのときには、ステップSI6において共有表示を行う。これは図24の中図に示すように、モニター6には、乗員1及び乗員2のそれぞれが設定した目的地までの経路が地図上に重畳して表示されると共に、乗員1が設定した目的地までの経路の情報、及び乗員2が設定した目的地までの経路の情報がそれぞれ表示される。こうして、共有表示においては、ステップSI2においてRAM39に記憶されている全ての目的地及び該目的地までの経路の情報が同じ情報画像上に表されて、該情報画像がモニター6の運転席側及び助手席側に同じに表示させる。その結果、乗員同士で全ての目的地及び該目的地までの経路の情報を確認及び検討する機会を確保することができる。さらに、全ての目的地を一見して把握することができるため、経路設定のための判断を上記相互表示時よりも行い易い。
【0169】
この共有表示の情報画像には「複合設定」のボタン及び「決定」のボタンが設けられている。「決定」ボタンが選択操作されたときには、ステップSI7からSI8に移行する(ステップSI7でNO)の一方、「複合設定」ボタンが選択操作されたときには、ステップSI7からSI9に移行する(ステップSI7でYES)。「決定」ボタンは、乗員1が設定した目的地までの経路の情報及び乗員2が設定した目的地までの経路のいずれか一方を選択して、それを経路誘導の経路とする場合に選択操作するボタンである。従って、ステップSI8では、選択された経路を、ナビゲーション部32による経路誘導の経路に設定する。このように、CPU2は、上記RAM39に記憶されている目的地に基づいて1つの経路を演算する。そうして、ナビゲーション部32による経路誘導が開始される。
【0170】
これに対し、ステップSI9では複合経路の設定処理が実行される。この複合経路の設定処理とは、乗員1及び乗員2のそれぞれが設定した目的地全てを含む経路を演算する処理である。こうした処理、つまり複数の目的地(経由地)を含む経路を設定する処理は、公知の種々の方法を採用することができるため、ここではその説明を省略する。
【0171】
そうして、複合経路が設定されれば、モニター6にはその経路を示す情報画像が表示され(図24の下図参照)、その情報画像に含まれる「決定」ボタンを選択操作することによって、ナビゲーション部32による経路誘導が開始される。このように、CPU2は、上記RAM39に記憶されている全乗員(乗員1及び乗員2)が設定した目的地全てを含む1つの経路を演算することもできる。また、CPU2が複数の目的地に基づいて1つの経路を自動的に設定するため、乗員が複数の目的地に基づいて1つの経路を検討して設定する必要がない。
【0172】
このように、運転席側情報画像と助手席側情報画像とを個別に制御可能であると共に、各情報画像に対応して、その情報画像上での操作が可能な入力スイッチ4(運転席側及び助手席側入力スイッチ41,42)を備えた上記の情報表示装置1では、複数の乗員が同時にしかも個別に目的地を設定する、という新たな目的地設定手法を乗員に提供することができる。
【0173】
また、複数の乗員が同時に且つ個別に目的地を設定できるため、各乗員は他の乗員の意向を気にすることなく(他の乗員に干渉されたり、他の乗員を干渉したりすることなく)、自分の希望する目的地を設定することができる。そうして、各乗員が設定した目的地に基づいて、それら複数の目的地全てを含む経路を設定可能にしたため、各乗員の意向を反映した経路を設定することができる。また、各乗員が目的地を設定した場合でも、いずれかの目的地を選択して経路を設定することも可能である(ステップSI8)ため、経路設定の自由度が高まる。さらに、複数の乗員が同時に目的地を設定することができるため、目的地の設定時間を短縮することができる。
【0174】
(目的地設定制御に関する変形例)
上記の例では、運転席に着座した乗員(乗員1)と助手席に着座した乗員(乗員2)との二人の乗員それぞれが目的地を設定していて二つの目的地を複合していたが、上述したように、情報表示装置1のモニター6を、運転席に着座した乗員、助手席に着座した乗員、後席に着座した乗員のそれぞれに対して異なる情報画像を表示可能に構成すると共に、各乗員に対応して入力スイッチ4を設けることによって、三人以上の乗員が三つ以上の目的地を設定し、それらを複合して経路を設定するようにしてもよい。
【0175】
例えば図25の上図は、乗員1〜乗員4の四人の乗員それぞれが目的地を設定した場合における共有表示の情報画像を示している。つまり、乗員1はAスタジアムを目的地に設定し、乗員2はC公園を目的地に設定し、乗員3はD寺院を目的地に設定し、乗員4はB高層ビルを目的地に設定している。このように四人の乗員が目的地を設定する場合であっても、共有表示においては、RAM39に記憶されている四人全員の目的地及び該目的地までの経路の情報が同じ情報画像上に表されて、該情報画像がモニター6の表示方向に拘わらず同じに表示させる。尚、各乗員が目的地の設定を行う個別閲覧設定制御において、各乗員の目的地が設定されたときには、上記の乗員が二人の場合と同様に、各乗員の情報画像には他の三人の乗員が設定した目的地の情報が含まれることになる(相互表示)。
【0176】
この情報画像において「複合設定」のボタンが選択操作されたときには、上述したように4つの目的地を経由する経路が設定される。
【0177】
ここで、多数の目的地が設定された場合、それら全てを含む経路を設定したのでは適当な経路が設定されない場合も考えられる。そこで、複合経路の設定に際し、乗員が条件を設定可能にして、その条件を満たす経路を設定可能にしてもよい。つまり、図25の上図に示すように、上記CPU2は、モニター6に複合条件を設定するための欄を表示するようにして(つまり、条件設定に関する情報画像を表示する)、乗員に対して複合条件の設定を促すと共に、入力スイッチ4を操作することで該入力スイッチ4から出力される入力信号に基づいて複合条件(後述の最終目的地、主目的地、主経由地、所要時間又は迂回度合い等)をRAM39に記憶しておいて、複合経路の設定に際しそのRAM39から読み出した複合条件を満足するように経路を設定してもよい。
【0178】
ここで、複合条件としては、目的地の選択に関すること、時間に関すること、距離に関すること、等が挙げられる。具体的に複合条件としては、複数の目的地の内から最終目的地を予め設定すること(他の目的地は経由地とする)、複数の目的地の内から主目的地及び/又は主経由地を設定すること(他の目的地は経路の設定に際し除外することを許容する)、所要時間を予め設定する(全ての目的地を経由する経路が所要時間を超える場合には、一つ又はいくつかの目的地を経路の設定に際し除外する)、許容できる迂回度合いを予め設定する(複数の目的地の内の一つ又はいくつかの目的地が、他の目的地(最終目的地、主目的地、主経由地を含む)に対し大幅に離れているときには、その離れている目的地を経路の設定に際し除外する)、といった条件等が挙げられる。これらの複合条件を組み合わせることによって、最終目的地までの所要時間に基づく条件、最終目的地に至る最短経路に対する迂回度合いに基づく条件、主経由地を経由して最終目的地まで至る最短経路に対する迂回度合いに基づく条件等、さらに詳細な複合条件を設定することができる。最終目的地までの所要時間に基づく条件としては、最終目的地までの所要時間が設定した所要時間よりも短くなるように、又は最終目的地までの所要時間が設定した所要時間に近づくように目的地を選択する条件等が挙げられる。最終目的地に至る最短経路(又は主経由地を経由して最終目的地まで至る最短経路)に対する迂回度合いに基づく条件としては、迂回経路の距離と最終目的地まで至る最短経路(又は主経由地を経由して最終目的地まで至る最短経路)の距離との差、迂回経路の所要時間と最終目的地まで至る最短経路(又は主経由地を経由して最終目的地まで至る最短経路)の所要時間との差、最終目的地まで至る最短経路(又は主経由地を経由して最終目的地まで至る最短経路)の距離に対する迂回経路の距離の比、最終目的地まで至る最短経路(又は主経由地を経由して最終目的地まで至る最短経路)の所要時間に対する迂回経路の所要時間の比等が設定した差又は比よりも小さくなるように目的地を選択する条件等が挙げられる。こうした条件は、乗員による入力スイッチ4の操作により設定される。
【0179】
図25の例では、複合条件として、最終目的地が「C公園」に設定され、所要時間が「60分以内」に設定され、迂回度合いが「中」に設定されており(同図の上図参照)、この条件で複合経路を設定した場合に、D寺院及びB高層ビルを経由してC公園に至る経路が設定され、Aスタジアムが、迂回度合いが大きいという理由で、経路の設定に際し除外された例が示されている(同図の下図参照)。このとき、主経由地として「Aスタジアム」を設定して、Aスタジアムを必ず経由してC公園に至る経路を設定することもできる。尚、最終目的地や主経由地は、各乗員により設定されてRAM39に記憶されている目的地の中から該当する目的地を選択することによって設定してもよく、RAM39に記憶されている目的地以外に最終目的地又は主経由地として別途設定してもよい。
【0180】
このように、複数の乗員によって設定された複数の目的地に基づいて一つの経路を設定する際に、条件を設定可能にすることによって、適切な経路を設定することが可能になる。
【0181】
(レストランメニュー選択制御)
次に、レストランメニュー選択制御について説明する。この制御は、例えばこれから向かおうとするレストランにおける注文(いわゆるドライブスルーも含む)を、車両内において予め可能にする事前予約システムに係る制御である。
【0182】
この事前予約システムの構成を簡単に説明すると、本システムは、情報表示装置1とサーバー71とを含み、上記サーバー71はレストランメニューの情報を配信する機能を有すると共に、注文信号を受け付ける機能を有する。また、情報表示装置1は、そのブラウザ機能によって、レストランメニューの情報をモニター6に表示すると共に、入力スイッチ4の操作に応じて注文信号を上記サーバー71に送信する。
【0183】
この構成により、事前予約システムでは以下のようにしてレストランに対する事前の注文を行う。すなわち、上記路車間通信を介して上記情報表示装置1からサーバー71にレストランメニューの閲覧要求を送信したときには、サーバー71から情報表示装置1にレストランメニューの情報が配信される。
【0184】
上記情報表示装置1では、そのブラウザ機能を利用して、受信したレストランメニューをモニター6に表示する。乗員はモニター6に表示されているレストランメニューを見ながら入力スイッチ4を操作して、所望の料理を選択すると共にサーバー71に対して選択した料理の注文を行う。
【0185】
情報表示装置1は、入力スイッチ4からの入力信号に基づいて、少なくとも選択された料理の情報と、車両(又は乗員)を識別するための情報(車両ID、乗員の場合は乗員ID)とを含む注文信号(送信信号)を上記サーバー71に送信する。サーバー71は、受信した注文信号をレストランに転送する。こうしてレストランに到着する前に注文を行うことが可能になり、実際にレストランに到着した後に注文を行う必要がなくなる。
【0186】
尚、上記注文信号に車両の現在地情報を含めるようにすれば、その車両がレストランに到着する時刻を予測することが可能になるため、その予測に応じて調理等を行うようにすれば、到着後に長時間待たせることなく、商品(料理)を提供することも可能である。
【0187】
ここで、上記情報表示装置1は、通常のインターフェース制御と個別のインターフェース制御とを切り替えて行うことが可能であるため、上記レストランメニューをモニター6に表示するに際し、通常のインターフェース制御を行う場合は、運転席側と助手席側とで同じ情報画像を表示して、運転席側又は助手席側入力スイッチ41,42による操作に応じて料理の選択及び注文を行うことになる。これに対し、個別のインターフェース制御を行う場合は、運転席側と助手席側とで異なる情報画像を表示して、運転席側及び助手席側それぞれの入力スイッチ4による操作に応じて独立に料理の選択を行うことが可能になる。つまり、個別のインターフェース制御では、各乗員が個別にレストランメニューを見ながら料理の選択を行うことが可能になる。
【0188】
次に、上記のレストランメニュー選択制御について、図26に示すフローを参照しながら具体的に説明する。先ず、上述したように、入力スイッチ4による操作によってレストランメニューの表示が要求されれば、ステップSJ1において、レストランメニューメイン画面をモニター6に表示させる。レストランメニューメイン画面は、例えば図27の上図に示すように構成されていて、「洋食」「日本食」「ドリンク」の選択ボタンが設けられると共に、「個別閲覧設定」ボタンが設けられている。
【0189】
続くステップSJ2では、上記の個別閲覧設定ボタンが選択されたか否かを判定し、選択されたのYESではステップSJ9に移行する一方、選択されないのNOではステップSJ3に移行する。
【0190】
上記ステップSJ3〜SJ8は、通常のインターフェース制御によるレストランメニューの選択制御であり、ステップSJ3ではレストランメニュー画面をモニター6に表示し(この場合、運転席側と助手席側とで同じレストランメニュー画面が表示される)、ステップSJ4において入力スイッチ4(運転席側入力スイッチ41及び助手席側入力スイッチ42のいずれであってもよい)のスイッチ操作に応じた処理を実行する。つまり、レストランメニュー画面において、「次へ」のボタンが選択操作されるのに応じて、次のページの情報画像をサーバー71からダウンロードする処理を行ったり、料理が選択されるのに応じて情報画像内の「注文状況」の表示を更新したりする処理を行う(図27の中図参照。ただし、該中図は個別閲覧設定時における画面であり、通常の閲覧設定では「ID1(ID2)専用メニュー」等の表示はない)。
【0191】
ステップSJ5では、全ての設定(料理の選択)が終了した際に操作される「設定終了」ボタンが操作されたか否かを判定し、操作されていないのNOのときにはステップSJ3に戻る一方、操作されたのYESのときにはステップSJ6に移行する。
【0192】
上記ステップSJ6では、選択した内容を確認するための確認画面をモニター6に表示し(図27の下の右図参照)、その確認画面に設けられた「注文」のボタンが操作されたか否かを判定する(ステップSJ7)。操作されていないのNOのときはステップSJ6に戻り、操作されたのYESのときはステップSJ8において、選択された料理を特定する情報と車両IDとを含む注文信号を送信手段としての路車間通信手段35によってサーバー71に送信する注文処理を実行する。
【0193】
この通常のインターフェース制御によるレストランメニュー選択制御に対し、ステップSJ9〜SJ18は、個別のインターフェース制御によるレストランメニュー選択制御であり、その内、ステップSJ9〜SJ12は運転席側のインターフェース制御に係るステップであり、ステップSJ13〜SJ16は助手席側のインターフェース制御に係るステップである。
【0194】
ここで、上記ステップSJ9,SJ10における運転席側のインターフェース制御は、上記ステップSJ3,SJ4における、通常のインターフェース制御によるレストランメニューの選択制御と同じである。つまり、レストランメニュー画面を運転席側情報画像としてモニター6に表示し(ステップSJ9、図27の中央右側の図参照)、入力スイッチ4のスイッチ操作に応じた処理を実行する(ステップSJ10)。ここで、上記運転席側のインターフェース制御において上記サーバー71から送信されたレストランメニューに係る情報画像は、情報表示装置1のRAM39に記憶される(キャッシュする)。
【0195】
一方、助手席側のインターフェース制御においても、レストランメニュー画面を助手席側情報画像としてモニター6に表示し(ステップSJ13、図27の中央左側の図参照)、入力スイッチ4のスイッチ操作に応じた処理を実行する(ステップSJ14)。ここで、助手席側のインターフェース制御は、運転席側のインターフェース制御とは異なり、レストランメニュー画面等は、上記RAM39に記憶されているものを利用し、情報画像をサーバー71からダウンロードする処理は行わない。すなわち、サーバー71に対する情報のやりとりは、運転席側入力スイッチ41の操作に応じて行われ、助手席側入力スイッチ42を操作しても行われない。尚、運転席側入力スイッチ41の操作に応じて、予めレストランメニューの全ての情報をダウンロードしてRAM39に記憶させておいてもよい。こうすることによって、助手席側入力スイッチ41の操作に応じて自由にレストランメニュー画面を表示させることができる。
【0196】
この選択制御中における運転席側情報画像及び助手席側情報画像には、それぞれ他の乗員の選択状況(注文状況)が含まれる(図27の中図において、運転席側の情報画像(ID1専用メニュー)の「ID2注文状況」及び助手席側の情報画像(ID2専用メニュー)の「ID1注文状況」参照)。
【0197】
そうして、運転席側及び助手席側のそれぞれのインターフェース制御において、「設定終了」ボタンが操作されたか否かを判定し(ステップSJ11,SJ15)、操作されていないのNOのときにはステップSJ9又はSJ13に戻る。
【0198】
ここで、本情報表示装置1では、後述するように、注文処理は運転席側入力スイッチ41の操作に従って行うように構成されていることから、運転席側の情報画像においては、助手席側のインターフェース制御において設定が完了しない限り設定終了ボタンを操作することができないように構成される。そうして、上記助手席側のインターフェース制御において「設定終了」ボタンが操作されたときには、選択した料理を特定するための情報がRAM39に記憶される。
【0199】
助手席側のインターフェース制御において「設定終了」ボタンが操作されれば、運転席側の情報画像における「ID2注文状況」の欄に「設定終了」が表示され、これによって運転席に着座した乗員は助手席に着座した乗員が選択を完了したことが認識可能になる。この状態で運転席側情報画像における「設定終了」ボタンが操作可能になり、そのボタンが操作されたときには、ステップSJ11からSJ12に移行して、確認画面を運転席側情報画像としてモニター6に表示する。同時に確認画面は助手席側情報画像としてもモニター6に表示される(ステップSJ12,SJ16、図27の下図参照)。尚、上記運転席側情報画像には助手席の乗員の注文状況が含まれるため、運転席側の乗員は、運転席側情報画像における「設定終了」ボタンが操作可能になることを待っている間、助手席側の乗員の注文状況を確認することができる。
【0200】
ここで、上記2つの確認画面の内、運転席側の確認画面には「注文」ボタンが設けられるのに対し、助手席側の確認画面には「注文」ボタンが設けられておらず、このことにより、注文処理は運転席側の乗員のみが可能にされている。
【0201】
そうして、運転席側のインターフェース制御において、「注文」のボタンが操作されたか否かを判定し(ステップSJ17)、操作されていないのNOのときはステップSJ12に戻り、操作されたのYESのときはステップSJ18において、選択された料理を特定する情報と車両IDとを含む一纏まりの注文信号を上記路車間送信手段35によってサーバー71に一括して送信する注文処理を実行する。これによって、二人の乗員それぞれが選択した料理の情報がまとめてサーバー71に送信されることになる。
【0202】
このように、運転席側と助手席側とでインターフェース制御を個別に行うことによって、上述したように、各乗員が自由に自分のペースでメニューの閲覧及び料理の選択を行うことが可能になる。
【0203】
また、メニューの閲覧及び料理の選択は各乗員が個別に行うものの、各乗員は一緒にレストランに向かうことになるため、注文処理を一括して行うことは合理的である。さらに、レストランがドライブスルー形態を採用する場合には、車両1台につき商品を取り揃えると共に会計を行うことができる。このため、レストランと車両とをやりとりを簡易にすることができる。
【0204】
さらにまた、上記サーバー71が複数のレストランメニューを有する場合であって、サーバー71へ何れのレストランメニューの閲覧要求を送信するかを車両内で決める場合等には、上記情報表示装置1は通常のインターフェース制御によって全乗員で同じ情報画像(例えばレストランの一覧表や、車両周辺に存在するレストランが表示された地図情報)を見ながらレストランを選択することができる一方、サーバー71から所望のレストランメニューが配信された後には、上記情報表示装置1は個別のインターフェース制御によって各乗員がそれぞれ独立した情報画像(レストランメニュー)を見ながら所望の料理を選択することができる。このように入力操作の内容及び状況に応じて通常のインターフェース制御と個別のインターフェース制御とを切り替えることができるため、入力操作時の利便性を向上させることができる。
【0205】
(レストランメニュー選択制御に関する変形例)
上記の実施形態では、個別のインターフェース制御においては運転席側の処理を主とし、助手席側の処理を従として、サーバー71に対する情報のやりとりを、運転席側入力スイッチ41の操作に応じてのみ行うようにしていたが、例えば運転席側の処理と助手席側の処理とをそれぞれ独立して行うようにしてもよい。つまり、サーバー71に対する情報のやりとりが、運転席側入力スイッチ41及び助手席側入力スイッチ42のいずれの操作に応じても行われるようにしてもよい。
【0206】
図28は変形例に係るレストランメニュー選択制御のフローを示している。この制御は、運転席側のインターフェース制御と助手席側のインターフェース制御とのそれぞれにおいて個別に、サーバー71に対する情報のやりとりを行う点が、図26に示すフローとは異なる。
【0207】
先ず、ステップSK1においてレストランメニューメイン画面(図27参照)をモニター6に表示し、続くステップSK2において個別閲覧設定ボタンが選択されたか否かを判定する。選択されたのYESのときはステップSK4,SK10に移行し、選択されていないのNOのときはステップSK3に移行する。ステップSK3では通常のインターフェース制御によるレストランメニューの選択制御を行う。これは図26のフローにおけるステップSJ3〜SJ8に対応し、ここではその詳細な説明を省略する。
【0208】
一方、ステップSK4〜SK9は運転席側のインターフェース制御であり、ステップSK10〜SK15は助手席側のインターフェース制御である。すなわち、助手席側のインターフェース制御であるステップSK10〜SK15はそれぞれ、運転席側のインターフェース制御であるステップSK4〜SK9と同じであり、ステップSK4,SK10では、レストランメニュー画面を運転席側及び助手席側情報画像としてモニター6に表示し、ステップSK5,SK11では入力スイッチ4のスイッチ操作に応じた処理を実行する。ここで、上記運転席側のインターフェース制御及び助手席側のインターフェース制御のそれぞれにおいてサーバー71に対する情報のやりとりが行われる。
【0209】
そうして、運転席側及び助手席側のそれぞれのインターフェース制御において、「設定終了」ボタンが操作されたか否かを判定し(ステップSK6,SK12)、操作されていないのNOのときにはステップSK4又はSK10に戻り、操作されているのYESのときには、ステップSK7,SK13にそれぞれ移行する。
【0210】
ここで、変形例では、運転席側のインターフェース制御と助手席側のインターフェース制御とが互いに独立して行われるため、それぞれの情報画像において独立に設定終了ボタンを操作することができるようになっている。但し、変形例においても、選択制御中の運転席側情報画像及び助手席側情報画像には、それぞれ他の乗員の選択状況(注文状況)を含めてもよい(図27の中図参照)。
【0211】
そうして、ステップSK7,SK13では確認画面を運転席側及び助手席側情報画像としてそれぞれモニター6に表示する。
【0212】
ここで、図示は省略するが、上記運転席側及び助手席側の確認画面それぞれに「注文」ボタンが設けられており、運転席側のインターフェース制御及び助手席側のインターフェース制御のそれぞれにおいて「注文」のボタンが操作されたか否かを判定し(ステップSK8,SK14)、操作されていないのNOのときはステップSK7又はSK13に戻り、操作されたのYESのときはステップSK9,SK15のそれぞれにおいて、選択された料理を特定する情報と車両ID(乗員IDであってもよい)とを含む注文信号を上記路車間送信手段35によってサーバー71に送信する注文処理を実行する。このように、変形例では二人の乗員それぞれが選択した料理の情報が、個別にサーバー71に送信されることになる。このように個別に注文処理を行うことは、外部に対して車両としてではなく乗員個人としてやりとりを行いたい場合、例えば、各乗員が個別に会計する場合に有用である。
【0213】
尚、図26のフローにおいて、各乗員の選択した料理の情報を一括して注文する一括注文モードと、各乗員が個別に注文する個別注文モードとの2つのモードを設けてもよい。すなわち、変形例のように運転席側及び助手席側それぞれのインターフェース制御において、注文処理を実行可能にしてもよい。
【0214】
逆に、図28のフローにおいても、一括注文モードと、個別注文モードとの2つのモードを設けてもよい。
【0215】
尚、ここでは情報表示装置1のブラウザ機能を利用した、運転席側と助手席側とで個別にインターフェース制御を行う構成を、レストランメニューの選択を例として説明したが、これはレストランメニューの選択に限るものではなく、その他の場合にも適用可能であることは言うまでもない。例えばレンタルビデオ店に対する注文を行う場合等にも適用可能である。
【0216】
また、上記登録制御においても、個別のインターフェース制御によって、モニター6の運転席側と助手席側とにID対応登録画面を同時に且つそれぞれ独立に表示させて、運転席側及び助手席側入力スイッチ41、42によってそれぞれ独立に入力操作を行えるようにしてもよい。
【0217】
さらに、上述したように、情報表示装置1のモニター6を、運転席に着座した乗員、助手席に着座した乗員、後席に着座した乗員のそれぞれに対して異なる情報画像を表示可能に構成すると共に、各乗員に対応して入力スイッチ4を設けることによって、三人以上の乗員それぞれに対し個別に、上記のインターフェース制御を行うようにしてもよい。
【0218】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のようにしてもよい。つまり、上記実施形態では、入力手段を、乗員が手で操作する入力スイッチ4としているが、例えば音声入力による入力手段としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0219】
以上説明したように、本発明は、複数の目的地又は経由地がある場合でも個々の乗員が希望する目的地又は経由地が反映された経路を設定することができるから、車室内に設けられる車両用情報表示装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】モニター及び入力スイッチの配置を示す図である。
【図3】上記車両用情報表示装置に係る一部要素の配置を示す図である。
【図4】モニターの横断面図である。
【図5】入力スイッチの構成を示す図である。
【図6】登録制御のフローチャートである。
【図7】ID対応登録画面の一例である。
【図8】表示情報設定画面の一例である。
【図9】表示形態設定画面の一例である。
【図10】(a)表示情報登録DBの構成の一例を示す図、(b)表示形態登録DBの構成の一例を示す図である。
【図11】乗員位置検出制御のフローチャートである。
【図12】表示制御のメインフローチャートである。
【図13】表示情報判定制御のフローチャートである。
【図14】表示タイミング設定制御のフローチャートである。
【図15】表示制御のフローチャートである。
【図16】モニターに表示される画面の一例であり、表示形態設定に応じて運転席側と助手席側とで表示形態が異なる場合を説明する図である。
【図17】モニターに表示される画面の一例であり、表示情報設定に応じて運転席側と助手席側とで表示情報が異なる場合を説明する図である。
【図18】座席対応登録画面の一例を示す図である。
【図19】(a)表示情報登録DBの構成の他の例を示す図、(b)表示形態登録DBの構成の他の例を示す図である。
【図20】変形例に係る表示制御のフローチャートである。
【図21】目的地設定制御のメインフローチャートである。
【図22】個別閲覧設定制御のフローチャートである。
【図23】目的地設定画面の一例を示す図であり、個別閲覧設定により運転席側と助手席側とのそれぞれで目的地を設定する場合を説明する図である。
【図24】目的地設定画面の一例を示す図であり、個別閲覧設定により運転席側と助手席側とのそれぞれで目的地を設定する場合を説明する図である。
【図25】目的地設定画面の一例を示す図であり、複合条件を満たすように経路が設定された場合を説明する図である。
【図26】レストランメニュー選択制御のフローチャートである。
【図27】レストランメニュー選択画面の一例を示す図であり、個別閲覧設定により運転席側と助手席側とのそれぞれでメニューを選択する場合を説明する図である。
【図28】変形例に係るレストランメニュー選択制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0221】
1 車両用情報表示装置
2 CPU(制御手段)
4 入力スイッチ(入力手段)
39 RAM(記憶手段)
41 運転席側入力スイッチ(入力手段)
42 助手席側入力スイッチ(入力手段)
6 モニター(表示手段)
91 運転席(座席)
92 助手席(座席)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内の複数の座席から視認可能な位置に設けられ且つ、該座席に対応する複数の表示方向に異なる情報画像を表示可能な表示手段と、
上記表示手段の表示を制御すると共に、乗員により設定される目的地に至る経路を演算する制御手段と、
上記複数の表示方向毎に表示される上記情報画像に対応して設けられ、乗員が各情報画像に対する入力操作を行うための複数の入力手段と、
各種情報を記憶する記憶手段と、を備え、
上記制御手段は、
上記目的地の設定を乗員に促す目的地設定に関する情報画像を上記複数の表示方向に同時に且つそれぞれ独立して上記表示手段に表示させると共に、
該複数の目的地設定に関する情報画像に対して、該情報画像に対応する上記複数の入力手段から出力された入力信号をそれぞれ独立に受けて、該入力信号に基づいて複数の目的地を上記記憶手段に記憶させ、
記憶された目的地に基づいて経路を演算して、該経路を上記表示手段に表示させることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記入力手段からの入力信号を受けたときには、上記表示手段に対し、該入力信号に基づく目的地を、該入力信号に対応する情報画像の表示方向とは異なる表示方向へ表示させることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記表示手段に対し、上記記憶手段に記憶されている全ての目的地に関する情報を含む同じ情報画像を上記各表示方向に表示させることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1つに記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記記憶手段に記憶されている目的地に基づいて1つの経路を演算することを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記記憶手段に記憶されている全ての目的地を通る1つの経路を演算することを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記経路を演算する際の条件の設定を乗員に促す条件設定に関する情報画像を上記表示手段に表示させ、該条件設定に関する情報画像に対して上記入力手段から出力される入力信号によって決められる条件に基づいて、上記記憶手段に記憶されている目的地の中から少なくとも最終目的地を含む1又は複数の目的地を選択して、選択された目的地を通る1つの経路を演算することを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両用情報表示装置において、
上記条件は、最終目的地までの所要時間に関係するものであることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項8】
請求項6に記載の車両用情報表示装置において、
上記条件は、最終目的地に至る最短経路に対する迂回度合いに関係するものであることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項9】
請求項6に記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記入力信号によって決められる条件に基づいて、上記記憶手段に記憶されている目的地の中から上記最終目的地及び経由地を含む2以上の目的地を選択して、選択された目的地を通る1つの経路を演算することを特徴とする車両用情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2006−275946(P2006−275946A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−98862(P2005−98862)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】