MOSトランジスタ、固体撮像装置、電子機器、及びそれらの製造方法
【課題】チャネル領域の特性向上及び、1/fノイズの改善を図ったMOSトランジスタを提供する。また、そのMOSトランジスタを用いた固体撮像装置を提供する。
【解決手段】ゲート電極31と、ゲート電極31に対して、チャネル領域34が素子分離領域32により複数に分割されたソース・ドレイン領域33から構成されるMOSトランジスタとする。
【解決手段】ゲート電極31と、ゲート電極31に対して、チャネル領域34が素子分離領域32により複数に分割されたソース・ドレイン領域33から構成されるMOSトランジスタとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、ソースフォロア回路に用いて好適なMOSトランジスタ、そして、そのMOSトランジスタを用いた固体撮像装置に関する。また、その固体撮像装置を用いた電子機器、及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOSトランジスタの特性向上手段として、歪技術を用いることが知られている。
【0003】
下記特許文献1には、MOSトランジスタのチャネル中を通る電子やホールの移動度を向上させる手法として、ゲート電極を被覆するように、ストレスライナー膜を形成する方法が記載されている。ストレスライナー膜を設けることにより、チャネル領域に応力(ストレス)がかかり、電子やホールの移動度が向上されている。ストレスライナー膜を設けることにより移動度を向上させるためには、ゲート電極のゲート幅を小さく形成しなければならない要請がある。
【0004】
また、下記特許文献2には、MOSトランジスタの素子分離領域に、STI(Shallow Trench Isolation)構造を採用した場合に発生する歪みを利用して、MOS型トランジスタに生じる特性変動を使い分ける技術が記載されている。STI構造による歪みは、溝内部に埋め込まれる酸化シリコン膜(SiO2)と、基板との熱膨張係数の差に起因して発生するとされており、歪みが発生することにより、チャネル領域での電子とホールの移動度が変化する。特許文献2では、複数のMOSトランジスタを、ゲート長方向の素子分離領域の間の距離を変化させてレイアウトすることにより、所望の特性を有する半導体集積回路が記載されている。
【0005】
ところで、特許文献2に記載されているような、STI構造を用いたMOSトランジスタにおいても、有効に歪効果が得られるゲート幅は、1μm以下といわれている。
【0006】
一方で、MOSトランジスタにおける1/fノイズは、一般的に、以下の式で表される。
Vn2=K/(Cox・W・L・f)
Vn:ノイズ電圧密度[V/√Hz]
K:定数
Cox:ゲート絶縁膜容量[F/μm2]
W:ゲート幅[μm]
L:ゲート長[μm]
f:周波数[Hz]
【0007】
そうすると、1/fノイズは、ゲート面積(W・L)に反比例するため、ゲート幅Wの縮小により特性向上を進めると、1/fノイズが悪化することになる。図12A,Bに、ソース領域51S、及びドレイン領域51D間の、チャネル領域上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極50を形成し、ゲート幅をそれぞれ、W1(図12A)、W2(図12B)としたときのMOSトランジスタの概略構成を示す。図12A,Bにおいて、W1>W2とし、W2のゲート幅は、1μm以下であるとする。そうすると、図12Aのゲート幅W1の場合には、1/fノイズ悪化を抑えることができるが、チャネル領域での移動度の向上は図られない。一方、図12Bのゲート幅W2の場合には、チャネル領域での移動度の向上は図られるものの、1/fノイズが悪化してしまう。
【0008】
MOSトランジスタをスイッチとして使用する場合には、1/fノイズは問題にならないため、ゲート幅の縮小は大きな問題とならない。しかしながら、CCDイメージセンサの出力部のように、アナログ増幅器として使う場合には、1/fノイズの悪化は、大きな問題となる。
【0009】
従来、図12A,Bを用いて説明したように、MOSトランジスタにおいて、チャネル領域での電子、又はホールの移動度の特性向上と、1/fノイズの改善とは、相反の関係にあり、移動度と1/fノイズをどちらも向上させるのは困難であった。
【0010】
【特許文献1】特開2007−208166号公報
【特許文献2】特開2006−190727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の点に鑑み、本発明は、チャネル領域の特性向上及び、1/fノイズの改善を図ったMOSトランジスタを提供するものである。また、そのMOSトランジスタを用いた固体撮像装置、電子機器、及びそれらの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のMOSトランジスタは、ゲート電極と、そのゲート電極下において、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域と、から構成される。
【0013】
また、本発明のMOSトランジスタの製造方法は、基板に、素子活性領域を形成する工程、素子活性領域に素子分離領域を形成し、素子活性領域を複数に分割して、複数のチャネル領域を形成する工程、複数に分割されたチャネル領域上に、ゲート電極を形成する工程を有する。
【0014】
本発明のMOSトランジスタ、及びその製造方法では、チャネル領域が複数に分割されるので、1つ1つのチャネル領域に対応するゲート幅が小さくでき、かつ、合計のゲート幅を広く維持することができる。
【0015】
また、本発明の固体撮像装置は、複数の光電変換素子と、光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンと、フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路を有する。そして、その複数段のソースフォロア回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極下の、チ素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域と、から構成される出力回路とから構成される。
【0016】
また、本発明の固体撮像装置の製造方法は、基板に、複数の光電変換素子を形成する工程、光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンを形成する工程を有する。また、フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極に対して、チャネル領域が素子分離領域により複数に分割されたソース・ドレイン領域とを有するように、出力回路を形成する工程とを有する。
【0017】
本発明の固体撮像装置、及びその製造方法では、出力回路において、複数段のソースフォロア回路の少なくとも初段のソースフォロア回路に用いられるMOSトランジスタのチャネル領域が、複数に分割されている。このため、初段のソースフォロア回路において、分割されたチャネル領域に対応するゲート幅が小さくされるので、歪効果等が効果的に働き、チャネル領域の電子、又はホールの移動度を向上させることができる。また、分割されたチャネル領域のゲート幅の合計は、従来通り維持されるので、1/fノイズが悪化されない。
【0018】
また、本発明の電子機器は、その構成要素である固体撮像装置が、複数の光電変換素子と、光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される。そしてその固体撮像装置の出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、ゲート電極下において、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域と、から構成される。本発明の電子機器では、光学レンズを介して固体撮像装置に光が入射され、固体撮像装置の光電変換素子により変換された信号電荷が、出力回路により読み出され、信号処理回路で処理される。
【0019】
また、本発明の電子機器の製造方法は、光学レンズを準備する工程、基板に、複数の光電変換素子を形成する工程、光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンを形成する工程を有する。そして、フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、ゲート電極下の、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域とを有するように、出力回路を形成する工程とを有する。また、固体撮像装置からの信号を処理する信号処理回路を準備する工程を有する。
【0020】
本発明の電子機器、及びその製造方法では、電子機器を構成する固体撮像装置の出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタのチャネル領域が、素子分離領域により分割されている。これにより、1つ1つのチャネル領域に対応するゲート幅が小さくなり、移動度が向上する。また、全体のゲート幅の合計を維持することができるので、1/fノイズが悪化されない。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、1/fノイズが悪化することなく、チャネル領域の特性が向上されたMOSトランジスタを構成することができる。また、そのMOSトランジスタを用い、特性向上された固体撮像装置、及び電子機器を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図1〜図11を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図1Aに、本発明の第1の実施形態におけるMOSトランジスタの概略構成を示す。また、図1Bは、図1AのA−A線上に沿う断面構成である。本実施形態例のMOSトランジスタ30は、ゲート電極31と、そのゲート電極31に対するチャネル領域34が、素子分離領域32により複数に分割されるように形成された、ソース領域33S、ドレイン領域33Dからなるソース・ドレイン領域33から構成される。
【0024】
素子分離領域32は、STI(Shallow Trench Isolation)構造とされ、図1Bに示すように、シリコン基板36表面にドライエッチングで形成されたトレンチ部37に、例えば酸化シリコン(SiO2)38を埋め込むことにより構成されている。この素子分離領域32は、ソース・ドレイン領域33となる素子活性領域を囲む領域と、ゲート幅Wが例えば1μm以下となるように、ゲート電極31下のチャネル領域34を分割する領域とに形成されている。本実施形態例では、1つのゲート電極31下のチャネル領域34が、素子分離領域32により、3つに分割され、それぞれのゲート幅Wは、1μm以下、本実施形態例では約1μmとされている。
図1Aに示す本実施形態例のMOSトランジスタ30では、チャネル領域34を分割する素子分離領域32は、ゲート電極31の下部よりも、ソース領域33S、ドレイン領域33D側に延長されて形成されているが、ゲート電極31の下部の領域にのみ、形成する例としてもよい。
【0025】
ソース・ドレイン領域33を構成する素子活性領域は、例えば、第1導電型の半導体基体からなるシリコン基板36に、第2導電型の半導体領域を埋め込むことにより形成され、例えばイオン注入により形成される。第1導電型半導体をn型半導体とし、第2導電型半導体をp型半導体としてもよく、その逆の構成でもよい。ソース・ドレイン領域33をn型半導体で形成した場合には、nチャネルMOSトランジスタとなり、p型半導体で形成した場合には、pチャネルMOSトランジスタとなる。
【0026】
また、ソース領域33S、ドレイン領域33Dのそれぞれの端部は、チャネル領域34を分割する素子分離領域32には分割されず、繋げられた構成とされている。
【0027】
ゲート電極31は、分割されたチャネル領域34となるシリコン基板36上に、ゲート絶縁膜35を介して形成される。本実施形態例において、ゲート長Lは、例えば0.5μmに構成される。
【0028】
以上の構成を有するMOSトランジスタ30では、チャネル領域34が、トレンチ部37に酸化シリコン38が埋め込まれた素子分離領域32で分割されることにより、ゲート幅Wが1μm以下、本実施形態例では1μmに小さく形成されている。このため、ゲート面積が縮小され、素子分離領域32からの歪効果を得ることができる。トレンチ部37を用いた素子分離領域32による歪効果は、トレンチ部37に埋め込まれた酸化シリコン38と、シリコン基板36との熱膨張係数の違いにより起こる。すなわち、トレンチ部37に埋め込まれた酸化シリコン38と、シリコン基板36との熱膨張係数が異なるため、トレンチ部37の角部に応力がかかり、チャネル領域34に歪みが生じる。これにより、チャネル領域34において、電子、又はホールの移動度が変化する。
【0029】
ところで、本実施形態例の素子分離領域32において、トレンチ部37に埋め込まれた酸化シリコン38は、シリコン基板36に対して、引張り応力を発生する。これに対して、図2に示すように、トレンチ部37に、絶縁膜39を介して、ポリシリコン40(Poly−Si)を埋め込む構成としてもよい。トレンチ部37にポリシリコン40を埋め込むことにより、シリコン基板36に対して圧縮応力を発生させることができる。
【0030】
すなわち、STI構造を用いて素子分離領域32を構成する場合では、トレンチ部37に埋め込む材料を選んで、素子分離領域32を形成することで、チャネル領域34における、電子、又はホールの移動度を変化させることができる。
【0031】
本実施形態例においては、分割されたチャネル領域34に対応するゲート幅Wを、1μmとしたが、1μm以下であればよく、MOSトランジスタの閾値電圧Vthがばらつかない程度の範囲であればよい。1μmより大きい場合は、チャネル領域34に、有効な歪効果が発生しない。
【0032】
以下に、電子、又はホールの移動度μxx/μ0と、チャネル領域34分に印加される圧力Sxx,Syy,Szzの関係を表す式を示す。ゲート長L方向を、x軸方向、ゲート幅W方向をz軸方向、x軸方向とz軸方向に垂直な方向をy軸方向とする。x軸方向においては、ソース領域33Sからドレイン領域33Dに向う方向を正とし、y軸方向においては、シリコン基板36表面から、シリコン基板36奥に向う方向を正とする。z軸方向においては、トランジスタの外方に向かう方向を正とする。
シリコン基板36が、(110)面基板であり、<110>方向にチャネル領域34が形成される場合、電子の移動度(μxx/μ0)Eは、
(μxx/μ0)E=1+0.316Sxx−0.534Syy+0.176Szz
で示される。一方ホールの移動度(μxx/μ0)Hは、
(μxx/μ0)H=1−0.718Sxx+0.011Syy+0.663Szz
と示される。
また、シリコン基板36が、(100)面基板であり、<100>方向にチャネル領域34が形成される場合、電子の移動度(μxx/μ0)Eは、
(μxx/μ0)E=1+1.02Sxx−0.534Syy−0.534Szz
で示される。一方ホールの移動度(μxx/μ0)Hは、
(μxx/μ0)H=1−0.06Sxx+0.011Syy+0.011Szz
と示される。上記の式における係数は、基板をシリコン基板36とした場合の係数である。
【0033】
本実施形態例のMOSトランジスタ30では、トレンチ部37に埋め込む材料を、好適に選択して素子分離領域32を形成することで、チャネル領域34に印加される圧力Sxx,Syy,Szzを上述の式にしたがって調整し、電子、又はホールの移動度を向上させることができる。すなわち、埋め込み材を変更することで、発生する応力を、圧縮、引張りと変えることができるため、チャネル方向に応じて適切な応力を発生することができる。
【0034】
本実施形態例では、素子分離領域32により、ゲート幅Wが1μm程度となるように、チャネル領域34を分割し、かつ、素子分離領域32を、トレンチ部37にシリコン基板36の熱膨張係数の異なる材料を埋め込むことにより形成する。これにより、チャネル領域34に圧縮応力や引張り応力をかけることができる。このため、チャネル領域34における電子及びホールの移動度を調整することができる。
さらに、シリコン基板36の面指数や、チャネル方向、及びトレンチ部37に埋め込まれる材料を選択することにより、より好適な移動度に調整できる。
【0035】
さらに、本実施形態例のMOSトランジスタ30では、分割されたゲート幅Wは約1μmであるが、有効な全ゲート幅Wは低減されない。すなわち、本実施形態例において、1つ1つのゲート幅Wは、1μmであるが、3つのゲート幅Wの合計は、3μmとなり、従来のゲート幅を維持することができる。これにより、1/fノイズを悪化させることがない。すなわち、実効的なゲート面積を変えずに、また、寄生容量もほとんど変えることなく、MOSトランジスタの特性改善が可能となる。
【0036】
上述した本実施形態例は、素子分離領域32をSTIにより形成されたトレンチ部37に絶縁埋め込み材料を埋め込んで構成する例を示したが、次に、素子分離領域32をLOCOS(選択酸化)により形成された酸化膜により構成する例を示す。
【0037】
図3Aに、本発明の第2の実施形態におけるMOSトランジスタの概略構成を示し、図3Bには、図3AのB−B線上における断面構成を示す。図3において、図1と対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0038】
本実施形態例のMOSトランジスタ41の素子分離領域32は、LOCOSにより形成されるシリコン酸化膜42(SiO2膜)により構成される。この素子分離領域32は、第1の実施形態における素子分離領域32と同様の位置に形成されるものである。すなわち、このLOCOS形成された素子分離領域32は、ソース・ドレイン領域33となる素子活性領域を囲む領域と、ゲート幅Wが1μm以下となるように、ゲート電極31に対向するチャネル領域34を分割する領域とに形成される。
本実施形態例では、1つのゲート電極31の下部に対応するチャネル領域34が、素子分離領域32により、3つに分割され、それぞれのゲート幅Wは、約1μmとされている。
【0039】
本実施形態例においても、ゲート電極31は、LOCOS形成による素子分離領域32が形成されたシリコン基板36上に、ゲート絶縁膜35を介して形成される。
【0040】
そして、本実施形態例のMOSトランジスタ41では、ゲート電極31を被覆して、ストレスライナー膜43が形成される。このストレスライナー膜43は、チャネル領域34に圧縮応力、又は引張り応力を付与するものである。このストレスライナー膜43により、チャネル領域34の電子、又はホールの移動度が向上される。例えば、nMOSトランジスタの場合には、引張り応力を有するストレスライナー膜43を形成することにより、電子の移動度が向上される。また、pMOSトランジスタの場合には、圧縮応力を有するストレスライナー膜43を形成することにより、ホールの移動度が向上される。
【0041】
ストレスライナー膜43は、窒化シリコン膜を、プラズマCVD法により、ゲート電極31を被覆するように、シリコン基板36全面に成膜することにより形成されるものである。
pMOSトランジスタの場合のプラズマCVD法の条件は、例えば、温度450℃、圧力=266Pa(2Torr)、SiH4=100sccm、NH3=100sccm、HF RFパワー=50W、LF RFパワー=100W、Spacing=300milsである。これにより、圧縮応力をもつストレスライナー膜43が形成される。
nMOSトランジスタの場合のプラズマCVD法の条件は、例えば、温度450℃、圧力=1333Pa(10Torr)、SiH4=30sccm、N2=100sccm、NH3=90sccm、HF RFパワー=20W、LF RFパワー=10W、Spacing=300milsである。これにより、引張り応力をもつストレスライナー膜43が形成される。
【0042】
本実施形態例では、ゲート幅Wが1μm以下となるように、チャネル領域34が素子分離領域32により複数に分割されているので、ストレスライナー膜43の効果をチャネル領域34に有効に付与することができる。
また、有効な全ゲート幅は、3つのそれぞれのゲート幅Wの合計であるから、本実施形態例は、従来と同じ3μm程度に維持され、ゲート幅縮小による1/fノイズの悪化を防ぐことができる。
【0043】
次に、図4Aに、本発明の第3の実施形態におけるMOSトランジスタの概略構成を示す。また、図4Bには、図4AにおけるC−C線上に沿う断面構成を示す。本実施形態例のMOSトランジスタ46の素子分離領域32は、ソース・ドレイン領域33を形成する半導体層とは逆の性質を有する半導体層により構成された例である。図4において、図1に対応する部分には、同一符号を付し重複説明を省略する。
【0044】
本実施形態例では、シリコン基板36上に、3つのソース・ドレイン領域33が形成されている。そして、その3つのソース・ドレイン領域33は、ソース・ドレイン領域33を構成する導電型の半導体層とは逆の性質を有する半導体層で構成された素子分離領域32、すなわち、チャネルストップ領域45により分離されている。例えば、ソース・ドレイン領域33が、n型半導体で形成されている場合は、チャネルストップ領域45である素子分離領域32は、p型半導体で形成される。反対に、ソース・ドレイン領域33が、p型半導体で形成されている場合は、チャネルストップ領域45である素子分離領域32は、n型半導体で形成される。
【0045】
そして、この1つ1つのソース・ドレイン領域33は、チャネル領域34に対応するゲート幅Wが、1μm以下となるように、素子分離領域32により分割されている。
【0046】
3対のそれぞれのソース・ドレイン領域33間のチャネル領域34には、ゲート絶縁膜35を介して、1つのゲート電極31が構成される。すなわち、このゲート電極31は、3つのチャネル領域34全てに架かるように構成されている。本実施形態例においては、ゲート電極31のゲート長Lは、0.5μmとされている。また、チャンネル領域34が、素子分離領域32により分割され、それぞれの対のソース・ドレイン領域33間のチャネル領域34に対応するゲート幅Wは、約1μmとされている。
【0047】
そして、本実施形態例においては、それぞれのソース領域33Sに、ソース配線44Sが接続されており、それぞれのドレイン領域33Dに、ドレイン配線44Dが接続されている。本実施形態例では、3対のソース・ドレイン領域33を完全に分離する例としたが、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、3つのソース領域33S、ドレイン領域33Dが、それぞれ接続されるように構成する例としてもよい。
【0048】
また、本実施形態例のMOSトランジスタ46においても、第2の実施形態と同様に、ゲート電極31を被覆して、ストレスライナー膜43が形成される。このストレスライナー膜43は、チャネル領域34に圧縮応力、又は引張り応力を付与するものである。このストレスライナー膜43により、チャネル領域34の電子、又はホールの移動度が向上される。例えば、nチャネルMOSトランジスタの場合には、引張り応力を有するストレスライナー膜を形成することにより、電子の移動度が向上される。また、pチャネルMOSトランジスタの場合には、圧縮応力を有するストレスライナー膜43を形成することにより、ホールの移動度が向上される。
【0049】
ストレスライナー膜43の成膜過程は、第2の実施形態と同様であるから、重複説明を省略する。
【0050】
本実施形態例においても、第2の実施形態と同様、ゲート幅Wが1μm以下となるように、チャネル領域34が素子分離領域32により複数に分割されているので、ストレスライナー膜43の効果をチャネル領域34に有効にかけることができる。
また、有効な全ゲート幅は、3つのゲート幅Wの合計であるから、従来のゲート幅である3μm程度を維持することができ、ゲート幅縮小による1/fノイズの悪化を防ぐことができる。
【0051】
以上のように、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタでは、チャネル領域34の電子又はホールの移動度を向上させながらも、1/fノイズの悪化を防ぐことが可能となり、MOSトランジスタの特性が向上される。
【0052】
上述した第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタは、チャネル領域を、ゲート幅が1μmとなるように、3つに分割する例としたが、ゲート幅は、1μm以下、好ましくは、1μm以下であればよく、また、3つ以上の複数に分割する例としてもよい。
【0053】
すなわち、分割したチャネル領域におけるゲート幅が、1μm以下であればよく、また、分割されたチャネル領域に対応するゲート幅の合計、すなわち、有効な全ゲート幅が、1/fノイズを悪化させない幅を維持できればよい。
【0054】
本発明のMOSトランジスタは、例えば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等の固体撮像装置のアンプトランジスタに用いることができる。
以下に、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを用いたCCDイメージセンサの、一実施形態について説明する。
【0055】
まず、図5に、CCDイメージセンサの概略構成を示す。CCDイメージセンサ1は、半導体基板6に形成された複数の受光部2、すなわち光電変換素子であるフォトダイオードと、各光電変換素子列に対応したCCD構造の垂直転送レジスタ3と、CCD構造の水平転送レジスタ4と、出力回路5とを有して構成される。このCCD固体撮像装置では、受光部2のフォトダイオードで光電変換されて生成された信号電荷が垂直転送レジスタ3に読み出されて、垂直方向に転送される。垂直転送された信号電荷は、一水平ライン毎に水平転送レジスタ4に転送され、水平転送レジスタ4内を水平方向に転送され、フローティングディフュージョンFDで電荷電圧変換され、出力回路5から画素信号として出力される。
【0056】
図6に水平転送レジスタ4及び出力回路5の概略構成を示す。第1導電型の例えばn型の半導体基板11には、p型半導体ウェル領域12が形成され、このp型半導体ウェル領域12に水平転送用のn型の埋め込みチャネル13が形成される。この埋め込み水平チャネル13上にゲート絶縁膜14を介して、例えば2相駆動パルスφH1、φH2が印加される複数の水平転送電極15が形成される。さらに終段にゲート電圧φHOGが印加される水平出力ゲート電極16が形成される。水平出力ゲート電極16に隣接してn型のフローティングディフージョン領域FDが形成される。フローティングディフージョン領域FDとn型のリセットドレイン領域18との間にゲート絶縁膜を介してリセットゲート電極19が形成され、ここにリセットトランジスタTrRSEが構成される。そして、フローティングディフージョン領域FDが出力回路5に接続される。
【0057】
出力回路5は、例えば2段のソースフォロア回路21,22で構成される。1段目のソースフォロア回路21は、駆動MOSトランジスタQ1と負荷MOSトランジスタQ2とからなり、2段目のソースフォロア回路22は、駆動MOSトランジスタQ3と負荷MOSトランジスタQ4とから構成される。駆動MOSトランジスタQ1及びQ3のドレインが電源VDDに接続され、負荷MOSトランジスタQ2及びQ4のソースが接地される。負荷MOSトランジスタQ2及びQ4のゲートは所要の電圧VGGが印加される。
【0058】
そして、出力回路6の入力端inとなる1段目のソースフォロア回路21における駆動MOSトランジスタQ1のゲートにフローティングディフージョン領域FDの電位が入力される。1段目のソースフォロア回路21の出力は、2段目のソースフォロア回路22の駆動MOSトランジスタQ3のゲートに入力される。2段目のソースフォロア回路22における駆動MOSトランジスタQ3と負荷MOSトランジスタQ4との接続中点より出力端outが導出される。従って、フローティングディフージョン領域FDに信号電荷が転送されると、そのフローティングディフージョン領域FDの電位が1段目及び2段目のソースフォロア回路21及び22で増幅されて出力端outより画素信号として出力される。1画素の信号電荷が読み出され後は、リセットゲート電極19にリセットパルスが印加され、フローティングディフージョン領域FDの電荷がリセットドレイン領域18に排出され、フローティングディフージョン領域FDの電位がリセットされる。
【0059】
以上の構成を有するCCDイメージセンサ1において、本実施形態では、出力回路5の1段目のソースフォロア回路21の駆動MOSトランジスタQ1に、第1〜第3の実施形態で示したMOSトランジスタを用いる。出力回路5の1段目のソースフォロア回路21におけるMOSトランジスタの1/fノイズは、変換効率に関わり、大きな問題となる。すなわち、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを、1段目のソースフォロア回路21の駆動MOSトランジスタQ1に用いることにより、ゲート面積を、1/fノイズが悪化しないように維持することができる。そして、1/fノイズを悪化させないように維持された状態において、さらに、チャネル領域における電子、又はホールの移動度を向上させることができる。これにより、CCDイメージセンサ1の特性を向上させることができる。
【0060】
本実施形態例においては、CCDイメージセンサ1の出力回路5の1段目のソースフォロア回路21に、本発明のMOSトランジスタを用いる例としたが、2段目のソースフォロアにも、同様に用いることも可能である。これにより、さらに、CCDイメージセンサの特性が向上される。
【0061】
また、本実施形態例においては、CCDイメージセンサに用いる例としたが、CMOSイメージセンサにも適用することが可能である。
以下に、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを用いたCMOSイメージセンサの、一実施形態について説明する。
【0062】
図7に、CMOSイメージセンサの概略構成を示す。本実施形態例に係る固体撮像装置201は、複数の画素202が、規則性をもって2次元配列された撮像部(いわゆる画素部)203と、撮像部203の周辺に配置された周辺回路とを有する。周辺回路は、垂直駆動部204、水平転送部205、及び出力部206を有して構成される。
【0063】
画素2は、1つの光電変換素子であるフォトダイオードPDと、複数段のソースフォロア回路となる、画素トランジスタ(MOSトランジスタ)とにより構成される。
【0064】
画素202において、フォトダイオードPDは、光入射で光電変換され、その光電変換で生成された信号電荷を蓄積する領域を有して成る。複数の画素トランジスタは、転送トランジスタTr1、リセットトランジスタTr2、増幅トランジスタTr3及び、選択トランジスタTr4の4つのMOSトランジスタを有している。転送トランジスタTr1は、フォトダイオードPDに蓄積された信号電荷をフローティングディフュージョン領域FDに読み出すトランジスタである。リセットトランジスタTr2は、フローティングディフュージョン領域FDの電位を規定の値に設定するためのトランジスタである。増幅トランジスタTr3は、フローティングディフュージョン領域FDに読み出された信号電荷を電気的に増幅するためのトランジスタである。選択トランジスタTr4は、画素1行を選択して画素信号を垂直信号線8に読み出すためのトランジスタである。
なお、図示しないが、選択トランジスタTr4を省略した3つのトランジスタとフォトダイオードPDで画素を構成することも可能である。
【0065】
画素202の回路構成では、転送トランジスタTr1のソースがフォトダイオードPDに接続され、そのドレインがリセットトランジスタTr2のソースに接続される。転送トランジスタTr1とリセットトランジスタTr2間の電荷−電圧変換手段となるフローティングディフュージョン領域FD(転送トランジスタのドレイン領域、リセットトランジスタのソース領域に相当する)が増幅トランジスタTr3のゲートに接続される。増幅トランジスタTr3のソースは選択トランジスタTr4のドレインに接続される。リセットトランジスタTr2のドレイン及び増幅トランジスタTr3のドレインは、電源電圧供給部に接続される。また、選択トランジスタTr4のソースが垂直信号線208に接続される。
【0066】
垂直駆動部204は、転送トランジスタTr1、リセットトランジスタTr2、選択トランジスタTr4のそれぞれのゲートに接続される転送信号線、リセット信号線、選択信号線に、所望のパルス信号を入力するための駆動回路を有する。すなわち、垂直駆動部4から、リセット信号線を介し、1行に配列された画素2のリセットトランジスタTr2のゲートに、共通に印加される行リセット信号φRSTが供給される。同じく、垂直駆動部204から、転送信号線を介して、1行の画素の転送トランジスタTr1のゲートに、共通に印加される行転送信号φTRFが供給される。さらに、同じく、垂直駆動部204から、選択信号線を介して、1行の選択トランジスタTr4のゲートに、共通に印加される行選択信号φSELが供給される。
【0067】
水平転送部205は、各列の垂直信号線208に接続された、アナログ/デジタル変換器209と、行選択回路(スイッチ手段)SWと、水平転送線210とを有して構成される。出力部206は、増幅器又は、アナログ/デジタル変換器及び/又は信号処理回路から構成されるものであるが、本例では、水平転送線210からの出力を処理する信号処理回路211と、出力バッファ212とを有して構成される。また、水平転送線210は、例えばデータビット線と同数の信号線で構成されたバス信号線で構成される。
【0068】
このCMOSイメージセンサ201では、各行の画素202の信号が各アナログ/デジタル変換器209にてアナログ/デジタル変換され、順次選択される行選択回路SWを通じて水平転送線210に読み出され、順次に水平転送される。水平転送線210に読み出された画像データは、信号処理回路211を通じて出力バッファ212より出力される。
【0069】
そして、このCMOSイメージセンサ201においては、複数段のソースフォロア回路を構成する画素トランジスタのうち、初段のソースフォロア回路となる選択トランジスタTrに、第1〜第3の実施形態で示したMOSトランジスタを用いる。1段目のソースフォロア回路となる選択トランジスタTr4の1/fノイズは、変換効率に関わり、大きな問題となる。すなわち、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを、1段目のソースフォロア回路である選択トランジスタTr4に用いることにより、ゲート面積を、1/fノイズが悪化しないように維持することができる。そして、1/fノイズを悪化させないように維持された状態において、さらに、チャネル領域における電子、又はホールの移動度を向上させることができる。これにより、CMOSイメージセンサ201の特性を向上させることができる。
【0070】
また、図8に、本発明が適用できるCMOSイメージセンサの他の例を示す。
CMOSイメージセンサ550は、複数の画素、本例では、4つの画素に、転送トランジスタを除く他の画素トランジスタを共有した例であり、以下、画素トランジスタを共有する画素群を共有画素という。すなわち、共有画素においては、光電変換素子であるフォトダイオードが4つ構成されている。図8において、図7と同一部分には、同一符号を付し重複説明を省略する。
【0071】
本実施形態例の固体撮像装置550は、複数の共有画素502が、規則性を持って2次元配列された撮像部553(いわゆる画素部)と、撮像部553の周辺に配置された周辺回路とを有して構成される。周辺回路は、垂直駆動部204、水平転送部205、及び出力部206から構成される。共有画素502は、複数、本実施形態例では、4つの光電変換素子であるフォトダイオードPD1〜PD4と、4つの転送トランジスタTr11〜Tr14と、各1つのリセットトランジスタTr2、増幅トランジスタTr3及び選択トランジスタTr4とから構成される。
【0072】
共有画素502の回路構成では、図8に示すように、4つの各フォトダイオードPD[PD1,PD2,PD3,PD4]が、それぞれ対応する4つの転送トランジスタTr11,Tr12,Tr13,Tr14のソースに接続される。そして、各転送トランジスタTr11〜Tr14のドレインが1つのリセットトランジスタTr2のソースに接続される。各転送トランジスタTr11〜Tr14とリセットトランジスタTr2間の電荷−電圧変換手段となる共通のフローティングディフュージョン領域FDは1つの増幅トランジスタTr3のゲートに接続される。増幅トランジスタTr3のソースは、1つの選択トランジスタTr4のドレインに接続される。リセットトランジスタTr2のドレイン及び、増幅トランジスタTr3のドレインは、電源電圧供給部に接続される。また、選択トランジスタTr4のソースが垂直信号線208に接続される。
【0073】
各転送トランジスタTr11〜Tr14のゲートには、それぞれ行転送信号φTRF1〜φTRF4が印加される。リセットトランジスタTr2のゲートには行リセット信号φRSTが印加される。そして、選択トランジスタTr4のゲートには、行選択信号φSELが印加される。
【0074】
垂直駆動部204、水平転送部205、出力部206その他の構成は、図7と同様であるから、重複説明を省略する。
【0075】
このように、4つの画素が、転送トランジスタ以外の画素トランジスタを共有する共有画素を構成する場合の、共有画素502内における4つのフォトダイオードPD1〜PD4及び、転送トランジスタTr11〜Tr14を有するCMOSイメージセンサの配置レイアウトの一例を以下に示す。
【0076】
図9は、図8に示したCMOSイメージセンサ550の要部の配置レイアウトである。
【0077】
このCMOSイメージセンサ550では、2次元アレイ状に配列されたフォトダイオードPD1〜PD4のうちの、斜めに隣り合うフォトダイオードPD1、及びPD2が1つのフローティングディフュージョン領域FDを共有する。そして、フォトダイオードPD1の列方向に、一つおきに隣り合うフォトダイオードPD3と、フォトダイオードPD2の列方向に、一つおきに隣り合うフォトダイオードPD4とが、1つのフローティングディフュージョン領域FDを共有する。そして、このように、斜めに隣り合うフォトダイオードPD1〜PD4により、1つの共有画素60が構成される。
【0078】
この例において、各フォトトランジスタPD1〜PD4と、フローティングディフュージョン領域FDとの境界部には、それぞれの転送トランジスタTr11〜Tr14の転送ゲート59a,59b,59c,59dが構成される。
【0079】
そして、各転送ゲート59a,59b,59c,59dに接続されるように、図示しない転送信号線が構成される。
【0080】
このようなCMOSイメージセンサ550においても、複数段のソースフォロア回路を構成する画素トランジスタのうち、初段のソースフォロア回路となる選択トランジスタTr4に、第1〜第3の実施形態で示したMOSトランジスタを用いる。1段目のソースフォロア回路となる選択トランジスタTr4の1/fノイズは、変換効率に関わり、大きな問題となる。すなわち、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを、1段目のソースフォロア回路である選択トランジスタTr4に用いることにより、ゲート面積を、1/fノイズが悪化しないように維持することができる。そして、1/fノイズを悪化させないように維持された状態において、さらに、チャネル領域における電子、又はホールの移動度を向上させることができる。これにより、CMOSイメージセンサ550の特性を向上させることができる。
【0081】
さらに、図10に、本発明が適用できるCMOSイメージセンサの他の例を示す。
このCMOSイメージセンサ600は、上下2つの画素でトランジスタを共有する例である。単位セル230は、実線で囲まれた部分であり、この単位セル230は、2つの画素231、232から構成されている。画素231,232は、それぞれ、フォトダイオード233,234と、複数段のソースフォロア回路を構成する画素トランジスタとから構成される。複数の画素トランジスタは、フォトダイオード233及び234のそれぞれに接続される2つの転送トランジスタTr235,Tr236と、2つの画素231,232に共通のリセットトランジスタTr237、増幅トランジスタTr238とから構成される。転送トランジスタTr235,Tr236のソースは、それぞれ、フォトダイオード233,234に接続されており、そのドレインがリセットトランジスタTr237のソースに接続される。転送トランジスタTr235,Tr236とリセットトランジスタTr237間の電荷−電圧変換手段となるフローティングディフュージョン領域FD(転送トランジスタのドレイン領域、リセットトランジスタのソース領域に相当する)が増幅トランジスタTr238のゲートに接続される。増幅トランジスタTr238、及びリセットトランジスタTr237のドレインは、電源電圧を供給する全面選択信号線239に接続される。
そして、増幅トランジスタTr238のソースは、垂直信号線248に接続される。
【0082】
そして、転送トランジスタTr235,Tr236のゲートには、行転送信号φTRFを供給する転送信号線242,243が接続されており、リセットトランジスタTr237のゲートには、行リセット信号φRSTを供給するリセット信号線241が接続されている。
【0083】
このようなCMOSイメージセンサ600においても、複数段のソースフォロア回路を構成する画素トランジスタのうち、初段のソースフォロア回路となる増幅トランジスタTr238に、第1〜第3の実施形態で示したMOSトランジスタを用いる。1段目のソースフォロア回路となる増幅トランジスタTr238の1/fノイズは、変換効率に関わり、大きな問題となる。すなわち、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを、1段目のソースフォロア回路である増幅トランジスタTr238に用いることにより、ゲート面積を、1/fノイズが悪化しないように維持することができる。そして、1/fノイズを悪化させないように維持された状態において、さらに、チャネル領域における電子、又はホールの移動度を向上させることができる。これにより、CMOSイメージセンサ600の特性を向上させることができる。
【0084】
また、本実施形態例では、可視光の光量に応じた信号電荷を物理量として検知する単位画素が行列状に配置されてなるイメージセンサに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はイメージセンサへの適用に限られるものではなく、画素アレイ部の画素列ごとにカラム回路を配置してなるカラム方式の固体撮像装置全般に対して適用可能である。
【0085】
また、本発明は、可視光の入射光量の分布を検知して画像として撮像する固体撮像装置への適用に限らず、赤外線やX線、あるいは粒子等の入射量の分布を画像として撮像する固体撮像装置や、広義の意味として、圧力や静電容量など、他の物理量の分布を検知して画像として撮像する指紋検出センサ等の固体撮像装置(物理量分布検知装置)全般に対して適用可能である。
さらに、本発明は、画素アレイ部の各単位画素を行単位で順に走査して各単位画素から画素信号を読み出す固体撮像装置に限らず、画素単位で任意の画素を選択して、当該選択画素から画素単位で信号を読み出すX−Yアドレス型の固体撮像装置に対しても適用可能である。
なお、固体撮像装置はワンチップとして形成された形態であってもよいし、撮像部と、信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。
【0086】
また、本発明は、固体撮像装置への適用に限られるものではなく、撮像装置にも適用可能である。ここで、撮像装置とは、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、携帯電話機などの撮像機能を有する電子機器のことを言う。なお、電子機器に搭載される上記モジュール状の形態、即ちカメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
【0087】
以下に、上述した本発明の一実施形態におけるCCDイメージセンサ、またはCMOSイメージセンサ等の固体撮像装置を電子機器に用いた場合の実施形態を示す。以下の説明では、一例として、カメラに、CCDイメージセンサ1を用いる例を説明する。
【0088】
図11に、本発明の一実施形態に係るカメラの概略断面構成を示す。本実施形態に係るカメラは、静止画撮影又は動画撮影可能なビデオカメラを例としたものである。
本実施形態に係るカメラは、CCDイメージセンサ1と、光学系110と、シャッタ装置111と、駆動回路112と、信号処理回路113とを有する。本実施形態例では、CCDイメージセンサ1として、上述した第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを用いたCCDイメージセンサが用いられる。
【0089】
光学系110は、被写体からの像光(入射光)をCCDイメージセンサ1の撮像面上に結像させる。これによりCCDイメージセンサ1内に一定期間当該信号電荷が蓄積される。
シャッタ装置111は、CCDイメージセンサ1への光照射期間および遮光期間を制御する。
駆動回路112は、CCDイメージセンサ1の転送動作およびシャッタ装置111のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路112から供給される駆動信号(タイミング信号)により、CCDイメージセンサ1の信号転送を行なう。信号処理回路113は、各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリなどの記憶媒体に記憶され、あるいはモニタに出力される。
【0090】
本実施形態例では、CCDイメージセンサ1に、先述した実施形態に係るMOSトランジスタの構成を用いることで、CCDイメージセンサイメージセンサ1では、その特性が向上されている。そのため、本実施形態例のカメラでは、より良質な画像を得ることができる。
【0091】
このように、CCDイメージセンサ1を適用できる電子機器としては、カメラに限られるものではなく、デジタルスチルカメラ、さらには携帯電話機等のモバイル機器向けカメラモジュールなどの撮像装置に適用可能である。それらの撮像装置において、固体撮像装置として先述した実施形態に係るCCDイメージセンサ1を用いることで、当該CCDイメージセンサ1では、簡単な構成で、良質な画像を得ることができる。
【0092】
本実施形態例においては、CCDイメージセンサ1をカメラに用いる構成としたが、前述した図7〜図10に示したCMOSイメージセンサを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】A,B 本発明の第1の実施形態に係るMOSトランジスタの概略構成図と、図1Aに示すMOSトランジスタのA−A線上に沿う概略断面構成である。
【図2】図1Aに示すMOSトランジスタのA−A線上に沿う概略断面構成の他の例である。
【図3】A,B 本発明の第2の実施形態に係るMOSトランジスタの概略構成図と、図3Aに示すMOSトランジスタのB−B線上に沿う概略断面構成である。
【図4】A,B 本発明の第3の実施形態に係るMOSトランジスタの概略構成図と、図4Aに示すMOSトランジスタのC−C線上に沿う概略断面構成である。
【図5】本発明の一実施形態における固体撮像装置(CCDイメージセンサ)の概略平面構成である。
【図6】本発明の一実施形態におけるCCDイメージセンサの要部の断面構成及び回路図である。
【図7】本発明の一実施形態における固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)の概略平面構成図である。
【図8】本発明の一実施形態における固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)の概略構成図(その2)である。
【図9】本発明のCMOSイメージセンサの要部の配置レイアウトを示す図である。
【図10】本発明の一実施形態における固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)の概略構成図(その3)である。
【図11】本発明の一実施形態における電子機器の概略構成図である。
【図12】A,B MOSトランジスタにおけるゲート幅を変化させたときの概略構成図である。
【符号の説明】
【0094】
1・・CCDイメージセンサ、2・・受光部、3・・垂直転送レジスタ、4・・水平転送レジスタ、5・・出力回路、6・・半導体基板、21,22・・ソースフォロア回路、30,41,46・・MOSトランジスタ、31・・ゲート電極、32・・素子分離領域、33・・ソース・ドレイン領域、34・・チャネル領域、35・・ゲート絶縁膜、36・・シリコン基板、37・・トレンチ部、38・・酸化シリコン、39・・絶縁膜、40・・ポリシリコン、42・・シリコン酸化膜、43・・ストレスライナー膜、44S・・ソース配線、44D・・ドレイン配線
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、ソースフォロア回路に用いて好適なMOSトランジスタ、そして、そのMOSトランジスタを用いた固体撮像装置に関する。また、その固体撮像装置を用いた電子機器、及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOSトランジスタの特性向上手段として、歪技術を用いることが知られている。
【0003】
下記特許文献1には、MOSトランジスタのチャネル中を通る電子やホールの移動度を向上させる手法として、ゲート電極を被覆するように、ストレスライナー膜を形成する方法が記載されている。ストレスライナー膜を設けることにより、チャネル領域に応力(ストレス)がかかり、電子やホールの移動度が向上されている。ストレスライナー膜を設けることにより移動度を向上させるためには、ゲート電極のゲート幅を小さく形成しなければならない要請がある。
【0004】
また、下記特許文献2には、MOSトランジスタの素子分離領域に、STI(Shallow Trench Isolation)構造を採用した場合に発生する歪みを利用して、MOS型トランジスタに生じる特性変動を使い分ける技術が記載されている。STI構造による歪みは、溝内部に埋め込まれる酸化シリコン膜(SiO2)と、基板との熱膨張係数の差に起因して発生するとされており、歪みが発生することにより、チャネル領域での電子とホールの移動度が変化する。特許文献2では、複数のMOSトランジスタを、ゲート長方向の素子分離領域の間の距離を変化させてレイアウトすることにより、所望の特性を有する半導体集積回路が記載されている。
【0005】
ところで、特許文献2に記載されているような、STI構造を用いたMOSトランジスタにおいても、有効に歪効果が得られるゲート幅は、1μm以下といわれている。
【0006】
一方で、MOSトランジスタにおける1/fノイズは、一般的に、以下の式で表される。
Vn2=K/(Cox・W・L・f)
Vn:ノイズ電圧密度[V/√Hz]
K:定数
Cox:ゲート絶縁膜容量[F/μm2]
W:ゲート幅[μm]
L:ゲート長[μm]
f:周波数[Hz]
【0007】
そうすると、1/fノイズは、ゲート面積(W・L)に反比例するため、ゲート幅Wの縮小により特性向上を進めると、1/fノイズが悪化することになる。図12A,Bに、ソース領域51S、及びドレイン領域51D間の、チャネル領域上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極50を形成し、ゲート幅をそれぞれ、W1(図12A)、W2(図12B)としたときのMOSトランジスタの概略構成を示す。図12A,Bにおいて、W1>W2とし、W2のゲート幅は、1μm以下であるとする。そうすると、図12Aのゲート幅W1の場合には、1/fノイズ悪化を抑えることができるが、チャネル領域での移動度の向上は図られない。一方、図12Bのゲート幅W2の場合には、チャネル領域での移動度の向上は図られるものの、1/fノイズが悪化してしまう。
【0008】
MOSトランジスタをスイッチとして使用する場合には、1/fノイズは問題にならないため、ゲート幅の縮小は大きな問題とならない。しかしながら、CCDイメージセンサの出力部のように、アナログ増幅器として使う場合には、1/fノイズの悪化は、大きな問題となる。
【0009】
従来、図12A,Bを用いて説明したように、MOSトランジスタにおいて、チャネル領域での電子、又はホールの移動度の特性向上と、1/fノイズの改善とは、相反の関係にあり、移動度と1/fノイズをどちらも向上させるのは困難であった。
【0010】
【特許文献1】特開2007−208166号公報
【特許文献2】特開2006−190727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の点に鑑み、本発明は、チャネル領域の特性向上及び、1/fノイズの改善を図ったMOSトランジスタを提供するものである。また、そのMOSトランジスタを用いた固体撮像装置、電子機器、及びそれらの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のMOSトランジスタは、ゲート電極と、そのゲート電極下において、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域と、から構成される。
【0013】
また、本発明のMOSトランジスタの製造方法は、基板に、素子活性領域を形成する工程、素子活性領域に素子分離領域を形成し、素子活性領域を複数に分割して、複数のチャネル領域を形成する工程、複数に分割されたチャネル領域上に、ゲート電極を形成する工程を有する。
【0014】
本発明のMOSトランジスタ、及びその製造方法では、チャネル領域が複数に分割されるので、1つ1つのチャネル領域に対応するゲート幅が小さくでき、かつ、合計のゲート幅を広く維持することができる。
【0015】
また、本発明の固体撮像装置は、複数の光電変換素子と、光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンと、フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路を有する。そして、その複数段のソースフォロア回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極下の、チ素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域と、から構成される出力回路とから構成される。
【0016】
また、本発明の固体撮像装置の製造方法は、基板に、複数の光電変換素子を形成する工程、光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンを形成する工程を有する。また、フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極に対して、チャネル領域が素子分離領域により複数に分割されたソース・ドレイン領域とを有するように、出力回路を形成する工程とを有する。
【0017】
本発明の固体撮像装置、及びその製造方法では、出力回路において、複数段のソースフォロア回路の少なくとも初段のソースフォロア回路に用いられるMOSトランジスタのチャネル領域が、複数に分割されている。このため、初段のソースフォロア回路において、分割されたチャネル領域に対応するゲート幅が小さくされるので、歪効果等が効果的に働き、チャネル領域の電子、又はホールの移動度を向上させることができる。また、分割されたチャネル領域のゲート幅の合計は、従来通り維持されるので、1/fノイズが悪化されない。
【0018】
また、本発明の電子機器は、その構成要素である固体撮像装置が、複数の光電変換素子と、光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される。そしてその固体撮像装置の出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、ゲート電極下において、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域と、から構成される。本発明の電子機器では、光学レンズを介して固体撮像装置に光が入射され、固体撮像装置の光電変換素子により変換された信号電荷が、出力回路により読み出され、信号処理回路で処理される。
【0019】
また、本発明の電子機器の製造方法は、光学レンズを準備する工程、基板に、複数の光電変換素子を形成する工程、光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンを形成する工程を有する。そして、フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、ゲート電極下の、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域とを有するように、出力回路を形成する工程とを有する。また、固体撮像装置からの信号を処理する信号処理回路を準備する工程を有する。
【0020】
本発明の電子機器、及びその製造方法では、電子機器を構成する固体撮像装置の出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタのチャネル領域が、素子分離領域により分割されている。これにより、1つ1つのチャネル領域に対応するゲート幅が小さくなり、移動度が向上する。また、全体のゲート幅の合計を維持することができるので、1/fノイズが悪化されない。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、1/fノイズが悪化することなく、チャネル領域の特性が向上されたMOSトランジスタを構成することができる。また、そのMOSトランジスタを用い、特性向上された固体撮像装置、及び電子機器を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図1〜図11を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図1Aに、本発明の第1の実施形態におけるMOSトランジスタの概略構成を示す。また、図1Bは、図1AのA−A線上に沿う断面構成である。本実施形態例のMOSトランジスタ30は、ゲート電極31と、そのゲート電極31に対するチャネル領域34が、素子分離領域32により複数に分割されるように形成された、ソース領域33S、ドレイン領域33Dからなるソース・ドレイン領域33から構成される。
【0024】
素子分離領域32は、STI(Shallow Trench Isolation)構造とされ、図1Bに示すように、シリコン基板36表面にドライエッチングで形成されたトレンチ部37に、例えば酸化シリコン(SiO2)38を埋め込むことにより構成されている。この素子分離領域32は、ソース・ドレイン領域33となる素子活性領域を囲む領域と、ゲート幅Wが例えば1μm以下となるように、ゲート電極31下のチャネル領域34を分割する領域とに形成されている。本実施形態例では、1つのゲート電極31下のチャネル領域34が、素子分離領域32により、3つに分割され、それぞれのゲート幅Wは、1μm以下、本実施形態例では約1μmとされている。
図1Aに示す本実施形態例のMOSトランジスタ30では、チャネル領域34を分割する素子分離領域32は、ゲート電極31の下部よりも、ソース領域33S、ドレイン領域33D側に延長されて形成されているが、ゲート電極31の下部の領域にのみ、形成する例としてもよい。
【0025】
ソース・ドレイン領域33を構成する素子活性領域は、例えば、第1導電型の半導体基体からなるシリコン基板36に、第2導電型の半導体領域を埋め込むことにより形成され、例えばイオン注入により形成される。第1導電型半導体をn型半導体とし、第2導電型半導体をp型半導体としてもよく、その逆の構成でもよい。ソース・ドレイン領域33をn型半導体で形成した場合には、nチャネルMOSトランジスタとなり、p型半導体で形成した場合には、pチャネルMOSトランジスタとなる。
【0026】
また、ソース領域33S、ドレイン領域33Dのそれぞれの端部は、チャネル領域34を分割する素子分離領域32には分割されず、繋げられた構成とされている。
【0027】
ゲート電極31は、分割されたチャネル領域34となるシリコン基板36上に、ゲート絶縁膜35を介して形成される。本実施形態例において、ゲート長Lは、例えば0.5μmに構成される。
【0028】
以上の構成を有するMOSトランジスタ30では、チャネル領域34が、トレンチ部37に酸化シリコン38が埋め込まれた素子分離領域32で分割されることにより、ゲート幅Wが1μm以下、本実施形態例では1μmに小さく形成されている。このため、ゲート面積が縮小され、素子分離領域32からの歪効果を得ることができる。トレンチ部37を用いた素子分離領域32による歪効果は、トレンチ部37に埋め込まれた酸化シリコン38と、シリコン基板36との熱膨張係数の違いにより起こる。すなわち、トレンチ部37に埋め込まれた酸化シリコン38と、シリコン基板36との熱膨張係数が異なるため、トレンチ部37の角部に応力がかかり、チャネル領域34に歪みが生じる。これにより、チャネル領域34において、電子、又はホールの移動度が変化する。
【0029】
ところで、本実施形態例の素子分離領域32において、トレンチ部37に埋め込まれた酸化シリコン38は、シリコン基板36に対して、引張り応力を発生する。これに対して、図2に示すように、トレンチ部37に、絶縁膜39を介して、ポリシリコン40(Poly−Si)を埋め込む構成としてもよい。トレンチ部37にポリシリコン40を埋め込むことにより、シリコン基板36に対して圧縮応力を発生させることができる。
【0030】
すなわち、STI構造を用いて素子分離領域32を構成する場合では、トレンチ部37に埋め込む材料を選んで、素子分離領域32を形成することで、チャネル領域34における、電子、又はホールの移動度を変化させることができる。
【0031】
本実施形態例においては、分割されたチャネル領域34に対応するゲート幅Wを、1μmとしたが、1μm以下であればよく、MOSトランジスタの閾値電圧Vthがばらつかない程度の範囲であればよい。1μmより大きい場合は、チャネル領域34に、有効な歪効果が発生しない。
【0032】
以下に、電子、又はホールの移動度μxx/μ0と、チャネル領域34分に印加される圧力Sxx,Syy,Szzの関係を表す式を示す。ゲート長L方向を、x軸方向、ゲート幅W方向をz軸方向、x軸方向とz軸方向に垂直な方向をy軸方向とする。x軸方向においては、ソース領域33Sからドレイン領域33Dに向う方向を正とし、y軸方向においては、シリコン基板36表面から、シリコン基板36奥に向う方向を正とする。z軸方向においては、トランジスタの外方に向かう方向を正とする。
シリコン基板36が、(110)面基板であり、<110>方向にチャネル領域34が形成される場合、電子の移動度(μxx/μ0)Eは、
(μxx/μ0)E=1+0.316Sxx−0.534Syy+0.176Szz
で示される。一方ホールの移動度(μxx/μ0)Hは、
(μxx/μ0)H=1−0.718Sxx+0.011Syy+0.663Szz
と示される。
また、シリコン基板36が、(100)面基板であり、<100>方向にチャネル領域34が形成される場合、電子の移動度(μxx/μ0)Eは、
(μxx/μ0)E=1+1.02Sxx−0.534Syy−0.534Szz
で示される。一方ホールの移動度(μxx/μ0)Hは、
(μxx/μ0)H=1−0.06Sxx+0.011Syy+0.011Szz
と示される。上記の式における係数は、基板をシリコン基板36とした場合の係数である。
【0033】
本実施形態例のMOSトランジスタ30では、トレンチ部37に埋め込む材料を、好適に選択して素子分離領域32を形成することで、チャネル領域34に印加される圧力Sxx,Syy,Szzを上述の式にしたがって調整し、電子、又はホールの移動度を向上させることができる。すなわち、埋め込み材を変更することで、発生する応力を、圧縮、引張りと変えることができるため、チャネル方向に応じて適切な応力を発生することができる。
【0034】
本実施形態例では、素子分離領域32により、ゲート幅Wが1μm程度となるように、チャネル領域34を分割し、かつ、素子分離領域32を、トレンチ部37にシリコン基板36の熱膨張係数の異なる材料を埋め込むことにより形成する。これにより、チャネル領域34に圧縮応力や引張り応力をかけることができる。このため、チャネル領域34における電子及びホールの移動度を調整することができる。
さらに、シリコン基板36の面指数や、チャネル方向、及びトレンチ部37に埋め込まれる材料を選択することにより、より好適な移動度に調整できる。
【0035】
さらに、本実施形態例のMOSトランジスタ30では、分割されたゲート幅Wは約1μmであるが、有効な全ゲート幅Wは低減されない。すなわち、本実施形態例において、1つ1つのゲート幅Wは、1μmであるが、3つのゲート幅Wの合計は、3μmとなり、従来のゲート幅を維持することができる。これにより、1/fノイズを悪化させることがない。すなわち、実効的なゲート面積を変えずに、また、寄生容量もほとんど変えることなく、MOSトランジスタの特性改善が可能となる。
【0036】
上述した本実施形態例は、素子分離領域32をSTIにより形成されたトレンチ部37に絶縁埋め込み材料を埋め込んで構成する例を示したが、次に、素子分離領域32をLOCOS(選択酸化)により形成された酸化膜により構成する例を示す。
【0037】
図3Aに、本発明の第2の実施形態におけるMOSトランジスタの概略構成を示し、図3Bには、図3AのB−B線上における断面構成を示す。図3において、図1と対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0038】
本実施形態例のMOSトランジスタ41の素子分離領域32は、LOCOSにより形成されるシリコン酸化膜42(SiO2膜)により構成される。この素子分離領域32は、第1の実施形態における素子分離領域32と同様の位置に形成されるものである。すなわち、このLOCOS形成された素子分離領域32は、ソース・ドレイン領域33となる素子活性領域を囲む領域と、ゲート幅Wが1μm以下となるように、ゲート電極31に対向するチャネル領域34を分割する領域とに形成される。
本実施形態例では、1つのゲート電極31の下部に対応するチャネル領域34が、素子分離領域32により、3つに分割され、それぞれのゲート幅Wは、約1μmとされている。
【0039】
本実施形態例においても、ゲート電極31は、LOCOS形成による素子分離領域32が形成されたシリコン基板36上に、ゲート絶縁膜35を介して形成される。
【0040】
そして、本実施形態例のMOSトランジスタ41では、ゲート電極31を被覆して、ストレスライナー膜43が形成される。このストレスライナー膜43は、チャネル領域34に圧縮応力、又は引張り応力を付与するものである。このストレスライナー膜43により、チャネル領域34の電子、又はホールの移動度が向上される。例えば、nMOSトランジスタの場合には、引張り応力を有するストレスライナー膜43を形成することにより、電子の移動度が向上される。また、pMOSトランジスタの場合には、圧縮応力を有するストレスライナー膜43を形成することにより、ホールの移動度が向上される。
【0041】
ストレスライナー膜43は、窒化シリコン膜を、プラズマCVD法により、ゲート電極31を被覆するように、シリコン基板36全面に成膜することにより形成されるものである。
pMOSトランジスタの場合のプラズマCVD法の条件は、例えば、温度450℃、圧力=266Pa(2Torr)、SiH4=100sccm、NH3=100sccm、HF RFパワー=50W、LF RFパワー=100W、Spacing=300milsである。これにより、圧縮応力をもつストレスライナー膜43が形成される。
nMOSトランジスタの場合のプラズマCVD法の条件は、例えば、温度450℃、圧力=1333Pa(10Torr)、SiH4=30sccm、N2=100sccm、NH3=90sccm、HF RFパワー=20W、LF RFパワー=10W、Spacing=300milsである。これにより、引張り応力をもつストレスライナー膜43が形成される。
【0042】
本実施形態例では、ゲート幅Wが1μm以下となるように、チャネル領域34が素子分離領域32により複数に分割されているので、ストレスライナー膜43の効果をチャネル領域34に有効に付与することができる。
また、有効な全ゲート幅は、3つのそれぞれのゲート幅Wの合計であるから、本実施形態例は、従来と同じ3μm程度に維持され、ゲート幅縮小による1/fノイズの悪化を防ぐことができる。
【0043】
次に、図4Aに、本発明の第3の実施形態におけるMOSトランジスタの概略構成を示す。また、図4Bには、図4AにおけるC−C線上に沿う断面構成を示す。本実施形態例のMOSトランジスタ46の素子分離領域32は、ソース・ドレイン領域33を形成する半導体層とは逆の性質を有する半導体層により構成された例である。図4において、図1に対応する部分には、同一符号を付し重複説明を省略する。
【0044】
本実施形態例では、シリコン基板36上に、3つのソース・ドレイン領域33が形成されている。そして、その3つのソース・ドレイン領域33は、ソース・ドレイン領域33を構成する導電型の半導体層とは逆の性質を有する半導体層で構成された素子分離領域32、すなわち、チャネルストップ領域45により分離されている。例えば、ソース・ドレイン領域33が、n型半導体で形成されている場合は、チャネルストップ領域45である素子分離領域32は、p型半導体で形成される。反対に、ソース・ドレイン領域33が、p型半導体で形成されている場合は、チャネルストップ領域45である素子分離領域32は、n型半導体で形成される。
【0045】
そして、この1つ1つのソース・ドレイン領域33は、チャネル領域34に対応するゲート幅Wが、1μm以下となるように、素子分離領域32により分割されている。
【0046】
3対のそれぞれのソース・ドレイン領域33間のチャネル領域34には、ゲート絶縁膜35を介して、1つのゲート電極31が構成される。すなわち、このゲート電極31は、3つのチャネル領域34全てに架かるように構成されている。本実施形態例においては、ゲート電極31のゲート長Lは、0.5μmとされている。また、チャンネル領域34が、素子分離領域32により分割され、それぞれの対のソース・ドレイン領域33間のチャネル領域34に対応するゲート幅Wは、約1μmとされている。
【0047】
そして、本実施形態例においては、それぞれのソース領域33Sに、ソース配線44Sが接続されており、それぞれのドレイン領域33Dに、ドレイン配線44Dが接続されている。本実施形態例では、3対のソース・ドレイン領域33を完全に分離する例としたが、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、3つのソース領域33S、ドレイン領域33Dが、それぞれ接続されるように構成する例としてもよい。
【0048】
また、本実施形態例のMOSトランジスタ46においても、第2の実施形態と同様に、ゲート電極31を被覆して、ストレスライナー膜43が形成される。このストレスライナー膜43は、チャネル領域34に圧縮応力、又は引張り応力を付与するものである。このストレスライナー膜43により、チャネル領域34の電子、又はホールの移動度が向上される。例えば、nチャネルMOSトランジスタの場合には、引張り応力を有するストレスライナー膜を形成することにより、電子の移動度が向上される。また、pチャネルMOSトランジスタの場合には、圧縮応力を有するストレスライナー膜43を形成することにより、ホールの移動度が向上される。
【0049】
ストレスライナー膜43の成膜過程は、第2の実施形態と同様であるから、重複説明を省略する。
【0050】
本実施形態例においても、第2の実施形態と同様、ゲート幅Wが1μm以下となるように、チャネル領域34が素子分離領域32により複数に分割されているので、ストレスライナー膜43の効果をチャネル領域34に有効にかけることができる。
また、有効な全ゲート幅は、3つのゲート幅Wの合計であるから、従来のゲート幅である3μm程度を維持することができ、ゲート幅縮小による1/fノイズの悪化を防ぐことができる。
【0051】
以上のように、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタでは、チャネル領域34の電子又はホールの移動度を向上させながらも、1/fノイズの悪化を防ぐことが可能となり、MOSトランジスタの特性が向上される。
【0052】
上述した第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタは、チャネル領域を、ゲート幅が1μmとなるように、3つに分割する例としたが、ゲート幅は、1μm以下、好ましくは、1μm以下であればよく、また、3つ以上の複数に分割する例としてもよい。
【0053】
すなわち、分割したチャネル領域におけるゲート幅が、1μm以下であればよく、また、分割されたチャネル領域に対応するゲート幅の合計、すなわち、有効な全ゲート幅が、1/fノイズを悪化させない幅を維持できればよい。
【0054】
本発明のMOSトランジスタは、例えば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等の固体撮像装置のアンプトランジスタに用いることができる。
以下に、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを用いたCCDイメージセンサの、一実施形態について説明する。
【0055】
まず、図5に、CCDイメージセンサの概略構成を示す。CCDイメージセンサ1は、半導体基板6に形成された複数の受光部2、すなわち光電変換素子であるフォトダイオードと、各光電変換素子列に対応したCCD構造の垂直転送レジスタ3と、CCD構造の水平転送レジスタ4と、出力回路5とを有して構成される。このCCD固体撮像装置では、受光部2のフォトダイオードで光電変換されて生成された信号電荷が垂直転送レジスタ3に読み出されて、垂直方向に転送される。垂直転送された信号電荷は、一水平ライン毎に水平転送レジスタ4に転送され、水平転送レジスタ4内を水平方向に転送され、フローティングディフュージョンFDで電荷電圧変換され、出力回路5から画素信号として出力される。
【0056】
図6に水平転送レジスタ4及び出力回路5の概略構成を示す。第1導電型の例えばn型の半導体基板11には、p型半導体ウェル領域12が形成され、このp型半導体ウェル領域12に水平転送用のn型の埋め込みチャネル13が形成される。この埋め込み水平チャネル13上にゲート絶縁膜14を介して、例えば2相駆動パルスφH1、φH2が印加される複数の水平転送電極15が形成される。さらに終段にゲート電圧φHOGが印加される水平出力ゲート電極16が形成される。水平出力ゲート電極16に隣接してn型のフローティングディフージョン領域FDが形成される。フローティングディフージョン領域FDとn型のリセットドレイン領域18との間にゲート絶縁膜を介してリセットゲート電極19が形成され、ここにリセットトランジスタTrRSEが構成される。そして、フローティングディフージョン領域FDが出力回路5に接続される。
【0057】
出力回路5は、例えば2段のソースフォロア回路21,22で構成される。1段目のソースフォロア回路21は、駆動MOSトランジスタQ1と負荷MOSトランジスタQ2とからなり、2段目のソースフォロア回路22は、駆動MOSトランジスタQ3と負荷MOSトランジスタQ4とから構成される。駆動MOSトランジスタQ1及びQ3のドレインが電源VDDに接続され、負荷MOSトランジスタQ2及びQ4のソースが接地される。負荷MOSトランジスタQ2及びQ4のゲートは所要の電圧VGGが印加される。
【0058】
そして、出力回路6の入力端inとなる1段目のソースフォロア回路21における駆動MOSトランジスタQ1のゲートにフローティングディフージョン領域FDの電位が入力される。1段目のソースフォロア回路21の出力は、2段目のソースフォロア回路22の駆動MOSトランジスタQ3のゲートに入力される。2段目のソースフォロア回路22における駆動MOSトランジスタQ3と負荷MOSトランジスタQ4との接続中点より出力端outが導出される。従って、フローティングディフージョン領域FDに信号電荷が転送されると、そのフローティングディフージョン領域FDの電位が1段目及び2段目のソースフォロア回路21及び22で増幅されて出力端outより画素信号として出力される。1画素の信号電荷が読み出され後は、リセットゲート電極19にリセットパルスが印加され、フローティングディフージョン領域FDの電荷がリセットドレイン領域18に排出され、フローティングディフージョン領域FDの電位がリセットされる。
【0059】
以上の構成を有するCCDイメージセンサ1において、本実施形態では、出力回路5の1段目のソースフォロア回路21の駆動MOSトランジスタQ1に、第1〜第3の実施形態で示したMOSトランジスタを用いる。出力回路5の1段目のソースフォロア回路21におけるMOSトランジスタの1/fノイズは、変換効率に関わり、大きな問題となる。すなわち、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを、1段目のソースフォロア回路21の駆動MOSトランジスタQ1に用いることにより、ゲート面積を、1/fノイズが悪化しないように維持することができる。そして、1/fノイズを悪化させないように維持された状態において、さらに、チャネル領域における電子、又はホールの移動度を向上させることができる。これにより、CCDイメージセンサ1の特性を向上させることができる。
【0060】
本実施形態例においては、CCDイメージセンサ1の出力回路5の1段目のソースフォロア回路21に、本発明のMOSトランジスタを用いる例としたが、2段目のソースフォロアにも、同様に用いることも可能である。これにより、さらに、CCDイメージセンサの特性が向上される。
【0061】
また、本実施形態例においては、CCDイメージセンサに用いる例としたが、CMOSイメージセンサにも適用することが可能である。
以下に、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを用いたCMOSイメージセンサの、一実施形態について説明する。
【0062】
図7に、CMOSイメージセンサの概略構成を示す。本実施形態例に係る固体撮像装置201は、複数の画素202が、規則性をもって2次元配列された撮像部(いわゆる画素部)203と、撮像部203の周辺に配置された周辺回路とを有する。周辺回路は、垂直駆動部204、水平転送部205、及び出力部206を有して構成される。
【0063】
画素2は、1つの光電変換素子であるフォトダイオードPDと、複数段のソースフォロア回路となる、画素トランジスタ(MOSトランジスタ)とにより構成される。
【0064】
画素202において、フォトダイオードPDは、光入射で光電変換され、その光電変換で生成された信号電荷を蓄積する領域を有して成る。複数の画素トランジスタは、転送トランジスタTr1、リセットトランジスタTr2、増幅トランジスタTr3及び、選択トランジスタTr4の4つのMOSトランジスタを有している。転送トランジスタTr1は、フォトダイオードPDに蓄積された信号電荷をフローティングディフュージョン領域FDに読み出すトランジスタである。リセットトランジスタTr2は、フローティングディフュージョン領域FDの電位を規定の値に設定するためのトランジスタである。増幅トランジスタTr3は、フローティングディフュージョン領域FDに読み出された信号電荷を電気的に増幅するためのトランジスタである。選択トランジスタTr4は、画素1行を選択して画素信号を垂直信号線8に読み出すためのトランジスタである。
なお、図示しないが、選択トランジスタTr4を省略した3つのトランジスタとフォトダイオードPDで画素を構成することも可能である。
【0065】
画素202の回路構成では、転送トランジスタTr1のソースがフォトダイオードPDに接続され、そのドレインがリセットトランジスタTr2のソースに接続される。転送トランジスタTr1とリセットトランジスタTr2間の電荷−電圧変換手段となるフローティングディフュージョン領域FD(転送トランジスタのドレイン領域、リセットトランジスタのソース領域に相当する)が増幅トランジスタTr3のゲートに接続される。増幅トランジスタTr3のソースは選択トランジスタTr4のドレインに接続される。リセットトランジスタTr2のドレイン及び増幅トランジスタTr3のドレインは、電源電圧供給部に接続される。また、選択トランジスタTr4のソースが垂直信号線208に接続される。
【0066】
垂直駆動部204は、転送トランジスタTr1、リセットトランジスタTr2、選択トランジスタTr4のそれぞれのゲートに接続される転送信号線、リセット信号線、選択信号線に、所望のパルス信号を入力するための駆動回路を有する。すなわち、垂直駆動部4から、リセット信号線を介し、1行に配列された画素2のリセットトランジスタTr2のゲートに、共通に印加される行リセット信号φRSTが供給される。同じく、垂直駆動部204から、転送信号線を介して、1行の画素の転送トランジスタTr1のゲートに、共通に印加される行転送信号φTRFが供給される。さらに、同じく、垂直駆動部204から、選択信号線を介して、1行の選択トランジスタTr4のゲートに、共通に印加される行選択信号φSELが供給される。
【0067】
水平転送部205は、各列の垂直信号線208に接続された、アナログ/デジタル変換器209と、行選択回路(スイッチ手段)SWと、水平転送線210とを有して構成される。出力部206は、増幅器又は、アナログ/デジタル変換器及び/又は信号処理回路から構成されるものであるが、本例では、水平転送線210からの出力を処理する信号処理回路211と、出力バッファ212とを有して構成される。また、水平転送線210は、例えばデータビット線と同数の信号線で構成されたバス信号線で構成される。
【0068】
このCMOSイメージセンサ201では、各行の画素202の信号が各アナログ/デジタル変換器209にてアナログ/デジタル変換され、順次選択される行選択回路SWを通じて水平転送線210に読み出され、順次に水平転送される。水平転送線210に読み出された画像データは、信号処理回路211を通じて出力バッファ212より出力される。
【0069】
そして、このCMOSイメージセンサ201においては、複数段のソースフォロア回路を構成する画素トランジスタのうち、初段のソースフォロア回路となる選択トランジスタTrに、第1〜第3の実施形態で示したMOSトランジスタを用いる。1段目のソースフォロア回路となる選択トランジスタTr4の1/fノイズは、変換効率に関わり、大きな問題となる。すなわち、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを、1段目のソースフォロア回路である選択トランジスタTr4に用いることにより、ゲート面積を、1/fノイズが悪化しないように維持することができる。そして、1/fノイズを悪化させないように維持された状態において、さらに、チャネル領域における電子、又はホールの移動度を向上させることができる。これにより、CMOSイメージセンサ201の特性を向上させることができる。
【0070】
また、図8に、本発明が適用できるCMOSイメージセンサの他の例を示す。
CMOSイメージセンサ550は、複数の画素、本例では、4つの画素に、転送トランジスタを除く他の画素トランジスタを共有した例であり、以下、画素トランジスタを共有する画素群を共有画素という。すなわち、共有画素においては、光電変換素子であるフォトダイオードが4つ構成されている。図8において、図7と同一部分には、同一符号を付し重複説明を省略する。
【0071】
本実施形態例の固体撮像装置550は、複数の共有画素502が、規則性を持って2次元配列された撮像部553(いわゆる画素部)と、撮像部553の周辺に配置された周辺回路とを有して構成される。周辺回路は、垂直駆動部204、水平転送部205、及び出力部206から構成される。共有画素502は、複数、本実施形態例では、4つの光電変換素子であるフォトダイオードPD1〜PD4と、4つの転送トランジスタTr11〜Tr14と、各1つのリセットトランジスタTr2、増幅トランジスタTr3及び選択トランジスタTr4とから構成される。
【0072】
共有画素502の回路構成では、図8に示すように、4つの各フォトダイオードPD[PD1,PD2,PD3,PD4]が、それぞれ対応する4つの転送トランジスタTr11,Tr12,Tr13,Tr14のソースに接続される。そして、各転送トランジスタTr11〜Tr14のドレインが1つのリセットトランジスタTr2のソースに接続される。各転送トランジスタTr11〜Tr14とリセットトランジスタTr2間の電荷−電圧変換手段となる共通のフローティングディフュージョン領域FDは1つの増幅トランジスタTr3のゲートに接続される。増幅トランジスタTr3のソースは、1つの選択トランジスタTr4のドレインに接続される。リセットトランジスタTr2のドレイン及び、増幅トランジスタTr3のドレインは、電源電圧供給部に接続される。また、選択トランジスタTr4のソースが垂直信号線208に接続される。
【0073】
各転送トランジスタTr11〜Tr14のゲートには、それぞれ行転送信号φTRF1〜φTRF4が印加される。リセットトランジスタTr2のゲートには行リセット信号φRSTが印加される。そして、選択トランジスタTr4のゲートには、行選択信号φSELが印加される。
【0074】
垂直駆動部204、水平転送部205、出力部206その他の構成は、図7と同様であるから、重複説明を省略する。
【0075】
このように、4つの画素が、転送トランジスタ以外の画素トランジスタを共有する共有画素を構成する場合の、共有画素502内における4つのフォトダイオードPD1〜PD4及び、転送トランジスタTr11〜Tr14を有するCMOSイメージセンサの配置レイアウトの一例を以下に示す。
【0076】
図9は、図8に示したCMOSイメージセンサ550の要部の配置レイアウトである。
【0077】
このCMOSイメージセンサ550では、2次元アレイ状に配列されたフォトダイオードPD1〜PD4のうちの、斜めに隣り合うフォトダイオードPD1、及びPD2が1つのフローティングディフュージョン領域FDを共有する。そして、フォトダイオードPD1の列方向に、一つおきに隣り合うフォトダイオードPD3と、フォトダイオードPD2の列方向に、一つおきに隣り合うフォトダイオードPD4とが、1つのフローティングディフュージョン領域FDを共有する。そして、このように、斜めに隣り合うフォトダイオードPD1〜PD4により、1つの共有画素60が構成される。
【0078】
この例において、各フォトトランジスタPD1〜PD4と、フローティングディフュージョン領域FDとの境界部には、それぞれの転送トランジスタTr11〜Tr14の転送ゲート59a,59b,59c,59dが構成される。
【0079】
そして、各転送ゲート59a,59b,59c,59dに接続されるように、図示しない転送信号線が構成される。
【0080】
このようなCMOSイメージセンサ550においても、複数段のソースフォロア回路を構成する画素トランジスタのうち、初段のソースフォロア回路となる選択トランジスタTr4に、第1〜第3の実施形態で示したMOSトランジスタを用いる。1段目のソースフォロア回路となる選択トランジスタTr4の1/fノイズは、変換効率に関わり、大きな問題となる。すなわち、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを、1段目のソースフォロア回路である選択トランジスタTr4に用いることにより、ゲート面積を、1/fノイズが悪化しないように維持することができる。そして、1/fノイズを悪化させないように維持された状態において、さらに、チャネル領域における電子、又はホールの移動度を向上させることができる。これにより、CMOSイメージセンサ550の特性を向上させることができる。
【0081】
さらに、図10に、本発明が適用できるCMOSイメージセンサの他の例を示す。
このCMOSイメージセンサ600は、上下2つの画素でトランジスタを共有する例である。単位セル230は、実線で囲まれた部分であり、この単位セル230は、2つの画素231、232から構成されている。画素231,232は、それぞれ、フォトダイオード233,234と、複数段のソースフォロア回路を構成する画素トランジスタとから構成される。複数の画素トランジスタは、フォトダイオード233及び234のそれぞれに接続される2つの転送トランジスタTr235,Tr236と、2つの画素231,232に共通のリセットトランジスタTr237、増幅トランジスタTr238とから構成される。転送トランジスタTr235,Tr236のソースは、それぞれ、フォトダイオード233,234に接続されており、そのドレインがリセットトランジスタTr237のソースに接続される。転送トランジスタTr235,Tr236とリセットトランジスタTr237間の電荷−電圧変換手段となるフローティングディフュージョン領域FD(転送トランジスタのドレイン領域、リセットトランジスタのソース領域に相当する)が増幅トランジスタTr238のゲートに接続される。増幅トランジスタTr238、及びリセットトランジスタTr237のドレインは、電源電圧を供給する全面選択信号線239に接続される。
そして、増幅トランジスタTr238のソースは、垂直信号線248に接続される。
【0082】
そして、転送トランジスタTr235,Tr236のゲートには、行転送信号φTRFを供給する転送信号線242,243が接続されており、リセットトランジスタTr237のゲートには、行リセット信号φRSTを供給するリセット信号線241が接続されている。
【0083】
このようなCMOSイメージセンサ600においても、複数段のソースフォロア回路を構成する画素トランジスタのうち、初段のソースフォロア回路となる増幅トランジスタTr238に、第1〜第3の実施形態で示したMOSトランジスタを用いる。1段目のソースフォロア回路となる増幅トランジスタTr238の1/fノイズは、変換効率に関わり、大きな問題となる。すなわち、第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを、1段目のソースフォロア回路である増幅トランジスタTr238に用いることにより、ゲート面積を、1/fノイズが悪化しないように維持することができる。そして、1/fノイズを悪化させないように維持された状態において、さらに、チャネル領域における電子、又はホールの移動度を向上させることができる。これにより、CMOSイメージセンサ600の特性を向上させることができる。
【0084】
また、本実施形態例では、可視光の光量に応じた信号電荷を物理量として検知する単位画素が行列状に配置されてなるイメージセンサに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はイメージセンサへの適用に限られるものではなく、画素アレイ部の画素列ごとにカラム回路を配置してなるカラム方式の固体撮像装置全般に対して適用可能である。
【0085】
また、本発明は、可視光の入射光量の分布を検知して画像として撮像する固体撮像装置への適用に限らず、赤外線やX線、あるいは粒子等の入射量の分布を画像として撮像する固体撮像装置や、広義の意味として、圧力や静電容量など、他の物理量の分布を検知して画像として撮像する指紋検出センサ等の固体撮像装置(物理量分布検知装置)全般に対して適用可能である。
さらに、本発明は、画素アレイ部の各単位画素を行単位で順に走査して各単位画素から画素信号を読み出す固体撮像装置に限らず、画素単位で任意の画素を選択して、当該選択画素から画素単位で信号を読み出すX−Yアドレス型の固体撮像装置に対しても適用可能である。
なお、固体撮像装置はワンチップとして形成された形態であってもよいし、撮像部と、信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。
【0086】
また、本発明は、固体撮像装置への適用に限られるものではなく、撮像装置にも適用可能である。ここで、撮像装置とは、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、携帯電話機などの撮像機能を有する電子機器のことを言う。なお、電子機器に搭載される上記モジュール状の形態、即ちカメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
【0087】
以下に、上述した本発明の一実施形態におけるCCDイメージセンサ、またはCMOSイメージセンサ等の固体撮像装置を電子機器に用いた場合の実施形態を示す。以下の説明では、一例として、カメラに、CCDイメージセンサ1を用いる例を説明する。
【0088】
図11に、本発明の一実施形態に係るカメラの概略断面構成を示す。本実施形態に係るカメラは、静止画撮影又は動画撮影可能なビデオカメラを例としたものである。
本実施形態に係るカメラは、CCDイメージセンサ1と、光学系110と、シャッタ装置111と、駆動回路112と、信号処理回路113とを有する。本実施形態例では、CCDイメージセンサ1として、上述した第1〜第3の実施形態におけるMOSトランジスタを用いたCCDイメージセンサが用いられる。
【0089】
光学系110は、被写体からの像光(入射光)をCCDイメージセンサ1の撮像面上に結像させる。これによりCCDイメージセンサ1内に一定期間当該信号電荷が蓄積される。
シャッタ装置111は、CCDイメージセンサ1への光照射期間および遮光期間を制御する。
駆動回路112は、CCDイメージセンサ1の転送動作およびシャッタ装置111のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路112から供給される駆動信号(タイミング信号)により、CCDイメージセンサ1の信号転送を行なう。信号処理回路113は、各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリなどの記憶媒体に記憶され、あるいはモニタに出力される。
【0090】
本実施形態例では、CCDイメージセンサ1に、先述した実施形態に係るMOSトランジスタの構成を用いることで、CCDイメージセンサイメージセンサ1では、その特性が向上されている。そのため、本実施形態例のカメラでは、より良質な画像を得ることができる。
【0091】
このように、CCDイメージセンサ1を適用できる電子機器としては、カメラに限られるものではなく、デジタルスチルカメラ、さらには携帯電話機等のモバイル機器向けカメラモジュールなどの撮像装置に適用可能である。それらの撮像装置において、固体撮像装置として先述した実施形態に係るCCDイメージセンサ1を用いることで、当該CCDイメージセンサ1では、簡単な構成で、良質な画像を得ることができる。
【0092】
本実施形態例においては、CCDイメージセンサ1をカメラに用いる構成としたが、前述した図7〜図10に示したCMOSイメージセンサを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】A,B 本発明の第1の実施形態に係るMOSトランジスタの概略構成図と、図1Aに示すMOSトランジスタのA−A線上に沿う概略断面構成である。
【図2】図1Aに示すMOSトランジスタのA−A線上に沿う概略断面構成の他の例である。
【図3】A,B 本発明の第2の実施形態に係るMOSトランジスタの概略構成図と、図3Aに示すMOSトランジスタのB−B線上に沿う概略断面構成である。
【図4】A,B 本発明の第3の実施形態に係るMOSトランジスタの概略構成図と、図4Aに示すMOSトランジスタのC−C線上に沿う概略断面構成である。
【図5】本発明の一実施形態における固体撮像装置(CCDイメージセンサ)の概略平面構成である。
【図6】本発明の一実施形態におけるCCDイメージセンサの要部の断面構成及び回路図である。
【図7】本発明の一実施形態における固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)の概略平面構成図である。
【図8】本発明の一実施形態における固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)の概略構成図(その2)である。
【図9】本発明のCMOSイメージセンサの要部の配置レイアウトを示す図である。
【図10】本発明の一実施形態における固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)の概略構成図(その3)である。
【図11】本発明の一実施形態における電子機器の概略構成図である。
【図12】A,B MOSトランジスタにおけるゲート幅を変化させたときの概略構成図である。
【符号の説明】
【0094】
1・・CCDイメージセンサ、2・・受光部、3・・垂直転送レジスタ、4・・水平転送レジスタ、5・・出力回路、6・・半導体基板、21,22・・ソースフォロア回路、30,41,46・・MOSトランジスタ、31・・ゲート電極、32・・素子分離領域、33・・ソース・ドレイン領域、34・・チャネル領域、35・・ゲート絶縁膜、36・・シリコン基板、37・・トレンチ部、38・・酸化シリコン、39・・絶縁膜、40・・ポリシリコン、42・・シリコン酸化膜、43・・ストレスライナー膜、44S・・ソース配線、44D・・ドレイン配線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極と、
前記ゲート電極下において、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、
ソース・ドレイン領域と、
から構成されるMOSトランジスタ。
【請求項2】
前記分割されたそれぞれのチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項1記載のMOSトランジスタ。
【請求項3】
前記素子分離領域は、STI(Shallow Trench Isolation)により構成される
請求項1記載のMOSトランジスタ。
【請求項4】
前記STIにより構成される素子分離領域は、トレンチ部に、酸化シリコン、又はポリシリコンが埋め込まれて構成される
請求項3記載のMOSトランジスタ。
【請求項5】
前記素子分離領域は、LOCOS(Local Oxidation Of Silicon)により形成された酸化膜によって構成され、前記ゲート電極はストレスライナー膜により被覆される
請求項1記載のMOSトランジスタ。
【請求項6】
前記素子分離領域は、ソース・ドレイン領域を形成する導電型とは逆の導電型を有する半導体領域によって形成され、前記ゲート電極は、ストレスライナー膜により被覆される
請求項1記載のMOSトランジスタ。
【請求項7】
複数の光電変換素子と、
前記光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンと、
前記フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力するソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極下において、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域と、から構成される出力回路と、
から構成される固体撮像装置。
【請求項8】
前記MOSトランジスタは、複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成する
請求項7記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記MOSトランジスタの、前記分割されたチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項7記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記MOSトランジスタの、前記分割されたチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項8記載の固体撮像装置。
【請求項11】
光学レンズと、
複数の光電変換素子と、前記光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力するソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極下において、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域とから構成される出力回路と、から構成される固体撮像装置と、
前記固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路と
を有する電子機器。
【請求項12】
前記MOSトランジスタは、複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成する
請求項11記載の電子機器。
【請求項13】
基板に、素子活性領域を形成する工程、
前記素子活性領域に素子分離領域を形成することで、前記素子活性領域を複数に分割して、複数のチャネル領域を形成する工程、
前記複数に分割されたチャネル領域上に、ゲート電極を形成する工程
とを含むMOSトランジスタの製造方法。
【請求項14】
前記分割されたそれぞれのチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項13記載のMOSトランジスタの製造方法。
【請求項15】
基板に、複数の光電変換素子を形成する工程、
前記光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンを形成する工程、
前記フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極に対して、チャネル領域が素子分離領域により複数に分割されたソース・ドレイン領域とを有するように、出力回路を形成する工程、
とを有する固体撮像装置の製造方法。
【請求項16】
前記分割されたそれぞれのチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項15記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項17】
光学レンズ系を準備する工程、
基板に、複数の光電変換素子を形成する工程、前記光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンを形成する工程、前記フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極に対して、チャネル領域が素子分離領域により複数に分割されたソース・ドレイン領域とを有するように、出力回路を形成する工程とを有する固体撮像装置を準備する工程、
前記固体撮像装置からの信号を処理する信号処理回路を準備する工程、
とを有する電子機器の製造方法。
【請求項18】
前記分割されたそれぞれのチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項17記載の電子機器の製造方法。
【請求項1】
ゲート電極と、
前記ゲート電極下において、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、
ソース・ドレイン領域と、
から構成されるMOSトランジスタ。
【請求項2】
前記分割されたそれぞれのチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項1記載のMOSトランジスタ。
【請求項3】
前記素子分離領域は、STI(Shallow Trench Isolation)により構成される
請求項1記載のMOSトランジスタ。
【請求項4】
前記STIにより構成される素子分離領域は、トレンチ部に、酸化シリコン、又はポリシリコンが埋め込まれて構成される
請求項3記載のMOSトランジスタ。
【請求項5】
前記素子分離領域は、LOCOS(Local Oxidation Of Silicon)により形成された酸化膜によって構成され、前記ゲート電極はストレスライナー膜により被覆される
請求項1記載のMOSトランジスタ。
【請求項6】
前記素子分離領域は、ソース・ドレイン領域を形成する導電型とは逆の導電型を有する半導体領域によって形成され、前記ゲート電極は、ストレスライナー膜により被覆される
請求項1記載のMOSトランジスタ。
【請求項7】
複数の光電変換素子と、
前記光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンと、
前記フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力するソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極下において、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域と、から構成される出力回路と、
から構成される固体撮像装置。
【請求項8】
前記MOSトランジスタは、複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成する
請求項7記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記MOSトランジスタの、前記分割されたチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項7記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記MOSトランジスタの、前記分割されたチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項8記載の固体撮像装置。
【請求項11】
光学レンズと、
複数の光電変換素子と、前記光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンと、前記フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力するソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極下において、素子分離領域により複数に分割されたチャネル領域と、ソース・ドレイン領域とから構成される出力回路と、から構成される固体撮像装置と、
前記固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路と
を有する電子機器。
【請求項12】
前記MOSトランジスタは、複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成する
請求項11記載の電子機器。
【請求項13】
基板に、素子活性領域を形成する工程、
前記素子活性領域に素子分離領域を形成することで、前記素子活性領域を複数に分割して、複数のチャネル領域を形成する工程、
前記複数に分割されたチャネル領域上に、ゲート電極を形成する工程
とを含むMOSトランジスタの製造方法。
【請求項14】
前記分割されたそれぞれのチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項13記載のMOSトランジスタの製造方法。
【請求項15】
基板に、複数の光電変換素子を形成する工程、
前記光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンを形成する工程、
前記フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極に対して、チャネル領域が素子分離領域により複数に分割されたソース・ドレイン領域とを有するように、出力回路を形成する工程、
とを有する固体撮像装置の製造方法。
【請求項16】
前記分割されたそれぞれのチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項15記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項17】
光学レンズ系を準備する工程、
基板に、複数の光電変換素子を形成する工程、前記光電変換素子により変換された信号電荷を検出するフローティングディフュージョンを形成する工程、前記フローティングディフュージョンに検出された信号電荷を出力する複数段のソースフォロア回路から構成される出力回路のうち、少なくとも初段のソースフォロア回路を構成するMOSトランジスタが、ゲート電極と、前記ゲート電極に対して、チャネル領域が素子分離領域により複数に分割されたソース・ドレイン領域とを有するように、出力回路を形成する工程とを有する固体撮像装置を準備する工程、
前記固体撮像装置からの信号を処理する信号処理回路を準備する工程、
とを有する電子機器の製造方法。
【請求項18】
前記分割されたそれぞれのチャネル領域に対応するゲート幅は、1μm以下である
請求項17記載の電子機器の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−295890(P2009−295890A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149957(P2008−149957)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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