説明

ぺロブスカイト構造酸化物薄膜の作製方法

【課題】効率的にぺロブスカイト構造酸化物薄膜の結晶方位制御ができ、容易に高品位の正方晶系ぺロブスカイト構造酸化物薄膜を提供し得る方法を提供する。
【解決手段】蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板の(111)面上または(100)面上に、正方晶系の結晶構造を有し、かつ(001)、(101)または(111)の単一結晶配向を有するぺロブスカイト構造酸化物薄膜を作製する(ただし、(100)面上に、(001)の単一結晶配向を有する場合を除く)。蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板は、金属サイトまたはFサイトの一部を他の元素で置換して格子定数を制御されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ぺロブスカイト構造酸化物薄膜の作製方法およびぺロブスカイト構造酸化物薄膜に関する。
【背景技術】
【0002】
ぺロブスカイト構造酸化物は、強誘電性、強磁性、超伝導性といった多くの特性を有するため、その特性の制御には結晶方向の制御が非常に重要である。しがって、ぺロブスカイト構造薄膜の作製に際しても、単結晶と同等の特性を有するエピタキシャル膜における結晶方位制御が重要となる。
【0003】
従来、基板上のバッファー層を工夫することで結晶方位制御が可能な基板としては、(100)Siが知られているが、酸化物を作製するには、結晶成長が難しい、良好な結晶性が得がたい、といった問題があった。
【0004】
SrTiO等の酸化物単結晶上でもぺロブスカイト構造酸化物薄膜の結晶方位制御は可能であるが、その場合にはSrTiO等自身の結晶方位を変化させることが必要である(K.Saito et al., J.Appl.Phys., 93(1) 2003, 545-550)。したがって、さらに効率的にぺロブスカイト構造酸化物薄膜の結晶方位制御ができる方法が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】K.Saito et al., J.Appl.Phys., 93(1) 2003, 545-550
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、効率的にぺロブスカイト構造酸化物薄膜の結晶方位制御ができ、容易に高品位の正方晶系ぺロブスカイト構造酸化物薄膜を提供し得る方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の発明を提供する。
(1)蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板の(111)面上または(100)面上に、正方晶系の結晶構造を有し、かつ(001)、(101)または(111)の単一結晶配向を有するぺロブスカイト構造酸化物薄膜を作製する(ただし、(100)面上に、(001)の単一結晶配向を有する場合を除く)ことを特徴とするぺロブスカイト構造酸化物薄膜の作製方法;
(2)蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物がフッ化カルシウムである上記(1)に記載の作製方法;
(3)蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板は、金属サイトまたはFサイトの一部を他の元素で置換して格子定数を制御されていてもよい上記(1)または(2)に記載の作製方法;
(4)金属サイトの一部を置換する、他の元素が、Sr,Baおよびランタノイドから選ばれる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の作製方法;
(5)蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板とぺロブスカイト構造酸化物薄膜の間にバッファ層が形成されていない上記(1)〜(4)のいずれかに記載の作製方法;
(6)蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板とぺロブスカイト構造酸化物薄膜の間にバッファ層が形成されている上記(1)〜(4)に記載の作製方法;
(7)ぺロブスカイト構造酸化物が、一般式ABO3(式中、AはPb、Sr、Ca、K、Bi、NaおよびBaの一種以上を含み、一方BはTi,Zr,Cr、Mo,W、Nb、Zn、Mg、Sc、In、Yb、Ni、Co,Ta、Ru,Sn、Ga、AlおよびHfの一種以上を含む。)で表わされる上記(1)〜(6)のいずれかに記載の作製方法;
(8)ぺロブスカイト構造酸化物が、Pb(Zr,Ti)O3である上記(6)に記載の作製方法;
(9)ぺロブスカイト構造酸化物薄膜がスパッタ法で形成される上記(1)〜(8)のいずれかに記載の作製方法;
(10)ぺロブスカイト構造酸化物薄膜の膜厚が10nm〜100μmである上記(1)〜(9)のいずれかに記載の作製方法;
(11)蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板の(111)面上または(100)面上に形成されてなり、正方晶系の結晶構造を有し、かつ(001)、(101)または(111)の単一結晶配向を有するぺロブスカイト構造酸化物薄膜(ただし、(100)面上に、(001)の単一結晶配向を有する場合を除く。);
(12)蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板は、金属サイトまたはFサイトの一部を他の元素で置換して格子定数を制御されていてもよい上記(11)に記載のぺロブスカイト構造酸化物薄膜;ならびに
(13)正方晶系の結晶構造を有し、かつ(101)または(111)の単一結晶配向を有するぺロブスカイト構造酸化物薄膜、
である。
【発明の効果】
【0008】
本発明方法によれば、効率的にぺロブスカイト構造酸化物薄膜の結晶方位制御ができ、容易に高品位の正方晶系ぺロブスカイト構造酸化物薄膜を提供し得、これを用いた各種素子特性を最適化し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1〜3で得られる積層膜を示す図。
【図2】実施例1〜3で得られる積層膜についてのX線回折図。
【図3】フッ化カルシウムのCaをSrで置換した(SrCa1−x)Fならびに3種類のペロブスカイト構造酸化物について、組成と格子定数の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のぺロブスカイト構造酸化物薄膜の作製方法においては、蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板の(111)面上または(100)面上に、正方晶系の結晶構造を有し、かつ(001)、(101)または(111)の単一結晶配向を有するぺロブスカイト構造酸化物薄膜を作製する(ただし、(100)面上に、(001)の単一結晶配向を有する場合を除く)。
【0011】
蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物としては、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化ストロンチウム(SrF) 、フッ化バリウム(BaF)等が挙げられる。 フッ化カルシウムを主成分とする基板は、大型の単結晶も高品質で安価で量産され得るので、これを用いるのが好適である。基板の膜厚は通常10〜1000μm程度である。
【0012】
これらの蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板は、金属サイトまたはFサイトの一部を他の元素で置換して格子定数を制御されていてもよい。
【0013】
格子定数を制御したものを用いる場合、金属サイトの一部を置換する、他の元素としてはCaサイトについてSr,Baおよび原子番号57〜71のランタノイドから選ばれるのが好適であり、工業的にはSrまたはBaが最も好ましい。
一方、Fサイトについては、Cl、Br、I、OまたはNが好適である。
【0014】
これらの置換は、目的とする格子定数により、その量を任意に決定し得る。このように、フッ化カルシウム基板等の金属フッ化物を主成分とする基板においては、その格子定数を可変、制御して格子整合性を容易に向上させ得るのが特徴である。したがって、このように格子定数を制御することによりバッファ層を介さないでぺロブスカイト構造酸化物層を積層することができる。
【0015】
本発明において、ぺロブスカイト構造酸化物は、一般式ABO3(式中、AはPb、Sr、Ca、K、Bi、NaおよびBaの一種以上を含み、一方BはTi,Zr,Cr、Mo,W、Nb、Zn、Mg、Sc、In、Yb、Ni、Co,Ta、Ru,Sn、Ga、AlおよびHfの一種以上を含む。)で表わされるものが好適に使用される。たとえば、Pb(Zr,Ti)O3、(Bi0.5Na0.5)TiO、SrTiO、Bi(Zn0.5Ti0.5)O、BiCoO、Pb(Mg、Nb、Ti)O、Pb(Zn、Nb、Ti)O、(Sn、Sr)CoO、LaGaO、等が挙げられる。
本発明におけるペロブスカイト構造酸化物は、ペロブスカイト構造酸化物を含む層状化合物であってもよい。
【0016】
ぺロブスカイト構造酸化物薄膜の膜厚は、目的によって異なるが、通常10nm〜100μmである。
【0017】
このようなペロブスカイト構造酸化物の作製は、スパッタ法、CVD、MOCVD法、溶液法、等の常法によることができる。たとえば、スパッタ法による場合には、成膜されるペロブスカイト構造酸化物の元素組成比となるような混合比で混合した粉末状の原料を充填したターゲットを用いて、スパッタリングを行うことができる。
【0018】
スパッタ法としては、高周波スパッタリング、マグネトロン・スパッタリング、イオンビーム・スパッタリング等が挙げられるが、絶縁体の場合は、高周波スパッタリングが好ましい。スパッタリングに際しては、エピタキシャル膜の成膜の開始直後(たとえば、成膜開始から1〜250秒)は、酸素含有ガスを用いないで、Ar等の不活性ガスを用い、ガス圧を0.1〜1.0Paとすることが結晶性を向上させる点で好ましい。スパッタにおける温度は、400℃〜900℃が好適である。
【0019】
本発明において、ペロブスカイト構造酸化物は、キュリー温度Tc(相転移温度)以上の温度で成膜されると、正方晶系以外の結晶系、たとえば立方晶系であるが、冷却に際してTcを通過して相転移により正方晶系となるものが好適である。
上記のように、ペロブスカイト構造酸化物はフッ化カルシウム等の金属フッ化物を主成分とする基板上に直接に堆積させることができるが、バッファ層を介して堆積させることもできる。この場合、バッファ層としては、基板のフッ化カルシウム等結晶との格子整合とともに、ペロブスカイト構造酸化物等の結晶との格子整合との観点から、Pt,Al等の金属、セリア、これにY等をドープした安定化ジルコニア等の蛍石型の金属酸化物、NaCl型の金属酸化物または金属間化合物、MgO・Al等のスピネル型金属酸化物、Y等のCe等型金属酸化物、Si等のダイアモンド型構造元素、等から選ばれるのが好適である。バッファ層の形成も、スパッタ、MOCVD、等の常法によることができる。バッファ層を形成させる場合、膜厚は2〜100nm程度から通常選ばれる。
【0020】
本発明のぺロブスカイト構造酸化物薄膜の作製方法においては、フッ化カルシウムを主成分とする基板の(111)面上または(100)面上に、(001)、(101)または(111)の単一結晶配向またはそれらの混合結晶配向を有するペロブスカイト構造酸化物薄膜が得られ、特にフッ化カルシウムの碧開面である(111)面上に、(001)、(101)または(111)の単一結晶配向が容易に得られる点で有利である(なお、ペロブスカイト構造酸化物がペロブスカイト構造を含有する層状化合物である場合には、含有しているペロブスカイト構造についての結晶配向を意味する。)。
【0021】
本発明によれば、フッ化カルシウム等の、蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板の(111)面上または(100)面上に形成されてなり、正方晶系の結晶構造を有し、かつ(001)、(101)または(111)の単一結晶配向またはそれらの混合結晶配向を有するぺロブスカイト構造酸化物薄膜(ただし、(100)面上に、(001)の単一結晶配向を有する場合を除く。)が、容易に得られる。
【0022】
本発明の好適な態様において、得られるぺロブスカイト構造酸化物薄膜は、正方晶系の結晶構造を有し、かつ(101)または(111)の単一結晶配向を有する。なお、ペロブスカイト構造酸化物薄膜が単一結晶方向に配向していることは、X線回折(XRD)を用いて確認することができる。本発明において、単一結晶配向とは、完全な単一結晶配向でなくても、その他の少量(XRDによる定量で3%以下)の結晶配向のドメインが混在していてもよい。
【0023】
本発明のペロブスカイト構造酸化物を用いてたとえば圧電体素子を得る場合、ペロブスカイト構造酸化物含む圧電体層と、その圧電体層に接する1対の電極とを有するものであれば、特に制限されるものではない。このような圧電体素子においては、1対の電極に印加することにより、圧電体層が変位を生じ、印加を取り除くことにより、復元される。
【実施例】
【0024】
実施例1
表面が(111)であるフッ化カルシウム単結晶基板上に、バッファ層として膜厚20nmのPt膜,下部電極兼バッファ層として膜厚15nmのSrRuO膜をスパッタ法により順次成膜し、さらにPZT膜として膜厚120nmのPb(Zr0.40Ti0.60)O膜をCVD法により成膜し、ついで10℃/分で室温まで冷却した。
【0025】
スパッタ法の条件は、次のとおりであった。ターゲット−基板距離(mm)がそれぞれ85(Pt膜)および70(SrRuO膜);温度(℃)がそれぞれ650および500;圧力(Pa)がそれぞれ1.3および8;Ar/Oがそれぞれ100/0および70/30;そして電力(W)がそれぞれ50および40であった。CVD法は、原料を間欠導入するパルスMOCVD法によった。原料温度Pb:142.5℃、Zr:36.5℃、Ti:41.0℃、成膜温度600℃、チャンバ圧力5Torr、流量比Pb:Zr:Ti=35:40:20であった。
【0026】
得られた積層膜の構成およびX線回折(XRD)(粉末法)測定した結果をそれぞれ図1({100}配向)および図2(上段)に示す。SrRuO膜は立方晶系で(100)単一結晶配向であった。これに対し、PZT膜は正方晶系で(001)単一結晶配向であった。
実施例2
表面が(111)であるフッ化カルシウム単結晶基板上に、下部電極兼バッファ層として膜厚50nmのSrRuO膜をスパッタ法により成膜し、さらにPZT膜として膜厚160nmのPb(Zr0.40Ti0.60)O膜をCVD法により成膜し、ついで10℃/分で室温まで冷却した。
【0027】
スパッタ法の条件は、次のとおりであった。ターゲット−基板距離(mm)が120(SrRuO膜);温度(℃)が550;圧力(Pa)が27;Ar/Oが80/20;そして電力(W)が60であった。CVD法は、原料を間欠導入するパルスMOCVD法によった。
【0028】
得られた積層膜の構成およびX線回折測定した結果をそれぞれ図1({110}配向)および図2(中段)に示す。SrRuO膜は立方晶系で(110)単一結晶配向であった。これに対し、PZT膜は正方晶系で(101)単一結晶配向であった。
実施例3
表面が(111)であるフッ化カルシウム単結晶基板上に、バッファ層として膜厚20nmのPt膜,下部電極兼バッファ層として膜厚15nm以下のSrRuO膜をスパッタ法により成膜し、さらにPZT膜として膜厚100nmのPb(Zr0.40Ti0.60)O膜をCVD法により成膜し、ついで10℃/分で室温まで冷却した。
【0029】
スパッタ法の条件は、次のとおりであった。ターゲット−基板距離(mm)がそれぞれ85(Pt膜)および120(SrRuO膜);温度(℃)がそれぞれ室温および550;圧力(Pa)がそれぞれ1.3および27;Ar/Oがそれぞれ100/0および80/20;そして電力(W)がそれぞれ50および60であった。CVD法は、原料を間欠導入するパルスMOCVD法によった。
【0030】
得られた積層膜の構成およびX線回折測定した結果をそれぞれ図1({111}配向)および図2(下段)に示す。SrRuO膜は立方晶系で(111)単一結晶配向であった。これに対し、PZT膜は正方晶系で(111)単一結晶配向であった。
実施例4
図3は、フッ化カルシウムのCaをSrで置換した(SrCa1−x)Fならびに3種類のペロブスカイト構造酸化物、すなわちPb(ZrTi1−x)O、(BaSr1−x)RuO、および(CaSr1−x)RuO、について、組成と格子定数の関係を示したものである。
【0031】
実施例2において、フッ化カルシウム単結晶基板に代えて、(SrCa1−x)F
(x=0.3)を用いたほかは同様にして、積層膜を形成した。すなわち、x=0.3は、基板とペロブスカイト構造酸化物との格子定数を整合するために選定されたものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明によれば、効率的にぺロブスカイト構造酸化物薄膜の結晶方位制御ができ、容易に高品位の正方晶系ぺロブスカイト構造酸化物薄膜を提供し得るので、圧電素子、焦電素子、光学素子、強誘電体素子等の各種素子に利用し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板の(111)面上または(100)面上に、正方晶系の結晶構造を有し、かつ(001)、(101)または(111)の単一結晶配向を有するぺロブスカイト構造酸化物薄膜を作製する(ただし、(100)面上に、(001)の単一結晶配向を有する場合を除く)ことを特徴とするぺロブスカイト構造酸化物薄膜の作製方法。
【請求項2】
蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物がフッ化カルシウムである請求項1に記載の作製方法。
【請求項3】
蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板は、金属サイトまたはFサイトの一部を他の元素で置換して格子定数を制御されていてもよい請求項1または2に記載の作製方法。
【請求項4】
金属サイトの一部を置換する、他の元素が、Sr,Baおよびランタノイドから選ばれる請求項1〜3のいずれかに記載の作製方法。
【請求項5】
蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板とぺロブスカイト構造酸化物薄膜の間にバッファ層が形成されていない請求項1〜4のいずれかに記載の作製方法。
【請求項6】
蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板とぺロブスカイト構造酸化物薄膜の間にバッファ層が形成されている請求項1〜4に記載の作製方法。
【請求項7】
ぺロブスカイト構造酸化物が、
一般式ABO3
(式中、AはPb、Sr、Ca、K、Bi、NaおよびBaの一種以上を含み、一方BはTi,Zr,Cr、Mo,W、Nb、Zn、Mg、Sc、In、Yb、Ni、Co,Ta、Ru,Sn、Ga、AlおよびHfの一種以上を含む。)
で表わされる請求項1〜6のいずれかに記載の作製方法。
【請求項8】
ぺロブスカイト構造酸化物が、Pb(Zr,Ti)O3である請求項6に記載の作製方法。
【請求項9】
ぺロブスカイト構造酸化物薄膜がスパッタ法で形成される請求項1〜8のいずれかに記載の作製方法。
【請求項10】
ぺロブスカイト構造酸化物薄膜の膜厚が10nm〜100μmである請求項1〜9のいずれかに記載の作製方法。
【請求項11】
蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板の(111)面上または(100)面上に形成されてなり、正方晶系の結晶構造を有し、かつ(001)、(101)または(111)の単一結晶配向を有するぺロブスカイト構造酸化物薄膜(ただし、(100)面上に、(001)の単一結晶配向を有する場合を除く。)。
【請求項12】
蛍石型の結晶構造を有する金属フッ化物を主成分とする基板は、金属サイトまたはFサイトの一部を他の元素で置換して格子定数を制御されていてもよい請求項11に記載のぺロブスカイト構造酸化物薄膜。
【請求項13】
正方晶系の結晶構造を有し、かつ(101)または(111)の単一結晶配向を有するぺロブスカイト構造酸化物薄膜。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−57475(P2011−57475A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206439(P2009−206439)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(591111112)キヤノンオプトロン株式会社 (4)
【Fターム(参考)】