説明

ウェーハの洗浄装置および研削装置

【課題】ウェーハを、凹部が形成された裏面を露出した状態に全面載置型のスピンナテーブルに保持して洗浄した後に、該ウェーハを安全、かつ確実に取り上げて所定の搬送先に円滑に搬送する。
【解決手段】スピンナテーブル71に保持して洗浄したウェーハ1の環状凸部5Aをウェーハ取り上げ機構90の吸着パッド94で吸着して取り上げ、次いで、露出した表面側を搬送ロボット23のロボットピック23cで受け取って吸着、保持し、搬送ロボット23を作動させてウェーハ1を回収カセット22B内に移送して収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削によって裏面に凹部が形成された半導体ウェーハ等のウェーハの裏面を洗浄する装置と、その洗浄装置を備えた研削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、搭載される各種電子機器の軽薄短小化の要求に応じてより薄いものが求められてきており、これに応じて半導体ウェーハが薄化されている。半導体ウェーハの薄化は、一般に半導体ウェーハを裏面研削することによってなされているが、例えば薄化した後のウェーハの裏面に金属膜を付着させるなどの付加工程を実施する場合には、ウェーハの機械的強度が不足して割れてしまうおそれがある。そこで、表面に半導体デバイスが形成されているデバイス形成領域に対応する裏面の領域を研削して、デバイス形成領域のみを薄化する技術が知られている(特許文献1等参照)。このようにしてデバイス形成領域のみが薄化されたウェーハは、裏面に凹部が形成され、凹部の周囲の外周部には元の厚さが残って裏面側に突出する環状凸部が形成される。そして、環状凸部が補強部となって剛性が確保されるので、上記付加工程を安全、かつ適確に実施することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2007−19379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、研削後のウェーハは研削屑を除去するために洗浄されており、洗浄方法としては、ウェーハを、真空吸着式のスピンナテーブルに裏面を上に向けた状態に載置し、スピンナテーブルとともに回転させながら裏面に純水等の洗浄水を供給するといった方法がある。この方法を、上記のように裏面に凹部が形成されてデバイス形成領域が極めて薄く加工されたウェーハに適用する場合、スピンナテーブルの大きさは、凹部が形成されたデバイス形成領域および凹部の周囲の環状凸部が載置される大きさ、すなわちウェーハの外径相当、もしくは外径以上の大きさを有するもの(ここでは全面載置型と称する)が必要とされる。これは、薄いデバイス形成領域のみが載置された場合には、真空吸着の吸引力によってデバイス形成領域が応力を受けて破損するおそれがあるからである。
【0005】
そのような大きさのスピンナテーブルに、裏面に凹部が形成されたウェーハを載置して洗浄した後は、ウェーハを次の工程に移すためにスピンナテーブルから取り上げ、所定の搬送先に搬送している。近年におけるウェーハの加工・処理を行う各種装置においては自動化が普及しており、ウェーハの搬送に関しても同様で真空吸着式のロボットハンド等の自動搬送手段が用いられている。ところが一般的なロボットハンドは、裏面に凹部が形成されたウェーハのように凹凸状で平坦でない面を吸着して保持する構造は有していない。また、上記の全面載置型のスピンナテーブルに載置されたウェーハは、スピンナテーブルからはみ出る部分がないことから、はみ出た部分を厚さ方向で把持したり裏面を吸着したりして保持することが困難である。仮にロボットハンドに特殊な機構を付加して凹部が形成されたウェーハを保持できるようにしても、スピンナテーブルから取り上げたウェーハを、多数のウェーハが積層されるスロットを有するカセットに収容する必要がある。ところが、スロットはウェーハに対応して薄くできているため、上記のような特殊な機構が付加されていては、そのような薄いスロット内にウェーハを適確に収容することは困難である。
【0006】
よって本発明は、ウェーハを、凹部が形成された裏面を露出した状態に上記全面載置型のスピンナテーブルに保持して洗浄した後に、該ウェーハを安全、かつ確実に取り上げて所定の搬送先に円滑に搬送することができる洗浄装置と、このような洗浄装置を備えた研削装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した本発明の洗浄装置は、表面に複数のデバイスが形成された略円形状のデバイス形成領域と、該デバイス形成領域を囲繞する外周余剰領域とを有し、デバイス形成領域に対応する裏面側の領域が所定厚さ研削されて凹部が形成されたウェーハの裏面を洗浄する装置であって、ウェーハ外径相当、もしくはウェーハ外径よりも大径の保持面を有し、該保持面に、裏面が露出する状態にウェーハを保持する保持手段と、該保持手段に保持されたウェーハの裏面を洗浄する洗浄手段と、該洗浄手段で裏面が洗浄されたウェーハの外周余剰領域を保持して、該ウェーハを保持手段から取り上げて表面側を露出させる第1の搬送手段と、該第1の搬送手段で保持されたウェーハの表面側の外周余剰領域の近傍を吸着して保持し、所定の搬送先に搬送する第2の搬送手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
本発明の洗浄装置によれば、ウェーハは保持手段(上記スピンナテーブルに相当する)に、凹部および環状凸部が形成されている裏面を露出した状態で載置され、保持される。保持手段はウェーハ外径相当、もしくはウェーハ外径よりも大径の保持面を有しており、ウェーハはその保持面に載置されるため、保持手段は上記全面載置型である。この保持手段に保持されたウェーハは、まず洗浄手段によって洗浄され、洗浄後に、第1の搬送手段で保持手段から取り上げられ、次いで第2の搬送手段により所定の搬送先に搬送される。
【0009】
第1の搬送手段はウェーハの外周余剰領域を保持し、ウェーハを保持手段から取り上げる。この段階でウェーハの表面側が露出させられる。第1の搬送手段は、ウェーハの凹部に対応する薄いデバイス形成領域ではなく、外周余剰領域すなわち補強部となっている環状凸部を保持するため、ウェーハが破損することなく安全に搬送される。次にウェーハを搬送する第2の搬送手段は、露出する表面側の少なくとも外周余剰領域に対応する部分を吸着して保持し、所定の搬送先に搬送する。第2の搬送手段にあっても、ウェーハの外周余剰領域の近傍を吸着して保持するため、ウェーハが破損することなく安全に搬送される。第2の搬送手段はウェーハの表面側を吸着、保持する形態であるから、薄い部材で構成することができ、このため、上述した多数のウェーハが積層されるスロットを有するカセットにウェーハを収容することができる。
【0010】
次に、請求項2に記載した本発明の研削装置は、ウェーハの裏面に凹部を形成する研削手段を備えるとともに、上記請求項1に記載の洗浄装置を備えるもので、裏面への凹部形成と、凹部が形成された裏面の洗浄を一連の動作で連続的に実施することができる。すなわち本発明の研削装置は、表面に複数のデバイスが形成された略円形状のデバイス形成領域と、該デバイス形成領域を囲繞する外周余剰領域とを有するウェーハの、デバイス形成領域に対応する裏面側の領域を所定厚さ研削して凹部を形成するための研削装置であって、ウェーハの裏面が露出する状態に該ウェーハを保持する保持面を有する加工用保持手段と、該保持面に保持されたウェーハの、デバイス形成領域に対応する領域を研削して凹部を形成する研削手段と、該研削手段で裏面に凹部が形成されたウェーハの裏面を洗浄する洗浄装置と、研削手段で裏面に凹部が形成されたウェーハの外周余剰領域を保持して洗浄装置に移送する移送手段とを備え、洗浄装置が、請求項1に記載の洗浄装置であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ウェーハを、凹部が形成された裏面を露出した状態に保持して洗浄した後に、そのウェーハを、安全、かつ確実に取り上げて所定の搬送先に円滑に搬送することができるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
[1]半導体ウェーハ
図1の符号1は、本実施形態での処理対象品である円盤状の半導体ウェーハである。このウェーハ1はシリコンウェーハ等であって、表面1aには、格子状の分割予定ライン2によって複数の矩形状の半導体チップ(デバイス)3が区画されている。これら半導体チップ3の表面には、ICやLSI等の図示せぬ電子回路が形成されている。
【0013】
複数の半導体チップ3は、ウェーハ1と同心の概ね円形状のデバイス形成領域4に形成されている。デバイス形成領域4はウェーハ1の大部分を占めており、このデバイス形成領域4の周囲であってウェーハ1の外周部は、半導体チップ3が形成されない環状の外周余剰領域5とされている。また、ウェーハ1の外周面の所定箇所には、半導体の結晶方位を示すV字状の切欠き(ノッチ)6が形成されている。このノッチ6は、外周余剰領域5内に形成されている。
【0014】
ウェーハ1の厚さは例えば700μm程度であり、ウェーハ1は、図2に示すように、裏面1bのデバイス形成領域4に対応する領域のみが所定厚さ除去されて凹部4Aが形成されるとともに、凹部4Aの周囲の外周余剰領域5に元の厚さが残った環状凸部5Aが形成される。凹部4Aが形成されることにより、デバイス形成領域4は得るべき半導体チップ3の厚さ(例えば50〜100μm程度)に薄化される。ウェーハ裏面への凹部4Aの形成はこの場合研削によって行われ、図3は研削を実施するのに好適な研削装置の一例を示している。
【0015】
以下、この研削装置20の構成ならびに動作を説明するが、ウェーハ1は研削装置20に供給される前に、半導体チップ3が形成された表面1a全面に、電子回路の保護などを目的として保護テープ7が貼着される。保護テープ7は、例えば厚さ70〜200μm程度のポリオレフィン等の柔らかい樹脂製基材シートの片面に5〜20μm程度の粘着剤を塗布した構成のものが用いられ、粘着剤をウェーハ1の表面1aに合わせて貼り付けられる。
【0016】
[2]研削装置
図3〜図8を参照して研削装置20を説明する。この研削装置20によれば、上記保護テープ7を介してウェーハ1の表面1a側を真空吸着式のチャックテーブル(加工用保持手段)30に吸着させてウェーハ1を保持し、2台の研削ユニット(粗研削用と仕上げ研削用)40A,40Bによって裏面1bに上記凹部4Aを形成するとともに、その凹部4Aの底面を平坦に仕上げる。
【0017】
研削装置20の構成ならびに動作は、以下の通りである。
図3に示すように、研削装置20は直方体状の基台21を有しており、ウェーハ1は、この基台21上の所定箇所に着脱自在にセットされる供給カセット22A内に、表面1a側を上にした状態で複数が収容される。供給カセット22Aは、1枚のウェーハ1を収容するスロットが上下方向に配列されたもので、複数のウェーハ1が上下方向に積層されて収容される。スロットの仕切部材はカセット22A内の両側に多段状に設けられており、仕切部材の間隔、すなわちスロットの幅は、例えば10mm程度である。供給カセット22Aに収容されている1枚のウェーハ1は搬送ロボット(第2の搬送手段)23によって引き出され、表裏を反転され、裏面1bを上に向けた状態で位置決めテーブル24上に載置され、ここで一定の位置に決められる。
【0018】
搬送ロボット23は、上下方向に進退する鉛直方向に延びる回転軸23aに多関節型のアーム23bが水平旋回可能に取り付けられ、このアーム23bの先端に、平板フォーク状を呈する真空吸着式のロボットピック23cが装着されたものである。ロボットピック23cは片面が真空吸着面となっており、その吸着面を上方に向けてウェーハ1の下面側(この場合、裏面1b側)に差し入れてから真空運転されることにより、ウェーハ1を受けた状態で吸着、保持する。ロボットピック23cは、回転軸23aとアーム23bの動作によって所望の場所に移動可能とされ、供給カセット22A内に差し込まれて、スロットに収容されているウェーハ1の下面を吸着することができるようになっている。
【0019】
基台21上には、R方向に回転駆動されるターンテーブル35が設けられており、さらにこのターンテーブル35の外周部分には、複数(この場合、3つ)の円盤状のチャックテーブル30が、周方向に等間隔をおいて配設されている。これらチャックテーブル30はZ方向(鉛直方向)を回転軸として回転自在に支持されており、図示せぬ駆動機構によって回転駆動させられる。
【0020】
位置決めテーブル24上で位置決めがなされたウェーハ1は、供給アーム25によって位置決めテーブル24から取り上げられ、真空運転されている1つのチャックテーブル30上に、保護テープ7が貼着された表面1a側を下に向けた状態で同心状に載置される。供給アーム25は、基台21に旋回軸25aを介してアーム25bが水平旋回可能に支持され、アーム25bの先端に真空吸着式の吸着パッド25cが装着されたものである。ウェーハ1は吸着パッド25cの下面に吸着、保持され、位置決めテーブル24からチャックテーブル30に移載される。
【0021】
チャックテーブル30は、図4(b)に示すように、枠体31の中央上部に、多孔質部材による円形の吸着部32が形成されたもので、ウェーハ1は吸着部32の上面32aに、保護テープ7が密着し、かつ、裏面1bが上に向いて露出する状態に吸着、保持される。このため、ウェーハ1の表面1a側の半導体チップ3の電子回路が保護テープ7によって保護され、チャックテーブル30からダメージを受けることが防止される。
【0022】
チャックテーブル30に保持されたウェーハ1は、ターンテーブル35がR方向(時計回り方向)へ所定角度回転することにより、粗研削用研削ユニット40Aの下方の一次加工位置に送り込まれ、この位置で研削ユニット40Aにより裏面1bが粗研削されて凹部4Aが形成される。次いでウェーハ1は、再度ターンテーブル35がR方向へ所定角度回転することにより、仕上げ研削用研削ユニット40Bの下方の二次加工位置に送り込まれ、この位置で研削ユニット40Bにより凹部4Aの底面が仕上げ研削される。
【0023】
各研削ユニット40A,40Bは同一構成であり、装着される砥石が粗研削用と仕上げ研削用と異なることで、区別される。図4に示すように、研削ユニット40A,40Bは、軸方向がZ方向に延びる円筒状のスピンドルハウジング41と、このスピンドルハウジング41内に同軸的、かつ回転自在に支持されたスピンドルシャフト42と、スピンドルハウジング41の上端部に固定されてスピンドルシャフト42を回転駆動するモータ43と、スピンドルシャフト42の下端に同軸的に固定されたフランジ44とを具備している。そしてフランジ44には、砥石ホイール45が着脱可能に取り付けられる。
【0024】
砥石ホイール45は、下部が下方に向かうにしたがって縮径する円錐状に形成されたフレーム46と、このフレーム46の下面に環状に固着されて配列された複数の砥石47とから構成されている。砥石ホイール45の研削外径(環状に配列された複数の砥石47の外周縁の直径)は、ウェーハ1の裏面1bに形成する凹部4Aの半径、すなわちデバイス形成領域4の半径に相当する寸法となっている。砥石47の下端面である刃先面は、スピンドルシャフト42の軸方向に直交するように設定される。砥石47は、例えば、ガラス質のボンド材中にダイヤモンド砥粒を混合して成形し、焼結したものが用いられる。
【0025】
砥石ホイール45に固着される砥石47は粗研削用と仕上げ研削用があり、砥石47が粗研削用とされた砥石ホイール45は、粗研削用の研削ユニット40Aに装着される。また、砥石47が仕上げ研削用とされた砥石ホイール45は、仕上げ研削用の研削ユニット40Bに装着される。粗研削用の砥石47は、例えば♯320〜♯600程度の比較的粗い砥粒を含むものが用いられる。また、仕上げ研削用の研削ユニット40Bに取り付けられる砥石47は、例えば♯2000〜♯8000程度の比較的細かい砥粒を含むものが用いられる。各研削ユニット40A,40Bには、研削面の冷却や潤滑あるいは研削屑の排出のための研削水を供給する研削水供給機構(図示省略)が設けられている。
【0026】
図3に示すように、各研削ユニット40A,40Bは、基台21のY方向奥側の端部に立設されたX方向に並ぶ左右一対のコラム26の前面に、それぞれ取り付けられている。各コラム26に対する各研削ユニット40A,40Bの取付構造は同一であってX方向で左右対称となっている。
【0027】
各コラム26のY方向手前側の前面26aは、基台21の上面に対しては垂直面であるが、X方向の中央から端部に向かうにしたがって奥側に所定角度で斜めに後退するテーパ面に形成されている。このテーパ面26aの水平方向すなわちテーパ方向は、対応する前方の加工位置(左側のコラム26では左側の一次加工位置、右側のコラム26では右側の二次加工位置)に位置付けられたチャックテーブル30の回転中心と、ターンテーブル35の回転中心とを結ぶ線に対して平行になるように設定されている。
【0028】
図4および図5に示すように、各コラム26のテーパ面26aには、そのテーパ方向と平行な上下一対のガイド51が設けられており、このガイド51には、X軸スライダ52が摺動自在に装着されている。このX軸スライダ52は、サーボモータ53によって駆動される図示せぬボールねじ式の送り機構により、ガイド51に沿って往復移動するようになっている。X軸スライダ52の往復方向は、ガイド51の延びる方向、すなわちテーパ面26aのテーパ方向と平行である。
【0029】
X軸スライダ52の前面はX・Z方向に沿った面であり、その前面に、各研削ユニット40A,40Bが、それぞれZ方向(鉛直方向)に昇降自在に設置されている。これら研削ユニット40A,40Bは、X軸スライダ52の前面に設けられたZ方向に延びるガイド54にZ軸スライダ55を介して摺動自在に装着されている。そして各研削ユニット40A,40Bは、サーボモータ56よって駆動されるボールねじ式の送り機構57により、Z軸スライダ55を介してZ方向に昇降するようになっている。
【0030】
上述したように、上記一次加工位置および二次加工位置に位置付けられた各チャックテーブル30の回転中心と、ターンテーブル35の回転中心との間を結ぶ方向(図5矢印Fで示す方向、以下、軸間方向と称する)は、それぞれコラム26の前面26aのテーパ方向、すなわちガイド51の延びる方向と平行に設定されている。そして、各研削ユニット40A,40Bは、砥石ホイール45の回転中心(スピンドルシャフト42の軸心)が、対応する加工位置(粗研削用の研削ユニット40Aでは一次加工位置、仕上げ用の研削ユニット40Bでは二次加工位置)に位置付けられたチャックテーブル30の回転中心とターンテーブル35の回転中心とを結ぶ軸間方向の直上にそれぞれ存在するように、位置設定がなされている。したがって、研削ユニット40A,40Bが、X軸スライダ52ごとガイド51に沿って移動すると、砥石ホイール45の回転中心が軸間方向に沿って移動するように設定されている。
【0031】
ウェーハ1の裏面1bのデバイス形成領域4に対応する領域のみを研削して凹部4Aを形成するにあたっては、研削ユニット40A(40B)の軸間方向位置が、図5および図6に示すように、各加工位置に位置付けられたウェーハ1の裏面1bに対面する砥石ホイール45の研削外径が、ウェーハ1のデバイス形成領域4の半径に対応する凹部形成位置に位置付けられる。この凹部形成位置は砥石47の刃先面がウェーハ1の回転中心付近とデバイス形成領域4の外周縁を通過する位置であり、この場合はウェーハ1の回転中心よりもターンテーブル35の外周側とされる。
【0032】
このようにして研削ユニット40A(40B)の軸間方向が定められたら、チャックテーブル30を回転させてウェーハ1を自転させ、送り機構57によって研削ユニット40A(40B)を下方に送りながら、回転する砥石ホイール45の砥石47をウェーハ1の裏面1bに押し当てる研削動作が開始される。
【0033】
一次加工位置での研削ユニット40Aによる粗研削により、ウェーハ1の裏面1bには、図2に示すようにデバイス形成領域4に対応する領域に凹部4Aが形成されるとともに、凹部4Aの周囲に環状凸部5Aが形成される。また、二次加工位置での研削ユニット40Bによる仕上げ研削により、凹部4Aの底面が仕上げ研削される。粗研削では、例えば仕上げ研削後の厚さ+20〜40μm程度といった厚さまで研削され、仕上げ研削では残りの厚さが研削され、これによってデバイス形成領域4に対応する領域が得るべき半導体チップ3の厚さに薄化される。
【0034】
図2および図4(a)に示すように、粗研削後の被研削面には、多数の弧が放射状に描かれた模様を呈する研削条痕9が残留する。この研削条痕9は砥石47中の砥粒による破砕加工の軌跡であり、マイクロクラック等を含む機械的ダメージ層である。粗研削による研削条痕9は仕上げ研削によって除去されるが、仕上げ研削によっても新たな研削条痕が残留する場合がある。
【0035】
なお、ウェーハ1の研削の際には、粗研削および仕上げ研削とも、各加工位置の近傍に設けられた接触式の厚さ測定器60によってウェーハ厚さが逐一測定され、その測定値に基づいて研削量が制御される。厚さ測定器60は、図4(a)に示すように、基準側ハイトゲージ61と可動側ハイトゲージ62との組み合わせで構成されている。
【0036】
各ハイトゲージ61,62はプローブ61a,62aをそれぞれ備えており、基準側ハイトゲージ61のプローブ61aがチャックテーブル30の枠体31の表面31aに接触し、可動側ハイトゲージ62のプローブ62aがウェーハ1の被研削面に接触するようにセットされる。この厚さ測定器60では、各プローブ61a,62aの接触点の高さ位置を比較することにより、ウェーハ1の厚さ測定値が出力される。凹部4Aを形成してデバイス形成領域4の厚さを測定する際の測定点、すなわち可動側ハイトゲージ61のプローブ61aの接触点は、図4(a)の破線で示すように、凹部4Aの外周部が好ましい。
【0037】
研削により凹部4Aの形成が完了したウェーハ1は、次のようにして回収される。まず、仕上げ用の研削ユニット40Bが上昇してウェーハ1から退避し、一方、ターンテーブル35がR方向へ所定角度回転することにより、ウェーハ1が供給アーム25からチャックテーブル30に載置された着脱位置に戻される。この着脱位置でチャックテーブル30の真空運転は停止され、次いでウェーハ1は、回収アーム(移送手段)27によってスピンナ式洗浄装置70に移されて洗浄される。
【0038】
回収アーム27はウェーハ1をチャックテーブル30に移載した上記供給アーム25と同様のもので、供給アーム25に並列して配置されている。すなわち回収アーム27は、基台21に旋回軸27aを介してアーム27bが水平旋回可能に支持され、アーム27bの先端に真空吸着式の吸着パッド27cが装着されたものである。吸着パッド27cの外径はウェーハ1の外径に相当するか、あるいはやや大きく設定されており、吸着パッド27cの下面の外周部には、空気吸引口が全周にわたって形成されてなる環状の吸着部が形成されている。この吸着部は、ウェーハ1に形成された環状凸部5Aとほぼ同径・同幅である。ウェーハ1は、上方に突出している環状凸部5Aの上面が、真空運転されている吸着パッド27cの吸着部に吸着し、アーム27bの旋回動作によってチャックテーブル30から洗浄装置70に移送される。
【0039】
洗浄装置70は、図7および図8に示すように、基台21の上面に設けられたピット21a内に配設された真空吸着式のスピンナテーブル(保持手段)71と、洗浄水供給機構(洗浄手段)80と、ウェーハ取り上げ機構(第1の搬送手段)90と、これらの構成要素を覆って洗浄水の飛散を防ぐカバー79を備えている。スピンナテーブル71はウェーハ1の外径よりもやや大きい外径の円盤状のもので、Z方向(鉛直方向)を回転軸として回転自在に支持されており、図示せぬ駆動機構によって回転駆動させられる。図8(a)に示すように、スピンナテーブル71の上面(保持面)71aには多孔質部材からなる吸着部71bが形成されており、回収アーム27で搬送されてきたウェーハ1は、凹部4Aが形成されている裏面1b側が露出する状態で、吸着部71bに同心状に載置され、真空運転されることにより吸着、保持される。カバー79の所定箇所には、回収アーム27がカバー79内に進入するための開口が設けられており、その開口はシャッタによって適宜に開閉されるようになっている。
【0040】
洗浄水供給機構80は、基台21に立設されたノズルスタンド81と、ノズルスタンド81にノズルベース82を介して水平旋回可能に装着され、先端にノズル83を有する水平方向に延びるノズルアーム84とからなるものである。ノズルアーム84はスピンナテーブル71よりも上方にあって、図7で示すスピンナテーブル71よりも外側の退避位置と、ノズル83がスピンナテーブル71の回転中心の直上に位置付けられる洗浄位置との間を往復旋回する。基台21の内部には洗浄水供給源(図示略)が設けられており、この洗浄水供給源から純水等の洗浄水がノズルスタンド81、ノズルベース82、ノズルアーム84を経てノズル83に圧送される。
【0041】
ウェーハ1の洗浄は、スピンナテーブル71が1000rpm程度で回転してウェーハ1が自転し、洗浄水供給機構80のノズルアーム84が洗浄位置に位置付けられてノズル83から洗浄水が滴下することにより行われる。洗浄水はウェーハ1の凹部4Aの中心付近に滴下されて周囲に拡がり、凹部4A内から環状凸部5Aに流動して排水され、その間に研削屑等が洗浄水によって洗い流される。次いで、スピンナテーブル71の回転速度が2000〜3000rpm程度に上昇しながら、洗浄水に代えてノズル83からドライエアがウェーハ1の裏面1bに吹き付けられ、乾燥処理される。
【0042】
乾燥処理されたウェーハ1は、次いでウェーハ取り上げ機構90によってスピンナテーブル71から上方に取り上げられ、下面である表面1a側が露出させられる。ウェーハ取り上げ機構90は、図7および図8に示すように、基台21にシリンダ91を介して立設され、シリンダ91によって上下方向に進退するように設けられたスタンド92と、このスタンド92の上端に固定されてスピンナテーブル71の上方側に水平に延びるアーム93と、このアーム93の先端に水平に固定されてスピンナテーブル71の上方に配された吸着パッド94とからなるものである。
【0043】
吸着パッド94は、上記回収アーム27の吸着パッド27cと同様のもので、外径がウェーハ1の外径に相当するか、あるいはやや大きく設定されており、図8(b)に示すように、下面の外周部に、空気吸引口が全周にわたって形成されてなる環状の吸着部94aが形成されている(斜線部分)。この吸着部94aは、ウェーハ1に形成された環状凸部5Aとほぼ同径・同幅である。吸着パッド94はアーム93に対して、スピンナテーブル71と同心状になるよう固定されている。そして吸着パッド94は、シリンダ91によって、ウェーハ1から離れた退避位置(図8(a)の吸着パッド94の位置)と吸着部94aが環状凸部5Aに接触する吸着位置との間を昇降する。上記洗浄水供給機構80のノズルアーム84は、退避位置にある吸着パッド94とスピンナテーブル71に保持されたウェーハ1との間の空間を旋回し、吸着パッド94は、ウェーハ1の洗浄時には退避位置に位置付けられる。
【0044】
ウェーハ取り上げ機構90によれば、吸着パッド94が図9(a)に示す退避位置にある段階で真空運転され、続いて図9(b)に示すように吸着パッド94がシリンダ91によって下降し、洗浄水で洗浄され乾燥処理されたウェーハ1の環状凸部5Aの上面に吸着部94aが当接する。これによってウェーハ1は環状凸部5Aが吸着部94aに吸着され、続いて、図9(c)に示すように吸着パッド94が退避位置まで上昇する。ウェーハ1は吸着パッド94に吸着されたまま上昇してスピンナテーブル71から離れ、保護テープ7が貼られているウェーハ1の表面1a側が露出する。
【0045】
次いでウェーハ1は、上記搬送ロボット23によって次のように回収カセット22B内に移送、収容される。まず、図9(d)に示すように真空運転されている搬送ロボット23のロボットピック23cがウェーハ1の下面側に進入する。次いで吸着パッド94の真空運転が停止され、これによってウェーハ1はロボットピック23cで受けられ、吸着、保持される。ロボットピック23cの長さはウェーハ1の直径よりも十分に長く、したがってウェーハ1は環状凸部5Aがロボットピック23cによって支持された状態となる。
【0046】
ウェーハ1を保持したロボットピック23cは図9(e)に示すように下方に移動し、次いでアーム23bが適宜動作することにより、ロボットピック23cが回収カセット22B内に入ってウェーハ1を収容する。回収カセット22Bは上記供給カセット22Aと同じ構成のもので、ウェーハ1が収容されるスロット内にウェーハ1を差し入れ、真空運転が停止することにより、ウェーハ1はスロットを構成する両側の仕切部材に載置され、収容される。
【0047】
以上が研削装置20の構成ならびにこの研削装置20によるウェーハ裏面への凹部4Aの形成と洗浄の動作である。研削装置20は本発明に係る上記洗浄装置70を備えており、この洗浄装置70によれば、ウェーハ1はスピンナテーブル71上に保持されるが、このスピンナテーブル71のウェーハ1が載置される上面71aはウェーハ1の外径よりもやや大きい全面載置型である。このためウェーハ1を厚さ方向で把持する手掛かりはなく、また、上方に向いた露出面が、凹部4Aおよび環状凸部5Aを有する凹凸状であるから、このウェーハ1を取り上げて搬送することは困難とされてきた。
【0048】
しかしながら本実施形態の洗浄装置70では、まず、環状凸部5Aに対応する吸着部94aを有する吸着パッド94を備えたウェーハ取り上げ機構90により、環状凸部5Aを吸着して取り上げることができる。薄く加工されたデバイス形成領域4には接触することなく、補強部である環状凸部5Aを吸着して保持するので、ウェーハ1を破損することなく安全に取り上げることができる。そしてウェーハ取り上げ機構80で取り上げられたウェーハ1においては保護テープ7が貼られている表面1a側が下方に向いた状態で露出するので、この露出面(保護テープ7の表面)を搬送ロボット23のロボットピック23cで受けて保持することができる。
【0049】
ウェーハ1はロボットピック23cによって環状凸部5Aを支持され、薄く加工されたデバイス形成領域4には応力がかからないので、ウェーハ1は安全に搬送される。搬送先の回収カセット22Bには、ウェーハ1を受けた状態で吸着、保持するロボットピック23cによってウェーハ1が収容されるので、狭いスロットにもウェーハ1は確実に収容される。また収容時には、ロボットピック23cがスロットの仕切部材に干渉するといった不具合は発生せず、ウェーハ1は円滑に収容される。
【0050】
[3]他の実施形態の洗浄装置
上記実施形態の洗浄装置70は研削装置20に装備されたものであるが、本発明は洗浄装置単体である形態も含んでいる。図10はそのような洗浄装置の一例を示しており、以下、この洗浄装置100を説明する。
【0051】
洗浄装置100は直方体状の基台101を有しており、この基台101の一端側には、一対のカセットステージ102が設けられている。各カセットステージ102には上記カセット22A,22Bと同様のカセット103が着脱自在に載置される。カセット103内には、凹部4Aが形成された裏面1b側を上にした状態で、複数のウェーハ1が積層して収納される。カセット103に収納されている1枚のウェーハ1が搬送ロボット(第2の搬送手段)104によって引き出され、裏面1bを上に向けた状態で位置決めテーブル107上に載置され、ここで一定の位置に決められる。
【0052】
搬送ロボット104は上記搬送ロボット23と同様のもので、回転軸104aに多関節型のアーム104bが水平旋回可能に取り付けられ、このアーム104bの先端に、平板状に形成された真空吸着式のロボットピック104cが装着されたものである。ロボットピック104cは片面が真空吸着面となっており、その吸着面を上方に向けてウェーハ1の下面に差し入れてから真空運転されることにより、ウェーハ1を受けた状態で吸着、保持する。ロボットピック104cの長さはウェーハ1の直径よりも十分に長く、したがってウェーハ1は環状凸部5Aがロボットピック104cによって支持される。ロボットピック104cは、回転軸104aとアーム104bの動作によって所望の場所に移動可能とされ、カセット103内に差し込まれて、スロットに収容されているウェーハ1の下面を吸着して、位置決めテーブル107に移載する。
【0053】
搬送ロボット104は、基台101に対し移動台105を介してX方向に移動可能に支持されており、X方向移動機構106によってX方向に移動する。搬送ロボット104は、カセット103に対してウェーハ1を出し入れする際には、X方向移動機構106によって適宜にカセット103に近付けられる。
【0054】
次に、ウェーハ1は旋回する搬送アーム(第1の搬送手段)108によって円盤状のスピンナテーブル(保持手段)109に同心状に載置される。搬送アーム108は上記回収アーム27と同様のもので、基台101に旋回軸108aを介してアーム108bが水平旋回可能に支持され、アーム108bの先端に真空吸着式の吸着パッド108cが装着されたものである。吸着パッド108cの外径はウェーハ1の外径に相当するか、あるいはやや大きく設定されており、吸着パッド108cの下面の外周部には、空気吸引口が全周にわたって形成されてなる環状の吸着部が形成されている。この吸着部は、ウェーハ1に形成された環状凸部5Aとほぼ同径・同幅である。ウェーハ1は、上方に突出している環状凸部5Aの上面が、真空運転されている吸着パッド108cの吸着部に吸着し、アーム108bの旋回動作によって位置決めテーブル107からスピンナテーブル109に移載される。
【0055】
スピンナテーブル109は上記スピンナテーブル71と同様のもので、ウェーハ1の外径よりもやや大きい外径の円盤状であり、Z方向(鉛直方向)を回転軸として図示せぬ駆動機構によって回転駆動させられる。スピンナテーブル109の上面(保持面)109aには、搬送アーム108によって搬送されてきたウェーハ1が、凹部4Aが形成されている裏面1b側が露出する状態で同心状に載置され、真空運転されることにより吸着、保持される。
【0056】
基台71上の奥側には、スピンナテーブル71に保持されたウェーハ1を洗浄する洗浄水供給機構(洗浄手段)110が配設されている。この洗浄水供給機構110は、基台101に立設されたノズルスタンド111と、ノズルスタンド111にノズルベース112を介して水平旋回可能に装着され、先端にノズル113を有する水平方向に延びるノズルアーム114とからなるものである。ノズルアーム114はスピンナテーブル109よりも上方にあって、図10において破線で示される退避位置と実線の滴下位置との間を往復旋回し、滴下位置で、ノズル113がスピンナテーブル109の回転中心の直上に位置付けられる。基台101の内部には洗浄水供給源(図示略)が設けられており、この洗浄水供給源から純水等の洗浄水がノズルスタンド111、ノズルベース112、ノズルアーム114を経てノズル113に圧送される。
【0057】
この洗浄装置100によるウェーハ1の洗浄は、上記洗浄装置70と同様の動作、すなわちスピンナテーブル109によってウェーハ1を自転させながら、洗浄水供給機構110のノズル113から洗浄水をウェーハ1の凹部4Aに滴下することにより行われ、洗浄後は、スピンナテーブル109の回転速度を上昇させながらノズル113からドライエアをウェーハ1の裏面1bに吹き付けることによりウェーハ1が乾燥処理される。なお、スピンナテーブル109の周囲には洗浄水の飛散を防止する環状のカバー115が設けられている。
【0058】
ウェーハ1の洗浄・乾燥処理が完了したら、スピンナテーブル109の回転が停止され、ノズルアーム114が退避位置に旋回する。次いで、スピンナテーブル109の真空運転が停止され、ウェーハ1は、搬送アーム108によってスピンナテーブル109から取り上げられ、続いてウェーハ1は搬送ロボット104のロボットピック104cによって下面が支持された状態で吸着、保持され、位置決めテーブル107からカセット103内のスロットに収容される。2つのカセット103は、双方ともウェーハ1が出し入れされるように使用されてもよく、また、一方が未処理側、他方が処理済側と区別して使用されてもよい。
【0059】
この洗浄装置100によっても、先の実施形態の洗浄装置70と同様に、ウェーハ1を搬送する際には環状凸部5Aを支持し、薄いデバイス形成領域4には応力がかからないため、ウェーハ1を破損することなく安全に搬送することができる。また、カセット103内にウェーハ1を収容する際には、ロボットピック104cによって狭いスロットにウェーハ1を円滑に収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態に係る研削装置によって裏面研削されるウェーハの(a)斜視図、(b)側面図である。
【図2】研削によって凹部が形成されたウェーハの裏面側を示す斜視図である。
【図3】一実施形態に係る研削装置の全体斜視図である。
【図4】図3の研削装置の研削ユニットを示す(a)斜視図、(b)側面図である。
【図5】研削ユニットの取付構造を示す平面図である。
【図6】研削ユニットでウェーハ裏面に凹部を形成している状態を示す側面図である。
【図7】図3の研削装置が備える洗浄装置の斜視図である。
【図8】洗浄装置の(a)側面図、(b)吸着パッドの下面図である。
【図9】洗浄装置のスピンナテーブルからウェーハを取り上げて搬送ロボットに受け渡す過程を(a)〜(e)の順に示す側面図である。
【図10】本発明の他の実施形態の洗浄装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0061】
1…半導体ウェーハ
1a…ウェーハの表面
1b…ウェーハの裏面
3…半導体チップ(デバイス)
4…デバイス形成領域
4A…凹部
5…外周余剰領域
5A…環状凸部
20…研削装置
23,104…搬送ロボット(第2の搬送手段)
27…回収アーム(移送手段)
30…チャックテーブル(加工用保持手段)
40A,40B…研削ユニット(研削手段)
70,100…洗浄装置
71,109…スピンナテーブル(保持手段)
71a,109a…スピンナテーブルの上面(保持面)
80,110…洗浄水供給機構(洗浄手段)
90…ウェーハ取り上げ機構(第1の搬送手段)
108…搬送アーム(第1の搬送手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数のデバイスが形成された略円形状のデバイス形成領域と、該デバイス形成領域を囲繞する外周余剰領域とを有し、デバイス形成領域に対応する裏面側の領域が所定厚さ研削されて凹部が形成されたウェーハの裏面を洗浄する装置であって、
ウェーハ外径相当、もしくはウェーハ外径よりも大径の保持面を有し、該保持面に、裏面が露出する状態にウェーハを保持する保持手段と、
該保持手段に保持されたウェーハの裏面を洗浄する洗浄手段と、
該洗浄手段で裏面が洗浄されたウェーハの前記外周余剰領域を保持して、該ウェーハを前記保持手段から取り上げて表面側を露出させる第1の搬送手段と、
該第1の搬送手段で保持されたウェーハの表面側の前記外周余剰領域の近傍を吸着して保持し、所定の搬送先に搬送する第2の搬送手段と
を備えることを特徴とするウェーハの洗浄装置。
【請求項2】
表面に複数のデバイスが形成された略円形状のデバイス形成領域と、該デバイス形成領域を囲繞する外周余剰領域とを有するウェーハの、前記デバイス形成領域に対応する裏面側の領域を所定厚さ研削して凹部を形成するための研削装置であって、
ウェーハの裏面が露出する状態に該ウェーハを保持する保持面を有する加工用保持手段と、
該保持面に保持されたウェーハの、前記デバイス形成領域に対応する領域を研削して前記凹部を形成する研削手段と、
該研削手段で裏面に前記凹部が形成されたウェーハの裏面を洗浄する洗浄装置と、
前記研削手段で裏面に前記凹部が形成されたウェーハの前記外周余剰領域を保持して前記洗浄装置に移送する移送手段とを備え、
前記洗浄装置が、請求項1に記載の洗浄装置であることを特徴とするウェーハの研削装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−94247(P2009−94247A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262597(P2007−262597)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】