説明

ウレア構造を有する新規N−(2−アミノフェニル)ベンズアミド誘導体

【課題】ウレア構造を有する新規N−(2−アミノフェニル)ベンズアミド誘導体の合成研究及びその誘導体の薬理作用を見出すこと。
【解決手段】一般式(1)で表される化合物又はその塩は線維柱帯細胞に対して、細胞形態変化作用を有し、眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療に有効である。

式中、R1及びR2は水素原子、低級アルキル基等;R3はヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基等;R4及びR5はハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基等;Xは低級アルキレン基等;Yは単結合、低級アルキレン基等;l又はmは0、1、2等をそれぞれ示す。

【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬として有用なウレア構造を有する新規N−(2−アミノフェニル)ベンズアミド誘導体又はその塩に関する。その誘導体又はその塩は線維柱帯細胞に対して細胞形態変化作用を有し、眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療剤として有用である。
【背景技術】
【0002】
眼内における房水循環は眼圧と密接な関係があり、この房水循環が阻害されると眼圧に多大な影響を及ぼす。この房水循環が妨げられると眼圧が上昇して緑内障、高眼圧症等の眼圧が関与するとれる疾患が引き起こされる。
【0003】
通常、房水は血漿成分のろ過や能動輸送により産生されて、その大部分は線維柱帯流出経路で眼球外に流出する。すなわち、薬剤等により線維柱帯細胞の形態を変化させることで、房水流出抵抗を減弱させ、房水流出を亢進させることにより、眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療が可能となる。
【0004】
例えば、線維柱帯細胞の形態を変化させて、房水流出を亢進する薬物として、アクチン重合阻害剤であるラトランキュリンA、ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)阻害剤であるH−7、Rhoキナーゼ阻害剤であるY−39983(特許文献1、特許文献2)等が知られている。
【0005】
一方、N−(2−アミノフェニル)ベンズアミド構造を有する化合物が、分化誘導促進作用を有する悪性腫瘍の治療剤として、特許文献3に開示されている。

【特許文献1】国際公開第97/30701号パンフレット
【特許文献2】国際公開第00/09162号パンフレット
【特許文献3】特開平10−0152462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ウレア構造を有する新規N−(2−アミノフェニル)ベンズアミド誘導体又はその塩の合成研究及び該誘導体又はその塩の薬理作用に関する研究は非常に興味深い課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は新たな化学構造を有するN−(2−アミノフェニル)ベンズアミド誘導体の合成研究を行い、数多くの新規化合物を創製することに成功した。
【0008】
その誘導体は下記一般式(1)における(a)及び(b)の組み合わせに化学構造的特徴を有する。
【0009】

(a)A部にウレア構造を有する;
(b)B部に酸素原子及び/又は窒素原子を含む基に結合したアルキレン構造を有する。
【化1】

【0010】

さらに、該誘導体又はその塩の薬理作用について研究した結果、本発明者等は、該誘導体又はその塩が線維柱帯細胞に対して細胞形態変化作用を有し、眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療剤として有用であることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明は下記一般式(1)で表される化合物又はその塩(以下、「本発明化合物」とする)及びそれを含む医薬組成物に関する。
【0012】
また、その医薬用途における好ましい発明は、眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療剤に関する発明である。
【化2】

【0013】

[R1及びR2は同一又は異なって、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基又は下記一般式(2)で示される基を示し;
【化3】

【0014】

3はヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、-NRab又は下記一般式(3)で示される基を示し;
【化4】

【0015】

4及びR5は同一又は異なって、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、ヒドロキシ基又は置換基を有してもよい低級アルコキシ基を示し;
6はハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、ホルミル基、置換基を有してもよい低級アルキルカルボニル基、カルボキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、-NRcd又は-NRe(CORf)を示し;
7は置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を示し;
a、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは同一又は異なって、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し;
環Aは炭化水素環又は複素環を示し;
環Bは窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される1又は複数個のヘテロ原子を環内に有する複素環を示し;
Xは置換基を有してもよい低級アルキレン基を示し;
Y及びZは同一又は異なって、単結合又は置換基を有してもよい低級アルキレン基を示し;
l、m、n及びoは同一又は異なって、0、1、2又は3を示し、l、m、n及びoが2又は3を示す場合、各R4、R5、R6又はR7は同一又は異なっていてもよい。以下、同じ。]
【発明の効果】
【0016】
本発明は医薬として有用なウレア構造を有する新規N−(2−アミノフェニル)ベンズアミド誘導体又はその塩を提供する。本発明化合物は線維柱帯細胞に対して優れた細胞形態変化作用を有し、眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療剤として有用であり、特に、緑内障及び高眼圧症の予防及び/又は治療の為の眼圧下降剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書中で使用される文言(原子、基、環等)の定義について以下に詳しく説明する。また、以下の文言の定義が別の文言の定義を準用する場合、各定義の好ましい範囲も準用できる。
【0018】

「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を示す。
【0019】

「低級アルキル基」とは、炭素原子数が1〜8個、好ましくは1〜6個の直鎖又は分枝のアルキル基を示す。
【0020】
具体例として、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル基等が挙げられる。
【0021】

「低級アルケニル基」とは、炭素原子数が2〜8個、好ましくは2〜6個の直鎖又は分枝のアルケニル基を示す。具体例として、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−ブテニル基等が挙げられる。
【0022】

「低級アルキニル基」とは、炭素原子数が2〜8個、好ましくは2〜6個の直鎖又は分枝のアルキニル基を示す。具体例として、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、イソブチニル、イソペンチニル基等が挙げられる。
【0023】

「低級シクロアルキル基」とは、炭素原子数が3〜8個、好ましくは3〜6個のシクロアルキル基を示す。具体例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル基が挙げられる。
【0024】

「アリール基」とは、炭素原子数が6〜14個の単環式芳香族炭化水素基又は2環式若しくは3環式の縮合多環式芳香族炭化水素から水素1原子を除いた残基を示す。具体例として、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル基等が挙げられる。
【0025】

「低級アルコキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子が低級アルキル基で置換された基を示す。具体例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペントキシ基等が挙げられる。
【0026】

「低級シクロアルキルオキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子が低級シクロアルキル基で置換された基を示す。具体例として、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ基等が挙げられる。
【0027】

「アリールオキシ基」とは、ヒドロキシ基の水素原子がアリール基で置換された基を示す。具体例として、フェノキシ、ナフトキシ、アントリルオキシ、フェナントリルオキシ基等が挙げられる。
【0028】

「低級アルキルカルボニル基」とは、ホルミル基の水素原子が低級アルキル基で置換された基を示す。具体例としてメチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル、n−ヘプチルカルボニル、n−オクチルカルボニル、イソプロピルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、イソペンチルカルボニル基等が挙げられる。
【0029】

「低級アルコキシカルボニル基」とは、ホルミル基の水素原子が低級アルコキシ基で置換された基を示す。具体例として、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、n−ヘプチルオキシカルボニル、n−オクチルオキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、イソペントキシカルボニル基等が挙げられる。
【0030】

「複素環」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される1又は複数個のヘテロ原子を環内に有する飽和或いは不飽和単環式複素環又は2環式若しくは3環式の縮合多環式複素環を示す。
【0031】

飽和の単環式複素環の具体例として、窒素原子を環内に有するアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、トリアゾリジン、ピペリジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ピペラジン、ホモピペリジン、ホモピペラジン等が、酸素原子を環内に有するテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、[1,4]ジオキサン、[1,2]ジオキシラン等が、硫黄原子を環内に有するテトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン等が、窒素原子と酸素原子を環内に有するオキサゾリジン、イソオキサゾリジン、モルホリン等が、窒素原子と硫黄原子を環内に有するチアゾリジン、イソチアゾリジン、チオモルホリン等が挙げられる。
【0032】
また、それらの飽和の単環式複素環はベンゼン環等と縮合してジヒドロインドール、ジヒドロインダゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロシンノリン、テトラヒドロフタラジン、テトラヒドロキナゾリン、テトラヒドロキノキサリン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、クロマン、イソクロマン、ベンゾ[1,3]ジオキソール、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、チオクロマン、イソチオクロマン、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾイソオキサゾール、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイソチアゾール、ジヒドロベンゾチアジン、キサンテン、4a−カルバゾール、ペリミジン等の2環式又は3環式の縮合多環式複素環を形成してもよい。
【0033】

不飽和の単環式複素環の具体例として、窒素原子を環内に有するジヒドロピロール、ピロール、ジヒドロピラゾール、ピラゾール、ジヒドロイミダゾール、イミダゾール、ジヒドロトリアゾール、トリアゾール、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ピリジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピリダジン、ピリダジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリミジン、ピリミジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピラジン、ピラジン等が、酸素原子を環内に有するジヒドロフラン、フラン、ジヒドロピラン、ピラン等が、硫黄原子を環内に有するジヒドロチオフェン、チオフェン、ジヒドロチオピラン、チオピラン等が、窒素原子と酸素原子を環内に有するジヒドロオキサゾール、オキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、イソオキサゾール、ジヒドロオキサジン、オキサジン等が、窒素原子と硫黄原子を環内に有するジヒドロチアゾール、チアゾール、ジヒドロイソチアゾール、イソチアゾール、ジヒドロチアジン、チアジン等が挙げられる。
【0034】
また、それらの不飽和の単環式複素環はベンゼン環等と縮合してインドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ジヒドロキノリン、キノリン、ジヒドロイソキノリン、イソキノリン、フェナントリジン、ジヒドロシンノリン、シンノリン、ジヒドロフタラジン、フタラジン、ジヒドロキナゾリン、キナゾリン、ジヒドロキノキサリン、キノキサリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、クロメン、イソクロメン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、チオクロメン、イソチオクロメン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサジン、ベンゾチアゾール、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾチアジン、フェノキサンチン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン等の2環式又は3環式の縮合多環式複素環を形成してもよい。
【0035】

さらにこれらの複素環において、同一の炭素原子上に2つの水素原子を有する複素環の場合、それらの水素原子がオキソ基と置換して、2−ピロリドン、4−ピペリドン、4−チアゾリドン、ピラン−4−(4H)−オン、ピラジン−2−(3H)−オン等の複素環式ケトンを形成してもよく、この複素環式ケトンも本発明の複素環の範囲に包含される。
【0036】

「窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される1又は複数個のヘテロ原子を環内に有する複素環」とは、前記複素環の内、窒素原子、酸素原子及び/又は酸素原子を1又は複数個、環内に有する複素環を示す。
【0037】

「複素環基」とは、複素環から水素1原子を除いた残基を示す。
【0038】

「炭化水素環」とは、炭素原子数が3〜10個の飽和又は不飽和単環式炭化水素若しくは二環式炭化水素を示す。
【0039】

飽和単環式炭化水素の具体例として、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられる。
【0040】

飽和二環式炭化水素の具体例として、オクタヒドロペンタレン、オクタヒドロインデン、デカヒドロナフタレン等が挙げられる。
【0041】

不飽和単環式炭化水素の具体例として、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ベンゼン等が挙げられる。
【0042】

不飽和二環式炭化水素の具体例として、インダン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、ナフタレン等が挙げられる。
【0043】

「低級アルキレン基」とは、炭素原子数が1〜8個、好ましくは1〜6個の直鎖又は分枝のアルキレン基を示す。具体例として、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、メチルメチレン、エチルメチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基等が挙げられる。
【0044】

「置換基を有してもよい低級アルキル基」、「置換基を有してもよい低級アルコキシ基」、「置換基を有してもよい低級アルキルカルボニル基」、「置換基を有してもよい低級アルコキシカルボニル基」及び/又は「置換基を有してもよい低級アルキレン基」とは、ハロゲン原子、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、ニトロ基、シアノ基、‐ORp、-CORq、-COORr、-CONRst 及び-NRuv からなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよい「低級アルキル基」、「低級アルコキシ基」、「低級アルキルカルボニル基」、「低級アルコキシカルボニル基」及び/又は「低級アルキレン基」を示す。
【0045】

「置換基を有してもよい低級シクロアルキル基」、「置換基を有してもよいアリール基」及び/又は「置換基を有してもよい複素環基」とは、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、ニトロ基、シアノ基、‐ORp、-CORq、-COORr、-CONRs t 及び-NRuvからなる群より選択される1又は複数個の置換基を有してもよい「低級シクロアルキル基」、「アリール基」及び/又は「複素環基」を示す。
【0046】

ここで、Rp、Rq、Rr、Rs、Rt、Ru及びRvは同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級シクロアルキル基、アリール基及び複素環基からなる群より選択される基を示す。
【0047】

本発明でいう「複数個の基」とは、夫々の基が同一であっても異なるものであってもよく、その個数は2又は3個の場合が好ましく、特に2個の場合が好ましい。また、水素原子やハロゲン原子もこの「基」の概念に含まれる。
【0048】

本発明において、「l」、「m」、「n」及び/又は「o」が2又は3を示す場合、複数存在する各R4、R5、R6及びR7は同一又は異なっていてもよい。 尚、「l」、「m」、「n」及び/又は「o」が0を示す場合とは、各R4、R5、R6及び/又はR7が存在しない、すなわち、それらの置換基を有さない場合を示す。
【0049】

本発明でいう「房水流出促進剤」とは、房水流出を促進することにより、眼圧下降等の医薬的作用を発現させる医薬組成物をいう。
【0050】

本発明でいう「眼圧が関与するとされる疾患」としては、緑内障、高眼圧症等が挙げられる。
【0051】

本発明化合物における「塩」とは、医薬として許容される塩であれば、特に制限はなく、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、酢酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、グルコン酸、グルコヘプト酸、グルクロン酸、テレフタル酸、メタンスルホン酸、乳酸、馬尿酸、1,2−エタンジスルホン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、オレイン酸、パモ酸、ポリガラクツロン酸、ステアリン酸、タンニン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸ラウリルエステル、硫酸メチル、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸等の有機酸との塩、臭化メチル、ヨウ化メチル等との四級アンモニウム塩、臭素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオンとの塩、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、鉄、亜鉛等との金属塩、アンモニアとの塩、トリエチレンジアミン、2−アミノエタノール、2,2−イミノビス(エタノール)、1−デオキシ−1−(メチルアミノ)−2−D−ソルビトール、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、プロカイン、N,N−ビス(フェニルメチル)−1,2−エタンジアミン等の有機アミンとの塩等が挙げられる。
【0052】

本発明化合物に幾何異性体及び/又は光学異性体が存在する場合は、それらの異性体も本発明の範囲に含まれる。
【0053】

また、本発明化合物は水和物及び/又は溶媒和物が存在する場合は、それらの水和物及び/又は溶媒和物も本発明の範囲に含まれる。
【0054】

本発明化合物にプロトン互変異性が存在する場合は、それらの互変異性体も本発明に含まれる。
【0055】

本発明化合物に結晶多形及び/又は結晶多形群(結晶多形システム)が存在する場合は、それらの結晶多形及び/又は結晶多形群(結晶多形システム)も本発明に含まれる。ここで、結晶多形群(結晶多形システム)とは、それら結晶の製造、晶出、保存等の条件及び/又は状態(尚、本状態には製剤化した状態も含む)により、結晶形が変化する場合の各段階における個々の結晶形及び/又はその過程全体を意味する。
【0056】

(a)本発明化合物における好ましい例として、一般式(1)で示される化合物又はその塩において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0057】

(a1)R1及びR2が同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、カルボキシ基を置換基として有する低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基を置換基として有する低級アルキル基又は下記一般式(2)で示される基を示し;及び/又は
【化5】

【0058】

(a2)R3がヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルコキシ基、低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルコキシ基、低級シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、-NRab又は下記一般式(3)で示される基を示し;及び/又は
【化6】

【0059】

(a3)R4及びR5が同一又は異なって、ハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示し;及び/又は
(a4)R6がハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子を置換基として有する低級アルキル基、シアノ基を置換基として有する低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、低級アルキル基を置換基として有する複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有する低級アルコキシ基、低級シクロアルキル基を置換基として有する低級アルコキシ基、アリール基を置換基として有する低級アルコキシ基、低級シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、-NRcd又は-NRe(CORf)を示し;及び/又は
(a5)R7が低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級シクロアルキルオキシ基又はアリールオキシ基を示し;及び/又は
(a6)Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfが同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、-NRghを置換基として有する低級アルキル基、低級シクロアルキル基又はアリール基を示し;及び/又は
(a7)Rg及びRhが同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基を示し;
(a8)環Aが炭化水素環又は複素環を示し;及び/又は
(a9)環Bが窒素原子及び酸素原子からなる群より選択される1又は複数個のヘテロ原子を環内に有する複素環を示し;及び/又は
(a10)Xが低級アルキレン基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキレン基又は低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキレン基を示し;及び/又は
(a11)Y及びZが同一又は異なって、単結合又は低級アルキレン基を示し;及び/又は
(a12)l、m、n及びoが同一又は異なって、0、1、2又は3を示し、l、m、n及びoが2又は3を示す場合、各R4、R5、R6又はR7は同一又は異なっていてもよい。
【0060】

すなわち、一般式(1)で示される化合物において、上記(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、(a6)、(a7)、(a8)、(a9)、(a10)、(a11)及び(a12)からなる群より選択される1又は2以上の各組み合わせからなる化合物又はその塩が挙げられる。
【0061】

(b)本発明化合物におけるより好ましい例として、一般式(1)で示される化合物又はその塩において、各基が下記に示す基である化合物又はその塩が挙げられる。
【0062】

(b1)R1が低級アルキル基、カルボキシ基を置換基として有する低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基を置換基として有する低級アルキル基又は下記一般式(2)で示される基を示し; 及び/又は
【化7】

【0063】

(b2)R2が水素原子を示し;及び/又は
(b3)R3がヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルコキシ基、-NRab又は下記一般式(3)で示される基を示し; 及び/又は
【化8】

【0064】

(b4)R5がハロゲン原子又は低級アルコキシ基を示し;及び/又は
(b5)R6がハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子を置換基として有する低級アルキル基、シアノ基を置換基として有する低級アルキル基、複素環基、低級アルキル基を置換基として有する複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有する低級アルコキシ基、アリール基を置換基として有する低級アルコキシ基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基又は-NRcdを示し;及び/又は
(b6)R7が低級アルキル基又はヒドロキシ基を示し;及び/又は
(b7)Ra、Rb、Rc及びRdが同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基を示し;及び/又は
(b8)環Aが炭化水素環又は複素環を示し;及び/又は
(b9)環Bが窒素原子及び酸素原子からなる群より選択される1又は複数個のヘテロ原子を環内に有する複素環を示し;及び/又は
(b10)Xが低級アルキレン基又はヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキレン基を示し;及び/又は
(b11)Yが低級アルキレン基を示し;及び/又は
(b12)Zが単結合又は低級アルキレン基を示し;及び/又は
(b13)lが0を示し;及び/又は
(b14)mが0又は1を示し;及び/又は
(b15)nが0、1又は2を示し、nが2を示す場合、R6は同一又は異なっていてもよく;及び/又は
(b16)oが0又は1を示す。
【0065】

すなわち、一般式(1)で示される化合物において、上記(b1)、(b2)、(b3)、(b4)、(b5)、(b6)、(b7)、(b8)、(b9)、(b10)、(b11)、(b12) 、(b13) 、(b14) 、(b15)及び(b16)からなる群より選択される1又は2以上の各組み合わせからなる化合物又はその塩が挙げられる。
【0066】

(c)環Aの好ましい例として、下記の環が挙げられる。
【0067】

環Aがシクロペンタン、ベンゼン、インダン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、フラン、チオフェン、イソオキサゾール、チアゾール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン、ピリジン、ジヒドロベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチアゾール及びキノリンからなる群より選択される環を示す。
【0068】
また、その環Aを有し、上記(a)、(b)及び/又は下記(d)の条件を充足する化合物又はその塩が特に好ましい。
【0069】

(d)環Bの好ましい別の例として、下記の環が挙げられる。
【0070】

環Bがピロリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、2−ピロリドン及びピリジンからなる群より選択される環を示す。
【0071】
また、その環Bを有し、上記(a)、(b)及び/又は(c)の条件を充足する化合物又はその塩が特に好ましい。
【0072】

(e)本発明化合物における特に好ましい具体例として、下記の化合物又はその塩が挙げられる。
【0073】

・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−フェニルウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−3−(インダン−5−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノ−5−メトキシフェニル)−4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−(インダン−5−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−シクロペンチル−1−(2−メチルアミノエチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−t−ブチル−1−(3−ジメチルアミノプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−シアノメチルフェニル)−1−(3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチルプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−アミノプロピル)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(3−ジメチルアミノプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(4−メトキシカルボニルフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(2−ヒドロキシエチル)−3−フェネチルウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−(1−エチルピロリジン−2−イルメチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3−メトキシフェニル)−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(3−ヒドロキシフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(ピリジン−3−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−ベンジル−1−(2−ジメチルアミノエチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−クロロフェニル)−1−(ピペリジン−4−イルメチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(2−メトキシフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エトキシカルボニルメチルウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−[3−(ピロリジン−2−オン−1−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(4−ジメチルアミノブチル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−[2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)エチル]−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−アミノフェニル)−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3−ベンジルオキシフェニル)−1−(3−ジメチルアミノプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−フェネチルウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−(2−メチルアミノエチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−フェネチルウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチルプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−(2−ジメチルアミノエチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−[3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル−3−(3−フェニルプロピル)]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]−3−(チオフェン−3−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)4−[1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]−3−(5−ニトロチアゾール−2−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド。
【0074】

本発明化合物は、以下の方法により製造することができる。尚、個々の具体的な製造方法については、後述の実施例[製造例の項]で詳細に説明する。下記の合成経路中で使用されているBocはtert−ブトキシカルボニル基を示す。下記の式中R、R、R、R、Rに酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が含まれる場合にはこれらを汎用される方法で保護、脱保護することが出来る。
【0075】

本発明化合物の製造方法は、以下に示す方法に大別することができ、置換基の種類に応じて、適宜その方法を選択することができる。
【0076】
1) 本発明化合物(Ia,R=H)は、合成経路1に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(IIa,R=H)をメタノール等の有機溶媒中、塩化水素−酢酸エチル溶液等の酸存在下、0℃から室温で30分間から3時間処理することにより得ることができる。
【化9】

【0077】

化合物(IIa)は、合成経路1−1に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(III)とイソシアネート(IV)を塩化メチレン等の有機溶媒中、0℃から室温で30分間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化10】

【0078】

化合物(III)は、合成経路1−2に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(V)と塩化メタンスルホニル(VI)を塩化メチレン等の有機溶媒中、トリエチルアミン等の塩基存在下、0℃から室温で30分間から3時間反応させることにより中間体(VII)を得ることができる。続いて、得られた中間体(VII)とアミン(VIII)を0℃から室温で30分間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化11】

【0079】

化合物(V)は、合成経路1−3に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(IX)と化合物(X)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下「DMF」とする)等の有機溶媒中、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェート(以下「HATU」とする)等の縮合剤及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基存在下、室温で1時間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化12】

【0080】

化合物(IX)は、合成経路1−4に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(XI)と二炭酸ジ−tert−ブチル(XII)をテトラヒドロフラン(以下「THF」とする)等の有機溶媒中、トリエチルアミン等の塩基存在下、室温で1時間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化13】

【0081】

2) 化合物(II)は、合成経路2に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(III)と化合物(XIII)をジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」とする)等の有機溶媒中、0℃から室温で30分間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化14】

【0082】

化合物(XIII)は、合成経路2−1に従い製造することができる。すなわち、これは、アミン(XIV)と塩化フェニルカルバメート(XV)をTHF等の有機溶媒中、ピリジン等の塩基存在下、0℃から室温で30分間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化15】

【0083】

3) 本発明化合物(Ia,R=H)は、合成経路3に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(XVIa,R=H)と化合物(XI)をDMF等の有機溶媒中、HATU等の縮合剤及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基存在下、室温で1時間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化16】

【0084】

化合物(XVIa)は、合成経路3−1に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(XVIIa,R=H)を水素雰囲気下、パラジウム炭素等の触媒存在下、メタノール等の有機溶媒中、室温で1時間から72時間処理することにより得ることができる。
【化17】

【0085】

化合物(XVIIa)は、合成経路3−2に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(XVIII)とイソシアネート(IV)を塩化メチレン等の有機溶媒中、0℃から室温で30分間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化18】

【0086】

化合物(XVIII)は、合成経路3−3に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(XIX)とアミン(VIII)をDMF等の有機溶媒中、トリエチルアミン等の塩基存在下、0℃から室温で30分間から3時間反応させることにより得ることができる。
【化19】

【0087】

化合物(XIX)は、合成経路3−4に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(XX)と塩化メタンスルホニル(VI)を塩化メチレン等の有機溶媒中、トリエチルアミン等の塩基存在下、0℃から室温で30分間から3時間反応させることにより得ることができる。
【化20】

【0088】

4) 化合物(II)は、合成経路4に従い製造することができる。すなわち、これは、アミン(XIV)とカルボニルジイミダゾールとをTHF等の有機溶媒中0℃から室温で30分間から12時間反応させ、さらに化合物(III)を加え40℃から60℃で1時間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化21】

【0089】

5) 化合物(IIb,R=NR)は、合成経路5に従い製造することができる。すなわち、これは、化合物(IId,R=OH)と塩化メタンスルホニルをトリエチルアミンなどの塩基存在下、THFなどの有機溶媒中0℃から室温で30分間から12時間反応させ中間体(IIc,R=OSOMe)を得ることができる。さらに中間体(IIc)とアミン(XXI)を塩化メチレンなどの有機溶媒中室温で1時間から24時間反応させることにより得ることができる。
【化22】

【0090】

本発明化合物は前述したとおり線維柱帯細胞に対して、優れた細胞形態変化作用を有しており、眼圧が関与するとされる疾患の予防又は治療剤、特に、緑内障及び高眼圧症の予防又は治療の為の眼圧下降剤として有用である。
【0091】

また、この詳細については、後述の実施例「薬理試験の項」で詳細に説明するが、The Journal of Clinical Investigation, 103, 1141−1150 (1999)で報告されているCell Shape Index(以下、「CSI」とする)を指標とした評価系により、本発明化合物の線維柱帯細胞に対する形態変化作用を評価したところ、線維柱帯細胞に対して、優れた細胞形態変化作用を示した。
【0092】

本発明化合物は経口でも、非経口でも投与することができる。投与剤型として、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤、点眼剤等が挙げられ、それらは汎用される技術を使用して製剤化することができる。
【0093】

例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口剤は、乳糖、マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等の賦形剤、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコーン樹脂等のコーティング剤、パラオキシ安息香酸エチル、ベンジルアルコール等の安定化剤、甘味料、酸味料、香料等の矯味矯臭剤等を必要に応じて、必要量を使用し、調製することができる。
【0094】

また、注射剤、点眼剤等の非経口剤は、塩化ナトリウム、濃グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、塩化カリウム、ソルビトール、マンニトール等の等張化剤、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸,氷酢酸、トロメタモール等の緩衝化剤、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシ40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ60油等の界面活性剤、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン、塩化ベンゾトニウム、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、クロロブタノール、ソルビン酸等の防腐剤、塩酸、クエン酸、リン酸、氷酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、ベンジルアルコール等の無痛化剤等を必要に応じて、必要量を使用し、調製することができる。
【0095】

本発明化合物の投与量は、症状、年齢、剤型等により適宜選択して使用することができる。例えば、経口剤では通常1日当たり0.01〜1000mg、好ましくは1〜100mgを1回又は数回に分けて投与することができる。また、点眼剤は通常0.0001%〜10%(w/v)、好ましくは0.01%〜5%(w/v)の濃度のものを1回又は数回に分けて投与することができる。
【0096】

以下に本発明化合物の製造例、製剤例及び薬理試験の結果を示す。尚、これらの例示は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0097】



[製造例]
参考例1
2−アミノフェニルカルバミン酸−t−ブチルエステル(参考化合物1−1)
O−フェニレンジアミン(22g,200mmol)とトリエチルアミン(30mL)のTHF(150mL)溶液に二炭酸ジ−t−ブチル(44g,200mmol)のTHF(50mL)溶液を滴下し、室温で15時間撹拌した。反応液を濃縮して得られた固体を酢酸エチルでろ取し、固体を減圧下で乾燥して標記参考化合物21gを白色固体として得た。またろ液を濃縮して得られた固体を酢酸エチルでろ取し、減圧下で乾燥することにより、標記参考化合物11gを白色固体として得た(収率76%)。
【表1】

【0098】

参考例2
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−メトキシカルボニルベンズアミド(参考化合物2−1)
氷冷下で2−アミノフェニルカルバミン酸−t−ブチルエステル(参考化合物1−1,1.1g,5.0mmol)、トリエチルアミン(30mL)の塩化メチレン(15mL)溶液にテレフタル酸クロリドモノメチルエステル(1.1g,5.0mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で2回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を混合溶媒(ヘキサン10mL−酢酸エチル5mL)でろ取し、減圧下で乾燥することにより、標記参考化合物1.8gを白色固体として得た(収率99%)。
【表2】

【0099】

参考例3
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−ヒドロキシメチルベンズアミド(参考化合物3−1)
氷冷下でN−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−メトキシカルボニルベンズアミド(参考化合物2−1,1.1g,3.0mmol)のTHF(15mL)溶液にテトラヒドロほう素化リチウム(73mg,3.6mmol)を加え、終夜室温で撹拌した。氷冷下、水(20mL)と2.0M塩酸(20mL)を加えた後、酢酸エチル(40mL)で2回抽出し、飽和重曹水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、標記参考化合物890mgを白色固体として得た(収率87%)。
【0100】
なお、標記参考化合物は、次の製造方法によっても得ることができる。
【0101】
2−アミノフェニルカルバミン酸−t−ブチルエステル(参考化合物1−1,8.3g,40mmol)、4−ヒドロキシメチル安息香酸(6.2g,41mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(21mL,120mmol)の無水DMF(200mL)溶液にHATU(17g,45mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。水(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で2回抽出し、飽和食塩水(500mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記参考化合物1.7gを淡黄色固体として得た(収率42%)。
【表3】

【0102】

参考例4
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノメチル]ベンズアミド(参考化合物4−1)
氷冷下でN−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−ヒドロキシメチルベンズアミド(参考化合物3−1,1.0g,2.9mmol)とトリエチルアミン(0.61mL,4.4mmol)の無水塩化メチレン(15mL)溶液に塩化メタンスルホニル(0.25mL,3.2mmol)を加え、40分間撹拌した。反応液に1−(3−アミノプロピル)−4−メチルピペラジン(2.3mL,4.4mmol)を加え室温でさらに2.5時間撹拌した。水(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL)で2回抽出し、飽和食塩水(200mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH修飾シリカゲル,クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記参考化合物470mgを無色アモルファスとして得た(収率33%)。
【表4】

【0103】

以下、参考化合物3−1、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物4−1の製造方法に準じて、参考化合物4−2〜4−26を得た。
【表5−1】

【表5−2】

【表5−3】

【表5−4】

【表5−5】

【表5−6】

【表5−7】

【表5−8】

【表5−9】


参考例5
1−ベンジルオキシ−3−(フェノキシカルボニルアミノ)ベンゼン(参考化合物5−1)
氷冷下で3−ベンジルオキシアニリン(3.7g,16mmol)とピリジン(6.0mL)のDMF(25mL)溶液に塩化フェニルカルバメート(2.0mL,16mmol)のTHF(2.0mL)溶液を滴下した後、室温で3時間撹拌した。酢酸エチル(200mL)を加え、水(200mL)で2回、飽和食塩水(200mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体をジイソプロピルエーテルでろ取し、減圧下で乾燥することにより、標記参考化合物3.7gを白色固体として得た(収率73%)。
【表6】

【0104】

以下、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物5−1の製造方法に準じて、参考化合物5−2〜5−4を得た。
【表7】

【0105】

参考例6
4−ヒドロキシメチル安息香酸ベンジルエステル(参考化合物6−1)
4−ヒドロキシメチル安息香酸(10g,66mmol)と炭酸セシウム(11g,33mmol)の混合溶媒(DMF100mL−メタノール30mL−水30mL)懸濁液に、臭化ベンジル(7.8mL,66mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。水(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出し、飽和重曹水(300mL)と水(300mL)で2回ずつ洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体をヘキサンでろ取し、35℃で減圧下で乾燥することにより、標記参考化合物13gを白色固体として得た(収率81%)。
【表8】

【0106】

参考例7
4−メタンスルホニルオキシメチル安息香酸ベンジルエステル(参考化合物7−1)
氷冷下で4−ヒドロキシメチル安息香酸ベンジルエステル(参考化合物6−1,6.0g,25mmol)とトリエチルアミン(7.6mL,54mmol)の塩化メチレン(60mL)溶液に塩化メタンスルホニル(2.1mL,27mmol)を加えた後、室温で50分間撹拌した。飽和食塩水(300mL)を加え、クロロホルム(150mL)で4回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去することにより、標記化合物1.8gを黄色油状物質として得た(収率73%)。
【表9】

【0107】

参考例8
4−(2−ジメチルアミノエチルアミノメチル)安息香酸ベンジルエステル(参考化合物8−1)
4−メタンスルホニルオキシメチル安息香酸ベンジルエステル(参考化合物7−1,2.3g,7.2mmol)とトリエチルアミン(3.0mL,22mmol)のDMF(10mL)溶液にN,N−ジメチルエチレンジアミン(0.87mL,7.9mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。飽和重曹水(150mL)を加え、クロロホルム(100mL)で3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去することにより、標記参考化合物を含む混合物1.2gを黄色油状物質として得た。
【表10】

【0108】

以下、参考化合物7−1、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物8−1の製造方法に準じて、参考化合物8−2〜8−3を得た。
【表11】

【0109】

参考例9
4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−(インダン−5−イル)ウレイドメチル]安息香酸ベンジルエステル(参考化合物9−1)
4−(2−ジメチルアミノエチルアミノメチル)安息香酸ベンジルエステルを含む混合物(参考化合物8−1,1.2g,3.8mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液にインダン−5−イルイソシアネート(0.61mL,4.2mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記参考化合物0.98gを無色油状物質として得た(2工程、収率29%)。
【表12】

【0110】

以下、参考化合物8−2〜8−3、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物9−1の製造方法に準じて、参考化合物9−2〜9−6を得た。
【表13−1】

【表13−2】


参考例10
4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−(インダン−5−イル)ウレイドメチル]安息香酸(参考化合物10−1)
4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−(インダン−5−イル)ウレイドメチル]安息香酸ベンジルエステル(参考化合物9−1,970mg,2.1mmol)のメタノール(20mL)溶液に10%パラジウム炭素(100mg)を加え、水素雰囲気下、室温で29時間撹拌した。不溶物をろ去後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を酢酸エチルでろ取することにより、標記参考化合物0.78gを白色固体として定量的に得た。
【表14】

【0111】

以下、参考化合物9−2〜9−6、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物10−1の製造方法に準じて、参考化合物10−2〜10−6を得た。
【表15−1】

【表15−2】


参考例11
4−メトキシ−2−ニトロフェニルカルバミン酸−t−ブチルエステル(参考化合物11−1)
水素化ナトリウム(1.1g,46mmol)のTHF(35mL)懸濁液に4−メトキシ−2−ニトロアニリン(1.3g,7.7mmol)を加え、二炭酸ジ−t−ブチル(2.0g,9.2mmol)のTHF(10mL)溶液を滴下し、室温で18時間撹拌した。氷冷下で1.0M塩酸(50mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で3回抽出し、飽和重曹水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、標記参考化合物1.7gを橙色油状物質として得た(収率86%)。
【表16】

【0112】

参考例12
2−アミノ−4−メトキシフェニルカルバミン酸−t−ブチルエステル(参考化合物12−1)
4−メトキシ−2−ニトロフェニルカルバミン酸−t−ブチルエステル(参考化合物11−1,1.3g,4.8mmol)のメタノール(20mL)溶液に10%パラジウム炭素(120mg)を加え、水素雰囲気下、室温で9時間撹拌した。不溶物をろ去後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体をヘキサンでろ取することにより、標記参考化合物1.1gを淡褐色固体として定量的に得た。
【表17】

【0113】

参考例13
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド(参考化合物13−1)
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノメチル]ベンズアミド(参考化合物4−1,350mg,0.73mmol)の無水塩化メチレン(15mL)溶液に2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルイソシアネート(0.11mL,0.80mmol)を加え、室温で40分間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記参考化合物460mgを無色アモルファスとして得た(収率94%)。
【表18】

【0114】

以下、参考化合物4−1〜4−26、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物13−1の製造方法に準じて、参考化合物13−2〜13−158を得た。
【表19−1】

【表19−2】

【表19−3】

【表19−4】

【表19−5】

【表19−6】

【表19−7】

【表19−8】

【表19−9】

【表19−10】

【表19−11】

【表19−12】

【表19−13】

【表19−14】

【表19−15】

【表19−16】

【表19−17】

【表19−18】

【表19−19】

【表19−20】

【表19−21】

【表19−22】

【表19−23】

【表19−24】

【表19−25】

【表19−26】

【表19−27】

【表19−28】

【表19−29】

【表19−30】

【表19−31】

【表19−32】

【表19−33】

【表19−34】

【表19−35】

【表19−36】

【表19−37】

【表19−38】

【表19−39】

【表19−40】

【表19−41】

【表19−42】

【表19−43】

【表19−44】

【表19−45】

【表19−46】

【表19−47】

【表19−48】

【表19−49】

【表19−50】

【表19−51】


参考例14
4−[3−(3−ベンジルオキシフェニル)−1−(3−ジメチルアミノプロピル)ウレイドメチル]−N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)ベンズアミド(参考化合物14−1)
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−(3−ジメチルアミノプロピルアミノメチル)ベンズアミドを含む混合物(参考化合物4−5,10g,24mmol)のDMSO(30mL)溶液に1−ベンジルオキシ−3−(フェノキシカルボニルアミノ)ベンゼン(参考化合物5−1,3.7g,12mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。水(300mL)を加え、酢酸エチル(250mL)で2回抽出し、飽和食塩水(250mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記参考化合物1.1gを白色アモルファスとして得た(収率15%)。
【表20】

【0115】

以下、参考化合物4−5、4−11、5−2〜5−4、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物14−1の製造方法に準じて、参考化合物14−2〜14−4を得た。
【表21】

【0116】

参考例15
4−[3−(4−アミノフェニル)−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]−N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)ベンズアミド(参考化合物15−1)
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−[1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]−3−(4−ニトロフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド(参考化合物13−62,80mg,0.13mmol)のメタノール(2mL)溶液に5%パラジウム炭素(10mg)を加え、水素雰囲気下、室温で18時間撹拌した。不溶物をろ去し、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記参考化合物45mgを淡黄色油状物質として得た(収率60%)。
【表22】

【0117】

参考例16
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−5−メトキシフェニル)−4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−(インダン−5−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド(参考化合物16−1)
4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−(インダン−5−イル)ウレイドメチル]安息香酸(参考化合物10−1,120mg,0.3mmol)、2−アミノ−4−メトキシフェニルカルバミン酸−t−ブチルエステル(参考化合物12−1,80mg,0.33mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.12mL,0.66mmol)のDMF(3.0mL)溶液にHATU(130mg,0.33mmol)を加え、室温で18時間撹拌した。水(30mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で2回抽出し、飽和食塩水(40mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記参考化合物43mgを無色アモルファスとして得た(収率24%)。
【表23】

【0118】

以下、参考化合物10−1、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、参考化合物16−1の製造方法に準じて、参考化合物16−2を得た。
【表24】

【0119】

参考例17
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−[1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]−3−(チアゾール−2−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド(参考化合物17−1)
氷冷下、N,N’−カルボニルジイミダゾール(110mg,0.68mmol)のTHF溶液(3.0mL)に2−アミノチアゾール(65mg,0.64mmol)を加え、6時間撹拌した。N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−[3−(モルホリン−4−イル)プロピルアミノメチル]ベンズアミド(参考化合物4−11,110mg,0.23mmol)を加え、60℃で16時間撹拌した。水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出し、飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記参考化合物90mgを無色アモルファスとして得た(収率65%)。
【表25】

【0120】

以下、参考化合物4−11を使用し、参考化合物17−1の製造方法に準じて、参考化合物17−2〜17−6を得た。
【表26−1】

【表26−2】


参考例18
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−[3−(N−エチル−N−メチルアミノ)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド(参考化合物18−1)
氷冷下、N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(3−ヒドロキシプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド(参考化合物13−79,200mg,0.36mmol)とトリエチルアミン(0.68mL,4.9mmol)の無水塩化メチレン(5mL)溶液に塩化メタンスルホニル(0.30mL,3.9mmol)を加え、7時間撹拌した。水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出し、飽和食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣に無水塩化メチレン(1mL)とエチルメチルアミン(0.03mL,0.35mmol)を加え室温で5時間撹拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(5.0mL)で抽出し、飽和食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記参考化合物9.0mgを無色油状物質として得た(収率4%)。
【表27】

【0121】

実施例1
N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド(化合物1−1)
N−(2−t−ブトキシカルボニルアミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド(参考化合物13−1,450mg,0.68mmol)の混合溶液(酢酸エチル10mL−メタノール10mL)に4.0M塩化水素−酢酸エチル(10mL)を加え、室温で2.5時間撹拌した。飽和重曹水(150mL)を加え、クロロホルム(150mL)で抽出し、飽和食塩水(150mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH修飾シリカゲル,クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記化合物310mgを無色アモルファスとして得た(収率82%)。
【表28】

【0122】

以下、参考化合物13−2〜13−158、参考化合物14−1〜14−4、参考化合物15−1、参考化合物16−1〜16−2、参考化合物17−1〜17−6、参考化合物18−1、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、化合物1−1の製造方法に準じて、化合物1−2〜1−172を得た。
【表29−1】

【表29−2】

【表29−3】

【表29−4】

【表29−5】

【表29−6】

【表29−7】

【表29−8】

【表29−9】

【表29−10】

【表29−11】

【表29−12】

【表29−13】

【表29−14】

【表29−15】

【表29−16】

【表29−17】

【表29−18】

【表29−19】

【表29−20】

【表29−21】

【表29−22】

【表29−23】

【表29−24】

【表29−25】

【表29−26】

【表29−27】

【表29−28】

【表29−29】

【表29−30】

【表29−31】

【表29−32】

【表29−33】

【表29−34】

【表29−35】

【表29−36】

【表29−37】

【表29−38】

【表29−39】

【表29−40】

【表29−41】

【表29−42】

【表29−43】

【表29−44】

【表29−45】

【表29−46】

【表29−47】

【表29−48】

【表29−49】

【表29−50】

【表29−51】

【表29−52】

【表29−53】

【表29−54】


実施例2
N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−(インダン−5−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド(化合物2−1)
4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−(インダン−5−イル)ウレイドメチル]安息香酸(参考化合物10−1,250mg,0.66mmol)、O−フェニレンジアミン(140mg,1.3mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.33mL,2.0mmol)のDMF(5.0mL)溶液にHATU(250mg,0.66mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。酢酸エチル(100mL)を加え、飽和食塩水(50mL)で3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製した後、得られた固体を酢酸エチルでろ取し、減圧下で乾燥することにより、標記化合物230mgを薄黄白色固体として得た(収率74%)。
【表30】

【0123】

以下、参考化合物10−2〜10−6、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、化合物2−1の製造方法に準じて、化合物2−2〜2−6を得た。
【表31−1】

【表31−2】


実施例3
N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(3−ヒドロキシフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド(化合物3−1)
N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3−ベンジルオキシフェニル)−1−(3−ジメチルアミノプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド(化合物1−76,640mg,1.2mmol)の混合溶液(酢酸エチル10mL−メタノール10mL−DMF10mL)に10%パラジウム炭素(100mg)を加え、水素雰囲気下、室温で32時間撹拌した。不溶物をろ去後、水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で2回抽出し、飽和食塩水(100mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去することにより、標記化合物480mgを白色アモルファスとして得た(収率88%)。
【表32】

【0124】

以下、化合物1−81、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、化合物3−1の製造方法に準じて、化合物3−2を得た。
【表33】

【0125】

実施例4
N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−カルボキシフェニル)−1−(3−ジメチルアミノプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド(化合物4−1)
N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(4−メトキシカルボニルフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド(化合物1−46,62mg,0.12mmol)の混合溶液(メタノール30mL−THF5.0mL)に1.0M水酸化ナトリウム水溶液(6.0mL)を加え、室温で7日間撹拌した。1.0M塩酸を用いて中和した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記化合物60mgを白色固体として定量的に得た。
【表34】

【0126】

以下、化合物2−4、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、化合物4−1の製造方法に準じて、化合物4−2を得た。
【表35】

【0127】

実施例5
N−(2−アミノフェニル)−4−[3−[4−(2−ジメチルアミノエチルアミノカルボニル)フェニル]−1−(3−ジメチルアミノプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド(化合物5−1)
N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−カルボキシフェニル)−1−(3−ジメチルアミノプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド(化合物4−1,33mg,0.067mmol)、N,N−ジメチルアミノエチレンジアミン(0.30mL,2.8mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.023mL,0.13mmol)のDMF(5.0mL)懸濁液に1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾリウム 3−オキシド ヘキサフルオロフォスフェート(49mg,0.067mmol)を加え、室温で80分間撹拌した。飽和重曹水(30mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で2回抽出し、飽和食塩水(30mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記化合物21mgを無色油状物質として得た(収率57%)。
【表36】

【0128】

実施例6
N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−クロロフェニル)−1−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]ウレイドメチル]ベンズアミド(化合物6−1)
塩化−2−クロロトリチルポリスチレン樹脂(3.0g,4.2mmol)を塩化メチレン(30mL)に膨潤させ、O−フェニレンジアミン(1.4g,13mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.4mL,25mmol)を加え、室温で18時間振とうした。反応液をろ過後、樹脂をDMFと塩化メチレン(各15mL)で交互に3回洗浄し、減圧下で乾燥することにより中間体[I]を得た。
【0129】
中間体[I]の全量をDMF(30mL)に膨潤させ、4−ヒドロキシメチル安息香酸(1.9g,13mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.4mL,25mmol)及びHATU(4.8g,13mmol)を加え、室温で4時間振とうした。反応液をろ過後、樹脂をDMFと塩化メチレン(各15mL)で交互に3回洗浄し、減圧下で乾燥することにより中間体[II]4.3gを得た。
【0130】
中間体[II](1.2g,1.3mmol)を塩化メチレン(15mL)に膨潤させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.1mL,6.5mmol)と塩化メタンスルホニル(0.30mL,3.9mmol)を加え、室温で40分間振とうした。反応液をろ過後、樹脂をDMFと塩化メチレン(各10mL)で交互に3回、さらにDMF(10mL)で2回洗浄した。樹脂にDMF(15mL)と2−アミノエチル−1−ピロリジン(0.83mL,6.5mmol)を加え、室温で15時間振とうした。反応液をろ過後、樹脂をDMF、塩化メチレン及びメタノール(各10mL)で交互に3回洗浄し、減圧下で乾燥することにより中間体[III]を得た。
【0131】
中間体[III](150mg,0.15mmol)を塩化メチレン(2.0mL)に膨潤させ、4−クロロフェニルイソシアネート(120mg,0.75mmol)を加え、室温で16時間振とうした。反応液をろ過後、樹脂をDMF、塩化メチレン及びメタノール(各3.0mL)で交互に3回洗浄し、減圧下で乾燥することにより中間体[IV]を得た。
【0132】
中間体[IV]の全量に5.0%トリフルオロ酢酸−塩化メチレン溶液(1.5mL)を加え、室温で25分間振とうした。樹脂をろ去し、ろ液を飽和重曹水(3.0mL)で洗浄し、有機層を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製することにより、標記化合物7.2mgを黄色油状物質として得た(収率9.8%)。
【化23】

【表37】

【0133】

以下、市販化合物及び既知化合物から選択される化合物を使用し、化合物6−1の製造方法に準じて、化合物6−2〜6−5を得た。
【表38】

【0134】

[製剤例]
本発明化合物の代表的な製剤例を以下に示す。
【0135】

1)錠剤(150mg中)
本発明化合物 1mg
乳糖 100mg
トウモロコシデンプン 40mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 4.5mg
ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg

上記処方の錠剤にコーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコーン樹脂等の通常のコーティング剤)3mgを用いてコーティングを施し、目的とする錠剤を得ることができる。また、本発明化合物並びに添加物の種類及び/又は量を適宜変更することで、所望の錠剤を得ることもできる。
【0136】

2)カプセル剤(150mg中)
本発明化合物 5mg
乳糖 135mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 4.5mg
ヒドロキシプロピルセルロース 4mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg

本発明化合物並びに添加剤の種類及び又は量を適宜変更することで、所望のカプセル剤を得ることができる。
【0137】

3)点眼剤(100ml中)
本発明化合物 100mg
塩化ナトリウム 900mg
ポリソルベート80 500mg
水酸化ナトリウム 適量
塩酸 適量
滅菌精製水 適量

本発明化合物及び添加物の種類及び/又は量を適宜変更することで、所望の点眼剤を得ることができる。
【0138】


[薬理試験]
1.線維柱帯細胞に対する形態変化作用の評価試験
細胞の形態変化を評価する方法の一つとして、Cell Shape Index(以下、「CSI」とする)を指標とした評価系が、The Journal of Clinical Investigation, 103, 1141−1150 (1999)に報告されている。そこで、前記文献記載の方法に準じ、本発明化合物の線維柱帯細胞に対する形態変化作用を評価した。
【0139】

(使用細胞)
Investigative Ophthalmology & Visual Science, 43, 151−161 (2002)に報告されている、ヒト線維柱帯細胞株(以下、「TM−1細胞」とする)を使用した。
【0140】

(試薬の調製)
培養液1:Dulbecco’s Modified Eagle Medium(以下、「D−MEM」とする)にウシ胎児血清(10%)、L−グルタミン(2mM)、アンフォテリシンB(2.5mg/mL)及びゲンタマイシン(25mg/mL)を添加して試薬を調製した。
【0141】
培養液2:D−MEMにウシ胎児血清(3%)、L−グルタミン(2mM)、アンフォテリシンB(2.5mg/mL)及びゲンタマイシン(25mg/mL)を添加した。
【0142】
細胞染色液:Calcein−AM溶液(細胞質染色試薬、DOJINDO社製)及びHoechst 33342溶液(核染色試薬、DOJINDO社製)を、L−グルタミン(2mM)、アンフォテリシンB(2.5mg/mL)及びゲンタマイシン(25mg/mL)を含むD−MEMで希釈し、Calcein−AM(16mM)、Hoechst 33342(40mM)の混合液を調製した。
【0143】

(細胞の調製)
37℃、8%炭酸ガス雰囲気下で継代培養したTM−1細胞を、後述の薬物処理24時間前にトリプシン−EDTA溶液(0.05% トリプシン、0.53mM エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム)で処理して96穴培養プレートに播種した。細胞の継代培養には培養液1を用いた。プレート播種後の細胞培養には培養液2を用いた。
【0144】

(被験化合物溶液の調製)
被験化合物をジメチルスルホキシドに溶解して5mM溶液を調製し、これを培養液2で希釈して200mMの被験化合物溶液を調製した。
【0145】

(陽性対照化合物溶液の調製)
Rhoキナーゼ阻害剤であるY−27632が線維柱帯細胞の形態変化を誘導することがInvestigative Ophthalmology & Visual Science,42,137−144(2001)に報告されている。そこでY−27632(国際公開第90/05723号パンフレットに記載の方法に従い製造)を陽性対照として用い、これを被験化合物と同様にジメチルスルホキシドに溶解して5mM溶液を調製し、これを培養液2で希釈して200mMの溶液の陽性対照化合物溶液を調製した。
【0146】

(試験方法及び測定方法)
1)96穴培養プレートに、1.6×10cells/mLに調整したTM−1細胞を1穴あたり95mL(1.5×10cells)ずつ添加した。
【0147】
2)8%炭酸ガス雰囲気下、37℃で24時間培養を行った。
【0148】
3)被験化合物溶液または陽性対照化合物溶液を1穴あたり5mLずつ添加した(被験化合物または陽性対照化合物の最終濃度:10mM)。またコントロールとしては、ジメチルスルホキシド(4%)を含有する培養液2を1穴あたり5mLずつ添加した。
【0149】
4)8%炭酸ガス雰囲気下、37℃で24時間培養を行った。
【0150】
5)細胞染色液を1穴あたり10mLずつ添加した。
【0151】
6)8%炭酸ガス雰囲気下、37℃で1時間インキュベーションし細胞を染色した。
【0152】
7)37%ホルムアルデヒド溶液を1穴あたり10mLずつ添加した。
【0153】
8)室温で1時間インキュベーションし細胞を固定した。
【0154】
9)リン酸緩衝生理食塩液による洗浄を行った。
【0155】
10)Array Scan Vti HCS reader(Cellomics社製)を用いて、20倍の対物レンズで、1被験化合物添加群あたり80視野(10視野×8穴)につき染色細胞の画像を取り込んだ。
【0156】
11)各細胞につきCSIを算出し、各被験化合物添加群ごとの平均値を求めた。
【0157】

(CSIの計算式)
CSIは以下の式により算出した。
【0158】
CSI=4π×細胞の面積/(細胞周囲の長さ)

(試験結果及び考察)
試験結果の一例として、各被験化合物(化合物1−2、化合物1−4、化合物1−5、化合物1−16、化合物1−22、化合物1−23、化合物1−28、化合物1−31、化合物1−34、化合物1−36、化合物1−38、化合物1−39、化合物1−43、化合物1−46、化合物1−47、化合物1−49、化合物1−50、化合物1−53、化合物1−58、化合物1−59、化合物1−60、化合物1−66、化合物1−76、化合物1−80、化合物1−94、化合物1−97、化合物1−102、化合物1−104、化合物1−107、化合物1−113、化合物1−128、化合物1−134、化合物1−135、化合物1−165、化合物1−169、化合物2−2、化合物2−3、化合物2−4、化合物2−5、化合物3−1)添加群およびY−27632添加群のCSIを表Iに示す。
【表I】


2.眼圧下降作用の評価試験
本化合物の眼圧下降作用を評価するため、雄性日本白色ウサギを用いた薬物の前房内投与による眼圧下降作用の評価試験を実施した。
【0159】

(被験化合物投与液の調製)
被験化合物を0.5%ジメチルスルホキシド含有生理食塩液に溶解又は懸濁させ、1mMの被験化合物投与液を調製した。
【0160】

(試験方法及び測定方法)
雄性日本白色ウサギの両眼に0.4%塩酸オキシブプロカイン点眼液を一滴ずつ点眼し局所麻酔した後、圧平式眼圧計を用いて眼圧を測定した。次いで、30G針の注射器を用い、片眼に被験化合物投与液(20μL)を前房内投与した。コントロールとしては、被験化合物の溶媒(0.5%ジメチルスルホキシド含有生理食塩液)を20μL前房内投与した。被験化合物又は溶媒を投与してから一定時間の後に、投与眼に0.4%塩酸オキシブプロカイン点眼液を一滴ずつ点眼し局所麻酔した後、圧平式眼圧計を用いて眼圧を測定した。
【0161】

(眼圧下降率の計算式)
各被験化合物の眼圧下降作用は眼圧下降率を算出することにより評価した。眼圧下降率(%)は以下の式により算出した。
【0162】
眼圧下降率(%)=100×(コントロール群の眼圧の平均値−各被験化合物投与群の眼圧の平均値)/コントロール群の眼圧の平均値

(試験結果)
試験結果の一例として、各被験化合物(化合物1−59、化合物1−80及び化合物2−2)を投与してから9時間後における各被験化合物投与群の眼圧下降率を表IIに示す(一群あたり6例)。
【表II】


表Iで示したとおり、本化合物は線維柱帯細胞に対し、陽性対照としたY−27632と同等またはそれ以上の優れた細胞形態変化作用を有しており、さらに表IIで示したとおり、本化合物は実際の動物モデル試験においても優れた眼圧下降作用を有していることから、眼圧下降剤として使用でき、眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療剤、特に、緑内障、高眼圧症等の予防及び/又は治療剤として有用であることが期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物又はその塩。
【化1】


[R1及びR2は同一又は異なって、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基又は下記一般式(2)で示される基を示し;
【化2】


3はヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、-NRab又は下記一般式(3)で示される基を示し;
【化3】


4及びR5は同一又は異なって、ハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、ヒドロキシ基又は置換基を有してもよい低級アルコキシ基を示し;
6はハロゲン原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、ホルミル基、置換基を有してもよい低級アルキルカルボニル基、カルボキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、-NRcd又は-NRe(CORf)を示し;
7は置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基、置換基を有してもよい低級シクロアルキルオキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を示し;
a、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは同一又は異なって、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し;
環Aは炭化水素環又は複素環を示し;
環Bは窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される1又は複数個のヘテロ原子を環内に有する複素環を示し;
Xは置換基を有してもよい低級アルキレン基を示し;
Y及びZは同一又は異なって、単結合又は置換基を有してもよい低級アルキレン基を示し;
l、m、n及びoは同一又は異なって、0、1、2又は3を示し、l、m、n及びoが2又は3を示す場合、各R4、R5、R6又はR7は同一又は異なっていてもよい。]
【請求項2】
一般式(1)において、
1及びR2が同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、カルボキシ基を置換基として有する低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基を置換基として有する低級アルキル基又は下記一般式(2)で示される基を示し;
【化4】


3がヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルコキシ基、低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルコキシ基、低級シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、-NRab又は下記一般式(3)で示される基を示し;
【化5】


4及びR5が同一又は異なって、ハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示し;
6がハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子を置換基として有する低級アルキル基、シアノ基を置換基として有する低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、複素環基、低級アルキル基を置換基として有する複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有する低級アルコキシ基、低級シクロアルキル基を置換基として有する低級アルコキシ基、アリール基を置換基として有する低級アルコキシ基、低級シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、-NRcd又は-NRe(CORf)を示し;
7が低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、低級シクロアルキルオキシ基又はアリールオキシ基を示し;
a、Rb、Rc、Rd、Re及びRfが同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、-NRghを置換基として有する低級アルキル基、低級シクロアルキル基又はアリール基を示し;
g及びRhが同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基を示し;
環Aが炭化水素環又は複素環を示し;
環Bが窒素原子及び酸素原子からなる群より選択される1又は複数個のヘテロ原子を環内に有する複素環を示し;
Xが低級アルキレン基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルキレン基又は低級アルコキシ基を置換基として有する低級アルキレン基を示し;
Y及びZが同一又は異なって、単結合又は低級アルキレン基を示し;
l、m、n及びoが同一又は異なって、0、1、2又は3を示し、l、m、n及びoが2又は3を示す場合、各R4、R5、R6又はR7は同一又は異なっていてもよい請求項1記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
一般式(1)において、
1が低級アルキル基、カルボキシ基を置換基として有する低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基を置換基として有する低級アルキル基又は下記一般式(2)で示される基を示し;
【化6】


2が水素原子を示し;
3がヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ヒドロキシ基を置換基として有する低級アルコキシ基、-NRab又は下記一般式(3)で示される基を示し;
【化7】


5がハロゲン原子又は低級アルコキシ基を示し;
6がハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン原子を置換基として有する低級アルキル基、シアノ基を置換基として有する低級アルキル基、複素環基、低級アルキル基を置換基として有する複素環基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有する低級アルコキシ基、アリール基を置換基として有する低級アルコキシ基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基又は-NRcdを示し;
7が低級アルキル基又はヒドロキシ基を示し;
a、Rb、Rc及びRdが同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基を示し;
環Aが炭化水素環又は複素環を示し;
環Bが窒素原子及び酸素原子からなる群より選択される1又は複数個のヘテロ原子を環内に有する複素環を示し;
Xが低級アルキレン基又は水酸基を置換基として有する低級アルキレン基を示し;
Yが低級アルキレン基を示し;
Zが単結合又は低級アルキレン基を示し;
lが0を示し;
mが0又は1を示し;
nが0、1又は2を示し、nが2を示す場合、R6は同一又は異なっていてもよく;
oが0又は1を示す請求項1又は2記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
一般式(1)において、環Aがシクロペンタン、ベンゼン、インダン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、フラン、チオフェン、イソオキサゾール、チアゾール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン、ピリジン、ジヒドロベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチアゾール及びキノリンからなる群より選択される環を示す請求項1〜3記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
一般式(1)において、環Bがピロリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、2−ピロリドン及びピリジンからなる群より選択される環を示す請求項1〜3記載の化合物又はその塩。
【請求項6】
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−フェニルウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−3−(インダン−5−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノ−5−メトキシフェニル)−4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−(インダン−5−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−シクロペンチル−1−(2−メチルアミノエチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−t−ブチル−1−(3−ジメチルアミノプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−シアノメチルフェニル)−1−(3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチルプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−アミノプロピル)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(3−ジメチルアミノプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(4−メトキシカルボニルフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(2−ヒドロキシエチル)−3−フェネチルウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−(1−エチルピロリジン−2−イルメチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3−メトキシフェニル)−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(3−ヒドロキシフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(ピリジン−3−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−ベンジル−1−(2−ジメチルアミノエチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−クロロフェニル)−1−(ピペリジン−4−イルメチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(2−メトキシフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エトキシカルボニルメチルウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−[3−(ピロリジン−2−オン−1−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(4−ジメチルアミノブチル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−[2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)エチル]−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−アミノフェニル)−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3−ベンジルオキシフェニル)−1−(3−ジメチルアミノプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−フェネチルウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−(2−メチルアミノエチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−フェネチルウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチルプロピル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−(2−ジメチルアミノエチル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−[3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル−3−(3−フェニルプロピル)]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]−3−(チオフェン−3−イル)ウレイドメチル]ベンズアミド、
・N−(2−アミノフェニル)−4−[3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]ウレイドメチル]ベンズアミド、及び
・N−(2−アミノフェニル)4−[1−[3−(モルホリン−4−イル)プロピル]−3−(5−ニトロチアゾール−2−イル)ウレイドメチル]ベンズアミドから選択される化合物又はその塩。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1記載の化合物又はその塩を含有する医薬組成物。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1記載の化合物又はその塩を有効成分とする房水流出促進剤。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1記載の化合物又はその塩を有効成分とする眼圧が関与するとされる疾患の予防及び/又は治療剤。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか1記載の化合物又はその塩を有効成分とする眼圧下降剤。

【公開番号】特開2008−179624(P2008−179624A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333744(P2007−333744)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000177634)参天製薬株式会社 (177)
【Fターム(参考)】