説明

カーボンナノチューブを利用した半導体素子の配線形成方法およびその方法により製造された半導体素子

【課題】高い電流密度を持つカーボンナノチューブを利用した半導体素子の配線形成方法、およびその方法により製造される超高集積度の半導体素子を提供する。
【解決手段】半導体素子の電極120表面を前処理して活性化させる段階と、電極の活性化した表面122上に絶縁層130を形成した後、電極の活性化した表面の一部を露出させるために絶縁層を貫通するコンタクトホール132を形成する段階と、コンタクトホールを通じて電極の活性化した表面に炭素が含まれているガスを供給して前記電極の活性化した表面からカーボンナノチューブ140を成長させて配線を形成する段階と、を具備する半導体素子の配線形成方法およびその方法により製造された半導体素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の配線形成方法に係り、より詳細にはカーボンナノチューブを利
用して半導体素子の配線を形成する方法、およびその方法により製造された半導体素子に
関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子、特に、半導体メモリ素子には、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)、PRAM(Phase−change RAM)、MRAM(Magneto resistive RAM)などの多様な種類がある。このようなメモリ素子には、スイッチング素子として、一般的に、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタが使われている。そして、半導体メモリ素子には、コンタクト(contact)、インターコネクトなどの電子移動通路である配線が設けられている。
【0003】
最近、半導体メモリ素子の高集積化につれて配線の線幅は狭くなり、単位面積当りの電流の量、すなわち、電流密度は高くなりつつある。これにより、半導体素子の配線の電流密度は、2010年頃には10A/cmに至ると予想される。
【0004】
一方、従来の半導体素子には主に金属配線が使われているが、このような金属配線の線幅は70nmが限界であることが知られており、金属配線の最大電流密度は約10A/cmが限界であることが知られている。半導体素子の高集積化のためには、配線の線幅の狭幅化と高電流密度化が必須であるが、前記のような理由によって、金属配線を使用する半導体素子は、近い将来、その集積化が限界に到達すると予想される。
【0005】
したがって、半導体素子の高集積化がなされ続けるためには、金属配線に比べて狭い線幅でも高い電流密度で電流を流すことができる新しい配線材料が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記問題点を解決するために創出されたものであって、特に、半導体素子の高集積化が可能になるように電極の表面にカーボンナノチューブを成長させて配線を形成する半導体素子の配線形成方法を提供するところにその目的がある。
【0007】
また、前記方法によって形成されたカーボンナノチューブよりなる配線を有することによって高集積化が可能な半導体素子を提供するところにその他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の技術的課題を達成するために、本発明の第1特徴による半導体素子の配線形成方法は、(a1)半導体素子の電極表面を前処理して活性化させる段階と、(b1)前記電極の活性化された表面上に絶縁層を形成した後、前記電極の活性化された表面の一部を露出させるために前記絶縁層を貫通するコンタクトホールを形成する段階と、(c)前記コンタクトホールを通じて前記電極の活性化された表面に炭素含有ガスを供給して前記電極の活性化された表面からカーボンナノチューブを成長させて配線を形成する段階と、を具備する。
【0009】
ここで、前記(a1)段階は、300〜700℃の温度で、前記電極の表面に、窒素ガス、アルゴンガスおよびアンモニアガスよりなる群から選択される少なくとも一つの前処理ガスを供給することによって前記電極の表面を多孔質状態に活性化させることが望ましい。
【0010】
また、前記(a1)段階は、アルゴンガスや窒素ガスをイオン化させてそのイオンを前記電極の表面に衝突させることによって前記電極の表面を多孔質状態に活性化させる段階でもよい。この場合、前記(a1)段階は常温状態で行われる。
また、前記(a1)段階は、反応性イオンエッチングによって行ってもよい。
【0011】
そして、本発明の第2特徴による半導体素子の配線形成方法は、(a2)半導体素子の電極の表面に触媒金属層を形成する段階と、(b2)前記触媒金属層の上に絶縁層を形成した後、前記触媒金属層の一部を露出させるために絶縁を貫通するコンタクトホールを形成する段階と、(c)前記コンタクトホールを通じて前記触媒金属層に炭素含有ガスを供給して前記触媒金属層からカーボンナノチューブを成長させて配線を形成する段階と、を具備する。
【0012】
ここで、前記(a2)段階は、RFマグネトロンスパッタまたは電子ビーム蒸着装置によって前記触媒金属を前記電極の表面に所定厚さに蒸着することが望ましい。
【0013】
また、前記(a2)段階は、触媒金属の粉末を前記電極の表面にスプレーすることにより所定厚さに塗布してもよい。
【0014】
そして、前記(a2)段階で、前記触媒金属層は、W、Ni、Fe、Co、Y、Pd、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも一つの遷移金属よりなる。
【0015】
本発明の第1および第2特徴による半導体素子の配線形成方法において、前記(b1)段階または(b2)段階で、前記絶縁層は酸化物よりなり、前記コンタクトホールは数nm〜数十nm(例えば、1〜100nm)の直径を持つように形成される。
【0016】
そして、前記(c)段階は、500〜900℃の温度で熱化学気相蒸着法またはプラズマ化学気相蒸着法によって行われる。
【0017】
また、前記(c)段階で、前記炭素含有ガスは、CH、C、C、C、COおよびCOよりなる群から選択される少なくとも一つのガスであることが望ましく、前記炭素含有ガスは、水素ガス、窒素ガスおよびアルゴンガスよりなる群から選択される少なくとも一つのガスと共に供給されることが望ましい。
【0018】
そして、前記の技術的課題を達成するための本発明の第3特徴による半導体素子は、基板と、前記基板に形成された電極と、前記電極の表面に形成された多孔質の活性層と、前記活性層上に形成され、前記活性層の一部を露出させるコンタクトホールを有する絶縁層と、前記コンタクトホールの内部で、前記活性層から成長して電子移動の通路となる配線を構成するカーボンナノチューブと、前記絶縁層の上部に形成されて前記カーボンナノチューブと電気的に連結されるメモリ薄膜または他の電極と、を具備する。
【0019】
ここで、前記活性層は、前記本発明の第1特徴による配線形成方法により形成される。
【0020】
また、本発明の第4特徴による半導体素子は、基板と、前記基板に形成された電極と、前記電極の表面に形成された触媒金属層と、前記触媒金属層上に形成され、前記触媒金属層の一部を露出させるコンタクトホールを有する絶縁層と、前記コンタクトホールの内部で、前記触媒金属層から成長して電子移動の通路となる配線をなすカーボンナノチューブと、前記絶縁層の上部に形成されて前記カーボンナノチューブと電気的に連結されるメモリ薄膜または他の電極と、を具備する。
【0021】
ここで、前記活性層は前記本発明の第2特徴による配線形成方法により形成される。
【0022】
本発明の第3および第4特徴による半導体素子において、前記基板はシリコンまたは酸化物よりなり、前記電極はMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のソース電極であり、前記メモリ薄膜は相変化物質よりなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による半導体素子の配線形成方法によれば、カーボンナノチューブを使用して二つの電極または電極とメモリ薄膜とを連結するコンタクトまたはインターコネクトなどの配線を形成できる。このようなカーボンナノチューブの電流密度は1010A/cm程度であり、これは、従来の金属配線の約10,000倍程度の電流密度である。したがって、前記カーボンナノチューブからなる配線を数nm〜数十nm(例えば、1〜100nm)程度の直径で形成可能であり、超高集積度の半導体素子の製造に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】本発明の第1実施形態によるカーボンナノチューブを利用した半導体素子の配線形成方法を段階的に示す断面図である。
【図1B】本発明の第1実施形態によるカーボンナノチューブを利用した半導体素子の配線形成方法を段階的に示す断面図である。
【図1C】本発明の第1実施形態によるカーボンナノチューブを利用した半導体素子の配線形成方法を段階的に示す断面図である。
【図1D】本発明の第1実施形態によるカーボンナノチューブを利用した半導体素子の配線形成方法を段階的に示す断面図である。
【図2A】本発明の第2実施形態によるカーボンナノチューブを利用した半導体素子の配線形成方法を概略的に示す断面図である。
【図2B】本発明の第2実施形態によるカーボンナノチューブを利用した半導体素子の配線形成方法を概略的に示す断面図である。
【図3】図1Cに図示された段階を経た後、電極上に活性層およびコンタクトホールが形成された状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】電極の表面から成長したカーボンナノチューブを示す電子顕微鏡写真である。
【図5】電極の表面から成長したカーボンナノチューブを示す電子顕微鏡写真である。
【図6】本発明の半導体素子の配線形成方法によりコンタクトホール内部に形成されたカーボンナノチューブが規則的に配列された状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図7】本発明の配線形成方法によるカーボンナノチューブからなる配線を有する半導体素子の一例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照しながら本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。以下の図面で同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
【0026】
図1Aないし図1Dは、本発明の第1実施形態によるカーボンナノチューブを利用した半導体素子の配線形成方法を段階的に示す断面図である。
【0027】
図1Aは、半導体素子の基板110の上に形成された電極120を示す。図1Aに示す半導体素子において、前記基板110としては、シリコンウェーハまたはガラスなどが用いられる。一方、前記電極120は、基板110の代りに所定の物質層、例えば、絶縁層の上に形成されていてもよい。前記電極120は、導電性の良好な金属やドーピングされたシリコンで形成される。具体的には、前記電極120がMOSFETのソース電極のようにシリコンからなる基板110上に形成される場合にはドーピングされたシリコンよりなり、前記電極120が絶縁層上に形成される場合には導電性の良好な金属よりなる。
【0028】
図1Bは、電極120の表面を前処理して活性化させる段階を示す断面図である。図1Bに示すとおり、前記基板110および電極120を約300〜700℃の温度に加熱した状態で、前記電極120の表面に前処理ガスを流すことによって、電極120の表面を多孔質状態に活性化させる。その結果、図に示すように、電極120の表面にカーボンナノチューブが成長できる活性層122が形成される。この時、前処理ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスまたはアンモニアガスが用いられる。そして、前記活性層122の厚さが約数nm〜数十nm(例えば、1〜100nm)程度になるように、前処理ガスを流す時間および流量を調節する。
【0029】
一方、アルゴンガスや窒素ガスをイオン化させて、そのイオンを前記電極120の表面に衝突させることによって、前記電極120の表面を多孔質状態に活性化させる方法も使用可能である。このような方法によっても、前記電極120の表面にカーボンナノチューブが成長できる多孔質の活性層122が形成される。そして、この方法は、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)装置を使用して行われる。また、この方法は、基板110および電極120を加熱する必要がなく、常温状態でも行える長所がある。
【0030】
図1Cは、電極120の上に、絶縁層130およびコンタクトホール132を形成した構造を示す断面図である。図1Cに示すとおり、まず前述の図1Bに示した段階で表面に活性層122が形成された電極120の上に絶縁層130を形成する。この時、前記絶縁層130は、酸化物、例えば、シリコン酸化物よりなる。
【0031】
次に、前記絶縁層130に、活性層122の表面の一部を露出させるコンタクトホール132を形成する。具体的には、前記絶縁層130上にフォトレジストを塗布した後、これを所定パターンにパターニングする。次いで、パターニングされたフォトレジストをエッチングマスクとして前記絶縁層130を異方性エッチングすることによって、前記コンタクトホール132を形成する。この時、前記コンタクトホール132は、数nm〜数十nm(例えば、1〜100nm)の直径を持つように形成される。
【0032】
図1Cの段階を経て、図3の電子顕微鏡写真に示すように、電極120の表面に活性層122が形成され、絶縁層130を通じて活性層122を露出するコンタクトホール132が形成される。
【0033】
図1Dは、コンタクトホール132の内部で活性層122からカーボンナノチューブ140を成長させた構造を示す断面図である。図1Dに示す段階において、カーボンナノチューブ140の成長は、熱化学気相蒸着法またはプラズマ化学気相蒸着法により行なわれ、また公知の他の方法によっても行なうことができる。
【0034】
図1Dに示すように、前述した図1A〜図Cに示す段階を経て得られた結果物を反応炉内に装入した後、前記反応炉の内部温度を約500〜900℃の温度に調節する。次いで、前記反応炉内に、メタン(CH)、アセチレン(C)、エチレン(C)、エタン(C)、一酸化炭素(CO)または二酸化炭素(CO)などの炭素含有ガスを供給する。図解のために、炭素含有ガスのいくつかの例を図1Dに示す。この時、前記炭素含有ガスは、水素(H)ガス、窒素(N)ガスまたはアルゴン(Ar)ガスなどと共に供給することができる。このように反応炉内に注入された炭素含有ガスは、コンタクトホール132を通じて、電極120の表面に形成された活性層122に接触し、これにより、活性層122から垂直方向にカーボンナノチューブ140が成長する。
【0035】
次に、図示されていないが、絶縁層130の上部に、カーボンナノチューブ140と連結される他の電極(図7の250)またはメモリ薄膜(図7の280)を形成すれば、前記カーボンナノチューブ140は、二つの電極(例えば、電極120と他の電極)または電極120とメモリ薄膜とを連結するコンタクトまたはインターコネクトなどの配線を構成する。
【0036】
図2Aおよび図2Bは、本発明の第2実施形態によるカーボンナノチューブを利用した半導体素子の配線形成方法を概略的に示す断面図である。この第2実施形態は、電極120の表面を活性化しないで、電極120の上に触媒金属層124を形成する段階を除いては前述した第1実施形態と同一である。したがって、本実施形態については、前述した第1実施形態との差異点を中心として簡略に説明される。
【0037】
図2Aは、電極120の表面に触媒金属層124を形成した状態を示す断面図である。図2Aに示すとおり、RFマグネトロンスパッタまたは電子ビーム蒸着装置を使用して、電極120の表面に触媒金属を所定厚さに蒸着して、カーボンナノチューブが成長できる触媒金属層124を形成する。この時、前記触媒金属としては、W、Ni、Fe、Co、Y、Pd、PtまたはAuなどの遷移金属が用いられる。図解のために、遷移金属のいくつかの例を図2Aに示す。そして、触媒金属層124は数nm〜数十nm(例えば、1〜100nm)の厚さに形成される。
【0038】
一方、前記触媒金属層124は、前記遷移金属の粉末を電極120の表面に所定厚さに塗布することによって形成してもよい。この時、遷移金属の粉末は、スプレー塗布方法により数nm〜数十nm(例えば、1〜100nm)の厚さに塗布される。この方法の長所は、触媒金属層124が、粗い多孔質状態にさらに容易に形成されることである。
【0039】
このように、本発明の第2実施形態では、電極120の表面にカーボンナノチューブを成長させるための触媒金属層124を別途に形成する点で、カーボンナノチューブが成長できるように電極120自体の表面を活性化させる前述した第1実施形態と異なる。しかし、本発明の第2実施形態において、電極120の表面に触媒金属層124を形成した以後の段階は、前述した第1実施形態と同一である。したがって、以後の段階は、図2Bを参照して簡略に説明する。
【0040】
図2Bに示すように、触媒金属層124の上に、例えば、酸化物よりなる絶縁層130を形成する。次いで、パターニングされたフォトレジストをエッチングマスクとして前記絶縁層130を異方性エッチングすることによって、約数nm〜数十nm(例えば、1〜100nm)の直径を持つコンタクトホール132を形成する。これにより、前記コンタクトホール132を通じて、触媒金属層124の表面の一部が露出される。
【0041】
次に、約500〜900℃の温度に維持された反応炉内に、CH、C、C、C、COまたはCOなどの炭素含有ガスと、H、NまたはArガスとを供給して、触媒金属層124の表面から垂直方向にカーボンナノチューブ140を成長させる。図解のために、炭素含有ガスのいくつかの例を図2Bに示す。
【0042】
図4および図5の電子顕微鏡写真は、電極の活性化した表面から成長しているカーボンナノチューブを示し、図6の電子顕微鏡写真は、本発明の半導体素子の配線形成方法によってコンタクトホール内部に形成されたカーボンナノチューブが規則的に配列された状態を示す。
【0043】
前記のように、本発明の第1実施形態および第2実施形態による半導体素子の配線形成方法によれば、カーボンナノチューブを使用して二つの電極(電極120と他の電極)または電極120とメモリ薄膜とを連結するコンタクトまたはインターコネクトなどの配線を形成できる。このようなカーボンナノチューブは、1010A/cm程度の電流密度を有し、この電流密度は、従来の金属配線に比べて約10,000倍程度大きい。したがって、前記カーボンナノチューブからなる配線は、数nm〜数十nm(例えば、1〜100nm)程度の直径に形成でき、超高集積度の半導体素子の製造に利用することができる。
【0044】
図7は、本発明の配線形成方法によるカーボンナノチューブからなる配線を備える半導体素子の一例を概略的に示す断面図である。
【0045】
図7に示す半導体素子は、本発明による配線形成方法を、スイッチング素子としてMOSFETを備えるPRAM素子に適用した例である。PRAM素子は、結晶状態によって電気的抵抗が変わる相変化物質を利用するメモリ素子である。相変化物質膜に印加される電流量の変化によって相変化物質膜の一部の結晶状態が変化する。
【0046】
図7に示すとおり、公知のように、MOSFETは、基板210の所定領域に形成されたソース電極221およびドレーン電極223と、第1絶縁層230により前記ソース電極221およびドレーン電極223のそれぞれと離隔されたゲート電極224とより構成される。前記ソース電極221およびドレーン電極223はドーピングされたシリコンや金属よりなり、前記ゲート電極224は主に金属よりなる。
【0047】
前記ソース電極221の表面には、前記配線形成方法によって多孔質の第1活性層222が形成される。一方、前記第1活性層222の代りに、触媒金属層が形成されてもよい。前記第1活性層222の上には第1絶縁層230が形成され、第1絶縁層230には第1コンタクトホール232が形成される。第1コンタクトホール232は、第1活性層222の一部を露出する。前記第1コンタクトホール232の内部に、前記第1活性層222から第1カーボンナノチューブ240が垂直に成長する。この時、前記第1カーボンナノチューブ240は、第1コンタクトホール232の直径によって数nm〜数十nm(例えば、1〜100nm)の直径を有する。
【0048】
そして、前記第1絶縁層230の上部に、第1カーボンナノチューブ240と連結される中間電極250が形成される。これにより、前記第1カーボンナノチューブ240は、MOSFETのソース電極221と中間電極250とを電気的に連結する配線を構成する。
【0049】
前記中間電極250の表面にも、本発明の配線形成方法によって多孔質の第2活性層252または触媒金属層が形成される。前記第2活性層252の上には第2絶縁層260が形成され、第2絶縁層260には第2コンタクトホール262が形成される。第2コンタクトホール262は、第2活性層252の一部を露出する。前記第2コンタクトホール262の内部で、前記第2活性層252から第2カーボンナノチューブ270が垂直に成長する。
【0050】
次に、前記第2絶縁層260の上部に、第2カーボンナノチューブ270と連結されるメモリ薄膜280が形成される。前記メモリ薄膜280は相変化物質よりなる。これにより、前記第2カーボンナノチューブ270は、中間電極250とメモリ薄膜280とを電気的に連結する配線を構成する。
【0051】
一方、前記中間電極250と、その上に形成される第2カーボンナノチューブ270とが設けられていないで、ソース電極221から成長した第1カーボンナノチューブ240の上に、前記メモリ薄膜280が直接形成されていてもよい。
【0052】
前記メモリ薄膜280の上に第3絶縁層290が形成され、第3絶縁層290に第3コンタクトホール292が形成される。前記第3コンタクトホール292を通じてメモリ薄膜280と上部電極295とが連結される。
【0053】
以上の実施形態を参考にして本発明を説明したが、これらの実施形態は例示的なものに過ぎず、当業者ならばより多様な変形および均等な他の実施形態の想到が可能である。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は特許請求の範囲により定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明による配線形成方法は、前記PRAMだけでなく多様な半導体メモリ素子、すなわち、DRAM、SRAMおよびMRAMにも適用できる。そして、前記半導体メモリ素子には、前記スイッチング素子としてMOSFETだけでなく多様なトランジスタを備えることができる。
【符号の説明】
【0055】
210 基板
221 ソース電極
222 第1活性層
223 ドレーン電極
224 ゲート電極
230 第1絶縁層
232 第1コンタクトホール
240 第1カーボンナノチューブ
250 中間電極
252 第2活性層
260 第2絶縁層
262 第2コンタクトホール
270 第2カーボンナノチューブ
280 メモリ薄膜
290 第3絶縁層
292 第3コンタクトホール
295 上部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a2)半導体素子の電極の表面に触媒金属層を形成する段階と、
(b2)前記触媒金属層上に絶縁層を形成した後、前記触媒金属層の一部を露出させるために前記絶縁層を貫通するコンタクトホールを形成する段階と、
(c)前記コンタクトホールを通じて前記触媒金属層に炭素含有ガスを供給して前記触媒金属層からカーボンナノチューブを成長させて配線を形成する段階と、を具備することを特徴とする半導体素子の配線形成方法。
【請求項2】
前記(a2)段階は、RFマグネトロンスパッタまたは電子ビーム蒸着装置によって触媒金属を前記電極の表面に所定厚さに蒸着する段階であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の配線形成方法。
【請求項3】
前記(a2)段階は、触媒金属の粉末を前記電極の表面にスプレーすることにより所定厚さに塗布して前記触媒金属層を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の配線形成方法。
【請求項4】
前記(a2)段階で、前記触媒金属層は、1〜100nmの厚さに形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の配線形成方法。
【請求項5】
前記(a2)段階で、前記触媒金属層は、W、Ni、Fe、Co、Y、Pd、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも一つの遷移金属よりなることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の配線形成方法。
【請求項6】
前記(b2)段階で、前記絶縁層は、酸化物よりなることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の配線形成方法。
【請求項7】
前記(b2)段階で、パターニングされたフォトレジストをエッチングマスクとして前記絶縁層を異方性エッチングすることによって前記コンタクトホールを形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の配線形成方法。
【請求項8】
前記(b2)段階で、前記コンタクトホールは1〜100nmの直径を持つように形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の配線形成方法。
【請求項9】
前記(c)段階は、500〜900℃の温度で行われることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の配線形成方法。
【請求項10】
前記(c)段階で、前記炭素含有ガスは、CH、C、C、C、COおよびCOよりなる群から選択される少なくとも一つのガスであることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の配線形成方法。
【請求項11】
前記(c)段階で、前記炭素含有ガスは、水素ガス、窒素ガスおよびアルゴンガスよりなる群から選択される少なくとも一つのガスと共に供給されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の配線形成方法。
【請求項12】
前記(c)段階は、熱化学気相蒸着法またはプラズマ化学気相蒸着法により行われることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の配線形成方法。
【請求項13】
基板と、
前記基板に形成された電極と、
前記電極の表面に形成された触媒金属層と、
前記触媒金属層上に形成され、前記触媒金属層の一部を露出させるコンタクトホールを有する絶縁層と、
前記コンタクトホールの内部で、前記触媒金属層から成長して電子移動の通路となる配線をなすカーボンナノチューブと、
前記絶縁層の上部に形成されて前記カーボンナノチューブと電気的に連結されるメモリ薄膜または他の電極と、を具備することを特徴とする半導体素子。
【請求項14】
前記触媒金属層は、W、Ni、Fe、Co、Y、Pd、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも一つの遷移金属をRFマグネトロンスパッタまたは電子ビーム蒸着装置によって前記電極の表面に蒸着することによって形成されたことを特徴とする請求項13に記載の半導体素子。
【請求項15】
前記触媒金属層は、W、Ni、Fe、Co、Y、Pd、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも一つの遷移金属の粉末を前記電極の表面に塗布することによって形成されたことを特徴とする請求項13に記載の半導体素子。
【請求項16】
前記基板は、シリコンまたは酸化物よりなることを特徴とする請求項13に記載の半導体素子。
【請求項17】
前記電極は、MOSFETのソース電極であることを特徴とする請求項13に記載の半導体素子。
【請求項18】
前記メモリ薄膜は、相変化物質よりなることを特徴とする請求項13に記載の半導体素子。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−4087(P2010−4087A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233559(P2009−233559)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【分割の表示】特願2004−137261(P2004−137261)の分割
【原出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】