説明

スルホニウム塩の繰り返し単位を含有する高分子化合物、レジスト材料及びパターン形成方法

【解決手段】一般式(1)で示されるスルホニウム塩を含有する高分子化合物。


【効果】上記繰り返し単位を含有する高分子化合物を感放射線レジスト材料のベース樹脂として用いた場合、高い解像性能を発揮し、パターンのLERが小さく仕上がる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(1)高エネルギー線、熱などに感応してスルホン酸を発生する高分子化合物、(2)その高分子化合物を含有するレジスト材料、及び(3)そのレジスト材料を用いたパターン形成方法に関する。
【0002】
なお、本発明において、高エネルギー線とは、紫外線、遠紫外線、電子線、EUV、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線を含むものである。
【背景技術】
【0003】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、次世代の微細加工技術として遠紫外線リソグラフィー及び真空紫外線リソグラフィーが有望視されている。中でもArFエキシマレーザー光を光源としたフォトリソグラフィーは0.13μm以下の超微細加工に不可欠な技術である。
【0004】
ArFリソグラフィーは130nmノードのデバイス製作から部分的に使われ始め、90nmノードデバイスからはメインのリソグラフィー技術となった。次の45nmノードのリソグラフィー技術として、当初F2レーザーを用いた157nmリソグラフィーが有望視されたが、諸問題による開発遅延が指摘されたため、投影レンズとウエハーの間に水、エチレングリコール、グリセリン等の空気より屈折率の高い液体を挿入することによって、投影レンズの開口数(NA)を1.0以上に設計でき、高解像度を達成することができるArF液浸リソグラフィーが急浮上してきた(例えば、非特許文献1:Journal of photopolymer Science and Technology Vol. 17, No. 4, p587 (2004)参照)。
【0005】
ArFリソグラフィーでは、精密且つ高価な光学系材料の劣化を防ぐために、少ない露光量で十分な解像性を発揮できる感度の高いレジスト材料が求められており、実現する方策としては、その各成分として波長193nmにおいて高透明なものを選択するのが最も一般的である。例えばベース樹脂については、ポリアクリル酸及びその誘導体、ノルボルネン−無水マレイン酸交互重合体、ポリノルボルネン及び開環メタセシス重合体、開環メタセシス重合体水素添加物等が提案されており、樹脂単体の透明性を上げるという点ではある程度の成果を得ている。
【0006】
また、光酸発生剤も種々の検討がなされてきた。この場合、従来のKrFエキシマレーザー光を光源とした化学増幅型レジスト材料に用いられてきたようなアルカンあるいはアレーンスルホン酸を発生する光酸発生剤を上記のArF化学増幅型レジスト材料の成分として用いた場合には、樹脂の酸不安定基を切断するための酸強度が十分でなく、解像が全くできない、あるいは低感度でデバイス製造に適さないことがわかっている。
【0007】
このため、ArF化学増幅型レジスト材料の光酸発生剤としては、酸強度の高いパーフルオロアルカンスルホン酸を発生するものが一般的に使われている。これらのパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する光酸発生剤は既にKrFレジスト材料として開発されてきたものであり、例えば、特許文献1:特開2000−122296号公報や特許文献2:特開平11−282168号公報には、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロ−4−エチルシクロヘキサンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸を発生する光酸発生剤が記載されている。また新規な酸発生剤として、特許文献3〜5:特開2002−214774号公報、特開2003−140332号公報、米国特許出願公開第2002/0197558号明細書においてパーフルオロアルキルエーテルスルホン酸が発生する酸発生剤が提案されている。
【0008】
上記の内、パーフルオロオクタンスルホン酸誘導体(PFOS)は環境中での非分解性、濃縮性などの環境問題を抱えており、代替品として各社よりフッ素の置換率を下げた部分フッ素置換アルカンスルホン酸の開発が行われている。例えば、特許文献6:特表2004−531749号公報には、α,α−ジフルオロアルケンと硫黄化合物によりα,α−ジフルオロアルカンスルホン酸塩を合成し、露光によりこのスルホン酸を発生する光酸発生剤、具体的にはジ(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム=1,1−ジフルオロ−2−(1−ナフチル)エタンスルホネートを含有するレジスト材料が公開されており、更に、特許文献7:特開2004−2252号公報には、α,α,β,β−テトラフルオロ−α−ヨードアルカンと硫黄化合物によるα,α,β,β−テトラフルオロアルカンスルホン酸塩の開発とこのスルホン酸を発生する光酸発生剤及びレジスト材料が公開されている。また、上述の特許文献3には、合成方法の記載の無いものの本文中にはジフルオロスルホ酢酸アルキルエステル、ジフルオロスルホ酢酸アミドなどが開示され、更に、特許文献8:特開2005−266766号公報には、パーフルオロアルキレンジスルホニルジフルオリドから誘導されるスルホニルアミド構造を有する部分フッ素化アルカンスルホン酸を発生する化合物を含有する感光性組成物が開示されている。
【0009】
しかしながら、ピッチが200nmを下回るような微細なパターンを形成しようとする場合、これらの酸発生剤を用いた場合でもレジストパターンの側壁荒れ(ラインエッジラフネス:LER)が問題となる。微細化が進行するに伴い、現像後に得られるパターンのエッジラフネスがエッチング後のエッジラフネスに大きく反映することとなり、デバイス特性に支障を来すことが指摘されている。レジストのエッジラフネス低減に向け、ポリマー分子量の最適化、低分散度のポリマー及びこれを重合するためのリビングアニオン重合やリビングラジカル重合、共重合体の組成のばらつきを防ぐための滴下重合法、ヘキサフルオロアルコール基を密着性基として有する繰り返し単位の導入による現像時の膨潤防止など、ポリマーからの改善が提案されている。酸発生剤とクエンチャーの塩基化合物の増量によるコントラストの向上も有効な手段ではあるが、酸発生剤の増量は透明性が低下するためにパターンがテーパー形状になったり、酸拡散距離が増大することによる露光マージンの低下やマスクエラーファクター(MEEF)の増大などの問題を孕んでいる。
【0010】
このような中で、アクリロイルオキシフェニルジフェニルスルホニウム塩を単量体として有する高分子化合物(特許文献9:特開平4−230645号公報)や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂でのラインエッジラフネスの改善を目的として上記単量体をベース樹脂に組み込む試みがなされている(特許文献10:特開2005−84365号公報)。酸発生単位が主鎖に結合したこれらの高分子化合物によって、解像性及びLERをある程度改善できるが、必ずしも満足できる性能を発揮しているとは言い難い。パターンルールのより一層の微細化が求められる中、解像性とLERの更なる改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−122296号公報
【特許文献2】特開平11−282168号公報
【特許文献3】特開2002−214774号公報
【特許文献4】特開2003−140332号公報
【特許文献5】米国特許出願公開第2002/0197558号明細書
【特許文献6】特表2004−531749号公報
【特許文献7】特開2004−2252号公報
【特許文献8】特開2005−266766号公報
【特許文献9】特開平4−230645号公報
【特許文献10】特開2005−84365号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Journal of photopolymer Science and Technology Vol. 17, No. 4, p587 (2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、スルホニウム塩の繰り返し単位を含有する高分子化合物、その高分子化合物を含有することによってArFエキシマレーザー光等の高エネルギー線を光源としたフォトリソグラフィーにおいて高解像性、且つ低LERを実現するレジスト材料、及びそのレジスト材料を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、酸発生単位として機能するスルホニウム塩のカチオン側が主鎖に結合した高分子化合物において、対アニオンの構造を最適化することによって解像性及びLERを改善できるものと考えた。上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、高エネルギー線、熱などによりスルホン酸を発生する下記一般式(1)に示されるスルホニウム塩の繰り返し単位を含有する高分子化合物をベース樹脂として用いたレジスト材料が、解像性、LERに優れ、精密な微細加工に極めて有効であることを知見し、本発明をなすに至った。
【0015】
即ち、本発明は、下記一般式(1)に示されるスルホニウム塩の繰り返し単位を含有する高分子化合物、その高分子化合物をベース樹脂として用いたレジスト材料、及びそのレジスト材料を用いたパターン形成方法を提供する。
請求項1:
下記一般式(1)で示されるスルホニウム塩の繰り返し単位を含有することを特徴とする高分子化合物。
【化1】

(式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R2〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基を示す。R5は炭素数1〜30の置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、あるいは、炭素数6〜14の置換もしくは非置換のアリール基を示す。k、m、nはそれぞれ独立して0〜3である。)
請求項2:
更に、下記一般式(2)〜(11)で表される繰り返し単位のいずれか1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高分子化合物。
【化2】

(式中、R1はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R6、R7はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を示す。Xは酸不安定基を有する置換基を示す。Yはラクトン構造を有する置換基を示す。Zは水素原子、炭素数1〜15のフルオロアルキル基、又は炭素数1〜15のフルオロアルコール含有置換基を示す。Gは酸素原子又は−C(=O)O−を示す。L1は単結合又は−C(=O)O−を示す。Wは−CH2−、酸素原子、硫黄原子のいずれかを示す。)
請求項3:
式(2)で示される繰り返し単位が、下記一般式(12)〜(17)で示される繰り返し単位のいずれか1種以上であることを特徴とする請求項2に記載の高分子化合物。
【化3】

(式中、R1はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R8はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R9、R10はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R9とR10が互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20の非芳香環を形成してもよい。)
請求項4:
式(4)で示される繰り返し単位が、下記一般式(18)、(19)で示される繰り返し単位のいずれか1種以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の高分子化合物。
【化4】

(式中、R1はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R11は炭素数1〜20のフッ素原子を有してもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。Wは−CH2−、酸素原子、硫黄原子のいずれかを示す。L2は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。pは0又は1である。)
請求項5:
請求項1に記載の一般式(1)で示される繰り返し単位と、請求項2に記載の一般式(2)、(6)、(7)のいずれか1種以上の繰り返し単位とを含有する請求項2又は3に記載の高分子化合物。
請求項6:
請求項1に記載の一般式(1)で示される繰り返し単位と、請求項2に記載の一般式(2)、(6)、(7)のいずれか1種以上の繰り返し単位と、一般式(3)〜(5)、(8)〜(11)のいずれか1種以上の繰り返し単位とを含有する請求項2〜4のいずれか1項に記載の高分子化合物。
請求項7:
請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子化合物を含有することを特徴とするレジスト材料。
請求項8:
請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子化合物を含有し、更に波長300nm以下の高エネルギー線又は電子線の照射により酸を発生する酸発生化合物を含有することを特徴とするレジスト材料。
請求項9:
下記一般式(20)で示されるスルホニウム塩を酸発生化合物として含有することを特徴とする請求項8に記載のレジスト材料。
【化5】

(式中、R2〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基を示す。R5は炭素数1〜30の置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、あるいは、炭素数6〜14の置換もしくは非置換のアリール基を示す。k、m、nはそれぞれ独立して0〜3である。)
請求項10:
請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子化合物以外の高分子化合物を含むことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のレジスト材料。
請求項11:
更に、水に不溶でアルカリ現像液に可溶な界面活性剤を含む請求項7乃至10のいずれか1項に記載のレジスト材料。
請求項12:
請求項7〜11のいずれか1項に記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後フォトマスクを介して高エネルギー線で露光する工程と、加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
請求項13:
請求項7〜11のいずれか1項に記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、水に不溶でアルカリ現像液に可溶な保護膜を塗布する工程と、当該基板と投影レンズの間に水を挿入しフォトマスクを介して高エネルギー線で露光する工程と、加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
請求項14:
請求項7〜11のいずれか1項に記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後電子線で描画する工程と、加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
【0016】
本発明のレジスト材料は、液浸リソグラフィーに適用することも可能である。液浸リソグラフィーは、プリベーク後のレジスト膜と投影レンズの間に液浸媒体を挿入して露光する。ArF液浸リソグラフィーにおいては、液浸媒体として主に純水が用いられる。NAが1.0以上の投影レンズと組み合わせることによって、ArFリソグラフィーを65nmノード以降まで延命させるための重要な技術であり、開発が加速されている。
【0017】
また、本発明のレジスト材料は、種々のシュリンク方法によって現像後のパターン寸法を縮小することができる。例えば、サーマルフロー、RELACS、SAFIRE、WASOOMなど既知の方法によりホールサイズをシュリンクすることができる。特にポリマーTgが低い水素化ROMPポリマー(シクロオレフィン開環メタセシス重合体水素添加物)などをブレンドした場合、サーマルフローによりホールサイズを効果的に縮小することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のスルホニウム塩の繰り返し単位は、高エネルギー線の照射によってスルホン酸を発生する。このスルホン酸はα位及びγ位に合計5つのフッ素原子を有するために酸性が非常に高く、化学増幅型レジスト材料中の酸不安定基を効率よく切断することができる。また、本発明のスルホニウム塩の繰り返し単位を含有する高分子化合物を感放射線レジスト材料のベース樹脂として用いた場合、高い解像性能を発揮し、且つパターンのLERが小さく仕上がるものとなり、この高分子化合物はレジスト材料として精密な微細加工に極めて有効である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の高分子化合物は、下記一般式(1)で示されるスルホニウム塩の繰り返し単位を含有することを特徴とする。
【化6】

【0020】
式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R2〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基を示す。R2〜R4としては炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基がより好ましく、アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示でき、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、tert−アミルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を例示できる。R5は炭素数1〜30の置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、あるいは、炭素数6〜14の置換もしくは非置換のアリール基を示す。R5のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2−イル基等が挙げられ、アリール基として具体的にはフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、10−アントラニル基等を挙げることができる。また、R5中の水素原子の一部がハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アルコキシアルキル基、アシロシキ基、アシロキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基等に置換されていてもよく、更に、R5中の−CH2−の一部が−O−に置換されていてもよい。k、m、nはそれぞれ独立して0〜3である。
【0021】
上記一般式(1)で示されるスルホニウム塩の繰り返し単位におけるカチオン構造として具体的には下記の構造を例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
【化7】

【0023】
上記一般式(1)で示されるスルホニウム塩の繰り返し単位におけるアニオン構造として具体的には下記の構造を例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
【化8】

【0025】
【化9】

【0026】
本発明の高分子化合物は、上記一般式(1)で示される化合物の繰り返し単位に加え、下記一般式(2)〜(11)で示される繰り返し単位のいずれか1種以上を含有してもよい。
【0027】
【化10】

【0028】
式中、R1はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R6、R7はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を示す。Xは酸不安定基を有する置換基を示す。Yはラクトン構造を有する置換基を示す。Zは水素原子、炭素数1〜15のフルオロアルキル基、又は炭素数1〜15のフルオロアルコール含有置換基を示す。Gは酸素原子又は−C(=O)O−を示す。L1は単結合又は−C(=O)O−を示す。Wは−CH2−、酸素原子、硫黄原子のいずれかを示す。
【0029】
上記一般式(2)中のXは酸不安定基を有する置換基を示し、Xとしては種々用いることができるが、具体的には下記一般式(L1)〜(L4)で示される基、炭素数4〜20、好ましくは炭素数4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を挙げることができる。
【0030】
【化11】

【0031】
ここで、破線は結合手を示す。式(L1)において、RL01、RL02は水素原子又は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等が例示できる。RL03は炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜15の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい一価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができる。
L01とRL02、RL01とRL03、RL02とRL03とは互いに結合してこれらが結合する炭素原子や酸素原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合には環の形成に関与するRL01、RL02、RL03はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
【0032】
式(L2)において、RL04は炭素数4〜20、好ましくは炭素数4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(L1)、(L3)、(L4)で示される基を示し、三級アルキル基としては、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、2−シクロペンチルプロパン−2−イル基、2−シクロヘキシルプロパン−2−イル基、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)プロパン−2−イル基、2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等のアルキル基等が例示でき、トリアルキルシリル基としては、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が例示でき、オキソアルキル基としては、具体的には3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等が例示できる。yは0〜6の整数である。
【0033】
式(L3)において、RL05は炭素数1〜10の置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、置換されていてもよいアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたもの、及び/又はこれらの−CH2−の一部が酸素原子に置換されたもの等が例示できる。置換されていてもよいアリール基としては、具体的にはフェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基等が例示できる。式(L3)において、mは0又は1、nは0,1,2,3のいずれかであり、2m+n=2又は3を満足する数である。
【0034】
式(L4)において、RL06は炭素数1〜8の置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、具体的にはRL05と同様のもの等が例示できる。RL07〜RL16はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の一価の炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたもの等が例示できる。RL07〜RL16は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよく(例えば、RL07とRL08、RL07とRL09、RL08とRL10、RL09とRL10、RL11とRL12、RL13とRL14等)、その場合には環の形成に関与する基は炭素数1〜15の二価の炭化水素基を示し、具体的には上記一価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いたもの等が例示できる。また、RL07〜RL16は隣接する炭素に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい(例えば、RL07とRL09、RL09とRL15、RL13とRL15等)。
【0035】
上記式(L1)で示される酸不安定基のうち直鎖状又は分岐状のものとしては、具体的には下記の基が例示できる。
【化12】

【0036】
上記式(L1)で示される酸不安定基のうち環状のものとしては、具体的にはテトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が例示できる。
【0037】
上記式(L2)の酸不安定基としては、具体的にはtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。
【0038】
上記式(L3)の酸不安定基としては、具体的には1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−n−プロピルシクロペンチル、1−イソプロピルシクロペンチル、1−n−ブチルシクロペンチル、1−sec−ブチルシクロペンチル、1−シクロヘキシルシクロペンチル、1−(4−メトキシ−n−ブチル)シクロペンチル、1−(ノルボルナン−2−イル)シクロペンチル、1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル、3−メチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−エチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−メチル−1−シクロヘキセン−3−イル、3−エチル−1−シクロヘキセン−3−イル等が例示できる。
【0039】
また、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、具体的にはRL04で挙げたものと同様のもの等が例示できる。
【0040】
上記式(2)で示される繰り返し単位中のXとしては、下記式(L4−1)〜(L4−4)で示される基が特に好ましい。
【化13】

【0041】
上記一般式(L4−1)〜(L4−4)中、破線は結合位置及び結合方向を示す。R8はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の一価炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示できる。
【0042】
上記一般式(L4−1)〜(L4−4)は、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在しえるが、前記一般式(L4−1)〜(L4−4)は、これらの立体異性体の全てを代表して表す。これらの立体異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
【0043】
例えば、上記一般式(L4−3)は下記一般式(L4−3−1)、(L4−3−2)で示される基から選ばれる1種又は2種の混合物を代表して表すものとする。
【化14】

【0044】
また、上記一般式(L4−4)は下記一般式(L4−4−1)〜(L4−4−4)で示される基から選ばれる1種又は2種以上の混合物を代表して表すものとする。
【化15】

上記一般式(L4−1)〜(L4−4)、(L4−3−1)、(L4−3−2)、及び式(L4−4−1)〜(L4−4−4)は、それらのエナンチオ異性体及びエナンチオ異性体混合物をも代表して示すものとする。
【0045】
なお、式(L4−1)〜(L4−4)、(L4−3−1)、(L4−3−2)、及び式(L4−4−1)〜(L4−4−4)の結合方向がそれぞれビシクロ[2.2.1]ヘプタン環に対してexo側であることによって、酸触媒脱離反応における高反応性が実現される(特開2000−336121号公報参照)。これらビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格を有する三級exo−アルキル基を置換基とする単量体の製造において、下記一般式(L4−1−endo)〜(L4−4−endo)で示されるendo−アルキル基で置換された単量体を含む場合があるが、良好な反応性の実現のためにはexo比率が50モル%以上であることが好ましく、exo比率が80モル%以上であることが更に好ましい。
【化16】

【0046】
上記一般式(L4−1)〜(L4−4)で示される酸不安定基を導入した高分子化合物は、上述の理由で酸反応性が非常に高い。本発明のようにスルホニウム塩のカチオン側が主鎖に結合した高分子化合物を用いる場合、高分子化合物ではない光酸発生剤を添加する場合に比べて脱保護反応が進行しにくくなり、解像性が劣化することがある。しかし、上記一般式(L4−1)〜(L4−4)で示される基のように高い酸反応性を有する酸不安定基を用いることで、この問題を回避できる。上記一般式(L4−1)〜(L4−4)で示される酸不安定基は架橋環構造を有するためにエッチング耐性にも優れるものであり、上記一般式(1)で示される繰り返し単位と、上記一般式(L4−1)〜(L4−4)で示される基を酸不安定基として有する繰り返し単位とを含有する高分子化合物を用いることにより、感度、解像性、エッチング耐性に優れた性能を有し、微細パターンの形成に極めて有用なレジスト材料を得ることができる。
【0047】
上記式(L4)の酸不安定基としては、具体的には下記の基が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【化17】

【0048】
また、上記式(2)で示される繰り返し単位中のXとしては、下記一般式(L5−1)、(L5−2)で示される基も好ましい。
【化18】

【0049】
式中、破線は結合位置を示す。R9、R10はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R9、R10が互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に非芳香環を形成してもよい。この場合、環は炭素数3〜20、特に3〜10であるものが挙げられ、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示される。上記式(L5−1)、(L5−2)で示される基の具体例としては以下のものが例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
【化19】

【0051】
アクリル酸又はメタクリル酸誘導体の共重合体はエッチング耐性が低く、その欠点を補うためにアダマンタン構造等、炭素数が多く剛直な基を含む単位を相当量導入しなければならない。その場合、高分子化合物全体としての疎水性が高くなり、アルカリ現像時に膨潤が起こってパターンの崩壊や表面荒れが発生してしまう。更に、本発明のようにスルホニウム塩のカチオン側が主鎖に結合した高分子化合物を用いる場合には、アルカリ現像時における高分子化合物の膨潤がより顕著となり、パターンの表面荒れが起こってLERが大きくなる場合がある。しかし、酸素原子を含有した上記一般式(L5−1)、(L5−2)に示す基を用い高分子化合物の親水性を高めることによって、現像時の膨潤を抑えパターン崩壊や表面荒れを緩和し、LERを改善することができる。また、これらの基は脂環構造を有するためにエッチング耐性も実用レベルである。従って、この高分子化合物を含有するレジスト材料は、LERが小さく、且つ実用レベルのエッチング耐性を備え、微細パターンの形成に極めて有用なものとなるのである。
【0052】
上記一般式(2)で表される繰り返し単位として具体的には下記のものを例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
【化20】

【0054】
【化21】

【0055】
【化22】

【0056】
【化23】

【0057】
【化24】

【0058】
【化25】

【0059】
酸不安定基を有する置換基Xとして特に好ましい構造として、上記一般式(L4−1)〜(L4−4)で示される基が挙げられる。これらの置換基を有する好ましい繰り返し単位として具体的には下記のものを例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0060】
【化26】

【0061】
酸不安定基を有する置換基Xとして特に好ましい構造として、上記一般式(L5−1)、(L5−2)で示される基も挙げられる。これらの置換基を有する好ましい繰り返し単位として具体的には下記のものを例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0062】
【化27】

【0063】
上記一般式(3)で示される繰り返し単位として、具体的には以下のものを例示できる。
【化28】

【0064】
上記一般式(4)中のYはラクトン構造を有する置換基を示し、ラクトン構造を有する置換基Yとしては種々用いることができるが、下記一般式(18)、(19)で示される繰り返し単位が特に好ましい。
【0065】
【化29】

【0066】
式中、R1はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R11は炭素数1〜20のフッ素原子を有してもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。Wは−CH2−、酸素原子、硫黄原子のいずれかを示す。L2は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。pは0又は1である。
【0067】
本発明のようにスルホニウム塩のカチオン側が主鎖に結合した高分子化合物を用いる場合、アルカリ現像時における高分子化合物の膨潤によってパターンの表面荒れが起こり、LERが大きくなる場合がある。しかし、このような場合でも、上記一般式(18)、(19)で示される繰り返し単位のようにラクトン構造と共に酸素官能基を有する繰り返し単位を導入した場合にはLERが小さく仕上がる。これは、上記一般式(18)、(19)で示される繰り返し単位の導入によって高分子化合物の親水性が向上し、アルカリ現像時の膨潤が抑えられたことによると考えられる。また、上記一般式(18)、(19)で示される繰り返し単位には酸素官能基が環状構造内に効果的に配置されているため、炭素密度低下によるエッチング耐性の低下を最低限に抑えられる。従って、上記一般式(1)で示される繰り返し単位と、上記一般式(18)、(19)で示される繰り返し単位を含有する高分子化合物を用いることにより、LERが小さく、且つ実用レベルのエッチング耐性を有するレジスト材料を得ることができる。
【0068】
2は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示し、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ジメチルエチレン基、テトラメチレン基等を例示できる。
11は炭素数1〜20のフッ素原子を有してもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エチルシクロペンチル基、ブチルシクロペンチル基、エチルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、及び下記の基が例示できる。
【0069】
【化30】

(式中、鎖線は結合手を示す。)
【0070】
上記一般式(4)で表される繰り返し単位として具体的には下記のものを例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
【化31】

【0072】
【化32】

【0073】
【化33】

【0074】
【化34】

【0075】
上記一般式(4)中、上記一般式(18)、(19)で示される繰り返し単位が特に好ましい。これらの繰り返し単位として具体的には下記のものを例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
【化35】

【0077】
【化36】

【0078】
上記一般式(5)中のZは水素原子、炭素数1〜15のフルオロアルキル基、又は炭素数1〜15のフルオロアルコール含有置換基を示す。上記一般式(5)で表される繰り返し単位として、具体的には下記のものを例示できる。
【0079】
【化37】

【0080】
【化38】

【0081】
上記一般式(6)〜(9)で表される繰り返し単位において、R1はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。Xは酸不安定基を有する置換基を示し、詳細は上述の通りである。Gは酸素原子又は−C(=O)O−を示し、L1は単結合又は−C(=O)O−を示す。
【0082】
上記一般式(6)で表される繰り返し単位として、下記のものを例示できる。
【化39】

【0083】
上記一般式(7)で表される繰り返し単位において、置換基の結合位置は任意である。上記一般式(7)で表される繰り返し単位として、下記のものを例示できる。
【化40】

【0084】
上記一般式(8)で表される繰り返し単位として、具体的には下記のものを例示できる。
【化41】

【0085】
上記一般式(9)で表される繰り返し単位において、置換基の結合位置は任意である。上記一般式(9)で表される繰り返し単位として、下記のものを例示できる。
【化42】

【0086】
上記一般式(10)で表される繰り返し単位において、Wは−CH2−、酸素原子、硫黄原子のいずれかを示す。上記一般式(10)で表される繰り返し単位として、下記のものが挙げられる。
【化43】

【0087】
本発明の高分子化合物をレジスト材料のベース樹脂として用いる場合、酸不安定基を有する置換基Xを含有する上記一般式(2)、(6)、(7)で表される繰り返し単位の1種以上を含有することが好ましい。更に、上記一般式(3)〜(5)、(8)〜(11)で表される繰り返し単位を導入することで、解像性やLERといったレジスト特性を調整することができる。
なお、酸不安定基を含有しない本発明の高分子化合物をポリマー性の酸発生化合物としてレジスト材料に含有させることも可能である。
【0088】
本発明では、上記以外の炭素−炭素二重結合を含有する単量体、例えば、メタクリル酸メチル、クロトン酸メチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル等の置換アクリル酸エステル類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、ノルボルネン、ノルボルネン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.177,10]ドデセン誘導体などの環状オレフィン類、ノルボルナジエン、2−カルボキシノルボルナジエン、2−エトキシカルボニルノルボルナジエン等のノルボルナジエン誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物、5,5−ジメチル−3−メチレン−2−オキソテトラヒドロフラン等のα,β不飽和ラクトン、スチレン、ビニルナフタレン、以下に示される芳香環を含有する単量体、また、その他の単量体から得られる繰り返し単位を含んでいてもよい。
【0089】
【化44】

【0090】
なお、本発明の高分子化合物は、ArF露光以外のリソグラフィー、例えばKrFリソグラフィー、電子線リソグラフィー、EUVリソグラフィーなどにも適用が可能である。
【0091】
本発明の高分子化合物の重量平均分子量は、1,000〜500,000、好ましくは3,000〜100,000である。この範囲を外れると、エッチング耐性が極端に低下したり、露光前後の溶解速度差が確保できなくなって解像性が低下したりすることがある。分子量の測定方法はポリスチレン換算でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)や光散乱法などが挙げられる。
【0092】
本発明の高分子化合物において、各単量体から得られる各繰り返し単位の好ましい含有割合は、例えば以下に示す範囲(モル%)とすることができるが、これに限定されるものではない。
【0093】
(I)上記式(1)で示される繰り返し単位の1種又は2種以上を0モル%を超え100モル%以下、好ましくは1〜60モル%、より好ましくは5〜50モル%含有し、
(II)上記式(2)〜(19)で示される繰り返し単位の1種又は2種以上を0モル%以上100モル%未満、好ましくは40〜99モル%、より好ましくは50〜95モル%含有し、必要に応じ、
(III)その他の単量体に基づく構成単位の1種又は2種以上を0〜80モル%、好ましくは0〜70モル%、より好ましくは0〜50モル%含有することができる。
【0094】
この場合、式(2)及び式(12)〜(17)から選ばれる繰り返し単位を0〜95モル%、特に5〜90モル%、式(3)の繰り返し単位を0〜95モル%、特に5〜90モル%、式(4)及び式(18)、(19)から選ばれる繰り返し単位を0〜95モル%、特に5〜90モル%含有することが好ましい。
【0095】
本発明の高分子化合物の製造は、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を与える単量体に、重合性二重結合を含有する化合物を第2以降の単量体に用いた共重合反応により行う。
【0096】
本発明の高分子化合物に必須である上記一般式(1)で示される繰り返し単位の元となる単量体は、公知の有機化学的手法を用いて種々製造することができる。特に、特開2007−145797号公報に記載の方法で製造できる。
【0097】
本発明の高分子化合物を製造する共重合反応は種々例示することができるが、好ましくはラジカル重合、アニオン重合又は配位重合である。
【0098】
ラジカル重合反応の反応条件は、(ア)溶剤としてベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤を1種以上用い、(イ)重合開始剤としては公知のラジカル重合開始剤、具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物を1種以上用い、(ウ)分子量調整の必要に応じてラジカル連鎖移動剤、例えば1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、1−オクタンチオール、1−デカンチオール、1−テトラデカンチオール、シクロヘキサンチオール、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−1−プロパノール、4−メルカプト−1−ブタノール、6−メルカプト−1−ヘキサノール、1−チオグリセロール、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオ乳酸等のチオール化合物を1種以上用い、(エ)反応温度を0〜140℃程度に保ち、(オ)反応時間を0.5〜48時間程度とするのが好ましいが、これらの範囲を外れる場合を排除するものではない。
【0099】
アニオン重合反応の反応条件は、(ア)溶剤としてベンゼン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、又は液体アンモニアを用い、(イ)重合開始剤としてナトリウム、カリウム等の金属、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のアルキル金属、ケチル、又はグリニャール反応剤を用い、(ウ)反応温度を−78〜0℃程度に保ち、(エ)反応時間を0.5〜48時間程度とし、(オ)停止剤としてメタノール等のプロトン供与性化合物、ヨウ化メチル等のハロゲン化物、その他求電子性物質を用いるのが好ましいが、この範囲を外れる場合を排除するものではない。
【0100】
配位重合の反応条件は、(ア)溶剤としてn−ヘプタン、トルエン等の炭化水素類を用い、(イ)触媒としてチタン等の遷移金属とアルキルアルミニウムからなるチーグラー−ナッタ触媒、クロム及びニッケル化合物を金属酸化物に担持したフィリップス触媒、タングステン及びレニウム混合触媒に代表されるオレフィン−メタセシス混合触媒等を用い、(ウ)反応温度を0〜100℃程度に保ち、(エ)反応時間を0.5〜48時間程度とするのが好ましいが、この範囲を外れる場合を排除するものではない。
【0101】
また、上記重合方法により製造した高分子化合物の酸不安定基の一部あるいは全部を脱保護し、後述するネガ型レジスト材料に用いることができる。更には酸不安定基を脱保護した高分子化合物に再び酸不安定基を導入し、重合時に導入した酸不安定基とは異なる置換基を導入することもできる。
【0102】
例えば4−エトキシエトキシスチレンと本発明の上記一般式(1)で示される繰り返し単位を与える単量体を上述のラジカル重合により共重合し、次いで蟻酸、酢酸、ピリジニウムトシレートなどによりエトキシエトキシ基を外し、ヒドロキシスチレン単位を有する高分子化合物とすることができる。これはネガ型レジスト材料のベース樹脂として用いることができる。また、上記高分子化合物のヒドロキシスチレン単位をジtert−ブチルジカーボネート、クロロ酢酸tert−ブチル、種々ビニルエーテルなどと反応させることにより重合時の酸不安定基(エトキシエトキシ基)とは異なる酸不安定基を導入することができる。
【0103】
本発明の高分子化合物は、レジスト材料、特に化学増幅ポジ型レジスト材料のベースポリマーとして好適に用いられ、本発明は、上記高分子化合物を含有するレジスト材料、とりわけポジ型レジスト材料を提供する。
この場合、ポジ型レジスト材料としては、
(A)上記高分子化合物を含むベース樹脂、
(C)有機溶剤
必要により、更に
(B)酸発生剤、
(D)クエンチャー、
(E)界面活性剤
を含有するものが好ましい。
【0104】
また、本発明の高分子化合物は、化学増幅ネガ型レジスト材料のベースポリマーとしても用いることができる。
この場合、ネガ型レジスト材料としては、
(A)上記高分子化合物を含むベース樹脂、
(C)有機溶剤、
(H)酸によって架橋する架橋剤
必要により、更に
(B)酸発生剤、
(D)クエンチャー、
(E)界面活性剤
を含有するものが好ましい。
【0105】
上記ポジ型レジスト材料を構成する場合、上記(A)成分のベース樹脂として、本発明の高分子化合物以外に、必要に応じて他の、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂を加えてもよい。例としては、i)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体、ii)ノルボルネン誘導体−無水マレイン酸の共重合体、iii)開環メタセシス重合体の水素添加物、iv)ビニルエーテル−無水マレイン酸−(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体、v)ポリヒドロキシスチレン誘導体などを挙げることができるが、これに限定されない。
【0106】
このうち、開環メタセシス重合体の水素添加物の合成法は特開2003−66612号公報の実施例に具体的な記載がある。また、具体例としては以下の繰り返し単位を有するものを挙げることができるが、これに限定されない。
【0107】
【化45】

【0108】
【化46】

【0109】
本発明の高分子化合物と別の高分子化合物との配合比率は、100:0〜10:90、特に100:0〜20:80の質量比の範囲内にあることが好ましい。本発明の高分子化合物の配合比がこれより少ないと、レジスト材料として好ましい性能が得られないことがある。上記の配合比率を適宜変えることにより、レジスト材料の性能を調整することができる。
【0110】
なお、上記高分子化合物は1種に限らず2種以上を添加することができる。複数種の高分子化合物を用いることにより、レジスト材料の性能を調整することができる。
【0111】
本発明で必要に応じて使用される(B)成分の酸発生剤として光酸発生剤を添加する場合は、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでもかまわない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート型酸発生剤等がある。以下に詳述するが、これらは単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0112】
スルホニウム塩は、スルホニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、3−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、3,4−ジ−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジ−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジ−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニルジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウム、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム、ビス(4−メチルフェニル)フェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム、トリス(フェニルメチル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル(2−ナフチル)スルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2−オキソプロピルチアシクロペンタニウム、2−オキソブチルチアシクロペンタニウム、2−オキソ−3,3−ジメチルブチルチアシクロペンタニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム、4−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム、2−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム等が挙げられ、スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トリデカフルオロヘキサンスルホネート、パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(P−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、6−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホネート、4−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、5−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、8−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチルエタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、ビス(ヘプタフルオロプロピルスルホニル)イミド、パーフルオロ(1,3−プロピレンビススルホニル)イミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドが挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
【0113】
ヨードニウム塩は、ヨードニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、ヨードニウムカチオンとしてはジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等が挙げられ、スルホネートとしてはトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トリデカフルオロヘキサンスルホネート、パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(P−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、6−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホネート、4−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、5−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、8−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチルエタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、ビス(ヘプタフルオロプロピルスルホニル)イミド、パーフルオロ(1,3−プロピレンビススルホニル)イミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドが挙げられ、これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。
【0114】
スルホニルジアゾメタンとしては、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−アセチルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−(メタンスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−(P−トルエンスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−n−ヘキシルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−n−ヘキシルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−n−ヘキシルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニルジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブチルカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2−ナフチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニル−2−ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタンとスルホニルカルボニルジアゾメタンが挙げられる。
【0115】
N−スルホニルオキシジカルボキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボキシイミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボキシイミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシイミド等のイミド骨格とトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トリデカフルオロヘキサンスルホネート、パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(P−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、6−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホネート、4−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、5−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、8−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチルエタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等の組み合わせの化合物が挙げられる。
【0116】
ベンゾインスルホネート型光酸発生剤としては、ベンゾイントシレート、ベンゾインメシレート、ベンゾインブタンスルホネート等が挙げられる。
【0117】
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、ピロガロール、フロログリシン、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシル基の全てをトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トリデカフルオロヘキサンスルホネート、パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(P−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、6−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホネート、4−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、5−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、8−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチルエタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等で置換した化合物が挙げられる。
【0118】
ニトロベンジルスルホネート型光酸発生剤としては、2,4−ジニトロベンジルスルホネート、2−ニトロベンジルスルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホネートが挙げられ、スルホネートとしては、具体的にトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、トリデカフルオロヘキサンスルホネート、パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(P−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、6−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−2−スルホネート、4−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、5−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、8−(P−トルエンスルホニルオキシ)ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチルエタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。また、ベンジル側のニトロ基をトリフルオロメチル基で置き換えた化合物も同様に用いることができる。
【0119】
スルホン型光酸発生剤の例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(2−ナフチルスルホニル)プロパン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−(シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等が挙げられる。
【0120】
O−アリールスルホニルオキシム化合物あるいはO−アルキルスルホニルオキシム化合物(オキシムスルホネート)型光酸発生剤としては、グリオキシム誘導体型、チオフェンやシクロヘキサジエンを介した共役系の長いオキシムスルホネート型、トリフルオロメチル基のような電子吸引基で化合物の安定性を増したオキシムスルホネート型、フェニルアセトニトリル、置換アセトニトリル誘導体を用いたオキシムスルホネート型、また、ビスオキシムスルホネート型等が挙げられる。
【0121】
グリオキシム誘導体型の光酸発生剤としては、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオン=ジオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(4−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(4−フルオロベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−ニオキシム等が挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0122】
チオフェンやシクロヘキサジエンを介した共役系の長いオキシムスルホネート型光酸発生剤として、(5−(P−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(P−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(4−(P−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(2,5−ビス(P−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル等が挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0123】
トリフルオロメチル基のような電子吸引基で化合物の安定性を増したオキシムスルホネート型酸発生剤として、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノン=O−(メチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノン=O−(10−カンファースルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノン=O−(4−メトキシベンゼンスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノン=O−(1−ナフチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノン=O−(2−ナフチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノン=O−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)エタノン=O−(10−カンファースルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)エタノン=O−(メチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)エタノン=O−(10−カンファースルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)エタノン=O−(10−カンファースルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)エタノン=O−(1−ナフチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)エタノン=O−(2−ナフチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)エタノン=O−(10−カンファースルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)エタノン=O−(1−ナフチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)エタノン=O−(2−ナフチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)エタノン=O−(メチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルチオフェニル)エタノン=O−(メチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)エタノン=O−(メチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)エタノン=O−(4−メチルフェニルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)エタノン=O−(4−メトキシフェニルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)エタノン=O−(4−ドデシルフェニルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)エタノン=O−(オクチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)エタノン=O−(4−メトキシフェニルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)エタノン=O−(4−ドデシルフェニルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)エタノン=O−(オクチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)エタノン=O−(2−ナフチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)エタノン=O−(メチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)エタノン=O−(フェニルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−クロロフェニル)エタノン=O−(フェニルスルホニル)オキシム、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−フェニルブタノン=O−(10−カンファースルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(1−ナフチル)エタノン=O−(メチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−ナフチル)エタノン=O−(メチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ベンジルフェニル)エタノン=O−(メチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(フェニル−1,4−ジオキサ−ブト−1−イル)フェニル)エタノン=O−(メチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(1−ナフチル)エタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−ナフチル)エタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ベンジルフェニル)エタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルスルホニルフェニル)エタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルスルホニルオキシフェニルエタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルカルボニルオキシフェニル)エタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(6H,7H−5,8−ジオキソナフト−2−イル)エタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシカルボニルメトキシフェニル)エタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(メトキシカルボニル)−(4−アミノ−1−オキサ−ペンタ−1−イル)フェニル)エタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(3,5−ジメチル−4−エトキシフェニル)エタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−チオフェニル)エタノン=O−(プロピルスルホネート)オキシム、及び2,2,2−トリフルオロ−1−(1−ジオキサチオフェン−2−イル)エタノン=O−(プロピルスルホネート)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメタンスルホニルオキシイミノ)エチル)フェノキシ)プロポキシ)フェニル)エタノン=O−(トリフルオロメタンスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(1−プロパンスルホニルオキシイミノ)エチル)フェノキシ)プロポキシ)フェニル)エタノン=O−(プロピルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(1−ブタンスルホニルオキシイミノ)エチル)フェノキシ)プロポキシ)フェニル)エタノン=O−(ブチルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)エチル)フェノキシ)プロポキシ)フェニル)エタノン=O−(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)オキシム、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(2,5−ビス(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)エチル)フェノキシ)プロポキシ)フェニル)エタノン=O−(2,5−ビス(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)オキシム等が挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0124】
また、下記式(Ox−1)で示されるオキシムスルホネートが挙げられる。
【化47】

(上記式中、R401は置換又は非置換の炭素数1〜10のハロアルキルスルホニル又はハロベンゼンスルホニル基を表す。R402は炭素数1〜11のハロアルキル基を表す。Ar401は置換又は非置換の芳香族基又はヘテロ芳香族基を表す。)
【0125】
具体的には、2−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ペンチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ブチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ヘキシル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ペンチル)−4−ビフェニル、2−(2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ブチル)−4−ビフェニル、2−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ヘキシル)−4−ビフェニルなどが挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0126】
置換アセトニトリル誘導体を用いたオキシムスルホネート型として、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2−チエニルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−((4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル)アセトニトリル、α−((ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル)アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−3−チエニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル等が挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0127】
また、ビスオキシムスルホネートとして、ビス(α−(p−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(p−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル等が挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(1−アダンマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−トシルオキシエタンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0128】
KrFエキシマレーザー用のレジスト材料として上記(B)成分の光酸発生剤を必要に応じて用いる場合には、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネートが好ましい。具体的にはトリフェニルスルホニウム=p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム=ペンタフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=ノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム=p−トルエンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム=カンファースルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム=4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=カンファースルホネート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム=カンファースルホネート、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム=カンファースルホネート、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロへキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−n−ヘキシルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−n−ヘキシルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−n−ヘキシルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニルジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、N−カンファースルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、N−p−トルエンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(p−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル等が挙げられる。
【0129】
また、ArFエキシマレーザー用のレジスト材料として上記(B)成分の光酸発生剤を必要に応じて用いる場合には、スルホニウム塩あるいはオキシム−O−スルホネートが好ましい。具体的にはトリフェニルスルホニウム=トリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=ペンタフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=ヘプタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=ノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=トリデカフルオロヘキサンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウム=ノナフルオロブタンスルホネート、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム=ノナフルオロブタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=ノナフルオロブタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=ヘプタフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=1,1−ジフルオロ−2−ナフチルエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(ピバロイルオキシ)プロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=2−(2−ナフトイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=2−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=2−ヒドロキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(ピバロイルオキシ)プロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=2−(2−ナフトイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=2−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=2−ヒドロキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム=2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム=2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=パーフルオロ(1,3−プロピレンビススルホニル)イミド、トリフェニルスルホニウム=ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、2−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ペンチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ブチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ヘキシル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホニルオキシイミノ)ペンチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホニルオキシイミノ)ブチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ヘキシル)フルオレン等が挙げられる。
【0130】
また、ArF液浸レジスト材料として上記(B)成分の光酸発生剤を必要に応じて用いる場合には、スルホニウム塩あるいはオキシム−O−スルホネートが好ましい。具体的にはトリフェニルスルホニウム=ノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=トリデカフルオロヘキサンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウム=ノナフルオロブタンスルホネート、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム=ノナフルオロブタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=ノナフルオロブタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=ヘプタフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=1,1−ジフルオロ−2−ナフチルエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(ピバロイルオキシ)プロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=2−(2−ナフトイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=2−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=2−ヒドロキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(ピバロイルオキシ)プロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=2−(2−ナフトイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=2−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=2−ヒドロキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム=メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム=2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム=2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム=パーフルオロ(1,3−プロピレンビススルホニル)イミド、トリフェニルスルホニウム=ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、2−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ペンチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ブチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ヘキシル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホニルオキシイミノ)ペンチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホニルオキシイミノ)ブチル)フルオレン、2−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)ヘキシル)フルオレン等が挙げられる。
中でもより好ましく用いられるのは下記一般式(20)で示される酸発生剤である。
【0131】
【化48】

【0132】
式中、R2〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基を示す。R2〜R4としては炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましく、アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示でき、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、tert−アミルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を例示できる。R5は炭素数1〜30の置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、あるいは、炭素数6〜14の置換もしくは非置換のアリール基を示す。R5のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2−イル基等が挙げられ、アリール基として具体的にはフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、10−アントラニル基等を挙げることができる。また、R5中の水素原子の一部がハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アルコキシアルキル基、アシロシキ基、アシロキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基等に置換されていてもよく、更に、R5中の−CH2−の一部が−O−に置換されていてもよい。k、m、nはそれぞれ独立して0〜3である。
5として具体的には以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0133】
【化49】

【0134】
上記一般式(20)で示される酸発生剤として具体的には、以下のものを例示できる。
【化50】

【0135】
【化51】

【0136】
本発明の化学増幅型レジスト材料において(B)成分として追加する光酸発生剤の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲であればいずれでもよいが、レジスト材料中のベース樹脂100部(質量部、以下同様)に対し0.1〜10部、好ましくは0.1〜5部である。(B)成分の光酸発生剤の割合が多すぎる場合には、解像性の劣化や、現像/レジスト剥離時の異物の問題が起きる可能性がある。上記(B)成分の光酸発生剤は、単独でも2種以上混合して用いることもできる。更に、露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
【0137】
なお、光酸発生剤がいわゆる弱酸を発生するオニウム塩である場合、酸拡散制御の機能を持たせることもできる。即ち、本発明の高分子化合物は強酸を発生するので弱酸(例えばフッ素置換されていないスルホン酸もしくはカルボン酸)を発生するオニウム塩を混合して用いた場合、高エネルギー線照射により本発明の高分子化合物から生じた強酸が未反応の弱酸アニオンを有するオニウム塩と衝突すると塩交換により弱酸を放出し強酸アニオンを有するオニウム塩を生じる。この過程で強酸がより触媒能の低い弱酸に交換されるため見かけ上、酸が失活して酸拡散の制御を行うことができる。
【0138】
ここで強酸を発生するオニウム塩と弱酸を発生するオニウム塩を混合して用いた場合、上記のように強酸が弱酸に交換することはできるが、弱酸は未反応の強酸を発生するオニウム塩と衝突して塩交換を行うことはできない。これらはオニウムカチオンがより強酸のアニオンとイオン対を形成し易いとの現象に起因する。
【0139】
また、本発明のレジスト材料に、酸により分解し酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。これらの化合物については、J. Photopolym. Sci. and Tech., 8. 43−44, 45−46 (1995)、J. Photopolym. Sci. and Tech., 9. 29−30 (1996)において記載されている。
【0140】
酸増殖化合物の例としては、tert−ブチル−2−メチル−2−トシロキシメチルアセトアセテート、2−フェニル−2−(2−トシロキシエチル)−1,3−ジオキソラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。公知の光酸発生剤の中で安定性、特に熱安定性に劣る化合物は酸増殖化合物的な性質を示す場合が多い。
【0141】
本発明のレジスト材料における酸増殖化合物の添加量としては、レジスト材料中のベース樹脂100部に対し2部以下、好ましくは1部以下である。添加量が多すぎる場合は拡散の制御が難しく、解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こる。
【0142】
本発明で使用される(C)成分の有機溶剤としては、ベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
【0143】
有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100部に対して200〜1,000部、特に400〜800部が好適である。
【0144】
更に、本発明のレジスト材料には、クエンチャー(D)を1種又は2種以上配合することができる。
クエンチャーとは、本技術分野において広く一般的に用いられる用語であり、酸発生剤より発生する酸などがレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物を言う。クエンチャーの配合により、レジスト感度の調整が容易となることに加え、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
【0145】
このようなクエンチャーとしては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類、アンモニウム塩類等が挙げられる。
【0146】
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0147】
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール−2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、4−ピロリジノピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0148】
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、1−シクロヘキシルピロリドン等が例示される。イミド類としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。カーバメート類としては、N−t−ブトキシカルボニル−N,N−ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、オキサゾリジノン等が例示される。
【0149】
アンモニウム塩類としては、ピリジニウム=p−トルエンスルホナート、トリエチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、トリオクチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、トリエチルアンモニウム=2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホナート、トリオクチルアンモニウム=2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホナート、トリエチルアンモニウム=カンファースルホナート、トリオクチルアンモニウム=カンファースルホナート、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、テトラブチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、ベンジルトリメチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、テトラメチルアンモニウム=カンファースルホナート、テトラブチルアンモニウム=カンファースルホナート、ベンジルトリメチルアンモニウム=カンファースルホナート、テトラメチルアンモニウム=2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホナート、テトラブチルアンモニウム=2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホナート、ベンジルトリメチルアンモニウム=2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホナート、酢酸=テトラメチルアンモニウム、酢酸=テトラブチルアンモニウム、酢酸=ベンジルトリメチルアンモニウム、安息香酸=テトラメチルアンモニウム、安息香酸=テトラブチルアンモニウム、安息香酸=ベンジルトリメチルアンモニウム等が例示される。
【0150】
更に、下記一般式(B)−1で示されるアミン化合物が例示される。
N(X)n(Y)3-n (B)−1
(上記式中、nは1、2又は3である。側鎖Xは同一でも異なっていてもよく、下記一般式(X)−1〜(X)−3で表すことができる。側鎖Yは同一又は異種の、水素原子もしくは直鎖状、分岐状又は環状の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基を示し、エーテル基もしくはヒドロキシル基を含んでもよい。また、X同士が結合して環を形成してもよい。)
【0151】
【化52】

(上記式中、R300、R302、R305は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R301、R304は水素原子、又は水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1個あるいは複数個含んでいてもよい。R303は単結合、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R306は水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
【0152】
上記一般式(B)−1で表される化合物として具体的には、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−ホルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、β−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトンが例示される。
【0153】
更に、下記一般式(B)−2に示される環状構造を持つアミン化合物が例示される。
【化53】

(上記式中、Xは前述の通り、R307は炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよいアルキレン基であり、カルボニル基、エーテル基、エステル基又はスルフィドを1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
【0154】
上記一般式(B)−2として具体的には、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピロリジン、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(メトキシメトキシ)エチル]モルホリン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピロリジン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピペリジン、4−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]モルホリン、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチルモルホリン、2−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]エチルモルホリン、2−{2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチルモルホリン、2−{2−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチルモルホリン、酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、酢酸2−ピペリジノエチル、酢酸2−モルホリノエチル、ギ酸2−(1−ピロリジニル)エチル、プロピオン酸2−ピペリジノエチル、アセトキシ酢酸2−モルホリノエチル、メトキシ酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、4−[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、1−[2−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(2−メトキシエトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−ピペリジノプロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸メチル、3−(チオモルホリノ)プロピオン酸メチル、2−メチル−3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸エチル、3−ピペリジノプロピオン酸メトキシカルボニルメチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、3−モルホリノプロピオン酸2−アセトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、3−モルホリノプロピオン酸テトラヒドロフルフリル、3−ピペリジノプロピオン酸グリシジル、3−モルホリノプロピオン酸2−メトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、3−モルホリノプロピオン酸ブチル、3−ピペリジノプロピオン酸シクロヘキシル、α−(1−ピロリジニル)メチル−γ−ブチロラクトン、β−ピペリジノ−γ−ブチロラクトン、β−モルホリノ−δ−バレロラクトン、1−ピロリジニル酢酸メチル、ピペリジノ酢酸メチル、モルホリノ酢酸メチル、チオモルホリノ酢酸メチル、1−ピロリジニル酢酸エチル、モルホリノ酢酸2−メトキシエチル、2−メトキシ酢酸2−モルホリノエチル、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸2−モルホリノエチル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸2−モルホリノエチル、ヘキサン酸2−モルホリノエチル、オクタン酸2−モルホリノエチル、デカン酸2−モルホリノエチル、ラウリン酸2−モルホリノエチル、ミリスチン酸2−モルホリノエチル、パルミチン酸2−モルホリノエチル、ステアリン酸2−モルホリノエチル、シクロヘキサンカルボン酸2−モルホリノエチル、アダマンタンカルボン酸2−モルホリノエチルが例示される。
【0155】
更に、下記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含むアミン化合物が例示される。
【化54】

(上記式中、X、R307、nは前述の通り、R308、R309は同一又は異種の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。)
【0156】
上記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含むアミン化合物として具体的には、3−(ジエチルアミノ)プロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−エチル−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−テトラヒドロフルフリル−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−シアノメチル−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(シアノメチル)アミノアセトニトリル、1−ピロリジンプロピオノニトリル、1−ピペリジンプロピオノニトリル、4−モルホリンプロピオノニトリル、1−ピロリジンアセトニトリル、1−ピペリジンアセトニトリル、4−モルホリンアセトニトリル、3−ジエチルアミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピロリジンプロピオン酸シアノメチル、1−ピペリジンプロピオン酸シアノメチル、4−モルホリンプロピオン酸シアノメチル、1−ピロリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピペリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、4−モルホリンプロピオン酸(2−シアノエチル)が例示される。
【0157】
更に、下記一般式(B)−7で表されるイミダゾール骨格及び極性官能基を有するアミン化合物が例示される。
【化55】

(上記式中、R310は水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基、アセタール基を1個あるいは複数個含む。R311、R312、R313は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。)
【0158】
更に、下記一般式(B)−8で示されるベンズイミダゾール骨格及び極性官能基を有するアミン化合物が例示される。
【化56】

(上記式中、R314は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。R315は水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としてエステル基、アセタール基、シアノ基を一つ以上含み、その他に水酸基、カルボニル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基を一つ以上含んでいてもよい。)
【0159】
更に、下記一般式(B)−9及び(B)−10で示される極性官能基を有する含窒素複素環化合物が例示される。
【化57】

(上記式中、Aは窒素原子又は≡C−R322である。Bは窒素原子又は≡C−R323である。R316は水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基又はアセタール基を一つ以上含む。R317、R318、R319、R320は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基であるか、又はR317とR318、R319とR320はそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子と共にベンゼン環、ナフタレン環あるいはピリジン環を形成してもよい。R321は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基である。R322、R323は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基である。R321とR323は結合してこれらが結合する炭素原子と共にベンゼン環又はナフタレン環を形成してもよい。)
【0160】
更に、下記一般式(B)−11〜(B)−14で示される芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
【化58】

(上記式中、R324は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数4〜20のヘテロ芳香族基であって、水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、又は、炭素数1〜10のアルキルチオ基で置換されていてもよい。R325はCO2326、OR327又はシアノ基である。R326は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。R327は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基である。R328は単結合、メチレン基、エチレン基、硫黄原子又は−O(CH2CH2O)n−基である。n=0,1,2,3又は4である。R329は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。Xは窒素原子又はCR330である。Yは窒素原子又はCR331である。Zは窒素原子又はCR332である。R330、R331、R332はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基であるか、あるいはR330とR331又はR331とR332が結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数6〜20の芳香環又は炭素数2〜20のヘテロ芳香環を形成してもよい。)
【0161】
更に、下記一般式(B)−15で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有するアミン化合物が例示される。
【化59】

(上記式中、R333は水素又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R334及びR335はそれぞれ独立に、エーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン、アミドなどの極性官能基を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であって水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。R334とR335は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。)
【0162】
なお、クエンチャーの配合量はベース樹脂100部に対して0.001〜2部、特に0.01〜1部が好適である。配合量が0.001部より少ないと配合効果がなく、2部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
【0163】
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤(E)を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0164】
界面活性剤の例としては、特に限定されるものではないが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステリアルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレインエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352((株)ジェムコ製)、メガファックF171,F172,F173,R08,R30(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−430,FC−431,FC−4430,FC−4432(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−381,S−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106,KH−10,KH−20,KH−30,KH−40(旭硝子(株)製)、サーフィノールE1004(日信化学工業(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341,X−70−092,X−70−093(信越化学工業(株)製)、アクリル酸系又はメタクリル酸系ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)が挙げられ、中でもFC−430,サーフロンS−381,サーフィノールE1004,KH−20,KH−30が好適である。これらは単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0165】
本発明の化学増幅型レジスト材料中の界面活性剤の添加量としては、レジスト材料中のベース樹脂100部に対し2部以下、好ましくは1部以下である。
【0166】
本発明の実施に用いるレジスト材料には、水を用いた液浸露光において特にはレジスト保護膜を用いない場合、スピンコート後のレジスト表面に配向することによって水のしみ込みやリーチングを低減させる機能を有する界面活性剤を添加することができる。この界面活性剤は高分子型の界面活性剤であり、水に溶解せずアルカリ現像液に溶解する性質を有し、特に撥水性が高く滑水性を向上させるものが好ましい。このような高分子型の界面活性剤は下記に示すことができる。
【0167】
【化60】

【0168】
上記式中、LS01はそれぞれ同一でも異なってもよく−C(=O)−O−、−O−、又は−C(=O)−LS07−C(=O)−O−であり、LS07は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基である。RS01はそれぞれ同一でも異なってもよく水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。RS02はそれぞれ同一でも異なってもよく水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はフッ素化アルキル基を示し、同一繰り返し単位内のRS02がそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、その場合、合計して炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基又はフッ素化アルキレン基を示す。
S03はフッ素原子、又は水素原子を示し、同一繰り返し単位内のLS02と結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数の和が3〜10の非芳香環を形成してもよい。
S02は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基で、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。
S04は1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基で、LS02とRS04が結合してこれらが結合する炭素原子と共に非芳香環を形成していてもよく、その場合、該環は炭素数の総和が2〜12の三価の有機基を表す。
S03は単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基、LS04は同一でも異なってもよく単結合又は−O−、−CRS01S01−である。
S05は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、同一繰り返し単位内のRS02と結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜10の非芳香環を形成してもよい。
S06はメチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基を示し、Rfは炭素数3〜6の直鎖のパーフルオロアルキル基あるいは3H−パーフルオロプロピル基、4H−パーフルオロブチル基、5H−パーフルオロペンチル基、6H−パーフルオロヘキシル基を示す。
0≦(a−1)<1、0≦(a−2)<1、0≦(a−3)<1、0<(a−1)+(a−2)+(a−3)<1、0≦b<1、0≦c<1であり、0<(a−1)+(a−2)+(a−3)+b+c≦1である。
【0169】
高分子型の界面活性剤の添加量はレジスト材料中のベース樹脂100部に対して0.001〜20部、好ましくは0.01〜10部の範囲である。
これらは特開2007−297590号公報に詳しい。
【0170】
本発明の高分子化合物を化学増幅ネガ型レジスト材料に用いる場合には、上記一般式(1)で示される繰り返し単位以外に、酸による架橋が可能な置換基を有する繰り返し単位を含有することが必要である。より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシスチレン(置換位置は任意である)、ヒドロキシビニルナフタレン(置換位置は任意である)に由来する繰り返し単位などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0171】
また、上記高分子化合物以外にもアルカリ可溶性樹脂を添加してもよい。
例えば、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、ポリ(m−ヒドロキシスチレン)、ポリ(4−ヒドロキシ−2−メチルスチレン)、ポリ(4−ヒドロキシ−3−メチルスチレン)、ポリ(α−メチル−p−ヒドロキシスチレン)、部分水素加ポリ(p−ヒドロキシスチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−α−メチル−p−ヒドロキシスチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−α−メチルスチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−スチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキシスチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−スチレン)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メチルアクリレート)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸−メチルメタクリレート)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メチルアクリレート)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸−メチルメタクリレート)コポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸−メチルアクリレート)コポリマー、ポリ(メタクリル酸−メチルメタクリレート)コポリマー、ポリ(アクリル酸−マレイミド)コポリマー、ポリ(メタクリル酸−マレイミド)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−アクリル酸−マレイミド)コポリマー、ポリ(p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸−マレイミド)コポリマー等が挙げられるがこれらの組み合わせに限定されるものではない。
【0172】
本発明の高分子化合物とそれ以外のアルカリ可溶性樹脂との配合比率は、100:0〜10:90、特に100:0〜20:80の質量比の範囲内にあることが好ましい。本発明の高分子化合物の配合比がこれより少ないと、レジスト材料として好ましい性能が得られないことがある。上記の配合比率を適宜変えることにより、レジスト材料の性能を調整することができる。
【0173】
なお、上記アルカリ可溶性樹脂は1種に限らず2種以上を添加することができる。複数種の高分子化合物を用いることにより、レジスト材料の性能を調整することができる。
【0174】
また、(H)成分の酸の作用により架橋構造を形成する酸架橋剤としては、分子内に2個以上のヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、エポキシ基又はビニルエーテル基を有する化合物が挙げられ、置換グリコウリル誘導体、尿素誘導体、ヘキサ(メトキシメチル)メラミン等が本発明の化学増幅ネガ型レジスト材料の酸架橋剤として好適に用いられる。例えばN,N,N’,N’−テトラメトキシメチル尿素とヘキサメトキシメチルメラミン、テトラヒドロキシメチル置換グリコールウリル類及びテトラメトキシメチルグリコールウリルのようなテトラアルコキシメチル置換グリコールウリル類、置換及び未置換ビス−ヒドロキシメチルフェノール類、ビスフェノールA等のフェノール性化合物とエピクロロヒドリン等の縮合物が挙げられる。特に好適な架橋剤は、1,3,5,7−テトラメトキシメチルグリコールウリルなどの1,3,5,7−テトラアルコキシメチルグリコールウリル又は1,3,5,7−テトラヒドロキシメチルグリコールウリル、2,6−ジヒドロキシメチルp−クレゾール、2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2,2’,6,6’−テトラヒドロキシメチル−ビスフェノールA及び1,4−ビス−[2−(2−ヒドロキシプロピル)]−ベンゼン、N,N,N’,N’−テトラメトキシメチル尿素とヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。
【0175】
本発明の化学増幅型レジスト材料中の(H)成分の酸架橋剤の添加量は任意であるが、レジスト材料中のベース樹脂100部に対し1〜20部、好ましくは5〜15部である。これら架橋剤は単独でも2種以上を併用してもよい。
【0176】
本発明のレジスト材料の基本的構成成分は、上記の高分子化合物(ベース樹脂)、酸発生剤、有機溶剤及びクエンチャーであるが、上記成分以外に任意成分として必要に応じて、更に、溶解阻止剤、酸性化合物、安定剤、色素などの他の成分を添加してもよい。なお、これら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0177】
本発明のレジスト材料を使用したパターン形成は公知のリソグラフィー技術を利用して行うことができ、塗布、加熱処理(プリベーク)、露光、加熱処理(ポストエクスポージャーベーク、PEB)、現像の各工程を経て達成される。必要に応じて、更にいくつかの工程を追加してもよい。
【0178】
パターン形成を行う際には、先ず本発明のレジスト材料を集積回路製造用の基板(Si、SiO2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜、Cr、CrO、CrON、MoSi等)上にスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により塗布膜厚が0.01〜2.0μmとなるように塗布し、ホットプレート上で50〜150℃、1〜10分間、好ましくは60〜140℃、1〜5分間プリベークする。レジストの薄膜化と共に被加工基板のエッチング選択比の関係から加工が厳しくなっており、レジストの下層に珪素含有中間膜、その下に炭素密度が高くエッチング耐性が高い下層膜、その下に被加工基板を積層する3層プロセスが検討されている。酸素ガスや水素ガス、アンモニアガスなどを用いる珪素含有中間膜と下層膜とのエッチング選択比は高く、珪素含有中間膜は薄膜化が可能である。単層レジストと珪素含有中間層のエッチング選択比も比較的高く、単層レジストの薄膜化が可能となるのである。この場合、下層膜の形成方法としては塗布とベークによる方法とCVDによる方法とが挙げられる。塗布型の場合は、ノボラック樹脂や縮合環などを有するオレフィンを重合した樹脂が用いられ、CVD膜作成にはブタン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン等のガスが用いられる。珪素含有中間層の場合も塗布型とCVD型が挙げられ、塗布型としてはシルセスキオキサン、かご状オリゴシルセスキオキサン等が挙げられ、CVD用としては各種シランガスが原料として挙げられる。珪素含有中間層は光吸収を持った反射防止機能を有していてもよく、フェニル基などの吸光基や、SiON膜であってもよい。珪素含有中間膜とフォトレジストの間に有機膜を形成してもよく、この場合の有機膜は有機反射防止膜であってもよい。
【0179】
フォトレジスト膜形成後に、純水リンス(ポストソーク)を行うことによって膜表面からの酸発生剤などの抽出、あるいはパーティクルの洗い流しを行ってもよいし、保護膜を塗布してもよい。
【0180】
次いで、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線等から選ばれる光源を用い、目的のパターンを形成するための所定のマスクを通して露光を行う。露光量は1〜200mJ/cm2程度が好ましく、特に10〜100mJ/cm2程度がより好ましい。次に、ホットプレート上で60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜120℃、1〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法を用いて現像することにより、基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明のレジスト材料は、好ましくは波長254〜193nmの遠紫外線、波長157nmの真空紫外線、電子線、軟X線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線、より好ましくは波長180〜200nmの範囲の高エネルギー線による微細パターンニングに適用することが可能である。
【0181】
また、本発明のレジスト材料は、液浸リソグラフィーに適用することも可能である。ArF液浸リソグラフィーにおいては液浸溶媒として純水、又はアルカンなどの屈折率が1以上で露光波長に高透明の液体が用いられる。液浸リソグラフィーでは、プリベーク後のレジスト膜と投影レンズの間に、純水やその他の液体を挿入する。これによってNAが1.0以上のレンズ設計が可能となり、より微細なパターン形成が可能になる。液浸リソグラフィーはArFリソグラフィーを45nmノードまで延命させるための重要な技術であり、開発が加速されている。液浸露光の場合は、レジスト膜上に残った水滴残りを除去するための露光後の純水リンス(ポストソーク)を行ってもよいし、レジストからの溶出物を防ぎ、膜表面の滑水性を上げるために、プリベーク後のレジスト膜上に保護膜を形成させてもよい。液浸リソグラフィーに用いられるレジスト保護膜としては、例えば、水に不溶でアルカリ現像液に溶解する1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する高分子化合物をベースとし、炭素数4以上のアルコール系溶剤、炭素数8〜12のエーテル系溶剤、及びこれらの混合溶媒に溶解させた材料が好ましい。
【0182】
NA1.35レンズを使った水液浸リソグラフィーの最高NAで到達できる解像度は40〜38nmであり、32nmには到達できない。そこで更にNAを高めるための高屈折率材料の開発が行われている。レンズのNAの限界を決めるのは投影レンズ、液体、レジスト膜の中で最小の屈折率である。水液浸の場合、投影レンズ(合成石英で屈折率1.5)、レジスト膜(従来のメタクリレート系で屈折率1.7)に比べて水の屈折率が最も低く、水の屈折率によって投影レンズのNAが決まっていた。最近、屈折率1.65の高透明な液体が開発されてきている。この場合、合成石英による投影レンズの屈折率が最も低く、屈折率の高い投影レンズ材料を開発する必要がある。LUAG(Lu3Al512)は屈折率が2以上であり、最も期待される材料である。
本発明のレジスト材料は高屈折率液体によるリソグラフィーに適用することも可能である。
【0183】
更にArFリソグラフィーの延命技術として最近注目を浴びているのは1回目の露光と現像でパターンを形成し、2回目の露光で1回目のパターンの丁度間にパターンを形成するダブルパターニングプロセスである(Proc. SPIE Vol. 5754 p1508 (2005))。ダブルパターニングの方法としては多くのプロセスが提案されている。例えば、1回目の露光と現像でラインとスペースが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクを加工し、その上にハードマスクをもう1層敷いて1回目の露光のスペース部分にフォトレジスト膜の露光と現像でラインパターンを形成してハードマスクをドライエッチングで加工して初めのパターンのピッチの半分のラインアンドスペースパターンを形成する方法である。また、1回目の露光と現像でスペースとラインが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクをドライエッチングで加工し、その上にフォトレジスト膜を塗布してハードマスクが残っている部分に2回目のスペースパターンを露光しハードマスクをドライエッチングで加工する。いずれも2回のドライエッチングでハードマスクを加工する。
【0184】
前述の方法では、ハードマスクを2回敷く必要があり、後者の方法ではハードマスクが1層で済むが、ラインパターンに比べて解像が困難なトレンチパターンを形成する必要がある。後者の方法では、トレンチパターンの形成にネガ型レジスト材料を使う方法がある。これだとポジパターンでラインを形成するのと同じ高コントラストの光を用いることができるが、ポジ型レジスト材料に比べてネガ型レジスト材料の方が溶解コントラストが低いために、ポジ型レジスト材料でラインを形成する場合に比較してネガ型レジスト材料で同じ寸法のトレンチパターンを形成した場合を比較するとネガ型レジスト材料を使った方が解像性が低い。後者の方法で、ポジ型レジスト材料を用いて広いトレンチパターンを形成してから、基板を加熱してトレンチパターンをシュリンクさせるサーマルフロー法や、現像後のトレンチパターンの上に水溶性膜をコートしてから加熱してレジスト膜表面を架橋させることによってトレンチをシュリンクさせるRELACS法を適用させることも考えられるが、プロキシミティーバイアスが劣化するという欠点やプロセスが更に煩雑化し、スループットが低下する欠点が生じる。
【0185】
前者、後者の方法においても、基板加工のエッチングは2回必要なため、スループットの低下と2回のエッチングによるパターンの変形や位置ずれが生じる問題がある。
【0186】
エッチングを1回で済ませるために、1回目の露光でネガ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料を用いる方法がある。1回目の露光でポジ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料が溶解しない炭素数4以上の高級アルコールに溶解させたネガ型レジスト材料を用いる方法もある。これらの場合、解像性が低いネガ型レジスト材料を使うと解像性の劣化が生じる。
【0187】
1回目の露光の隣にハーフピッチだけずらした位置に2回目の露光を行うと、1回目の2回目のエネルギーが相殺されて、コントラストが0になる。レジスト膜上にコントラスト増強膜(CEL)を適用すると、レジストに入射する光が非線形となり、1回目と2回目の光が相殺せず、ピッチが半分の像が形成される(Jpn. J. Appl. Phy. Vol. 33 (1994) p6874−6877)。また、レジストの酸発生剤として2光子吸収の酸発生剤を用いて非線形なコントラストを生み出すことによって同様の効果を生み出すことが期待される。
【0188】
ダブルパターニングにおいて最もクリティカルな問題となるのは、1回目のパターンと2回目のパターンの合わせ精度である。位置ずれの大きさがラインの寸法のバラツキとなるために、例えば32nmのラインを10%の精度で形成しようとすると3.2nm以内の合わせ精度が必要となる。現状のスキャナーの合わせ精度が8nm程度であるので、大幅な精度の向上が必要である。
【0189】
1回目のレジストパターンを形成した後に、何らかの方法でパターンをレジスト溶媒とアルカリ現像液に不溶化させ、2回目のレジストを塗布し、1回目のレジストパターンのスペース部分に2回目のレジストパターンを形成するレジストパターンフリージング技術が検討されている。この方法を用いれば、基板のエッチングが1回ですむために、スループットの向上とエッチングのハードマスクの応力緩和による位置ズレの問題が回避される。フリージングの技術として、1回目のレジストパターン上に膜を形成する方法や、光や熱によってレジストパターンを不溶化させる方法が検討されており、本発明のレジスト材料もこのようなプロセスに適用することが可能である。フリージングするための光は波長300nm以下が好ましく、より好ましくは波長200nm以下の波長193nmのArFエキシマ光、波長172nmのXe2エキシマ光、157nmのF2エキシマ光、146nmのKr2エキシマ光、126nmのAr2エキシマ光が好ましく、露光量は光の場合は露光量10mJ/cm2〜10J/cm2の範囲である。波長200nm以下、特には193nm、172nm、157nm、146nm、122nmのエキシマレーザーや、エキシマランプの照射は、光酸発生剤からの酸の発生だけでなく、光照射による架橋反応を促進させる。更に、フォトレジスト材料としてアンモニウム塩の熱酸発生剤をフォトレジスト材料のベース樹脂100部に対して0.001〜20部、好ましくは0.01〜10部添加しておいて、加熱によって酸を発生させることもできる。この場合、酸の発生と架橋反応は同時に進行する。加熱の条件は100〜300℃、特に130〜250℃の温度範囲で10〜300秒の範囲が好ましい。これにより、溶媒及びアルカリ現像液に不溶の架橋レジスト膜が形成される。
【実施例】
【0190】
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0191】
本発明の高分子化合物を以下に示す処方で合成した。
[合成例1−1]polymer1の合成
窒素雰囲気としたフラスコに2.68gの4−アクリロイルオキシフェニルジフェニルスルホニウム=1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)プロパン−1−スルホネート、3.05gのメタクリル酸=3−エチル−3−エキソ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル、1.75gのメタクリル酸=3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、2.52gのメタクリル酸=テトラヒドロ−2−オキソ−4−フラニル、304mgの2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、17.5gのMEK(メチルエチルケトン)をとり、単量体溶液を調製した。窒素雰囲気とした別のフラスコに5.83gのMEKをとり、撹拌しながら80℃まで加熱した後、上記単量体溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、重合液の温度を80℃に保ったまま2時間撹拌を続け、次いで室温まで冷却した。得られた重合液を激しく撹拌した90gのヘキサンと10gのMEKの混合溶媒に滴下し、析出した共重合体を濾別した。共重合体を41.5gのヘキサンと18.5gのMEKとの混合溶媒で2回洗浄した後、50℃で20時間真空乾燥して38.7gの白色粉末状の共重合体(polymer1)を得た。共重合体を13C−NMRで分析したところ、共重合組成比は上記の単量体順で11/29/21/39モル%であった。
【0192】
【化61】

【0193】
[合成例1−2〜42、50〜63、66]polymer2〜42、50〜63、66の合成
各単量体の種類、配合比を変えた以外は、合成例1と同様の手順により、表1、2に示した樹脂を製造した。表1、2中の各繰り返し単位の構造を下記に示す。なお、下記表1、2において、導入比はモル比を示す。
[合成例1−43〜48、64、65]polymer43〜48、64、65の合成
上述した処方により得られたpolymer37〜42、62、63をメタノール、テトラヒドロフラン混合溶剤に溶解し、蓚酸を加えて40℃で脱保護反応を行った。ピリジンにて中和処理して水で分液洗浄した後、通常の再沈精製を行うことにより下記8A、9Aで示される繰り返し単位を有する高分子化合物を得た。
[合成例1−49]polymer49の合成
polymer43に1−クロロ−1−メトキシ−2−メチルプロパンを塩基性条件下反応させて目的のpolymer49を得た。
合成例1−43〜49、64、65の脱保護と保護に関しては、特開2004−115630号公報、特開2005−8766号公報などに詳しい。
【0194】
【表1】

【0195】
【表2】

【0196】
【化62】

【0197】
【化63】

【0198】
【化64】

【0199】
レジスト材料の調製
[実施例1−1〜42、比較例1−1〜14]
上記で製造した本発明の高分子化合物[polymer1〜35、47〜49、66]、更にはpolymer50、57、59をベース樹脂として用い、また、比較例用の高分子化合物[polymer50〜61、64、65]をベース樹脂として用い、酸発生剤、塩基性化合物、及び溶剤を表3、4に示す組成で添加し、混合溶解後にそれらをテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)で濾過し、レジスト材料(R−01〜42)及び比較例用のレジスト材料(R−43〜56)を得た。なお、溶剤はすべて界面活性剤としてKH−20(旭硝子(株)製)を0.01質量%含むものを用いた。
【0200】
【表3】

【0201】
【表4】

【0202】
表3、4中、略号で示した酸発生剤、塩基性化合物、及び溶剤は、それぞれ下記の通りである。
PAG−1:トリフェニルスルホニウム=1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)プロパン−1−スルホネート
PAG−2:トリフェニルスルホニウム=ノナフルオロブタンスルホネート
Base−1:トリ(2−メトキシメトキシエチル)アミン
PGMEA:酢酸=1−メトキシ−2−プロピル
CyHo:シクロヘキサノン
EL:乳酸エチル
【0203】
解像性及びラインエッジラフネス(LER)の評価:ArF露光
[実施例2−1〜42、比較例2−1〜14]
本発明のレジスト材料(R−01〜42)及び比較用のレジスト材料(R−43〜56)を、反射防止膜(日産化学工業(株)製、ARC29A、78nm)を塗布したシリコンウエハー上へ回転塗布し、100℃、60秒間の熱処理を施して、厚さ100nmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザーステッパー((株)ニコン製、307E、NA=0.85、σ0.93/0.70、3/4輪帯照明、6%ハーフトーンマスク)を用いて露光し、100℃、60秒間の熱処理(PEB)を施した後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて30秒間パドル現像を行い、1:1のラインアンドスペースパターンを形成した。作製したパターン付きウエハーを上空SEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、90nmの1:1のラインアンドスペースを1:1で解像する露光量を最適露光量(mJ/cm2)とし、該最適露光量において分離解像している1:1のラインアンドスペースパターンの最小寸法を限界解像性(マスク上寸法、5nm刻み、寸法が小さいほど良好)とした。また、(株)日立製作所製測長SEM(S−9380)を用いて、90nmラインアンドスペースのラインエッジラフネス(LER)を測定した。
本発明のレジスト材料及び比較用のレジスト材料の評価結果(限界解像性、LER)を表5、6に示す。
【0204】
【表5】

【0205】
【表6】

【0206】
表5中の実施例の結果より、本発明のレジスト材料が、ArFエキシマレーザー露光において解像性能に優れると同時に、LERに優れたものであることが確認された。一方、表6中の比較例の結果では、従来の技術によるレジスト材料が、解像性能、又はLERのどちらか一方のみを満足するものであるか、あるいはそのどちらも満足しないものであることが示されている。
【0207】
以上より、本発明のスルホニウム塩を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物をベース樹脂としたレジスト材料が、従来の技術で構築されたレジスト材料に比べて優れた特性を有することが確認できた。
【0208】
解像性の評価:EB露光
[実施例3−1〜3、比較例3−1、2]
本発明のレジスト材料(R−34〜36)、及び比較用のレジスト材料(R−55、56)を、有機反射防止膜(ブリューワーサイエンス社製、DUV−44)を610Åに塗布した8インチシリコンウエハー上へスピンコーティングし、100℃、60秒間の熱処理を施して、厚さ150nmのレジスト膜を形成した。更に、電子線露光装置((株)日立ハイテクノロジーズ製、HL−800D、加速電圧50keV)を用いて露光し、100℃、60秒間の熱処理(PEB:post exposure bake)を施し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で30秒現像を行うと、ポジ型のパターンを得ることができた。
【0209】
得られたレジストパターンを次のように評価した。
0.12μmのラインアンドスペースのトップとボトムを1:1で解像する露光量を最適露光量(μC/cm2)として、この露光量における分離しているラインアンドスペースの最小線幅を評価レジストの解像度とした。また、解像したレジストパターンの形状は、走査型電子顕微鏡を用いてレジスト断面を観察した。
真空中のPED(post exposure delay)を評価するため、電子線露光装置により露光した後、24時間真空に引かれた装置内に放置し、その後にPEB及び現像を行った。得られた0.12μmのラインアンドスペースパターンのライン部の寸法変化率を示す。例えば0.012μm増加した場合には+10%と記す。この変化が少ないほど安定性に優れる。評価結果を表7に示す。
【0210】
【表7】

【0211】
表7中の結果から、本発明のレジスト材料が、EB露光においても、解像性能、真空中のPEDに優れることが確認された。従って、ポリヒドロキシスチレン誘導体を用いたEUVリソグラフィー、KrFリソグラフィーなどでも同様に機能することが期待できる。
【0212】
レジスト膜溶出量の測定[実施例4−1〜3、比較例4−1、2]
上記で調製したレジスト材料(R−01、R−07、R−16)100質量部に対し0.2質量部の割合で水に不溶でアルカリ現像液に可溶な下記界面活性剤[Surfactant−1]を添加したレジスト材料(R−01’、R−07’、R−16’)及び比較例(R−43、R−50)を各々スピンコート法によってシリコン基板上に塗布し、100℃で60秒間ベークし、厚さ120nmのフォトレジスト膜を作成した。露光した後ではPAGの光反応が起こって陽イオンが検出されなくなるため、未露光のフォトレジスト膜について評価を行った
【0213】
[surfactant−1]
メタクリル酸 3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−2−トリフルオロメチルプロピル/メタクリル酸 2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル共重合物、(モル比80/20)重量平均分子量8,000。
【化65】

【0214】
次いでこのフォトレジスト膜上に内径10cmの真円状のテフロン(登録商標)リングを置き、その中に10mLの純水を注意深く注いで、室温にて60秒間レジスト膜と純水を接触させた。
その後、純水を回収し、純水中の光酸発生剤(PAG)の陽イオン成分濃度をAgilent社製LC−MS分析装置にて定量した。
測定した陽イオン濃度から、60秒間の陽イオン溶出量の測定結果を下記表8に示す。
【0215】
【表8】

【0216】
表8中の結果より、本発明のレジスト材料は水を用いた液浸露光に際しても陽イオンの溶出がないことが確認された。液浸露光によるパターン形状の変化が少なく、露光機へのダメージが少ないことが期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示されるスルホニウム塩の繰り返し単位を含有することを特徴とする高分子化合物。
【化1】

(式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R2〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基を示す。R5は炭素数1〜30の置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、あるいは、炭素数6〜14の置換もしくは非置換のアリール基を示す。k、m、nはそれぞれ独立して0〜3である。)
【請求項2】
更に、下記一般式(2)〜(11)で表される繰り返し単位のいずれか1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高分子化合物。
【化2】

(式中、R1はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R6、R7はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を示す。Xは酸不安定基を有する置換基を示す。Yはラクトン構造を有する置換基を示す。Zは水素原子、炭素数1〜15のフルオロアルキル基、又は炭素数1〜15のフルオロアルコール含有置換基を示す。Gは酸素原子又は−C(=O)O−を示す。L1は単結合又は−C(=O)O−を示す。Wは−CH2−、酸素原子、硫黄原子のいずれかを示す。)
【請求項3】
式(2)で示される繰り返し単位が、下記一般式(12)〜(17)で示される繰り返し単位のいずれか1種以上であることを特徴とする請求項2に記載の高分子化合物。
【化3】

(式中、R1はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R8はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R9、R10はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R9とR10が互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20の非芳香環を形成してもよい。)
【請求項4】
式(4)で示される繰り返し単位が、下記一般式(18)、(19)で示される繰り返し単位のいずれか1種以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の高分子化合物。
【化4】

(式中、R1はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R11は炭素数1〜20のフッ素原子を有してもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。Wは−CH2−、酸素原子、硫黄原子のいずれかを示す。L2は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。pは0又は1である。)
【請求項5】
請求項1に記載の一般式(1)で示される繰り返し単位と、請求項2に記載の一般式(2)、(6)、(7)のいずれか1種以上の繰り返し単位とを含有する請求項2又は3に記載の高分子化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の一般式(1)で示される繰り返し単位と、請求項2に記載の一般式(2)、(6)、(7)のいずれか1種以上の繰り返し単位と、一般式(3)〜(5)、(8)〜(11)のいずれか1種以上の繰り返し単位とを含有する請求項2〜4のいずれか1項に記載の高分子化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子化合物を含有することを特徴とするレジスト材料。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子化合物を含有し、更に波長300nm以下の高エネルギー線又は電子線の照射により酸を発生する酸発生化合物を含有することを特徴とするレジスト材料。
【請求項9】
下記一般式(20)で示されるスルホニウム塩を酸発生化合物として含有することを特徴とする請求項8に記載のレジスト材料。
【化5】

(式中、R2〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基を示す。R5は炭素数1〜30の置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、あるいは、炭素数6〜14の置換もしくは非置換のアリール基を示す。k、m、nはそれぞれ独立して0〜3である。)
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の高分子化合物以外の高分子化合物を含むことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のレジスト材料。
【請求項11】
更に、水に不溶でアルカリ現像液に可溶な界面活性剤を含む請求項7乃至10のいずれか1項に記載のレジスト材料。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれか1項に記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後フォトマスクを介して高エネルギー線で露光する工程と、加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項13】
請求項7〜11のいずれか1項に記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、水に不溶でアルカリ現像液に可溶な保護膜を塗布する工程と、当該基板と投影レンズの間に水を挿入しフォトマスクを介して高エネルギー線で露光する工程と、加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項14】
請求項7〜11のいずれか1項に記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後電子線で描画する工程と、加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。

【公開番号】特開2009−242789(P2009−242789A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56093(P2009−56093)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】