説明

ナノギャップおよびナノギャップセンサの製造方法

【課題】半導体製造工程技術を用いて、高価の装備を使用することなく簡単且つ容易にナノギャップおよびナノギャップセンサを量産することが可能なナノギャップおよびナノギャップセンサの製造方法の提供。
【解決手段】基板に対して異方性エッチングを行うことを含む、ナノギャップ製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノギャップおよびナノギャップセンサの製造方法に係り、具体的には、半導体製造工程を用いて簡単かつ低コストでナノギャップの位置と幅を容易に調節することが可能なナノギャップおよびナノギャップセンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナノギャップは、電極への応用が可能なので、ナノサイズ構造物の電気的特性を研究し、或いは極微量の化学物質または生体物質を感知するセンサとして活用することが可能である。特に、分子水準において電気的特性の変化などを測定するためにはナノギャップが必須的である。
【0003】
最近、ナノギャップを製造する方法として、エレクトロマイグレーション(electromigration)現象を用いて金属電線の特定の位置にギャップを生成させる方法(非特許文献1)、電子ビームリソグラフィー(electron-beam lithography)を用いる方法(非特許文献2)、比較的大きいギャップを作った後、電気化学蒸着法(electrochemical deposition)でギャップの大きさを減らす方法(非特許文献3)、およびシャドーマスク(shadow mask)を用いた方法(特許文献1)などが提案された。
【0004】
ところが、数十〜数百ナノメートルの線幅を持つ金属電線を作って電流を流し、金属電線の内部において原子が電子流れの影響を受けて漸次移動するエレクトロマイグレーション現象を用いて金属電線の特定の部分を断ち切ることにより、数ナノメートルの幅を持つナノギャップを形成するエレクトロマイグレーション現象を利用する方法は、ナノギャップの位置と大きさを正確に制御することが難しい。
【0005】
また、電子ビームによって直接パターニングを行う電子ビームリソグラフィーを用いた方法は、精密なナノギャップを得ることはできるが、コストが過大になって大量でナノギャップを製作することが難しい。
【0006】
また、特許文献2では、第1電極の一側にスペーサを位置させた後、第2電極を形成し、その後スペーサを除去してナノギャップの電極を形成する方法を開示している。ところが、これは、工程が煩わしく、ナノギャップの幅調節が難しく、多数のナノギャップ電極素子を同時に形成することが不可能であるという欠点がある。
【0007】
また、特定の基板上に比較的大きいギャップで離れている金属電極を形成し、金属電極パターンに電気端子を連結し、基板全体を特定の電解液に浸した後、電圧を印加し、金属電極パターンの表面に電極物質層を蒸着して電極物質層を厚くすることにより、ギャップの幅を益々減少させてナノギャップを形成する電気化学蒸着法を用いた方法は、工程が複雑であり、ナノギャップの大きさの調節が難しい。
【0008】
また、ナノチューブなどのナノ構造物を載せた後、金属物質を蒸着させて、ナノ構造物が持っている大きさに相当するだけのナノギャップを生成するシャドーマスクを用いた方法は、生成されるナノギャップの大きさが使用されるナノ構造物の大きさに依存し、所望の位置にナノギャップを生成することが難しい。このように既存の半導体工程技術などを用いる場合、経済的且つ効率的にナノギャップを大量生産することが難しく、その結果、ナノメートル水準の大きさを持つ物質、例えば単一分子、ナノパーティクル(nanoparticle)、タンパク質、DNAなどに対する特性を直接評価・分析することには制限があった。
【0009】
ところが、持続的な工程の発展によって、ナノメートルサイズの間隔を持つ電極を用いて、ナノメートル水準の大きさを持つ物質の直接的なハンドリング(handling)が可能になった。このような技術を用いて単一分子、ナノパーティクルの伝導度などの基本的な物理的、電気的特性を測定することも可能になる。さらに、分子を通じての電流の流れを調節してナノメートルサイズの整流器、トランジスタなどの電子素子の開発を行っている。また、タンパク質やDNAなどを、ナノメートルサイズの間隔を持つ電極の間に位置させ、その薬物投与による電気的特性の変化を観察するバイオ素子などの生命工学に関する研究も急速に反転を重ねている。このような分子電子素子およびバイオ素子などを開発することにおいて最も重要な技術は、ナノメートルサイズの小さい大きさを持つ物質を所望のところに固定することが可能な、ナノメートルサイズの間隔を持つ金属ナノギャップの形成技術である。
【0010】
したがって、より簡便で経済的かつ効率的にナノギャップを製作することは、当該分野における依然として残っている技術的課題である。
【特許文献1】米国特許第6,897,009号明細書
【特許文献2】韓国特許出願第2004−0082418号明細書
【非特許文献1】Appl. Phys. Lett 75, 301
【非特許文献2】Appl. Phys. Lett 80, 865
【非特許文献3】Appl. Phys. Lett 86, 123105
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、前述した問題点を解決するためのもので、その目的とするところは、半導体製造工程を用いて簡単かつ低コストでナノギャップを製作することを可能にするナノギャップ製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、こうして製作されたナノギャップを用いて、ナノサイズ物質の物理、化学的特性を研究することが可能なナノギャップセンサを製造することにある。
【0013】
本発明の別の目的は、前記ナノギャップおよびナノギャップセンサの製造方法によって一定サイズのナノギャップセンサを量産することを可能にするナノギャップセンサ製造方法を提供することにある。
【0014】
本発明の別の目的は、前記方法によって製造されたナノギャップセンサを用いて、ナノ水準の大きさを持つ物質の電気・化学的特性を観察する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明のある観点によれば、ナノギャップ形成用基板に対して特定の角度で異方性エッチングを行うことを含むナノギャップ製造方法を提供する。
【0016】
好ましくは、前記異方性エッチングは、基板の断面がV字状となるように(V字溝を形成するように)ドライまたはウェットエッチングを行うことを含み、好ましくは、異方性エッチングが可能なエッチング液(etchant)を用いてウェットエッチングを行うことを含む。
【0017】
好ましい一実施例として、本発明では、異方性エッチングが可能なエッチング液を用いてシリコン基板をウェットエッチングしてナノギャップを製造する方法を提示するが、本発明は、これに制限されず、異方性エッチングによってナノギャップを製造することが可能な基板として、シリコン、ガラス(glass)、セラミック、およびシリコン酸化膜の基板、並びに例えば金、銀、クロム、チタン、白金、銅、パラジウム、ITO(indium tin oxide)、またはアルミニウムなどの金属の基板など、公知のドライまたはウェット方式で異方性エッチング可能な基板を用いてナノギャップを製造することができる。特に好ましい様態として、前記方法は半導体製造工程を用いて行われることを含む。
【0018】
半導体製造工程において、シリコン基板上に所望の電子回路などを形成するために、化学的エッチングによってパターンを形成する方法は、当該分野で広く用いられている。この際、シリコン基板がエッチングされる形態によって、等方性エッチングと異方性エッチングに区分できるが、使用されるシリコン基板の種類およびエッチングのためのエッチング液の種類によって等方性または異方性エッチングを調整することができる。本発明では、ナノギャップを形成するための方法として、前記異方性エッチング法によるナノギャップの製作方法を採用した。
【0019】
ナノギャップとは、その大きさが特定の範囲に制限されるものではなく、一般に、当該分野では数ナノメートル〜数十または数百ナノメートルサイズの幅を持つギャップを呼ぶものと通称されている。このようなナノギャップは、具体的に後述するように、その上に電極を形成することにより、ナノメートル水準の大きさを持つ分子の特性評価、バイオ素子を用いた細胞、DNA、タンパク質、抗原−抗体などの分析を行うことが可能なナノギャップセンサとしてよく用いられている。本発明によれば、下記に詳述するように、分析する対象に応じてシリコン基板上のマスクパターンの大きさを調節することにより、所望のナノギャップの幅を容易且つ多様に調節することができる。
【0020】
本発明の好適な実施例によれば、前述したように、半導体製造工程で用いられている異方性エッチング法を適用することにより、簡便且つ低コストでナノギャップを容易に製造することが可能であり、ナノギャップの大量生産も可能である。
【0021】
異方性エッチングとは、エッチングされる基板の一定の方向の特殊面が他の面より速い速度でエッチングされることにより、エッチングされる形態が方向性を持つエッチング方法をいうが、本発明の場合、特に断面V字形の形状にエッチングされることをいう。これに反し、等方性エッチングとは、基板の全方向から同一の速度でエッチングされることにより、形成されるギャップの両側壁が基板の平面に対して垂直に真っ直ぐエッチングされる形態をいう。よって、異方性エッチングが行われる場合、基板上に実際エッチングされる部分(ギャップ)の幅が等方性エッチングに比べて一層狭く形成できる。これにより、ナノサイズのギャップを容易に形成することができる。
【0022】
シリコンは、全ての結晶方向に均一な速度を持つ等方性(isotropic)エッチングと、結晶方向によってエッチング速度が異なる異方性(anisotropic)エッチングの2つの性質を持っているが、多結晶(polycrystal)シリコンまたは非晶質(amorphous)シリコンはいずれも等方性性質を示すが、単結晶(single crystal)シリコンはエッチング溶液によって異方性と等方性の相異なる特性を示すことができる。一方、当該分野で市販されて周知、慣用的に用いられているシリコン基板としては、<100>、<110>、<111>などと知られているものがあるが、この中でも、本発明での如くV字形の異方性エッチングが可能なものは<100>基板である。よって、本発明に係るナノギャップ製造の際にはこのように等方性エッチングが可能なシリコン基板を使用することが好ましい。ところが、本発明の方法を適用するにおいては、断面V字形の形状に異方性エッチングが可能なものであれば、いずれのシリコン基板を使用することも可能である。これは<100>基板に限定されない。
【0023】
本発明によってウェットエッチングを用いて基板に異方性エッチングを行うための物質として、当該分野における公知の様々な異方性エッチング用エッチング液を使用することができるが、このようなエッチング液は、異方性エッチングを行う化合物であって、一般にKOH(potassium hydroxide)を水およびイソプロピルアルコールと混合して製造することができ、KOHの他にTMAH(tetramethyl ammonium hydroxide)またはEDP(ethylene diamine pyrocatechol)を使用することもできる。前記エッチング液の他にも、半導体製造技術などの関連分野で異方性エッチングに使用できる任意のエッチング液を、本発明の異方性エッチングのために使用することができる。
【0024】
一方、シリコン基板上にナノギャップを形成するために、本発明で使用する既存の半導体製造工程をより具体的に考察すると、これはシリコン基板上にマスク物質を蒸着する段階と、蒸着されたマスク物質の上部にフォトレジストを塗布する段階と、紫外線露光を行い、マスク物質の上部に塗布されたフォトレジストを現像する段階と、マスク物質を除去して、エッチングされる部分を露出させ、残余フォトレジストを除去する段階と、シリコン基板に対して断面V字形の形状に異方性エッチングを行ってナノギャップを形成する段階とを含むことができる。
【0025】
前記工程において、シリコン基板上にマスク物質を蒸着する段階は、シリコン基板の厚さと所望のナノギャップの大きさ(幅)から算出されるマスクパターンの大きさ(幅)に基づいてシリコン基板上にマスク物質を蒸着する段階から構成できる。すなわち、特定の厚さ(z)を持つシリコン基板があるとき、所望のナノギャップの大きさ、すなわち幅(wo)が定められると、下記数式1によって、シリコン基板上に蒸着されるマスク物質パターンの幅(w)が決定される。この際、エッチング角度θはシリコン基板に応じて所定の値に予め定められる。
【0026】
【数2】

【0027】
前記数式1によって、シリコン基板の厚さ(z)およびマスク物質のパターン幅(w)を調整することにより、本発明で製造されるシリコン基板上のナノギャップの幅(w)を容易に調整することができる。
【0028】
シリコン基板上に蒸着されるマスク物質としては、上述したシリコン基板に対して異方性エッチングを行うために使用するKOH、TMAH、EDPなどのエッチング液によりエッチングされない物質を使用することが好ましく、特に好ましくはシリコン窒化膜(Si)を使用することができる。ところが、マスク物質は、これに限定されず、SiOなど、当該分野における公知の任意のマスク物質を使用することができるのは勿論である。
【0029】
マスク物質の上部に塗布されたフォトレジストを現像する段階は、当該分野で広く知られているように、好ましくは紫外線露光によって行われ得る。その後、マスク物質を除去する段階は、当該分野で広く知られているような活性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)などの方法によって行われ、エッチングされるべき部分を露出させる。その後、レジストストリップ過程によって残余フォトレジストを除去することができる。レジストストリップ過程は、当該分野で通常用いられるように、アセトンに浸してフォトレジストを除去した後、メタノールで洗浄し、その後蒸留水で洗浄する工程で行われる。
【0030】
マスク物質の除去および残余フォトレジストの除去の後、好ましくは異方性エッチングが可能なエッチング液を用いてシリコン基板に対して断面V字形の形状に異方性エッチングを行うことにより、本発明に係るナノギャップを形成することができる。この際、好ましくは、前述したように異方性エッチングが可能なエッチング液によってシリコン基板をエッチングすることができるが、本発明の方法は、必ずしもこれに制限されるものではない。すなわち、例えばO、CFなどのガスを用いたドライエッチングなど、当該分野における公知の任意の方法によって基板を断面V字形の形状にエッチングすることにより、本発明に係るナノギャップを製造することができるのは、当該分野における通常の知識を有する技術者には自明なことである。よって、それらの変更および修正は本発明の範囲に含まれる。この際、使用される基板もこれに制限されないが、前述したように異方性エッチングが行われる<100>タイプのシリコン基板が好ましい。
【0031】
前述したような工程によってシリコン基板上にナノギャップを形成した後、本発明に係るナノギャップ製造方法は、好ましくはシリコン基板上の残余マスク物質を除去する段階をさらに含むことができる。シリコン基板上の残余マスク物質を除去する段階は、好ましくはHFなどを用いたウェットエッチングによって行われ得るが、必ずしもこれに限定されるものではなく、公知の任意の方法を用いてウェットまたはドライエッチングして除去することもできる。一方、使用されたシリコン基板がSOI(silicon on insulator)ウエハーの場合、ナノギャップ形成後の残余マスク物質の除去などと共に、ウェット或いはドライエッチングによって埋め込みシリコン酸化物(buried silicon oxide:SiO)を除去する工程をさらに含むことが好ましい。この際、HFなどを用いたウェットエッチングによって残余マスク物質と埋め込み物質を同時に除去することもできる。
【0032】
また、特に好ましい様態によれば、本発明に係るナノギャップ製造方法は、ナノギャップの大きさ(幅)をさらに減らすための工程として、シリコン基板上の残余マスク物質を除去する段階の後に酸化工程を行う段階をさらに含むことができる。本明細書に添付された図5から分かるように、前記工程によって製造されたナノギャップは、酸化工程によってその幅がさらに減少できることを確認することができる。酸化工程を行うと、図4に示すように、シリコン基板上に二酸化珪素(SiO)が形成されてナノギャップの幅が減少するという効果が生ずる。酸化工程は、高温、例えば約1000℃の炉内におけるドライ酸化工程によって行われてもよく、短時間内に二酸化珪素を多量形成してナノギャップの間を減らすウェット酸化工程(wet oxidation)によって行われてもよい。ウェット酸化工程はドライ酸化工程より時間が少なくかかり、ドライ酸化工程はウェット工程より良い密度を示す。ドライ酸化工程は、酸素ガスの注入によって珪素原子(Si)と酸素(O)との反応によって二酸化珪素(SiO)を形成するが、これに対し、ウェット酸化工程は、水蒸気を用いることにより、珪素原子(Si)と水分子(HO)とが反応して二酸化珪素(SiO)と水素ガス(H)を形成する。
【0033】
本発明は、別の様態として、前記本発明の方法によって製造されたナノギャップを用いたナノギャップセンサの製造方法を提供する。具体的に、前記ナノギャップセンサの製造方法は、前記方法によって製造されたナノギャップが形成された基板上に絶縁物質を蒸着する段階と、ナノギャップ電極を形成する段階とを含んでなる。
【0034】
前述したように、本発明に係るナノギャップは、その間にナノメートル水準の大きさを持つ分子や細胞、抗原−抗体などの生物学的試料を位置させることにより、それらの分子的特性または存在有無などを検出するためのバイオセンサとして用いられることが求められる。このため、ナノギャップセンサの提供は、ナノギャップ上に、センサの役割を果たす電極を形成する工程、および付加的にパッシベーション工程を行うことにより達成できる。
【0035】
ナノギャップ上に電極を形成する方法は、電極として用いられる金属の蒸着とフォト作業によって電極を形成することができる。この際、フォト作業はフォトレジストを塗布し、マスクパターンに応じて紫外線露光を行って現像した後、金属エッチング液によって、電極を形成した金属を除去し、その後フォトレジストを除去する段階で行われる。電極を形成する金属物質としては、伝導性がある限りは特に制限されないが、金、銀、クロム、チタン、白金、銅、アルミニウム、パラジウム、ITOまたはこれらの合金が好ましい。金属蒸着工程は、平均自由行路(mean free path)の長い電子ビーム蒸着方法を採用することが好ましい。
【0036】
金属蒸着の後、ナノギャップセンサのセンサ役割を果たす部分を除いた残部に対してAl、SiOなどの物質を用いてパッシベーション工程をさらに行うことができるが、パッシベーションは、反応させる物質がナノギャップセンサのセンサ以外の部分には付着しないようにすることにより、ナノギャップセンサを用いた測定の際により少ない試料が消費されるようにすることができる。パッシベーション工程も、平均自由行路の長い電子ビーム蒸着方法を用いて行うことができる。パッシベーション物質としては、前述した物質の他にも、絶縁物質であって電子ビーム蒸着が可能な他の物質も使用することができる。
【0037】
本発明の別の様態では、前記のように製造されたナノギャップセンサを提供する。
【0038】
前記のように製造された本発明に係るナノギャップセンサは、電圧−電流特性を備え、電気的、化学的、電気化学的、生物学的分析対象物の濃度によって電流が変わるか、或いはナノメートルサイズ水準の分析対象物と特異的結合体との間に生ずる結合イベントが前記センサの電圧−電流特性で検出可能な変化を起こすことを感知することができることを特徴とする、ナノギャップセンサである。
【0039】
前述したナノメートルサイズ水準の分析対象物とは、好ましくは細胞、DNA、タンパク質、抗原−抗体、酵素−基質などを意味する。したがって、本発明に係るナノギャップセンサは、好ましくはバイオセンサとして使用できる。この際、分析する対象に応じて、前記ナノギャップセンサは様々に変形可能であるが、例えばDNA分子を分析する場合には、両末端がチオール基で終わるDNAを電極に固定し、その上に、分析するDNAなどを付着させることが可能な金粒子などを固定して使用することができ、タンパク質分析の際には電極をガラス、高分子またはセラミックなどで塗布し、露出した電極部分にシステインなどの適切なリンカーを付けることにより、ここに分析するタンパク質が付着するようにすることもできる。また、抗体−抗原反応を分析しようとする場合には、前述したようなリンカーに特定の抗体を結合させた後、ここに特異的な抗原が結合するようにすることもできる。このように本発明に係るナノギャップセンサは、分析物に応じて、当業者に自明な様々な形態の修正または変形を含むように考慮できる。それらの変更および修正は全て本発明の範囲に属する。
【0040】
一方、本発明に係るナノギャップセンサの場合、前述したように、ナノギャップに形成された電極の表面にリンカーを介してまたはリンカーなしで直ちに電極の表面に抗体などの分析物を付着させることができることを特徴とする(図12)。これに反し、既存のナノギャップセンサでは、ナノギャップセンサを構成する電極の間の底部に分析対象物を付着させて測定する方法を使用する(図11)。本発明に係るナノギャップセンサにおいても、電極の間の底部に分析物を付着させて測定することもできるが、前述したように、電極に直接分析物を付着させることにより、測定する分子をより簡便に固定することができ、分析に必要な試料の量も既存のナノギャップセンサに比べて少量消費される。したがって、このようにナノギャップの電極上に直接分析物を付着させることができるように構成された本発明に係るナノギャップセンサが既存のナノギャップセンサに比べてより有用である。
【0041】
本発明の別の様態では、前述したように製造された本発明に係るナノギャップセンサを用いて、ナノメートルサイズ水準の物質、例えば生物学的試料などの特性および電気、化学的性質などを分析する方法を提供する。
【発明の効果】
【0042】
上述した本発明に係るナノギャップおよびナノギャップセンサの製造方法によれば、半導体製造工程技術を用いて、高価の装備を使用することなく簡単且つ容易にナノギャップおよびナノギャップセンサを量産することができ、これにより多様な電極の生成、多様な物質の電気的特性の測定および多様なセンサへの応用が可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の一実施例に係る、シリコン基板を用いたナノギャップセンサの製作方法について詳細に説明する。
【0044】
図1は本発明の一実施例に係るナノギャップ製作方法の動作過程を示す概略順序図、図2は本発明の方法によってナノギャップを製造するためのシリコンの厚さとマスクパターンのサイズに対するギャップサイズの設定を数学的に説明するための図、図3は本発明の一実施例によってナノギャップセンサ製作方法の各工程を示す概略断面図、図4はシリコン酸化工程による二酸化珪素(SiO)の形成を説明するための図、図5は酸化工程の後にギャップの大きさが減少した様子を示す図である。
【0045】
まず、図2に示すように、シリコン基板10の厚さと所望のナノギャップの大きさから算出されるマスクパターンの大きさに基づいてシリコン基板10上にマスク物質20を蒸着する(S10)(図3のa参照)。シリコン基板の厚さは、ナノギャップセンサにおいて基板上に金属を蒸着し得る程度の強度を持つことができれば、特に制限されない。上述したように、好ましくは、シリコン基板10は異方性エッチングが可能な<100>タイプを使用する。
【0046】
前述したように、シリコン基板10上に蒸着されるマスク物質20は、異方性エッチングのためのKOH、TMAH、EDPなどのエッチング液によってエッチングされないシリコン窒化膜(Si)またはSiOなどを使用することが好ましい。
【0047】
上述した段階(S10)によってシリコン基板10上にマスク物質20を蒸着した後、蒸着されたマスク物質20の上部にフォトレジスト30を塗布する(S20)(図3のb参照)。マスク物質20の上部にフォトレジスト30を塗布した後には、紫外線(UV)露光を行い、マスク物質20の上部に塗布されたフォトレジストを現像する(S30)(図3のc参照)。そして、活性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を介してマスク物質20を除去して、エッチングされる部分を露出させ、残余フォトレジスト30を除去する(S40)(図3のd参照)。
【0048】
その後、エッチング液を用いてシリコン基板10に対して断面V字形の形状に異方性エッチングを行ってナノギャップを形成する(S50)(図3のe参照)。この際、シリコン基板10の厚さをエッチング率(etch rate)で割ると、必要なエッチング時間を計算することができる。
【0049】
異方性エッチングによってナノギャップを形成した後には、シリコン基板10上の残余マスク物質20と埋め込まれた二酸化珪素40を除去する(S60)(図3のf参照)。この際、残余マスク物質20と埋め込まれた二酸化珪素40を除去する方法として、HFウェットエッチングを行うことが最も好ましいが、これに限定されない。
【0050】
次に、ナノギャップの大きさを減らすための酸化工程を行う(S70)。図5は酸化工程によってナノギャップの大きさが減少することを説明した図である。酸化工程を行うと、図4に示すように、シリコン基板上に二酸化珪素(SiO)が形成されるが、二酸化珪素を短時間内に多量形成してナノギャップの大きさを速く減らすためには、ウェット酸化工程(wet oxidation)を行うことが好ましい。
【0051】
ナノギャップを形成した後、センサの役割を果たす電極を形成し、その後パッシベーション工程を行う。電極の形成は、フォト作業によって、電極として用いる金属を、ナノギャップを形成する両側壁上に蒸着させることにより行われる。金属蒸着過程において、平均自由行路の長い電子ビーム蒸着方法を用いることが好ましく、金属蒸着の後、パッシベーション過程においても、パッシベーションすべき物質を平均自由行路の長い電子ビーム蒸着方法を用いて蒸着させることが好ましい。電極を形成する金属物質は、伝導性がある限りは特に制限されないが、好ましくは金、白金、銅、またはこれらの合金である。
【0052】
以下、本発明を好適な実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、下記実施例に限定されるものではなく、当該分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想の範囲内において各種変形が可能なのは明らかである。
【実施例】
【0053】
〔実施例1:ナノギャップの製作〕
厚さ500μmの4インチ<100>シリコン基板を準備し、エッチング液としてKOHを準備した。この際、図2におけるθ値は約54.6°(理論的には54.74°)である。このようにθ値とシリコン基板の厚さが定められることにより、図2に示した数式によって幅が714μmと決定された長方形の形状を持つフォトマスクを準備した。
【0054】
準備されたシリコン基板上に、エッチング液としてのKOHによりほぼエッチングされないSiをLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)を用いて200nmの厚さに蒸着し、その後蒸着されたSiの上部にフォトレジストAZ5214E(米国、Clariant社製)を2μmの厚さに塗布した後、紫外線露光を行い、Siの上部に塗布されたフォトレジストを現像した。
その後、長方形のパターン部分のフォトレジストを除去し、活性イオンエッチングによってSiを除去することにより、KOHによってエッチングが行われる部分を露出させた。
【0055】
次いで、残余フォトレジストの除去およびクリーニングを行った後、均一且つ高いエッチング率を得るために20%のKOHを用いて80℃で約6時間異方性エッチングを行うことにより、ナノギャップを形成した。この際のエッチング率は約1.4μm/min程度である。図7の電子顕微鏡写真は、このようにKOHを用いて異方性エッチングを行った後、生成されたナノギャップの模様を示す。
その次、異方性エッチングにより生成されたナノギャップの大きさをさらに減らすために、シリコン基板上の残余Siを、49%のHFを用いたウェットエッチングによって除去し、綺麗にクリーニング処理した後、1000℃の炉(furnace)でドライ酸化工程を行った。図8の電子顕微鏡写真は、このような酸化工程によってナノギャップの大きさがさらに減少したことを示す。
【0056】
〔実施例2:ナノギャップセンサの製作〕
トップシリコンが1μmの厚さを有し、375nmの埋め込み二酸化珪素(buried silicon dioxide)を持つ4インチ<100>シリコン基板を準備し、エッチング液としてKOHを準備した。図2におけるθ値が約54.6°(理論的に54.74°)と設定されることにより、図2に示した数式によって幅が1.4μmと決定された長方形のフォトマスクを準備した。
【0057】
準備されたシリコン基板上に、エッチング液としてのKOHによりほぼエッチングされないSiをLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)を用いて200nmの厚さに蒸着し、蒸着されたSiの上部にフォトレジストAZ5214E(米国、Clariant社製)を2μmの厚さに塗布した後、紫外線露光を行い、Siの上部に塗布されたフォトレジストを現像した。その後、長方形からなるパターン部分のフォトレジストを除去し、活性イオンエッチングによってSiを除去することにより、KOHによりエッチングが行われる部分を露出させた。
【0058】
次いで、残余フォトレジストの除去およびクリーニングを行った後、均一且つ高いエッチング率を得るために20%のKOHを用いて80℃で約60〜90秒間異方性エッチングを行うことにより、ナノギャップを形成した。この際、エッチング率は約1.4μm/min程度である。
【0059】
その次、異方性エッチングにより生成されたナノギャップの大きさをさらに減らすために、シリコン基板上の残余Siを49%のHFを用いてウェットエッチングによって除去し、綺麗にクリーニング処理した後、1000℃の炉でドライ酸化工程を行った。
図6はこのようにKOHを用いて異方性エッチングを行った後、HFウェットエッチングを行うことにより生成されたナノギャップの電子顕微鏡写真である。
【0060】
次いで、電子ビーム蒸着器を用いて電極形成物質としてのCr/Auを蒸着し、フォト作業によって電極を形成した後、電子ビーム蒸着器を用いてAlを蒸着してセンサ部分以外の残部をパッシベーションすることにより、ナノギャップセンサを製作した。
【0061】
〔実施例3:ナノギャップセンサを用いた生体物質の測定〕
実施例2で製作されたナノギャップセンサによって生体物質の測定を行う。前記ナノギャップセンサの露出した金電極部分に、抗体と安定的に結合可能なリンカーをまず付着させた後、ここに抗−PSA(prostate specific antigen)抗体を結合させた。この際、使用したリンカーは、本発明者等によって韓国特許出願第2006−57140号に開示されたような、N末端に3つのシステインがタグれたタンパク質Gリンカーを使用した。固体支持体に抗体を安定的に結合させるためにタンパク質Gを変形して使用した例があったが、前記韓国特許出願第2006−57140号に開示されたタンパク質Gリンカーの場合、N末端に1〜5個のシステインをタグすることにより、より安定的に抗体を固定することができることを見出し、特にシステインを1〜3個結合させたタンパク質Gがより安定的に抗体を固定することをできることを見出した。この際、タンパク質Gはタンパク質G全体を使用することもできるが、抗体結合部位であるB1およびB2領域のみを取って、そのN末端に1〜5個のシステインをタグしたものと同一の効果を示すことを確認した。したがって、本発明では、タンパク質GのB1およびB2領域のN末端にシステインがタグされたリンカーを使用した。前記リンカーのN末端システインは、金との親和度を持つことにより、本発明に係るナノギャップセンサの金電極上によく吸着した。本実施例では、このようなリンカーが付いたナノギャップセンサ上に抗−PSA抗体を固定した後、ここに10ng/mL、1ng/mLおよび100pg/mLの濃度でPSAを適用させてナノギャップセンサの電流を測定した。
【0062】
図9はこのような方法によって製作された本発明に係るナノギャップセンサ上に抗体および抗原が適用された様子を概略的に示す。図10は前記方法によって製作されたナノギャップセンサによって前記PSAの濃度による電流の変化を測定して示すグラフである。
【0063】
以上、本発明を好適な実施例によって説明したが、これは例示のためのものに過ぎず、当該技術分野における熟練した技術者であれば、下記特許請求の範囲に記載された本願発明の思想および領域から逸脱しない範囲内において、本発明に様々な修正および変更を加え得ることが理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施例に係るナノギャップセンサの製造工程を示す概略順序図である。
【図2】本発明の方法に係るナノギャップセンサの製作のためのシリコンの厚さとマスクパターンの幅によるギャップサイズ(幅)の設定を数学的に説明するための図である。
【図3】本発明の一実施例によってナノギャップセンサを製作する各工程の段階を示す断面図である。
【図4】酸化工程によるナノギャップ上の二酸化珪素(SiO)の形成を説明するための図である。
【図5】酸化工程の後にギャップの大きさが減少した様子を示す図である。
【図6】本発明のナノギャップ製造方法によって得られたナノギャップの電子顕微鏡写真である。
【図7】図6に示したナノギャップにおけるギャップの大きさを示す電子顕微鏡写真である。
【図8】本発明の方法によって製造されるナノギャップにおいて酸化工程の処理前と後のギャップサイズの差異を比較することが可能なナノギャップの電子顕微鏡写真である。
【図9】本発明によって製造されたナノギャップセンサに抗体を付着させて抗原を検出する状態を示す概略図である。
【図10】センサ適用実験結果を示すグラフである。
【図11】既存のナノギャップセンサに生体分子を付着させる方法を示す概略図である。
【図12】本発明よって製造されたナノギャップセンサの電極の表面に抗体を直接付着させた状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0065】
10 シリコン基板
20 マスク物質
30 フォトレジスト
40 埋め込み二酸化珪素
50 電極物質
60 パッシベーション物質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して異方性エッチングを行うことを含む、ナノギャップ製造方法。
【請求項2】
前記基板が、シリコン、シリコン酸化物、ガラス、セラミックまたは金属からなる基板である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属基板が金、銀、クロム、チタン、白金、銅、パラジウム、ITO(indium tin oxide)またはアルミニウムからなる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基板がシリコン基板またはシリコン酸化物基板である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記基板が断面V字形の形状にエッチングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記シリコン基板が単結晶シリコン基板である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記シリコン基板が<100>タイプである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記異方性エッチングが可能なエッチング液でエッチングする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記エッチング液がKOH、TMAH、およびEDPのうちいずれか一つである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ドライエッチングを行う、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板をエッチングする前に、
a)前記基板上にマスク物質を蒸着する段階と、
b)蒸着された前記マスク物質の上部にフォトレジストを塗布する段階と、
c)塗布された前記フォトレジストを現象する段階と、
d)前記マスク物質を除去して、エッチングされる部分を露出させる段階とを含む、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
前記マスク物質がシリコン窒化膜(Si)である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ナノギャップのサイズが、下記数式1によって前記基板の厚さおよびマスクパターンの幅を決定することにより調節される、請求項11に記載の方法。
【数1】

(式中、 θはエッチング角度, zは前記基板の厚さ、wは前記マスク物質のパターン幅、wは製造されるナノギャップの幅を示す。)
【請求項14】
前記フォトレジストの現象が、紫外線露光を行うことによりなされる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記マスク物質を除去して、エッチングされる部分を露出させる段階が、活性イオンエッチングによって行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記マスク物質を除去して、エッチングされる部分を露出させた後、残余フォトレジストを除去する段階をさらに含む、請求項11または15に記載の方法。
【請求項17】
前記基板のエッチング後、前記基板上の残余マスク物質を除去する段階をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記残余マスク物質がウェットまたはドライエッチングによって除去される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
HFを用いたウェットエッチングによって前記残余マスク物質を除去する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
製造された前記ナノギャップの幅を減らすための酸化工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記酸化工程が、HFを用いたウェットエッチングによって行われる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項の方法によって製造されるナノギャップ。
【請求項23】
請求項22のナノギャップに電極を形成することを含む、ナノギャップセンサの製造方法。
【請求項24】
前記電極が、金、銀、クロム、チタン、白金、銅、アルミニウム、パラジウム、ITOまたはこれらの合金をナノギャップ上に蒸着させて形成される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記電極の形成が電子ビーム蒸着によって行われる、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
パッシベーション工程をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記パッシベーション工程が、AlまたはSiOをナノギャップセンサのセンサ部分を除いた残部に蒸着させる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記パッシベーション工程が電子ビームの蒸着によって行われる、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
請求項23〜28のいずれか1項の方法によって製造されるナノギャップセンサ。
【請求項30】
分析対象物の電気的特性の変化を感知する、請求項29に記載のナノギャップセンサ。
【請求項31】
分析対象物の化学的特性の変化を感知する、請求項29に記載のナノギャップセンサ。
【請求項32】
分析対象物の電気化学的特性の変化を感知する、請求項29に記載のナノギャップセンサ。
【請求項33】
分析対象物の生物学的特性の変化を感知する、請求項29に記載のナノギャップセンサ。
【請求項34】
前記分析対象物がナノギャップセンサの電極に付着する、請求項30〜33のいずれか1項に記載のナノギャップセンサ。
【請求項35】
前記分析対象物が、ナノギャップセンサの電極の表面に付いたリンカーを介して電極に付着する、請求項34に記載のナノギャップセンサ。
【請求項36】
前記分析対象物がヌクレオチド、タンパク質、抗原、抗体、または酵素または酵素の基質である、請求項30〜33のいずれか1項に記載のナノギャップセンサ。
【請求項37】
前記抗原が前立腺癌標識物質としてのPSAである、請求項36に記載のナノギャップセンサ。
【請求項38】
前記電極の表面に抗体の結合のためのリンカーが付いた、請求項29に記載のナノギャップセンサ。
【請求項39】
前記リンカーが、N末端にシステインがタグされたタンパク質Gまたはその抗体結合領域を含む断片である、請求項38に記載のナノギャップセンサ。
【請求項40】
前記リンカーが、N末端に3つのシステインがタグされたタンパク質GのB1およびB2領域を含む断片である、請求項39に記載のナノギャップセンサ。
【請求項41】
前記リンカーに結合した抗体を含む、請求項38〜40のいずれか1項に記載のナノギャップセンサ。
【請求項42】
前記電極が金からなる、請求項39〜41のいずれか1項に記載のナノギャップセンサ。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−521332(P2009−521332A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536478(P2008−536478)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【国際出願番号】PCT/KR2006/003517
【国際公開番号】WO2007/046582
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(505093367)コリア リサーチ インスティチュート オブ バイオサイエンス アンド バイオテクノロジー (13)
【Fターム(参考)】