説明

ナビゲーション装置

【課題】右折車が停止している頻度の高い右折停止地点で安全に走行できるように運転者を支援することが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】自車両2の前方で停止している右折停止車両が、右折専用車線内で停止していない場合には(S11〜S13:NO)、CPU41は、自車位置(停止位置)、停止時間等の「停止情報」を走行履歴DB22に記憶する(S16、S17)。そして、走行履歴DB22から所定期間の「停止情報」を読み出し、この停止位置での停止頻度が高い場合には(S18:YES)、CPU41は、この停止位置は、右折停止車両が多い地点であるとして、該停止位置を右折停止地点情報23に格納する(S19)。また、この停止位置での停止頻度が高くない場合でも、平均停止時間が長い場合には、CPU41は、この停止位置を右折停止地点情報23に格納する(S20:YES、S19)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両前方で右折するために停止する右折停止車両を予測し、該右折停止車両を回避して安全に走行できるように運転者を支援することが可能なナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、安全に走行できるように運転者を支援することが可能なナビゲーション装置が提案されている。
例えば、過去の交通事故に関するデータを事故データ取得手段が取得し、一方、自動車の現在の走行状況に関するデータを走行状況データ取得手段が取得する。そして、警告実行手段は、自動車が現在走行している区域での事故データと現在の走行状況データを比較し、両者の共通性が高い場合に自動車の乗員に対して警告を行うように構成されたナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−306458号公報(段落(0009)〜(0017)、図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたナビゲーション装置では、過去の事故情報に基づくものであり、事故以外の危険な状況は考慮されていない。例えば、交差点でない場所や、右折専用車線が無い交差点では、右折車が停止すれば交通の流れを乱し、後続車は急な停止や右折車を避けて走行する必要があるが、そのような状況において、安全に走行できるように運転者を支援することができないという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、右折車が停止している頻度の高い右折停止地点を検出して、予め登録することが可能となり、引いては、自車両前方の右折車が停止している頻度の高い右折停止地点で安全に走行できるように運転者を支援することが可能なナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係るナビゲーション装置は、自車両の走行道路前方で右折するために停止している右折停止車両を検出する右折停止車両検出手段(51、52)と、自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段(11)と、地図情報(26)と前記現在位置検出手段によって検出した現在位置情報とに基づいて前記右折停止車両の右折停止地点を検出する右折停止地点検出手段(13)と、自車両が前記右折停止車両の手前で停止又は所定速度以下に減速したか否かを判定する停止判定手段(13、21)と、自車両が前記右折停止車両の手前で停止又は所定速度以下に減速したと判定した場合には、該右折停止車両の前記右折停止地点を含む停止情報を記憶する停止情報記憶手段(22)と、前記停止情報記憶手段に記憶される停止情報に基づいて該右折停止地点に対する停止頻度が所定頻度以上か否かを判定する停止頻度判定手段(13)と、該右折停止地点に対する停止頻度が所定頻度以上であると判定した場合には、この右折停止地点を右折停止車両が多い地点として記憶する右折停止地点情報記憶手段(23)と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置(1)において、前記右折停止地点検出手段によって検出した前記右折停止車両の右折停止地点と地図情報とに基づいて該右折停止車両が右折専用車線で停止しているか否かを判定する車線判定手段(13)を備え、前記停止情報記憶手段は、該右折停止車両が右折専用車線で停止していると判定した場合には、前記右折停止地点を含む停止情報を記憶しないことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置(1)において、渋滞情報を含む交通情報を受信する受信手段(17)と、前記交通情報に基づいて自車位置の進行方向前方に渋滞があるか否かを判定する渋滞判定手段(13)と、を備え、前記停止情報記憶手段は、自車位置の進行方向前方に渋滞があると判定した場合には、前記右折停止地点を含む停止情報を記憶しないことを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係るナビゲーション装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置(1)において、前記地図情報と現在位置情報とに基づいて前記右折停止地点情報記憶手段に記憶されている右折停止地点が自車位置から進行方向の所定距離以内に存在するか否かを判定する地点判定手段(13)と、該右折停止地点情報記憶手段に記憶されている右折停止地点が自車位置から進行方向の所定距離以内に存在すると判定した場合には、該右折停止地点を回避するように運転者に警告する警告手段(16)と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
更に、請求項5に係るナビゲーション装置は、自車両の走行道路前方で右折するために停止している右折停止車両を検出する右折停止車両検出手段(51、52)と、自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段(11)と、地図情報(26)と前記現在位置検出手段によって検出した現在位置情報とに基づいて前記右折停止車両の右折停止地点を検出する右折停止地点検出手段(13)と、前記右折停止地点検出手段によって検出した前記右折停止車両の右折停止地点と地図情報とに基づいて該右折停止車両が右折専用車線で停止していないか否かを判定する車線判定手段(13)と、該右折停止車両が右折専用車線で停止していないと判定した場合には、この右折停止車両の前記右折停止地点を含む停止情報を記憶する停止情報記憶手段(22)と、前記停止情報記憶手段に記憶される停止情報に基づいて該右折停止地点に対する停止頻度が所定頻度以上か否かを判定する停止頻度判定手段(13)と、該右折停止地点に対する停止頻度が所定頻度以上であると判定した場合には、この右折停止地点を右折停止車両が多い地点として記憶する右折停止地点情報記憶手段(23)と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーション装置では、自車両の走行道路前方で右折するために停止している右折停止車両を検出した場合には、地図情報と自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)から右折停止車両の右折停止地点を検出する。そして、自車両がこの右折停止車両の手前で停止又は所定速度以下に減速したと判定した場合には、該右折停止車両の右折停止地点を含む停止情報を記憶する。そしてまた、この右折停止地点に対する停止頻度が所定頻度以上であると判定した場合には、この右折停止地点を右折停止車両が多い地点として記憶する。
これにより、停止頻度が所定頻度以上である右折停止地点は、右折停止車両が多い地点として記憶されるため、自車両の走行道路前方に右折停止車両が停止している頻度の高い右折停止地点がある場合には、この右折停止地点を回避して安全に走行できるように運転者を支援することが可能となる。
【0011】
また、請求項2に係るナビゲーション装置では、右折停止車両が右折専用車線で停止していると判定した場合には、右折停止地点を含む停止情報を記憶しないため、右折停止車両の右折専用車線でない道路での停止頻度が所定頻度以上である右折停止地点だけが、右折停止車両が多い地点として記憶される。このため、右折専用車線がない道路において、自車両の走行道路前方に右折停止車両が停止している頻度の高い右折停止地点がある場合には、この右折停止地点を回避して安全に走行できるように運転者を支援することが可能となる。
【0012】
また、請求項3に係るナビゲーション装置では、受信した交通情報に基づいて自車位置の進行方向前方に渋滞があると判定した場合には、右折停止車両の右折停止地点を含む停止情報を記憶しない。これにより、渋滞の無いときに停止している右折停止車両の右折停止地点を含む停止情報だけを記憶することができるため、右折停止車両が多い右折停止地点を正確に検出して記憶でき、この右折停止地点に対する停止頻度の信頼性の向上を図ることができる。
【0013】
また、請求項4に係るナビゲーション装置では、右折停止車両が多い地点として記憶された右折停止地点が自車位置から進行方向の所定距離以内に存在すると判定した場合には、警告手段を介して該右折停止地点を回避するように運転者に警告することができ、運転者が右折停止車両が停止している頻度の高い右折停止地点で安全に走行できるように支援することが可能となる。
【0014】
更に、請求項5に係るナビゲーション装置では、自車両の走行道路前方で右折するために停止している右折停止車両を検出した場合には、地図情報と自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)から右折停止車両の右折停止地点を検出する。そして、この右折停止車両が右折専用車線で停止していないと判定した場合には、該右折停止車両の右折停止地点を含む停止情報を記憶する。そしてまた、この右折停止地点に対する停止頻度が所定頻度以上であると判定した場合には、この右折停止地点を右折停止車両が多い地点として記憶する。
これにより、停止頻度が所定頻度以上である右折停止地点は、右折停止車両が多い地点として記憶されるため、自車両の走行道路前方に右折停止車両が停止している頻度の高い右折停止地点がある場合には、この右折停止地点を回避して安全に走行できるように運転者を支援することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係るナビゲーション装置について具体化した実施例1及び実施例2に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
先ず、実施例1に係るナビゲーション装置が搭載される車両の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は実施例1に係るナビゲーション装置1が搭載される車両2の概略構成図である。
【0017】
図1に示すように、車両2に対して設置されたナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13には、CCDカメラ等を駆動制御するカメラECU(Electronic Control Unit)51が電気的に接続されている。また、車両2のルームミラー付近には、CCDカメラ等により構成されて車両前方を撮像する前方撮像用カメラ52が設置されている。
【0018】
また、ナビゲーション装置1は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、液晶ディスプレイ15に地図や目的地までの探索経路を表示すると共に、スピーカ16によって経路案内に関する音声ガイダンスを出力する。また、ナビゲーション装置1は、所定の条件を満たした場合には、後述のようにカメラECU51に制御信号を送信し、前方撮像用カメラ52による右折停止車両の検出データを受信する。また、カメラECU51は、ナビゲーション装置1から受信した制御信号に基づいて、前方撮像用カメラ52の映像信号を画像処理して前方に停止している右折停止車両を検出して、この検出信号を出力する電子制御ユニットで、前方撮像用カメラ52が接続されている。
【0019】
次に、実施例1に係る車両2の制御系に係る構成について特にナビゲーション装置1を中心にして図2及び図3に基づき説明する。図2は車両2に搭載されるナビゲーション装置1を中心とした制御系を模式的に示すブロック図である。図3は、ナビゲーション装置1と道路交通情報センタ(VICS:登録商標)3や情報配信センタ6との通信を説明する説明図である。
【0020】
図2に示すように、車両2の制御系は、ナビゲーション装置1と、このナビゲーション装置1に対して電気的に接続されたカメラECU51を基本にして構成され、各制御装置に対して所定の周辺機器が接続されている。
【0021】
このナビゲーション装置1は、自車両2の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、道路交通情報センタ(VICS:登録商標)等の情報センタとの間で相互に通信を行う通信装置17と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部13には、自車両2の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0022】
また、図3に示すように、ナビゲーション装置1は、ネットワーク2を介して道路交通情報センタ(VICS)3が接続されている。そして、ナビゲーション装置1は、ネットワーク2を介して道路交通情報センタ(VICS)3から警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や交通規制情報等の道路交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。また、この道路交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報は、道路渋滞情報の場合、VICSリンクID、渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等であり、交通規制情報の場合、VICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
【0023】
また、ナビゲーション装置1は、ネットワーク2を介して情報配信センタ6が接続されている。そして、該情報配信センタ6は、ナビゲーション装置1からネットワーク2を介して地図情報を更新する為の更新情報や他車両から収集した後述の右折停止地点データを配信するように要求された場合には、通信装置61を介して地図情報を更新する為の更新情報や右折停止地点DB62に格納される他車両から収集した後述の右折停止地点データを該ナビゲーション装置1に対して配信する。
【0024】
また、ネットワーク2としては、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0025】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明する。
図2に示すように、現在地検出処理部11は、GPS31、地磁気センサ32、距離センサ33、ステアリングセンサ34、方位検出部としてのジャイロセンサ35、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車両2の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0026】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車両2の現在位置及び現在時刻を検出し、地磁気センサ32は、地磁気を測定することによって自車方位を検出し、距離センサ33は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ33としては、例えば、自車両2の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等を使用することができる。
【0027】
また、ステアリングセンサ34は自車両2の舵(だ)角を検出する。ここで、ステアリングセンサ34としては、例えば、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0028】
そして、ジャイロセンサ35は自車両2の旋回角を検出する。ここで、ジャイロセンサ35としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ35によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0029】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された走行履歴DB22、交通情報DB24、地図情報DB25及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、実施例1においては、データ記録部12の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0030】
また、走行履歴DB22には、後述のように右折専用車線以外で前方の右折停止車両のために停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速した場合に、この停止した座標位置、停止年月日、停止時刻、停止時間、停止回数等から構成される「停止情報」が順次記憶される。
また、この走行履歴DB22には、後述のように右折停止車両のために停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速する可能性が高い右折停止地点に関する座標位置等が記憶される右折停止地点情報23が格納されている。
【0031】
また、交通情報DB24には、道路交通情報センタ(VICS)3から受信した渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報から作成した渋滞情報が格納されている。また、この交通情報DB24には、道路交通情報センタ(VICS)3から受信した交通規制のある道路工事、建築工事等による交通規制情報等に関する道路交通情報から作成した交通規制情報が格納されている。
【0032】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。ここで、ナビ地図情報26には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
そして、地図情報DB25の内容は、情報配信センタ3から通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0033】
ここで、特に地図表示データとしては、10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。
【0034】
また、ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクの識別番号であるリンクIDのリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記録される。
【0035】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
【0036】
また、探索データとしては、設定された目的地までの経路を探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、ノードを通過する際のコスト(以下、ノードコストという)や道路を構成するリンクのコスト(以下、リンクコストという)からなる探索コストを算出する為に使用するコストデータ、経路探索により選択された誘導経路を液晶ディスプレイ15の地図上に表示するための経路表示データ等から構成されている。
【0037】
また、店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDとともに記録される。なお、前記地図情報DB25には、所定の情報をナビゲーション装置1のスピーカ16によって出力するための音声出力データも記録される。
【0038】
また、図2に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の右折停止車両のために停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速する可能性が高い地点の登録を行う登録処理プログラム等(図4、図13参照)が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
ここで、前記RAM42、ROM43、フラッシュメモリ44等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としては、CPU41に代えてMPU等を使用することも可能である。
【0039】
また、実施例1においては、前記ROM43に各種のプログラムが記憶され、前記データ記録部12に各種のデータが記憶されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0040】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0041】
操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種のキー等の複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部14としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0042】
また、液晶ディスプレイ15には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示され、また、後述のように右折停止車両のために停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速する可能性が高い右折停止地点に近づいた場合には、右折停止地点の回避を案内する案内表示や該右折停止地点が近い旨の警告表示等が表示される。尚、液晶ディスプレイ15の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ等を使用したり、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することも可能である。
【0043】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、誘導経路に沿った走行案内や、右折停止車両のために停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速する可能性が高い右折停止地点に近づいた場合には、右折停止地点の回避を案内する音声案内や該右折停止地点が近い旨を警告する音声案内を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「前方150m先に右折車両がいる可能性があります。左車線に車線変更して下さい。」等がある。なお、スピーカ16より出力される音声としては、合成された音声のほかに、各種効果音、予めテープやメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0044】
そして、通信装置17は、情報配信センタ6と通信を行う通信手段であり、情報配信センタ6との間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信や、右折停止地点データの送受信を行う。また、情報配信センタ6に加えて、道路交通情報センタ(VICS)3等から送信された渋滞情報、交通規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る道路交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信する。また、通信装置17はLAN、WAN、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器である。更に、通信装置17は道路交通情報センタ(VICS)3からの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。尚、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0045】
また、カメラECU51は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部51Aを備えると共に、この受信した制御情報に基づき前方撮像用カメラ52を制御すると共に画像認識を行う画像認識部51Bを備えている。
【0046】
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する右折停止車両のために停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速する可能性が高い右折停止地点を自動登録する処理について図4乃至図12に基づいて説明する。
図4は実施例1に係るナビゲーション装置1のCPU41が実行する右折停止車両のために停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速する可能性が高い右折停止地点を自動登録する登録処理を示すフローチャートである。図5乃至は図8は右側方向指示器を点灯して停止している前方車のために自車両2が停止した一例を示す図である。図9乃至図12は自車両2の前方に停止している停止車両の更に前方に右折停止車両が停止している場合の一例を示す図である。
尚、図4にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により一定時間毎(例えば、10msec〜100msec毎)に実行される。
【0047】
図4に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、自車両2が停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速した場合には、現在地検出処理部11により自車両2の現在位置(以下、「自車位置」という。)及び自車両2の向きを表す自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)と自車方位をRAM42に記憶する。また、CPU41は、ナビ地図情報26から案内経路上における、自車両2の進行方向前方の交差点の有・無、信号機の有・無、車線数、右折専用車線の有・無等を読み出し、RAM42に記憶する。
【0048】
続いて、S12において、CPU41は、前方撮像用カメラ52を介して自車両2の前方に右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両があるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、前方撮像用カメラ52を介して自車両2の前方に右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両があると判定した場合には(S12:YES)、CPU41は、S13の処理に移行する。
【0049】
S13において、CPU41は、前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両は、右折専用車線内で停止しているか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、CPU41は、上記S11でRAM42に記憶した右折専用車線に関する地図情報に基づいて、前方撮像用カメラ52に映っている前方車の位置情報と自車位置とから、該前方車が右折専用車線内で停止しているか否かを判定する。そして、前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両が右折専用車線内で停止していると判定した場合には(S13:YES)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両が右折専用車線内で停止していないと判定した場合には(S13:NO)、CPU41は、S16の処理に移行する。
【0050】
ここで、前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両が右折専用車線内で停止していないと判定する場合の一例について図5乃至図8に基づき説明する。
先ず、図5に示すように、信号機71のある交差点72において、信号機71が直進可能状態になっても、各対向車両201、202等のように対向車両が多いため、右折停止車両101が交差点72の右折専用車線でない位置で右側方向指示器を点灯した状態で停止している。また、自車両2の進行方向の左側車線も各車両301、302等のように走行車両が多く車線変更をすることができないため、自車両2が右折停止車両101の手前で停止した場合には、CPU41は、上記S11でRAM42に記憶した右折専用車線に関する地図情報と自車位置とに基づいて、前方撮像用カメラ52に映っている前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両101が右折専用車線内で停止していないと判定して(S13:NO)、S16の処理に移行する。
【0051】
また、図6に示すように、信号機の無い交差点73において、各対向車両201、202等のように対向車両が多いため、右折停止車両101が交差点72の右折専用車線でない位置で右側方向指示器を点灯した状態で停止している。また、自車両2の走行している車線の幅員が狭いため、自車両2が右折停止車両101の手前で停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速した場合には、CPU41は、上記S11でRAM42に記憶した右折専用車線に関する地図情報と自車位置とに基づいて、前方撮像用カメラ52に映っている前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両101が右折専用車線内で停止していないと判定して(S13:NO)、S16の処理に移行する。
【0052】
また、図7に示すように、対向車線を挟んで向かい側にコンビニエンスストア等の販売店401がある場合に、各対向車両201、202等のように対向車両が多いため、右折停止車両101が右側方向指示器を点灯した状態で停止している。また、自車両2の走行している車線の幅員が狭いため、自車両2が右折停止車両101の手前で停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速した場合には、CPU41は、上記S11でRAM42に記憶した右折専用車線に関する地図情報と自車位置とに基づいて、前方撮像用カメラ52に映っている前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両101が右折専用車線内で停止していないと判定して(S13:NO)、S16の処理に移行する。
【0053】
また、図8に示すように、信号機74のある交差点75において、信号機74が直進可能状態になっても、各対向車両201、202等のように対向車両が多いため、各右折停止車両101〜103が右側方向指示器を点灯して交差点75の右折専用車線76で停止し、最後尾の右折停止車両104が右折専用車線でない位置で右側方向指示器を点灯した状態で停止している。また、自車両2の進行方向の左側車線も各車両301〜304等のように走行車両が多く車線変更をすることができないため、自車両2が右折停止車両104の手前で停止した場合には、CPU41は、上記S11でRAM42に記憶した右折専用車線に関する地図情報と自車位置とに基づいて、前方撮像用カメラ52に映っている前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両104が右折専用車線内で停止していないと判定して(S13:NO)、S16の処理に移行する。
【0054】
他方、S12で前方撮像用カメラ52を介して自車両2の前方に右側方向指示器を点灯しないで停止している停止車両がある場合には(S12:NO)、CPU41は、S14の処理に移行する。
S14において、CPU41は、上記S11でRAM42に記憶した右折専用車線に関する地図情報と自車位置とに基づいて、自車両2が右折専用車線内で停止しているか否かを判定する判定処理を実行する。そして、自車両2が右折専用車線内で停止している場合には(S14:YES)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0055】
一方、自車両2が右折専用車線内で停止していない場合には(S14:NO)、CPU41は、S15の処理に移行する。S15において、CPU41は、交通情報DB24に記憶される道路交通情報センタ(VICS)3から受信した渋滞情報に基づいて自車両2の前方所定距離以内(例えば、約500m〜5km以内である。)に渋滞があるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、自車両2の前方所定距離以内(例えば、約500m〜5km以内である。)に渋滞がある場合には(S15:YES)、CPU41は、当該処理を終了する。
また一方、自車両2の前方所定距離以内(例えば、約500m〜5km以内である。)に渋滞がない場合には(S15:NO)、CPU41は、自車両2の前方に停止している停止車両の更に前方に右折停止車両が停止していると判断して、S16の処理に移行する。
【0056】
ここで、自車両2の前方に停止している停止車両の更に前方に右折停止車両が停止している場合の一例について図9乃至図12に基づき説明する。
先ず、図9に示すように、信号機71のある交差点72において、信号機71が直進可能状態になっても、各対向車両201、202等のように対向車両が多いため、右折停止車両101が交差点72の右折専用車線でない位置で右側方向指示器を点灯した状態で停止している。また、右折停止車両101の後方に右側方向指示器を点灯していない状態で停止車両501が停止している。このため、自車両2のCPU41は、前方撮像用カメラ52を介して、右側方向指示器を点灯していない状態で停止している停止車両501を検出する(S12:NO)。また、自車両2の進行方向の左側車線も各車両301〜303等のように走行車両が多く車線変更をすることができないため、自車両2が停止車両501の手前で停止した場合には、CPU41は、上記S11でRAM42に記憶した右折専用車線に関する地図情報と自車位置とに基づいて、自車両が右折専用車線内で停止していないと判定すると共に(S14:NO)、交通情報DB24に記憶される渋滞情報に基づいて自車両2の前方所定距離以内(例えば、約500m〜5km以内である。)に渋滞が無いと判定して(S15:NO)、即ち、自車両2の前方に停止している停止車両501の更に前方に右折停止車両101が停止していると判断して、S16の処理に移行する。
【0057】
また、図10に示すように、信号機の無い交差点73において、各対向車両201、202等のように対向車両が多いため、右折停止車両101が交差点73の右折専用車線でない位置で右側方向指示器を点灯した状態で停止している。また、右折停止車両101の後方に右側方向指示器を点灯していない状態で停止車両502が停止している。このため、自車両2のCPU41は、前方撮像用カメラ52を介して、右側方向指示器を点灯していない状態で停止している停止車両502を検出する(S12:NO)。また、自車両2の走行している車線の幅員が狭いため、自車両2が停止車両502の手前で停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速した場合には、CPU41は、上記S11でRAM42に記憶した右折専用車線に関する地図情報と自車位置とに基づいて、自車両が右折専用車線内で停止していないと判定すると共に(S14:NO)、交通情報DB24に記憶される渋滞情報に基づいて自車両2の前方所定距離以内(例えば、約500m〜5km以内である。)に渋滞が無いと判定して(S15:NO)、即ち、自車両2の前方に停止している停止車両502の更に前方に右折停止車両101が停止していると判断して、S16の処理に移行する。
【0058】
また、図11に示すように、対向車線を挟んで向かい側にコンビニエンスストア等の販売店401がある場合に、各対向車両201、202等のように対向車両が多いため、右折停止車両101が右側方向指示器を点灯した状態で停止している。また、右折停止車両101の後方に右側方向指示器を点灯していない状態で停止車両503が停止している。このため、自車両2のCPU41は、前方撮像用カメラ52を介して、右側方向指示器を点灯していない状態で停止している停止車両503を検出する(S12:NO)。また、自車両2の走行している車線の幅員が狭いため、自車両2が停止車両503の手前で停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速した場合には、CPU41は、上記S11でRAM42に記憶した右折専用車線に関する地図情報と自車位置とに基づいて、自車両が右折専用車線内で停止していないと判定すると共に(S14:NO)、交通情報DB24に記憶される渋滞情報に基づいて自車両2の前方所定距離以内(例えば、約500m〜5km以内である。)に渋滞が無いと判定して(S15:NO)、即ち、自車両2の前方に停止している停止車両503の更に前方に右折停止車両101が停止していると判断して、S16の処理に移行する。
【0059】
また、図12に示すように、信号機74のある交差点75において、信号機74が直進可能状態になっても、各対向車両201、202等のように対向車両が多いため、各右折停止車両101〜103が右側方向指示器を点灯して交差点75の右折専用車線76で停止し、最後尾の右折停止車両104が右折専用車線でない位置で右側方向指示器を点灯した状態で停止している。また、右折停止車両104の後方に右側方向指示器を点灯していない状態で停止車両504が停止している。このため、自車両2のCPU41は、前方撮像用カメラ52を介して、右側方向指示器を点灯していない状態で停止している停止車両504を検出する(S12:NO)。また、自車両2の進行方向の左側車線も各車両301〜305等のように走行車両が多く車線変更をすることができないため、自車両2が停止車両504の手前で停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速した場合には、CPU41は、上記S11でRAM42に記憶した右折専用車線に関する地図情報と自車位置とに基づいて、自車両が右折専用車線内で停止していないと判定すると共に(S14:NO)、交通情報DB24に記憶される渋滞情報に基づいて自車両2の前方所定距離以内(例えば、約500m〜5km以内である。)に渋滞が無いと判定して(S15:NO)、即ち、自車両2の前方に停止している停止車両504の更に前方に右折停止車両101〜104が停止していると判断して、S16の処理に移行する。
【0060】
そして、S16において、CPU41は、現在地検出処理部11を介して自車位置(停止位置)や自車両2の進行方向を検出し、また、タイマ45を介して停止年月日、停止時刻、停止時間等の「停止情報」を取得して、RAM42に記憶する。尚、CPU41は、自車位置(停止位置)に代えて、前方に停車している右折停止車両の座標位置を「停止位置」とする「停止情報」をRAM42に記憶するようにしてもよい。
続いて、S17において、CPU41は、この自車位置(停止位置)、自車両2の進行方向、停止年月日、停止時刻、停止時間等の「停止情報」をRAM42から読み出して、走行履歴DB22に記憶する。
【0061】
また続いて、S18において、CPU41は、走行履歴DB22から該自車位置(停止位置)に関する所定期間(例えば、過去1ヶ月〜6ヶ月である。)の「停止情報」を読み出し、この停止位置での停止頻度が高いか否か、即ち、この停止位置に関する「停止情報」の記憶回数が多いか否かを判定する判定処理を実行する。例えば、この停止位置での停止回数が過去3ヶ月間に40回以上乃至50回以上であるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0062】
そして、この停止位置での停止頻度が高い場合には(S18:YES)、CPU41は、S19の処理に移行する。例えば、この停止位置での停止回数が過去3ヶ月間に40回以上乃至50回以上の場合には(S18:YES)、CPU41は、S19の処理に移行する。
S19において、CPU41は、この停止位置は、右折停止車両が多い地点であるとして、該停止位置を右折停止地点情報23に格納する、即ち、この停止位置の座標位置、進行方向、停止時刻、平均停止時間等の情報を停止地点情報として右折停止地点情報23に格納後、当該処理を終了する。
【0063】
尚、S19において、CPU41は、通信装置17を介して当該停止地点情報を情報配信センタ6に送信後、当該処理を終了するようにしてもよい。また、情報配信センタ6は、通信装置61を介して受信した当該停止地点情報を右折停止地点DB62に格納するようにしてもよい。これにより、情報配信センタ6は、他車両から収集した停止地点情報(右折停止地点データ)を配信するように要求された場合には、通信装置61を介して右折停止地点DB62に格納される停止地点情報を配信することが可能となる。
【0064】
一方、この停止位置での停止頻度が高くない場合には(S18:NO)、CPU41は、S20の処理に移行する。例えば、この停止位置での停止回数が過去3ヶ月間に30回未満乃至40回未満の場合には(S18:NO)、CPU41は、S20の処理に移行する。
S20において、CPU41は、この停止位置に関する「停止情報」を読み出し、この停止位置での平均停止時間が長いか否か、即ち、この停止位置での平均停止時間が所定時間以上(例えば、約5分〜15分以上である。)であるか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、この停止位置での平均停止時間が所定時間以上である場合、即ち、この停止位置での平均停止時間が長い場合には(S20:YES)、CPU41は、S19の処理に移行する。
一方、この停止位置での平均停止時間が所定時間未満である場合、即ち、この停止位置での平均停止時間が長くない場合には(S20:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0065】
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する右折停止車両が多い地点に接近したことを運転者に報知する運転支援処理について図13乃至図17に基づいて説明する。
図13は実施例1に係るナビゲーション装置1のCPU41が実行する右折停止車両が多い地点に接近したことを運転者に報知する運転支援処理を示すフローチャートである。図14乃至図17は自車両2が右折停止車両が多い地点から所定距離以内に接近したことを運転者に報知する一例を示す図である。
尚、図13にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により一定時間毎(例えば、10msec〜100msec毎)に実行される。
【0066】
図13に示すように、先ず、S31において、CPU41は、現在地検出処理部11により自車位置及び自車両2の向きを表す自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)と自車方位をRAM42に記憶する。また、CPU41は、ナビ地図情報26から案内経路上における、自車両2の進行方向前方の交差点の有・無、信号機の有・無、車線数、右折専用車線の有・無等を読み出し、RAM42に記憶する。
【0067】
続いて、S32において、CPU41は、自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)に接近したか否かを判定する判定処理を実行する。また、同時に、CPU41は、自車両2が2車線以上の道路を走行している場合には、一番右側の最も対向車線に近い車線を走行しているか否か、即ち、右折停止車両が停止する車線を走行しているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0068】
そして、自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)に接近していない場合には(S32:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。また、自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)に接近していても、自車両2が2車線以上の道路を走行している場合には、一番右側の最も対向車線に近い車線を走行していない、即ち、右折停止車両が停止する車線を走行していないときには、CPU41は、当該処理を終了する。
【0069】
一方、自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)に接近し、且つ、自車両2が右折停止車両が停止する道路又は車線を走行している場合には(S32:YES)、CPU41は、S33の処理に移行する。
S33において、CPU41は、スピーカ16や液晶ディスプレイ15を介して運転者に対して自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)に接近した旨を報知して警告し、また、この右折停止車両が多い地点を迂回可能な場合には、回避案内を行う。
【0070】
ここで、自車両2が右折停止車両が多い地点から所定距離以内に接近したことを運転者に報知する一例について図14乃至図17に基づいて説明する。
先ず、図14に示すように、自車両2が、右折停止車両が多い地点であるとして右折停止地点情報23に登録されている信号機71のある交差点72から約100m〜150m以内に接近し、且つ、自車両2が右折停止車両101が停止する右車線を走行している場合には(S32:YES)、CPU41は、スピーカ16を介して、「前方100m先に右折車両がいる可能性があります。左車線に回避して下さい。」と音声案内する。また、CPU41は、左車線に移動するように液晶ディスプレイ15に案内表示する(S33)。これにより、交差点72の右折専用車線でない位置で右側方向指示器を点灯した状態で停止している右折停止車両101が各先行車両601、602によって、自車両2から確認できない場合にも、当該音声案内や案内表示に従って左車線に予め移動走行することによって、交差点72における長時間の停止や急ブレーキ等を回避して安全に走行することが可能となる。
【0071】
また、図15に示すように、自車両2が、右折停止車両が多い地点であるとして右折停止地点情報23に登録されている交差点73から約100m〜150m以内に接近し、且つ、自車両2が右折停止車両101が停止する車線を走行している場合には(S32:YES)、CPU41は、スピーカ16を介して、「前方100m先に右折車両がいる可能性があります。注意して走行して下さい。」と音声案内する。また、CPU41は、液晶ディスプレイ15に表示されている当該交差点73を点滅表示等して案内表示する(S33)。これにより、交差点73の右折専用車線でない位置で右側方向指示器を点灯した状態で停止している右折停止車両101が各先行車両601、602によって、自車両2から確認できない場合にも、当該音声案内や案内表示に従って減速走行することによって、交差点73における急ブレーキや追突等を回避して安全に走行・停止することが可能となる。
尚、誘導経路上に、右折停止車両が多い地点であるとして右折停止地点情報23に登録されている交差点73がある場合には、この交差点73を迂回する経路を探索して、該交差点73の所定距離手前で(例えば、約300m〜800m手前である。)、運転者に交差点73を迂回する経路を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を介して報知するようにしてもよい。
【0072】
また、図16に示すように、自車両2が、右折停止車両が多い地点であるとして右折停止地点情報23に登録されている対向車線を挟んで向かい側にあるコンビニエンスストア等の販売店401から約100m〜150m以内に接近し、自車両2が右折停止車両101が停止する車線を走行している場合には(S32:YES)、CPU41は、スピーカ16を介して、「前方100m先に右折車両がいる可能性があります。注意して走行して下さい。」と音声案内する。また、CPU41は、液晶ディスプレイ15に表示されている当該コンビニエンスストア等の販売店401を点滅表示等して案内表示する(S33)。これにより、コンビニエンスストア等の販売店401の向かい側で右側方向指示器を点灯した状態で停止している右折停止車両101が各先行車両601、602によって、自車両2から確認できない場合にも、当該音声案内や案内表示に従って減速走行することによって、コンビニエンスストア等の販売店401の向かい側における急ブレーキや追突等を回避して安全に走行・停止することが可能となる。
尚、誘導経路上に、右折停止車両が多い地点であるとして右折停止地点情報23に登録されているコンビニエンスストア等の販売店401がある場合には、この販売店401の前を迂回する経路を探索して、該販売店401の所定距離手前で(例えば、約500m〜800m手前である。)、運転者に販売店401の前を迂回する経路を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を介して報知するようにしてもよい。
【0073】
また、図17に示すように、自車両2が、右折停止車両が多い地点であるとして右折停止地点情報23に登録されている信号機74のある交差点75から約100m〜150m以内に接近し、且つ、自車両2が右車線を走行している場合には(S32:YES)、CPU41は、スピーカ16を介して、「前方100m先は右折レーンが混んでいる可能性があります。左車線に回避して走行して下さい。」と音声案内する。また、CPU41は、左車線に移動するように液晶ディスプレイ15に案内表示する(S33)。これにより、交差点75の右折専用車線76で右側方向指示器を点灯して停止している各右折停止車両101〜103が各先行車両601、602によって、自車両2から確認できない場合にも、当該音声案内や案内表示に従って左車線に予め移動走行することによって、交差点75における長時間の停止や急ブレーキ等を回避して安全に走行することが可能となる。
【0074】
続いて、図13に示すように、S34において、CPU41は、自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点を回避することができたか否かを判定する判定処理を実行する。例えば、S33において、左車線に回避するように案内した場合には、CPU41は、自車両2が左車線に移動走行したか否かを判定する判定処理を実行する。また、S33において、注意して走行するように警告した場合には、CPU41は、当該停止地点情報23に登録されている地点を通過したか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点を回避することができた場合には(S34:YES)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0075】
一方、自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点を回避することができなかった場合、即ち、自車両2が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点で停止した場合には(S34:NO)、CPU41は、S35に移行する。S35において、CPU41は、前方撮像用カメラ52を介して自車両2の前方に右側方向指示器を点灯した右折停止車両が停止していないか否かを判定する判定処理を実行する。そして、前方撮像用カメラ52を介して自車両2の前方に右側方向指示器を点灯した右折停止車両が停止していない場合には(S35:YES)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0076】
また一方、前方撮像用カメラ52を介して自車両2の前方に右側方向指示器を点灯した右折停止車両が停止している場合には(S35:NO)、CPU41は、S36の処理に移行する。S36において、CPU41は、この停止位置を右折停止車両が多い注意地点であるとして右折停止地点情報23に格納する、即ち、この停止位置の座標位置、進行方向、停止時刻、平均停止時間等の情報を注意地点情報として右折停止地点情報23に格納後、当該処理を終了する。
【0077】
尚、S36において、CPU41は、通信装置17を介して当該注意地点情報を情報配信センタ6に送信後、当該処理を終了するようにしてもよい。また、情報配信センタ6は、通信装置61を介して受信した当該注意地点情報を右折停止地点DB62に格納するようにしてもよい。これにより、情報配信センタ6は、他車両から収集した注意地点情報(右折停止地点データ)を配信するように要求された場合には、通信装置61を介して右折停止地点DB62に格納される注意地点情報を配信することが可能となる。
【0078】
以上詳細に説明した通り、実施例1に係るナビゲーション装置1では、自車両2の前方で右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両が、右折専用車線内で停止していない場合には(S11〜S13:NO)、CPU41は、自車位置(停止位置)、自車両2の進行方向、停止年月日、停止時刻、停止時間等の「停止情報」を走行履歴DB22に記憶する(S16、S17)。また、自車両2が右折専用車線内で停止していない場合で、且つ、自車両2の前方所定距離以内(例えば、約500m〜5km以内である。)に渋滞がない場合にも(S14:NO〜S15:YES)、CPU41は、自車位置(停止位置)、自車両2の進行方向、停止年月日、停止時刻、停止時間等の「停止情報」を走行履歴DB22に記憶する(S16、S17)。そして、走行履歴DB22から該自車位置(停止位置)に関する所定期間の「停止情報」を読み出し、この停止位置での停止頻度が高い場合には(S18:YES)、CPU41は、この停止位置は、右折停止車両が多い地点であるとして、該停止位置を右折停止地点情報23に格納する(S19)。また、この停止位置での停止頻度が高くない場合でも、平均停止時間が長い場合には、CPU41は、この停止位置は、右折停止車両が多い地点であるとして、該停止位置を右折停止地点情報23に格納する(S20:YES、S19)。
【0079】
また一方、自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)に接近し、且つ、自車両2が右折停止車両が停止する道路又は車線を走行している場合には(S31〜S32:YES)、CPU41は、スピーカ16や液晶ディスプレイ15を介して運転者に対して自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)に接近した旨を報知して警告し、また、この右折停止車両が多い地点を迂回可能な場合には、回避案内を行う(S33)。そしてまた、自車両2が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点で右側方向指示器を点灯した右折停止車両が停止しているために停止した場合には(S34:NO、S35:NO)、CPU41は、この停止位置の座標位置、進行方向、停止時刻、平均停止時間等の情報を注意地点情報として右折停止地点情報23に格納する。
【0080】
従って、右折停止車両が停止する右折停止地点で、自車両2が停止する停止頻度が所定頻度以上である場合には、この右折停止地点は右折停止車両が多い地点として右折停止地点情報23に記憶される。このため、自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)に接近し、且つ、自車両2が右折停止車両が停止する道路又は車線を走行している場合には、CPU41は、運転者に対して自車位置が右折停止車両が多い地点から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)に接近した旨を報知して警告し、また、回避案内をすることができるため、この右折停止地点における長時間の停止や急ブレーキ等を回避して安全に走行できるように運転者を支援することが可能となる。
【0081】
また、右折停止車両が右折専用車線で停止していると判定した場合には、この右折停止車両の停止位置を走行履歴DB22に記憶しないため、右折停止車両の右折専用車線でない道路での停止頻度が所定頻度以上である右折停止地点だけが、右折停止車両が多い地点として右折停止地点情報23に記憶される。このため、右折専用車線がない道路において、自車両2の走行道路前方に右折停止車両が停止している頻度の高い右折停止地点がある場合には、この右折停止地点における長時間の停止や急ブレーキ等を回避して安全に走行できるように運転者を支援することが可能となる。
【0082】
また、受信した交通情報に基づいて自車位置の進行方向前方に渋滞があると判定した場合には、この右折停止車両の停止位置を走行履歴DB22に記憶しない。これにより、渋滞の無いときに停止している右折停止車両の右折停止地点を含む停止情報だけを走行履歴DB22に記憶することができるため、右折停止車両が多い右折停止地点を正確に検出して記憶でき、この右折停止地点情報23に記憶される右折停止地点に対する停止頻度の信頼性の向上を図ることができる。
【実施例2】
【0083】
次に、実施例2に係るナビゲーション装置91について図18に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図17の実施例1に係るナビゲーション装置1の構成と同一符号は、前記実施例1に係るナビゲーション装置1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0084】
この実施例2に係るナビゲーション装置91の概略構成は、実施例1に係るナビゲーション装置1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も実施例1に係るナビゲーション装置1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、図18に示すように、実施例2に係るナビゲーション装置91は、自車両2の前方で右側方向指示器を点灯して右折停止車両が停止している場合には、自車両2が右折停止車両が停止する道路又は車線を走行しているか否かに拘わらず、即ち、自車両2が停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速しなくても、この右折停止車両の停止位置が走行履歴DB22に記憶される点で異なっている。
【0085】
ここで、実施例2に係るナビゲーション装置91のCPU41が実行する右折停止車両が多い右折停止地点を自動登録する処理について図18に基づいて説明する。
図18は実施例2に係るナビゲーション装置91のCPU41が実行する右折停止車両が多い右折停止地点を自動登録する登録処理を示すフローチャートである。
尚、図18にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置91のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により一定時間毎(例えば、10msec〜100msec毎)に実行される。
【0086】
図18に示すように、S51において、CPU41は、前方撮像用カメラ52を介して自車両2の前方に右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両があるか否かを判定する判定処理を実行する。尚、自車両2が2車線以上の道路を走行している際には、自車両が一番対向車線寄りの車線(例えば、左側走行の道路では、最も右側の車線である。)を走行していない場合においても、即ち、自車両2が停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速しなくても、CPU41は、前方撮像用カメラ52を介して自車両2の前方に右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両があるか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、前方撮像用カメラ52を介して自車両2の前方に右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両がいない場合には(S51:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0087】
一方、前方撮像用カメラ52を介して自車両2の前方に右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両がいる場合には(S51:YES)、CPU41は、S52の処理に移行する。S52において、CPU41は、現在地検出処理部11により自車位置及び自車両2の向きを表す自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)と自車方位をRAM42に記憶する。また、CPU41は、ナビ地図情報26から案内経路上における、自車両2の進行方向前方の交差点の有・無、信号機の有・無、車線数、右折専用車線の有・無等を読み出し、RAM42に記憶する。
【0088】
続いて、S53において、CPU41は、前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両は、右折専用車線で停止していないか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、CPU41は、上記S52でRAM42に記憶した自車位置と右折専用車線に関する地図情報とに基づいて、前方撮像用カメラ52に映っている前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両の停止位置情報(右折停止地点)を算出し、この右折停止車両の停止位置情報(右折停止地点)から、該前方の右折停止車両が右折専用車線で停止しているか否かを判定する。そして、前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両が右折専用車線内で停止している場合には(S53:YES)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、前方の右側方向指示器を点灯して停止している右折停止車両が右折専用車線内で停止していない場合には(S53:NO)、CPU41は、S54の処理に移行する。
【0089】
S54において、CPU41は、上記S53で算出した右側方向指示器を点灯して停止していた右折停止車両の停止位置情報(右折停止地点)と、上記S52でRAM42に記憶した自車両2の進行方向と、また、タイマ45を介して右折停止車両の停止年月日及び停止時刻、自車両2が当該右折停止車両のために停止した場合の該自車両2の停止時間等の「停止情報」を取得して、RAM42に記憶する。
続いて、S55において、CPU41は、この右折停止車両の停止位置情報(右折停止地点)、自車両2の進行方向、右折停止車両の停止年月日及び停止時刻、自車両2の停止時間等の「停止情報」をRAM42から読み出して、走行履歴DB22に記憶する。
【0090】
また続いて、S56において、CPU41は、走行履歴DB22から該右折停止車両の停止位置情報(右折停止地点)に関する所定期間(例えば、過去1ヶ月〜6ヶ月である。)の「停止情報」を読み出し、この右折停止地点での右折停止車両の停止頻度が高いか否か、即ち、この右折停止地点に関する「停止情報」の記憶回数が多いか否かを判定する判定処理を実行する。例えば、この右折停止地点での右折停止車両の停止回数が過去3ヶ月間に40回以上乃至50回以上であるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0091】
そして、この右折停止地点での右折停止車両の停止頻度が高い場合には(S56:YES)、CPU41は、S57の処理に移行する。例えば、この右折停止地点での右折停止車両の停止回数が過去3ヶ月間に40回以上乃至50回以上の場合には(S56:YES)、CPU41は、S57の処理に移行する。
S57において、CPU41は、この右折停止地点は、右折停止車両が多い地点であるとして、該右折停止地点を右折停止地点情報23に格納する、即ち、この右折停止地点の座標位置、自車両2の進行方向、右折停止車両の停止年月日及び停止時刻、自車両2の平均停止時間等の情報を「停止地点情報」として右折停止地点情報23に格納後、当該処理を終了する。
【0092】
尚、S57において、CPU41は、通信装置17を介して当該「停止地点情報」を情報配信センタ6に送信後、当該処理を終了するようにしてもよい。また、情報配信センタ6は、通信装置61を介して受信した当該停止地点情報を右折停止地点DB62に格納するようにしてもよい。これにより、情報配信センタ6は、他車両から収集した停止地点情報(右折停止地点データ)を配信するように要求された場合には、通信装置61を介して右折停止地点DB62に格納される停止地点情報を配信することが可能となる。
【0093】
一方、この右折停止地点での右折停止車両の停止頻度が高くない場合には(S56:NO)、CPU41は、S58の処理に移行する。例えば、この右折停止地点での停止回数が過去3ヶ月間に30回未満乃至40回未満の場合には(S56:NO)、CPU41は、S58の処理に移行する。
S58において、CPU41は、この右折停止地点に関する「停止情報」を読み出し、この右折停止地点での自車両2の平均停止時間が長いか否か、即ち、この右折停止地点での自車両2の平均停止時間が所定時間以上(例えば、約5分〜15分以上である。)であるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0094】
そして、この右折停止地点での自車両2の平均停止時間が所定時間以上である場合、即ち、この右折停止地点での自車両2の平均停止時間が長い場合には(S58:YES)、CPU41は、S57の処理に移行する。
一方、この右折停止地点での自車両2の平均停止時間が所定時間未満である場合、即ち、この右折停止地点での自車両2の平均停止時間が長くない場合には(S58:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0095】
以上詳細に説明した通り、実施例2に係るナビゲーション装置91では、自車両2が停止又は所定速度以下(例えば、時速5km以下である。)に減速しなくても、自車両2の走行道路前方で右折するために停止している右折停止車両を前方撮像用カメラ52を介して検出した場合には、地図情報と自車位置から右折停止車両の右折停止地点を検出する(S51、S52)。そして、この右折停止車両が右折専用車線で停止していないと判定した場合には、右折停止車両の右折停止地点、自車両2の進行方向、右折停止車両の停止年月日及び停止時刻、自車両2の停止時間等の「停止情報」を走行履歴DB22に記憶する(SS53:YES〜S55)。そして、走行履歴DB22から該右折停止車両の右折停止地点に関する所定期間の「停止情報」を読み出し、この右折停止地点での右折停止車両の停止頻度が高い場合には(S56:YES)、CPU41は、この右折停止地点は、右折停止車両が多い地点であるとして、該右折停止地点を右折停止地点情報23に格納する(S57)。また、この右折停止地点での右折停止車両の停止頻度が高くない場合でも、自車両2の平均停止時間が長い場合には、CPU41は、この右折停止地点は、右折停止車両が多い地点であるとして、該右折停止地点を右折停止地点情報23に格納する(S58:YES、S57)。
【0096】
従って、右折停止車両が停止する停止頻度が所定頻度以上である右折停止地点は、自車両2が停止する停止頻度に拘わらず、右折停止車両が多い地点として記憶される。このため、自車両2の走行道路前方に右折停止車両が停止している頻度の高い右折停止地点がある場合には、自車位置が右折停止地点情報23に登録されている右折停止車両が多い地点から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)に接近した際に、CPU41は、運転者に対して自車位置が右折停止車両が多い地点から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)に接近した旨を報知して警告し、また、回避案内をすることができる。このため、CPU41は、この右折停止地点における長時間の停止や急ブレーキ等を回避して安全に走行できるように運転者を支援することが可能となる。
【0097】
また、CPU41は、右折停止車両が右折専用車線で停止していると判定した場合には、この右折停止車両の停止位置を走行履歴DB22に記憶しないため、右折停止車両の右折専用車線でない道路での停止頻度が所定頻度以上である右折停止地点だけが、右折停止車両が多い地点として右折停止地点情報23に記憶される。これにより、右折専用車線がない道路において、自車両2の走行道路前方に右折停止車両が停止している頻度の高い右折停止地点がある場合には、CPU41は、この右折停止地点における長時間の停止や急ブレーキ等を回避して安全に走行できるように運転者を支援することが可能となる。
【0098】
また、CPU41は、受信した交通情報に基づいて自車位置の進行方向前方に渋滞があると判定した場合には、この右折停止車両の停止位置を走行履歴DB22に記憶しない。これにより、CPU41は、渋滞の無いときに停止している右折停止車両の右折停止地点を含む停止情報だけを走行履歴DB22に記憶することができるため、右折停止車両が多い右折停止地点を正確に検出して記憶でき、この右折停止地点情報23に記憶される右折停止地点に対する停止頻度の信頼性の向上を図ることができる。
【0099】
尚、本発明は前記実施例1及び実施例2に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0100】
例えば、上記ステップ13において、CPU41は、ステップ11でRAM42に記憶した右折専用車線に関する地図情報と自車位置とに基づいて、自車両2が右折専用車線内で停止しているか否かを判定する判定処理を実行するようにしてもよい。そして、自車両2が右折専用車線内で停止している場合には(S13:YES)、CPU41は、当該処理を終了する。一方、自車両2が右折専用車線内で停止していない場合には(S13:NO)、CPU41は、S16の処理に移行する。
これにより、CPU41は、自車両2が右折専用車線内で停止している場合には、右折停止車両の停止位置を走行履歴DB22に記憶しないため、右折停止車両の右折専用車線でない道路での停止頻度が所定頻度以上である右折停止地点だけを、右折停止車両が多い地点として右折停止地点情報23に記憶することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施例1に係るナビゲーション装置が搭載される車両の概略構成図である。
【図2】車両に搭載されるナビゲーション装置を中心とした制御系を模式的に示すブロック図である。
【図3】ナビゲーション装置と道路交通情報センタや情報配信センタとの通信を説明する説明図である。
【図4】ナビゲーション装置のCPUが実行する右折停止車両のために停止又は所定速度以下に減速する可能性が高い右折停止地点を自動登録する登録処理を示すフローチャートである。
【図5】右側方向指示器を点灯して停止している前方車のために自車両が停止した一例を示す図である。
【図6】右側方向指示器を点灯して停止している前方車のために自車両が停止した一例を示す図である。
【図7】右側方向指示器を点灯して停止している前方車のために自車両が停止した一例を示す図である。
【図8】右側方向指示器を点灯して停止している前方車のために自車両が停止した一例を示す図である。
【図9】自車両の前方に停止している停止車両の更に前方に右折停止車両が停止している場合の一例を示す図である。
【図10】自車両の前方に停止している停止車両の更に前方に右折停止車両が停止している場合の一例を示す図である。
【図11】自車両の前方に停止している停止車両の更に前方に右折停止車両が停止している場合の一例を示す図である。
【図12】自車両の前方に停止している停止車両の更に前方に右折停止車両が停止している場合の一例を示す図である。
【図13】ナビゲーション装置のCPUが実行する右折停止車両が多い地点に接近したことを運転者に報知する運転支援処理を示すフローチャートである。
【図14】自車両が右折停止車両が多い地点から所定距離以内に接近したことを運転者に報知する一例を示す図である。
【図15】自車両が右折停止車両が多い地点から所定距離以内に接近したことを運転者に報知する一例を示す図である。
【図16】自車両が右折停止車両が多い地点から所定距離以内に接近したことを運転者に報知する一例を示す図である。
【図17】自車両が右折停止車両が多い地点から所定距離以内に接近したことを運転者に報知する一例を示す図である。
【図18】実施例2に係るナビゲーション装置のCPUが実行する右折停止車両が多い右折停止地点を自動登録する登録処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1、91 ナビゲーション装置
2 車両(自車両)
11 現在地検出処理部
13 ナビゲーション制御部
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
21 車速センサ
22 走行履歴DB
23 右折停止地点情報
24 交通情報DB
25 地図情報DB
26 ナビ地図情報
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 カメラECU
52 前方撮像用カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の走行道路前方で右折するために停止している右折停止車両を検出する右折停止車両検出手段と、
自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
地図情報と前記現在位置検出手段によって検出した現在位置情報とに基づいて前記右折停止車両の右折停止地点を検出する右折停止地点検出手段と、
自車両が前記右折停止車両の手前で停止又は所定速度以下に減速したか否かを判定する停止判定手段と、
自車両が前記右折停止車両の手前で停止又は所定速度以下に減速したと判定した場合には、該右折停止車両の前記右折停止地点を含む停止情報を記憶する停止情報記憶手段と、
前記停止情報記憶手段に記憶される停止情報に基づいて該右折停止地点に対する停止頻度が所定頻度以上か否かを判定する停止頻度判定手段と、
該右折停止地点に対する停止頻度が所定頻度以上であると判定した場合には、この右折停止地点を右折停止車両が多い地点として記憶する右折停止地点情報記憶手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記右折停止地点検出手段によって検出した前記右折停止車両の右折停止地点と地図情報とに基づいて該右折停止車両が右折専用車線で停止しているか否かを判定する車線判定手段を備え、
前記停止情報記憶手段は、該右折停止車両が右折専用車線で停止していると判定した場合には、前記右折停止地点を含む停止情報を記憶しないことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
渋滞情報を含む交通情報を受信する受信手段と、
前記交通情報に基づいて自車位置の進行方向前方に渋滞があるか否かを判定する渋滞判定手段と、
を備え、
前記停止情報記憶手段は、自車位置の進行方向前方に渋滞があると判定した場合には、前記右折停止地点を含む停止情報を記憶しないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記地図情報と現在位置情報とに基づいて前記右折停止地点情報記憶手段に記憶されている右折停止地点が自車位置から進行方向の所定距離以内に存在するか否かを判定する地点判定手段と、
該右折停止地点情報記憶手段に記憶されている右折停止地点が自車位置から進行方向の所定距離以内に存在すると判定した場合には、該右折停止地点を回避するように運転者に警告する警告手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
自車両の走行道路前方で右折するために停止している右折停止車両を検出する右折停止車両検出手段と、
自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
地図情報と前記現在位置検出手段によって検出した現在位置情報とに基づいて前記右折停止車両の右折停止地点を検出する右折停止地点検出手段と、
前記右折停止地点検出手段によって検出した前記右折停止車両の右折停止地点と地図情報とに基づいて該右折停止車両が右折専用車線で停止していないか否かを判定する車線判定手段と、
該右折停止車両が右折専用車線で停止していないと判定した場合には、この右折停止車両の前記右折停止地点を含む停止情報を記憶する停止情報記憶手段と、
前記停止情報記憶手段に記憶される停止情報に基づいて該右折停止地点に対する停止頻度が所定頻度以上か否かを判定する停止頻度判定手段と、
該右折停止地点に対する停止頻度が所定頻度以上であると判定した場合には、この右折停止地点を右折停止車両が多い地点として記憶する右折停止地点情報記憶手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−45905(P2008−45905A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219557(P2006−219557)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】