説明

プラズマプロセスの処理均一性を改善する装置及び方法

プラズマプロセスの処理均一性を改善する装置及び方法。プラズマ加工中に加工物30の外周縁31の周りに延在する犠牲体104は、プラズマによって除去可能な材料から構成される。犠牲体104は、円形の幾何学的形状を画定するように配置される複数のセクション168、170を含むことができる。犠牲体104は、加工物30の有効外径を増大させるように働き、加工物30の外周縁31付近のエッチング速度を効果的に低減することによって、プラズマ加工に特有の有害なエッジ効果を緩和するように動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的にはプラズマによって加工物を加工するための装置及び方法に関し、より詳細には、プラズマ加工システムにおけるプラズマ処理の均一性を改善する装置及び方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2007年6月1日に出願された米国仮特許出願第60/941,518号の利益を主張する。この仮出願の開示は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
ウエハレベルの用途のための均一なプラズマ処理は、半導体製造産業にとっての関心事である。従来のエッチングプロセス及びプラズマ加工機器にとって厄介な1つの問題は、ウエハ等の加工物にわたるエッチング速度が不均一であることである。加工物のエッジ効果は、これらのエッチング速度の不均一性の共通の原因である。エッチング速度の均一性は、加工物にわたる平均エッチング速度の2倍の積に対する、処理表面上の最大及び最小の横方向エッチング速度間の差の割合から求めることができる。通常、最大エッチング速度は加工物の周囲縁付近で生じ、最小エッチング速度は加工物の中心付近で観察される。
【0004】
従来の方法を用いて、加工物の表面積にわたるエッチング速度の均一性を改善しようと試みられてきた。例えば、プラズマを生成するためにマグネトロンを用いることができる。しかし、このような解決策は、プラズマ加工機器の費用を大幅に増大させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の加工システムにおいて生じ、且つ加工物の表面積にわたるプラズマ処理の均一性に悪影響を与える加工物のエッジ効果、及び処理均一性に負の影響を及ぼすプラズマ処理の他のアーチファクトに対処する、費用効果的な解決策が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態では、加工物のプラズマ加工において使用する装置が提供される。この装置は、プラズマによって除去可能な材料から成る犠牲リングを含む。犠牲リングは、加工物の外径が効果的に増大するように該加工物の外周縁の周りに配置されるようになっている。
【0007】
別の実施の形態では、加工物のプラズマ加工において使用する装置が提供される。この装置は、プラズマを収容するように構成されている真空筐体を含む。真空筐体は、加工物の第1の面をプラズマによって加工するときに、加工物の第2の面と接触して支持するようになっている支持台座を含む。この装置は、プラズマによって除去可能な材料から成る犠牲リングをさらに含み、この犠牲リングは、加工物の外径が効果的に増大するように、台座上で支持される加工物の外周縁の周りに延在する。
【0008】
また別の実施の形態では、第1の面と、第2の面と、該第1の面及び該第2の面を接続している外周縁とを有する加工物をプラズマ加工する方法が提供される。この方法は、加工物の外周縁の周りに、プラズマによって除去可能な材料から成る犠牲リングを配置すること、及び加工物の第1の面及び犠牲リングをプラズマに暴露することを含む。この方法は、最大エッチング速度を、加工物の第1の面上の位置から犠牲リング上の異なる位置へシフトすることをさらに含む。
【0009】
本明細書に組み込まれると共に本明細書の一部を成す添付の図面は、本発明の実施形態を示し、上記の本発明の概説及び以下の詳細な説明と共に、本発明の実施形態の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】真空筐体及び該真空筐体内に配置されるウエハリフト機構(lift mechanism)を含むプラズマ加工システムの斜視図である。
【図2】図1のプラズマ加工システムの正面図である。
【図3】図1及び図2のプラズマ加工システムの筐体及びウエハリフト機構の分解図である。
【図3A】図1、図2及び図3のプラズマ加工システムの加工物垂直リフト機構の別の分解図である。
【図4】真空筐体の蓋を真空筐体のベースに対して開いた状態でウエハリフト機構が上昇位置に配置されている、図2の線4−4に概ね沿った断面図である。
【図5】真空筐体の蓋が真空筐体のベースと接触していることによってウエハリフト機構が下降位置に配置されている、図4と同様の断面図である。
【図6】図4の一部の拡大図である。
【図7】図1〜図6のウエハリフト機構の一部の分解図である。
【図8A】説明を分かり易くするためにウエハリフト機構の一部のみが示されている、上昇状態にあるウエハリフト機構を示す斜視図である。
【図8B】上昇状態にあるウエハリフト機構を示す図8Aと同様の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜図4を参照すると、プラズマ加工システム10が概して、蓋14、及び該蓋14が上に載るベース16を有する真空容器又は筐体12と、蓋14に接続されている一対の支持アーム18、20と、上側電極22と、下側電極24とを含む。加工システム10は、上側電極22及び下側電極24間に位置決めされると共に、上側電極22及び下側電極24の外周の周りの対向する面(confronting faces)と接触する分離部材又はリング26をさらに含む。電極22、24の対向する面は概ね平坦であると共に平行な板であり、実質的に同一の表面積を有する。
【0012】
支持アーム18、20は、蓋14と、蓋14をベース16に対して上昇位置(図1)と下降位置(図5)との間で垂直方向に昇降させることができる持ち上げ機構(lifting device)(図示せず)とを機械的に連結する。蓋14及びベース16が接触している関係にあるとき、加工領域28が、電極22、24の内向きの水平面間に垂直に境界を定められ、且つ分離リング26によって画定される側壁の内向きの垂直面内に横方向に境界を定められる空間として画定される。上昇位置では、未加工の加工物30を挿入し加工済みの加工物30を取り出すために加工領域28にアクセス可能である。下降位置(図5)では、加工領域28内に位置決めされる連続的な加工物30をそれぞれプラズマ加工するのに好適である環境を加工領域28内に確立することができる。上側電極22は、持ち上げ機構が蓋14をベース16に対して上昇位置及び下降位置間を移動させるときに、蓋14と共に移動する。
【0013】
遮蔽同軸ケーブル又は送電線33、34によって電極22、24それぞれと連結されている電源32(図2)は、電極22、24の電力レベル及び動作周波数を制御する。電源32は、50Hz及び60Hz等の極めて低い周波数、40kHz及び13.56MHz等の高い周波数、1kHz等の中間の周波数、又は2.4GHz等のマイクロ波周波数で動作する交流電源であり得る。電源32は、互いに重畳された二重周波数でも動作することができる。代替的には、電源32は、プラズマが振動しない直流(DC)電源であってもよい。他の代替的な実施形態では、電源32は、高密度プラズマを提供する高周波(RF)電力成分、及びプラズマ密度に影響を与えることなくイオンエネルギーを独立して増大させるDC電力成分を供給してもよい。
【0014】
電源32は、1つ又は複数の周波数で動作することができ、電極22、24及びこれらの間に閉じ込められるプラズマによって表される負荷から電源32へ戻る反射電力を測定するインピーダンス整合ネットワーク(図示せず)を含む。インピーダンス(impendence)整合ネットワークは、電源32の動作周波数を調節して反射電力を最小化する。そのような整合ネットワークの構成は当業者によって理解される。例えば、インピーダンス整合ネットワークは、整合ネットワーク内の可変コンデンサの静電容量を変化させることによって整合ネットワークを調整し、負荷が変化すると電源32のインピーダンスを負荷のインピーダンスに合わせることができる。電力及び電圧レベル及び動作周波数(複数可)はもちろん、特定の用途に応じて変えることができる。
【0015】
プラズマ加工システム10が動作しているときに、真空ポンプ36が、加工領域28からの、プラズマプロセスによって生成される副生成物及び未反応原料ガスを、真空マニホルド38を通して連続的に圧送する。真空ポンプ36は、加工領域28内の全圧を、プラズマ生成を促進するのに十分低い準常圧レベルに維持するように動作可能である。プラズマ形成に好適な典型的な圧力は、約20ミリトル〜約50トル超の範囲である。加工領域28内の圧力は、特定の所望のプラズマプロセスに従って制御され、主に、排気された加工領域28に供給される1つ又は複数の別個のガス種を含み得る原料ガスからの部分圧力構成成分(contributions)から成る。
【0016】
引き続き図1〜図4を参照すると、シール部材40が、分離リング26と上側電極22との間で圧縮される。図5に示すように蓋14を下ろしてベース16と接触させると、別のシール部材42が分離リング26と下側電極24の外周との間で圧縮される。シール部材40、42は従来の弾性Oリングとして示されているが、本発明はそれに限定されない。蓋14がその下降位置にあるとき、導電部材43が、金属製である蓋14及びベース16のそれぞれの外周間に捕捉される。導電部材43は、蓋14とベース16とを良好に電気接触させる。
【0017】
ガス入口板44(図4)が、上側電極22の上側水平面に固定されている。ガス入口板44は、ガス孔46及び送達ライン48によって原料ガス供給源50と連結されている。原料ガス供給源50からガス孔46への各プロセスガスの流量を調節するように協働する、質量流量制御部及び流量測定機構(図示せず)を設けることができる。ガス入口板44は分配通路(図示せず)を含み、上側電極22は、ガス入口板44の分配通路と連結されている通路(図示せず)を含む。上側電極22の通路は加工領域28と連通しており、プロセスガスをプロセスチャンバ内へ噴射する。
【0018】
プラズマ加工システム10は、構成要素の中でも特に電源32、真空ポンプ36及び原料ガス供給源50の動作を制御するようにプログラムされているマイクロプロセッサベースのコントローラ52(図2)を含む。例えば、このコントローラは、特定のプラズマプロセス及び用途に従って加工領域28内の好適な圧力を定めるために、電源32の電力レベル、電圧、電流及び周波数を調節し、原料ガス供給源50からの原料ガスの供給量及び真空ポンプ36の圧送速度を調整する。
【0019】
加工物30を加工する際に、電源32により電極22、24間に印加される電力によって、蓋14及びベース16が接触しているときに2つの電極22、24間に画定される加工領域28内に電磁場が生成され、プラズマ加工するのに好適な環境が加工領域内に存在する。電磁場は、加工領域内に存在する原料ガスの原子又は分子を励起してプラズマ状態にし、これは、プラズマ処理の持続時間の間、電源32から電力を印加することによって維持される。
【0020】
既知の方法で下側電極24と電気的に連結されている送電線34は、下側電極24まで送られる。送電線33は、既知の方法で電極22、24の一方又は両方と電気的に連結されている。強制的に流される冷却流体流が、電極22、24と筐体12との間の空隙56を通って送られて、加工システム10、特に電極22、24を冷却することができる。このために、フィッティング54(図2)が蓋14に設けられ、冷却剤供給源55(図2)とこれらの空隙56とを連結する冷却剤用の孔を画定することができる。
【0021】
電極22、24は、アルミニウム等の導電性材料から形成される。分離リング26は、非導電性の誘電体材料から形成され、加工済みの加工物30を極度に汚染することなく加工領域28内のプラズマ環境に耐えることができるように構成されている。一般的に、このことは、分離リング26を形成する材料が、加工領域28内に存在するプラズマによるエッチングに対して実質的に耐性があるべきであることを示唆する。分離リング26は、電極22、24間に真空シールを提供することに加えて、非導電性材料から成る垂直側壁を画定する。
【0022】
プラズマの構成成分である種は、加工物30上の暴露材料と接触すると共に相互作用し、所望の表面改質を行う。プラズマは、原料ガスの化学的性質、加工領域28内の圧力、並びに電極22、24に印加される電力量及び/又は周波数等のパラメータを選択することによって、加工物30の所望の表面改質を行うように構成されている。加工システム10は、プラズマプロセス(例えばエッチングプロセス)が所定の終点に達したときを自動的に認識する終点認識システム(図示せず)を含んでもよく、又は代替的には、プラズマプロセスには、加工方法の実験によって求められた時間に基づいて時間を設定してもよい。
【0023】
図1及び図2と同様の参照符号が同様の特徴部を指す図3、図3A、図4、図5及び図6を参照すると、プラズマ加工システム10は、真空筐体12内に位置する垂直リフト機構58をさらに含む。垂直リフト機構58は、各加工物30を下側電極24に対して持ち上げた状態で受け取る。加工物固定具60は、蓋14の開閉に合わせて、また図4に最もよく示されるような蓋14が開いているときの上昇位置と、図5に最もよく示されるような蓋14がベース16に対して閉じた位置にあるときの下降位置との間で、操作者が介入することなく自動的に移動可能である。換言すると、加工物固定具60は、蓋14が上側電極22を下側電極24に向かって移動させると下降位置へ向かって移動して加工領域28をシールし、蓋14が上側電極22を下側電極24から離れるように移動させると上昇位置に向かって移動する。蓋14が下降位置に配置されてベース16と接触して加工領域28を周囲環境からシールしているとき、垂直リフト機構58は加工物30を自動的に処理位置に配置する。
【0024】
垂直リフト機構58は概して、加工物固定具60と、加工物固定具60と下側電極24とを機械的に連結する、一組の弾性付勢される支持体62と、上側電極22から下側電極24及び加工物固定具60向かって突出している、一組の弾性付勢される押下機構64と、持ち上げ板66と、加工物リング68とを含む。上側電極22及び下側電極24間に位置決めされる加工物固定具60の外周縁又は外周65が、分離リング26によって囲まれている。
【0025】
図3及び図3Aに最もよく示されるように、持ち上げ板66及び加工物リング68は、例えばピンをソケットに入れるタイプの係合によって接合され、この場合、持ち上げ板66又は加工物リング68の一方が一組の突出ピン(図示せず)を有し、持ち上げ板66又は加工物リング68の他方が、ピンと位置合わせ(register)して嵌合する一組のソケット(図示せず)を有する。下側電極24上に配置されているカバー板70が、キャップ72と、キャップ72の下にある支持体74とを含む。キャップ72も、ピンをソケットに入れるタイプの係合によって支持体74と接合してもよく、又は代替的にはキャップ72及び支持体74は、一体型の1つの部品である構成要素を構成してもよい。カバー板70は、蓋14が下降すると、加工物リング68及び持ち上げ板66と同様に、下側電極24と良好に電気接触する。結果として、加工物固定具60、加工物30及び下側電極24は、プラズマ加工システム10が加工領域28内でプラズマを生成すると共に加工領域28内でプラズマによって加工物30を加工するように動作しているときに、実質的に等しい電位にある。
【0026】
リセス76が、下側電極24の各角部付近に位置する。各リセス76は、それぞれのリセス76が下側電極24に形成されるか又は機械加工された後で残っている下側電極24の比較的薄肉材料であるベース78を有する。リセス76のそれぞれのベース78からは、雌ねじ山付きの開口82を有する取り付け支柱80が突出している。各取り付け支柱80は、リセス76のそれぞれと実質的に同軸であるように位置決めすることができる。支持体62を形成する組立てにおいては、ガイドピン86のねじ山付き先端84が、各取り付け支柱80の雌ねじ山付きの開口82と嵌合する。各取り付け支柱80の雌ねじ山付きの開口82は、それぞれのガイドピン86が持ち上げ板66に向かう方向に突出するような向きになっている。
【0027】
また、リセス76はそれぞれ、ベース78まで延在する実質的に円筒形の側壁88と、側壁88及び下側電極24の上面92間に配置されるベベル又はフレア状のリム90とによって周囲の境界を定められる。上面92と交差するフレア状のリム90の直径は、各リセス76の側壁88の直径よりも大きく、上面に向かう方向へ広がって拡径する。
【0028】
各ガイドピン86は、ねじ山付き先端84から頭部96へ延在する、ねじ山を有しない実質的に円筒形のシャンク94を含む。頭部96は、ガイドピン86のねじ山付き先端84と雌ねじ山付きの開口82とを嵌合係合させるために使用される工具(図示せず)の先端を受け入れる凹状の特徴部98を含むことができる。少なくとも部分的に下側電極24の上面92の上方付近へ突出する各ガイドピン86の頭部96は、ねじ山を有しないシャンク94付近に位置するフレア状の面100を有する。各ガイドピン86のねじ山を有しないシャンク94及びそれぞれのリセス76の側壁88は、実質的に同軸配置される。
【0029】
支持体62はそれぞれ、ガイドピン86のそれぞれによって加工物固定具60の持ち上げ板66と連結されるストップブロック102を含む。各ストップブロック102は本体104を含み、該本体104は、拡径ヘッド106及び本体104の長さを延在する中心ボア又は通路108を有する。拡径ヘッド106の、本体104に対して半径方向外向きである突起は、本体104の周りの全周に延在する縁又はリップ110を画定する。各ストップブロック102の拡径ヘッド106は、リップ110からの距離が増すほど縮径する第1のベベル又はテーパ状の外側側壁112と、リップ110からの距離が増すほど拡径する第2のベベル又はテーパ状の外側側壁114とをさらに含む。外側側壁114は、リップ110とテーパ状の外側側壁112との間に配置される。通路108は、実質的に円筒形の面116と、該実質的に円筒形の面116の一部を狭めるベベル又はテーパ状の面118とを含む。
【0030】
フレア状のリセス120が、持ち上げ板66の各周囲角部付近に画定される。各ストップブロック102のテーパ状の外側側壁112は、フレア状のリセス120のそれぞれと係合する。各フレア状のリセス120の深さは、持ち上げ板66がストップブロック102と固定されているときに、フレア状のリセス120のそれぞれの傾斜面122と各ストップブロック102のテーパ状の外側側壁112とが接触するように選択される。各フレア状のリセス120と、そのストップブロック102の対応するテーパ状の外側側壁112との傾斜角は一致し、ストップブロック102と持ち上げ板66とを固定する際に助けとなるが、十分な大きさの垂直方向力によって持ち上げ板66を容易に取り外すことを依然として可能にする。
【0031】
ストップブロック102の通路108のテーパ状の面118は、持ち上げ板66に取り付けられると、下側電極24のリセス76のうちの1つと加工物固定具60との間に概ね配置される。リセス76のそれぞれには、ワイヤの螺旋コイルから形成される圧縮ばねの形状を有し得るばね要素124が配置される。各ばね要素124は、それぞれのリセス76内に閉じ込められ、ベース78とそれぞれのストップブロック102のリップ110との間に捕捉される。
【0032】
図6に最もよく示すように、ばね要素124は、加工物固定具60が上昇位置にあるときに拡張する。その結果、加工物固定具60の持ち上げ板66及び加工物リング68は、支持体62上で弾性的に浮動するように支持される。持ち上げ板66及び加工物リング68から与えられる負荷下では、ばね要素124は、持ち上げ板66を下側電極24の上面92上に懸吊するか又は上昇させるのに十分なばね力を全体で有する。
【0033】
テーパ状の面118は、ガイドピン86の頭部96上のフレア状の面100と接触し、加工物固定具60が上昇位置にあるときに垂直運動を確実に停止させる。フレア状の面100とテーパ状の面118との傾斜角は、加工物固定具60が上昇位置にあるときに、それぞれのガイドピン86に対して各ストップブロック102が自己を中心に位置付けるように一致する。これによって、加工物固定具60が、上昇位置にあるときに再現可能な空間位置へ戻ることが可能となる。さらに、これによって、加工物固定具60によって担持される加工物30を、プラズマ加工システム10内に再現可能に配置する。
【0034】
以下で詳細に説明するように、下降位置(図5)へ向かう蓋14の移動によって加工物固定具60を下降位置へ向かって移動させ、したがってばね要素124を圧縮する。加工物固定具60が下降すると、ガイドピン86それぞれの頭部96がそのそれぞれの通路108内を持ち上げ板66に向かって移動する。
【0035】
図3及び図3Aに最もよく示すように、加工物固定具60は、持ち上げ板66及び加工物リング68を貫通する中央開口130と、中央開口130から加工物固定具60の外周65へ半径方向に延在する間隙132とを含む。カバー板70は、間隙132の幅と実質的に同一である幅を有する寸法にされる。加工物固定具60がプロセス位置へ下降すると、加工物リング68の上面134及びカバー板70の上面136によって合わせて画定される実質的に平坦な面によって中央開口130が囲まれるように、カバー板70は間隙132を埋める。必要な同一平面の配置を促進するには、カバー板70及び加工物固定具60のそれぞれの厚さを実質的に等しくなるように選択し、これによって、加工物固定具60がその下降位置にあるときに上面134、136が実質的に面一であることが可能となる。中央開口130は、代表的な実施形態では円形である。しかし、中央開口130は、矩形等の他の形状を有してもよい。
【0036】
間隙132は、加工物リング68の厚さを貫通する対面する側壁133、135間に画定される。加工物固定具60における間隙132の幅は、エンドエフェクタが間隙132を通過して中央開口130にアクセスし、未加工の加工物30を加工物固定具60に搬送すると共に加工済みの加工物30を加工物固定具60から取り出すことができるように選択される。エンドエフェクタは、当業者によって理解されるように、水平多関節(SCARA)ロボット等のロボットと動作可能に連結される。
【0037】
下側電極24は、下側電極24に画定されるリセス内に位置付けられる取り付けフランジ140及び台座部分142を含む、取り外し可能な電極セクション138をさらに備える。代表的な加工物支持体を画定する台座部分142は、取り付けフランジ140から上側電極22に向かって突出する。電極セクション138は、従来の締結具によって下側電極24の下にある周囲の残りの部分と固定される。下側電極24の上面92及び取り付けフランジ140の上面92は実質的に面一である。周囲の取り付けフランジ140の上に上昇している台座部分142の上面144の表面積は、中央開口130の半径方向内方の開いている断面積に実質的に等しい。台座部分142の直径は、加工物リング68の中央開口130の直径と実質的に等しい。電極セクション138は、プラズマ加工システム10が動作しておりプラズマが加工領域28内に存在するときに、台座部分142及び支持体74が下側電極24と実質的に同じ電位であるように、下側電極24の残りの部分と良好に電気接触する。
【0038】
カバー板70は、取り付けフランジ140の平面上に突出する、電極セクション138の別の隆起領域を含む。カバー板70及び台座部分142は、取り付けフランジ140から突出する単一又は一体の隆起領域を含むことができる。代替的には、カバー板70は、電極セクション138に取り付けられる別個の構成要素を備えてもよく、この場合、カバー板70を加工物固定具60の中央開口130に対して自動的に位置決めするのに使用される位置決めピン(図示せず)等を含んでもよい。
【0039】
加工物固定具60がプロセス位置へ下降すると、加工物30と台座部分142の上面144とが接触することによって加工物30を加工物リング68から台座部分142へ搬送する。加工物30の搬送は、台座部分142、下側電極24、又は筐体12のベース16上にある、加工物30を台座部分142上へガイドするいかなる構造も使用することなく達成される。加工物固定具60の下降したプロセス位置では、加工物リング68の上面134は、台座部分142の上面144の下へわずかに凹んでいる。プラズマ処理中に、加工物30は台座部分142の上面144に載る。
【0040】
電極セクション138及び持ち上げ板66は、アルミニウム等の導体から構成されている。カバー板70のキャップ72及び加工物リング68は、アルミナ又は高純度アルミナ等の絶縁体又は誘電体から構成されている。代替的には、カバー板70のキャップ72及び加工物リング68は、アルミニウム等の導体から構成してもよい。カバー板70のキャップ72及び加工物リング68の構成材料の選択は、加工物30の特定のプラズマプロセスのためにプラズマ加工システム10において必要とされるプラズマ性能のタイプによって決定される。
【0041】
図3A及び図4を参照すると、押下機構64のうちの1つが、分離リング26のそれぞれの内側角部15付近、また明らかなように上側電極22のそれぞれの対応する外側角部(図示せず)付近に空間的に位置する。押下機構64はそれぞれ、インサート152及び肩部ボルト154の協働によって上側電極22と固定されるプッシャブロック150、並びにばね要素156を含む。プッシャブロック150はそれぞれ、ストップブロック102のそれぞれと実質的に重なり合う関係にある。ワイヤの螺旋コイルから形成される圧縮ばねの形状を有し得るばね要素156の一端は、プッシャブロック150の拡径頭部158と上側電極22との間に捕捉される。プッシャブロック150はセラミック等の絶縁材料又は誘電体材料から構成され、インサート152及び肩部ボルト154は、ステンレス鋼等の金属から形成することができる。肩部ボルト154は、上側電極22のねじ山付きのボルト穴内に固定されるねじ山付きの先端を有する。各押下機構64のプッシャブロック150は、肩部ボルト154に対して、ばね要素156が拡張している第1の位置(図4)とばね要素156が圧縮している第2の位置(図5)との間で移動可能である。ばね要素156は、第1の位置において、各プッシャブロック150に対して予め荷重をかけるように付勢する。
【0042】
蓋14がベース16に向かって移動すると、押下機構64のそれぞれのプッシャブロック150が加工物リング68の上面134と接触してばね要素156が圧縮し始める。蓋14がベース16に近づくとばね要素156がさらに圧縮され、これによって、加工物リング68により多くの力がかかり、加工物固定具60を台座部分142の上面144に向かって、且つ下側電極24に向かって移動させる。加工物固定具60が完全に下降した位置にあるとき、各ストップブロック102上のテーパ状の外側側壁114がリセス76のフレア状のリム90と接触し、各プッシャブロック150がその第2の位置へ移動する。
【0043】
フレア状のリム90及びテーパ状の外側側壁114の傾斜角は実質的に等しいか又は一致する。加工物固定具60が下降位置にあるとき、フレア状のリム90のそれぞれが外側側壁114のそれぞれと接触する。この接触によって、各ストップブロック102がそのそれぞれのリセス76内に自動的に自己を中心に位置付ける。したがって、蓋14が下降するごとに、蓋14が加工物固定具60を下降位置へ移動させると、加工物固定具60は下側電極24及び取り外し可能な電極セクション138に対して再現可能な空間位置へ戻る。さらに、これによって、それぞれの連続的なプラズマ処理中に、連続的な加工物30を台座部分142上に再現可能に配置する。
【0044】
既出の図と同様の参照符号が同様の特徴部を指す図3、図3A、図7、図8A及び図8Bを参照し、また本発明の一実施形態によると、プラズマ加工システム10は、全体的に参照符号160によって示される犠牲リングをさらに含む。加工物30の底面29が台座部分142の上面144上に支持されているとき、犠牲リング160は、加工物30の外周を加工物30と同心の関係で囲む外周縁31の周りの全周に延在する。
【0045】
犠牲リング160は、加工物リング68の持ち上げ板66の湾曲肩部164に取り付けられる第1のセクション168と、カバー板70の支持体74の肩部166に取り付けられる第2のセクション170とから成る本体161を含む。第1のセクション168は、第2のセクション170によって示される円弧よりも長さが長い円弧を含む。加工物リング68の持ち上げ板66に画定される湾曲肩部164は、中央開口130を同軸上で囲み、間隙132の側方に位置する側壁133、135との交点において終端する。中央開口130に開いている湾曲肩部164は、加工物リング68の上面92に対して凹んでいる。カバー板70の支持体74に画定される湾曲肩部166は、加工物固定具60が下降位置にあるときに肩部164と並置されると、完全に円形である物体を幾何学的に閉じる。同様に中央開口130に開いている肩部166は、カバー板70の上面136に対して凹んでいる。犠牲リング160のセクション168、170は、ピン172、174をそれぞれ使用するピンをソケットに入れるタイプの係合によって持ち上げ板66及び支持体74と固定することができる。
【0046】
犠牲リング160の第1のセクション168は、リッジ176と、該リッジ176の半径方向内側に配置されている肩部又はリム178とを含む。第1のセクション168のリッジ176は、加工物30の上面27及び底面29を接続している加工物30の外周縁31がリム178を覆い、リッジ176の半径方向内側に配置されるようにリム178上に突出する。同様に、犠牲リング160の第2のセクション170は、リッジ180と、該リッジ180の半径方向内側に配置されている肩部又はリム182とを含む。第2のセクション170のリッジ180は、加工物30の外周縁31がリム182を覆い、リム182の半径方向内側に配置されるようにリム182上に突出する。セクション168、170はそれぞれ、材料の複数のセグメント(すなわちより小さい曲率半径の内側縁を有する幅広のセグメント上の、より大きい曲率半径の内側縁を有する狭小のセグメント)から形成してもよく、又は代替的には、材料の単一の一体部品から機械加工するか若しくは成形してもよい。
【0047】
リム178の半径方向寸法又は幅は、加工物30の底面29上にあり外周縁31の周りを延在する薄い環状の表面積のみがリム178と接触するように選択される。一実施形態では、この接触する幅は、加工物30の外周縁31から半径方向内方に3ミリメートルに実質的に等しい距離だけ延在する環状部であり得る。持ち上げ板66にある中央開口130の開口は、リム178、182の半径方向寸法よりも小さい加工物30の直径に実質的に等しい。
【0048】
図8Bに最もよく示されるように、加工物固定具60が下降したプロセス位置にあるときに、リム178、182が実質的に連続し、環状の幾何学的形状になると、リッジ176、180は互いに位置合わせされる。セクション168、170間の関係は、加工物固定具60がその上昇状態にある場合は図8Aに示されており、また、加工物固定具60がその下降状態にあり、蓋14が閉じて加工物30を加工する準備が整っている場合は図8Bに示されている。加工物固定具60が下降しているときのリッジ176、180の位置合わせによって、加工物30の外周縁の位置を犠牲リング160の外径に向かって半径方向外方へ効果的にシフトする半径方向寸法を有する材料から成る実質的に連続的なリングが画定される。リッジ176、180の上面は、加工物30の隣接する上面と実質的に同一平面上にある。犠牲リング160は、加工物固定具60がその下降位置にあるときに加工物30と接触する関係にない。
【0049】
一実施形態では約10ミリメートル幅であり得る犠牲リング160は、プラズマに暴露されるとエッチングされる消耗材料から形成される。消耗材料は、有機ポリマー、又はプラズマエッチングされる加工物30の材料と同様の組成である別の材料(すなわちシリコン)から成ることができる。好適な有機ポリマーとしては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド及びポリアミド又はナイロンが挙げられ得るがこれらに限定されない。犠牲リング160は、当業者が精通している技法によってこれらのタイプの材料から作製することができる。
【0050】
有機ポリマーは、例えばプラズマ処理システム10のプラズマを用いて加工物30からフォトレジスト層をストリップする場合に、犠牲リング160の組成にとって特に好適な材料であり得る。この場合、犠牲リング160を構成する材料は、プラズマエッチングによって加工物から除去される材料の組成と同様である。プラズマエッチングによって侵食する場合、犠牲リング160の材料は、比較的揮発性であり、結果として真空ポンプ36によって加工領域28から容易に排気されるエッチング副生成物を形成し得る。したがって、犠牲リング160のエッチングに由来する、真空筐体12の側壁13及び真空筐体12内の構成要素(加工物30自体を含む)上の汚染物質又は残渣は、ごくわずかであり得る。
【0051】
リッジ176、180の半径方向寸法は、加工物30の周囲縁の効果的な位置のシフトを最適化するように選択される。換言すると、加工物のエッジ効果に起因する比較的速いエッチング速度の固有のゾーンが加工物30の周囲リムよりむしろ犠牲リング160をエッチングするように、加工物30はプラズマに対してより大きい有効直径を呈する。このより速いエッチング速度が半径方向外方にシフトして加工物30を外れるため、加工物30にわたるプラズマ処理の均一性が改善される。システム10を使用してプラズマを生成すると共に加工物30の上面27を処理する場合、リッジ176、180は加工領域28内でプラズマに暴露される。概して、犠牲リング160は、加工物30の外周縁31の外径に実質的に等しい内径IDを特徴とする環状の幾何学的形状を有する。犠牲リング160の内径IDと外径との差が、その有効半径方向寸法を画定する。
【0052】
犠牲リング160を使用することによって、プラズマ処理において特有のエッジ効果を、加工物30の外周縁31から犠牲リング160の外周162へシフトすることができる。理論によって限定されることを望まないが、この機構によって、犠牲リング160は、プラズマ加工中にそれ自体の処理均一性を犠牲にすることによって、優先的なエッジ効果が主に犠牲リング160の消耗材料にわたってエッチング速度を増加させるため、加工物の外周におけるエッジ効果を緩和又は軽減するように動作すると考えられる。したがって、加工物30の中央領域と周囲縁領域との間でエッチング速度のばらつきがあまり生じないため、エッチング速度は加工物30にわたってより均一である。
【0053】
加工物30の外周縁の位置を効果的にシフトすることにおける有効性を維持する犠牲リング160の寿命は、その構成材料及びプラズマ加工の詳細を条件とし得る。犠牲リング160は、消耗構成要素であるため、必要に応じて交換することができる。
【0054】
犠牲リング160は、プラズマエッチング、フォトレジストストリッピング又はデスカミング(descumming)、表面洗浄、表面活性化及び薄膜蒸着等のプラズマ処理の、ウエハレベルの用途におけるウエハにわたる均一性を改善する簡単且つ効果的な技法を提示する。犠牲リング160は、プラズマ処理システム10の資本費用を大幅に増加することなく実装することができる。さらに、犠牲リング160を用いて、時間がかかるか又は高価なエッチングプロセス又はエッチング機器の必要なく、加工物にわたるプラズマ処理の均一性を改善することができる。プラズマ処理システムには、エッジ効果から生じるエッチング均一性の問題に対処する犠牲リング160を簡単且つ廉価な方法で組み込むことができる。
【0055】
本明細書において「垂直」、「水平」等の用語の言及は、参照の3次元的な骨組み(frame)を確立するために、限定するものではなく例示としてなされる。「水平」という用語は、本明細書において使用される場合、向きにかかわらず電極22、24の対向する面のうちの一方を含む平面に対して実質的に平行な平面として定義される。「垂直」という用語は、直前で定義した水平に対して垂直な方向を指す。「上側」、「下側」、「上(on)」、「上の」、「下の」、(「側壁」におけるような)「側」、「より高い」、「より低い」、「〜にわたる」、「下」("beneath" and "under")等の用語は、水平面に対して規定されるものである。当業者は、定義された参照の骨組みは絶対的ではなく相対的であることを理解するため、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な他の参照の骨組みを用いることができることが理解される。
【0056】
本発明を様々な実施形態の説明によって示し、これらの実施形態をかなり詳細に説明したが、本出願人らは、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限すること、又はいかなる方法でも限定することを意図していない。さらなる利点及び変更形態は、当業者には容易に明らかであろう。したがって、本発明は、その広範な態様では、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに図示及び記載される説明のための例に限定されない。したがって、出願人の包括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、そのような詳細から発展することができる。本発明自体の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって規定されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周縁を有する加工物のプラズマ加工において使用する装置であって、
プラズマによって除去可能な材料から成る犠牲体であって、前記加工物の外径が効果的に増大するように該加工物の前記外周縁の周りに配置されるようになっている犠牲体を備える、装置。
【請求項2】
前記犠牲体は、並置した関係で配置されると環状の幾何学的形状を有するように配置される複数のセクションを含み、該複数のセクションは、前記加工物と同心配置されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記犠牲体は有機ポリマーから成る、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記有機ポリマーはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド又はポリアミドである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記犠牲体は、プラズマに暴露される前記加工物の一部を構成する材料と同様の組成である材料から成る、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記犠牲体は、環状の幾何学的形状と、前記加工物の前記外周縁の外径と実質的に等しい内径とを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
外周縁と、該外周縁によって接続されている第1の面及び第2の面とを有する加工物をプラズマ加工する装置であって、
プラズマを収容するように構成されている真空筐体であって、前記加工物の前記第1の面がプラズマに暴露されるときに、前記加工物の前記第2の面と接触して支持するようになっている支持台座を含む、真空筐体と、
プラズマによって除去可能な材料から成る犠牲体であって、前記加工物の外径が効果的に増大するように、前記台座上で支持される前記加工物の前記外周縁の周りに延在する犠牲体とを備える、装置。
【請求項8】
前記犠牲体は、並置した関係で配置されると環状の幾何学的形状を有するように配置される複数のセクションを含み、該複数のセクションは、前記加工物と同心配置されるように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記真空筐体内に配置されているウエハリフト機構をさらに備え、該ウエハリフト機構はウエハ固定具を含み、該ウエハ固定具は、該ウエハ固定具が前記加工物を前記支持台座と接触しない関係で保持する第1の位置と、該ウエハ固定具が前記加工物の前記第2の面を前記支持台座と接触する関係で配置する第2の位置との間で移動可能であり、前記犠牲体の前記第1のセクションは前記ウエハ固定具によって担持される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2のセクションは、前記支持台座に隣接して取り付けられ、前記ウエハ固定具が前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動するときに静止したままである、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記犠牲体は有機ポリマーから成る、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記有機ポリマーはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド又はポリアミドである、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記犠牲体は、プラズマに暴露される前記加工物の一部を構成する材料と同様の組成である材料から成る、請求項7に記載の装置。
【請求項14】
前記犠牲体は、環状の幾何学的形状と、前記加工物の前記外周縁の外径と実質的に等しい内径とを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項15】
第1の面と、第2の面と、該第1の面及び該第2の面を接続している外周縁とを有する加工物をプラズマエッチングする方法であって、
前記加工物の前記外周縁の周りに、プラズマによって除去可能な材料から成る犠牲体を配置すること、
前記加工物の前記第1の面及び前記犠牲体をプラズマに暴露すること、並びに
最大エッチング速度を、前記加工物の前記第1の面上の位置から前記犠牲体上の異なる位置へシフトすることを含む、方法。
【請求項16】
前記加工物の前記第1の面を、前記エッチングプロセス中にプラズマを閉じ込める真空筐体内に位置決めされる支持台座上で支持することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記犠牲体は、位置合わせされると環状の幾何学的形状を画定する複数のセクションに分割されており、前記方法は、
前記加工物を、前記真空筐体内に配置されているウエハリフト機構上で一時的に支持すること、
前記ウエハリフト機構を移動させて前記加工物を該ウエハリフト機構から前記支持台座へ搬送すること、及び
前記加工物を搬送するとき、前記犠牲体の前記セクションのうちの少なくとも一方と該犠牲体の該セクションのうちの少なくとも別のセクションとを位置合わせすることであって、実質的に連続する環状の幾何学的形状を画定する、位置合わせすることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記加工物の前記第1の面をエッチングしている間に該加工物を前記支持台座で支持することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記犠牲体の材料をプラズマに暴露することによって侵食すること、及び
前記犠牲体の十分な侵食が起こった後で該犠牲体を別の犠牲体と交換することをさらに含む、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2010−529656(P2010−529656A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510438(P2010−510438)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/064670
【国際公開番号】WO2008/150739
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】