説明

プラズマ処理装置

【課題】プラズマ処理装置において、簡易かつ低コストの構成で、プロセスガスの導入位置を基板の配置(特にバッチ処理の場合)や基板のサイズ(特に枚葉処理の場合)に応じて高い自由度で設定可能とし、それによって高生産性と品質安定化を達成する。
【解決手段】チャンバ3の上部開口に配置された天板7には、ガス供給口7dとガス導入口7j,7kが設けられている。天板7の上面7aには、ガス供給口7dとガス導入口7j,7kを接続するために、供給ガス溜め部7e、共通導入溝部7g、分配ガス溜め部7f、分岐溝部7i、及び個別ガス溜め部7hが設けられ、これらの上部開口は天板7の上面7aに配置された蓋部材8により閉鎖されている。個々のガス導入口7j,7kは基板サセプタ6に保持された基板2の中央領域の上方に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導結合プラズマ(ICP)型のプラズマ処理装置におけるチャンバ内へのプロセスガスの導入のための構造としては、以下の2種類が知られている。まず、第1の構造では、ガス供給口、ガス導入口、及びガス溜め等を形成するために必要な溝、孔、窪み等の加工を施した石英等の誘電体からなる複数の板を、真空環境下での熱溶着等で貼り合わせ、チャンバの上部開口を閉鎖する天板とすることが知られている。また、誘電体からなる天板に設けた貫通孔に別体のノズルを取り付け、このノズルからプロセスガスをチャンバ内へ導入することが知られている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
一方、複数の基板を同時にチャンバ内に配置してプラズマ処理を行う、バッチ処理方式のプラズマ処理装置が知られている。例えば、特許文献3に記載のプラズマ処理装置では、複数枚の基板を1枚のトレイに収容した状態でチャンバ内に搬入し、これらの基板をトレイごと基板保持部で保持してプラズマ処理を行う。
【0004】
この種のバッチ処理方式のプラズマ処理装置で高生産性と品質安定化を実現するには、個々の基板毎にプロセスガスを供給し、かつ個々の基板毎のプロセスガスの流れを均一化することが重要である。プロセスガスを個々の基板毎ではなく全面的にシャワー状に導入すると、チャンバからの排気の影響で個々の基板の一方の周縁部に堆積物が発生する場合がある(例えば搬送用のトレイを構成するSiCがスパッタされたものが個々の基板の一方の周縁部に堆積する)。また、個々の基板におけるガス流の分布が不均一となると、プラズマ処理の不均一化(例えばドライエッチングの場合のエッチング量の不均一化)が生じる。
【0005】
基板のサイズが大型の枚葉処理方式のプラズマ処理装置の場合も、全領域でプロセスガスの流れを均一化させてプラズマ処理の均一を図る必要がある。
【0006】
しかし、第1の構造(複数の誘電体板の貼り合わせ)で個々の基板毎にガス導入口を設ける場合、基板載置部に載置される基板の枚数(バッチ処理枚数)が増えるほど、あるいは枚葉処理の基板のサイズが大型化するほど、誘電体板が大型して真空環境下での熱融着での貼り合わせが困難となり、製造コストが増加する。
【0007】
また、第2の構造(天板に別体のノズルを取り付ける)で個々の基板毎にガス導入口を設ける場合の天板には、バッチ処理の個々の基板の対応する位置、あるいは枚葉処理の基板のサイズに応じた位置にぞれぞれノズルを取り付ける必要がある。しかし、天板の上側には、ICPコイル、ヒータ板、FS電極等が配置されている。ICPコイルやFS電極と干渉する位置にはノズルを取り付けることはできない。また、ヒータ板にはノズルとの干渉回避のための孔を設けることが可能であるが、この孔を設けると天板温調の均一性が低下する上、ノズルの配置に応じて内部配線を個別設計する必要がある。
【0008】
以上のように、従来知られているプラズマ処理装置におけるチャンバ内へプロセスガスを導入のための構造では、バッチ処理方式の場合に個々の基板毎のプロセスガスの流れの均一性を確保しつつ個々の基板毎にプロセスガスを供給することや、枚葉処理の場合の大型の基板におけるプロセスガスの流れの均一化を、簡易かつ低コストで実現することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2002−534797号公報
【特許文献2】特許第3372244号公報
【特許文献3】特開2007−109770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、プラズマ処理装置において、簡易かつ低コストの構成で、プロセスガスの導入位置を基板の配置(特にバッチ処理の場合)や基板のサイズ(特に枚葉処理の場合)に応じて高い自由度で設定可能とし、それによって高生産性と品質安定化を達成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、減圧可能なチャンバと、前記チャンバ内に設けられて少なくとも1個の基板を保持する基板保持部と、誘電体からなり、前記基板保持部と対向する前記チャンバの上部開口に配置され、プロセスガスを供給するガス源に接続されたガス供給口と、前記チャンバ内に前記プロセスガスを導入する複数のガス導入口と、前記ガス供給口と前記ガス導入口を接続するために上面に設けられた凹部とを備える天板と、誘電体からなり、前記凹部の上部開口を閉鎖するように前記天板の前記上面に配置される蓋部材と、前記蓋部材の上側に配置されて高周波電力が投入されるプラズマ発生のための電極とを備えるプラズマ処理装置を提供する。
【0012】
天板にガス導入口を配置する構造は、ガス供給口とガス導入口を有する天板の上面に凹部を設け、この凹部を蓋部材で閉鎖することで実現している。そのため、ガス導入口を天板のいずれの位置に設けても、蓋部材よりも上方に配置されているプラズマ発生用の電極等との干渉は生じない。この点で、ガス導入口の配置の自由度が非常に高い。
【0013】
本発明のプラズマ処理装置は、バッチ処理方式でも枚葉処理方式でもよい。
【0014】
バッチ処理方式の場合、前記基板保持部は複数の前記基板を保持し、前記複数のガス導入口はそれぞれ前記基板保持部に保持された個々の前記基板の上方に位置する。具体的には、個々の前記ガス導入口は前記基板保持部に保持された前記基板の中央領域の上方に位置している。
【0015】
基板保持部に保持された複数の基板の中央領域の上方に、それぞれガス導入口が位置しているので、個々の基板毎にプロセスガスを供給することで個々の基板の周縁近傍での堆積物の発生を抑制でき、かつ個々の基板におけるガス流の分布を均一化により基板毎のプラズマ処理の均一化を図ることがきる。これら堆積物抑制と処理の均一化により、プラズマ処理の生産性向上と品質安定化を実現できる。また、前述のようにガス導入口の配置の自由度が非常に高いので、基板保持部に保持される基板の配置に応じてガス導入口を自由に配置できる。
【0016】
枚葉処理方式の場合、前記基板保持部は単一の前記基板を保持し、前記複数のガス導入口はそれぞれ前記基板保持部に保持された前記基板の異なる領域の上方に位置する。
【0017】
基板保持部に保持された基板の異なる領域にそれぞれガス導入口が位置しているので、ガス導入口の配置を最適化することで、基板のすべての領域においてガス流の分布の均一化によりプラズマ処理の均一化を図ることができる。また、前述のようにガス導入口の配置の自由度が非常に高いので、ガス流の分布が均一化されるようにガス導入口の配置をガス導入口を自由に配置できる。
【0018】
ガス供給口とガス導入口を有する天板の上面に凹部を設け、この凹部を蓋部材で閉鎖する構造は簡易かつ低コストで製造できる。
【0019】
プロセスガスは凹部を通ってガス供給口からガス導入口に流れる。具体的には、前記天板と前記蓋部材との間に介在して前記凹部内を密閉する第1の弾性部材をさらに備え、前記ガス供給口から供給された前記プロセスガスは前記凹部の壁と前記蓋部材の下面とで画定される空間を通って前記ガス導入口へ流れる。
【0020】
この構成により、プロセスガスが流れる空間は天板、蓋部材、及び第1の弾性部材で形成されるので、プラズマ処理装置の構成を簡素化できる。
【0021】
より具体的には、前記凹部は、ガス溜め部と、前記ガス供給口と前記ガス溜め部を接続する共通導入溝部と、それぞれ前記ガス溜め部から放射状に延びて前記ガス導入口に接続する複数の分岐溝部とを備える。
【0022】
この構成により、個々のガス導入口から対応する基板に向けて導入されるプロセスガスの流量を均一化でき、基板保持部に保持された複数の基板間でプラズマ処理の品質を均一化できる。
【0023】
ガス溜め部に多孔質材を配置することが好ましい。
【0024】
この構成により、均一なプロセスガスの流量を確保しつつ、凹部内での放電の発生を防止できる。
【0025】
凹部内にプロセスガスを流すためのガス導管機構を収容してもよい。具体的には、前記凹部内に収容されて内部にガス流路が形成されたガス導管機構をさらに備え、前記ガス供給口から供給された前記プロセスガスは、前記ガス導管機構内の前記ガス流路を通って前記ガス導入口に流れる。
【0026】
より具体的には、前記ガス導管機構は、ガス溜め室と、前記ガス供給口と前記ガス溜め室とを接続する共通導入管と、前記ガス溜め室から放射状に延びて前記ガス導入口に接続する複数の分岐管とを備える。
【0027】
この構成により、個々のガス導入口から対応する基板に向けて導入されるプロセスガスの流量を均一化でき、基板保持部に保持された複数の基板間でプラズマ処理の品質を均一化できる。
【0028】
ガス溜め室内に多孔質材を配置することが好ましい。
【0029】
この構成により、均一なプロセスガスの流量を確保しつつ、ガス導管機構内での放電の発生を防止できる。
【0030】
例えば、前記ガス導管機構は、前記ガス導入口を下端に有するノズルを個々の前記分岐管の末端側に備え、前記ノズルは前記凹部の底壁から前記天板の下面まで貫通する貫通孔に挿入されている。
【0031】
この構成により、ノズルの下端に設けたガス導入口の向き、形状、及び寸法を高精度で設定でき、これらによって各ガス導入口から導入されるプロセスガスのガス導入の向きと流量とをより高精度で制御できる。その結果、プラズマ処理の品質をさらに向上できる。
【0032】
代案としては、前記ガス導入口は、前記凹部の底壁から前記天板の下面まで貫通するように前記天板に形成され、前記ガス導管機構は、前記ガス導入口と対向する開口を下面に有する終端部を個々の前記分岐管の末端側に備え、前記ガス導入口と前記開口を囲むように第2の弾性部材が、前記凹部の底壁と前記終端部の前記下面との間に介在する。
【0033】
この構成によれば、ガス導入口を容易に天板に設けることでき、ガス導管機構の構成を簡素化できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係るプラズマ処理装置では、ガス供給口とガス導入口を有する天板の上面に凹部を設け、この凹部を蓋部材で閉鎖するという簡易かつ低コストの構成で基板保持部における基板の配置に応じてガス導入口の配置を高い自由度で設定可能であり、個々の基板におけるガス流の分布を最適化でき、それによって生産性が高く品質の安定したプラズマ処理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態に係るドライエッチング装置の模式的な断面図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るドライエッチング装置の模式的な分解斜視図。
【図3】基板保持部とトレイを示す模式的な分解斜視図。
【図4】トレイの平面図。
【図5】本発明の第1実施形態における天板と蓋部材を示す模式的な分解斜視図。
【図6】図1の部分拡大図。
【図7】本発明の第1実施形態に係るドライエッチング装置の蓋部材を除去した状態での平面図。
【図8】本発明の第2実施形態に係るドライエッチング装置の模式的な断面図。
【図9】本発明の第2実施形態における天板、蓋部材、及びガス導管機構を示す模式的な分解斜視図。
【図10】図8の部分拡大図。
【図11】第2実施形態の変形例を示す図10と同様の部分拡大図。
【図12】第2実施形態の他の変形例における天板、蓋部材、及びガス導管機構を示す模式的な分解斜視図。
【図13】第2実施形態の他の変形例の部分拡大断面図。
【図14】本発明の第3実施形態に係るドライエッチング装置の模式的な断面図。
【図15】本発明の第3実施形態に係るドライエッチング装置の蓋部材を除去した状態での平面図。
【図16】第3実施形態の変形例を示す図15と同様の平面図。
【図17A】基板が3インチの場合の基板サセプタにおける基板載置部の配置を示す平面図。
【図17B】基板が2インチの場合の基板サセプタにおける基板載置部の配置を示す平面図。
【図17C】基板が6インチの場合の基板サセプタにおける基板載置部の配置を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0037】
(第1実施形態)
図1及び図2は本発明の第1実施形態に係るICP(誘導結合プラズマ)型のドライエッチング装置1を示す。このドライエッチング装置1は、6枚の4インチの基板2に対して同時にドライエッチング処理を行うバッチ処理を実行可能である。
【0038】
ドライエッチング装置1は、基板2にプラズマ処理を行うための減圧可能な処理室が内部に構成されたチャンバ(真空容器)3を備える。チャンバ3には、基板2をトレイ4と共にチャンバ3内に搬入出するための開閉可能なゲート3aが設けられている。また、チャンバ3には、真空ポンプ等を備える真空排気装置5が接続された排気口3bが設けられている。
【0039】
チャンバ3内の底部側には、バイアス電圧が印加される下部電極としての機能及び基板2の保持台としての機能を有する基板サセプタ(基板保持部)6が配設されている。図3及び図4を併せて参照すると、基板サセプタ6の最上部を構成する保持板23の6個の基板載置部27A〜27Fの上端面である基板載置面28に、それぞれ基板2が配置される。1個の基板載置部27Aの周囲に残りの5個の基板載置部27B〜27Fが平面視において等角度間隔で配置されている。6枚の基板2を収容したトレイ4がゲート3aからチャンバ3内に搬入され、6枚の基板2はトレイ4と共に基板サセプタ6で保持される。
【0040】
図1及び図2を参照すると、基板サセプタ6と対向するチャンバ3の上端開口には石英等の誘電体からなる天板7が配置されている。本実施形態における天板7は円板状であり、例えば直径が500〜600mm程度、厚みが30〜50mm程度である。天板7の平坦な上面7aには石英等の誘電体からなる蓋部材8が配置されている。本実施形態における蓋部材8は平面視での外形が天板7と概ね一致する円板状であり、厚みが5mm程度である。蓋部材8の上方にはICPコイル11が配設されている。ICPコイル11は錐体状に巻回された複数の帯状の導電体を備える。また、蓋部材8の上面8aには誘電体からなる薄板12を介してFS電極13が配置されている。つまり、蓋部材8とICPコイル11の間にFS電極13が配置されている。ICPコイル11とFS電極13には、それぞれマッチング回路14A,14Bを介して、高周波電源15A,15Bが電気的に接続されている。
【0041】
天板7の下面7bとチャンバ3の上端との間は、チャンバ3の側壁上端に形成された収容溝3cに収容されたO−リング16Aにより密閉されている。また、天板7の上面7aと蓋部材8の平坦な下面8bとの間には天板7の上面7aの周縁付近に位置する収容溝7cに収容されたO−リング16Cが介在している。このO−リング16Cにより、天板7の上面に形成された後述する凹部(溝や窪み)が、ガス供給口7dとガス導入口7j,7kを除いて密封されている。天板7と蓋部材8は、図1及び図6に示すクランプ部材17によりチャンバ3の側壁上端部に押し付けられた状態で保持される。
【0042】
図5から図7を併せて参照すると、天板7の周縁付近にガス供給口7dが設けられている。本実施形態では、ガス供給口7dは天板7を厚み方向に貫通する直径4mm程度の貫通孔である。ガス供給口7dの下端側はチャンバ3に形成されたガス供給流路3eを介してMFC(マスフローコントローラ)等を備えるエッチングガス供給源21に接続されている。ガス供給口7dの上端側は天板7の上面7aの周縁付近に形成された上端開口の窪みである1個の供給ガス溜め部7eの底壁に開口している。チャンバ3の上端にはガス供給流路3eの開口を取り囲むように収容溝3dが形成され、この収容溝3dにO−リング16Bが収容されている。O−リング16Bはガス供給流路3eとガス供給口7dの接続箇所を密封している。
【0043】
天板7の上面7aの中央領域には、上端開口の窪みである1個の分配ガス溜め部7fが形成されている。供給ガス溜め部7eと分配ガス溜め部7fとは、天板7の上面に形成された上端開口の直線状の溝である共通導入溝部7gにより接続されている。また、天板7の上面7aには、上端開口の窪みである5個の個別ガス溜め部7hが平面視で分配ガス溜め部7fを等角度間隔で取り囲むように形成されている。分配ガス溜め部7fと個々の個別ガス溜め部7hは、天板7の上面に形成された上端開口の直線状の溝である分岐溝部7iにより互いに接続されている。本実施形態では、5個の同一の長さの分岐溝部7iが分配ガス溜め部7fから放射状に延びている。また、個々の分岐溝7iは平面視での溝幅が一定である。
【0044】
分配ガス溜め部7fにガス導入口7jが設けられ、個々の個別ガス溜め部7hにもガス導入口7kが設けられている。本実施形態におけるガス導入口7j,7kは分配ガス溜め部7fや個別ガス溜め部7hの底壁から天板7の下面7bまで天板7を厚み方向に貫通する直径4mm程度の貫通孔であり、先端には直径が0.5mm〜0.8mm程度の縮径部が設けられている。個々の分岐溝部7iの先端に個別ガス溜め部7hを設けずに単にガス導入口7kのみを設けてもよい。
【0045】
図2に最も明瞭に示すように、分配ガス溜め部7fは中央の基板載置部27Aの上方に配置され、個別ガス溜め部7hは基板載置部27Bを取り囲む基板載置部27B〜27Fの上方に配置されている。そして、分配ガス溜め部7fのガス導入口7jは基板載置部27Aの基板載置面28に載置された基板2の中央領域の上方に位置し、個別ガス溜め部7hのガス導入口7kは基板載置部27B〜27Fの基板載置面28に載置された基板2の中央領域の上方に位置している。
【0046】
分配ガス溜め部7fには、多孔質材61Aが配置されている。多孔質材61Aは連通する多数の微小孔が形成されて十分な通気性を有する材料であればよく、例えば多孔質セラミックを採用できる。多孔質材61Aは分配ガス溜め部7f内の空間に隙間なく密に充填されるように配置されている。個別ガス溜め部7h内にも多孔質材61Eが隙間なく密に充填されるように配置されている。
【0047】
エッチングガス供給源21からガス供給流路3eを介してガス供給口7dに供給されるエッチングガスは、天板7の上面7aに形成された溝及び窪みの壁面と蓋部材8の下面とで画定された空間を通ってガス導入口7j,7kへ流れる。エッチングガスは、まずガス供給口7dから供給ガス溜め部7eに入り共通導入溝部7gを通って分配ガス溜め部7fへ流れる。さらに、エッチングガスは分岐溝部7iを通って個々の個別ガス溜め部7hへも流れる。分配ガス溜め部7f及び個別ガス溜め部7hからガス導入口7j,7kを通ってチャンバ3内の基板載置部27A〜27Fに載置された基板2に向けてエッチングガスが導入される。
【0048】
図1から図3を参照すると、基板サセプタ6は、セラミクス等の誘電体からなる保持板23、表面にアルマイト被覆を形成したアルミニウム等からなり本実施形態ではペデスタル電極として機能する金属板24、及びセラミクス等の誘電体からなるスペーサ板25を備える。基板サセプタ6の最上部を構成する保持板23は、金属板24の上面に固定されている。
【0049】
保持板23は全体として薄い円板状であり平面視での外形が円形である。本実施形態では、保持板23の直径はトレイ4に対応して340mm程度に設定されている。保持板23の上端面であるトレイ支持面26から、バッチ処理される基板2の枚数に対応する6個の基板載置部27A〜27Fが上向きに突出している。トレイ支持面26の中央に1個の基板載置部27Aが配置され、この基板載置部27Aの周囲に残りの基板載置部27B〜27Fが等角度間隔で配置されている。基板載置部27A〜27Fの上端面は、基板2の下面が載置される基板載置面28を構成する。また、基板載置部27A〜27Fには、基板載置面28の外周縁から上向きに突出し、その上端面が基板2の下面を支持する円環状突出部29が設けられている。さらに、基板載置面28の円環状突出部29で囲まれた部分には、基板載置面28よりも十分径が小さい円柱状突起30が、均一に分布するように複数個設けられている。円柱状突起30と円環状突出部29の基板載置面28からの突出量は同一であり、円環状突出部29のみでなく円柱状突起30の上端面も基板2の下面を支持する。
【0050】
図1を参照すると、保持板23の個々の基板載置部27A〜27Fの基板載置面28付近には静電吸着用電極32が内蔵されている。これらの静電吸着用電極32には直流電圧印加機構33から静電吸着用の直流電圧が印加される。
【0051】
図1及び図3を参照すると、個々の基板載置部27A〜27Fの基板載置面28には、伝熱ガス(本実施形態ではヘリウム)の供給孔28aが設けられている。これらの供給孔28aは伝熱ガス供給機構34(図1に図示する)に接続されている。個々の基板載置部27A〜27Fの基板載置面28とその上に載置された基板2の下面との間、詳細には基板2の下面と円環状突出部29で囲まれた閉鎖された空間に、伝熱ガス供給機構34によって伝熱ガス(本実施形態ではヘリウムガス)が供給される。伝熱ガスの供給時にはカットオフバルブ34aは閉弁され、伝熱ガス供給源(本実施形態ではヘリウムガス源)34bから供給流路34cを経て供給孔28aへ伝熱ガスが送られる。流量計34dと圧力計34eで検出される供給流路34cの流量及び圧力に基づき、後述するコントローラ34aが流量制御バルブ34fを制御する。一方、伝熱ガスの排出時にはカットオフバルブ34aが開弁され、基板2の下面と基板載置面28の間の伝熱ガスは、供給孔28、供給流路34c、及び排出流路34gを経て排気口3bから排気される。
【0052】
金属板24には、バイアス電圧としての高周波を印加する高周波印加機構35が電気的に接続されている。また、金属板24を冷却する冷却機構36が設けられている。冷却機構36は、金属板24内に形成された冷媒流路36aと、温調された冷媒を冷媒流路36a中で循環させる冷媒循環装置36bとを備える。
【0053】
図3及び図4を参照すると、例えばSiC、アルミナ(Al2O3)、イットリア、AlNの等のセラミクス材の薄板であって本実施形態では直径が340mmであるトレイ4には、上面4aから下面4bまで厚み方向に貫通して6個の基板収容孔9A〜9Fが設けられている。個々の基板収容孔9A〜9Fに4インチの基板2が収容される。基板載置部27A〜9Fと同様に、1個の基板収容孔9Aがトレイ4の中央領域に設けられ、その周囲に残りの5個の基板収容孔9B〜9Fが等角度間隔で配置されている。
【0054】
トレイ4には個々の基板収容孔9A〜9Fの孔壁から内向きに突出する環状の基板支持部4cが設けられている。個々の基板収容孔9A〜9Bにそれぞれ1枚の基板2が収容される。基板収容孔9A〜9Fの孔径は基板2よりも僅かに大きく設定されており、基板収容孔9A〜9Fに収容された基板2は、その下面の外周縁部分が基板支持部4cの上面に支持される。
【0055】
図1にのみ模式的に示すコントローラ37は、流量計34d及び圧力計34eを含む種々のセンサや操作入力に基づいて、高周波電源15A,15B、エッチングガス供給源21、真空排気装置5、直流電圧印加機構33、伝熱ガス供給機構34、高周波電圧印加機構35、及び冷却機構36を含むドライエッチング装置1全体の動作を制御する。
【0056】
次に、本実施形態のドライエッチング装置1の動作を説明する。
【0057】
基板収容孔9A〜9Fにそれぞれ基板2が収容されたトレイ4は、図示しない搬送アームによりゲート3aからチャンバ3内に搬入され、上昇位置にある昇降ピン38の先端に移載される(このとき昇降ピン38の先端は基板サセプタ6よりも上方に位置する。)。次に、駆動機構39により昇降ピン38が降下することで、基板2とトレイ4が基板サセプタ6に載置される。具体的には、トレイ4の下面が保持板23のトレイ支持面26へ降下する。トレイ4がトレイ支持面26に向けて降下する際、保持板23の基板載置部27A〜27Fがトレイ4の対応する基板収容孔9A〜9F内へトレイ4の下面側から進入する。トレイ4の下面が保持板23のトレイ支持面26に載置されると、個々の基板収容孔9A〜9F内の基板2は基板載置部27A〜27Fの上端面である基板載置面28上に載置され、トレイ4の基板支持部4cの上面から持ち上げられる。
【0058】
次に、静電吸着用電極32に対して直流電圧印加機構33から直流電圧が印加され、個々の基板載置部27A〜27Fの基板載置面28に基板2が静電吸着される。続いて、個々の基板載置部27A〜27Fと基板2の下面との間の空間が、伝熱ガス供給機構34から供給孔28aを通って供給される伝熱ガスにより充填される。その後、エッチングガス供給源21からチャンバ3内にエッチングガスが供給され、真空排気装置5によりチャンバ3内は所定圧力に維持される。続いて、高周波電源15AからICPコイル11に高周波電圧を印加すると共に、高周波印加機構35により基板サセプタ6の金属板24にバイアス電圧を印加し、チャンバ3内にプラズマを発生させる。ICPコイル11により発生させた高周波磁界によりチャンバ3内に誘導電界を発生させて電子を加速してプラズマを発生さる。このプラズマにより基板2がエッチングされる。1枚のトレイ4で6枚の基板2を基板サセプタ6上に載置できるので、バッチ処理となる。
【0059】
エッチング中は、冷媒循環装置36bにより金属板24の冷媒流路36a中で冷媒を循環させることで保持板23を冷却し、基板載置部27A〜27Fとの伝熱ガスを介した熱伝導により個々の基板2を冷却する。また、エッチング中、高周波電源15Bから高周波電圧が印加されるFS電極13は、プラズマと容量結合することで天板7の下面に自己バイアスを形成する。この自己バイアスにより引き込まれたイオンが天板7の下面7bに衝突し付着物を除去する。
【0060】
エッチング終了後は、駆動機構39により昇降ピン38が上昇することで、基板2を基板収容孔9A〜9Fに収容したトレイ4が基板サセプタ6から上昇する。その後、図示しない搬送アームにより、基板2を保持したトレイ4がゲート3aを通ってチャンバ3から搬出される。
【0061】
本実施形態のドライエッチング装置1は、特に以下の点に特徴がある。
【0062】
基板サセプタ6の保持板23の6個の基板載置部27A〜27Fの上面である基板載置面28に保持された基板2の上方に、それぞれ1個のガス導入口7j,7kが位置している。このように個々の基板2毎にガス導入口7j,7kが設けられている上、個々のガス導入口7j,7kは対応する基板2の中央領域の上方に位置している。かかるガス導入口7j,7kの配置により、個々の基板2毎にエッチングガスを供給できるので、個々の基板2の周縁近傍での堆積物の発生を抑制できる。仮に、基板2毎でなく6枚の基板2の上方から全面的にシャワー状にエッチングガスを導入したとすると、排気口3bからの排気の影響により、個々の基板2の排気口3b側の周縁部に堆積物(例えばトレイ4を構成する材料がスパッタされたもの)がより多く発生する可能性がある。しかし、本実施形態のような個々の基板2毎にエッチングガスを供給することで、かかる堆積物の発生を効果的に抑制できる。また、個々のガス導入口7j,7kを対応する基板2の中央領域に配置することで、個々の基板2毎のガス流の分布を均一化でき個々の基板2におけるエッチング量を均一化できる。このように、本実施形態のドライエッチング装置1では、処理対象である6枚の基板2に対してガス導入口7j,7kの配置を最適化することで、ドライエッチング処理の生産性向上と品質安定化を図ることができる。
【0063】
本実施形態では、個々の基板2毎にガス導入口7j,7kを配置する構造は、ガス供給口7dとガス導入口7j,7kを設けた天板7の上面7aに単なる凹状の構造である供給ガス溜め部7e、分配ガス溜め部7f、個別ガス溜め部7h、共通導入溝部7g、及び分岐溝部7iを設け、これらの上部開口を天板7の上面7aに配置した蓋部材8で閉じることで実現している。従って、蓋部材8よりも上側にはガス導入口7j,7kにエッチングガスを供給するための配管等は存在しない。そのため、ガス導入口7j,7kを天板7のいずれの位置に設けても、蓋部材8よりも上方に配置されるICPコイル11及びFS電極13とガス導入口7j,7kにエッチングガスを供給するための配管との干渉が生じない。FS電極13に代えてヒータを内蔵した雲母等からなるプレートを設ける場合も同様にガス導入口7j,7kにエッチングガスを供給するための配管との干渉が生じない。この点で、ガス導口7j,7kの配置の自由度が非常に高く、基板サセプタ6の保持板23に保持される基板2の配置に応じて複数のガス導入口7j,7kを自由に配置できる。
【0064】
図17Aから図17Cは、本実施形態のようにトレイ4に対応して基板サセプタ6の保持板23の直径が340mmである場合の、基板2の種々の直径についての基板載置部27(その上端面である基板載置面28に基板2が載置される)の配置を示す。図17Aは基板2が3インチの場合であり、内側3個で外側9個の合計12個の基板載置部27がトレイ支持面26から突出している。図17Bは基板2が2インチの場合であり、中央に1個、その周囲に9個、さらにその周囲に15個で合計25個の基板載置部27がトレイ支持面26から突出している。図17Cは基板2が6インチの場合であり、3個の基板載置部27がトレイ支持面27から突出している。本実施形態の構成によれば、基板サセプタ6における基板載置部27(基板2)の配置が図17Aから図17Cのような場合でも、ガス導口の配置の自由度が非常に高いので個々の基板毎にガス導入口を設けることが可能である。
【0065】
ガス供給口7dから個々のガス導入口7j,7kまでのエッチングガスの流路は、天板7の上面に形成された凹状の構造である供給ガス溜め部7e、分配ガス溜め部7f、個別ガス溜め部7h、共通導入溝部7g、及び分岐溝部7iの壁部と、これらの上端開口を閉鎖する蓋部材8の下面8bとで画定された空間である。この空間は天板7と蓋部材8の間に介在するO−リング16Cにより密閉されている。このようにガス供給口7dから個々のガス導入口7j,7kまでのエッチングガスの流路は、天板7、蓋部材8、及び密閉用のO−リング16Cだけで形成されており、この点で本実施形態のドライエッチング装置1は天板7の構成が簡素である。
【0066】
エッチングガス供給源21からのエッチングガスは、ガス供給口7dから供給ガス溜め部7e及び共通導入溝部7gを介して天板7の中央領域の分配ガス溜め部7fに流入し、この分配ガス溜め部7fから分岐して6個のガス導入口7kからチャンバ3内に導入される。詳細には、1個のガス導入口7jについては分配ガス溜め部7fから直接的にエッチングガスが噴出されるが、残りの5個のガス導入口7kについてそれぞれ分配ガス溜め部7fから放射状に延びる分岐溝部7iとその先端の個別ガス溜め部7hを経てエッチングガスが噴出される。このように天板7の中央領域に設けられたある程度の体積を有する1個の分配ガス溜め部7fから流路を分岐させてエッチングガスを噴出させることで、複数のガス導入口7j,7kからチャンバ3内に導入されるエッチングガスの流量を均一化できる。分配ガス溜め部7fは共通導入溝部7gのみを介してガス供給口7dと連通している。一方、個別ガス溜め部7hは共通導入溝部7g、分配ガス溜め部7f、及び分岐溝部7iを介してガス供給口7dと連通している。そのため、分配ガス溜め部7fのガス導入口7jは、残りのガス導入口7kと比較してガス圧が高くなり導入するガスの流量が多くなる傾向がある。しかし、分配ガス溜め部7fがある程度の体積を有することで分配ガス溜め部7f内でのガスの拡散が促進され、その結果、中央のガス導入口7jと外周のガス導入口7kとの間でガス圧が均一化され、エッチングガスの流量が均一化される。
【0067】
また、分配ガス溜め7fに多孔質材61Aを配置することで、ガス導入口7j,7k間で導入されるエッチングガスの流量均一化を確保しつつ、放電の発生を防止できる。ガス導入口7j,7k間で導入されるエッチングガスの流量均一化するには、分配ガス溜め部7fのガス導入口7jでのガス圧と個々の個々の分岐溝部7iの先端のガス導入口7kでのガス圧を均一化させるために、ガス供給口7dから供給されるエッチングガスの供給圧力を高めると共に、ガスの拡散性向上のために分配ガス溜め部7fの体積をある程度の大きさに設定する必要がある。このような条件下で、仮に分配ガス溜め部7f内に何も充填されてない空間であるとすると、分配ガス溜め部7fを画定する天板7及び蓋部材8の壁面間の距離が広く、かつ高圧であるために、分配ガス溜め部7f内で放電が発生しやすい。これに対し、分配ガス溜め部7f内を多孔質材61Aで充満しておくことで、固体間の距離を狭くすることで放電の発生を防止できると共に、分配ガス溜め部7f内にガス流を拡散させるための空間の体積を確保できる。
【0068】
前述のように個別ガス溜め部7h内にも多孔質材61Eを配置している。そのため、分配ガス溜め部7fから分岐溝部7iを介して個別ガス溜め部7hに流入したエッチングガスは、例えば個別ガス溜め部7hの内側周壁面に沿って流れる等の偏りを生じることなく、ガス導入口7kへ安定して流れる。また、個別ガス溜め部7h内を多孔質材61Eで充満させておくことで、固体間の距離を狭くして放電を防止できる効果もある。
【0069】
大気圧(チャンバ3内の圧力と圧力差)は主として天板7で支承されるが、蓋部材8にも大気圧が作用する。この大気圧による蓋部材8の撓みが増加すると、天板7と比べて厚みの薄い蓋部材8の破損回避を考慮する必要がある。本実施形態では、天板7と蓋部材8との間に単一の0−リング16Cが介在しているが、このO−リング16Cと天板7及び蓋部材8の中央領域の中間に追加のO−リング(緩衝材)を追加してもよい。特に、天板7及び蓋部材8の平面視での寸法が大きい場合、このような追加の緩衝材を設けること大気圧による蓋部材8の破損を確実に防止できる。
【0070】
(第2実施形態)
図8から図10は本発明の第2実施形態のドライエッチング装置1を示す。本実施形態では、天板7の上面7aに設けた凹状の構造内にガス導管機構41を収容し、エッチングガス供給源21から供給されるエッチングガスはこのガス導管機構41内に形成されたガス流路を流れる。第1実施形態と同様に、天板7の上面7aには蓋部材8が配置され、凹状の構造内は天板7と蓋部材8の間に介在するO−リング16Cにより密閉されている。
【0071】
天板7の上面7aには第1実施形態と同様に供給ガス溜め部7e、分配ガス溜め部7f、個別ガス溜め部7h、共通導入溝部7g、及び分岐溝部7iが設けられている。また、ガス供給口7d(図6参照)に代えて、供給ガス溜め部7eの底壁から天板7の下面7bまで貫通する貫通孔7mが設けられている。さらに、ガス導入口7j,7k(図6参照)に代えて、分配ガス溜め部7fと個別ガス溜め部7hの底壁から天板7の下面7bまで貫通する貫通孔7n,7pが設けられている。
【0072】
ガス導管機構41はいずれも扁平な円柱状である1個の始端部42、1個の接合部43、及び複数個(本実施形態では5個)の終端部44を備える。始端部42は供給ガス溜め部7e内に収容されている。また、接合部43は分配ガス溜め部7fに収容されている。さらに、終端部44はそれぞれ個別ガス溜め部7hに収容されている。始端部42と接合部43は共通導入溝部7g内に収容された直管である共通導入管45により接続されている。また、接合部43と個々の終端部44は分岐溝部7i内に収容された直管である分岐管46により接続されている。
【0073】
始端部42には厚み方向に貫通する複数(本実施形態では3個)の挿通孔42aが形成されており、この挿通孔42aに挿通したねじ51を供給ガス溜め部7eの底壁に形成したねじ孔7qに螺合することで、始端部42を供給ガス溜め部7e内に固定している。挿通孔42aの上端にはねじ51の頭部を収容する拡径部が設けられており、取り付けが完了した状態ではねじ51の頭部が始端部42の上面から突出していない。
【0074】
始端部42は下面から突出する入口管部42bを備える。この入口管部42bは貫通孔7mに挿入されてガス供給流路3eの上端が開口するチャンバ3の側壁上端まで延びている。この入口管部42bの下端開口がガス供給口42cとして機能する。始端部42内にはL字状に屈曲した屈曲流路42dが形成されている。この屈曲流路42dは下向きの一端が入口管部42bの上端に接続し、横向きの他端が共通導入管45に接続している。始端部42が収容されている供給ガス溜め部7eの底壁には貫通孔7mを取り囲むように収容溝7vが設けられており、この収容溝7v内に収容されたO−リング16Gにより天板7の上面7a側がチャンバ3内に対して密閉されている。
【0075】
接合部43には厚み方向に貫通する複数(本実施形態では3個)の挿通孔43aが形成されており、この挿通孔43aに挿通したねじ52を分配ガス溜め部7fの底壁に形成したねじ孔7rに螺合することで、接合部43を分配ガス溜め部7f内に固定している。挿通孔43aの上端にはねじ52の頭部を収容する拡径部が設けられており、取り付けが完了した状態ではねじ52の頭部が接合部43の上面から突出していない。
【0076】
接合部43内には扁平な円筒状のガス溜め室43bが形成されている。このガス溜め室43b内には多孔質材61Bが配置されている。また、接合部43にはL字状に屈曲した屈曲流路43cが形成されている。この屈曲流路43cは下向きの一端がガス溜め室43bの上部に接続し、他端が共通導入管45に接続している。
【0077】
接合部43は下面から突出するノズル43dを備える。このノズル43dは貫通孔7nに挿入されて下端がチャンバ3内に露出している。ノズル43dの先端の開口がガス導入口43eとして機能する。図10に示すように、本実施形態ではノズル43dは3個のガス導入口43eを備え、それらのうちの1個は鉛直方向下向きであり、残りの2個は鉛直方向に対して所定角度をなしている。ただし、ガス導入口43eは少なくとも1個あればよい。接合部43が収容されている分配ガス溜め部7fの底壁には貫通孔7pを取り囲むように収容溝7sが設けられており、この収容溝7s内に収容されたO−リング16Eにより天板7の上面7a側がチャンバ3内に対して密閉されている。
【0078】
接合部43にガス溜め室43bから放射状に延びる水平方向の5個の直線流路43fが形成されている。個々の直線流路43fは一端がガス溜め室43bに接続され、他端が接合部43の外周面に開口している。個々の直線流路43fの他端には分岐管46の一端が接続されている。
【0079】
終端部44には厚み方向に貫通する複数(本実施形態では3個)の挿通孔44aが形成されており、この挿通孔44aに挿通したねじ53を個別ガス溜め部7hの底壁に形成したねじ孔7tに螺合することで、接合部43を個別ガス溜め部7h内に固定している。挿通孔44aの上端にはねじ53の頭部を収容する拡径部が設けられており、取り付けが完了した状態ではねじ53の頭部が終端部44の上面から突出していない。
【0080】
終端部44は下面から突出するノズル44bを備える。このノズル44bは貫通孔7pに挿入されてチャンバ3内に露出している。ノズル44b、特にノズル44bの下端開口であるガス導入口44cの寸法、配置等は接合部43が備えるノズル43dと同様である。終端部44が収容されている個別ガス溜め部7hの底壁に貫通孔7pを取り囲むように設けられた収容溝7uにはO−リング16Fが収容され、このO−リング16Fは天板7の上面側をチャンバ3内に対して密閉している。終端部44内にL字状に屈曲した屈曲流路44dが形成されている。この屈曲流路44dは下向きの一端がノズル44bの上端に接続し、横向きの他端が分岐管46の一端に接続されている。
【0081】
エッチングガス供給源21からガス供給流路3eを介して供給されるエッングガスはガス導管機構41内に形成されたガス流路を通ってチャンバ3内に導入される。具体的には、エッングガス供給源21からのエッチングガスは、入口管部42bの下端であるガス供給口42cから、始端部42内の屈曲流路42d、共通導入管45、及び接合部43内の屈曲流路43cを介して接合部43内のガス溜め室43bに流れる。エッチングガスはさらにガス溜め室43bから接合部43内の直線流路43fと分岐管46とを経て終端部44の屈曲流路44dへ流れる。接合部43及び終端部44のノズル43d,44b(ガス導入口43e,44c)からチャンバ3内の基板載置部27A〜27Fに載置された基板2に向けてエッチングガスが導入される
【0082】
基板サセプタ6の保持板23の6個の基板載置部27A〜27Fの上面である基板載置面28に保持された基板2の中央領域の上方にそれぞれ1個のノズル43d,44bが位置している。このように、個々の基板2毎にかつ、その中央領域からエッチングガスを供給することで、個々の基板2の周縁近傍での堆積物の発生を抑制し、かつ個々の基板2毎のガス流の分布の均一化により個々の基板2におけるエッチング量の均一化を図ることができる。
【0083】
個々の基板2毎にノズル43d,44b(ガス導入口43e,44c)を配置する構造は、天板7の上面7aに形成した凹状の構造内にガス導管機構41を収容し、さらに天板7の上面7aを蓋部材8で閉じることで実現している。従って、蓋部材8よりも上側にはノズル43d,44bにエッチングガスを供給するための配管が存在せず、ICPコイル11及びFS電極13との干渉は生じない。この点で、ノズル43d,44bの配置の自由度が高く、基板サセプタ6の保持板23に保持される基板2の配置に応じて複数のガス導入口43e,44cを自由に配置できる。
【0084】
ノズル43d,44b(ガス導入口43e,44c)にエッチングガスを供給する流路を設けるための構成は、天板7、蓋部材8、ガス導管機構41、及びO−リング16Cだけで構成されている点で、本実施形態のドライエッチング装置1は構成が簡素である。
【0085】
1個のノズル43d(ガス導入口43e)についてはガス溜め室43bから直接的にエッチングガスが噴出されるが、残りの5個のノズル44b(ガス導入口44c)についてはある程度の体積を有し、かつ多孔質材61Bが配置されたガス溜め室43bから放射状に延びる分岐管46を経たエッチングガスが供給される。そのため、複数のノズル43d,44b(ガス導入口43e,44c)からチャンバ3内に導入されるエッチングガスの流量の均一化を実現しつつ、ガス溜め室43b内での放電の発生を防止できる。
【0086】
本実施形態では、天板7自体にガス導入口を形成するのではなく、天板7とは別体のガス導管機構41が有するノズル43d,44bの下端開口がガス導入口43e,44cとして機能する。ノズル43d,44dの形状と寸法は天板7自体に設けるガス導入口と比較すると形状や寸法を高精度で設定できる。従って、本実施形態では、ガス導入口43e,44cから導入されるエッチングガスの流量をより高精度で制御でき、ドライエッチング処理の品質を向上できる。
【0087】
第2実施形態のその他の構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0088】
図11は、第2実施形態のドライエッチング装置1の変形例を示す。この変形例におけるガス導管機構41では、始端部42が入口管部42b(図9参照)を備えず、接合部43と終端部44もノズル43d,44b(同様に図9参照)を備えていない。始端部42内の屈曲流路42dの一端は始端部42の下面に開口42eを有し、この開口42eが天板7自体に設けられたガス供給口7dに接続されている。この接続はO−リング16Gにより密封されている。接合部43には一端がガス溜め室43bに接続されて他端に接合部43の底面で開口する開口43gを有する導入流路43hが形成されている。この導入流路43hの開口43gは天板7自体に設けられたガス導入口7jの上端に接続されている。この接続はO−リング16Eにより密閉されている。終端部44内の屈曲流路44dの一端は終端部44の下面に開口する開口44eを有している。この開口44eは天板7に形成されたガス導入口7kの上端に接続され、この接続はO−リング16Fにより密閉されている。この変形例のように入口管部42bとノズル43d,44b(図9参照)をなくすことで構成が簡素化するので、ガス導管機構41を簡易かつ低コストで製造できる。
【0089】
図12及び図13は、第2実施形態のドライエッチング装置1の他の変形例を示す。この変形例におけるガス導管機構41は、5個のノズル43d,44bに共通する扁平な円環状の終端部54を備える。詳細には、接合部43に外周を間隔をあけて同心円状に取り囲むように終端部54が設けられている。始端部42と接合部43を接続する共通導入管45を配管するために、終端部54の上面には径方向に延びる窪み54aが設けられている。天板7の上面7aには接合部43と終端部を収容するために平面視で円形の凹部7wが形成されている。この凹部7wと始端部42を収容する供給ガス溜め部7eとが共通導入溝部7gにより接続されている。この変形例のようにガス導入管機構41の構造の細部は必要に応じて種々変更できる。
【0090】
(第3実施形態)
図14及び図15は本発明の第3実施形態に係るICP型のドライエッチング装置1を示す。本実施形態のドライエッング装置1は比較的サイズの大きい1枚の基板2にドライエッチング処理を行う枚葉処理を実行可能である。本実施形態では、基板2はトレイ4(例えば図3参照)に収容されることなくチャンバ3に搬入出される。また、基板サセプタ6の保持部23の上端面は実質的に平坦であり第1及び第2実施形態における基板載置部27A〜27F(例えば図3参照)は備えていない。保持部23の上端面は、円環状突出部29、円柱状突起30、及び供給孔28a(いずれも図3参照)を備えており、基板載置面28として機能する。
【0091】
第1実施形態と同様に、天板7には凹部が形成され、この凹の上部開口が蓋部材8が閉鎖されることでガス流路が画定されている。具体的は、天板7には供給ガス溜め部7e、供給ガス溜め部7eと共通導入溝部7gで接続された中央領域の共通ガス溜め凹部7f、
及び共通ガス溜め凹部7fから外側領域に向けて等角度間隔で延びる分岐溝部7iが設けられている。供給ガス溜め部7eにはガス供給口7dが設けられている。
【0092】
共通ガス溜め部7fには単一のガス導入口7jが設けられている。また、個々の分岐溝部7iの先端にはガス導入口7kが設けられている。さらに、共通ガス溜め部7fと個々の分岐溝部7iとの中間にはそれぞれ中間ガス溜め部7yが設けられている。これらの中間ガス溜め部7yにも、それぞれガス導入口7zが設けられている。つまり、図15を参照すれば明らかなように、本実施形態では、中央領域の単一のガス導入口7j、外周領域のガス導入口7k、及び中間領域のガス導入口7zが設けられており、いわばガス導入口が3重に配置されている。
【0093】
基板サセプタ6に保持された基板2の中央領域、外側領域、及び中間領域にそれぞれガス導入口7j,7k,7zが位置しているので、基板2のすべての領域においてエッチングガスのガス流の分布の均一化によりエッチング処理の均一化を図ることができる。また、前述のようにガス導入口の配置の自由度が非常に高いので、ガス流の分布が均一化されるようにガス導入口の配置をガス導入口を自由に配置できる。
【0094】
分配ガス溜め部7fには多孔質材61Aが配置されている。また、中間ガス溜め部7yに多孔質材61Cが配置されている。そのため、分配ガス溜め部7f及び中間ガス溜め部7yにおけるエッチングガスの拡散により基板2の異なる領域に配置されたガス導入口7j,7k,7z間で導入するエッチングガスの流量の均一化を確保しつつ、分配ガス溜め部7f及び中間ガス溜め部7yにおける放電の発生を防止している。
【0095】
本実施形態のようにガス導入口を平面視で3重に配置する場合でも、第2及び第3実施形態と同様に、ガス導管機構41(例えば図9及び図12を参照)を採用できる。また、ガス導入口を平面視で4重以上に配置してもよい。
【0096】
第3実施形態のその他の構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0097】
図16は、第3実施形態の変形例を示す。この変形例では中間ガス溜め部7yを設ける代わりに、個々の分岐溝部7iの平面視での溝幅を分配ガス溜め部7fから分岐溝部7iの先端に向けて徐々に狭めている。また、個々の分岐溝7i内のうち、分配ガス溜め部7fとの接続部分から中間領域のガス導入口7zを超えた位置は、多孔質材61Dが充填されている。分岐溝部7iの溝幅をテーパ状とすることでガス導入口7j,7k,7z間で導入するエッチングガスの流量の均一化を確保しつつ、多孔質材61Dにより分岐溝部7i内での放電の発生を防止している。
【0098】
ドライエッチング装置を例に本発明を説明したが、本発明は化学気相成長(CVD)装置を含む他のプラズマ処理装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0099】
1 ドライエッチング装置
2 基板
3 チャンバ
3a ゲート
3b 排気口
3c,3d 収容溝
3e ガス供給流路
4 トレイ
4a 上面
4b 下面
4c 基板支持部
5 真空排気装置
6 基板サセプタ
7 天板
7a 上面
7b 下面
7c 収容溝
7d ガス供給口
7e 供給ガス溜め部
7f 分配ガス溜め部
7g 共通導入溝部
7h 個別ガス溜め部
7i 分岐溝部
7j,7k,7z ガス導入口
7m,7n,7p 貫通孔
7q,7r,7t ねじ孔
7s,7u,7v 収容溝
7w 凹部
7y 中間ガス溜め部
8 蓋部材
8a 上面
8b 下面
9A〜9F 基板収容孔
11 ICPコイル
12 薄板
13 FS電極
14A,14B マッチング回路
15A,15B 高周波電源
16A,16B,16C,16E,16F,16G O−リング
17 クランプ部材
21 エッチングガス供給源
23 保持板
24 金属板
25 スペーサ板
26 トレイ支持面
27A〜27F 基板載置部
28 基板載置面
28a 供給孔
29 円環状突出部
30 円柱状突起
32 静電吸着用電極
33 直流電圧印加機構
34 伝熱ガス供給機構
34a カットオフバルブ
34b 伝熱ガス供給源
34c 供給流路
34d 流量計
34e 圧力計
34f 流量制御バルブ
34g 排気口
35 高周波印加機構
36 冷却機構
36a 冷媒流路
36b 冷媒循環装置
37 コントローラ
38 昇降ピン
39 駆動機構
41 ガス導管機構
42 始端部
42a 挿通孔
42b 入口管部
42c ガス供給口
42d 屈曲流路
42e 開口
43 接合部
43a 挿通孔
43b ガス溜め室
43c 屈曲流路
43d ノズル
43e ガス導入口
43f 直線流路
43g 開口
43h 導入流路
44 終端部
44a 挿通孔
44b ノズル
44c ガス導入口
44d 屈曲流路
44e 開口
45 共通導入管
46 分岐管
51,52,53 ねじ
54 終端部
54a 窪み
61A,61B,61C,61D,61E 多孔質材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧可能なチャンバと、
前記チャンバ内に設けられて少なくとも1個の基板を保持する基板保持部と、
誘電体からなり、前記基板保持部と対向する前記チャンバの上部開口に配置され、プロセスガスを供給するガス源に接続されたガス供給口と、前記チャンバ内に前記プロセスガスを導入する複数のガス導入口と、前記ガス供給口と前記ガス導入口を接続するために上面に設けられた凹部とを備える天板と、
誘電体からなり、前記凹部の上部開口を閉鎖するように前記天板の前記上面に配置される蓋部材と、
前記蓋部材の上側に配置されて高周波電力が投入されるプラズマ発生のための電極と
を備えるプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記基板保持部は複数の前記基板を保持し、
前記複数のガス導入口はそれぞれ前記基板保持部に保持された個々の前記基板の上方に位置する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
個々の前記ガス導入口は前記基板保持部に保持された前記基板の中央領域の上方に位置している、請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記基板保持部は単一の前記基板を保持し、
前記複数のガス導入口はそれぞれ前記基板保持部に保持された前記基板の異なる領域の上方に位置する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記天板と前記蓋部材との間に介在して前記凹部内を密閉する第1の弾性部材をさらに備え、
前記ガス供給口から供給された前記プロセスガスは前記凹部の壁と前記蓋部材の下面とで画定される空間を通って前記ガス導入口へ流れる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記凹部は、
ガス溜め部と、
前記ガス供給口と前記ガス溜め部を接続する共通導入溝部と、
それぞれ前記ガス溜め部から放射状に延びて前記ガス導入口に接続する複数の分岐溝部と
を備える、請求項5に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記ガス溜め部内に多孔質材が配置されている、請求項6に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記凹部内に収容されて内部にガス流路が形成されたガス導管機構をさらに備え、
前記ガス供給口から供給された前記プロセスガスは、前記ガス導管機構内の前記ガス流路を通って前記ガス導入口に流れる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
前記ガス導管機構は、
ガス溜め室と、
前記ガス供給口と前記ガス溜め室とを接続する共通導入管と、
前記ガス溜め室から放射状に延びて前記ガス導入口に接続する複数の分岐管と
を備える、請求項8に記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記ガス溜め室内に多孔質材が配置されている、請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記ガス導管機構は、前記ガス導入口を下端に有するノズルを個々の前記分岐管の末端側に備え、
前記ノズルは前記凹部の底壁から前記天板の下面まで貫通する貫通孔に挿入されている、請求項8に記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記ガス導入口は、前記凹部の底壁から前記天板の下面まで貫通するように前記天板に形成され、
前記ガス導管機構は、前記ガス導入口と対向する開口を下面に有する終端部を個々の前記分岐管の末端側に備え、
前記ガス導入口と前記開口を囲むように第2の弾性部材が、前記凹部の底壁と前記終端部の前記下面との間に介在する、請求項8に記載のプラズマ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【公開番号】特開2011−146464(P2011−146464A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4837(P2010−4837)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】