説明

マグネトロンスパッタリング装置および半導体装置の製造方法

【課題】ウェーハ外周部のスルーホールやトレンチ内における被覆性を向上できるマグネトロンスパッタ装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】サセプタ3に接続された高周波電源8と、スパッタ室2の外側であって、ターゲットの中心軸C1と同軸のプレート9と、中心軸を中心Cにプレートを回転させる回転移動手段と、プレートの一面においてS極端をターゲットに向けたS極マグネット10Sと、プレートの一面においてN極端をターゲットに向けた第1及び第2のN極マグネット10Nと、を備え、第1のN極マグネットと第2のN極マグネットとの磁束密度がS極マグネットの磁束密度より大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネトロンスパッタリング装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜形成技術の1つであるスパッタリング法は、加速させたイオンをターゲットに衝突させ、その衝突エネルギーによりターゲットの構成原子をはじき出して、ターゲットに対向させて置かれた被処理物にターゲットの構成原子を付着させる成膜方法である。
【0003】
このスパッタリング法を実施して被処理物に成膜を行うスパッタ装置の1つにマグネトロンスパッタリング装置がある。マグネトロンスパッタリング装置は、ターゲットの表面に電界に交差する磁界を形成させることで陰極から出た電子にトロコイド運動を行わせて、ターゲットの表面近傍に高密度のプラズマを生成させるようにしたものである。
【0004】
このようなマグネトロンスパッタリング装置において、成膜される膜の厚さの均一性を高めるためにターゲットの全面を均等にスパッタする技術(例えば、特許文献1、2を参照)や、磁場形状をユーザが調整可能とした技術(特許文献3)が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの技術を用いて近年の微細化された半導体装置の成膜を行うと、ウェーハ外周部付近のスルーホールやトレンチ内などにおける膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、カバレッジ率などの被覆性が悪化するという問題があった。
【特許文献1】特開平11−140639号公報
【特許文献2】特開2004−218089号公報
【特許文献3】特開平8−165568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ウェーハ外周部付近のスルーホールやトレンチ内などにおける被覆性を向上させることができるマグネトロンスパッタリング装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、スパッタ室内に設けられたターゲットと、前記ターゲットに対向させるように設けられたサセプタと、前記サセプタに接続された高周波電源と、前記スパッタ室の外側であって、前記ターゲットの中心軸と同軸に設けられたプレートと、前記中心軸を中心として、前記プレートを回転させる回転移動手段と、前記プレートの一面において、S極端を前記ターゲットに向けて配設されたS極マグネットと、前記プレートの前記一面において、N極端を前記ターゲットに向けて配設された第1及び第2のN極マグネットと、を備え、前記第1のN極マグネットは、前記プレートと同軸の円に沿い、かつ、前記ターゲットの外周部付近に対向させるようにして配設され、前記S極マグネットは、前記第1のN極マグネットの内側であって、前記プレートと同軸の円に沿って配設され、前記第2のN極マグネットは、前記S極マグネットの内側であって、前記プレートと同軸の円に沿って配設されており、前記第1のN極マグネットと前記第2のN極マグネットとの磁束密度が前記S極マグネットの磁束密度より大きいこと、を特徴とするマグネトロンスパッタリング装置が提供される。
【0008】
また、本発明の他の一態様によれば、上記のマグネトロンスパッタリング装置を用いて成膜を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ウェーハ外周部付近のスルーホールやトレンチ内などにおける被覆性を向上させることができるマグネトロンスパッタリング装置および半導体装置の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明をする。
図1は、本発明の実施の形態に係るマグネトロンスパッタリング装置を例示するための模式図である。
マグネトロンスパッタリング装置1は、ウェーハWを収容し成膜を行うためのスパッタ室2と、スパッタ室2の底部を構成するとともにウェーハWを載置するサセプタ3と、サセプタ3と対向するように設けられたターゲット4と、ターゲット4と対向するようにスパッタ室2の外側に設けられたマグネットユニット5と、スパッタ室2内にガスGを導入する図示しないガス導入手段と、スパッタ室2内の排気Eをする図示しないガス排気手段などを備えている。
【0011】
サセプタ3には、ウェーハWを吸着、保持するための図示しない静電チャックを設けるようにすることができる。また、ウェーハWを冷却するための図示しない冷却手段を設けるようにすることもできる。冷却手段は、例えば、サセプタ3内に冷媒を流すようなものを例示することができる。このような冷却手段は、イオン衝突によるウェーハ温度の上昇で凝集を起こしやすいCu(銅)膜やAl(アルミニウム)膜などの金属膜を成膜させる場合には、設けるようにすることが好ましい。また、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Nb(ニオブ)などのような高融点金属またはその窒化物からなる膜を成膜する場合には、ウェーハWを加熱する加熱手段を設けるようにすることもできる。加熱手段は、例えば、サセプタ3内に熱媒体を流すようなものやサセプタ3に内蔵されたヒータなどを例示することができる。
【0012】
また、サセプタ3には高周波電源8が電気的に接続され、サセプタ3に印加された所定の高周波電圧とプラズマとの相互作用により、ウェーハWにセルフバイアス電圧を与えられるようになっている。
【0013】
成膜すべき材料で構成されているターゲット4は、例えば、円板状を呈しておりバッキングプレート6に保持されている。また、バッキングプレート6には図示しない冷却水路が設けられ、ターゲット4をその裏面から冷却するようになっている。バッキングプレート16は、スパッタ室2の側壁と電気的に絶縁されており、直流電源7の負極側と電気的に接続されている。そのため、バッキングプレート6を介してターゲット4にスパッタに必要な直流負電圧が印加できるようになっている。また、直流電源7には図示しない制御手段が設けられ、電力、電圧、電流が制御できるようになっている。スパッタ室2の側壁は接地されている。
【0014】
図示しないガス導入手段には、ガス供給手段、圧力調整手段、流量調整手段、遮断弁などが適宜設けられ、少なくとも1種類以上のガスGをスパッタ室2内に導入できるようになっている。ガスGとしては、スパッタ率の高いAr(アルゴン)ガスなどの不活性ガスを用いることができる。図示しないガス排気手段には、真空ポンプなどの排気手段、圧力調整手段、流量調整手段、遮断弁などが適宜設けられ、スパッタ室2内を所定の圧力まで減圧できるようになっている。
【0015】
マグネットユニット5に備えられたプレート9の一面には、ターゲット4にS極が向けられたS極マグネット10Sと、ターゲット4にN極が向けられた第1のN極マグネット10N1と、ターゲット4にN極が向けられた第2のN極マグネット10N2と、が配設されている。プレート9の中心軸と、ターゲット4の中心軸とは同軸になるように設けられ、プレート9は、図示しない回転手段によりその中心軸を中心として回転可能となっている。そして、マグネットユニット5を回転移動させることで、ターゲット4表面のエロージョン領域を回転方向に拡げられるようになっている。
ここで、本発明者の得た知見によれば、図1に例示をしたように、プレート9の回転中心Cに最も近い位置に配設されたマグネットの中心軸C1が、載置されるウェーハWの外縁位置より外側にあれば、後述するように被覆性を改善できるとの知見を得た。
【0016】
図2は、マグネットの取付けを例示するための模式図である。
図2に示すように、強磁性体からなるプレート9には、棒状のS極マグネット10Sと、第1のN極マグネット10N1と、第2のN極マグネット10N2と、が配設されている。そのため、S極マグネット10S、第1のN極マグネット10N1、第2のN極マグネット10N2の有する異方性を損なうことなく磁力を維持することができる。尚、必ずしもプレート9自体を強磁性体とする必要はなく、プレート9と各マグネットとの間に強磁性体からなる板状のヨーク部材を設けるようにすることもできる。
【0017】
ここで、第1のN極マグネット10N1と第2のN極マグネット10N2との磁束密度がS極マグネット10Sの磁束密度より大きいものとすれば、N極からS極に向かう磁界11cとN極からの発散磁界11a、11bとが発生する。そして、N極からS極に向かう磁界11cの中には電子が閉じ込められ、ターゲット4表面近傍に高密度プラズマを生成させる。
【0018】
一方、N極からの発散磁界11a、11bはプラズマ中の電子をターゲット4から離すように働く。この際、高エネルギー状態となった円運動電子の磁気モーメントと発散磁界11a、11bの磁界勾配との間の相互作用により、電子が発散磁界11a、11bに沿って円運動しつつ加速される。そして、ターゲット4から放出された原子が、この加速された電子によりイオン化されることになる。そのため、積極的に発散磁界を形成させるようにすれば、発散磁界に沿って円運動しつつ加速された電子により、放出されたターゲット4の構成原子を効率よくイオン化させることができる。その結果、その分、放出されたターゲット4の構成原子のイオン化率を向上させることができるようになる。このことは、成膜効率を向上させるとともに、セルフバイアス電圧による指向性の高い成膜を促進させることにもなる。
【0019】
図3は、マグネットの配置を例示するための模式図であり、図1におけるA−A矢視図である。
図3中の矩形部分は各マグネットを表している。また、各マグネット自体の磁束密度は略同一としている。そのため、所定の方向における同極のマグネット数を多くすることで磁束密度を大きくすることができるようになっている。
【0020】
図3に示すように、プレート9の回転中心Cを中心とした円12に沿ってS極マグネット10Sが配設されている。そして、回転中心Cを中心とした円13に沿って第2のN極マグネットN2が配設され、円14に沿って第1のN極マグネットN1が配設されている。すなわち、S極マグネット10Sを挟むようにして第1のN極マグネット10N1と第2のN極マグネット10N2とが配設されている。
また、円13に沿って設けられた第2のN極マグネット10N2の内周側にも回転中心Cを中心とした円に沿ってN極マグネット10N2が設けられている。すなわち、第2のN極マグネット10N2は、2列に配設されている。
ここで、プレート9の回転中心Cに近い位置に配設されたN極マグネット10N2(2列に配設されたN極マグネット10N2のうち、回転中心Cに近いもの)の中心軸C1が、載置されるウェーハWの外縁位置より外側になるようにされている。
【0021】
そして、図3のB1、B2の部分に示すように、S極マグネット10Sを取り囲むように、第1のN極マグネット10N1と第2のN極マグネット10N2との間には、第3のN極マグネット10N3が配設されている。
【0022】
また、第1のN極マグネット10N1は、ターゲット4の外周部付近に対向させるようにして配設されている。そのため、第1のN極マグネットN1、S極マグネット10S、第2のN極マグネット10N2が、ターゲット4の外周部分に偏在するように配設されている。その結果、プレート9を回転させることにより、ターゲット4の外周部付近に高密度プラズマが生成され、ターゲット4の外周部付近が略均等にスパッタされることになる。
尚、前述したように、プレート9の回転中心Cに近い位置に配設されたN極マグネット10N2(2列に配設されたN極マグネット10N2のうち、回転中心Cに近いもの)の中心軸C1が、載置されるウェーハWの外縁位置より外側になるようにされている。そのため、ターゲット4におけるこの領域が略均等にスパッタされることになる。
【0023】
ここで、円14は円12より直径が大きいため、その円周に沿って配設される第1のN極マグネット10N1の数が円12の円周に沿って配設されるS極マグネット10Sの数より多くなる。また、円13は円12より直径が小さいが、第2のN極マグネット10N2が2列に配設されているので、第2のN極マグネット10N2の数が円12の円周に沿って配設されるS極マグネット10Sの数より多くなる。そのため、第1のN極マグネット10N1、第2のN極マグネット10N2の磁束密度がS極マグネット10Sの磁束密度より大きくなり、発散磁界11a、11bがそれぞれ形成されることになる。
【0024】
また、図3のB1、B2の部分においても、1個のS極マグネット10Sに対して3個の第3のN極マグネット10N3が配設されている。そのため、B1、B2の部分においても円周方向に発散磁界が形成されることになる。
尚、発散磁界の形成は、N極のマグネット数をS極のマグネット数より多くすることに限定されるわけではなく、N極の磁束密度がS極の磁束密度より大きくなるようにすればよい。
また、N極の磁束密度とS極の磁束密度、マグネットの配置などを調整することで、発散磁界の拡がりや到達範囲、イオン化率などを制御することもできる。
【0025】
次に、マグネトロンスパッタリング装置1の作用について説明をする。
まず、図示しない搬入搬出手段によりウェーハWがスパッタ室2内に搬入され、サセプタ3上に載置、保持される。
次に、スパッタ室2が気密になるよう密閉され、図示しない排気手段によりスパッタ室2内が所定の圧力まで減圧される。
次に、図示しないガス導入手段から所定量のスパッタガス(例えば、Ar(アルゴン)ガスなど)がスパッタ室2内に導入される。その後、直流電源7からバッキングプレート6を介してターゲット4に電力が投入され、放電が開始される。
【0026】
そして、第1のN極マグネット10N1、第2のN極マグネット10N2からS極マグネット10Sに向かう磁界11cの中に電子が閉じ込められ、ターゲット4の外周部付近の表面近傍にスパッタガスの高密度プラズマが生成される。そして、この高密度プラズマ中のスパッタガスのイオン(例えば、Ar(アルゴン)イオンなど)がターゲット4に衝突することでターゲット4の構成原子がはじき出される。放出された構成原子は、高密度プラズマ中でイオン化される。この際、マグネットユニット5を回転移動させることで、ターゲット4表面のエロージョン領域を回転方向に拡げながらスパッタが行われる。
【0027】
一方、ウェーハWには、サセプタ3を介して高周波電源8から所定の高周波電圧が印加される。この高周波電圧とプラズマとの相互作用により、ウェーハWにセルフバイアス電圧が生じ、イオン化されたターゲット4の構成原子がウェーハW側に向けて加速され、ウェーハWの表面に対し略垂直方向から入射する。そのため、指向性の高い成膜ができることになる。
しかしながら、近年の微細化された半導体装置のスルーホール、トレンチ、段差などの凹部への成膜においては、ウェーハ外周部付近のスルーホール、トレンチ、段差などの凹部において膜厚さが不均一となったり成膜形状に非対称性が生じるなど被覆性に問題が生じる場合がある。
【0028】
ここで、スルーホール、トレンチ、段差などの凹部における被覆性について、トレンチ内の成膜を例にとり説明をする。
図4は、ターゲット4の全面を均等にスパッタした場合のトレンチ内の成膜状態を例示するための模式図であり、本発明者が発明をするに至った過程で検討を加えた比較例である。
図4(a)は、ターゲット4表面における構成原子の放出分布を例示するための模式グラフ図である。図4(a)に示すものは、ターゲット4の全面を均等にスパッタした場合のものである。尚、構成原子が放出されたことを図中の黒点で表している。
図4(b)は、ウェーハ外周部付近のトレンチ内の成膜状態をシミュレーションで求めた場合の模式図であり、図の左側がウェーハWの外周側、右側がウェーハWの中心側である。
図4(c)は、ウェーハ中心部付近のトレンチ内の成膜状態をシミュレーションで求めた場合の模式図である。
図4(c)に示すように、ウェーハ中心部付近のトレンチにおいては、ボトムに成膜される膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、ボトムカバレッジ率はほぼ良好である。しかしながら、図4(b)に示すように、ウェーハの外周部付近においてはボトムに成膜される膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、ボトムカバレッジ率が悪化している。
【0029】
前述したようにイオン化されたターゲット4の構成原子は、セルフバイアス電圧によりウェーハWの面に引き込まれることになる。その際、成膜される部分の直上で生成されたイオン化されたターゲット4の構成原子は略垂直方向から引き込まれるが、直上からずれるほど傾いた方向から引き込まれることになる。特に、スルーホールやトレンチ内などへの成膜においては、斜め方向から入射してくるイオン化された構成原子が膜厚さの均一性や成膜形状の非対称性に大きな影響を与える。
【0030】
スルーホールやトレンチ内などへの成膜においては、斜め方向から入射してくるイオン化された構成原子の影響は、ウェーハWの外周部に行くほど大きくなる。すなわち、ウェーハWの中心部から外周部に行くほどターゲット4の一方の端面側からの水平方向距離が長くなり、その遠くなった部分で生成されたイオンが入射してくる角度がより水平に近づくことになる。そのため、図4(b)に示すように、トレンチのボトムや側壁において、入射がしにくいウェーハWの中心側に位置する部分の膜厚さが薄くなり、入射がしやすいウェーハWの外周側に位置する部分の膜厚さが厚くなるようになる。
【0031】
その結果、トレンチのボトムに成膜される膜の厚さが不均一となり、成膜形状にも非対称性が生じる。また、ボトムカバレッジ率も悪化することになる。
【0032】
そして、側壁においても、入射がしやすいトレンチの上部ほど成膜される膜厚さが厚く、また、入射がしやすいウェーハWの外周側に位置する部分の膜厚さの方が厚くなる。その結果、トレンチの側壁に成膜される膜の厚さが不均一となり、成膜形状にも非対称性が生じることになる。
【0033】
一方、図4(c)に示すように、ウェーハWの中心部付近のトレンチのボトムでは、斜め方向からの入射角度がより垂直に近く、ボトムに成膜される膜の厚さが均一となり、成膜形状も対称となる。また、ボトムカバレッジ率は良好な値を示すようになる。
そして、側壁においても、斜め方向からの入射角度がより垂直に近いため膜厚さの不均一性、成膜形状の非対称性が緩和されることになる。
【0034】
スルーホールやトレンチ内などへの成膜としては、例えば、ダマシンプロセスによりCu(銅)配線を形成させる場合におけるCu(銅)の拡散を防止するためのバリアメタル膜(拡散防止膜)、シード層(Cuシード層)などの成膜を例示することができる。そして、バリアメタル膜やシード層の形成においては、その目的から、スルーホールやトレンチの内面全体に均一な厚さで対称な成膜形状を有する膜が形成されることが望まれる。
【0035】
本発明者は検討の結果、ターゲット4の中央部分をスパッタせずに外周部付近を均等にスパッタし、また、ターゲット4から放出された構成元素のイオン化率を向上させるようにすれば、膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、カバレッジ率などの被覆性を改善できるとの知見を得た。
【0036】
図5は、ターゲット4の外周部付近を均等にスパッタした場合のトレンチ内の成膜状態を例示するための模式図である。
図5(a)は、ターゲット4表面における構成原子の放出分布を例示するための模式グラフ図である。図5(a)に示すものは、ターゲット4の中央部分をスパッタせずに外周部付近を均等にスパッタした場合を示すものである。尚、構成原子が放出されたことを図中の黒点で表している。
図5(b)は、ウェーハ外周部付近のトレンチ内の成膜状態をシミュレーションで求めた場合の模式図であり、図の左側がウェーハWの外周側、右側がウェーハWの中心側である。
図5(c)は、ウェーハ中心部付近のトレンチ内の成膜状態をシミュレーションで求めた場合の模式図である。
【0037】
図5(c)に示すように、ウェーハ中心部付近のトレンチにおいては、図4(c)で説明をしたターゲット4の全面を均等にスパッタした場合と同等の膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、カバレッジ率を得ることができる。
【0038】
そして、図5(b)に示すように、ウェーハWの外周部付近においては、図4(b)で説明をしたターゲット4の全面を均等にスパッタした場合と比べて、ボトムに成膜される膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、ボトムカバレッジ率を大幅に改善させることができる。また、側壁についても、図4(b)で説明をしたものでは成膜自体が困難であったウェーハWの中心側の側壁のボトム付近にも成膜をすることができるようになる。
【0039】
このことは、以下のためであると考えられる。
図5(a)に示すように、ターゲット4の中央部分をスパッタせずに外周部付近を均等にスパッタすれば、ウェーハWの外周部付近のトレンチにおいては、その直上でイオン化された構成原子が主にトレンチ内に引き込まれることになる。すなわち、ターゲット4の外周部付近に高密度プラズマを生成するようにすれば、中央部分はほとんどスパッタされないので、この部分で生成されるイオン化された構成原子が入射する量は極わずかとなる。また、成膜がされる部分の直上に位置する外周部付近と相対する側に位置する外周部付近で生成されるイオン化された構成原子は、その直下に位置する成膜がされる部分に引き込まれることになる。
【0040】
そのため、ウェーハWの外周部付近のトレンチにおいては、その直上でイオン化された構成原子が主にトレンチ内に引き込まれることになり、斜め方向から入射してくるイオン化された構成原子を大幅に抑制することができる。
そして、前述したように、マグネットのN極の磁束密度がS極の磁束密度より大きくなるようにして積極的に発散磁界を形成させるようにすれば、発散磁界に沿って円運動しつつ加速された電子により、放出されたターゲット4の構成原子がイオン化される。そのため、その分イオン化率を向上させることができるようになり、セルフバイアス電圧による指向性の高い成膜をさらに促進させることができるようになる。
【0041】
その結果、図5(b)で説明をしたように、トレンチのボトムに成膜される膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、ボトムカバレッジ率を改善させることができる。また、側壁についても改善を図ることができる。
また、ウェーハ中心部付近のトレンチにおいては、高密度プラズマが生成される部分との水平距離が比較的短いので斜め方向から入射してくるイオン化された構成原子の影響を受けにくい。また、両側から均等に構成原子が入射してくることになる。そのため、ターゲット4の外周部付近を均等にスパッタしたとしても図5(c)に示すように、良好な膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、カバレッジ率を得ることができる。
尚、説明の便宜上、トレンチの場合を説明したが、段差部分、スルーホール、ビアホールなども同様である。
【0042】
ただし、アスペクト比が大きいものほど前述の斜め方向から入射してくるイオン化された構成原子の影響を受けやすくなるので、改善効果は大きいものとなる。
次に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明をする。
半導体装置の製造方法は、成膜・レジスト塗布・露光・現像・エッチング・レジスト除去などによりウェーハ表面にパターンを形成する工程、パターンの検査工程、洗浄工程、熱処理工程、不純物導入工程、拡散工程、平坦化工程などの複数の工程を繰り返すことにより実施される。尚、以下に説明をするトレンチやスルーホールなどへの成膜以外は、既知の各工程の技術を適用することができるので説明は省略する。
また、説明の便宜上、前述のマグネトロンスパッタリング装置1を用いたCu(銅)配線のダマシンプロセスについて説明をする。
【0043】
図6は、Cu(銅)配線工程を例示するための模式工程断面図である。
まず、図6(a)に示すように、Si(シリコン)基板31上に、第1の層間絶縁膜32、下層配線33、第2の層間絶縁膜34を形成させる。下層配線33は、図6(d)〜(f)で説明をするCu配線(上層配線)と同様のダマシンプロセスにより形成させることもできるし、または、他の方法で形成させることもできる。下層配線33は、Cu(銅)配線、Al(アルミニウム)配線、W(タングステン)配線などとすることができる。
次に、図6(b)に示すように、下層配線33への接続のために、第2の層間絶縁膜34にスルーホール35および配線溝36を形成させる。
【0044】
次に、図6(c)に示すように、本実施の形態に係るマグネトロンスパッタリング装置1を用いて、スルーホール35および配線溝36の内面に、第2の層間絶縁膜34内へのCu(銅)の拡散を防止するためのバリアメタル膜37を形成させる。バリアメタル膜37は、例えば、TaN( 窒化タンタル)膜の単層膜、Ta(タンタル)膜/TaN( 窒化タンタル)膜の積層膜、またはTa(タンタル)膜/TaN( 窒化タンタル)膜/Ta(タンタル)膜の積層膜などとすることができる。尚、バリアメタル膜37の形成についての詳細は後述する。
【0045】
次に、図6(d)に示すように、本実施の形態に係るマグネトロンスパッタリング装置1を用いて、Cu(銅)電解メッキのためのCu(銅)シード層38をバリアメタル膜37の上に形成させる。尚、Cu(銅)シード層38の形成についての詳細は後述する。
次に、図6(e)に示すように、Cu(銅)電解メッキ法により、スルーホール35および配線溝36の内部を埋め込むようにしてCu(銅)膜39を全面に形成させる。
【0046】
次に、図6(f)に示すように、スルーホール35および配線溝36の外部にあるCu(銅)膜39をCMP(Chemical Mechanical Polishing )法により除去すれば、Cu(銅)配線が完了する。尚、このように層間絶縁膜に溝およびスルーホールを予め形成させておき、溝およびスルーホールの内部に金属膜を一括充填させて、配線とプラグとを同時に形成させるプロセスはデュアルダマシンプロセスと呼ばれている。
【0047】
尚、バリアメタル膜37、Cu(銅)シード層38以外の成膜にも本実施の形態に係るマグネトロンスパッタリング装置1を用いるようにしてもよい。また、Cu(銅)膜39の形成には、PVD(Physical Vapor Deposition)法やCVD(Chemical Vapor Deposition) 法などを用いることもできる。また、デュアルダマシンプロセスではなく、溝だけを埋め込むCu(銅)シングルダマシンプロセスに適用してもよいし、スルーホールだけを埋め込むCu(銅)プラグに適用してもよい。
【0048】
ここで、バリアメタル膜37やCu(銅)シード層38の膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、カバレッジ率が悪いと、これらの膜の機能低下を招くだけでなく、CMP(Chemical Mechanical Polishing )法によりCu(銅)膜39を除去する際に、スルーホール35や配線溝36との密着性が悪くなりCu(銅)膜39が剥離するおそれがある。
【0049】
本実施の形態に係るマグネトロンスパッタリング装置1を用いるものとすれば、ウェーハWの外周部付近においても、バリアメタル膜37やCu(銅)シード層38の膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、カバレッジ率を改善させることができる。そのため、バリアメタル膜37やCu(銅)シード層38の機能低下、Cu(銅)膜39の剥離を抑制することができる。このことは、歩留まりを向上させ、生産性を向上させることにもなる。
【0050】
次に、図6(c)で説明をしたバリアメタル膜37の形成についてさらに説明をする。尚、説明の便宜上、形成されるバリアメタル膜37をTaN(窒化タンタル)膜として説明をする。
バリアメタル膜37(TaN膜)は、配線溝やスルーホールの底面や側面からCu(銅)配線中のCu(銅)が層間絶縁膜内に拡散することを防止するためのものである。そのため、バリアメタル膜37(TaN膜)は、配線溝やスルーホールなどにおいて、膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、カバレッジ率が高いことが望まれる。また、これらが悪いと前述したCu(銅)膜39の剥離の原因ともなる。
尚、本実施形態では、加熱しながらTaN(窒化タンタル)膜を形成させてTaN(窒化タンタル)膜の応力を低下させる場合を説明する。
【0051】
まず、サセプタ3に内蔵された静電チャックによりウェーハWをサセプタ3に密着させるとともに、サセプタ3に内蔵されたヒータなどの加熱手段によりウェーハWを加熱する。 次に、スパッタガスとしてのAr(アルゴン)ガスと、反応ガスとしてのN(窒素)ガスをスパッタ室2内に導入する。TaN(窒化タンタル)膜の場合、Ta(タンタル)ターゲットを用い、反応ガスとしてN(窒素)ガスを導入する化成スパッタを用いる
次に、ターゲット4(Taターゲット)に負電圧を印加して放電を起こさせる。
この際、N極マグネット10NとS極マグネット10Sにより磁界11cが形成される。そして、磁界11cの中に電子が閉じ込められ、ターゲット4表面近傍にAr(アルゴン)ガスの高密度プラズマが生成される。この高密度プラズマ中のAr(アルゴン)イオンがターゲット4(Taターゲット)に衝突することでターゲット4の構成原子(Ta)がはじき出される。放出された構成原子(Ta)は、高密度プラズマ中でイオン化される。そして、マグネットユニット5を回転移動させることで、ターゲット4表面のエロージョン領域を回転方向に拡げながらスパッタが行われる。
【0052】
一方、N極からの発散磁界11a、11bはプラズマ中の電子をターゲット4から離すように働く。この際、高エネルギー状態となった円運動電子の磁気モーメントと発散磁界11a、11bの磁界勾配との間の相互作用により、電子が発散磁界11a、11bに沿って円運動しつつ加速される。そして、ターゲット4から放出された原子(Ta)が、この加速された電子によりイオン化される。
【0053】
次に、ウェーハWに高周波の交流電圧を印加する。
【0054】
本実施形態では、ウェーハW表面が層間絶縁膜で覆われているため、高周波電源8からの高周波電力を図示しない整合器を介してウェーハWに投入することができる。この場合、セルフバイアス電圧がウェーハWに誘起されるので、ウェーハWへの正イオンの引き込み効果が得られる。尚、高周波電力の値を調整することでウェーハWに誘起するセルフバイアス電圧の値を調整することができる。
【0055】
尚、本実施形態では、TaN(窒化タンタル)の化成スパッタについて説明したが、Ti(チタン)、W(タングステン)、Nb(ニオブ)などの材料からなるターゲットを用い、N(窒素)ガスを導入することで、TiN(窒化チタン)、WN(窒化タングステン)、NbN(窒化ニオブ)などの化成スパッタも同様に行うことができる。また、Ta(タンタル)などの材料からなるターゲットを用い、O(酸素)ガスを導入することで、TaO(酸化タンタル)などの化成スパッタも同様に行うことができる。
【0056】
前述したように、本実施の形態によれば、ウェーハWの外周部付近においても、バリアメタル膜37の膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、カバレッジ率を改善させることができる。そのため、バリアメタル膜37の機能低下、Cu(銅)膜39の剥離を抑制することができる。このことは、歩留まりを向上させ、生産性を向上させることにもなる。
【0057】
次に、図6(d)で説明をしたCu(銅)シード層38の形成についてさらに説明をする。
まず、サセプタ3に内蔵された静電チャックによりウェーハWをサセプタ3に密着させる。尚、成膜処理中は、サセプタ3に内蔵された冷却手段によりウェーハWが冷却される。 次に、スパッタガスとしてのAr(アルゴン)ガスをスパッタ室2内に導入する。
次に、ターゲット4(Cuターゲット)に負電圧を印加して放電を起こさせる。
この際、N極マグネット10NとS極マグネット10Sにより磁界11cが形成される。そして、磁界11cの中に電子が閉じ込められ、ターゲット4表面近傍にAr(アルゴン)ガスの高密度プラズマが生成される。この高密度プラズマ中のAr(アルゴン)イオンがターゲット4(Cuターゲット)に衝突することでターゲット4の構成原子(Cu)がはじき出される。放出された構成原子(Cu)は、高密度プラズマ中でイオン化される。そして、マグネットユニット5を回転移動させることで、ターゲット4表面のエロージョン領域を回転方向に拡げながらスパッタが行われる。
【0058】
一方、N極からの発散磁界11a、11bはプラズマ中の電子をターゲット4から離すように働く。この際、高エネルギー状態となった円運動電子の磁気モーメントと発散磁界11a、11bの磁界勾配との間の相互作用により、電子が発散磁界11a、11bに沿って円運動しつつ加速される。そして、ターゲット4から放出された原子(Cu)が、この加速された電子によりイオン化される。
【0059】
次に、ウェーハWに高周波の交流電圧を印加する。
本実施形態では、ウェーハW表面が層間絶縁膜で覆われているため、高周波電源8からの高周波電力を図示しない整合器を介してウェーハWに投入することができる。この場合、セルフバイアス電圧がウェーハWに誘起されるので、ウェーハWへの正イオンの引き込み効果が得られる。尚、高周波電力の値を調整することでウェーハWに誘起するセルフバイアス電圧の値を調整することができる。
【0060】
尚、Ar(アルゴン)ガスを導入した場合、Cu(銅)イオンの他にAr(アルゴン)イオンも生成される。そのため、ウェーハWに負電圧を印加するとAr(アルゴン)イオンもウェーハW表面に垂直に引き込まれ、ウェーハWに形成されたCu(銅)シード層38を物理的にエッチングする。この物理的にエッチングされたCu(銅)がスルーホール35の内面に再付着するため、スルーホール35の側面のCu(銅)シード層38の厚さを増加させることができる。
【0061】
前述したように、本実施の形態によれば、ウェーハWの外周部付近においても、Cu(銅)シード層38の膜厚さの均一性、成膜形状の対称性、カバレッジ率を改善させることができる。そのため、Cu(銅)シード層38の機能低下、Cu(銅)膜39の剥離を抑制することができる。このことは、歩留まりを向上させ、生産性を向上させることにもなる。
【0062】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明をした。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0063】
前述の具体例に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【0064】
例えば、マグネトロンスパッタリング装置1が備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した半導体装置のプロセス条件、半導体装置の断面形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、本発明は、溝などを有する精密電子部品や電子デバイス(例えば、MEMS (メムス:Micro Electro Mechanical Systems)など )の製造にも適用させることができる。
【0065】
また、前述した各具体例が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の要旨を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態に係るマグネトロンスパッタリング装置を例示するための模式図である。
【図2】マグネットの取付を例示するための模式図である。
【図3】マグネットの配置を例示するための模式図である。
【図4】ターゲットの全面を均等にスパッタした場合のトレンチ内の成膜状態を例示するための模式図である。
【図5】ターゲットの外周部付近を均等にスパッタした場合のトレンチ内の成膜状態を例示するための模式図である。
【図6】Cu(銅)配線工程を例示するための模式工程断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 マグネトロンスパッタリング装置、2 スパッタ室、3 サセプタ、4 ターゲット、5 マグネットユニット、6 バッキングプレート、7 直流電源、8 高周波電源、9 プレート、10N N極マグネット、10S S極マグネット、11a 発散磁界、11b 発散磁界、11c 磁界、12〜14 円、31 Si基板、32 第1の層間絶縁膜、33 下層配線、34 第2の層間絶縁膜、35 スルーホール、36 配線溝、37 バリアメタル膜、38 Cu(銅)シード層、39 Cu(銅)膜、C 回転中心、C1 中心軸、G ガス、W ウェーハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパッタ室内に設けられたターゲットと、
前記ターゲットに対向させるように設けられたサセプタと、
前記サセプタに接続された高周波電源と、
前記スパッタ室の外側であって、前記ターゲットの中心軸と同軸に設けられたプレートと、
前記中心軸を中心として、前記プレートを回転させる回転移動手段と、
前記プレートの一面において、S極端を前記ターゲットに向けて配設されたS極マグネットと、
前記プレートの前記一面において、N極端を前記ターゲットに向けて配設された第1及び第2のN極マグネットと、
を備え、
前記第1のN極マグネットは、前記プレートと同軸の円に沿い、かつ、前記ターゲットの外周部付近に対向させるようにして配設され、
前記S極マグネットは、前記第1のN極マグネットの内側であって、前記プレートと同軸の円に沿って配設され、
前記第2のN極マグネットは、前記S極マグネットの内側であって、前記プレートと同軸の円に沿って配設されており、
前記第1のN極マグネットと前記第2のN極マグネットとの磁束密度が前記S極マグネットの磁束密度より大きいこと、を特徴とするマグネトロンスパッタリング装置。
【請求項2】
前記第1のN極マグネットと、前記第2のN極マグネットと、からは、発散磁界が発生していること、を特徴とする請求項1記載のマグネトロンスパッタリング装置。
【請求項3】
前記プレートの前記一面において、前記第1のN極マグネットと前記第2のN極マグネットとの間に設けられ、N極端を前記ターゲットに向けて配設された第3のN極マグネットをさらに備え、
前記S極マグネットは、前記第1のN極マグネットと前記第2のN極マグネットと前記第3のN極マグネットにより取り囲まれて成ることを特徴とする請求項1または2に記載のマグネトロンスパッタリング装置。
【請求項4】
前記回転移動により、前記ターゲットの外周部付近が略均等にスパッタされること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のマグネトロンスパッタリング装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング装置を用いて成膜を行うこと、を特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記成膜は、半導体装置に設けられた凹部内に行うことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記成膜は、半導体装置に設けられたスルーホールまたはトレンチ内に行うことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−240112(P2008−240112A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85194(P2007−85194)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】