説明

レーザ照射方法及びレーザ照射装置

【課題】光学調整に困難を伴うことなく、3以上のレーザビームを照射面にて合成し、高出力で生産性を向上させることができるレーザを照射する技術の提供。
【解決手段】その技術は、波長の互いに異なるレーザ発振器とダイクロイックミラー、又はそれに加えて偏光子を用いてレーザビームを合成し、高出力で生産性を向上させレーザを照射するものであり、例えばレーザ発振器から射出されたレーザ光1をダイクロイックミラー1を通過させ、レーザ光1とは波長の異なるレーザ発振器から射出されたレーザ光2をダイクロイックミラー1で反射させてレーザ光を合成し、合成されたレーザ光を照射レーザ光とし、照射レーザ光を照射面上に投影するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学調整に困難を伴うことなく、3以上のレーザビームを照射面にて合成で
きる手法に関する。
より詳しくは、本発明は、光学調整に困難を伴うことなく、3以上のレーザビームを照
射面にて合成し、高出力で生産性を向上させることができるレーザビームを照射する方法
及び装置、並びにその合成されたレーザビームを用いた結晶化方法及び半導体装置の作製
方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、基板上に薄膜トランジスタ(以下TFTと記す。)を製造する技術が大幅に進歩
し、アクティブマトリクス型表示装置への応用開発が進められている。
特に、多結晶半導体膜を用いたTFTは、従来の非晶質半導体膜を用いたTFTよりも
電界効果移動度が高いので、高速動作が可能である。
そのため、画素の駆動用の回路を外付けのICチップで実装していたものを、画素と同
一の基板上にTFTを用いて一体形成することが可能となっている。
【0003】
また、その半導体装置に用いる基板は、コストの面から単結晶シリコン基板よりも、ガ
ラス基板が有望視されている。
このガラス基板は耐熱性に劣り、熱変形しやすいため、ガラス基板上に結晶質半導体膜
を用いたTFTを形成する場合には、ガラス基板の熱変形を避けるために、半導体膜の結
晶化にレーザアニールが用いられる。
【0004】
このレーザアニールの特徴は、輻射加熱あるいは伝導加熱を利用するアニール法と比較
して処理時間を大幅に短縮できることや、半導体基板又は半導体膜を選択的、局所的に加
熱して、基板にほとんど熱的損傷を与えないことなどが挙げられている。
なお、本発明のレーザアニール法は、半導体基板又は半導体膜に形成された損傷層やア
モルファス層を結晶化させる技術や、基板上に形成された非晶質半導体膜を結晶化させる
技術や単結晶ではない結晶性半導体膜(上記した単結晶ではない半導体膜をまとめて非単
結晶半導体膜と呼ぶ)を加熱(アニール)する技術を指している。
また、本発明のレーザアニール法は、半導体基板又は半導体膜の平坦化や表面改質に適
用される技術も含んでいる。
【0005】
そのレーザアニールには、エキシマレーザから発振されたレーザビームが用いられるこ
とが多い。
そのエキシマレーザは、出力が大きく、高周波数での繰り返し照射が可能であるという
利点を有し、さらにエキシマレーザから発振されるレーザビームは半導体膜としてよく用
いられる珪素膜に対しての吸収係数が高いという利点を有する。
そのレーザビームの照射方法としては、照射面におけるレーザビームの形状が線状とな
るように光学系にて整形し、線状レーザビームの短手方向にレーザビームの照射位置を照
射面に対し相対的に移動させる方法が生産性が高く工業的に優れている。
上記方法でアニールされた半導体膜を用いてTFTを形成し、液晶ディスプレイを作製
する手法は現在多く実施されている。
【0006】
そして、そのエキシマレーザにより発振されるレーザビームは不連続発振であるが、そ
れ以外に連続発振のレーザビームもあり、その場合には、連続発振のレーザビーム(以下
、CWレーザビームと呼ぶ)を線状に整形し、線状レーザビームの短手方向にレーザビー
ムの照射位置を相対的に移動させることで、移動方向に結晶粒が長く伸びた大粒径結晶が
できる。
このCWレーザビームを用いて大粒径結晶の長手方向にTFTのチャネル長方向を合わ
せてTFTを作製した場合、エキシマレーザで作製したTFTに比べ、移動度の高いTF
Tが作製でき、このTFTを用いればドライバやCPU等の回路を高速で駆動させること
ができる。
【0007】
その半導体膜のレーザアニールには可視域あるいは紫外域の波長を持ったレーザビーム
が多く用いられるのであり、それは半導体膜への吸収効率が良いためである。
しかしながら、CWレーザに用いられる固体レーザ媒質から発振する波長は、一般的に
赤から近赤外域であり、半導体膜での吸収効率が低いため、非線形光学素子を用いて可視
域あるいは紫外域の波長を持つ高調波に変調し、これをレーザアニールに用いる。
この高調波はレーザ媒質から発振した基本波を非線形光学素子に入射することで得られ
るものの、レーザの出力が大きくなると多光子吸収等の非線形光学効果により非線形光学
素子にダメージが与えられ、レーザ発振器のブレークダウンにつながる問題がある。
【0008】
そのため、現在生産されている可視域のCWレーザの出力値は、前記非線形光学素子の
問題から最大でも15W程度である。
そのCWレーザを用いてレーザアニールを行った場合には、エキシマレーザを用いた場
合に比べ生産性が悪く、更なる生産性の向上が必要である。
例えば、10Wの532nmのCWレーザを長手方向300μm、短手方向10μm程
度の線状に整形し、レーザアニールにより半導体膜を結晶化した場合、一度のスキャンで
できる大粒径の幅は200μm程度となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特公平7−94171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したようにCWレーザを用いたレーザアニール方法は非線形光学系の問題から、高
出力化が困難となっている。
そこで、生産性向上のため複数のレーザ発振器からのレーザビームを合成し、その後任
意の光学系にてビーム整形して基板に照射するのが、生産性を上げるのには簡便な手法で
あるということになる。
しかしながら、同一波長のレーザ発振器を用いた場合、複数のビームを合成するために
使用する偏光子は縦偏光と横偏光のビームのみしか合成できず、そのため最大で2つのレ
ーザビームまでしか合成できない(特許文献1)。
また、光軸の異なる複数のレーザビームを照射面にて合成する手法は、照射面でのスポ
ットの大きさが数μmと微小のため光学調整に困難を伴う。
【0011】
本発明は、このような問題に対処すべく鋭意研究開発に努め、その結果開発に成功した
ものである。
すなわち、本発明は、光学調整に困難を伴うことなく、3以上のレーザビームを照射面
にて合成し、高出力で生産性を向上させることができる手法を提供することを発明の解決
すべき課題とするものである。
したがって、本発明は、光学調整に困難を伴うことなく、3以上のレーザビームを照射
面にて合成し、高出力で生産性を向上させることができるレーザビームを照射する方法及
び装置、並びに前記合成されたレーザビームを用いた半導体膜の結晶化方法及び半導体装
置の作製方法を提供することを発明の解決すべき課題、すなわち目的とするものである。
なお、本明細書においてレーザビームの合成とは、複数のレーザビームが集光レンズで
集光される程度に隣接している状態を示す。また、複数のレーザビームを照射面にて合成
するとは、当該レーザビームが照射面において少なくとも一部重なっている状態を示す。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記したとおり光学調整に困難を伴うことなく、3以上のレーザビームを照
射面にて合成し、高出力で生産性を向上させることができるレーザビームを照射する方法
及び装置、並びに前記合成されたレーザビームを用いた半導体膜の結晶化方法及び半導体
装置の作製方法を提供するものである。
その技術内容を簡潔にいえば、本発明は、波長の互いに異なる複数のレーザ発振器とダ
イクロイックミラー、又はそれに加えて偏光子を用いてレーザビームを合成し、生産性を
向上させるレーザ照射技術に関する。
【0013】
そのうちのレーザ照射方法については、第1に、レーザ発振器から射出されたレーザ光
1をダイクロイックミラー1を通過させ、レーザ光1とは波長の異なるレーザ発振器から
射出されたレーザ光2をダイクロイックミラー1で反射させてレーザ光を合成し、合成さ
れたレーザ光を照射レーザ光とし、照射レーザ光を照射面上に投影することを特徴とする
ものである。
【0014】
第2には、レーザ発振器から射出されたレーザ光1をダイクロイックミラー1を通過さ
せ、レーザ光1とは波長の異なるレーザ発振器から射出されたレーザ光2をダイクロイッ
クミラー1で反射させてレーザ光1とレーザ光2を合成し、合成されたレーザ光をダイク
ロイックミラー2を通過させ、レーザ光1およびレーザ光2とは波長の異なるレーザ発振
器から射出されたレーザ光3をダイクロイックミラー2で反射させて3つのレーザ光を合
成し、合成されたレーザ光を照射レーザ光とし、照射レーザ光を照射面上に投影すること
を特徴とするものである。
【0015】
第3には、レーザ発振器から射出されたレーザ光1をダイクロイックミラー1を通過さ
せ、レーザ光1とは波長の異なるレーザ発振器から射出されたレーザ光2をダイクロイッ
クミラー1で反射させてレーザ光を合成し、合成された第1の合成レーザ光をλ/2波長
板を通過させた後に偏光子を通過させ、
レーザ発振器から射出されたレーザ光1Aをダイクロイックミラー1Aを通過させ、レ
ーザ光1Aとは波長の異なるレーザ発振器から射出されたレーザ光2Aをダイクロイック
ミラー1Aで反射させてレーザ光を合成し、合成された第2の合成レーザ光を前記偏光子
で反射させて第1の合成レーザ光と第2の合成レーザ光を更に合成し、合成された合成レ
ーザ光を照射レーザ光とし、照射レーザ光を照射面上に投影することを特徴とするもので
ある。
【0016】
第4には、レーザ発振器から射出されたレーザ光1をダイクロイックミラー1を通過さ
せ、レーザ光1とは波長の異なるレーザ発振器から射出されたレーザ光2をダイクロイッ
クミラー1で反射させてレーザ光を合成し、合成されたレーザ光をダイクロイックミラー
2を通過させ、レーザ光1およびレーザ光2とは波長の異なるレーザ発振器から射出され
たレーザ光3をダイクロイックミラー2で反射させて3つのレーザ光を合成し、合成され
た第1の合成レーザ光をλ/2波長板を通過させた後に偏光子を通過させ、
レーザ発振器から射出されたレーザ光1Aをダイクロイックミラー1Aを通過させ、レ
ーザ光1Aとは波長の異なるレーザ発振器から射出されたレーザ光2Aをダイクロイック
ミラー1Aで反射させてレーザ光を合成し、合成されたレーザ光をダイクロイックミラー
2Aを通過させ、レーザ光1Aおよびレーザ光2Aとは波長の異なるレーザ発振器から射
出されたレーザ光3Aをダイクロイックミラー2Aで反射させて3つのレーザ光を合成し
、合成された第2の合成レーザ光を前記偏光子で反射させて合成レーザ光を更に合成し、
合成された合成レーザ光を照射レーザ光とし、照射レーザ光を照射面上に投影することを
特徴とするものである。
【0017】
また、本発明のレーザ照射方法は、合成されたレーザビームを照射面上に投影する前に
所定形状にするために集光レンズを通過させるのがよく、その際の集光レンズにはアクロ
マートレンズ又はアポクロマートレンズが好ましい。
さらに、本発明における結晶化する方法は、前記した合成されたレーザビームを用いて
半導体膜を結晶化するものであり、半導体装置を作製する方法は、前記した照射レーザ光
を用いて非単結晶を結晶化し、その結晶化により得られた結晶質半導体膜を用いて半導体
装置を作製するものである。
【0018】
そして、残るレーザ照射装置については、第1に、レーザ光1を射出するレーザ発振器
、レーザ光1とは異なる波長のレーザ光2を射出するレーザ発振器、レーザ光1を通過さ
せ、レーザ光2を反射させてレーザ光を合成するダイクロイックミラー1、及びそこで合
成された照射レーザ光を投影する照射面を設置するステージを備えたことを特徴とするも
のである。
【0019】
第2には、レーザ光1を射出するレーザ発振器、レーザ光1とは異なる波長のレーザ光
2を射出するレーザ発振器、レーザ光1を通過させ、レーザ光2を反射させてレーザ光を
合成するダイクロイックミラー1、前記レーザ光1および前記レーザ光2とは異なる波長
のレーザ光3を射出するレーザ発振器、ダイクロイックミラー1で合成されたレーザ光を
通過させ、レーザ光3を反射させてそれらレーザ光を合成するダイクロイックミラー2、
及びダイクロイックミラー2で合成された照射レーザ光を投影する照射面を設置するステ
ージを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
第3には、レーザ光1を射出するレーザ発振器、レーザ光1とは異なる波長のレーザ光
2を射出するレーザ発振器、レーザ光1を通過させ、レーザ光2を反射させてレーザ光を
合成するダイクロイックミラー1、及びダイクロイックミラー1で合成された第1の合成
レーザ光を通過させるλ/2波長板を備え、
レーザ光1Aを射出するレーザ発振器、レーザ光1Aとは異なる波長のレーザ光2Aを
射出するレーザ発振器、レーザ光1Aを通過させ、レーザ光2Aを反射させてレーザ光を
合成し、第2の合成レーザ光を形成するダイクロイックミラー1Aを備え、
更に前記λ/2波長板を通過した第1の合成レーザ光を通過させ、第2の合成レーザ光
を反射させて合成レーザ光を合成する偏光子を備え、
並びに偏光子で合成された照射レーザ光を投影する照射面を設置するステージを備えたこ
とを特徴とするものである。
【0021】
第4には、レーザ光1を射出するレーザ発振器、レーザ光1とは異なる波長のレーザ光
2を射出するレーザ発振器、レーザ光1を通過させ、レーザ光2を反射させてレーザ光を
合成するダイクロイックミラー1、前記レーザ光1および前記レーザ光2とは異なる波長
のレーザ光3を射出するレーザ発振器、ダイクロイックミラー1で合成されたレーザ光を
通過させ、レーザ光3を反射させてそれらレーザ光を合成するダイクロイックミラー2、
及びそこで合成された第1の合成レーザ光を通過させるλ/2波長板を備え、
レーザ光1Aを射出するレーザ発振器、レーザ光1Aとは異なる波長のレーザ光2Aを
射出するレーザ発振器、レーザ光1Aを通過させ、レーザ光2Aを反射させてレーザ光を
合成するダイクロイックミラー1A、前記レーザ光1Aおよび前記レーザ光2Aとは異な
る波長のレーザ光3Aを射出するレーザ発振器、及びダイクロイックミラー1Aで合成さ
れたレーザ光を通過させ、レーザ光3Aを反射させてそれらレーザ光を合成し、第2の合
成レーザ光を形成するダイクロイックミラー2Aを備え、
前記λ/2波長板を通過した第1の合成レーザ光を通過させ、第2の合成レーザ光を反
射させて合成レーザ光を更に合成する偏光子を備え、
並びに偏光子で合成された照射レーザ光を投影する照射面を設置するステージを備えたこ
とを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、連続発振のレーザビームを用いたレーザアニール方法において、従来困難と
されていた可視あるいは紫外域の波長を持ち、15W程度以上の高出力のレーザビームを
提供することをダイクロイックミラーを用いることにより成功したものであり、極めて優
れた効果を奏するものである。
すなわち、本発明は、波長の互いに異なる複数のレーザ発振器と、ダイクロイックミラ
ー又はそれに偏光子を用いて、可視あるいは紫外域の波長を持つレーザビームを合成し高
出力で生産性を向上させることができるレーザ照射技術である。
【0023】
そのダイクロイックミラーとは、ある特定の波長域のみ反射率が高くなるようにコーテ
ィングしてあるミラーのことであり、これにより、偏光方向を考慮することなく、レーザ
ビームを合成することができる。
そのため、2つより多い数のレーザビームを合成することができ、これにより、より出
力の大きいレーザビームを得ることが可能となり、生産性を上げることができる。
また、ダイクロイックミラーに加え、偏光子を用いて合成することで、同一波長のレー
ザビームを2つずつ合成することができ、更に生産性を上げることができることである。
【0024】
この点に関し更に説明するに、半導体膜のレーザアニールには、半導体膜への吸収効率
が良いことから、可視あるいは紫外域の波長を持ったレーザビームが多く用いられるが、
CWレーザに用いられる固体レーザ媒質から発振する波長は、一般的に赤から近赤外域で
あり、半導体膜での吸収効率が低いため、非線形光学素子を用いて可視あるいは紫外の波
長を持つ高調波に変調することが行われる。
この変調は、レーザ媒質から発振した基本波を非線形光学素子に入射することで行える
ものの、レーザの出力が大きくなると多光子吸収等の非線形光学効果により非線形光学素
子にダメージが与えられ、ブレークダウンにつながる問題があり、現在生産されている可
視域のCWレーザは、前記非線形光学素子の問題から最大でも15W程度である。
【0025】
これを回避するために、複数のレーザ発振器からのレーザビームを合成し、その後任意
の光学系にてビーム整形し、生産性を上げる簡便な手法もあるが、その場合においても同
一波長のレーザ発振器を用いた場合には、そのビームの合成に使用する偏光子が縦偏光と
横偏光のビーム2つしか合成できないため、最大で2つのレーザビームしか合成できない

本発明は、この合成にダイクロイックミラーを使用するものであり、それにより3台以
上のレーザ発振器から射出されたレーザビームを合成することができ、可視あるいは紫外
域の波長を持った高出力のレーザビームを提供することができる。
また、ダイクロイックミラーに加え、偏光子を用いて合成することで、同一波長のレー
ザビームを2つずつ合成することができ、更に高出力のレーザビームを提供することがで
き、より生産性を上げることが可能である。
【0026】
その結果、本発明では、この合成された可視あるいは紫外域の波長を持った高出力のレ
ーザビームを線状に整形し、これを非単結晶半導体膜に照射することでレーザビームの移
動方向に結晶粒が長く伸びた大粒径結晶を作製することができる。
また、この大粒径結晶の長手方向にチャネル長方向を合わせてTFTを作製することに
より、エキシマレーザで作製したTFTに比べ移動度の高いTFTが作製でき、かつこの
TFTを用いることによりドライバやCPU等の回路を高速で駆動させることができる。
以上のとおりであり、本発明は優れた作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1の概念図。
【図2】本発明で使用するアポクロマートレンズの構造及び色消し機能の図示。
【図3】本発明の実施の形態1においてアポクロマートレンズを用いた態様の場合の図示。
【図4】本発明の実施の形態2の概略図。
【図5】本発明の実施の形態2においてアクロマートレンズを用いた態様の場合の図示。
【図6】本発明の実施の形態3の概略図。
【図7】本発明で使用することができるシリンドリカル色消しレンズの構造及び色消し機能の図示。
【図8】本発明のレーザ照射方法を用いて、本発明の半導体装置を作製する方法を図示。
【図9】本発明のレーザ照射方法を用いて、本発明の半導体装置を作製する方法を図示。
【図10】本発明の半導体装置の作製方法により製造した半導体装置を組み込まれた電子機器を図示。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下において、本発明について、発明を実施するための最良の形態を含む実施の形態に
関し説明する。
また、最良の形態に関しては複数の態様に関し図面を用いて説明するが、本発明は、そ
れらによって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるも
のであることはいうまでもない。
本発明は、ダイクロイックミラーを用いて異なる発振波長のレーザビームを合成するこ
とを特徴とする。そのダイクロイックミラーによるレーザビームの合成は、一方のレーザ
ビームを通過させ、それとは波長の異なるレーザを通過したレーザビームと同一の方向に
反射することにより行われるものである。
【0029】
そのダイクロイックミラーとは、特定の波長域のみ反射率が高くなるようにコーティン
グしてあり、それにより特定波長域の光を選択的に反射し、他の波長の光を通過させるミ
ラーのことであり、そのミラーは市販されていて容易に入手することができる。
その反射できる波長域は、特に制限されることはなく、コーティングする物質を選択す
ることにより各種の波長を反射することができ、例えばコーティングする物質を選択する
ことにより、波長が355nm、405nm、488nm、532nmあるいは628n
m等のレーザビームを反射することができる。
その反射のために使用するコーティング用物質については、例えば誘電体多層膜が用い
られる。
【0030】
本発明においては、偏光子がダイクロイックミラーと併用してもよい。この併用により
ダイクロイックミラー単独使用に比し、より多くのレーザ光を合成することができ、高出
力のレーザビームを合成することができる。
この偏光子は、横偏光を通過させ、縦偏光を反射する素子であり、これを用いることに
よるレーザ光の合成は、通過した横偏光と同一の方向に縦偏光を反射することにより行わ
れるものである。
その偏光子は薄膜と透明母材でできており、その構造及び形状はキューブ型やプレート
型となっている。
【0031】
また、本発明において、偏光子を用いる際に付随的に用いることになるλ/2波長板は
、縦偏光であるレーザビームを横偏光に変換するために使用するものであり、これにレー
ザビームを通過させることにより偏光の方向が0〜90°回転して横偏光に変換し、偏光
子を通過することができるようになる。
このλ/2波長板は、水晶や雲母などの複屈折材料からできているもので、その構造及
び形状は平行平板である。
【0032】
[実施の形態1] (3波長3台のレーザ発振器+2ダイクロイックミラー(+アポク
ロマートレンズ)の場合)
まず、互いに異なる発振波長を持つ3台のレーザ発振器と、特定の波長域の反射率が高
い2枚のダイクロイックミラーを用いる形態に関し、その概念図である図1を用いて説明
する。
この形態は、第2のレーザ照射方法及びレーザ照射装置に該当するものである。
レーザ発振器B(101)は波長446nmのレーザビームを射出し、そのレーザビー
ムは、532nmの波長域のみを反射するダイクロイックミラー104で、レーザ発振器
G(102)から射出した波長532nmのレーザビームと合成される。
さらに、ダイクロイックミラー104で合成されたレーザビームはダイクロイックミラ
ー105を通過する。他方レーザ発振器R(103)から射出した波長628nmのレー
ザビームはダイクロイックミラー105で反射され、ダイクロイックミラーを通過したレ
ーザビームと合成される。
【0033】
それら3つの互いに異なる波長を持つレーザビームが合成されてできたレーザビーム(
以下、白色レーザビームと略す)は、光学系106によって任意の形状に整形され、半導
体膜上の照射面107に照射される。
なお、波長532nmのレーザビームは、YAGまたはYVO4等の基本波(波長10
64nm)を非線形光学素子によって第二高調波に変換することにより得られる。
また、波長628nmのレーザビームは、光パラメトリック発振器とディレイ装置によ
って基本波から変換された波長1535nmのレーザビームをKTA結晶を用いた非線形
光学素子にて波長1064nmのレーザと和周波混合することにより得られる。
さらに、波長446nmのレーザビームは、前述した波長1535nmのレーザビーム
及び波長628nmのレーザビームを非線形光学素子によって和周波混合することにより
得ることができる。
【0034】
本発明の実施の形態では、白色レーザビームによりレーザアニールを行う。
その際に白色レーザビームのように波長域の広い光を単レンズで集光すると、色収差が
生じるため焦点距離が波長ごとに異なるが、それには色収差を補正する色消しレンズを用
いることにより対処することができる。
図2に図示するアポクロマートレンズを用いて色消しレンズを説明する。
アポクロマートレンズとは異なる3つの波長を持った光の色収差を補正するように設計
された色消しレンズであり、同様に2つの波長の光の色収差を補正できる色消しレンズは
アクロマートレンズといわれる。
【0035】
図2において、アポクロマートレンズ201は、通常屈折率の互いに異なるレンズ20
1a,201b,201cからなっており、異なる3つの波長の色収差を補正し、半導体
膜上の照射面202に単一焦点を結ぶ。
図2において、太い実線に付された矢印は白色レーザビームの進路を表しており、白色
レーザビームがレンズ201aに入射すると、色収差により光路が3つに分離するが、そ
のことを実線、一点鎖線及び点線の3種の線で表している。
色収差は後続のレンズ201b,201cにより補正され照射面202で同一焦点に集
光され、その結果より一層高出力のレーザビームを照射することができる。
【0036】
この実施の形態1においては、前記したアポクロマートレンズを用いて色収差を補正し
、より一層高出力のレーザビームを照射することができる。
前記したアポクロマートレンズ及び前記図1に概要を図示した白色レーザ発振器を用い
たレーザ照射装置の光学系を使用した例を、図3に基づいて説明する。
ここで、白色レーザ発振器とは、図1において、レーザ発振器101,102及び10
3並びにダイクロイックミラー104及び105を含む系のことを指す。
図3において、(a)は側面図、同(b)は平面図を示している。
【0037】
白色レーザ発振器301から射出したレーザビームはシリンドリカルレンズ302によ
って、ビームの一軸方向のみ集光される。
一軸方向のみ集光されたレーザビームは、アポクロマートレンズ303により、シリン
ドリカルレンズ302が作用していない方向のみの色収差を補正し集光され、高出力で半
導体膜上の照射面304に照射される。
前記したレーザ発振器及び光学系を用いて、線状ビームを整形し、半導体膜を線状ビー
ムの短軸方向に移動させることにより高出力のレーザビームを半導体膜に照射することが
できる。
このようにして得られた半導体膜にTFTを作製し、周知の方法にて表示装置を作製す
ることにより高性能の表示装置を製造することができる。
【0038】
[実施の形態2] (2波長4台のレーザ発振器+偏光子+3ダイクロイックミラー(
+アクロマートレンズ)の場合)
この形態は、第3のレーザ照射方法及びレーザ照射装置に該当するものである。
2つの発振波長を持つ4台のレーザ発振器と、それぞれ特定の波長域の反射率が高い3
枚のダイクロイックミラーと偏光子とを用いる第2の形態に関し、図4及び5を用いて説
明する。
前記した実施の形態1では、3つの異なる波長のレーザビームを用いており、その色収
差の補正にはアポクロマートレンズを使用しているが、本実施の形態2では、レーザビー
ムは、2種の波長であるから、アクロマートレンズを用いて、色収差を補正し、集光する
ことができる。
【0039】
図4には、2つの異なる波長のレーザビームを発振する4台のレーザ発振器と2台のダ
イクロイックミラーと偏光子とを用いて、4台のレーザ発振器から射出したレーザビーム
を合成し、アクロマートレンズを用いて集光する場合の概略図を示す。
図4において、レーザ発振器G(401)から射出した波長532nmのレーザビーム
とレーザ発振器V(402)から射出した波長355nmのレーザビームは、355nm
の波長域のみを反射するダイクロイックミラー403で合成される。
合成されたレーザビームは、縦偏光のため、λ/2波長板404にて横偏光に変換し、
偏光子405に入射する。
ここで、偏光子405は横偏光のみを通過させ、縦偏光は反射する素子である。
【0040】
同様に、レーザ発振器G(406)から射出した波長532nmのレーザビームとレー
ザ発振器V(407)から射出した波長355nmのレーザビームは、355nmの波長
域のみを反射するダイクロイックミラー408で合成され、縦偏光のまま偏光子405で
反射し、横偏光のビームと合成される。
合成された4つのレーザビームは、アクロマートレンズ等を用いた光学系409によっ
て集光されるとともに任意の形状に整形され、半導体膜上の照射面410に照射される。
ここで、波長355nmのレーザビームは、YAGまたはYVO4等の基本波(波長1
064nm)を非線形光学素子によって第三高調波に変換することで得られる。
なお、図4においては、レーザ発振器(406)及び(407)は、射出する波長がそ
れぞれレーザ発振器(401)及び(402)と同一波長のものを使用しており、それが
好ましいが、前者のレーザ発振器(406)及び(407)が射出する波長は、後者のレ
ーザ発振器(401)及び(402)が発振する波長とは異なるものであってもよい。
【0041】
図4に概略を示した実施の形態2に関しても、実施の形態1と同様に光学系409のア
クロマートレンズを用いて色収差を補正し、より一層高出力のレーザビームを照射するこ
とができ、このより好ましい態様に関し、図5を用いて更に説明する。
図5において、レーザ発振器501は、図4中における、レーザ発振器401,402
、406及び407、ダイクロイックミラー403及び408、λ/2波長板404、並
びに偏光子405を含む系を指す。
図5において、(a)は側面図、(b)は平面図を示しており、レーザ発振器501か
ら射出したレーザビームは、ビームの一軸方向のみに作用するシリンドリカルレンズ50
2により一軸方向のみ集光される。
【0042】
一軸方向のみ集光されたレーザビームは、アクロマートレンズ503によりシリンドリ
カルレンズ502が作用していない方向のみの色収差を補正し集光され、半導体膜上の照
射面504に照射される。
上記したレーザ発振器、並びにシリンドリカルレンズ及びアクロマートレンズ等の光学
系を用いて、線状ビームを整形し、半導体膜を線状ビームの短軸方向に相対的に移動させ
ることにより、実施の形態1と同様に高出力のレーザビームを半導体膜に照射することが
できる。
その結果、このようにして得られた半導体膜にTFTを作製し、周知の方法にて表示装
置を作製することにより、実施の形態1と同様に高性能の表示装置を製造することができ
る。
【0043】
[実施の形態3] (3波長6台のレーザ発振器+偏光子+5ダイクロイックミラー(
+アポクロマートレンズ)の場合)
この形態は、第4のレーザ照射方法及びレーザ照射装置に該当するものである。
実施の形態1では、異なる3つの波長のレーザビームと複数のダイクロイックミラーを
用いて、3台のレーザ発振器からのレーザビームを同一光軸上に合成した。
さらに、実施の形態2では、異なる2つの波長のレーザビームと複数のダイクロイック
ミラーと偏光子を用いて、4台のレーザ発振器からのレーザビームを合成した。
同様に、異なる3つの波長のレーザビームと複数のダイクロイックミラーと偏光子とを
用いることで、6台のレーザ発振器からのレーザビームを合成することが可能である。
【0044】
すなわち3つの異なる波長のレーザビームと複数のダイクロイックミラーと偏光子とを
用いて、6台のレーザ発振器から射出したレーザビームをアポクロマートレンズを用いて
合成する場合の概略図を図6に示す。
図6において、波長446nmのレーザ発振器B(601)から射出したレーザビーム
と波長532nmのレーザ発振器G(602)から射出したレーザビームは、532nm
の波長域のみを反射するダイクロイックミラー604で合成される。
ダイクロイックミラー604で合成されたレーザビームは、ダイクロイックミラー60
5でレーザ発振器R(603)から射出した波長628nmのレーザビームと合成される

【0045】
合成されたレーザビームは、縦偏光のためλ/2波長板606にて横偏光に変換し、偏
光子607に入射することで、偏光子607を通過する。
同様に、レーザ発振器B(608)から射出した波長446nmのレーザビームとレー
ザ発振器G(609)から射出した波長532nmのレーザビームは、532nmの波長
域のみを反射するダイクロイックミラー611で合成される。
さらに、ダイクロイックミラー604で合成されたレーザビームはダイクロイックミラ
ー612でレーザ発振器R(610)から射出した波長628nmのレーザビームと合成
され、縦偏光のまま偏光子607で反射し、偏光子607を通過してきた横偏光のレーザ
ビームと合成される。
なお、図6においては、レーザ発振器(608)、(609)及び(610)は、射出
する波長がそれぞれレーザ発振器(601)、(602)及び(603)と同一波長のも
のを使用しており、それが好ましいが、前者のレーザ発振器(608)、(609)及び
(610)が射出する波長は、後者のそれが発振する波長とは異なるものであってもよい

【0046】
合成された6本のレーザビームは、光学系613によって任意の形状に整形され、半導
体膜上の照射面614に照射される。
光学系613は、前述した実施の形態1のアポクロマートレンズを用いた光学系と同様
の系を用いればよい。
上記したレーザ発振器及び光学系を用いて、線状ビームを整形し、半導体膜を線状ビー
ムの短軸方向に移動させることにより高出力のレーザビームを半導体膜に照射することが
できる。
このようにして得られた半導体膜にTFTを作製し、周知の方法にて表示装置を作製す
ることにより高性能の表示装置を製造することができる。
【0047】
前記実施の形態までは、球面のアポクロマートレンズ又はアクロマートレンズを用いて
、線状レーザビームの短手方向のみの色収差を補正した。
一軸方向のみに作用するシリンドリカル色消しレンズを用いて、長手方向及び短手方向
をそれぞれ集光することで、色収差を長手方向にも補正することが可能である。
また、レーザ発振器を複数台用いた場合、それぞれのレーザ発振器のビーム拡がり角あ
るいはビーム径が異なる。
そこで、シリンドリカル色消しレンズを、すべてのレーザビームを同一の焦点距離に設
計するのではなく、照射面でのスポット径が同一になるように設計することで、ビーム長
手方向の長さを揃えることが可能である。
その場合について図7に図示する。
【0048】
図7には、波長446nmのレーザビーム701と波長628nmのレーザビーム70
2をシリンドリカルアクロマートレンズ703を用いて、照射面705上で合成する場合
の例を示す。
図7の例においては、レーザビーム701とレーザビーム702のビーム径及びビーム
拡がり角が異なっている。
ここにおいて、波長の異なる2つのレーザビーム701,702を照射面705上で同
じビーム長になるように、シリンドリカルアクロマートレンズ703は設計されている。
そのため、互いに波長の異なるレーザビーム701と702とは、それぞれの焦点70
4aと704bとが同一位置ではないものの、照射面705上の同一スポットを照射する
ように設計されている。
なお、異なる3つの波長のレーザビームを用いる場合には、シリンドリカルアクロマー
トレンズに代えシリンドリカルアポクロマートレンズを用いて同様に設計すればよい。
【0049】
また、本発明の発明を実施するための最良の形態である実施の形態1ないし3において
は、いずれも3以上のレーザビームを合成する態様となっているが、本発明は2つのレー
ザビームを合成する場合に利用することも排除するものではなく、それも本発明の1態様
である。
なお、この場合には偏光子を用いる従来の場合のようにλ/2波長板を使用する必要も
なく、かつ3以上のレーザビームの合成への変更も簡便に行うことができ、その際にはダ
イクロイックミラーも流用できる利点もある。
さらに、本発明におけるレーザ発振器としては、本発明の趣旨からしてCWレーザ発振
器を用いるのが好ましいが、それに限定されるものでもなく、エキシマレーザにより発振
される不連続レーザを利用できることも勿論である。
例えば、レーザパルス繰り返し周波数が10MHz以上、好ましくは80MHz以上の
パルスレーザを用いてもよい。パルス発振でレーザ光を半導体膜に照射してから半導体膜
が完全に固化するまでの時間は数十ns〜数百nsと言われており、上記周波数帯を用い
ることで、半導体膜がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレー
ザ光を照射できる。したがって、従来のパルス発振のレーザを用いる場合と異なり、半導
体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるので、走査方向に向かって連
続的に成長した結晶粒を有する半導体膜が形成される。
【実施例1】
【0050】
本実施例は、本発明のレーザ照射方法及びレーザ照射装置を用い、本発明の半導体装置
を作製する方法であり、それについて、図8及び図9を用いて説明する。
なお、以下の説明においては、本実施例に加え、その製造プロセスにおいて採用し得る
他の態様に関しても併記する。
まず、基板1100上に下地絶縁膜1101a、1101bを形成する(図8(a))
が、その際本実施例においては基板にガラス基板を使用する。
なお、その基板の材料としては、ガラス基板、石英基板、結晶性ガラスなどの絶縁性基
板やセラミック基板、ステンレス基板、金属基板(タンタル、タングステン、モリブデン
等)、半導体基板、プラスチック基板(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン等)等を用いることが
できるが、少なくともプロセス中に発生する熱に耐えうる材料を使用する。
【0051】
その下地絶縁膜としては、本実施例では1層目の絶縁膜1101aとして窒化酸化シリ
コン膜を50nm、2層目の絶縁膜1101bとして酸化窒化シリコン膜を100nmで
形成する。
なお、その基板上に形成する下地絶縁膜1101a、1101bとしては、酸化シリコ
ン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などが使用でき、これら絶縁膜を単層又は2
以上の複数層形成する。
これらはスパッタ法や減圧CVD法、プラズマCVD法等の公知の方法を用いて形成す
る。
本実施例の下地絶縁膜は2層の積層構造だが、本発明では下地絶縁膜は勿論単層でも3
層以上の複数層でも構わない。
なお、窒化酸化シリコン膜と酸化窒化シリコン膜はその窒素と酸素の割合が異なってい
ることを意味しており、前者の方がより窒素の含有量が高いことを示している。
【0052】
次いで、非晶質半導体膜1102を下地絶縁膜上に形成する。
本実施例では、アモルファスシリコンをCVD法により膜厚66nmで形成する。
なお、その非晶質半導体膜はシリコン又はシリコンを主成分とする材料(例えばSix
Ge1-x等)で25〜80nmの厚さに形成すればよい。
その作製方法としては、公知の方法、例えばスパッタ法、減圧CVD法又はプラズマC
VD法等が使用できる。
その形成後、アモルファスシリコンの結晶化を行う(図8(b))。
【0053】
本実施例においては、その結晶化は、勿論本発明のレーザ照射方法及び装置を用いるレ
ーザアニールにより行う。
したがって、異なる波長のレーザ光を射出する3台以上のレーザ発振器を使用しそれら
発振器から射出されたレーザ光を合成してレーザアニールを行う。
具体的には、上記実施の形態1で示したように、3台のレーザ光の合成にダイクロイッ
クミラーを使用し、それにより3台のレーザ発振器から射出されたレーザビームを合成し
、その合成されたレーザビームをアモルファスシリコン膜に照射し、より生産性を上げて
結晶化を行う。
そのアニールによる結晶化後、結晶性半導体膜をエッチングにより所望の形状の半導体
膜1102a〜1102dとする。
【0054】
続いて、ゲート絶縁膜1103を形成する(図8(c))ことになるが、本実施例では
酸化シリコン膜を形成する。
その膜厚は115nm程度とし、減圧CVD法またはプラズマCVD法、スパッタ法な
どでシリコンを含む絶縁膜を形成すればよい。
その後、ゲート絶縁膜上に第1の導電層1104a〜1104dとして膜厚30nmの
窒化タンタル(TaN)とその上に第2の導電層1105a〜1105dとして膜厚37
0nmのタングステン(W)を形成する。
【0055】
TaN膜、W膜ともスパッタ法で形成すればよく、TaN膜はTaのターゲットを用い
て窒素雰囲気中で、W膜はWのターゲットを用いて成膜すればよい。
なお、本実例では、前記したとおり第1の導電層を膜厚30nmのTaN、第2の導電
層を膜厚370nmのWとしたが、これに限定されず、第1の導電層と第2の導電層は、
共にTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた元素、又は前記元素を
主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成してもよい。
【0056】
また、それら両導電層は、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表さ
れる半導体膜を用いてもよいし、AgPdCu合金を用いてもよいし、更にその組み合わ
せも適宜選択すればよい。
その両導電層の膜厚は、第1の導電層が20〜100nm、第2の導電層が100〜4
00nmの範囲で形成すればよい。
本実施例では、前記したとおり2層の積層構造としたが、1層としてもよいし、もしく
は3層以上の積層構造としてもよい。
【0057】
次に、ゲート電極またはレジストを形成しパターニングしたものをマスクとして用い、
半導体膜1102a〜1102dにn型またはp型の導電性を付与する不純物を選択的に
添加し、ソース領域、ドレイン領域、さらにはLDD領域等を形成する。
その後、レジストからなるマスクを除去して第1のパッシベーション膜1120を形成
する(図9(a))。
本実施例では、プラズマCVD法により膜厚100nmの酸化窒化シリコン膜を形成す
る。
なお、この第1のパッシベーション膜としてはシリコンを含む絶縁膜を100〜200
nmの厚さに形成すればよい。
その膜の成膜法としては、プラズマCVD法や、スパッタ法を用いればよい。
【0058】
その際には、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製される酸化窒化シリ
コン膜、又はSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜を形成すればよい。
この場合の作製条件は、反応圧力20〜200Pa、基板温度300〜400℃とし、
高周波(60MHz)電力密度0.1〜1.0W/cm2である。
また、第1のパッシベーション膜としてSiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化
水素化シリコン膜を適用してもよい。
勿論、第1のパッシベーション膜1120は、本実施例のような酸化窒化シリコン膜の
単層構造に限定されるものではなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層構造、もしくは積
層構造として用いてもよい。
【0059】
その後、レーザアニール法を行い、半導体層の結晶性の回復、半導体層に添加された不
純物元素の活性化を行う。
なお、この活性化にも、結晶化の場合と同様に、互いに異なる波長のレーザビームを射
出する3台以上のレーザ発振器を使用し、それら発振器から射出されたレーザビームをダ
イクロイックミラー又はそれに加えて偏光子を使用して合成し、高出力の合成されたレー
ザビームを照射することができ、本実施例ではそれを採用する。高出力のレーザビームを
用いることより、より生産性を上げることができる。
また、第1のパッシベーション膜1120を形成した後で熱処理を行うことで、活性化
処理と同時に半導体層の水素化も行うことができる。
その水素化は、第1のパッシベーション膜に含まれる水素によって、半導体層のダング
リングボンドを終端するものである。
【0060】
さらに、第1のパッシベーション膜1120を形成する前に加熱処理を行ってもよい。
但し、第1の導電層1104a〜1104d及び第2の導電層1105a〜1105d
を構成する材料が熱に弱い場合には、本実施例のように配線などを保護するため、第1の
パッシベーション膜1120を形成した後で熱処理を行うことが望ましい。
また、この場合、第1のパッシベーション膜がないため、当然パッシベーション膜に含
まれる水素を利用しての水素化は行うことができない。
この場合には、プラズマにより励起された水素を用いる手段(プラズマ水素化)を用い
ての水素化や、3〜100%の水素を含む雰囲気中において、300〜450℃で1〜1
2時間の加熱処理による水素化を用いればよい。
【0061】
次いで、第1のパッシベーション膜1120上に第1の層間絶縁膜1121を形成する
(図9(b))。
本実施例では、膜厚1.6μmの非感光性アクリル膜を形成した(図9(b))。
なお、その第1の層間絶縁膜としては無機絶縁膜あるいは有機絶縁膜を用いることがで
きる。
無機絶縁膜としては、CVD法により形成された酸化シリコン膜や、SOG(Spin
On Glass)法により塗布された酸化シリコン膜などを用いることができ、有機
絶縁膜としてはポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリル又は
ポジ型感光性有機樹脂、ネガ型感光性有機樹脂等の膜を用いることができる。
さらに、アクリル膜と酸化窒化シリコン膜の積層構造を用いてもよい。
【0062】
また、その層間絶縁膜は、シロキサン系ポリマーを用いることができる。
シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基
として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられ
る。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を
含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい
そのシロキサン系ポリマーは、その構造により、例えばシリカガラス、アルキルシロキ
サンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマ
ー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーなどに分類することができる。
さらに、Si−N結合を有するポリマー(ポリシラザン)を含む材料で層間絶縁膜を形
成してもよい。
【0063】
上記した材料を用いることで、層間絶縁膜は、膜厚を薄くしても十分な絶縁性及び平坦
性を有するものを得ることができる。
そのため、第1の層間絶縁膜によって基板上に形成されたTFTによる凹凸を緩和し、
平坦化することができ、特に、第1の層間絶縁膜は平坦化の意味合いが強いので、平坦化
されやすい材質の絶縁膜を用いることが好ましい。
また、上記した材料は、耐熱性が高いため、多層配線におけるリフロー処理にも耐えう
る層間絶縁膜を得ることができる。
さらに、吸湿性が低いため、脱水量の少ない層間絶縁膜を形成することができる。
【0064】
その後、第1の層間絶縁膜上に窒化酸化シリコン膜等からなる第2のパッシベーション
膜を形成してもよく、本実施例では、RFスパッタ法を用いて、酸化窒化シリコン膜を7
0nmの膜厚で形成する。
なお、その膜厚は、10〜200nm程度で形成すればよく、第2のパッシベーション
膜によって第1の層間絶縁膜へ水分が出入りすることを抑制することができる。
第2のパッシベーション膜には、他にも窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒
化アルミニウム膜、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜やカーボンナイトライド(
CN)膜も同様に使用できる。
【0065】
その製膜の際には、RFスパッタ法を用いて成膜された膜は緻密性が高く、バリア性に
優れている。
そのRFスパッタの条件は、例えば酸化窒化シリコン膜を成膜する場合、Siターゲッ
トで、N2、Ar、N2Oをガスの流量比が31:5:4となるように流し、圧力0.4P
a、電力3000Wとして成膜する。
また、例えば窒化シリコン膜を成膜する場合、Siターゲットで、チャンバー内のN2
、Arをガスの流量比が1:1となるように流し、圧力0.8Pa、電力3000W、成
膜温度を215℃として成膜する。
【0066】
次いで、エッチングにより第2のパッシベーション膜、第1の層間絶縁膜及び第1のパ
ッシベーション膜をエッチングし、ソース及びドレイン領域に達するコンタクトホールを
形成する。
その後、各ソース及びドレイン領域とそれぞれ電気的に接続する配線及び電極を形成す
る。
なお、これらの配線は、膜厚50nmのTi膜と膜厚500nmの合金膜(AlとTi
)との積層膜をパターニングして形成する。
勿論2層構造に限らず、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造にしてもよい。
また、配線材料としては、AlとTiに限らない。
例えばTaN膜上にAl膜やCu膜を形成し、更にTi膜を形成した積層膜をパターニ
ングして配線を形成してもよい。
【0067】
以上の工程により、図9(c)に示すような半導体装置が完成する。
なお、本発明のレーザアニール方法を用いた半導体装置の作製方法は、上述したTFT
の作製工程に限定されない。
また、本実施例は上記実施の形態又は実施例と自由に組み合わせて行うことができる。
【実施例2】
【0068】
本発明のレーザアニール方法を用い、本発明の作製方法により製造した半導体装置を組
み入れた電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(
ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディ
オ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピ
ュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)あるいは記録媒体を備えた画像再
生装置(具体的にはDVD(digital versatile disc))等が挙
げられ、それらは記録媒体を再生し、その画像を表示するディスプレイを備えた装置であ
る。
【0069】
それら電子機器の具体例を図10に示す。
図10(A)はテレビ受像機であり、それは筐体2001、支持台2002、表示部2
003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。
そのテレビ受像機は、本発明のレーザ照射方法を用いて作製した半導体装置を表示部2
003に使用することによって作製することができる。
同(B)はデジタルカメラであり、それは本体2101、表示部2102、受像部21
03、操作キー2104、外部接続ポート2105あるいはシャッター2106などを含
む。
そのデジタルカメラは、本発明のレーザ照射方法を用いて作製した半導体装置を表示部
2102やその他回路などに使用することによって作製することができる。
【0070】
図10(C)はコンピュータであり、それは本体2201、筐体2202、表示部22
03、キーボード2204、外部接続ポート2205あるいはポインティングマウス22
06等を含む。
そのコンピュータは、本発明のレーザ照射方法を用いて作製した半導体装置を表示部2
203やその他回路などに用いることによって作製することができる。
すなわち、本発明のレーザ照射方法を表示部2203やその他回路などの加工に用いる
ことによってコンピュータを作製することができる。
同(D)はモバイルコンピュータであり、それは本体2301、表示部2302、スイ
ッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。
本発明のレーザ照射方法を表示部2302やその他回路などの加工に用いることによっ
て、モバイルコンピュータを作製することができる。
【0071】
図10(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(DVD再生装置など)であり
、それは、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒
体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406あるいはスピーカー部2407等
を含む。
その表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字
情報を表示する。
本発明のレーザ照射方法を表示部A2403、表示部B2404あるいはその他の回路
などの加工に用いることによって、画像再生装置を作製することができる。
なお、記録媒体を備えた画像再生装置にはゲーム機器なども含まれる。
【0072】
図10(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、それ
は、本体2501、表示部2502、アーム部2503を含む。
本発明のレーザ照射方法を表示部2502やその他回路などの加工に用いることによっ
て、ゴーグル型ディスプレイを作製することができる。
同(G)はビデオカメラであり、それは、本体2601、表示部2602、筐体260
3、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2
607、音声入力部2608、操作キー2609あるいは接眼部2610等を含む。
本発明のレーザ照射方法を表示部2602やその他回路などの加工に用いることによっ
て、ビデオカメラを作製することができる。
【0073】
図10(H)は携帯電話であり、それは、本体2701、筐体2702、表示部270
3、音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート27
07あるいはアンテナ2708等を含む。
本発明のレーザ照射方法を表示部2703やその他回路などの加工に用いることによっ
て、携帯電話を作製することができる。
なお、上述した電子機器の他に、フロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いる
ことも可能となる。
以上のとおりであり、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用い
ることが可能である。
【符号の説明】
【0074】
101(102、103) レーザ発振器
401(402、406、407)
104(105) ダイクロイックミラー
403(408)
106(409) 光学系
107(202、304、410) 照射面
201(303) アポクロマートレンズ
301 白色レーザ発振器
302 シリンドリカルレンズ
404 λ/2波長板
405 偏光子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレーザ発振器から射出されたレーザビーム1をダイクロイックミラー1を通過させ、前記レーザビーム1とは波長の異なる第2のレーザ発振器から射出されたレーザビーム2を前記ダイクロイックミラー1で反射させてレーザビームを合成し、合成された第1の合成レーザビームをλ/2波長板を通過させた後に偏光子を通過させ、
第3のレーザ発振器から射出されたレーザビーム1Aをダイクロイックミラー1Aを通過させ、レーザビーム1Aとは波長の異なる第4のレーザ発振器から射出されたレーザビーム2Aを前記ダイクロイックミラー1Aで反射させてレーザビームを合成し、合成された第2の合成レーザビームを前記偏光子で反射させて前記第1の合成レーザビームと前記第2の合成レーザビームを更に合成し、合成された合成レーザビームを照射レーザビームとし、前記照射レーザビームを照射面上に投影することを特徴とするレーザ照射方法。
【請求項2】
第1のレーザ発振器から射出されたレーザビーム1をダイクロイックミラー1を通過させ、前記レーザビーム1とは波長の異なる第2のレーザ発振器から射出されたレーザビーム2を前記ダイクロイックミラー1で反射させてレーザビームを合成し、合成されたレーザビームをダイクロイックミラー2を通過させ、前記レーザビーム1および前記レーザビーム2とは波長の異なる第3のレーザ発振器から射出されたレーザビーム3を前記ダイクロイックミラー2で反射させて3つのレーザビームを合成し、合成された第1の合成レーザビームをλ/2波長板を通過させた後に偏光子を通過させ、
第4のレーザ発振器から射出されたレーザビーム1Aをダイクロイックミラー1Aを通過させ、前記レーザビーム1Aとは波長の異なる第5のレーザ発振器から射出されたレーザビーム2Aを前記ダイクロイックミラー1Aで反射させてレーザビームを合成し、合成されたレーザビームをダイクロイックミラー2Aを通過させ、前記レーザビーム1Aおよび前記レーザビーム2Aとは波長の異なる第6のレーザ発振器から射出されたレーザビーム3Aを前記ダイクロイックミラー2Aで反射させて3つのレーザビームを合成し、合成された第2の合成レーザビームを前記偏光子で反射させて前記第1の合成レーザビームと前記第2の合成レーザビームを更に合成し、合成された合成レーザビームを照射レーザビームとし、前記照射レーザビームを照射面上に投影することを特徴とするレーザ照射方法。
【請求項3】
前記照射レーザビームを照射面上に投影する前に所定形状にするために集光レンズを通過させる請求項1又は2に記載のレーザ照射方法。
【請求項4】
前記集光レンズがアクロマートレンズ又はアポクロマートレンズである請求項3に記載のレーザ照射方法。
【請求項5】
レーザビーム1を射出する第1のレーザ発振器、前記レーザビーム1とは異なる波長のレーザビーム2を射出する第2のレーザ発振器、前記レーザビーム1を通過させ、前記レーザビーム2を反射させてレーザビームを合成するダイクロイックミラー1、及び前記ダイクロイックミラー1で合成された第1の合成レーザビームを通過させるλ/2波長板を備え、
レーザビーム1Aを射出する第3のレーザ発振器、前記レーザビーム1Aとは異なる波長のレーザビーム2Aを射出する第4のレーザ発振器、前記レーザビーム1Aを通過させ、前記レーザビーム2Aを反射させてレーザビームを合成し、第2の合成レーザビームを形成するダイクロイックミラー1Aを備え、
更に前記λ/2波長板を通過した前記第1の合成レーザビームを通過させ、前記第2の合成レーザビームを反射させて合成レーザビームを合成する偏光子を備え、
並びに前記偏光子で合成された照射レーザビームを投影する照射面を設置するステージを備えたことを特徴とするレーザ照射装置。
【請求項6】
レーザビーム1を射出する第1のレーザ発振器、前記レーザビーム1とは異なる波長のレーザビーム2を射出する第2のレーザ発振器、前記レーザビーム1を通過させ、前記レーザビーム2を反射させてレーザビームを合成するダイクロイックミラー1、前記レーザビーム1および前記レーザビーム2とは異なる波長のレーザビーム3を射出する第3のレーザ発振器、前記ダイクロイックミラー1で合成されたレーザビームを通過させ、前記レーザビーム3を反射させてそれらレーザビームを合成するダイクロイックミラー2、及びそこで合成された第1の合成レーザビームを通過させるλ/2波長板を備え、
レーザビーム1Aを射出する第4のレーザ発振器、前記レーザビーム1Aとは異なる波長のレーザビーム2Aを射出する第5のレーザ発振器、前記レーザビーム1Aを通過させ、前記レーザビーム2Aを反射させてレーザビームを合成するダイクロイックミラー1A、前記レーザビーム1Aおよび前記レーザビーム2Aとは異なる波長のレーザビーム3Aを射出する第6のレーザ発振器、及び前記ダイクロイックミラー1Aで合成されたレーザビームを通過させ、前記レーザビーム3Aを反射させてそれらレーザビームを合成し、第2の合成レーザビームを形成するダイクロイックミラー2Aを備え、
前記λ/2波長板を通過した前記第1の合成レーザビームを通過させ、前記第2の合成レーザビームを反射させて合成レーザビームを更に合成する偏光子を備え、
並びに前記偏光子で合成された照射レーザビームを投影する照射面を設置するステージを備えたことを特徴とするレーザ照射装置。
【請求項7】
前記照射レーザビームを照射面上に投影する前に通過させ、所定形状にするための集光レンズを備える請求項5又は6に記載のレーザ照射装置。
【請求項8】
前記集光レンズがアクロマートレンズ又はアポクロマートレンズである請求項7に記載のレーザ照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−99844(P2012−99844A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1823(P2012−1823)
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【分割の表示】特願2005−178560(P2005−178560)の分割
【原出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】