説明

不揮発性メモリーセル、メモリーセルアレイおよび不揮発性メモリーセルの製造方法

本発明は、不揮発性メモリーセル、メモリーセルアレイおよび不揮発性メモリーセルの製造方法に関するものである。不揮発性メモリーセルは、チャネル領域として設計されたナノ素子を有する垂直電界効果トランジスタと、ナノ素子を少なくとも部分的に取り囲む、電荷蓄積層として、および、ゲート絶縁層としての電気絶縁層とを備えている。この電気絶縁層は、電気的な電荷担体をその内部に選択的に注入でき、または、その内部から除去できるように設計されており、電気絶縁層に注入された電気的な電荷担体によって、ナノ素子の導電性に特徴的に影響を及ぼすように設計されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、不揮発性メモリーセル、メモリーセルアレイおよび不揮発性メモリーセルの製造方法に関する。
【0002】
従来のシリコンマイクロ電子装置は、さらに小型化が進むと、その限界に達する。電界効果トランジスタでは、小型化が進むにつれて、電界効果トランジスタの処理能力を制限する妨害短チャネル効果が増える。個々の構造素子に生じる問題に加えて、メモリーアレイでは、さらに、メモリー媒体の基準化可能性が限定される。例えば、DRAM(動的等速呼出し記憶装置)の容量を、任意に基準化できない。
【0003】
シリコンマイクロ電子装置に対する可能性のある後継技術として、炭素ナノチューブの使用が議論されている。炭素ナノチューブについての基本原理は、例えば[1]に記載されている。炭素ナノチューブは、(チューブパラメータに応じて)半導体性から金属性の導電特性を有していることが知られている。
【0004】
[2]に、ゲート電極層に貫通穴を挿入し、この貫通穴に、垂直なナノ素子を成長させることが記載されている。その結果、チャネル領域としてのナノ素子を有する垂直電界効果トランジスタが得られる。この場合、チャネル領域の導電性を、ナノ素子に沿ってほぼその全長を取り囲むゲート電極領域によって制御することが可能になる。
【0005】
[3]に、チャネル領域として炭素ナノチューブを有する電界効果トランジスタが記載されている。この炭素ナノチューブは、基板に対し水平に形成されている。炭素ナノチューブは、2つの端面を介して、第1および第2ソース/ドレイン領域と連結されている。炭素ナノチューブ上に、ゲート絶縁層が形成されている。ゲート絶縁層上の2つのソース/ドレイン領域間の領域に、導電性ゲート領域が形成されている。この場合、ゲート領域に電圧を印加することにより、炭素ナノチューブの伝導性を制御できる。[3]では、水平に形成された炭素ナノチューブが、このような電界効果トランジスタの大きな面積を占める。このことは、小型化という傾向に相反するものである。
【0006】
さらに、従来技術では、固定メモリーとして、いわゆるEEPROMメモリーセル(電気的消去・プログラム可能な読取り専用記憶装置)、または、フラッシュメモリーセルを使用することが知られている。これらのメモリーセルでは、浮動ゲートまたは電荷蓄積層に蓄積された電気的な電荷担体中に、メモリー情報が符号化されている。この導電性のある浮動ゲートまたは電気的に絶縁性のある電荷蓄積層(捕獲層)に含まれる情報が、メモリートランジスタの閾値電圧をシフトすることによって読み出せる。
【0007】
既知のEEPROMまたはフラッシュメモリーセルは、特に、小型化が進むにつれて、妨害短チャネル効果が関連するトランジスタに生じるという問題を有している。
【0008】
[4]に、導電性第1ナノ配線と、第1ナノ配線上に形成された層組織(Schichtsystem)と、層組織上に形成された第2ナノ配線とを含む電子的な構造素子が記載されている。この場合、第1および第2ナノ配線は、相互に角度をつけて配置されている。これらのナノ配線によって生成される電荷担体を、層組織中に蓄積できる。
【0009】
[5][6]に、それぞれ、ゲート領域としてのシリコン基板と、シリコン基板上に形成された酸化シリコン層と、酸化シリコン層上に形成されたナノチューブとを含み、電荷担体を、酸化シリコン層に注入できるメモリーセルが記載されている。
【0010】
[7]に、炭素ナノチューブを使用した垂直ナノサイズトランジスタと、このようなトランジスタの製造方法とが記載されている。
【0011】
[8]に、第1および第2ナノチューブを有する電界効果トランジスタが記載されている。この場合、第1ナノチューブは、ソース領域、チャネル領域およびドレイン領域を形成し、第2ナノチューブは、ゲート領域を形成する。
【0012】
[9]に、中空の核に伝導性の充填材料が充填されている炭素ナノチューブが記載されている。
【0013】
[10]に、炭素ナノチューブトランジスタを有する論理装置のシステムおよび製造方法が記載されている。
【0014】
本発明の基礎となる目的は、特に、従来技術よりも高い密度で集積できる不揮発性メモリーセルを提供することである。
【0015】
この目的は、独立特許請求項に記載の特徴を有する不揮発性メモリーセル、メモリーセルアレイおよび不揮性メモリーセルの製造方法によって達成される。
【0016】
不揮発性メモリーセルは、チャネル領域として設計されたナノ素子を有する垂直電界効果トランジスタを備えている。さらに、電荷蓄積層およびゲート絶縁層として、電気絶縁層が備えられている。この電気絶縁層は、ナノ素子を少なくとも部分的に取り囲む。この層は、電気的な電荷担体を選択的にその内部に注入できる、または、その内部から除去できるように設計されている。さらに、電荷蓄積層は、ナノ素子の導電性が、電気絶縁層に注入された電気的な電荷担体によって、特有の影響を受けるように設計されている。
【0017】
さらに、本発明は、上記の特徴を有し、かつ、隣接するようにおよび/または重なり合うように形成された複数のメモリーセルを有するメモリーセルアレイを提供する。
【0018】
本発明の不揮発性メモリーセルの製造方法では、垂直電界効果トランジスタをチャネル領域として設計されたナノ素子とともに形成する。さらに、電荷蓄積層およびゲート絶縁層として、ナノ素子を少なくとも部分的に取り囲んでいる電気絶縁層を形成する。電気絶縁層を、電気的な電荷担体を選択的にその内部へ注入できる、または、その内部から除去できるように設計する。さらに、電気絶縁層を、電気絶縁層に注入された電気的な電荷担体によって、ナノ素子の導電性が特有の影響を受けるように設計する。
【0019】
本発明の基本発想は、ナノメートル範囲の寸法のナノ素子を有する不揮発性垂直トランジスタメモリーセルを形成し、ゲート絶縁層を、明らかに電荷蓄積層として共用するという点である。垂直電界効果トランジスタを使用することにより、チャンネル領域を十分に長くすることが可能になり、妨害短チャネル効果が回避され、かつ、垂直に配置されていることによって集積密度を高くできるようになる。ナノ素子の断面は小さく、ナノメートル未満の範囲なので、集積密度、すなわち、メモリーセルアレイにおけるメモリーセルの密度を非常に高くできる。ナノ素子を取り囲む電気絶縁層を電荷蓄積層として用いることにより、電界効果トランジスタのパラメータ(特に閾値電圧)は、特に高い感度でその内部に注入された電気的な電荷担体に依存するようになる。このような電荷担体を、不揮発性メモリーセルへ、より具体的に言えば、その電荷蓄積層へ、例えばファウラーノルトハイムトンネルを用いて注入できる。その結果、不揮発性メモリーセルの情報の充分に安全な書き込み、読み込み、および、消去が保証される。電気絶縁層を、電荷蓄積層として使用すると同時にゲート絶縁層(例えば、ONO層または酸化アルミニウム層)としても使用する場合、蓄積される情報の保持時間は充分に長く、かつ、読み出しは充分に迅速である。
【0020】
本発明のメモリーセルの主な利点は、ナノ素子の直径が非常に小さく、ナノメーターの桁であり、ナノ素子が垂直に配置されていることにより、基準化可能性が従来のプレーナ型フラッシュセルよりもかなり高くなるという点である。さらに、ナノ素子が、従来のシリコントランジスタよりもかなり改善された電流駆動能力を有していることが好ましい。さらに、本発明のメモリーセルでは、トランジスタのチャネル領域を、単結晶原料から作成する必要のない点が好ましい。このことにより、結果的には、従来のシリコンマイクロ電子装置は、基本的に2次元のアレイに制限されていた。
【0021】
具体的には、本発明の主な観点として、「高基準化可能な電気的な固定メモリーを製造するために、ナノ素子の電気特性とシリコンマイクロ技術のプロセスとの有利な組み合わせが実現されていること」といえる。
【0022】
本発明において、チャネル領域としてナノ素子を有する垂直電界効果トランジスタは、さらに、固定メモリー素子として使用可能になるように設計され、操作されている。このため、電気的な電荷担体の蓄積とメモリーセルの書き込みまたはメモリー情報の消去とが可能になるように、ゲート誘電体(例えば、酸化アルミニウム、Al)または誘電体の積層(例えば、酸化シリコン−窒化シリコン−酸化シリコン、ONO積層)が選択される。
【0023】
具体的には、本発明の一観点として、「チャネル領域として垂直なナノ素子を有するNROM(「窒化読み出し専用記憶素子)フラッシュメモリーを提供すること」ともいえる。
【0024】
電気絶縁層は、酸化シリコン−窒化シリコン−酸化シリコンの積層、または、酸化アルミニウムの層であることが好ましい。さらに、適切に設計された窒化シリコン層、酸化ハフニウム層または他の任意の電気絶縁層を、電荷蓄積層として使用できる。
【0025】
ナノ素子は、ナノチューブ、ナノチューブの束、または、ナノ円柱体を備えていてもよい。ナノ円柱体としてナノ素子を実現する場合には、ナノ素子を、シリコン、ゲルマニウム、リン化インジウム、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム、酸化ジルコニウム、および/または、金属から形成してもよい。
【0026】
ナノチューブとしてナノ素子を実施する場合、ナノチューブは、炭素ナノチューブ、炭素ホウ素ナノチューブ、炭素窒素ナノチューブ、硫化タングステンナノチューブまたはカルコゲニドナノチューブでもよい。
【0027】
本発明のメモリーセルは、電界効果トランジスタの第1ソース/ドレイン領域として第1導電層を備えていてもよい。この第1導電層上に、ナノ素子が成長している。第1導電層は、炭素ナノチューブの成長を触媒作用的に補助する材料から製造されていてもよい。この場合は、第1導電層を、ナノ素子の形成を触媒するために使用できると同時に、ソース/ドレイン領域としても使用できる。
【0028】
さらに、メモリーセルは、電界効果トランジスタのゲート領域としての第2導電層を備えていてもよい。この第2導電層は、電気絶縁層を少なくとも部分的に取り囲んでいる。この実施形態では、ゲート領域が、ナノ素子を取り囲んでいる。なお、ゲート領域とナノ素子とは、その間に配置されている環状のまたは中空円筒形状の電気絶縁層によって分離されている。その結果、ナノ素子を特に高感度で駆動できる。
【0029】
本発明のメモリーセルは、電界効果トランジスタの第2ソース/ドレイン領域として、ナノ素子上に形成されている第3導電層を備えていてもよい。
【0030】
メモリーセルは、基板の上および/または基板の中に形成されていてもよく、この基板は、多結晶またはアモルファス材料から製造されていてもよい。本発明の利点は、本発明のメモリーセル構成には、高価な単結晶シリコン基板が不要であり、コスト効率のよい基板を採用できる点である。
【0031】
メモリーセルは、誘電性材料、金属材料、およびナノ構造の材料のみで形成されていてもよい。このような構成では、多くの場合、高価な半導体基板(例えば、結晶質シリコンウエハー)が不要である。
【0032】
第2導電層の厚みを、ナノ素子の縦方向の長さよりも小さく、以下のように決めてもよい。すなわち、ナノ素子を取り囲む絶縁層と、第2導電層とが、ナノ素子の一部を取り囲む環状構造を形成するように決めてもよい。
【0033】
ナノ素子を少なくとも部分的に取り囲む電気絶縁層が、ナノ素子を環状に取り囲むように備えられていてもよく、この電気絶縁層は、垂直トランジスタメモリーセルのゲート絶縁層と電荷蓄積層とを形成する。さらに、電気絶縁環の少なくとも一部が、第2導電層によって取り囲まれていてもよい。この第2導電層は、垂直切替トランジスタのゲート電極と、ワード線とを形成する。
【0034】
半導体のナノ素子は、その部分領域で、中空円筒形状の電気絶縁構造というよりむしろ、電気絶縁環状構造により取り囲まれていることで、ゲート絶縁および電荷蓄積層が設けられる。そして、このゲート絶縁および電荷蓄積層は、ゲート電極として機能する第1導電領域によって取り囲まれている。適切な電圧をゲート領域に印加することにより、環状構造によって取り囲まれているナノ素子のチャネル領域として機能する領域では、ナノ素子の伝導性が、特に高感度で影響を受ける可能性がある。環状のゲート絶縁層を使用することにより、静電ピーク効果により、電圧をゲート電極に印加することによってまたは、電気的な電荷担体を電荷蓄積層に注入することによって生成される電場の振幅を、ナノ素子の付近では特に大きくできる。 その結果、チャネル領域の導電性を特に精確に制御できる。従って、ゲート絶縁層として環状構造を使用することにより、メモリーセル情報の読み出し時に、特に高精度およびエラーに対する信頼性を有するメモリーセルを得られる。このような環状構造を、例えば第2導電層の厚みを、ナノ素子の縦方向の長さよりも薄く(好ましくは、かなり薄く)選択することによって生成することもできる。
【0035】
さらに、本発明の不揮発性メモリーセルの製造方法について詳しく説明する。メモリーセルの実施形態は、メモリーセルの製造方法にも該当し、逆の場合も該当する。
【0036】
この方法では、第1導電層を、電界効果トランジスタの第1ソース/ドレイン領域として形成し、続いて、第2導電層を、電界効果トランジスタのゲート領域として形成する。貫通穴を第2導電層に挿入することにより、第1導電層の部分領域を露出できる。さらに、電気絶縁層を、貫通穴の上面に形成してもよい。ナノ素子を、貫通穴の第1導電層の露出した部分領域上に成長させてもよく、好ましくは、熱酸化によって形成してもよい。この貫通穴に電気絶縁材料を挿入する場合は、メモリーセルの機能性に欠陥がないことを保証するために、貫通穴の詰りを防止するよう注意する必要がある。
【0037】
このように、本発明のメモリーセルを、低コストおよび短時間で製造できる。
【0038】
あるいは、第1導電層を、電界効果トランジスタの第1ソース/ドレイン領域として形成し、続いて、補助層を形成してもよい。貫通穴を補助層に挿入することにより、第1導電層の部分領域を露出できる。ナノ素子を、貫通穴の第1導電層の露出した部分領域に成長させ、補助層を除去してもよい。次に、電気絶縁層を、ナノ素子の上面に形成してもよい。この実施形態では、電気絶縁層を、電荷蓄積層およびゲート絶縁層として、明らかに1つの露出したナノ素子自体の上に形成してもよい。その結果、電荷蓄積層のための材料選択の可能性が大きく広がる。さらに、この実施形態を採用することにより、特に、電気絶縁材料を貫通穴に挿入する際に貫通穴が詰る危険性が確実に回避される。
【0039】
他の実施形態では、ナノ素子を、まず、ソース/ドレイン領域上に自立して垂直に成長させ、続いて、残りの垂直電界効果トランジスタを形成することができる。
【0040】
例えば、この実施形態では、小さな直径を有する触媒材料スポットを、リソグラフィー法およびエッチング法を使用して、基板上に形成することが可能になる。そして、リソグラフィーによって規定された触媒材料スポット上に、垂直または略垂直なナノ素子を自立して成長させることができる。続いて、成長したナノ素子の周囲に、垂直電界効果トランジスタのほかの構成要素を形成してもよい。例えば、まず、電気絶縁材料を、ゲート絶縁層として、および、同時に、電荷蓄積層として、ナノ素子上に堆積し、続いて、他の構成要素(ゲート領域、第2ソース/ドレイン領域など)を形成してもよい。触媒材料スポットを、例えば約50nmの直径を有するニッケル材料から製造してもよい。 特に、プラズマCVD方法(化学蒸着)を使用すると、垂直な自立した炭素ナノチューブを形成でき、炭素ナノチューブを成長させる鋳型として層に孔を予め形成しておく必要がなくなる。
【0041】
本発明のメモリーセルを、金属製のまたは金属的に伝導性の材料を含むゲート電極が基板上の別の導電層上に形成されるように製造してもよい。基板上に直接形成した金属層は、ナノチューブまたはナノ電線の後の成長のための触媒としての役割を果たせる。同時に、この層は、第1ソース/ドレイン領域の機能を果たす。この堆積体では、孔の配置を、例えば電子放射リソグラフィーおよび異方性エッチング方法を使用して貫通穴をゲート電極に挿入することにより製造できる。このように生成された孔を使用して、触媒層を露出できる。ゲート電極の上面としての孔の側壁を、誘電体または誘電体の積層(例えば、ONO積層)によって被覆できる。続いて、下部導電層の孔底が予め堆積された誘電体層によって被覆されている限り、これを任意に露出できる。次に、CVD方法工程(化学蒸着)では、孔の中の孔底に露出している触媒層上に、好ましくは半導体のナノチューブまたはナノ電線を成長させてもよい。第2ソース/ドレイン電極を堆積し、パターン化することによって、本発明のメモリーセルを完成できる。
【0042】
メモリーセルの操作時に、メモリー情報のプログラム化、消去または読み出しが行われる。なお、メモリー情報は、電荷蓄積層に注入された、または、電荷蓄積層に注入される電気的な電荷担体中に符号化されている。メモリー情報のプログラム化/消去を、ファウラーノルトハイムトンネルまたは高温電子(熱い電子)または高温ホール(熱いホール)のトンネルによって行うことが好ましい。その結果、電気的な電荷担体(電子、ホール)が、電荷蓄積層へ継続的に注入され、または電荷蓄積層から除去される。メモリー情報を読み出すために、「メモリーセル電界効果トランジスタの電気特性は、電荷蓄積層に注入された電荷担体によって、特徴的に影響を受ける」という効果を使用する。例えば、電荷蓄積層に含まれる電荷担体の量および電荷担体型(正または負の電荷)に応じて、電界効果トランジスタの閾値電圧が補正されている。従って、電界効果トランジスタのソース/ドレイン領域間に予め決めておける電圧を印加する場合、結果として生じる電流の値を、メモリーセルのメモリー情報を査定するために使用できる。
【0043】
本発明のメモリーセル構成の主要な観点は、相互に接続されている複数の異なる構成要素(例えば、本発明のメモリーセル、電界効果トランジスタおよび論理構造素子)を有する切替回路を提供することである。
【0044】
本発明の実施例を、図に示し、さらに詳しく説明する。図1A、1Bは、本発明の第1実施例のメモリーセルの製造方法の様々な時点での積層を示す図である。図1Cは、本発明の第1実施例の不揮発性メモリーセルを示す図である。図2A〜図2Eは、本発明の第2実施例のメモリーセルの製造方法の様々な時点での積層を示す図である。図2Fは、本発明の第2実施例の不揮発性メモリーセルを示す図である。図3A、図3Bは、本発明の第3実施例のメモリーセル緒製造方法の様々な時点での積層を示す図である。図4は、本発明の一実施例のメモリーセルアレイである。
【0045】
異なる図において、同一または類似した構成要素には、同一の参照番号が付けられている。
【0046】
さらに、図1A〜図1Cを参考にしながら、本発明の第1実施例のメモリーセルの製造方法について説明する。
【0047】
図1Aに示す積層100を得るために、ガラス基板(あるいは、シリコン基板などを使用してもよい)101上に、炭素ナノチューブの成長を補助するような活性材料(例えば、ニッケル、コバルトまたは鉄)を堆積し、ガラス基板101上に第1ソース/ドレイン領域102が形成されるようにパターン化する。さらに、このようにして得られた積層上に、窒化シリコン材料を堆積して第1電気絶縁層102を形成する。あるいは、この層を、他の誘電性の材料(例えば、酸化シリコンまたは酸化アルミニウム)から製造することもできる。他の方法工程では、得られた積層上にアルミニウム材料を堆積し、リソグラフィー方法およびエッチング方法を使用して、ゲート領域104が形成されるようにパターン化する。あるいは、アルミニウム材料の代わりに、ポリシリコン材料、窒化タンタル材料などを使用することもできる。
【0048】
図1Bに示す積層110を得るために、積層100上に第2絶縁層111を堆積し、阻止層としてのゲート領域104を用いてCMP方法(化学機械研磨)で平坦化する。さらに、リソグラフィー方法およびエッチング方法を使用して、貫通穴112をゲート領域104および第1電気絶縁層103に挿入する。明らかに、その結果として、孔マスクが形成される。この場合、孔または貫通穴112を、後続の方法工程において、炭素ナノチューブの成長のための鋳型として使用する。
【0049】
本発明の第1実施例に基づく図1Cに記載の不揮発性メモリーセル120を得るためには、まず、熱酸化によって、ゲート絶縁電荷蓄積層121を、アルミニウム材料から形成されたゲート領域104の露出した上面領域に形成する。従って、ゲート絶縁電荷蓄積層121は、酸化アルミニウム材料から形成されている。あるいは、ゲート絶縁電荷蓄積層121を形成するために、誘電性の材料を一様に堆積し、続いて異方性エッチバックする。ゲート絶縁電荷蓄積層121は、電界効果トランジスタのゲート絶縁領域としても、メモリーセル120の電荷蓄積層としても同時に機能を果たす。この電荷蓄積層120へ電気的な電荷担体を選択的に注入でき、または、この電荷蓄積層120から電気的な電荷担体を選択的に除去できる。さらに、ゲート絶縁電荷蓄積層121は、ゲート絶縁電荷蓄積層121に注入された電気的な電荷担体によって、さらに形成する炭素ナノチューブの導電性に特徴的に影響を及ぼせるように設計されている。
【0050】
他の方法工程では、CVD方法(化学蒸着)によって、半導体の炭素ナノチューブ122を、貫通穴112中に成長させる。この場合、第1ソース/ドレイン領域102のニッケル材料は、触媒として炭素ナノチューブ122の成長を補助する。任意の別の方法工程では、ゲート絶縁電荷蓄積層121と各貫通ホール112中に形成された炭素ナノチューブ122との間に生じる可能性のある中空空間を充填するための電気絶縁材料をさらに堆積できる。このようにして得られた積層を、CMP方法で平坦化する。さらに、堆積した材料を反応性エッチバックする。図1Cのように、さらに形成するソース/ドレイン領域と接触するための炭素ナノチューブ122の上部端面を露出するために、さらに、ニッケル材料を、第2ソース/ドレイン領域123として、以下のように堆積する。すなわち、炭素ナノチューブ122の露出した上部端面が、第2ソース/ドレイン領域123の材料と接触するように堆積する。
【0051】
その結果、図1Cに示す不揮発性メモリーセル120が製造される。このメモリーセル120は、2つの炭素ナノチューブ122を含んでいる。当然、本発明のメモリーセルを、ただ1つの炭素ナノチューブまたは2を上回る数の炭素ナノチューブを使用して形成することが出来る。
【0052】
ファウラーノルトハイムトンネルまたは高温電子(または、高温ホール)のトンネルを用いて、電気的な電荷担体を、ゲート絶縁電荷蓄積層121へ、選択的に注入できる。このような電荷担体が、酸化アルミニウム材料を含むゲート絶縁電荷蓄積層121へ継続的に注入されると、属するトランジスの電気特性(例えば、閾値電圧)が特徴的に変化する。従って、予め決めておける電圧を、2つのソース/ドレイン領域102・123間に印加する場合、チャネル領域122を流通する電流の値は、ゲート絶縁電荷蓄積層121に注入される電荷担体の数および符号に特徴的に応じている。従って、不揮発性メモリーセル120は、長い保持期間を有する固定メモリーセルとして操作可能である。この固定メモリーセルには、適切な電位をソース/ドレイン領域102・123およびゲート領域104に印加することにより、電荷蓄積層121の情報を短いプログラム時間で蓄積できる。さらに、適切な電位をソース/ドレイン領域102・123およびゲート領域104に印加することによって、充分に短い消去または読み出し時間で、情報を消去し、または、読み出すことができる。
【0053】
さらに、図2A〜図2Fを参照しながら、本発明の第2実施例のメモリーセルの製造方法について説明する。
【0054】
図2Aに記載の積層200を得るために、炭素ナノチューブの成長のための触媒として活性なニッケル材料を、第1ソース/ドレイン領域102としてガラス基板100上に堆積する。
【0055】
図2Bに示す積層210を得るために、酸化シリコン層211を、積層200の上面に堆積し、リソグラフィー方法およびエッチング方法で、予め決めておける孔マスクを使用して、貫通穴112が酸化シリコン層211中に挿入されるようにパターン化する。その結果、炭素ナノチューブの成長のための触媒として作用する、第1ソース/ドレイン領域102のニッケル材料の上面領域が露出する。さらに、貫通穴112は、炭素ナノチューブの後続の成長のための機械的なガイドとして機能する。
【0056】
図2Cに示す積層220を得るために、CVD方法を使用して、半導体の炭素ナノチューブ122を、貫通穴112に垂直に成長させる。この場合、第1ソース/ドレイン領域102のニッケル材料が、炭素ナノチューブの成長に対して触媒として作用することにより、炭素ナノチューブはソース/ドレイン領域102から成長し始める。
【0057】
図2Dに示す積層230を得るために、酸化シリコン層211の誘電性材料を、選択的エッチング方法で除去する。さらに、一様な堆積方法(例えば、ALD方法(原子層堆積))を使用して、電気的な電荷担体のための蓄積機能を有するゲート絶縁電荷蓄積層231を、炭素ナノチューブ122と第1ソース/ドレイン領域102との上に堆積する。ゲート絶縁電荷蓄積層231は、説明した実施例では、酸化シリコン/窒化シリコン/酸化シリコンの積層(ONO積層)として実現されている。ALD方法使用すれば、堆積した層の厚みを、原子段階の精度(すなわち、数オングストロームの精度)に設定できる。その結果、炭素ナノチューブ122上ではONO積層の厚みが確実に均一である。さらに、窒化タンタル(または、代替として、ドープしたポリシリコン材料)を含む導電層232を、このようにして得た積層上に堆積し、それをさらに、メモリーセルの電界効果トランジスタのゲート領域として機能するようにプロセスする。
【0058】
図2Eに示す積層240を得るために、窒化シリコン層241を、積層230上に堆積し、CMP方法を使用して、図2Eのように炭素ナノチューブ122の上部端面が露出するように平坦化する。
【0059】
図2Fに示す不揮発性メモリーセル250を得るために、選択的エッチング方法を使用して、ゲート領域として機能する導電層232の上面領域をエッチバックする。さらに、誘電材料を、このようにして得た積層の上面に堆積し、CMP方法を使用して平坦化する。その結果、電気絶縁分離素子251が形成される。誘電材料を任意にエッチバックしてもよい。次に、ニッケル材料を、このようにして得られた積層の上面に堆積し、パターン化する。その結果、第2ソース/ドレイン領域123が、不揮発性メモリーセル250の上面に形成される。第2ソース/ドレイン領域123は、図2Fのように炭素ナノチューブ122の上部端面と連結されている。
【0060】
図2A〜図2Fを参照しながら説明した実施例では、明らかに、孔構造を、炭素ナノチューブ121が成長した後に除去し、メモリーセルのほかの構成要素を、露出した炭素ナノチューブ122上に堆積する。このことは、基本的に任意の材料を、ゲート絶縁電荷蓄積層231のために使用できるという利点を有している。
【0061】
さらに、図3A、図3Bを参照しながら、本発明の第3実施例の不揮発性メモリーセルの製造方法について説明する。
【0062】
図3Aに示す積層300を得るために、ガラス基板101上に、第1ソース/ドレイン領域102を堆積する。第1ソース/ドレイン領域102を、この実施例では、導電性があり、(2つの第1実施例とは異なり)炭素ナノチューブの成長に対して強い触媒作用を有していない材料(例えば、ポリシリコン材料)から製造する。第1ソース/ドレイン領域102上に、薄いニッケル層を堆積し、リソグラフィー方法およびエッチング方法を使用して、炭素ナノチューブの成長に対して触媒作用するニッケル材料を含む触媒材料スポット301が、積層300の上面に形成されるようにパターン化する。触媒材料スポット301は、約50nmの寸法を有しており、明らかに、炭素ナノチューブの成長のための核(Keim)としての役割を果たしている。 言い換えれば、触媒材料スポット301を使用して、炭素ナノチューブ122が後に成長する場所を規定する。
【0063】
図3Bに示す積層310を得るために、CVD方法を使用して、炭素ナノチューブ122を、触媒材料スポット301上に成長させる。触媒材料スポット301の強い触媒作用により、炭素ナノチューブ122自体が、孔が備えられていなくても、第1ソース/ドレイン領域102上にほぼ垂直に成長する。
【0064】
積層310に、酸化シリコン層211を除去した後の図2Cから始まるようなプロセスを続けて行える。
【0065】
さらに、図4を参照しながら、本発明の好ましい実施例の4つのメモリーセル401〜404を有するメモリーセルアレイ400について説明する。
【0066】
ガラス基板101上には、第1電気絶縁補助層406を用いて相互に電気的に絶縁されて、メモリーセル401〜404の第1ソース/ドレイン領域405が形成されている。第1ソース/ドレイン領域405の各々と、メモリーセルアレイ400の上面の第2ソース/ドレイン領域412との間に、各1つの垂直な炭素ナノチューブ408が形成されており、それぞれ2つのソース/ドレイン領域405・412と連結されている。炭素ナノチューブ408の各々は、ゲート絶縁電荷蓄積層410としての酸化アルミニウム層に取り囲まれている。ゲート絶縁電荷蓄積層410の周囲には、図4に示す4つのメモリーセル401〜404に共通のゲート領域409が形成されている。ゲート領域409は、ソース/ドレイン領域405または412から、第2または第3電気絶縁層407または411を介して電気的に分離されている。各メモリーセル401〜404の別々のソース/ドレイン領域405・412を使用して、メモリーセル401〜404の各々を個別に駆動できる。さらに、各メモリーセル401〜404のチャネル領域408の導電性を、適切な電圧をゲート領域409に印加することによって制御できる。1ビットの情報を、メモリーセル401〜404の各々にプログラムでき、メモリーセル401〜404の各々から消去でき、または、読み出せる。情報は、各ゲート絶縁電荷蓄積層410へ注入される電気的な電荷担体の量および電荷担体型について、符号化されている。プログラム化、消去または読み出しのためは、従来のNROMメモリーと同じように、各メモリーセル401〜404の相当する端子405・410・412に、適切な電位を印加してもよい。
【0067】
メモリーセルアレイ400は、重なり合って配置されたほぼ平坦な複数の層からなる積層である。この積層を貫通してナノ素子408が垂直に延びている。ナノ素子408は、第1および第2配線面405・412によって、両側から電気的に接触されている。図4のモジュール式切替構成により、複雑な切替回路を低コストで形成できる。
【0068】
この文献では、以下の刊行物を引用した:
[1]Harris, PJF (1999) 「カーボンナノチューブおよび関連構造−21世紀の新材料(Carbon Nanotubes and Related Structures-New Materials for the Twenty-first Century)」, Cambridge University Press, Cambridge. 1〜15,111〜155ページ
[2]DE10036897C1
[3]Wind, SJ, Appenzeller,J, Martel, R, Derycke, V, Avouris,P (2002) 「上部ゲート電極を用いる炭素ナノチューブ電界効果トランジスタの垂直基準化(Vertical scaling of carbon nanotube field-effect transistors using top gate electrodes)」, Applied Physical Letters, 80巻、20号、3817−3819
[4]EP1,170,799A2
[5]Fuhrer, MS, Kim, BM, Durkop, T, Brintlinger, T (2002) 「高移動性ナノチューブトランジスタメモリー(High-MobilityNanotube Transistor Memory)」, Nanoletters 2巻、7号、755−759ページ
[6]Radosavljevic, M, Freitag, M, Thadani, KV, Johnson, AT(2002)「同時二極性ナノチューブ電界効果トランジスタを基礎とする不揮発性分子メモリー素子(Nonvolatile Molecular Memory Elements Based on Ambipolar Nanotube Field Effect Transistors)」, Nanoletters, 2巻、7号、761−764ページ
[7]US2002/0001905A1
[8]DE10032370C1
[9]US6,361,861B2
[10]US2001/0023986A1
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1A】本発明の第1実施例のメモリーセルの製造方法の様々な時点での積層を示す図である。
【図1B】本発明の第1実施例のメモリーセルの製造方法の様々な時点での積層を示す図である。
【図1C】本発明の第1実施例の不揮発性メモリーセルを示す図である。
【図2A】本発明の第2実施例のメモリーセルの製造方法の様々な時点での積層を示す図である。
【図2B】本発明の第2実施例のメモリーセルの製造方法の様々な時点での積層を示す図である。
【図2C】本発明の第2実施例のメモリーセルの製造方法の様々な時点での積層を示す図である。
【図2D】本発明の第2実施例のメモリーセルの製造方法の様々な時点での積層を示す図である。
【図2E】本発明の第2実施例のメモリーセルの製造方法の様々な時点での積層を示す図である。
【図2F】本発明の第2実施例の不揮発性メモリーセルを示す図である。
【図3A】本発明の第3実施例のメモリーセル緒製造方法の様々な時点での積層を示す図である。
【図3B】本発明の第3実施例のメモリーセル緒製造方法の様々な時点での積層を示す図である。
【図4】本発明の一実施例のメモリーセルアレイである。
【符号の説明】
【0070】
100 積層
101 ガラス基板
102 第1ソース/ドレイン領域
103 第1電気絶縁層
104 ゲート領域
110 積層
111 第2電気絶縁層
112 貫通穴
120 不揮発性メモリーセル
121 ゲート絶縁電荷蓄積層
122 炭素ナノチューブ
123 第2ソース/ドレイン領域
200 積層
210 積層
211 酸化シリコン層
220 積層
230 積層
231 ゲート絶縁電荷蓄積層
232 導電層
240 積層
241 窒化シリコン層
250 不揮発性メモリーセル
251 電気絶縁分離素子
300 積層
301 触媒材料スポット
310 積層
400 メモリーセルアレイ
401 第1メモリーセル
402 第2メモリーセル
403 第3メモリーセル
404 第4メモリーセル
405 第1ソース/ドレイン領域
406 第1電気絶縁補助層
407 第2電気絶縁補助層
408 炭素ナノチューブ
409 ゲート領域
410 ゲート絶縁電荷蓄積層
411 第3電気絶縁補助層
412 第2ソース/ドレイン領域





【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル領域として設計されているナノ素子を有する垂直電界効果トランジスタと、
電荷蓄積層およびゲート絶縁層として上記ナノ素子を少なくとも部分的に取り囲む電気絶縁層とを有し、
上記電気絶縁層が、
電気的な電荷担体が、その内部への注入、または、その内部からの除去が選択的に可能になるように設計されており、
ナノ素子の導電性が、上記電気絶縁層に注入された電気的な電荷担体によって、特有の影響を受けるように設計されている、不揮発性メモリーセル。
【請求項2】
上記電気絶縁層が、
酸化シリコン/窒化シリコン/酸化シリコンの積層、または、
酸化アルミニウム層である、請求項1に記載のメモリーセル。
【請求項3】
上記ナノ素子が、
ナノチューブ、
ナノチューブの束、または、
ナノ円柱体を備えている、請求項1または2に記載のメモリーセル。
【請求項4】
上記ナノ円柱体が、
シリコン
ゲルマニウム
リン化インジウム
窒化ガリウム
ヒ化ガリウム
酸化ジルコニウム、および/または、
金属を含んでいる、請求項3に記載のメモリーセル。
【請求項5】
上記ナノチューブが、
炭素ナノチューブ、
炭素−ホウ素ナノチューブ、
炭素−窒素ナノチューブ、
硫化タングステンナノチューブ、または、
カルコゲニドナノチューブである、請求項3に記載のメモリーセル。
【請求項6】
電界効果トランジスタの第1ソース/ドレイン領域としての第1導電層を備え、
上記第1導電層上にナノ素子が成長している、請求項1〜5のいずれか1項に記載のメモリーセル。
【請求項7】
上記第1導電層が、ナノ素子の形成を触媒する触媒材料から製造されている、請求項6に記載のメモリーセル。
【請求項8】
電界効果トランジスタのゲート領域としての第2導電層を備え、
上記第2導電層が、電気絶縁層を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のメモリーセル。
【請求項9】
上記第2導電層の厚みが、ナノ素子の縦方向の長さよりも小さくなっており、
ナノ素子を取り囲む電気絶縁層および第2導電層が、ナノ素子の一部を取り囲む環状構造を形成している、請求項8に記載のメモリーセル。
【請求項10】
電界効果トランジスタの第2ソース/ドレイン領域としての第3導電層を備え、
上記第3導電層が、ナノ素子上に形成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のメモリーセル。
【請求項11】
多結晶材料またはアモルファス材料を含む基板の上、および/または基板の中に形成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のメモリーセル。
【請求項12】
誘電材料、金属材料およびナノ構造の材料のみから形成されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のメモリーセル。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のメモリーセルを複数有し、
上記メモリーセルが、相互に隣接して、および/または相互に積み重ねて形成されている、メモリーセルアレイ。
【請求項14】
チャネル領域として設計されているナノ素子を有する垂直電界効果トランジスタを形成し、
電荷蓄積層およびゲート絶縁層として上記ナノ素子を少なくとも部分的に取り囲む電気絶縁層を形成し、
上記電気絶縁層を、
電気的な電荷担体が、その内部への注入、または、内部からの除去が選択的に可能になるように設計し、
ナノ素子の導電性が、上記電気絶縁層に注入された電気的な電荷担体によって、特有の影響受けるように設計する、不揮発性メモリーセルの製造方法。
【請求項15】
第1導電層を、電界効果トランジスタの第1ソース/ドレイン領域として形成し、
続いて、第2導電層を、電界効果トランジスタのゲート領域として形成し、
第1導電層の部分領域を、第2導電層に貫通穴を挿入することによって露出し、
電気絶縁層を、貫通穴の上面に形成し、
ナノ素子を、貫通穴の第1導電層の露出した部分領域に成長させる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1導電層を、電界効果トランジスタの第1ソース/ドレイン領域として形成し、
続いて、補助層を形成し、
第1導電層の部分領域を、補助層に貫通穴を挿入することによって露出し、
ナノ素子を、貫通穴の第1導電層の露出した部分領域に成長させ、
補助層を除去し、
電気絶縁層をナノ素子の上面に形成する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ナノ素子を、ソース/ドレイン領域上にまず自立して垂直に成長させ、
続いて、残りの垂直電界効果トランジスタを形成する、請求項14に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル領域として設計されているナノ素子を有する垂直電界効果トランジスタと、
電荷蓄積層およびゲート絶縁層として上記ナノ素子を少なくとも部分的に取り囲む電気絶縁層とを有し、
上記ナノ素子が、
ナノチューブ、
ナノチューブの束、または、
ナノ円柱体を備えているとともに
上記電気絶縁層が、
電気的な電荷担体が、その内部への注入、または、その内部からの除去が選択的に可能になるように設計されており、
ナノ素子の導電性が、上記電気絶縁層に注入された電気的な電荷担体によって、特有の影響を受けるように設計されている、不揮発性メモリーセル。
【請求項2】
上記電気絶縁層が、
酸化シリコン/窒化シリコン/酸化シリコンの積層、または、
酸化アルミニウム層である、請求項1に記載のメモリーセル。
【請求項3】
上記ナノ円柱体が、
シリコン
ゲルマニウム
リン化インジウム
窒化ガリウム
ヒ化ガリウム
酸化ジルコニウム、および/または、
金属を含んでいる、請求項1または2に記載のメモリーセル。
【請求項4】
上記ナノチューブが、
炭素ナノチューブ、
炭素−ホウ素ナノチューブ、
炭素−窒素ナノチューブ、
硫化タングステンナノチューブ、または、
カルコゲニドナノチューブである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメモリーセル。
【請求項5】
電界効果トランジスタの第1ソース/ドレイン領域としての第1導電層を備え、
上記第1導電層上にナノ素子が成長している、請求項1〜4のいずれか1項に記載のメモリーセル。
【請求項6】
上記第1導電層が、ナノ素子の形成を触媒する触媒材料から製造されている、請求項5に記載のメモリーセル。
【請求項7】
電界効果トランジスタのゲート領域としての第2導電層を備え、
上記第2導電層が、電気絶縁層を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のメモリーセル。
【請求項8】
上記第2導電層の厚みが、ナノ素子の縦方向の長さよりも小さくなっており、
ナノ素子を取り囲む電気絶縁層および第2導電層が、ナノ素子の一部を取り囲む環状構造を形成している、請求項7に記載のメモリーセル。
【請求項9】
電界効果トランジスタの第2ソース/ドレイン領域としての第3導電層を備え、
上記第3導電層が、ナノ素子上に形成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のメモリーセル。
【請求項10】
多結晶材料またはアモルファス材料を含む基板の上、および/または基板の中に形成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のメモリーセル。
【請求項11】
誘電材料、金属材料およびナノ構造の材料のみから形成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のメモリーセル。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のメモリーセルを複数有し、
上記メモリーセルが、相互に隣接して、および/または相互に積み重ねて形成されている、メモリーセルアレイ。
【請求項13】
チャネル領域として設計され、かつ、ナノチューブ、ナノチューブの束またはナノ円柱体を含むナノ素子を有する垂直電界効果トランジスタを形成し、
電荷蓄積層およびゲート絶縁層として上記ナノ素子を少なくとも部分的に取り囲む電気絶縁層を形成し、
上記電気絶縁層を、
電気的な電荷担体が、その内部への注入、または、内部からの除去が選択的に可能になるように設計し、
ナノ素子の導電性が、上記電気絶縁層に注入された電気的な電荷担体によって、特有の影響受けるように設計する、不揮発性メモリーセルの製造方法。
【請求項14】
第1導電層を、電界効果トランジスタの第1ソース/ドレイン領域として形成し、
続いて、第2導電層を、電界効果トランジスタのゲート領域として形成し、
第1導電層の部分領域を、第2導電層に貫通穴を挿入することによって露出し、
電気絶縁層を、貫通穴の上面に形成し、
ナノ素子を、貫通穴の第1導電層の露出した部分領域に成長させる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1導電層を、電界効果トランジスタの第1ソース/ドレイン領域として形成し、
続いて、補助層を形成し、
第1導電層の部分領域を、補助層に貫通穴を挿入することによって露出し、
ナノ素子を、貫通穴の第1導電層の露出した部分領域に成長させ、
補助層を除去し、
電気絶縁層をナノ素子の上面に形成する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
ナノ素子を、ソース/ドレイン領域上にまず自立して垂直に成長させ、
続いて、残りの垂直電界効果トランジスタを形成する、請求項13に記載の方法。

【図4】
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【公表番号】特表2006−504278(P2006−504278A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547433(P2004−547433)
【出願日】平成15年10月29日(2003.10.29)
【国際出願番号】PCT/DE2003/003588
【国際公開番号】WO2004/040667
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(501209070)インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト (331)
【Fターム(参考)】