説明

光照射装置及び円板体外周検査装置

【課題】円板体の外周部が水平方向や垂直方向に急速に変位しても、光照射装置からの照射光の焦点が外周部の表面やその内部の位置に合った状態を維持することが可能な光照射装置を提供する。
【解決手段】円板体Wの外周部の表面Wsに光を照射する光源2を備える光照射装置1において、表面Wsの円板体Wの径方向への変位量ΔXと円板体Wの円板面Swに直交する方向への変位量ΔYとを検出する変位量検出装置5と、第1ミラー31で反射された照射光Laの反射光を照射光Laの光軸に平行逆向きに反射する第2ミラー32を備えるミラー部3と、照射光Laを表面Wsに角度θ(下向き正)方向から照射する場合、ミラー部3を照射光Laの光軸方向及び直交方向に夫々(ΔX×cosθ−ΔY×sinθ)/2及び(ΔX×sinθ+ΔY×cosθ)/2だけ移動させるアクチュエータ4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射装置及び円板体外周検査装置に係り、特に、円板体の外周部の表面に光を照射する光源を備える光照射装置、及びそれを用いて円板体の外周部の表面に光を照射し、該表面での散乱光又は反射光を検出して前記表面の検査を行う円板体外周検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
円板体材料では、円板面のみならず、その外周部に傷や凹凸等がないことが要求される場合がある。特に、ウェーハやハードディスク等の分野では、ウェーハ等の基板表面に欠損、クラック、結晶欠陥等を含む凹凸や傷等がないことが強く要求されるためウェーハ等の基板表面を検査する表面検査装置が種々開発されている(例えば特許文献1等参照)。
【0003】
また、ウェーハ等の円板体材料では、外周部の面取り部にも傷等がないことも要求されるため、ウェーハ等の外周部の面取り部に光を照射して、その表面で散乱された光や反射された光をカメラやCCD(Charge Coupled Device)等の受光装置で受光して傷等を検出する円板体外周検査装置が種々開発されている(例えば特許文献2〜4等参照)。
【0004】
ところで、このような円板体外周検査装置では、光照射装置から、ウェーハ等の円板体の外周部の表面やその内部に焦点が合った光を照射する必要がある。また、円板体の外周部の表面で散乱され又は反射された光を受光する受光装置は、当該表面やその内部にピントが合うようにそのフォーカス位置が設定され、受光装置の視野中心に観測ポイントを合わせる必要がある。
【0005】
具体的には、円板体外周検査装置100では、図14に示すように、例えば円板体であるウェーハWの中心Owと回転テーブルTの回転中心Otとが一致するようにウェーハWを回転テーブルT上に載置する。そして、光照射装置101から照射する光の焦点を外周部の表面Wsに合わせる。また、受光装置102をウェーハWの側方にウェーハWの方をむくように配置し、ウェーハWの外周部の表面Wsにピントが合うように受光装置102のフォーカス位置を設定し、受光装置102の視野中心に観測ポイントを合わせる。
【0006】
そして、その状態で、回転テーブルTをその回転中心Ot周りに回転させてウェーハWを回転させ、回転するウェーハWの外周部の表面Wsに光照射装置101から光を照射して、ウェーハWの外周部の表面Wsでの散乱光や反射光を受光装置102で受光して、ウェーハWの外周部の表面Wsを撮影していた。
【0007】
なお、以下、便宜的に、円板体すなわち上記例ではウェーハWの径方向(図中矢印Xで示される方向)を水平方向X、円板体の円板面すなわち上記例ではウェーハWの基板表面Swに直交する方向(図中矢印Yで示される方向)を垂直方向Yという。また、光照射装置101からウェーハW(円板体)の外周部の表面Wsに照射される光は、図15に示す光Lpのように当該表面Wsに焦点があった光だけでなく、光Lqや光LrのようにウェーハW(円板体)の内部に焦点が合った光である場合も含まれ、以下、本発明において同様である。
【特許文献1】特開2000−193434号公報
【特許文献2】特開平11−351850号公報
【特許文献3】特開2007−24528号公報
【特許文献4】特開2007−47010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ウェーハWの保持精度が低く、ウェーハWの中心Owと回転テーブルTの回転中心Otとの位置が正確に合っていない場合や、ウェーハW自体が偏心している場合等には、図16に示すように、ウェーハWが回転する毎に、その外周部の表面Wsが水平方向Xに位置ずれや偏心ずれ等に相当する変位量ΔXだけ変位するようになる。また、ウェーハWにうねりや反り等があると、回転する毎にウェーハWの外周部の表面Wsが垂直方向Yにうねりや反り等に相当する変位量ΔYだけ変位するようになる。
【0009】
そして、この状態のままでは上記のように調整した光照射装置101からの照射光の焦点が表面Wsや設定されたウェーハWの内部の位置からずれ、また、受光装置102で予め設定しておいたフォーカス位置がずれたり受光装置102の視野中心から観測ポイントが外れたりしてしまうため、従来の円板体外周検査装置100では、例えばウェーハWの外周部の表面Wsの水平方向Xや垂直方向Yへの変位量ΔX、ΔYに合わせて、光照射装置101や受光装置102、回転テーブルT等を水平方向Xや垂直方向Yに変位量ΔX、ΔYだけ変位させていた。
【0010】
しかし、ウェーハWの外周部の表面Wsを高速に検査する場合には、高速回転するウェーハWの外周部の面取り部が水平方向Xや垂直方向Yに急速に変位して、いわばウェーハWの端部が激しく振動するような状態となる。そのため、光照射装置101や受光装置102、回転テーブルTをウェーハWの急速な変位に合わせて急速かつ正確に変位させることが必要となるが、重量が大きい光照射装置101等を急速かつ正確に変位させるためのアクチュエータ等は、通常、大掛かりなものとなり、高価である場合が多い。また、光照射装置101等を激しく振動させることになるため、それらの装置の故障を誘発する原因となる。
【0011】
そのため、従来は、光照射装置101を動かさないようにしたり、受光装置102の焦点深度が深いものを用いることで対応していたが、光照射装置101では合焦状態が犠牲となり、焦点深度が深い受光装置102では一般的に分解能が低いため、いずれにしても撮影される映像の分解能を犠牲にせざるを得なかった。また、受光装置102にオートフォーカス機能を持たせることも可能ではあるが、高速オートフォーカス機能を有する受光装置は一般に高価であり、装置全体のコストを押し上げる要因となる。
【0012】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、円板体の外周部が水平方向や垂直方向に急速に変位しても、光照射装置からの照射光の焦点が外周部の表面やその内部の位置に合った状態を維持することが可能な光照射装置を提供することを目的とする。また、このような光照射装置を用い、受光装置のフォーカス位置がずれることなく観測ポイントが視野中心に合った状態を維持することが可能な円板体外周検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の問題を解決するために、請求項1に記載の光照射装置は、
円板体の外周部の表面に光を照射する光源を備える光照射装置において、
前記円板体の外周部の表面における前記円板体の径方向への変位量と前記円板体の円板面に直交する方向への変位量とをそれぞれ検出する変位量検出装置と、
前記光源からの照射光を反射する第1ミラーと、前記第1ミラーで反射された光を前記照射光の光軸に平行で逆向きに反射する第2ミラーとを備えるミラー部と、
前記ミラー部を、前記照射光の光軸の方向及びそれに直交する方向にそれぞれ移動させるアクチュエータと、を備え、
前記変位量検出装置で検出された前記円板体の径方向への変位量をΔX、前記円板体の円板面に直交する方向への変位量をΔYとし、前記円板体の外周部の表面に対して、前記円板体の径方向を基準として前記円板体の円板面に直交する方向に角度θを有する方向から前記ミラー部の前記第2ミラーで反射された光を照射する場合、前記アクチュエータは、前記ミラー部を、前記照射光の光軸の方向及びそれに直交する方向にそれぞれ(ΔX×cosθ−ΔY×sinθ)/2及び(ΔX×sinθ+ΔY×cosθ)/2だけ移動させることを特徴とする。
ただし、θは、前記円板体の径方向を基準として下向きを正とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光照射装置において、前記ミラー部の前記第2ミラーは、その反射面が、前記第1ミラーの反射面に対して90°傾斜するように設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の光照射装置において、前記ミラー部の前記第1ミラーは、その反射面が、前記照射光の光軸に対して45°傾斜するように配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光照射装置において、前記変位量検出装置は、前記円板体の外周部の表面の照射位置から前記円板体の回転方向の所定角度上流側の位置で前記円板体の径方向への変位量と前記円板体の円板面に直交する方向への変位量とをそれぞれ検出することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光照射装置において、
前記アクチュエータは、前記ミラー部を、前記照射光の光軸の方向に移動させる第1駆動機構と、それに直交する方向に移動させる第2駆動機構とを備え、
前記第1駆動機構及び前記第2駆動機構は、それぞれ独立に駆動されることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、円板体外周検査装置において、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光照射装置により前記円板体の外周部の表面に光を照射し、該表面での散乱光又は反射光を受光装置で検出して前記円板体の外周部の表面の検査を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の円板体外周検査装置において、
前記円板体の外周部の表面での散乱光又は反射光を反射する第3ミラーと、前記第3ミラーで反射された光を前記散乱光又は反射光の光軸に平行で逆向きに反射する第4ミラーとを備える第2ミラー部と、
前記第2ミラー部を、前記散乱光又は反射光の光軸の方向及びそれに直交する方向にそれぞれ移動させる第2アクチュエータと、を備え、
前記円板体の外周部の表面で前記円板体の径方向を基準として前記円板体の円板面に直交する方向に角度φを有する方向に散乱し又は反射した光が前記第2ミラー部に入射する場合、前記第2アクチュエータは、前記第2ミラー部を、前記散乱光又は反射光の光軸の方向及びそれに直交する方向に、それぞれ(ΔX×cosφ−ΔY×sinφ)/2及び(ΔX×sinφ+ΔY×cosφ)/2だけ移動させることを特徴とする。
ただし、φは、前記円板体の径方向を基準として下向きを正とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の円板体外周検査装置において、前記光照射装置と前記ミラー部の第1ミラーとの間に、前記光源からの照射光の光軸と、前記受光装置が受光する前記円板体の外周部の表面での散乱光又は反射光の光軸とを同軸構造とするハーフミラー又はプリズムを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1から請求項5に記載の光照射装置によれば、光源から円板体の外周部の表面までの光路長を常時一定に維持することが可能となり、光源から照射された光が円板体の外周部の表面やその内部の位置に焦点が合う状態を維持することが可能となる。
【0022】
また、ミラー部は第1ミラーや第2ミラー等で構成され、軽量かつコンパクトに構成することができる。従って、軽量のミラー部を的確に移動させることが可能な安価なアクチュエータを用いてミラー部を容易かつ迅速に移動させることが可能となり、照射時に円板体の外周部が急速に変位しても、ミラー部を迅速に移動させて上記の機能を的確に発揮させることが可能となる。
【0023】
また、請求項6から請求項8に記載の円板体外周検査装置によれば、円板体の外周部が変位しても、光照射装置の上記効果が適切に発揮されるとともに、円板体の外周部が変位しても、円板体の外周部の表面から受光装置までの散乱光や反射光の光路長を常時一定に維持することが可能となるため、受光装置において常にフォーカス位置が合う状態を維持することが可能となる。
【0024】
また、同時に、円板体の外周部が変位しても、第2ミラー部の第4ミラーで反射された光の観測ポイントが常に受光装置の視野中心に合った状態を維持することが可能となる。しかも、第2ミラー部を容易かつ迅速に移動させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る光照射装置及び円板体外周検査装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
なお、以下の実施形態では、円板体がウェーハであり、光照射装置でウェーハの外周部の表面に光を照射して、円板体外周検査装置でウェーハの外周部の表面を検査する場合について説明するが、本発明の光照射装置や円板体外周検査装置は、円板体としてウェーハ以外にも例えばハードディスク等のディスク板にも適用可能であり、検査の対象はウェーハに限定されない。
【0027】
また、本実施形態では、図1等に示すように、外周部の上下の角部がベベル状に面取りされた構造の表面Wsを有するウェーハWについて検査を行う場合について説明するが、ウェーハWの外周部の形状はこれに限定されず、図示を省略するが、例えば外周部の表面Wsが湾曲するように曲面状に形成された形状やその他の形状のウェーハWについても同様に適用される。
【0028】
(光照射装置の構成)
本実施形態に係る光照射装置は、後述する図10等に示すように、本来、ミラー部3を、円板体W(ウェーハW)に対してその上下方向の任意の位置に配置することが可能であり、円板体Wの外周部の表面Wsに対して、円板体Wの径方向すなわち水平方向Xを基準として上下方向に任意の角度θを有する方向からミラー部3の第2ミラー32で反射された光を照射することが可能であるが、以下、まず、角度θが0°の場合、すなわち光軸が水平方向Xを向いた光を円板体Wの外周部の表面Wsに照射する場合について説明する。
【0029】
(全体構成)
図1は、本実施形態に係る光照射装置の全体構成を示す図である。光照射装置1は、光源2、ミラー部3と、アクチュエータ4と、変位量検出装置5とを備えている。なお、図1及び以下の各図では、各部材やウェーハWの大きさや長さ、厚さ等の比は必ずしも現実を反映していない。
【0030】
本実施形態における円板体であるウェーハWは、回転テーブルT上に載置されており、回転テーブルTの回転に伴って回転テーブルTの回転中心Otを中心として回転するようになっている。また、本実施形態では、光源2からウェーハWの外周部の表面Wsに照射される光Laの集光等を行うレンズ系については説明を省略するが、適宜設けられる。
【0031】
(細部構成)
光源2には、通常、点光源や面光源が用いられ、可視光線等を照射するレーザ光源等が適宜選択されて用いられる。
【0032】
ミラー部3は、図1に示すように、第1ミラー31と第2ミラー32とで構成されており、光源2から照射された光Laが第5ミラー7で反射されてミラー部3の第1ミラー31に入射されるようになっている。また、本実施形態では、第1ミラー31は、その反射面31aが照射光Laの光軸に対して45°傾斜するように配置されており、第2ミラー32はその反射面32aが第1ミラー31の反射面31aに対して90°傾斜するように連結片33を介して第1ミラー31に固定されている。
【0033】
ミラー部3は、第1ミラー31及び第2ミラー32を上記のように配置することにより、光源2からの照射光Laを第1ミラー31で反射し、第1ミラー31で反射された照射光Laを第2ミラー32でもともと第1ミラー31に入射する際の照射光Laの光軸に平行で逆向きに反射するようになっている。
【0034】
本実施形態では、前述したように、第2ミラー32で反射された照射光Laはその光軸が水平方向Xを向いた状態でウェーハWの外周部の表面Wsに照射されるようになっている。
【0035】
なお、本実施形態において光源2からの照射光Laの光軸を一旦第5ミラー7で曲げるのは、ミラー部3の第2ミラー32からウェーハWに向かう照射光Laの光路を光源2が遮断しないようにするためであり、光源2が照射光Laの光路を遮断しないような場合には第5ミラー7を必ずしも設けなくてもよい。
【0036】
また、図1では、ミラー部3の第2ミラー32からウェーハWに向かう照射光Laの光軸の上方に光源2を配置する場合について説明したが、光源2の配置はこれに限定されず、光源2の配置位置を適宜設定して、光源2からの照射光Laを第5ミラー7によりミラー部3の方向に反射するように構成することも可能である。
【0037】
アクチュエータ4は、本実施形態では、水平駆動部41と垂直駆動部42とで構成されており、水平駆動部41と垂直駆動部42とはそれぞれ図示しない駆動モータ等を有する第1、第2駆動機構を備えている。水平駆動部41は支持台等に長手方向が水平方向Xを向くように固定されている。垂直駆動部42は、水平駆動部41に対して立設した姿勢を保ったまま水平方向Xに平行移動可能とされており、水平駆動部41の第1駆動機構を駆動することにより平行移動するようになっている。
【0038】
また、垂直駆動部42には、ミラー部3が垂直方向Yに移動可能に支持されており、ミラー部3は垂直駆動部42の平行移動に従って水平方向Xに移動されるようになっている。また、ミラー部3は、垂直駆動部42の第2駆動機構の駆動により垂直駆動部42に対して垂直方向Yに移動されるようになっている。
【0039】
そして、アクチュエータ4の水平駆動部41に備えられた第1駆動機構と垂直駆動部42に備えられた第2駆動機構とがそれぞれ独立に駆動されることにより、ミラー部3の水平方向Xへの移動及び垂直方向Yへの移動がそれぞれ独立に制御されるように構成されている。
【0040】
変位量検出装置5は、前述したウェーハWの位置ずれや偏心ずれ等によるウェーハWの径方向すなわち水平方向XへのウェーハWの変位量ΔXと、ウェーハWのうねりや反り等によるウェーハWの基板表面Swに直交する方向すなわち垂直方向YへのウェーハWの変位量ΔYとをそれぞれ検出するようになっている。
【0041】
なお、ウェーハWの水平方向Xや垂直方向Yへの変位量ΔX、ΔYという場合、それらはウェーハWの外周部の表面Wsの位置における水平方向Xや垂直方向Yへの変位量ΔX、ΔYを意味する。また、本発明において、円板体(ウェーハW)の径方向或いは円板体(ウェーハW)の円板面(基板表面Sw)に直交する方向という場合、うねりや反りがない理想的な円板体(ウェーハW)の径方向或いは円板体(ウェーハW)の円板面(基板表面Sw)に直交する方向をいい、本実施形態では、図1に1点鎖線で示される回転テーブルTの回転軸Atに直交する方向或いは回転軸Atに平行な方向をいう。
【0042】
本実施形態では、変位量検出装置5は、ウェーハWの水平方向Xへの変位量ΔXを検出する第1変位量検出装置51と、ウェーハWの垂直方向Yへの変位量ΔYを検出する第2変位量検出装置52とが別体として構成されている。
【0043】
また、第1及び第2変位量検出装置51、52は、図2に示すように、図示を省略する回転テーブルTの回転によりウェーハWが図中矢印方向に回転するとした場合、回転テーブルTの回転中心Otとミラー部3の中心位置とを結ぶ線上のウェーハWの端部位置A(以下、照射位置Aという。)から回転方向の所定角度θdetect上流側の位置(以下、検出位置という。)で変位量ΔX、ΔYをそれぞれ検出するようになっている。
【0044】
なお、図2では、前記の所定角度θdetectが90°とされている場合、すなわち照射位置Aから回転方向の90°上流側の検出位置で変位量ΔX、ΔYを検出する場合が記載されているが、所定角度θdetectは90°に限定されず、照射光Laの照射の妨げにならない位置であれば、照射位置Aから回転方向の任意の角度の検出位置で変位量ΔX、ΔYの検出を行うように構成することができる。
【0045】
本実施形態では、図1や図2に示すように、第1変位量検出装置51は、ウェーハWの検出位置の端部の上下に発光装置51aと受光装置51bとが配設されて構成されており、発光装置51aから受光装置51bに向かって垂直方向Yに、ウェーハWの径方向には当該端部の内側と外側に跨るように広幅で、ウェーハWの端部の接線方向には狭幅の平行光線L1が照射されるようになっている。
【0046】
このように構成すると、図3に示すように、発光装置51aから照射される平行光線L1の一部がウェーハWによって遮断されるため、受光装置51bで平行光線L1の水平方向Xの長さX1の変位量ΔX1を測定することでウェーハWの水平方向Xへの変位量ΔXを求めることができる。その際、ウェーハWの水平方向Xへの変位量ΔXは、受光装置51bで検出した変位量ΔX1に−1を乗じた−ΔX1として求めることができる。
【0047】
また、第2変位量検出装置52は、図2に示したように、ウェーハWの検出位置の端部付近を通る平行光線L2を照射する発光装置52aとそれを受光する受光装置52bとで構成されている。図4に示すように、発光装置52aから受光装置52bに向かって水平方向Xに、垂直方向Yには広幅で、ウェーハWの径方向すなわち紙面に直交する方向には狭幅の平行光線L2が照射されるようになっている。
【0048】
このように構成すると、発光装置52aから照射される平行光線L2の一部がウェーハWによって遮断されるため、受光装置52bで平行光線L2の垂直方向Yの上端からの長さY1の変位量ΔY1を測定することでウェーハWの垂直方向Yへの変位量ΔYを求めることができる。その際、ウェーハWの垂直方向Yへの変位量ΔYは、受光装置52bで検出した変位量ΔY1に−1を乗じた−ΔY1として求めることができる。
【0049】
なお、後述するように、このようにして求められた変位量ΔX、ΔYは、実際の照射位置Aから回転方向の所定角度θdetect上流側の検出位置での変位量ΔX、ΔYであり、ウェーハWがさらに所定角度θdetectだけ回転した時点において活用される。また、図1では、第2変位量検出装置52の記載が省略されている。さらに、変位量検出装置5は、ウェーハWの水平方向X及び垂直方向Yへの変位量ΔX、ΔYをそれぞれ検出できるものであれば、本実施形態に限定されず、この他にも、例えばレーザ光等をウェーハWに照射して三角法や共焦点法、位相差法等により変位量ΔX、ΔYを測定するセンサ等を用いることも可能である。
【0050】
図5は、本実施形態に係る光照射装置1の制御構成を示すブロック図である。本実施形態では、光照射装置1は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータにより構成された制御装置6を備えている。
【0051】
制御装置6には、光源2や、水平駆動部41及び垂直駆動部42を備えミラー部3を水平方向Xや垂直方向Yに移動させるアクチュエータ4、第1変位量検出装置51及び第2変位量検出装置52を有する変位量検出装置5等が接続されており、制御装置6は、これらの部材を制御して光源2から照射された照射光LaをウェーハWの外周部の表面Wsに照射するようになっている。
【0052】
また、制御装置6には、回転テーブルTや回転テーブルTの回転動作を制御する図示しない制御装置等が接続されており、回転テーブルTの回転速度すなわち単位時間あたりの回転角度の情報を取得できるようになっている。
【0053】
なお、光照射装置1は、制御装置6が自動的に、或いは図示しない入力手段を介して作業者が制御装置6を操作することにより、アクチュエータ4の水平駆動部41や垂直駆動部42を駆動させてミラー部3の位置調整が行われるようになっている。
【0054】
すなわち、ウェーハWの中心が回転テーブルTの回転中心Ot(図1等参照)の位置に合うように回転テーブルT上に載置された状態(以下、基準状態という。)にあるウェーハWに対して、ミラー部3の第2ミラー32で反射された照射光Laが水平方向XからウェーハWの表面Wsやその内部の位置に焦点が合った状態で照射されるように、ミラー部3の第1ミラー31及び第2ミラー32の位置が予め調整されるようになっている。
【0055】
(光照射装置の作用)
次に、本実施形態に係る光照射装置1の作用について説明する。
【0056】
本実施形態に係る光照射装置1では、前述したように、ミラー部3の第1ミラー31及び第2ミラー32の位置が予め調整され、光源2から照射されミラー部3で反射された照射光Laが水平方向XにウェーハWの外周部の表面Wsに照射され、ウェーハWの外周部の表面Wsやその内部の位置に焦点が合った状態で照射されるように調整される。
【0057】
また、制御装置6は、回転テーブルT等から回転テーブルTの回転速度の情報を予め取得し、RAM等の自己の記憶手段に記憶させる。そして、制御装置6は、回転テーブルTの回転速度を取得すると、回転速度に基づいて、回転テーブルTやウェーハWが変位量ΔX、ΔYの検出位置から照射位置A(図2参照)まで所定角度θdetect回転するのに要する時間Δtを算出して、記憶手段に記憶させる。
【0058】
照射時においては、制御装置6は、まず、変位量検出装置5の第1変位量検出装置51及び第2変位量検出装置52を駆動させて、上記の要領で検出位置でウェーハWの水平方向Xや垂直方向Yへの変位量ΔX、ΔYをそれぞれ検出させ、それらの情報を第1変位量検出装置51及び第2変位量検出装置52から取得する。そして、制御装置6は、変位量ΔX、ΔYの情報を記憶手段に記憶させる。
【0059】
変位量検出装置5の第1変位量検出装置51及び第2変位量検出装置52からの変位量ΔX、ΔYの情報の取得及び記憶は、ウェーハWの外周部の少なくとも1周分の情報を取得し終わるまで継続される。なお、第1変位量検出装置51及び第2変位量検出装置52から前述した変位量ΔX1、ΔY1の情報をそれぞれ取得して、制御装置6でそれらの情報から変位量ΔX、ΔYをそれぞれ算出するように構成してもよい。
【0060】
また、制御装置6は、光源2を点灯させる。そして、現在、照射位置AにあるウェーハWの外周部の表面Wsの水平方向X及び垂直方向Yへの変位量ΔX、ΔYの情報として、現在から前述した時間Δt前に照射位置Aから回転方向の所定角度θdetect上流側の検出位置で検出され記憶手段に記憶されている現在照射位置AにあるウェーハWの外周部の表面Ws部分の変位量ΔX、ΔYを読み出す。
【0061】
そして、制御装置6は、読み出した変位量ΔX、ΔYに基づいて、アクチュエータ4の水平駆動部41の第1駆動機構を駆動させて、ミラー部3を水平方向Xに変位量ΔXの半分すなわちΔX/2だけ移動させ、また、アクチュエータ4の垂直駆動部42の第2駆動機構を駆動させて、ミラー部3を垂直方向Yに変位量ΔYの半分すなわちΔY/2だけ移動させる。
【0062】
このようにミラー部3の水平方向Xの位置や垂直方向Yの位置をΔX/2、ΔY/2だけ移動させることで、照射光Laの光源2からウェーハWの外周部の表面Wsまでの光路長がウェーハWが前記基準状態にある場合における光路長と同一となり、光路長が維持される。以下、この点について説明する。
【0063】
例えば、いま、図6に示すように、照射位置AにおいてウェーハWの外周部の表面Wsが垂直方向Yには変位せず(ΔY=0)、基準状態から水平方向Xに変位量ΔXだけ変位してWの位置にあるとする。この場合、ミラー部3は、前述したように、アクチュエータ4により水平方向XにΔX/2だけ水平方向Xに平行移動されて、図中のミラー部3の位置に移動する。
【0064】
この状態では、光源2から移動後のミラー部3の第1ミラー31までの照射光Laの光路長は基準状態における光源2からミラー部3の第1ミラー31までの照射光Laの光路長よりΔX/2だけ長くなるが、移動後の第1ミラー31から第2ミラー32までの光路長は移動前の光路長と変わらず、移動後のミラー部3の第2ミラー32から変位したウェーハWの外周部の表面Wsまでの光路長は基準状態におけるミラー部3の第2ミラー32からウェーハWの外周部の表面Wsまでの光路長よりΔX/2だけ短くなる。
【0065】
そのため、上記の各光路長の合計で表される光源2から変位したウェーハWの外周部の表面Wsまでの全光路長は、基準状態における光源2からウェーハWの外周部の表面Wsまでの全光路長に等しくなり、光路長が一定の状態が維持される。
【0066】
また、ミラー部3は水平方向Xに平行移動されただけであり、ミラー部3の第1ミラー31や第2ミラー32の照射光Laに対する角度は維持されるから、光源2からの照射光Laは、基準状態における散乱光Laと同様に水平方向XからウェーハWの外周部の表面Wsに照射される状態が維持される。
【0067】
このように、水平方向Xに変位量ΔXだけ変位したウェーハWに対してミラー部3を水平方向XにΔX/2だけ移動させることで、照射光Laの光源2からウェーハWの外周部の表面Wsまでの光路長が維持され、照射光Laが水平方向XからウェーハWの外周部の表面Wsに照射される状態が維持される。そのため、基準状態において予め光源2から照射された照射光LaがウェーハWの外周部の表面Wsやその内部の位置に焦点が合う状態で照射されるように調整されていれば、ウェーハWが水平方向Xに変位してもその状態が維持される。
【0068】
一方、例えば、いま、図7に示すように、照射位置AにおいてウェーハWの外周部の表面Wsが水平方向Xには変位せず(ΔX=0)、垂直方向Yに変位量ΔYだけ変位してWの位置にあるとする。この場合、ミラー部3は、前述したように、アクチュエータ4により垂直方向YにΔY/2だけ移動されて、図中のミラー部3の位置に移動する。
【0069】
この状態では、図中斜線を付して示す三角形α、β、γはいずれも直角二等辺三角形になるから、光源2から移動後のミラー部3の第1ミラー31までの照射光Laの光路長は基準状態における光源2からミラー部3の第1ミラー31までの照射光Laの光路長よりΔY/2だけ長くなり、移動後の第1ミラー31から第2ミラー32までの照射光Laの光路長は基準状態における第1ミラー31から第2ミラー32までの照射光Laの光路長よりΔYだけ短くなる。
【0070】
また、移動後のミラー部3の第2ミラー32から変位したウェーハWの外周部の表面Wsまでの照射光Laの光路長は基準状態におけるミラー部3の第2ミラー32からウェーハWの外周部の表面Wsまでの照射光Laの光路長よりΔY/2だけ長くなる。
【0071】
そのため、上記の各光路長の合計で表される光源2から変位したウェーハWの外周部の表面Wsまでの全光路長は、基準状態における光源2からウェーハWの外周部の表面Wsまでの全光路長に等しくなり、光路長が一定の状態が維持される。
【0072】
また、ミラー部3は水平方向Xに平行移動されただけであり、ミラー部3の第1ミラー31や第2ミラー32の照射光Laに対する角度は維持されるから、ミラー部3の第2ミラー32からウェーハWの外周部の表面Wsに照射される照射光Laは垂直方向YにΔYだけ平行移動する。そのため、移動後のミラー部3の第2ミラー32から照射される照射光Laは、変位したウェーハWの外周部の表面Wsに正確に照射される状態になり、ウェーハWの外周部の表面Wsに対する照射光Laの照射状態が維持される。
【0073】
このように、垂直方向Yに変位量ΔYだけ変位したウェーハWに対してミラー部3を垂直方向YにΔY/2だけ移動させることで、照射光Laの光源2からウェーハWの外周部の表面Wsまでの光路長が維持されるとともに、照射光Laが垂直方向YにΔYだけ平行移動するからウェーハWの外周部の表面Wsに対する照射光Laの照射状態が維持される。そのため、基準状態において予め光源2から照射された照射光LaがウェーハWの外周部の表面Wsやその内部の位置に焦点が合う状態で照射されるように調整されていれば、ウェーハWが垂直方向Yに変位してもその状態が維持される。
【0074】
なお、図6や図7では、ウェーハWの外周部の表面Wsが図中左側や上方に変位する場合について説明したが、ウェーハWの外周部の表面Wsが図中右側や下方に変位する場合すなわち変位量ΔX、ΔYが負の値の場合も同様に説明されることは容易に理解されよう。
【0075】
照射光Laの照射が行われている間、回転テーブルTの回転に伴ってウェーハWが回転し、照射位置AにおけるウェーハWの外周部の面取り部の水平方向X及び垂直方向Yへの変位量ΔX、ΔYが絶えず変化する。
【0076】
制御装置6は、常時、照射位置AにあるウェーハWの外周部の面取り部の部分に対応する変位量ΔX、ΔYを記憶手段から読み出し、アクチュエータ4の水平駆動部41の第1駆動機構や垂直駆動部42の第2駆動機構を駆動させて、ミラー部3を水平方向X及び垂直方向YにΔX/2及びΔY/2だけ移動させることで、光源2からウェーハWの外周部の表面Wsまでの光路長を常時一定に維持する。また、光源2から照射された照射光LaがウェーハWの外周部の表面Wsやその内部の位置に焦点が合う状態を維持する。
【0077】
(光照射装置の効果)
以上のように、本実施形態に係る光照射装置1によれば、変位量検出装置5でウェーハW等の円板体Wの径方向すなわち水平方向Xへの変位量ΔXとそれに直交する方向すなわち垂直方向Yへの変位量ΔYとをそれぞれ検出する。そして、それらの変位量ΔX、ΔYを検出した円板体Wの外周部の表面Wsに対して光源2から照射光Laを照射する際に、アクチュエータ4を駆動して、照射光Laの光軸を入射方向と平行かつ逆向きに反射するための第1ミラー31及び第2ミラー32を備えたミラー部3を水平方向XにΔX/2、垂直方向YにΔY/2だけ移動させる。
【0078】
このように構成することで、光源2から円板体Wの外周部の表面Wsまでの光路長を常時一定に維持することが可能となり、光源2から照射された照射光Laが円板体Wの外周部の表面Wsやその内部の位置に焦点が合う状態を維持することが可能となる。
【0079】
また、ミラー部3は第1ミラー31や第2ミラー32等で構成され、軽量かつコンパクトに構成することができる。従って、軽量のミラー部3を的確に移動させることが可能な安価なアクチュエータを用いてミラー部3を水平方向Xや垂直方向Yに容易かつ迅速に移動させることが可能となり、照射時に円板体Wの外周部が水平方向Xや垂直方向Yに急速に変位しても、ミラー部3を迅速に移動させて上記の機能を的確に発揮させることができる。
【0080】
なお、図2等では、第1変位量検出装置51においては発光装置51aと受光装置51bとを上下に配置し、また、第2変位量検出装置52においては発光装置52aと受光装置52bとをウェーハWの回転方向の下流側及び上流側に配置する場合を示したが、これに限定されず、ウェーハWの水平方向X及び垂直方向Yへの変位量ΔX、ΔYをそれぞれ的確に検出可能であれば、任意の位置に配置することができる。
【0081】
(光照射装置の変形例)
ところで、上記の実施形態の光照射装置1では、ミラー部3を、円板体W(ウェーハW)の径方向すなわち水平方向Xに配置し、円板体Wの外周部の表面Wsに対する照射光Laの光軸の方向すなわち水平方向Xにミラー部3をΔX/2だけ移動させ、また、照射光Laの光軸に直交する方向すなわち垂直方向Yにミラー部3をΔY/2だけ移動させる場合について説明した。
【0082】
しかし、受光装置6や回転テーブルT等を変位させずにミラー部3のみを移動させて、光源2から照射された照射光Laが円板体Wの外周部の表面Wsやその内部の位置に焦点が合う状態を維持するという本発明の特徴は、上記の実施形態においてのみ発揮されるものではなく、種々の変形例が可能である。以下、いくつかの変形例を示し、本発明の適用範囲を拡張する。
【0083】
本発明の上記の特徴は、例えば、図8や図9に示す光照射装置10、20においても同様に達成される。なお、光照射装置10、20では、上記実施形態の光照射装置1と同様の機能を有する部材については同じ符号を付して説明する。また、図8や図9では、ミラー部3を移動させるアクチュエータの図示が省略されている。
【0084】
図8に示す光照射装置10は、光源2から照射された照射光Laの光軸を第5ミラー7で垂直方向Yに曲げた後、ミラー部3の第1ミラー31で水平方向Xに反射し、第2ミラー32で垂直方向Yに反射し、さらに第6ミラー11で水平方向Xに反射して円板体Wの外周部の表面Wsに照射するように構成されている。
【0085】
このような光照射装置10においても、ミラー部3をΔX/2及びΔY/2だけ移動させることで、光源2から円板体Wの外周部の表面Wsまでの光路長を常時一定に維持することが可能となり、光源2から照射された照射光Laが円板体Wの外周部の表面Wsやその内部の位置に焦点が合う状態を維持することができる。しかし、その際、ミラー部3を移動させる方向は、ΔX/2だけ移動させる方向が上記実施形態では水平方向Xであったのに対して光照射装置10では垂直方向Yであり、ΔY/2だけ移動させる方向は上記実施形態では垂直方向Yであったのに対して光照射装置10では水平方向Xとなる。
【0086】
また、図9に示す光照射装置20では、図8の光照射装置10における円板体Wの外周部と第6ミラー11との間にさらにプリズム21を設けて、光源2から照射される照射光Laの光軸を任意の方向に屈折させるように構成されている。
【0087】
このような光照射装置20においても、ミラー部3をΔX/2及びΔY/2だけ移動させることで、光源2から円板体Wの外周部の表面Wsまでの光路長を常時一定に維持することが可能となり、光源2から照射された照射光Laが円板体Wの外周部の表面Wsやその内部の位置に焦点が合う状態を維持することができる。しかし、その際、ミラー部3をΔX/2だけ移動させる方向やΔY/2だけ移動させる方向は、もはや水平方向Xでも垂直方向Yでもない。
【0088】
これらの光照射装置10、20と、上記の実施形態の光照射装置1とを総合して考察すると、光源2から照射した照射光Laを、第6ミラー11で反射される場合も(図9参照)、プリズム21で屈折される場合も(図10参照)、或いはそのままミラー部3に入射させる場合も(図1等参照)、いずれの場合でも、ミラー部3を、光源2から照射した照射光Laがミラー部3に入射する直前の照射光Laの光軸の方向にΔX/2だけ移動させ、それに直交する方向にΔY/2だけ移動させて、ミラー部3の第2ミラー32で照射光Laを第1ミラー31に入射する照射光Laの光軸に平行で逆向きに反射するように構成すれば、前述した本発明の特徴が発揮されることが分かる。
【0089】
本発明は、さらに、図10に示すように、光源2から照射された照射光Laをミラー部3で反射し、円板体Wの外周部の表面Wsに対して照射光Laを、円板体Wの径方向すなわち水平方向Xに対して任意の角度θ(ただし、θは円板体Wの径方向すなわち水平方向Xを基準として下向きを正とする。)から照射するように構成される場合にも拡張することができる。
【0090】
すなわち、この光照射装置30においても、ミラー部3を、光源2から照射した照射光Laがミラー部3に入射する直前の照射光Laの光軸の方向と、それに直交する方向に移動させて、ミラー部3の第2ミラー32で照射光Laを第1ミラー31に入射する照射光Laの光軸に平行で逆向きに反射するように構成すればよい。
【0091】
しかし、この場合、円板体Wの外周部の表面Wsに対して照射光Laが水平方向Xに対して角度θの方向から照射されるため、ミラー部3の移動量を上記の実施形態等のように単純にΔX/2、ΔY/2とするわけにはいかなくなる。
【0092】
この場合、変位量検出装置5で検出された円板体Wの径方向への変位量がΔX、円板体Wの円板面(基板表面)Swに直交する方向への変位量がΔYである場合、図11に示すように、円板体Wの外周部の表面Wsとミラー部3との間の相対距離の変位量ΔXは、変位量ΔX、ΔYと上記の角度θとを用いて、
ΔX=ΔX×cosθ−ΔY×sinθ …(1)
で算出することができ、それに直交する方向の変位量ΔYは、
ΔY=ΔX×sinθ+ΔY×cosθ …(2)
で算出することができる。
【0093】
従って、図10に示すような円板体Wの径方向すなわち水平方向Xに対して任意の角度θを有する位置にミラー部3が配置され、ミラー部3で反射した照射光Laを角度θ方向から円板体Wの外周部の表面Wsに照射するように構成された光照射装置30では、ミラー部3を、ミラー部3に入射する直前の照射光Laの光軸の方向にΔXの半分すなわち(ΔX×cosθ−ΔY×sinθ)/2だけ移動させ、それに直交する方向にはΔYの半分すなわち(ΔX×sinθ+ΔY×cosθ)/2だけ移動させればよいことが分かる。
【0094】
本発明をこのように拡張して捉える場合、上記の実施形態やその変形例における各光照射装置1、10、20は、図10の光照射装置30において、上記角度θを0°とした場合に相当する。なお、角度θは、円板体Wの径方向を基準として下向きを正とした場合、通常、+90°〜−90°の範囲で設定される。
【0095】
以上のように構成すれば、前述した本発明の特徴が発揮されるだけでなく、例えば円板体Wの外周部に対して任意の角度θから光源2から照射された光Laを照射させることが可能となる。
【0096】
なお、上記の実施形態等では、図2に示したように、回転テーブルTの照射位置Aから回転方向の所定角度θdetect上流側の位置でウェーハW等の円板体Wの径方向への変位量ΔXと円板体Wの円板面(基板表面)Swに直交する方向への変位量ΔYを検出して記憶手段に記憶し、所定角度θdetect回転するのに要する時間Δt後に記憶手段から変位量ΔX、ΔYを読み出してミラー部3を移動させるために用いる場合について説明した。
【0097】
しかし、変位量ΔX、ΔYの検出と、それを用いるタイミングはこれに限定されず、例えば、予め円板体Wの外周部の外周部の全周について変位量ΔX、ΔYを角度θdetectに対応付けて取得しておき、別のタイミングで円板体Wの外周部に光Laを照射する際に記憶手段から読み出して用いるように構成することも可能である。
【0098】
(円板体外周検査装置の構成及び作用)
次に、上記の光照射装置を用いた円板体外周検査装置について説明する。なお、円板体がウェーハであり、光照射装置によりウェーハの外周部の表面に光を照射して円板体外周検査装置でウェーハの外周部の表面を検査する場合に限定されないことは前述したとおりである。
【0099】
(全体構成)
本実施形態に係る円板体外周検査装置50は、図12に示すように、前述した光照射装置30により円板体Wの外周部の表面Wsに照射光Laを照射し、照射光Laが該表面Wsで散乱されて生じる散乱光Lbを後述する検査装置60の受光装置62で検出して、円板体Wの外周部の表面Wsの検査を行うように構成されている。
【0100】
円板体外周検査装置50に用いられる光照射装置30の構成や作用、効果については上記のとおりであり、説明を省略する。また、光照射装置として、前述した光照射装置1、10、20のいずれかを用いることも可能であり、その他、本発明が適用される光照射装置であれば他の形態の光照射装置を用いることも可能である。
【0101】
なお、本実施形態では、光照射装置30の光源2から照射された照射光Laをミラー部3で反射して円板体Wの径方向すなわち水平方向Xに対して角度θの方向から円板体Wの外周部の表面Wsに対して照射光Laを照射する場合について説明するが、その際、角度θは、上記と同様に、円板体Wの径方向を基準として下向きを正とされる。従って、図12に示される円板体外周検査装置50においては、角度θは負の値をとる。
【0102】
また、本実施形態では、光照射装置30からの照射光Laの照射により円板体Wの外周部の表面Wsで生じ、円板体Wの径方向を基準として上下方向に任意の角度φ(ただし、φは円板体Wの径方向すなわち水平方向Xを基準として下向きを正とする。)を有する方向に散乱される散乱光Lbを受光装置62で受光する場合について説明するが、該表面Wsでの照射光Laの反射光を受光装置62で受光するように構成することも可能である。その場合、角度φは−θの値をとるように設定される。
【0103】
(細部構成及び作用)
本実施形態に係る円板体外周検査装置50の検査装置60は、光の進行方向が逆になること以外は、基本的に、光照射装置30と同様の構成とされている。
【0104】
すなわち、検査装置60は、第2ミラー部61と、図示しない第2アクチュエータと、受光装置62とを備えており、円板体Wの径方向すなわち水平方向Xへの変位量ΔXと、円板体Wの円板面Swに直交する方向すなわち垂直方向Yへの円板体Wの変位量ΔYとは、前述した光照射装置30の変位量検出装置5からの情報がそれぞれ用いられるようになっている。なお、図12においても円板体Wの外周部の表面Wsから受光装置62までの間に適宜設けられるレンズ系等については図示及び説明を省略する。
【0105】
第2ミラー部61は、第3ミラー611と第4ミラー612とで構成されており、第3ミラー611は、円板体Wの外周部の表面Wsで角度φの方向に散乱された散乱光Lbの光軸に対して反射面611aが45°傾斜するように配置されており、第4ミラー612はその反射面612aが第3ミラー611の反射面611aに対して90°傾斜するように固定されている。
【0106】
図示しないアクチュエータは、図1に示した光照射装置1のアクチュエータ4と同様に、第2ミラー部61を散乱光Lbの光軸の方向に移動させる駆動機構を備える駆動部とそれに直交する方向に移動させる駆動機構を備える駆動部とを備え、各駆動機構がそれぞれ独立に駆動されるようになっている。また、アクチュエータは、前記角度φと、記憶手段から読み出された照射位置A(図2参照)における円板体Wの変位量ΔX、ΔYに基づいて、第2ミラー部61を、散乱光Lbの光軸の方向に(ΔX×cosφ−ΔY×sinφ)/2だけ移動させ、それに直交する方向に(ΔX×sinφ+ΔY×cosφ)/2だけ移動させるようになっている。
【0107】
第2ミラー部61の第4ミラー612で反射された散乱光Lbは、本実施形態では第7ミラー63で反射されて、受光装置62に入射されるようになっている。受光装置62は、カメラやCCD等で構成されており、受光装置62で撮影された画像に基づいて円板体Wの外周部の表面Wsに傷等が生じているか否かが検出されるようになっている。
【0108】
このように構成することで、上記の光照射装置1、10、20、30の場合と同様に円板体Wの外周部の表面Wsから受光装置62までの光路長を常時一定に維持することが可能となるため、予め受光装置62上でフォーカス位置が合うように第2ミラー部61の第3ミラー611及び第4ミラー612の位置を調整しておけば、円板体Wの外周部が水平方向Xや垂直方向Yに変位しても、常にフォーカス位置に合う状態を維持することが可能となる。
【0109】
また、図6や図7において照射光Laを散乱光Lbとして光の進行方向を逆方向とし、ミラー部3を第2ミラー部61(第1ミラー31を第4ミラー612、第2ミラーを第3ミラー611)、光源2を受光装置62、第5ミラー7を第7ミラー63にそれぞれ置き換えれば分かるように、円板体Wの外周部が水平方向Xや垂直方向YにΔXやΔYだけ変位しても、第2ミラー部61を上記のように適宜移動させれば、第2ミラー部61の第4ミラー612で反射された後の散乱光Lbは同一の経路をたどって第7ミラー63で反射され、受光装置62の同じ観測ポイントに入射する。
【0110】
そのため、予め第2ミラー部61で反射された光の観測ポイントが受光装置6の視野中心に合う状態に調整されていれば、受光装置6に入射される散乱光Lbの観測ポイントが受光装置6の視野中心に合う状態が常に維持される。
【0111】
(円板体外周検査装置の効果)
以上のように、本実施形態に係る円板体外周検査装置50によれば、円板体Wの外周部が水平方向Xや垂直方向Yに変位しても、光照射装置30により、光源2から照射された照射光Laが円板体Wの外周部の表面Wsやその内部の位置に焦点が合う状態が維持されるといった上記の光照射装置の効果が適切に発揮される。
【0112】
また、検査装置60においては、円板体Wの外周部が水平方向Xや垂直方向Yに変位しても、円板体Wの外周部の表面Wsから受光装置62までの散乱光Lbや反射光の光路長を常時一定に維持することが可能となるため、受光装置62において常にフォーカス位置が合う状態を維持することが可能となる。また、それと同時に、円板体Wの外周部が水平方向Xや垂直方向Yに変位しても、第2ミラー部61の第4ミラー612で反射された光の観測ポイントが常に受光装置62の視野中心に合った状態を維持することが可能となる。
【0113】
また、円板体Wの外周部の表面Wsからの散乱光Lbや反射光を反射する第2ミラー部61は、第3ミラー611や第4ミラー612等で構成される部材であるから、軽量かつコンパクトに構成することができる。従って、検査時に、円板体の外周部が水平方向Xや垂直方向Yに急速に変位しても、第2ミラー部61を容易かつ迅速に移動させることが可能となり、上記の機能が的確に発揮される。
【0114】
(円板体外周検査装置の変形例)
上記の円板体外周検査装置50では、光照射装置30と検査装置60とを別系統として設ける場合について説明したが、ミラー部3と第2ミラー部61とが、ともに入射する光La、Lbの光軸の方向に(ΔX×cosθ−ΔY×sinθ)/2又は(ΔX×cosφ−ΔY×sinφ)/2だけ移動され、それに直交する方向に(ΔX×sinθ+ΔY×cosθ)/2又は(ΔX×sinφ+ΔY×cosφ)/2だけ移動されるため、θ=φの場合には、ミラー部3と第2ミラー部61とはそれぞれの方向に等しい変位量だけ移動される。
【0115】
従って、θ=φの場合、すなわち円板体Wの外周部の表面Wsに照射される照射光Laの角度θと当該表面Wsで散乱され又は反射される光Lbの角度φが同じ場合(図13の場合はθ=φ=0°)には、ミラー部3と第2ミラー部61や、それを移動させるアクチュエータを共通に用いることができる。
【0116】
そのため、例えば、図13に示す円板体外周検査装置70のように、図1に示した光照射装置1の光源2と第5ミラー7との間にハーフミラー71を照射光Laの光軸に対して45°傾斜するように配置し、ハーフミラー71で反射された光Lbを受光装置62で受光する。このようにして、光源2からの照射光Laの光軸と、受光装置62が受光する円板体Wの外周部の表面Wsで散乱され又は反射された光Lbの光軸とを同軸構造とする。
【0117】
その際、光Lbが受光装置62にフォーカス位置が合うように入射され、ミラー部3の第1ミラー31で反射され第5ミラー7やハーフミラー71を介して入射される光Lbの観測ポイントが受光装置62の視野中心に合った状態に予め調整しておくことで、検査時に円板体Wの外周部が水平方向Xや垂直方向Yに変位しても、常にその状態を維持することが可能となる。
【0118】
なお、上記の変形例において、ハーフミラー71を用いる代わりに、例えばプリズムを用いて照射光Laと光Lbとを分光するように構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本実施形態に係る光照射装置の全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態における変位量の検出位置を説明する概略平面図である。
【図3】第1変位量検出装置による水平方向への変位量の検出のしかたを説明する図である。
【図4】第2変位量検出装置による垂直方向への変位量の検出のしかたを説明する図である。
【図5】本実施形態に係る光照射装置の制御構成を示すブロック図である。
【図6】ミラー部をウェーハの水平方向への変位量の半分だけ水平方向に移動させた場合の作用を説明する図である。
【図7】ミラー部をウェーハの垂直方向への変位量の半分だけ垂直方向に移動させた場合の作用を説明する図である。
【図8】光照射装置の変形例の全体構成を示す図である。
【図9】光照射装置の変形例の全体構成を示す図である。
【図10】光照射装置の変形例の全体構成を示す図である。
【図11】図10の変形例における円板体の外周部の表面−ミラー部間の距離の変位量とそれに直交する方向の変位量とを説明する図である。
【図12】本実施形態に係る円板体外周検査装置の全体構成を示す図である。
【図13】円板体外周検査装置の変形例の全体構成を示す図である。
【図14】従来の円板体外周検査装置の全体構成を示す図である。
【図15】円板体の外周部の表面に焦点があった光及び円板体の内部に焦点が合った光を説明する図である。
【図16】図14の円板体外周検査装置でウェーハの水平方向や垂直方向への変位量だけ受光装置を変位させる状態を説明する図である。
【符号の説明】
【0120】
1、10、20、30 光照射装置
2 光源
3 ミラー部
31 第1ミラー
31a 第1ミラーの反射面
32 第2ミラー
32a 第2ミラーの反射面
4 アクチュエータ
5 変位量検出装置
50、70 円板体外周検査装置
61 第2ミラー部
611 第3ミラー
612 第4ミラー
62 受光装置
71 ハーフミラー
A 照射位置
La 光(照射光)
Lb 円板体の外周部の表面での散乱光又は反射光
Sw 円板面(基板表面)
W 円板体
Ws 表面
X 円板体の径方向(水平方向)
ΔX 円板体の径方向への変位量
Y 円板体の円板面に直交する方向
ΔY 円板体の円板面に直交する方向への変位量
θ、φ 角度
θdetect 所定角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板体の外周部の表面に光を照射する光源を備える光照射装置において、
前記円板体の外周部の表面における前記円板体の径方向への変位量と前記円板体の円板面に直交する方向への変位量とをそれぞれ検出する変位量検出装置と、
前記光源からの照射光を反射する第1ミラーと、前記第1ミラーで反射された光を前記照射光の光軸に平行で逆向きに反射する第2ミラーとを備えるミラー部と、
前記ミラー部を、前記照射光の光軸の方向及びそれに直交する方向にそれぞれ移動させるアクチュエータと、を備え、
前記変位量検出装置で検出された前記円板体の径方向への変位量をΔX、前記円板体の円板面に直交する方向への変位量をΔYとし、前記円板体の外周部の表面に対して、前記円板体の径方向を基準として前記円板体の円板面に直交する方向に角度θを有する方向から前記ミラー部の前記第2ミラーで反射された光を照射する場合、前記アクチュエータは、前記ミラー部を、前記照射光の光軸の方向及びそれに直交する方向にそれぞれ(ΔX×cosθ−ΔY×sinθ)/2及び(ΔX×sinθ+ΔY×cosθ)/2だけ移動させることを特徴とする光照射装置。
ただし、θは、前記円板体の径方向を基準として下向きを正とする。
【請求項2】
前記ミラー部の前記第2ミラーは、その反射面が、前記第1ミラーの反射面に対して90°傾斜するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
前記ミラー部の前記第1ミラーは、その反射面が、前記照射光の光軸に対して45°傾斜するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光照射装置。
【請求項4】
前記変位量検出装置は、前記円板体の外周部の表面の照射位置から前記円板体の回転方向の所定角度上流側の位置で前記円板体の径方向への変位量と前記円板体の円板面に直交する方向への変位量とをそれぞれ検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光照射装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記ミラー部を、前記照射光の光軸の方向に移動させる第1駆動機構と、それに直交する方向に移動させる第2駆動機構とを備え、
前記第1駆動機構及び前記第2駆動機構は、それぞれ独立に駆動されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光照射装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光照射装置により前記円板体の外周部の表面に光を照射し、該表面での散乱光又は反射光を受光装置で検出して前記円板体の外周部の表面の検査を行うことを特徴とする円板体外周検査装置。
【請求項7】
前記円板体の外周部の表面での散乱光又は反射光を反射する第3ミラーと、前記第3ミラーで反射された光を前記散乱光又は反射光の光軸に平行で逆向きに反射する第4ミラーとを備える第2ミラー部と、
前記第2ミラー部を、前記散乱光又は反射光の光軸の方向及びそれに直交する方向にそれぞれ移動させる第2アクチュエータと、を備え、
前記円板体の外周部の表面で前記円板体の径方向を基準として前記円板体の円板面に直交する方向に角度φを有する方向に散乱し又は反射した光が前記第2ミラー部に入射する場合、前記第2アクチュエータは、前記第2ミラー部を、前記散乱光又は反射光の光軸の方向及びそれに直交する方向に、それぞれ(ΔX×cosφ−ΔY×sinφ)/2及び(ΔX×sinφ+ΔY×cosφ)/2だけ移動させることを特徴とする請求項6に記載の円板体外周検査装置。
ただし、φは、前記円板体の径方向を基準として下向きを正とする。
【請求項8】
前記光照射装置と前記ミラー部の第1ミラーとの間に、前記光源からの照射光の光軸と、前記受光装置が受光する前記円板体の外周部の表面での散乱光又は反射光の光軸とを同軸構造とするハーフミラー又はプリズムを備えることを特徴とする請求項6に記載の円板体外周検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−121911(P2009−121911A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295381(P2007−295381)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(592153517)株式会社レイテックス (18)
【Fターム(参考)】