説明

半導体サブモジュール、コネクタと半導体サブモジュールとの接続方法、および、光モジュール

【課題】半導体サブモジュールに対する光ファイバの着脱を簡単に行なうことができ、し
かも、光ファイバに特殊な加工を施すことなく光ファイバを、半導体サブモジュールを構成する基板の表面に対しその軸線が平行となるように配列できること。
【解決手段】半導体サブモジュールが、光半導体素子16を一方の表面部分に備える第1
の基板としての基板10と、光半導体素子16を駆動、信号増幅するための半導体素子2
6および外部との電気信号の入出力のために電気コネクタ28を備える第2の基板として
の基板11と、基板10の端部と基板11の端部とを電気的に接続する可撓性接続手段と
してのフレキシブルケーブル12とを含んで構成されるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに接続される複数の基板において光半導体素子または半導体素子が備えられる一方の基板の相対的な移動によって光コネクタ接続時に光モジュール本体の大きさを小型にすることを可能にした半導体サブモジュール、コネクタと半導体サブモジュールとの接続方法、および、光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光インターフェース付モジュールと電子部品とが混載される基板において、光インターフェースを構成する光半導体素子が基板の表面にフリップチップ実装される場合、面発光レーザやフォトディテクタに代表される表面発光素子、あるいは、表面受光素子などの光半導体素子の光入力、光出力の方向は、その基板面に対して垂直となる。また、光信号を導波する光ファイバは、その軸線がその基板の表面に対して水平となるように敷設することが装置仕様等からの要求によって求められている。従って、光半導体素子における光入出力方向と光ファイバに要求される敷設方向との間に、不一致が生じることとなる。
【0003】
このような場合の解決方法の第1の方法として、例えば、特許文献1にも示されるように、その基板に配される光インターフェースを構成する光半導体素子の受光部および発光部と光ファイバの接続端とが、例えば、レセプタクルおよびプラグからなるコネクタを介して接続される方法が提案されている。
【0004】
このような方法の場合、図23に示されるように、基板1上に配される光半導体素子2における受光部2Rおよび発光部2Pには、それぞれ、光信号が矢印の示す基板1の表面に対して垂直となる方向に沿って入出力される。受光部2Rおよび発光部2Pにそれぞれ接続される光ファイバ3の接続端、光ファイバ4の接続端は、基板の表面に対し垂直となるように接続端よりもその上流側、あるいは、その下流側部分が、約90度に折り曲げられて接続されている。
【0005】
また、第2の方法としては、特許文献2および3にも示されるように、光半導体素子の受光部および発光部にそれぞれ対向する光ファイバの端面が45度反射鏡(反射面)を備えるように加工された方法が提案されている。この場合、図24に示されるように、光ファイバ5および6は、その軸線が上述のような光半導体素子2が配される基板1の表面に対して平行となるように配されている。また、光半導体素子2の受光部2Rおよび発光部2Pにそれぞれ対向する光ファイバ5および6の端面には、45度反射鏡5a,6aが備えられている。これにより、矢印の示す方向に沿って光ファイバ5により導かれた光ビームは、45度反射鏡5aで90度をなして屈折され受光部2Rに入力されることとなる。
【0006】
さらに、第3の方法としては、非特許文献1にも示されるように、光ファイバの接続端に対して対向する位置に、光ファイバの軸線に交差するように垂直に固定された基板に光半導体素子が設けられることにより、その基板水平面に光ファイバが敷設可能とされる方式がデファクトスタンダードとして規格されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3511479号公報
【特許文献2】特許第3532456号公報
【特許文献3】特許第3150070号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「Appendix to SNAP12 Multi−Source Agreement」:Rev. 1.1、May 15、2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の第1の方法においては、多数の光半導体素子が並設され、多数の光ファイバが敷設される場合、各光ファイバの接続端に近い部分を一方向だけに折り曲げて接続するので取り扱いが、困難となる虞がある。また、基板上において各光ファイバの接続端に近い部分の折り曲げ可能な空間が必要とされるので多数の光ファイバを敷設することにも限界がある。
【0010】
また、上述の第2の方法においては、45度反射鏡を備える光ファイバを得るために光ファイバおよびコネクタに対し特殊な加工を施さなければならないので製造コストの低減の障害となる。
【0011】
さらに、上述の第3の方法においては、多数の光モジュールの端部から突出したコネクタのプラグの飛び出し部分の占有面積(飛び出し実装面積)が増大するにつれて一つの基板あたりの光モジュールの高密度実装が図れない虞がある。
【0012】
以上の問題点を考慮し、本発明は、半導体サブモジュール、コネクタと半導体サブモジュールとの接続方法、および、光モジュールであって、半導体サブモジュールに対する光ファイバの着脱を簡単に行なうことができ、しかも、光ファイバに特殊な加工を施すことなく光ファイバを、半導体サブモジュールを構成する基板の表面に対しその軸線が平行となるように配列できる安価な半導体サブモジュール、コネクタと半導体サブモジュールとの接続方法、および、光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を達成するために、本発明に係る半導体サブモジュールは、少なくとも一つの穴と、穴を光が貫通するように配置された少なくとも一つの光半導体素子と、光半導体素子を駆動するための半導体素子と、外部との高速電気信号の入力あるいは出力の機能を行う電気コネクタと、光半導体素子および半導体素子相互間を電気的に接続する第1の高速電気信号伝送路と、半導体素子および電気コネクタ相互間を電気的に接続する第2の高速電気信号伝送路と、を共通の搭載面上に有する屈曲性の基板を備え、第1及び第2の高速電気信号伝送路は5Gbps以上100Gbps以下の通信速度の電気信号を伝送し、基板における光半導体素子が搭載される部分が、搭載面における光半導体素子と半導体素子との間の部分を屈曲部として、第1の高速電気信号伝送路を伴って光半導体素子の搭載面の反対側に向けて略90度まで折り曲げ可能であり、光ファイバが搭載面とは反対の面側に配置可能であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法は、コネクタと上述の半導体サブモジュールとの接続方法であって、光半導体素子を備える基板の一部を折り曲げ、かつ、半導体素子を備える基板の他の部分を水平保持する機能を備え、光ファイバが接続されるコネクタを基板の接続部に取り付け時、基板の接続部を所定方向に向け、コネクタの取り付けを容易にし、使用する際、光半導体素子を備える基板の一部を他の部分に対して90度の角度で折りたたんで光ファイバの飛び出しを防ぎ、基板の上方で光ファイバの整列方向が他の部分に対し水平になるようにしたことを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係る光モジュールは、光半導体素子、および、光半導体素子を駆動するドライバが搭載される基板と、光半導体素子に関連して設けられる光入出力用コネクタとを備え、基板における光半導体素子が搭載される第1の部分が、ドライバが搭載される第2の部分との間が90度に折り曲げられることにより、第1の部分が、水平に配される第2の部分に対して垂直に配され、光入出力用コネクタが第2の部分の上方に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る半導体サブモジュール、コネクタと半導体サブモジュールとの接続方法、および、光モジュールによれば、基板における光半導体素子が搭載される部分が、搭載面における光半導体素子と半導体素子との間の部分を屈曲部として、第1の高速電気信号伝送路を伴って光半導体素子の搭載面の反対側に向けて略90度まで折り曲げ可能であり、光ファイバが搭載面とは反対の面側に配置可能であるので半導体サブモジュールに対する光ファイバの着脱を簡単に行なうことができ、しかも、光ファイバに特殊な加工を施すことなく光ファイバを、半導体サブモジュールを構成する基板の表面に対しその軸線が平行となるように配列できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る半導体サブモジュールの第1実施例の全体構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示される例における動作説明に供される断面図である。
【図3】本発明に係る半導体サブモジュールの第2実施例の全体構成を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明に係る半導体サブモジュールの第3実施例の全体構成を概略的に示す断面図である。
【図5A】本発明に係るコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法の第1実施例が適用されたコネクタおよび基板を示す部分断面図である。
【図5B】本発明に係るコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法の第1実施例が適用されたコネクタおよび基板を示す部分断面図である。
【図6A】本発明に係るコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法の第2実施例が適用されたコネクタおよび基板を示す部分断面図である。
【図6B】本発明に係るコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法の第2実施例が適用されたコネクタおよび基板を示す部分断面図である。
【図7A】本発明に係るコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法の第3実施例が適用されたコネクタおよび基板を示す部分断面図である。
【図7B】本発明に係るコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法の第3実施例が適用されたコネクタおよび基板を示す部分断面図である。
【図8】光ファイバの素線の先端の光半導体素子の発光部および受光部に対する位置出しを行なう構成の説明に供される部分断面図である。
【図9】光ファイバの素線の先端の光半導体素子の発光部および受光部に対する位置出しを行なう構成の説明に供される部分断面図である。
【図10】光ファイバの素線の先端の光半導体素子の発光部および受光部に対する位置出しを行なう構成の説明に供される部分断面図である。
【図11】光ファイバの素線の先端の光半導体素子の発光部および受光部に対する位置出しを行なう構成の説明に供される部分断面図である。
【図12A】本発明に係る光モジュールの第1実施例の全体構成を概略的に示す図である。
【図12B】参考例の構成を示す図である。
【図13A】本発明に係る光モジュールの第2実施例の全体構成を概略的に示す図である。
【図13B】参考例の構成を示す図である。
【図14】本発明に係る光モジュールの第3実施例の全体構成を概略的に示す図である。
【図15】本発明に係る光モジュールの第4実施例の全体構成を概略的に示す図である。
【図16A】本発明に係る光モジュールの第5実施例の全体構成を概略的に示す図である。
【図16B】本発明に係る光モジュールの第5実施例の全体構成を概略的に示す図である。
【図17A】本発明に係る光モジュールの第6実施例の全体構成を概略的に示す図である。
【図17B】本発明に係る光モジュールの第6実施例の全体構成を概略的に示す図である。
【図18】本発明に係る光モジュールの第1実施例乃至第6実施例にそれぞれ用いられるMTコネクタの構成を示す斜視図である。
【図19】上述の本発明に係る光モジュールの第1実施例乃至第6実施例にそれぞれ用いられるファイバPCコネクタの構成を示す斜視図である。
【図20】図19に示される例においてハウジングにおけるプラグ接続部を構成する各構成要素を示す斜視図である。
【図21A】図19に示される例における動作説明に供される断面図である。
【図21B】図19に示される例における動作説明に供される断面図である。
【図22A】本発明に係る光モジュールの第5実施例または第6実施例においてロック機構を備える構成を概略的に示す図である。
【図22B】本発明に係る光モジュールの第5実施例または第6実施例においてロック機構を備える構成を概略的に示す図である。
【図23】従来装置における光ファイバの配置を示す図である。
【図24】従来装置における光ファイバの配置を示す図である。
【図25】本発明に係る半導体サブモジュールの第4実施例の全体構成を概略的に示す断面図である。
【図26】図25に示される例における動作説明に供される断面図である。
【図27】本発明に係る半導体サブモジュールの第5実施例の全体構成を概略的に示す断面図である。
【図28】本発明に係る半導体サブモジュールの第6実施例の全体構成を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(A)半導体サブモジュール
図1は、本発明に係る半導体サブモジュールの第1実施例の全体構成を概略的に示す。
【0019】
図1において、半導体サブモジュールは、光半導体素子16を一方の表面部分に備える第1の基板としての基板10と、光半導体素子16を駆動、信号増幅するための半導体素子26および外部との電気信号の入出力のために電気コネクタ28を備える第2の基板としての基板11と、基板10の端部と基板11の端部とを電気的に接続する可撓性接続手段としてのフレキシブルケーブル12とを含んで構成されている。
【0020】
基板10は、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、シリコン、ガラスあるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板10における光半導体素子16が配される表層部には、一端がフレキシブルケーブル12に電気的に接続され、他端が光半導体素子16に接続される高速電気伝送路10waが形成されている。高速電気伝送路10waにおいては、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。
【0021】
光半導体素子16の周囲は、その表層部に設けられるキャップ14により覆われ、封止されている。光半導体素子16は、面発光レーザ、あるいは面発光レーザアレイ、あるいはフォトディテクタ、あるいはフォトディテクタアレイのいずれか、あるいは、それぞれの組み合わせで構成される。なお、第1実施例および後述する他の実施例において、光半導体素子16を代表的な事例として図示しているが、決してこれに限ることなくあらゆる表面入出力型の光半導体素子など、例えば光増幅器などにも適用可能であることは言うまでもない。光半導体素子16が照射する光ビームの波長帯域としては、780、850、1310、1550nmなどがある。
【0022】
基板10における光半導体素子16の受光窓および光出射窓に対向する部分には、光ビームが通過する貫通孔10aが形成されている。光ビーム出力あるいは光ビーム入力のために用いられる貫通孔10aの直径は、例えば、受光窓および光出射窓の直径よりも大となるように100μm程度に設定されている。
【0023】
基板10における他方の表面には、マイクロレンズ18Lを中央に有するガラス製、あるいは、高分子ポリマー、あるいはアクリル系の透明薄板18が当接し固定されている。マイクロレンズ18Lは、貫通孔10aの一方の開口端部に挿入されている。透明薄板18の上面には、コネクタの一部を構成するコネクタハウジング20の開口端部が係合される円筒状、あるいは直方体に穴を備えた支持部22が形成されている。支持部22の中央部には、コネクタハウジング20の孔を通じて導入される直径125μmの光ファイバ24の素線の先端が挿入されるマイクロホール22aが形成されている。その際、コネクタハウジング20内に配される光ファイバ24の素線におけるマイクロホール22aから離隔した部分は、座屈による湾曲部24aが形成されている。これにより、光半導体素子16および光ファイバ24相互間における光ビームの授受が、貫通孔10a、マイクロレンズ18Lを介して行なわれることとなる。
【0024】
基板11は、基板10の材質と同様に、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、シリコン、ガラスあるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板11における半導体素子26および電気コネクタ28が配される表層部には、一端がフレキシブルケーブル12に電気的に接続され、他端が半導体素子26に接続される高速電気伝送路11wbが形成されている。高速電気伝送路11wbにおいては、上述の高速電気伝送路10waの通信速度と同様な通信速度、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。半導体素子26および電気コネクタ28相互間は、高速電気伝送路11waにより接続されている。これにより、基板10と基板11とは、その相互間に配されるフレキシブルケーブル12によって電気的に接続され、従って、光半導体素子16および半導体素子26相互間の電気的接続が得られる。
【0025】
斯かる構成において、光ファイバ24に接続されるコネクタハウジング20が支持部22に係合される場合、図1に示されるように、基板10と基板11とが共通の平面上にあるように配置される。即ち、光半導体素子16および半導体素子26が共通の平面上に実装されることとなる。これにより、コネクタハウジング20の接続作業における取り扱いが容易となる。
【0026】
一方、光ファイバ24を所定の位置に配置する半導体サブモジュールの使用時においては、コネクタハウジング20が支持部22に係合され、光ファイバ24と基板10とが接続された後、図2に示されるように、フレキシブルケーブル12が、基板10の表面の延長面が、基板11の表面の延長面と交差し、かつ、光ファイバ24が基板11の上方を通過するように折り曲げられる。その際、光ファイバ24の軸線は、基板11の表面に対し略平行となる。
【0027】
従って、基板10が、光半導体素子16の実装面に対し裏面となる方向に折り曲げられることにより、光ファイバ24が基板11の裏面上に配置される。これによって、コネクタおよび光ファイバ24を同時に基板11の上に配置することが可能となり、少ない空間スペースで使用することが可能となる。
【0028】
なお、上述の例においては、基板10および基板11上にそれぞれ、1個の光半導体素子16、半導体素子26、電気コネクタ28が代表して示されているが、斯かる例に限られることなく、複数個の光半導体素子16、半導体素子26、電気コネクタ28がそれぞれ、基板10および基板11上に配置されてもよい。
【0029】
図3は、本発明に係る半導体サブモジュールの第2実施例の全体構成を概略的に示す。
【0030】
なお、図3および後述する各実施例においては、図1および図2に示される実施例における構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0031】
図3において、半導体サブモジュールは、光半導体素子16を一方の表面部分に備える第1の基板としての基板40と、光半導体素子16を駆動、信号増幅するための半導体素子26および外部との電気信号の入出力のために電気コネクタ28を備える第2の基板としての基板42と、基板40の端部と基板42の端部とを電気的に接続する可撓性接続手段としての金属線44とを含んで構成されている。
【0032】
基板40は、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、シリコン、ガラスあるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板40における光半導体素子16が配される表層部には、一端が金属線44に電気的に接続され、他端が光半導体素子16に接続される高速電気伝送路40waが形成されている。高速電気伝送路40waにおいては、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。
【0033】
基板40における光半導体素子16の受光窓および光出射窓に対向する部分には、光ビームが通過する貫通孔40aが形成されている。光ビーム出力あるいは光ビーム入力のために用いられる貫通孔40aの直径は、例えば、受光窓および光出射窓の直径よりも大となるように100μm程度に設定されている。
【0034】
金属線44は、バネ性を備え、かつ電気的接続が可能な所望の太さ、例えば、線径10〜150μmまでの範囲の金属線で作られている。
【0035】
基板42は、基板40の材質と同様に、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、シリコン、ガラスあるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板42における半導体素子26および電気コネクタ28が配される表層部には、一端が金属線44に電気的に接続され、他端が半導体素子26に接続される高速電気伝送路42wbが形成されている。高速電気伝送路42wbにおいては、上述の高速電気伝送路40waの通信速度と同様な通信速度、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。半導体素子26および電気コネクタ28相互間は、高速電気伝送路42waにより接続されている。これにより、基板40と基板42とは、その相互間に配される金属線44によって電気的に接続され、従って、光半導体素子16および半導体素子26相互間の電気的接続が得られる。
【0036】
斯かる構成において、光ファイバ24に接続されるコネクタハウジング20が支持部22に係合される場合、図3に二点鎖線で示されるように、基板40と基板42とが共通の平面上にあるように配置されるか、あるいは、実線で示されるように、基板40の表面が基板42の表面に対し斜めとなる状態で配置されることとなる。これにより、コネクタハウジング20の接続作業における取り扱いが容易となる。
【0037】
一方、光ファイバ24を所定の位置に配置する半導体サブモジュールの使用時においては、コネクタハウジング20が支持部22に係合され、光ファイバ24と基板40とが接続された後、基板40の表面を基板42の表面に対して垂直となるように起こすことによって、コネクタおよび光ファイバ24を同時に基板42の表面上または上方に配置することが可能となり、少ない空間スペースで半導体サブモジュールを使用することが可能となる。
【0038】
図4は、本発明に係る半導体サブモジュールの第3実施例の全体構成を概略的に示す。
【0039】
図4に示される実施例においては、上述の実施例のように第1の基板と第2の基板とを分離することなく、一つの基板30を含んで構成される。
【0040】
屈曲可能な柔軟な特性を備えている基板30は、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、あるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板30における光半導体素子16が配される表層部および後述する可動部には、一端が光半導体素子16に電気的に接続され、他端が半導体素子26に接続される高速電気伝送路30wbが形成されている。高速電気伝送路30wbにおいては、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。基板30における光半導体素子16に対向する部分には、貫通孔30aが形成されている。隣接する半導体素子26および電気コネクタ28相互間は、高速電気伝送路30waにより接続されている。
【0041】
基板30における光半導体素子16と半導体素子26との間の部分は、可動部(屈曲部)とされ、高速電気伝送路30wbを伴って図4に二点鎖線および実線で示されるように、変位可能とされる。
【0042】
斯かる実施例においても、上述の実施例と同様に、同一の基板30の屈曲性によって、常に、光ファイバ24およびコネクタの挿抜時の取り扱いが、基板30における半導体素子26および電気コネクタ28が配置される水平面に対して斜め方向で可能となる。また、半導体サブモジュールの使用時においては、光半導体素子16が設けられる基板30における一部分の表面を、光半導体素子16と半導体素子26との間の部分を屈曲部として基板30における上述の水平面に対して略垂直となるように基板30の一部を起こすことにより、コネクタおよび光ファイバ24を同時に、基板30の水平面の上方に配置することが可能となる。従って、少ない空間スペースで半導体サブモジュールを使用することが可能となる。
【0043】
図25および図26は、それぞれ、本発明に係る半導体サブモジュールの第4実施例の全体構成を概略的に示す。
図1に示される上述の第1実施例においては、光半導体素子16が第1の基板としての基板10上に配され、半導体素子26および電気コネクタ28が第2の基板としての基板11上に配される構成であるのに対し、一方、第4実施例においては、光半導体素子16および半導体素子26が第1の基板としての基板140上に配され、電気コネクタ28が第2の基板としての基板141上に配される構成とされる。
【0044】
図25において、半導体サブモジュールは、光半導体素子16および半導体素子26を一方の表面部分に互いに隣接させて備える第1の基板としての基板140と、電気コネクタ28を備える第2の基板としての基板141と、基板140の端部と基板141の端部とを電気的に接続する可撓性接続手段としてのフレキシブルケーブル12とを含んで構成されている。
【0045】
基板140は、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、シリコン、ガラスあるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板140における光半導体素子16が配される表層部には、一端が半導体素子26における一方側の半田ボール端子に電気的に接続され、他端が光半導体素子16の半田ボール端子に接続される高速電気伝送路140waが形成されている。また、基板140における半導体素子26の他方側の半田ボール端子とフレキシブルケーブル12との間には、半導体素子26とフレキシブルケーブル12とを電気的に接続する高速電気伝送路140wbが形成されている。高速電気伝送路140waおよび140wbにおいては、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。
【0046】
このように光半導体素子16および半導体素子26相互間において熱設計上必要とされる所定の間隔(半田ボール端子相互間隔)が、図1に示される例に比べてより小さく設定されているので高速電気伝送路140waにおける表層部に沿った長さが図1に示される例に比べて短くなり、高速電気伝送路140waでの信号劣化を減らすことが可能となる。従って、基板140において伝送効率がより向上することとなる。
【0047】
基板140における光半導体素子16の受光窓および光出射窓に対向する部分には、光ビームが通過する貫通孔140aが形成されている。光ビーム出力あるいは光ビーム入力のために用いられる貫通孔140aの直径は、例えば、受光窓および光出射窓の直径よりも大となるように100μm程度に設定されている。
【0048】
基板141は、基板140の材質と同様に、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、シリコン、ガラスあるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板141における電気コネクタ28が配される表層部には、一端がフレキシブルケーブル12に電気的に接続され、他端が電気コネクタ28に接続される高速電気伝送路141waが形成されている。高速電気伝送路141waにおいては、上述の高速電気伝送路140waおよび140wbの通信速度と同様な通信速度、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。これにより、基板140と基板141とは、その相互間に配されるフレキシブルケーブル12によって電気的に接続され、従って、光半導体素子16および半導体素子26と、電気コネクタ28との間の電気的接続が得られる。
【0049】
斯かる構成において、光ファイバ24に接続されるコネクタハウジング20が支持部22に係合される場合、図25に示されるように、基板140と基板141とが共通の平面上にあるように配置される。即ち、光半導体素子16および半導体素子26と、電気コネクタ28とが共通の平面上に実装されることとなる。これにより、コネクタハウジング20の接続作業における取り扱いが容易となる。
【0050】
一方、光ファイバ24を所定の位置に配置する半導体サブモジュールの使用時においては、コネクタハウジング20が支持部22に係合され、光ファイバ24と基板140とが接続された後、図26に示されるように、フレキシブルケーブル12が、基板140の表面の延長面が、基板141の表面の延長面と交差し、かつ、光ファイバ24が基板141の上方を通過するように折り曲げられる。その際、光ファイバ24の軸線は、基板141の表面に対し略平行となる。
【0051】
従って、基板140が、光半導体素子16の実装面に対し裏面となる方向に折り曲げられることにより、光ファイバ24が基板141の裏面上に配置される。これによって、コネクタおよび光ファイバ24を同時に基板141の上に配置することが可能となり、少ない空間スペースで使用することが可能となる。
【0052】
なお、上述の例においては、基板140および基板141上にそれぞれ、1個の光半導体素子16、半導体素子26、電気コネクタ28が代表して示されているが、斯かる例に限られることなく、複数個の光半導体素子16、半導体素子26、電気コネクタ28がそれぞれ、基板140および基板141上に配置されてもよい。
【0053】
図27は、本発明に係る半導体サブモジュールの第5実施例の全体構成を概略的に示す。
図3に示される上述の第2実施例においては、光半導体素子16が第1の基板としての基板40上に配され、半導体素子26および電気コネクタ28が第2の基板としての基板42上に配される構成であるのに対し、一方、第5実施例においては、光半導体素子16および半導体素子26が第1の基板としての基板144上に配され、電気コネクタ28が第2の基板としての基板146上に配される構成とされる。
【0054】
図27において、半導体サブモジュールは、光半導体素子16および半導体素子26を一方の表面部分に備える第1の基板としての基板144と、電気コネクタ28を備える第2の基板としての基板146と、基板144の端部と基板146の端部とを電気的に接続する可撓性接続手段としての金属線148とを含んで構成されている。
【0055】
基板144は、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、シリコン、ガラスあるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板144における光半導体素子16が配される表層部には、一端が半導体素子26における一方側の半田ボール端子に電気的に接続され、他端が光半導体素子16の半田ボール端子に接続される高速電気伝送路144waが形成されている。また、基板144における半導体素子26の他方側の半田ボール端子と金属線148との間には、半導体素子26と金属線148とを電気的に接続する高速電気伝送路144wbが形成されている。高速電気伝送路144waおよび144wbにおいては、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。
【0056】
このように光半導体素子16および半導体素子26相互間において熱設計上必要とされる所定の間隔(半田ボール端子相互間隔)が、図3に示される例に比べてより小さく設定されているので高速電気伝送路144waにおける表層部に沿った長さが図3に示される例に比べて短くなり、高速電気伝送路144waでの信号劣化を減らすことが可能となる。従って、基板144において伝送効率がより向上することとなる。
【0057】
基板144における光半導体素子16の受光窓および光出射窓に対向する部分には、光ビームが通過する貫通孔144aが形成されている。光ビーム出力あるいは光ビーム入力のために用いられる貫通孔144aの直径は、例えば、受光窓および光出射窓の直径よりも大となるように100μm程度に設定されている。
【0058】
金属線148は、バネ性を備え、かつ電気的接続が可能な所望の太さ、例えば、線径10〜150μmまでの範囲の金属線で作られている。
【0059】
基板146は、基板144の材質と同様に、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、シリコン、ガラスあるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板146における電気コネクタ28が配される表層部には、一端が金属線148に電気的に接続され、他端が電気コネクタ28に接続される高速電気伝送路146waが形成されている。高速電気伝送路146waにおいては、上述の高速電気伝送路144waおよび144wbの通信速度と同様な通信速度、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。これにより、基板144と基板146とは、その相互間に配される金属線148によって電気的に接続され、従って、光半導体素子16および半導体素子26と、電気コネクタ28との電気的接続が得られる。
【0060】
斯かる構成において、光ファイバ24に接続されるコネクタハウジング20が支持部22に係合される場合、図27に二点鎖線で示されるように、基板144と基板146とが共通の平面上にあるように配置されるか、あるいは、実線で示されるように、基板144の表面が基板146の表面に対し斜めとなる状態で配置されることとなる。これにより、コネクタハウジング20の接続作業における取り扱いが容易となる。
【0061】
一方、光ファイバ24を所定の位置に配置する半導体サブモジュールの使用時においては、コネクタハウジング20が支持部22に係合され、光ファイバ24と基板144とが接続された後、基板144の表面を基板146の表面に対して垂直となるように起こすことによって、コネクタおよび光ファイバ24を同時に基板146の表面上または上方に配置することが可能となり、少ない空間スペースで半導体サブモジュールを使用することが可能となる。
【0062】
図28は、本発明に係る半導体サブモジュールの第6実施例の全体構成を概略的に示す。
【0063】
図4に示される第3実施例においては、基板30における光半導体素子16と半導体素子26との間の部分が、可動部(屈曲部)とされ、高速電気伝送路30wbを伴って変位可能とされるのに対し、一方、第6実施例においては、基板150における半導体素子26と電気コネクタ28との間の部分が、可動部(屈曲部)とされ、高速電気伝送路150waを伴って変位可能とされる構成を備えている。
【0064】
屈曲可能な柔軟な特性を備えている基板150は、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、あるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板150における光半導体素子16および半導体素子26が配される表層部には、一端が光半導体素子16の半田ボール端子に接続され、他端が半導体素子26の一方側の半田ボール端子に接続される高速電気伝送路150wbが形成されている。また、上述の可動部における上述の表層部と共通の表層部上には、一端が半導体素子26の他方側の半田ボール端子に接続され、他端が電気コネクタ28に電気的に接続される高速電気伝送路150waが形成されている。高速電気伝送路150waおよび150wbにおいては、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。
【0065】
このように光半導体素子16および半導体素子26相互間において熱設計上必要とされる所定の間隔(半田ボール端子相互間隔)が、図4に示される例に比べてより小さく設定されているので高速電気伝送路150wbにおける表層部に沿った長さが図4に示される例に比べて短くなり、高速電気伝送路150wbでの信号劣化を減らすことが可能となる。従って、基板150において伝送効率がより向上することとなる。
基板150における光半導体素子16に対向する部分には、貫通孔150aが形成されている。
【0066】
基板150における半導体素子26と電気コネクタ28との間の部分は、可動部(屈曲部)とされ、高速電気伝送路150waを伴って図28に二点鎖線および実線で示されるように、変位可能とされる。
【0067】
斯かる実施例においても、上述の実施例と同様に、同一の基板150の屈曲性によって、常に、光ファイバ24およびコネクタの挿抜時の取り扱いが、基板150における電気コネクタ28が配置される水平面に対して斜め方向で可能となる。また、半導体サブモジュールの使用時においては、光半導体素子16が設けられる基板150における一部分の表面を、半導体素子26と電気コネクタ28との間の部分を屈曲部として基板150おける上述の水平面に対して略垂直となるように基板150の一部を起こすことにより、コネクタおよび光ファイバ24を同時に、基板150の水平面の上方に配置することが可能となる。従って、少ない空間スペースで半導体サブモジュールを使用することが可能となる。
【0068】
(B)コネクタと半導体サブモジュールとの接続方法
図5Aおよび5Bは、それぞれ、本発明に係るコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法の第1実施例が適用されたコネクタおよび基板を拡大して示す。
【0069】
図5Aおよび5Bは、上述の半導体サブモジュールの第1実施例から第3実施例に適用可能なコネクタハウジングとマイクロホールを有する支持部の配置例である。
【0070】
コネクタハウジング20の内側には、光ファイバ24の素線の一端が孔20aを通じて挿入されている。コネクタハウジング20が基板10の支持部22に接続されていないとき、即ち、コネクタハウジング20の内周部が支持部22に係合されていない場合、光ファイバ24の素線の一端のたわみ長さLは、例えば、7mm〜10mmに設定されている。光ファイバ24の素線の先端は、コネクタ20の開口端部から突出長さΔLだけ突出している。突出長さΔLは、例えば、零を超え100μm以下に設定されている。その際、支持部22のマイクロホール22aの内径は、光ファイバ24の外径と略同一となる値、例えば、125μmから125.5μmまでの範囲で設定されている。また、支持部22のマイクロホール22aの一方の開口端部は、所定の角度の円錐面が形成されている。
【0071】
斯かる構成において、コネクタハウジング20の内周部が支持部22に係合される場合、図5Bに示されるように、光ファイバ24の素線の先端部は、マイクロホール22aを貫通し、マイクロレンズ18Lあるいは透明薄板18の表面に接触することとなる。
【0072】
その際、コネクタハウジング20の開口部端面が、透明薄板18の表面に接着、あるいは、当接された場合、光ファイバ24の素線は、コネクタハウジング20の内部において座屈状態となる。これにより、マイクロホール22の開口端部とコネクタハウジング20の孔20aの周縁との間に湾曲部24aが形成される。
【0073】
従って、光ファイバ24の素線の端面は、常に、一定の押圧力でマイクロレンズ18Lに密着固定されることになる。その結果、安定した光入出力特性を備える光接続部が、簡易に得られることとなる。
【0074】
図6Aおよび6Bは、本発明に係るコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法の第2実施例が適用されたコネクタおよび基板を示す。
【0075】
図6Aおよび6Bに示される例は、上述の半導体サブモジュールの第1実施例から第3実施例に適用可能なコネクタハウジングとマイクロホールを有する支持部の配置例である。
【0076】
図6Aおよび6Bに示される例は、上述の第1の実施例とは異なり、透明薄板18が取り外されている。
【0077】
光ファイバ24’の素線の外径と基板10’に備えられた穴10’aの内径とを精密に一致させることによって、マイクロホール22’aを通過した光ファイバ24’の素線の先端の基板10’に対する固定が行なわれる。コネクタハウジング20の開口部端面からの光ファイバ24’の素線の飛び出し量ΔLは、コネクタハウジング20を基板10’の裏面側に密着させた際、光半導体素子16の表面と衝突しないように所定の長さΔλに調整されている。
【0078】
なお、光ファイバ24’、基板10’、および、支持部22’は、それぞれ、上述の光ファイバ24、基板10、支持部22と相似形となるように、光ファイバ24’、基板10’、および、支持部22’における各寸法が設定されている。
【0079】
図7A、7Bは、それぞれ、本発明に係るコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法の第3実施例が適用されたコネクタおよび基板を示す。
【0080】
図7Aに示される例は、上述の半導体サブモジュールの第1実施例から第3実施例に適用可能なコネクタハウジングおよび支持部の配置例である。
【0081】
図7Aに示される例は、上述の第1実施例と異なり、透明薄板18とマイクロホールを有する支持部とが取り外されている。
【0082】
光ファイバ24の軸線に沿ったコネクタハウジング20の高さが、所望の高さとすることによって、光ファイバ24の素線の暴れを抑制している。コネクタハウジング20が基板13に対して接続されていないとき、コネクタハウジング20の開口部端面からの突出した光ファイバ24の素線の飛び出し量ΔLは、図7Bに示されるように、コネクタハウジング20の端面を基板13の裏面側に密着(接着)させた際、光半導体素子16の表面と衝突しないように所望の長さに調整されている。
基板13には、光半導体素子16の発光部および受光部に対向して円錐台状の孔13aが形成されている。コネクタハウジング20側に形成されるテーパ状の孔13aにおける一方の開口端部の直径φAは、例えば、150μm、また、孔13aにおける他方の開口端部の直径φBは、100μmに設定されている。なお、基板13の構成は、孔の形状を除き、上述に基板10の構成と同様とされる。
【0083】
これにより、外径125μmの光ファイバ24の素線の外径と基板13に備えられた穴13aの内径を精密に一致させ、光ファイバの素線の光半導体素子16の発光部および受光部に対する位置決めおよび固定を行っている。
【0084】
図8乃至図11は、上述のようなコネクタハウジングが選択的に係合される支持部が設けられる基板上に、上述の透明薄板18が用いられない場合において、光ファイバ24の素線の先端の光半導体素子16の発光部および受光部に対する位置出しを行なう構成を示す。なお、光ファイバ24において、マイクロホールへの挿入を円滑にするため、光ファイバ先端は、テーパ加工が施されている。
【0085】
図8において、基板54における貫通孔54aは、光ファイバ24の外径に対し若干大なる内径に設定されている。また、支持部52のマイクロホール52aの内径は、光ファイバ24の外径と略同一に設定されている。これにより、光ファイバ24の素線の先端の光半導体素子16の発光部および受光部に対する位置出しが可能となる。
【0086】
図9においては、基板58における貫通孔58aは、光ファイバ24の外径にほぼ等しい内径に設定されている。また、支持部56のマイクロホール56aの内径は、光ファイバ24の外径よりも若干大に設定されている。これにより、支持部56のマイクロホール56aが、光ファイバ24における基板58の貫通孔58aへの挿入を手助け補助する役割を果たし、また、光ファイバ24の素線の先端の光半導体素子16の発光部および受光部に対する位置出しが、基板58における貫通孔58aにより行なわれることとなる。
【0087】
従って、図8および図9に示される例においては、封止不要な光半導体素子に適用された場合、その構造を簡略化できるという効果を奏する。また、光ファイバ24の先端を光半導体素子16の発光部および受光部に対し近接可能なのでより光結合効率を高めることができる。
【0088】
なお、基板58の貫通孔58aは、エッチングにより高精度に形成可能なので位置精度を高めることができる。また、基板58の貫通孔58aにより位置出しを行なう場合、光半導体素子16と基板58との実装精度が高まり、従って、より高精度に光ファイバ24の素線と光半導体素子16との位置出しが実現され、光結合効率を向上できる。ただし、基板に上述したような高精度の孔を形成するには高い技術が必要とされるので、斯かる技術を採用しない場合、図8に示される例の構造が適している。
【0089】
図10および図11に示される例は、それぞれ、基板54および58がシリコンで作られている。また、基板54および58における光半導体素子16側の表面には、それぞれ、シリコン酸化膜59および61が形成されている。これにより、光半導体素子16を封止できる構造が得られる。
【0090】
図10において、基板54における貫通孔54aは、光ファイバ24の外径に対し若干大なる内径に設定されている。また、支持部52のマイクロホール52aの内径は、光ファイバ24の外径と略同一に設定されている。これにより、光ファイバ24の素線の先端の光半導体素子16の発光部および受光部に対する位置出しが可能となる。
【0091】
図11においては、基板58における貫通孔58aは、光ファイバ24の外径にほぼ等しい内径に設定されている。また、支持部56のマイクロホール56aの内径は、光ファイバ24の外径よりも若干大に設定されている。
【0092】
図10および図11において、光ファイバ24の素線の先端がシリコン酸化膜59および61に突き当てられるように、光ファイバ24における支持部52および56よりも上流側部分が所定の軸力で撓ませられている。これにより、光ファイバ24における支持部52および56よりも上流側部分に、湾曲部24aが形成されることとなる。
【0093】
(C)光モジュール
図12Aは、本発明に係る光モジュールの第1実施例の全体構成を概略的に示す。
【0094】
図12Aに示される光モジュールにおいては、上述の図1に示される半導体サブモジュールを構成する光半導体素子16を一方の表面部分に備える第1の基板としての基板10と、光半導体素子16を駆動、信号増幅するための半導体素子26および外部との電気信号の入出力のために電気コネクタ28を備える第2の基板としての基板11と、基板10の端部と基板11の端部とを電気的に接続する可撓性接続手段としてのフレキシブルケーブル12とを含む。なお、図12Aにおいては、代表的に一組の光半導体素子16と、光ファイバ64およびコネクタ62とを示す。
【0095】
但し、光モジュールの外郭を形成するケーシング60により、基板10は、その表面の延長面が基板11の表面の延長面に交差するように基板11に対して略垂直に固定されている。また、ケーシング60における基板10の表面に対向する位置には、光ファイバ64に接続されるコネクタ62が配されるレセプタクルが設けられている。コネクタ62は、例えば、図5A乃至図7Aに示されるコネクタハウジングおよび支持部を含むコネクタとされる。
【0096】
これにより、コネクタ62がケーシング60における基板11の上方部分に収納され、かつ、光ファイバ64が、その軸線が基板11の表面に略平行となるように配置されるので光モジュールの小型化が図られる。
【0097】
一方、図12Bに示される参考例のように、コネクタ62が基板11の上方部分に配置されずケーシング60’の端部に配置される場合に比べて本実施例は、ケーシング60’の端部からのコネクタ62の飛び出し量が低減されるので光モジュールの小型化が図られる。
【0098】
さらに、図12Aにニ点鎖線で示されるように、ケーシング60における基板11の上方部分には、光ファイバ64に作用する外力がコネクタ62に加わらないように保持する保持機構66が設けられてもよい。
【0099】
図13Aは、本発明に係る光モジュールの第2実施例の全体構成を概略的に示す。
【0100】
図13Aに示される例においては、図12Aにおける基板10および光半導体素子16に代えて、基板72PBに配される光半導体素子72が配されている。光半導体素子72は、電極に対し裏面出射型の光半導体素子とされるので本実施例においては、光ビームが上述のような基板10を貫通する必要がないものとされる。
【0101】
図13Aにおいては、代表的に一組の光半導体素子72と、光ファイバ64およびコネクタ62とを示す。
【0102】
但し、光モジュールの外郭を形成するケーシング70により、基板72Bは、その表面の延長面が基板11の表面の延長面に交差するように基板11に対して略垂直に固定されている。また、ケーシング70における基板72Bの表面に対向する位置には、光ファイバ64に接続されるコネクタ62が配される。コネクタ62は、例えば、図5A乃至図7Aに示されるコネクタハウジングおよび支持部を含むコネクタとされる。
【0103】
これにより、コネクタ62がケーシング60における基板11の上方部分に収納され、かつ、光ファイバ64が、その軸線が基板11の表面に略平行となるように配置されるので光モジュールの小型化が図られる。
【0104】
一方、図13Bに示される参考例のように、コネクタ62が基板11の上方部分に配置されず、ケーシング70’の端部に配置される場合に比べて本実施例は、ケーシング70’の端部からのコネクタ62の飛び出し量が低減されるので光モジュールの小型化が図られる。
【0105】
図14は、本発明に係る光モジュールの第3実施例の全体構成を概略的に示す。
【0106】
図14に示される光モジュールにおいては、上述の図4に示される半導体サブモジュールを構成する基板30と類似した屈曲可能な柔軟な特性を備えている基板82を備えている。
【0107】
基板82は、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、あるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板82における光半導体素子16が配される表層部には、一端が光半導体素子16に電気的に接続され、他端が半導体素子26に接続される高速電気伝送路82wbが形成されている。高速電気伝送路82wbにおいては、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。基板82における光半導体素子16に対向する部分には、貫通孔82aが形成されている。隣接する半導体素子26および電気コネクタ28相互間は、高速電気伝送路82waにより接続されている。
【0108】
但し、光モジュールの外郭を形成するケーシング80により、基板82における光半導体素子16が設けられる部分は、その表面が半導体素子26の上方となる表面に対し垂直となるように固定されている。また、ケーシング80における光半導体素子16が設けられる基板82の一部分に対向する位置には、光ファイバ64に接続されるコネクタ62が配される。コネクタ62は、例えば、図5A乃至図7Aに示されるコネクタハウジングおよび支持部を含むコネクタとされる。
【0109】
これにより、コネクタ62が、ケーシング80において基板82における半導体素子26および電気コネクタ28の上方となる部分に収納され、かつ、光ファイバ64が、その軸線が基板82の表面に略平行となるように配置されるので光モジュールの小型化が図られる。また、一枚の基板82上に伝送路が形成されるので高速電気信号伝送特性を向上させることができる。
【0110】
図15は、本発明に係る光モジュールの第4実施例の全体構成を概略的に示す。
【0111】
図15に示される例においては、図14における基板82および光半導体素子16に代えて、基板92に配される光半導体素子72が配されている。光半導体素子72は、電極に対し裏面出射型の光半導体素子とされるので本実施例においては、光ビームが上述のような基板を貫通する必要がないものとされる。
【0112】
基板92は、例えば、ポリイミド系またはアクリル系樹脂、あるいは、液晶ポリマーで所定の厚さに作られている。基板92における光半導体素子72が配される表層部には、一端が光半導体素子72に電気的に接続され、他端が半導体素子26に接続される高速電気伝送路92wbが形成されている。高速電気伝送路92wbにおいては、例えば、5Gbps以上100Gbps以下の通信速度(データ転送量)の高速電気信号が、伝送される。隣接する半導体素子26および電気コネクタ28相互間は、高速電気伝送路92waにより接続されている。
【0113】
但し、光モジュールの外郭を形成するケーシング90により、基板92における光半導体素子72が設けられる部分は、その表面が半導体素子26の上方となる表面に対し垂直となるように固定されている。また、ケーシング90における光半導体素子72が設けられる基板92の一部分に対向する位置には、光ファイバ64に接続されるコネクタ62が配される。コネクタ62は、例えば、図5A乃至図7Aに示されるコネクタハウジングおよび支持部を含むコネクタとされる。
【0114】
これにより、コネクタ62が、ケーシング90において基板92における半導体素子26および電気コネクタ28の上方となる部分に収納され、かつ、光ファイバ64が、その軸線が基板92の表面に略平行となるように配置されるので光モジュールの小型化が図られる。また、一枚の基板92上に伝送路が形成されるので高速電気信号伝送特性を向上させることができる。
【0115】
図16Aおよび16Bは、本発明に係る光モジュールの第5実施例の全体構成を概略的に示す。
【0116】
図16Aに示される光モジュールは、上述した図3に示される半導体サブモジュールを内蔵している。図3に示される半導体サブモジュールの構成についての重複説明は、省略される。
【0117】
光モジュールは、基板40が配されるケーシング96と、基板42が配されるケーシング98とを主な要素として含んで構成されている。
【0118】
ケーシング96の一端は、例えば、連結用支持軸により、回動可能にケーシング98の一端に支持されている。基板42は、その表面がケーシング98の上面に対し略平行となるように配置されている。
【0119】
また、ケーシング96における基板40に対向する部分には、光ファイバ102の一端が接続されるコネクタ100が着脱されるコネクタ収容部が形成されている。コネクタ100は、後述されるようなMTコネクタまたはFPCコネクタであってもよい。
【0120】
斯かる構成において、図16Aに実線および二点鎖線で示されるように、コネクタ100がケーシング96におけるコネクタ収容部に対し上方から着脱される場合、例えば、ケーシング96がケーシング98に対し回動され、傾斜した状態で着脱作業が行なわれる。これにより、その着脱作業が容易となる。一方、光ファイバ102が敷設される場合、図16Bに示されるように、ケーシング96およびコネクタ100がケーシング98に近接するようにケーシング96が、矢印の示す方向に向けて回動される。これにより、コネクタ100がケーシング98の端部から突出することなく配置され、しかも、光ファイバ102が、その軸線が基板42の表面に対し略平行となるように配置されることとなる。
【0121】
図17Aおよび17Bは、本発明に係る光モジュールの第6実施例の全体構成を概略的に示す。
【0122】
図17Aに示される光モジュールは、上述した図4に示される半導体サブモジュールを内蔵している。図4に示される半導体サブモジュールの構成についての重複説明は、省略される。
【0123】
光モジュールは、基板30における半導体素子26および電気コネクタ28が配されるケーシング108と、基板30における光半導体素子16が配されるケーシング106とを主な要素として含んで構成されている。
【0124】
ケーシング106の一端は、例えば、連結用支持軸により、回動可能にケーシング108の一端に支持されている。基板30における光半導体素子16が配される部分は、その表面がケーシング108の上面に対し略平行となるように配置されている。
【0125】
また、ケーシング106における基板30に対向する部分には、光ファイバ102の一端が接続されるコネクタ100が着脱されるコネクタ収容部が形成されている。コネクタ100は、後述されるようなMTコネクタまたはFPCコネクタであってもよい。
【0126】
斯かる構成において、図17Aに実線または二点鎖線で示されるように、コネクタ100がケーシング106におけるコネクタ収容部に対し上方から着脱される場合、例えば、ケーシング106がケーシング108に対し回動され、傾斜した状態で着脱作業が行なわれる。これにより、その着脱作業が容易となる。一方、光ファイバ102が敷設される場合、図17Bに示されるように、ケーシング106およびコネクタ100がケーシング108に近接するようにケーシング106が、矢印の示す方向に向けて回動される。これにより、コネクタ100がケーシング108の端部から突出することなく配置され、しかも、光ファイバ102が、その軸線が基板30における半導体素子26が配される部分の表面に対し略平行となるように配置されることとなる。
【0127】
なお、第5実施例および第6実施例においては、それぞれ、図22Aおよび22Bに示されるように、ケーシング98またはケーシング108における上部に、ケーシング96または106をそれぞれ、ケーシング98またはケーシング108に対し固定する嵌合ロック機構が設けられてもよい。嵌合ロック機構は、例えば、コネクタ100の端部を上述の支持軸の方向に向けて付勢し保持するばね部材138であってもよい。
【0128】
さらに、第5実施例および第6実施例において、光半導体素子16の代わりに、上述したような光半導体素子72が装備されたものであってもよいことは勿論である。
【0129】
図18は、上述の本発明に係る光モジュールの第1実施例乃至第6実施例にそれぞれ用いられるMTコネクタの構成を、光モジュールの一部を構成するハウジングとともに概略的に示す。
【0130】
図18において、MTコネクタは、光ファイバリボン110の一端に接続されるフェルール112からなる。直方体のフェルール112における一方の接続端面には、光ファイバリボン110の各光ファイバの素線が露出する孔112ai(i=1〜n,n=12)が形成されている。各孔112aiは、所定の間隔で光ファイバリボン110の幅方向に沿って一列に形成されている。その接続端面は、研磨されている。その孔112aiの配列の両脇には、MTコネクタが図18において矢印の向きに挿入されるとき、ハウジング114内に設けられるガイドピン116Aおよび116Bがそれぞれ嵌合される孔112gaおよび112gbが形成されている。
【0131】
MTコネクタが着脱されるハウジング114は、フェルール112を収容するフェルール収容部内に一対のガイドピン116Aおよび116Bが設けられている。ガイドピン116Aおよび116Bは、その軸線がハウジング114の端部に設けられる垂直基板114Bの表面に垂直となるように所定の間隔をもって相対向して配置されている。
【0132】
シリコンまたはガラスで作られる垂直基板114Bにおけるガイドピン116Aおよび116B相互間となる部分には、図示が省略される光半導体素子からの光ビームが通過する貫通孔114ai(i=1〜n,n=12)が上述の孔112aiに対応させて一列に形成されている。
【0133】
なお、MTコネクタがフェルール収容部内に装着されるとき、バネの弾性力によりフェルール112の接続端面が垂直基板114Bの表面に押し付けられ保持される。また、垂直基板114Bの表面には、上述の例のように、ガラス板、レンズ付ガラス板が設けられてもよい。
【0134】
図19は、上述の本発明に係る光モジュールの第1実施例乃至第6実施例にそれぞれ用いられるファイバPCコネクタの構成を、光モジュールの一部を構成するハウジングとともに概略的に示す。
【0135】
図19において、ファイバPCコネクタは、光ファイバリボン120の一端に固定部を介して接続されるコネクタプラグ122からなる。コネクタプラグ122の接続端面には、光ファイバリボン120の各光ファイバの素線が露出する複数の孔が形成されている。各孔は、所定の間隔で光ファイバリボン120の幅方向に沿って一列に形成されている。光ファイバの先端は、その被覆が除去され片持ち梁状に把持され、後述するマイクロホールへの挿入を円滑にするためにテーパ加工されている。コネクタプラグ122の両側面部には、溝122Gが形成されている。
【0136】
ここで、ファイバPCコネクタ(1996年電子情報通信学会エレクトロソサイエティ大会C−3−133参照)は、MTコネクタのようなフェルールを用いず、裸光ファイバを後述するマイクロホール内で位置合わせし、光ファイバを撓ませることにより、弾性復元力である座屈力により光ファイバの先端を密着させるものである。
【0137】
コネクタプラグ122が着脱されるハウジング124は、コネクタプラグ122を収容するプラグ収容部を有している。プラグ収容部内には、コネクタプラグ122の溝122Gに係合されてコネクタプラグ122を案内するガイドレール124GLが収容部の両側壁に相対向して形成されている。ハウジング124の端部には、垂直基板132が設けられている。垂直基板132は、図20に拡大されて示されるように、その裏面側に配される各光半導体素子130の発光部(受光部)130aに対応して光ビームを通過させる貫通孔132aを一列に所定の間隔で有している。
【0138】
垂直基板132の表面には、ガラス板134が配される。あるいは、図21Bに示されるように、マイクロレンズ134’L付ガラス板134’でもよい。この場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率をさらに高めることができる。
図20に拡大されて示されるように、ガラス板134上には、各光半導体素子130の発光部(受光部)130aおよび各光ファイバの素線に対応したマイクロホール136aを有するマイクロホールアレイ136が載置される。
【0139】
垂直基板132およびマイクロホールアレイ136等をハウジング124の端部に組み付けるにあたっては、先ず、垂直基板132に光半導体素子130が半田ボールを介して基板配線と光半導体素子との配線が位置合わせ実装される。次に、光半導体素子130、ガラス板134およびマイクロホールアレイ136が、垂直基板132の貫通孔132aを利用してその各アライメントマーカ136M、134M、130Mが互いに一致するように実装される。これにより、高精度で光半導体素子130の受光部とマイクロホール136aとが位置合わせされる。
【0140】
コネクタプラグ122がハウジング124のプラグ収容部に装着される場合、コネクタプラグ122がガイドレール124GLによって案内されることにより、光ファイバリボン120の各光ファイバの素線の先端がマイクロホールに挿入され、ガラス板134の表面に当接する。これにより、図21Aに示されるように、光ファイバにおけるマイクロホールアレイ136とコネクタプラグ122における光ファイバリボン120の把持部との間は、撓むこととなる。従って、複数の光ファイバの先端の位置ずれが吸収され、その座屈力により、低反射な接続状態が得られるように光ファイバの先端とガラス板134とが密着される。反射の影響が少ないので光半導体素子の受発光性が良好となり、また、反射で損失する分が少ないので低損失な光結合が実現される。
【0141】
なお、上述のMTコネクタによっては、このように密着させることは困難であるので反射が大である。また、MTコネクタでは、ガイドピンの取り付け位置精度が光半導体素子と光ファイバとの光結合を左右する。そのため、基板にガイドピンを高精度で実装する必要があるので基板には硬さが必要であり、シリコンやガラス板に限定される。
【0142】
一方、ファイバPCコネクタは、光半導体素子とマイクロホールとが垂直基板を介して精度よく固定され、ガイドレールは、光ファイバがマイクロホールに挿入するまでの位置精度を出せばよいので基板が樹脂、液晶であっても十分に位置精度が出せることとなる。
【0143】
なお、図21Aおよび21Bに示されるように、光半導体素子130が封止部材ECで封止された場合、基板の両面から封止できるので通信光が基板を貫通しない構造よりも容易に封止できる。
【符号の説明】
【0144】
10、11、30、40、42 基板
12 フレキシブルケーブル
16 光半導体素子
18 透明薄板
20 コネクタハウジング
24 光ファイバ
26 半導体素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの穴と、該穴を光が貫通するように配置された少なくとも一つの光半導体素子と、該光半導体素子を駆動するための半導体素子と、外部との高速電気信号の入力あるいは出力の機能を行う電気コネクタと、該光半導体素子および該半導体素子相互間を電気的に接続する第1の高速電気信号伝送路と、該半導体素子および該電気コネクタ相互間を電気的に接続する第2の高速電気信号伝送路と、を共通の搭載面上に有する屈曲性の基板を備え、
前記第1及び第2の高速電気信号伝送路は5Gbps以上100Gbps以下の通信速度の電気信号を伝送し、
前記基板における前記光半導体素子が搭載される部分が、前記搭載面における該光半導体素子と前記半導体素子との間の部分を屈曲部として、前記第1の高速電気信号伝送路を伴って該光半導体素子の搭載面の反対側に向けて略90度まで折り曲げ可能であり、光ファイバが前記搭載面とは反対の面側に配置可能であることを特徴とする半導体サブモジュール。
【請求項2】
コネクタと請求項1に記載の半導体サブモジュールとの接続方法であって、
前記光半導体素子を備える前記基板の一部を折り曲げ、かつ、前記半導体素子を備える該基板の他の部分を水平保持する機能を備え、
光ファイバが接続される前記コネクタを該基板の接続部に取り付け時、基板の接続部を所定方向に向け、コネクタの取り付けを容易にし、
使用する際、該光半導体素子を備える該基板の前記一部を前記他の部分に対して90度の角度で折りたたんで前記光ファイバの飛び出しを防ぎ、該基板の上方で該光ファイバの整列方向が該他の部分に対し水平になるようにしたことを特徴とするコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法。
【請求項3】
請求項2において、前記基板に備えられた前記光半導体素子の光信号入出力窓として備えられた少なくとも一つ以上の前記穴の内径が光ファイバ素線の外径に対して所望の値を備え、かつ、該穴は、該穴の光ファイバの挿入を容易にするために、漏斗状に穴形状が加工されており、該穴に前記光ファイバの素線を通した際、該光ファイバの素線のコネクタ先端からの飛び出し長さによって生ずる該光ファイバの素線の座屈状態によって該光ファイバの素線の終端面を、前記基板に備えられたマイクロレンズの表面あるいは透明薄板の表面に対して常に一定の押し当て力で当接させることを特徴とするコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法。
【請求項4】
請求項2において、前記基板の接続部に接続されるコネクタは、断面形状がコの字型、かつ内側のザグリ量の大きさがマイクロホールよりも大きな大きさを備えたコネクタハウジングを備えており、さらに、光ファイバの素線がコネクタ先端からび出した状態で少なくとも一本以上の光ファイバが横一列に整列されており、
前記コネクタハウジングを収容可能なレセプタクルを前記基板におけるマイクロレンズあるいは透明薄板上にさらに備え、該コネクタハウジング開口部端面が該マイクロレンズの表面あるいは該透明薄板の表面、あるいは該レセプタクルと密着した際、該光ファイバの素線のコネクタ先端からの飛び出し長さによって生ずる該光ファイバ素線の座屈状態によって該光ファイバ素線の終端面を、前記マイクロレンズあるいは薄板ガラス表面に対して常に一定の押し当て力で当接させることを特徴とするコネクタと半導体サブモジュールとの接続方法。
【請求項5】
光半導体素子、および、該光半導体素子を駆動するドライバが搭載される基板と、
前記光半導体素子に関連して設けられる光入出力用コネクタとを備え、
前記基板における光半導体素子が搭載される第1の部分が、前記ドライバが搭載される第2の部分との間が90度に折り曲げられることにより、前記第1の部分が、水平に配される前記第2の部分に対して垂直に配され、前記光入出力用コネクタが前記第2の部分の上方に配置されることを特徴とする光モジュール。
【請求項6】
前記光入出力用コネクタがファイバPCコネクタプラグであり、該ファイバPCコネクタプラグ用マイクロホールが、前記第1の部分に設けられることを特徴とする請求項5記載の光モジュール。
【請求項7】
前記光入出力用コネクタに接続される光ファイバが、前記第2の部分の上方に延在することを特徴とする請求項5記載の光モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−15859(P2013−15859A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−204684(P2012−204684)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【分割の表示】特願2008−557106(P2008−557106)の分割
【原出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】